JP4224964B2 - 光記録媒体、光記録媒体の製造方法、再生方法、再生装置および光記録媒体原盤の製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円盤状の光記録媒体および当該光記録媒体からの情報の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD(compact disc)やDVD(digital versatile disc)等の円盤状の光記録媒体においては、これらの光記録媒体に記録された音声情報や画像情報等のビットデータを再生し、このビットデータを用いて光記録媒体を複製することが容易に可能である。このため、光記録媒体の複製を防止する技術が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
光記録媒体の複製を防止する方法としては、たとえば、プリピットと呼ばれる光記録媒体への実際の書き込みデータについて変調を加える方法が知られている。
しかしながら、上記の方法においては、信号データを生成するために特別な、あるいは、高速な信号処理を必要する。また、処理のための処理回路の規模も大きくなるという不利益が存在した。
また、他の光記録媒体の複製を防止する方法としては、たとえば、特開平10−269750号公報に開示されているように、光記録媒体の特定領域(TOC:Table of Contents )領域の内周に専用の再生装置でのみ再生可能な特殊フォーマットの付加情報を記録した領域を形成する方法が知られている。
しかしながら、この方法では、付加情報を記録するための新たな領域を光記録媒体に設けなければならず、音声情報や画像情報等の主情報を記録できる容量を減少させる等の不利益は存在する。
【0004】
本発明は、上述した従来の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、音声情報や画像情報等の主情報以外の付加情報を光記録媒体に特別な領域を設けることなく記録した光記録媒体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記した光記録媒体に記録された付加情報を再生可能な再生方法および再生装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、上記した光記録媒体の製造方法および当該光記録媒体を製造するための光記録媒体原盤の製造装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の光記録媒体は、円盤状の光記録媒体であって、トラックの間隔の変調によって情報が記録されている。
【0006】
好適には、本発明の光記録媒体は、前記トラックに沿って主情報が記録され、前記トラックの間隔の変調によって付加情報が記録されている。
【0007】
本発明の光記録媒体の製造方法は、トラックに沿って記録された主情報以外の付加情報が記録された円盤状の光記録媒体の製造方法であって、トラックに沿って前記主情報が記録されるとともに、当該トラックの間隔を変調することにより前記付加情報を記録した光記録媒体原盤を作製し、前記光記録媒体原盤を用いて前記光記録媒体を製造する。
【0008】
本発明の再生方法は、主情報を記録するトラックの間隔を変調することによって付加情報が記録された光記録媒体の再生方法であって、前記主情報を光学的に読み取る読取手段を前記光記録媒体のトラックの間隔方向に一定速度で移動させてトラッキング誤差信号を生成し、前記トラッキング誤差信号に基づいて、前記付加情報を再生する。
【0009】
本発明の再生装置は、主情報を記録するトラックの間隔を変調することによって付加情報が記録された光記録媒体の再生装置であって、回転する前記光記録媒体のトラックに沿って記録された前記主情報を光学的に読み取る読取手段と、前記光記録媒体のトラックの間隔方向に前記読取手段を移動させ位置決めする移動位置決め手段と、前記読取手段を前記トラックの間隔方向に移動させて得られるトラッキング誤差信号に基づいて、前記付加情報を再生する再生手段とを有する。
【0010】
本発明の光記録媒体原盤の製造装置は、円盤状の光記録媒体を複製するための原盤を製造するための光記録媒体原盤の製造装置であって、主情報に基づいて変調された光線の照射によって前記原盤に当該主情報を書き込む書込手段と、前記原盤に対して書込手段を半径方向に移動位置決めする移動位置決め手段と、前記原盤を回転させる回転手段と、付加情報に基づいて、前記書込手段の回転する前記原盤に対する送り速度を変調する変調手段とを有する。
【0011】
本発明では、光記録媒体のトラックに沿って主情報を記録するだけではなく、トラックの間隔の変調によって付加情報を記録する。
