JP2007100165A - 被膜特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法および方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤 - Google Patents

被膜特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法および方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤 Download PDF

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Abstract

【課題】被膜密着性が良好で、色調の変化や点欠陥の発生がない、被膜特性に優れた方向性電磁鋼板を安定して得る。
【解決手段】Si:2〜4mass%を含有する鋼スラブを、熱間圧延し、熱延板焼鈍後、最終冷間圧延を施し、ついで一次再結晶焼鈍後、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、最終仕上焼鈍を行う一連の工程よりなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
焼鈍分離剤の物性を、焼鈍分離剤を塗布した鋼板と無塗布の鋼板を5mm隔てて最終仕上焼鈍を施したときの表面蛍光X線Mg強度比A(A=I(無塗布)/I(塗布))で評価し、その値が0.5≦A≦1.5の範囲を満足する焼鈍分離剤を用いる。
【選択図】図3

Description

本発明は、被膜特性とくに被膜外観均一性および耐剥離特性が良好な方向性電磁鋼板の製造方法およびかかる方向性電磁鋼板の製造に用いて好適な方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤に関するものである。
方向性電磁鋼板の製造は、所定の成分組成に調整した鋼スラブに、熱間圧延、焼鈍、冷間圧延を施し、再結晶焼鈍後、最終仕上焼鈍を施すことにより行うのが一般的である。かような製造工程のうち、最終仕上焼鈍では、1200℃という高温の焼鈍時にコイルの焼き付きを防止するために、マグネシアを主体とする焼鈍分離剤を塗布するのが通例である。
また、このマグネシアは、上記した焼鈍分離剤としての役割の他に、最終仕上焼鈍前に行われる脱炭焼鈍時に鋼板表面に生成するシリカを主体とする酸化層と反応させてフォルステライト被膜を形成させるという働きもある。
上記のようにして形成されたフォルステライト被膜は、上塗りされるリン酸塩系絶縁コーティングと地鉄部分とを密着させる一種のバインダーとして働くだけでなく、鋼板に張力を付与することにより磁気特性を向上させる働きおよび鋼板被膜外観の均一化などの働きがあり、この焼鈍分離剤の果たす役割は大きい。
そして、被膜外観については焼鈍分離剤の反応性が大きく影響しており、反応性が高すぎると被膜に点状欠陥が生じ、逆に反応性が低すぎると被膜形成不良となり地鉄部が表面に露出するようになる。
このため、従来から被膜特性を改善するため、様々な方怯が提案されている。
たとえば、特許文献1には、マグネシアとクエン酸の反応を経時的に観測した値の期待値と標準偏差を適正化することによって被膜特性を改善する方法が提案されている。
また、特許文献2には、酸化マグネシウムのガス吸着等温曲線を適正範囲に収めることによって被膜特性を改善する方法が提案されている。
しかしながら、クエン酸活性度やガス吸着等温曲線を適正範囲に調整した焼鈍分離剤を鋼板に適用した場合であっても、被膜安定性に欠ける場合があることが判明した。
特開2004−353054号公報 特開平10−88240号公報
これまで提唱されてきた技術はいずれも、フォルステライト形成反応はシリカとマグネシアの固相反応であるとの暗黙の仮定の下に提案されたものである。
本発明の本質は、この固定観念を捨て、フォルステライト形成反応における気相反応の寄与を検討することにより、被膜安定性を改善するところにある。
さて、発明者らは、フォルステライト形成反応における気相反応の寄与について鋭意検討を行った結果、被膜特性の安定性と焼鈍分離剤の気相反応性との間に相関があることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)Si:2〜4mass%を含有する鋼スラブを、熱間圧延し、熱延板焼鈍後、最終冷間圧延を施し、ついで一次再結晶焼鈍後、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、最終仕上焼鈍を行う一連の工程よりなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
焼鈍分離剤の物性を、焼鈍分離剤を塗布した鋼板と無塗布の鋼板を5mm隔てて最終仕上焼鈍を施したときの表面蛍光X線Mg強度比A(A=I(無塗布)/I(塗布))で評価し、その値が0.5≦A≦1.5の範囲を満足する焼鈍分離剤を用いることを特徴とする被膜特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
(2)前記焼鈍分離剤が、マグネシア:100 質量部に対して、Ca化合物、Sr化合物およびBa化合物のうちから選んだいずれか1種または2種以上を当該金属換算で3質量部以下で含有することを特徴とする上記(1)記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
(3)焼鈍分離剤を塗布した鋼板と無塗布の鋼板を5mm隔てて最終仕上焼鈍を施したときの表面蛍光X線Mg強度比A(A=I(無塗布)/I(塗布))が、0.5≦A≦1.5の範囲を満足することを特徴とする方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤。
(4)前記焼鈍分離剤が、マグネシア:100 質量部に対して、Ca化合物、Sr化合物およびBa化合物のうちから選んだいずれか1種または2種以上を当該金属換算で3質量部以下で含有することを特徴とする上記(3)記載の方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤。
本発明によれば、被膜密着性が良好で、色調の変化や点欠陥の発生がない、被膜特性に優れた方向性電磁鋼板を安定して得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明を由来するに至った実験結果について述べる。
発明者らは、前掲特許文献1や特許文献2に記載の技術を用いて方向性電磁鋼板のコイルを製造したところ、被膜特性安定性にかけるコイルが存在することを見出した。具体的には、被膜形成性が劣ることに起因したコイル内での被膜色調の不均一および曲げ剥離径劣化、逆に被膜形成性が良すぎることに起因した点欠陥が見られた。
発明者らは、上記の欠陥の発生原因について種々考察を進めるうち、従来は、シリカとマグネシアの反応は固相反応が主体であると考えられていたため、気相反応の寄与については全く考慮されていなかったことに想い至り、この観点からの研究に着手した。
すなわち、発明者らは、焼鈍分離剤における気相反応性に着目して、以下の実験を行った。
焼鈍分離剤として、被膜安定性が良好であったマグネシアと不良であったマグネシアを種々用意し、脱炭焼鈍によりシリカの内部酸化層を持つ鋼板2枚(100mm×100mm)のうちの一方に、上記の焼鈍分離剤を塗布し、他方は無塗布とした。なお、塗布量は両面で12.5g/m2とした。これら2枚の鋼板を、同一素材の鋼板を加工して作製した5mm幅(内径:80mm、外径:81mm)のリング(スペーサー)を介して、図1のように積み重ね、室温から1200℃まで25℃/hで速度で昇温し、その後1200℃,20hの最終仕上焼鈍を行った。この焼鈍途中、1000℃以上の温度域では焼鈍雰囲気をH2とし、それ以外をN2とした。
なお、図2は、2枚の鋼板の積み重ね状態を分かり易く説明するために、1枚の鋼板をずらして上から見た図である。図1,2において、番号1が焼鈍分離剤無塗布鋼板、2が焼鈍分離剤塗布鋼板、3がリング(スペーサー)であり、番号4で焼鈍分離剤無塗布面を、また番号5で焼鈍分離剤塗布面を示す。
焼鈍後のサンプルを解体し、得られた2枚の鋼板について、水洗後、表面の蛍光X線カウント分析およびFT−IR分析を行った。
図3に、各種のマグネシアを用いた場合における、マグネシア塗布面と無塗布面のMgカウント数を示す。図中、○印は被膜安定性が良好であったマグネシア、×印は被膜安定性不良であったマグネシアである。
同図に示したように、被膜安定性が良好であったマグネシアは、表面蛍光X線Mg強度比A(A=I(無塗布)/I(塗布))が0.50≦A≦1.50の範囲であった。
これに対し、A<0.50のマグネシアでは、点状欠陥の発生が見られた。一方、A>1.50のマグネシアでは、被膜色調均一性に劣っていた。
次に、図4に、表面FT−IRの測定結果を示す。
同図中の矢印の位置がフォルステライトのピークであり、マグネシア塗布面のみならず、無塗布面にも、共にフォルステライトが形成されていることが分かる。
なお、スペーサーでマスクされていた部分には被膜形成が認められなかったことから、マグネシア塗布面からマグネシア無塗布面へMgが気相拡散してきたことが明らかである。
上記の実験結果から、蛍光X線Mg強度比が低い場合には、気相反応<<固相反応となって、フォルステライト形成反応は主に固相反応によって起こっていると考えられる。すなわち、鋼板とマグネシアは点接触の状態にあると考えられることから、固相反応は接点から反応が進行すると考えられる。すると、接点ごとに反応が進行した部分が存在することになり、点欠陥が生じ易くなったものと推定される。
一方、蛍光X線Mg強度比が高いことは、気相反応が盛んである反面、Mgの蒸発が多いことを意味する。従って、この値があまりに高いと、コイルエッジ部とその他の部分でコイル層間におけるMg蒸気の滞留状態が異なり、被膜均一性が失われると考えられる。
次に、焼鈍分離剤中にアルカリ土類金属化合物を添加した場合の効果として、ストロンチウムの水酸化物を添加した場合を例にとって説明する。なお、水酸化ストロンチウムは、金属Sr換算でマグネシア:100質量部に対して1質量部添加した。
その結果を図5に示すとおり、添加前と比較して添加後は表面蛍光X線Mg強度比Aが高くなることが判明した。
また、この時、無塗布面の蛍光X線Sr強度が塗布面よりも高くなっていたことから、SrとMgが一緒に無塗布面に気相拡散したものと推定される。
以下、本発明の構成要件の限定理由を説明する。
まず、本発明で対象とする方向性電磁鋼板の好適成分組成範囲について述べる。
Siは、電気抵抗を高めて鉄損の向上に有効に寄与する有用元素である。しかしながら、含有最が2mass%に満たないと十分な鉄損低減効果が得られず、一方4mass%を超えると加工性が劣化するため、Si量は2〜4mass%とする。
その他の成分については、特に制限はなく、従来から方向性電磁鋼板に使用されてきた成分いずれもが有利に適合する。例えば、以下の成分組成が推奨される。
すなわち、C:0.02〜0.1mass%およびMn:0.02〜0.2mass%を含有し、必要に応じて、Se:0.001〜0.03mass%、Sb:0.01〜0.08mass%、Al:0.001〜0.04mass%、N:0.001〜0.012mass%、S:0.001〜0.03mass%、Cu:0.05〜0.2mass、Sn:0.005〜0.4mass%、Cr:0.02〜0.08mass%、Mo:0.01〜0.1mass%、P:0.01〜0.03mass%およびBi:0.001〜0.04mass%のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成である。
上記の成分組成を有する鋼スラブを、熱間圧延後、熱延板焼鈍を施した後、最終冷間圧延を施して最終板厚に仕上げる。これらについては公知の方法でよい。ついで、一次再結晶焼鈍、二次再結晶焼鈍および純化焼鈍を行う。一次再結晶焼鈍または二次再結晶焼鈍では、脱炭焼鈍を兼ねる。
脱炭焼鈍後、鋼板表面にマグネシアを主成分とする焼鈍分離剤を塗布する。かかる焼鈍分離剤としては、分離剤を塗布した鋼板と無塗布の鋼板を5mm隔てて最終仕上焼鈍を施したときの表面蛍光X線Mg強度比A(A=I(無塗布)/I(塗布))で評価したときの値が、0.5≦A≦1.5の範囲を満足するものを用いることが肝要である。
ここで、分離剤を塗布した鋼板と無塗布の鋼板を5mm隔てて最終仕上焼鈍を施したときの表面蛍光X線Mg強度比AがA<0.5では被膜に点状欠陥を生じ、一方A>1.5では被膜色調均一性および曲げ剥離径が不良となる。
さらに、焼鈍分離剤中に、Ca化合物、Sr化合物およびBa化合物のうちから選んだいずれか1種または2種以上を、マグネシア:100質量部に対して、当該金属換算で3質量部以下で含有させることは、上記強度比Aを高くする上で有効である。
ここで、Ca化合物、Sr化合物およびBa化合物のマグネシア:100質量部に対する添加量が、3質量部を超えると被膜断面構造を変化させ耐剥離特性が劣化するので好ましくない。なお、上記した各化合物の添加量があまりに少ないとその添加効果に乏しいので、これらの化合物は当該金属換算で0.2質量部以上含有させることが好ましい。
Ca化合物、Sr化合物およびBa化合物としては、当該金属の炭酸塩、水酸化物、硫酸塩、硫化物などを用いることができる。
また、表面蛍光X線Mg強度比を調整する方法としては、原料の水酸化マグネシウムを焼成してマグネシアにする過程で焼成温度を高くすることで該強度比が低下する傾向にあることから焼成温度で調整する方法、また焼成前の原料のアスペクト比を高くすることで該強度比が高くなる傾向にあることから原料の形態で調整する方法などが挙げられる。
さらに、上述したとおり、焼鈍分離剤中にCa化合物、Sr化合物およびBa化合物を添加することによっても、表面蛍光X線Mg強度比を高くすることができる。
仕上焼鈍後は、平坦化焼鈍にて形状矯正する。さらに、鉄損を改善するためには、鋼板表面に張力を付与する絶縁コーティングを施すことが有効である。
実施例1
C:0.06mass%、Si:2.95mass%、Mn:0.07mass%、Se:0.015mass%、Sb:0.015mass%およびCr:0.03mass%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを 、1350℃で40分加熱後、熱間圧延により2.6mmの板厚にした後、900℃,60sの熱延板焼鈍を施してから、1050℃,60sの中間焼鈍を挟む冷間圧延により、0.30mmの最終板厚に仕上げた。ついで、一次再結晶焼鈍後、図1の場合と同様の方法により測定した表面蛍光X線Mg強度比A(A=I(無塗布)/I(塗布))が種々に異なるマグネシアを塗布してから、1200℃まで25℃/hの速度で昇熱を行う仕上焼鈍を施したのち、平坦化焼鈍を施した。
その後、コイル全長にわたって、曲げ剥離径を測定すると共に、被膜欠陥の有無について調査した。
ここで、被膜特性が良好と判断されるのは、曲げ剥離径が40mm以下で、かつコイル横幅方向および長手方向にわたり目立った色調の変化が認められず、さらに被膜点欠陥の発生面積がコイルの1%未満の場合をいう。
調査結果を表1に示す。
Figure 2007100165
同表に示したとおり、表面蛍光X線Mg強度比A(A=I(無塗布)/I(塗布))が0.5≦A≦1.5の範囲を満足する焼鈍分離剤を用いた場合には、曲げ剥離径が40mm以下で、コイル横幅方向および長手方向にわたり目立った色調の変化が認められず、しかも被膜点欠陥の発生面積がコイルの1%未満という、良好な被膜特性が得られることが分かる。
実施例2
C:0.045mass%、Si:3.25mass%、Mn:0.070mass%、Al:80ppm、N:40ppmおよびS:20ppmを含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、1200℃に加熱後、熱間圧延により2.2mm厚の熱延板コイルとした。この熱延板に1000℃で30秒間の熱延板焼鈍を施したのち、鋼板表面のスケールを除去した。ついで、タンデム圧延機を用いた冷間圧延により最終板厚:0.30mmの冷延板とした。その後、均熱温度:860℃で90秒間保持する一次再結晶焼鈍を施した後、MgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布してから、1200℃まで25℃/hの速度で昇熱を行う仕上焼鈍を施したのち、平坦化焼鈍を施した。
このとき、焼鈍分離剤として、図1の場合と同様の方法により測定した表面蛍光X線Mg強度比A(A=I(無塗布)/I(塗布))が種々に異なるマグネシアを塗布した。
その後、コイル全長にわたって、曲げ剥離径を測定すると共に、被膜欠陥の有無について調査した。
調査結果を表2に示す。
Figure 2007100165
