JP2007102200A - パターン露光方法及び装置 - Google Patents

パターン露光方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007102200A
JP2007102200A JP2006239061A JP2006239061A JP2007102200A JP 2007102200 A JP2007102200 A JP 2007102200A JP 2006239061 A JP2006239061 A JP 2006239061A JP 2006239061 A JP2006239061 A JP 2006239061A JP 2007102200 A JP2007102200 A JP 2007102200A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exposure
pattern
workpiece
photomask
cycle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006239061A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4861778B2 (ja
Inventor
Satoshi Ajino
敏 味埜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2006239061A priority Critical patent/JP4861778B2/ja
Publication of JP2007102200A publication Critical patent/JP2007102200A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4861778B2 publication Critical patent/JP4861778B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

【課題】フレキシブルな形状で搬送方向に周期的なパターンを高スループットで、かつ設備投資を抑制した簡易な設備で形成することのできるパターン露光方法及び装置を提供する。
【解決手段】感光層が設けられた帯状ワーク11は、ワーク搬送速度Vでワーク搬送方向Fに搬送される。第1照明部30は、ワーク搬送速度Vに同期され、かつ露光するパターンに合せて決められた露光周期T1で、第1フォトマスク29に光を照射する。第2照明部66は、ワーク搬送速度Vに同期され、かつ露光するパターンに合せて決められた露光周期T2で、第2フォトマスク65に光を照射する。第1フォトマスク29及び第2フォトマスク65は、帯状ワーク11に対してプロキシミティギャップを隔てて配置されており、それぞれのマスクパターンが周期的なパターンとして帯状ワーク11に露光される。
【選択図】図3

Description

本発明は、パターン露光方法及び装置に関し、更に詳しくは、搬送中の帯状ワークに周期パターンを露光するパターン露光方法及び装置に関する。
薄型で大画面の画像表示装置として、前側ガラス板と後側ガラス板との間での放電によって発光するプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略称する)が普及している。このPDPには、放電によって発生する電磁波を遮蔽するために、電磁波シールドが設けられている。電磁波シールドには、前側ガラス板上に形成される金属薄膜や、前側ガラス板の前に配置される電磁波シールドフイルム等がある。現在は、高い電磁波シールド特性と、光透過率とを備える電磁波シールドフイルムが主流として利用されている。電磁波シールドフイルムは、透明フイルム上に金属メッシュ(メッシュ状に配置された金属細線)を形成したものである。
従来の電磁波シールドフイルムは、透明フイルムと金属箔とを貼り合せ、この金属箔をフォトエッチング加工して金属メッシュを形成している。これに対し、本出願人は、銀塩写真技術を利用して、透明フイルムの上に銀で微細なメッシュを形成し、その上に銅メッキを施した電磁波シールドフイルムを開発している。この電磁波シールドフイルムは、自由なメッシュパターンを描くことができ、大きさや精細度などパネルの仕様に応じて柔軟に対応することが可能である。また、透明フイルムと金属箔との貼り合せという複雑で歩留りの悪い工程が不用であるため、コストダウンと安定供給とが可能である。
上記電磁波シールドフイルムは、透明フイルム上に塗布された銀塩感材にフォトマスクを介して光を照射してメッシュ状のパターンを露光し、これを現像処理することにより、透明フイルム上に銀でメッシュを形成している。このメッシュのピッチや線の太さは、PDPの画質に大きく影響するため、精密に露光することが望まれている。
従来、各種ディスプレイ装置用カラーフィルタ等の遮光パターンや、カラーパターンを形成するために、感光性層を有するワークの上にマスクを介して光を照射して、ワーク上にパターンを露光するパターン露光方法及び装置が用いられており、これを電磁波シールドフイルムの露光工程に応用できないか検討された。例えば、特許文献1記載のパターン露光方法では、帯状ワークを連続して搬送し、この搬送中に帯状ワークの上にマスクを介して光を照射してパターンを露光している。また、特許文献2記載のプロキシミティ露光装置では、帯状ワークを間欠に搬送しながら、位置決め、ギャップ設定、プロキシミティ露光を繰り返し、帯状ワークにパターンを露光している。
特開平09−274323号公報 特開平10−171125号公報
しかし、特許文献1記載のパターン露光方法は、帯状ワークの搬送方向と平行なストライプ状のパターンしか露光することができず、フレキシブルな形状で搬送方向に周期的なパターン、例えば、電磁波シールドフイルムのメッシュパターンは露光することはできない。
また、特許文献2記載のプロキシミティ露光装置は、周期パターンに限らずあらゆるパターンに対応可能であるが、間欠搬送中に位置決め、ギャップ設定、一定時間露光という各工程にかかる積算時間が多く、単位時間あたりの処理能力(スループット)が低いという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するために、フレキシブルな形状で搬送方向に周期的なパターンを高スループットで、かつ設備投資を抑制した簡易な設備で形成することのできるパターン露光方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のパターン露光方法は、搬送方向に沿って配置された複数のフォトマスクに、感光層を有する帯状もしくはシート状のワークを近接させて連続搬送するステップと、各フォトマスクをそれぞれ含む複数の露光部により、ワーク搬送速度に同期された露光周期及び露光時間で、各フォトマスクを介してプロキシミティ露光を行うステップとを含み、各フォトマスクに設けられたマスクパターンが搬送方向に周期的なパターンとしてワークに露光されるようにしたものである。
また、複数の露光部により、それぞれ異なる周期的なパターンを連続して露光するようにしたものである。異なる周期的なパターンとしては、所定の角度を有する第1の細線と、この第1の細線と交差する角度を有する第2の細線であり、この第1の細線と第2の細線とを重ね合わせてメッシュ状のパターンを構成するようにしたものである。また、メッシュ状のパターンとして、電磁波シールド材料を構成するメッシュパターンを露光するようにしたものである。
さらに、複数の露光部は、第1の露光周期を用いて搬送方向に周期的かつ連続的な第1のパターンを露光し、第2の露光周期を用いて搬送方向に周期的かつ間欠的な第2のパターンを露光することもできる。このときの第1のパターンとしては、例えば、電磁波シールド材料を構成するメッシュパターン、または搬送方向の両側縁に縁部を有するメッシュパターンを露光し、第2のパターンとしては、メッシュパターンを間欠的に横切るパターンを露光することができる。
本発明に用いられるワークの感光層としては、銀塩感材もしくはフォトレジストが好ましい。
また、複数の露光部のうち、少なくとも一つの露光部で使用される露光周期が、他の露光部の露光周期と異なるようにしてもよい。
さらに、ワーク搬送速度と、露光周期及び露光時間は、共通の基準クロックに基づいて同期するのが好ましい。
また、露光タイミングを決める方法としては、複数の露光部よりもワーク搬送方向の上流側で、ワークに所定間隔で基準マークを付与し、各露光部で基準マークを検出し、検出した基準マークをもとに露光タイミングを決めるようにしたものである。この基準マークとして、レーザマーカによって記録されるレーザマーク、またはノッチ加工によって形成されるノッチ、穴あけ加工によって形成される穴、ワーク側縁に施された磁気記録層を利用した磁気信号等を用いることができる。
また、本発明のパターン露光装置は、感光層を有する帯状もしくはシート状のワークを連続搬送する搬送手段と、このワークに対しプロキシミティギャップを隔てて配置されるフォトマスクと、このフォトマスクを介して、ワーク搬送速度に同期された露光周期及び露光時間でワークに光を照射してプロキシミティ露光を行う露光光源とを有する複数の露光部と、ワーク搬送速度と、露光周期及び露光時間を同期させる制御手段とから構成し、各フォトマスクに設けられたマスクパターンが搬送方向に周期的なパターンとしてワークに露光されるようにしたものである。
また、複数の露光部が少なくとも第1の露光部と第2の露光部とを有する場合に、第2の露光部の第2のフォトマスクに設けられている第2のマスクパターンと、第1の露光部の第1のフォトマスクの第1のマスクパターンとが異なるパターンを用いるようにしたものである。
また、第1のフォトマスクに対し、ワーク搬送方向とのなす角度がθ1(−90°=<θ1=<90°)、線幅D1とされた細線が、ピッチP1で連続して配置される第1のマスクパターンを設け、第2のフォトマスクに対し、ワーク搬送方向とのなす角度がθ2(−90°=<θ2=<90°、θ1≠θ2)、線幅D2とされた細線が、ピッチP2で連続して配置される第2のマスクパターンを設け、第1のマスクパターンと第2のマスクパターンとを重ね合わせてワークに露光することにより、ワーク搬送方向に周期的なメッシュパターンを形成してもよい。
さらに、ワークのワーク搬送方向に直交するワーク幅方向の寸法がW0、第1のマスクパターンのワーク搬送方向に周期的な長さがL1(L1=P1/sinθ1)、第2のマスクパターンのワーク搬送方向に周期的な長さがL2(L2=P2/sinθ2)であるとき、第1のマスクパターンは、ワーク搬送方向に周期長さL1以上、ワーク幅方向にW0以上のパターンエリアを有し、第2のマスクパターンは、ワーク搬送方向に周期長さL2以上、ワーク幅方向にW0以上のパターンエリアを有するようにしたものである。
さらに、第1の露光部の露光周期は、ワークがL1またはその整数倍のn・L1だけ搬送されるごとに1回の露光を行う第1の露光周期であり、第2の露光部の露光周期は、ワークがL2またはその整数倍のn・L2だけ搬送されるごとに1回の露光を行う第2の露光周期としたものである。以上のように複数の露光部で露光されるパターンとしては、電磁波シールド材料を構成するメッシュパターンを露光するようにしたものである。
また、第1の露光部と第2の露光部とのいずれか一方の露光周期は、搬送方向に周期的かつ連続的なパターンを露光する露光周期とし、他方は、搬送方向に周期的かつ間欠的なパターンを露光する露光周期としてもよい。
より具体的には、第1の露光部と第2の露光部とのいずれか一方の露光部は、少なくともメッシュ状のパターンを含むマスクパターンとして設けられているフォトマスクを有し、このパターンを搬送方向に周期的かつ連続的に露光する露光周期を用い、他方の露光部は、ワーク搬送方向に直交する帯状のパターンがマスクパターンとして設けられているフォトマスクを有し、このパターンを搬送方向に周期的かつ間欠的に露光する露光周期を用いるようにしたものである。また、メッシュ状のパターンとして、電磁波シールド材料を構成するメッシュパターンを露光し、帯状のパターンとして、メッシュパターンを間欠的に横切るパターンを露光するようにしたものである。
本発明に用いられるワークの感光層としては、銀塩感材もしくはフォトレジストであることが好ましい。
また、ワーク搬送速度と、露光周期及び露光時間とを同期させる際の基準となる基準クロックを発生する基準クロック手段を設けたものである。
また、露光タイミングを決める別の手法としては、複数の露光部よりもワーク搬送方向の上流側に、ワークに所定間隔で基準マークを付与するマーク付与手段と、基準マークを検出するマーク検出手段とを設け、複数の露光部は、マーク検出手段による基準マークの検出に基づいて露光タイミングを決めるようにしてもよい。基準マークとしては、レーザマーカによって記録されるレーザマーク、またはノッチ加工によって形成されるノッチ、穴あけ加工によって形成される穴、ワーク側縁に施された磁気記録層を利用した磁気信号等を用いることができる。
また、ワークに予め基準マークを設けておき、各露光部に基準マークを検出するマーク検出手段を配置し、このマーク検出手段による基準マークの検出に基づいて露光タイミングを決めてもよい。
本発明によれば、複雑なパターンであっても、周期的なパターンの組み合わせによって実現できるパターンならば、複数のマスクに分割することによって安価な装置構成で露光が可能となる。また、マスクを小さく作れること、1つのマスクで複数回使い回しが可能でマスクのコストパフォーマンスがよいという効果も有している。また、波長の異なる光源と感材の組み合わせによってより付加価値の高いパターン形成が可能である。
さらに、連続的に動かしながら生産できるので生産性が高い。また、従来の間欠送りによる露光に比べ、連続送りにより生産性が向上する。さらに、簡易な設備で設備投資が抑えられる。また、多重露光および走査露光によって光源輝度分布を平均化でき、均一な線幅が実現可能である。また、多重露光によって光源強度が小さくても露光が可能であるため、コストダウンが可能である。
また、フォトマスクを使ったプロキシミティ露光のため、高精細なパターンが描ける。しかも面積が小さく持ちがよく、位置ずらしによる複数回の使い回しが可能で、ランニングコストが小さいのでコストパフォーマンスがよい。また、シームレスパターンを書くには、連続送りで多重露光することでパターン同士つなぎ目の合わせが容易にできる。さらに、露光のために設けた基準マークは、後工程での基準としても利用することができる。
