本発明は画像形成装置、画像形成装置の制御方法、プログラムおよびコンピュータ読取可能記録媒体に係り、特に複数の画像形成体を適用した画像形成装置、その制御方法、同方法をコンピュータに実行させるためのプログラムおよび同プログラムを格納したコンピュータ読取可能記録媒体に関する。
複数の画像形成体を適用した画像形成装置としては、画像形成体としての複数の感光体を有する、所謂タンデム型のカラー画像形成装置が知られている(例えば特許文献1,2,3、4、5および6参照)。
このような画像形成装置は電子写真方式の画像形成装置であり、レーザー駆動装置と、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色要素毎の4個の感光体とを有する。
特開2005−077856号公報
特開2005−055692号公報
特開2005−024786号公報
特開2003−066679号公報
特開2002−062706号公報
特開平10−339976号公報
このようなタンデム型のカラー画像形成装置において、所謂色ズレが生ずる場合がある。
以下、図1および図2と共にこの色ズレについて説明する。
タンデム型のカラー画像形成装置ではカラー画像を形成する際、上記4個の感光体上にレーザ駆動装置からのレーザ照射により該当する色要素に係る静電潜像をそれぞれ形成する。そしてそのように形成された各色要素毎の静電潜像は、それぞれの感光体上で該当する色要素のトナーにて現像される。その結果該当する色要素に係るトナー画像がそれぞれ形成される。このように各感光体上に形成された該当する色要素のトナー画像は、中間転写体上に重畳して転写されることにより、各色要素のトナー画像が中間転写体上に重畳され、もってフルカラー画像が得られる。
このような構成のタンデム型のカラー画像形成装置において、各感光体から該当する色要素のトナー画像が中間転写体上に重畳して転写される際、例えばそれらが画像全面に亘って正確に重畳されず部分的に位置ずれが生じた場合、その部分においては各色要素が正しく重畳されなくなり結果的に所望の色が得られないことになる。このような現象を色ズレと称する。
このような色ズレの原因として考えられるものの一つとして感光体の偏心がある。
タンデム型のカラー画像形成装置の感光体は円筒形状の外形を有し、これが所定速度で軸回りに回転された状態でその外周面上にレーザ駆動装置からのレーザ光により静電潜像が形成され、その後その外周面に形成されたトナー画像が感光体上から中間転写体上に転写される。
図1(a)、(b)はタンデム型のカラー画像形成装置の4個の感光体のうち、黒要素に対応するモノクロ用感光体とイエロー、マゼンタ、シアンいずれかの色要素に対応するカラー用感光体とをそれぞれ示す。
図示の例では、各感光体の回転軸は偏心しており、しかも中間転写体上の同位置に対応する位置を基準とした場合、互いに180度、その偏心角度がずれている。すなわちモノクロ用感光体では回転軸が図中上方にずれているのに対し、カラー用感光体では下方にずれている。なおここでは説明の便宜上偏心が極端な場合を示している。
図1(a)、(b)に示す如くに各感光体が偏心している場合、静電潜像は所定速度で副走査方向に回転する感光体に対するレーザ光の照射により形成されるため、各感光体の回転角度位置に対応して形成される。すなわち図示の如く、各感光体の外周面には、例えば回転角度範囲で0度から90度の部分に対し、対応する画像部分が形成される。
その結果図示の如く、モノクロ用感光体上に形成された該当する画像部分に比し、カラー用感光体上に形成された該当画像部分は、同じ90度の回転角度範囲にもかかわらず、より長い外周面を占めることになる。
図1(c)、(d)はこのようにして各感光体上に形成された静電潜像が該当色要素のトナーにより現像され、それらトナー画像が中間転写体上に重畳して転写された状態を示す。同図(c)はモノクロ用感光体から転写されたトナー画像を示し同図(d)はカラー用感光体から転写されたトナー画像を示す。
図1(c)、(d)から明らかなように、各感光体の回転角度位置の0度を基準とした場合、例えば上記の如く0乃至90度の範囲の画像部分はカラー用感光体上のものの外周長の方が長いため、回転角度位置90度に対応する画像位置が各トナー画像間でずれている(図中、「色ズレ発生部」)。
この色ズレを防止するための手法として、図2に示す如く各感光体間の偏心の角度位置を揃えることが考えられる。
すなわち、図2(a)、(b)に示す如く、モノクロ用感光体およびカラー用感光体のそれぞれについて、中間転写体上の同一位置に対応する角度位置を基準として、偏心の角度位置が図中、双方とも上方となるように制御するのである。
その結果図2(a)、(b)に示す如く、例えば0乃至90度の角度範囲の画像部分は双方の感光体とも同様の外周長を有するものとなる。その結果図2(c)、(d)に示す如く、中間転写体上に重畳させて転写した場合の各色要素毎のトナー画像間の画像位置のずれは発生しない。その結果色ズレは発生せず、所望のカラー画像が得られる。
以下上記の如く中間転写体上の同一位置に対応する角度位置を基準とした偏心の角度位置を感光体間で揃えることを「位相を合わせる」とも称し、中間転写体上の同一位置に対応する各感光体の角度位置を感光体相互間で変化させることを「位相を変化させる」とも称する。
従来より、このように感光体の位相を合わせることによって色ズレ量を低減させることが可能なことは知られている。しかしながら各感光体の偏心の角度位置を検出するために位相合わせセンサ,エンコーダ等が必要になり、部品点数が増え、画像形成装置全体のコストアップ,重量アップ等が生ずるおそれがある。
