JP2004249573A - コーティング液およびそれを用いた記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】インク吸収性、ドット再現性、発色性に優れたインク受容層を有するインクジェット用被記録材を提供すること。またインク受容層形成用に使用するコーティング液を提供すること。
【解決手段】バクテリアセルロースと界面活性剤を含有することを特徴とするコーティング液。基材と少なくとも1層のインク受容層とを有する記録媒体において、該インク受容層がバクテリアセルロースと界面活性剤を含有することを特徴とする被記録媒体。
【選択図】 図1
【解決手段】バクテリアセルロースと界面活性剤を含有することを特徴とするコーティング液。基材と少なくとも1層のインク受容層とを有する記録媒体において、該インク受容層がバクテリアセルロースと界面活性剤を含有することを特徴とする被記録媒体。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方法による記録等に好適な記録媒体を得るためのコーティング液、および被記録材(記録用紙)に関し、特にインクの吸収性が高く、かつインクの発色性に優れた被記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録液を使用して記録を行う方式は、例えば万年筆による筆記など古くから一般的なものであるが、最近では、いわゆるインクジェット記録方式も出現し、ここでも記録液が使用されている。
【0003】
インクジェット記録法は、種々の作動原理により記録液の小滴を発生させ、これを飛翔させて紙などの被記録材に付着させて記録を行うものであるが、騒音の発生が少なく、高速印字、多色印字の行える記録法として注目されている。インクジェット記録用の記録液としては、安全性、印刷適性の面から主に水系のものが使用されている。
【0004】
このインクジェット記録法に使用される被記録材としては、従来通常の紙が一般的に使用されてきた。しかし、記録の高速化あるいは多色化など、インクジェット記録機の性能の向上に伴い、インクジェット記録用の被記録材に対しても、より高度な特性が要求されつつある。すなわち、高解像度、高品質の記録画質を得るためのインクジェット記録用被記録材としては、
1)インクの吸収が可及的速やかであること、
2)インクドットが重なった際に、後で付着したインクが前のドットに流れ出さないこと、
3)インクドットの径が必要以上に大きくならないこと、
4)インクドットの形状が真円に近く、またその周辺が滑らかであること、
5)インクドットの濃度が高く、ドット周辺がぼけないこと、
等の要求性能を満たすものであることが必要とされる。
【0005】
更に、多色インクジェット記録方式によりカラー写真に匹敵する程度の記録画質を得るには、上記の要求性能に加え、
6)白色度が高いこと、
7)インクの着色成分の発色性が優れたものであること、
8)インクの色の数と同数のインク小液滴が、同一箇所に重ねて付着することがあるのでインク吸収性が特に優れていること、
等の性能が加重して要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの要求性能を全て満たした被記録材は未だ見当たらないのが実状である。例えば、特開昭52−74304号公報に記載のインクジェット記録用紙は、インクの吸収は速やかであるが、ドット径が大きくなりやすく、ドットの周辺がぼけやすいし、また記録後の紙の寸法変化が大きいという欠点を有している。
【0007】
インク吸収性が得られ、ドット再現性を改善する方法として近年、バクテリアセルロースを添加したインク受容層を有する被記録材の提案がされている。
【0008】
例えば、インク吸収性とドット再現性を向上させる方法として、特開平5−9895にバクテリアセルロースをカルボキシメチルセルロースを用いて分散させ、乾燥させることにより製造した塗工紙が、また特開平10−291360に無機顔料と接着剤に加えてバクテリアセルロースを添加したインクジェット記録シートが開示されている。
【0009】
前者はこの塗工紙をインクジェット記録に用いた場合、バクテリアセルロースの分散性が良好であるため、良好なドット再現性を得られが、分散のために用いているカルボキシメチルセルロースにより発色性が満足に得られないという問題があった。またインク吸収性は向上するが、充分な吸収は得られていない。
【0010】
また後者はドット再現性とインク吸収は高くできる。ただしインク吸収性は主に無機顔料により行われ、バクテリアセルロースを主成分とする多孔質でのインク吸収性向上を目的とする本発明とは異なる機構に基づく。
【0011】
更にインク吸収性と発色性を向上させる方法として、特開2001−226898にバクテリアセルロースおよび/または木材由来のセルロースとカチオンポリマーを含有する表面サイズ剤を塗布した記録用紙が開示されている。
【0012】
この記録用紙は、発色性は良好であるが、バクテリアセルロースとカチオンポリマーを混合しただけでは分散が良好ではなく、ドット再現性は必ずしも満足な特性が得られなかった。またカチオンポリマーを添加したことによりインク吸収性も向上するが、充分ではなかった。またバクテリアセルロースにカチオンポリマーを結合できれば分散性が良好になりドット再現性の向上は期待できるが、充分なインク吸収性を得られるほどではないという問題があった。
【0013】
以上のように、インク吸収性とドット再現性を得る目的でバクテリアセルロースを利用した被記録材が開示されているが、インク吸収性とドット再現性と発色性を両立できていないのが現状である。
【0014】
本発明の目的は、バクテリアセルロースを用いることにより特にドット再現性に優れ、インク吸収性が高く、かつ発色性に優れたフルカラーのインクジェット記録用被記録材を提供することにある。また目的とする被記録材を得る目的で使用されるコーティング液を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録用被記録材は、基材と少なくとも1層のインク受容層とを有する記録媒体において、該インク受容層がバクテリアセルロースと界面活性剤を含有する記録媒体である。
【0016】
更に本発明のインクジェット記録用被記録材は、該界面活性剤の0.01wt.%水溶液の表面張力が50mN/m以下である被記録媒体である。
【0017】
更に本発明のインクジェット記録用被記録材は、該界面活性剤のうち少なくとも1つが、F原子を含有する記録媒体である。
【0018】
本発明者らはバクテリアセルロースを添加したインク受容層において、インク吸収性が得られ、ドット再現性と発色性を改善する目的で鋭意検討した結果、バクテリアセルロースに加えて、界面活性剤を添加することにより、インク吸収性を改善できることを見出し発明に至った。
【0019】
更に0.01wt.%水溶液の表面張力が50mN/m以下の界面活性剤を添加することにより、インク吸収性が更に向上することを見出し発明に至った。
【0020】
通常インク受容層にバクテリアセルロースを添加するのみでは充分なインク吸収性を得られない。この理由は定かではないが、インク受容層用の塗工液を塗布後、乾燥する過程でバクテリアセルロース繊維同士もしくは分散粒子同士が密に凝集し、水素結合を形成することにより、インク吸収に必要な細孔が減少してしまうことが考えられる。本発明は更に界面活性剤を添加することにより、表面張力を低下させ、乾燥時の凝集を防止する効果があると考えられる。
【0021】
またセルロースのインクに対する親和性を高めることでインク吸収性を向上できたと考えられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の被記録材の支持体としては、紙を使用するのが適当であるが、布、樹脂フィルムあるいは合成紙等も使用することができる。
【0023】
バクテリアセルロースは、一般的には厚さ1〜20nm、幅10nm〜1μmのリボン状のミクロフィブリルからなっている。微生物培養により得られるものはゲル状であり、その含水率は95%(w/v)以上である。
【0024】
バクテリアセルロースはセルロース及びセルロースを主鎖としたヘテロ多糖を含むもの及びβ−1,3,β−1,2等のグルカンを含むものである。ヘテロ多糖の場合のセルロース以外の構成成分はマンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸等の六炭糖、五炭糖及び有機酸等である。なお、これらの多糖が単一物質である場合もあるし、2種以上の多糖が水素結合等により混在していてもよい。
【0025】
バクテリアセルロースは上記のようなものであればいかなるものであっても使用可能である。
【0026】
このようなバクテリアセルロースを産生する微生物は特に限定されないが、アセトバクター・アセチ・サブスピーシス・キシリナム(Acetobacteraceti subsp/xylinum)ATCC 10821あるいは同パストウリアヌス(A・pasteurianus)、同ランセンス(A・rancens)、サルシナ・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・キシロイデス(Bacterium xyloides)、シュードモナス属細菌、アグロバクテリウム属細菌等でバクテリアセルロースを産生するものを利用することができる。
