JP2007094362A - スペーサー用感光性エレメント - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示装置の基板表面に十分均一に感光性樹脂組成物からなる感光層を形成可能なスペーサー用感光性エレメントを提供すること。
【解決手段】本発明のスペーサー用感光性エレメント20は、互いに対向配置された基板間に液晶が封入されてなる液晶表示装置において基板間の間隔を一定に保つためのスペーサーの形成に用いられる感光性エレメントであって、支持体フィルム24と、支持体フィルム24上に設けられた感光性樹脂組成物からなる感光層22とを備え、支持体フィルム24の膜厚が35〜200μmであることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明のスペーサー用感光性エレメント20は、互いに対向配置された基板間に液晶が封入されてなる液晶表示装置において基板間の間隔を一定に保つためのスペーサーの形成に用いられる感光性エレメントであって、支持体フィルム24と、支持体フィルム24上に設けられた感光性樹脂組成物からなる感光層22とを備え、支持体フィルム24の膜厚が35〜200μmであることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、液晶表示装置のスペーサーの形成に用いられる感光性エレメントに関する。
近年、液晶カラーテレビ、液晶カラーディスプレーを備えたノート型コンピュータ等、液晶表示装置はその用途がますます拡大している。これらの液晶表示装置は、透明電極等を設けたガラスなどの透明な基板と他の基板との間に1〜10μm程度の間隙(ギャップ)を有している。この間隙に液晶物質を封入して形成される液晶層に対して、電極を通じて電界を印加し、液晶物質を配向させることにより画像が表示される。
このような液晶表示装置では、液晶層の厚さが部分的に変化し、表示面内全域において均一であるべき液晶層の厚さが不均一となる現象、つまりギャップの不均一が生じる場合がある。このようなギャップの不均一が生じると表示ムラやコントラスト異常などの画質低下が発生する。
これらの問題点を解消するため、一般に、液晶表示装置の基板間にはギャップを一定に保つためのスペーサーが設けられている。特許文献1〜4ではスペーサーを用いてギャップの不均一に係る問題を解消するための手段が種々提案されている。例えば、特許文献1には、画素電極を備えた基板上に紫外線硬化型の樹脂を塗布、乾燥後、露光・現像を行うことで柱状の液晶パネル用スペーサを形成する方法が記載されている。また、特許文献2には光重合体被膜で形成された柱状スペーサーを用いた液晶表示素子、特許文献3には表示パネルスペーサー用感放射性樹脂組成物が記載されている。また、特許文献4には、基板表面にスペーサーを形成するにあたり、感光性エレメントを使用することが記載されている。感光性エレメントは、支持体フィルムと該支持体フィルム上に設けられた感光性樹脂組成物層からなり、この感光性エレメントを基板上の所定位置に配置後、感光性樹脂組成物層を基板表面に圧着し、さらに露光・現像を行うことで基板上にスペーサーが形成される。
特開平3−89320号公報
特開平10−168134号公報
特開平11−133600号公報
特開2005−107121号公報
しかしながら、特許文献1〜3においてスペーサーの製造に用いられる感光性樹脂組成物は、基板上にスペーサーを形成する工程において、溶液の状態で使用されるため該溶液を基板上に膜厚が均一になるように塗布する必要がある上、さらに、これを乾燥する必要がある。これに対し、特許文献4の感光性エレメントを使用する方法は、基板上にスペーサーを形成する工程において該樹脂を塗布・乾燥する工程を省略でき且つ該樹脂を溶液の状態で管理する必要がないという利点を有している。
ところで、本発明者らは、液晶表示装置において表示ムラ等の発生を十分に防止するために、スペーサーは十分な硬度又は機械的強度を具備している必要があると考えている。本発明者らは、これらの特性を向上させた感光性樹脂組成物からなる感光層が支持体フィルムの表面に設けられた感光性エレメントを用いて、液晶表示装置を製造した。しかしながら、その液晶表示装置は、まだ表示ムラ等が発生し、十分な表示品質を示すに至っていない。
本発明者らがその要因を鋭意検討した結果、液晶表示装置の基板に圧着した感光層はその膜厚の薄い部分と厚い部分とが混在し、膜厚が不均一になっていることを見出した。そして、感光層の膜厚が不均一になるのは、液晶表示装置の基板に感光性エレメントの感光層を圧着した際に、感光層の支持体フィルムとの界面に皺やムラが発生しているためであることを見出した。
そこで、本発明は、液晶表示装置の基板表面に圧着した際に、支持体フィルム及び/又は感光層における皺やムラの発生が十分に抑制されるスペーサー用感光性エレメントを提供する。
本発明者らは、圧着工程における皺やムラの問題について検討したところ、皺やムラの発生は、圧着工程で使用する圧着ロールの不均一な加重や歪みによるものであることを見出した。さらに、本発明者らは、上述の皺やムラの発生が、支持体フィルムの膜厚に起因するものであること、したがって、従来よりも膜厚が厚いものを使用することで上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
支持体フィルムは、主に、(1)感光層を圧着する際に圧着ロールなどの圧着手段が直接感光層と接触することを回避するため、(2)感光性エレメントをロール状に巻いて貯蔵する際に感光層同士が密着することを回避するため、に設けられている。したがって、支持体フィルムに求められる特性としては、圧着手段等に対して感光層を隔離する隔離性と共に、巻回可能で且つ圧着作業や感光層からの剥離作業を円滑に進行させるための柔軟性が挙げられる。従来、支持体フィルムの膜厚は感光層の特性に影響を与えないと考えられていたため、実際に採用される支持体フィルムの膜厚は、上述の(1)及び(2)を考慮して、10〜25μm程度である。
即ち、本発明は以下に関する。
(1)互いに対向配置された基板間に液晶が封入されてなる液晶表示装置の前記基板間の間隔を一定に保つためのスペーサーの形成に用いられる感光性エレメントであって、支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けられた感光性樹脂組成物からなる感光層とを備え、前記支持体フィルムの膜厚が35〜200μmであることを特徴とするスペーサー用感光性エレメント。
(2)前記感光層の膜厚に対する前記支持体フィルムの膜厚の比率が7以上であることを特徴とする項(1)記載のスペーサー用感光性エレメント。
(3)前記感光性樹脂組成物は、(a)バインダポリマーと、(b)1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(c)活性光線により遊離ラジカルを生成する光重合開始剤とを含有することを特徴とする項(1)又は(2)記載のスペーサー用感光性エレメント。(4)前記感光性樹脂組成物が、(d)加水分解性基に結合したケイ素原子を有するシリル基含有有機化合物をさらに含有することを特徴とする項(3)記載のスペーサー用感光性エレメント。
