JP2019172608A - 1,3,5−トリアジン化合物、該化合物を含有する組成物、有機電界発光素子、表示装置及び照明装置 - Google Patents

1,3,5−トリアジン化合物、該化合物を含有する組成物、有機電界発光素子、表示装置及び照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】湿式成膜法にて素子を作製するに足る有機溶剤への高い溶解性を有し、かつ、該組成物を用いて湿式成膜法により形成された層を有する有機電界発光素子が、長寿命、高効率、低電圧等の効果を示す新規化合物;前記化合物を含む電荷輸送材料又は有機電界発光素子;前記有機電界発光素子を有する表示装置又は照明装置の提供。
【解決手段】下記化合物H−1及びH−2に代表される1,3,5−トリアジン系化合物。
Figure 2019172608

【選択図】図1

Description

本発明は、特定の構造を有する1,3,5−トリアジン化合物、該化合物からなる電荷輸送材料、該化合物を含有する組成物、有機電界発光素子、表示装置及び照明装置に関する。
有機EL照明や有機ELディスプレイなど、有機電界発光素子(以下、「有機EL素子」と称す。)を利用する各種電子デバイスが実用化されている。有機EL素子は、印加電圧が低いため消費電力が小さく、三原色発光も可能であるため、大型のディスプレイモニターだけではなく、携帯電話やスマートフォンに代表される中小型ディスプレイへの応用が始まっている。
有機EL素子の多くは現在、有機材料を真空下で蒸着することにより製造されている。また、有機EL素子は発光層や電荷注入層、電荷輸送層など複数の層を積層することにより製造される。そのため真空蒸着法では、蒸着プロセスが煩雑となり、生産性に劣り、また、真空蒸着法で製造された有機EL素子では照明やディスプレイのパネルの大型化が極めて難しいという問題がある。そのため、近年、大型のディスプレイや照明に用いることのできる有機EL素子を効率よく製造するプロセスとして、塗布法が盛んに研究されている。塗布法は、真空蒸着法に比べて安定した層を容易に形成できる利点があるため、ディスプレイや照明装置の量産化や大型デバイスへの適用が期待されている(特許文献1及び2参照)。
電荷輸送材料及び有機EL素子材料として、1,3,5−トリアジン誘導体は以前から注目されており、例えば、特許文献3及び4、非特許文献1及び2にはこれらを用いた有機EL素子が開示されている。
また、特許文献5には窒素原子を含む特定の芳香環が分子末端に置換されている1,3,5−トリアジン誘導体が開示されている。
一方、特許文献6には、溶解性を改善した1,3,5−トリアジン誘導体及び該化合物を用いて湿式成膜法にて有機EL素子を作製したことが開示されている。
特開2006−190759号公報 特開2010−278287号公報 米国特許第6225467号明細書 特開2004−022334号公報 特許第6154556号広報 国際公開第2012/137958号
Journal of Materials Chemistry,2009年,19巻,8112−8118頁. Advanced Materials,2010年,22巻,3311−3316頁.
特許文献3及び4、非特許文献1及び2に開示された1,3,5−トリアジン誘導体等の材料は難溶解性のものが多いため、湿式成膜法に用いることができないことが多く、また、たとえ溶解したとしても、その組成物の保存安定性が低いなどの問題点があった。
また、特許文献5に開示されている1,3,5−トリアジン誘導体は、窒素原子を含む特定の芳香環が分子末端に置換されているため、該化合物に電荷が乗った際に、電荷輸送を担うトリアジン骨格(及びその周辺)から離れた部位にも負の電荷が発生してしまい、有機EL素子内での効率的な電荷移動を妨げると容易に推測できるものである。
一方、特許文献6のような溶解性を改善した化合物は開示されているが、有機EL素子のさらなる長寿命化、発光効率の向上、駆動電圧の低下を実現する新しい材料の開発が要求され続けている。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、湿式成膜法にて素子を作製するに足る有機溶剤への高い溶解性を有し、かつ、該組成物を用いて湿式成膜法により形成された層を有する有機電界発光素子が、長寿命、高効率、低電圧といった効果を示す、1,3,5−トリアジン化合物を提供することを課題とする。また、本発明は、該有機電界素子を用いた表示装置及び照明装置を提供することを課題とする。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ある特定の化学構造を有する1,3,5−トリアジン化合物が、トルエンやフェニルシクロヘキサンのような有機溶剤への溶解性が充分高く、さらに、該組成物を用いて湿式成膜法により形成された発光層をもつ有機電界発光素子が、長寿命、高効率、低電圧といった効果を示すことを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明の要旨は、下記[1]〜[8]に存する。
[1]一般式(1)で表される有機化合物。
Figure 2019172608
[一般式(1)において、 Ar1は一般式(2)で表され、
Ar2及びAr3は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。]
Figure 2019172608
[一般式(2)において、
Ar4はアリール基を表し、
Ar5はアリーレン基を表し、
mは1以上5以下の整数である。]
[2]前記一般式(2)において、Ar5のうち少なくとも1つは、1,3−フェニレン基である、前記[1]に記載の有機化合物。
[3]前記一般式(1)において、Ar2が、一般式(3)で表されるものである、[1]又は[2]に記載の有機化合物。
Figure 2019172608
[一般式(3)において、
Ar6は、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基を表し、
Czは、カルバゾリル基を表す。
nは、0以上5以下の整数である。]
[4] 前記[1]〜[3]のいずれか一に記載の有機化合物からなる電荷輸送材料。
[5] 前記[1]〜[3]のいずれか一に記載の有機化合物及び有機溶剤を含む組成物。
[6]陽極、陰極、及びこれらの間に少なくとも1層の有機層を有する有機電界発光素子であり、該有機層のうち少なくとも1層が、前記[5]に記載の組成物を用いて形成された層である、有機電界発光素子。
[7]前記[5]に記載の組成物を用いて形成された層が発光層である、前記[6]に記載の有機電界発光素子。
[8]前記[6]または[7]のいずれか1に記載の有機電界発光素子を有する表示装置または照明装置。
本発明の1,3,5−トリアジン化合物は、トルエンやフェニルシクロヘキサンのような有機溶剤に高い溶解性を示すことから、塗布法によって有機EL素子の作成が可能である。該1,3,5−トリアジン化合物を含む有機EL素子は、長寿命、高効率、低電圧といった効果を示すことから、該1,3,5−トリアジン化合物は有機EL素子用材料として有用である。また、該1,3,5−トリアジン化合物を用いて得られた有機EL素子は長寿命、高効率、低電圧といった効果を示し、表示装置及び照明装置用として有用である。
本発明の有機電界発光素子の構造の一例を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
[語句の説明]
本発明において、「アリール基」と称した場合には、芳香族炭化水素基を示す。
本発明において、「置換基を有していてもよい」とは、置換基を1又は2以上有していてもよいことを意味するものとする。
また、本発明において湿式成膜法とは、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等湿式で成膜される方法をいう。これらの成膜方法の中でも、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法が好ましい。これは、有機電界発光素子に用いられる湿式成膜用の組成物特有の液性に合うためである。
遊離原子価とは、有機化学・生化学命名法(上)(改定第2版、南江堂、1992年発行)に記載のとおり、他の遊離原子価と結合を形成できるものを言う。すなわち、例えば、「1個の遊離原子価を有するベンゼン環」はフェニル基のことを言い、「2個の遊離原子価を有するベンゼン環」はフェニレン基のことを言う。
<一般式(1)で表される有機化合物>
本発明の一般式(1)で表される有機化合物(以下、一般式(1)で表される有機化合物を「1,3,5−トリアジン化合物」と表すことがある。)は、有機溶剤に対する高い溶解性を持ち、この化合物を用いて作製した有機EL素子は、長寿命、高効率、低電圧といった効果を奏する。
本効果を奏する理由については、構造上の特徴から以下の通りと推察される。
本発明の1,3,5−トリアジン化合物は、トリアジン骨格に2価のナフタレン環が直接結合している化合物である。一般に、トリアジン骨格に2価の芳香族縮合環が直接結合している化合物は、その平面性の高い分子構造のため、分子間でπ/πスタッキングにより積層しやすく、結晶性が非常に高い。そのため、有機溶剤に対する溶解性は著しく低く、塗布法による有機EL素子の作製には適さない。しかしながら、本発明の1,3,5−トリアジン化合物は、ナフタレン環に一般式(2)で表される置換基(可溶化基)が導入されている。この可溶化基は、対称性の高い置換基と比べ、多くのコンホメーションを取りうるため、固体状態において分子構造の揺らぎを生じやすい(固体状態の自由エネルギーが不安定化する)。したがって、本発明の1,3,5−トリアジン化合物は塗布法に適した充分な溶解性を有するようになったと推察される。
一方、本発明の該化合物のように、トリアジン骨格に2価のナフタレン環が直接結合している分子構造を有していると、トリアジン骨格に2価のベンゼン環が直接結合している化合物と比べて、最低非占有分子軌道(LUMO)がナフタレン環部位にまで広がり、LUMOのエネルギー準位が低くなる。したがって、分子の電子親和力が深くなり、電子注入能力に優れる。また、ナフタレン環に置換された上記の可溶化基にはヘテロアリール環が含まれていないため、LUMOが分子末端へと分散されずに電荷輸送を担うトリアジン環及びその周辺(ナフタレン環)部位へ集まる。したがって、LUMOを介した分子間の電荷移動が効率的に行われるようになり、電子輸送能力にも優れる。電子注入能および電子輸送能が高いため、素子駆動時に分子(本発明の該化合物)にかかる負荷が小さくなり、その結果として、有機EL素子の寿命が長くなったと推測される。また、電子注入能および電子輸送能に優れることから、有機EL素子の発光効率の向上および駆動電圧の低下も期待できる。