この光記録媒体に記録された情報のうち主情報は、当該光記録媒体を回転させ、読取手段を移動位置決め手段によって所望のトラックに追従させることにより読み取られる。
一方、付加情報は、読取手段を移動位置決め手段によってトラックの間隔方向に移動させ、トラッキング誤差信号を生成し、トラッキング誤差信号に基づいて再生される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光記録媒体の一実施形態に係る光ディスクの基本構造を説明するための図である。
光ディスクDは、たとえば、ポリカーボネート等の透明な樹脂製の円盤状の基板上に反射層および保護層等が形成されたものである。
光ディスクDには、円周方向に沿ってスパイラル状にトラックTRが存在している。
図2に示すように、トラックTRは、長さが異なる複数のピットPtの列によって構成されており、このピットPtの列によって音声や画像をディジタル化した情報が記録されている。
【0013】
本実施形態に係る光ディスクDでは、図2に示す隣接するトラックTRの間隔(以下、トラックピッチTRPという。)を変調することにより、上記の音声や画像等の主情報以外の付加情報を光ディスクDに記録している。
以下、この付加情報の記録構造について図3を参照して説明する。
【0014】
図3(b)は、図3(a)に示す光ディスクDの半径方向に沿った任意の領域Rsを拡大した図である。
図3(b)に示すように、光ディスクDは、半径方向に沿ってトラックピッチTRPH を有するトラックピッチが密な領域DH と、トラックピッチTRPL を有するトラックピッチが粗な領域DL とを有している。すなわち、光ディスクDのトラックTRは、比較的間隔の狭いトラックピッチTRPH の領域と比較的間隔の広いトラックピッチTRPの領域とから構成されている。
密な領域DH は、光ディスクDの半径方向における所定距離L内に所定数(図3(b)では7本)のトラックTRを有している。
粗な領域DL は、光ディスクDの半径方向における所定距離L内に所定数(図3(b)では5本)のトラックTRを有している。
【0015】
図3(c)は、トラックピッチTRPの変調によって記録された付加情報Ainf の一例を示す図である。
図3(c)に示すように、ローレベルLのデータを密な領域DH に対応付け、ハイレベルHのデータを粗な領域DL に対応付けることにより、ディジタル化された情報である付加情報Ainf をトラックピッチTRPの変調によって光ディスクDに記録することができる。
【0016】
光ディスクの製造方法
次に、上記した光ディスクDの製造方法について説明する。
ここで、図4は光ディスクDを製造するための原盤を作製するためのカッティング装置の構成を示す図である。なお、図4に示すカッティング装置は本発明の光記録媒体原盤の製造装置の一実施態様である。
【0017】
カッティング装置10は、光源11と、光変調器12と、ミラー13と、対物レンズ14と、アクチュエータ15と、回転テーブル23と、スピンドルモータ24と、スライダ25と、複数のドライバ26,27および28と、システムコントローラ31と、変調信号発生器30とを有している。
【0018】
光源11は、回転テーブル23上に置かれた表面にフォトレジスト21が塗布されたガラス基板20からなる原盤22に照射するためのレーザ光Laを出力する。
この光源11には、たとえば、KrガスレーザやHe−Cdレーザが使用される。
【0019】
光変調器12は、光源11から出力されるレーザ光Laを変調信号発生器30から入力される主情報変調信号30s1に応じて変調して出力する。変調信号30s1は、記録すべき主情報Minf に応じて光変調器12から出力されるレーザ光Laをオン、オフするための信号である。光変調器12には、電気光学変調器や音響光学変調器が使用される。
【0020】
ミラー13は、光変調器12から出力されたレーザ光Laを回転テーブル23に保持されたガラス基板20に導く。
【0021】
対物レンズ14は、ミラー13から反射したレーザ光Laをガラス基板20上に集光する。
アクチュエータ15は、対物レンズ14をガラス基板20に対して垂直な方向に移動させる。このアクチュエータ15は、対物レンズ14の焦点位置がガラス基板20に対して一定となるようにシステムコントローラ31によって制御される。
【0022】
回転テーブル23は、ガラス基板20を保持し、回転自在に支持されている。
スピンドルモータ24は、回転テーブル23を回転させる。このスピンドルモータ24の駆動により、ガラス基板20が回転する。
【0023】
スライダ25は、回転テーブル23を矢印A1およびA2で示す方向に移動位置決めする。このスライダ25による回転テーブル23の移動により、回転テーブル23に保持されたガラス基板20は、対物レンズ14に対して移動する。
【0024】
ドライバ26は、システムコントローラ31からの制御指令31s1に従ってアクチュエータ15を駆動する駆動電流を供給する。
ドライバ27は、システムコントローラ31からの制御指令31s2に従ってスピンドルモータ24を駆動する駆動電流を供給する。
ドライバ28は、システムコントローラ31からの制御指令31s3に従ってスライダ25に内蔵されたモータを駆動する駆動電流を供給する。
【0025】
システムコントローラ31は、アクチュエータ15、スピンドルモータ24およびスライダ25の動作を制御する。
また、後述するように、システムコントローラ31は、変調信号発生器30から入力される付加情報変調信号30s2を用いてスライダ25の送り速度を制御する。
【0026】
変調信号発生器30は、記録すべき主情報Minf に基づいて主情報変調信号30s1を生成するとともに、記録すべき付加情報Ainf に基づいて付加情報変調信号30s2を生成する。
主情報変調信号30s1は、光変調器12の出力をオン、オフさせる信号である。
付加情報変調信号30s2は、スライダ25の送り速度を変調させる信号である。
【0027】
次に、上記構成のカッティング装置10を用いた原盤の作製手順の一例について図5を参照して説明する。
まず、原盤に用いるガラス基板20を洗浄する(プロセスPR1)。ガラス基板20は、円盤状であり、表面が平坦になるように研磨されている。
次いで、洗浄されたガラス基板20の表面に、たとえば、回転塗布装置を用いてフォトレジスト21を形成する(プロセスPR2)。このフォトレジスト21が表面に塗布されたガラス基板20が原盤22となる。
【0028】
次いで、上記のカッティング装置10により、フォトレジスト21にレーザ光を露光することにより、主情報Minf および付加情報Ainf を記録する(プロセスPR3)。
システムコントローラ31は、スピンドルモータ24を回転させ、スライダ25を一定の方向に移動させることにより、光変調器12によって変調されたレーザ光Laがフォトレジスト21にらせん状に照射され、主情報Minf の書き込みが行われ、かつ、トラックが形成される。
【0029】
このとき、システムコントローラ31は、レーザ光Laの照射位置におけるガラス基板20の線速度が一定となるように、スピンドルモータ24を制御しながら、付加情報Ainf に基づいてスライダ25の送り速度を変調する。これにより、フォトレジスト21に形成されるトラックピッチが付加情報Ainf に応じて変化する。
【0030】
上記の手順により、フォトレジスト21にはトラックに沿って主情報Minf が記録されていくとともに、トラックピッチの変調により付加情報Ainf が記録されていく。
【0031】
フォトレジスト21へのレーザ光Laの露光が完了したのち、露光されたフォトレジスト21の現像を行う(プロセスPR4)。フォトレジスト21の現像により、フォトレジスト21にはピット列が形成される。
【0032】
フォトレジスト21の現像後、フォトレジスト21上に導電膜を形成する(プロセスPR5)。この導電膜には、たとえば、銀やニッケル等の材料が用いられる。
【0033】
次いで、フォトレジスト21上の導電膜を陰極、ニッケル製のチップを陽極として、フォトレジスト21上に導電膜を介してにニッケル層を電鋳によりめっきする(プロセスPR6)。これにより、ニッケルスタンパが得られ、光ディスクDを複製するための原盤の作製工程が終了する。このニッケルスタンパには、主情報Minf および付加情報Ainf が記録されている。
【0034】
次に、上記のようにして得られたニッケルスタンパを用いた光ディスクDの複製の手順の一例について図6を参照して説明する。
まず、上記のニッケルスタンパを射出成形機の金型内に設置し、当該金型内に加熱溶融したポリカーボネート等の透明な樹脂を射出、充填する(プロセスPR11)。これにより、光ディスクDを構成する円盤状の基板が成形される。この基板には、主情報Minf および付加情報Ainf が記録されたニッケルスタンパの凹凸が転写される。
【0035】
次いで、上記の基板のニッケルスタンパの凹凸が転写された表面に反射膜を形成する(プロセスPR12)。この反射膜は、上記の透明な基板を透過した光を反射させるためのものであり、アルミニウム等の金属で形成される。
【0036】
次いで、反射膜が形成された基板上に樹脂製の保護膜を形成する(プロセスPR13)。以上の工程により、光ディスクDが製造される。
【0037】
再生方法
次に、上記構成の光ディスクDに記録された情報の再生方法について説明する。
ここで、図7は光ディスクDに記録された情報を再生するための再生装置の構成を示す図である。
図7に示す再生装置60は、スピンドルモータ61と、光学ピックアップ62と、RF信号処理回路70と、復調回路71と、インターフェース回路72と、付加情報復調回路73と、サーボコントローラ74と、システムコントローラ75と、ドライバ回路76と、コンピュータ80とを有する。
【0038】
スピンドルモータ61は、ドライバ回路76から駆動電流が供給され、光ディスクDを回転させる。このスピンドルモータ61は、システムコントローラ75からサーボコントローラ74を介して与えられる制御指令によって所望の回転数に制御される。
【0039】
光学ピックアップ62は、レーザ光Lbを出力するレーザダイオード65と、このレーザダイオード65から出力されるレーザ光Lbを光ディスクD上にスポットとして集束させる対物レンズ63と、光ディスクDからのレーザ光Lbの反射光の進行方向を変更する偏向ビームスプリッタ64と、この反射光を受光する光検出器66とを備えている。
【0040】
レーザダイオード65は、たとえば、赤色レーザ、青色レーザ等のレーザ光を偏向ビームスプリッタ64および対物レンズ63を介して光ディスクDに出射する。偏向ビームスプリッタ64は、光ディスクDからの反射光を光検出器66に導く。
【0041】
光検出器66は、たとえば、光ディスクDのトラック上に照射されたレーザ光の反射光によって形成されるビームスポットを受光する4分割された受光面を備えている。これらの受光面の分割方向は、トラックに沿った方向と、トラックに直交する方向である。各受光面は、それぞれ受光した光の光量に応じた電流を発生し、RF信号処理回路70に出力する。
【0042】
光学ピックアップ62は、図7において矢印A1およびA2で示す光ディスクDの半径方向に移動可能に図示しない支持機構によって支持されており、トラッキングアクチュエータ67およびスレッドアクチュエータ68によって駆動される。
スレッドアクチュエータ68は、ドライバ回路76から供給される駆動電流によって駆動され、光学ピックアップ62を光ディスクDの半径方向に移動し位置決めする。
トラッキングアクチュエータ67は、ドライバ回路76から供給される駆動電流によって駆動され、スレッドアクチュエータ68によって位置決めされた光学ピックアップ62をさらに所望のトラックに移動させる。
【0043】
また、光学ピックアップ62は、図7において矢印B1およびB2で示すフォーカス方向に移動可能に支持されており、フォーカスアクチュエータ69によってフォーカス方向B1およびB2に移動し位置決めされる。
【0044】
RF信号処理回路70は、光検出器66の検出した検出信号が供給される。このRF信号処理回路70は、光検出器66の検出信号を演算することによって、再生信号RF、トラッキングエラー信号TEおよびフォーカスエラー信号FEを生成する。
再生信号RFは復調回路71に供給され、トラッキングエラー信号TEおよびフォーカスエラー信号FEはサーボコントローラ74に供給される。また、トラッキングエラー信号TEは付加情報復調回路73にも供給される。
【0045】
再生信号RFは、光ディスクDのトラックに沿って形成されたピット列によって生成された主情報Minf に基づく信号である。
トラッキングエラー信号TEは、光学ピックアップ62の目標トラックの中心からの変位に応じた値の信号である。このトラッキングエラー信号TEは、光検出器66の検出信号を用いて所定の演算を行うことにより得られる。また、トラッキングエラー信号TEは、各トラック中心において零の値をもち、トラックピッチを一周期とする正弦波信号である。
フォーカスエラー信号FEは光ディスクDに対する対物レンズ63のフォーカス方向B1およびB2の距離に応じた信号であり、所望の位置からの誤差信号である。
【0046】
復調回路71は、再生信号RFが供給され、EMF復調や誤り訂正等の各種処理により主情報Minf が再生され、この主情報をインターフェース回路72に出力する。
【0047】
インターフェース回路72は、復調回路71で再生された主情報Minf をコンピュータ80に出力する。
【0048】
付加情報復調回路73は、RF信号処理回路70からトラッキングエラー信号TEが供給され、このトラッキングエラー信号TEに基づいて、付加情報Ainfを復調し、この付加情報Ainf をシステムコントローラ75に出力する。なお、付加情報復調回路73の具体的な復調処理については後述する。
【0049】
サーボコントローラ74は、トラッキングアクチュエータ67、スレッドアクチュエータ68およびフォーカスアクチュエータ69をフィードバックされるトラッキングエラー信号TEおよびフォーカスエラー信号FEに基づいて、サーボ制御する。
【0050】
システムコントローラ75は、再生装置60を総合的に制御する。具体的には、トラッキングアクチュエータ67、スレッドアクチュエータ68、フォーカスアクチュエータ69およびスピンドルモータ61に対する制御指令をサーボコントローラ74に与えたり、復調回路71、インターフェース回路72、付加情報復調回路73等の各種回路の動作の制御等を行う。
【0051】
ドライバ回路76は、サーボコントローラ74からの制御信号に基づいて、トラッキングアクチュエータ67、スレッドアクチュエータ68、フォーカスアクチュエータ69およびスピンドルモータ61を駆動する駆動電流を供給する。
【0052】
コンピュータ80は、復調回路71によって再生された主情報Minf を受信し、これを、たとえば、表示装置や音声出力装置等の出力装置に出力する。
【0053】
次に、上記構成の再生装置60を用いた光ディスクDに記録された情報の再生手順の一例について、図8および図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0054】
付加情報の再生手順
まず、図9に示すように、スレッドアクチュエータ68を駆動し、光学ピックアップ62を光ディスクDの最内周または最外周のいずれかに位置決めする(ステップS1)。
【0055】
次いで、光学ピックアップ62からレーザ光を光ディスクDに向けて照射するとともに、レッドアクチュエータ68を駆動して光学ピックアップ62を一定の送り速度で光ディスクDの半径方向に沿って光ディスクDの最内周または最外周に向けて移動させる(ステップS2)。なお、トラッキングサーボはかけない状態で光学ピックアップ62を移動させる。
【0056】
光学ピックアップ62を一定の送り速度で光ディスクDの半径方向に移動させると、光学ピックアップ62は光ディスクDの複数のトラックTRを横切る。
ここで、光学ピックアップ62が図10(a)に示す光ディスクDの任意の領域Rsを通過する場合を考える。
図10(b)は、領域Rsを拡大した図である。上述したように、光ディスクD半径方向に沿ってトラックピッチTRPH を有するトラックピッチが密な領域DH と、トラックピッチTRPL を有するトラックピッチが粗な領域DL とを有している。
【0057】
光学ピックアップ62が図10(b)に示す光ディスクDの半径方向R1またはR2の向きに一定の送り速度で移動すると、光学ピックアップ62の光検出器66の検出信号に基づいてトラッキングエラー信号TEが生成される(ステップS3)。このトラッキングエラー信号TEは、たとえば、図10(c)に示すものとなる。
【0058】
図10(c)に示すトラッキングエラー信号TEは、トラックピッチTRPHまたはトラックピッチTRPL を一周期とする正弦波信号となる。このトラッキングエラー信号TEは、図10(d)に示す付加情報Ainf をFM変調した信号と等価である。
この付加情報Ainf をFM変調したものと等価なトラッキングエラー信号TEは付加情報復調回路73において、復調される(ステップS4)。
【0059】
付加情報復調回路73は、トラッキングエラー信号TEをFM復調することにより、図10(d)に示す付加情報Ainf を再生する。また、付加情報復調回路73において、トラッキングエラー信号TEの周期を測定することにより、付加情報Ainf を再生することも可能である。トラッキングエラー信号TEの周期の測定は、一定時間毎にサンプルされるトラッキングエラー信号TEの数をカウントすることにより行なうことができる。
【0060】
付加情報復調回路73において再生された付加情報Ainf は、システムコントローラ75に逐次入力される。
上記の処理は、光学ピックアップ62が光ディスクDの半径方向に移動を開始して、光ディスクDの最内周または最外周に到達するまで行われ(ステップS5)、光ディスクDの最内周または最外周に到達すると光学ピックアップ62を停止させる(ステップS6)。
【0061】
以上の手順により、光ディスクDにトラックピッチの変調によって記録された付加情報Ainf の再生が行われる。
【0062】
主情報の再生手順
次に、主情報Minf の再生手順の一例について説明する。
図9に示すように、スピンドルモータ61を回転させるとともに、スレッドアクチュエータ68を駆動して光学ピックアップ62を回転する光ディスクDの所望のトラックに移動させるとともに、光学ピックアップ62から光ディスクDに向けてレーザ光を照射する(ステップS11)。
【0063】
次いで、フォーカスサーボをオンする(ステップS12)。
フォーカスサーボをオンし、光学ピックアップ62が光ディスクDから所定の距離に位置することを確認したのち(ステップS13)、トラッキングサーボをオンする(ステップS14)。
【0064】
トラッキングサーボをオンし、光学ピックアップ62が所望のトラックに追従するように制御されたことを確認すると(ステップS15)、光ディスクDのトラックに沿って記録された主情報Minf の再生動作が開始される(ステップS16)。
光学ピックアップ62の検出信号に基づいて、RF信号処理回路70および復調回路71により主情報Minf が再生され、インターフェース回路72を通じてコンピュータ80に送られる。
再生装置60は再生を終了する信号が入力されると(ステップS17)、再生動作を終了する。
【0065】
次に、上記した再生装置60により再生した付加情報Ainf について説明する。
付加情報Ainf の内容は特に限定されないが、たとえば、主情報Minf を暗号化するための鍵情報とすることができる。付加情報Ainf を鍵情報とした場合には、この付加情報Ainf がなければ主情報Minf を解読することができないように再生装置60を構成しておけば、光ディスクDの複製防止が可能となる。すなわち、光ディスクDのトラックに沿ってピット列により記録された主情報Minfを読み出したとしても、鍵情報である付加情報Ainf がなければ主情報Minf を解読できない構成にしておけば、ピット列をそのまま複製しても主情報Minf を解読できなくすることができる。
【0066】
また、付加情報Ainf は、コピープロテクト技術以外にも使用可能である。たとえば、光ディスクDの仕様を規定するIDや、製造番号等の各種の情報に用いることができる。
【0067】
以上のように、本実施形態によれば、光ディスクDに特別の記憶領域を設けることなく、主情報Minf とともに付加情報Ainf を記録することができる。
また、光ディスクDに記録された付加情報Ainf は、主情報Minf の再生手順とは異なる再生手順により再生する必要があるので、付加情報Ainf を再生する機能のない再生装置では付加情報Ainf の内容を特定することができない。このため、付加情報を主情報を解読するための鍵情報等としてとして用いれば、いわゆるプリレコーデットメディアの複製防止が可能となる。
また、既存の再生装置にトラッキングエラーの周期を検出する回路またはソフトウエアを追加するだけで付加情報Ainf の再生が可能であるため、処理に時間を要したり、処理回路が大規模になることがなく、実施が容易に可能である。
【0068】
本発明は上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態では、光ディスクDが予めトラックに沿って主情報が記録されたプリレコーデットメディアと呼ばれる読み出し専用の光記録媒体のトラックピッチを変調することにより付加情報を記録する場合について説明した。
本発明は、たとえば、CD−R(CD-Recordable) 、CD−RW(CD-ReWritable) 、DVD−R(DVD-Recordable)等のデータの追記や書き換えが可能な光記録媒体にも適用可能である。具体的には、CD−RやCD−RWがもつトラックを構成する案内溝の間隔を変調することにより付加情報を記録可能である。
【0069】
また、CD−RやCD−RW等の光記録媒体は、たとえば、図11に示すように、基板300上に形成された案内溝301を有している。この案内溝301はトラックを構成しており、案内溝301をウォブリング(蛇行)させることにより、制御情報等のウォブル情報を記録したものが知られている。
このような光記録媒体の案内溝301の間隔を本発明の技術により変調することにより、ウォブル情報に加えてさらに付加情報を記録することが可能である。たとえば、ウォブル情報およびトラックピッチの変調による付加情報を組み合わせることにより、さらに高度なコピープロテクション技術を実現可能である。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、音声情報や画像情報等の主情報以外の付加情報を光記録媒体に特別な領域を設けることなく記録可能となる。
また、本発明によれば、付加情報を主情報の暗号化の鍵情報として用いることにより、光記録媒体の複製防止が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一実施形態に係る光ディスクの基本構造を説明するための図である。
【図2】トラックTRに沿って記録されたデータの一形態を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る光ディスクにおける付加情報の記録構造を説明するための図である。
【図4】光ディスクDを製造するための原盤を作製するためのカッティング装置の構成を示す図である。
【図5】カッティング装置10を用いた原盤の作製手順の一例を説明するための工程図である。
【図6】ニッケルスタンパを用いた光ディスクDの複製の手順の一例を説明するための工程図である。