(1)互いに対向配置された基板間に液晶が封入されてなる液晶表示装置の前記基板間の間隔を一定に保つためのスペーサーの形成に用いられる感光性エレメントであって、支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けられた感光性樹脂組成物からなる感光層とを備え、前記支持体フィルムの膜厚が35〜200μmであることを特徴とするスペーサー用感光性エレメント。
(2)前記感光層の膜厚に対する前記支持体フィルムの膜厚の比率が7以上であることを特徴とする項(1)記載のスペーサー用感光性エレメント。
(3)前記感光性樹脂組成物は、(a)バインダポリマーと、(b)1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(c)活性光線により遊離ラジカルを生成する光重合開始剤とを含有することを特徴とする項(1)又は(2)記載のスペーサー用感光性エレメント。(4)前記感光性樹脂組成物が、(d)加水分解性基に結合したケイ素原子を有するシリル基含有有機化合物をさらに含有することを特徴とする項(3)記載のスペーサー用感光性エレメント。
本発明により、液晶表示装置の基板表面に圧着した際に、支持体フィルム及び/又は感光層における皺やムラの発生が十分に抑制されるスペーサー用感光性エレメントを提供することが可能となった。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
まず、本発明に係るの感光性エレメントの説明に先立ち、図1を参照して、液晶表示装置の構成について説明する。図1は、本発明に係る感光性エレメントから製造されたスペーサーが装着された液晶表示装置の一例を示す模式断面図である。図1に示すように、液晶表示装置1は、対向させて配設された一対の基板部材6a、6bを有している。基板部材6aは、電極2a、基板3a、緩衝材層4a及び偏光板5aからなり、これらがこの順序で積層されている。また、基板部材6bは、電極2b、基板3b、緩衝材層4b及び偏光板5bからなり、これらがこの順序で積層されている。さらに、基板部材6a、6bの電極2a、2bが形成されている側には、それぞれ配向層17a、17bが積層されている。そして、液晶層18は、配向層17a、17bを介して、基板部材6a、6bによって挟持されている。そして、液晶層18の周縁部であって基板部材6a、6bの間にはシール剤13が設けられており、これにより基板部材6a、6bが結合されている。
このような液晶表示装置において、図1に示すように、スペーサー10は液晶層18の厚さを一定に保つために、液晶表示装置1の所定の位置に配設される。スペーサー10は、高品位な画像を表示する観点から、透光部である表示ドット部以外の位置に配設されることが好ましい。また、スペーサー10は、画面表示全領域にわたって均等な間隔で配設されることが好ましい。なお、液晶層の厚さの絶対値は、温度により変動するため、液晶層の厚さを一定に保つとは、ある温度で設計された液晶層の厚さが、液晶表示装置の表示画面全領域にわたって均一に保たれていることをいう。本発明に係る感光性エレメントから製造されるスペーサー10は、一般に柱状スペーサー又は感光性スペーサーとよばれるものである。
図1に示す基板部材6a、bは、電極2a、b、基板3a、b、緩衝材層4a、b及び偏光板5a、bからなっているが、必ずしもこれら全てが積層されている必要はない。また、基板部材6a、bの表面には、必要に応じて、さらに絶縁層、ブラックマトリックスの層、カラーフィルターの層、TFT等が設けられていてもよい。
電極2a、bとしては、スズドープ酸化インジウム(ITO)等の透明電極、プリント基板等には銅の金属薄膜等を用いることができる。また、基板3a、bとしては、セラミック板、プラスチック板、ガラス板等が挙げられる。また、緩衝材層4a、b及び偏光板5a、bについては、公知の緩衝材層及び偏光板を用いることができる。また、配向層17a、bについても、公知の液晶配向剤を用いて形成することができる。
次に、本発明に係る感光性エレメントについて説明する。図2は、本発明の感光性エレメントの一実施形態を示す部分断面図である。図2に示すように、感光性エレメント(スペーサー用感光性エレメント)20は、支持体フィルム24と支持体フィルム24の一方面に設けられた感光性樹脂組成物からなる感光層22とを備える。
感光性エレメント20は、感光性樹脂組成物を構成する各成分を溶媒に均一に溶解又は分散した溶液を、支持体フィルム24上に塗布、乾燥し、感光層22を形成することにより得られる。
支持体フィルム24としては、膜厚が35〜200μmのフィルムを使用する。フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン等が挙げられる。支持体フィルム24の膜厚が35μm未満の場合には、感光性エレメント20の感光層22を基板上に圧着する際に、圧着ロールの不均一な加重や歪みによって、感光性エレメント20に皺やムラ等が発生し、感光層22の膜厚が不均一となる。この状態でスペーサーを形成し液晶表示装置を製造した場合、基板間の間隔が表示パネル面内で不均一となり表示ムラが顕著になる。他方、支持体フィルムの膜厚が200μmを超える場合には、支持体フィルムの柔軟性が低下するため圧着工程の作業性が低下する。
支持体フィルム24は、単層であっても多層であってもよいが、本発明の目的を一層効果的且つ確実に達成する観点から単層であるとより好ましい。
なお、圧着により感光性エレメントに発生し得る皺やムラ等を更に十分に抑制する観点から、支持体フィルム24の膜厚は、38〜150μmであることが好ましく、40〜125μmであることがより好ましい。また、支持体フィルム24として、膜厚が100〜150μm、より好ましくは110〜150μmの上記材質からなるフィルムを採用することもできる。
感光性樹脂組成物を含む溶液を支持体フィルム24表面に塗布する方法としては、公知の塗布方法を用いることができ、例えば、ドクターブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ロールコーティング法、スクリーンコーティング法、スピナーコーティング法、インクジェットコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、グラビアコーティング法、カーテンコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。
上記方法により塗布された塗膜を乾燥させ、塗膜に含まれる溶媒を揮発させることにより感光層22を形成する。乾燥温度は、60〜130℃とすることが好ましく、乾燥時間は、1分〜1時間とすることが好ましい。
感光層22の膜厚は、スペーサーを形成した際の液晶表示装置の電気的特性又は液晶の配向特性を考慮して、0.1〜20μmとすることが好ましく、0.3〜15μmとすることがより好ましく、0.5〜10μmとすることが特に好ましい。