以上より、本発明の本発明の1,3,5−トリアジン化合物は、有機溶剤に対する溶解性が大きく向上し、該化合物と溶剤とを含む組成物を用いて作製した有機EL素子は、長寿命、高効率、低電圧といった効果を示したものと推察される。
(Ar1)
Ar1は一般式(2)で表される。一般式(2)中のAr4はアリール基を表し、Ar5はアリーレン基を表す。
(Ar4)
Ar4のアリール基は特に限定されないが、1個の遊離原子価を有する、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましい。炭素数は好ましくは6以上であり、また、好ましくは18以下であり、より好ましくは16以下である。
芳香族環の数も特に限定されず、好ましくは1以上であり、また、好ましくは5以下であり、より好ましくは3以下である。
具体例としては、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等が挙げられる。中でも、有機溶剤に対する溶解性が高い点及び化学的安定性の観点から、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環又はフェナントレン環等が好ましい。
(Ar5)
Ar5のアリーレン基は特に限定されないが、2個の遊離原子価を有する、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましい。炭素数は好ましくは6以上であり、また、好ましくは18以下であり、より好ましくは16以下である。
芳香族環の数も特に限定されず、好ましくは1以上であり、また、好ましくは5以下であり、より好ましくは3以下である。
具体例としては、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等が挙げられる。中でも、有機溶剤に対する溶解性が高い点及び化学的安定性の観点から、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、その中でも溶解性の観点から、1,3−フェニレン基であることが好ましい。
(m)
mは1以上5以下の整数である。溶解性の観点から、好ましくは2以上5以下の整数である。
上記式中、Ar2とAr3は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロアリール基である。
(Ar2
Ar2は、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロアリール基である。
Ar2のアリール基は特に限定されないが、1個の遊離原子価を有する、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましい。炭素数は好ましくは6以上であり、また、好ましくは18以下であり、より好ましくは16以下である。
芳香族環の数も特に限定されず、好ましくは1以上であり、また、好ましくは5以下であり、より好ましくは3以下である。
具体例としては、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環等が挙げられる。中でも、有機溶剤に対する溶解性が高い点及び化学的安定性の観点から、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環又はフェナントレン環が好ましく、中でも1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環又はナフタレン環がさらに好ましい
また、前記アリール基が有していてもよい置換基およびその数は特に限定されないが、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜40の環集合基であることが好ましい。
環集合基とは、複数の芳香族炭化水素環が直接連結している環系のことを指す。
炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基のいずれでもよい。具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソプロピル基、sec-ブチル基、イソブチル基、イソペンチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。中でも、化学的安定性の観点から、メチル基、sec-ブチル基、t−ブチル基が好ましく、中でもメチル基がさらに好ましい。
炭素数6〜40の環集合基としては、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、クアテルフェニル基、キンクフェニル基、フェニルナフチル基、ビフェニルナフチル基、テルフェニルナフチル基、ナフチルフェニル基、ナフチルビフェニル基などが挙げられる。中でも、有機溶剤に対する溶解性が高い点及び化学的安定性の観点から、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、クアテルフェニル基、キンクフェニル基が好ましく、中でもフェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、クアテルフェニル基がより好ましい。これらの環集合基はさらに置換基を有していてもよい。
Ar2のヘテロアリール基は特に限定されないが、1個の遊離原子価を有する、炭素数4〜30の芳香族複素環基であることが好ましい。炭素数は好ましくは4以上であり、より好ましくは、7以上である。また、好ましくは16以下である。
芳香族環の数も特に限定されず、好ましくは1以上であり、また、好ましくは5以下であり、より好ましくは3以下である。
具体例としては、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環等が挙げられる。中でも、有機溶剤に対する溶解性が高い点及び化学的安定性の観点から、1個の遊離原子価を有する、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環、ベンゾイミダゾール環が好ましく、中でも1個の遊離原子価を有する、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環又はカルバゾール環がさらに好ましい。
これらのヘテロアリール基が有していてもよい置換基は、前記のアリール基が有していてもよい置換基と同様である。
Ar2は、一般式(3)で表されるものであることが、電荷輸送性の観点からより好ましい。
Figure 2019172608
[一般式(3)において、
Ar6は、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基を表し、
Czは、カルバゾリル基を表す。
nは、0以上5以下の整数である。]
(Ar6
Ar6は、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基を表す。
Ar6のアリーレン基は特に限定されないが、2個の遊離原子価を有する、炭素数6〜16の芳香族炭化水素基であることが好ましい。炭素数は好ましくは6〜14、より好ましくは6〜13である。
芳香族環の数も特に限定されず、好ましくは1以上であり、また、好ましくは5以下であり、より好ましくは3以下である。
具体例としては、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環等が挙げられる。中でも、有機溶剤に対する溶解性が高い点及び化学的安定性の観点から、2個の遊離原子価を有する、ベンゼン環又はフルオレン環が好ましく、中でも2個の遊離原子価を有するベンゼン環がさらに好ましい。
これらのアリーレン基が有していてもよい置換基は、前記のAr2と同様である。
Ar6のヘテロアリーレン基は特に限定されないが、2個の遊離原子価を有する、炭素数46〜16の芳香族炭化水素基であることが好ましい。炭素数は好ましくは4〜14、より好ましくは4〜9である。
芳香族環の数も特に限定されず、好ましくは1以上であり、また、好ましくは5以下であり、より好ましくは3以下である。
具体例としては、2個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環等が挙げられる。中でも、有機溶剤に対する溶解性が高い点及び化学的安定性の観点から、2個の遊離原子価を有する、ピリジン環、ピラジン環又はピリミジン環が好ましく、中でも2個の遊離原子価を有するピリジン環がさらに好ましい。
これらのヘテロアリーレン基が有していてもよい置換基は、前記のAr2と同様である。
(Cz)
一般式(3)において、Czは、カルバゾリル基を表す。カルバゾリル基は、1個の遊離原子価を有するカルバゾール環のことを指す。
他の環との結合位置については、特に限定はされないが、化学的安定性や電荷輸送性の観点から、カルバゾール環の3位、6位、または9位において結合していることが好ましく、9位において結合していることがより好ましい。
(n)
nは0以上5以下の整数である。溶解性の観点から、1以上5以下の整数が好ましい。
(Ar3
Ar3は、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロアリール基である。具体例及び好ましい範囲等は、前記Ar2と同様である。
(各置換基の組み合わせ)
一般式(1)のAr1、Ar2及びAr3の組み合わせは特に限定されないが、それぞれ独立に、少なくとも1つの1,3−フェニレン基をもつ構造を有することが、有機溶剤に対する溶解性の観点から好ましい。
<具体例>
以下に、本発明の一般式(1)で表される有機化合物の好ましい具体例を示す。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2019172608

Figure 2019172608
<合成方法>
本発明の一般式(1)で表される有機化合物は、例えば下記に示す公知の方法を適宜組み合わせることで合成することができる。
(方法A:アリールシアン化物から合成する方法)
Figure 2019172608
上記合成において、Ar’は、任意の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、複数存在するAr’は同一であっても異なっていてもよい。
なお、以下文献を参考に合成することができる。
参考文献:Advanced Materials,2010年,22巻,3311−3316頁
(方法B:トリハロゲン化トリアジンから合成する方法)
Figure 2019172608
上記合成において、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子からなる群うちのいずれかを表し、