【図7】光ディスクDに記録された情報を再生するための再生装置の構成を示す図である。
【図8】再生装置60を用いた光ディスクDに記録された付加情報の再生手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図9】再生装置60を用いた光ディスクDに記録された主情報の再生手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図10】付加情報の再生原理を説明するための図である。
【図11】ウォブル情報をもつ光記録媒体の構造の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…カッティング装置、11…光源、12…光変調器、13…ミラー、14…対物レンズ、15…アクチュエータ、23…回転テーブル、24…スピンドルモータ、25…スライダ、26,27,28…ドライバ、31…システムコントローラ31、30…変調信号発生器、60…再生装置、61…スピンドルモータ、62…光学ピックアップ、70…RF信号処理回路、71…復調回路71、72…インターフェース回路、73…付加情報復調回路、74…サーボコントローラ、75…システムコントローラ、76…ドライバ回路、80…コンピュータ、D…光ディスク、TR…トラック、TRP…トラックピッチ。
Claims (8)
- 円盤状の光記録媒体であって、
トラックに沿って主情報が記録され、
半径方向の一定距離毎に、前記トラックが半径を横切る数が互いに異なる、前記トラックのピッチが密な領域及び粗な領域のいずれか一方が選択的に形成されることによって付加情報が記録され、
前記トラックのウォブリングにより他の情報が記録されている
光記録媒体。 - 前記付加情報は、前記主情報を再生するための情報である
請求項1に記載の光記録媒体。 - トラックに沿って記録された主情報以外の付加情報が記録された円盤状の光記録媒体の製造方法であって、
トラックに沿って前記主情報が記録され、半径方向の一定距離毎に、前記トラックが半径を横切る数が互いに異なる、前記トラックのピッチが密な領域及び粗な領域のいずれか一方が選択的に形成されることにより前記付加情報が記録され、前記トラックのウォブリングにより他の情報が記録されている光記録媒体原盤を作製し、
前記光記録媒体原盤を用いて前記光記録媒体を製造する
光記録媒体の製造方法。 - 前記光記録媒体原盤の作製時に、前記主情報の記録を行いながら前記付加情報の記録を行う
請求項3に記載の光記録媒体の製造方法。 - 主情報を記録するトラックの間隔を変調することによって付加情報が記録され、前記トラックのウォブリングにより他の情報が記録された光記録媒体の再生方法であって、
前記主情報を光学的に読み取る読取手段を前記光記録媒体のトラックの間隔方向に一定速度で移動させて前記トラックのピッチを1周期とするトラッキング誤差信号を生成し、
一定時間毎の、前記トラッキング誤差信号の数のカウントに基づいて、前記付加情報を再生する
再生方法。 - 回転する前記光記録媒体のトラックに追従させた前記読取手段の読取信号および再生した前記付加情報に基づいて、前記主情報を再生する
請求項5に記載の再生方法。 - 主情報を記録するトラックの間隔を変調することによって付加情報が記録され、前記トラックのウォブリングにより他の情報が記録された光記録媒体の再生装置であって、
回転する前記光記録媒体のトラックに沿って記録された主情報を光学的に読み取る読取手段と、
前記光記録媒体のトラックの間隔方向に前記読取手段を移動させ位置決めする移動位置決め手段と、
前記読取手段を前記トラックの間隔方向に一定速度で移動させて得られる前記トラックのピッチを1周期とするトラッキング誤差信号の、一定時間毎の数のカウントに基づいて、前記付加情報を再生する再生手段と
を有する再生装置。 - 円盤状の、主情報を記録するトラックのウォブリングにより他の情報が記録された光記録媒体を複製するための原盤を製造するための光記録媒体原盤の製造装置であって、
主情報に基づいて変調された光線の照射によって前記原盤にトラックを形成して前記主情報を書き込む書込手段と、
前記原盤に対して書込手段を半径方向に移動位置決めする移動位置決め手段と、
前記原盤を回転させる回転手段と、
付加情報に基づいて、前記原盤の半径方向の一定距離毎に、前記トラックが半径を横切る数が互いに異なる、前記トラックのピッチが密な領域及び粗な領域のいずれか一方が選択的に形成されるように、前記書込手段の回転する前記原盤に対する送り速度を変調する変調手段と
を有する光記録媒体原盤の製造装置。
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