JP2007098577A - インク吸収体およびこれを用いたインクジェット記録用被記録媒体 - Google Patents

インク吸収体およびこれを用いたインクジェット記録用被記録媒体 Download PDF

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和香 長谷川
Shunichiro Nishida
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Yasuhiro Naito
泰裕 内藤
Naotoshi Miyamachi
尚利 宮町
Toshiya Yuasa
俊哉 湯浅
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Abstract

【課題】インクジェット記録用被記録媒体に要求される諸特性を満足し、特にブリードが少なく、かつ発色性に優れ、さらには耐光性、耐ガス性に優れたインク吸収体、およびこれを用いた被記録媒体を提供する。
【解決手段】バクテリアセルロースを含有し、細孔径2nm〜1μmの範囲における細孔容積が0.15ml/g以上であることを特徴とするインク吸収体、およびこれを用いたインクジェット記録用被記録媒体。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録法に用いられるインク吸収体、およびこれを用いた被記録媒体に関し、特にインクのブリードが少なく、かつインクの発色性に優れ、さらには耐光性、耐ガス性に優れたインク吸収体、およびこれを用いた被記録媒体に関する。
インクジェット記録法は、種々の作動原理により記録液の小滴を発生させ、これを飛翔させて紙などの被記録媒体に付着させて記録を行うものであるが、騒音の発生が少なく、高速印字、多色印字の行える記録法として注目されている。
このインクジェット記録法に使用される被記録媒体としては、従来通常の紙が一般的に使用されてきた。しかし、記録の高速化あるいは多色化など、インクジェット記録機の性能の向上に伴い、インクジェット記録用の被記録媒体に対しても、より高度な特性が要求されつつある。すなわち、高解像度、高品質の記録画質を得るためのインクジェット記録用被記録媒体としては、
1)インクの吸収が速やかであること、
2)インクドットが重なった際に、後で付着したインクが前のドットに流れ出さないこと、
3)インクドットの径が必要以上に大きくならないこと、
4)インクドットの形状が真円に近く、またその周辺が滑らかであること、
5)インクドットの濃度が高く、ドット周辺がぼけないこと、等の要求性能を満たすものであることが必要とされる。
更に、多色インクジェット記録方式によりカラー写真に匹敵する程度の記録画質を得るには、上記の要求性能に加え、
6)白色度が高いこと、
7)インクの着色成分の発色性が優れたものであること、
8)インクの色の数と同数のインク小液滴が、同一箇所に重ねて付着することがあるのでインク吸収性が特に優れていること、等の性能が加重して要求される。
これらに加え、印字後の画像保存性(耐光性、および耐ガス性)に優れていることも重要な要求特性である。
従来からインクジェット記録用被記録媒体に要求される多様な特性を満たすために様々な検討が行われている。特許文献1には基紙上に非膠質シリカ粉末、高分子結着剤を含む被覆層を設けたインクジェット記録用被記録媒体が開示されている。しかしながら、引用文献1に記載のインクジェット記録用被記録媒体は、インクの吸収は速やかであるが、十分な画像濃度、画像保存性が得られるものではなかった。
また、ごく最近になって、インク受理層の少なくとも一層中に、バクテリアセルロースを含有させることによって、インク受理層のインク吸収性を低下させることなく、印字濃度や画像の鮮明性を高めることが提案されている(特許文献2)。
特開昭55−51583号公報 特開平10−291360号公報
しかしながら、バクテリアセルロースのミクロフィブリルは大きな表面積と高い水素結合形成能力を有する。このため、特許文献2の方法で得られるインクジェット記録用被記録媒体では、インク受理層形成時のバクテリアセルロース間等の強力な水素結合形成能力を抑制しきれなかった。その結果、バクテリアセルロース等が水素結合により緊密に結合し、インク受理層の細孔容積が著しく小さくなっていた。このため、インク受理層は十分なインク吸収性を得ることができず、発色性などの諸特性を得ることが困難であった。