同表から明らかなように、表面蛍光X線Mg強度比A(A=I(無塗布)/I(塗布))が0.5≦A≦1.5の範囲を満足する焼鈍分離剤を用いることにより、曲げ剥離径が40mm以下で、コイル横幅方向および長手方向にわたり目立った色調の変化が認められず、しかも被膜点欠陥の発生面積がコイルの1%未満という、良好な被膜特性を得ることができた。
実施例3
C:0.06mass%、Si:2.95mass%、Mn:0.070mass%、Se:0.015mass%、Sb:0.015mass%およびCr:0.03mass%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを 、1350℃で40分加熱後、熱間圧延により2.6mmの板厚にした後、900℃,60sの熱延板焼鈍を施してから、1050℃,60sの中間焼鈍を挟む冷間圧延により、0.30mmの最終板厚に仕上げた。ついで、一次再結晶焼鈍後、図1の場合と同様の方法により測定した表面蛍光X線Mg強度比A(A=I(無塗布)/I(塗布))が0.30のマグネシアに対し、表3に示す種々のCa化合物、Sr化合物およびBa化合物を添加した焼鈍分離剤を塗布し、1200℃まで25℃/hの速度で昇熱を行う仕上焼鈍を施したのち、平坦化焼鈍を施した。
その後、コイル全長にわたって、曲げ剥離径を測定すると共に、被膜欠陥の有無について調査した。
調査結果を表3に示す。
Figure 2007100165
同表に示したとおり、焼鈍分離剤の主成分であるマグネシアの表面蛍光X線Mg強度比Aが0.30の場合でも、適量のCa化合物、Sr化合物およびBa化合物を添加して、焼鈍分離剤の表面蛍光X線Mg強度比Aを0.5≦A≦1.5の範囲に制御することにより、良好な被膜特性が得られることが分かる。
試験板焼鈍時の鋼板の積み方法を説明する図(横から見た図)である。 試験板焼鈍時の鋼板の積み方法を説明する図(ずらして上から見た図)である。 焼鈍後の分離剤塗布面と無塗布面の蛍光X線Mgの関係を示す図である。 焼鈍後の分離剤塗布面と無塗布面の表面赤外反射スペクトルを示す図である。 水酸化ストロンチウムの添加が蛍光X線Mg強度比(A)に及ぼす影響を示す図である。
符号の説明
1 焼鈍分離剤無塗布鋼板
2 焼鈍分離剤塗布鋼板
3 リング(スペーサー)
4 焼鈍分離剤無塗布面
5 焼鈍分離剤塗布面

Claims (4)

  1. Si:2〜4mass%を含有する鋼スラブを、熱間圧延し、熱延板焼鈍後、最終冷間圧延を施し、ついで一次再結晶焼鈍後、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、最終仕上焼鈍を行う一連の工程よりなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
    焼鈍分離剤の物性を、焼鈍分離剤を塗布した鋼板と無塗布の鋼板を5mm隔てて最終仕上焼鈍を施したときの表面蛍光X線Mg強度比A(A=I(無塗布)/I(塗布))で評価し、その値が0.5≦A≦1.5の範囲を満足する焼鈍分離剤を用いることを特徴とする被膜特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 前記焼鈍分離剤が、マグネシア:100質量部に対して、Ca化合物、Sr化合物およびBa化合物のうちから選んだいずれか1種または2種以上を当該金属換算で3質量部以下で含有することを特徴とする請求項1記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 焼鈍分離剤を塗布した鋼板と無塗布の鋼板を5mm隔てて最終仕上焼鈍を施したときの表面蛍光X線Mg強度比A(A=I(無塗布)/I(塗布))が、0.5≦A≦1.5の範囲を満足することを特徴とする方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤。
  4. 前記焼鈍分離剤が、マグネシア:100質量部に対して、Ca化合物、Sr化合物およびBa化合物のうちから選んだいずれか1種または2種以上を当該金属換算で3質量部以下で含有することを特徴とする請求項3記載の方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤。
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