JP2007098617A - 製版装置及び印刷機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】製版に要する時間を短縮する。
【解決手段】製版装置10は、インクジェット記録方式を用いて印刷機械上で製版する。製版装置10は、複数の描画ヘッド20と、案内部材とを含んで構成される。描画ヘッド20は、製版用インクを吐出するノズルを有し、版が取り付けられる版胴4の回転軸Zと平行な方向に移動しながら、ノズルから製版用インクを吐出して、版上に画線像を形成する。そして、描画ヘッドは、それぞれ独立して、案内部材に沿って移動する。案内部材は、すべての描画ヘッド20を支持するとともに、描画ヘッド20をその移動方向に案内する。
【選択図】図2

Description

本発明は、いわゆるインクジェット記録方式により印刷に用いる版を製造する製版技術に関する。
ノズルからインクを吐出して被記録媒体に画線像を形成するインクジェット記録方式は、プリンタを始めとして様々な用途に用いられている。近年においては、インクジェット記録方式により、印刷用の版を製版する手法が提案されている。特許文献1には、活性光線照射で硬化するインクを印刷原版用親水性支持体上に射出し、活性光線を照射することによりインクを硬化させて、印刷用原版を作製する技術が開示されている。
特開2003−220699号公報
しかし、特許文献1に開示された技術では、単一のインクジェットヘッドを用いるため、描画速度はインクジェットヘッドの能力に依存し、描画速度の向上には限界があり、製版に要する時間の短縮には限界があった。
また、特許文献1に開示された技術では、描画が終了してからインクが硬化するまでに必要とされる所定の時間を確保しなければならないため、その硬化を待つ分だけ製版には時間を要する。特許文献1には、インクが硬化する時間を短縮するための方策については開示されておらず、製版に要する時間を短縮することについては改善の余地がある。
また、インクジェット記録方式においては、描画する画線像の種類によっては、長期間インクを吐出しないノズルが発生する場合がある。このようなノズルに対しては、描画とは関係なく、定期的にインクを吐出させる必要がある。特許文献1に技術では、記録媒体から外れた領域で、長期間インクを吐出しないノズルからインクを吐出させる必要があるが、その場合は描画が中断されることになるので、製版時間の増加を招く。
また、特許文献1に開示された技術のように単一のインクジェットヘッドを用いる場合、そのインクジェットヘッドに不吐出等の不具合が発生した場合はインクジェットヘッド自体を交換する必要がある。製版に用いられるようなインクジェットヘッドの交換は一般的に困難であり、専門的な知識を要求される。したがって、このようなインクジェットヘッドは専門の作業者が交換するため、インクジェットヘッドに不具合が発生してから交換が完了するまでには通常長時間を要する。インクジェットヘッドの交換が完了するまでは製版は中断してしまうので、印刷物の発行に影響を与えるという問題もある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製版に要する時間を短縮すること、描画手段に不具合が発生した場合における製版の中断時間を短縮することのうち、少なくとも一つを達成できる製版装置及び印刷機械を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る製版装置は、製版用インクを吐出するノズルを有し、版が取り付けられる版胴の回転軸と平行な方向に移動しながら、前記ノズルから前記製版用インクを吐出して、前記版上に画線像を形成する複数の描画手段と、前記描画手段を支持するとともに、前記描画手段をその移動方向に案内する、前記描画手段の数よりも少ない数の案内部材と、を含むことを特徴とする。
この製版装置は、複数の描画手段で、版の異なる領域にそれぞれ描画するので、版の全領域を描画する時間が短縮する。その結果、製版に要する時間を短縮することができる。また、描画手段の総数よりも少ない案内部材で描画ヘッドを支持し、案内するので、共通の案内部材で支持される複数の描画ヘッド間においては、異なる案内部材で支持する場合における案内部材同士の取り付け誤差を取り除くことができる。その結果、描画品質が向上する。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、複数の前記描画手段は、それぞれ独立して移動できることを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらにこの製版装置では、複数の描画手段をそれぞれ独立して移動可能とした。これによって、それぞれの描画手段の描画位置を微調整することで、各描画手段の取り付け誤差を吸収することができる。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、前記描画手段を覆う描画手段保護手段が設けられ、前記版に対する描画が終了した後は、前記描画手段が前記描画手段保護手段の位置まで移動するとともに、前記描画手段保護手段によって前記描画手段が保護されることを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらにこの製版装置では、描画終了後は、描画手段保護手段によって描画手段が保護される。これによって、ノズルの乾燥や固着を抑制して、製版用インクの不吐出が抑制できる。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、複数の前記描画手段同士が前記描画手段保護手段により保護されるときの間隔は、描画中における複数の前記描画手段同士の間隔よりも小さいことを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらにこの製版装置では、複数の描画手段がそれぞれ独立して移動可能なので、描画手段同士が描画手段保護手段により保護されるときの間隔を、描画中における複数の描画手段同士の間隔よりも小さくできる。その結果、描画手段保護手段のスペースが小さくて済む。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、複数の前記描画手段すべてが、同一の前記案内部材によって支持されて案内されることを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらに、この製版装置では、複数の描画手段すべてが、同一の案内部材によって支持され、案内される。これによって、複数の案内部材を用いた場合における案内部材同士の取り付け誤差を取り除くことができる。その結果、描画濃度のばらつきが抑制できるので、描画品質が向上する。また、複数の描画手段を共通の案内部材で支持することで、省スペース、部品点数の低減を図ることができる。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、前記版は、前記回転軸の方向と平行な方向に対して複数の描画領域に分割されており、複数の前記描画手段は、それぞれ対応する前記描画領域を描画することを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらに、この製版装置では、版は、その回転軸の方向と平行な方向に対して複数の描画領域に分割されており、複数の描画手段で、それぞれ対応する描画領域を描画する。これによって、単一の描画手段を用いる場合よりも短時間で描画が終了するので、製版に要する時間を短縮できる。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、分割された前記版の描画領域よりも多くの前記描画手段を備えて、余剰の前記描画手段は予備の描画手段とし、前記予備の描画手段以外の描画手段を用いて前記版に描画し、前記版に描画している前記描画手段に不具合が発生した場合には、不具合が発生した前記描画手段の代わりに前記予備の描画手段を用いて描画することを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらに、この製版装置では、分割された版の描画領域よりも多くの描画手段を備え、余剰の描画手段を予備の描画手段とする。これによって、描画中の描画手段に製版用インクの不吐出等の不具合が発生した場合は、予備の描画手段を用いて描画することができる。その結果、描画手段の交換作業が不要になるので、描画手段に不具合が発生した場合における製版の中断時間を短縮できる。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、前記版に描画している前記描画手段に不具合が発生した場合には、不具合が発生した前記描画手段による描画を停止するとともに、不具合が発生した前記描画手段は、正常に動作する前記描画手段と所定の間隔を保って、正常に動作する前記描画手段とともに移動することを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらに、この製版装置では、描画中においては、不具合が発生した描画手段は、正常に動作する描画手段と所定の間隔を保って、正常に動作する描画手段とともに移動する。これによって、不具合が発生した描画手段と正常に動作する描画手段との干渉が防止できる。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において前記版に吐出された前記製版用インクに光を照射することによって前記製版用インクを硬化させ、かつ前記描画手段の移動方向に対して前記光の照射エネルギーに分布を設けた光照射手段を備え、前記描画手段は、前記光の照射エネルギーの最も高い領域よりも先に照射エネルギーが最も低い領域で描画を行うことを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらに、この製版装置では、所定の積算光量の光(例えば紫外線)が照射されることによって硬化する製版用インクを用い、かつ、描画手段の移動方向に対して光の照射エネルギーに分布を設けた光照射手段を備え、描画手段は、光の照射エネルギーの最も高い領域よりも先に照射エネルギーが最も低い領域で描画を行う。これによって、照射エネルギーが高い領域の方が照射エネルギーの低い領域よりも製版用インクの硬化に要する時間が短くなるので、かかる領域で描画を終了することによって、製版用インクの硬化に要する時間を短縮できる。その結果、製版に要する時間を短縮できる。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、前記描画手段の移動方向における前記版の両側の領域における照射エネルギーが最も低く、かつ、前記描画手段の移動方向における前記版の中央領域における照射エネルギーが最も高くなる照射エネルギー分布であるとともに、2個の前記描画手段を前記版の両側の領域に配置して、前記版の両側の領域から描画を開始し、前記版の中央領域で描画を終了することを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらに、この製版装置では、照射エネルギーが低い領域から描画を開始して、照射エネルギーが高い領域で描画を終了するので、製版用インクの硬化に要する時間を短縮できる。その結果、製版に要する時間を短縮できる。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、前記描画手段の移動方向と直交する方向における前記版の端部を固定して前記版を前記版胴に取り付ける版端固定部に、前記描画手段から吐出される前記製版用インクを捕集するインク捕集手段を備えることを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらに、この製版装置では、版胴に版を取り付ける版端固定部に、描画手段から吐出される製版用インクを捕集するインク捕集手段を備える。この製版装置では、版胴を回転させながら描画するが、版端固定部では描画データがないため、描画は行われない。この製版装置では、版端固定部を利用して、版胴の回転中にノズルの目詰まり防止のために吐出する製版用インクを捕集するので、ノズルの目詰まり防止のために製版用インクを吐出するために描画が中断されることはない。これによって、製版に要する時間を短縮できる。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、前記インク捕集手段は、前記インク捕集手段に吐出された前記製版用インクを吸引して排出するインク吸引手段を備えることを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらに、この製版装置では、インク捕集手段に吐出された製版用インクを吸引して排出するインク吸引手段を備える。これによって、インク捕集手段から版上に捕集した製版用インクが流れ出すおそれを低減できる。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、前記描画手段が備える、製版用インク吐出を吐出するノズルのうち、少なくとも、所定の期間前記製版用インクを吐出していないノズルから、前記インク捕集手段に対して前記製版用インクを吐出することを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらに、この製版装置では、少なくとも、所定の期間製版用インクを吐出していないノズルから、インク捕集手段に対して製版用インクを吐出する。これによって、ノズルの目詰まりを確実に抑制することができる。
次の本発明に係る製版装置は、版が取り付けられる版胴の回転軸と平行な方向に移動しながら製版用インクを吐出して、前記版上に画線像を形成する描画手段と、前記版に吐出された前記製版用インクに光を照射することによって前記製版用インクを硬化させ、かつ前記描画手段の移動方向に対して前記光の照射エネルギーに分布が設けられる光照射手段を備え、前記描画手段は、前記光の照射エネルギーの最も高い領域よりも先に照射エネルギーが最も低い領域で描画を行うことを特徴とする。
この製版装置は、所定の積算光量の光(例えば紫外線)が照射されることによって硬化する製版用インクを用い、かつ、描画手段の移動方向に対して光の照射エネルギーに分布を設けた光照射手段を備え、描画手段は、光の照射エネルギーの最も高い領域よりも先に照射エネルギーが最も低い領域描画を行う。これによって、照射エネルギーが高い領域の方が照射エネルギーの低い領域よりも製版用インクの硬化に要する時間が短くなるので、かかる領域で描画を終了することによって、製版用インクの硬化に要する時間を短縮できる。その結果、製版に要する時間を短縮できる。なお、この製版装置においては、描画手段の移動方向に対して光の照射エネルギーに分布を設けた光照射手段を備えていればよく、描画手段は単数でも複数でもよい。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、前記描画手段の移動方向における前記版の両側の領域における照射エネルギーが最も低く、かつ、前記描画手段の移動方向における前記版の中央領域における照射エネルギーが最も高くなる照射エネルギー分布であるとともに、2個の前記描画手段を前記版の両側の領域に配置して、前記前記版の両側の領域から描画を開始し、前記版の中央領域で描画を終了することを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらに、この製版装置では、照射エネルギーが低い領域から描画を開始して、照射エネルギーが高い領域で描画を終了するので、製版用インクの硬化に要する時間を短縮できる。その結果、製版に要する時間を短縮できる。
次の本発明に係る製版装置は、版が取り付けられる版胴の回転軸と平行な方向に移動しながら製版用インクを吐出して、前記版上に画線像を形成する描画手段と、前記描画手段の移動方向と直交する方向における前記版の端部を固定して前記版を前記版胴に取り付ける版端固定部に、前記描画手段から吐出される前記製版用インクを捕集するインク捕集手段を備えることを特徴とする。
この製版装置では、版胴を回転させながら描画するが、版端固定部では描画データがないため、描画は行われない。この製版装置では、版端固定部を利用して、版胴の回転中にノズルの目詰まり防止のために吐出する製版用インクを捕集するので、ノズルの目詰まり防止のために製版用インクを吐出するために描画が中断されることはない。これによって、製版に要する時間を短縮できる。なお、この製版装置は、版端固定部に、描画手段から吐出される製版用インクを捕集するインク捕集手段を備えていればよく、描画手段は単数でも複数でもよい。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、前記インク捕集手段は、前記インク捕集手段に吐出された前記製版用インクを吸引して排出するインク吸引手段を備えることを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらに、この製版装置では、インク捕集手段に吐出された製版用インクを吸引して排出するインク吸引手段を備える。これによって、インク捕集手段から版上に捕集した製版用インクが流れ出すおそれを低減できる。
次の本発明に係る製版装置は、前記製版装置において、前記描画手段が備える、製版用インク吐出を吐出するノズルのうち、少なくとも、所定の期間前記製版用インクを吐出していないノズルから、前記インク捕集手段に対して前記製版用インクを吐出することを特徴とする。
この製版装置は、前記製版装置の構成を備えるので、前記製版装置と同様の作用、効果を奏する。さらに、この製版装置では、少なくとも、所定の期間製版用インクを吐出していないノズルから、インク捕集手段に対して製版用インクを吐出する。これによって、ノズルの目詰まりを確実に抑制することができる。
次の本発明に係る印刷機械は、前記製版装置を備え、印刷前には前記製版装置によって製版することを特徴とする。
この印刷機械は、前記製版装置を備えるので、製版に要する時間を短縮すること、描画手段に不具合が発生した場合における製版の中断時間を短縮することのうち、少なくとも一つを達成できる。
この発明に係る製版装置及び印刷機械は、製版に要する時間を短縮すること、描画手段に不具合が発生した場合における製版の中断時間を短縮することのうち、少なくとも一つを達成できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
(実施形態1)
実施形態1は、印刷機械上で製版するものであり、版が取り付けられた版胴の回転軸と平行に移動しながら前記版に製版用インクを吐出して製版する複数の描画手段と、前記描画手段を支持し、前記描画手段の動きをその移動方向に案内する案内部材とを備え、前記案内部材の数は、前記描画手段の数よりも少ない点に特徴がある。
図1は、実施形態1に係る印刷機械を備える印刷システムを示す説明図である。図2は、実施形態1に係る印刷機械及び製版装置の構成を示す斜視図である。図3−1、図3−2は、実施形態1に係る製版装置の駆動機構の構成を示す説明図である。図4−1、図4−2は、実施形態1に係る製版装置が備える描画ヘッドの構成を示す説明図である。図5−1、図5−2は、実施形態1に係る製版装置の動作を示す説明図である。
図1、図2に示すように、この実施形態に係る印刷機械2は、版胴4が備える版5に形成された画線部にインキが付着することにより形成されるインキの画線像を、ブランケット胴6ブランケット7を介して被印刷媒体である紙3に転写するオフセット印刷機械である。なお、この実施形態に係る製版装置は、オフセット印刷以外、例えば、フレキソ印刷に対しても用いることができる。
図1に示す印刷システム1は、印刷する各色に対して印刷機械2を備える。印刷においては、通常C(Cyan)、M(Magenta)、Y(Yellow)及びK(Black)の4色を用いるため、印刷システム1は、C用、Y用、M用及びK用の、計4台の印刷機械2を備える。次に、この実施形態に係る製版装置10の構成を説明する。
この実施形態に係る製版装置10は、いわゆるインクジェット記録方式により液体の樹脂材料を製版用インクとして版5上に吐出して、印刷機械2が印刷する画像を版5に描画することにより、印刷機械2の版5を製版する。製版装置10は、版5上に画像を描画するインクジェット記録方式の描画手段である描画ヘッド20を複数備えている。描画ヘッド20は、版胴4に取り付けられる版5に対して製版用インクを吐出することにより、所望の画線像を描画する。製版用インクには、例えば、紫外線を照射することにより硬化する、液体の光硬化性樹脂を用いる。このように、この製版装置10では、複数の描画ヘッドで、版5の異なる領域にそれぞれ描画するので、版5の全領域を描画する時間が短縮する。その結果、製版時間を短縮できる。
この実施形態において用いる製版用インクは、紫外線硬化型のものが好適であるが、たとえば、紫外線を照射して硬化させた際に親油性を有するものを用いる。版5上に吐出された製版用インクを硬化させると、製版用インクは版5上でわずかに盛り上がって硬化するとともに、その部分は親油性を有する。製版用インクの吐出量は数plなので、製版用インクが版5上で硬化した部分の表面は版5の表面とほぼ同一平面となる。このような製版用インクを用いて版5に画線像を形成し、これを硬化させると、版5の表面には製版用インクが硬化した親油性を有する画線部と、親水性を有する非画線部とがほぼ同一平面上に形成される。これによって、オフセット印刷に用いる平凸版の版5を作製することができる。なお、硬化すると親水性を有する製版用インクを用いて版5上に非画線部を描画することにより、平凹版を作製してもよい。
図2に示すように、複数の描画ヘッド20は並列に配置されており、版胴4の回転軸Zと平行な方向に移動できるように、共通の案内部材11によって支持され、案内される。これによって、複数の案内部材を用いた場合における案内部材同士の取り付け誤差(主に真直度誤差)を取り除くことができる。その結果、描画濃度のばらつきが抑制できるので、描画品質が向上する。また、複数の描画ヘッド20を共通の案内部材11で支持することで、省スペース、部品点数の低減を図ることができる。
それぞれの描画ヘッド20は、互いに独立して移動することができる。このような構成により、電気、電子的な制御によって、それぞれの描画ヘッド20の描画位置を微調整することで、各描画ヘッド20の取り付け誤差を吸収することができる。また、描画ヘッド20同士が後述するキャップ装置30でキャップされるときの間隔を、描画中における描画ヘッド20同士の間隔よりも小さくできる。その結果、キャップに要するスペースが小さくて済む。なお、共通の案内部材11上においては、他の描画ヘッド20を追い越して移動することはできない。
この実施形態において、すべての描画ヘッド20は、単一の案内部材11によって共通に支持される構成を採用したが、案内部材11を複数備えてもよい。ただし、この場合、案内部材11の総数は、製版装置10が備える描画ヘッド20の総数よりも少なくする。すなわち、少なくとも2個の描画ヘッド20は、同一の案内部材11で共通に支持される構成とする。例えば、4個の描画ヘッド20を用いる場合、2本の案内部材11を用いて1本の案内部材11あたり2個の描画ヘッド20を支持するようにする。
このように、描画ヘッドの総数よりも少ない案内部材11で描画ヘッドを支持するので、共通の案内部材11で支持される複数の描画ヘッドにおいては、異なる案内部材11で支持する場合における案内部材同士の取り付け誤差(主に真直度誤差)を取り除くことができる。その結果、吐出位置の高精度化や描画濃度のばらつきが抑制できるので、描画品質が向上する。また、複数の描画ヘッド20を共通の案内部材11で支持することで、省スペース、部品点数の低減を図ることができる。さらに、異なる案内部材11で支持される描画ヘッド20同士では、互いに追い越しが可能となるので、描画制御の自由度が向上するという利点もある。
次に、図3−1、図3−2を用いて、描画ヘッド20の駆動機構を説明する。図3−1は、製版装置10が3個の描画ヘッド20を備える場合を示している。図3−2は、図3−1のA−A矢視図である。描画ヘッドを示す符号「20」の添字「1」、「2」、「3」は、それぞれ各ヘッドの番号を示す。説明の便宜上、添字「1」〜「3」で示す描画ヘッドを順に、第1描画ヘッド201、第2描画ヘッド202、第3描画ヘッド203という。また、理解の容易のため、そえぞれの描画ヘッドに対応する部材についても添字を付して以下説明する。
第1〜第3描画ヘッド201〜203は、共通の案内部材11及び共通の回転防止部材12で支持される。これによって、第1〜第3描画ヘッド201〜203が断面円形の案内部材11の周りを回転することが防止される。第1〜第3描画ヘッド201〜203には、それぞれ第1〜第3連結部材211〜213が設けられている。第1〜第3描画ヘッド201〜203は、第1〜第3連結部材211〜213を介して第1〜第3ベルト131〜133に取り付けられる。
第1〜第3描画ヘッド201〜203は、第1〜第3ベルト131〜133を介して、描画手段駆動手段である第1〜第3ステッピングモータ161〜163によって、案内部材11に沿って移動する。第1〜第3ステッピングモータ161〜163には、描画ヘッド位置検出手段としてそれぞれロータリーエンコーダが備えられており、この位置情報に基づいて第1〜第3ステッピングモータ161〜163は制御される。
第1〜第3ステッピングモータ161〜163の出力軸には、第1〜第3駆動用プーリ151〜153が取り付けられている。また、第1〜第3駆動用プーリ151〜153の反対側には、第1〜第3フリープーリ141〜143が設けられている。第1〜第3ベルト131〜133は、それぞれ第1〜第3駆動用プーリ151〜153と第1〜第3フリープーリ141〜143とに掛けられて、第1〜第3ステッピングモータ161〜163の駆動力が伝達される。
図3−2に示すように、第1〜第3描画ヘッド201〜203にそれぞれ設けられる第1〜第3連結部材211〜213は、第1〜第3描画ヘッド201〜203の移動方向と直交する方向の位置をずらして取り付けてある。これによって、第1〜第3ベルト131〜133同士の干渉を防止できる。第1〜第3描画ヘッド201〜203は、版5と対向する側から製版用インクDを吐出して、版5に描画する。なお、第1〜第3描画ヘッド201〜203の製版用インク吐出側とは反対側に、上述した第1〜第3連結部材211〜213が設けられている。
次に、図4−1、図4−2を用いて、この実施形態に係る製版装置が備える描画ヘッドの構成を説明する。図4−1は、製版用インクの吐出側から描画ヘッドを見た状態を示している。なお、図3と同様に、描画ヘッドを示す符号「20」の添字「n」は、描画ヘッドの番号を示す。この実施形態に係る描画ヘッド20nは、ピエゾ素子等の圧電素子を用いてインク室に体積変化を与え、これによってインクをノズルから吐出する方式のインクジェットヘッドである。この方式では、様々な種類のインクに対する適応性が比較的優れているため、樹脂材料のインクを吐出する製版用途には比較的適している。なお、インクの特性によっては、インクに熱を与えて発泡させ、発泡による圧力でインクを吐出する方式のインクジェットヘッドを用いてもよい。
図4−1に示すように、この実施形態に係る描画ヘッド20nは、ノズル23から製版用インクを吐出する。この実施形態に係る描画ヘッド20nは、描画ヘッド20nが移動する方向(描画ヘッド20nの走査方向:以下ヘッド走査方向)Sa、すなわち案内部材11の軸Zsと平行な方向に、複数のノズル23がノズルピッチPで配列された、いわゆるマルチノズル式のインクジェットヘッドである。
ノズル23は、ヘッド走査方向Saと平行な第1直線L1及び第2直線L2に沿って配列されて、第1ノズル列及び第2ノズル列を構成する。第1直線L1及び第2直線L2それぞれに沿って配列されるノズル23のノズルピッチはPであり、また、ヘッド走査方向Saにおける第1ノズル列と第2ノズル列との間隔はP/2である。これによって、ノズル23の最小ノズルピッチよりも小さいノズルピッチで描画することができる。
図4−1に示すように、ノズル23が配列されているノズルプレート22は、ノズルプレート22に垂直な軸Zrを中心として回転する。これによって、見かけのノズルピッチP'を変更することができる。すなわち、図4−2に示すように、ノズルプレート22を回転させ、ヘッド走査方向Saに対して角度θだけ傾けた場合、ヘッド走査方向Saにおける見かけのノズルピッチP'は、P×cosθとなる。ヘッド走査方向Saに対する角度θを変更すれば、見かけのノズルピッチP'を変更することができる。ここで、P>P'なので、この描画ヘッド20nは、実際のノズルピッチPから得られる解像度よりも高い解像度で描画することができる。
次に、図5−1、図5−2を用いて、この実施形態に係る製版装置10の動作を説明する。この実施形態に係る製版装置10は、複数の描画ヘッド、すなわち第1〜第3描画ヘッド201〜203がヘッド走査方向Saに移動する過程で版5に製版用インクDを吐出して描画する。版5の描画領域は、ヘッド走査方向Saに対して描画ヘッドの数分の描画領域に分割されており(この実施形態では3分割)、第1〜第3描画ヘッド201〜203には、分割されたそれぞれの描画領域が割り当てられる。そして、第1〜第3描画ヘッド201〜203は、割り当てられた描画領域に対して描画する。このとき、第1〜第3描画ヘッド201〜203は、ヘッド走査方向Saにおける版5の所定領域のみに描画し、他の描画領域に対しては描画しない。
版胴4に取り付けられた版5に描画を開始する前には、第1〜第3描画ヘッド201〜203はそれぞれのホームポジション(HP)に移動する。それぞれのホームポジションは、第1〜第3ホームポジションセンサ401〜403により検出される。次に、版5を取り付けた版胴4が回転する。版胴4の回転が一定になったら、第1〜第3描画ヘッド201〜203のノズル23(図4−1参照)から製版用インクDを吐出して、描画を開始する。版胴4の回転とともに第1〜第3描画ヘッド201〜203はヘッド走査方向Saに向かって移動しながら、それぞれに割り当てられた描画領域に対して描画する。
第1〜第3描画ヘッド201〜203それぞれに割り当てられた描画領域に対する描画が終了したら、第1〜第3描画ヘッド201〜203は、それぞれキャップ位置(待機位置)に移動する。なお、キャップ位置は、キャップ位置センサ41によって検出される。キャップ位置には描画手段保護手段であるキャップ装置30が備えられている。第1〜第3描画ヘッド201〜203がすべてキャップ位置に移動したら、キャップ装置30が、第1〜第3描画ヘッド201〜203のインク吐出側をキャップする。これによって、ノズル23近傍におけるインキの乾燥を抑制する。また、キャップ装置30には、インク吸引手段やノズル洗浄手段等の、描画ヘッド保守手段が設けられており、必要に応じて第1〜第3描画ヘッド201〜203の保守作業を実行する。ここで、キャップ装置30を描画ヘッドに共通のものとすることにより、ポンプ等の共通化による吸引構造等の簡素化や空間使用効率を低下させることなくポンプを高出力化して保守の確実性の向上を図ることができる。
以上、この実施形態では、描画手段である描画ヘッドの走査方向における版の異なる領域に、複数の描画ヘッドを用いてそれぞれ描画するので、版の全領域を描画する時間が短縮する。その結果、製版に要する時間を短縮することができる。特に、商業用印刷機械(例えば新聞の輪転機)においては、迅速な版の作製が求められる。かかる観点から、製版時間を短縮できるこの実施形態に係る製版装置及び印刷機械は好ましい。なお、実施形態1で開示した構成は、以下の実施形態でも適宜適用できる。また、実施形態1の構成を備えるものは、実施形態1と同様の作用、効果を奏する。
(実施形態2)
実施形態2は、実施形態1とほぼ同様の構成であるが、次の点が異なる。すなわち、描画手段である描画ヘッドの走査方向に分割された版の描画領域の数よりも多い描画ヘッドを備え、余剰の描画ヘッドを予備の描画ヘッドとして用いる。そして、描画ヘッドに不吐出や製版用インクの吐出方向不良等の不具合が発生した場合には、それまで描画に用いていない予備の描画ヘッドを用いて描画する。他の構成は、上記実施形態と同様である。次の説明では、予備の描画ヘッドを1個とした例を説明するが、予備の描画ヘッドは2個以上としてもよい。このようにすれば、複数の描画ヘッドに不具合が発生した場合でも製版を継続できるので、製版装置やこれを備える印刷機械の信頼性がより向上する。
図6−1、図6−2は、実施形態2に係る製版装置及びその描画動作を示す説明図である。この実施形態に係る製版装置10aは、実施形態1に係る製版装置10(図5−1参照)と同様の構成であるが、ヘッド走査方向Saに分割された版5の描画領域の数(実施形態2では3分割)よりも多い描画ヘッドを備える。具体的には、版5の描画領域の数が3であるのに対して、4個の描画ヘッド(第1描画ヘッド201〜第4描画ヘッド204)を備える。そして、通常は、第1描画ヘッド201〜第4描画ヘッド204のうち3個を用いて版5に描画するとともに、余剰の描画ヘッドを予備の描画ヘッドとする。より具体的には、第1描画ヘッド201〜第3描画ヘッド203を用いて描画し、第4描画ヘッド203を予備の描画ヘッドとして用いる。そして、これらのうち一つに吐出不良等の不具合が発生した場合には、不具合が発生した描画ヘッドの使用を中止するとともに、予備の描画ヘッドである第4描画ヘッド204を用いて描画する。
この実施形態に係る製版装置10aでは、画像検出センサ42を備えている。そして、版5上に形成された画線像の不良を検出することにより、描画に用いる描画ヘッドの不具合を判定する。次に、この実施形態に係る描画制御を実行するための製版装置の構成について説明する。
図7は、実施形態2に係る描画制御装置の構成を示す説明図である。図7に示すように、描画制御装置50は、ヘッド選択部51と、ヘッド位置制御部52と、ヘッド移動量演算部53と、描画領域演算部54と、描画制御部55と、記憶部50Mと、入力及び出力インターフェイス57I、54と、入力及び出力ポート57I、36とを含んで構成される。描画制御装置50が備えるヘッド選択部51、ヘッド位置制御部52、ヘッド移動量演算部53、描画領域演算部54及び描画制御部55は、この実施形態に係る描画制御を実行する部分となる。
ヘッド選択部51と、ヘッド位置制御部52と、ヘッド移動量演算部53と、描画領域演算部54と、描画制御部55と、記憶部50Mとは、入力ポート57I及び出力ポート57Oを介して接続される。これにより、ヘッド選択部51やヘッド位置制御部52等と記憶部50Mとは相互に制御必要なデータをやり取りしたり、一方に命令を出したりすることができる。なお、以下の説明においては、便宜上、必要に応じてヘッド選択部51と、ヘッド位置制御部52と、ヘッド移動量演算部53と、描画領域演算部54と、描画制御部55とを、処理部という。
入力ポート57Iには、入力インターフェイス57Iが接続されている。入力インターフェイス57Iには、第1〜第4ホームポジションセンサ401〜404、キャップ位置センサ41、画像検出センサ42、入力装置43が接続されている。これらのセンサ類から出力される信号は、入力インターフェイス57I内に設けられるA/Dコンバータやディジタルバッファにより、処理部が利用できる信号に変換されて入力ポート57Iへ送られる。これにより、処理部は、この実施形態に係るインキの水分量及び温度の制御に必要な情報を取得することができる。
出力ポート57Oには、出力インターフェイス57Oが接続されている。出力インターフェイス57Oには、第1〜第4描画ヘッド201〜204、キャップ装置30といった制御対象が接続されている。出力インターフェイス57Oは、制御回路を備えており、処理部で演算された制御信号に基づき、前記制御対象を動作させる。このような構成により、前記センサ類からの出力信号に基づき、描画制御装置50が備える処理部は、この実施形態に係る描画制御を実行する。
記憶部50Mには、この実施形態に係るこの実施形態に係る描画制御の処理手順を含むコンピュータプログラムや制御マップ、あるいはこの実施形態に係る描画制御データマップ等が格納されている。ここで、記憶部50Mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
上記コンピュータプログラムは、処理部へ既に記録されているコンピュータプログラムと組み合わせによって、この実施形態に係る描画制御の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この描画制御装置50は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて処理部の機能を実現するものであってもよい。次に、この実施形態に係る実施形態に係る描画制御を説明する。次の説明においては、適宜図6−1、図6−2を参照されたい。
図8は、実施形態2に係る描画制御を含む製版の手順を示すフローチャートである。図9は、実施形態2に係る描画制御における描画データの変換を示す説明図である。図10は、描画ヘッドをホームポジションへ移動させる手順を示すフローチャートである。図11は、描画ヘッドを描画開始位置へ移動させる手順を示すフローチャートである。図12−1、図12−2は、描画ヘッドの描画開始位置を示す説明図である。図13は、描画が終了した後、描画ヘッドにキャップするまでの手順を示すフローチャートである。図14−1〜図14−4は、描画ヘッドの位置を演算するときに用いるデータを記述したテーブルを示す説明図である。なお、図14−1〜図14−4に示すテーブルは、製版装置10aにおける描画ヘッドの座標が記述してある。描画ヘッドをその走査方向に移動させるステッピングモータに1パルス入力したときにおける描画ヘッドの移動量が、前記座標の大きさ「1」に相当する。
製版にあたっては、まず、製版装置10aの電源が投入される。すると、各種の初期値が設定され、また、描画条件を設定するため、描画制御装置50に接続されている入力装置43から設定値が入力される。このように、製版を開始する前に、製版装置10aの初期設定が行われる(ステップS101)。製版装置10aの初期設定が終了すると、描画準備が整う。入力装置43からの描画開始指令を受けると、描画制御部55は、版胴4を回転させ、その回転速度が一定になったら、通常描画に用いる第1〜第3描画ヘッド201〜203へ描画データを送る。第1〜第3描画ヘッド201〜203は、描画制御部55から送られる描画データに従って製版用インキを吐出する。これにより、版5に対する描画が実行される(ステップS102)。
この実施形態に係る描画制御においては、描画中に、描画制御装置50のヘッド選択部51が、画像検出センサ42を介して版5に描画された画線像の画像を取り込む。そして、ヘッド選択部51は、取得した画線像の画像データから、描画中の第1〜第3描画ヘッド201〜203のいずれか一つに不吐出等の不具合が発生しているか否かを判定する(ステップS103)。例えば、ある描画領域の画像データの濃度が許容値以下になったり、ある描画領域の画像データの濃度ばらつきが許容値以下になったりした場合には、当該描画領域を描画している描画ヘッドに不具合が発生していると判定する。また、第1〜第3描画ヘッド201〜203の描画データ格納領域に送信した描画データと、画像検出センサ42から取得した画像データとを比較し、両者の合致率が許容値以下になった場合には、その描画領域を描画している描画ヘッドに不具合が発生していると判定してもよい。
第1〜第3描画ヘッド201〜203がいずれも正常に描画している場合(ステップS103:No)、描画制御部55はそのまま描画を継続する。第1〜第3描画ヘッド201〜203のいずれか一つに不吐出等の不具合が発生している場合(ステップS103:Yes)、ヘッド選択部51は、不具合が発生している描画ヘッドの描画を停止し、現在描画に用いていない描画ヘッドを描画に用いるようにする(ステップS104)。この実施形態では、第2描画ヘッド202にインク不吐出等の不具合が発生している。
次に、描画制御装置50の描画領域演算部54は、描画データの格納領域を変更し(ステップS105)、停止させる描画ヘッドの描画データ格納領域を除いた描画データ格納領域に描画データを再格納する。図9に示すように、描画ヘッドに不具合が発生する前は、第1、第2、第3描画ヘッド201、202、203の描画データ格納領域DS1、DS2、DS3に、3分割した描画データD1、D2、D3をそれぞれ格納する。そして、第4描画ヘッド204の描画データ格納領域DS4には0値を記憶させて、第4描画ヘッド204による描画を停止する。
描画ヘッドに不具合が発生して描画データの格納領域を変更する場合は、図9に示すように、不具合が発生している第2描画ヘッド202の描画データ格納領域DS2には0値を格納して、第2描画ヘッド202による描画を停止する。そして、第1、第3、第4描画ヘッド201、203、204の描画データ格納領域DS1、DS3、DS4に、3分割した描画データD1、D2、D3をそれぞれ格納する。これによって、第1、第3、第4描画ヘッド201、203、204を用いて描画する際に、描画を停止する第2描画ヘッド202から製版用インクが吐出されることはない。
次に、描画制御装置50のヘッド位置制御部52は、描画に用いる第1、第3、第4描画ヘッド201、203、204及び描画に用いない第2描画ヘッド202を、ホームポジション(以下HPと略称する)へ移動させる(ステップS106)。この手順を、図10及び図14−1を用いて説明する。まず、ヘッド位置制御部52は、異常動作終了処理や描画停止命令等の割り込み処理があるか否かを判定する(ステップS201)。割り込み処理がある場合(ステップS201:Yes)、割り込み処理を優先させるため、ヘッド移動量演算部53は、描画ヘッドの移動を中止する。
割り込み処理がない場合(ステップS201:No)、ヘッド位置制御部52は、移動対象の描画ヘッド(例えば第1描画ヘッド201)がHPにあるか否かを判定する(ステップS202)。移動対象の描画ヘッドがHPにあるか否かは、第1〜第4ホームポジションセンサ401〜404により判定する。
移動対象の描画ヘッドがHPにない場合(ステップS202:No)、ヘッド位置制御部52は、移動対象の描画ヘッドをHP側へ1パルス分移動させ(ステップS204)、移動対象の描画ヘッドがHPに移動するまで前記移動を繰り返す。なお、この実施形態に係る製版装置10aが備える第1〜第4描画ヘッド201〜204は、ステッピングモータにより駆動されるため、この例では、最小移動単位である1パルスずつ移動させる。
移動対象の描画ヘッドがHPにある場合(ステップS202:Yes)、ヘッド移動量演算部53は、HP位置変数Hnの値をXとする(ステップS203)。ここで、Xは、図14−1に示すデータテーブル60から求める。ここで、HP位置変数Hnの添字nはヘッド番号を示し、例えば、第1描画ヘッド201がHPにある場合には、データテーブル60からX=200となる。HP位置変数Hnの値をXとしたら、ヘッド移動量演算部53は、HP位置変数Hnを描画制御装置50の記憶部50Mへ格納する。ヘッド位置制御部52は、それぞれの描画ヘッドをHPに移動させ、ヘッド移動量演算部53は、それぞれの描画ヘッドのHP位置変数H1〜H4を決定して、記憶部50Mへ格納する。
第1〜第4描画ヘッド201〜204がHPへ移動したら(ステップS106)、ヘッド位置制御部52は、第1〜第4描画ヘッド201〜204を描画開始位置へ移動させる(ステップS107)。次に、図11、図12−1、図12−2、図14−2、図14−3を用いて、この手順を説明する。
第1〜第4描画ヘッド201〜204を描画開始位置へ移動させるにあたり、ヘッド位置制御部52は、異常動作終了処理や描画停止命令等の割り込み処理があるか否かを判定する(ステップS301)。割り込み処理がある場合(ステップS301:Yes)、割り込み処理を優先させるため、ヘッド位置制御部52は、描画ヘッドの移動を中止する。
割り込み処理がない場合(ステップS301:No)、ヘッド移動量演算部53は、HPから各描画ヘッドの描画開始位置までの移動量(以下ヘッド移動量)Mnを演算する(ステップS302)。ここで、ヘッド移動量MnはPan−Hn(nはヘッド番号)で求めることができる。Panは、描画開始位置パラメータであり、添字aは描画を停止させる描画ヘッドの番号であり、添字nはヘッド番号である。
この実施形態では第2描画ヘッド202の描画を停止するので、a=2となる。図14−2に示す第1描画開始位置テーブル61から、第2描画ヘッド202の描画を停止させた場合における第1描画ヘッド201の描画開始位置はP21となる。より具体的には、図14−3に示す第2描画開始位置テーブル62から、P21=1000となる。同様に、第2描画ヘッド202の描画を停止させた場合における第2描画ヘッド202の描画開始位置はP22、第3描画ヘッド203の描画開始位置はP23、第4描画ヘッド204の描画開始位置はP24となる。より具体的には、P22=1500、P23=2000、P24=3000となる。
また、HP位置変数H1〜H4は、図14−1に示すデータテーブル60から、それぞれH1=200、H2=1200、H3=1700、H4=2700と求められ、記憶部50Mに格納されている。したがって、第1描画ヘッド201のヘッド移動量M1は、P21−H1=1000−200=800と求めることができる。同様に、第2描画ヘッド202のヘッド移動量M2=P22−H2=1500−1200=300、第3描画ヘッド203のヘッド移動量M3=P23−H3=2000−1700=300、第4描画ヘッド204のヘッド移動量M4=P24−H4=3000−2700=300と求めることができる。
上記手順により、ヘッド移動量演算部53が各描画ヘッドのヘッド移動量M1〜M4を求めたら(ステップS302)、ヘッド移動量演算部53は、求めたヘッド移動量M1〜M4を記憶部50Mに格納する。次に、ヘッド位置制御部52は、ヘッド移動量M1〜M4の大きさを判定する(ステップS303)。そして、ヘッド位置制御部52は、その判定結果に基づいて、決定したヘッド移動量M1〜M4分、第1〜第4描画ヘッド201〜204を移動させる。
移動対象である描画ヘッドのヘッド移動量Mnが0である場合、当該描画ヘッドは移動させる必要はないので、描画ヘッドの移動制御を終了する。移動対象である描画ヘッドのヘッド移動量Mnが0よりも大きい場合、描画開始位置はキャップ装置30側にある。この場合、ヘッド位置制御部52は、移動対象である描画ヘッドをキャップ装置30側へ1パルス分移動させる(ステップS306)。次に、ヘッド移動量演算部53は、移動対象である描画ヘッドのヘッド移動量Mnから1を減算し、この値を新たなヘッド移動量Mnとして記憶部Mnに格納する(ステップS307)。そして、ヘッド位置制御部52は、移動対象の描画ヘッドのヘッド移動量Mnが0になるまで、移動対象の描画ヘッドを移動させる(ステップS303、S306、S307)。
移動対象である描画ヘッドのヘッド移動量Mnが0よりも小さい場合、描画開始位置はキャップ装置30の反対側にある。この場合、ヘッド位置制御部52は、移動対象である描画ヘッドをキャップ装置30の反対側へ1パルス分移動させる(ステップS304)。次に、ヘッド移動量演算部53は、移動対象である描画ヘッドのヘッド移動量Mnに1を加算し、この値を新たなヘッド移動量Mnとして記憶部50Mに格納する(ステップS305)。そして、ヘッド位置制御部52は、移動対象の描画ヘッドのヘッド移動量Mnが0になるまで、移動対象の描画ヘッドを移動させる(ステップS303、S304、S305)。
描画ヘッドに不具合が発生した場合には、上記手順により、描画に用いる第1、第3、第4描画ヘッド201、203、204及び描画に用いない第2描画ヘッド202を描画開始位置に移動させる。図12−2は、第1〜第4描画ヘッド201〜204を描画開始位置に移動させた状態を示している。これに対して、図12−1は、第1〜第3描画ヘッド201〜203で描画するとき、すなわち、描画ヘッドに不具合が発生していない場合における各描画ヘッドの描画開始位置を示している。このように、この実施形態に係る描画制御では、描画を停止する描画ヘッド(この実施形態では第2描画ヘッド202)を、描画に用いる描画ヘッドと干渉しない位置、すなわち、描画に用いる第1描画ヘッド201と第3描画ヘッド203との間に移動させる。
上記手順により、第1〜第4描画ヘッド201〜204が描画開始位置へ移動したら(ステップS107)、描画制御部55は版5に対する描画を最初からやり直す(ステップS108)。なお、描画の開始前に、描画をしていない新たな版に版5を取り替えておく。ここで、画像検出センサ42により描画されていない領域を検出し、当該領域から描画を再開するようにしてもよい。このようにすれば、版5を取り替える手間を省略できるので、より迅速に描画を再開できる。
描画のやり直しにおいて、描画に用いる第1、第3、第4描画ヘッド201、203、204は、図9に示した描画データ格納領域DS1、DS3、DS4にそれぞれ格納された描画データD1、D2、D3に基づいて製版用インクを吐出する。このとき、第2描画ヘッド202の描画データ格納領域DS2には0値が格納されているので、描画を停止する第2描画ヘッド202から製版用インクが吐出されることはない。そして、描画を停止する第2描画ヘッド202は、描画に用いる第1、第3、第4描画ヘッド201、203、204とともにヘッド走査方向Saに向かって移動する。
これによって、描画を停止する描画ヘッドは、描画に用いる描画ヘッドと一定の間隔を保ってヘッド走査方向Saに向かって移動するので、描画に用いる描画ヘッドの動きを妨げることはない。そして、正常に吐出する第1、第3、第4描画ヘッド201、203、204により、版5に対する描画を継続して、画線部の欠陥のない版5を製版することができる。
描画のやり直しが終了したら、ヘッド位置制御部52は、第1〜第4描画ヘッド201〜204を一旦HPへ移動させる(ステップS109)。これは、描画中に位置誤差が発生した場合に、これを取り除くためである。第1〜第4描画ヘッド201〜204がすべてHPに戻ったら、ヘッド位置制御部52は、第1〜第4描画ヘッド201〜204をキャップ装置30の位置(以下キャップ位置という)まで移動させ(ステップS110)、これらにキャップする。次に、図13、図14−4を用いて、この移動手順を説明する。
第1〜第4描画ヘッド201〜204をキャップ位置へ移動させるにあたり、ヘッド位置制御部52は、異常動作終了処理や描画停止命令等の割り込み処理があるか否かを判定する(ステップS401)。割り込み処理がある場合(ステップS401:Yes)、割り込み処理を優先させるため、ヘッド位置制御部52は、各描画ヘッドの移動を中止する。
割り込み処理がない場合(ステップS401:No)、ヘッド移動量演算部53は、HPからキャップ位置までの移動量(以下ヘッド移動量)Lnを演算する(ステップS402)。ここで、ヘッド移動量LnはKn(nはヘッド番号)で求めることができる。Knは、キャップ位置パラメータであり、各描画ヘッドのHPから各描画ヘッドのキャップ位置までの移動量を表す。キャップ位置パラメータKnは、図14−4に示すキャップ位置パラメータマップ63に記述されている。
第1描画ヘッド201のヘッド移動量L1は、キャップ位置パラメータマップ63から、L1=K1=4900となる。同様に、L2=K2=4000、L3=K3=3600、L4=K4=2700となる。ヘッド移動量演算部53が各描画ヘッドのヘッド移動量L1〜L4を求めたら(ステップS402)、ヘッド移動量演算部53は、求めたヘッド移動量L1〜L4を記憶部50Mに格納する。
次に、ヘッド位置制御部52は、ヘッド移動量L1〜L4の大きさを判定する(ステップS403)。そして、ヘッド位置制御部52は、その判定結果に基づいて、決定したヘッド移動量L1〜L4分、第1〜第4描画ヘッド201〜204をキャップ位置へ向かって移動させる。
すべての描画ヘッドのヘッド移動量Lnが0である場合、すべての描画ヘッドはキャップ位置にある。この場合、図6−2に示すように、描画制御部55は、キャップ装置30を駆動して、第1〜第4描画ヘッド201〜204にキャップをする(ステップS404)。少なくとも一つの描画ヘッドのヘッド移動量Lnが0でない場合、ヘッド位置制御部52は、ヘッド移動量Lnが0でない描画ヘッドをキャップ装置30側へ1パルス分移動させる(ステップS405)。ここで、キャップ装置30と各描画ヘッドとの位置関係から、すべてのヘッド移動量Lnが0でない場合、その値は0よりも大きくなる。
次に、ヘッド移動量演算部53は、移動対象である描画ヘッドのヘッド移動量Lnから1を減算し、この値を新たなヘッド移動量Lnとして記憶部50Mに格納する(ステップS406)。そして、ヘッド位置制御部52は、移動対象の描画ヘッドのヘッド移動量Lnが0になるまで、移動対象の描画ヘッドを移動させる(ステップS403、S405、S406)。すべての描画ヘッドがキャップ位置に移動したら(ステップS403)、描画制御部55は、キャップ装置30を駆動して、第1〜第4描画ヘッド201〜204にキャップをする(ステップS404)。キャップ位置においては、図6−2に示すように、すべての描画ヘッドは十分に接近しているため、描画ヘッドの格納スペースは小さくて済む。上記手順により、この実施形態に係る描画制御を含む製版の手順が終了する。
以上、実施形態2では、描画手段である描画ヘッドの走査方向に分割された版の描画領域よりも多くの描画ヘッドを備え、余剰の描画ヘッドを予備の描画ヘッドとする。そして、描画に用いている描画ヘッドに不具合が発生した場合は、予備の描画ヘッドを用いて描画することができる。その結果、描画ヘッドの交換作業が不要になるので、描画中の描画ヘッドに不具合が発生した場合における製版の中断時間を短縮できる。特に、商業用印刷機械(例えば新聞の輪転機)においては、迅速な版の作製が求められる。そして、万一描画ヘッドに不具合が発生した場合においては、修理や交換等によって生ずる製版の中断時間を最小限に抑える必要がある。かかる観点から、描画ヘッドに不具合が発生した場合においては、予備の描画ヘッドを用いて迅速に製版を再開できる、この実施形態に係る製版装置及び印刷機械は好ましい。なお、実施形態2で開示した構成は、以下の実施形態でも適宜適用できる。また、実施形態2の構成を備えるものは、実施形態2と同様の作用、効果を奏する。
(実施形態3)
実施形態3は、製版用インクの定着手段(例えば光照射手段)に照射エネルギーの分布を設け、照射エネルギーの低い領域から描画を開始し、描画中は、照射エネルギーの低い領域から高い領域に向かって描画手段である描画ヘッドが移動して、照射エネルギーの高い領域で描画が終了する点に特徴がある。次の説明においては、描画手段である描画ヘッドを複数用いる場合を説明するが、描画ヘッドは1個でもよい。また、以下の説明では、複数の描画ヘッドを共通の案内部材で支持、案内してもよいし、異なる案内部材で支持、案内してもよい。
図15−1は、実施形態3に係る製版装置の構成を示す説明図である。図15−2は、図15−1に示す製版装置を矢印Y方向から見た状態を示す側面図である。この製版装置10bは、版5に吐出した製版用インクを、定着手段を用いて版5の表面に定着させる。この実施形態では、製版用インクに光硬化性樹脂を用いるため、定着手段には光照射手段を用いる。より具体的には、この実施形態で用いる製版用インクは、所定の積算光量の紫外線が照射されることによって硬化する仕様となっている。すなわち、この製版用インクを硬化させるためには、所定量の紫外線を照射する必要がある。
この実施形態に係る製版装置10bでは、紫外線で硬化する製版用インクを用いるため、光照射手段としては紫外線照射手段を用いる。より具体的には、紫外線蛍光灯を用いる。紫外線蛍光灯は、比較的安価であるため、製版装置10bの製造コストや維持コストを低減することに対して効果的である。この実施形態に係る製版装置10bは、版胴4の回転方向(図15−2の矢印ω方向)に向かって複数本の紫外線蛍光灯を配置する。より具体的には、版胴4の回転方向に向かって、第1紫外線蛍光灯70a及び第2紫外線蛍光灯70bを配置する。
第1紫外線蛍光灯70a及び第2紫外線蛍光灯70bの、ヘッド走査方向(Sa1、Sa2)と平行な方向における長さl1、l2は、ともにヘッド走査方向と平行な方向における版5の長さ(以下版幅という)lhよりも小さい。このため、図15−1に示すように、第1紫外線蛍光灯70aと第2紫外線蛍光灯70bとを、ヘッド走査方向Saに対してずらして配置する。すなわち、第1紫外線蛍光灯70aの紫外線照射領域の一部と第2紫外線蛍光灯70bの紫外線照射領域の一部とが重なるように、第1紫外線蛍光灯70aと第2紫外線蛍光灯70bとを配置する。
これによって、版5には、版幅Wの方向(すなわちヘッド走査方向Sa1、Sa2、以下版幅方向という)において、第1紫外線蛍光灯70aと第2紫外線蛍光灯70bとの両方で紫外線が照射される領域(W2からW3)と、第1紫外線蛍光灯70a又は第2紫外線蛍光灯70bの一方で紫外線が照射される領域(W1からW2及びW3からW4)とが存在する。その結果、図15−1に示すように、版5の幅方向においては、照射エネルギー(光である紫外線の照射量)Pの分布が生ずる。より具体的には、版5の幅方向の両端領域における照射エネルギーが低く、幅方向の中央領域における照射エネルギーは版5の幅方向の両端領域における照射エネルギーよりも高くなる。
この実施形態に係る製版装置10bでは、照射エネルギーが高い領域の方が、照射エネルギーの低い領域よりも紫外線の照射量が大きくなる。この実施形態で用いる製版用インクは、所定の積算光量が必要であるため、同じ照射時間であれば、照射エネルギーが高い領域の方が照射エネルギーの低い領域よりも積算光量を大きくすることができ、また、同じ積算光量であれば、照射エネルギーが高い領域の方が照射エネルギーの低い領域よりも製版用インクの硬化に要する時間は短くなる。
図15−2に示すように、この実施形態に係る製版装置10bで製版する場合、版5を取り付けた版胴4は、一定の角速度ωで回転する。描画ヘッドから吐出された製版用インクDは、版5上に付着して画線像Eを形成する。版5の版幅方向におけるW1からW2の領域(以下領域Aという)は、第1紫外線蛍光灯70aのみから紫外線が照射され、また、W3からW4の領域(以下領域Bという)は、第2紫外線蛍光灯70bのみから紫外線が照射される。一方、版5の版幅方向におけるW2からW3の領域(以下領域Cという)は、第1紫外線蛍光灯70a及び第2紫外線蛍光灯70bの両方で紫外線が照射される。
製版用インクDによって版5上に描画された画線像Eは、版胴4が1回転する間に第1紫外線蛍光灯70a又は第2紫外線蛍光灯70bのうち少なくとも一方によって紫外線が照射される。この場合、領域Cは、領域Aあるいは領域Bと比較して、およそ2倍の量の紫外線が照射されることになる。この実施形態で用いる製版用インクDは、照射された紫外線の積算光量が硬化に必要な所定量に達すると硬化するので、製版用インクDで領域Cに描画された画線像Eは、製版用インクDで領域Aあるいは領域Bに描画された画線像Eよりも2倍程度早い時間で、積算光量が硬化に必要な所定量に達する。
このように、領域A及び領域Bは、領域Cよりも硬化に要する時間は長い。したがって、この実施形態に係る製版装置10bは、製版用インクを硬化させるにあたって上記のような照射エネルギー分布を作り、かつ、照射エネルギーの低い領域から描画を開始し、描画中においては、照射エネルギーの低い領域から高い部分に向かって描画ヘッドを移動させ、照射エネルギーの高い領域で描画を終了させる。具体的には、第1描画ヘッド201と第2描画ヘッド202とを版胴4の両側に配置する。そして、ヘッド走査方向における版5の両側の領域(すなわち上記領域A、Bであり、照射エネルギーの低い領域)から描画を開始し、ヘッド走査方向における版5の中央領域(すなわち上記領域Cであり、照射エネルギーの高い領域)に向かって第1及び第2描画ヘッド201、202を移動させながら描画する。ここで、図15−1中のSa1は、第1描画ヘッド201の移動方向(ヘッド走査方向)を示し、Sa2は、第2描画ヘッド202の移動方向(ヘッド走査方向)を示す。
上述したように、照射エネルギーの高い版5の幅方向中央領域(上記領域C)に形成された画線像Eは、照射エネルギーの低い版5の幅方向両側の領域(上記領域A、B)に形成された画線像Eよりも2倍程度早い時間で硬化する。ここで、照射エネルギーの低い版5の幅方向両側の領域で描画が終了すると、製版用インキの硬化には、その時点から所定の硬化時間Tを要するが、この実施形態に係る製版装置10bのように、照射エネルギーの高い版5の幅方向中央領域で描画が終了すると、その時点からおよそT/2の硬化時間で製版用インクが硬化する。これによって、硬化時間を短くできるので、製版に要する時間を短縮することができる。また、紫外線照射手段の本数を無闇に増加させることなく、製版に要する時間を短縮できる。さらに、版5の幅に相当する長さの紫外線照射手段を用いる必要はない。これによって、短い紫外線照射手段、例えば、既成の紫外線照射手段を組み合わせて用いることができるので、紫外線照射手段の選択肢が広がる。
図15−3は、実施形態3の変形例に係る製版装置の構成を示す説明図である。この製版装置10b'は、3本の紫外線照射手段(第1〜第3紫外線蛍光灯70a〜70c)を備える。そして、3個の描画ヘッド、すなわち第1〜第3描画ヘッド201〜203を用いて描画する。この製版装置10b'は、第1紫外線蛍光灯70aと第2紫外線蛍光灯70bとはヘッド走査方向(Sa1、Sa2、Sa3)に対してずらして配置され、第2紫外線蛍光灯70bと第3紫外線蛍光灯70cとはヘッド走査方向に対してずらして配置される。すなわち、第1紫外線蛍光灯70aの紫外線照射領域の一部と第2紫外線蛍光灯70bの紫外線照射領域の一部とが重なるように、第2紫外線蛍光灯70bの紫外線照射領域の一部と第3紫外線蛍光灯70cの紫外線照射領域の一部とが重なるように、第1〜第3紫外線蛍光灯70a〜70cが配置される。ここで、図15−3中のSa1は、第1描画ヘッド201の移動方向(ヘッド走査方向)を示し、Sa2は、第2描画ヘッド202の移動方向(ヘッド走査方向)を示し、Sa3は、第3描画ヘッド203の移動方向(ヘッド走査方向)を示す。
描画にあたり、第1描画ヘッド201は版5の幅方向における一方の端部から描画を開始し、第1紫外線蛍光灯70aと第2紫外線蛍光灯70bとが重なる領域すべてを描画して、描画を終了する。第3描画ヘッド203は版5の幅方向におけるもう一方の端部から描画を開始し、第3紫外線蛍光灯70cと第2紫外線蛍光灯70bとが重なる領域の途中で描画を終了する。第2描画ヘッド202は第2紫外線蛍光灯70bが単独で紫外線を照射する領域すべてを描画するとともに、第2紫外線蛍光灯70bと第3紫外線蛍光灯70cとが重なる領域の途中で描画を終了する。
これによって、この変形例に係る製版装置10b'では、第1〜第3描画ヘッド201〜203すべてが、紫外線の照射エネルギーの高い領域、すなわち、第1紫外線蛍光灯70aと第2紫外線蛍光灯70bとが重なる領域、第2紫外線蛍光灯70bと第3紫外線蛍光灯70cとが重なる領域で描画を終了する。その結果、製版用インクの硬化時間を短くできるので、製版に要する時間を短縮することができる。また、版5の幅が大きくなった場合でも、複数の紫外線照射手段を用いて紫外線の照射領域を複数に分割することにより、短い紫外線照射手段を用いることができる。これによって、版5の幅相当の長い紫外線照射手段を用いる必要はなく、既製品を組み合わせて使用できるので、製版装置10b'のコストを低減することができる。
以上、この実施形態及びその変形例では、所定の積算光量の光(例えば紫外線)が照射されることによって硬化する製版用インクを用い、かつ、描画手段である描画ヘッドの操作方向に対して光の照射エネルギーに分布を設けた光照射手段を備える。そして、描画ヘッドは、光の照射エネルギーが最も低い部分から描画を開始し、照射エネルギーの最も高い領域で描画を終了する。これによって、照射エネルギーが高い領域の方が照射エネルギーの低い領域よりも製版用インクの硬化に要する時間が短くなるので、かかる領域で描画を終了することによって、製版用インクの硬化に要する時間を短縮できる。その結果、製版に要する時間を短縮できる。特に、商業用印刷機械(例えば新聞の輪転機)においては、迅速な版の作製が求められる。かかる観点から、製版時間を短縮できるこの実施形態に係る製版装置及び印刷機械は好ましい。なお、実施形態3で開示した構成は、以下の実施形態でも適宜適用できる。また、実施形態3の構成を備えるものは、実施形態3と同様の作用、効果を奏する。
(実施形態4)
実施形態4は、版胴の周方向の一部にインク捕集手段を備え、このインク捕集手段に製版用インクを吐出することにより、吐出間隔が長くなるノズルの目詰まりを抑制する点に特徴がある。次の説明においては、描画手段である描画ヘッドを複数用いる場合を説明するが、描画ヘッドは1個でもよい。
図16−1は、実施形態4に係る製版装置の構成を示す説明図である。図16−2は、実施形態4に係る製版装置が備えるインク捕集手段の構成を示す正面図である。図16−3は、実施形態4に係る製版装置が備えるインク捕集手段の構成を示す斜視図である。この製版装置10cが備える版胴4は、版5を版胴4に取り付けるために版胴4に設けられる版端固定部4B内に、描画ヘッドから吐出される製版用インクDを捕集するインク捕集手段80を備える。
図16−1、図16−2に示すように、版胴4には、版5を取り付けるために用いる版端固定部4Bが設けられる。版端固定部4Bは、版胴4の回転軸Zと平行、すなわち、ヘッド走査方向Saと平行に形成される溝状の凹部である。図16−1に示すように、版端固定部4B内には、突起4Tと、爪4Kとが備えられている。突起4Tと爪4Kとに、版5の端部であって、ヘッド走査方向Saと直交する方向における端部(版胴4の回転軸Zと平行な端部)を引っ掛けて固定することにより、版5を版胴4に取り付ける。
版端固定部4B内、すなわち版5に干渉しないギャップには、インク捕集手段80が設けられている。図16−3に示すように、インク捕集手段80は、枠体82内にスポンジやウレタン等のインク吸収体81が取り付けられて構成されるインク捕集部を備える。インク捕集部のインク吸収体81は、描画ヘッド20から吐出された製版用インクを吸収する。枠体82には、インク吸引パイプ83が接続されており、インク吸収体81が捕集した製版用インクを吸引して、集合パイプ84に集める。集合パイプ84は、ポンプ85等のインク吸引手段に接続されており、ポンプ85によって吸引された製版用インクは、排インク溜め86に集められる。
描画中に版胴4が回転して、インク捕集手段80が描画ヘッド20のノズルと対向する位置にきたとき、描画ヘッド20から製版用インクDを吐出する。この製版用インクDの吐出は、画線像の形成とは関係ないものであり、専らノズルの目詰まりを抑制するために吐出される。これは、次の理由による。インクジェットにおいては、インクを吐出せずに放置しておくと、インク中が増粘したり、色材がノズルの先端に凝集したりする結果、ノズル先端におけるインクの物性が、ノズルから吐出可能な物性から外れる場合がある。このため、インクジェットでは、所定の期間インクを吐出しなかったノズルに対しては、強制的にインクを吐出させることにより、ノズル先端のインクを除去する。これによって、ノズル先端におけるインクの物性を、常にノズルから吐出可能な物性に維持する。なお、ノズルの目詰まり防止のため、描画とは関係なく製版用インクを吐出させることを、以下予備吐出という。
この実施形態に係る製版装置10cでは、インク捕集手段80が版5に干渉しない位置に設けられるので、予備吐出をする際には描画を中断する必要はなく、描画中に予備吐出をすることができる。このため、予備吐出をすることによって製版時間が長くなることはない。また、インク捕集手段80は、版5の幅方向にわたって設けられているので、ヘッド走査方向における描画ヘッド20の位置に依存しないで、どの位置にあっても予備吐出を行うことができる。これによって、描画中に予備吐出をより行いやすくなるとともに、予備吐出を制御する際の自由度が向上する。
予備吐出は、所定期間、1回も製版用インクが吐出されなかったノズルに対して行うことができる。所定期間は、例えば、版胴が1回転する期間とすることができる。所定期間、1回も製版用インクが吐出されないことは、例えば、各ノズルの描画データから判定することができる。また、描画ヘッド20と対向する位置にインク捕集手段80がきたときに、すべてのノズルから予備吐出を行ってもよい。このようにすれば、より確実にノズルの目詰まりを防止することができる。特に、画線率が0%の吐出しない領域が続くような版を描画する場合であっても、最低限1回転毎に1度は全ノズルから吐出できるので、描画落ちを引き起こすことはない。