【0027】
これらの微生物を培養してバクテリアセルロースを生成蓄積させる方法は、一般的な培養方法に従えばよい。すなわち、炭素源、窒素源、無機塩類、その他必要に応じてアミノ酸、ビタミン等の有機微量栄養素を含有する通常の栄養培地に微生物を接種し、静置又はゆるやかに通気攪拌を行なう。炭素源としては、グルコース、シュクロース、マルトース、澱粉加水分解物、糖密等が利用されるが、エタノール、酢酸、クエン酸等も単独あるいは上記の糖と併用して利用することができる。窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、硝酸塩、尿素、ペプトン等の有機あるいは無機の窒素源が利用される。無機塩類としては、リン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩等が利用される。有機微量栄養素としては、アミノ酸、ビタミン、脂肪酸、核酸、さらにはこれらの栄養素を含むペプトン、カザミノ酸、酵母エキス、大豆蛋白加水分解物等が利用され、生育にアミノ酸等を要求する栄養要求性変異株を用いる場合には要求される栄養素をさらに補添する必要がある。
【0028】
培養条件も常法でよく、pHを5ないし9そして温度を20ないし37℃に制御しつつ1ないし30日間、静置培養あるいは通気攪拌培養する。静置培養の場合は、培養表層にバクテリアセルロースがマット状あるいはゲル状に蓄積される。一方、通気攪拌培養の場合は、バクテリアセルロースは種々の大きさの塊状物の形で培養液に分散して生産される。ここで得られるバクテリアセルロースは、通常厚さ1〜20nm、幅10〜200nmのミクロフィブリルからなるが(特開昭62−36467号、米国特許4,863,565号等)、培地中にクロラムフェニコールまたはナルジクス酸等の細胞分裂阻害剤を添加することにより、厚さは同等だが、幅が1000nm程度まで広がったバクテリアセルロース繊維状物を産生させることもできる(米国特許出願09/436,756)。また、培地中にジチオスレイトール等の有機還元剤を添加すると、幅の短いバクテリアセルロース繊維状物を得ることができる。
【0029】
本発明で使用するバクテリアセルロースは微生物の培養物から単離された精製品のほか、用途に応じある程度不純物を含むものであっても良い。例えば培養液中の残糖,塩類,酵母エキス等が微生物セルロースに残留していてもさしつかえない。また、菌体がある程度含まれていても良い。
【0030】
このゲルを取り出して必要により、水洗する。この水洗水には目的に応じて殺菌剤、前処理剤などの薬剤を添加することができる。
【0031】
水洗後は乾燥しあるいは他の混練物等と混練後乾燥して使用に供する。乾燥の方法は、どのような方法でもよいが、通常セルロースが分解しない温度範囲で行なうことが必要なのは言うまでもない。又、該セルロース性物質は表面に多数の水酸基を有する微細な繊維より成っているので、乾燥中に繊維が相互膠着することにより繊維状の形態が失われることがあるため、凍結乾燥や臨界点乾燥等の方法を用いることが望ましい。
【0032】
バクテリアセルロース繊維の相互膠着を防ぎ、サイズ剤中に均一分散させるため、ゲル状バクテリアセルロースを細かく微粉砕して、スラリーにしたり、又は乾燥してパウダー状にすることが好ましい。バクテリアセルロースの粉砕方法は特に限定されず、例えば、特開平5−51885号公報のホモジナイザーを用いて水中にて超高速回転する等の手法や、特公平5‐80484号公報の酸加水分解処理を施した後、機械的せん断する手法を用いることができる。
【0033】
バクテリアセルロースの含有量はインク受容層の固形分に対して1wt.%以上、より好ましくは3wt.%以上である。バクテリアセルロースの含有量が大きいほど、界面活性剤によるインク吸収性向上の効果が発揮される。
【0034】
1wt.%未満ではバクテリアセルロースのドット再現性の向上効果が充分に得られなくなる恐れがある。
【0035】
界面活性剤は1つもしくは2つ以上を組み合わせて使用することができる。界面活性剤は0.01wt.%水溶液の表面張力が50mN/m以下であるもの良好であり好ましい。
【0036】
より好ましくは0.01wt.%水溶液の表面張力が40mN/m以下であり、更に好ましくは0.01wt.%水溶液の表面張力が30mN/m以下である。
【0037】
本発明に使用する界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸およびその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチドなどのカルボン酸塩、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩などの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などのスルホン酸塩、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩などの燐酸エステル塩などが挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族の第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩や、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼントニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリニウムベタイン型、レシチン型等が挙げられる。
【0038】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンステロールエーテル型、ポリオキシエチレンラノリン誘導体型、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル型、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル型、脂肪酸グリセリド型、ポリグリセリン脂肪酸エステル型、ソルビタン脂肪酸エステル型、プロピレングリコール脂肪酸エステル型、脂肪酸アルカノールアミド型、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド型、ポリオキシエチレンアルキルアミン型、アルキルアミンオキサイド型等が挙げられる。
【0039】
フッ素系界面活性剤としては、例えばパーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基・(親水性基。親油性基)含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基・親油性基含有ウレタン、パーフルオロアルキル燐酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルアミン化合物、パーフルオロアルキル第四級アンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタイン、非解離性パーフルオロアルキル化合物、フッ素シリコーンオイルなどフッ素原子含有の低分子化合物がこれに該当する。
【0040】
また、シラン系界面活性剤としては、ジメチルシリコーン、ジフェニルシリコーン、ハイドロジェン変性ポリシロキサン、ビニル変性ポリシロキサン、ヒドロキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、クロル変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、メタクリロキシ変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、長鎖アルキル変性ポリシロキサン、フェニル変性ポリシロキサン、シリコーン変性コポリマーなど珪素原子含有の低分子化合物がこれに該当する。
【0041】
特に好ましい界面活性剤は、フッ素原子を含有するものである。
【0042】
例えば、セイミケミカル(株)社製サーフロンS−141、S131、S121などのフルオロアルキル非イオン性界面活性剤、フルオロアルキルカチオン性界面活性剤、フルオロアルキルアニオン性界面活性剤、フルオロアルキル両性界面活性剤などが使用できる。ただしフッ素原子を含有するものは使用でき、これに限定されるものではない。
【0043】
界面活性剤の含有量はバクテリアセルロースの固形分100重量部に対して、0.01〜40重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜30重量部の範囲である。
【0044】
0.01重量部未満ではインク吸収性を向上する効果が充分得られず、40重量部を超えるとにじみが大きくなりすぎる恐れがある。
【0045】
本発明の被記録材のインク受容層にはバクテリアセルロースと界面活性剤以外に他の成分を添加することができる。
【0046】
他の成分としては例えば顔料粒子、バインダー樹脂、添加剤であり、その他に必要に応じて一般的に使用されているものは使用することができる。
【0047】
