以下、本発明の実施態様について図面を参照して説明する。
まず、本発明の実施形態を説明するにあたってスロットマシンの構成について概説する。図1は、スロットマシン10の正面図であり、図2は、前面扉12を開扉した状態のスロットマシン10内部の斜視図(前面扉12を省略)であり、図3は、前面扉12を開扉した状態のスロットマシン10の正面図を示している。
スロットマシン10は、主基板ボックス14、リールユニット16、ホッパーユニット18、電源ボックス20、オーバーフロータンク22が収容される収容箱24と、該収容箱24の前面に対して開閉自在に設けられる前面扉12とから構成されている。
収容箱24は、上部の天板26と左右の側板28と下部の底板30と背面の背板32とによって直方体状に組み付けられている。また、前面扉12は、合成樹脂によって一体成形される前面枠34に前面飾り枠36、タイトルパネル38、メダル受皿40を装着して構成される。前面飾り枠36には、その上部に入賞態様等を説明する説明文等が表示される説明パネル36aとリールユニット16の3つのリール駆動ユニット42、44、46の一部を視認し得る透視窓36bが形成されている。更に、前面飾り枠36の周囲には内部にランプが収容されるランプカバー48、50が取り付けられ、またその下部にスタートレバー52、ストップボタン54a、54b、54c、精算ボタン56、1BTEボタン58、MAXBETボタン60、メダル詰まり解消ボタン62、及びメダル投入口64等の操作部が設けられている。
ここで、上記した操作部に設けられる各種ボタンの機能を説明する。MAXBETボタン60は、1ゲームにおいて許容されている賭数の最大数(例えば、メダル3枚分)をクレジットに記憶されている範囲内でゲームに賭ける際に押圧するボタンであり、1BETボタン58は、メダル1枚分の価値を賭ける際に押圧するボタンである。また、MAXBETボタン60及び1BETボタン58には、ボタンを押圧して賭数を設定可能な状態にある場合に点灯し、賭数を設定不可能な状態にある場合に消灯するランプが内蔵されている。また、精算ボタン56は、スロットマシン10にクレジットとして記憶されたメダルをメダル払出口66から回収する際に押圧するボタンである。この精算ボタン56を押圧することに伴って、クレジット表示器(図示しないが通常、透視窓36bの下方近傍に配置)の表示が0になるまで減算更新されると共に、クレジット相当数のメダルがメダル受皿40に払い出される。
また、スタートレバー52は、ゲームを開始する際に操作するレバーである。賭数を設定した後、このスタートレバー52を操作することにより各リール42、44、46が一斉に回転し始める。各ストップボタン54a,54b,54cは、ゲームが開始した後、回転しているリールを停止させる際に操作するボタンである。メダル詰まり解消ボタン62は、メダル投入口64に投入したメダルの詰まりを解消させる際に操作するボタンであり、例えば詰まったメダルに機械的な振動が与える等により詰まりを解消させる。
次に、上記した操作部及び各種の表示部によって達成されるスロットマシンのゲーム内容について簡単に説明する。まず、最初にゲームに使用可能な遊技媒体の一例となるメダルをメダル投入口64に投入する。このとき投入メダル数に応じた数字がクレジット数として表示器に表示され、制限値に達した場合にはメダル払出口66が返却される。クレジット数は遊技者が可能な賭数を示しており、通常、1回のゲームで最大3まで設定することができる。詳細に説明すれば、クレジット数がすでに1以上となっている場合には、1BETボタン58又はMAXBETボタン60を押圧して賭数を設定することが可能となるが、このとき最大掛数は3であり、1BETボタン58を3回又はMAXBETボタン60を1回押圧することで設定することができる。また、クレジット数が3以上となっている場合には、MAXBETボタン60を押圧することによりレギュラーボーナスゲーム中を除いて賭数を最大数の3に設定することが可能になる。また、クレジット数が1以上となっている場合に1BETボタン525を1回押圧する毎にクレジット数が1づつ減算更新される。さらに、クレジット数が3以上となっている場合にMAXBETボタン60を押圧した場合には賭数が3に設定される。
なお、上記レギュラーボーナスゲームでは、1BETボタン58又はMAXBETボタン60のうち、いずれを何回押圧したかにかかわらず、自動的に1枚賭けゲームに設定される。また、クレジット数が3に満たない場合にMAXBETボタン60を押圧した場合には、残っているクレジット数で選択できる最大の賭数が設定される。