従って、本発明の目的は、上記課題を解決することであり前記のような諸要求を満足し、特にインク吸収性が良好で、ブリードが少なく、かつ発色性に優れたインクジェット記録用被記録媒体を提供することにある。さらには耐光性、耐ガス性に優れたインク吸収体、およびこれを用いたインクジェット記録用被記録媒体を提供することにある。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、特定の構成を有するインク吸収体であれば、ブリードが少なく、高い発色性を有し、さらには耐光性、耐ガス性に優れたインク吸収体とできることを見出した。すなわち、本発明は、バクテリアセルロースを含有し、細孔径2nm〜1μmの範囲における細孔容積が0.15ml/g以上であることを特徴とするインク吸収体である。
また、インク吸収体を基材の少なくとも一方の面上に形成することにより、ブリードが少なく、高い発色性を有し、さらには耐光性、耐ガス性に優れたインクジェット記録用被記録媒体が得られることを見出した。
これは、上記のようにバクテリアセルロースの構造を制御した場合、微細多孔質体としてのバクテリアセルロースの機能が最も効果的に発揮され、優れたインク吸収性を示すためである。また、色素がごく表層に保持されるため、優れた発色性を示すことに起因している。さらに、シリカやアルミナなどの無機金属酸化物と異なり、セルロースは光やガスによる退色を促進する機能はないため、画像保存性も優れている。
本発明のインク吸収体およびこれを用いたインクジェット記録用被記録媒体により、高性能のインクジェット用紙、特にフルカラーのインクジェット記録に適した記録用紙が得られる。すなわち、インク吸収性が良好で、ブリードが少なく、かつ発色性に優れ、さらには耐光性、耐ガス性に優れたインクジェット記録用被記録媒体が得られる。
本発明のインクジェット記録用被記録媒体は、専用コート紙のように表面形状や物理特性について大きな変更を伴わないため、電子写真記録用のトナー転写紙及びインクジェット記録用紙の双方に適用可能である。
本発明に用いられるバクテリアセルロースは、一般的には直径1〜20nm、長さ10nm〜1μmのリボン状のミクロフィブリルからなるセルロース及びセルロースを主鎖としたヘテロ多糖を含むもの並びにβ−1,3,β−1,2等のグルカンを含むものである。微生物培養により得られるものはゲル状である。本発明のバクテリアセルロースとは、微生物により生産された、セルロース、セルロースを主鎖としたヘテロ多糖、β−1,3、β−1,2等のグルカン、のいずれか或はそれらの混合物である。なお、ヘテロ多糖の場合のセルロース以外の構成成分は、マンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸等の6炭糖、5炭糖及び有機酸等である。
バクテリアセルロースを生産する微生物としてはとくに限定されないが、Acetobacter属、agrobacterium属、rhizobium属などの細菌を挙げることができる。例えば、アセトバクター・アセチ・サブスピーシス・キシリナム(Acetobactor acetisubsp xylinum) ATCC 10821或は同パストウリアン(A.pasteurium)、同ランセンス(A.rancens)、サルシナ・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・キシロイデス(Bacterium xyloides)などのバクテリアセルロースを生産する微生物を利用することができる。本発明のバクテリアセルロースはこれらの微生物によって生産されたものを混合したものであっても良い。
なお、微生物の培養方法としては、公知の静置培養で作られたものの他に、例えば特開昭62−175190号公報、特公平5−68235号公報などに記載された公知の通気攪拌培養で作られたものなどを使用することができる。
静置培養で得られるバクテリアセルロースは、膜状のゲルであるため、離解した後、好ましくは十分離解した後、インク吸収体形成用の塗液中に添加する。又、通気攪拌培養で得られるバクテリアセルロースは、粒子状のゲルであるため、軽度の離解処理後、静置培養と同様、好ましくは十分離解した後、インク吸収体形成用の塗液中に添加することができる。バクテリアセルロースの離解には、回転式の離解機、ミキサー、ホモジナイザー、ビーター、リファイナーなどの、機械的剪断力を作用させる装置や超音波分散機を用いることができる。