図1及び図2は、本発明のパターン露光方法及び装置によって形成される電磁波シールドフイルムの平面図及び断面図である。電磁波シールドフイルム2は、透明フイルム3と、この透明フイルム3の上に銀によって形成されるメッシュ状の電磁波シールドパターン4とからなる。電磁波シールドパターン4は、透明フイルム3の上に銀によって形成される周期パターン5と、この周期パターン5の表面に施されて電磁波シールド機能を付与する銅メッキ6とからなる。図1(B)に部分的に拡大して示すように、周期パターン5は、例えば、線幅D1=10〜20μm、線間ピッチP1=300μm、配置角度θ1=30°とされた複数の細線5aと、線幅D2及び線間ピッチP2が細線5aと共通で、配置角度θ2が60°とされた細線5bによって構成されている。
図3は、上記電磁波シールドフイルム2の周期パターン5を形成する際に使用されるパターン露光装置の構成を示す概略図である。このパターン露光装置10は、前記透明フイルム3の基材となる帯状ワーク11を供給するワーク供給部12と、帯状ワーク11に設けられた銀塩感材に細線5aをプロキシミティ露光する第1露光部13と、細線5aに重ねるように細線5bをプロキシミティ露光して周期パターン5を形成する第2露光部14と、露光済みの帯状ワーク11を巻き取るワーク巻取り部15と、複数本の帯状ワーク11を連続して処理する際に、先に処理を終えた帯状ワーク11の後端と、後続の帯状ワーク11の先端とが接合されるワーク接合部16と、これらを統括的に制御する制御部17を備えている。
周期パターン5の形状が露光された帯状ワーク11は、次の工程で現像処理されて一方の面に銀の周期パターン5が形成される。その後、周期パターン5上に銅メッキが施され、所定長さごとに切断されることにより、電磁波シールドフイルム2となる。
帯状ワーク11の平面図、及び断面図である図4(A),(B)に示すように、帯状ワーク11は、前述の透明フイルム3の基材である長尺フイルム20と、この長尺フイルム20上に塗布される銀塩感材21とからなる。長尺フイルム20は、例えば、厚さt1=100μm、ワーク幅W0=650〜750mmの透明なPETフイルムであり、100〜1000mの長さのものがロール状に巻かれてワーク供給部12にセットされる。
ワーク供給部12にセットされた帯状ワーク11は、先端が引き出されて複数のローラに掛けられ、ワーク巻取り部15の巻取り用リール24に係止される。そして、搬送手段である巻取り用リール24及び露光ローラ28、及び図示しない複数の駆動ローラが、モータ郡25によって巻取り方向に回転されることにより、帯状ワーク11は、ワーク供給部12からワーク巻取り部15に向かうワーク搬送方向Fに搬送される。この帯状ワーク11のワーク搬送速度Vは、例えば、4m/分であるが、このワーク搬送速度Vは感材感度や露光光源のパワーに応じて最適値が設計される。
上記銀塩感材21は、例えば、405nmの波長域に中心感度を持った感材設計がなされている。感材分光感度特性については上記の設計に限ったものでなく、中心波長はどのような設計であってもよいが、光源波長との関係で両者を合わせる必要がある。また銀塩感材の露光量/濃度特性としてγの大きな感材を使用している。露光量に応じて濃度変化が緩やかに変化するのではなく、ある露光量以上になると一気に濃度が変化する、いわゆる硬調な感材である。
以下に、本発明に用いられる帯状ワーク11の銀塩感材21である導電性金属膜形成用感光材料と、この感光材料を用いて形成される電磁波シールドフイルム2である透光性電磁波シールド膜について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味として使用される。
1.導電性金属膜形成用感光材料
[乳剤層]
本発明に係る感光材料は、支持体上に、光センサーとして銀塩乳剤を含む乳剤層(銀塩含有層)を有する。乳剤層の膨潤率が150%であることを特徴とする。本発明において、膨潤率は以下のように定義する。
膨潤率(%)=100×((b)−(a))/(a)
上記式において、(a)は乾燥時の乳剤層膜厚、(b)は25℃の蒸留水に1分間浸漬した後の乳剤層膜厚を示している。
乳剤層膜厚(a)の測定は、例えば試料の断面を走査型電子顕微鏡で観察することによって測定できる。膨潤後の乳剤層膜厚(b)は、膨潤した試料を液体窒素により凍結乾燥した後の試料断面を走査型電子顕微鏡で観察することにより測定可能である。
本発明において、感光材料の乳剤層の膨潤率は150%以上であることを必要とするが、好ましい範囲の膨潤率は乳剤層のAg/バインダー比に依存する。すなわち膜中のバインダー部は膨潤可能であるがハロゲン化銀粒子は膨潤しないため、バインダー部の膨潤率が同じであってもAg/バインダー比率が高いほど乳剤層全体の膨潤率は低下するからである。本発明において、好ましい乳剤層の膨潤率は、乳剤層のAg/バインダー比が4.5以下の場合は250%以上であり、乳剤層のAg/バインダー比が4.5以上6未満の場合は200%以上であり、乳剤層のAg/バインダー比が6以上の場合は150%以上である。本発明の最も好ましいAg/バインダー比の範囲である6以上10以下のAg/バインダー比の場合、乳剤層の膨潤率は150%以上が好ましく、180%以上がより好ましい。
本発明において膨潤率に上限は無いが、膨潤率が高すぎると処理中の膜強度が低下し、膜が傷つきやすくなる等の問題を生じる為、膨潤率は350%以下であることが好ましい。なお、乳剤層の膨潤率は、硬膜剤の添加量、塗布後の乳剤層のpHや含水率によって制御可能である。
乳剤層には、銀塩乳剤のほか、必要に応じて、染料、バインダー、溶媒等を含有することができる。以下、乳剤層に含まれる各成分について説明する。
<銀塩乳剤>
本発明で用いられる銀塩乳剤としては、ハロゲン化銀などの無機銀塩や酢酸銀などの有機銀塩が挙げられる。銀塩乳剤は、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においても用いることができる。
上記ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。例えば、AgCl、AgBr、AgIを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、さらにAgBrやAgClを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。塩臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀もまた好ましく用いられる。より好ましくは、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀であり、最も好ましくは、塩化銀50モル%以上を含有する塩臭化銀、沃塩臭化銀が用いられる。
尚、ここで、「AgBr(臭化銀)を主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める臭化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。このAgBrを主体としたハロゲン化銀粒子は、臭化物イオンのほかに沃化物イオン、塩化物イオンを含有していてもよい。
なお、ハロゲン化銀乳剤における沃化銀含有率は、ハロゲン化銀乳剤1モルあたり1.5mol%であることが好ましい。沃化銀含有率を1.5mol%とすることにより、カブリを防止し、圧力性を改善することができる。より好ましい沃化銀含有率は、ハロゲン化銀乳剤1モルあたり1mol%以下である。
ハロゲン化銀は固体粒子状であり、露光、現像処理後に形成されるパターン状金属銀層の画像品質の観点からは、ハロゲン化銀の平均粒子サイズは、球相当径で0.1〜1000nm(1μm)であることが好ましく、0.1〜100nmであることがより好ましく、1〜50nmであることがさらに好ましい。
尚、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状であることができ、立方体、14面体が好ましい。
ハロゲン化銀粒子は内部と表層が均一な相からなっていても異なっていてもよい。また粒子内部或いは表面にハロゲン組成の異なる局在層を有していてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、P. Glafkides 著 Chimie etPhysique Photographique (Paul Montel 社刊、1967年)、G. F. Dufin 著Photographic Emulsion Chemistry (The Forcal Press刊、1966年)、V. L.Zelikman et al著 Making and Coating Photographic Emulsion (The Forcal Press 刊、1964年)などに記載された方法を用いて調製することができる。
すなわち、ハロゲン化銀乳剤の調製方法としては、酸性法、中性法等のいずれでもよく、又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩とを反応させる方法としては、片側混合法、同時混合法、それらの組み合わせなどのいずれを用いてもよい。
また、銀粒子の形成方法としては、粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。さらに、同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
またアンモニア、チオエーテル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して粒子形成させることも好ましい。係る方法としてより好ましくは四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−82408号、同55−77737号各公報に記載されている。好ましいチオ尿素化合物はテトラメチルチオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンチオンが挙げられる。ハロゲン化銀溶剤の添加量は用いる化合物の種類および目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成により異なるが、ハロゲン化銀1モルあたり10-5〜10-2モルが好ましい。
上記コントロールド・ダブルジェット法およびハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成方法では、結晶型が規則的で粒子サイズ分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作るのが容易であり、本発明に好ましく用いることができる。
また、粒子サイズを均一にするためには、英国特許第1,535,016号明細書、特公昭48−36890号広報、同52−16364号公報に記載されているように、硝酸銀やハロゲン化アルカリの添加速度を粒子成長速度に応じて変化させる方法や、英国特許第4,242,445号明細書、特開昭55−158124号公報に記載されているように水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を越えない範囲において早く銀を成長させることが好ましい。
ハロゲン化銀乳剤は単分散乳剤が好ましく、{(粒子サイズの標準偏差)/(平均粒子サイズ)}×100で表される変動係数が20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下であることが好ましい。
また、ハロゲン化銀乳剤は、粒子サイズの異なる複数種類のハロゲン化銀乳剤を混合してもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、VIII族、VIIB族に属する金属を含有してもよい。特に、高コントラストおよび低カブリを達成するために、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物、鉄化合物、オスミウム化合物などを含有することが好ましい。これら化合物は、各種の配位子を有する化合物であってよく、配位子として例えば、シアン化物イオンやハロゲンイオン、チオシアナートイオン、ニトロシルイオン、水、水酸化物イオンなどや、こうした擬ハロゲン、アンモニアのほか、アミン類(メチルアミン、エチレンジアミン等)、ヘテロ環化合物(イミダゾール、チアゾール、5−メチルチアゾール、メルカプトイミダゾールなど)、尿素、チオ尿素等の、有機分子を挙げることができる。
また、高感度化のためにはK4〔Fe(CN)6〕やK4〔Ru(CN)6〕、K3〔Cr
(CN)6〕のごとき六シアノ化金属錯体のドープが有利に行われる。
上記ロジウム化合物としては、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。水溶性ロジウム化合物としては、例えば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、ヘキサクロロロジ
ウム(III)錯塩、ペンタクロロアコロジウム錯塩、テトラクロロジアコロジウム錯塩、
ヘキサブロモロジウム(III)錯塩、ヘキサアミンロジウム(III)錯塩、トリザラトロジウム(III)錯塩、K3Rh2Br9等が挙げられる。
これらのロジウム化合物は、水或いは適当な溶媒に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、或いはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。
上記イリジウム化合物としては、K2IrCl6、K3IrCl6等のヘキサクロロイリジウム錯塩、ヘキサブロモイリジウム錯塩、ヘキサアンミンイリジウム錯塩、ペンタクロロニトロシルイリジウム錯塩等が挙げられる。
上記ルテニウム化合物としては、ヘキサクロロルテニウム、ペンタクロロニトロシルルテニウム、K4〔Ru(CN)6〕等が挙げられる。
上記鉄化合物としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、チオシアン酸第一鉄が挙げられる。
上記ルテニウム、オスミニウムは特開昭63−2042号公報、特開平1−285941号公報、同2−20852号公報、同2−20855号公報等に記載された水溶性錯塩の形で添加され、特に好ましいものとして、以下の式で示される六配位錯体が挙げられる。
〔ML6〕‐n
(ここで、MはRu、またはOsを表し、nは0、1、2、3または4を表す。)
この場合、対イオンは重要性を持たず、例えば、アンモニウム若しくはアルカリ金属イオンが用いられる。また好ましい配位子としてはハロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げられる。以下に本発明に用いられる具体的錯体の例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔RuCl6-3、〔RuCl4(H2O)2-1、〔RuCl5(NO)〕-2、〔RuBr5(NS)〕-2、〔Ru(CO)3Cl3-2、〔Ru(CO)Cl5-2、〔Ru(CO)