また、圧着工程において感光性エレメントに発生し得る皺やムラ等をより十分に抑制する観点から感光層22の膜厚と支持体フィルム24の膜厚との比率を所定の値以上とすることが好ましい。具体的には、感光層22の膜厚に対する支持体フィルム24の膜厚の比率は7以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。該比率が7以上であると、圧着工程において、例えば、圧着ロールの加重が不均一であったとしても、支持体フィルム24が緩衝材として作用し、不均一な加重が十分に分散し、感光層22における皺やムラ等の発生を十分に抑制できるためである。該比率が7未満であり且つ比較的厚い感光層22を有する感光性エレメント20を基板上に圧着する際には、圧着ロールの加重の不均一が比較的軽微であっても、感光層22が厚いために感光層22に薄い部分及び厚い部分が生じやすく皺やムラ等が発生しやすい傾向がある。他方、該比率が7未満であり且つ比較的薄い感光層22を有する感光性エレメント20を基板上に圧着する際には、支持体フィルム24の緩衝材としての作用が不充分となり、感光層22に皺やムラ等が発生しやすい傾向がある。
なお、感光層22の膜厚と支持体フィルム24の膜厚との比率は30以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましい。該比率が30を超えると、支持体フィルムの柔軟性が低下し、圧着工程の作業性が低下する傾向がある。
また、感光性エレメントの感光層22の表面F20に対向するように保護層がさらに積層されていてもよい。図3は、保護層25が積層された感光性エレメント30の部分断面図である。
保護層25はフィルム状であることが好ましい。保護層25として使用することのできるフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等からなる膜厚5〜100μm程度のフィルムが挙げられる。
支持体フィルム24、感光層22及び保護層25がこの順序で積層されたフィルム状の感光性エレメント30は、ロール状に巻いて保管することができる。また、使用時にはロール状に巻かれた感光性エレメント30を引き出し、適宜、保護層25を剥して使用すればよい。
また、支持体フィルム24表面に設けられた感光層22の粘度は、感光層22が流動せずに、支持体フィルム24表面に保持された状態で保存するため、並びに、感光性エレメント20の切断、配置等の作業性を高め、パターン形成を確実に行うために、30℃において、15〜100MPa・sであることが好ましく、20〜90MPa・sであることがより好ましく、25〜80MPa・sであることが特に好ましい。
なお、感光層22の粘度は、直径7mm、厚さ2mmの感光性樹脂組成物(感光層22を構成する感光性樹脂組成物)からなる円板状の層の厚さ方向に、30℃及び80℃で1.96×10−2Nの荷重を加えて厚さの変化速度を測定し、この変化速度からニュートン流体を仮定して粘度に換算した値である。
次に、本発明に係る感光性エレメントの感光層22に好適な感光性樹脂組成物を説明する。感光性樹脂組成物としては、(a)バインダポリマーと、(b)1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、(c)遊離ラジカルを生成する光重合開始剤とを含有するものが好適である。また、上記感光性樹脂組成物は、基板部材との密着性を向上させる観点から、上述の(a)、(b)、(c)成分に加えて、(d)加水分解性基に結合したケイ素原子を有するシリル基含有有機化合物を含有してもよい。以下、(a)バインダポリマー、(b)光重合性化合物、(c)光重合開始剤、及び(d)シリル基含有有機化合物のそれぞれについて説明する。
<(a)バインダポリマー>
(a)バインダポリマー(以下、必要に応じ「(a)成分」という)としては、例えば、ビニル単重合体やビニル共重合体が挙げられ、それらの重合体に用いられるビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、スチレン、α−メチルスチレン、シクロヘキシルマレイミド、アクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらのビニル単量体は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
(a)バインダポリマー(以下、必要に応じ「(a)成分」という)としては、例えば、ビニル単重合体やビニル共重合体が挙げられ、それらの重合体に用いられるビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、スチレン、α−メチルスチレン、シクロヘキシルマレイミド、アクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらのビニル単量体は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、(a)成分としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、イソシアネート基、オキシラン環、下記式(1);
−CO−O−OC− (1)
で表される2価の有機基等の官能基を有するビニル共重合体(プレポリマー)の側鎖に、少なくとも1個のエチレン性不飽和基と、オキシラン環、イソシアネート基、水酸基、及びカルボキシル基等の1個の官能基とを有する化合物を付加反応させて得られる、側鎖にエチレン性不飽和基を有するラジカル重合性共重合体等を使用することもできる。
−CO−O−OC− (1)
で表される2価の有機基等の官能基を有するビニル共重合体(プレポリマー)の側鎖に、少なくとも1個のエチレン性不飽和基と、オキシラン環、イソシアネート基、水酸基、及びカルボキシル基等の1個の官能基とを有する化合物を付加反応させて得られる、側鎖にエチレン性不飽和基を有するラジカル重合性共重合体等を使用することもできる。
さらに、上述した側鎖にエチレン性不飽和基を有するラジカル重合性共重合体の合成には必要に応じ、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、イソシアネート基、オキシラン環、上記式(1)で表される2価の有機基等の官能基を有するビニル単量体以外の前記ビニル単量体を共重合させることができ、これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、側鎖にエチレン性不飽和基を有するラジカル重合性共重合体中のエチレン性不飽和基濃度は、1.0×10−4〜6.0×10−3モル/gとすることが好ましく、2.0×10−4〜5.0×10−3モル/gとすることがより好ましく、3.0×10−4〜4.0×10−3モル/gとすることが特に好ましい。このエチレン性不飽和基濃度が1.0×10−4モル/g未満では、スペーサーとした場合に、表示品質確保のための硬度向上効果が十分に得られない傾向があり、6.0×10−3モル/gを超えると、側鎖にエチレン性不飽和基を有するラジカル重合性共重合体を製造する際にゲル化を起こす傾向がある。なお、エチレン性不飽和基濃度は原材料の仕込み量から決めることができる。
また、(a)成分は、後述する露光部以外の部分の感光層を除去して、スペーサーのパターンを現像するパターン現像工程において、パターンの現像に用いられる公知の各種現像液により現像可能となるように酸価を規定することができる。
公知の現像液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエタノールアミン等のアルカリ水溶液、水又はアルカリ水溶液と1種以上の界面活性剤とからなるアルカリ水溶液などが挙げることができる。