また、本発明のインク吸収体は細孔径2nm〜1μmの範囲における細孔容積が0.15ml/g以上である必要がある。インク成分(顔料、染料等)の大きさから見てインク吸収体では細孔径が2nm〜1μmの範囲の細孔が、最もインクの吸収性並びにブリード、発色性、耐光性及び耐ガス性などの諸特性に影響する。
そこで、細孔径が2nm〜1μmの範囲における細孔容積が0.15ml/g以上であると、インクがインク吸収体の細孔内部まで良好に浸透し、インク吸収体は優れたインク吸収性を有することができる。一方、細孔容積が0.15ml/g未満であると、インクがインク吸収体に良好に吸収されずブリード及び発色性などが大幅に低下する。
本発明のインク吸収体は、バクテリアセルロースを20℃における表面張力が25mN/m以下の有機溶媒及び水を含む溶媒に分散し(以下、塗布液)、加熱・乾燥させることにより得ることが好ましい。なお、溶媒の表面張力の測定には、協和界面科学株式会社製 自動表面張力計 CBVP−A3型を用いた。表面張力は、この測定装置を用いて幅23.85mm、厚さ0.15mmの20mm白金プレートを使用した静的表面張力の測定方法により測定することができる。
該塗布液中のバクテリアセルロース含有量は1wt%以下が好ましく、0.5wt%以下であることがより好ましく、0.1〜0.4wt%であることが更に好ましい。塗布液のバクテリアセルロース含有量がこれらの範囲内にあることによって、インク吸収体を良好な細孔構造とすることができ、優れたインク吸収性を発現させることができる。
20℃における表面張力が25mN/m以下の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤を用いることができる。これらの有機溶媒は単独で又は2種以上を用いることもできる。
また、塗布液中の有機溶媒と水の含有比率は、有機溶媒と水の混合溶液の共沸点における含有比率よりも有機溶媒の含有比率が大きくなる組成であるのが好ましい。例えば、塗布液中にエタノールと水を含む場合、この「有機溶媒と水の混合溶液の共沸点における含有比率よりも有機溶媒の含有比率が大きくなる組成」とは、エタノール含有率が96質量%を越える組成である。更に、塗布液は有機溶媒と水の混合溶液の共沸点よりも高い温度で加熱することが好ましい。
このような条件で加熱乾燥することにより、バクテリアセルロースは最終的に表面張力の低い有機溶媒中で乾燥される。
本発明において用いるバクテリアセルロースは、比表面積が高くフィブリル化されている。このため、単にバクテリアセルロースを含む塗布液を塗布後に加熱・乾燥させて製造したインク吸収体では、バクテリアセルロース間やバクテリアセルロースと他の材料間で多数の水素結合が形成され細孔容積が著しく小さくなる。この結果、塗液中の顔料等をインク吸収体中へ効果的に浸透・吸収できず、十分なインク吸収性、発色性を得ることが困難となる。
これに対して、本発明のインク吸収体は例えば、上記のように表面張力の低い塗布液を乾燥させて製造している。そのため、単にバクテリアセルロースを含む塗布液を乾燥させた場合と比べて、バクテリアセルロース間やバクテリアセルロースと他の材料間に水素結合が形成されにくくなる。この結果、多孔質性の高い膜が得られる。
本発明のインク吸収体は、その特性を著しく阻害しない範囲で、バインダーを含有することができる。バインダーとしては、ポリビニルアルコール、SBRラテックス、NBRラテックス、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、およびこれらの変性物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのバインダーは単独で又は複数を組み合わせて使用することもできる。
また、バインダー以外にも、酸化防止剤、防腐剤、増粘剤、レベリング剤、消泡抑泡剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料などの各種添加剤を配合することもできる。
本発明のインクジェット記録用被記録媒体は、インク吸収用体を基材の少なくとも一方の面上に形成することにより得られる。
該インクジェット記録用被記録媒体は、例えば該塗布液を基材の上に塗布し、加熱・乾燥することにより得られる。または、該塗布液を型に塗布し、加熱・乾燥した後、基材の上に転写することによっても得られる。