Br5-2、〔OsCl6-3、〔OsCl5(NO)〕-2、〔Os(NO)(CN)5-2、〔Os(NS)Br5-2、〔Os(CN)6-4、〔Os(O)2(CN)5-4
これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1モル当り10-10〜10-2モル/モルAgで
あることが好ましく、10-9〜10-3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
その他、本発明では、Pd(II)イオンおよび/またはPd金属を含有するハロゲン化銀も好ましく用いることができる。Pdはハロゲン化銀粒子内に均一に分布していてもよいが、ハロゲン化銀粒子の表層近傍に含有させることが好ましい。ここで、Pdが「ハロゲン化銀粒子の表層近傍に含有する」とは、ハロゲン化銀粒子の表面から深さ方向に50nm以内において、他層よりもパラジウムの含有率が高い層を有することを意味する。
このようなハロゲン化銀粒子は、ハロゲン化銀粒子を形成する途中でPdを添加することにより作製することができ、銀イオンとハロゲンイオンとをそれぞれ総添加量の50%以上添加した後に、Pdを添加することが好ましい。またPd(II)イオンを後熟時に添加するなどの方法でハロゲン化銀表層に存在させることも好ましい。
このPd含有ハロゲン化銀粒子は、物理現像や無電解メッキの速度を速め、所望の電磁波シールド材の生産効率を上げ、生産コストの低減に寄与する。Pdは、無電解メッキ触媒としてよく知られて用いられているが、本発明では、ハロゲン化銀粒子の表層にPdを偏在させることが可能なため、極めて高価なPdを節約することが可能である。
ハロゲン化銀に含まれるPdイオンおよび/またはPd金属の含有率は、ハロゲン化銀の、銀のモル数に対して10-4〜0.5モル/モルAgであることが好ましく、0.01〜0.3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
使用するPd化合物の例としては、PdCl4や、Na2PdCl4等が挙げられる。
本発明では、さらに光センサーとしての感度を向上させるため、写真乳剤で行われる化学増感を施すこともできる。化学増感の方法としては、硫黄増感、セレン増感、テルル増感等カルコゲン増感、金増感などの貴金属増感、還元増感等を用いることができる。これらは、単独または組み合わせて用いられる。上記化学増感の方法を組み合わせて使用する場合には、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法などの組み合わせが好ましい。
上記硫黄増感は、通常、硫黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。上記硫黄増感剤としては公知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤の添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなどの種々の条件の下で変化し、ハロゲン化銀1モル当り10-7〜10-2モルが好ましく、より好ましくは10-5〜10-3モルである。
上記セレン増感に用いられるセレン増感剤としては、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわち、上記セレン増感は、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。上記不安定型セレン化合物としては特公昭44−15748号公報、同43−13489号公報、特開平4−109240号公報、同4−324855号公報等に記載の化合物を用いることができる。特に特開平4−324855号公報中の一般式(VIII)および(IX)で示される化合物を用いることが好ましい。
上記テルル増感剤に用いられるテルル増感剤は、ハロゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定されるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5−313284号公報に記載の方法で試験することができる。具体的には、米国特許US第1,623,499号明細書、同第3,320,069号明細書、同第3,772,031号明細書、英国特許第235,211号明細書、同第1,121,496号明細書、同第1,295,462号明細書、同第1,396,696号明細書、カナダ特許第800,958号明細書、特開平4−204640号公報、同4−271341号公報、同4−333043号公報、同5−303157号公報、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)635(1980)、 ibid1102(1979)、 ibid 645(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・パーキン・トランザクション(J.Chem.Soc.Perkin.Trans.)1,2191(1980)、S.パタイ(S.Patai)編、ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・アンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of Organic Selenium and Tellunium Compounds)、Vol 1(1986)、同 Vol 2(1987)に記載の化合物を用いることができる。特に特開平5−313284号公報中の一般式(II)(III)(IV)で示される化合物が好ましい。
セレン増感剤およびテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モル程度を用いる。化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度としては40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。
また、上記貴金属増感剤としては、金、白金、パラジウム、イリジウム等が挙げられ、特に金増感が好ましい。金増感に用いられる金増感剤としては、具体的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、チオグルコース金(I)、チオマンノース金(I)などが挙げられ、ハロゲン化銀1モル当たり10-7〜10-2モル程度を用いることができる。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程においてカドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させてもよい。
また、ハロゲン化銀乳剤に対しては還元増感を用いることができる。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用いることができる。上記ハロゲン化銀乳剤は、欧州公開特許(EP)293917に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。ハロゲン化銀乳剤は、1種だけでもよいし、2種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの、感度の異なるもの)の併用であってもよい。中でも高コントラストを得るためには、特開平6−324426号公報に記載されているように、支持体に近いほど高感度な乳剤を塗布することが好ましい。
なお、銀塩乳剤の塗設量に特に制限は無い。乳剤の塗設量が多すぎると感光材料のコスト上昇、現像時間の延長等が問題となるが、銀塩乳剤の塗設量を増やすほどより低い抵抗値の現像銀形成に有効である。導電性膜形成用銀塩感光材料として好ましい銀塩乳剤の塗設量は、銀量換算で2g/mから15g/mの範囲であり、4g/mから10g/mであることがより好ましい。
<バインダー>
乳剤層には、銀塩粒子を均一に分散させ、かつ乳剤層と支持体との密着を補助する目的でバインダーを用いることができる。本発明において上記バインダーとしては、非水溶性ポリマーおよび水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
上記バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロースおよびその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
乳剤層中に含有されるバインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができるが、乳剤層中のバインダー比がより高いほど低い抵抗値の現像銀形成が可能であり好ましい。ただしAg/バインダー比が高くなりすぎるとハロゲン化銀粒子の凝集や塗布性悪化が問題となる。本発明において、Ag/バインダー重量比率が3以上であることが好ましく、4.5以上12以下であることがより好ましく、6以上10以下であることが最も好ましい。
また、バインダーの種類としてはゼラチンが最も好ましい。
<硬膜剤>
本発明に係る感光材料の乳剤層およびその他の親水性コロイド層は、硬膜剤によって硬膜されることが好ましい。
硬膜剤としては、無機又は有機のゼラチン硬化剤を単独又は組合せて用いることができる。例えば活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド〕など)活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸など)、N−カルバモイルピリジニウム塩類((1−モルホリ、カルボニル−3−ピリジニオ)メタンスルホナートなど)ハロアミジニウム塩類(1−(1−クロロ−1−ピリジノメチレン)ピロリジニウム、2−ナフタレンスルホナートなど)を単独または組合せて用いることができる。なかでも、特開昭53−41220、同53−57257、同59−162546、同60−80846に記載の活性ビニル化合物および米国特許3,325,287号に記載の活性ハロゲン化合物が好ましい。以下にゼラチン硬化剤の代表的な化合物例を示す。
Figure 2007102200
Figure 2007102200
Figure 2007102200
前述したように、乳剤層の硬膜剤の添加量等を調製することにより、乳剤層の膨潤率を任意にコントロールすることができる。
乳剤層へ添加する硬膜剤量の好ましい範囲は、硬膜剤添加後の感光材料の保存温湿度、保存期間、感光材料の膜pHおよび感光材料に含まれるバインダー量等によって異なるため、一概には決まらない。特に硬膜剤はバインダーと反応する前に感光材料の同一面側に位置する全層にわたって拡散し得るため、硬膜剤の好ましい添加量は乳剤層を含む感光材料の同一面側の全バインダー量に依存する。本発明の感光材料の、好ましい硬膜剤の含有量は、乳剤層を含む感光材料の同一面側の総バインダー量に対して0.2重量%〜15重量%の範囲であり、より好ましくは0.5重量%〜6重量%の範囲である。
また前述のように硬膜剤は拡散し得るため、硬膜剤の添加位置は乳剤層である必要は無く、乳剤層と同一面側のいずれの層にも好ましく添加でき、また複数の層に分割して添加することも好ましい。
<染料>
感光材料には、少なくとも乳剤層に染料が含まれていてもよい。該染料は、フィルター染料として若しくはイラジエーション防止その他種々の目的で乳剤層に含まれる。上記染料としては、固体分散染料を含有してよい。本発明に好ましく用いられる染料としては、特開平9−179243号公報記載の一般式(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一般式(FA3)で表される染料が挙げられ、具体的には同公報記載の化合物F1〜F34が好ましい。また、特開平7−152112号公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−152112号公報記載の(III−5)〜(III−18)、特開平7−152112号公報記載の(IV−2)〜(IV−7)等も好ましく用いられる。
このほか、本発明に使用することができる染料としては、現像または定着の処理時に脱色させる固体微粒子分散状の染料としては、特開平3−138640号公報記載のシアニン染料、ピリリウム染料およびアミニウム染料が挙げられる。また、処理時に脱色しない染料として、特開平9−96891号公報記載のカルボキシル基を有するシアニン染料、特開平8−245902号公報記載の酸性基を含まないシアニン染料および同8−333519号公報記載のレーキ型シアニン染料、特開平1−266536号公報記載のシアニン染料、特開平3−136038号公報記載のホロポーラ型シアニン染料、特開昭62−299959号公報記載のピリリウム染料、特開平7−253639号公報記載のポリマー型シアニン染料、特開平2−282244号公報記載のオキソノール染料の固体微粒子分散物、特開昭63−131135号公報記載の光散乱粒子、特開平9−5913号公報記載のYb3+化合物および特開平7−113072号公報記載のITO粉末等が挙げられる。また、特開平9−179243号公報記載の一般式(F1)、一般式(F2)で表される染料で、具体的には同公報記載の化合物F35〜F112も用いることができる。
また、上記染料としては、水溶性染料を含有することができる。このような水溶性染料としては、オキソノール染料、ベンジリデン染料、メロシアニン染料、シアニン染料およびアゾ染料が挙げられる。中でも本発明においては、オキソノール染料、ヘミオキソノール染料およびベンジリデン染料が有用である。本発明に用い得る水溶性染料の具体例としては、英国特許584,609号明細書、同1,177,429号明細書、特開昭48−85130号公報、同49−99620号公報、同49−114420号公報、同52−20822号公報、同59−154439号公報、同59−208548号公報、米国特許2,274,782号明細書、同2,533,472号明細書、同2,956,879号明細書、同3,148,187号明細書、同3,177,078号明細書、同3,247,127号明細書、同3,540,887号明細書、同3,575,704号明細書、同3,653,905号明細書、同3,718,427号明細書に記載されたものが挙げられる。