Ar’は、任意の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、複数存在するAr’は同一であっても異なっていてもよい。)
なお、以下文献を参考に合成することができる。
参考文献:Journal of Organic Chemistry,2002年、67巻、24号、8424−8429頁;Synthetic Metals、2001年、122巻、3号、485−493頁;Organic Letters,2001年、3巻、15号、2419−2421頁;Organic Letters,2008年、10巻、5号、709−712頁;Chemistry of Materials、2006年、18巻、204−213頁
また、上記の他にも、「ヘテロ環の化学−医薬品の基礎」(2002年、國枝ら、化学同人社)、「新編ヘテロ環化合物 基礎編、応用編」(2004年、山中ら、講談社)などに記載または引用されている合成方法を利用することができる。
<溶解性の説明>
一般式(1)で表される有機化合物の溶解性は特に限定されないが、湿式成膜法に好適に用いることができるため、大気圧下25℃において、フェニルシクロヘキサンに対して通常1.0質量%以上、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上である。
<一般式(1)で表される有機化合物の用途>
本発明の一般式(1)で表される有機化合物は、発光材料、電荷輸送材料(電荷輸送性化合物)として用いられることが好ましい。また、有機電界発光素子における発光層の発光材料、電荷輸送材料等として用いることが好ましく、特に電荷輸送材料として用いられることが好ましい。
また、本発明の一般式(1)で表される有機化合物は、従来知られている1,3,5−トリアジン化合物よりも、有機溶剤に対する溶解性が向上していることから、該化合物と有機溶剤とを含有する組成物を調製し、該組成物を用いて湿式成膜法により形成される有機層として用いることが好ましい。特に、製造法を簡便にできることから、湿式成膜法により形成される有機電界発光素子、該素子を含む表示装置、照明装置として用いることが特に好ましい。
<一般式(1)で表される有機化合物を含有する組成物>
本発明における組成物は、前記[1]〜[3]に記載の有機化合物及び溶剤を含有する。なお、前記本発明の有機化合物は、組成物中に1種のみ含まれていてもよく、2種以上を組み合わせて含まれていてよい。また、一般式(1)で表される有機化合物を電荷輸送材として用いる場合、該組成物には、一般式(1)で表される有機化合物以外の、従来電荷輸送材料として用いられているものを使用することができる。
(溶剤)
本発明の組成物に含有され得る溶剤は、湿式成膜により層を形成するために用いる、揮発性を有する液体成分である。
該溶剤は、溶質である電荷輸送材料や発光材料が良好に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、好ましい溶剤としては以下のものが挙げられる。
例えば、n−デカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン、ビシクロヘキサン等のアルカン類;
トルエン、キシレン、メシチレン、フェニルシクロヘキサン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;
1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール、ジフェニルエーテル等の芳香族エーテル類;
酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル類;
シクロヘキサノン、シクロオクタノン、フェンコン等の脂環族ケトン類;
シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコール類;
メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン類;
ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル類;
等が挙げられる。
中でも好ましくは、アルカン類や芳香族炭化水素類であり、特に、フェニルシクロヘキサンは湿式成膜プロセスにおいて好ましい粘度と沸点を有している。
これらの溶媒は1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ、及び比率で用いてもよい。
溶媒の沸点は、通常80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上、特に好ましくは200℃以上である。また、沸点は通常270℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは240℃以下である。この範囲以上であることで、湿式成膜時において、組成物からの溶媒蒸発を抑制し、成膜安定性が得られる傾向にある。
本発明の組成物において、溶剤の含有量は、組成物100質量%に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは50質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。また、好ましくは99.99質量%以下、より好ましくは99.8質量%以下、特に好ましくは99.5質量%以下である。溶剤の含有量が上記下限値以上であることで、組成物の過剰な高粘性を抑制し、成膜作業性が向上する傾向にある。一方、上記上限値以下であることで、成膜後、溶剤を除去して得られる膜の厚みが著しく薄くなることを抑制することができ、成膜が容易となる傾向がある。
[発光材料]
本発明の組成物は、さらに発光材料を含有することが好ましい。
発光材料は特に限定されないが、燐光発光材料が挙げられる。燐光発光材料としては、例えば、周期表7乃至11族から選ばれる金属を含む有機金属錯体が挙げられる。
周期表7乃至11族から選ばれる金属を含む燐光発光性有機金属錯体における金属として、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。これらの有機金属錯体として、好ましくは下記式(II)または下記式(III)にて表される化合物が挙げられる。
ML(q-j)L’j ・・・(II)
[式(II)中、Mは金属を表し、qは上記金属の価数を表す。
また、L及びL’は二座配位子を表す。
jは0、1又は2を表す。]
Figure 2019172608
[式(III)中、Mdは金属を表し、Tは炭素または窒素を表す。
92〜R95は、それぞれ独立に置換基を表す。ただし、Tが窒素の場合は、R94及びR95は無い。]
以下、まず、式(II)で表される化合物について説明する。
式(II)中、Mは任意の金属を表し、好ましいものの具体例としては、周期表7乃至11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。
また、式(II)中の二座配位子L及びL’は、それぞれ、以下の部分構造を有する配位子を示す。
Figure 2019172608
Figure 2019172608
L’として、錯体の安定性の観点から、特に好ましくは、下記のものが挙げられる。
Figure 2019172608
上記L,L’の部分構造において、環A1は、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。また、環A2は、含窒素芳香族複素環基を表し、これらは置換基を有していてもよい。
環A1及びA2が置換基を有する場合、好ましい置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基;フェニル基、ナフチル基、フェナンチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
式(II)で表される化合物として、さらに好ましくは、下記式(IIa)、(IIb)、又は(IIc)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2019172608
[式(IIa)中、
aは、Mと同様の金属を表し、wは上記金属の価数を表す。
環A1は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、環A2は置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表す。]
Figure 2019172608
[式(IIb)中、
bは、Mと同様の金属を表し、wは上記金属の価数を表す。
環A1は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、環A2は置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表す。]
Figure 2019172608
[式(IIc)中、
cは、Mと同様の金属を表し、wは上記金属の価数を表す。
また、jは0、1又は2を表す。
環A1及び環A1’は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
環A2及び環A2’は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環基を表す。]
上記式(IIa)、(IIb)及び(IIc)において、環A1及び環A1’の基としては、好ましくは、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、フリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。
また、環A2、環A2’の基としては、好ましくは、例えばピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、フェナントリジル基等が挙げられる。
さらに、式(IIa)、(IIb)及び(IIc)で表される化合物が有していてもよい置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基;カルバゾリル基;アセチル基等のアシル基;トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;シアノ基等が挙げられる。
上記置換基がアルキル基である場合は、その炭素数は通常1以上6以下である。さらに、置換基がアルケニル基である場合は、その炭素数は通常2以上6以下である。
また、置換基がアルコキシカルボニル基である場合は、その炭素数は通常2以上6以下である。さらに、置換基がアルコキシ基である場合は、その炭素数は通常1以上6以下である。また、置換基がアリールオキシ基である場合は、その炭素数は通常6以上14以下である。さらに、置換基がジアルキルアミノ基である場合は、その炭素数は通常2以上24以下である。また、置換基がジアリールアミノ基である場合は、その炭素数は通常12以上28以下である。さらに、置換基がアシル基である場合は、その炭素数は通常1以上14以下である。また、置換基がハロアルキル基である場合は、その炭素数は通常1以上12以下である。
なお、これら置換基は互いに連結して環を形成してもよい。具体例としては、環A1が有する置換基と環A2が有する置換基とが結合するか、又は、環A1’が有する置換基と環A2’が有する置換基とが結合するかして、一つの縮合環を形成してもよい。このような縮合環基としては、7,8−ベンゾキノリン基等が挙げられる。
中でも、環A1、環A1’、環A2及び環A2’の置換基として、それぞれ独立に、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ジアリールアミノ基又はカルバゾリル基が挙げられる。
また、式(IIa)、(IIb)及び(IIc)におけるMa,Mb,Mcとしては、好ましくはルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金又は金が挙げられる。
上記式(II)、(IIa)、(IIb)又は(IIc)で示される有機金属錯体の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されるものではない(以下において、Phはフェニル基を表す。)。
Figure 2019172608
Figure 2019172608

Figure 2019172608

Figure 2019172608
Figure 2019172608
上記式(II)、(IIa)、(IIb)及び(IIc)で表される有機金属錯体の中でも、特に、配位子L及び/又はL’として2−アリールピリジン系配位子、即ち、2−アリールピリジン、これに任意の置換基が結合したもの、及び、これに任意の基が縮合してなるものを有する化合物が好ましい。
次に、前記式(III)で表される化合物について説明する。
式(III)中、Mdは金属を表し、具体例としては、周期表7乃至11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。中でも好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金又は金が挙げられ、特に好ましくは、白金、パラジウム等の2価の金属が挙げられる。
また、式(III)において、R92及びR93は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、ハロアルキル基、水酸基、アリールオキシ基、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
さらに、Tが炭素の場合、R94及びR95は、それぞれ独立に、R92及びR93と同様の例示物で表される置換基を表す。また、前述の如く、Tが窒素の場合はR94及びR95は無い。
また、R92〜R95はさらに置換基を有していてもよい。この場合、さらに有していてもよい置換基には特に制限はなく、任意の基を置換基とすることができる。
さらに、R92〜R95は互いに連結して環を形成してもよく、この環がさらに任意の置換基を有していてもよい。
式(III)で表される有機金属錯体の具体例(T−1,T−10〜T−15)を以下に示すが、下記の例示化合物に限定されるものではない。なお、以下において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
Figure 2019172608
[電荷輸送材料]
本発明の組成物は、本発明の一般式(1)で表される有機化合物を電荷輸送材料として含むことが好ましいが、その他の電荷輸送材料を含んでいてもよい。以下に、併用できる電荷輸送材料の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
併用する電荷輸送材料としては、正孔輸送能を有する化合物(以下、正孔輸送材料)と電子輸送能を有する化合物(以下、電子輸送材料)とがあり、組成物中にこれらの材料を、質量比で、通常0:100以下、好ましくは2:98以下、また通常100:0以上、好ましくは98:2以上で混合することが好ましい。上記範囲内であると、ホールや電子の移動バランスが改善し、駆動寿命が長く、電流効率が高い素子が得られる点で好ましい。なお、本発明の一般式(1)で表される有機化合物は、電子輸送材料に属する。
正孔輸送材料としては、例えば、トリアリールアミンやカルバゾールを部分構造として有する化合物が挙げられる。以下に、正孔輸送材料の具体例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。
Figure 2019172608

Figure 2019172608
[電子輸送材料]
電子輸送材料としては、芳香族複素環を部分構造として有する化合物が挙げられる。芳香族複素環としては、本発明の1,3,5−トリアジン環のほか、例えば、ピリジン環、キノリン環、キノキサリン環、ピリミジン環などが挙げられる。以下に、本発明で扱う範囲以外で組成物中に含まれていてもよい電子輸送材料の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
(ピリジン環含有化合物)
Figure 2019172608
(キノリン環・キノキサリン環含有化合物)
Figure 2019172608
<ピリミジン環含有化合物>
Figure 2019172608
[その他の成分]
本発明の組成物は、上記に示した一般式(1)で表される有機化合物、溶剤、発光材料及び電荷輸送材料以外にも、必要に応じて、更に他の成分を含有していてもよい。例えば、成膜性の向上を目的として、レベリング剤や消泡剤等の各種添加剤を含有していてもよい。また、2層以上の層を湿式成膜法により積層する際に、これらの層が相溶することを防ぐため、成膜後に硬化させて不溶化させる目的で光硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂を含有させておくこともできる。
[組成物中の材料濃度と配合比]
本発明の組成物中一般式(1)で表される有機化合物の濃度は特に限定されないが、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。また、好ましくは80質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、最も好ましくは20質量%以下である。この濃度が上記下限値以上であることで、厚膜を形成しやすくなり、上記上限値以下であることで、薄膜を形成しやすくなる傾向にある。
本発明の組成物中の電荷輸送材料、発光材料及び必要に応じて添加可能な成分(レベリング剤など)などの全材料濃度は、通常0.5質量%以上、好ましくは0.75質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上であり、通常80質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、最も好ましくは20質量%以下である。この濃度が上記範囲であることで、薄膜を形成する場合、厚膜を形成するのが容易となる傾向にある。
また、本発明の組成物において、発光材料/全電荷輸送材料の質量混合比は、通常0.1/99.9以上であり、より好ましくは0.5/99.5以上であり、さらに好ましくは1/99以上であり、最も好ましくは2/98以上で、通常、50/50以下であり、より好ましくは40/60以下であり、さらに好ましくは30/70以下であり、最も好ましくは20/80以下である。この比が上記範囲であることで、高い発光効率が得られる傾向にある。
[組成物の性状、物性等]
(水分濃度)
本発明の組成物を用いて湿式成膜法により層形成して、有機電界発光素子をはじめとする有機デバイスを製造する場合、用いる組成物中に水分が存在すると、形成された薄膜に水分が混入して薄膜の均一性が損なわれるため、本発明の組成物中の水分含有量はできる限り少ない方が好ましい。また一般に、有機電界発光素子をはじめとする有機デバイスは、水分により著しく劣化する材料(例えば、陰極等)が多く使用されているため、本発明の組成物中に水分が存在した場合、乾燥後の薄膜中に水分が残留し、素子の特性を低下させる可能性が考えられ好ましくない。
具体的には、本発明の組成物中に含まれる水分量は、通常1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下である。
本発明の組成物中の水分濃度の測定方法としては、日本工業規格「化学製品の水分測定法」(JIS K0068:2001)に記載の方法が好ましく、例えば、カールフィッシャー試薬法(JIS K0211−1348)等により分析することができる。
(均一性)
本発明の組成物は、湿式成膜プロセスでの安定性、例えば、インクジェット成膜法におけるノズルからの吐出安定性を高めるためには、常温で均一な液状であることが好ましい。常温で均一な液状とは、組成物が均一相からなる液体であり、かつ、組成物中に粒径0.1μm以上の粒子成分を含有しないことをいう。
(物性)
本発明の組成物の粘度は特に限定されないが、25℃における粘度は、通常2mPa・s以上、好ましくは3mPa・s以上、より好ましくは5mPa・s以上であり、通常1000mPa・s以下、好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは50mPa・s以下である。上記上限値以下であることで、インクジェット成膜におけるノズル目詰まり等が抑制できる傾向にある。また、上記下限値以上であることで、成膜工程における過度の液膜流動による塗面が均一となり易く、インクジェット成膜におけるノズル吐出も良好となる傾向にある。
本発明の組成物の表面張力は特に限定されないが、20℃における表面張力は、通常50mN/m未満、好ましくは40mN/m未満である。上記上限値以下であることで、基板に対する成膜溶液の濡れ性が得られ、液膜のレベリング性が良く、乾燥時の成膜面乱れ 等を抑制できる傾向にある。
さらに、本発明の組成物の25℃における蒸気圧は、通常50mmHg以下、好ましくは10mmHg以下、より好ましくは1mmHg以下である。上記上限値以下であることで、溶剤の蒸発による溶質濃度の変化が抑制される傾向にある。
[有機電界発光素子用薄膜]
本発明の組成物を用いて湿式成膜法により形成された本発明の有機電界発光素子用薄膜は、結晶化しにくく、発光特性、耐熱性に優れた薄膜であり、通常有機電界発光素子の陰極と陽極の間の層として使用される。
ここで、湿式成膜法とは、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等湿式で成膜される方法をいう。これらの成膜方法の中でも、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法が好ましい。これは、有機電界発光素子に用いられる湿式成膜用の組成物特有の液性に合うためである。
本発明の有機電界発光素子用薄膜の膜厚は用途に応じて適宜決定され、例えば、有機電界発光素子の発光層であれば、後述の如く、通常10nm以上、好ましくは20nmで、通常300nm以下、好ましくは200nm以下である。
<有機電界発光素子>
本発明の有機電界発光素子は、基板上に少なくとも陽極、陰極及び前記陽極と前記陰極の間に少なくとも1層の有機層を有するものであって、前記有機層のうち少なくとも1層が本発明の錯体化合物を含むことを特徴とする。前記有機層は発光層を含む。
本発明の錯体化合物を含む有機層は、本発明における組成物を用いて形成された層であることがより好ましく、湿式成膜法により形成された層であることがさらに好ましい。前記湿式成膜法により形成された層は、該発光層であることが好ましい。
図1は本発明の有機電界発光素子10に好適な構造例を示す断面の模式図であり、図1において、符号1は基板、符号2は陽極、符号3は正孔注入層、符号4は正孔輸送層、符号5は発光層、符号6は正孔阻止層、符号7は電子輸送層、符号8は電子注入層、符号9は陰極を各々表す。
これらの構造に適用する材料は、公知の材料を適用することができ、特に制限はないが、各層に関しての代表的な材料や製法を一例として以下に記載する。また、公報や論文等を引用している場合、該当内容を当業者の常識の範囲で適宜、適用、応用することができるものとする。
[1]基板1
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板1のガスバリア性が小さすぎると、基板1を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがある。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
[2]陽極2
基板1上には陽極2が設けられる。陽極2は発光層側の層(正孔注入層3、正孔輸送層4又は発光層5など)への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。
陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などを用いて陽極2を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましい。この場合、陽極2の厚みは通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また通常1000nm以下、好ましくは500nm以下程度である。
不透明でよい場合は陽極2の厚みは任意であり、陽極2は基板1と同一でもよい。また、さらには上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
陽極2に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的に、陽極表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理したりすることが好ましい。
[3]正孔注入層3
正孔注入層3は、陽極2から発光層5へ正孔を輸送する層であり、通常、陽極2上に形成される。本発明に係る正孔注入層3の形成方法は真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔注入層3の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
<湿式成膜法による正孔注入層3の形成>
湿式成膜法により正孔注入層3を形成する場合、通常は、正孔注入層3を構成する材料を適切な溶媒(正孔注入層用溶媒)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調製し、この正孔注入層形成用組成物を適切な手法により、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極2)上に塗布して成膜し、乾燥することにより正孔注入層3を形成する。
(正孔輸送性化合物)
正孔注入層形成用組成物は通常、正孔注入層3の構成材料として正孔輸送性化合物及び溶媒を含有する。正孔輸送性化合物は、通常、有機電界発光素子の正孔注入層に使用される正孔輸送性を有する化合物であれば、重合体などの高分子化合物であっても、単量体などの低分子化合物であってもよいが、高分子化合物であることが好ましい。
正孔輸送性化合物としては、陽極2から正孔注入層3への電荷注入障壁の観点から4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。
正孔輸送性化合物の例としては、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ベンジルフェニル誘導体、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、シラナミン誘導体、ホスファミン誘導体、キナクリドン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ポリキノリン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、カーボン等が挙げられる。
なお、本発明において誘導体とは、例えば、芳香族アミン誘導体を例にするならば、芳香族アミンそのもの及び芳香族アミンを主骨格とする化合物を含むものであり、重合体であっても、単量体であってもよい。
正孔注入層3の材料として用いられる正孔輸送性化合物は、このような化合物のうち何れか1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。2種以上の正孔輸送性化合物を含有する場合、その組み合わせは任意であるが、芳香族三級アミン高分子化合物1種又は2種以上と、その他の正孔輸送性化合物1種又は2種以上とを併用することが好ましい。
上記例示した中でも非晶質性、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましく、特に芳香族三級アミン化合物が好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物である。
芳香族三級アミン化合物の種類は特に制限されないが、表面平滑化効果による均一な発光の点から、質量平均分子量が1000以上、1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型化合物)がさらに好ましい。芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、従来の公知化合物である正孔輸送性化合物を選択すれば特に問題はなく、例えば、日本国特開2000−036390号公報、日本国特開2007−169606号公報、日本国特開2009−212510号公報等に開示されている高分子化合物が挙げられる。
(電子受容性化合物)
正孔注入層形成用組成物は正孔注入層3の構成材料として、電子受容性化合物を含有していることが好ましい。
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上である化合物がさらに好ましい。
このような電子受容性化合物としては、例えば、トリアリールホウ素化合物、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、オニウム塩、アリールアミンとハロゲン化金属との塩、及びアリールアミンとルイス酸との塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物等が挙げられる。さらに具体的には、塩化鉄(III)(日本国特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(日本国特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;有機基の置換したオニウム塩(国際公開第2005/089024号);フラーレン誘導体;ヨウ素;ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、ショウノウスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン等が挙げられる。
これらの電子受容性化合物は、正孔輸送性化合物を酸化することにより正孔注入層3の導電率を向上させることができる。
正孔注入層3或いは正孔注入層形成用組成物中の電子受容性化合物の正孔輸送性化合物に対する含有量は、通常0.1モル%以上、好ましくは1モル%以上である。但し、通常100モル%以下、好ましくは40モル%以下である。
(溶媒)
湿式成膜法に用いる正孔注入層形成用組成物の溶媒のうち少なくとも1種は、上述の正孔注入層3の構成材料を溶解しうる化合物であることが好ましい。また、この溶媒の沸点は通常110℃以上、好ましくは140℃以上、中でも200℃以上がより好ましく、通常400℃以下、中でも300℃以下であることが好ましい。溶媒の沸点が低すぎると、乾燥速度が速すぎ、膜質が悪化する可能性がある。また、溶媒の沸点が高すぎると乾燥工程の温度を高くする必要があり、他の層や基板に悪影響を与える可能性がある。
溶媒としては例えば、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、アミド系溶媒などが挙げられ、従来の溶媒を選択すれば特に問題はなく、例えば、日本国特開2007−169606号公報、国際公開第2006/087945号、日本国特開2009−212510号公報等に開示されている。
(成膜方法)
正孔注入層形成用組成物を調製後、この組成物を湿式成膜により、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極2)上に塗布成膜し、乾燥することにより正孔注入層3を形成することができる。例えば、日本国特開2009−212510号公報等に開示されている従来の方法を適用することができる。
<真空蒸着法による正孔注入層3の形成>
真空蒸着により正孔注入層3を形成する場合には、正孔注入層3の構成材料(前述の正孔輸送性化合物、電子受容性化合物等)の1種又は2種以上を真空容器内に設置されたるつぼに入れ(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼに入れ)、真空容器内を適当な真空ポンプで10-4Pa程度まで排気した後、るつぼを加熱して(2種以上の材料を用いる場合は各々のるつぼを加熱して)、蒸発量を制御して蒸発させ(2種以上の材料を用いる場合は各々独立に蒸発量を制御して蒸発させ)、るつぼと向き合って置かれた基板1の陽極2上に正孔注入層3を形成させる。なお、2種以上の材料を用いる場合は、それらの混合物をるつぼに入れ、加熱、蒸発させて正孔注入層3を形成することもできる。
蒸着時の真空度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1×10-6Torr(0.13×10-4Pa)以上、通常9.0×10-6Torr(12.0×10-4Pa)以下である。蒸着速度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1Å/秒以上、通常5.0Å/秒以下である。
[4]正孔輸送層4
正孔輸送層4は、正孔注入層3がある場合には正孔注入層3の上に、正孔注入層3が無い場合には陽極2の上に形成することができる。また、本発明の有機電界発光素子は、正孔輸送層を省いた構成であってもよい。
正孔輸送層4の形成方法は真空蒸着法でも湿式成膜法でもよく、特に制限はないが、ダークスポット低減の観点から湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔輸送層4を形成する材料としては、正孔輸送性が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが好ましい。そのために、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、正孔移動度が大きく、安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが好ましい。また、多くの場合、正孔輸送層4は発光層5に接するため、発光層5からの発光を消光したり、発光層5との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させたりしないことが好ましい。
このような正孔輸送層4の材料としては、従来、正孔輸送層の構成材料として用いられている材料であればよく、例えば、前述の正孔注入層3に使用される正孔輸送性化合物として例示したものが挙げられる。また、従来の公知化合物である正孔輸送性化合物を選択すれば特に問題はなく、例えば、日本国特開2009−212510号公報等に開示されている化合物を採用できる。
[5]発光層5
正孔輸送層4の上には通常、発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において、陽極2から正孔注入層3を通じて注入された正孔と、陰極9から電子輸送層7を通じて注入された電子との再結合により励起された、主たる発光源となる層である。
発光層5は本発明のイリジウム錯体化合物を発光材料として含有するが、さらに1種又は2種以上の電荷輸送性化合物を含むことが好ましい。発光層5は、真空蒸着法で形成してもよいが、本発明の組成物を用い、湿式成膜法によって作製された層であることが特に好ましい。
なお、発光層5は、本発明の性能を損なわない範囲で、他の材料、成分を含んでいてもよい。一般に有機電界発光素子において、同じ材料を用いた場合、電極間の膜厚が薄い方が、実効電界が大きくなる為に注入される電流が多くなるので、駆動電圧は低下する。その為、電極間の総膜厚は薄い方が有機電界発光素子の駆動電圧は低下するが、あまりに薄いと、ITO等の電極に起因する突起により短絡が発生する為、ある程度の膜厚が必要となる。
本発明においては、発光層5以外に、正孔注入層3及び後述の電子輸送層7等の有機層を有する場合、発光層5と正孔注入層3や電子輸送層7等の他の有機層とを合わせた総膜厚は通常30nm以上、好ましくは50nm以上であり、さらに好ましくは100nm以上で、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは300nm以下である。また、発光層5以外の正孔注入層3や後述の電子注入層8の導電性が高い場合、発光層5に注入される電荷量が増加する為、例えば正孔注入層3の膜厚を厚くして発光層5の膜厚を薄くし、総膜厚をある程度の厚みに維持したまま駆動電圧を下げることも可能である。
よって、発光層5の膜厚は、通常10nm以上、好ましくは20nm以上で、通常300nm以下、好ましくは200nm以下である。なお、本発明の有機電界発光素子が、陽極2及び陰極の両極間に、発光層5のみを有する場合の発光層5の膜厚は、通常30nm以上、好ましくは50nm以上、通常500nm以下、好ましくは300nm以下である。
[6]正孔阻止層6
正孔阻止層6は、発光層5の上に、発光層5の陰極側の界面に接するように積層形成される。特に、発光物質として燐光材料を用いたり、青色発光材料を用いたりする場合、正孔阻止層6を設けることは効果的である。
正孔阻止層6は正孔と電子を発光層5内に閉じこめて、発光効率を向上させる機能を有する。即ち、正孔阻止層6は、発光層5から移動してくる正孔が電子輸送層7に到達するのを阻止することで、発光層5内で電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、電子輸送層7から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割がある。
正孔阻止層6を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMOとLUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。
このような条件を満たす正孔阻止層材料としては、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(日本国特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(日本国特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(日本国特開平10−79297号公報)が挙げられる。
さらに、国際公開第2005/022962号に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も正孔阻止材料として好ましい。正孔阻止層6の膜厚は、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上で、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。正孔阻止層6も正孔注入層3と同様の方法で形成することができるが、通常は真空蒸着法が用いられる。
[7]電子輸送層
電子輸送層7は素子の発光効率をさらに向上させることを目的として、正孔阻止層6と電子注入層8との間に設けられる。電子輸送層7は、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物により形成される。電子輸送層7に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極9又は電子注入層8からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し、注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(日本国特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−又は5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5,645,948号明細書)、キノキサリン化合物(日本国特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(日本国特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
電子輸送層7の膜厚は、通常下限は1nm、好ましくは5nm程度であり、上限は通常300nm、好ましくは100nm程度である。
電子輸送層7は、正孔注入層3と同様にして湿式成膜法、或いは真空蒸着法により形成されるが、通常は、真空蒸着法が用いられる。
[8]電子注入層8
電子注入層8は陰極9から注入された電子を効率よく発光層5へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行うには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましく、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属が用いられる。電子注入層8の膜厚は0.1〜5nmが好ましい。
また、陰極9と電子輸送層7との界面にLiF、MgF2、Li2O、Cs2CO3等の極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl.Phys.Lett.,70巻,152頁,1997年;日本国特開平10−74586号公報;IEEE Trans.Electron.Devices,44巻,1245頁,1997年;SID 04 Digest,154頁)。さらに、バソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送材料に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(日本国特開平10−270171号公報、日本国特開2002−100478号公報、日本国特開2002−100482号公報などに記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は通常5nm以上、好ましくは10nm以上で、通常200nm以下、好ましくは100nm以下である。
[9]陰極9
陰極9は、発光層側の層(電子注入層8又は発光層5など)に電子を注入する役割を果たす。陰極9として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることも可能であるが、効率よく電子注入を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
陰極9の膜厚は通常、陽極2と同様である。
低仕事関数金属から成る陰極9を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層してもよく、これにより有機電界発光素子の安定性を増すことができる。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
[10]その他の構成層
以上、図1に示す層構成の素子を中心に説明してきたが、本発明の有機電界発光素子における陽極2及び陰極9と発光層5との間には、その性能を損なわない限り、上記説明にある層の他にも、任意の層を有していてもよく、また発光層5以外の任意の層を省略してもよい。
正孔阻止層6と同様の目的で、正孔輸送層4と発光層5の間に電子阻止層を設けることも効果的である。電子阻止層は、発光層5から移動してくる電子が正孔輸送層4に到達するのを阻止することで、発光層5内で正孔との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、正孔輸送層4から注入された正孔を効率よく発光層5の方向に輸送する役割がある。
電子阻止層に求められる特性としては、正孔輸送性が高く、エネルギーギャップ(HOMOとLUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。また、発光層5を湿式成膜法で形成する場合、電子阻止層も湿式成膜法で形成することが、素子製造が容易となるため、好ましい。
このため、電子阻止層も湿式成膜適合性を有することが好ましく、このような電子阻止層に用いられる材料としては、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(国際公開第2004/084260号)等が挙げられる。
なお、図1とは逆の構造、即ち、基板1上に陰極9、電子注入層8、電子輸送層7、正孔阻止層6、発光層5、正孔輸送層4、正孔注入層3、陽極2の順に積層することも可能であり、少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能である。
さらには、図1に示す層構成を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その際には段間(発光ユニット間)の界面層(陽極2がITO、陰極9がAlの場合はその2層)の代わりに、例えばV25等を電荷発生層として用いると段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
本発明は、有機電界発光素子が、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極2と陰極9がX−Yマトリックス状に配置された構造の素子など、いずれにおいても適用することができる。
<表示装置及び照明装置>
本発明の表示装置及び照明装置は、上述のような本発明の有機電界発光素子を用いたものである。本発明の表示装置及び照明装置の形式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発刊、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の表示装置及び照明装置を形成することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施例における各種の条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限または下限の値と下記実施例の値または実施例同士の値との組合せで規定される範囲であってもよい。
<化合物(H−1)の合成例>
(中間体1の合成)
Figure 2019172608
窒素気流下、6−ブロモ−2−ナフトール 25.0g、m−テルフェニル−3−ボロン酸 30.5g、2M リン酸三カリウム水溶液 140mL、トルエン 300mL及びエタノール 150mLを加え、撹拌しながら室温で30分間窒素バブリングを行った。そこに[Pd(PPh3)4]3.22gを加え、100℃で4時間撹拌還流した。その後室温まで冷却し、水とトルエンを加え分液洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/へキサン=75/25→80/20)にて精製することにより、中間体1 13.8gを白色固体として得た。
(中間体2の合成)
Figure 2019172608
窒素気流下、中間体1 13.8g、トリエチルアミン 10.5mL、ジクロロメタン100mLを加え、氷浴中で冷却しながら撹拌した。そこへトリフルオロメタンスルホン酸無水物 12.5mLをジクロロメタン10mLで希釈した溶液を滴下した。氷浴を外して室温で10分間撹拌後、もう一度氷浴中で冷却しながら炭酸ナトリウム水溶液を徐々に加えた。水とジクロロメタンを加え分液洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/へキサン=25/75)にて精製することにより、中間体2 16.8gを白色固体として得た。
(中間体3の合成)
Figure 2019172608
窒素気流下、中間体2 16.8g、ビスピナコラートジボロン 11.2g、酢酸カリウム 16.3g、[PdCl2(dppf)]CH2Cl2 0.81gを加え窒素置換を行った。そこへ脱水1,4−ジオキサン 100mLを入れ、90℃オイルバス中で3時間撹拌した。その後室温まで冷却し、溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/へキサン=7/3)にて精製した後、メタノールで懸濁洗浄することで、中間体3 14.3gを白色固体として得た。
(中間体4の合成)
Figure 2019172608
Mg片にm−ブロモカルバゾリルベンゼン 21.85gの乾燥THF(80mL)溶液を緩やかに還流するように滴下し、室温で攪拌してグリニヤー試薬を得た。メタノール-ドライアイス浴で内温が−7℃になるように冷却した塩化シアヌル24.5gの乾燥THF(100mL)溶液に、先に調製したグリニヤー試薬を滴下し、内温−10℃〜−5℃で30分間攪拌後、メタノール-ドライアイス浴を外して室温になるまで撹拌した。水1mLを加え反応をクエンチした後、溶媒を減圧下除去した。残渣にメタノールを加えて吸引濾過した後、ろ取物をヘキサン/ジクロロメタン=2/1で再結晶することで、中間体4 17.3gを白色固体として得た。
(化合物H−1の合成)
Figure 2019172608
窒素気流下、中間体3 1.96g、中間体4 0.76g、2M リン酸三カリウム水溶液 5.1mL、THF 40mLを加え、撹拌しながら室温で30分間窒素バブリングを行った。そこに[Pd(PPh3)4]0.19gを加え、50℃で7時間撹拌した。その後75℃で2.5時間撹拌還流した。室温まで冷却し、水とジクロロメタンを加え分液洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/へキサン=4/6)、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/へキサン=3/7→4/6)にて精製することにより、化合物H−1 0.64gを白色固体として得た。
<化合物(H−2)の合成例>
(中間体6の合成)
Figure 2019172608
窒素気流下、中間体5 1.86g、中間体4 2.15g、2M リン酸三カリウム水溶液 7.0mL、THF 40mLを加え、撹拌しながら室温で30分間窒素バブリングを行った。そこに[Pd(PPh3)4]0.16gを加え、50℃で9時間撹拌した。室温まで冷却し、水とジクロロメタンを加え分液洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジロロメタン/へキサン=25/75→3/7)にて精製することにより、中間体6 1.1gを白色固体として得た。
(化合物H−2の合成)
Figure 2019172608
窒素気流下、中間体3 0.80g、中間体6 1.08g、2M リン酸三カリウム水溶液 2.0mL、トルエン 20mL、エタノール 5mLを加え、撹拌しながら室温で30分間窒素バブリングを行った。そこに[Pd(PPh3)4] 42mgを加え、60℃で30分間撹拌後、100℃で2時間撹拌した。室温まで冷却し、水とジクロロメタンを加え分液洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/へキサン=5/5)、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/へキサン=35/65→6/4)にて精製することにより、化合物H−2 1.18gを白色固体として得た。
<比較化合物(H−3)の合成例>
(比較化合物H−3の合成)
Figure 2019172608
窒素気流下、2−ナフタレンボロン酸 0.60g、中間体7 1.85g、2M リン酸三カリウム水溶液 4.0mL、トルエン 30mL、エタノール 10mLを加え、撹拌しながら室温で30分間窒素バブリングを行った。そこに[Pd(PPh3)4] 92mgを加え、100℃で1.5時間撹拌した。室温まで冷却した後、エタノールを加え、吸引濾過した。ろ取物をメタノールで洗浄後、ジクロロメタンに溶解させ、活性白土を加えて室温で15分間撹拌した。濾過し、溶媒を減圧下除去した。残渣に酢酸エチル-エタノール(1:1)を加え、100℃で30分間撹拌還流した。室温まで冷却した後、吸引濾過した。ろ取物をメタノールでリンス洗浄後、100℃で減圧乾燥した。最後に昇華精製することで、比較化合物H−3 0.78gを白色固体として得た。
<比較化合物(H−4)の合成例>
(中間体8の合成)
Figure 2019172608
窒素気流下、4−(3−ピリジル)フェニルボロン酸塩酸塩 5.32g、6−ブロモ−2−ナフトール 4.50g、2M リン酸三カリウム水溶液 30mL、トルエン 60mL、エタノール 30mLを加え、撹拌しながら室温で30分間窒素バブリングを行った。そこに[Pd(PPh3)4] 0.65gを加え、100℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、水を加え、吸引濾過した。ろ取物を水とメタノールで洗浄後、減圧乾燥することで、中間体8 5.1gを淡灰色固体として得た(これ以上の精製は行わず、次の反応に用いた)。
(中間体9の合成)
Figure 2019172608
窒素気流下、中間体8 5.1g、トリエチルアミン 5mL、ジクロロメタン 100mLを加え、氷浴中で冷却しながら撹拌した。そこへトリフルオロメタンスルホン酸無水物 6mLをジクロロメタン10mLで希釈した溶液を滴下した。氷浴を外して室温で10分間撹拌後、もう一度氷浴中で冷却しながら炭酸ナトリウム水溶液を徐々に加えた。水とジクロロメタンを加え分液洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/酢酸エチル=9/1)にて精製することにより、中間体9 4.0gを白色固体として得た。
(中間体10の合成)
Figure 2019172608
窒素気流下、中間体9 4.0g、ビスピナコラートジボロン 3.1g、酢酸カリウム 4.5g、[PdCl2(dppf)]CH2Cl2 0.44gを加え窒素置換を行った。そこへ脱水1,4−ジオキサン 50mLを入れ、90℃オイルバス中で7時間撹拌した。その後室温まで冷却し、ジクロロメタンを加えた。吸引濾過した後、溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/酢酸エチル=9/1)にて精製することで、中間体10 2.1gを白色固体として得た。
(比較化合物H−4の合成)
Figure 2019172608
窒素気流下、 2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン 1.19g、中間体10 2.00g、2M リン酸三カリウム水溶液 5.6mL、トルエン 50mL、エタノール 20mLを加え、撹拌しながら室温で30分間窒素バブリングを行った。そこに[Pd(PPh3)4] 0.13gを加え、100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却した後、メタノールを加え、吸引濾過した。ろ取物を水とメタノールで洗浄後、100℃で減圧乾燥した。最後に昇華精製することで、比較化合物H−4 1.58gを白色固体として得た。
<化合物の溶解性試験>
上記合成より得られた以下の化合物について、下記に示す方法により有機溶剤(フェニルシクロヘキサン)に対する溶解性を試験した。
Figure 2019172608

Figure 2019172608
[実施例1]
透明サンプル管に、化合物(H−1)を15mg量りとり、フェニルシクロヘキサンを加えて250mgとした後(6質量%濃度)、ホットプレート(70℃)上に静置した。完全溶解後、室温に戻し、析出の有無を目視にて確認し、結果を表1にまとめた。
[実施例2]
実施例1の化合物(H−1)を化合物(H−2)に置き換えたほかは、実施例1と同様にして溶解性試験を行った。結果を表1にまとめた。
[比較例1]
実施例1の化合物(H−1)を比較化合物(H−3)に置き換えたほかは、実施例1と同様にして溶解性試験を行ったが、サンプル管の底に固形分の残留が確認された。そのため、固形残留物が確認されなくなるまでフェニルシクロヘキサンを追加し、完全溶解させた。結果を表1にまとめた
[比較例2]
実施例1の化合物(H−1)を上記比較化合物(H−4)に置き換えたほかは、実施例1と同様にして溶解性試験を行ったが、サンプル管の底に固形分の残留が確認された。そのため、フェニルシクロヘキサンを追加したが、0.3質量%濃度でも完全溶解しなかった。結果を表1にまとめた
Figure 2019172608
表1から明らかなように、本発明の一般式(1)で表される有機化合物は、有機溶剤に対して充分な溶解性を有していることがわかる。
<有機電界発光素子の作製>
図1に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
(実施例3)
ガラス基板1の上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を70nmの厚さに堆積したもの(ジオマテック社製、スパッタ成膜品)を、通常のフォトリソグラフィー技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、界面活性剤水溶液による超音波洗浄、超純水による水洗、超純水による超音波洗浄、超純水による水洗の順で洗浄後、圧縮空気で乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。このITOは、透明電極2として機能する。
次に、下の構造式(P−1)に示すアリールアミンポリマー、構造式(A−1)に示すボラート化合物及び安息香酸ブチルを含有する正孔注入層形成用塗布液を調製した。この塗布液を下記条件で陽極上にスピンコートにより成膜して、膜厚41nmの正孔注入層3を得た。
Figure 2019172608

Figure 2019172608
<正孔注入層形成用塗布液>
溶剤 安息香酸ブチル
塗布液濃度 P−1 2.73質量%
A−1 0.27質量%
<正孔注入層3の成膜条件>
スピンコート雰囲気 大気中
加熱条件 大気中 240℃ 1時間
次に、下記に示す構造を有する化合物(P−2)を含有する正孔輸送層形成用塗布液を調製し、下記の条件でスピンコートにより成膜して、加熱により重合させることにより膜厚37nmの正孔輸送層4を形成した。
Figure 2019172608
<正孔輸送層形成用塗布液>
溶剤 フェニルシクロヘキサン
塗布液濃度 2.5質量%
<成膜条件>
スピンコート雰囲気 乾燥窒素中
加熱条件 230℃、1時間(乾燥窒素下)
次に、発光層を形成するにあたり、電荷輸送材料として、以下に示す、1,3,5−トリアジン化合物(H−1)、有機化合物(H−5)及び、発光材料として、以下に示す、イリジウム錯体化合物(D−1)を用いて下記に示す1,3,5−トリアジン化合物含有組成物を調製し、以下に示す条件で正孔輸送層上にスピンコートして膜厚80nmで発光層を得た。
Figure 2019172608
<発光層形成用塗布液>
溶剤 フェニルシクロヘキサン:1567重量部
組成物中濃度 H−1: 35重量部
H−5: 65重量部
D−1: 20重量部
<成膜条件>
スピンコート雰囲気 乾燥窒素中
加熱条件 120℃×20分(乾燥窒素下)
ここで、発光層までを成膜した基板を、真空蒸着装置内に移し、下記に示す構造を有する有機化合物(ET−1)とLiqの2:3混合物を真空蒸着法にて蒸着速度を0.8〜1.0Å/秒の範囲で制御し、発光層5の上に積層させ、膜厚30nmの電子輸送層7を形成した。正孔阻止層6は形成しなかった。
Figure 2019172608
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を別の蒸着装置に設置し、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させた。電子注入層8は形成しなかった。
次に、陰極9としてアルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、膜厚80nmのアルミニウム層を形成した。以上の2層の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
引き続き、素子が保管中に大気中の水分等で劣化することを防ぐため、以下に記載の方法で封止処理を行った。
窒素グローブボックス中で、23mm×23mmサイズのガラス板の外周部に、約1mmの幅で光硬化性樹脂30Y−437(スリーボンド社製)を塗布し、中央部に水分ゲッターシート(ダイニック社製)を設置した。この上に、陰極形成を終了した基板を、蒸着された面が乾燥剤シートと対向するように貼り合わせた。その後、光硬化性樹脂が塗布された領域のみに紫外光を照射し、樹脂を硬化させた。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。
(実施例4)
実施例3において、発光層を形成する際に用いた化合物(H−1)を、化合物(H−2)に変更した以外は、実施例3と同様にして図1に示す有機電界発光素子を作製した。
Figure 2019172608
(比較例3)
実施例3において、発光層を形成する際に用いた化合物(H−1)を、化合物(H−6)に変更した以外は、実施例3と同様にして図1に示す有機電界発光素子を作製した。
Figure 2019172608
<有機電界発光素子の駆動寿命の評価>
実施例3、4および比較例3において、得られた各有機電界発光素子を50mA/cm2で駆動し、初期輝度が95%に減衰するまでの時間をLT95(hr)として測定し、初期輝度Loを3000cd/m2に換算した場合のLT95(Lo=3000cd/m2換算)(hr)を求め、比較例3のLT95(Lo=3000cd/m2換算)を100として、相対値を表2に示した。
Figure 2019172608
表2に示すが如く、本発明の1,3,5−トリアジン化合物を含む層を有する有機電界発光素子は、寿命が長いことがわかる。
本発明は、有機電界発光素子をはじめとする有機デバイス用の材料のほか、有機電界発光素子が使用される各種の分野、例えば、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯、照明装置等の分野において、好適に使用することが出来る。
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表される有機化合物。
    Figure 2019172608
    [一般式(1)において、 Ar1は一般式(2)で表され、
    Ar2及びAr3は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基、または、置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。]
    Figure 2019172608
    [一般式(2)において、
    Ar4はアリール基を表し、
    Ar5はアリーレン基を表し、
    mは1以上5以下の整数である。]
  2. 前記一般式(2)において、Ar5のうち少なくとも1つは、1,3−フェニレン基である、請求項1に記載の有機化合物。
  3. 前記一般式(1)において、Ar2が、一般式(3)で表されるものである、請求項1又は2に記載の有機化合物。
    Figure 2019172608
    [一般式(3)において、
    Ar6は、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基を表し、
    Czは、カルバゾリル基を表す。
    nは、0以上5以下の整数である。]
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機化合物からなる電荷輸送材料。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機化合物及び有機溶剤を含む組成物。
  6. 陽極、陰極、及びこれらの間に少なくとも1層の有機層を有する有機電界発光素子であり、該有機層のうち少なくとも1層が、請求項5に記載の組成物を用いて形成された層である、有機電界発光素子。
  7. 組成物を用いて形成された層が発光層である、請求項6に記載の有機電界発光素子。
  8. 請求項6または7のいずれか1項に記載の有機電界発光素子を有する表示装置または照明装置。
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