無機顔料粒子としては、例えばシリカ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、リトポン、アルミナ、ゼオライト等の白色系不定形無機顔料からなる粒子の1種以上を用いることができる。
【0048】
本発明において用いる無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、タルク、クレイ、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができるが、もちろんこれらに限られるものではない。そして、これらの無機微粒子には、インク吸収性はそれほど必要ない。
【0049】
その他、微粒子として樹脂粒子も用いることができる。
【0050】
バインダー樹脂としては、とくに限られるものではないが、いわゆる水性インクを受容できる、水性インクに対して溶解性あるいは親和性を示すものなら限られるものではなく、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリウレタン、カルボキシメチルセルロース、ポリエステル、ポリアクリル酸(エステル)、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メラミン樹脂、あるいはこれらの変性物等の合成樹脂、また、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、カチオン化でんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂などの水溶性樹脂を挙げることができるがこれらに限られるものではない。
【0051】
本発明では水分散型樹脂をバインダー層として用いてもよく、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド系共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリビニルエーテル等多数列挙することができるが、もちろんこれらに限られるものではない。
【0052】
そしてこれらの水溶性樹脂、水分散性樹脂は複数を同時に用いてもよい。
【0053】
さらに、画像保存性を向上させる意味で、カチオン性化合物をさらに含有させてもよい。このカチオン性化合物は、分子内にカチオン性部分を含むものであれば特に限られるものではない。例えば、モノアルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルフェニルアンモニウムクロライド、エチレンオキサイド付加アンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、あるいはアミン塩型のカチオン性界面活性剤、さらにはカチオン性部分を含むアルキルベタイン、イミダゾリミウムベタイン、アラニン系等の両性界面活性剤でもよい。
【0054】
また、ポリマーあるいはオリゴマーとしては、ポリアクリルアミドのカチオン変性物あるいはアクリルアミドとカチオン性モノマーの共重合体、ポリエチレンイミン、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルピリジニウムハライド、各種ポリアミン系樹脂、例えばポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニルアミン等が挙げられる。
【0055】
さらに、ビニルピロリドン系モノマーの単独あるいは、他の一般的なモノマーとの共重合体、ビニルオキサゾリドン系モノマーの単独あるいは、他の一般的なモノマーとの共重合体、ビニルイミダゾール系モノマーの単独あるいは、他の一般的なモノマーとの共重合体等が挙げられる。上記の一般的なモノマーとしてはメタクリレート、アクリレート、アクリロニトリル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、エチレン、スチレン等が挙げられる。
【0056】
これらのカチオン性化合物のインク受容層中の含有量は、インク受容層の固形分に対して0.01〜30重量%の範囲であることが望ましい。
【0057】
0.01重量%未満の場合には、高温高湿環境下における長期保存に安定な画像を形成するという効果は未添加の場合に比べて顕著ではなく、30重量%を越えた場合には、吸湿性が強くなり過ぎ、ブロッキングを起こしやすくなる。また記録面の機械的強度が弱くキズがつきやすくなる。
【0058】
本発明では上記バクテリアセルロースと界面活性剤を必須成分として含有する組成物を、基材表面の少なくとも片方の面に被覆して基材表面にインク受容層を有する記録媒体とするものであるが、この組成物には本発明の目的達成を妨げない範囲において各種添加剤を混合させてもよい。
【0059】
添加剤の具体的な一例としては各種界面活性剤、染料固着剤(耐水化剤)、消泡剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、分散剤、粘度調整剤、pH調整剤、防カビ剤、可塑剤が挙げられる。これらの添加剤については従来公知の化合物から目的に応じて任意に選択すればよい。
【0060】
本発明の記録媒体を構成する基材としては、上質紙、中質紙、アート紙、光沢紙、ボンド紙、再生紙、バライタ紙、キャストコート紙、ダンボール紙、非木材紙、合成紙などの紙や、ポリエチレンテレフタレート、ジアセテート、トリアセテート、セロハン、セルロイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックからなるフィルム、ベニア、桧、杉などの木もしくは板、ガラス板、セラミックス、アルミ、鉄、鋼などの金属板あるいは木綿、レーヨン、アクリル、ナイロン、絹、ポリエステルなどの布、牛、羊、ワニなどの皮革や人工皮革、不織布、ゴム状弾性体、無機質紙などを使用することができる。前記基材の表面が滑らかな表面であっても、凹凸のついたものであっても良いし、透明、半透明、不透明のいずれであっても良い。又、これらの基材を2種以上を互いに張り合せたものでも良い。更に印字面の反対側にマット層、剥離粘着層などを設けても良く、又印字後、印字面に粘着層などを設けても良い。記録媒体の記録目的、記録画像の用途、あるいはその上部に被覆される組成物との密着性などの諸条件に応じて上記基材の中から適宜選択される。透光性の記録媒体を得るには基材として透明なプラスチックフィルムもしくはガラスが使用され、光沢のある記録媒体を得るには基材として不透明なプラスチックフィルムや紙が使用される。
【0061】
本発明の記録媒体を作成するに当たっては、まず前記組成物を、必要により他の添加剤と共に、水あるいはアルコール、多価アルコール類、または他の適当な有機溶媒に溶解、または分散し、塗工液を調整する。
【0062】
得られた塗工液を、例えば、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、スプレーコート法、グラビアコーター法、カーテンコーター法などにより基材表面に塗工する。その後、例えば熱風乾燥炉、熱ドラムなどを用いて乾燥し、本発明の記録媒体が得られる。
【0063】
さらに必要に応じてインク受容層の平滑化或は表面強度を上げるためにスーパーカレンダー処理などを施してもよい。
【0064】
インク受容層の塗工量としては総量として0.2〜50g/m2 、より好ましくは1〜30g/m2 の範囲内である。塗工量が少ない場合には基材の一部が表面に露出していてもよい。又、塗工量が0. 2g/m2 に満たない場合には、インク受容層を設けなかった場合に比べて塗料の発色性の点で効果がなく、一方、50g/m2 を越えて設けた場合には特に、低温低湿環境下に於けるカールの発生が著しく好ましくない。塗工量を厚さで表した場合の塗工量は0.5〜100μmの厚みになる範囲が好適である。
【0065】
インク受容層には、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤等の各種添加剤を混在させることもできる。
【0066】
本発明の被記録材は、これらのインク受容層形成用の成分を、水等の媒体中に分散させて調製した塗工液を、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法等により支持体上に塗工し、その後可及的速やかに乾燥させて製造することができる。
【0067】
塗工液中の無機顔料粒子と結着剤の混合比としては、無機顔料粒子100重量部に対して結着剤が10及至100重量部が適当であり、無機顔料粒子の平均粒径が大きいときには、できるだけ結着剤の量を少なく用いることが好結果をもたらす。
【0068】
支持体上の被覆層の量は乾燥塗工量で、通常1〜50g/m2程度とすることができる。乾燥塗工量の上限としては、30g/m2程度が好ましい。また、下限としては、2g/m2程度が好ましく、10g/m2程度がより好ましい。
以上説明した記録媒体にインクジェット記録を行う場合のインクそれ自体は、公知のものが何等問題なく使用可能である。又、記録剤としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素に代表される水溶性染料、さらに分散性染料、顔料が使用可能であり、通常のインクジェット記録用のものであれば特に制限なく使用することが出来る。この様な水溶性染料あるいは分散性染料、顔料は、従来のインク中において一般には約0.1〜20重量%を占める割合で使用されており、本発明においてもこの割合と同様でよい。