上記乳剤層中における染料の含有量は、イラジエーション防止などの効果と、添加量増加による感度低下の観点から、全固形分に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
<溶媒>
上記乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等アルコール類、アセトンなどケトン類、ホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸エチルなどのエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、およびこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本発明の乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、前記乳剤層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
[支持体]
本発明に係る感光材料の支持体としては、プラスチックフイルム、プラスチック板、およびガラス板などを用いることができる。
上記プラスチックフイルムおよびプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
本発明においては、透明性、耐熱性、取り扱いやすさおよび価格の点から、上記プラスチックフイルムはポリエチレンテレフタレートフイルムであることが好ましい。
本発明により得られる導電性金属膜がディスプレイ用の電磁波シールド材料として用いられる場合、支持体は透明プラスチック等の透明基材であることが好ましい。この場合におけるプラスチックフイルムまたはプラスチック板の全可視光透過率は70〜100%が好ましく、さらに好ましくは85〜100%であり、特に好ましくは90〜100%である。
また、支持体は着色したものでもよい。支持体は単層でもよいし、2層以上からなる多層フイルムでもよい。
支持体としてガラス板を用いる場合、その種類は特に限定されないが、本発明により得られる導電性金属膜がディスプレイ用電磁波シールド膜の用途として用いられる場合は、表面に強化層を設けた強化ガラスを用いることが好ましい。強化ガラスは、強化処理していないガラスに比べて破損を防止できる可能性が高い。さらに、風冷法により得られる強化ガラスは、万一破損してもその破砕破片が小さく、かつ端面も鋭利になることはないため、安全上好ましい。
[感光材料の形成]
本発明に係る感光材料は、上記成分を含有する乳剤層用塗布液を支持体上に塗布することにより形成することができる。塗布手段としてはいずれの塗布手段を用いてもよい。
塗布後の乳剤層のpHとしては、前述の膨潤率を達成するために、3.0〜9.0の範囲とするのが好ましく、4.0〜7.0の範囲とすることが好ましい。ここで乳剤層のpHは、塗布膜の表面に蒸留水を1滴20μリットルを滴下し表面電極を接して25℃1分後のpH値を読みとった値と定義する。また、乳剤層の含水率は、乳剤層の総バインダー量に対して50重量%以下の範囲が好ましく、5〜30重量%の範囲とすることが好ましい。
本発明に係る感光材料は、乳剤層以外にも他の機能層を有していてもよい。他の機能層としては、例えば、乳剤層側には保護層、UL層、下塗り層等を設けることができるし、乳剤層を有しない側にはバック層等を設けることができる。
なお、乳剤層は実質的に最上層に配置されていることが好ましい。ここで、「乳剤層が実質的に最上層である」とは、乳剤層が実際に最上層に配置されている場合のみならず、乳剤層の上に設けられた層の総膜厚が0.5μm以下であることを意味する。乳剤層の上に設けられた層の総膜厚は、好ましくは0.2μm以下である。また、乳剤層の膜厚は、特に限定されないが、0.2〜20μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがより好ましい。
第1露光部13は、露光ローラ28と、この露光ローラ28の外周に配置される第1フォトマスク29と、この第1フォトマスク29に光を照射する露光光源である第1照明部30とから構成されている。図5に示すように、第1フォトマスク29は、例えば、厚みt2=4.5mm、ワーク搬送方向Fのマスク長さL’=200mm、ワーク搬送方向Fに直交するマスク幅W’=800mmの透明なソーダガラスで形成されたマスク基板32と、このマスク基板32の一方の面の有効長さL=200mm、有効幅W=760μmからなるパターンエリア35内に形成される第1マスクパターン33とからなる。
第1マスクパターン33は、例えば黒色の遮光パターンに、第1マスクパターン33の形状のスリットを形成して光が透過できるようにしたものである。なお、本来、遮光パターンを黒地で、スリットからなる第1マスクパターン33を白地で描くべきであるが、図面が煩雑になるため、図5では、遮光パターンを白地で、第1マスクパターン33を黒線で描いている。
図6(A)に示すように、第1マスクパターン33は、上述したメッシュ状の周期パターン5のうち、細線5aの露光を行うためのパターンであり、クロム蒸着によりマスク基板32上に形成されている。この第1マスクパターン33がワーク搬送方向Fに繰り返し露光される周期である周期長さL1は、L1=P1/sinθ1=300/sin30=600μmとなる。
第1マスクパターン33の線幅D1’は、プロキシミティ露光によって生ずる線幅太りを見込んで、出来上がり寸法D1より細めの線幅としておくのが好ましい。また、マスク有効幅Wは、帯状ワーク11の蛇行量を見込んでワーク幅W0より若干大きめの長さとするのが好ましい。
L=200mmは、L1=600μmに対して十分大きいが、これは第1フォトマスク29のたわみなどによる像のねじれを配慮したもので剛性確保の配慮であって、パターン形成の必要性から決めたものではない。そのため、第1フォトマスク29の剛性が確保できる構造であれば、L寸法はもっと小さくてもよく、大判のフォトマスクを必要としないという点でコストダウンに繋がる長所となる。たとえば、800×1000mmのソーダガラス基板に同一周期パターンを切ったマスクを形成し、その後短冊状に分割すれば、1枚のマスク製作と切断により、複数個のマスクとなるので、安価にマスクを製作する事ができる。
なお、第1マスクパターン33のパターン長さLを周期パターン5の露光に最低限必要な周期長さL1に対して十分に大きくすることにより、仮に作業ミスなどでフォトマスク29が損傷しても、ワーク搬送方向FにL1以上ずらして組み付ければ、新しい第1フォトマスク29として使用することができる。このように、複数回の使いまわしができる点で、予備の第1フォトマスク29が必ずしも必要でなくなり、その点でもコストパフォーマンスがよい。
上記第1フォトマスク29は、図7に示すマスク保持部40によって保持されている。マスク保持部40は、第1フォトマスク29を保持する保持枠41と、この保持枠41に保持された第1フォトマスク29が、帯状ワーク11との間にプロキシミティギャップLgを隔てて対面される露光位置と、帯状ワーク11からプロキシミティギャップLg以上離されて隙間が形成される退避位置(図中2点鎖線で示す)との間で保持枠41を移動自在に支持する支持部42と、保持枠41を露光位置と退避位置との間で移動させる駆動部であるアクチュエータ43とから構成されている。
保持枠41は、第1フォトマスク29の外周を前後から挟み込んで保持する。保持枠41には、背面側から螺合されて第1フォトマスク29に当接する調節ネジ46が幅方向に複数箇所設けられている。これらの調節ネジ46は、プロキシミティギャップLgの幅方向微小ひずみに対する微調整を行う調整部であり、保持枠41への締め込み量を加減することによって第1フォトマスク29が調節ネジ46に押され、保持枠41内で移動して全幅でギャップが同じになるように、プロキシミティギャップLgが調整される。
支持部42は、保持枠41に取り付けられるスライドガイド49と、このスライドガイド49をスライド自在に支持するスライドレール50等からなり、保持枠41を露光位置と退避位置との間でスライド自在に支持する。アクチュエータ43は、例えば、モータやソレノイド、エアシリンダ等が用いられ、保持枠41をスライドレール50上でスライドさせて露光位置と退避位置とに移動させる。プロキシミティギャップLgは、スライドレール50上の露光位置を決めるストッパの微調整により決定される。
アクチュエータ43は、支持部42に取り付けられ、移動子43aがスライドガイド49に接続され、制御部17によって制御される。このアクチュエータ43は、露光時には移動子43aを下方に突出させて保持枠41を露光位置に移動させる。また、帯状ワーク11の接合部分が第1フォトマスク29の下を通過する際には、移動子43aを引き込んで保持枠41を退避位置に移動させ、第1フォトマスク29と接合部分との干渉を防止する。退避位置は、第1フォトマスク29と接合部分との干渉を確実に避けるために、例えば、露光位置から50mm程度上方に設定されている。なお、支持部42には、露光位置へ移動した際の位置再現性の高い高精度なものが用いられているため、保持枠41の移動によってプロキシミティギャップLgがずれることはない。
図8は、第1照明部30の構成を示す概略図である。第1照明部30は、レーザ出力装置55と、このレーザ出力装置55から出力されたレーザ光S1をコリメートして平行光にするコリメートレンズ56と、レーザ光S1を反射する反射ミラー59と、走査手段であるポリゴンミラー57及びモータ58とから構成されている。
レーザ出力装置55は、例えば、出力60mwのシングルモード半導体レーザ出力装置であり、銀塩感材21に合せて波長が405nmのレーザ光S1を出力する。コリメートレンズ56は、例えば焦点距離3mmであり、図9に示すように、入力されたレーザ光S1を長軸Lb=3.6mm、短軸Wb=1.2mmの楕円形の射影形状を有する平行光に変換する。このレーザ光S1は、長軸Lbがワーク搬送方向Fに、短軸Wbがワーク幅方向に沿うように、第1フォトマスク29に照射される。
なお、レーザ光S1の射影形状及び大きさは1/e換算ビーム径であるが、これに限定されるものではなく、コリメートレンズ56により自由に設定することができる。また、60mwシングルモード半導体レーザを使用したが、レーザ定格出力を規定するものではなく、光源パワーが大きいほど設計余裕がとれるため、より好ましいといえる。例えば、2本のレーザを偏光合波して、パワーを上げたり、200mwマルチモード半導体レーザを使ってもよい。また半導体レーザとコリメートレンズによって作った平行光を集積して小さな面積に集光した光源によってパワーをあげて露光することも好ましい。
ポリゴンミラー57は、略円板形状の外周面に平板な反射面61が複数設けられたもので、反射面61に入射されたレーザ光S1を第1フォトマスク29に向けて反射し、その際にモータ58によって回転されることにより、レーザ光S1を第1フォトマスク29上でワーク幅方向に走査させる。本実施形態のポリゴンミラー57は、18面の反射面61が設けられている。この反射面61により走査できる走査角度は20°であるが、本実施形態では走査角度θsとして10°を露光走査に利用する。また、10°の走査角度θsで第1フォトマスク29の幅方向全域を走査するために、ポリゴンミラー57の反射面61から第1フォトマスク29までの距離Lsを2250mmとしている。
露光走査に使用する走査角度θsを10°としたのは、ポリゴンミラー57の反射による露光時間のバラツキを小さくするためである。ポリゴンミラー57の反射面61は、回転方向の中央部と端部とで中心からの半径が異なるため、回転時の角速度の違いから走査速度が変化し、露光時間にバラツキが生じて露光品質が低下する。例えば、走査角度が10°のときには、反射面61の中央部と端部との走査速度の差は3.1%と小さいため、周期パターン5の露光に対する影響は少ない。しかし、走査角度が20°になると、走査速度の差は13.2%になり、走査角度45°では50%になるため、周期パターン5の線幅や間隔が不均一になる等の露光不良が発生する。
また、ポリゴンミラー57の反射面数を18面としたのは、ポリゴンミラー57の直径を100mm程度に抑えるためである。本来ならば20°の走査角度を有するポリゴンミラー57で10°の走査角度しか使用しない場合、露光光源の使用効率が50%となる。また、この50%の使用効率で必要な露光量を得るために、露光光源の光量も大きくする必要があるため、コスト的に不利である。しかし、露光光源の使用効率を上げるためにポリゴンミラー57の反射面数を36面にすると、ポリゴンミラー57の直径は600mm以上となり、部品加工コストが現実的でなくなるため、本実施形態では18面を採用した。なお、ポリゴンミラー57の反射面数と露光光源の光量は対応関係にあるため、露光光源のパワーと露光感材の感度との組み合わせに応じて最適な反射面数を選択するとよい。
なお、レーザ走査はポリゴンミラーに限ったものでなく、ガルバノ、レゾナントスキャナー他いろいろなアクチュエータが利用可能である。ただし、レーザ走査は、後述するが必ず1方向からのスキャニングとする必要があり、往復走査するタイプのアクチュエータでは片方向をオフする変調制御が必要となる。
第2露光部14は、第1露光部13と同様に、第2フォトマスク65と、この第2フォトマスク65を保持するマスク保持部と、第2照明部66とから構成されている。第2フォトマスク65は、第1フォトマスク29と同様に、マスク基板と、このマスク基板に設けられるマスクパターンとから構成されている。なお、マスク基板は第1フォトマスク29と同じものが用いられており、パターンエリアも同サイズとされている。
図6(B)は、第2フォトマスク65の第2マスクパターン69を示す。この第2マスクパターン69は、上述したメッシュ状の周期パターン5のうち、細線5bの露光を行うためのパターンであり、クロム蒸着によりマスク基板上に形成されている。この第2マスクパターン69のワーク搬送方向Fに対する周期長さL2は、L2=P/sinθ2=300/sin60=346μmとなる。なお、第2マスクパターン69の線幅D2’も、プロキシミティ露光によって生ずる線幅太りを見込んで、出来上がり寸法D2より細めの線幅としておくのが好ましい。
第1マスクパターン33と第2マスクパターン69とを重ね合わせると、図6(C)に示すように、周期パターン5と同形状のパターン72となり、第1露光部13と第2露光部14とで順に露光を行うことにより、周期パターン5を露光することができる。なお、第2露光部14のその他の構成部品は、第1露光部13と共通であるため、詳しい説明は省略する。