本発明は上記課題に鑑み、このような位相合わせセンサ,エンコーダ等を設けず、少ない部品点数での位相合わせを可能にする方法を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するため、画像形成体から被転写体への転写プロセスにおける被転写体上の同一位置に対応する各画像形成体の外周面の角度位置を相互に所定角度つづ変化させた複数の状態を形成し、各状態毎に、転写プロセスにて各画像形成体から所定のマークを被転写体に対し転写させ同マーク間の距離を検出することで転写プロセスにおける被転写体上の同一位置に対応する各画像形成体の外周面の角度位置の画像形成体間のズレ(すなわち図1(c)、(d)中、「色ズレ発生部」として示した「ズレ」)を検出するズレ検出プロセスを実行するようにした。
このズレ検出プロセスでは単に画像形成対同士の位相を変化させてその色ズレを検出することのみでよいため、上記位相合わせセンサ、エンコーダ等は不要となり、少ない部品点数での位相合わせを行うことが可能となる。
このように本発明によれば簡易な構成で画像形成装置の色ズレ量を低減可能なため、低価格で且つ高性能の画像形成装置を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態では、カラーモードで印刷動作を行う場合、その前処理でモノクロ用感光体およびカラー用感光体を同一の速度で回転させ、中間転写体としての転写ベルト(すなわち被転写体)上にトナーマークパターンを転写する。その後TM(トナーマーク)センサにより転写ベルト上の色ズレ量を測定する。
ここで上記トナーマークによる色ズレ量の測定について説明する。
色ズレ量は図1,図2と共に上述したように、電子写真プロセス中の転写プロセスにおける転写ベルト上の同一位置を基準とした各感光体の外周面の角度位置のズレ量である。したがって各感光体の外周上の各角度位置毎、例えば0度、90度、180度、270度の各位置にトナーマークを形成し、これを通常の印刷時の転写プロセスと同様のプロセスにて転写ベルト上に転写し、その間の距離を測定することにより、例えば図1(c)、(d)に示す「色ズレ発生部」に相当する距離が、色ズレ量として検出され得る。
しかしながら実際にはこの色ズレ量は僅かなものであり、通常の印刷時の転写プロセスによって転写ベルト上にトナーマークを転写した場合、各感光体から転写されたトナーマークが互いに重なり合うため、転写されたトナーマーク相互間の距離を正確に測ることが困難な場合が多いと考えられる。
したがって実際には制御により、通常の印刷時の転写プロセスに対し、色ズレ量測定の際には後述の図13に示す如く、各感光体間で意図的に位相差を設けるように制御することが望ましい。
その結果仮に色ズレが全く発生しない場合でも各感光体から転写ベルト上の転写されるトナーマークの位置は、転写ベルトの移動方向に所定距離、相互に離間することになる。そしてその所定距離からのズレを測定することにより上記色ズレ量が測定できる。
色ズレ量の測定後、例えばカラー用感光体の位相をモノクロ用感光体に対し一定量進める。
なおここで感光体の位相とは、画像形成装置の電子写真プロセス中の転写プロセスにおける転写ベルト上の同一位置に対応する感光体の外周面の角度位置そのもの、あるいは同角度位置の、各感光体相互間の差を言う。ここで各感光体は通常の印刷動作時は定速回転駆動されるため、その間各感光体間の位相は固定される。
そしてその状態で再度転写ベルト上にトナーマークパターンを転写し、上記同様にしてTMセンサにより転写ベルト上の色ズレ量を測定する。
このような動作を繰り返し、すなわち順次感光体間の相対的な位相差を一定量づつ進める度毎に色ズレ量を測定し、相対的な位相差が360度に達するまで同様の動作を繰り返す。
すなわち感光体間の相対位相差を徐々に増加させ、その都度色ズレ量を測定する動作を、相対位相差が感光体全周分に至るまで行うのである。
そして各相対位相差毎に取得した色ズレ量の測定値を比較し、その値が最も小さい相対位相差を設定値として得るのである。すなわち、モノクロ用感光体とカラー用感光体との位相差を、最も色ズレ量の少ない位相差となるよう、例えば図2(a)、(b)に示された状態となるよう、カラー用感光体の位相をモノクロ用感光体に対し進めた状態とするのである。
このような動作を行うよう構成することにより、部品点数の少ない構成での感光体の位相合わせを可能とし、色ずれ量を少なくすることが可能な画像形成装置を実現し得る。
上記の例では色ズレ量測定の際にカラー用感光体の位相を一定量進めることで徐々にモノクロ用感光体との位相差を広げるようにして感光体同士の相互の位相差を変化させていたが、この例に限られず、逆にカラー用感光体の位相を一定量遅らせることで徐々にモノクロ用感光体との位相差を広げるようにして感光体同士の相互の位相差を変化させるようにしてもよい。
あるいはモノクロ用感光体の方の位相をカラー用感光体に対し一定量進ませることで徐々にカラー用感光体との位相差を変化させる方法でも良い。
同様にモノクロ用感光体の方の位相をカラー用感光体に対し一定量遅らせることで徐々にカラー用感光体との位相差を変化させる方法でも良い。
また色ズレ量を測定する際、上記感光体同士の間の位相変更に伴う、各感光体を駆動するモータ速度の変更中は、各感光体から転写ベルト上へのトナーマークパターンの転写を行わない構成とすることが望ましい。すなわちトナーマークパターンを転写する際には、必ず各感光体を定常速度で回転中に行うことにより、色ズレ量測定時の誤差要因を減らすことが可能である。
