JP2007099854A - ポリウレタンの製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリウレタン(フォーム)の原料ポリオールとして安価なポリアジペートグリコールを用いた場合にも、耐水性、耐湿熱老化性を満足せしめるポリウレタン(フォーム)の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオール成分、ポリイソシアネート成分および鎖伸長剤を反応させてポリウレタン化反応させるに際し、予め形成されたプレポリマーに加水分解防止剤を鎖伸長剤とともに添加する。この方法によれば、加水分解防止剤は成形直前に添加することとなるため、プレポリマー反応後に冷却する必要がなく、プレポリマーは、保存がきくため一度に大量合成でき、製造コストの縮小が図れるとともに、大ロットとなり、品質を安定させやすいといった優れた効果を奏する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリウレタン(フォーム)の製造法に関する。さらに詳しくは、耐水性、耐湿熱老化性にすぐれたポリウレタン(フォーム)の製造法に関する。
ポリウレタンは、末端活性水素を有する長鎖グリコール(ポリオール)と短鎖グリコール(鎖伸長剤)とのジイソシアネート重付加反応、例えばポリオール成分とジイソシアネート成分とから形成されたプレポリマーに鎖伸長剤を添加し、混合攪拌するプレポリマー法によって製造されている。また、ポリウレタンフォームは、前記方法において、例えば鎖伸長剤として水を用いて、水とイソシアネート基とが反応することにより発生する二酸化炭素(泡)をポリマー中に閉じこめることにより成形される。
ポリウレタンに使用されているポリオールとしては、一般的にエステル系ポリオールとエーテル系ポリオールが使われている。エステル系ポリウレタンは、エステル結合の加水分解により、一般的に耐水性、耐熱水性が悪い傾向がある。これはエステル基の加水分解の際にカルボン酸が生成し、これが分解促進触媒となるためであり、エーテル系に比べて耐水性が悪いといった問題がある。
かかるエステル系ポリオールを用いたポリウレタンの加水分解防止方法としては、水と接触させずに、カルボン酸の生成を抑えることが考えられるが、水はポリウレタンに溶け込んでいるため、完全に抑えることは不可能である。従って、生成したカルボン酸を加水分解防止剤であるカルボジイミドとを反応させることでプロトンを放出し難くし、加水分解の促進効果を抑えることで、耐水性の改善を図る方法が提案されている。
Rubber World 221(2) 32-35 (1999)
しかるに、カルボジイミドは、高温の場合に水もしくはウレタン基などの活性水素と反応し、配合、成形段階でも成形物中には未反応のカルボジイミドが少なくなってしまう。その結果、カルボジイミドが失活するだけでなく、イソシアネート基と水やグリコールの活性水素の比率が変ってしまうため、反応後の分子量が大きくならず、硬化反応が不十分となり、目的とする物性を示さないといった問題が起こる。
従って現行では、例えば、ポリアジペートグリコール(HO-Rn-OH;アジピン酸-エチレングリコール重縮合物)およびトリジンジイソシアネートTODI(OCN-R′-NCO)を、約1:3となるようなモル比で混合し、1:2の付加体(場合によっては2:3の付加体)を90℃以上で合成し、かかるプレポリマーを70〜90℃に冷却し、加水分解防止剤を添加して均一に混合した後、プレポリマーを冷却することなく、水、1,4-ブタンジオール、シリコーン整泡剤、触媒等からなる鎖伸長剤(架橋剤)混合物と攪拌混合し、金型に注入して発泡ウレタンを得る方法、あるいは前記工程により得られたプレポリマーを1斗缶などに小分けして室温で数日〜数週間保存し、保存後のプレポリマーを15時間程度、70〜90℃に加熱した後、加水分解防止剤を添加して、均一に混合し、次いで前記鎖伸長剤(架橋剤)混合物を攪拌混合し、金型に注入して発泡ウレタンを得る方法などが行われている。
しかるに、前者にあっては加水分解防止剤を添加するために、プレポリマー反応後に冷却を行わなければならず、また鎖伸長反応が律速となり、加水分解防止剤添加後のプレポリマーは、加熱されると耐水性が悪化するため使用可能時間(寿命)が短く、プレポリマーを大量に合成できないといった問題がある。また、プレポリマーを頻繁に合成しなくてはならず、作業性が悪く、少ロットとなるため、ばらつきが生じやすくなるといった問題もある。
一方、後者にあっては加水分解防止剤は成形直前に添加するため、プレポリマー反応後に冷却する必要がなく、プレポリマーは、保存がきくため一度に大量合成でき、製造コストの縮小が図れ、プレポリマーを大量に合成するため、大ロットとなり、品質を安定させやすいといったメリットがあり、さらには耐水性、耐湿熱老化性でも前者と比べて優れているといった特徴を有しているものの、耐水性、耐湿熱老化性の観点からは未だ満足のいくものではない。また、加熱した後のプレポリマーと加水分解防止剤を正確な比率で均一に混合させることが難しく、特別な装置が必要であった。
このように、ポリウレタン(フォーム)の原料として極く一般的に使用されているポリオールであるポリアジペートグリコールは、原料単価が安いものの、耐水性、耐湿熱老化性に改良が望まれている。かかる要求に対しては、従来ポリウレタン(フォーム)のソフトセグメントにあたるポリオールの分子構造をエステル型からエーテル型に変えることで耐水性、耐湿熱老化性を向上させることが一般的に行われている。
しかるに、ポリオールをはじめ主骨格が変わるような配合変更は、得られるポリウレタン(フォーム)の耐油性、耐熱性、力学特性などの諸特性にも大きく影響し、例えば製品となる補助バネの衝撃吸収性や荷重たわみ特性なども変わってしまうため、製品の初期評価からやり直す必要があり、場合によっては形状変更も必要となるので、量産化までのリードタイムが非常に長くなるといった問題がある。
また、ポリアジペートグリコール以外の他のポリオールを原料として使用することで、耐水性、耐湿熱老化性を向上させることも考えられるが、原料単価が高いといった問題がある。
本発明の目的は、ポリウレタン(フォーム)の原料ポリオールとして安価なポリアジペートグリコールを用いた場合にも、耐水性、耐湿熱老化性を満足せしめるポリウレタン(フォーム)の製造方法を提供することにある。
かかる本発明の目的は、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分および鎖伸長剤を反応させてポリウレタン化反応させるに際し、予め形成されたプレポリマーに加水分解防止剤を鎖伸長剤とともに添加するによって達成される。
本発明方法によれば、加水分解防止剤は成形直前に添加することとなるため、プレポリマー反応後に冷却する必要がなく、プレポリマーは、保存がきくため一度に大量合成でき、製造コストの縮小が図れるとともに、大ロットとなり、品質を安定させやすいといった優れた効果を奏する。また、加水分解防止剤をプレポリマーに混合するのではなく、鎖伸長剤とともにプレポリマーに添加するため、現行の混合比率に比べて本方法では混合比率が小さくなり、かかる観点からも品質を安定させやすいといった効果が奏される。さらに、プレポリマー(ウレタン基)と加水分解防止剤は上述した如く鎖伸長反応(発泡反応)まで接触しないので、プレポリマーの保存については湿度のみが問題となる。
本発明方法により得られたポリウレタン(フォーム)は、基本的な分子構造(配合)を変えることなく耐水性、耐湿熱老化性を良化せしめるものであるため、量産品としてすでに流動しているプレポリマーについても、その製品特性を損なうことなく、耐水性、耐湿熱老化性を向上させることができる。かかる効果は、原料単価が安いアジペート系のウレタンを用いた場合にも有効であり、コスト面での負荷も軽減できるといった効果を奏する。
ポリオール成分としては、末端活性水素を有する長鎖グリコールである分子量が約500〜6000、好ましくは約1000〜3000のポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系、アクリル系、シリコーン系、1,4-ポリブタジエン系、1,2-ポリブタジエン系、フェノーリック系、ひまし油系等の各種ポリオールや難燃性ポリオール等が用いられる。
ポリエステル系ポリオールとしては、一般にカプロラクトン系、アジペート系、コポリエステル系のもの等が好んで用いられ、具体的にはポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、さらにはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール等のポリオールとの縮合反応生成物等が用いられる。ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリプロピレングリコール系ポリオール、ポリエチレングリコール系グリコールまたはそれらのエチレンオキサイド変性物、アミン変性物、あるいはポリオキシテトラメチレングリコール等が用いられる。
ポリイソシアネート成分としては、例えば1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式系ジイソシアネートまたはキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネートが少くとも一種用いられる。
これらのポリオール成分およびポリイソシアネート成分は、両者の合計量中、前者が約60〜85重量%、好ましくは約70〜80重量%の割合で、また後者が約15〜40重量%、好ましくは約20〜30重量%の割合で用いられる。ポリオール成分が、これよりも少なく用いられると柔軟性が低下し、一方これより多い割合で用いられると強度や剛直性に劣るようになり、繰り返し圧縮の耐久性も低下するようになる。
以上のポリオール成分およびポリイソシアネート成分は、約90〜130℃で約15分間乃至約1時間程度反応させてプレポリマーを生成させる。生成されたプレポリマーは、生成後直ちにあるいは貯蔵された後、70〜90℃に温度が調節され、そこに加水分解防止剤が鎖伸長剤とともに添加される。プレポリマーの温度を70〜90℃にして、そこに加水分解防止剤等が添加されるのは、カルボジイミドが未反応のまま成形物中に残り、得られた製品の耐水性を長期間維持することを可能とするためである。
従来は、従来の技術で述べた如くプレポリマーに加水分解防止剤がブレンドされた後、鎖伸長剤が添加されていたが、耐水性、耐湿熱老化性を向上させるために、ポリウレタン(フォーム)の加水分解を抑制しなければならないといった観点から、以下の点をふまえて本発明の如く加水分解防止剤を鎖伸長剤とともに予め形成されたプレポリマーに添加されるといった改良が行われた。
すなわちポリアジペートグリコール系のポリウレタン(フォーム)は、ポリアジペートグリコールのエステル結合が選択的に加水分解されてカルボン酸が生成し、これはエステル結合の加水分解を促進させる触媒効果があることから、カルボン酸をトラップするカルボジイミドが加水分解防止剤として添加される。
この際、カルボジイミドは所定の条件下で活性水素化合物と反応し、加水分解防止剤として機能しなくなるばかりか、ポリウレタン(フォーム)主鎖に結合する嵩高い側鎖として存在することとなるため、ウレタンあるいはウレアの相互作用による分子の凝集を阻害し、かえって疎水性を低下させてしまう。従って、カルボジイミドは高温、長時間にわたっては活性水素化合物と混在できないといった制約があり、プレポリマーにカルボジイミドを添加した後は、速やかに鎖伸長反応(発泡反応)、製品成形を行う必要がある。従って、本発明においては、かかる制約を避けるため、鎖伸長剤とともに加水分解防止剤を予め形成されたプレポリマーに添加することとした。
ここで、現在加水分解防止剤として使用されてるカルボジイミドは、水との相溶性が乏しく鎖伸長剤とともに添加した場合には、2層に分離してしまうため常時攪拌してしておく必要がある。しかるに、本発明の如くカルボジイミドとして主鎖中に親水基を有する高分子量のものを用いることにより、カルボジイミドを鎖伸長剤中に分散させることが可能となる。
加水分解防止剤としては、主鎖中に親水基を有する高分子量、具体的には平均分子量1,500〜3,000のカルボジイミドが、プレポリマー100重量部当り、0.3〜2.0重量部、好ましくは0.7〜1.5重量部の割合で用いられる。カルボジイミドがこれより少ない割合で用いられると加水分解防止剤の効果が得られがたく、一方これより多い割合で用いられると鎖伸長剤中の水やグリコールと反応して、モルバランスが崩れるようになり、イソシアネートが過剰に余る結果となる。
例えば、平均分子量が362.5であるカルボジイミド(Rhein Chemie社製品Stabaxol 1)を用いた場合には、融点が45前後であるため、鎖伸長剤を50℃程度もしくはそれ以上に加熱しなくてはならず、その際に水分の蒸発なども懸念されるとともに、水との相溶性に乏しく、鎖伸長剤が2層に分離してしまうため、常時撹拌しておく必要がある。また、鎖伸長剤はプレポリマーに対して極少量の添加量であるので、その鎖伸長剤が均一な状態でないことは品質に悪影響を与える可能性がある。さらに、単官能であるため、カルボン酸をクエンチするだけに留まり、切断された主鎖は修復されない。
また、平均分子量が約2,000であるカルボジイミド(Rhein Chemie社製品Stabaxol P200)を用いた場合には、Stabaxol 1とは異なり、常温付近(15〜40℃)で液状であり、発泡剤を30〜40℃に設定でき、多官能(カルボジイミド)であるので、加水分解により切断されたウレタン主鎖を結合でき、3次元化できるといった利点があるものの、水との相溶性がやはり乏しく、発泡剤が2層に分離してしまうため、常時撹拌しておく必要があり、鎖伸長剤はプレポリマーに対して極少量の添加量であるので、その鎖伸長剤が均一な状態でないことは品質に悪影響を与える可能性が残る。
これらに対して、平均分子量が約2,200であるカルボジイミド(Elast gran社製品Elastostab H01)を用いた場合には、常温付近(15〜40℃)で液状であり、発泡剤を30〜40℃に設定できるうえ、加水分解防止剤中に活性水素を持たない親水基を有するため、カルボジイミドは安定な状態のまま水と相溶し、かつ常温付近では加水分解防止剤中のカルボジイミドと水やグリコールは反応しない。従って、加水分解防止剤を混合した鎖伸長剤の長期保存が可能である。また、多官能(カルボジイミド)であるので、加水分解により切断されたウレタン主鎖を再結合(修復)でき、3次元化も可能である。
カルボジイミドとして、上記Stabaxol 1(平均分子量362.5)はN,N′-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)カルボジイミドであり、Stabaxol P200(平均分子量約2,000)は
〔-N=C=N-C(CH)(m-CH)C(CH)-〕 〔I〕
なる構造を有するのに対し、本発明で用いられるカルボジイミド、例えばElastostab H01(平均分子量約2,200)は
-O(CHCHO)CONHC(CH)(m-CH)C(CH)-〔I〕-NHCO(OCHCH)O-
結合基〔I〕中のnは4程度
mは13程度
なる構造を有し、平均分子量(H-NMRで測定)が1,500〜3,000、好ましくは2,000〜2,500で、主鎖中にエチレンオキシド親水性基を有している。これ以上の平均分子量のものを用いると、粘度が高くなり、鎖伸長剤と均一に相溶し難くなるため好ましくない。
このように従来はプレポリマー側に添加していたカルボジイミド(加水分解防止剤)に親水性を持たせて鎖伸長剤とともに添加することで、耐水性、耐湿熱老化性を著しく向上させることができる。かかる理由としては、
(1) プレポリマー中のウレタン基とカルボジイミドとの副反応がなくなり、得られるポリウレタン(フォーム)分子に大きな側鎖が存在しなくなった結果、ポリウレタン(フォーム)分子の凝集力が高まり、疎水性が向上する。
(2) プレポリマーと発泡剤の混合比率が小さくなったことで配合比率が安定しやすくなり、ばらつきの影響を受けにくくなる。
(3) カルボジイミドが効率的に機能し、エステル基の加水分解により生成したカルボン酸を確実にクエンチすることで加水分解の進行が抑制される。
が挙げられる。
また、鎖伸長剤としては、例えば1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,3-ブタンジオール、p-フェニレンジ(β-ヒドロキシエチル)エーテル、p-キシリレングリコール、グリセリンモノアリルエーテル、ジメチロールジヒドロピラン等のグリコール、エチレンジアミン、3,3′-ジクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタン、ジエチルトルイレンジアミン等のジアミンまたは水等の少くとも一種が用いられる。
これらの鎖延長剤は、プレポリマー中のNCO 1モルに対して、鎖延長剤のOHが0.8〜1.1モル、好ましくは0.9〜1.0モルとなるような割合で用いられる。鎖延長剤がこれよりも多く用いられると成形性が悪化し、セルは細かくなるものの、ポリウレタンフォームが裂け易くなって強度が低下するようになり、一方これよりも少ない割合で用いられるとセルが大きく、粗い状態となることにより、やはり強度が低下するようになる。
さらに、ポリウレタンフォームの形成に際しては、発泡剤として作用する水がプレポリマー100重量部当り、0.5〜1.5重量部、好ましくは0.8〜1.2重量部の割合で用いられる。また、水とともに、セル構造を決定させる成分としてシリコーン整泡剤などの整泡剤、例えば市販品、東レダウコーニング社製品SH-193などが用いられる。これは、一般にプレポリマー100重量部当り、0.5〜1.0重量部、好ましくは0.6〜0.8重量部の割合で用いられる。
発泡は、イソシアネート基と水との鎖伸長反応により発生する炭酸ガスによって行われる。鎖延長剤として水が用いられた場合には、水は発泡剤を兼ねて用いられる。
−NCO + HO + NCO− → −NH-CO-NH− + CO
以上の各成分を用いてのポリウレタン化反応に際しては、錫化合物やその他のアミン化合物等を触媒として反応させることができる。また、上記各成分以外にも、さらに充填剤、金属酸化物、金属水酸化物、滑剤等を必要に応じて適宜配合して用いることができる。
各成分が混合攪拌されてポリウレタン化反応が進行するが、反応生成物は加熱熟成、粉砕、造粒され、粉砕物または造粒物は射出成形機、押出機、注型機等を用いてシート状等の所望形状の成形品に成形され、好ましくは約80〜150℃で約5〜24時間程度二次架橋(アニール)される。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例
ポリアジペートグリコール(大日本インキ化学工業製品ODX-2434)100重量部に対して、TODI(日本曹達製品)36.5重量部を添加し、110〜130℃で20分間反応させてプレポリマーaを調製し、常温で10日間保管した。製品成形前にプレポリマーaを90℃で15時間加熱し、予め調製しておいた鎖伸長剤Iを4.91重量部(プレポリマーa 100重量部に対しては、3.60重量部)添加して、攪拌混合してウレタンフォームAを得た。
ここで鎖伸長剤Iは、上記プレポリマーa 100重量部に対して、精製水(正起薬品工業製品)1.06重量部、1,4-ブタンジオール(BASF社製品)0.99重量部、シリコーン整泡剤(SH-193)0.71重量部、加水分解防止剤としてのカルボジイミド(Elastostab H-01)0.78重量部およびウレタン化反応触媒塩基(三共エアプロダクツ製品DABCO)0.06重量部より調製された。
比較例1
ポリアジペートグリコール(ODX-2434)100重量部に対して、TODI(日本曹達製品)36.5重量部を添加し、20分間反応させた後、約90℃に冷却してから加水分解防止剤としてカルボジイミド(Stabaxol 1)1部を添加し、プレポリマーbを得た。プレポリマーbを得た後、直ぐに予め調製しておいた鎖伸長剤IIを3.84重量部添加して、攪拌混合してウレタンフォームBを得た。
ここで鎖伸長剤IIは、上記プレポリマーb 100重量部に対して、精製水(正起薬品工業製品)1.45重量部、1,4-ブタンジオール(BASF社製品)1.35重量部、シリコーン整泡剤(SH-193)0.96重量部およびウレタン化反応触媒塩基(DABCO)0.08重量部より調製された。
比較例2
比較例1において、プレポリマーbを常温で10日間保管した後、製品成形前にプレポリマーbを90℃で15時間加熱し、予め調製しておいた鎖伸長剤IIを同量添加して、攪拌混合してウレタンフォームCを得た。
ウレタンフォームA、BおよびCを80〜90℃として、金型温度50〜60℃の補助バネ品成形用金型に注入して、得られる成形品のウレタンフォームの密度が0.51g/ccとなるように形成した。得られた補助バネは、125℃、24時間のアニーリングを行った後、常温で3〜7日間放置し、補助バネ品を2mmにスライス(輪切り)し、JIS規格の7号ダンベルを打ち抜いてサンプルを得た。
これらのダンベルについて、硬さ、引張り強さ、伸び、反発弾性率および温度80℃、相対湿度95%の雰囲気で湿熱老化試験を行った。得られた結果は、表および図1(▲:実施例、■:比較例1、●:比較例2)に示される。

実施例 比較例1 比較例2
硬さ(アスカーC) 76 76 76
引張り強さ(MPa) 4.57 4.32 4.16
伸び(%) 470 460 460
反発弾性率(%) 42 42 42
湿熱老化試験の結果を示す図である

Claims (8)

  1. ポリオール成分、ポリイソシアネート成分および鎖伸長剤を反応させてポリウレタン化反応させるに際し、予め形成されたプレポリマーに加水分解防止剤を鎖伸長剤とともに添加することを特徴とするポリウレタンの製造法。
  2. ポリオール成分が、エステル系ポリオールである請求項1記載のポリウレタンの製造法。
  3. エステル系ポリオールが、ポリアジペートグリコールである請求項2記載のポリウレタンの製造法。
  4. 加水分解防止剤が、カルボジイミドである請求項1記載のポリウレタンの製造法。
  5. カルボジイミドが、主鎖中に親水基を有し、かつ分子量1,500〜3,000である請求項4記載のポリウレタンの製造法。
  6. 加水分解防止剤および鎖伸長剤の添加が、プレポリマー温度を70〜90℃に調節した後に行われる請求項1記載のポリウレタンの製造法。
  7. さらに発泡剤が添加されることにより製造される請求項1乃至6記載のいずれかに記載のポリウレタンフォームの製造法。
  8. 発泡剤が、水である請求項7記載のポリウレタンフォームの製造法。
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