次に、上記構成のパターン露光装置10によってメッシュ状の周期パターン5を露光する方法について説明する。図10は、本発明のパターン露光方法を示す概念図である。帯状ワーク84は、図中矢印Fで示すワーク搬送方向に搬送され、この搬送中に照明部81からフォトマスク82にレーザ光Sが照射される。フォトマスク82に照射されたレーザ光Sは、マスクパターン83のスリットを通って帯状ワーク84に達し、所定のパターンが搬送方向に沿って周期的に露光される。帯状ワーク84とフォトマスク82との間には、例えば50μmのプロキシミティギャップLgが設けられており、ワーク搬送速度Vと、マスクパターン83の周期長さから得られる露光周期とを同期させてプロキシミティ露光を行うことにより、ズレの無いパターンが露光される。
本発明は、帯状ワーク84を停止させずに連続搬送しながら、フォトマスク82は静止させた状態で、少なくとも1周期分のマスクパターン83の全域をカバーする露光領域に、周期長さに合せた周期でプロキシミティ露光することが特徴となる。
上記パターン露光方法を本実施形態に適用すると、第1マスクパターン33の少なくとも1周期分の全域をカバーする露光領域とは、第1マスクパターン33の周期長さL1=600μm、及び幅方向750mmの領域を含む最小限の露光エリアを言う。
第1マスクパターン33の搬送方向の周期長さL1=600μm、帯状ワーク11のワーク搬送速度をV=4m/分、第1マスクパターン33を露光するための露光周期をT1、露光時間をΔT1、第1マスクパターン33の最小線幅D1’min=10μmとした時、周期長さL1だけ帯状ワーク11が搬送されるのに必要な時間は、L1/V=9.0msecとなる。この時間に1回のレーザ走査を行うように設計すると、露光周期T1=9.0msecとなり、18面ポリゴンミラー57の回転数は、ω1=370rpmとなる。このときのビーム走査速度Vb1は、ポリゴンミラー57から第1フォトマスク29までの距離Lsが2250mmであるので、Vb1=Ls・ω1=86.9m/sec、レーザ光S1の射影形状の幅方向の大きさWbは1.2mmなので、レーザ光S1がこの走査速度で露光している露光時間はΔT1=1.2/vb1=13.9μsec、この間で帯状ワーク11が送り方向に動く搬送量Lm1は、V・ΔT1=0.93μmとなる。
上記搬送量Lm1は、露光時に第1フォトマスク29に対して帯状ワーク11が搬送方向Fにずれる量となる。そのため、搬送量Lm1が第1マスクパターン33の最小線幅D1’minよりも大きくなると、細線5aの線幅D1が太くなり露光品質が低下する。露光品質を確保するには、V・ΔT1<D1’minにしなければならない。なお、本実施形態では、V・ΔT1=0.93μm<D1’min=10μmを満たすため、露光品質の低下は少ない。
なお、本実施形態では、前述のレーザ走査によるレーザ光S1の射影形状の大きさを長軸Lb=3.6mm×短軸Wb=1.2mmとし、第1フォトマスク29の裏面には、レーザ光S1の長軸Lbにほぼ等しい幅Wsを有するスリット75が設けられた遮光マスク76を配置し、それ以上の光が第1フォトマスク29に当たらないようにしている。そのため、レーザ光S1の1走査による露光領域は、搬送方向3.6mm×幅方向750mmとなり、3.6/0.6=6列分の第1マスクパターン33を照射し、かつ多重露光が行われることになる。
これにより、第1フォトマスク29上に射影される露光光源の光の長さLb=3.6mm、Lb=3.6>L1=0.6を満たし、Lb/L1の商m1はm1=6となる。したがって、ワーク搬送速度Vと露光周期T1との間の関係が、(n1−1)×(L1/V)=T1(n1は自然数)、かつ2=<n1<=m1=6満たすようにすると、n1=2〜6の任意の数字を選択でき、最も多重露光回数を多く出来るのは、n1=2の場合である。本実施形態では、上述のように、第1マスクパターン33の1周期分の長さだけ帯状ワーク11が搬送されるのに必要な時間L1/V=9.0msecとし、この時間に1回のレーザ走査を行うため、n1=2、T1=9.0msecになるようにT1とVとの関係を決めてある。
第2マスクパターン69の少なくとも1周期分の全域をカバーする露光領域とは、第2マスクパターン69の周期長さL2=346μm、及び幅方向750mmの領域を含む最小限の露光エリアを言う。
第2マスクパターン69の搬送方向の周期長さL2=346μm、帯状ワーク11のワーク搬送速度をV=4m/分、第2マスクパターン69を露光するための露光周期をT2、露光時間をΔT2、第2マスクパターン69の最小線幅D2’min=10μmとした時、周期長さL2だけ帯状ワーク11が搬送されるのに必要な時間は、L2/V=5.2msecとなる。第1露光部13の露光回数に近付けるために、L2/V中に2回のレーザ走査を行うように設計すると、露光周期T2=10.4msecとなり、18面ポリゴンミラーの回転数は、ω2=320rpmとなる。このときのビーム走査速度Vb2は、ポリゴンミラーから第2フォトマスク65までの距離Lsが2250mmであるので、Vb2=Ls・ω2=75.2m/sec、レーザ光S2の射影形状の幅方向の大きさWbは、S1と同じ1.2mmなので、レーザ光S2がこの走査速度で露光している露光時間はΔT2=1.2/vb2=13.4μsec、この間で帯状ワーク11が送り方向に動く搬送量Lm2は、V・ΔT2=1.07μmとなる。本実施形態では、V・ΔT2=1.07μm<D2’min=10μmを満たすため、露光品質の低下は少ない。
なお、第2露光部14にもレーザ光S2の長軸Lbにほぼ等しい幅を有するスリットが設けられた遮光マスクが設置されているため、それ以上の光が第2フォトマスク65に当たらない。そのため、レーザ光S2の1走査による露光領域は、搬送方向3.6mm×幅方向750mmとなり、3.6/0.364=10.4列分の第2マスクパターン69を照射し、かつ多重露光が行われることになる。
これにより、第2フォトマスク65上に射影される露光光源の光の長さLb=3.6mm、Lb=3.6>L2=0.346を満たし、Lb/L2の商m2はm2=10となる。したがって、ワーク搬送速度Vと露光周期T2との関係が、(n2−1)×(L2/V)=T2(n2は自然数)、かつ2=<n2<=m2=10を満たすようにすると、n2=2〜10の任意の数字を選択でき、最も多重露光回数を多く出来るのは、n2=2の場合である。この第2露光部14では、第1露光部13の露光周期T1で決まる露光回数に極力合せるため、すなわち、第1露光部13の露光周期T1の位相に合せて、2周期分の第2マスクパターン69が搬送される間に1回の走査が行われるように、n2=3、2×L2/V=10.4msecとなるように露光周期T2と搬送速度Vとの関係を決めてある。したがって、346μm×2=692μmに1回露光が行われる。
図11に、第1露光部13での銀塩感材21への露光状態を模式的に表した図を示す。同図(A)のa〜eに示すように、レーザ光S1の1走査により、第1フォトマスク29越しに6列分の第1マスクパターン33が順次左から右へ全幅を露光される。すなわち、同図(B)のaに示すように、帯状ワーク11には、ワーク搬送方向Fに6列分の細線5aが露光される。その間に、帯状ワーク11はワーク搬送方向Fに周期長さL1分搬送されているので、帯状ワーク11上のすでに細線5aが露光された部分の上から同じパターンが第1フォトマスク29越しに重ね露光される。このときの露光周期T1がワーク搬送速度Vに同期されていれば、潜像に重ねて露光がなされるため、細線5aに乱れは生じない。これを順次繰り返していくことにより、同図(B)a〜gに示すように、1本の細線5aに対して必ず6回分の多重露光がなされることになる。なお、パターン露光装置10の稼働開始時と稼働終了時には、段階的に露光回数が不足するので、この部分はNGとして抜き取られる。
図12は、第2露光部14での銀塩感材21への露光状態を模式的に表した図を示す。同図(A)のa〜eに示すように、レーザ光S2の1走査により、第2フォトマスク65越しに10.4列分の第2マスクパターン69が順次左から右へ全幅を露光される。すなわち、同図(B)のaに示すように、すでに第1露光部13で露光されている細線5aの上に、ワーク搬送方向Fに10.4列分の細線5bが露光される。その間に、帯状ワーク11はワーク搬送方向Fに周期長さL2×2だけ搬送されているので、帯状ワーク11上のすでに細線5bが露光された部分の上から、同じパターンが第2フォトマスク65越しに重ね露光される。このときの露光周期T2がワーク搬送速度Vに同期されていれば、潜像に重ねて露光がなされるため、細線5bに乱れは生じない。これを順次繰り返していくことにより、同図(B)a〜gに示すように、1本の細線5bに対して必ず5.2回分の多重露光がなされることになる。これにより、細線5a,5bが重なって周期パターン5が形成される。
ワーク搬送速度Vと、露光周期T1,T2の同期は、基準のクロックとして外部に水晶発振器80を設け、制御部17は、このクロックを参照してすべての速度が所望の一定速度になるように制御する。これによって正確な同期を取ることができる。
上記の必要露光量について計算すると、4m/分の速度で感材750mm幅を露光するので単位時間あたりの露光面積は66.7mm/sec(4m/min)×750mm=500cmとなり、感材感度が例えば10μj/cmの場合、10μj/cm×500cm=5mwの露光パワーが必要となる。更に、マスクパターンのスリット幅(最小線幅)=15μm、ピッチP=300μmの時の開口率は9.75%、走査効率を50%、光学系の効率を50%と仮定すると、露光光源利用効率η=0.5×0.5×0.0975=2.4%となる。前述した5mwをこの効率で1回の露光にて得るには、光源パワーは、5mw/2.4%=208mw必要となる。
上記実施形態による多重露光においては、多重露光回数分の積分値で決まる露光量を余計を1回露光に比べて余計に照射できるので、その分光源パワーは小さくてすむ。感材感度(2〜10μj/cm程度)選択、及び光源パワー(50mw〜200mw)選択により、また光源を複数個で露光することでさらにハイパワー化できるので、フレキシブルな設計が可能である。
多重露光することのメリットは、上記計算のように、露光回数を稼げるので光源の光量不足を補うことが出来る点があげられる。更にこれだけでなく、多重露光によって、光源の輝度分布の不均一性を平均化する効果があり、送り方向の輝度ばらつきによる露光量の不均一化を抑制可能である。また横方向の走査も同様に走査方向の光源の輝度分布の不均一性を平均化する効果があり、走査によって走査方向の輝度ばらつきによる露光量の不均一化を抑制可能である。したがって多重露光と横走査との組み合わせによって、光源輝度分布がいかなる場合でも、設計上は積分効果でいつでも均一な露光量になるのである。これは光源の輝度ばらつきを気にする必要がなくなるという点でコストダウンに大きくつながる長所となる。
一方、レーザ光Sの振れの影響は、フォトマスクを介して露光しているため露光量の変動になるが、パターン形状には影響せず、いつもマスクパターンを露光していることになる。しかも多重露光のため、このレーザ光Sの振れによる露光量変動のトータルとしては平均化されて、線幅に影響が出にくい設計となっている。したがって、ポリゴンミラーの面ブレや、各面の角度精度がやや甘くても、露光形状に影響が小さく、安定した品質を保てる点が本発明の大きな長所である。
上記のように2つの露光部13,14でそれぞれ細線5a,5bが連続的にシームレスに露光されるので、結果としてこれらが重なったパターンとして、1辺が300μm、対角が424μmのひし形を斜め15°に傾けて並べたパターンの連なりで形成される、連続メッシュパターンを露光する事ができる。この露光で懸念されるのは、細線5aと5bとの交点の露光量が、第1露光部13と第2露光部14とで、ともに重ねて露光されてしまうため、他の部位に比べて倍になってしまう点である。この点については、感材特性で露光濃度がある程度飽和した状態から露光量を増やしても、線幅の変わらない領域が存在するものを使ってやれば、過飽和による露光パターン形状の乱れの少ない露光が可能である。
また、電磁波シールド材料を構成するメッシュパターンに対して露光される場合には、上記のように重ねて露光することにより、表面抵抗値の低いメッシュパターンを作成することができるという、大きなメリットが得られることが分かっている。以下、このメリットについて説明する。
電磁波シールドフイルムのシールド性能や現像後中間製品のめっき工程適性は、メッシュパターンの表面抵抗値に大きく影響されるため、これを出来る限り下げたいという要求がある。抵抗値を下げるには、メッシュパターンの交点の抵抗値が重要なポイントとなる。すなわち同じ抵抗値の2本の線が交差する時、交点には2倍の電流が流れることが好ましいが、交点部分の抵抗値が同じ場合には、線幅が2倍太くならないとそれだけの電流を流すことができない。また、同じ線幅を用いる場合には、抵抗値が1/2にならないと2倍の電流を流すことができない。したがってメッシュパターンでは、この交点の抵抗値に制限されて、全体としての表面抵抗値が決まってしまう。
これに対し、上記のように露光を2回重ねて行った場合には、交点の現像後の銀密度が上がり、銀量が増える事によって交点部分の抵抗値が下がる。これにより、露光パターンの交点部分の面積をあえて大きくしなくても、抵抗値の低いメッシュパターンを作成することができる。これも2回に分けて露光するメリットとなる。
したがって実施例では1辺が300μm、対角が424μmのひし形を斜め15°に傾けて並べたパターンの連なりで説明したが、同じく1辺が300μm、対角が424μmのひし形で傾き無しのものでは、そのものが周期パターンとなるフルメッシュマスクを使い、1回で露光することが可能である。しかし、あえて片メッシュマスクを使って2回にわけて露光することにより、交点の抵抗値を下げたメッシュパターンを作成することができる。
次に、電磁波シールドフイルム2の露光工程の概要について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。帯状ワーク11は、未露光の銀塩感材21が塗布された厚みt1=100μm、幅W0=650〜750mmの長尺フイルム20からなり、100〜1000mがリールに巻かれてワーク供給部12にセットされる。一方、ワーク巻取り部15には巻取り用のリール24がセットされ、帯状ワーク11の先端が係止される。この状態で、第1照明部30及び第2照明部66はレーザ出力装置55はオフ状態のままポリゴンミラー57を回転させ、設定された回転数に達したら、帯状ワーク11の搬送を開始する。
