JP2007091719A - 有機化合物、電荷輸送材料、有機電界発光素子用材料、電荷輸送材料組成物及び有機電界発光素子 - Google Patents

有機化合物、電荷輸送材料、有機電界発光素子用材料、電荷輸送材料組成物及び有機電界発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】有機電界素子の電荷輸送材料として有用な化合物の提供。
【解決手段】下記一般式(I)で表される部分構造を一分子内に1以上有する有機化合物。
Figure 2007091719

【選択図】なし

Description

本発明は新規な有機化合物、電荷輸送材料及び有機電界発光素子用材料に係り、詳しくは高い三重項励起エネルギー準位を持ち、かつ電気的な酸化や還元を繰返し受けても安定な有機化合物、電荷輸送材料及び有機電界発光素子用材料と、この有機化合物を含む電荷輸送材料組成物に関する。本発明はまた、この有機化合物を用いた高効率かつ長寿命の有機電界発光素子に関するものである。
有機薄膜を用いた電界発光素子の開発が行われている。有機薄膜を用いた電界発光素子、すなわち有機電界発光素子は、通常、基板上に、陽極、陰極、及びこれら両極間に設けられた少なくとも発光層を含む有機層を有する。有機層としては、発光層以外にも、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等が用いられる。通常、これらの層を積層することにより、有機電界発光素子として使用されている。従来、有機電界発光素子は、蛍光発光を利用してきたが、素子の発光効率を上げる試みで、蛍光ではなく燐光発光を用いることが検討されている。しかしながら、燐光発光を用いたとしても、未だ、十分な発光効率を得られることが出来ていない。
上記有機電界発光素子の層には、電荷輸送材料を含有する。そして、高いT1準位を持ち、かつ正負電荷輸送性を有する材料として、特開2004−244400号公報には、以下の材料が提案されている。
Figure 2007091719
これらの材料は、フェニレン基をプロペラ型に配した結果、青色燐光を示す有機電界発光素子用材料に用いた場合、高い発光効率を実現している。
しかしながら、上記材料は電気化学的或いは光化学的な劣化(分子内環化など)の課題があり、実用性に課題を有する。
特開2004−244400号公報
本発明は、高い三重項励起エネルギー準位と優れた電気化学的耐久性を有する有機化合物及び電荷輸送材料と、この有機化合物を含んでなる電荷輸送材料組成物、この有機化合物を用いた高輝度、高効率かつ長寿命な有機電界発光素子を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、下記の特定の構造を有する有機化合物が高い三重項励起エネルギー準位を持ち、かつ電気的な酸化や還元を繰返し受けても安定な有機化合物であり、この有機化合物を用いることにより、有機電界発光素子、とりわけ、燐光発光性の有機電界発光素子において、高効率かつ長寿命なデバイスを得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、本発明の要旨は、下記一般式(I)で表される部分構造を一分子内に1以上有することを特徴とする有機化合物(請求項1)、に存する。
本発明の別の要旨は、この有機化合物からなることを特徴とする電荷輸送材料(請求項5)及び有機電界発光素子用材料(請求項6)、並びにこの有機化合物と溶剤とを含有することを特徴とする電荷輸送材料組成物(請求項7)、に存する。
本発明のさらに別の要旨は、基板上に、陽極、陰極、及びこれら両極間に設けられた発光層を有する有機電界発光素子において、この有機化合物を含有する層を有することを特徴とする有機電界発光素子(請求項9)、に存する。
Figure 2007091719
(一般式(I)中、R12〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45及びR51〜R55は、各々独立して水素原子或いは任意の置換基を表す。ただし、R12〜R55は、それぞれ隣接するR12〜R55と結合して環を形成していても良く、該環は置換基を有していても良い。)
本発明の有機化合物は、高い三重項励起エネルギー準位を持ち、かつ電気的な酸化や還元を繰返し受けても安定である。
このため、この有機化合物よりなる電荷輸送材料及び有機電界発光素子用材料、この有機化合物を含む電荷輸送材料組成物及びこの有機化合物を用いた有機電界発光素子によれば、高輝度、高効率かつ長寿命な有機電界発光素子が提供される。
従って、本発明の有機化合物を用いた有機電界発光素子は、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)、車載表示素子、携帯電話表示や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、その技術的価値は大きいものである。
また、本発明の有機化合物からなる電荷輸送材料及びこの電荷輸送材料を含む電荷輸送材料組成物は、本質的に優れた電気化学的耐久性を有することから、有機電界発光素子に限らず、その他、電子写真感光体等にも有効に利用することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定されない。
[有機化合物]
本発明の有機化合物は、下記一般式(I)で表される部分構造(以下「部分構造(I)」と称す場合がある。)を一分子内に1以上有することを特徴とする。
Figure 2007091719
(一般式(I)中、R12〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45及びR51〜R55は、各々独立して水素原子或いは任意の置換基を表す。ただし、R12〜R55は、それぞれ隣接するR12〜R55と結合して環を形成していても良く、該環は置換基を有していても良い。)
[1]構造上の特徴
本発明の有機化合物は、上記一般式(I)に示されるように、一つのベンゼン環(一般式(I)において、R12〜R14を有するベンゼン環)上に、二置換アミノ基と2つのフェニル基(一般式(I)において、R41〜R45を有するフェニル基及びR51〜R55を有するフェニル基)とが隣り合った置換位置(オルト位)に連結した構造を有する化合物である。このため、電荷輸送性基である二置換アミノ基が、分子内或いは分子間で相互作用し合い、より安定な励起エネルギー準位を形成する現象、即ち、実質的な三重項励起準位が低くなる現象を抑制することができる上、分子内環化による劣化の可能性を排除できるため、有機電界発光素子、とりわけ、燐光発光性の有機電界発光素子において、高効率かつ長寿命なデバイスを提供することができるものと推測される。
[2]R12〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45、R51〜R55
一般式(I)において、R12〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45、R51〜R55は、各々独立して水素原子又は任意の置換基を表す。
この任意の置換基の具体例としては、好ましくは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数1〜30のアシル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、員数5〜30のヘテロアリールオキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数6〜30のアリールチオ基、員数5〜30のヘテロアリールチオ基、炭素数1〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜30のアリールオキシカルボニル基、員数5〜30のヘテロアリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、炭素数6〜30のアリールアミノ基、員数5〜30のヘテロアリールアミノ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、員数5〜30の芳香族複素環基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、員数5〜30の芳香族複素環基が挙げられる。
高い三重項励起準位の観点、電荷分布の偏りに伴う電気的耐性の低下を避ける観点から、より好ましくは無置換又は炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの、6員環の単環又は2〜5縮合環由来の1価の基、或いは、それらが複数個連結されて形成された1価の基(例えば、ビフェニル基、ターフェニル基など)であり、電気的酸化及び電気的還元に対する耐久性を重視したとき特に好ましくは、ベンゼン環由来の1価の基(フェニル基)或いはベンゼン環を2〜8個連結してなる1価の基(例えば、ビフェニル基、ターフェニル基など)である。
一方、高い三重項励起準位を重視したとき、特に好ましくは、無置換又は炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基である。
上記置換基は更に任意の位置に任意の数の置換基を有していてもよい。その置換基として、好ましくは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数1〜30のアシル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、員数5〜30のヘテロアリールオキシ基、炭素数1〜30のアルキルチオ基、炭素数6〜30のアリールチオ基、員数5〜30のヘテロアリールチオ基、炭素数1〜30のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜30のアリールオキシカルボニル基、員数5〜30のヘテロアリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基、員数5〜30のヘテロアリールアミノ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、員数5〜30の芳香族複素環基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、員数5〜30の芳香族複素環基であり、更に好ましくは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、フェニル基、或いは、ベンゼン環を1〜8個連結してなる1価の基(例えば、ビフェニル基、ターフェニル基など)、置換基を有していてもよいアリールアミノ基(ジフェニルアミノ基など)、又は置換基を有していてもよいN−カルバゾリル基である。アリールアミノ基及びN−カルバゾリル基の置換基としては炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリール基などが挙げられる。
また、R21〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45、R51〜R55は、それぞれ隣接する基同士が結合して置換基を有していても良い環を形成していても良い。なお、ここで「隣接する」とは必ずしも同一のベンゼン環上の隣接する炭素原子に置換している置換基をさすものではなく、分子構造上、結合可能な互いに近接する状態をさす。この環が更に置換基を有する場合、その置換基としてはR12〜R14等が更に有していても良い置換基として例示したものが挙げられる。
特にR25とR31が結合して環を形成することによって、前記一般式(I)が下記一般式(II)で表されることが好ましい。
Figure 2007091719
(一般式(II)中、R12〜R14、R21〜R24、R32〜R35、R41〜R45及びR51〜R55は、一般式(I)におけると同義である。)
また、R13が任意の置換基であると、電気的酸化還元に対する耐久性が向上するため好ましい。R13は、置換基である場合、好ましくは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリールオキシ基、フェニル基、或いは、ベンゼン環を2〜8個連結してなる1価の基(例えば、ビフェニル基、ターフェニル基など)であり、芳香族性の基がより好ましく、最も好ましくはフェニル基、又はフェノキシ基である。
また、R23及び/またはR33が任意の置換基であると、電気的酸化に対する耐久性が向上するため、好ましい。R23、R33は、置換基である場合、好ましくは、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、フェニル基、或いは、ベンゼン環を1〜8個連結してなる1価の基(例えば、ビフェニル基、ターフェニル基など)であり、より好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、フェニル基、フェノキシ基であり、最も好ましくはフェニル基又はフェノキシ基である。
12〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45及びR51〜R55の合計の分子量は2000以下が好ましく、1000以下が更に好ましい。この上限を上回ると、不純物成分の除去が困難となったり、気化温度が上昇して蒸着法による製膜が困難になったり、溶解性が低下して湿式法による製膜に支障が出る恐れがあり、好ましくない。
[3]部分構造(I)の分子量
部分構造(I)の分子量は3000以下が好ましく、1500以下が更に好ましい。部分構造(I)の分子量がこの上限を上回ると、不純物成分の除去が困難となったり、気化温度が上昇して蒸着法による製膜が困難になったり、溶解性が低下して湿式法による製膜に支障が出る恐れがあり、好ましくない。
[4]1分子内の部分構造(I)の数
本発明の有機化合物は、部分構造(I)を1分子内に1以上有するものであれば良く、その数には特に制限はないが、1分子内の部分構造(I)の数は、好ましくは1〜10の範囲であり、より好ましくは1〜3の範囲特に好ましくは1または2である。部分構造(I)の数がこの上限を超えると、不純物成分の除去が困難となったり、気化温度が上昇して蒸着法による製膜が困難になったり、溶解性が低下して湿式法による製膜に支障が出る恐れがあり、好ましくない。なお、1分子内に部分構造(I)を2以上有する場合、該部分構造同士は、一部分を共有していても良い。具体的に示すならば、後述の実施例(合成例)に示される式(I−3)の化合物は、部分構造(I)を2つ有する。
本発明の化合物は、特に、前記一般式(I)で表される構造(すなわち一般式(I)の部分構造のみからなる)の化合物、或いは一般式(I)で表される構造2つのみからなる化合物であることが好ましい。具体的には、前者は、後述の実施例(合成例)に示される式(I−1)や式(I−2)の化合物が挙げられ、後者は、同じく式(I−3)や式(I−4)の化合物が挙げられる。
[5]有機化合物の分子量
本発明の有機化合物の分子量は、5000以下が好ましく、3000以下が更に好ましい。有機化合物の分子量がこの上限を上回ると、不純物成分の除去が困難となったり、気化温度が上昇して蒸着法による製膜が困難になったり、溶解性が低下して湿式法による製膜に支障が出る恐れがあり、好ましくない。また、有機化合物の分子量は分子量300以上が好ましく、500以上が更に好ましい。有機化合物の分子量がこの下限を下回ると、耐熱性が低下して、実用性が制限されたり、気化温度が低下して蒸着法による製膜が困難になったり、湿式法による製膜において、膜質低下などで支障が出る恐れがあり、好ましくない。
[6]有機化合物の例示
以下に、本発明の有機化合物として好ましい具体的な例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の例示中、Me:メチル基、n−Bu:n−ブチル基、Ph:フェニル基、n−Octyl:n−オクチル基、n−Desyl:n−デシル基、t−Bu:t−ブチル基である。
Figure 2007091719
Figure 2007091719
Figure 2007091719
Figure 2007091719
Figure 2007091719
Figure 2007091719
Figure 2007091719
Figure 2007091719
Figure 2007091719
Figure 2007091719
Figure 2007091719
[7]合成法(原料、触媒、溶媒、温度、圧力、モル比、単離法、精製法)
本発明の有機化合物は、公知の手法の組み合わせにより合成することができる。
合成原料としては、例えば、以下のようなものを用いることができる。
Figure 2007091719
合成方法の具体例を以下に示す。
尚、中間体が一般に入手可能である場合、合成の前段階を省くことができることは言うまでもない。
以下の反応式中、Arは置換基を有していてもよい任意の1価の芳香環基を表す。
ArN−は、N−カルバゾリル基であってもよい。
Xは塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子又は−OSOCF、−OSOCH、−OSOCFなどを表す。
Yは−B(OH)、−B(OR)
Figure 2007091719
などの置換ホウ素原子、−MgX基、−ZnX基、−SnX基などのハロゲン化金属元素、又は塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子を表す。Rはメチル基、tert−ブチル基、iso−プロピル基、シクロヘキシル基などのアルキル基、或いはフェニル基、メシチル基などのアリール基である。
−OTsは−OSOCF、−OSOCF又は−OSOCHを表す。
〈例1〉
Figure 2007091719
例1の方法では、不活性ガス雰囲気下、アニリンを、過剰量の塩素、臭素、ヨウ素、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミドなどの存在下、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロベンゼン、トルエン、ジエチルエーテルなどの溶媒中、−20〜+80℃程度の温度条件下、1〜24時間程度混合することでハロゲン化し、目的物例1を得る。
次いで、不活性ガス雰囲気下、目的物例1をアリールボロン酸、アリールボロン酸エステル、アリールチンクロライド、アリールジンククロライド、アリールマグネシウムブロマイド、アリールマグネシウムアイオダイドなど(Xに対して、1.0〜3.0当量)と、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムなどの0価のパラジウム触媒(Xに対して、0.0001〜0.2当量)、tert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸三カリウム、トリエチルアミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの塩基(Xに対して、2〜10当量)、水、メタノール、エタノール、ノルマルヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、エチルベンゾエート、酢酸エチルなどの溶媒(Xに対して、0.01〜100リットル/モル程度)などと共に、−40〜150℃の温度条件下、1〜60時間ほど撹拌することにより、目的物例2を得る。
目的物例2を得る方法としては、他にも、公知のカップリング反応を用いて合成することが可能である。公知のカップリング手法としては、具体的には、「Palladium in Heterocyclic Chemistry: A guide for the Synthetic Chemist」(第二版、2002、Jie Jack Li and Gordon W. Gribble、Pergamon社)、「遷移金属が拓く有機合成 その多彩な反応形式と最新の成果」(1997年、辻二郎、化学同仁社)、「ボルハルト・ショアー現代有機化学 下」(2004年、K.P.C.Vollhardt、化学同人社))などに記載又は引用されている、ハロゲン化アリールとアリールボレートとのカップリング反応などの、環同士の結合(カップリング)反応)を用いることができる。
目的物例3は、目的物例2から次の(1)〜(3)の方法などで得ることができる。
(1) 目的物例2に対して2〜100当量のアリールハライド(Ar−X、好ましくはX=Br,I)と、目的物例2とを、銅粉末、銅線、ハロゲン化銅(CuX(X=Cl、Br、I))、酸化銅(CuO)などの銅触媒(Xに対して0.1〜5当量程度)及び、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、リン酸カリウム、炭酸セシウム、tert−ブトキシナトリウムなど塩基性物質(ハロゲン原子に対して1〜100当量程度)の存在下、不活性ガス気流下、無溶媒又は、ニトロベンゼンなどの芳香族溶媒、テトラグライム、ポリエチレングリコールなどのアルコール系溶媒(通常、目的物例2の1モルに対して、0.1〜100リットル)中、20〜300℃の温度範囲で、1〜60時間撹拌混合する方法。
(2) 目的物例2をPd(dba)(Pd=パラジウム、dba=ジベンジリデンアセトン)、Pd(dba)、酢酸パラジウムなどの2価のパラジウム触媒と、BINAP(=2,2’−ビス(ジフェニルフォスフィノ−1,1’−ビナフチル))、トリ(tert−ブチル)フォスフィン、トリフェニルフォスフィン、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ブタン、dppf(=1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン)などのリガンド類の組合せなどの0価のパラジウム錯体、或いはPdCl(dppf)などのパラジウム塩化物錯体などの触媒(Xに対して0.001〜1当量程度)と、tert−ブトキシカリウム、tert−ブトキシナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンなどの塩基性物質(通常、Xに対して、2〜100当量)存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン、トリエチルアミン、ピリジンなどの溶媒(通常、目的物例2の1モルに対して、0.1〜100リットル)中、0〜200℃で1〜60時間かけて撹拌する方法。
(3) 目的物例2に対して2〜100当量のアリールボロン酸やアリールボロン酸エステルと、目的物例2とを、CuCl、CuBr、CuIなどの一価の銅触媒(通常、目的物例2に対して、0.001〜5当量)と共に、酸素存在下、メタノール、エタノール、ノルマルブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテルなどの溶媒(通常、目的物例2の1モルに対して、0.1〜100リットル)中で、−10〜200℃の温度範囲にて1〜60時間撹拌する方法。
〈例2〉
Figure 2007091719
例2の方法において、目的物例4は、ハロゲン化剤の当量がアニリンに対して0.5〜1.5当量である以外は、前述の目的物例1の合成方法と同様にして得ることができる。
目的物例5は、目的物例2の場合と同様にして得ることができる。
目的物例6は、ハロゲン化剤の当量がアニリンに対して1.5〜5当量である以外は、目的物例1の合成方法と同様にして得ることができる。
目的物例7は、目的物例2の場合と同様にして得ることができる。
目的物例8は、目的物例3の場合と同様にして得ることができる。
〈例3〉
Figure 2007091719
目的物例9は、目的物例4の場合と同様にして得ることができる。
目的物例10は、目的物例2の場合と同様にして得ることができる。
目的物例11は、目的物例6の場合と同様にして得ることができる。
目的物例12は、目的物例2の場合と同様にして得ることができる。
目的物例13は、定法として知られるフェノール性水酸基のp−トルエンスルフォニル化、或いはトリフルオロメタンスルフォニル化反応により、得ることができる。
目的物例14は、次の(1),(2)などの方法で得ることができる。
(1) 目的物例13に対して1〜20当量のジアリールアミンと、目的物例13とを、銅粉末、銅線、ハロゲン化銅(CuX(X=Cl、Br、I))、酸化銅(CuO)などの銅触媒(目的物例13に対して0.1〜5当量程度)及び、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、リン酸カリウム、炭酸セシウム、tert−ブトキシナトリウムなど塩基性物質(目的物例13に対して1〜100当量程度)の存在下、不活性ガス気流下、無溶媒又は、ニトロベンゼンなどの芳香族溶媒、テトラグライム、ポリエチレングリコールなどのアルコール系溶媒(通常、目的物13の1モルに対して、0.1〜100リットル)中、20〜300℃の温度範囲で、1〜60時間撹拌混合する方法。
(2) 目的物例13をPd(dba)(Pd=パラジウム、dba=ジベンジリデンアセトン)、Pd(dba)、酢酸パラジウムなどの2価のパラジウム触媒と、BINAP(=2,2’−ビス(ジフェニルフォスフィノ−1,1’−ビナフチル))、トリ(tert−ブチル)フォスフィン、トリフェニルフォスフィン、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ブタン、dppf(=1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン)などのリガンド類の組合せなどの0価のパラジウム錯体、或いはPdCl(dppf)などのパラジウム塩化物錯体などの触媒(目的物例13に対して0.001〜1当量程度)と、tert−ブトキシカリウム、tert−ブトキシナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンなどの塩基性物質(目的物例13に対して、2〜100当量)存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン、トリエチルアミン、ピリジンなどの溶媒(通常、目的物13の1モルに対して、0.1〜100リットル)中、0〜200℃で1〜60時間かけて撹拌する方法。
他にも、アミノ基の導入には、「第4版実験化学講座20」(日本化学会編、丸善)、第6章(アミン)の項に記載の方法などが適用可能である。
以下に、その他の合成スキーム例を示す。
〈例4〉
Figure 2007091719
〈例5〉
Figure 2007091719
〈例6〉
Figure 2007091719
また、上記合成方法例で示した構造は、任意の公知連結手段を用いて、より大きな分子量の化合物にすることができる。
アリール基同士の直接結合形成においては、公知のカップリング手法として、具体的には、「Palladium in Heterocyclic Chemistry: A guide for the Synthetic Chemist」(第二版、2002、Jie Jack Li and Gordon W. Gribble、Pergamon社)、「遷移金属が拓く有機合成 その多彩な反応形式と最新の成果」(1997年、辻二郎、化学同仁社)、「ボルハルト・ショアー現代有機化学 下」(2004年、K.P.C.Vollhardt、化学同人社))などに記載又は引用されている、ハロゲン化アリールとアリールボレートとのカップリング反応などの、環同士の結合(カップリング)反応)を用いることができる。
合成された化合物の精製方法としては、「分離精製技術ハンドブック」(1993年、(財)日本化学会編)、「化学変換法による微量成分及び難精製物質の高度分離」(1988年、(株)アイ ピー シー発行)、或いは「実験化学講座(第4版)1」(1990年、(財)日本化学会編)の「分離と精製」の項に記載の方法をはじめとし、公知の技術を利用可能である。
具体的には、抽出(懸濁洗浄、煮沸洗浄、超音波洗浄、酸塩基洗浄を含む)、吸着、吸蔵、融解、晶析(溶媒からの再結晶、再沈殿を含む)、蒸留(常圧蒸留、減圧蒸留)、蒸発、昇華(常圧昇華、減圧昇華)、イオン交換、透析、濾過、限外濾過、逆浸透、圧浸透、帯域溶解、電気泳動、遠心分離、浮上分離、沈降分離、磁気分離、各種クロマトグラフィー(形状分類:カラム、ペーパー、薄層、キャピラリー。移動相分類:ガス、液体、ミセル、超臨界流体。分離機構:吸着、分配、イオン交換、分子ふるい、キレート、ゲル濾過、排除、アフィニティー)などが挙げられる。
生成物の確認や純度の分析方法としては、ガスクロマトグラフ(GC)、高速液体クロマトグラフ(HPLC)、高速アミノ酸分析計(AAA)、キャピラリー電気泳動測定(CE)、サイズ排除クロマトグラフ(SEC)、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)、交差分別クロマトグラフ(CFC)質量分析(MS、LC/MS,GC/MS,MS/MS)、核磁気共鳴装置(NMR(HNMR,13CNMR))、フーリエ変換赤外分光高度計(FT−IR)、紫外可視近赤外分光高度計(UV.VIS,NIR)、電子スピン共鳴装置(ESR)、透過型電子顕微鏡(TEM−EDX)電子線マイクロアナライザー(EPMA)、金属元素分析(イオンクロマトグラフ、誘導結合プラズマ−発光分光(ICP−AES)原子吸光分析(AAS)蛍光X線分析装置(XRF))、非金属元素分析、微量成分分析(ICP−MS,GF−AAS,GD−MS)等を必要に応じ、適用可能である。
[8]有機化合物の用途
本発明の有機化合物は、高い電荷輸送性を有するため、電荷輸送材料として電子写真感光体、有機電界発光素子、光電変換素子、有機太陽電池、有機整流素子等に好適に使用できる。
また、高い三重項励起準位を有することから、本発明の有機化合物よりなる本発明の電荷輸送材料を用いることにより、耐熱性に優れ、長期間安定に駆動(発光)する有機電界発光素子が得られるため、本発明の有機化合物及び電荷輸送材料は有機電界発光素子材料として、とりわけ好適である。
[電荷輸送材料組成物]
本発明の電荷輸送材料組成物は、前述の本発明の有機化合物と溶剤とを含むものであり、好ましくは、有機電界発光素子用に使用される。
[1]溶剤
本発明の電荷輸送材料組成物に含まれる溶剤としては、溶質である本発明の電荷輸送材料等が良好に溶解する溶剤であれば特に限定されない。
本発明の電荷輸送材料は溶解性が非常に高いため、種々の溶剤が適用化能である。例えば、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;シクロヘキサノン、シクロオクタノン等の脂環を有するケトン;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン;メチルエチルケトン、シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環を有するアルコール;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル等が利用できる。これらのうち、水の溶解度が低い点、容易には変質しない点で、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素が好ましい。
有機電界発光素子には、陰極等の水分により著しく劣化する材料が多く使用されているため、組成物中の水分の存在は、乾燥後の膜中に水分が残留し、素子の特性を低下させる可能性が考えられ好ましくない。
組成物中の水分量を低減する方法としては、例えば、窒素ガスシール、乾燥剤の使用、溶剤を予め脱水する、水の溶解度が低い溶剤を使用する等が挙げられる。なかでも、水の溶解度が低い溶剤を使用する場合は、湿式製膜工程中に、溶液膜が大気中の水分を吸収して白化する現象を防ぐことができるため好ましい。この様な観点からは、本実施の形態が適用される電荷輸送材料組成物は、例えば、25℃における水の溶解度が1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下である溶剤を、組成物中10重量%以上含有することが好ましい。
また、湿式製膜時における組成物からの溶剤蒸発による、製膜安定性の低下を低減するためには、電荷輸送材料組成物の溶剤として、沸点が100℃以上、好ましくは沸点が150℃以上、より好ましくは沸点が200℃以上の溶剤を用いることが効果的である。また、より均一な膜を得るためには、製膜直後の液膜から溶剤が適当な速度で蒸発することが必要で、このためには通常沸点80℃以上、好ましくは沸点100℃以上、より好ましくは沸点120℃以上で、通常沸点270℃未満、好ましくは沸点250℃未満、より好ましくは沸点230℃未満の溶剤を用いることが効果的である。
上述の条件、即ち溶質の溶解性、蒸発速度、水の溶解度の条件を満足する溶剤を単独で用いてもよいが、すべての条件を満たす溶剤が選定できない場合は、2種類以上の溶剤を混合して用いることもできる。
[2]発光材料
本発明の電荷輸送材料組成物、特に有機電界発光素子用組成物として用いられる電荷輸送材料組成物は、発光材料を含有することが好ましい。
発光材料とは、本発明の電荷輸送材料組成物において、主として発光する成分を指し、有機電界発光デバイスにおけるドーパント成分に当たる。即ち、電荷輸送材料組成物から発せられる光量(単位:cd/m)の内、通常10〜100%、好ましくは20〜100%、より好ましくは50〜100%、最も好ましくは80〜100%が、ある成分材料からの発光と同定される場合、それを発光材料と定義する。
発光材料としては、任意の公知材料を適用可能であり、蛍光発光材料或いは燐光発光材料を単独若しくは複数を混合して使用できるが、内部量子効率の観点から、好ましくは、燐光発光材料である。
この発光材料の最大発光ピーク波長は390〜490nmの範囲にあることが好ましい。
なお、溶剤への溶解性を向上させる目的で、発光材料分子の対称性や剛性を低下させたり、或いはアルキル基などの親油性置換基を導入したりすることも、重要である。
青色発光を与える蛍光色素としては、ペリレン、ピレン、アントラセン、クマリン、p−ビス(2−フェニルエテニル)ベンゼン及びそれらの誘導体等が挙げられる。緑色蛍光色素としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。黄色蛍光色素としては、ルブレン、ペリミドン誘導体等が挙げられる。赤色蛍光色素としては、DCM系化合物、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、アザベンゾチオキサンテン等が挙げられる。
燐光発光材料としては、例えば周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられる。
周期表7ないし11族から選ばれる金属を含む燐光性有機金属錯体における金属として好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。これらの有機金属錯体として、好ましくは下記一般式(V)又は式(VI)で表される化合物が挙げられる。
ML(q−j)L’ (V)
(一般式(V)中、Mは金属を表し、qは上記金属の価数を表す。また、L及びL’は二座配位子を表す。jは0、1又は2を表す。)
Figure 2007091719
(一般式(VI)中、Mは金属を表し、Tは炭素又は窒素を表す。R92〜R95は、それぞれ独立に置換基を表す。ただし、Tが窒素の場合は、R94及びR95は無い。)
以下、まず、一般式(V)で表される化合物について説明する。
一般式(V)中、Mは任意の金属を表し、好ましいものの具体例としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。
また、一般式(V)中の二座配位子L及びL’は、それぞれ、以下の部分構造を有する配位子を示す。
Figure 2007091719
Figure 2007091719
L’として、錯体の安定性の観点から、特に好ましくは、下記のものが挙げられる。
Figure 2007091719
上記L,L’の部分構造において、環A1は、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。また、環A2は、含窒素芳香族複素環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。
環A1,A2が置換基を有する場合、好ましい置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基;フェニル基、ナフチル基、フェナンチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
一般式(V)で表される化合物として、さらに好ましくは、下記一般式(Va)、(Vb)、(Vc)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007091719
(一般式(Va)中、MはMと同様の金属を表し、wは上記金属の価数を表す。また、環A1は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、環A2は置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表す。)
Figure 2007091719
(一般式(Vb)中、MはMと同様の金属を表し、wは上記金属の価数を表す。また、環A1は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、環A2は置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表す。)
Figure 2007091719
(一般式(Vc)中、MはMと同様の金属を表し、wは上記金属の価数を表す。また、jは0、1又は2を表す。さらに、環A1及び環A1’は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。また、環A2及び環A2’は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表す。)
上記一般式(Va)、(Vb)、(Vc)において、環A1及び環A1’の基としては、好ましくは、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。
また、環A2、環A2’の基としては、好ましくは、例えばピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フェナントリジル基等が挙げられる。
更に、一般式(Va)、(Vb)、(Vc)で表される化合物が有していてもよい置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基等が挙げられる。
上記置換基がアルキル基である場合は、その炭素数は通常1以上6以下である。さらに、置換基がアルケニル基である場合は、その炭素数は通常2以上6以下である。また、置換基がアルコキシカルボニル基である場合は、その炭素数は通常2以上6以下である。さらに、置換基がアルコキシ基である場合は、その炭素数は通常1以上6以下である。また、置換基がアリールオキシ基である場合は、その炭素数は通常6以上14以下である。さらに、置換基がジアルキルアミノ基である場合は、その炭素数は通常2以上24以下である。また、置換基がジアリールアミノ基である場合は、その炭素数は通常12以上28以下である。さらに、置換基がアシル基である場合は、その炭素数は通常1以上14以下である。また、置換基がハロアルキル基である場合は、その炭素数は通常1以上12以下である。
なお、これら置換基は互いに連結して環を形成してもよい。具体例としては、環A1が有する置換基と環A2が有する置換基とが結合するか、又は、環A1’が有する置換基と環A2’が有する置換基とが結合するかして、一つの縮合環を形成してもよい。このような縮合環基としては、7,8−ベンゾキノリン基等が挙げられる。
中でも、環A1、環A1’、環A2及び環A2’の置換基として、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ジアリールアミノ基、カルバゾリル基が挙げられる。
また、一般式(Va)、(Vb)、(Vc)におけるM,M,Mとして好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金又は金が挙げられる。
上記一般式(V)、(Va)、(Vb)又は(Vc)で示される有機金属錯体の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるものではない(以下において、Phはフェニル基を表す。)。
Figure 2007091719
Figure 2007091719
上記一般式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)で表される有機金属錯体の中でも、特に、配位子L及び/又はL’として2−アリールピリジン系配位子、即ち、2−アリールピリジン、これに任意の置換基が結合したもの、及び、これに任意の基が縮合してなるものを有する化合物が好ましい。
また、WO2005/019373号公報に記載の化合物も使用することができる。
次に、前記一般式(VI)で表される化合物について説明する。
一般式(VI)中、Mは金属を表し、具体例としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。中でも好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金又は金が挙げられ、特に好ましくは、白金、パラジウム等の2価の金属が挙げられる。
また、一般式(VI)において、R92及びR93は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
さらに、Tが炭素の場合、R94及びR95は、それぞれ独立に、R92及びR93と同様の例示物で表される置換基を表す。また、前述の如く、Tが窒素の場合はR94及びR95は無い。
また、R92〜R95はさらに置換基を有していてもよい。この場合のさらに有していてもよい置換基には特に制限はなく、任意の基を置換基とすることができる。
さらに、R92〜R95は互いに連結して環を形成してもよく、この環が更に任意の置換基を有していてもよい。
一般式(VI)で表される有機金属錯体の具体例(T−1,T−10〜T−15)を以下に示すが、下記の例示化合物に限定されるものではない。なお、以下において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
Figure 2007091719
[3]その他の成分
本発明の電荷輸送材料組成物、特に有機電界発光素子用組成物として用いられる電荷輸送材料組成物中には、前述した溶剤及び発光材料以外にも、必要に応じて、各種の他の溶剤を含んでいてもよい。このような他の溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
また、レベリング剤や消泡剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
また、2層以上の層を湿式製膜法により積層する際に、これらの層が相溶することを防ぐため、製膜後に硬化させて不溶化させる目的で光硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂を含有させておくこともできる。
[4]電荷輸送材料組成物中の材料濃度と配合比
電荷輸送材料組成物、特に有機電界発光素子用組成物中の電荷輸送材料、発光材料及び必要に応じて添加可能な成分(レベリング剤など)などの固形分濃度は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、最も好ましくは1重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、最も好ましくは20重量%以下である。この濃度が下限を下回ると、薄膜を形成する場合、厚膜を形成するのが困難となり、上限を超えると、薄膜を形成するのが困難となる恐れがある。
また、本発明の電荷輸送材料組成物、特に有機電界発光素子用組成物において、発光材料/電荷輸送材料の重量混合比は、通常、0.1/99.9以上であり、より好ましくは0.5/99.5以上であり、更に好ましくは1/99以上であり、最も好ましくは2/98以上で、通常、50/50以下であり、より好ましくは40/60以下であり、更に好ましくは30/70以下であり、最も好ましくは20/80以下である。この比が下限を下回ったり、上限を超えたりすると、著しく発光効率が低下する恐れがある。
[5]電荷輸送材料組成物の調製方法
本発明の電荷輸送材料組成物、特に有機電界発光素子用組成物は、電荷輸送材料、発光材料、及び必要に応じて添加可能なレベリング剤や消泡剤等の各種添加剤よりなる溶質を、適当な溶剤に溶解させることにより調製される。溶解工程に要する時間を短縮するため、及び組成物中の溶質濃度を均一に保つため、通常、液を撹拌しながら溶質を溶解させる。溶解工程は常温で行ってもよいが、溶解速度が遅い場合は加熱して溶解させることもできる。溶解工程終了後、必要に応じて、フィルタリング等の濾過工程を経由してもよい。
[6]電荷輸送材料組成物の性状、物性等
(水分濃度)
有機電界発光素子を、本発明の電荷輸送材料組成物(有機電界発光素子用組成物)を用いた湿式製膜法により層形成して製造する場合、用いる有機電界発光素子用組成物に水分が存在すると、形成された膜に水分が混入して膜の均一性が損なわれるため、本発明の電荷輸送材料組成物、特に有機電界発光素子用組成物中の水分含有量はできるだけ少ない方が好ましい。また一般に、有機電界発光素子は、陰極等の水分により著しく劣化する材料が多く使用されているため、電荷輸送材料組成物中に水分が存在した場合、乾燥後の膜中に水分が残留し、素子の特性を低下させる可能性が考えられ好ましくない。
具体的には、本発明の電荷輸送材料組成物、特に有機電界発光素子用組成物中に含まれる水分量は、通常1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下である。
電荷輸送材料組成物中の水分濃度の測定方法としては、日本工業規格「化学製品の水分測定法」(JIS K0068:2001)に記載の方法が好ましく、例えば、カールフィッシャー試薬法(JIS K0211−1348)等により分析することができる。
(均一性)
本発明の電荷輸送材料組成物、特に有機電界発光素子用組成物は、湿式製膜プロセスでの安定性、例えば、インクジェット製膜法におけるノズルからの吐出安定性を高めるためには、常温で均一な液状であることが好ましい。常温で均一な液状とは、組成物が均一相からなる液体であり、かつ組成物中に粒径0.1μm以上の粒子成分を含有しないことをいう。
(物性)
本発明の電荷輸送材料組成物、特に有機電界発光素子用組成物の粘度については、極端に低粘度の場合は、例えば製膜工程における過度の液膜流動による塗面不均一、インクジェット製膜におけるノズル吐出不良等が起こりやすくなり、極端に高粘度の場合は、インクジェット製膜におけるノズル目詰まり等が起こりやすくなる。このため、本発明の組成物の25℃における粘度は、通常2mPa・s以上、好ましくは3mPa・s以上、より好ましくは5mPa・s以上であり、通常1000mPa・s以下、好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは50mPa・s以下である。
また、本発明の電荷輸送材料組成物、特に有機電界発光素子用組成物の表面張力が高い場合は、基板に対する製膜用液の濡れ性が低下する、液膜のレベリング性が悪く、乾燥時の製膜面乱れが起こりやすくなる等の問題が発生するため、本発明の組成物の20℃における表面張力は、通常50mN/m未満、好ましくは40mN/m未満である。
更に、本発明の電荷輸送材料組成物、特に有機電界発光素子用組成物の蒸気圧が高い場合は、溶剤の蒸発による溶質濃度の変化等の問題が起こりやすくなる。このため、本発明の組成物の25℃における蒸気圧は、通常50mmHg以下、好ましくは10mmHg以下、より好ましくは1mmHg以下である。
[7]電荷輸送材料組成物の保存方法
本発明の電荷輸送材料組成物は、紫外線の透過を防ぐことのできる容器、例えば、褐色ガラス瓶等に充填し、密栓して保管することが好ましい。保管温度は、通常−30℃以上、好ましくは0℃以上で、通常35℃以下、好ましくは25℃以下である。
[有機電界発光素子]
本発明の有機電界発光素子は、基板上に少なくとも陽極、陰極及び発光層を有するものであって、本発明の有機化合物を含有する層を有することを特徴とする。該有機化合物を含有する層は、該発光層であることが好ましい。また、該有機化合物を含有する層に、有機金属錯体がドープされていることが好ましい。有機金属錯体としては、前記発光材料として例示したものを使用できる。
図1〜8は本発明の有機電界発光素子に好適な構造例を示す断面の模式図であり、図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は発光層、5は電子注入層、6は陰極を各々表す。
[1]基板
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
[2]陽極
基板1上には陽極2が設けられる。陽極2は発光層側の層(正孔注入層3又は発光層4など)への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。
陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などを用いて陽極を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすること
も可能である。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましい。この場合、陽極の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
陽極に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることは好ましい。
[3]正孔注入層
正孔注入層3は陽極2から発光層4へ正孔を輸送する層であるため、正孔注入層3には正孔輸送性化合物を含むことが好ましい。
正孔注入層3では、電気的に中性の化合物から電子が一つ除かれたカチオンラジカルが、近傍の電気的に中性な化合物から一電子を受容することによって、正孔が移動する。素子非通電時の正孔注入層3にカチオンラジカル化合物が含まれない場合は、通電時に、正孔輸送性化合物が陽極2に電子を与えることにより正孔輸送性化合物のカチオンラジカルが生成し、このカチオンラジカルと電気的に中性な正孔輸送性化合物との間で電子の授受が行われることにより正孔を輸送する。
正孔注入層3にカチオンラジカル化合物が含まれると、陽極2による酸化によって生成する以上の濃度で正孔輸送に必要なカチオンラジカルが存在することになり、正孔輸送性能が向上するため、正孔注入層3にカチオンラジカル化合物を含むことが好ましい。カチオンラジカル化合物の近傍に電気的に中性な正孔輸送性化合物が存在すると、電子の受け渡しがスムーズに行われるため、正孔注入層3にカチオンラジカル化合物と正孔輸送性化合物とを含むことがさらに好ましい。
ここで、カチオンラジカル化合物とは、正孔輸送性化合物から一電子取り除いた化学種であるカチオンラジカルと、対アニオンからなるイオン化合物であり、移動しやすい正孔(フリーキャリア)を既に有している。
また、正孔輸送性化合物に電子受容性化合物を混合することによって、正孔輸送性化合物から電子受容性化合物への一電子移動が起こり、上述のカチオンラジカル化合物が生成する。このため、正孔注入層3に正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを含むことが好ましい。
以上の好ましい材料についてまとめると、正孔注入層3に正孔輸送性化合物を含むことが好ましく、正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを含むことがさらに好ましい。また、正孔注入層3にカチオンラジカル化合物を含むことが好ましく、カチオンラジカル化合物と正孔輸送性化合物とを含むことがさらに好ましい。
さらに、必要に応じて、正孔注入層3には電荷のトラップになりにくいバインダー樹脂や、塗布性改良剤を含んでいてもよい。
但し、正孔注入層3として、電子受容性化合物のみ、或いは電子受容性化合物と正孔輸送性化合物を用いて湿式製膜法によって陽極2上に製膜し、その上から直接、本発明の電荷輸送材料組成物を塗布、又は蒸着によって積層することも可能である。この場合、本発明の電荷輸送材料組成物の一部又は全部が電子受容性化合物と相互作用することによって、図7,8に示す如く、正孔注入性に優れた正孔輸送層10が形成される。
(正孔輸送性化合物)
正孔輸送性化合物としては、4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。
正孔輸送性化合物の例としては、本発明の電荷輸送材料の他、芳香族アミン化合物、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。中でも非晶質性、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましい。
芳香族アミン化合物の中でも、特に、本発明の電荷輸送材料などの芳香族三級アミン化合物が好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。
芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果の点から、重量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型有機化合物)が更に好ましい。
芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記一般式(VII)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2007091719
(一般式(VII)中、Ar21,Ar22は各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Ar23〜Ar25は、各々独立して、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表す。Yは、下記の連結基群の中から選ばれる連結基を表す。また、Ar21〜Ar25のうち、同一のN原子に結合する二つの基は互いに結合して環を形成してもよい。)
Figure 2007091719
(上記各式中、Ar31〜Ar41は、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環由来の1価又は2価の基を表す。R101及びR102は、各々独立して、水素原子又は任意の置換基を表す。))
Ar21〜Ar25及びAr31〜Ar41としては、任意の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環由来の、1価又は2価の基が適用可能である。これらは各々同一であっても、互いに異なっていてもよい。また、任意の置換基を有していてもよい。
その芳香族炭化水素環としては、5又は6員環の単環又は2〜5縮合環が挙げられる。具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などが挙げられる。
また、その芳香族複素環としては、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環が挙げられる。具体例としては、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などが挙げられる。
また、Ar23〜Ar25、Ar31〜Ar35、Ar37〜Ar40としては、上に例示した1種類又は2種類以上の芳香族炭化水素環及び/又は芳香族複素環由来の2価の基を2つ以上連結して用いることもできる。
Ar21〜Ar41の芳香族炭化水素環及び/又は芳香族複素環由来の基は、更に置換基を有していてもよい。置換基の分子量としては、通常400以下、中でも250以下程度が好ましい。置換基の種類は特に制限されないが、例としては、次の置換基群Dから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
[置換基群D]
メチル基、エチル基等の、炭素数が通常1以上、通常10以下、好ましくは8以下のアルキル基;ビニル基等の、炭素数が通常2以上、通常11以下、好ましくは5以下のアルケニル基;エチニル基等の、炭素数が通常2以上、通常11以下、好ましくは5以下のアルキニル基;メトキシ基、エトキシ基等の、炭素数が通常1以上、通常10以下、好ましくは6以下のアルコキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基等の、炭素数が通常4以上、好ましくは5以上、通常25以下、好ましくは14以下のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、炭素数が通常2以上、通常11以下、好ましくは7以下のアルコキシカルボニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の、炭素数が通常2以上、通常20以下、好ましくは12以下のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−カルバゾリル基等の、炭素数が通常10以上、好ましくは12以上、通常30以下、好ましくは22以下のジアリールアミノ基;フェニルメチルアミノ基等の、炭素数が通常6以上、好ましくは7以上、通常25以下、好ましくは17以下のアリールアルキルアミノ基;アセチル基、ベンゾイル基等の、炭素数が通常2以上、通常10以下、好ましくは7以下のアシル基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;トリフルオロメチル基等の、炭素数が通常1以上、通常8以下、好ましくは4以下のハロアルキル基;メチルチオ基、エチルチオ基等の、炭素数が通常1以上、通常10以下、好ましくは6以下のアルキルチオ基;フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基等の、炭素数が通常4以上、好ましくは5以上、通常25以下、好ましくは14以下のアリールチオ基;トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の、炭素数が通常2以上、好ましくは3以上、通常33以下、好ましくは26以下のシリル基;トリメチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基等の、炭素数が通常2以上、好ましくは3以上、通常33以下、好ましくは26以下のシロキシ基;シアノ基;フェニル基、ナフチル基等の、炭素数が通常6以上、通常30以下、好ましくは18以下の芳香族炭化水素環基;チエニル基、ピリジル基等の、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、通常28以下、好ましくは17以下の芳香族複素環基。
Ar21、Ar22としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環由来の1価の基が好ましく、フェニル基、ナフチル基が更に好ましい。
また、Ar23〜Ar25としては、耐熱性、酸化還元電位を含めた正孔注入・輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環由来の2価の基が好ましく、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基が更に好ましい。
101、R102としては、水素原子又は任意の置換基が適用可能である。これらは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。置換基の種類は、特に制限されないが、適用可能な置換基を例示するならば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、ハロゲン原子が挙げられる。これらの具体例としては、前記の置換基群Dにおいて例示した各基が挙げられる。
一般式(VII)で表される繰り返し単位を有する芳香族三級アミン高分子化合物の具体例としては、WO2005/089024号公報に記載のものが挙げられ、その好適例も同様であり、例えば下記構造式で表される化合物(PB−1)が挙げられるが、何らそれらに限定されるものではない。
Figure 2007091719
他の芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記一般式(VIII)及び/又は一般式(IX)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物が挙げられる。
Figure 2007091719
(一般式(VIII)、(IX)中、Ar45,Ar47及びAr48は各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Ar44及びAr46は各々独立して、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表す。また、Ar45〜Ar48のうち、同一のN原子に結合する2つの基は互いに結合して環を形成してもよい。R111〜R113は各々独立して、水素原子又は任意の置換基を表す。)
Ar45,Ar47,Ar48及びAr44、Ar46の具体例、好ましい例、有していてもよい置換基の例及び好ましい置換基の例は、それぞれ、Ar21,Ar22及びAr23〜Ar25と同様である。R111〜R113はとして好ましくは水素原子又は[置換基群D]に記載されている置換基であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、芳香族炭化水素基、芳香族炭化水素基である。
一般式(VIII)及び/又は(IX)で表される繰り返し単位を含む芳香族三級アミン高分子化合物の具体例としては、WO2005/089024号公報に記載のものが挙げられ、その好適例も同様であるが、何らそれらに限定されるものではない。
また、湿式製膜法により正孔注入層を形成する場合には、種々の溶剤に溶解し易い正孔輸送性化合物が好ましい。芳香族三級アミン化合物としては、例えば、ビナフチル系化合物(特開2004−014187)及び非対称1,4−フェニレンジアミン化合物(特開2004−026732)が好ましい。
また、従来、有機電界発光素子における正孔注入・輸送性の薄膜精製材料として利用されてきた芳香族アミン化合物の中から、種々の溶剤に溶解し易い化合物を適宜選択してもよい。正孔注入層の正孔輸送性化合物に適用可能な芳香族アミン化合物としては、例えば、有機電界発光素子における正孔注入・輸送性の層形成材料として利用されてきた、従来公知の化合物が挙げられる。例えば、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン等の3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミン化合物(特開昭59−194393号公報);4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミン化合物(特開平5−234681号公報);トリフェニルベンゼンの誘導体でスターバースト構造を有する芳香族トリアミン化合物(米国特許第4,923,774号);N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族ジアミン化合物(米国特許第4,764,625号);α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ジ(p−トリル)アミノフェニル)−p−キシレン(特開平3−269084号公報);分子全体として立体的に非対称なトリフェニルアミン誘導体(特開平4−129271号公報);ピレニル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特開平4−175395号公報);エチレン基で3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミン化合物(特開平4−264189号公報);スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特開平4−290851号公報);チオフェン基で芳香族3級アミンユニットを連結した化合物(特開平4−304466号公報);スターバースト型芳香族トリアミン化合物(特開平4−308688号公報);ベンジルフェニル化合物(特開平4−364153号公報);フルオレン基で3級アミンを連結した化合物(特開平5−25473号公報);トリアミン化合物(特開平5−239455号公報);ビスジピリジルアミノビフェニル(特開平5−320634号公報);N,N,N−トリフェニルアミン誘導体(特開平6−1972号公報);フェノキサジン構造を有する芳香族ジアミン(特開平7−138562号公報);ジアミノフェニルフェナントリジン誘導体(特開平7−252474号公報);ヒドラゾン化合物(特開平2−311591号公報);シラザン化合物(米国特許第4,950,950号公報);シラナミン誘導体(特開平6−49079号公報);ホスファミン誘導体(特開平6−25659号公報);キナクリドン化合物等が挙げられる。これらの芳香族アミン化合物は、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
また、正孔注入層の正孔輸送性化合物に適用可能なフタロシアニン誘導体又はポルフィリン誘導体の好ましい具体例としては、ポルフィリン、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリンコバルト(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン銅(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン亜鉛(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリンバナジウム(IV)オキシド、5,10,15,20−テトラ(4−ピリジル)−21H,23H−ポルフィリン、29H,31H−フタロシアニン銅(II)、フタロシアニン亜鉛(II)、フタロシアニンチタン、フタロシアニンオキシドマグネシウム、フタロシアニン鉛、フタロシアニン銅(II)、4,4’,4”,4'''−テトラアザ−29H,31H−フタロシアニン等が挙げられる。
また、正孔注入層の正孔輸送性化合物として適用可能なオリゴチオフェン誘導体の好ましい具体例としては、α−ターチオフェンとその誘導体、α−セキシチオフェンとその誘導体、ナフタレン環を含有するオリゴチオフェン誘導体(特開6−256341)等が挙げられる。
また、本発明における正孔輸送性化合物として適用可能なポリチオフェン誘導体の好ましい具体例としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)等が挙げられる。
なお、これらの正孔輸送性化合物の分子量は、高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合性化合物)の場合を除いて、通常9000以下、好ましくは5000以下、また、通常200以上、好ましくは400以上の範囲である。正孔輸送性化合物の分子量が高過ぎると合成及び精製が困難であり好ましくない一方で、分子量が低過ぎると耐熱性が低くなるおそれがありやはり好ましくない。
正孔注入層の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミン高分子化合物1種又は2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種又は2種以上とを併用するのが好ましい。
(電子受容性化合物)
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
例としては、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート等の有機基の置換したオニウム塩、塩化鉄(III)(特開平11−251067)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物、テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365)等の芳香族ホウ素化合物、フラーレン誘導体、ヨウ素等が挙げられる。
上記の化合物のうち、強い酸化力を有する点で有機基の置換したオニウム塩、高原子価の無機化合物が好ましく、種々の溶剤に可溶で湿式塗布に適用可能である点で有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物が好ましい。
電子受容性化合物として好適な有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物の具体例としては、WO2005/089024号公報に記載のものが挙げられ、その好適例も同様であり、例えば下記構造式で表される化合物(A−2)が挙げられるが、何らそれらに限定されるものではない。
Figure 2007091719
(カチオンラジカル化合物)
カチオンラジカル化合物とは、正孔輸送性化合物から一電子取り除いた化学種であるカチオンラジカルと、対アニオンからなるイオン化合物である。但し、カチオンラジカルが正孔輸送性の高分子化合物由来である場合、カチオンラジカルは高分子化合物の繰り返し単位から一電子取り除いた構造となる。
カチオンラジカルは、正孔輸送性化合物に前述した化合物から一電子取り除いた化学種であることが好ましく、正孔輸送性化合物としてさらに好ましい化合物から一電子取り除いた化学種であることが非晶質性、可視光の透過率、耐熱性、溶解性などの点からさらに好ましい。
カチオンラジカル化合物は、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物を混合することにより生成させることができる。即ち、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物を混合することにより、正孔輸送性化合物から電子受容性化合物へと電子移動が起こり、正孔輸送性化合物のカチオンラジカルと対アニオンからなるカチオンイオン化合物が生成する。
PEDOT/PSS(Adv.Mater.,2000年,12巻,481頁)やエメラルジン塩酸塩(J.Phys.Chem.,1990年,94巻,7716頁)等の高分子化合物由来のカチオンラジカル化合物は、酸化重合(脱水素重合)、即ち、モノマーを酸性溶液中で、ペルオキソ二硫酸塩等を用いて化学的に、又は、電気化学的に酸化することによっても生成する。この酸化重合(脱水素重合)の場合、モノマーが酸化されることにより、高分子化されるとともに、酸性溶液由来のアニオンを対アニオンとする、高分子の繰り返し単位から一電子取り除かれたカチオンラジカルが生成する。
正孔注入層3は、湿式製膜法又は真空蒸着法により陽極2上に形成される。
陽極2として一般的に用いられるITO(インジウム・スズ酸化物)は、その表面粗さが10nm程度の粗さ(Ra)を有するのに加えて、局所的に突起を有することが多く、短絡欠陥を生じ易いという問題があった。陽極2の上に形成される正孔注入層3は湿式製膜法により形成することは、真空蒸着法より形成する場合と比較して、これら陽極表面の凹凸に起因する、素子の欠陥の発生を低減する利点を有する。
湿式製膜法による層形成の場合は、前述した各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)の1種又は2種以上の所定量を、必要により電荷のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤を添加して、溶剤に溶解させて、塗布溶液を調製し、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、ダイコート、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット法等の湿式製膜法により陽極上に塗布し、乾燥して、正孔注入層3を形成させる。
湿式製膜法による層形成のために用いられる溶剤としては、前述の各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)を溶解することが可能な溶剤であれば、その種類は特に限定されないが、正孔注入層に用いられる各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)を失活させる恐れのある、失活物質又は失活物質を発生させるものを含まないものが好ましい。
これらの条件を満たす好ましい溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤及びエステル系溶剤が挙げられる。具体的には、エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル等が挙げられる。エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル等が挙げられる。これらは何れか1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
上述のエーテル系溶剤及びエステル系溶剤以外に使用可能な溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは何れか1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。また、これらの溶剤のうち1種又は2種以上を、上述のエーテル系溶剤及びエステル系溶剤のうち1種又は2種以上と組み合わせて用いてもよい。特に、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤は、電子受容性化合物及びカチオンラジカル化合物を溶解する能力が低いため、エーテル系溶剤及びエステル系溶剤と混合して用いることが好ましい。
塗布溶液中における溶剤の濃度は、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50%重量以上、また、通常99.999重量%以下、好ましくは99.99重量%以下、更に好ましくは99.9重量%以下の範囲である。なお、2種以上の溶剤を混合して用いる場合には、これらの溶剤の合計がこの範囲を満たすようにする。
真空蒸着法による層形成の場合には、前述した各材料(正孔輸送性化合物、電子受容性化合物、カチオンラジカル化合物)の1種又は2種以上を真空容器内に設置されたるつぼに入れ(2種以上材料を用いる場合は各々のるつぼに入れ)、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、るつぼを加熱して(2種以上材料を用いる場合は各々のるつぼを加熱して)、蒸発量を制御して蒸発させ(2種以上材料を用いる場合はそれぞれ独立に蒸発量を制御して蒸発させ)、るつぼと向き合って置かれた基板の陽極上に正孔注入層を形成させる。なお、2種以上の材料を用いる場合は、それらの混合物をるつぼに入れ、加熱し蒸発させて正孔注入層形成に用いることもできる。
このようにして形成されるよい正孔注入層3の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
なお、正孔注入層3は、図6に示す如く、これを省略しても良い。
[4]発光層
正孔注入層3の上には通常発光層4が設けられる。発光層4は発光材料を含む層であり、電界を与えられた電極間において、陽極2から正孔注入層3を通じて注入された正孔と、陰極6から電子輸送層5を通じて注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。発光層4は発光材料(ドーパント)と1種又は2種以上のホスト材料を含むことが好ましく、発光層4は本発明の有機化合物をホスト材料として含むことが更に好ましく、真空蒸着法で形成しても良いが、本発明の電荷輸送材料組成物を用い、湿式製膜法によって作製された層であることが特に好ましい。
ここで、湿式製膜法とは、上記溶剤を含む本発明の電荷輸送材料組成物を、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、ダイコート、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット法により塗布して成膜するものである。
なお、発光層4は、本発明の性能を損なわない範囲で、他の材料、成分を含んでいてもよい。
一般に有機電界発光素子において、同じ材料を用いた場合、電極間の膜厚が薄い方が、実効電界が大きくなる為、注入される電流が多くなるので、駆動電圧は低下する。その為、電極間の総膜厚は薄い方が、有機電界発光素子の駆動電圧は低下するが、あまりに薄いと、ITO等の電極に起因する突起により短絡が発生する為、ある程度の膜厚が必要となる。
本発明においては、発光層4以外に、正孔注入層3及び後述の電子輸送層5等の有機層を有する場合、発光層4と正孔注入層3や電子輸送層5等の他の有機層とを合わせた総膜厚は通常30nm以上、好ましくは50nm以上であり、更に好ましくは100nm以上で、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下であり、更に好ましくは300nm以下である。また、発光層4以外の正孔注入層3や後述の電子注入層5の導電性が高い場合、発光層4に注入される電荷量が増加する為、例えば正孔注入層3の膜厚を厚くして発光層4の膜厚を薄くし、総膜厚をある程度の膜厚を維持したまま駆動電圧を下げることも可能である。
よって、発光層4の膜厚は、通常10nm以上、好ましくは20nm以上で、通常300nm以下、好ましくは200nm以下である。なお、本発明の素子が、陽極及び陰極の両極間に、発光層4のみを有する場合の発光層4の膜厚は、通常30nm以上、好ましくは50nm以上、通常500nm以下、好ましくは300nm以下である。
[5]電子注入層
電子注入層5は陰極6から注入された電子を効率よく発光層4へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行うには、電子注入層5を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましく、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属が用いられる。
電子注入層5の膜厚は0.1〜5nmが好ましい。
また、陰極6と発光層4又は後述の電子輸送層8との界面にLiF、MgF、LiO、CsCO等の極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl.Phys.Lett.,70巻,152頁,1997年;特開平10−74586号公報;IEEETrans.Electron.Devices,44巻,1245頁,1997年;SID 04 Digest,154頁)。
更に、後述するバソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送材料に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報などに記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は通常、5nm以上、好ましくは10nm以上で、通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。
電子注入層5は、発光層4と同様にして湿式製膜法、或いは真空蒸着法により発光層4上に積層することにより形成される。真空蒸着法の場合には、真空容器内に設置されたるつぼ又は金属ボートに蒸着源を入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、るつぼ又は金属ボートを加熱して蒸発させ、るつぼ又は金属ボートと向き合って置かれた基板上に電子注入層を形成する。
アルカリ金属の蒸着は、クロム酸アルカリ金属と還元剤をニクロムに充填したアルカリ金属ディスペンサーを用いて行う。このディスペンサーを真空容器内で加熱することにより、クロム酸アルカリ金属が還元されてアルカリ金属が蒸発される。有機電子輸送材料とアルカリ金属とを共蒸着する場合は、有機電子輸送材料を真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、各々のるつぼ及びディスペンサーを同時に加熱して蒸発させ、るつぼ及びディスペンサーと向き合って置かれた基板上に電子注入層を形成する。
このとき、電子注入層5の膜厚方向において均一に共蒸着されるが、膜厚方向において濃度分布があっても構わない。
なお、電子注入層5は、図5,6,7,8に示す如く、これを省略しても良い。
[6]陰極
陰極6は、発光層側の層(電子注入層5又は発光層4など)に電子を注入する役割を果たす。陰極6として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
陰極6の膜厚は通常、陽極2と同様である。低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
[7]その他の構成層
以上、図1に示す層構成の素子を中心に説明してきたが、本発明の有機電界発光素子における陽極2及び陰極6と発光層4との間には、その性能を損なわない限り、上記説明にある層の他にも、任意の層を有していてもよく、また発光層4以外の任意の層を省略してもよい。
有してもよい層としては例えば、電子輸送層7が挙げられる。電子輸送層7は素子の発光効率をさらに向上させることを目的として、図2に示す如く、発光層4と電子注入層5との間に設けられる。
電子輸送層7は、電界を与えられた電極間において陰極6から注入された電子を効率よく発光層4の方向に輸送することができる化合物より形成される。電子輸送層7に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極6又は電子注入層5からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−又は5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
電子輸送層7の膜厚は、通常下限は1nm、好ましくは5nm程度であり、上限は通常300nm、好ましくは100nm程度である。
電子輸送層7は、正孔注入層3と同様にして湿式製膜法、或いは真空蒸着法により発光層4上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
また、正孔輸送層10を有することが本発明において好ましく、正孔輸送層10には、本発明の有機化合物を含有することが好ましい。また、前記正孔注入層の正孔輸送性化合物として例示した化合物を用いることもできる。また、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン等の高分子材料を使用してもよい。正孔輸送層10は、これらの材料を湿式製膜法または真空蒸着法により正孔注入層上に積層することにより形成される。このようにして形成される正孔輸送層10の膜厚は、通常10nm以上、好ましくは30nmである。但し、通常、300nm以下、好ましくは100nm以下である。
また、特に、発光物質として燐光材料を用いたり、青色発光材料を用いたりする場合、図3に示す如く、正孔阻止層8を設けることも効果的である。正孔阻止層8は正孔と電子を発光層4内に閉じこめて、発光効率を向上させる機能を有する。即ち、正孔阻止層8は、発光層4から移動してくる正孔が電子輸送層7に到達するのを阻止することで、発光層4内で電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層4内に閉じこめる役割と、電子輸送層8から注入された電子を効率よく発光層4の方向に輸送する役割がある。
正孔阻止層8は、陽極2から移動してくる正孔を陰極6に到達するのを阻止する役割と、陰極6から注入された電子を率よく発光層4の方向に輸送することができる化合物により、発光層4の上に、発光層4の陰極6側の界面に接するように積層形成される。
正孔阻止層8を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。
このような条件を満たす正孔阻止層材料としては、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)が挙げられる。
さらに、WO2005/022962号公報に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も正孔阻止材料として好ましい。
正孔阻止層8の膜厚は、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上で、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
正孔阻止層8も正孔注入層3と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
電子輸送層7及び正孔阻止層8は必要に応じて、適宜設ければよく、1)電子輸送層のみ、2)正孔阻止層のみ、3)正孔阻止層/電子輸送層の積層、4)用いない、等、用法がある。また、図7に示す如く、電子注入層5を省略して正孔阻止層8と電子輸送層7を積層しても良く、また、図8に示す如く、電子輸送層7のみでも良い。
正孔阻止層8と同様の目的で、図4に示す如く、正孔注入層3と発光層4の間に電子阻止層9を設けることも効果的である。電子阻止層9は、発光層4から移動してくる電子が正孔注入層3に到達するのを阻止することで、発光層4内で正孔との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層4内に閉じこめる役割と、正孔注入層3から注入された正孔を効率よく発光層4の方向に輸送する役割がある。
電子阻止層9に求められる特性としては、正孔輸送性が高く、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。また、発光層4を湿式製膜法で形成する場合、電子阻止層9も湿式製膜法で形成することが、素子製造が容易となるため、好ましい。
このため、電子阻止層9も湿式製膜適合性を有することが好ましく、このような電子阻止層9に用いられる材料としては、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(WO2004/084260号公報記載)等が挙げられる。
なお、図1とは逆の構造、即ち、基板1上に陰極6、電子注入層5、発光層4、正孔注入層3、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能である。同様に、図2〜図8に示した前記各層構成とは逆の構造に積層することも可能である。
さらには、図1に示す層構成を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その際には段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合はその2層)の代わりに、例えばV等を電荷発生層(CGL)として用いると段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
本発明は、有機電界発光素子が、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[合成例]
以下に本発明の電荷輸送材料に用いられる化合物の合成例を示す。
なお、以下の合成例において、ガラス転移温度はDSC測定により、気化温度はTG−DTA測定により、融点はDSC測定又はTG−DTA測定によりそれぞれ求めた。
(合成例1:前記部分構造(I)を有する本発明の有機化合物(I−1)の合成)
Figure 2007091719
窒素気流中、2,4,6−トリフェニルアニリン(2.50g)、4−ヨードトルエン(10.18g)、銅粉(0.99g)、炭酸カリウム(4.30g)、及びテトラグライム(6ml)を、180℃で6.8時間撹拌した。反応混合物にジクロロメタン(50ml)を加えて、抽出し、溶液成分を濾別、濃縮して得られた固形分をトルエンに溶解後、食塩水で洗った。トルエン溶液を分液し、無水硫酸マグネシウムと活性白土を加えてから、濾過して得た濾液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー及び昇華精製で精製し、目的物とする有機電界発光素子用材料(I−1)(1.21g)を得た。
このもののガラス転移点は80℃、融点は202℃、沸点は344℃であった。
DEI−MS m/z=501(M
(合成例2:前記部分構造(I)を有する本発明の有機化合物(I−2)の合成)
Figure 2007091719
50ml用2口丸底フラスコに、2,4,6−トリフェニルアニリン(2.48g)、2,2’−ジブロモビフェニル、及びtert−ブトキシナトリウム(1.79g)を入れ、系内を窒素置換した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム錯体(0.40g)、及びトルエン(15.6ml)を入れ、撹拌しながら、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(0.39ml)を注入し、80〜85℃で6.5時間撹拌した。反応混合物にエタノール(50ml)を入れて撹拌した後、沈殿を濾別、クロロホルム(300ml)で抽出し、抽出溶液に活性白土を入れて撹拌した。固形分を濾過で除去した後、濃縮し、これをカラムクロマトグラフィー、次いでクロロホルム−エタノールからの再結晶及び昇華精製で精製し、目的とする有機化合物(I−2)(0.65g)を得た。
このもののガラス転移点は検出されず、融点は362℃であり、圧力1×10−3Pa時の昇華温度は、250〜300℃であった。
DEI−MS m/z=471(M
(合成例3:前記部分構造(I)を有する本発明の有機化合物(I−2)の合成)
Figure 2007091719
1,3,5−トリフェニルベンゼン(25g)の塩化メチレン溶液(250mL)に室温で臭素(14.3g)を30分かけて滴下した。12時間撹拌後、5重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液(100mLx3)で残存する臭素を除去し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。残渣をヘキサン−塩化メチレンで再結晶して化合物(I−2a)(31.6g)を得た。
窒素気流中、化合物(I−2a)(9.0g)、ヨウ化カリウム(39g)、ヨウ化銅(I)(22g)、及びDMF(35ml)を、加熱還流下、10時間撹拌した。反応混合物を0.07N塩酸(270ml)に加えて、撹拌した後、沈殿を濾別、メタノールで洗浄した。得られた固形分に、クロロホルム(150ml)を加え、加熱還流下、30分撹拌し、可溶成分を溶解させた後、溶液成分を濾別、濃縮した。得られた固形分をメタノールでからの再結晶により精製し、化合物(I−2b)を得た。
窒素雰囲気下、ヨウ化銅(132mg)、炭酸カリウム(0.96g)、化合物(I−2b)(3.0g)、カルバゾール(1.39g)、及びジエチルベンゼン(20ml)の混合物を還流下で水を除きながら16時間撹拌し、室温まで放冷後、塩化メチレンを加え、濾過した。濾液から溶媒を減圧下に留去し、残渣をヘキサン−塩化メチレンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーに処し、目的とする有機化合物(I−2)を得た。
(合成例4:前記部分構造(I)を有する本発明の有機化合物(I−3)の合成)
Figure 2007091719
窒素気流中、合成例3で合成した中間生成物の化合物(I−2b)(6.05g)、N,N’−ジフェニルベンジジン(1.68g)、銅粉(0.89g)、炭酸カリウム(2.76g)、及びテトラグライム(7ml)を、210℃で9.5時間撹拌した後、放冷し、銅粉(0.89g)、及び炭酸カリウム(2.76g)を加えた後、210℃で10.5時間撹拌した。反応混合物にクロロホルム(250ml)、及び活性白土を加えて、撹拌し、溶液成分を濾別、濃縮して得られた固形分をクロロホルム(50ml)に溶解後、メタノール(200ml)に加え、撹拌した後、沈殿を濾別、メタノールで洗浄した。得られた固形分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及びトルエン−エタノール溶液からの再結晶で精製し、目的物とする有機化合物(I−4)(0.66g)を得た。
このもののガラス転移温度は157℃、結晶化温度は304℃、融点は333℃、気化温度は511℃であった。
(合成例5:前記部分構造(I)を有する本発明の有機化合物(I−4)の合成)
Figure 2007091719
2,4,6−トリフェニルアニリン(2.5g)、4−ヨードビフェニル(13g)、銅(0.98g)、炭酸カリウム(4.27g)、及テトラエチレングリコールジメチルエーテル(20ml)を、200℃の加熱還流下、11時間撹拌し、室温まで放冷した。これをクロロホルムに溶解し、不溶物を除去した後濃縮し、メタノールにて結晶析出させた。その後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/塩化メチレン=3/1)で精製し、酢酸エチルにて洗浄した。得られた結晶を昇華精製することにより目的とする有機化合物(I−4)(1.56g)を白色結晶として得た。
このものの融点は263℃、ガラス転移温度は111℃であった。
DEI−MS(m/z=625)から目的物であることを確認した。
(合成例6:前記部分構造(I)を有する本発明の有機化合物(I−5)の合成)
Figure 2007091719
2,4,6−トリブロモアニリン(7.0g)、p−トリルボロン酸(11.5g)、及びトルエン(175ml)を窒素雰囲気下に撹拌した。別途炭酸カリウム(26.4g)を水(100ml)に溶解し脱気した水溶液を用意し、系内に添加した。テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(2.2g)を添加し、加熱還流下、7時間撹拌し、室温まで放冷した。有機層を抽出して濃縮し、さらにトルエンに溶解し、活性白土で処理した。その後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/塩化メチレン=7/3)で精製し、溶媒を除去後、減圧乾燥することにより、水あめ状の化合物(I−5a)(6.2g)を得た。
Figure 2007091719
上記で得られた化合物(I−5a)(1.23g)、4−ヨード−4’−メチルビフェニル(5g)、銅(0.43g)、炭酸カリウム(1.88g)、及びテトラエチレングリコールジメチルエーテル(10ml)を、200℃で加熱還流下、10時間撹拌し、室温まで放冷した。これをクロロホルムに溶解し、不溶物を除去した後濃縮し、メタノールにて結晶析出させた。その後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/塩化メチレン=7/3)で精製し、メタノール/アセトン/塩化メチレンにて再結晶した。得られた結晶(0.7g)を昇華精製することにより、目的とする有機化合物(I−5)(0.58g)を白色結晶として得た。
このものの気化温度は439℃、ガラス転移温度は115℃であった。
DEI−MS(m/z=695)から目的物であることを確認した。
(合成例7:前記部分構造(I)を有する本発明の有機化合物(I−6)の合成)
Figure 2007091719
m−ジブロモベンゼン(14.4g)、及び3−ビフェニルボロン酸(10g)を窒素雰囲気下、トルエン(120ml)に溶解して撹拌した。別途炭酸カリウム(19g)を水(68ml)に溶解し、脱気した水溶液を用意し、系内に添加した。テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0.9g)を添加し、加熱還流下、6時間撹拌し、その後、室温まで放冷した。有機層を抽出して濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、溶媒を除去後、減圧乾燥することにより、透明水あめ状の化合物(I−6a)(8.7g)を得た。
Figure 2007091719
上記で得られた化合物(I−6a)(2.5g)、ヨウ化カリウム(13.4g)、ヨウ化銅(7.72g)をジメチルホルムアミド(13ml)に分散し、加熱還流下、10時間撹拌し、室温まで放冷した。これを1N塩酸(10ml)、及び水(100ml)の中に注入し、結晶を析出させた。結晶を濾別後、クロロホルム(150ml)にて溶解し、不溶物を除去した。クロロホルム溶液を濃縮し、減圧乾燥して、透明水あめ状の化合物(I−6b)(3.6g)を得た。
Figure 2007091719
上記で得られた化合物(I−6b)(3.6g)、2,4,6−トリフェニルアニリン(0.8g)、銅(0.32g)、炭酸カリウム(1.39g)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(10ml)を、200℃の加熱還流下、10時間撹拌し、室温まで放冷した。これをクロロホルムに溶解し、不溶物を除去した後濃縮し、メタノールにて結晶析出させた。その後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/塩化メチレン=7/3)で精製し、メタノールで加熱洗浄した。得られた結晶(1.33g)を昇華精製することにより、目的の有機化合物(I−6)(0.9g)を白色結晶として得た。
このものの気化温度は470℃、融点は233℃、ガラス転移温度は96.7℃であった。
DEI−MS(m/z=776)から目的物であることを確認した。
(合成例8:前記部分構造(I)を有する本発明の有機化合物(I−7)の合成)
Figure 2007091719
窒素気流中、2,4,6−トリブロモアニリン(9.89g)、フェニルボロン酸(14.27g)、及びジメトキシエタン(120ml)の混合溶液に、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(2.08g)及び炭酸カリウム(29.02g)の2M水溶液を順次投入し、加熱還流条件下、5時間撹拌した。得られた溶液にトルエン及び食塩水を加えてよく混合後、有機層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー及びメタノール懸濁洗浄で精製し、黄白色結晶の化合物(I−7a)(7.31g)を得た。
窒素気流中、化合物(I−7a)(2.29g)、4−ヨード−4’−メチルビフェニル(5.03g)、銅粉(0.906g)、炭酸カリウム(3.94g)、及びテトラグライム(16ml)の混合物を、200℃で、17.2時間撹拌した。得られた溶液にトルエン及び食塩水を加えてよく混合後、有機層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー、メタノール懸濁洗浄、100℃での減圧乾燥及び高真空下での昇華精製(最高加熱温度330℃)で精製し、目的とする有機化合物(I−7)(2.05g)を白色結晶として得た。
このもののガラス転移点は114℃、融点は242℃、気化開始温度は436℃であった。
DEI−MS m/z=653(M)より、目的物であることを確認した。
(合成例9:前記部分構造(I)を有する本発明の有機化合物(I−8)の合成)
Figure 2007091719
窒素気流中、2,6−ジブロモアニリン(3.17g)、3−ビフェニルボロン酸(6.51g)、及びジメトキシエタン(51ml)の混合溶液に、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0.584g)及び炭酸カリウム(8.74g)の2M水溶液を順次投入し、加熱還流条件下、5.9時間撹拌した。得られた溶液にジクロロメタン(150ml)及び食塩水(100ml)を加えてよく混合後、有機層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、濾液を濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色結晶の化合物(I−8a)(3.54g)を得た。
化合物(I−8a)(3.54g)、2,2’−ジブロモビフェニル(2.78g)、及びtert−ブトキシナトリウム(2.05g)を入れ、系内を窒素置換した後、脱水トルエン(27ml)を投入し、撹拌しながらトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム錯体(0.26g)を投入した。次いで、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(0.45ml)を注入し、80℃で1.4時間、110℃で25分間、加熱還流下で5時間撹拌した。ここで2,2’−ジブロモビフェニル(0.32g)を追加投入後、さらに105分間撹拌した。得られた反応混合物にジクロロメタン(120ml)及び食塩水(50ml)を加えてよく混合後、有機層を分取し、無水硫酸マグネシウム及び活性白土を加えてよく混合後、濾過し、濾液を濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー、60℃下での減圧乾燥及び高真空下での昇華精製(最高加熱温度250℃)で精製し、目的とする有機化合物(I−8)の無色無定形固体(0.8g)を得た。
このもののガラス転移点は67℃、融点は167℃、気化開始温度は369℃であった。
DEI−MS m/z=547(M)より、目的物であることを確認した。
なお、上記の合成例で製造された本発明の有機化合物と参考とした化合物の三重項励起エネルギー準位(T1準位)及びガラス転位温度(Tg)の比較を下記表1a,1b,1cに示す。本発明の化合物は、T1準位が高く、また、Tgも高い化合物であることがわかった。
Figure 2007091719
Figure 2007091719
Figure 2007091719
[有機電界発光素子の製造・評価]
(実施例1)
図7に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
ガラス基板1の上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(スパッター成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
正孔注入層3の材料として、下記に示す構造式の芳香族アミノ基を有する非共役系高分子化合物(PB−1(重量平均分子量:29400,数平均分子量:12600))と下記に示す構造式の電子受容性化合物(A−2)とを用い、下記の条件でスピンコートした。
Figure 2007091719
スピンコート条件
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 2.0重量%
PB−1:A−2 10:2(重量比)
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 230℃×15分
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜の正孔注入層3が形成された。
次に正孔注入層3を成膜した基板を真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が約2.0×10−5Pa以下になるまで油拡散ポンプを用いて排気した。上記装置内に配置されたセラミックるつぼに入れた、下記に示す本発明の有機化合物(I−1)をるつぼの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行った。蒸着時の真空度5.7×10−5Pa、蒸着速度は0.13nm/秒で膜厚40nmの正孔輸送層10を得た。
Figure 2007091719
引続き、発光層4の主成分(ホスト材料)として下記に示す化合物(E−1)を、副成分(ドーパント)として以下に示す有機イリジウム錯体(D−1)を、別々のセラミックるつぼに設置し、2元同時蒸着法により成膜を行った。
Figure 2007091719
化合物(E−1)のるつぼ温度は342〜346℃、蒸着速度は0.08nm/秒に、化合物(D−1)のるつぼ温度は251〜254℃にそれぞれ制御し、膜厚30nmで化合物(D−1)が6重量%含有された発光層4を正孔輸送層10の上に積層した。蒸着時の真空度は6.3×10−5Paであった。
次に、正孔阻止層8として下記に示すピリジン誘導体(HB−1)をるつぼ温度241〜245℃として、蒸着速度0.11nm/秒で5nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は5.5×10−5Paであった。
Figure 2007091719
次に、正孔阻止層8の上に、電子輸送層7として下記に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体(ET−1)を同様にして蒸着した。この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は290〜294℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は5.5×10−5Pa、蒸着速度は0.13nm/秒で膜厚は30nmとした。
Figure 2007091719
上記の正孔輸送層10、発光層4、正孔阻止層8及び電子輸送層7を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が2.0×10−4Pa以下になるまで排気した。
陰極6として、先ず、フッ化リチウム(LiF)をモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.01nm/秒、真空度2.2×10−4Paで、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.4nm/秒、真空度7.4×10−6Paで膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極6を完成させた。以上の2層型陰極6の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
素子の発光スペクトルの極大波長は514nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.31,0.62)であった。
(実施例2)
図8に示す構造を有する有機電界発光素子を作製した。
正孔阻止層8を積層しなかった以外は実施例1と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を得た。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は514nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.31,0.62)であった。
(実施例3)
正孔輸送層10に、下記に示す本発明の有機化合物(I−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は514nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.31,0.62)であった。
Figure 2007091719
(実施例4)
正孔阻止層6を積層しなかった以外は実施例3と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は514nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.31,0.62)であった。
(実施例5)
正孔輸送層4に、下記に示す本発明の有機化合物(I−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は514nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.30,0.62)であった。
Figure 2007091719
(実施例6)
正孔輸送層4に、下記に示す本発明の有機化合物(I−7)、発光層5の主成分(ホスト材料)として下記に示す化合物(E−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は514nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.30,0.62)であった。
Figure 2007091719
(実施例7)
正孔阻止層6を積層しなかった以外は実施例6と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は514nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.30,0.62)であった。
(実施例8)
正孔輸送層4に、下記に示す本発明の有機化合物(I−5)を用いた以外は実施例6と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は513nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.30,0.62)であった。
Figure 2007091719
(実施例9)
正孔阻止層6を積層しなかった以外は実施例8と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は513nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.30,0.62)であった。
(実施例10)
正孔輸送層4に、下記に示すアリールアミン化合物(H−1)を用い、発光層5の主成分(ホスト材料)として下記に示す本発明の有機化合物(I−2)を用い、副成分(ドーパント)として下記に示す有機イリジウム錯体(D−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表3に示す。
表3において輝度/電流は輝度100cd/mでの値を示す。
発光スペクトルの極大波長は500nmであり、有機イリジウム錯体(D−2)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.24,0.48)であった。
Figure 2007091719
(実施例11)
正孔輸送層4に、後述の比較例1に示す(PPD)を用い、発光層5の主成分(ホスト材料)として下記に示す本発明の有機化合物(I−8)を用いた以外は実施例1と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表4に示す。
表4において、輝度/電流は輝度100cd/mでの値、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値、輝度/電流@2.5mAは電流密度2.5mA/cmでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は513nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.30,0.62)であった。
Figure 2007091719
(実施例12)
実施例3で作製した素子を下記の条件で駆動試験を行い、輝度/初期輝度=0.5となった時点の駆動時間と、後述の比較例1で作製した素子を同条件で駆動し、輝度/初期輝度=0.5となった時点の駆動時間を1.0とした場合の相対時間を表5に示す。
温度:室温
初期輝度:5,000cd/m
駆動方式:直流駆動(DC駆動)
(実施例13)
実施例5で作製した素子を、実施例12と同様の条件で駆動試験を行い、輝度/初期輝度=0.5となった時点の駆動時間と、後述の比較例4で作製した素子を同条件で駆動し、輝度/初期輝度=0.5となった時点の駆動時間を1.0とした場合の相対時間を表5に示す。
(比較例1)
本発明の有機化合物(I−1)の代わりに下記に示す化合物(PPD)を用いた他は、実施例1と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を得た。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は514nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.31,0.62)であった。
Figure 2007091719
(比較例2)
本発明の有機化合物(I−1)の代わりに上記に示す化合物(PPD)を用いた他は、実施例2と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を得た。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は514nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.31,0.62)であった。
(比較例3)
本発明の有機化合物(I−7)の代わりに上記の比較例1に示す化合物(PPD)、発光層5の主成分(ホスト材料)として前掲の化合物(E−2)を用いた他は、実施例6と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は512nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.31,0.62)であった。
(比較例4)
本発明の有機化合物(I−7)の代わりに上記の比較例1に示す化合物(PPD)を用いた他は、実施例7と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表2に示す。
表2において、最大発光輝度は電流密度0.25A/cmでの値、発光効率、輝度/電流、電圧は輝度100cd/mでの値、電圧@2500cd、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は512nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.31,0.62)であった。
(比較例5)
本発明の有機化合物(I−7)の代わりに下記に示す化合物(CBP)を用いた他は、実施例10と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表3に示す。
表3において、輝度/電流は輝度100cd/mでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は498nmであり、有機イリジウム錯体(D−2)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.20,0.42)であった。
Figure 2007091719
(比較例6)
本発明の有機化合物(I−8)の代わりに上記の比較例5に示す化合物(CBP)を用いた他は、実施例11と同様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子を製造した。
この素子の発光特性を表4に示す。
表4において、輝度/電流は輝度100cd/mでの値、輝度/電流@2500cdは輝度2500cd/mでの値、輝度/電流@2.5mAは電流密度2.5mA/cmでの値を各々示す。
発光スペクトルの極大波長は512nmであり、有機イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.31,0.62)であった。
Figure 2007091719
Figure 2007091719
Figure 2007091719
Figure 2007091719
以上の結果より明らかなように、本発明の有機化合物を正孔輸送材料として用いた有機電界発光素子は、本発明の有機化合物が電荷輸送性に優れるため、均一な発光が得られ、発光効率が高く、低い電圧で駆動可能であった。
本発明の有機電界発光素子の一例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模式的断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 発光層
5 電子注入層
6 陰極
7 電子輸送層
8 正孔阻止層
9 電子阻止層
10 正孔輸送層

Claims (10)

  1. 下記一般式(I)で表される部分構造を一分子内に1以上有することを特徴とする有機化合物。
    Figure 2007091719
    (一般式(I)中、R12〜R14、R21〜R25、R31〜R35、R41〜R45及びR51〜R55は、各々独立して水素原子或いは任意の置換基を表す。ただし、R12〜R55は、それぞれ隣接するR12〜R55と結合して環を形成していても良く、該環は置換基を有していても良い。)
  2. 上記一般式(I)が下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載の有機化合物。
    Figure 2007091719
    (一般式(II)中、R12〜R14、R21〜R24、R32〜R35、R41〜R45及びR51〜R55は、一般式(I)におけると同義である。)
  3. 一般式(I)または(II)中、R13が、任意の置換基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機化合物。
  4. 一般式(I)または(II)中、R23及び/又はR33が、任意の置換基であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の有機化合物。
  5. 請求項1ないし4の何れかに記載の有機化合物からなることを特徴とする電荷輸送材料。
  6. 請求項1ないし4の何れかに記載の有機化合物からなることを特徴とする有機電界発光素子用材料。
  7. 請求項1ないし4の何れかに記載の有機化合物と溶剤とを含有することを特徴とする電荷輸送材料組成物。
  8. 発光材料を、更に含有することを特徴とする請求項7に記載の電荷輸送材料組成物。
  9. 基板上に、陽極、陰極、及びこれら両極間に設けられた発光層を有する有機電界発光素子において、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の有機化合物を含有する層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
  10. 前記有機化合物を含有する層が正孔輸送層であることを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子。
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