インク吸収体を基材、もしくは型の上に形成する場合、乾燥後の塗布量は好ましくは0.05〜30g/m2、より好ましくは0.2〜10g/m2である。0.05g/m2未満であると、インク吸収性に対して十分な効果を発揮することができない場合がある。また、30g/m2を越えるとインク吸収能などの効果の向上が期待できないにも関わらず、塗布量が多くなってしまいコスト高となる場合がある。
塗布液を基材、もしくは型の上に塗布する方法は特に限定されず、公知の方法、例えば、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法等を使用することができる。その後、必要に応じて、例えば、熱風乾燥炉、熱ドラム等を用いて乾燥する。更に、インク吸収体の表面を平滑化する為、或いはインク吸収体の表面強度を上げる為に、カレンダー処理を施してもよい。
塗布液を型に塗布し、乾燥した後、基材の上に転写する場合に使用する型としては、以下のような様々なものを利用できる。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックフィルムや、紙の表面に樹脂フィルムを貼合したもの、溶融樹脂によって加工したいわゆるラミネート紙、または金属など
これらの型は、表面に、金属ブラシ、サンドペーパーなどで磨くなどの機械的処理、化学薬品を塗布するなどの化学的処理、またはコロナ放電処理などを施してあっても構わない。また、メラミン樹脂やシリコーン樹脂などで離型処理を施した紙を型として用いることもできる。
塗布液を型に塗布し、乾燥した後、基材の上に転写する場合、必要に応じてその転写面に接着性を持つ層を設けることができる。該接着性をもつ層の主要成分としては、以下のものを単独、あるいは併用して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、等一般に塗被紙用として用いられている従来公知の接着剤。
基材に接着性をもつ層を設ける場合、その乾燥後の塗布量は0.1〜20g/m2であることが好ましい。
接着性をもつ層は、接着剤の他にも、その特性を著しく阻害しない範囲で、酸化防止剤、防腐剤、増粘剤、レベリング剤、消泡抑泡剤、蛍光増白剤、着色染料、着色顔料などの各種添加剤を配合することもできる。
基材に接着性をもつ層を設ける方法は特に限定されず、公知の方法、例えば、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、サイズプレス法等により基材表面に塗工することができる。その後、必要に応じて、例えば、熱風乾燥炉、熱ドラム等を用いて乾燥する。更に、表面を平滑化する為、カレンダー処理を施してもよい。
型に塗工したインク吸収体と基材を接着する場合、その接着方法としてはラミネート法が有効である。ラミネート法の場合、インク吸収体と基材が対面するように貼合わせて圧着した後、型を剥することによりインクジェット記録用被記録媒体が得られる。この場合、0.1kg/cm〜500kg/cmの圧力をかけることができる。圧力が0.1kg/cm未満の場合、密着が良好に行われない場合がある。また、500kg/cmを越える圧力をかけると、基材の強度が著しく低下するとともに、基材の空隙が潰れ、インク吸収性が低下する場合がある。
ドライラミネート法において、基材表面に接着性をもつ層を設けた場合は、その接着剤のガラス転移温度以上、かつ200℃以下で接着工程を行うことが好ましい。200℃を越える温度で接着を行った場合、紙や型の変質、およびカールの問題が発生するため、適切ではない。
ウエットラミネート法においては、型上のインク吸収体および基材の少なくとも一方に塗布した接着剤が乾燥する前に接着工程を行っても良いし、型上のインク吸収体および基材の少なくとも一方の表面を再度湿潤させた後に接着工程を行ってもよい。
本発明のインクジェット記録用被記録媒体を構成する基材としては、以下のものを使用することができる。
上質紙、中質紙、アート紙、ボンド紙、再生紙、バライタ紙、キャストコート紙、ダンボール紙などの紙や、ポリエチレンテレフタレート、ジアセテート、トリアセテート、セロハン、セルロイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリビニルクロライド、ポリビニルデンクロライド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックからなるフィルムもしくは板、ガラス板、あるいは木綿、レーヨン、アクリル、ナイロン、絹、ポリエステルなどの布。