前述のように、ズレの無い多重露光を行うには、露光周期T1,T2とワーク搬送速度Vとの間に一定の同期関係が必要である。また、露光周期T1,T2とワーク搬送速度Vとを同期させるには、ポリゴンミラー57の回転数ω1,ω2とワーク搬送速度Vとを同期させるのが最も簡単である。ワーク搬送速度Vと、露光周期T1,T2の同期は、基準のクロックとして外部に水晶発振器80を設け、制御部17は、このクロックを参照してすべての速度が所望の一定速度になるように制御する。これによって正確な同期を取ることができる。ポリゴンミラー57の回転数ω1,ω2と、ワーク搬送速度Vとが規定の条件に達したら、その状態信号のフィードバックを受けてレーザ出力装置55が点灯する。
なお、ポリゴンミラー57の回転数ω1とω2とワーク搬送速度Vとが同期してから露光を開始するのは、露光が適切に行われた部分とNG部分との識別を容易にするためである。ポリゴンミラー57の回転数ω1,ω2とワーク搬送速度Vとが非同期の状態で露光を行っても細線5a,5bは露光されるので、一見良品のように見える場合も考えられ、目視による外観検査によりNG部を抜き取る場合、ヒューマンエラーが必ず発生し、NG混入のリスクを伴う。そのため、予め同期状態に達したかどうかを制御部17でモニタしておき、非同期状態ではレーザ出力装置55を動作させず、露光しなければ、必ずNGと認識することができる。したがって運転スタート/ストップの非同期帯では自動的にレーザは発光しないようになっている。
ポリゴンミラー57の回転数ω1,ω2とワーク搬送速度Vとが同期状態になると、制御部17はレーザ出力装置からレーザ光S1,S2を出力させ、第1及び第2フォトマスク29,65を介して帯状ワーク11に細線5a、5bを露光する。この露光は、上述したように複数回の多重露光によって行なわれる。露光済みの帯状ワーク11は、ワーク巻取り部15に巻き取られる。ワーク供給部12の帯状ワーク11が無くなると、ワーク供給部12から制御部17にエンド信号が入力され、帯状ワーク11の搬送が停止され、接合部16にて帯状ワーク11の端末がカットされ、ワーク供給部12にセットされる新しい帯状ワーク11の先端とテープ接合される。
帯状ワーク11の接合後、再びワーク搬送が開始されるが、接合部分が露光ロール28を通過する際にマスク保持部40が第1及び第2フォトマスク29,65を退避位置に移動させるので、フォトマスク29,65と帯状ワーク11の接合部分とが接触して損傷することはない。接合部分の通過後は、フォトマスク29,65は再現良く露光位置に復帰され、所定のプロキシミティギャップLgが設定される。なお、この接合部分の通過時にも、レーザ出力装置55をオフ状態にしておくことが好ましい。
ワーク搬送によって接合部分がワーク巻取り部15で巻き取られたら、一旦停止して、巻き取り終端部を固定し、カットして、巻き終わった端末を端末テープ止めする。巻き取られた製品を取り出し、新たにリール24を供給してチャックした後、カットした帯状ワーク11の先端をリール24に係止する。露光工程が以上で一巡し、この繰り返しによって製品が生産される。
なお上記は、1軸送り出し及び巻き取りを例に取り、説明したが、送り出し、巻き取りをそれぞれ2軸にして、切り替え時間を稼ぐ構成としてもよいし、リザーバーなどを構成して完全に無停止切換えを行うように構成すればロスは最小にできる。
露光工程で露光された帯状ワーク11は、現像工程に搬送され、現像されてメッシュ状の周期パターン5が銀で形成される。次のメッキ工程では、周期パターンをメッキの核として、電解メッキにより銅メッキを行い、電磁波シールドフイルム2が完成する。
なお、本実施形態では、銀塩感材を使用する電磁波シールドフイルムを例に説明したが、PET基材に銅箔を張り合わせこれにフォトレジストを塗布したもの、もしくはDFR(ドライフイルムレジスト)を張り合わせたものに対して、上記露光方法、露光装置を適用しても好適である。ただし、感材分光感度に合せ、光源波長を適合させておく必要がある。その場合は露光現像後にエッチング工程によって不要な銅箔部分を除去することにより、銅メッシュを形成させ電磁波シールドフイルム製品となる。
また、感材としては、銀塩感材だけでなくフォトレジストであってもよく、市販のドライフイルムレジストでもかまわない。この場合、銀塩感材に比べて感度の点で若干低感度であるが、その分光源パワーを上げてやればよく、フォトレジストであっても十分適用が可能である。この場合も感材分光感度に合せ、光源波長を適合させておく必要がある。
また、ポリゴンミラーと半導体レーザの平行光ビームとの組み合わせがシンプル、安価で好ましいが、周期パターンの大きさが非常に大きくなる場合など、必ずしも光源としてビーム走査を行うことが有効でない場合も考えられる。この場合、大面積の平行光源を使用し、シャッタ装置を使用して、規定範囲内に規定時間の露光を行うとよい。なお、この場合は輝度分布が露光量に影響するため、出来る限り均一化された露光光源を使用する必要がある。
図14は、露光ローラ28に帯状ワーク11が掛けられている露光部の正面図であり、露光光源85として、いわゆるプロキシミティ露光機に使用されている紫外域の水銀ランプやメタルハライドランプなどを凹面鏡とコリメートレンズを用いて平行光化した大面積、例えば直径Dn=φ800mmの簡易平行光源を使用する。また、露光光源85とフォトマスク29との間に、ワーク搬送方向に3.6mm、幅方向にLw=800mmのスリット86を有する遮光マスク87と、シャッタ装置88とを配置し、全幅に細長い領域を露光時間ΔTだけ露光できるようにするとよい。シャッタ装置88としては、メカニカルシャッターや液晶シャッター等を用いることができる。これにより、帯状ワーク11の幅方向でのフォトマスク29上に射影される光の幅方向の長さがLw=800mmとなるため、フォトマスク29のワーク幅方向のパターン幅をW2=750mmにすれば、Lw>W2を実現することができる。
本発明のパターン露光方法及び装置は、様々な周期パターンの露光に利用できるが、プラズマディスプレイ用磁気シールドフイルムを構成するメッシュパターンのように、連続的に継ぎ目のないシームレスなパターンで、これを帯状ワークにシームレスに露光する場合により好適である。なぜなら、多重露光によって隣同士のいくつかの周期パターンを連続的に重ね書きするので、外乱が入った場合のパターンの欠落など、つなぎ目欠陥が出にくい設計となっていること、第1露光部13と第2露光部14の間で特別な露光タイミングを計る必要がなく、両方の露光部でどこから露光をはじめても同一のパターン形成となり、よりシンプルな制御で露光できる点が挙げられる。
また、周期パターンを描くパターン最小線幅Dminとして、20μm以下に露光する場合により好適である。通常の露光ビームによる直描ではビーム径は50μm程度であり、よりビーム径を小さく設計する場合には、設備コストが大きな負担となってくる。しかしながら、本方式によれば、マスクを使用しているため、線幅を細いものでも露光できる点が容易であり、かつ連続的に露光を行えるので高スループットが期待できる。
上記実施形態では、同じパターンをシームレスに露光する例について説明したが、本発明は、シームレスなパターンの途中で異なるパターンの露光を行うこともできる。以下、シームレスなパターンの途中で異なるパターンの露光を行う例について説明する。なお、上記実施形態で説明したものと同じものについては、詳しい説明は省略する。
図15は、メッシュ状の電磁波シールドパターン95の外周に、アース用の縁取り部96が設けられた電磁波シールドフイルム97の平面図である。図16に示すように、この電磁波シールドフイルム97は、長尺の帯状ワーク98に連続的に形成される。
電磁波シールドパターン95は、透明フイルム上に銀によって形成される周期パターン101と、この周期パターン101の表面に施される銅メッキとからなる。図15(B)に部分的に拡大して示すように、周期パターン101は、例えば、線幅D1=10〜20μmの細線が、線間ピッチP1=300μm、配置角度θ1=45°で直交するように配置されている。
外周の縁取り部96は、パターン露光装置による帯状ワーク98の搬送方向Fに沿う側縁部103と、この搬送方向に直交する直交部104とからなる。例えば、側縁部103の幅W1は50mmであり、直交部104のワーク搬送方向長さL3は45mmである。直交部104は、ワーク搬送方向Fに90mmの長さL4で帯状ワーク98に形成され、その中央で切断されることにより45mmとなる。この直交部104は、ワーク搬送方向Fにおいて、ピッチPf、例えばPf=1090mmごとに作成される。
図17は、上記電磁波シールドフイルム97の露光に使用されるパターン露光装置110である。このパターン露光装置110は、図3に示す露光装置10とほぼ同様の構成であるため、相違点のみ説明する。
パターン露光装置110は、第1露光部113で周期パターン101と縁取り部96の側縁部103を露光し、第2露光部114で直交部104を露光する。第1露光部113の上流側には、帯状ワーク98の搬送量を測定し、所定長さごとに帯状ワーク98の一方の側縁にノッチ115(図16参照)を形成するノッチ加工部116が設けられている。このノッチ加工部116は、例えば揺動ダイセット等からなり、帯状ワーク98の側縁を丸く打ち抜き加工してノッチ115を形成する。第1露光部113の直前のパスローラ117上には、ノッチ115を検出するノッチ検出センサ118が配置されている。透過型センサからなるノッチ検出センサ118の検出信号は、制御部119に入力され、第2露光部120で露光を開始するタイミングとして利用される。
なお、ノッチ115の形状は限定されるものではなく、円形以外でもよい。また、レーザマーカによるマーキングや、穴あけ加工機による穴あけ、帯状ワーク98の側縁に磁気記録部を形成し、これに磁気記録する等、適宜選択することができる。
図18(B)は、第1露光部113にセットされる第1フォトマスク125の平面図である。この第1フォトマスク125には、周期パターン101の露光に用いられるメッシュパターン126と、縁取り部96の側縁部103の露光に使用される第1ベタパターン127とが設けられている。メッシュパターン126は、例えば黒色の遮光パターンに、メッシュパターン126の形状のスリットを形成して光が透過できるようにしたものである。なお、本来、遮光パターンを黒地で、メッシュパターン126を白地で描くべきであるが、図面が煩雑になるため、図18では、遮光パターンを白地で、メッシュパターン126を黒線で描いている。
図18(B)に示すように、メッシュパターン126、1辺が300μmの正方形をθ1=45°傾けてなる菱形形状が幅方向に沿って配列されたものであり、クロム蒸着によってマスク基板上に形成されている。このメッシュパターン126がワーク搬送方向Fに繰り返し露光される周期である周期長さL1は、L1=P1/sinθ1=300/sin45=424μmとなる。メッシュパターン126は、ワーク幅方向にW=760mmの有効幅で設けられており、第1ベタパターン127は、側縁部の幅に合せてW2=50mmとなっている。メッシュパターン126の線幅D1’は、プロキシミティ露光によって生ずる線幅太りを見込んで、出来上がり寸法D1より細めに形成されている。
図19は、第2露光部120に使用される第2フォトマスク130の平面図である。この第2フォトマスク130は、幅方向に沿う中央部分に、直交部104の露光に用いられる第2ベタパターン131が設けられている。この第2ベタパターン131は、ワーク搬送方向長さL5=90mm、幅方向W3=760mmとされている。なお、第2フォトマスク130において、第2ベタパターン131を白地、その他の遮光パターンを黒地で描くべきであるが、図面の煩雑になるため、図19では、遮光パターンを白地で描いている。
このパターン露光装置は、次のように動作する。帯状ワーク98が搬送方向に搬送されると、ノッチ加工部116において帯状ワーク98の長さが測定され、所定長さ、例えば1090mmごとに帯状ワーク98の側端にノッチ115が形成される。ワーク搬送速度Vと各照明部134,135のポリゴンミラーの回転速度との同期が完了すると、第1露光部113は第1フォトマスク125上でレーザ光を走査させ、帯状ワーク98にメッシュ状の周期パターン101と、側縁の縁取り部96とを露光する。
メッシュパターン126の搬送方向の周期長さL1=424μm、帯状ワーク98のワーク搬送速度をV=4m/分、メッシュパターン126を露光するための露光周期をT1、露光時間をΔT1、メッシュパターン126の最小線幅D1’min=10μmとした時、周期長さL1だけ帯状ワーク98が搬送されるのに必要な時間は、L1/V=6.36msecとなる。この時間に1回のレーザ走査を行うように設計すると、露光周期T1=6.36msecとなり、18面ポリゴンミラーの回転数は、ω1=524rpmとなる。このときのビーム走査速度Vb1は、ポリゴンミラーから第1フォトマスク125までの距離Lsが2250mmであるので、Vb1=Ls・ω1=123m/sec、レーザ光S1の射影形状の幅方向の大きさWbは1.2mmなので、レーザ光S1がこの走査速度で露光している露光時間はΔT1=1.2/vb1=9.8μsec、この間で帯状ワーク98が搬送方向に動く搬送量Lm1は、V・ΔT1=0.65μmとなる。V・ΔT1=0.65μm<D1’min=10μmを満たすので、露光品質の低下は少ない。
なお、本実施形態においても射影形状の大きさが長軸Lb=3.6mm×短軸Wb=1.2mmの楕円形状のレーザ光S1を使用し、第1フォトマスク125の裏面に、レーザ光S1の長軸Lbにほぼ等しい幅を有するスリットが設けられた遮光マスクを配置し、それ以上の光が第1フォトマスク125に当たらないようにしている。そのため、レーザ光S1の1走査による露光領域は、搬送方向3.6mm×幅方向750mmとなり、3.6/0.8.5=8.5列分のメッシュパターン126を照射し、かつ多重露光が行われることになる。
これにより、第1フォトマスク125上に射影される露光光源の光の長さLb=3.6mm、Lb=3.6>L1=0.424を満たし、Lb/L1の商m1はm1=8となる。したがって、ワーク搬送速度Vと露光周期T1との間の関係が、(n1−1)×(L1/V)=T1(n1は自然数)、かつ2=<n1<=m1=8満たすようにすると、n1=2〜8の任意の数字を選択でき、最も多重露光回数を多く出来るのは、n1=2の場合である。本実施形態では、上述のように、メッシュパターン126の1周期分の長さだけ帯状ワーク98が搬送されるのに必要な時間L1/V=6.36msecとし、この時間に1回のレーザ走査を行うため、n1=2、T1=6.63msecになるようにT1とVとの関係を決めてある。
第2露光部120では全面露光のべた焼きすればよく、ベタ焼きの長さは90mmであるので4m/分のワーク搬送速度では90/66.7=1.35secかかるので、露光時間ΔT2=1.35sec、露光周期T2は1090mmピッチなので、1090/66.7=16.34sec周期となる。制御部119は、ノッチ検出センサ118の検出信号とポリゴンミラーのスキャン開始信号のAND条件にて第2照明部のレーザ出力装置を稼働させる。上記ポリゴンミラーのスキャン開始信号は、ミラーによってスキャンされるレーザ光をフォトダイオードなどの光検出器によって検出した信号を使うか、もしくはミラーの制御信号で1面に1回出力されるパルス信号の立ち上がりを利用する。
