JP2007102964A - 情報記録媒体用原盤の作製方法及びそれに使用する外部信号発生装置 - Google Patents

情報記録媒体用原盤の作製方法及びそれに使用する外部信号発生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アドレスが外周側から内周側に向かって増加する光ディスク用の原盤を露光する際に遷移領域を精度良く形成するための方法を提供する。
【解決手段】第1層及び第2層を有し、各層に遷移領域を境界として互いにトラックピッチの異なる2つの情報領域を有し、第1層は内周側から外周側に向かってアドレスが増加するように付され、第2層は外周側から内周側に向かってアドレスが増加するように付されている2層構造の光ディスクの第2層用の原盤20において第2情報領域13を露光する際には、遷移領域12と隣接する半径位置から露光を開始して、アドレスが小さい側すなわち外周側に向かってアドレスの逆順に露光する方法を用いることによって、遷移領域13を精度良く形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、トラックピッチの異なる記録再生領域又は再生専用領域を有する情報記録媒体用原盤を作製する方法及びそれに使用する外部信号発生装置に関する。
近年、光情報記録媒体(光ディスク)の高密度化に伴い、より短波長のレーザー光を用いて記録再生を行うための開発が進められている。例えば、現在のDVDには波長640nm〜680nmのレーザー光が用いられているが、青色発光半導体レーザーの実現により、さらに短波長の405nmのレーザー光を用いて記録再生可能な光ディスクの開発が進められている。波長405nmのレーザー光を用いる高密度光ディスクにおいても、現在のDVDに見られるように、再生専用光ディスク、書き換え可能型光ディスク等の種々の光ディスクが検討されている。これらの種々の記録再生方式や記録再生波長の異なる光ディスクを記録再生装置において記録・再生する際に、それらの光ディスクの互換性を確保する目的で、各光ディスクの記録面には、互いにトラックピッチが異なる、例えば案内溝の間隔又は案内溝とピット列との間隔が異なる複数の情報領域(記録再生領域又は再生専用領域)が一般的に設けられている。これらのトラックピッチが異なる情報領域の境界には、トラックピッチが連続的或いは段階的に変化する遷移領域が形成されている。遷移領域に案内溝が形成されていない場合には、遷移領域はミラー領域と呼ばれている。この遷移領域は光ディスクの容量確保のために可能な限り狭く形成されることが望ましい。
上記のような光ディスクを作製するには、先ず、平滑なガラス原盤上にフォトレジストをスピンコートし、この原盤を原盤露光装置を用いて露光する。原盤露光装置は図5に示すように、レーザー305を光源として備える光ヘッド304と、回転テーブル302と、光ヘッド304を回転テーブル302に対してスライド移動させるスライダ306と、スライダ306の位置を計測するレーザースケール307と、外部信号発生装置511とを主に備える。
露光を開始する際に、回転テーブル302にフォトレジスト薄膜が形成された原盤303を設置し、スピンドル301を駆動して回転テーブル302を回転させる。レーザースケール307を用いてスライダ306の位置を制御して、光ヘッド304からのレーザー光が光ディスク原盤303上の目標となる半径位置に照射されるように位置決めを行う。次いで外部信号発生装置511からの光変調/光偏向信号に基づいてレーザー光の出力を制御しながら、所定の速度でスライダ306を駆動して露光を行うことで光ディスク原盤303の表面のフォトレジスト薄膜に螺旋状の記録トラックを形成する。通常の光ディスクには周回方向にアドレスが付されており、このような光ディスクを製造するための原盤を露光する際には、このアドレスの順に従って露光を行う。