以上、この実施形態では、版を版胴に取り付けるために用いる版端固定部にインク補修手段を設けて、版胴の回転中にノズルの目詰まり防止のために吐出する製版用インクを捕集する。これによって、ノズルの目詰まり防止のために製版用インクを吐出するために描画が中断されることはない。その結果、製版に要する時間を短縮でき、また、ノズルの目詰まりを抑制することができる。特に、商業用印刷機械(例えば新聞の輪転機)においては、迅速な版の作製が求められる。この実施形態に係る製版装置及び印刷機械は、製版時間を短縮でき、また、描画ヘッドの信頼性を向上させることができるため、前記商業用印刷機械に対して好ましい。なお、実施形態4の構成を備えるものは、実施形態4と同様の作用、効果を奏する。
以上のように、本発明に係る製版装置及び印刷機械は、インクジェット記録方式を用いた印刷用の版を製版することに有用であり、特に、製版に要する時間を短縮することに適している。
実施形態1に係る印刷機械を備える印刷システムを示す説明図である。 実施形態1に係る印刷機械及び製版装置の構成を示す斜視図である。 実施形態1に係る製版装置の駆動機構の構成を示す説明図である。 実施形態1に係る製版装置の駆動機構の構成を示す説明図である。 実施形態1に係る製版装置が備える描画ヘッドの構成を示す説明図である。 実施形態1に係る製版装置が備える描画ヘッドの構成を示す説明図である。 実施形態1に係る製版装置の動作を示す説明図である。 実施形態1に係る製版装置の動作を示す説明図である。 実施形態2に係る製版装置及びその描画動作を示す説明図である。 実施形態2に係る製版装置及びその描画動作を示す説明図である。 実施形態2に係る描画制御装置の構成を示す説明図である。 実施形態2に係る描画制御を含む製版の手順を示すフローチャートである。 実施形態2に係る描画制御における描画データの変換を示す説明図である。 描画ヘッドをホームポジションへ移動させる手順を示すフローチャートである。 描画ヘッドを描画開始位置へ移動させる手順を示すフローチャートである。 描画ヘッドの描画開始位置を示す説明図である。 描画ヘッドの描画開始位置を示す説明図である。 描画が終了した後、描画ヘッドにキャップするまでの手順を示すフローチャートである。 描画ヘッドの位置を演算するときに用いるデータを記述したテーブルを示す説明図である。 描画ヘッドの位置を演算するときに用いるデータを記述したテーブルを示す説明図である。 描画ヘッドの位置を演算するときに用いるデータを記述したテーブルを示す説明図である。 描画ヘッドの位置を演算するときに用いるデータを記述したテーブルを示す説明図である。 実施形態3に係る製版装置の構成を示す説明図である。 図15−1に示す製版装置を矢印A方向から見た状態を示す側面図である。 図15−2に示す製版装置の変形例を示す側面図である。 実施形態4に係る製版装置の構成を示す説明図である。 実施形態4に係る製版装置が備えるインク捕集手段の構成を示す正面図である。 実施形態4に係る製版装置が備えるインク捕集手段の構成を示す斜視図である。
符号の説明
1 印刷システム
2 印刷機械
3 紙
4 版胴
4B 版端固定部
5 版
10、10a、10b、10b'、10c 製版装置
11 案内部材
12 回転防止部材
20、20n 描画ヘッド
201 第1描画ヘッド
202 第2描画ヘッド
203 第3描画ヘッド
204 第4描画ヘッド
23 ノズル
30 キャップ装置
41 キャップ位置センサ
42 画像検出センサ
43 入力装置
50 描画制御装置
51 ヘッド選択部
52 ヘッド位置制御部
53 ヘッド移動量演算部
54 描画領域演算部
55 描画制御部
70a 第1紫外線蛍光灯
70b 第2紫外線蛍光灯
70c 第3紫外線蛍光灯
80 インク捕集手段
81 インク吸収体
82 枠体
83 インク吸引パイプ
84 集合パイプ
85 ポンプ

Claims (19)

  1. 製版用インクを吐出するノズルを有し、版が取り付けられる版胴の回転軸と平行な方向に移動しながら、前記ノズルから前記製版用インクを吐出して、前記版上に画線像を形成する複数の描画手段と、
    前記描画手段を支持するとともに、前記描画手段をその移動方向に案内する、前記描画手段の数よりも少ない数の案内部材と、
    を含むことを特徴とする製版装置。
  2. 複数の前記描画手段は、それぞれ独立して移動できることを特徴とする請求項1に記載の製版装置。
  3. 前記描画手段を覆う描画手段保護手段が設けられ、
    前記版に対する描画が終了した後は、前記描画手段が前記描画手段保護手段の位置まで移動するとともに、前記描画手段保護手段によって前記描画手段が保護されることを特徴とする請求項2に記載の製版装置。
  4. 複数の前記描画手段同士が前記描画手段保護手段により保護されるときの間隔は、描画中における複数の前記描画手段同士の間隔よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の製版装置。
  5. 複数の前記描画手段すべてが、同一の前記案内部材によって支持されて案内されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製版装置。
  6. 前記版は、前記回転軸の方向と平行な方向に対して複数の描画領域に分割されており、複数の前記描画手段は、それぞれ対応する前記描画領域を描画することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製版装置。
  7. 分割された前記版の描画領域よりも多くの前記描画手段を備えて、余剰の前記描画手段は予備の描画手段とし、前記予備の描画手段以外の描画手段を用いて前記版に描画し、
    前記版に描画している前記描画手段に不具合が発生した場合には、不具合が発生した前記描画手段の代わりに前記予備の描画手段を用いて描画することを特徴とする請求項6に記載の製版装置。
  8. 前記版に描画している前記描画手段に不具合が発生した場合には、不具合が発生した前記描画手段による描画を停止するとともに、
    不具合が発生した前記描画手段は、正常に動作する前記描画手段と所定の間隔を保って、正常に動作する前記描画手段とともに移動することを特徴とする請求項7に記載の製版装置。
  9. 前記版に吐出された前記製版用インクに光を照射することによって前記製版用インクを硬化させ、かつ前記描画手段の移動方向に対して前記光の照射エネルギーに分布を設けた光照射手段を備え、
    前記描画手段は、前記光の照射エネルギーの最も高い領域よりも先に照射エネルギーが最も低い領域で描画を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の製版装置。
  10. 前記描画手段の移動方向における前記版の両側の領域における照射エネルギーが最も低く、かつ、前記描画手段の移動方向における前記版の中央領域における照射エネルギーが最も高くなる照射エネルギー分布であるとともに、
    2個の前記描画手段を前記版の両側の領域に配置して、前記前記版の両側の領域から描画を開始し、前記版の中央領域で描画を終了することを特徴とする請求項9に記載の製版装置。
  11. 前記描画手段の移動方向と直交する方向における前記版の端部を固定して前記版を前記版胴に取り付ける版端固定部に、前記描画手段から吐出される前記製版用インクを捕集するインク捕集手段を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の製版装置。
  12. 前記インク捕集手段は、前記インク捕集手段に吐出された前記製版用インクを吸引して排出するインク吸引手段を備えることを特徴とする請求項11に記載の製版装置。
  13. 前記描画手段が備える、製版用インク吐出を吐出するノズルのうち、少なくとも、所定の期間前記製版用インクを吐出していないノズルから、前記インク捕集手段に対して前記製版用インクを吐出することを特徴とする請求項11又は12に記載の製版装置。
  14. 版が取り付けられる版胴の回転軸と平行な方向に移動しながら製版用インクを吐出して、前記版上に画線像を形成する描画手段と、
    前記版に吐出された前記製版用インクに光を照射することによって前記製版用インクを硬化させ、かつ前記描画手段の移動方向に対して前記光の照射エネルギーに分布が設けられる光照射手段を備え、
    前記描画手段は、前記光の照射エネルギーの最も高い領域よりも先に照射エネルギーが最も低い領域で描画を行うことを特徴とする製版装置。
  15. 前記描画手段の移動方向における前記版の両側の領域における照射エネルギーが最も低く、かつ、前記描画手段の移動方向における前記版の中央領域における照射エネルギーが最も高くなる照射エネルギー分布であるとともに、
    2個の前記描画手段を前記版の両側の領域に配置して、前記前記版の両側の領域から描画を開始し、前記版の中央領域で描画を終了することを特徴とする請求項14に記載の製版装置。
  16. 版が取り付けられる版胴の回転軸と平行な方向に移動しながら製版用インクを吐出して、前記版上に画線像を形成する描画手段と、
    前記描画手段の移動方向と直交する方向における前記版の端部を固定して前記版を前記版胴に取り付ける版端固定部に、前記描画手段から吐出される前記製版用インクを捕集するインク捕集手段を備えることを特徴とする製版装置。
  17. 前記インク捕集手段は、前記インク捕集手段に吐出された前記製版用インクを吸引して排出するインク吸引手段を備えることを特徴とする請求項16に記載の製版装置。
  18. 前記描画手段が備える、製版用インク吐出を吐出するノズルのうち、少なくとも、所定の期間前記製版用インクを吐出していないノズルから、前記インク捕集手段に対して前記製版用インクを吐出することを特徴とする請求項16又は17に記載の製版装置。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の製版装置を備え、印刷前には前記製版装置によって製版することを特徴とする印刷機械。
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