第2露光部120による第2フォトマスク130を使用したベタ焼露光は、ポリゴンミラーの回転速度を早くした方が送りブレが小さくなるので、18面ポリゴンミラーの回転数はω2=2096rpmとして、このときのビーム走査速度Vb2はポリゴンミラーから走査面までLs=2250mmであるのでVb2=Ls・ω2=492m/secとなる。レーザ光S2の幅方向の大きさは、S1と同じWb=1.2mmなので、レーザ光S2がこの走査速度で露光している露光時間ΔT2=1.2/Vb2=2.45μsec、この間で帯状ワーク98が搬送方向に動く量Lm2は、V・ΔT2=0.16μmとなる。V・ΔT2=0.16μmは、直交部の搬送方向長さ90mmより十分に小さいので、露光品質が悪くなることはない。また、長軸Lb=3.6mmのレーザ光S2による多重露光回数は、約34回となる。
更に、本発明のパターン露光方法は、パターン露光だけではなく、写真露光等にも適用することができる。また、プロキシミティ露光を採用したが、投影露光を用いることも可能である。
本発明を利用して製造される電磁波シールドフイルムの平面図である。 電磁波シールドフイルムの断面図である。 本発明のパターン露光装置の構成を示す概略図である。 電磁波シールドフイルムの基材となる帯状ワークの平面図及び断面図である。 第1フォトマスクの平面図及び側面図である。 マスクパターンの形状を示す説明図である。 マスク保持部の構成を示す概略図である。 第1照明部の構成を示す概略図である。 レーザ光の射影形状を示す説明図である。 本発明のパターン露光方法を表す概念図である。 第1露光部によるパターン露光状態を示す模式図である。 第2露光部によるパターン露光状態を示す模式図である。 電磁波シールドフイルムの露光工程を示すフローチャートである。 面発光光源を使用した露光部の正面図である。 全周に縁取り部を有する電磁波シールドフイルムの平面図である。 電磁波シールドフイルムが形成されている帯状ワークの平面図である。 縁取り部を有する電磁波シールドフイルムの露光に用いられるパターン露光装置の構成を示す概略図である。 縁取り部を有する電磁波シールドフイルムの露光に用いられる第1フォトマスクの平面図である。 縁取り部を有する電磁波シールドフイルムの露光に用いられる第2フォトマスクの平面図である。
符号の説明
2,97 電磁波シールドフイルム
5,101 周期パターン
10,110 パターン露光装置
11,98 帯状ワーク
13,113,163 第1露光部
14,120,164 第2露光部
17,119,167 制御部
29,125,171 第1フォトマスク
30,134,172 第1照明部
33,175 第1マスクパターン
40 マスク保持部
55 レーザ出力装置
56 コリメータレンズ
57 ポリゴンミラー
65,130,179 第2フォトマスク
66,135,180 第2照明部
69,181 第2マスクパターン
115 ノッチ
116 ノッチ加工部
118 ノッチ検出センサ
126 メッシュパターン
127 第1ベタパターン
131 第2ベタパターン

Claims (24)

  1. 搬送方向に沿って配置された複数のフォトマスクに、感光層を有する帯状もしくはシート状のワークを近接させて連続搬送するステップと、
    前記各フォトマスクをそれぞれ含む複数の露光部により、ワーク搬送速度に同期された露光周期及び露光時間で、各フォトマスクを介してプロキシミティ露光を行うステップを含み、
    各フォトマスクに設けられたマスクパターンが搬送方向に周期的なパターンとしてワークに露光されることを特徴とするパターン露光方法。
  2. 前記複数の露光部は、それぞれ異なる周期的なパターンを連続して露光することを特徴とする請求項1記載のパターン露光方法。
  3. 前記異なる周期的なパターンは、所定の角度を有する第1の細線と、この第1の細線と交差する角度を有する第2の細線であり、この第1の細線と第2の細線とを重ね合わせてメッシュ状のパターンを構成することを特徴とする請求項2記載のパターン露光方法。
  4. 前記メッシュ状のパターンは、電磁波シールド材料を構成するメッシュパターンであることを特徴とする請求項3記載のパターン露光方法。
  5. 前記複数の露光部は、第1の露光周期を用いて搬送方向に周期的かつ連続的な第1のパターンを露光し、第2の露光周期を用いて搬送方向に周期的かつ間欠的な第2のパターンを露光することを特徴とする請求項1記載のパターン露光方法。
  6. 前記第1のパターンは、電磁波シールド材料を構成するメッシュパターン、または搬送方向の両側端に縁部を有するメッシュパターンであり、前記第2のパターンは、該メッシュパターンを間欠的に横切るパターンであることを特徴とする請求項5記載のパターン露光方法。
  7. 前記感光層は、銀塩感材もしくはフォトレジストであることを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載のパターン露光方法。
  8. 前記複数の露光部のうち、少なくとも一つの露光部で使用される露光周期が、他の露光部の露光周期と異なることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載のパターン露光方法。
  9. 前記ワーク搬送速度と、露光周期及び露光時間は、共通の基準クロックに基づいて同期されることを特徴とする請求項1ないし8いずれか記載のパターン露光方法。
  10. 前記複数の露光部よりもワーク搬送方向の上流側で、ワークに所定間隔で基準マークを付与し、各露光部は該基準マークを検出し、検出した基準マークをもとに露光タイミングを決めることを特徴とする請求項1ないし9いずれか記載のパターン露光方法。
  11. 前記基準マークとして、レーザマーカによって記録されるレーザマーク、またはノッチ加工によって形成されるノッチ、穴あけ加工によって形成される穴、ワーク側縁に施された磁気記録層を利用した磁気信号等のいずれかが用いられることを特徴とする請求項10記載のパターン露光方法。
  12. 感光層を有する帯状もしくはシート状のワークを連続搬送する搬送手段と、
    このワークに対しプロキシミティギャップを隔てて配置されるフォトマスクと、このフォトマスクを介して、ワーク搬送速度に同期された露光周期及び露光時間でワークに光を照射してプロキシミティ露光を行う露光光源とを有する複数の露光部と、
    前記ワーク搬送速度と、露光周期及び露光時間を同期させる制御手段とを備え、
    各フォトマスクに設けられたマスクパターンが搬送方向に周期的なパターンとしてワークに露光されることを特徴とするパターン露光装置。
  13. 前記複数の露光部は、少なくとも第1の露光部と第2の露光部とを有し、この第2の露光部の第2のフォトマスクに設けられている第2のマスクパターンは、第1の露光部の第1のフォトマスクの第1のマスクパターンと異なるパターンであることを特徴とする請求項12記載のパターン露光装置。
  14. 前記第1のフォトマスクは、ワーク搬送方向とのなす角度がθ1(−90°=<θ1=<90°)、線幅D1とされた細線が、ピッチP1で連続して配置される第1のマスクパターンを有し、
    前記第2のフォトマスクは、ワーク搬送方向とのなす角度がθ2(−90°=<θ2=<90°、θ1≠θ2)、線幅D2とされた細線が、ピッチP2で連続して配置される第2のマスクパターンを有し、
    第1のマスクパターンと第2のマスクパターンとを重ね合わせてワークに露光することにより、ワーク搬送方向に周期的なメッシュパターンを形成することを特徴とする請求項13記載のパターン露光装置。
  15. 前記ワークのワーク搬送方向に直交するワーク幅方向の寸法がW0、第1のマスクパターンのワーク搬送方向に周期的な長さがL1(L1=P1/sinθ1)、第2のマスクパターンのワーク搬送方向に周期的な長さがL2(L2=P2/sinθ2)であるとき、該第1のマスクパターンは、ワーク搬送方向に周期長さL1以上、ワーク幅方向にW0以上のパターンエリアを有し、該第2のマスクパターンは、ワーク搬送方向に周期長さL2以上、ワーク幅方向にW0以上のパターンエリアを有することを特徴とする請求項14記載のパターン露光装置。
  16. 前記第1の露光部の露光周期は、ワークがL1またはその整数倍のn・L1だけ搬送されるごとに1回の露光を行う第1の露光周期であり、第2の露光部の露光周期は、ワークがL2またはその整数倍のn・L2だけ搬送されるごとに1回の露光を行う第2の露光周期であることを特徴とする請求項15記載のパターン露光装置。
  17. 前記露光されるパターンは、電磁波シールド材料を構成するメッシュパターンであることを特徴とする請求項12ないし16いずれか記載のパターン露光装置。
  18. 前記第1の露光部と第2の露光部とのいずれか一方の露光周期は、搬送方向に周期的かつ連続的なパターンを露光する露光周期であり、他方は、搬送方向に周期的かつ間欠的なパターンを露光する露光周期であることを特徴とする請求項13記載のパターン露光装置。
  19. 前記第1の露光部と第2の露光部とのいずれか一方の露光部は、少なくともメッシュ状のパターンを含むマスクパターンとして設けられているフォトマスクを有し、このパターンを搬送方向に周期的かつ連続的に露光する露光周期を用い、
    他方の露光部は、ワーク搬送方向に直交する帯状のパターンがマスクパターンとして設けられているフォトマスクを有し、このパターンを搬送方向に周期的かつ間欠的に露光する露光周期を用いることを特徴とする請求項13または18記載のパターン露光装置。
  20. 前記メッシュ状のパターンは、電磁波シールド材料を構成するメッシュパターンであり、前記帯状のパターンは、メッシュパターンを間欠的に横切るパターンであることを特徴とする請求項19記載のパターン露光装置。
  21. 前記感光層は、銀塩感材もしくはフォトレジストであることを特徴とする請求項12ないし20いずれか記載のパターン露光装置。
  22. 前記ワーク搬送速度と、露光周期及び露光時間とを同期させる際の基準となる基準クロックを発生する基準クロック手段を設けたことを特徴とする請求項12ないし21いずれか記載のパターン露光装置。
  23. 前記複数の露光部よりもワーク搬送方向の上流側に、ワークに所定間隔で基準マークを付与するマーク付与手段と、基準マークを検出するマーク検出手段とを設け、複数の露光部は、マーク検出手段による基準マークの検出に基づいて露光タイミングを決めることを特徴とする請求項12ないし22いずれか記載のパターン露光装置。
  24. 前記基準マークとして、レーザマーカによって記録されるレーザマーク、またはノッチ加工によって形成されるノッチ、穴あけ加工によって形成される穴、ワーク側縁に施された磁気記録層を利用した磁気信号等のいずれかが用いられることを特徴とする請求項23記載のパターン露光装置。
JP2006239061A 2005-09-08 2006-09-04 パターン露光方法及び装置 Expired - Fee Related JP4861778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006239061A JP4861778B2 (ja) 2005-09-08 2006-09-04 パターン露光方法及び装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005260533 2005-09-08
JP2005260533 2005-09-08
JP2006239061A JP4861778B2 (ja) 2005-09-08 2006-09-04 パターン露光方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007102200A true JP2007102200A (ja) 2007-04-19
JP4861778B2 JP4861778B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=38029145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006239061A Expired - Fee Related JP4861778B2 (ja) 2005-09-08 2006-09-04 パターン露光方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4861778B2 (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1975698A1 (en) 2007-03-23 2008-10-01 FUJIFILM Corporation Method and apparatus for producing conductive material
JP2009224552A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Toppan Printing Co Ltd プロキシミティ露光方法及び露光装置
WO2009125855A1 (ja) 2008-04-11 2009-10-15 富士フイルム株式会社 発熱体
WO2009125854A1 (ja) 2008-04-11 2009-10-15 富士フイルム株式会社 車両灯具用前面カバー及び車両灯具用前面カバーの製造方法、並びに、電熱構造
WO2009139458A1 (ja) 2008-05-16 2009-11-19 富士フイルム株式会社 導電性フイルム及び透明発熱体
WO2009142150A1 (ja) 2008-05-19 2009-11-26 富士フイルム株式会社 導電性フイルム及び透明発熱体
JP2010113268A (ja) * 2008-11-10 2010-05-20 Kyodo Printing Co Ltd シールド材の製造方法及びフォトマスク
JP2010160927A (ja) * 2009-01-07 2010-07-22 Fujifilm Corp 導電性フイルムの製造方法、導電性フイルム及び透明発熱体
JP2010266763A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 San Ei Giken Inc 露光装置
JP2011033908A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Nikon Corp 露光装置、露光方法及びデバイス製造方法