【0069】
本発明に用いる水系インクに使用する溶媒は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であり、特に好適なものは水と水溶性有機溶剤と混合溶媒であって、水溶性有機溶剤としてインクの乾燥防止効果を有する多価アルコールを含有するものである。
【0070】
前記の記録媒体に上記のインクを付与して記録を行う為の方法は、好ましくはインクジェット記録方法であり、該方法は、インクをノズルより効果的に離脱させて、射程体である記録媒体にインクを付与し得る方式であればいかなる方式でもよい。
【0071】
特に、特開昭54−59936号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット方式は有効に使用することが出来る。
【0072】
本発明の記録媒体を用いて記録を行うのに好適な一例のインクジェット記録装置を以下に説明する。その装置の主要部であるヘッド構成例を図1、図2及び図3に示す。
【0073】
ヘッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミックス又はプラスチック板等を、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これに限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い基板20よりなっている。
【0074】
インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
【0075】
今、電極17−1、17−2に電気信号公報が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記録媒体25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作されている。
【0076】
尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断図である。
【0077】
図4に、かかるヘッドを、組み込んだインクジェット記録装置の1例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドにより記録領域に隣接した一に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面に水分、塵埃等の除去が行われる。
【0078】
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0079】
51は記録媒体を挿入する為の給紙部、52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラ53を配して排紙される。
【0080】
上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の突出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0081】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録の為の記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0082】
【実施例】
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。
【0083】
(実施例1)
下記組成に基づきインク受容層塗工用組成物を作製した。
【0084】
バクテリアセルロース(攪拌培養タイプ)0.38wt.%水分散液 100重量部
界面活性剤サーフロンS−141(パーフルオロアルキルアミンオキシド) 1wt.%水溶液 10重量部
インク受容層塗工用組成物は秤量後、ジューサーミキサーを用いて、15分間攪拌し、脱泡したものを用いた。
【0085】
一方、支持体としては、孔雀ケント紙(坪量157g/m2)を使用し、この支持体上に上記塗工用組成物を乾燥塗工量100g/m2の割合でブレードコーター法により塗工し、常法により乾燥させて被記録材を得た。
【0086】
得られた被記録材をBJF900(キヤノン社製)を用いて印字し、ドット再現性と発色性を評価した。その結果を表1に示す。
【0087】
ドット再現性は印字ドットを実体顕微鏡で観察して、ほぼ円形のものを○、円形が多少くずれたものを△、不定形のものを×とした。
【0088】
発色性はイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック各色のベタ印字部の色の鮮明さを目視により比較し、良好のものを○、不良のものを×とし、○、△、×のランク分けをした。
【0089】
インク吸収性は、レッドのベタ画像の中にブラックのライン画像がある画像を作成し、色間のインクの流れ出し量を光学顕微鏡で観察し、流れ出しがないものを5とし、流れ出しがきわめて多いものを1として、5、4、3、2、1の5段階で評価した。
【0090】
(実施例2)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、サーフロンS131(パーフルオロアルキルベタイン)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0091】
(実施例3)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、サーフロンS121(パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0092】
(実施例4)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、ノイゲンET−135(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0093】
(実施例5)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、コータミン24P(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0094】
(実施例6)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、シュガーエステルS−1170(ショ糖脂肪酸エステル)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0095】
(実施例7)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、F−242T(シリコーン系界面活性剤)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0096】
(実施例8)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、サーフィノール440(アセチレングリコール系界面活性剤)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0097】
(実施例9)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、サーフィノール465(アセチレングリコール系界面活性剤)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0098】
(実施例10)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、ネオコールSW(ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム界面活性剤)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0099】
(比較例1)
実施例1でサーフロンS−141を加えなかった以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0100】
(比較例2)
実施例1で用いたバクテリアセルロースの代わりに、カルボキシメチルセルロース10wt.%水溶液 3.8重量部を用いた以外は同様にして評価した。その結果を表1に示す。なお乾燥後の塗工量は実施例1と同様になるようにコーティング液の塗工量を調節した。
【0101】
【表1】
【0102】
【発明の効果】
本発明の被記録材は、基材と少なくとも1層のインク受容層とを有する記録媒体において、該インク受容層がバクテリアセルロースと界面活性剤を含有する被記録材であり、特にインク吸収性に優れ、ドット再現性が高いフルカラーの記録を行う場合のインクジェット記録用の被記録材として好適なものである。またバクテリアセルロースと界面活性剤を含有するコーティング液を用いることにより目的とする被記録材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方法による記録等に好適な記録媒体を得るためのコーティング液、および被記録材(記録用紙)に関し、特にインクの吸収性が高く、かつインクの発色性に優れた被記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録液を使用して記録を行う方式は、例えば万年筆による筆記など古くから一般的なものであるが、最近では、いわゆるインクジェット記録方式も出現し、ここでも記録液が使用されている。
【0003】
インクジェット記録法は、種々の作動原理により記録液の小滴を発生させ、これを飛翔させて紙などの被記録材に付着させて記録を行うものであるが、騒音の発生が少なく、高速印字、多色印字の行える記録法として注目されている。インクジェット記録用の記録液としては、安全性、印刷適性の面から主に水系のものが使用されている。
【0004】
このインクジェット記録法に使用される被記録材としては、従来通常の紙が一般的に使用されてきた。しかし、記録の高速化あるいは多色化など、インクジェット記録機の性能の向上に伴い、インクジェット記録用の被記録材に対しても、より高度な特性が要求されつつある。すなわち、高解像度、高品質の記録画質を得るためのインクジェット記録用被記録材としては、
1)インクの吸収が可及的速やかであること、
2)インクドットが重なった際に、後で付着したインクが前のドットに流れ出さないこと、
3)インクドットの径が必要以上に大きくならないこと、
4)インクドットの形状が真円に近く、またその周辺が滑らかであること、
5)インクドットの濃度が高く、ドット周辺がぼけないこと、
等の要求性能を満たすものであることが必要とされる。
【0005】
更に、多色インクジェット記録方式によりカラー写真に匹敵する程度の記録画質を得るには、上記の要求性能に加え、
6)白色度が高いこと、
7)インクの着色成分の発色性が優れたものであること、
8)インクの色の数と同数のインク小液滴が、同一箇所に重ねて付着することがあるのでインク吸収性が特に優れていること、
等の性能が加重して要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの要求性能を全て満たした被記録材は未だ見当たらないのが実状である。例えば、特開昭52−74304号公報に記載のインクジェット記録用紙は、インクの吸収は速やかであるが、ドット径が大きくなりやすく、ドットの周辺がぼけやすいし、また記録後の紙の寸法変化が大きいという欠点を有している。
【0007】
インク吸収性が得られ、ドット再現性を改善する方法として近年、バクテリアセルロースを添加したインク受容層を有する被記録材の提案がされている。
【0008】
例えば、インク吸収性とドット再現性を向上させる方法として、特開平5−9895にバクテリアセルロースをカルボキシメチルセルロースを用いて分散させ、乾燥させることにより製造した塗工紙が、また特開平10−291360に無機顔料と接着剤に加えてバクテリアセルロースを添加したインクジェット記録シートが開示されている。
【0009】
前者はこの塗工紙をインクジェット記録に用いた場合、バクテリアセルロースの分散性が良好であるため、良好なドット再現性を得られが、分散のために用いているカルボキシメチルセルロースにより発色性が満足に得られないという問題があった。またインク吸収性は向上するが、充分な吸収は得られていない。
【0010】
また後者はドット再現性とインク吸収は高くできる。ただしインク吸収性は主に無機顔料により行われ、バクテリアセルロースを主成分とする多孔質でのインク吸収性向上を目的とする本発明とは異なる機構に基づく。
【0011】
更にインク吸収性と発色性を向上させる方法として、特開2001−226898にバクテリアセルロースおよび/または木材由来のセルロースとカチオンポリマーを含有する表面サイズ剤を塗布した記録用紙が開示されている。
【0012】
この記録用紙は、発色性は良好であるが、バクテリアセルロースとカチオンポリマーを混合しただけでは分散が良好ではなく、ドット再現性は必ずしも満足な特性が得られなかった。またカチオンポリマーを添加したことによりインク吸収性も向上するが、充分ではなかった。またバクテリアセルロースにカチオンポリマーを結合できれば分散性が良好になりドット再現性の向上は期待できるが、充分なインク吸収性を得られるほどではないという問題があった。
【0013】
以上のように、インク吸収性とドット再現性を得る目的でバクテリアセルロースを利用した被記録材が開示されているが、インク吸収性とドット再現性と発色性を両立できていないのが現状である。
【0014】
本発明の目的は、バクテリアセルロースを用いることにより特にドット再現性に優れ、インク吸収性が高く、かつ発色性に優れたフルカラーのインクジェット記録用被記録材を提供することにある。また目的とする被記録材を得る目的で使用されるコーティング液を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録用被記録材は、基材と少なくとも1層のインク受容層とを有する記録媒体において、該インク受容層がバクテリアセルロースと界面活性剤を含有する記録媒体である。
【0016】
更に本発明のインクジェット記録用被記録材は、該界面活性剤の0.01wt.%水溶液の表面張力が50mN/m以下である被記録媒体である。
【0017】
更に本発明のインクジェット記録用被記録材は、該界面活性剤のうち少なくとも1つが、F原子を含有する記録媒体である。
【0018】
本発明者らはバクテリアセルロースを添加したインク受容層において、インク吸収性が得られ、ドット再現性と発色性を改善する目的で鋭意検討した結果、バクテリアセルロースに加えて、界面活性剤を添加することにより、インク吸収性を改善できることを見出し発明に至った。
【0019】
更に0.01wt.%水溶液の表面張力が50mN/m以下の界面活性剤を添加することにより、インク吸収性が更に向上することを見出し発明に至った。
【0020】
通常インク受容層にバクテリアセルロースを添加するのみでは充分なインク吸収性を得られない。この理由は定かではないが、インク受容層用の塗工液を塗布後、乾燥する過程でバクテリアセルロース繊維同士もしくは分散粒子同士が密に凝集し、水素結合を形成することにより、インク吸収に必要な細孔が減少してしまうことが考えられる。本発明は更に界面活性剤を添加することにより、表面張力を低下させ、乾燥時の凝集を防止する効果があると考えられる。
【0021】
またセルロースのインクに対する親和性を高めることでインク吸収性を向上できたと考えられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の被記録材の支持体としては、紙を使用するのが適当であるが、布、樹脂フィルムあるいは合成紙等も使用することができる。
【0023】
バクテリアセルロースは、一般的には厚さ1〜20nm、幅10nm〜1μmのリボン状のミクロフィブリルからなっている。微生物培養により得られるものはゲル状であり、その含水率は95%(w/v)以上である。
【0024】
バクテリアセルロースはセルロース及びセルロースを主鎖としたヘテロ多糖を含むもの及びβ−1,3,β−1,2等のグルカンを含むものである。ヘテロ多糖の場合のセルロース以外の構成成分はマンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸等の六炭糖、五炭糖及び有機酸等である。なお、これらの多糖が単一物質である場合もあるし、2種以上の多糖が水素結合等により混在していてもよい。
【0025】
バクテリアセルロースは上記のようなものであればいかなるものであっても使用可能である。
【0026】
このようなバクテリアセルロースを産生する微生物は特に限定されないが、アセトバクター・アセチ・サブスピーシス・キシリナム(Acetobacteraceti subsp/xylinum)ATCC 10821あるいは同パストウリアヌス(A・pasteurianus)、同ランセンス(A・rancens)、サルシナ・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・キシロイデス(Bacterium xyloides)、シュードモナス属細菌、アグロバクテリウム属細菌等でバクテリアセルロースを産生するものを利用することができる。
【0027】
これらの微生物を培養してバクテリアセルロースを生成蓄積させる方法は、一般的な培養方法に従えばよい。すなわち、炭素源、窒素源、無機塩類、その他必要に応じてアミノ酸、ビタミン等の有機微量栄養素を含有する通常の栄養培地に微生物を接種し、静置又はゆるやかに通気攪拌を行なう。炭素源としては、グルコース、シュクロース、マルトース、澱粉加水分解物、糖密等が利用されるが、エタノール、酢酸、クエン酸等も単独あるいは上記の糖と併用して利用することができる。窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、硝酸塩、尿素、ペプトン等の有機あるいは無機の窒素源が利用される。無機塩類としては、リン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩等が利用される。有機微量栄養素としては、アミノ酸、ビタミン、脂肪酸、核酸、さらにはこれらの栄養素を含むペプトン、カザミノ酸、酵母エキス、大豆蛋白加水分解物等が利用され、生育にアミノ酸等を要求する栄養要求性変異株を用いる場合には要求される栄養素をさらに補添する必要がある。
【0028】
培養条件も常法でよく、pHを5ないし9そして温度を20ないし37℃に制御しつつ1ないし30日間、静置培養あるいは通気攪拌培養する。静置培養の場合は、培養表層にバクテリアセルロースがマット状あるいはゲル状に蓄積される。一方、通気攪拌培養の場合は、バクテリアセルロースは種々の大きさの塊状物の形で培養液に分散して生産される。ここで得られるバクテリアセルロースは、通常厚さ1〜20nm、幅10〜200nmのミクロフィブリルからなるが(特開昭62−36467号、米国特許4,863,565号等)、培地中にクロラムフェニコールまたはナルジクス酸等の細胞分裂阻害剤を添加することにより、厚さは同等だが、幅が1000nm程度まで広がったバクテリアセルロース繊維状物を産生させることもできる(米国特許出願09/436,756)。また、培地中にジチオスレイトール等の有機還元剤を添加すると、幅の短いバクテリアセルロース繊維状物を得ることができる。
【0029】
本発明で使用するバクテリアセルロースは微生物の培養物から単離された精製品のほか、用途に応じある程度不純物を含むものであっても良い。例えば培養液中の残糖,塩類,酵母エキス等が微生物セルロースに残留していてもさしつかえない。また、菌体がある程度含まれていても良い。
【0030】
このゲルを取り出して必要により、水洗する。この水洗水には目的に応じて殺菌剤、前処理剤などの薬剤を添加することができる。
【0031】
水洗後は乾燥しあるいは他の混練物等と混練後乾燥して使用に供する。乾燥の方法は、どのような方法でもよいが、通常セルロースが分解しない温度範囲で行なうことが必要なのは言うまでもない。又、該セルロース性物質は表面に多数の水酸基を有する微細な繊維より成っているので、乾燥中に繊維が相互膠着することにより繊維状の形態が失われることがあるため、凍結乾燥や臨界点乾燥等の方法を用いることが望ましい。
【0032】
バクテリアセルロース繊維の相互膠着を防ぎ、サイズ剤中に均一分散させるため、ゲル状バクテリアセルロースを細かく微粉砕して、スラリーにしたり、又は乾燥してパウダー状にすることが好ましい。バクテリアセルロースの粉砕方法は特に限定されず、例えば、特開平5−51885号公報のホモジナイザーを用いて水中にて超高速回転する等の手法や、特公平5‐80484号公報の酸加水分解処理を施した後、機械的せん断する手法を用いることができる。
【0033】
バクテリアセルロースの含有量はインク受容層の固形分に対して1wt.%以上、より好ましくは3wt.%以上である。バクテリアセルロースの含有量が大きいほど、界面活性剤によるインク吸収性向上の効果が発揮される。
【0034】
1wt.%未満ではバクテリアセルロースのドット再現性の向上効果が充分に得られなくなる恐れがある。
【0035】
界面活性剤は1つもしくは2つ以上を組み合わせて使用することができる。界面活性剤は0.01wt.%水溶液の表面張力が50mN/m以下であるもの良好であり好ましい。
【0036】
より好ましくは0.01wt.%水溶液の表面張力が40mN/m以下であり、更に好ましくは0.01wt.%水溶液の表面張力が30mN/m以下である。
【0037】
本発明に使用する界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸およびその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチドなどのカルボン酸塩、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩などの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などのスルホン酸塩、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩などの燐酸エステル塩などが挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族の第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩や、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼントニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリニウムベタイン型、レシチン型等が挙げられる。
【0038】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンステロールエーテル型、ポリオキシエチレンラノリン誘導体型、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル型、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル型、脂肪酸グリセリド型、ポリグリセリン脂肪酸エステル型、ソルビタン脂肪酸エステル型、プロピレングリコール脂肪酸エステル型、脂肪酸アルカノールアミド型、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド型、ポリオキシエチレンアルキルアミン型、アルキルアミンオキサイド型等が挙げられる。
【0039】
フッ素系界面活性剤としては、例えばパーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基・(親水性基。親油性基)含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基・親油性基含有ウレタン、パーフルオロアルキル燐酸エステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルアミン化合物、パーフルオロアルキル第四級アンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタイン、非解離性パーフルオロアルキル化合物、フッ素シリコーンオイルなどフッ素原子含有の低分子化合物がこれに該当する。
【0040】
また、シラン系界面活性剤としては、ジメチルシリコーン、ジフェニルシリコーン、ハイドロジェン変性ポリシロキサン、ビニル変性ポリシロキサン、ヒドロキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、クロル変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、メタクリロキシ変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、長鎖アルキル変性ポリシロキサン、フェニル変性ポリシロキサン、シリコーン変性コポリマーなど珪素原子含有の低分子化合物がこれに該当する。
【0041】
特に好ましい界面活性剤は、フッ素原子を含有するものである。
【0042】
例えば、セイミケミカル(株)社製サーフロンS−141、S131、S121などのフルオロアルキル非イオン性界面活性剤、フルオロアルキルカチオン性界面活性剤、フルオロアルキルアニオン性界面活性剤、フルオロアルキル両性界面活性剤などが使用できる。ただしフッ素原子を含有するものは使用でき、これに限定されるものではない。
【0043】
界面活性剤の含有量はバクテリアセルロースの固形分100重量部に対して、0.01〜40重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜30重量部の範囲である。
【0044】
0.01重量部未満ではインク吸収性を向上する効果が充分得られず、40重量部を超えるとにじみが大きくなりすぎる恐れがある。
【0045】
本発明の被記録材のインク受容層にはバクテリアセルロースと界面活性剤以外に他の成分を添加することができる。
【0046】
他の成分としては例えば顔料粒子、バインダー樹脂、添加剤であり、その他に必要に応じて一般的に使用されているものは使用することができる。
【0047】
無機顔料粒子としては、例えばシリカ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、リトポン、アルミナ、ゼオライト等の白色系不定形無機顔料からなる粒子の1種以上を用いることができる。
【0048】
本発明において用いる無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、タルク、クレイ、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができるが、もちろんこれらに限られるものではない。そして、これらの無機微粒子には、インク吸収性はそれほど必要ない。
【0049】
その他、微粒子として樹脂粒子も用いることができる。
【0050】
バインダー樹脂としては、とくに限られるものではないが、いわゆる水性インクを受容できる、水性インクに対して溶解性あるいは親和性を示すものなら限られるものではなく、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリウレタン、カルボキシメチルセルロース、ポリエステル、ポリアクリル酸(エステル)、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メラミン樹脂、あるいはこれらの変性物等の合成樹脂、また、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、カチオン化でんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂などの水溶性樹脂を挙げることができるがこれらに限られるものではない。
【0051】
本発明では水分散型樹脂をバインダー層として用いてもよく、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド系共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリビニルエーテル等多数列挙することができるが、もちろんこれらに限られるものではない。
【0052】
そしてこれらの水溶性樹脂、水分散性樹脂は複数を同時に用いてもよい。
【0053】
さらに、画像保存性を向上させる意味で、カチオン性化合物をさらに含有させてもよい。このカチオン性化合物は、分子内にカチオン性部分を含むものであれば特に限られるものではない。例えば、モノアルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルフェニルアンモニウムクロライド、エチレンオキサイド付加アンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、あるいはアミン塩型のカチオン性界面活性剤、さらにはカチオン性部分を含むアルキルベタイン、イミダゾリミウムベタイン、アラニン系等の両性界面活性剤でもよい。
【0054】
また、ポリマーあるいはオリゴマーとしては、ポリアクリルアミドのカチオン変性物あるいはアクリルアミドとカチオン性モノマーの共重合体、ポリエチレンイミン、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルピリジニウムハライド、各種ポリアミン系樹脂、例えばポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニルアミン等が挙げられる。
【0055】
さらに、ビニルピロリドン系モノマーの単独あるいは、他の一般的なモノマーとの共重合体、ビニルオキサゾリドン系モノマーの単独あるいは、他の一般的なモノマーとの共重合体、ビニルイミダゾール系モノマーの単独あるいは、他の一般的なモノマーとの共重合体等が挙げられる。上記の一般的なモノマーとしてはメタクリレート、アクリレート、アクリロニトリル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、エチレン、スチレン等が挙げられる。
【0056】
これらのカチオン性化合物のインク受容層中の含有量は、インク受容層の固形分に対して0.01〜30重量%の範囲であることが望ましい。
【0057】
0.01重量%未満の場合には、高温高湿環境下における長期保存に安定な画像を形成するという効果は未添加の場合に比べて顕著ではなく、30重量%を越えた場合には、吸湿性が強くなり過ぎ、ブロッキングを起こしやすくなる。また記録面の機械的強度が弱くキズがつきやすくなる。
【0058】
本発明では上記バクテリアセルロースと界面活性剤を必須成分として含有する組成物を、基材表面の少なくとも片方の面に被覆して基材表面にインク受容層を有する記録媒体とするものであるが、この組成物には本発明の目的達成を妨げない範囲において各種添加剤を混合させてもよい。
【0059】
添加剤の具体的な一例としては各種界面活性剤、染料固着剤(耐水化剤)、消泡剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、分散剤、粘度調整剤、pH調整剤、防カビ剤、可塑剤が挙げられる。これらの添加剤については従来公知の化合物から目的に応じて任意に選択すればよい。
【0060】
本発明の記録媒体を構成する基材としては、上質紙、中質紙、アート紙、光沢紙、ボンド紙、再生紙、バライタ紙、キャストコート紙、ダンボール紙、非木材紙、合成紙などの紙や、ポリエチレンテレフタレート、ジアセテート、トリアセテート、セロハン、セルロイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックからなるフィルム、ベニア、桧、杉などの木もしくは板、ガラス板、セラミックス、アルミ、鉄、鋼などの金属板あるいは木綿、レーヨン、アクリル、ナイロン、絹、ポリエステルなどの布、牛、羊、ワニなどの皮革や人工皮革、不織布、ゴム状弾性体、無機質紙などを使用することができる。前記基材の表面が滑らかな表面であっても、凹凸のついたものであっても良いし、透明、半透明、不透明のいずれであっても良い。又、これらの基材を2種以上を互いに張り合せたものでも良い。更に印字面の反対側にマット層、剥離粘着層などを設けても良く、又印字後、印字面に粘着層などを設けても良い。記録媒体の記録目的、記録画像の用途、あるいはその上部に被覆される組成物との密着性などの諸条件に応じて上記基材の中から適宜選択される。透光性の記録媒体を得るには基材として透明なプラスチックフィルムもしくはガラスが使用され、光沢のある記録媒体を得るには基材として不透明なプラスチックフィルムや紙が使用される。
【0061】
本発明の記録媒体を作成するに当たっては、まず前記組成物を、必要により他の添加剤と共に、水あるいはアルコール、多価アルコール類、または他の適当な有機溶媒に溶解、または分散し、塗工液を調整する。
【0062】
得られた塗工液を、例えば、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、スプレーコート法、グラビアコーター法、カーテンコーター法などにより基材表面に塗工する。その後、例えば熱風乾燥炉、熱ドラムなどを用いて乾燥し、本発明の記録媒体が得られる。
【0063】
さらに必要に応じてインク受容層の平滑化或は表面強度を上げるためにスーパーカレンダー処理などを施してもよい。
【0064】
インク受容層の塗工量としては総量として0.2〜50g/m2 、より好ましくは1〜30g/m2 の範囲内である。塗工量が少ない場合には基材の一部が表面に露出していてもよい。又、塗工量が0. 2g/m2 に満たない場合には、インク受容層を設けなかった場合に比べて塗料の発色性の点で効果がなく、一方、50g/m2 を越えて設けた場合には特に、低温低湿環境下に於けるカールの発生が著しく好ましくない。塗工量を厚さで表した場合の塗工量は0.5〜100μmの厚みになる範囲が好適である。
【0065】
インク受容層には、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤等の各種添加剤を混在させることもできる。
【0066】
本発明の被記録材は、これらのインク受容層形成用の成分を、水等の媒体中に分散させて調製した塗工液を、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法等により支持体上に塗工し、その後可及的速やかに乾燥させて製造することができる。
【0067】
塗工液中の無機顔料粒子と結着剤の混合比としては、無機顔料粒子100重量部に対して結着剤が10及至100重量部が適当であり、無機顔料粒子の平均粒径が大きいときには、できるだけ結着剤の量を少なく用いることが好結果をもたらす。
【0068】
支持体上の被覆層の量は乾燥塗工量で、通常1〜50g/m2程度とすることができる。乾燥塗工量の上限としては、30g/m2程度が好ましい。また、下限としては、2g/m2程度が好ましく、10g/m2程度がより好ましい。
以上説明した記録媒体にインクジェット記録を行う場合のインクそれ自体は、公知のものが何等問題なく使用可能である。又、記録剤としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素に代表される水溶性染料、さらに分散性染料、顔料が使用可能であり、通常のインクジェット記録用のものであれば特に制限なく使用することが出来る。この様な水溶性染料あるいは分散性染料、顔料は、従来のインク中において一般には約0.1〜20重量%を占める割合で使用されており、本発明においてもこの割合と同様でよい。
【0069】
本発明に用いる水系インクに使用する溶媒は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であり、特に好適なものは水と水溶性有機溶剤と混合溶媒であって、水溶性有機溶剤としてインクの乾燥防止効果を有する多価アルコールを含有するものである。
【0070】
前記の記録媒体に上記のインクを付与して記録を行う為の方法は、好ましくはインクジェット記録方法であり、該方法は、インクをノズルより効果的に離脱させて、射程体である記録媒体にインクを付与し得る方式であればいかなる方式でもよい。
【0071】
特に、特開昭54−59936号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット方式は有効に使用することが出来る。
【0072】
本発明の記録媒体を用いて記録を行うのに好適な一例のインクジェット記録装置を以下に説明する。その装置の主要部であるヘッド構成例を図1、図2及び図3に示す。
【0073】
ヘッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミックス又はプラスチック板等を、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これに限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い基板20よりなっている。
【0074】
インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
【0075】
今、電極17−1、17−2に電気信号公報が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記録媒体25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作されている。
【0076】
尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断図である。
【0077】
図4に、かかるヘッドを、組み込んだインクジェット記録装置の1例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドにより記録領域に隣接した一に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面に水分、塵埃等の除去が行われる。
【0078】
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0079】
51は記録媒体を挿入する為の給紙部、52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラ53を配して排紙される。
【0080】
上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の突出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0081】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録の為の記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0082】
【実施例】
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。
【0083】
(実施例1)
下記組成に基づきインク受容層塗工用組成物を作製した。
【0084】
バクテリアセルロース(攪拌培養タイプ)0.38wt.%水分散液 100重量部
界面活性剤サーフロンS−141(パーフルオロアルキルアミンオキシド) 1wt.%水溶液 10重量部
インク受容層塗工用組成物は秤量後、ジューサーミキサーを用いて、15分間攪拌し、脱泡したものを用いた。
【0085】
一方、支持体としては、孔雀ケント紙(坪量157g/m2)を使用し、この支持体上に上記塗工用組成物を乾燥塗工量100g/m2の割合でブレードコーター法により塗工し、常法により乾燥させて被記録材を得た。
【0086】
得られた被記録材をBJF900(キヤノン社製)を用いて印字し、ドット再現性と発色性を評価した。その結果を表1に示す。
【0087】
ドット再現性は印字ドットを実体顕微鏡で観察して、ほぼ円形のものを○、円形が多少くずれたものを△、不定形のものを×とした。
【0088】
発色性はイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック各色のベタ印字部の色の鮮明さを目視により比較し、良好のものを○、不良のものを×とし、○、△、×のランク分けをした。
【0089】
インク吸収性は、レッドのベタ画像の中にブラックのライン画像がある画像を作成し、色間のインクの流れ出し量を光学顕微鏡で観察し、流れ出しがないものを5とし、流れ出しがきわめて多いものを1として、5、4、3、2、1の5段階で評価した。
【0090】
(実施例2)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、サーフロンS131(パーフルオロアルキルベタイン)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0091】
(実施例3)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、サーフロンS121(パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0092】
(実施例4)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、ノイゲンET−135(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0093】
(実施例5)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、コータミン24P(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0094】
(実施例6)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、シュガーエステルS−1170(ショ糖脂肪酸エステル)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0095】
(実施例7)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、F−242T(シリコーン系界面活性剤)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0096】
(実施例8)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、サーフィノール440(アセチレングリコール系界面活性剤)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0097】
(実施例9)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、サーフィノール465(アセチレングリコール系界面活性剤)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0098】
(実施例10)
実施例1で用いた界面活性剤サーフロンS−141の代わりに、ネオコールSW(ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム界面活性剤)を用いた以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0099】
(比較例1)
実施例1でサーフロンS−141を加えなかった以外は同様にして評価したその結果を表1に示す。
【0100】
(比較例2)
実施例1で用いたバクテリアセルロースの代わりに、カルボキシメチルセルロース10wt.%水溶液 3.8重量部を用いた以外は同様にして評価した。その結果を表1に示す。なお乾燥後の塗工量は実施例1と同様になるようにコーティング液の塗工量を調節した。
【0101】
【表1】
【0102】
【発明の効果】
本発明の被記録材は、基材と少なくとも1層のインク受容層とを有する記録媒体において、該インク受容層がバクテリアセルロースと界面活性剤を含有する被記録材であり、特にインク吸収性に優れ、ドット再現性が高いフルカラーの記録を行う場合のインクジェット記録用の被記録材として好適なものである。またバクテリアセルロースと界面活性剤を含有するコーティング液を用いることにより目的とする被記録材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
Claims (7)
- バクテリアセルロースと界面活性剤を含有することを特徴とするコーティング液。
- 該界面活性剤の0.01wt.%水溶液の表面張力が50mN/m以下であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング液。
- 該界面活性剤のうち少なくとも1つが、F原子を含有することを特徴とする請求項1から2記載のコーティング液。
- 基材と少なくとも1層のインク受容層とを有する記録媒体において、該インク受容層がバクテリアセルロースと界面活性剤を含有することを特徴とする記録媒体。
- 該界面活性剤の0.01wt.%水溶液の表面張力が50mN/m以下であることを特徴とする請求項4に記載の記録媒体。
- 該界面活性剤のうち少なくとも1つが、F原子を含有することを特徴とする請求項4から5記載の記録媒体。
- 該インク受容層を構成するの少なくとも1層がバクテリアセルロースと界面活性剤の合計を50wt.%以上含有することを特徴とする請求項4から6記載の記録媒体。
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2003
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