JP5537791B2 - Mtj素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、MTJ(magnetic tunnel junction:磁気トンネル接合)素子における磁化容易軸および磁化困難軸方向のサイズ(critical dimension;CDサイズ)を精度よくコントロールするためのMTJ素子の製造方法に係り、MRAM(magnetoresistive random access memory)、特にSTT(spin-transfer torque)- MRAMの製造に好適なMTJ素子の製造方法に関する。
CMOS(Complementary metal oxide semiconductor) にMTJ技術を適用したMRAMは、書き込み/読み出しの速度、消費電力および寿命などの点においてSRAM(static random access memory) ,DRAM(dynamic random access memory),フラッシュメモリなどの従来の半導体メモリよりも優れた不揮発性メモリであるが、その拡張可能性に限界があった。これに対してSTT- MRAMは従来のMRAMの利点を有しつつ、大きな拡張可能性を有している。従来のMRAMでは、MTJ素子におけるフリー層の磁化方向を切り換えるためにビット線に加えてワード線の電流の切り換えが必要であるが、STT- MRAMでは、フリー層の磁化方向はMTJ素子を流れる電流のみに依存する。但し、STT- MRAMでは、ビットの切り換えにMTJ素子を流れる電流の密度を臨界スイッチング電流密度(Jc)よりも大きくする必要がある。電流密度は一定の電流が与えられるデバイスの物理的サイズに反比例している。MTJ素子のサイズ(CDサイズ)が減少するに伴ってスイッチング効率は良くなる。STT- MRAMではこのCDサイズはきわめて小さく、100nm未満である。
MTJ素子はトンネル磁気抵抗効果(TMR)を有するものであり、薄い非磁性誘電体層を間にした2つの強磁性層を含む積層構造をなしている。MRAMデバイスでは、MTJ素子は下部電極(第1伝導ライン)と上部電極(第2伝導ライン)との間に形成される。のちにパターニングされMTJ素子となるMTJ積層構造は、シード層、反強磁性ピンニング層(AFM)、強磁性ピンド層、トンネル障壁層、強磁性フリー層およびキャップ層を順次積層することにより所謂ボトムスピンバルブ構造となる。AFM層はピンド層の磁気モーメントを一定方向に保持する。フリー層をNiFeにより形成すると、低いスイッチング磁界(Hc)が得られると共に安定したスイッチング磁界均一性(σHc)が得られ、信頼性の高いスイッチング特性を示す。
一方、トップスピンバルブ構造のMTJ素子では、シード層上にフリー層が形成され、このフリー層上にトンネル障壁層,ピンド層,AFM層およびキャップ層の積層構造を有する。ピンド層は、隣接し、例えばy軸方向に磁化されたAFM層との交換結合により、同方向に固定磁気モーメントを有する。フリー層の磁気モーメントはピンド層の磁化方向に対して平行あるいは反平行方向となる。トンネル障壁層は伝導電子の量子力学的トンネリングにより電流が透過する程度に十分薄くなっている。フリー層の磁気モーメントは外部磁界によって変化し、フリー層とピンド層との間の磁気モーメントの相対的な向きによって、トンネル電流が決まると共にトンネル接合の抵抗値が決まる。
このスピンバルブ構造のMTJ素子の情報の読み取り時においては、上部電極から下部電極へセンス電流を流すと、CPP(current perpendicular to plane)構造として知られるように、電流はMTJ構造に対して垂直に流れ、フリー層とピンド層との間の相対的な向きが平行状態(「1」の記憶)であれば低抵抗値、反平行状態(「0」の記憶)であれば高抵抗値がそれぞれ検出される。書き込み時の情報は、フリー層の磁化状態を「1」から「0」、あるいは「0」から「1」へ切り換えることによってMRAMセルに書き込まれる。このようなプロセスは、従来のMRAMでは、MTJ素子の上部または下部に互いに交差するように形成されたビット線およびワード線に電流を流し、それにより外部磁界を印加することによりなされる。
一方、STT- MRAM(スピンRAM)ではスピン伝導磁化スイッチング(spin transfer(spin torque) magnetization switching)効果が用いられる。スピン伝導効果は強磁性層/スペーサ層/強磁性層の積層構造におけるスピンの電子に依存した伝導特性により生ずる。すなわち、スピン偏極電流がCPP構造の各層を横断するとき、強磁性層での電子のスピン角モーメントが強磁性層と非磁性層との界面近傍の強磁性層の磁気モーメントと相互に作用する。この相互作用によって電子の角運動量の一部が強磁性層へ伝導される。その結果、電流密度が十分高く、かつ積層構造のサイズが小さい場合には、スピン偏極電流により強磁性層の磁化方向が切り換わる。このように情報の書き込みのメカニズムについて、STT- MRAMは従来のMRAMとは異なるが、読み出しのそれについては同じである。
STT- MRAMのメモリセル1は、図13に示したようにMTJ素子13、ワード線(WL)6、ビット線(BL)14、下部電極7およびCMOSトランジスタにより構成されている。CMOSトランジスタは、p型半導体層2内にソース領域3およびドレイン領域4を有すると共に、p型半導体層2の上のソース領域3とドレイン領域4との間にゲート電極5を有し、MTJ素子13中のフリー層11に対してスイッチング電流を供給する。MTJ素子13には、更に、AFM(anti ferromagnetic)層8,ピンド層9,絶縁障壁層10およびキャップ層12が含まれている。スピン伝導スイッチングのための臨界電流(Ic)は約数ミリA(アンペア)である。この臨界電流Icは、上面および下面が0.2(μm)×0.4(μm)の面積を持つ現在の180nmノードサブミクロンサイズのMTJ素子では、式(Ic|Ic-|)/2により決定される。臨界電流密度(Jc)(=Ic/A)は、例えば数107 A/cm2 である。
このようなスピン伝導効果を得るためにこのような高い電流密度の電流を供給すると、例えばAl23 ,MgOなどにより形成された薄い絶縁障壁層20が破壊される虞がある。そのためノードサイズが90nm以下のMTJ素子において、スピン伝導磁化スイッチングを実用化ならしめるためには、一般的には100μA/100nmゲート幅の電流を供給するCMOSトランジスタにより駆動できるよう、臨界電流密度(Jc)は数106 A/cm2 未満である必要がある。
STT- MRAMに適用するためには、極小サイズのMTJ素子のトンネル磁気抵抗比(TMR,dR/R)が、従来のMRAMにおけるMTJ素子のそれよりも高いことが要求される。AlOx絶縁障壁層を用いた従来のMRAMにおけるMTJ素子ではdR/Rは約40%である(非特許文献1)。また、特許文献2では、(001)面方向に高精度に配向されたCoFeB/MgO/CoFeB構造のMTJ素子が200%より大きな高dR/Rを示すことが開示されている。
STT- MRAM(スピンRAM)を実用化するためには、このようなCoFeB/MgO/CoFeB構造を有し、高dR/Rを示すMTJ素子にスピン伝導スイッチング機能を付加する手法を見出すことが要求される。MRAMにスピン伝導スイッチングを適用するためには、臨界電流Ic(および電流密度Jc)を、MTJ素子の電気的ブレークダウン現象を避け、かつその下のCMOSトランジスタと両立できる程度のオーダーまでに低減することが望ましい。CMOSトランジスタによりスイッチング電流が供給されメモリセルが選択される。
「spin transfer switching and spin polarization in MTJ with MgO and AlO x barrier 」Appl.Phys.Lett,87,232502(2005). 「230 % room temperature magnetoresistance in CoFeB/MgO/CoFeB MTJ″,Appl.Phys.Lett,V86,p.092502(2005). 米国特許6,984,529公報 米国特許7,067,866公報
STT- MRAMの製造プロセスでは、MTJ素子が極めて小さく、磁化容易軸および磁化困難軸のサイズを最適値にコントロールする必要があるため、STT- MRAMの製造は極めて困難である。CMOSプロセスでは、孤立・高密度のライン状のCDサイズコントロールは一次元方向のみであり、その方法は数多く開発されている。
しかしながら、STT- MRAMプロセスでは、磁化容易軸方向に長さ,磁化困難軸方向に幅をそれぞれ有するポスト形状(あるいは島状)領域の両方向のCDサイズを同時にコントロールする必要がある。従来、フォトリソグラフィー技術において、このポスト領域をどのようにコントロールすればよいかについては検討されていない。x−y平面でのサイズコントロールが重要であるばかりでなく、z方向におけるレジストパターンの厚みも重要な要素となる。レジストパターンが厚くなり過ぎると、その後のエッチング工程で余分なプロセスがかかり、そのためアスペクト比(厚さ/CDサイズ)が必要以上に大きくなり、パターン転写の間に変形する虞がある。一方、レジストパターンが薄過ぎると、パターン崩れを生ずることなくプロセスウィンドウを大きくして転写することができるが、その後のレジストパターンをMTJ積層構造に転写するためのエッチング工程においてレジスト膜が十分なマスクとしての機能を発揮できないという問題がある。
従来、STT- MRAMプロセスでは、孤立・高密度ラインの崩れを抑制するための種々の方法が開発されている。しかしながら、これら方法は、既存のフォトリソグラフィー技術をMRAM用のMTJ素子に適用するだけのものであった。例えば、図14〜図16はその工程を表すものである。基板22上には内部にメタルコンタクト21を有する絶縁膜22が形成されている。STT- MRAM20は、このメタルコンタクト21および絶縁層22上にシード層23、AFM層24、ピンド層25、トンネル障壁層26、フリー層27およびキャップ層28をこの順に積層したものである。この状態からキャップ層28上に矩形状(ポスト領域)のフォトレジスト膜29を形成し(図5(A))、これをマスクとしてキャップ層28以下の層を選択的にエッチングする(図6(A))。しかしながら、この手法では、マスクの形状、すなわちフォトレジスト膜29からなるポスト領域を十分なプロセス余裕をもって精度よく形成することは困難であり、高精度で均一な転写を行うことができなかった(図5,6(B))。このようなことから、STT- MRAMの一連の加工プロセスにおいては、CDサイズが100nm以下のポストパターンを有するMTJ素子の磁化容易軸および磁化困難軸の2つの方向のサイズをともに精度よくコントロールでき、しかもパターン崩れのない程度に十分なプロセス余裕を確保できる方法が要望されている。
その他、特許文献1ではハードマスクをパターニングし、このハードマスクパターンをMTJ積層構造に転写する前に酸化する技術が開示されている。特許文献2では、ハードマスク層を積層構造の上に形成する前に、MTJ素子のビット線方向のサイズを決定する方法が開示されている。ハードマスク層はあとに続くCMP(Chemical mechanical polishing )プロセスにおいてMTJ素子を保護する役割を有する。いずれの方法においても、微細なポストパターンを有するMTJ素子の磁化容易軸および磁化困難軸の2つの方向のサイズをともに精度よくコントロールでき、しかもパターン崩れのない程度に十分なプロセス余裕を確保できるものではなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、特にSTT- MRAM用のMTJ素子の製造プロセスにおいて、磁化容易軸および磁化困難軸のそれぞれの方向のサイズ(CDサイズ)を精度よくコントロールしつつ、ポスト(柱状)パターンを精度よく転写することができるMTJ素子の製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、磁化容易軸および磁化困難軸のそれぞれの方向のCDサイズを決定する際に、エッチング停止点を柔軟にコントロールすることができるMTJ素子の製造方法を提供することにある。
本発明による第1のMTJ素子の製造方法は、底面から表面にかけて、シード層、AFM層、ピンド層、トンネル障壁層、フリー層、ハードマスクスペーサ層およびハードマスク層をこの順に積層してなる積層構造を備え、積層構造が実質的に垂直な側壁を有すると共に、その表面に第1軸方向の第1サイズおよび第1軸に交差する第2軸方向の第2サイズにより決定される領域を有するMTJ素子の製造方法であって、以下の工程を含むものである。
(a)積層構造を基板上に形成する工程
(b)積層構造のハードマスク層の上に第1フォトレジスト膜を形成したのち、第1フォトレジスト膜をパターニングし、各々第1軸に沿った第1サイズの幅の複数のラインを有する第1平行ラインパターンを形成する工程
(c)第1フォトレジスト膜をマスクとした第1エッチングにより、第1平行ラインパターンをハードマスク層に転写し、ハードマスクスペーサ層上に複数の平行ハードマスクラインを形成する工程
(d)平行ハードマスクラインおよびハードマスクスペーサ層の上に第2フォトレジスト膜を形成したのち、第2フォトレジスト膜をパターニングし、平行ハードマスクラインと交差し、かつ各々第2軸に沿った第2サイズの幅を有する複数のラインからなる第2平行ラインパターンを形成する工程
(e)第2フォトレジスト膜をマスクとした第2エッチングにより、第2平行ラインパターンをハードマスク層に転写し、第1サイズおよび第2サイズにより決定される複数のポスト領域を有するポストパターンをハードマスク層に形成する工程
(f)第3エッチングにより、ハードマスク層に形成されたポストパターンを、ハードマスクスペーサ層とハードマスクスペーサ層よりも下の各層に転写することにより各MTJ素子に第1サイズおよび第2サイズを転写し、複数のMTJ素子を形成する工程
ここに、第1軸および第2軸は、例えば互いに直交する磁化容易軸および磁化困難軸のいずれかに相当するものではあるが、その交差角は90度に限定されるものではない。
本発明による第2のMTJ素子の製造方法は、底面から表面にかけて、シード層、AFM層、ピンド層、トンネル障壁層、フリー層、ハードマスクスペーサ層およびハードマスク層をこの順に積層してなる積層構造を備え、積層構造がその表面に第1軸方向の第1サイズおよび第1軸に交差する第2軸方向の第2サイズにより決定される領域を有するMTJ素子の製造方法であって、以下の工程を備えている。
(a)積層構造を基板上に形成する工程
(b)積層構造のハードマスク層の上に第1フォトレジスト膜を形成したのち、第1フォトレジスト膜をパターニングし、前記第1軸に沿った第1サイズの幅の複数のラインを有する第1平行ラインパターンを形成する工程
(c)第1フォトレジスト膜をマスクとした第1エッチングにより、第1平行ラインパターンを前記ハードマスク層に転写し、ハードマスクスペーサ層上に複数の平行ハードマスクラインを形成する工程
(d)平行ハードマスクラインおよびハードマスクスペーサ層の上に第2フォトレジスト膜を形成したのち、第2フォトレジスト膜をパターニングし、平行ハードマスクラインと交差し、かつ第2軸に沿った第2サイズの幅の複数のラインを有する第2平行ラインパターンを形成する工程
(e)第2フォトレジスト膜をマスクとした第2エッチングにより、第2平行ラインパターンをハードマスク層に転写し、第1サイズおよび第2サイズにより決定される複数のポスト領域を有するポストパターンをハードマスク層に形成する工程
(f)第3エッチングにより、ハードマスク層に形成されたポストパターンをハードマスクスペーサ層およびフリー層の一部に転写することによりハードマスクスペーサ層およびフリー層の一部に第1サイズおよび第2サイズを転写し、複数のMTJ素子を形成する工程
本発明による第3のMTJ素子の製造方法は、底面から表面にかけて、シード層、AFM層、ピンド層、トンネル障壁層、フリー層、ハードマスクスペーサ層およびハードマスク層をこの順に積層してなる積層構造を備え、積層構造がその表面に第1軸方向の第1サイズおよび第2軸方向の第2サイズにより決定される領域を有するMTJ素子の製造方法であり、以下の工程を備えている。
(a)積層構造を基板上に第1の厚みとなるように形成する工程
(b)積層構造のハードマスク層の上に第1フォトレジスト膜を形成したのち、第1フォトレジスト膜をパターニングし、第1軸に沿った第1サイズの幅の複数のラインを有する第1平行ラインパターンを形成する工程
(c)第1フォトレジスト膜をマスクとした第1エッチングにより、第1平行ラインパターンを積層構造に転写し、各々2つの側壁を持つ複数のラインを有する平行ラインパターンを形成する工程
(d)基板の上に、各ラインの2つの側壁に隣接して前記第1の厚み以上の厚みを有する平坦な絶縁層を形成する工程
(e)絶縁層上および前記平行ラインパターンの上方に第2フォトレジスト膜を形成したのち、第2フォトレジスト膜をパターニングし、各々第2軸に沿った第2サイズの幅の複数のラインを有する第2平行ラインパターンを形成する工程
(f)第2フォトレジスト膜をマスクとした第2エッチングにより、第2平行ラインパターンを積層構造と絶縁層とに転写し、各々第1サイズおよび第2サイズにより決定される複数のポスト領域を有するMTJポストパターンを形成する工程
(g)第2のエッチングの後、ポスト領域を覆って他の絶縁層を形成し、他の絶縁層の表面とポスト領域の表面とが同一面となるように平坦化処理を行う工程
(h)前記平坦化処理の後、配線層を形成する工程
本発明による第4のMTJ素子の製造方法は、底面から表面にかけて、シード層、AFM層、ピンド層、トンネル障壁層、フリー層、ハードマスクスペーサ層およびハードマスク層をこの順に積層してなる積層構造を備え、積層構造がその表面に第1軸方向の第1サイズおよび第2軸方向の第2サイズにより決定される領域を有するMTJ素子の製造方法であって、以下の工程を含むものである。
(a)積層構造を基板上に第1の厚みを有するように形成する工程
(b)積層構造のハードマスク層の上に第1フォトレジスト膜を形成したのち、第1フォトレジスト膜をパターニングし、各々第1軸に沿った第1サイズの幅を有する複数のラインをからなる第1平行ラインパターンを形成する工程
(c)第1フォトレジスト膜をマスクとした第1エッチングにより、第1平行ラインパターンをハードマスク層、ハードマスクスペーサ層、およびフリー層の少なくとも一部に転写し、各々2つの側壁を有する複数のラインを含む平行ラインパターンを形成する工程
(d)平行ラインパターンの各ラインの2つの側壁に隣接して、平坦かつ第1の厚み以上の厚みを有する絶縁層を形成する工程
(e)絶縁層上および平行ラインパターンの上方に第2フォトレジスト膜を形成したのち、第2フォトレジスト膜をパターニングし、各々前記第2軸に沿った第2サイズの幅の複数のラインを有する第2平行ラインパターンを形成する工程
(f)第2フォトレジスト膜をマスクとした第2エッチングにより第2平行ラインパターンをハードマスク層、ハードマスクスペーサ層、およびフリー層の少なくとも一部と絶縁層とに転写し、各々第1サイズおよび第2サイズにより決定される複数のポスト領域を有するMTJポストパターンを形成する工程
(g)第2のエッチングの後、ポスト領域を覆って他の絶縁層を形成し、他の絶縁層の表面とポスト領域の表面とが同一面となるように平坦化処理を行う工程
(h)前記平坦化処理の後、配線層を形成する工程
本発明のMTJ素子は具体的にはSTT- MRAMデバイスを構成するものであり、ポスト領域の第1サイズおよび第2サイズを、例えばそれぞれ100nm以下とする。本発明では、また、ハードマスク層をTaにより構成すると共に、その厚みを5000nm未満とすること、ハードマスクスペーサ層をCuまたはMnPtにより構成すると共に、その厚みを2000nm以上8000nm以下とすることが好ましい。更には、ポスト領域の第1サイズを第2サイズより大きくすると共に、第1軸をMTJ素子の磁化容易軸、第2軸を磁化困難軸とすることが望ましい。
本発明のMTJ素子の製造方法によれば、MTJ素子のポスト領域を形成するに際して、2つの方向のサイズ(CDサイズ)を別々のフォトリソグラフィー工程により決定するようにしたので、精度のよいポスト領域を形成し、これを下層に転写することができる。すなわち、2つのフォトリソグラフィー工程を別々に実行することにより、1のフォトリソグラフィー工程では、従来のように2つのサイズコントロールを同時に行う必要がなく、1のサイズコントロールだけでよい。従って、フォトリソグラフィー露光装置において、大きなプロセスウィンドウを確保しつつ、より小さなCDサイズを精度よく決定することが可能になる。加えて、2つ方向のCDサイズを決定する際に、エッチング停止点を任意にコントロールすることができ、MTJ素子の形状の自由度が増加する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
[第1の実施の形態]
図1〜図6は本発明の第1の実施の形態に係るMTJ素子の製造工程を表すものである。本実施の形態においては、典型的な例としてSTT- MRAMについて説明するが、MTJ素子を含むものであれば、本発明は読み取り/書き込みヘッドに用いられるMRAMやGMR(giant magneto resistance:巨大磁気抵抗)のような他のデバイスにも適用できるものである。なお、各図面は必ずしも実際の寸法に比例して記載されているものではなく、各要素の相対寸法も現実の要素のそれとは異なる。
図1はSTT- MRAM60の製造過程の途中の状態を表している。このSTT- MRAM60の基板30は、具体的にはトランジスタやダイオードのようなデバイスを含むCMOS構造を有している。
基板30上には、例えばAl2 3 (アルミナ),SiO2 (シリコン酸化膜)などからなる絶縁層31(第1絶縁層)が形成されている。絶縁層31の内部にはメタルコンタクト32が設けられており、これがCMOS構造に電気的に接続されている。メタルコンタクト32は例えばCu(銅)により形成されている。なお、絶縁層31内にはこのメタルコンタクト32が複数形成され、これに応じて基板30上には複数のSTT- MRAM60が形成されているが、ここでは便宜上メタルコンタクト32およびSTT- MRAM60をそれぞれ1つしか示していない。更に、図示しないが、複数のビット線およびワード線が必要に応じて積層構造の上または下に形成される。例えば、MTJ素子はワード線とビット線とが交差する位置において下部電極層とビット線との間に形成される。
絶縁層31上には下部電極層33が形成され、この下部電極層33がメタルコンタクト32に電気的に接続されている。すなわち、下部電極層33はメタルコンタクト32を通じて具体的には基板30内のトランジスタ等(図示せず)と電気的に接続されている。下部電極層33はシード層,伝導層およびキャップ層をこの順で積層してなる複合層である。下部電極層33は、例えばx,y平面の形状が矩形状であり、かつz方向に所定の厚みを有する。
下部電極層33のうちシード層は例えばNiCr,Ta,またはTaNにより形成されている。伝導層は例えばRu,Rh,Irにより形成されるが、その他の金属、例えばAu,Cu,α−Taなどにより形成するようにしてもよい。キャップ層は例えば非晶質Ta層であり、そののちに形成される上層部分を均一にかつ緻密に形成させる機能を有する。
本実施の形態では、この下部電極層33上に順次、MJT積層構造を形成する。このMJT積層構造は、下部電極層33と同一の製造装置により形成することができる。すなわち、下部電極層33およびその他の層は、例えば各々5つのターゲットを持つ3つのPVD(physical vapor deposition)チャンバ、1つの酸化チャンバおよび1つのスパッタエッチングチャンバを有するアネルバ社製のC−7薄膜スパッタリングシステムなどにより作成することができる。3つのPVDチャンバのうち少なくとも1つは共スパッタリングが可能であることが好ましい。スパッタプロセスではアルゴンガスを用い、ターゲットは各層毎の材料金属あるいは合金からなり、基板上に堆積される。
本実施の形態では、下部電極層33に続けて、シード層34、AFM層35、ピンド層(SyAFピンド層)36、トンネル障壁層37、フリー層38、ハードマスクスペーサ層39およびハードマスク層40をこの順に形成する。ここに、シード層34は例えばNiCr,NiFe,NiFeCrにより、例えば400〜5600nmの厚みに形成する。勿論、周知のその他の材料により形成してもよい。
下部電極層33(キャップ層)上に形成されたシード層34は、その表面が平坦で高密度の(111)面であるため、その上に形成される各層が平坦かつ高密度に成長する。AFM層35は、例えばMnPt,IrMn,NiMn,OsMn,RuMn,RhMn,PdMn,RuRhMnあるいはMnPtPdにより形成する。堆積プロセスにおいて、反強磁性層(AFM層35)や強磁性層(FM層)のようなMTJ層に外部磁化が印加されると、所定の軸方向に磁化方向が影響を受ける。本実施の形態では、複数のAFM層35をy軸方向に磁気的に整列させる。
ピンド層36は好ましくは、AP2層/結合層/AP1層の積層構造を有するSyAFピンド層とする。MTJ構造においてSyAFピンド層を用いることにより、温度安定性が向上するだけでなく、フリー層38に印加された中間層結合磁界(オフセット磁界)を低減することができる。ピンド層36のうちAP2層はAFM層35上に形成される。AP2層は、例えばFeを25%含有し、厚みが200〜300nmのCoFe層により形成する。AP2層の磁気モーメントはAP1層のそれとは反平行方向に固定される。AP2層とAP1層とでは厚みが僅かに異なり、それによってピンド層36にy軸方向に沿って小さな磁気モーメントが発生する。AP2層とAP1層との間の交換結合は、好ましくは厚み75nmのRuからなる結合層によって促進される。なお、Ruの代わりにRhやIrを用いてもよい。この結合層上のAP1層は、例えば厚みが150〜250nmのCoFe層あるいは非晶質CoFe層により形成する。
ピンド層36上のトンネル障壁層37は好ましくはMgOにより形成する。このMgOからなるトンネル障壁層37は、厚み80nmの第1Mg層を堆積したのち、この第1Mg層を同じチャンバ内においてラジカル酸化(ROX)や自然酸化(NOX)により酸化し、その後、この酸化層上に厚み20〜60nmの第2Mg層を堆積することにより形成する。このトンネル障壁層37はAlOxやAlTiOxなどの他の材料により形成してもよい。
トンネル障壁層37が結晶性MgOにより形成されると共にフリー層がCoFeBにより形成されたMTJ素子では非常に高い抵抗変化率(dR/R)を得ることができる。すなわち、結晶性MgOにより形成されたトンネル障壁層37を通じて確保されるコヒーレントなトンネリングにより強磁性電極の電子対称性が確保され、その結果高いdR/Rを得ることができる。結晶性MgOからなるトンネル障壁層37を用いることは、MTJ素子のJc,RAおよびRp_covを最適化する点においても好ましい。
トンネル障壁層37上に形成するフリー層38は、ピンド層36におけるAP1層と同じ材料、すなわちここでは非晶質CoFeB層により形成する。フリー層38の厚みは200〜300nmであり、その磁化方向はy軸方向(ピンド層36の磁化方向)になる。フリー層38としてはCoFeやNiFeなどの1または2以上の材料を用いることにより、CoFe/NiFe複合層とてもよい。
本実施の形態において最も重要な要素は、フリー層38上のハードマスクスペーサ層39およびこのハードマスクスペーサ層39上に形成されたハードマスク層40からなる複合キャップ層である。ハードマスクスペーサ層39は、例えばCuまたはMnPtにより構成すると共に、その厚みを2000nm以上8000nm以下とする。ハードマスク層40を例えばTaにより構成すると共に、その厚みを5000nm未満とする。これによりその後のフォトリソグラフィー工程において十分なプロセスウィンドウを確保することができる。
ハードマスクスペーサ層39はハードマスク層40に比べて5〜15倍のエッチング選択性を有している。これによりその後に続くエッチングプロセスでのエッチングマージンをより大きくすることができ、磁化容易軸および磁化困難軸に沿ったCDサイズを決定することができる。
本実施の形態では、MTJ素子の全ての層を積層したのちのアニール工程が重要である。例えば、具体的な例として、MTJ素子が積層したのち、1〜5時間、真空中で磁化容易軸方向に10KOeの磁界を印加しつつ250℃〜300℃の温度でアニールする。このアニールはまた磁化困難軸方向にも施す。
図2(A),(B)は、MTJ素子の全ての層を堆積しアニール工程が終了したのちの工程を表すものである。すなわち、ハードマスク層40の上に第1フォトレジスト膜41を形成し、この第1フォトレジスト膜41をパターニングして第1サイズdの幅のラインを有する第1平行ラインパターンを形成する。第1平行ラインパターンは複数のラインを有するものであるが、ここでは1のラインしか示していない。第1サイズdは、磁化容易軸および磁化困難軸のいずれか一方、ここではx軸(第1軸)方向のMTJ素子の所望のCDサイズに対応している。
本実施の形態のプロセスにおいて重要なことは、磁化困難軸方向のCDサイズを、磁化容易軸方向のCDサイズとは別のフォトリソグラフィー工程により個別に決定することである。これによりMTJ素子の上面から見た領域(面積)をより精度良くコントロールすることができる。その結果、本実施の形態では、形成された複数のMTJ素子がより均一な形状を有すると共に、図14〜図16に示した従来方法よりも安定した製造が可能になる。本実施の形態の製造方法は、特に磁化困難軸方向および磁化容易軸方向のサイズの少なくとも一方が100nm以下の場合に有効である。
次に、図3(A),(B)に示したように、第1フォトレジスト膜41をマスクとした第1エッチング、例えばRIE(Reactive Ion Etching) によりハードマスク層40を選択的に除去する。このRIEでは、例えばCF4 あるいは他のフルオロカーボンガス(過フッ化炭化水素)を用いるが、ここではハードマスク層40とはエッチング速度の異なるハードマスクスペーサ層39がストッパとして機能する。すなわち、ハードマスク層40の露出領域がハードマスクスペーサ層39よりも速く、好ましくは5〜15倍の速さでエッチングされる。その結果、第1平行ラインパターンがハードマスク層40に転写され、複数の平行ハードマスクライン40aが形成される。一般に、エッチングプロセスではフォトレジスト膜の侵食などの要因によって必ずしも完全に転写されるものではないので、第1フォトレジスト膜41のライン幅dはハードマスク層40ではライン幅d1 に変化する。第1フォトレジスト膜41は第1平行ラインパターンをハードマスク層40に転写したのちに、公知の手法により除去する。
次に、図4(A),(B)に示したように、STT- MRAM60の積層構造、すなわち平行ハードマスクライン40aおよびハードマスクスペーサ層39の上に第2フォトレジスト膜42を形成したのち、第2フォトレジスト膜42をパターニングして第2平行ラインパターンを形成する。この第2平行ラインパターンの各ラインは平行ハードマスクライン40aと、0度より大きく90度以下の範囲内で交差する。また、第2平行ラインパターンの各ラインは磁化容易軸方向(y軸方向)のCDサイズに相当する幅(第2サイズ)eを有する。なお、x軸が磁化容易軸方向を表す場合にはy軸が磁化困難軸となる。いずれの場合においても、本実施の形態では、サイズd,eは別々のフォトリソグラフィープロセスにより形成されており、これにより領域e×d(およびe1 ×d1 )(図5(B))のコントロールが良好になされることに重要な意義を有する。なお、具体例では幅eと幅dとは同じであるが、異なっていてもよく、例えば磁化容易軸方向のサイズが磁化困難軸方向のそれよりも2倍程度となっていてもよい。
次に、図5(A),(B)に示したように、第2平行ラインパターン(第2フォトレジスト膜42)をマスクとした第2エッチングにより、第2平行ラインパターンを先に形成した平行ハードマスクライン40a(ハードマスク層40)に転写する。この第2エッチングは第1エッチングと同様のプロセスにより行うことができ、同じくハードマスクスペーサ層39がエッチングストッパとなる。この第2エッチングにより、ハードマスク層40にはx軸方向がサイズd1 、y軸方向がサイズe1 の複数のポスト領域40pを有するポストパターンが形成される。y軸方向のサイズe1 は第2平行ラインパターン(第2フォトレジスト膜42)における幅eとはわずかに異なっている。第2平行ラインパターンをハードマスク層40に転写したのちは、第2フォトレジスト膜42を公知の手法により除去する。
図5(B)に示したポスト領域40pは正方形であるが、長方形状であってもよい。ポスト領域40pの角部分は、平行ハードマスクライン40a(ハードマスク層40)の端部部分と交差している第2フォトレジスト膜42のライン幅のわずかな変化によって多少丸まっている。これらのライン幅の変化は、次の第2エッチング工程においてポスト領域40pの角部分の丸みに移し変えられる。それゆえポスト領域40pはMTJ素子に適した円形あるいは楕円形とすることが好ましい。但し、所望の磁気安定性を維持するためにはMTJ素子が楕円形状であることが望ましい従来のMRAMとは異なり、STT- MRAMのためのMTJ素子はその形状依存性は少ないと考えられており、矩形状および楕円形状のいずれであってもよい。エッチング幅e1 がd1 と異なる場合には、磁化容易軸方向のサイズはe1 ,d1 のうちの大きな方となる。
続いて、図6(A),(B)に示したように、第3エッチング、例えばRIEによりハードマスク層40のポスト領域40pをハードマスクスペーサ層39から下の各層に転写して複数のMTJ素子を形成する。これによりシード層33からハードマスクスペーサ層39までの積層構造は、図6(B)に示したようにポスト領域40pと実質的に同じサイズ(d1,e1)の柱状形状となる。すなわち、MTJ素子は実質的に垂直な側壁を有する。ポスト領域40p(ハードマスク層40の一部)は、下部電極層33をストッパとした第3エッチングの間に浸食される。この第3エッチングには、例えばCH3 OH,C2 5 OHあるいはCO/NH3 を用いる。これにより、まずハードマスクスペーサ層39の露出領域が実質的にポスト領域40pよりも速く選択的にエッチングされる。
あるいは、この第3エッチングにより、ここでは図示しないが、ハードマスク層40のポスト領域40pの形状をハードマスクスペーサ層39に加えて、フリー層38の少なくとも一部まで転写するようにしてもよい。すなわち、フリー層38の途中でエッチングを停止してもよく、また、フリー層38の全部、あるいは更にその下の層全部あるいは一部まで転写するようにしてもよい。第3エッチングの間、ポスト領域40pの下の各層のエッチング速度は、好ましくはポスト領域40pのそれの5〜15倍とする。これにより本実施の形態のMTJ素子では、積層構造34〜37上に層38p〜40pを有する柱状(ポスト)構造が形成される。第3エッチングをフリー層38の途中で停止した場合には、フリー層38のうちトンネル障壁層37上のポスト領域38pが存在しない領域(残存領域)が酸化され、酸化膜(絶縁膜)となる。その結果、STT- MRAM60は隣接するSTT- MRAMと電気的に分離される。酸化は,自然酸化(NOX)でもよく、あるいはラジカル酸化(ROX)によってもよい。この酸化は短いプロセスであり、少量の酸素をフリー層38の残存領域内へ拡散させることにより実現できる。そして、この酸化プロセスによってMTJ素子の特性が向上する。
その後の工程については図示しないが、好ましくは、下部電極層33を選択的にエッチングすることにより複数の下部電極を形成し、続いてこれら下部電極上に絶縁材料を堆積させてポスト領域40pを水平に覆う。あるいは、下部電極層33を、その上の各層を積層しエッチングしてMTJ素子を形成する前に選択的にエッチングしておくようにしてもよい。
第3エッチングが終了し、下部電極層33の形状が規定されたのちは、CMPプロセスを実行し、絶縁層の表面をポスト領域40pの表面と同一面となるように平坦化する。CMPプロセスはポスト領域40pの上方位置で停止し、そののちRIEプロセスによって絶縁層のポスト領域40p上の部分を選択的に除去する。その後は、例えば電気めっきプロセスにより絶縁層上に複数のビット線を形成すると共に、そのうちの1つをポスト領域40pに接触させ、電気的に接続させる。
[第2の実施の形態]
図7〜図12は、本発明の第2の実施の形態に係るMTJ素子の製造方法を表すものである。本実施の形態においても、磁化容易軸方向および磁化困難軸方向の各CDサイズを、平行ラインパターンの形成ステップを含む別々のリソグラフィープロセスにより規定されることは共通する。本実施の形態では、第1の実施の形態で説明した第1および第2エッチングプロセスを多少変更し、STT- MRAMデザインに柔軟性を持たせたものである。
まず、図7(A),(B)に示したように、第1リソグラフィー工程の後の第1エッチング工程を変更する。すなわち、図2(A),(B)に示した平行フォトレジストラインパターンを第1エッチング工程において、MTJ素子の積層構造の全ての層33〜40に転写する。これにより、シード層34a、AFM層35a、ピンド層(SyAFピンド層)36a、トンネル障壁層37a、フリー層38a、ハードマスクスペーサ層39aおよびハードマスク層40aの全てが実質的に同じ幅d1 を有するものとなる。そののち、第1エッチングにより残存しているフォトレジスト膜を全て除去する。
なお、第1エッチング工程において、全ての層をエッチングすることなく、平行ラインパターンをハードマスク層40およびハードマスクスペーサ層39に加えて、フリー層38の厚み方向の上側部分までに転写するようにしてもよい。この場合には第1エッチングはフリー層38の内部で停止する。この場合、トンネル障壁層37上のフリー層38の残存部分は第1の実施の形態で説明したように酸化される。これによりMTJ素子の上層部分38a〜40が他の隣接する他のSTT- MRAM60と絶縁分離される。このとき前述のように少量の酸素がフリー層38aとして表されたフリー層38の上層部分に拡散される。なお、平行ラインパターンをフリー層38の厚み方向の一部ではなく全部に転写するようにしてもよく、この場合にはエッチングはトンネル障壁層37の表面で停止させる。
本実施の形態では、次に、図8(A),(B)に示したように、図7(A),(B)のプロセスで形成したSTT- MRAM60上に、SiO2 ,Al2 3 その他の誘電体材料からなる第2絶縁層43を形成する。第2絶縁層43の上面43aはハードマスク層40a上のバンプ(隆起部)43bを除いて平坦となる。好ましくは、図8(A)に示したように、第2絶縁層43の上面43aはハードマスク層40aの上面から一定の距離tだけ離れたものとする。
続いて、図9(A),(B)に示したようにCMPプロセスを実行し、第2絶縁層43を平坦化すると共にその表面43aをハードマスク層40aの上面と同一面とする。なお、第2絶縁層43の表面43aがハードマスク層40aの上方位置で平坦化されるようにしてもよい。
次に、図10(A),(B)に示したように第2絶縁層43上に第2フォトレジスト膜を形成し、第2フォトリソグラフィー工程によりパターニングし、各々平行ハードマスクライン40aに対して垂直な複数の平行フォトレジストライン44からなる平行ラインパターンを形成する。ここでは垂直であるが、フォトレジストライン44と平行ハードマスクライン40aとは、0度より大きく90度未満の範囲内で交差すればよいことは第1の実施の形態と同様である。また、第1の実施の形態と同様に、フォトレジストライン44は、続いて形成されるMTJ素子の磁化困難軸または磁化容易軸方向のCDサイズに相当するy軸方向の幅eを有する。本実施の形態では、第2フォトレジスト膜は平坦面に形成されるので、平行フォトレジストライン44を形成するためのプロセスウィンドウは、第2フォトレジスト膜が凸部(ハードマスクスペーサ層39の上方のハードマスクライン40a)上に形成された第1の実施の形態のそれよりも大きくなる。
次に、図11(A),(B)に示したように、第2エッチング工程により、第2フォトレジスト膜のラインパターンをMTJ素子の各層34〜40に転写する。図11(B)からも明らかなように上面から見てハードマスク層40のポスト領域40pはx軸方向に幅d1 、y軸方向に幅e1 を有する。d1 とe1 とは大きさが異なり、磁化容易軸はこれらd1 ,e1 のうちいずれか大きな方の軸方向に相当するものとなる。更に、MTJ素子の積層構造のうちの残りの層34a〜39aには、ハードマスク層40のポスト領域40pと実質的に同じ面積(d1 ×e1 )を有する柱状形状34p〜39pが転写される。第2絶縁層43はポスト領域40pと同一面を形成する。
なお、本実施の形態の変形例として、図12(A),(B)に示したように、第2エッチングによるポスト領域40pの転写をハードマスクスペーサ層39、フリー層38およびトンネル障壁層37で停止するようにしてもよい。あるいは、フリー層38の途中で停止するようにしてもよい。
本変形例では、MTJ素子は積層構造34〜36上に柱状形状の各層37p〜40pを有するものとして形成される。第2エッチングをフリー層38の途中で停止した場合には、トンネル障壁層37上のフリー層38の残存部分は第1の実施の形態で説明したように酸化され絶縁層(図示せず)に変化する。これによりSTT- MRAM60が隣接する他のSTT- MRAM60と絶縁分離される。酸化は第1の実施の形態と同様に自然酸化(NOX)でもよく、あるいはラジカル酸化(ROX)によってもよい。
第2の実施の形態では、磁化容易軸および磁化困難軸方向の2つのCDサイズを決定する2つのフォトリソグラフィー工程および2つのエッチング工程の組み合わせにより、図11(A),(B)および図12(A),(B)に示される例からも明らかなように、以下の態様をとることができる。すなわち、第1の態様では、第1および第2のエッチングをともに下部電極層33上で停止する。第2の態様では、第1および第2のエッチングはともにトンネル障壁層37またはフリー層38の内部で停止する。第3の態様では、第1および第2のエッチングのうち一方では下部電極層33上で停止し、他方ではトンネル障壁層37またはフリー層38の内部で停止する。
なお、図11(A)は図11(B)に示した磁化困難軸を含む平面51−51に沿った断面形状、図12(A)は図12(B)に示した磁化容易軸を含む平面50−50に沿った断面形状を表している。勿論、平面51−51が磁化容易軸、平面50−50が磁化困難軸をそれぞれ含むようにしてもよい。
STT- MRAM60を完成する以後の工程は図示しないが、好ましくは、下部電極層33を選択的にエッチングすることにより複数の下部電極を形成し、続いてこれら下部電極層(またはトンネル障壁層37)の上に第3の絶縁層を堆積させてハードマスク層40のポスト領域40pを水平に覆う。そののち、CMPプロセスを実行し、第3の絶縁層の表面をポスト領域40pおよび第2絶縁層43の表面と同一面となるように平坦化する。CMPプロセスはポスト領域40pの上方位置で停止し、そののちRIEプロセスによって絶縁層のポスト領域40p上の部分を選択的に除去する。その後は、例えば電気めっきプロセスにより絶縁層上にプロセスのビット線を形成すると共に、そのうちの1つをポスト領域40pに接触させ、電気的に接続させる。
上記2つの実施の形態では、MTJ素子の製造工程において以下の特別な効果を奏する。すなわち、上記実施の形態では、磁化容易軸および磁化困難軸方向の2つのCDサイズが2つのフォトリソグラフィー工程により別々に決定され、それによって精度の良いコントロールが可能になり、上面から見たMTJ領域(e1 ×d1 )の大きさが均一になる。このように2つのフォトリソグラフィー工程を別々に実行することにより、1のフォトリソグラフィー工程では2つのサイズコントロールを同時に行う必要がなく、1のサイズコントロールだけでよいので、フォトリソグラフィー露光装置において、より大きなプロセスウィンドウを確保しつつより小さなCDサイズを転写することが可能になる。
更に、上記実施の形態では、従来の2つのサイズコントロールを同時に行う場合に比べてライン崩れのおそれが少ないので、各フォトリソグラフィー工程においてフォトレジスト膜の厚みを薄くすることができる。これによりフォトリソグラフィー露光装置の寿命が長くなると共に、再露光作業が不要となるため、コストおよび効率の低下を低減することができる。上記実施の形態では、また、磁化容易軸および磁化困難軸の各サイズを決定する際のエッチングの停止位置を任意選択することが可能になり、MTJ素子の形状の設計の自由度が増す。
本発明の第1の実施の形態に係るMTJ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図1の工程に続く工程を表すもので、(A)は断面図、(B)は平面図をそれぞれ表す。 図2の工程に続く工程を表すもので、(A)は断面図、(B)は平面図をそれぞれ表す。 図3の工程に続く工程を表すもので、(A)は断面図、(B)は平面図をそれぞれ表す。 図4の工程に続く工程を表すもので、(A)は断面図、(B)は平面図をそれぞれ表す。 図5の工程に続く工程を表すもので、(A)は断面図、(B)は平面図をそれぞれ表す。 本発明の第2の実施の形態に係るMTJ素子の製造プロセスを説明するためのもので、(A)は断面図、(B)は平面図をそれぞれ表す。 図7の工程に続く工程を表す断面図である。 図8の工程に続く工程を表すもので、(A)は断面図、(B)は平面図をそれぞれ表す。 図9の工程に続く工程を表すもので、(A)は断面図、(B)は平面図をそれぞれ表す。 図10の工程に続く工程を表すもので、(A)は断面図、(B)は平面図をそれぞれ表す。 第2の実施の形態の変形例を表すもので、(A)は断面図、(B)は平面図をそれぞれ表す。 STT- MRAMデバイスの構成を表す断面図である。 従来のMTJ素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 図14の工程に続く工程を表すもので、(A)は断面図、(B)は平面図をそれぞれ表す。 図15の工程に続く工程を表すもので、(A)は断面図、(B)は平面図をそれぞれ表す。
符号の説明
30…基板、31…絶縁層(第1絶縁層)、32…メタルコンタクト、33…下部電極層、34…シード層、35…反強磁性層(AFM層)、36…ピンド層、37…トンネル障壁層、38…フリー層、39…ハードマスクスペーサ層、40…ハードマスク層、40a…ハードマスクライン、40…ハードマスク層、41…第1フォトレジスト膜、42…第2フォトレジスト膜、43…絶縁層(第2絶縁層)60…STT- MRAM。

Claims (22)

  1. 底面から表面にかけて、シード層、AFM層、ピンド層、トンネル障壁層、フリー層、ハードマスクスペーサ層およびハードマスク層をこの順に積層してなる積層構造を備え、前記積層構造が実質的に垂直な側壁を有すると共に、その表面に第1軸方向の第1サイズおよび第1軸に交差する第2軸方向の第2サイズにより決定される領域を有するMTJ素子の製造方法であって、
    (a)前記積層構造を基板上に形成する工程と、
    (b)前記積層構造のハードマスク層の上に第1フォトレジスト膜を形成したのち、前記第1フォトレジスト膜をパターニングし、各々前記第1軸に沿った第1サイズの幅の複数のラインを有する第1平行ラインパターンを形成する工程と、
    (c)前記第1フォトレジスト膜をマスクとした第1エッチングにより、前記第1平行ラインパターンを前記ハードマスク層に転写し、前記ハードマスクスペーサ層上に複数の平行ハードマスクラインを形成する工程と、
    (d)前記平行ハードマスクラインおよび前記ハードマスクスペーサ層の上に第2フォトレジスト膜を形成したのち、前記第2フォトレジスト膜をパターニングし、前記平行ハードマスクラインと交差し、かつ各々前記第2軸に沿った第2サイズの幅を有する複数のラインからなる第2平行ラインパターンを形成する工程と、
    (e)前記第2フォトレジスト膜をマスクとした第2エッチングにより、前記第2平行ラインパターンを前記ハードマスク層に転写し、前記第1サイズおよび第2サイズにより決定される複数のポスト領域を有するポストパターンを前記ハードマスク層に形成する工程と、
    (f)第3エッチングにより、前記ハードマスク層に形成された前記ポストパターンを、前記ハードマスクスペーサ層と前記ハードマスクスペーサ層よりも下の各層に転写することにより各MTJ素子に前記第1サイズおよび前記第2サイズを転写し、複数のMTJ素子を形成する工程
    含むMTJ素子の製造方法。
  2. 前記ポスト領域の第1サイズおよび第2サイズをそれぞれ100nm以下とし、前記MTJ素子によりSTT- MRAMデバイスを構成する請求項1に記載のMTJ素子の製造方法。
  3. 前記ハードマスク層をTaにより構成すると共に、その厚みを5000nm未満とする請求項1に記載のMTJ素子の製造方法。
  4. 前記ハードマスクスペーサ層をCuまたはMnPtにより構成すると共に、その厚みを2000nm以上8000nm以下とする請求項1に記載のMTJ素子の製造方法。
  5. 前記ポスト領域の第1サイズを第2サイズより大きくすると共に、前記第1軸を前記MTJ素子の磁化容易軸とする請求項1に記載のMTJ素子の製造方法。
  6. 底面から表面にかけて、シード層、AFM層、ピンド層、トンネル障壁層、フリー層、ハードマスクスペーサ層およびハードマスク層をこの順に積層してなる積層構造を備え、前記積層構造がその表面に第1軸方向の第1サイズおよび第1軸に交差する第2軸方向の第2サイズにより決定される領域を有するMTJ素子の製造方法であって、
    (a)前記積層構造を基板上に形成する工程と、
    (b)前記積層構造のハードマスク層の上に第1フォトレジスト膜を形成したのち、前記第1フォトレジスト膜をパターニングし、前記第1軸に沿った第1サイズの幅の複数のラインを有する第1平行ラインパターンを形成する工程と、
    (c)前記第1フォトレジスト膜をマスクとした第1エッチングにより、前記第1平行ラインパターンを前記ハードマスク層に転写し、前記ハードマスクスペーサ層上に複数の平行ハードマスクラインを形成する工程と、
    (d)前記平行ハードマスクラインおよび前記ハードマスクスペーサ層の上に第2フォトレジスト膜を形成したのち、前記第2フォトレジスト膜をパターニングし、前記平行ハードマスクラインと交差し、かつ前記第2軸に沿った第2サイズの幅の複数のラインを有する第2平行ラインパターンを形成する工程と、
    (e)前記第2フォトレジスト膜をマスクとした第2エッチングにより、前記第2平行ラインパターンを前記ハードマスク層に転写し、前記第1サイズおよび第2サイズにより決定される複数のポスト領域を有するポストパターンを前記ハードマスク層に形成する工程と、
    (f)第3エッチングにより、前記ハードマスク層に形成された前記ポストパターンを前記ハードマスクスペーサ層および前記フリー層の一部に転写することにより、前記ハードマスクスペーサ層および前記フリー層の一部に前記第1サイズおよび前記第2サイズを転写し、複数のMTJ素子を形成する工程と
    を含むMTJ素子の製造方法。
  7. 前記ポスト領域の第1サイズおよび第2サイズをそれぞれ100nm以下の臨界寸法とし、前記MTJ素子によりSTT- MRAMデバイスを構成する請求項6に記載のMTJ素子の製造方法。
  8. 前記第3エッチングを前記トンネル障壁層上で停止する請求項6に記載のMTJ素子の製造方法。
  9. 前記第3エッチングを前記フリー層内で停止し、前記フリー層の上側部分をポスト形状とすると共に、前記フリー層の下側部分を残存させる請求項6に記載のMTJ素子の製造方法。
  10. 前記フリー層の下側部分を酸化する工程を含み、複数のMTJ素子のうち各MTJ素子と隣接する他のMTJ素子との間に絶縁層を形成する請求項9に記載のMTJ素子の製造方法。
  11. 前記ハードマスク層をTaにより構成すると共にその厚みを5000nm未満とし、かつ前記ハードマスクスペーサ層をCuまたはMnPtにより構成すると共にその厚みを2000nm以上8000nm以下とする請求項6に記載のMTJ素子の製造方法。
  12. 底面から表面にかけて、シード層、AFM層、ピンド層、トンネル障壁層、フリー層、ハードマスクスペーサ層およびハードマスク層をこの順に積層してなる積層構造を備え、前記積層構造がその表面に第1軸方向の第1サイズおよび第2軸方向の第2サイズにより決定される領域を有するMTJ素子の製造方法であって、
    (a)前記積層構造を基板上に第1の厚みとなるように形成する工程と、
    (b)前記積層構造のハードマスク層の上に第1フォトレジスト膜を形成したのち、前記第1フォトレジスト膜をパターニングし、前記第1軸に沿った第1サイズの幅の複数のラインを有する第1平行ラインパターンを形成する工程と、
    (c)前記第1フォトレジスト膜をマスクとした第1エッチングにより、前記第1平行ラインパターンを前記積層構造に転写し、各々2つの側壁を持つ複数のラインを有する平行ラインパターンを形成する工程と、
    (d)前記基板の上に、各ラインの2つの側壁に隣接して前記第1の厚み以上の厚みを有する平坦な絶縁層を形成する工程と、
    (e)前記絶縁層上および前記平行ラインパターンの上方に第2フォトレジスト膜を形成したのち、前記第2フォトレジスト膜をパターニングし、各々前記第2軸に沿った第2サイズの幅の複数のラインを有する第2平行ラインパターンを形成する工程と、
    (f)前記第2フォトレジスト膜をマスクとした第2エッチングにより、前記第2平行ラインパターンを前記積層構造と前記絶縁層とに転写し、各々前記第1サイズおよび第2サイズにより決定される複数のポスト領域を有するMTJポストパターンを形成する工程と
    (g)前記第2のエッチングの後、前記ポスト領域を覆って他の絶縁層を形成し、前記他の絶縁層の表面と前記ポスト領域の表面とが同一面となるように平坦化処理を行う工程と、
    (h)前記平坦化処理の後、配線層を形成する工程と
    を含むMTJ素子の製造方法。
  13. 前記ポスト領域の第1サイズおよび第2サイズをそれぞれ100nm以下とし、前記MTJ素子によりSTT-MRAMデバイスを構成する請求項12に記載のMTJ素子の製造方法。
  14. 前記絶縁層を、前記基板上に絶縁材料を堆積させたのちCMP法により平坦化することにより形成する請求項12に記載のMTJ素子の製造方法。
  15. 前記第ポスト領域の1サイズを第2サイズより大きくすると共に、第1軸を前記MTJ素子の磁化容易軸とする請求項12に記載のMTJ素子の製造方法。
  16. 前記ハードマスク層をTaにより構成すると共に前記ハードマスクスペーサ層をCuまたはMnPtにより構成する請求項12に記載のMTJ素子の製造方法。
  17. 底面から表面にかけて、シード層、AFM層、ピンド層、トンネル障壁層、フリー層、ハードマスクスペーサ層およびハードマスク層をこの順に積層してなる積層構造を備え、前記積層構造がその表面に第1軸方向の第1サイズおよび第2軸方向の第2サイズにより決定される領域を有するMTJ素子の製造方法であって、
    (a)前記積層構造を基板上に第1の厚みを有するように形成する工程と、
    (b)前記積層構造のハードマスク層の上に第1フォトレジスト膜を形成したのち、前記第1フォトレジスト膜をパターニングし、各々前記第1軸に沿った第1サイズの幅を有する複数のラインをからなる第1平行ラインパターンを形成する工程と、
    (c)前記第1フォトレジスト膜をマスクとした第1エッチングにより、前記第1平行ラインパターンを前記ハードマスク層、前記ハードマスクスペーサ層、および前記フリー層の少なくとも一部に転写し、各々2つの側壁を有する複数のラインを含む平行ラインパターンを形成する工程と、
    (d)前記平行ラインパターンの各ラインの2つの側壁に隣接して、平坦かつ前記第1の厚み以上の厚みを有する絶縁層を形成する工程と、
    (e)前記絶縁層上および前記平行ラインパターンの上方に第2フォトレジスト膜を形成したのち、前記第2フォトレジスト膜をパターニングし、各々前記第2軸に沿った第2サイズの幅の複数のラインを有する第2平行ラインパターンを形成する工程と、
    (f)前記第2フォトレジスト膜をマスクとした第2エッチングにより前記第2平行ラインパターンを前記ハードマスク層、前記ハードマスクスペーサ層、および前記フリー層の少なくとも一部と前記絶縁層とに転写し、各々前記第1サイズおよび第2サイズにより決定される複数のポスト領域を有するMTJポストパターンを形成する工程と
    (g)前記第2のエッチングの後、前記ポスト領域を覆って他の絶縁層を形成し、前記他の絶縁層の表面と前記ポスト領域の表面とが同一面となるように平坦化処理を行う工程と、
    (h)前記平坦化処理の後、配線層を形成する工程と
    を含むMTJ素子の製造方法。
  18. 前記第1エッチングおよび第2エッチングの少なくとも一方を前記トンネル障壁層上で停止する請求項17に記載のMTJ素子の製造方法。
  19. 前記第1エッチングおよび第2エッチングの少なくとも一方を前記フリー層の中で停止し、前記フリー層の上側部分に側壁を形成すると共に前記フリー層の下側部分を残存させる請求項6に記載のMTJ素子の製造方法。
  20. 前記フリー層の下側部分を酸化し、複数のMTJ素子の各MTJ素子と隣接するMTJ素子との間に絶縁層を形成する工程を更に含む請求項17に記載のMTJ素子の製造方法。
  21. 前記ポスト領域の第1サイズを第2サイズと異ならせ、前記MTJ素子を、前記第1軸および第2軸のうち大きなサイズを有する軸に対応して磁化容易軸、小さなサイズを有する軸に対応して磁化困難軸をそれぞれ有するものとする請求項17に記載のMTJ素子の製造方法。
  22. 前記ハードマスク層をTaにより構成すると共に前記ハードマスクスペーサ層をCuまたはMnPtにより構成する請求項17に記載のMTJ素子の製造方法。
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