WO2011129369A1 (ja) * 2010-04-13 2011-10-20 株式会社ニコン 露光装置、基板処理装置及びデバイス製造方法
US8383329B2 (en) 2009-05-29 2013-02-26 Fujifilm Corporation Pattern exposure method, conductive film producing method, and conductive film
JP2013068764A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 V Technology Co Ltd 露光装置
WO2013175882A1 (ja) * 2012-05-23 2013-11-28 株式会社ニコン 切断機構、接合機構、基板処理システム、基板処理装置、及び基板処理方法
JP2014006364A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Toppan Printing Co Ltd 露光装置及び露光方法
JP2017083855A (ja) * 2012-08-28 2017-05-18 株式会社ニコン 基板支持装置、及びパターン形成装置
US10228782B2 (en) 2013-03-04 2019-03-12 Fujifilm Corporation Transparent conductive film and touch panel
WO2021073687A1 (de) * 2019-10-18 2021-04-22 Laser Imaging Systems Gmbh Vorrichtung zur mustereinbringung mittels strahlung an einem aufgewickelten endlossubstrat

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5719946A (en) * 1980-07-11 1982-02-02 Hitachi Ltd Ion take-out section for ion injector
JPH0467654A (ja) * 1990-07-09 1992-03-03 Nec Kyushu Ltd 並列処理機能付リペア装置
JPH06219587A (ja) * 1992-03-30 1994-08-09 Dainippon Screen Mfg Co Ltd シート材の搬送装置
JPH08171217A (ja) * 1994-12-19 1996-07-02 Nippon Seiko Kk 多連型露光装置
JPH09274323A (ja) * 1996-04-04 1997-10-21 Toppan Printing Co Ltd パターン露光方法
JPH09281478A (ja) * 1996-04-18 1997-10-31 Toppan Printing Co Ltd パターン露光方法
JPH10171125A (ja) * 1996-12-12 1998-06-26 Ushio Inc シート状ワークのプロキシミティ露光装置
JPH11121374A (ja) * 1998-08-24 1999-04-30 Nikon Corp 露光方法
JP2000305274A (ja) * 1999-04-20 2000-11-02 Ushio Inc 露光装置
JP2004094142A (ja) * 2002-09-04 2004-03-25 Toray Eng Co Ltd 幅広露光機

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5719946A (en) * 1980-07-11 1982-02-02 Hitachi Ltd Ion take-out section for ion injector
JPH0467654A (ja) * 1990-07-09 1992-03-03 Nec Kyushu Ltd 並列処理機能付リペア装置
JPH06219587A (ja) * 1992-03-30 1994-08-09 Dainippon Screen Mfg Co Ltd シート材の搬送装置
JPH08171217A (ja) * 1994-12-19 1996-07-02 Nippon Seiko Kk 多連型露光装置
JPH09274323A (ja) * 1996-04-04 1997-10-21 Toppan Printing Co Ltd パターン露光方法
JPH09281478A (ja) * 1996-04-18 1997-10-31 Toppan Printing Co Ltd パターン露光方法
JPH10171125A (ja) * 1996-12-12 1998-06-26 Ushio Inc シート状ワークのプロキシミティ露光装置
JPH11121374A (ja) * 1998-08-24 1999-04-30 Nikon Corp 露光方法
JP2000305274A (ja) * 1999-04-20 2000-11-02 Ushio Inc 露光装置
JP2004094142A (ja) * 2002-09-04 2004-03-25 Toray Eng Co Ltd 幅広露光機

Cited By (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1975698A1 (en) 2007-03-23 2008-10-01 FUJIFILM Corporation Method and apparatus for producing conductive material
JP2009224552A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Toppan Printing Co Ltd プロキシミティ露光方法及び露光装置
WO2009125855A1 (ja) 2008-04-11 2009-10-15 富士フイルム株式会社 発熱体
WO2009125854A1 (ja) 2008-04-11 2009-10-15 富士フイルム株式会社 車両灯具用前面カバー及び車両灯具用前面カバーの製造方法、並びに、電熱構造
WO2009139458A1 (ja) 2008-05-16 2009-11-19 富士フイルム株式会社 導電性フイルム及び透明発熱体
WO2009142150A1 (ja) 2008-05-19 2009-11-26 富士フイルム株式会社 導電性フイルム及び透明発熱体
JP2010113268A (ja) * 2008-11-10 2010-05-20 Kyodo Printing Co Ltd シールド材の製造方法及びフォトマスク
JP2010160927A (ja) * 2009-01-07 2010-07-22 Fujifilm Corp 導電性フイルムの製造方法、導電性フイルム及び透明発熱体
JP2010266763A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 San Ei Giken Inc 露光装置
US8383329B2 (en) 2009-05-29 2013-02-26 Fujifilm Corporation Pattern exposure method, conductive film producing method, and conductive film
US8852728B2 (en) 2009-05-29 2014-10-07 Fujifilm Corporation Conductive film
JP2011033908A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Nikon Corp 露光装置、露光方法及びデバイス製造方法
JPWO2011129369A1 (ja) * 2010-04-13 2013-07-18 株式会社ニコン 露光装置、基板処理装置及びデバイス製造方法
CN102834778A (zh) * 2010-04-13 2012-12-19 株式会社尼康 曝光装置、基板处理装置以及器件制造方法
WO2011129369A1 (ja) * 2010-04-13 2011-10-20 株式会社ニコン 露光装置、基板処理装置及びデバイス製造方法
JP2013068764A (ja) * 2011-09-22 2013-04-18 V Technology Co Ltd 露光装置
WO2013175882A1 (ja) * 2012-05-23 2013-11-28 株式会社ニコン 切断機構、接合機構、基板処理システム、基板処理装置、及び基板処理方法
JPWO2013175882A1 (ja) * 2012-05-23 2016-01-12 株式会社ニコン 切断機構、接合機構、基板処理システム、基板処理装置、及び基板処理方法
JP2014006364A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Toppan Printing Co Ltd 露光装置及び露光方法
JP2017083855A (ja) * 2012-08-28 2017-05-18 株式会社ニコン 基板支持装置、及びパターン形成装置
US10684710B2 (en) 2013-03-04 2020-06-16 Fujifilm Corporation Transparent conductive film and touch panel
US10228782B2 (en) 2013-03-04 2019-03-12 Fujifilm Corporation Transparent conductive film and touch panel
WO2021073687A1 (de) * 2019-10-18 2021-04-22 Laser Imaging Systems Gmbh Vorrichtung zur mustereinbringung mittels strahlung an einem aufgewickelten endlossubstrat
CN114586474A (zh) * 2019-10-18 2022-06-03 激光影像系统有限责任公司 借由辐射将图案施加在卷绕的连续基材上的装置
KR20220082905A (ko) * 2019-10-18 2022-06-17 레이저 이미징 시스템스 게엠베하 권취된 엔드리스 기판에 방사선을 이용하여 패턴을 도입하는 장치
TWI792076B (zh) * 2019-10-18 2023-02-11 德商激光影像系統有限責任公司 藉由輻射將圖案施加在捲繞的連續基材上之裝置
US11738579B2 (en) 2019-10-18 2023-08-29 Laser Imaging Systems Gmbh Device for introducing a pattern by radiation on a wound endless structure
KR102590195B1 (ko) 2019-10-18 2023-10-17 레이저 이미징 시스템스 게엠베하 권취된 엔드리스 기판에 방사선을 이용하여 패턴을 도입하는 장치
CN114586474B (zh) * 2019-10-18 2024-02-27 激光影像系统有限责任公司 借由辐射将图案施加在卷绕的连续基材上的装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4861778B2 (ja) 2012-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4861778B2 (ja) パターン露光方法及び装置
JP4224479B2 (ja) パターン露光方法及び装置
US8383330B2 (en) Pattern exposure method and pattern exposure apparatus
JP5497340B2 (ja) パターン露光方法及び導電膜の製造方法
JP5201815B2 (ja) 導電性膜の製造方法及び導電性膜製造用感光材料
JP5661533B2 (ja) 導電シートの製造方法及びタッチパネルの製造方法
JP4694282B2 (ja) めっき被膜付きフィルムの製造装置及び方法
JP5345859B2 (ja) 導電性フイルムの製造方法、導電性フイルム及び透明発熱体
JP5829647B2 (ja) 導電性フイルム
JP2017123178A (ja) タッチパネル用導電性フィルム及び導電性フィルム
JP5603801B2 (ja) 導電シートの製造方法、導電シート及びタッチパネル
JP2008251417A (ja) 導電膜及びその製造方法
JP2009026933A (ja) 電磁波遮蔽フィルムの製造方法及び電磁波遮蔽フィルム
JPWO2007001008A1 (ja) プリント基板の製造方法及びプリント基板
US10085346B2 (en) Method for producing conductive member, and conductive member
JP2009010001A (ja) 電磁波遮蔽フィルムの製造方法及び電磁波遮蔽フィルム
JP5323970B2 (ja) 周波数選択遮蔽型の電磁波シールド材およびその製造方法
JP2005030682A (ja) 乾燥装置、熱現像感光材料製造装置及びこれらを用いた熱現像感光材料の製造方法
JP2008159771A (ja) 周波数選択遮蔽型の電磁波シールド材およびその製造方法
JP2008283029A (ja) 電磁波遮蔽フィルムの製造方法及び電磁波遮蔽フィルム
JP2009245748A (ja) 導電性材料の製造方法
JP2006190535A (ja) 導電性パタンを形成するための処理方法及びその処理装置
US20130193136A1 (en) Photonic heating of silver grids
JP2009088104A (ja) 電磁波遮蔽フィルムの製造方法、及び電磁波遮蔽フィルム
JP5044450B2 (ja) パターン形成方法、パターン露光方法及び装置、電磁波シールド材料

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111012

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4861778

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees