JP2007098551A - ナイフ受けロール及びシート切断装置並びにスリッタスコアラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 移送されるシート3を進行方向に沿って切断する円形回転ナイフ15の刃先15aを受けるナイフ受けロール16であって、耐摩耗性材料により構成され、使用時に前記シートと摺接する円筒状外周面を備えたロール本体と、前記ロール本体の前記円筒状外周面に形成された環状溝と、前記円形回転ナイフ15により切削されうる前記ロール本体とは異なる材料により構成され、前記環状溝内に装備されて前記円形回転ナイフの刃先を受ける受け部を構成する環状受け部材103とを備える。
【選択図】 図1
Description
図5は一般的なコルゲートマシンの後段部の構成を示す図である。図示しないシングルフェーサ及びダブルフェーサ2で、段繰りされた中芯の両面に表ライナ及び裏ライナが貼り合わされて形成された帯状の段ボールシート3は、ダブルフェーサ2の下流に配置されるスコアラ装置(罫入れ装置)4においてシート進行方向に折罫が設けられ、続いてスリッタ装置(シート切断装置)1において、シート搬送方向に切断される。そして、下流のカッタ装置5で、所定の製品長さ単位毎(通常は段ボール1函分に相当)に切断されて積上装置6に載置される。なお、通常、スコアラ装置4とスリッタ装置1とを併せてスリッタスコアラと称す。
従来のスリッタ装置について図6を参照して説明する。図6は図5のX−X矢視断面図である。図6に示すようにスリッタ装置1には、装置の両側に立設してフレーム10が設けられており、両フレーム10の間には、段ボールシート3の下面側に、段ボールシート3のシート幅方向(段ボールシート3の搬送方向に対して左右直交方向)に向けて梁11aが渡されている。梁11aにはガイドレール12aが取り付けられている。ガイドレール12aには、複数個(図6では5個)のスリッタヘッド13が、移動装置14aにより機械幅方向に移動可能に取り付けられている。各スリッタヘッド13には薄い円板状の回転式ナイフであるスリッタナイフ15が回転可能に取り付けられている。
即ち、下方のスリッタナイフ15と上方のナイフ受けロール16とから各シート切断装置が構成されており、これらのスリッタナイフ15と上方のナイフ受けロール16とは、それぞれシート幅方向の所定の位置に移動可能であり、互いに対をなして配置され、段ボールシート3を挟入することにより、段ボールシート3を所望のシート幅方向位置で切断することができる。
ここで図7を参照して従来の切断装置についてさらに説明する。図7は、従来技術における段ボールシート3の切断状態を示す模式図である。
この段ボールシート3の切断時には、段ボールシート3とスリッタナイフ15とが接触する際、スリッタナイフ15の回転によって、段ボールシート3に上方及び搬送方向に跳ね上げ力が加わり、段ボールシート3にばたつきが生じることになる。また、搬送される段ボールシート3がスリッタナイフ15の上に乗り上げてしまうこともある。このように段ボールシート3のばたつきや段ボールシート3のスリッタナイフ15への乗り上げが生じると、段ボールシート3の切断品質が低下するため、ナイフ受けロール16が段ボールシート3を上面から押さえつけることによって、段ボールシート3のばたつき及び段ボールシート3のスリッタナイフ15への乗り上げを防止して段ボールシート3を良好に切断するようにしている。
図8は従来のナイフ受けロールを説明するための図であって、図8(A)は、溝ロール形式のナイフ受けロール16Aを用いたスリッタ装置における段ボールシートを切断態様を示す模式図であり、図8(B)は後述するウレタンロール形式ナイフ受けロール16Bを用いたスリッタ装置における段ボールシートを切断態様を示す模式図である。図8(A)に示すように、溝ロール形式のナイフ受けロール16Aを用いた場合、切断部では、段ボールシート3とナイフ受けロール16との間の溝16aの部分に大きな隙間が存在する。
このようにウレタン素材16bが摩耗すると、ナイフ受けロール16の径が小さくなるため、この摩耗が進むと、段ボールシート3を安定して押さえつけることができなくなり、切断品質が低下してしまう。
また、このような課題は、段ボールシート製造装置におけるスリッタ装置に限らず、ナイフとナイフ受けロールによって切断を行うシート切断装置に共通した課題である。
また、請求項3記載の本発明のナイフ受けロールは、請求項1又は2のものにおいて、前記環状受け部材の軸方向中央から外れた位置に、前記円形回転ナイフの前記刃先が位置するように配置されることを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明のナイフ受けロールは、請求項1〜4のいずれか1項のものにおいて、前記環状受け部材はフッ素樹脂を材料として形成されていることを特徴としている。
また、請求項7記載の本発明のナイフ受けロールは、請求項1〜6のいずれか1項のものにおいて、該シートは段ボールシートであることを特徴としている。
また、請求項9記載の本発明のシート切断装置は、請求項8のものにおいて、前記円形回転ナイフが該シートの下方に配置され、前記ナイフ受けロールが該シートの上方に配置されたことを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明のナイフ受けロールによれば、請求項1又は2の効果に加え、環状受け部材を裏返してロール本体に再装着することで、環状受け部材の新たな箇所に円形回転ナイフの刃先を切り込ませて環状受け部材を再使用することができ、環状受け部材を無駄なく使用することができ、さらにランニングコストを低減することができる。
また、請求項5記載の本発明のナイフ受けロールによれば、請求項1〜4の効果に加え、環状受け部材が、適度な剛性と耐摩耗性とを有し、十分な塑性を有するフッ素樹脂を材料として形成されているので、円形回転ナイフに損傷を与えることなく円形回転ナイフの形状に沿って容易に切削されて所望の切欠き溝が容易に形成され、シートを効果的に押さえることができる上、シートとの摩擦による摩耗が少ないという効果に加え、切断終了後に円形回転ナイフが除去されても、形成された切欠き溝が弾性変形により閉じることがないので、切欠き溝に堆積した紙粉を容易に除去でき、切欠き溝に堆積した紙粉による回転円形ナイフの切断性能の低下を抑制することができる。
また、請求項7記載の本発明のナイフ受けロールによれば、段ボールシートを切断する際に請求項1〜6と同様の効果を得ることができる。
また、請求項9記載の本発明のシート切断装置によれば、請求項8の効果に加え、段ボール函に成形した際に函の外側面を下面にした状態で搬送される段ボールシートを切断する際に、より切断品質のよい面を段ボール函の外側面とすることができ、高品質な段ボール函を生産することができる。
以下、図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態にかかるナイフ受けロール及び切断装置並びにスリッタスコアラについて説明する。なお、本実施形態にかかるナイフ受けロールは、従来技術として説明したものと同様に、コルゲートマシンに設けられて段ボールシートを切断するスリッタスコアラに備えられているので、これらの従来技術と同様の部分については図6を流用して説明するとともに説明を簡略化する。また、図1〜図4において従来技術のものとと同様の部材等は、同一の符号を付している。
そして、段ボールシート3の上方に、下端が段ボールシート3の上面と接するようにナイフ受けロール16が配設されており、回転するスリッタナイフ15と接触することによって上方に浮き上がろうとする段ボールシート3を上面から受台17に押さえ付けている。
つまり、スリッタナイフ15を段ボールシート3に貫通させると、ナイフ受けロール16においてスリッタナイフ15が突き出る面(この場合、段ボールシート3の上面)の切断面は、スリッタナイフ15の突出による上方への変形が生じ易いため、スリッタナイフ15が進入する面(この場合、段ボールシート3の下面)の切断面と比較した場合、どうしても切断品質が劣ることになる。一方、通常、段ボールシート3は表ライナ(段ボール函に成形した際に函の外側面となる)を下面にした状態で搬送されるため、段ボール函に成形した際の見栄えを考慮して、より切断品質の良好なスリッタナイフ15の挿入面が段ボールシート3の下面となるようにしている。また、ダブルフェーサ2(図5参照)において貼合された表ライナの剥がれを防ぐためにも、段ボールシート3の下面からスリッタナイフ15を挿入させるほうが好ましい。
回転駆動軸105は、一端側を駆動モータ等の駆動源に接続された円柱形状の軸部105Aと、この軸部105Aの他端側に一体形成され軸部105Aよりも拡径した円柱形状の拡径部105Bとをそなえ、拡径部105Bには、ボルト106が螺合しうるボルト孔(雌ねじ孔)105bが、複数箇所に円環状に配置されて軸方向に向けて穿設されている。
また、第1部材101の外周付近の他面側には、環状受け部材103が嵌入しうる環状の切り欠き部101aが形成され、切り欠き部101aには、軸方向にボルト104が螺合しうるボルト孔(雌ねじ孔)101eが複数箇所に円環状に配置されて軸方向に向けて穿設されている。なお、この切り欠き部101aは、第1部材101と第2部材102とを連結してロール本体100を形成した時に、第2部材102の第1部材101に対向する面とによって環状溝100Aを形成するようになっている。そして、第1部材101の外周面101fは、段ボールシート3の上面に接触して段ボールシート3の浮き上がりを防止するガイド面として機能するようになっている。
また、環状受け部材103の外周面は、上述のように、全体的にみると僅かな量だけ摩耗した後は、段ボールシート3との接触圧が低減するので、一定量以上は摩耗しにくいが、切断部近傍(即ち、切欠き溝103B’の両端部付近の外周面)においては、段ボールシート3がスリッタナイフ15に押し上げられて上方に変形するので、環状受け部材103と段ボールシート3との接触圧が比較的大きく、局所的に切断部近傍における環状受け部材103の外周面は摩耗し易い。
さらに、切断するシート及びスリッタナイフ15の種類,装置運転速度,気温等の条件などによって、環状受け部材103をより好適なものに容易に交換して使用することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態においては、第1部材101及び第2部材102は鋼材(スチール)で形成されているが、ロール本体を形成する第1部材及び第2部材の素材はこれに限定するものではなく、例えば、セラミック等、高剛性且つ耐摩耗性の素材であればよい。
また、上述の実施形態においては、本発明の一実施形態として段ボール製造装置に備えられる切断装置を例に説明したが、切断装置の用途はこれに限定するものではなく、ナイフとナイフ受けロールとによって帯状製品の切断を行う装置については適宜適用可能である。
2 ダブルフェーサ
3 段ボールシート
4 スコアラ装置
5 カッタ装置
6 積上装置
10 フレーム
11a,11b 梁
12a,12b ガイドレール
13 スリッタヘッド
14a,14b 移動装置
15 スリッタナイフ
15 刃先
16,16A,16B ナイフ受けロール
16a 溝,環状溝
17 受台
100 ロール本体
100A 環状溝
101 第1部材
101a 切り欠き部
101b 肉抜き孔
101c 環状凹所
101d,101e ボルト孔
101f 外周面
101g 面取部
101h 肉抜き部
102 第2部材
102a ボルト孔
102b 外周面
102c 面取部
103 環状受け部材
103a ボルト孔
103B,103B’ 切欠き溝
104,106 ボルト
105 回転駆動軸
105A 軸部
105B 拡径部
Claims (10)
- 移送されるシートを進行方向に沿って切断する円形回転ナイフの刃先を受けるナイフ受けロールであって、
耐摩耗性材料により構成され、使用時に前記シートと摺接する円筒状外周面を備えたロール本体と、
前記ロール本体の前記円筒状外周面に形成された環状溝と、
前記ロール本体とは異なる材料により構成されるとともに、前記環状溝内に装備されて前記円形回転ナイフの刃先を受ける受け部を構成し、前記円形回転ナイフにより切削されうる環状受け部材とを備えた
ことを特徴とする、ナイフ受けロール。 - 前記ロール本体は、回転軸と、
前期回転軸に連結された第1部材と、
前記第1部材との間に、前記環状受け部材を挟持し、前記第1部材に脱着可能に連結された第2部材とをそなえた
ことを特徴とする、請求項1記載のナイフ受けロール。 - 前記環状受け部材の軸方向中央から外れた位置に、前記円形回転ナイフの前記刃先が位置するように配置される
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のナイフ受けロール。 - 前記環状受け部材の環状外周面は、前記ロール本体の前記円筒状外周面に沿うように配置される
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のナイフ受けロール。 - 前記環状受け部材はフッ素樹脂を材料として形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のナイフ受けロール。 - 前記第1部材及び前記第2部材はスチールを材料として形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のナイフ受けロール。 - 該シートは段ボールシートである
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のナイフ受けロール。 - 移送されるシートの一面側に配置され、該シートを進行方向に沿って切断する円形回転ナイフと、
前記シートの他面側に前記円形回転ナイフと対向して配置された請求項1〜7の何れか1項に記載のナイフ受けロールとをそなえた
ことを特徴とする、シート切断装置。 - 前記円形回転ナイフが該シートの下方に配置され、前記ナイフ受けロールが該シートの上方に配置された
ことを特徴とする、請求項8記載のシート切断装置。 - 請求項8又は9記載のシート切断装置と、前記シートに罫線入れを行なう罫入れ装置とを備えた
ことを特徴とする、スリッタスコアラ。
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