また、カラーモードでの印刷動作を実行する際、その前処理で上記の如くにモノクロ用感光体およびカラー感光体間で位相を合わせる動作を実行するか否かを選択できるモードを備えることが望ましい。その結果、位相合わせが不要の際にはユーザの選択によって同動作を省略し、通常の印刷動作を迅速に開始させることが可能となる。
また色ズレ量を測定する際に各感光体間の位相差を0度から360度まで変化させる間、位相を変化させる回数、すなわちその間で色ズレ量を測定する回数をユーザが選択可能とする構成を設けることが望ましい。その結果、ユーザの選択入力により、位相合わせ動作に要する時間或いは位相合わせの精度を自由に選択することが可能となる。
上記の如くモノクロ用感光体、およびイエロー、マゼンタ、シアン3個のカラー用感光体の計4個の感光体を備えたカラー画像形成装置の場合、イエロー、マゼンタ、シアン3個のカラー用感光体は、それら相互の位相が固定されている場合がある。すなわち、通常モノクロ印刷時にはモノクロ用感光体のみが使用され、カラー印刷時にはモノクロ用感光体と3個のカラー用感光体とを併せた計4個の感光体が使用される。
この場合、モノクロ印刷時には、その間使用されない3個のカラー感光体を停止させる制御を行うことが望ましい。その結果消費エネルギーの節約が図れるからである。そのような制御を可能とするためにはモノクロ用感光体とカラー用感光体との間で位相を固定しない構成とすることが望ましい。他方3個のカラー感光体は必ず同時に使用されるため、それら相互の位相を固定しても何ら問題がない。
このようにして3個のカラー感光体間の位相を固定する構成とした場合、その相互位相を画像形成装置の製品出荷前にそれらの間の色ズレ量が最小となるような位相に調整しておくことが可能となる。その結果、以後、3個のカラー感光体の間の位相を合わせる動作は不要となる。したがって画像形成装置の製品出荷後、商用運転中の上記の如くの色ズレ量の測定は、モノクロ用感光体とカラー用感光体との間でのみで行えばよいことになる。
他方、画像形成装置が、モノクロ用感光体、およびイエロー、マゼンタ、シアン3個のカラー用感光体の計4個の感光体が各々独立して駆動される構成を有する場合、計4個の感光体相互の位相をその都度調整する必要がある。この場合、例えばモノクロ用感光体を基準に各々イエロー用感光体,マゼンタ用感光体,シアン用感光体の色ズレ量をそれぞれ測定し、その結果に応じて感光体相互間の位相合わせを実行する構成とする。その結果、モノクロ用感光体を基準に他のカラー用感光体の位相を最適なものにすることが可能となる。
あるいはこの場合において、イエロー用感光体を基準に各々モノクロ用感光体,マゼンタ用感光体,シアン用感光体の色ズレ量を測定し、その結果に応じて感光体相互間の位相合わせをするようにしても良い。その結果イエロー用感光体を基準に他の感光体の位相を最適化することが可能となる。
同様にマゼンタ用感光体を基準に各々モノクロ用感光体,イエロー用感光体,シアン用感光体の色ズレ量を測定し、その結果に応じて感光体相互間の位相合わせをするようにしてもよい。その結果マゼンタ用感光体を基準に他の感光体の位相を最適化することが可能となる。
あるいはシアン用感光体を基準に各々モノクロ用感光体,イエロー用感光体,マゼンタ用感光体の色ズレ量を測定し、その結果に応じて感光体相互間の位相合わせをするようにしても良い。その結果シアン用感光体を基準に他の感光体の位相を最適化することが可能となる。
また、感光体相互の位相合わせを行う際、通常の印刷動作における回転速度よりも速い回転速度で各感光体を駆動するモータを回転させ、位相合わせ終了後に各感光体のモータを同一の加速度にて、通常印刷時の速度まで減速し、その後に通常の印刷動作を行うモードを備えることが望ましい。このようなモードを適用することにより位相合わせに要する時間を短縮することが可能となる。
なお、以上に述べた如くの画像形成装置の機能を実現するための制御は、例えば図15、図16と共に後述する如く、所定のプログラムを画像形成装置の動作を制御するコンピュータに実行させることで果たすことが可能である。このプログラムはソフトウェアの形態としてメモリに書き込んで保存する構成としても良いし、或いはハードウェア、ファームウェアの形態で同コンピュータに内蔵する構成としても良い。
以下、上述の本発明の実施の形態を具体的に実現するための各実施例の構成につき、図と共に説明する。
図3は、本発明の実施例1によるカラー画像形成装置の要部を示すブロック図である。
同図に示す如く、本カラー画像形成装置は周知の電子写真プロセスを適用した上記タンデム型のカラー画像形成装置である(特許文献1乃至6参照)。本画像形成装置にはモノクロ印刷、すなわちモノクロ画像の印刷を行うモードと、カラー印刷、すなわちフルカラー画像の印刷を行うモードとが備えられている。
タンデム型のカラー画像形成装置では上記の如く、カラー印刷時、すなわちフルカラー画像を形成する際、各々駆動モータにより定速回転駆動されるイエロー、マゼンタ、シアン、黒(モノクロ)の計4個の感光体10,20の外周面上に、レーザ駆動装置からのレーザ照射によって該当する色要素に係る静電潜像がそれぞれ形成される。なお図3では説明の便宜上、上記イエロー、マゼンタ、シアンの計3個のカラー用感光体を、一のカラー用感光体20で代表して表している。
そしてそのように各感光体10,20の外周面上に形成された各色要素毎の静電潜像は、それぞれの感光体10,20上で該当する色要素のトナーにて現像されることにより、該当する色要素に係るトナー画像とされる。更にこのように各感光体10,20上に形成された該当する色要素のトナー画像は、中間転写体としての転写ベルト30上に重畳して転写される。
その際転写ベルトは図示の如く所定の駆動手段により図中、右方向に移動され、その上に定速回転駆動された各感光体10,20の外周面が接することにより、各感光体の外周面に形成されたトナー画像が転写ベルト30上転写される。このようにして各色要素のトナー画像が転写ベルト30上に重畳されフルカラー画像が得られる。
図3に示す如く互いにその回転軸が離間された複数の感光体10,20により転写ベルト30上の同一位置に対応するトナー画像を転写するための制御につき、以下に説明する。
例えば図3の例において、図中右方向に移動する転写ベルト30と最初に接することになる右端の感光体10に対しレーザ駆動装置により、ある画像部分に係る静電潜像を形成した後これを現像してトナー画像とする。そして感光体10,20間の距離に応じた時間分遅延後、次の感光体20に対しレーザ駆動装置により、対応する画像部分に係る静電潜像を形成した後これを現像してトナー画像とする。その結果、感光体10に形成されたトナー画像部分が転写ベルト30上に転写されて上記時間遅延後、転写ベルト30の移動に伴い、その転写された転写ベルト30上の画像部分が次の感光体20に至ることとなる。そして同じタイミングでその感光体20の対応するトナー画像部分が転写ベルト30上に転写される。したがって対応するトナー画像部分が転写ベルト30上の同一の位置で重畳される。
図3には説明の便宜上、当該画像形成装置の画像形成部の構成要素うち、各感光体10,20及び転写ベルト30のみを示している。本画像形成装置が適用する電子写真プロセスは周知の技術であり(特許文献1乃至6参照)、その基本的構成も周知なため、ここでは更に詳細な説明は省略する。
本実施例ではイエロー,マゼンタ,シアンの各カラー用感光体20はカラー画像形成時のみ使用されるため、上記の如く、常に相互に同一位相で回転駆動されるよう構成されている。
本画像形成装置の動作の制御を担う制御系は、装置全体の動作を制御するシステム制御部51,タイマ52,ROM53,不揮発性RAM54,モータ駆動回路を含む。
システム制御部51は通常の印刷動作の制御に加え、各感光体10,20間の位相差の測定および位相合わせに関する動作の制御を行う。タイマ52は、上記色ズレ量測定時、感光体10,20間の位相差変更、色ズレ測定等において、動作実行時間の制御等に使用される。或いは例えばTMセンサ40による転写ベルト30上のトナーマークの検出タイミング相互の時間差を測定することにより、トナーマーク相互の距離を測定する際に使用される。転写ベルト30は一定速度で図3中の右方向に移動するため、そのような方法でトナーマーク間の距離を測定することが可能となる。
ROM53には本発明の画像形成装置の制御方法をシステム制御部51を構成するコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶させるために使用される。
不揮発性RAM54は、色ズレ量測定の際に測定された各感光体の位相差、色ズレ量等の各種パラメータの記憶を行う。モータ駆動回路55は、モノクロ用感光体モータ10およびカラー用感光体20の各々を駆動するモータの駆動を制御する。
また、各感光体10,20から転写ベルト30上に転写されたトナーマーク間の距離を検出するためのTM(トナーマーク)センサ40が設けられている。
制御系を構成する上記各構成要素はバス60にて相互に通信可能に接続されている。
図4は本発明の実施例1に係る画像形成装置において実行される、各感光体10,20による転写ベルト30に対するトナーマークの転写、転写されたトナーマークによる色ズレ量の測定、感光体10,20相互位相の変更、変更後の再度のトナーマークの転写およびそれによる色ズレ量の測定、これらの動作の繰り返しによる複数の感光体相互位相における色ズレ量の測定、測定結果の比較による最適相互位相の抽出ならびに抽出された位相による実際の印刷動作の開始に係る動作の流れにつき、図4と共に説明する。
まずカラーモードで印刷動作を行う場合の前処理として、モノクロ用感光体モータ,カラー用感光体モータを同一速度で回転させ(ステップ101、102)、転写ベルト上30にトナーマークを転写し、その相互の距離をTMセンサ40で測定することにより、色ズレ量を測定する(ステップ103)。
ここで言う「カラー用感光体20」とは上記の如くイエロー、マゼンタ、シアン用の計3個の感光体を総称するが、トナーマークの転写及び色ズレ量の測定に関する限り、その内のいずれか一の感光体を示す。実施例1の場合上記の如くこれら3個のカラー用感光体20は同位相に回転駆動されるよう構成されているため、その内のいずれか一の感光体についてモノクロ用感光体10との間で位相合わせを行えば十分だからである。
この色ズレ量測定後、カラー用感光体の位相のみを360/n度進める(ステップ104)。ここでnは、各感光体間の位相を360度、すなわち一周分に至るまでに徐々に増加させる回数を示し、この回数nは、一周分に至るまでの色ズレ量の測定回数をも示す。この数nは2以上の整数とする。
その後再度転写ベルト30に各感光体10,20からトナーマークを転写し、その相互の距離をTMセンサ40で測定することにより、色ズレ量を測定する(ステップ105)。
そしてステップ104,S105と同様の動作を、感光体10,20間の相対的な位相差が(360/n)×1度,(360/n)×2度、・・・、(360/n)×n度の各々の場合について実行する(ステップ106)。
最後に感光体10,20間の相対的な位相差が(360/n)×1度,(360/n)×2度・・・(360/n)×n度のそれぞれにおいて測定された色ズレ量を相互比較し、測定色ズレ量が最も小さくなる位相差を設定値として得る。以後感光体10,20相互の位相差をこの設定値に設定した状態で通常の印刷動作を開始する(ステップ107,S108)。
図5はこの実施例1における動作の具体例を説明するための図である。
ここでは上記の如くイエロー,マゼンタ,シアン用の各感光体20は、カラー画像形成時のみに使用するため常に同一位相で回転駆動される。また、上記1周で測定する回数nを8とする。
まず図5(a)に示す如く、モノクロ用感光体10,カラー用感光体20を同一の速度で回転させ、通常の印刷時同様の電子写真プロセスにより各感光体10,20上にトナーマークを形成した後、転写ベルト30にこのトナーマークを転写させ、それをもってTMセンサ40により色ズレ量を測定する。
その後図5(b)に示す如く、カラー用感光体20のみの位相を進める。ここでは上記の如く1周で8回測定するため、(360/8=)45度づつ位相を進める。次にこの状態で、各感光体10,20を再び同一の速度で回転させ、上記同様にして転写ベルト30にトナーマークを転写させ、TMセンサにより色ズレ量を測定する。
このようにしてカラー用感光体20のみ、その位相を45度づつ、順に45度,90度,135度,180度,225度,270度,315度,360度と変化させ、その都度その状態における色ズレ量を測定する。すなわち感光体10,20間の相対位相差を、0度、45度,90度,135度,180度,225度,270度,315度の計8通りに変化させる(図5(c))。
そして上記8通りの相対位相差の各々の状態で得られた色ズレ量の測定値を比較し、その内色ズレ量が最小のものを抽出する。そして対応する相対位相差(例えば図5(d)の例では135度)を設定値として得る。以後、感光体10,20間の相対位相差をこの設定値に固定して通常の印刷動作を実行する(図5(d))。
具体的には現在は前記の如く、一周分の位相差を実施した後の状態にあるため、感光体間の位相差は360度、すなわち0度である。そこからカラー用感光体20のみの位相を上記の例で言えば135度進め、その後各感光体10,20をそれぞれ同一の一定速度で回転駆動した状態で通常の印刷動作を実行する。
図6は本発明の実施例2による、図5と共に上述した実施例1における動作に対応する動作の流れを示すフローチャートである。
なおこのフローチャートに係る制御動作の部分を除き、実施例2による画像形成装置の構成及び動作は全て上述の実施例1による画像形成装置のものと同様であり、重複する説明を省略する。
上記実施例1では色ズレ量測定の際に各感光体10,20間の相互位相差を変更する際、そのステップ104においてカラー用感光体20のみ、その位相を一定角度進める動作を行った。これに対し実施例2では、ステップ114において、カラー用感光体20のみ、その位相を一定角度遅らせる動作を行う。
すなわち実施例2ではステップ116において、例えば図5の例の場合、その位相を45度づつ、順に45度,90度,135度,180度,225度,270度,315度,360度と変化させる際、図5に示す如くカラー用感光体20の位相のみを進ませる代わりに、同じ角度、カラー用感光体20の位相のみを遅らせる。このような動作によっても実施例1の場合同様、感光体10,20間の相対位相差を、0度、45度,90度,135度,180度,225度,270度,315度の計8通りに変化させることが可能である。その結果実施例1同様の作用効果が得られる。
それ以外のステップ111乃至S113,S115、S116乃至S118の動作は実施例1におけるステップ101乃至103,S105,S106乃至S108の動作と同様であり、その説明を省略する。
図7は本発明の実施例3による、図5と共に上述した実施例1における動作に対応する動作の流れを示すフローチャートである。
なおこのフローチャートに係る制御動作の部分を除き、実施例3による画像形成装置の構成及び動作は全て上述の実施例1による画像形成装置のものと同様であり、重複する説明を省略する。
上記実施例1では色ズレ量測定の際に各感光体10,20間の相互位相差を変更する際、そのステップ104においてカラー用感光体20のみ、その位相を一定角度進める動作を行った。これに対し実施例3では、ステップ124において、モノクロ用感光体10のみ、その位相を一定角度進める動作を行う。
すなわち実施例3ではステップ126において、例えば図5の例の場合、感光体の位相を45度づつ、順に45度,90度,135度,180度,225度,270度,315度,360度と変化させる際、図5に示す如くカラー用感光体20の位相のみを進ませる代わりに、同じ角度、モノクロ用感光体20の位相のみを進ませる。このような動作によっても実施例1の場合同様、感光体10,20間の相対位相差を、0度、45度,90度,135度,180度,225度,270度,315度の計8通りに変化させることが可能である。その結果実施例1同様の作用効果が得られる。
それ以外のステップ121乃至S123,S125、S126乃至S128の動作は実施例1におけるステップ101乃至103,S105,S106乃至S108の動作と同様であり、その説明を省略する。
図8は本発明の実施例4による、図5と共に上述した実施例1における動作に対応する動作の流れを示すフローチャートである。
なおこのフローチャートに係る制御動作の部分を除き、実施例4による画像形成装置の構成及び動作は全て上述の実施例1による画像形成装置のものと同様であり、重複する説明を省略する。
上記実施例1では色ズレ量測定の際に各感光体10,20間の相互位相差を変更する際、そのステップ104においてカラー用感光体20のみ、その位相を一定角度進める動作を行った。これに対し実施例4では、ステップ134において、モノクロ用感光体10のみ、その位相を一定角度遅らせる動作を行う。
すなわち実施例4ではステップ136において、例えば図5の例の場合に当てはめた場合、感光体の位相を45度づつ、順に45度,90度,135度,180度,225度,270度,315度,360度と変化させる際、図5に示す如くカラー用感光体20の位相のみを進ませる代わりに、同じ角度、モノクロ用感光体20の位相のみを遅らせる。このような動作によっても実施例1の場合同様、感光体10,20間の相対位相差を、0度、45度,90度,135度,180度,225度,270度,315度の計8通りに変化させることが可能である。その結果実施例1同様の作用効果が得られる。
それ以外のステップ131乃至S133,S135、S136乃至S138の動作は実施例1におけるステップ101乃至103,S105,S106乃至S108の動作と同様であり、その説明を省略する。
以下本発明の実施例5による画像形成装置において実行される、各感光体10,20間による転写ベルト30に対するトナーマークの転写、転写されたトナーマークによる色ズレ量の測定、感光体10,20相互位相の変更、変更後の再度のトナーマークの転写およびそれによる色ズレ量の測定、これらの動作の繰り返しによる複数の相互位相における色ズレ量の測定、測定結果の比較による最適相互位相の抽出ならびに抽出された位相による実際の印刷動作の開始に係る動作の流れにつき、図9と共に説明する。
実施例5においては上記実施例1乃至4と異なり、モノクロ用感光体10及びイエロー、マゼンタ、シアンの計3個のカラー用感光体20の計4個の感光体は、各々独立で回転駆動される構成を有する。それ以外の構成、機能は上記実施例1による画像形成装置のものと同様であり、重複する説明を省略する。
本実施例ではこのように4個の感光体10,20が各々独立に回転駆動されるため、4個の感光体10,20相互間の位相合わせが必要となる。そのため本実施例ではモノクロ用感光体10を基準とし、順にモノクロ用感光体10とイエロー用感光体20との間の位相合わせ、モノクロ用感光体10とマゼンタ用感光体20との間の位相合わせ、並びにモノクロ用感光体10とシアン用感光体20との間の位相合わせを実行する。
このように4個の感光体のうちの2個の感光体の組み合わせ毎に位相合わせを行う。各2個の感光体の組み合わせ毎に行う位相合わせ動作は上記実施例1乃至4におけるモノクロ用感光体10とカラー用感光体20との位相合わせ動作(例えば実施例1の場合、ステップ102乃至S107)と同様でよい。
上記他の実施例同様、最初にモノクロ用感光体モータ,イエロー用感光体モータ,マゼンタ用感光体モータ,シアン用感光体モータを同一速度で回転させ(ステップ141,142)、転写ベルト30上に各色のトナーマークを転写し(ステップ143)、黒(モノクロ)のトナーマークから、他の色(イエロー、マゼンタ、シアン)のトナーマークへの距離をTMセンサ40で測定し、色ズレ量を測定する(ステップ144)。
その後、色ズレ量の測定を、黒基準に各色毎,各位相毎に順次実行し(ステップ145)、最後に、各感光体10,20を色ズレ量がもっとも小さくなるような位相に設定した後、通常の印刷動作を実行する(ステップ146)。
具体的には上記の如く、最初に例えばモノクロ用感光体10とイエロー用感光体20との組み合わせにつき、例えば図4に示す実施例1におけるステップ102乃至S106の動作を実行し、次にモノクロ用感光体10とマゼンタ用感光体20との組み合わせにつき同様の動作を行い、更にモノクロ用感光体10とシアン用感光体20との組み合わせにつき同様の動作を行う(ステップ145)。
次に、ステップ145にて取得された測定値を基に、上記各感光体の組み合わせ毎に、色ズレ量が最も小さくなるような位相差を抽出し、その位相差に設定した後、通常の印刷を実行する(ステップ146、S147)。
実施例5によれば、モノクロ用感光体とカラー用感光体との計4個の感光体が全て独立して回転駆動される構成の画像形成装置において、モノクロ用感光体10の位相を基準に他の3色用の3個のカラー用感光体20の位相の最適化を図ることが可能である。
上記実施例5においてはモノクロ用感光体10を基準として他のカラー用感光体の各々との組み合わせを行い、各組み合わせ毎に色ズレ量の測定を行って位相合わせを行う構成であった。これに対し図10に示す実施例6による動作フローでは、モノクロ用感光体10とイエロー、マゼンタ、シアンの計3個のカラー感光体20の計4個の感光体中、イエロー用感光体20を基準とし、それ以外のモノクロ用感光体10、マゼンタ用感光体20及びシアン用感光体20の各々との組み合わせを行い、各組み合わせ毎に色ズレ量の測定を行って位相合わせを行う構成である。それ以外の構成、機能は全て実施例5のものと同様であり、重複する説明を省略する。
実施例6ではステップ154においてイエローのトナーマーク、すなわちイエロー用感光体20によって転写されたトナーマークと、他の色のトナーマーク、すなわち黒、マゼンタ及びシアンの各色用の感光体から転写されたトナーマークの各々との距離をTMセンサ40により検出することで色ズレ量を検出する。
そしてステップ155では、最初に例えばイエロー用感光体20とモノクロ用感光体10との組み合わせにつき、例えば図4に示す実施例1におけるステップ102乃至S106の動作を実行し、次にイエロー用感光体20とマゼンタ用感光体20との組み合わせにつき同様の動作を行い、更にイエロー用感光体20とシアン用感光体20との組み合わせにつき同様の動作を行う。
次に、ステップ155にて取得された測定値を基に、上記各感光体の組み合わせ毎に、色ズレ量が最も小さくなるような位相差を抽出し、その位相差に設定した後、通常の印刷を実行する(ステップ156、S157)。
なおステップ151乃至153の動作は実施例5におけるステップ141乃至143の動作と同様であり、重複する説明を省略する。
実施例6によれば、モノクロ用感光体とカラー用感光体との計4個の感光体が全て独立して回転駆動される構成の画像形成装置において、イエロー用感光体20の位相を基準に他のモノクロ用感光体10及び他の2色用のカラー用感光体20の各々の位相の最適化を図ることが可能である。
図11に示す実施例7における動作フローでは、モノクロ用感光体10、イエロー、マゼンタ、シアン用の計3個のカラー感光体20の計4個の感光体中、マゼンタ用感光体20を基準とし、それ以外のモノクロ用感光体10、イエロー用感光体20及びシアン用感光体20の各々との組み合わせを行い、各組み合わせ毎に色ズレ量の測定を行って位相合わせを行う。それ以外の構成、機能は全て実施例5のものと同様であり、重複説明を省略する。
実施例7ではステップ164においてマゼンタのトナーマーク、すなわちマゼンタ用感光体20によって転写されたトナーマークと、他の色のトナーマーク、すなわち黒、イエロー及びシアンの各色用の感光体から転写されたトナーマークの各々との距離をTMセンサ40により検出することで色ズレ量を検出する。
そしてステップ165では、最初に例えばマゼンタ用感光体20とモノクロ用感光体10との組み合わせにつき、例えば図4に示す実施例1におけるステップ102乃至S106の動作を実行し、次にマゼンタ用感光体20とイエロー用感光体20との組み合わせにつき同様の動作を行い、更にマゼンタ用感光体20とシアン用感光体20との組み合わせにつき同様の動作を行う。
次に、ステップ165にて取得された測定値を基に、上記各感光体の組み合わせ毎に、色ズレ量が最も小さくなるような位相差を抽出し、その位相差に設定した後、通常の印刷を実行する(ステップ166、S167)。
なおステップ161乃至163の動作は実施例5におけるステップ141乃至143の動作と同様であり、重複する説明を省略する。
実施例7によれば、モノクロ用感光体とカラー用感光体との計4個の感光体が全て独立して回転駆動される構成の画像形成装置においても、マゼンタ用感光体20の位相を基準に他のモノクロ用感光体10及び他の2色用のカラー用感光体20の各々の位相の最適化を図ることが可能である。
図12に示す実施例8における動作フローでは、モノクロ用感光体10、イエロー、マゼンタ、シアン用の計3個のカラー感光体20の計4個の感光体中、シアン用感光体20を基準とし、それ以外のモノクロ用感光体10、イエロー用感光体20及びマゼンタ用感光体20の各々との組み合わせを行い、各組み合わせ毎に色ズレ量の測定を行って位相合わせを行う。それ以外の構成、機能は全て実施例5のものと同様であり、重複する説明を省略する。
実施例8ではステップ174においてシアンのトナーマーク、すなわちシアン用感光体20によって転写されたトナーマークと、他の色のトナーマーク、すなわち黒、イエロー及び、マゼンタの各色用の感光体から転写されたトナーマークの各々との距離をTMセンサ40により検出することで色ズレ量を検出する。
そしてステップ175では、最初に例えばシアン用感光体20とモノクロ用感光体10との組み合わせにつき、例えば図4に示す実施例1におけるステップ102乃至S106の動作を実行し、次にシアン用感光体20とイエロー用感光体20との組み合わせにつき同様の動作を行い、更にシアン用感光体20とマゼンタ用感光体20との組み合わせにつき同様の動作を行う。
次に、ステップ175にて取得された測定値を基に、上記各感光体の組み合わせ毎に、色ズレ量が最も小さくなるような位相差を抽出し、その位相差に設定した後、通常の印刷を実行する(ステップ176、S177)。
なおステップ171乃至173の動作は実施例5におけるステップ141乃至143の動作と同様であり、重複する説明を省略する。
実施例8によれば、モノクロ用感光体とカラー用感光体との計4個の感光体が全て独立して回転駆動される構成の画像形成装置においても、シアン用感光体20の位相を基準に他のモノクロ用感光体10及び他の2色用のカラー用感光体20の位相の最適化を図ることが可能である。
図13は上記実施例5乃至8において、色ズレ量を測定するために、転写ベルト30に転写されたトナーマークパターンの一例を示す図である。
最初に転写ベルト30上に、その進行方向と垂直方向に、黒,マゼンタ,シアン,イエローのそれぞれのトナーマークパターンを転写する。また、このときにはTMセンサ40の配置上、TMセンサ40で測定できる範囲に各トナーマークを転写するように制御する。
このように転写されたトナーマークに対し、黒基準とした場合(すなわち実施例5)、黒−マゼンタのトナーマーク間の距離の設定値をa、測定値をAとした場合、これらの値、Aとaとの差が大きいほど色ズレ量が大きいと判断する。同様に黒−シアン間ではBとbとの差から、黒−イエロー間ではCとcとの差から該当する色ズレ量を判断する。
図14は上記各実施例において、感光体間の位相を変化させる目的で感光体を駆動するモータの回転速度を変化させる方法について説明するための図である。
ここでは一例として、周知のブラシレスモータ或いはステッピングモータと称される、図14(b)、(d)、(f)に示される如くの波形を有するパルス信号によって駆動されるモータを各感光体駆動用モータとして適用する場合につき説明する。
このブラシレスモータ或いはステッピングモータは、印加されるパルス数とその回転角度とが比例するという特性を有する。したがって単位時間あたりに印加されるパルス数が多い程高速に回転駆動されることになる。
図14(a)、(b)は、感光体を所定の一定速度で回転駆動している様子を示す。
この状態から感光体の位相を進める場合、図14(d)に示す如く、単位時間あたりの印加パルス数を増加する。その結果、単位時間あたりの印加パルス数が増加されている間、その感光体の回転速度が増加し、他の前記所定の一定速度で回転駆動されている感光体に対し、その位相を進めることができる。
所定位相進ませた後に同図(b)に示す如くの元のパルス信号に戻すことにより、最終的に当該感光体の位相を他の感光体に対し所定位相進めた状態が得られる。
同様に感光体の位相を遅らせる場合、図14(f)に示す如く、単位時間あたりの印加パルス数を減少させる。その結果、単位時間あたりの印加パルス数が減少されている間、その感光体の回転速度が減少し、他の前記所定の一定速度で回転駆動されている感光体に対し、その位相を遅らせることができる。所定位相遅らせた後に同図(b)に示す如くの元のパルス信号に戻すことにより、最終的に当該感光体の位相を他の感光体に対し所定位相遅らせた状態が得られる。
図15は上記本発明の各実施例による画像形成装置の制御系統の一例を示す。
同図に示す如く、本画像形成装置は制御部300と画像形成部500とよりなる。ここで制御部300は図3に示すシステム制御部51、タイマ、ROM53,不揮発性RAM54及びモータ制御回路55に対応する。画像形成部500は上記の如く、図3に示される各感光体10,20、転写ベルト30及びTMセンサ40を含む。
制御部300は図16に示す如くのコンピュータにより構成することが可能である。
すなわち制御部300は、適宜所要のインタフェース手段を介して画像形成部500を構成する各機能部の動作を制御するCPU310,ユーザの操作指示を受けるための操作部320,ユーザに対し装置の内部状態等を表示するための表示部330,CPU310の動作を補助するためのメモリ340,制御プログラム等を格納するハードディスク装置350,外部からプログラム等をロードするためのCD−ROMドライブ360,通信網600を介し外部サーバと接続するためのモデム370を含む。
上述の本発明の各実施例による画像形成装置における上述の色ズレ量の測定及び感光体間の位相合わせ動作、すなわち図4乃至14と共に説明した如くの制御動作は、上記の如く所定のプログラムをCPU310に実行させ制御装置300としてのコンピュータに実行させることにより実現することが可能である。
上記所定のプログラムは、そこに含まれる一連の命令が上記制御部300としてのコンピュータにより順次実行されることにより上述の各実施例による画像形成装置における制御動作すなわち色ズレ量測定動作及び感光体間の位相合わせ動作が実現されるように作成されるものとする。
またその場合、同プログラムは前記制御装置300としてのコンピュータに対し、CD−ROMドライブ360を介しCD−ROM365からロードするようにしても良いし、或いは通信網600を介し外部サーバからダウンロードしても良い。
制御部300としてのコンピュータに同プログラムのロード後はハードディスク装置350にこれを格納し、実行時にこれをメモリ340にロードしてCPU310に実行させることにより該当する処理動作が実行され、もって図4乃至図14と共に説明した本発明の各実施例による色ズレ量測定動作及び感光体間の位相合わせ動作が実行されることになる。
本発明が解決しようとする課題を説明するための図(その1)である。
本発明が解決しようとする課題を説明するための図(その2)である。
本発明の各実施例による画像形成装置の要部を示すブロック図である。
本発明の実施例1による画像形成装置の制御方法の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施例1による画像形成装置の制御方法の流れを説明するための模式図である。
本発明の実施例2による画像形成装置の制御方法の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施例3による画像形成装置の制御方法の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施例4による画像形成装置の制御方法の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施例5による画像形成装置の制御方法の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施例6による画像形成装置の制御方法の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施例7による画像形成装置の制御方法の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施例8による画像形成装置の制御方法の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施例において、感光体間の色ずれ量を測定するために転写ベルト上に転写されたトナーマークパターンの一例を示す図である。
本発明の各実施例において感光体間の回転位相関係を変化させる方法について説明するための図である。
本発明の各実施例における制御系を説明するための図である。
図15に示す制御部の構成例としてのコンピュータのブロック図である。
符号の説明
10 モノクロ用感光体
20 カラー用感光体
30 転写ベルト
40 トナーマークセンサ