このようにして原盤表面のフォトレジスト薄膜に螺旋状記録トラックを形成した後、現像を行って所定のパターンが形成された光ディスク原盤を得る。光ディスク原盤表面に導電性を持たせるために、スパッタリングなどによって光ディスク原盤の表面にニッケルなどの薄い導電性膜を形成した後、電気メッキにより0.3mm程度のニッケル膜を形成する。このニッケル膜を光ディスク原盤から剥離したものを、光ディスク用のスタンパとして使用する。このスタンパを金型として用いて、ポリカーボネートの射出成形によって光ディスクを複製する。
上記原盤露光装置を用いて光ディスク用原盤に螺旋状の記録トラックを形成する場合、大きく分けて露光ビームの光量及び線速を一定に保ち、半径位置によって原盤の回転数及びスライダの移動速度を連続的に変化させるCLV(Constant Linear Velocity)方式と、原盤の回転数とスライダの移動速度を一定に保ち、半径位置によって露光ビームの光量を連続的に変化させるCAV(Constant Angular Velocity)方式の2種類がある。通常、記録容量を重視する再生専用媒体や一回のみ記録可能な追記媒体にはCLV方式を用い、アクセス速度を最重視するコンピューター用途の媒体はCAV方式を用いて作製される。ディスク上の所定の位置に正確に記録するためには、半径方向の駆動制御と回転制御が容易なCAV方式が主に用いられる。物理データ長が半径位置によらず一定であるCLVフォーマットの光ディスクを、制御が容易なCAV方式で作製する試みもなされている(例えば、特許文献1参照。)
特開平8−203133号公報
通常の光ディスクでは、アドレス(アドレス番号)がディスクの内周側から外周側に向かって増加するように割り当てられている。原盤露光装置に接続される通常の(市販の)信号発生装置は、アドレスが増加する順にアドレス等を含む信号を順次発生させるため、このような信号発生装置を用いて光ディスク用の原盤を露光する場合には、原盤の内周側から外周側に向かってアドレスが増えつつ記録トラックが順次形成される。互いにトラックピッチの異なる2つの情報領域を持つ光ディスク用の原盤を作製する際は、内周側の情報領域(第1情報領域)、遷移領域、及び外周側の情報領域(第2情報領域)をそれぞれ区画して形成しなければならない。幅の狭い遷移領域を高精度に形成するためには、第1情報領域の露光終了半径位置と第2情報領域の露光開始半径位置をミクロンオーダーで制御する必要がある。第1情報領域に含まれるトラック数は第2情報領域に含まれるトラック数と比べて非常に少ないため、原盤露光装置のスライダの送り誤差は第1情報領域全体で累積しても問題になる量ではない。また、現状の原盤露光装置では、露光を開始する半径位置に所望の誤差範囲で露光ビームを位置合わせすることができる。よって、現状では第1情報領域の露光終了半径位置と第2情報領域の露光開始半径位置をミクロンオーダーで制御して、遷移領域を精度良く形成することが可能であった。
ところで、光ディスクの容量を増やすために、記録再生層を多層化した光ディスクが開発されている。このような多層の記録再生層の間では、データは連続的に記録又は再生されている。例えば、第1の記録層から第2の記録層に渡って情報を再生する場合、光ディスクの回転方向及び光学ヘッドと光ディスクの相対位置を固定したままで、レーザー光の焦点位置を第1の記録再生層(第1層)から第2の記録再生層(第2層)へ移動させる方法が採られる。通常、アドレスは、第1層においては前述のように光ディスクの内周側から外周側に向かって増加するように割り当てられているが、第2層においては、層間データを連続的に記録又は再生するために、外周側から内周側に向かって増加するように割り当てられている。このような多層の記録再生層を有する光ディスクもまた単層の光ディスクと同様に、各層に互いにトラックピッチの異なる第1及び第2情報領域を持つ。このような2層の光ディスクを作製するためには、第1層用と第2層用の2種類の光ディスク用の原盤を作製する必要がある。第1層用の原盤10は図1(a)に示したように、第1情報領域1、第2情報領域2、及びそれらの領域間に設けられた遷移領域3を有する。第1層用の原盤10ではアドレスは矢印4で示したように内周側から外周側に向かって増加する。また、第2層用の原盤20は、図1(b)に示したように、第1情報領域11、第2情報領域12、遷移領域13を有し、矢印14で示すようにアドレスは外周側から内周側に向かって増加する。
発明者の実験によると、図1(a),(b)に示したような2層で且つ各層に互いにトラックピッチの異なる2つの情報領域を持つ光ディスク用の原盤を、通常の信号発生装置を備える原盤露光装置(CLV方式)を用いて形成した場合には、第2層用の原盤20における遷移領域13の位置が設計通りに形成されず、遷移領域13が第1情報領域1又は第2情報領域2と重複してしまうことがあった。
発明者はその原因を種々の観点から調査したところ、以下のようなことが分かった。第2層用の原盤20を原盤露光装置を用いて露光する際には、前述のようにアドレスが外周側から内周側に向かって増加するように割り当てられているために、原盤の外周側から内周側に向かって露光が行われる。このとき、遷移領域12を精度良く形成するためには、第2情報領域13の露光終了半径位置及び第1情報領域11の露光開始半径位置を十分な精度で制御する必要がある。この場合、第1情報領域11と比べて第2情報領域13に含まれるトラック数が非常に多いために、第2情報領域13を形成する際に原盤露光装置のスライダの送り誤差が累積する。そのため、第2情報領域13の露光終了半径位置をミクロンオーダーで制御することができず、第2情報領域13の露光終了半径位置は設計値から大幅にずれていたと考えられる。
この問題を解決するための方法として、発明者はCAV方式が半径方向の駆動制御と回転制御が容易であることに着目して、CAV方式で原盤露光装置を制御することを試みた。しかし、CAV方式で原盤露光装置を制御した場合においても、第2情報領域13の露光終了半径位置を正確に定めることは困難であった。その理由は以下のように考えられる。
原盤露光装置のスライダの送り速度V(μm/秒)は、スピンドルの回転数Rev(rps)とトラックピッチP(μm)から、V(μm/秒)=Rev(rps)×P(μm)で求められる。このときのスライダ送り周波数f(Hz)は、レーザースケールの分解能Res(μm)からf(Hz)=V(μm/秒)/Res(μm)で与えられる。ここでスケール分解能Res(μm)は、個々のレーザースケールに固有の値である。例えば、今回の実施例で用いたレーザースケールを例に取れば、この値は、Res(μm)=2.758750/1000(μm)である。また、スライダの移動の指令クロックは、例えば、原振が16MHzのクロックから市販のICで分周して生成しており、そのステップKは例えば分周比を65536×257とすると、K=16000000/(65536×257)となる。このときの分周比をEとすると、実際に用いられる分周比E’は、E=f/Kを四捨五入して整数化したものになる。このため、実際に出力される指令クロックの周波数f’(Hz)はf’(Hz)=K×E’となる。
一方、スピンドルの回転数も、例えば24MHzのクロックからデジタルシンセサイザーで発生しているため、連続ではなく、例えば0.036rpm単位の離散的な値となる。加えて、外部信号との回転方向の同期を取る必要性から、回転数として設定可能な値には制約が加わってしまう。このため、CAV方式を用いても、スライダの制御誤差をゼロにすることはできない。即ち、単純にCAV方式を用いただけでは、前述のような第2情報領域13の露光終了半径位置を正確に制御することが困難であることが分かった。
そこで、本発明の目的は、原盤露光装置を用いてトラックピッチの異なる2つの情報領域を有する光ディスク用の原盤を作製する際に、それらの情報領域間の遷移領域を高い位置精度で露光する方法及びその方法に用いられる信号発生装置を提供することにある。
本発明の第1の態様に従えば、アドレスが所定の方向に順に付された光ディスク用の原盤を作製する方法に関して、アドレスの大きい側からアドレスの小さい側に向かって、アドレスが付された順とは逆順に露光する方法が提供される。本発明の情報記録媒体用原盤の作製方法では、アドレスの順と逆順で原盤を露光するので、露光開始から経過時間の短いアドレス番号が大きい位置を露光する場合の露光位置精度を向上することができる。
本発明において、遷移領域を境界にして互いにトラックピッチの異なる2つの情報領域を有し、アドレスが所定の方向に順に付された光ディスク用の原盤を作製する方法に関して、2つの領域のうち少なくとも一方の領域を露光する際に、遷移領域に隣接する半径位置から露光を開始して、その位置からアドレスが小さい側に向かってアドレスが付された順とは逆順に露光し得る。なお、本出願において、用語「情報領域」とは、情報がこれから記録される領域または既に記録されている領域を意味し、記録及び再生が行われる領域や再生専用領域をも含む概念である。また、「情報記録ディスク」は、再生専用ディスク、一回のみ書換可能なディスク及び書換可能な光ディスクを含み、CD−ROM、CD−R、DVD、DVD−RAM等に代表されるが、その他の磁気記録ディスクや熱磁気記録ディスクも含む。
本発明において、第1層及び第2層を有し、各層に遷移領域を境界として互いにトラックピッチの異なる2つの情報領域を有し、第1層はアドレスが内周側から外周側に向かって、例えば、スパイラル状に増加するように付され、第2層はアドレスが外周側から内周側に向かって、例えば、スパイラル状に増加するように付されている2層構造の光ディスクの第2層を作製するための原盤を露光する場合に、2つの情報領域のうち広い方の情報領域、即ちトラック数が多い方の情報領域を露光する際には、遷移領域と隣接する半径位置から露光を開始して、アドレスが小さい側、即ち外周側に向かってアドレスの逆順に露光し得る。
本発明の第2の態様に従えば、第1層及び第2層を有し、各層に遷移領域を境界として互いにトラックピッチの異なる2つの情報領域を有する2層構造の光ディスクを製造するための原盤の作製方法であって、第1層用及び第2層用のいずれの原盤においても、2つの情報領域のうち外周側にある情報領域を露光する際に、遷移領域と隣接する半径位置から露光を開始して、そこから外周側に向かって露光する方法が提供される。上記のような2層構造を有する情報記録ディスクでは、第1層と第2層のいずれも、外周側の情報領域を露光するときに、遷移領域側から露光しているので、半径方向のアドレスの向きにかかわらず、高い位置精度で遷移領域を形成できる。
本発明の第3の態様に従えば、アドレスが所定の順に付された光ディスク用の原盤を露光するための原盤露光装置に用いられる外部信号発生装置であって、原盤を露光するための情報がアドレスと共に格納されているメモリと、メモリから情報をアドレスの順とは逆の順に出力させる手段とを備える外部信号発生装置が提供される。本発明の外部信号発生装置は従来の外部信号発生装置と交換して使用することができるため、一台の原盤露光装置を使用して、原盤をアドレスの順に露光するだけでなくアドレスの逆順に露光することも可能となる。本発明の外部信号発生装置は、チャンネルビットクロック源と、アドレス発生回路と、CRC発生回路と、変調/偏向(変調又は偏向)回路と、アドレスカウンタとを備え得る。
さらに本発明によれば、上記の外部信号発生装置を備える原盤露光装置が提供される。
本発明の情報記録媒体用原盤の作製方法では、周回方向にアドレスが付された光ディスク用の原盤を露光する際に、アドレスの順とは逆順に露光を行うので、アドレスの順の通りに露光した場合に生じる原盤露光装置のスライダ送りの誤差の累積等の悪影響を避け、遷移領域の幅及びその半径位置を十分な精度で制御することができる。そのため、例えば前述の第2層用の光ディスク原盤の広い方の領域を露光する場合において、遷移領域と隣接する半径位置から露光を開始してアドレスの逆順に露光を行うことによって、精度良く遷移領域を形成することができる。
さらに、本発明のアドレスの逆順に信号を発生する外部信号発生装置を使用することにより、本発明の上記方法を実現することができる。
以下、本発明の実施例について図を参照しながら説明する。
この実施例では本発明に従う外部信号発生装置について説明する。光ディスクのフォーマットでは、アドレス情報が先行しそれに続いてCRC情報やデータ情報等の情報がセクター毎に記録される。このため本発明に従い、原盤露光装置でアドレスの逆順に露光を行う際には、CRC情報等の付加情報を含む信号の後にアドレス情報の信号を出力する必要が生じる。CRC情報はアドレスの値を基に演算によって決定されるため、従来の外部信号発生装置ではアドレス情報よりも先にCRC情報を出力することができず、また、アドレス情報及びCRC情報及び光変調又は光偏向情報等の情報のビットパターンを逆順にして出力する機能も有さない。そこで、原盤露光装置でアドレスの逆順に露光を行う際に必要となる外部信号を発生させるための外部信号発生装置を製作した。図2に製作した外部信号発生装置のブロック図を示す。本装置200は、チャンネルビットクロック源201と、アドレス発生回路202と、CRC発生回路及び変調回路203と、メモリ204とキャリーアップカウンタ用アドレスカウンタ205と、キャリーダウンカウンタ用アドレスカウンタ206と波形整形回路207を備える。
チャンネルビットクロック源201からの信号をアドレス発生回路202に入力することによって生成されるアドレス情報と、チャンネルビットクロック源201からの信号及びアドレス発生回路202によって生成されたアドレス情報をCRC発生回路/変調回路203に入力することによって生成されるCRC情報及び光変調情報を、メモリ204に格納する。その際、メモリ204のアドレスは、チャンネルビットクロック源201からの信号をキャリーアップカウンタ用アドレスカウンタ205に入力することによって得られるカウンタ値によって指定される。
次に、メモリ204内に格納された情報のビットパターンを逆順にして取り出す。その際、メモリ204のアドレスは、チャンネルビットクロック源201からの信号をキャリーダウンカウンタ用アドレスカウンタ206に入力することによって得られるカウンタ値によって指定される。すなわち、キャリーダウンカウンタ用アドレスカウンタ206(メモリから情報をアドレスの順とは逆の順に出力させる手段)はメモリ204に記憶されているアドレス順とは逆の順で、アドレス情報、CRC情報及び光変調情報をメモリ204から波形整形回路207を介して後述する原盤露光装置に出力する。
この実施例では、第1層及び第2層を有する2層の光ディスクを製造するための光ディスク原盤を作製する。図1(a)に示したように、第1層10は第1情報領域1、第2情報領域2及び遷移領域3を有し、アドレスは内周側から外周側に向かって増加するようにスパイラル状に割り当てられている。第2層20もまた、図1(b)に示したように第1情報領域11、第2情報領域12及び遷移領域13を有するが、アドレスは第1層とは逆に外周側から内周側に向かってスパイラル状に増加するように割り当てられている。
<ガラス原盤へのフォトレジスト薄膜の形成>
直径200mm、厚さ6mmの平滑なガラス円盤表面に、東京応化工業製フォトレジストTDMR−AR80HPをスピンコートし、ホットプレートで余剰な溶剤を除去することにより、膜厚30nmのフォトレジスト薄膜がガラス円盤状に形成された原盤を得た。このような原盤を第1層用と第2層用にそれぞれ用意した。
<原盤露光装置の調整>
得られた原盤を露光するために図3に示すような原盤露光装置を用いた。この原盤露光装置300は、波長257nmのレーザー305を光源として備える光ヘッド304と、光ディスク原盤303を回転させるスピンドル301を有する回転テーブル302と、回転テーブル302の上方で光ヘッド304を回転テーブル302の半径方向にスライド移動させるスライダ306と、スライダの位置を計測するレーザースケール307とを主に備える。スライダ306はスライダ移動用レール308上をスライド移動可能であり、レール308には回転テーブル302の中心からの所定距離の位置に原点検出用リミットスイッチ310が設置されている。原盤の回転の制御方法は線速度を一定とするCLV方式を採用し、露光線速は1.5m/秒とした。
第1層用の原盤10及び第2層用の原盤20のいずれにおいても、第1情報領域を半径位置23.8mmから23.3mmにトラックピッチ0.68μmで形成し、第2情報領域を半径位置58.9mmから23.8mmにトラックピッチ0.40μmで形成し、第1情報領域及び第2情報領域の境界部に、7.0μmの遷移領域を形成することを目標とした。露光を開始する前には、毎回、目標となる半径位置から正確に露光を開始するために次のような手順で光ヘッド304の位置決めを行った。先ず、原点検出用リミットスイッチが作動する位置までスライダ306を移動させて、その位置を原点とした。こうして設定した原点位置を基準として、レーザースケール307でスライダ306の位置を正確に制御することにより、光ヘッド304からのレーザー光を原盤303上の所望の半径位置に照射することができる。
<第1層の露光方法>
第1層用の原盤303(10)を回転させ、スライダ306を移動して光ヘッドからのレーザー光が第1情報領域の内周側の半径位置(23.3mm)に照射されるように位置決めした。この位置から露光を開始して、外周側に向かってアドレスの順に露光を行った。次いで、前述の手順で原点調整を行った後、スライダ306を移動して光ヘッド304からのレーザー光が第2情報領域の内周側の半径位置(23.8mm)に照射されるように位置決めした。この位置から露光を開始して、外周側に向かってアドレスの順に露光を行った。なお、原盤露光装置300でアドレスの順にアドレス信号、光変調信号などを発生させるために従来の外部信号発生装置511を使用して、これを制御装置309に接続して原盤露光装置300の制御を行った。露光中は、原盤303を時計方向に回転させ、所定の速度でスライダ306を内側から外側に送りながら光変調信号に基づいて露光光のON/OFFを行った。
<第2層の露光方法>
第2層用の原盤303(20)を回転させ、スライダ306を移動して光ヘッド304からのレーザー光が第1情報領域の外周側の半径位置(23.8mm)に照射されるように位置決めした。この位置から露光を開始して、内周側に向かってアドレスの逆順に露光を行った。次いで、前述の手順で原点調整を行った後、スライダ306を移動して光ヘッド304からのレーザー光が第2情報領域の外周側の半径位置(58.9mm)に照射されるように位置決めをした。この位置から露光を開始して、内周側に向かってアドレスの逆順に露光を行った。第2層の露光の際、原盤露光装置300でアドレスの逆順で光変調信号を発生させるために前記実施例で作製した外部信号発生装置200を図3との関係で説明した外部信号発生装置511に代えて制御装置309に接続して、原盤露光装置300の制御を行った。露光中は、原盤303を反時計方向に回転させ、所定の速度でスライダ306を外側から内側に送りながら光変調信号に基づいて露光を行った。
<遷移領域の幅の計測>
上記のようにして露光された各原盤をロームアンドハース社製のCONCENTRATE現像液を用いて現像して、所定のパターンが形成された光ディスク原盤を得た。デジタルインスツルメント社製の原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、これらの光ディスク原盤の遷移領域の幅を計測した。第1層用の原盤の遷移領域は、6.7μmの幅で形成されていた。第2層用の原盤の遷移領域もまた、6.7μmの幅で形成されていた。即ち、いずれの場合も目標値(目標幅)7.0μmに対して1μm以下の誤差であった。
比較例
この比較例では、第1層及び第2層を有する2層の光ディスクを製造するための光ディスク原盤のうち、第2層の光ディスクを製造するための光ディスク原盤を製作した。前記実施例では、第2層用の原盤を露光する際には内周側から外周側に向かってアドレスの逆順に露光を行ったが、この比較例においては第2層用の原盤の外周側から内周側に向かって、即ち、アドレスの順に露光を行った。そのため、本比較例では実施例1で述べた外部信号発生装置200ではなく、従来の外部信号発生装置501を制御装置309に接続して原盤露光装置の制御を行った。露光の手順は以下の通りである。原盤を回転させ、スライダを移動して光ヘッドからのレーザー光が第1情報領域の外周側の半径位置(23.8mm)に照射されるように位置決めした。この位置から露光を開始して、内周側に向かってアドレスの順に第1情報領域の露光を行った。次いで、前述の手順で原点調整を行った後、スライダを移動して光ヘッドからのレーザー光が第2情報領域の外周側の半径位置(58.9mm)に照射されるように位置決めをした。この位置から露光を開始して、内周側に向かってアドレスの順に露光を行った。露光中は、原盤を時計方向に回転させ、所定の速度でスライダを外側から内側に送りながら光変調信号に基づいて露光を行った。前記実施例と同様にして、露光された原盤の現像を行った後、得られた光ディスク原盤の遷移領域の幅を計測した。
比較例の露光方法を用いて形成された第2層用の光ディスク原盤では、第1情報領域に第2情報領域がオーバーラップしてしまったために遷移領域が形成されなかった。これは、第2情報領域を露光する際に、遷移領域から遠い方の半径位置(58.9mm)、即ち外周側から露光を行ったことが原因であると考えられる。第2情報領域のトラック数は第1情報領域に比べてかなり多い(第2情報領域が第1情報領域よりも広い)ため、第2情報領域を形成する際における原盤露光装置のスライダの送り誤差等の累積が大きくなる。そのため、第2情報領域の露光終了半径位置が設計値から大幅にずれて、目標値から7μm以上もの誤差を生じさせていた。
前述のように本実施例の露光方法を用いて形成された2層目の光ディスク原盤では、ほぼ目標値通りの6.7μmの幅の遷移領域を形成することができた。これは、第2情報領域の露光開始半径位置を遷移領域側からとしたうえで、本発明に従って、アドレスの逆順に第2情報領域を露光したからである。ところで、本発明の場合においても、原盤露光装置のスライダの送り誤差などの誤差は累積するため、露光終了半径位置を厳密に制御することは困難である。しかし、本発明の方法の場合、第2情報領域の露光終了位置は光ディスク原盤の最外周側になる。光ディスク原盤の最外周側の領域はユーザー情報が記録されず、また、遷移領域のような機能を持たないために、多少位置がずれても情報の記録再生には問題とならない。光ディスクの規格上では、外周側のトラックに要求される位置精度は、内周側、特に遷移領域を形成する際に要求される位置精度と比べると緩く設定されている。そのため、実施例の露光方法を用いて形成された光ディスク原盤は光ディスクの規格上の要求をも満たすことができる。
上記実施例では、第2層用の原盤の第1情報領域の露光は内周側から行ったが、それに代えて外周側、即ち、遷移領域に近い側から行っても構わない。
上記実施例では、原盤露光装置の制御方式にCLV方式を用いたが、CAV方式などの他の制御方式でも構わない。また、外部信号発生装置は、原盤露光装置とは独立の装置であっても、原盤露光装置に組み込まれても構わない。CRC発生回路/変調回路103は、CRC発生回路部分と変調回路部分が互いに独立の回路でも構わない。また、CRC発生回路部分が他の付加情報を発生させる回路と組合わさった回路であっても構わない。また、変調回路の部分は、それに代えて又はそれに加えて光を偏向させる偏向回路(例えば音響光学素子)を用いても構わない。
上記実施例では、第2情報領域の方が第1情報領域よりもトラック数が多かったが、第1情報領域の方が第2情報領域よりもトラック数が多くても構わない。その場合は、第1情報領域を内周側から外周側に向かって露光していくときに累積誤差の影響が第2情報領域の露光に比べて大きくなるので、第1層用の原盤の第1情報領域をアドレスの順に露光する場合には、遷移領域を精度良く形成することが困難である。そのため、第1層用の原盤の第1情報領域を露光する際に本発明の方法を利用して、アドレスの逆順、即ち外周側から内周側に向かって露光を行う必要がある。
本発明の情報記録媒体用原盤作製方法は、高密度光ディスク等の高密度情報記録ディスクを形成する際に、遷移領域を精度良く形成することが可能となるので、情報記録ディスク形成時のエラー発生率を下げることができるため極めて有用である。さらに、本発明の外部信号発生装置と原盤露光装置を組み合わせて用いて、高密度記録に適した多層の情報記録ディスク用原盤を高精度に製造することができる。
図1(a)は、2層で且つ各層に互いにトラックピッチの異なる2つの記録再生領域又は再生専用領域を持つ光ディスクにおける第1層用の原盤の平面図である。図1(b)は、2層で且つ各層に互いにトラックピッチの異なる2つの記録再生領域又は再生専用領域を持つ光ディスクにおける第2層用の原盤の平面図である。 図2は本発明の実施形態の外部信号発生装置のブロック図である。 図3は原盤露光装置の概略図である。 図4は互いにトラックピッチの異なる2つの記録再生領域又は再生専用領域を持つ単層の光ディスクの平面図である。
符号の説明
1,11,41 第1情報領域、2,12,42 第2情報領域、3,13,43 遷移領域、10 第1層用の原盤、20 第2層用の原盤、301 スピンドル、302 回転テーブル、303 光ディスク原盤、304 光ヘッド、305 レーザー、306 スライダ、307 レーザースケール、308 スライダ移動用レール、309 制御装置、310 原点検出用リミットスイッチ、511 従来の信号発生装置

Claims (7)

  1. アドレスが所定方向に順に付された情報記録媒体用原盤を作製する方法であって、
    原盤上に感光性材料を塗布し、
    前記アドレスの順と逆順で前記原盤を露光することを特徴とする情報記録媒体用原盤の作製方法。
  2. 前記情報記録媒体用原盤が、遷移領域を境界とするトラックピッチの異なる2つの情報領域を有する情報記録ディスクを製造するための原盤であって、前記2つの情報領域の少なくとも一方の領域を露光する際に、遷移領域に隣接する半径位置から露光を開始することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体用原盤の作製方法。
  3. 前記情報記録媒体用原盤が、第1層及び第2層を有し、各層に前記遷移領域を境界とするトラックピッチの異なる2つの情報領域をそれぞれ有し、第1層はアドレスが内周側から外周側に向かって増加するように付され、第2層はアドレスが外周側から内周側に向かって増加するように付される情報記録ディスクを製造するために用いる第2層用の原盤であって、前記原盤の2つの情報領域のうちより広い情報領域を露光する際に、遷移領域に隣接する半径位置から露光を開始することを特徴とする請求項1または2に記載の情報記録媒体用原盤の作製方法。
  4. 第1層及び第2層を有し、各層に遷移領域を境界とするトラックピッチの異なる2つの情報領域を有する情報記録ディスクを製造するために用いる第1層用及び第2層用の原盤の作製方法であって、
    第1層の2つの情報領域のうち外周側にある情報領域を露光する際に、遷移領域に隣接する半径位置から露光を開始し、外周側に向かって露光を行うことと、
    第2層の2つの情報領域のうち外周側にある情報領域を露光する際に、遷移領域に隣接する半径位置から露光を開始し、外周側に向かって露光を行うこととを含むことを特徴とする情報記録媒体用原盤の作製方法。
  5. アドレスが所定方向に順に付された情報記録媒体用原盤の原盤露光装置に用いられる外部信号発生装置であって、
    上記原盤を露光するための情報がアドレスと共に格納されているメモリと、
    前記メモリから前記情報をアドレスの順とは逆の順に出力させる手段とを備える外部信号発生装置。
  6. さらにチャンネルビットクロック源と、アドレス発生回路と、CRC発生回路と、変調/偏向回路と、アドレスカウンタとを備える請求項5に記載の外部信号発生装置。
  7. 請求項5又は6に記載の外部信号発生装置を備える情報記録媒体用原盤の原盤露光装置。
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