インクジェット記録用被記録媒体の記録目的、記録画像の用途、その上部に被覆されるインク吸収体との密着性などの諸条件に応じて上記基材の中から適宜選択される。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1、2)
バクテリアセルロースのゲルを以下の方法で調製した。
以下の組成の培地(pH5.0)50mlを容量200mlの三角フラスコに張り込み、120℃で20分間蒸気滅菌し、培養液を作成した。
サッカロース5g/dl、酵母エキス0.5g/dl、硫酸アンモニウム0.5g/dl、リン酸二水素カリウム0.3g/dl、硫酸マグネシウム0.05g/dl。
ついで、この培養液に、以下の組成の試験管斜面培地(pH6.0)で30℃、3日間生育させたアセトバクター・パストリアヌスATCC10821を1白金耳ずつ接種し、30℃で培養した。
酵母エキス0.5g/dl、ペプトン0.3g/dl、マンニトール2.5g/dl。
上記の条件で30日間培養したところ、培養液の上層に白色のバクテリアセルロースのゲルが形成された。
上記バクテリアセルロースのゲルを、ホモジナイザーを用いて約20000rpmで約30分間、超高速回転することにより、バクテリアセルロースを粉砕した。この微粉砕バクテリアセルロースを遠心脱水機により脱水し、10wt%水分散体とした。
表1に示した各塗布液を作成し、アプリケーターを用いて乾燥後の重量が0.5g/m2となるように坪量157g/m2の紙(ステキヒトサイズ度 300秒)(基材)に塗布した。これを110℃の乾燥機内で乾燥させ、インクジェット記録用被記録媒体を得た。
(実施例3)
実施例1で用いた塗布液を、アプリケーターを用いて乾燥後の重量が0.5g/m2となるように厚さ125μmのPETフィルムに塗布した。これを110℃の乾燥機内で10分間乾燥させ、インク吸収体を得た。
次に、ケン化度88%のポリビニルアルコール(商品名:SMR−10H、信越化学工業製)30wt%水溶液を調整した。これを、坪量157g/m2の紙(ステキヒトサイズ度 300秒)(基材)の表面に、バーコーターを用いて、乾燥後の重量が10g/m2となるように塗工し、110℃の恒温槽中で乾燥した。
PETフィルム上のバクテリアセルロース層と、紙上のポリビニルアルコール塗工面とを密着させ、150℃においてラミネート法で接着した。この場合の圧力は0.3kg/cmで行った。その後PETフィルムを剥離すると、インク吸収体は完全に紙に移行し、インクジェット記録用被記録媒体を得た。
Figure 2007098577
各実施例により得られたインク吸収体の細孔容積は、細孔径が2nm〜1μmの範囲内にピークを持ち、細孔径が2nm〜1μmの範囲における細孔容積は表2のとおりであった。
また、いずれの場合においても、該インク吸収体を紙の表面に形成することにより得られたインクジェット記録用被記録媒体の細孔容積分布曲線では、インク吸収体に由来する細孔径が2nm〜1μmの範囲内のピーク以外に、紙に由来する細孔径1μm以上の範囲にピークが見られた。
なお、「細孔容積分布曲線」とは、以下のような曲線である。まず、マイクロメリテックス製 9420型を用い、PETフィルム、およびインク吸収体をPETフィルムに0.2g/m2の厚さで塗布したものをそれぞれ測定用のセルに入れて50μmHgに減圧する。次に、水銀を注入する水銀注入法によって細孔径および細孔容積を測定し、PETフィルムとインク吸収体とを合わせた測定値から、PETフィルムのみの測定値を差し引く。得られた結果に基づいて細孔径に対する各細孔径の細孔容積をプロットした曲線(細孔径を横軸、細孔容積を縦軸とした曲線)を細孔容積分布曲線とする。また、細孔径2nm〜1μmの範囲の各細孔径に対する細孔容積の総和を「細孔径2nm〜1μmの範囲における細孔容積」とした。
Figure 2007098577
(比較例1)
実施例1と同様に、前記バクテリアセルロースのゲルを、ホモジナイザーを用いて約20000rpmで約30分間、超高速回転することにより、バクテリアセルロースを粉砕した。この微粉砕バクテリアセルロースを遠心脱水機により脱水し、10wt%水分散体とした。
次に、表3に示した塗布液を作成し、アプリケーターを用いて乾燥後の重量が0.5g/m2となるように坪量157g/m2の紙(ステキヒトサイズ度 300秒)に塗布した。これを110℃の乾燥機内で10分間乾燥させ、インクジェット記録用被記録媒体を得た。