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエタノールアミン等のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価を50〜260mgKOH/gとすることが好ましい。この酸価が、50mgKOH/g未満では、現像が困難となる傾向があり、260mgKOH/gを超えると、耐現像液性が低下する傾向がある。なお、耐現像液性とは、現像により除去されずにパターンとなる部分が、現像液によって侵されない性質をいう。
また、水又はアルカリ水溶液と1種以上の界面活性剤とからなるアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価を、16〜260mgKOH/gとすることが好ましい。この酸価が、16mgKOH/g未満では、現像が困難となる傾向があり、260mgKOH/gを超えると、耐現像液性が低下する傾向がある。
(a)成分の重量平均分子量は、感光性樹脂組成物の耐熱性、塗布性、フィルム性、溶媒への溶解性及び上述した現像液への溶解性等の観点から、1000〜300000とすることが好ましく、5000〜150000とすることがより好ましい。上記の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン換算した値である。なお、フィルム性とは、フィルム状の形態を保持する特性をいう。
<(b)光重合性化合物>
(b)光重合性化合物(以下、必要に応じ「(b)成分」という)としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−(ジ(メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタンモノマー、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、等が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
(b)光重合性化合物(以下、必要に応じ「(b)成分」という)としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−(ジ(メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタンモノマー、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、等が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
なお、本発明における「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」又はそれに対応する「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」又はそれに対応する「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基」又はそれに対応する「メタクリロイル基」を意味する。
上記の多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−(ジ(メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、グリシジル基含有化合物化合物、ウレタンモノマー、及び、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、具体的には以下の化合物が挙げられる。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート(すなわちペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート)、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、エチレンオキシド変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド,プロピレンオキシド変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
上述の(b)成分は1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<(c)光重合開始剤>
(c)光重合開始剤(以下、必要に応じ「(c)成分」という)としては、例えば、芳香族ケトン、キノン類、ベンゾインエーテル化合物、ベンジル誘導体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、アクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物が挙げられる。
(c)光重合開始剤(以下、必要に応じ「(c)成分」という)としては、例えば、芳香族ケトン、キノン類、ベンゾインエーテル化合物、ベンジル誘導体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、アクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物が挙げられる。
芳香族ケトンとしては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(すなわちミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オンが挙げられる。キノン類としては、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノンが挙げられる。ベンゾインエーテル化合物としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルが挙げられる。ベンジル誘導体としては、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタールが挙げられる。2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体としては、2−(2−クロロフェニル)−1−〔2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル−1,3−ジアゾール−2−イル〕−4,5−ジフェニルイミダゾール等の2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体が挙げられる。アクリジン誘導体としては、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタンが挙げられる。
(c)成分は、常法によって合成してもよく、市販のものを入手してもよい。入手可能な(c)成分としては、例えば、イルガキュア−369(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製)、イルガキュア−907(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製)が挙げられる。
また、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールに置換した置換基は同一でも相違していてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸との組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。
活性光線に対する感度の向上及びパターン形成時の基板部材に対する密着性の向上の観点から、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体が好ましく、スペーサーとした場合の可視光線透過率の観点から2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オンがより好ましい。
上述の(c)成分は1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<(d)シリル基含有有機化合物>
(d)シリル基含有有機化合物(以下、必要に応じ「(d)成分」という)は、加水分解性基に結合したケイ素原子を有するものであればよい。かかる化合物としては、例えば、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのうち、感光性エレメントの保存安定性の観点から、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。なお、これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
(d)シリル基含有有機化合物(以下、必要に応じ「(d)成分」という)は、加水分解性基に結合したケイ素原子を有するものであればよい。かかる化合物としては、例えば、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのうち、感光性エレメントの保存安定性の観点から、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。なお、これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
感光性樹脂組成物における(a)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、10〜80質量部とすることが好ましく、20〜75質量部とすることがより好ましく、25〜73質量部とすることが特に好ましく、30〜70質量部とすることが極めて好ましい。この含有量が10質量部未満では、塗布性あるいは感光性エレメントを形成した場合のフィルム性が低下する傾向があり、80質量部を超えると、光硬化性あるいは耐熱性が低下する傾向がある。
感光性樹脂組成物における(b)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、10〜80質量部とすることが好ましく、20〜75質量部とすることがより好ましく、25〜73質量部とすることが特に好ましく、30〜70質量部とすることが極めて好ましい。この含有量が10質量部未満では、光硬化性あるいは耐熱性が低下する傾向があり、80質量部を超えると、塗膜性あるいは感光性エレメントを形成した場合のフィルム性が低下する傾向がある。
感光性樹脂組成物における(c)成分の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、0.05〜20質量部とすることが好ましく、0.1〜15質量部とすることがより好ましく、0.15〜10質量部とすることが特に好ましい。この含有量が0.05質量部未満では、光硬化が不十分となる傾向があり、20質量部を超えると、感光層の表面付近の領域における活性光線の吸収率が増大し、内部の光硬化が不十分となる傾向がある。
また、感光性樹脂組成物には、光励起された光重合開始剤に水素を供与可能な化合物、又は光重合開始剤から発生したラジカルに水素を供与可能な化合物(以下、これらを総称して「水素供与性化合物」という。)を配合してもよい。水素供与性化合物は、米国特許3390996号明細書に「photooxidant」として開示されたものであってもよい。水素供与性化合物の具体例としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソブチル、4,4−ジメチルアミノベンゾフェノン等の芳香族アミン;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のチオール化合物が挙げられる。
また、感光性樹脂組成物には、必要に応じて、レベリング剤、可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、重合禁止剤等を(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部程度含有することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、感光性樹脂組成物は、必要に応じて、1種の溶剤又は2種以上の混合溶剤に適当な配合割合で溶解して、粘度を適宜調整することができる。溶剤としては、アルコール類、グリコール、そのモノアルキルエーテル、ジアルキルエーテル、モノアセテート、ジアセテート及びアルキルエーテルアセテート、並びに、ケトン類、ヒドロキシケトン類、環状化合物類、カルボン酸エステル化合物、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、3−メトキシ−1−ブタノールが挙げられる。グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられる。グリコールのモノアルキルエーテルとしては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブが挙げられる。グリコールのジアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルが挙げられる。グリコールのモノアセテートとしては、例えば、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテートが挙げられる。グリコールのジアセテートとしては、例えば、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテートが挙げられる。グリコールのアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、メチルヘキシルケトン、エチルブチルケトン、ジブチルケトンが挙げられる。ヒドロキシケトン類としては、例えば、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、6−ヒドロキシ−2−ヘキサノンが挙げられる。環状化合物類としては、例えば、トルエン、シクロヘキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、炭酸プロピレンが挙げられる。カルボン酸エステル化合物としては、例えば、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチルが挙げられる。
[スペーサー形成方法]
以下、感光性エレメント20を用いて基板部材上にスペーサーを製造する方法について説明する。スペーサーは、(i)圧着工程、(ii)活性光線照射工程、(iii)パターン現像工程及び(iv)加熱工程を経て基板部材上にスペーサーが形成される。図4は、図1に示したスペーサー10の製造工程を模式的に示す工程断面図である。なお、感光層22が加熱処理を必要としない感光性樹脂組成物からなる場合は、(iv)加熱工程は省略してもよい。
以下、感光性エレメント20を用いて基板部材上にスペーサーを製造する方法について説明する。スペーサーは、(i)圧着工程、(ii)活性光線照射工程、(iii)パターン現像工程及び(iv)加熱工程を経て基板部材上にスペーサーが形成される。図4は、図1に示したスペーサー10の製造工程を模式的に示す工程断面図である。なお、感光層22が加熱処理を必要としない感光性樹脂組成物からなる場合は、(iv)加熱工程は省略してもよい。
<(i)圧着工程>
図4に示す基板部材46bの電極2bを備える面に対し、感光層22の表面F20が対向するように感光性エレメント20を配置後、これに押圧力を加え圧着する。なお、感光層22に表面に保護層25を有する感光性エレメント30を用いる場合は、保護層25を取り除いてから感光性エレメントの圧着工程を行う。圧着工程により感光層22が基板部材の表面に密着していると、圧着せずに基板部材の表面に配置される場合と比較し、次の工程のために基板部材を移動するなどの場合に、感光性エレメントが所定の位置からずれたり、落下したりすることを防止でき作業性を向上できるという利点がある。
図4に示す基板部材46bの電極2bを備える面に対し、感光層22の表面F20が対向するように感光性エレメント20を配置後、これに押圧力を加え圧着する。なお、感光層22に表面に保護層25を有する感光性エレメント30を用いる場合は、保護層25を取り除いてから感光性エレメントの圧着工程を行う。圧着工程により感光層22が基板部材の表面に密着していると、圧着せずに基板部材の表面に配置される場合と比較し、次の工程のために基板部材を移動するなどの場合に、感光性エレメントが所定の位置からずれたり、落下したりすることを防止でき作業性を向上できるという利点がある。
感光層22を基板部材46b表面に圧着する場合、圧着温度は、10〜180℃であることが好ましく、20〜160℃であることがより好ましく、30〜150℃であることが特に好ましい。圧着温度が10℃未満では、感光層22と基板部材46bとの密着性が不十分となる傾向があり、180℃を超えると、感光層22の構成成分が熱硬化又は熱分解する傾向がある。加熱しながら圧着する場合は、加熱手段を備えた圧着ロール等を使用することができる。
また、圧着時の圧着圧力は、線圧で5×10〜1×105N/mとすることが好ましく、2.5×102〜5×104N/mとすることがより好ましく、5×102〜4×104N/mとすることが特に好ましい。この圧着圧力が、5×10N/m未満では、感光層22と基板部材6bとの密着性が低下する傾向があり、1×105N/mを超えると、基板部材46bが破壊される場合がある。
感光性エレメント20を基板部材46b表面に圧着する圧着工程において、感光層22と基板部材46bとの密着性をさらに向上させる点から、基板部材46bを予熱処理することが好ましい。予熱処理の予熱温度は、30〜180℃とすることが好ましい。ただし、圧着工程において加熱圧着する場合は、必ずしも予熱処理は必要ではない。
圧着工程においては、感光層22と支持体フィルム24とが一体化した状態で基板部材上に感光層22を圧着するため、後段の活性光線照射工程に先立ち、支持体フィルム24を剥離し、感光層22を露出させる必要がある。ただし、支持体フィルム24が活性光線Lを透過する性質を有する場合は、支持体フィルム24を剥離せずに活性光線照射工程を行い、活性光線照射工程後に支持体フィルム24を剥離してもよい。
<(ii)活性光線照射工程>
(i)圧着工程を経て基板部材46b上に圧着された感光層22の所定部分に活性光線を照射する方法としては、例えば、基板部材上に積層された感光層22にフォトマスク9を介して、公知の活性光線を照射する方法等が挙げられる。
(i)圧着工程を経て基板部材46b上に圧着された感光層22の所定部分に活性光線を照射する方法としては、例えば、基板部材上に積層された感光層22にフォトマスク9を介して、公知の活性光線を照射する方法等が挙げられる。
活性光線照射工程にて用いられる活性光線Lとしては、公知の活性光源が使用でき、例えば、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等が挙げられ、紫外線を有効に放射するものであれば特に制限されない。
このようにして感光層22の所定部分に活性光線を照射すると、露光部22aが形成される。ここで、感光層22において、フォトマスク9によって活性光線Lが遮断された部分、すなわち、感光層22の露光部22a以外の部分を非露光部22bとする。
<(iii)パターン現像工程>
(ii)活性光線照射工程で得られた構造体7の非露光部22bを除去することにより露光部22aからなるパターンが現像され、パターンが形成された構造体8を得る。
(ii)活性光線照射工程で得られた構造体7の非露光部22bを除去することにより露光部22aからなるパターンが現像され、パターンが形成された構造体8を得る。
非露光部22bを除去してパターンを現像する方法としては、スプレー、シャワー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法を用いることができる。
パターンの現像には、現像液が用いられる。このような現像液としては、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤等の公知の現像液を用いることができる。上記の現像液の中でも、環境、安全性の観点からアルカリ水溶液を用いることが好ましいものとして挙げられる。
また、現像液に用いられるアルカリ水溶液の塩基としては、水酸化アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの炭酸塩もしくは重炭酸塩等)、アルカリ金属リン酸塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、アルカリ金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等)、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエタノールアミンなどが挙げられ、上述した塩基の中でも、水酸化テトラメチルアンモニウム等が好ましいものとして挙げられる。
現像温度及び時間は、感光層の現像性に合わせて調整することができる。
また、アルカリ水溶液中には、界面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させることができる。
また、現像後、光硬化後の感光層に残存したアルカリ水溶液の塩基を、有機酸、無機酸又はこれらの酸水溶液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知方法により中和処理する酸処理を行ってもよい。また、酸処理後に、さらに、感光層及び基板部材を水洗してもよい。
また、パターンが形成された構造体8において、露光部22aと基板部材6bとの密着性を向上させること、露光部22aの耐薬品性を向上させること等を目的に、パターン現像工程後、露光部22aに活性光線を照射してもよい。パターン現像工程後において活性光線を露光部22aに対して照射する方法としては、露光部22aに活性光線が有効に照射される方法であれば特に制限されない。具体的には、上述の活性光線照射工程と同様な活性光線及び照射条件にて行うことができる。
<(iv)加熱工程>
(iii)パターン現像工程を経て得られる露光部22aを加熱し、基板部材46b上にスペーサー10が形成された構造体11を得る。露光部22aの加熱方法としては、熱風放射、赤外線照射加熱等の公知の方法が挙げられ、露光部22aが有効に加熱される方法であれば特に制限されない。
(iii)パターン現像工程を経て得られる露光部22aを加熱し、基板部材46b上にスペーサー10が形成された構造体11を得る。露光部22aの加熱方法としては、熱風放射、赤外線照射加熱等の公知の方法が挙げられ、露光部22aが有効に加熱される方法であれば特に制限されない。
加熱工程における加熱の温度は、140〜300℃とすることが好ましく、150〜290℃とすることがより好ましく、160〜280℃とすることが特に好ましい。この加熱温度が、140℃未満では、熱硬化の効果が不十分となる傾向があり、300℃を超えると、露光部22aの構成成分が熱分解する傾向がある。
以上、本発明の感光性エレメントを用いて液晶表示装置用のスペーサーを製造する方法について説明したが、本発明による感光性エレメントは、液晶表示装置の用途に限定されるものではない。液晶表示装置以外の用途としては、例えば、エレクトロクロミックディスプレイや電子ペーパー等である。即ち、対向する基板部材間に流動性を有する物質の層を構成してなる表示装置等のスペーサーとして好適に使用することができる。
<実施例1>
(バインダポリマー溶液(a−1)の調製)
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、表1の(1−1)に示す成分を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温した。そして、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、表1の(1−2)に示す各成分の配合物を4時間かけて均一に滴下した。なお、バインダポリマーの重合開始剤として、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を用いた。
(バインダポリマー溶液(a−1)の調製)
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、表1の(1−1)に示す成分を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温した。そして、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、表1の(1−2)に示す各成分の配合物を4時間かけて均一に滴下した。なお、バインダポリマーの重合開始剤として、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を用いた。
さらに、撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えた別のフラスコに、上記プレポリマーの溶液を仕込み、窒素ガス雰囲気下で70℃に昇温した。そして、反応温度を70℃±2℃に保ちながら、そのフラスコにイソシアン酸エチルメタクリレート20質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート35質量部及びジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.1質量部の配合物を2時間かけて均一に滴下した。
滴下後、70℃±2℃で2時間撹拌を続け、重量平均分子量が約26000のエチレン性不飽和基を有するバインダポリマーの溶液(固形分35質量%)(a−1)を得た。
(感光性エレメントの作製)
支持体フィルムとして、膜厚100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、この支持体フィルム上にコンマコーターを用いて感光性樹脂組成物溶液(V−1)を均一に塗布した。そして、支持体フィルム上に塗布された(V−1)の溶液を温度条件100℃の熱風対流式乾燥機で1分間乾燥して溶剤を除去し、感光層を形成した。得られた感光層の膜厚は4μmであった。本実施例においては、感光層の膜厚に対する支持体フィルムの膜厚の比率は、25である。
支持体フィルムとして、膜厚100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、この支持体フィルム上にコンマコーターを用いて感光性樹脂組成物溶液(V−1)を均一に塗布した。そして、支持体フィルム上に塗布された(V−1)の溶液を温度条件100℃の熱風対流式乾燥機で1分間乾燥して溶剤を除去し、感光層を形成した。得られた感光層の膜厚は4μmであった。本実施例においては、感光層の膜厚に対する支持体フィルムの膜厚の比率は、25である。
次いで、得られた感光層の上に、さらに、25μmの膜厚のポリエチレンフィルムを、保護層として張り合わせて、感光性エレメントを作製した。
(スペーサーの形成)
感光性エレメントの保護層であるポリエチレンフィルムを剥しながら、感光層が接するようにラミネータ(日立化成工業(株)製、商品名HLM−3000型)を用いて、ガラス基板上に圧着した(圧着工程)。ガラス基板(厚さ1mm)としては表面に縦300mm×横300mmのITO膜(透明電極)が形成されたものを使用した。圧着条件は、ロール温度120℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Paとした。このようにして、透明電極及びガラス基板からなる基板部材上に、感光層及び支持体フィルムが積層された積層体を作製した。
感光性エレメントの保護層であるポリエチレンフィルムを剥しながら、感光層が接するようにラミネータ(日立化成工業(株)製、商品名HLM−3000型)を用いて、ガラス基板上に圧着した(圧着工程)。ガラス基板(厚さ1mm)としては表面に縦300mm×横300mmのITO膜(透明電極)が形成されたものを使用した。圧着条件は、ロール温度120℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Paとした。このようにして、透明電極及びガラス基板からなる基板部材上に、感光層及び支持体フィルムが積層された積層体を作製した。
圧着工程後において、基板部材上の感光層及び支持体フィルムの外観を紫外線カットの白色蛍光灯を用いて目視確認した結果、感光層及び支持体フィルムに皺及びムラは発生していなかった。
次いで、活性光線透過部が100μmピッチで直径15μmの円形にパターニングされたフォトマスク及び平行光線露光機(オーク製作所(株)製、EXM1201)を使用して、得られた感光層に紫外線を像的に照射した。フォトマスクと感光層表面との間隔は100μmとした。また、紫外線照射は、フォトマスク面垂直上方より露光量5×102J/m2(i線(波長365nm)における測定値)で行った。
次いで、0.5質量%の界面活性剤を含有した0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて、30℃で40秒間スプレー現像して、露光部以外の部分を選択的に除去してスペーサーのパターンを形成した(パターン現像工程)。
パターン現像工程後において、スペーサーのパターンが形成された基板の外観についてナトリウムランプを用いて目視観察した結果、皺やムラ等の外観上の不具合は認められなかった。
(液晶表示装置の製造)
スペーサーを形成した基板に液晶配向剤をスピンコート法により塗布し、180℃で30分間、ボックス型乾燥機で乾燥して膜厚0.05μmの塗膜を形成した。次いで、ナイロン製の布を巻きつけたロールを有するラビングマシンを用いて配向膜のラビング処理を行った。ラビング処理後の基板の外縁に、ガラスファイバー入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷塗布した。該基板と対向基板(ラビング処理された配向膜を有し且つスペーサーが形成されていない基板)とをそれぞれの配向膜が対向し且つラビング方向が直行するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。
スペーサーを形成した基板に液晶配向剤をスピンコート法により塗布し、180℃で30分間、ボックス型乾燥機で乾燥して膜厚0.05μmの塗膜を形成した。次いで、ナイロン製の布を巻きつけたロールを有するラビングマシンを用いて配向膜のラビング処理を行った。ラビング処理後の基板の外縁に、ガラスファイバー入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷塗布した。該基板と対向基板(ラビング処理された配向膜を有し且つスペーサーが形成されていない基板)とをそれぞれの配向膜が対向し且つラビング方向が直行するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。
次いで、対向する上記一対の基板間に、ネマティック型液晶を注入した後、エポキシ樹脂接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、基板の外側両面に偏向方向が各基板の液晶配向膜のラビング方向と一致するように偏光板を張り合わせ、液晶表示装置を製造した。得られた液晶表示装置に電圧を印加し、表示品質を評価したところ、画面に表示ムラが認められず良好な表示品質であった。
<実施例2>
支持体フィルムとして、膜厚50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用して感光性樹脂組成物溶液(V−1)を支持体フィルム上にコンマコーターを用いて均一に塗布後、温度条件100℃の熱風対流式乾燥機で乾燥する時間を3分としたことの他は、実施例1と同様にして感光性エレメントを作製した。なお、得られた感光性エレメントの感光層の膜厚は4μmであった。本実施例においては、感光層の膜厚に対する支持体フィルムの膜厚の比率は、12.5である。
支持体フィルムとして、膜厚50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用して感光性樹脂組成物溶液(V−1)を支持体フィルム上にコンマコーターを用いて均一に塗布後、温度条件100℃の熱風対流式乾燥機で乾燥する時間を3分としたことの他は、実施例1と同様にして感光性エレメントを作製した。なお、得られた感光性エレメントの感光層の膜厚は4μmであった。本実施例においては、感光層の膜厚に対する支持体フィルムの膜厚の比率は、12.5である。
実施例2で作製した感光性エレメントを用いて実施例1と同様にして基板上にスペーサーを形成した。この際、圧着工程後において、基板部材上の感光層及び支持体フィルムの外観を紫外線カットの白色蛍光灯を用いて目視確認した結果、感光層及び支持体フィルムに皺及びムラは発生していなかった。また、パターン現像工程後において、スペーサーのパターンが形成された基板の外観についてナトリウムランプを用いて目視観察した結果、皺やムラ等の外観上の不具合は認められなかった。
また、上記基板を用いて実施例1と同様にして液晶表示装置の製造を製造し、表示品質を評価したところ、画面に表示ムラが認められず良好な表示品質であった。
<比較例1>
支持体フィルムとして、膜厚16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用したことの他は、実施例2と同様にして感光性エレメントを作製した。なお、得られた感光性エレメントの感光層の膜厚は4μmであった。本比較例においては、感光層の膜厚に対する支持体フィルムの膜厚の比率は、4である。
支持体フィルムとして、膜厚16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用したことの他は、実施例2と同様にして感光性エレメントを作製した。なお、得られた感光性エレメントの感光層の膜厚は4μmであった。本比較例においては、感光層の膜厚に対する支持体フィルムの膜厚の比率は、4である。
比較例1で作製した感光性エレメントを用いて実施例1と同様にして基板上にスペーサーを形成した。この際、圧着工程後において、基板部材上の感光層及び支持体フィルムの外観を紫外線カットの白色蛍光灯を用いて目視確認した結果、感光層及び支持体フィルムに無数の皺が発生していた。また、パターン現像工程後において、スペーサーのパターンが形成された基板の外観についてナトリウムランプを用いて目視観察した結果、圧着工程後に確認された皺と同様の皺が認められた。
また、上記基板を用いて実施例1と同様にして液晶表示装置の製造を製造し、表示品質を評価したところ、画面に表示ムラが認められた。
1…液晶表示装置、2…電極、3…基板、4…緩衝材層、5…偏光板、6a,6b,46b…基板部材、10…スペーサー、17…配向層、18…液晶層、20,30…感光性エレメント(スペーサー用感光性エレメント)、22…感光層、22a…露光部、22b…非露光部、24…支持体フィルム、25…保護層、L…活性光線。
Claims (4)
- 互いに対向配置された基板間に液晶が封入されてなる液晶表示装置の前記基板間の間隔を一定に保つためのスペーサーの形成に用いられる感光性エレメントであって、
支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けられた感光性樹脂組成物からなる感光層とを備え、
前記支持体フィルムの膜厚が35〜200μmであることを特徴とするスペーサー用感光性エレメント。 - 前記感光層の膜厚に対する前記支持体フィルムの膜厚の比率が7以上であることを特徴とする請求項1記載のスペーサー用感光性エレメント。
- 前記感光性樹脂組成物は、
(a)バインダポリマーと、
(b)1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物と、
(c)活性光線により遊離ラジカルを生成する光重合開始剤と
を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のスペーサー用感光性エレメント。 - 前記感光性樹脂組成物が、
(d)加水分解性基に結合したケイ素原子を有するシリル基含有有機化合物をさらに含有することを特徴とする請求項3記載のスペーサー用感光性エレメント。
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