(比較例2)
インクジェット記録用被記録媒体として、シリカをインク吸収体の主成分とする市販のインクジェット用紙(スーパーファイン専用紙、セイコーエプソン(株)製
)を用いた。
Figure 2007098577
比較例1により得られたインク吸収体の、細孔径が2nm〜1μmの範囲における細孔容積は0.101ml/gであった。また、比較例2のインクジェット記録用被記録媒体の細孔径が2nm〜1μmの範囲における細孔容積は0.301ml/gであった。
実施例1〜2並びに比較例1及び2より得られたインクジェット記録用被記録媒体について、インクジェットプリンター(BJ F−870、キヤノン(株)製)を使用して、フルカラー印刷をした。印刷後のサンプルについて、ブリードと発色性の評価を行った。
ブリードの評価は、各インクジェット記録用被記録媒体にドットを印字した場合のドットの面積を、キヤノンのプロフェッショナルフォトペーパー PR−101に印字した場合のドットの面積の比(ブリード比)として評価した。
また、発色性は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)のベタ印字部のO.Dにより評価した。結果を表4に示す。なお、O.D測定にはX−Rite社製 310TRを用いた。
また、耐光性については、この印刷部分にキセノンテスタにより、波長300nm〜800nmの波長範囲の放射光(765W/m2)を20時間連続的に照射した後の光学濃度(O.D)の残存率により評価した。キセノンテスタとしては島津製作所製サンテスタXF−180CPS(反射コーティング付き石英ガラスと特殊UVガラスフィルタ使用)を用いた。また、O.Dの残存率は、以下の式から求めた。
放射光を照射後のO.D/放射光を照射前のO.D×100
耐ガス性については、オゾン暴露試験機(スガ試験機社製)に入れて、40℃、55%RHの条件下で濃度3ppmのオゾンに2時間暴露した後のO.D測定の残存率(オゾンに暴露後のO.D/オゾンに暴露前のO.D×100)により評価した。結果を表5に示す。
Figure 2007098577
表4から明らかなように、バクテリアセルロースを含有し、細孔径が2nm〜1μmの範囲における細孔容積が0.15ml/g以上であるインク吸収体は、細孔容積が0.15ml/g未満であるインク吸収体よりもブリードが少なく、発色性も高い。
Figure 2007098577
表5から明らかなように、バクテリアセルロースを含有し、細孔径が2nm〜1μmの範囲における細孔容積が0.15ml/g以上であるインク吸収体は、シリカを主成分とするインク吸収体よりも耐光性、耐ガス性に優れている。

Claims (4)

  1. バクテリアセルロースを含有し、細孔径2nm〜1μmの範囲における細孔容積が0.15ml/g以上であることを特徴とするインク吸収体。
  2. バクテリアセルロースと、20℃における表面張力が25mN/m以下の有機溶媒と、水とを含有する塗布液であって、
    前記有機溶媒と水の混合物の共沸点における含有比率よりも水に対する有機溶媒の含有比率が高い塗布液を、前記共沸点よりも高い温度で加熱することにより得られたことを特徴とする、請求項1に記載のインク吸収体。
  3. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面上に請求項1又は2に記載のインク吸収体を有することを特徴とするインクジェット記録用被記録媒体。
  4. 水銀ポロシメータにより求めた細孔径に対する細孔容積分布が、請求項1又は2に記載のインク吸収体に由来する細孔径2nm〜1μmの範囲と、基材に由来する1μm以上の範囲にそれぞれピークを有することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録用被記録媒体。




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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016222578A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 アルコール含有組成物

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