賭数が設定された後、遊技者は各ゲームを実行可能となる。具体的には、スタートレバー52を操作すれば、各リール42,44,46が一斉に回転(可変表示とも称する)し始める。各リール42,44,46には、複数の図柄が描かれており(図示せず)、リールの回転に伴って透視窓36bに現れる図柄の種類が次々と変動し、複数種類の図柄が可変表示される。
可変表示の開始から所定時間が経過すれば、各ストップボタン54a、54b、54cに設けられたランプが点灯し、それぞれの押圧操作が有効状態になったことが遊技者に報知される。各ストップボタン54a、54b、54cは、それぞれ各リール42,44,46に対応して設けられており、遊技者は自らの操作によって各リール42,44,46を停止させる順序とタイミングとを選択する。該各ストップボタン54a、54b、54cのうち、いずれかを押圧操作すれば対応するストップボタンに内蔵されるランプが消灯し、その後、所定時間以内に操作されたストップボタンに対応するリールの回転が停止する。一方、遊技者がストップボタン54a、54b、54cを操作しない場合には、所定の可変表示時間が経過した後に各リール42,44,46が、例えば、左から順に自動的に停止し、ストップボタンの内蔵ランプが左から順に消灯する。
すべてのリールが停止した時点で、透視窓36bから視認される各リール42,44,46の上段、中段、下段の3段の図柄(図示せず)のうち、賭数に応じて定められる有効なライン上に位置する図柄の組合わせによって入賞の有無が決定される。賭数が1の場合には、中段の横1列の当りラインのみが有効化される。有効化された当りラインを有効ラインという。賭数が2の場合には、上段、中段、下段の横3列の当りラインが有効ラインとなる。賭数が3の場合には、横3列と斜め対角線2列の合計5本の当りラインが有効ラインとなる。
有効ラインにおける図柄の組合せが予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、通常、前面飾り枠36に配設された各種ランプが所定態様で点滅し、スピーカから報知音が出力される。また、入賞ラインに対応するリール42,44,46内のランプ(図示せず)を点滅させて入賞ラインを報知するようにしても良い。入賞すればその入賞態様に応じてクレジット数が付与され、付与されるクレジット数が加算更新される。また、特に予め定められた特別態様となった場合には、クレジット数が付与されると共にビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームが開始可能になる。
ここで、スロットマシン1に登場する各種の入賞態様(役とも言われる)の内容について詳細に説明する。代表的な例として各リール42,44,46の外周面には、各コマ(図柄停止のピッチ)毎に「JAC」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「BAR」、「7」、「模様付き7」の絵図柄がそれぞれ複数個ずつ所定の順序で描かれている場合で説明する。なお、ここで説明する代表例は遊技態様の理解を助けるための例示に過ぎず、遊技者の遊興性向上を企図して種々のスロットマシンごとに異なることを当然に許容する。上記代表例の場合、通常ゲーム(レギュラーボーナスゲーム及びビッグボーナスゲームを除くゲームを意味する)において、可変表示結果が「7」、「BAR」、「JAC」以外の図柄が有効ライン上に揃った場合には小役入賞となり、その小役図柄の種類に応じて予め定められた枚数のメダル(例えば、「スイカ」が3つ揃った場合には15枚のメダル、「ベル」が3つ揃った場合には8枚のメダル)が遊技者に払い出される(クレジット数が加算更新される)。また、一つのリール、例えば左リール42の有効ライン上に「チェリー」が停止した場合には、他のリールの出目にかかわらず、有効ライン毎に2枚のメダルが払い出される。なお、この「チェリー」のごとき図柄は、他のリール44、46の出目とは無関係に入賞を発生させるので、「単図柄」と称もされている。また、通常ゲームにおいて、有効ライン上に「BAR」が3つ揃って停止すれば、レギュラーボーナス入賞となりメダルが15枚払い出されると共に、「レギュラーボーナスゲーム」と称されるゲームを所定ゲーム数だけ行なうことが可能となる。レギュラーボーナスゲームでは、中段の横1列の有効ラインに図柄「JAC」が3つ揃うか、もしくは、中段の横1列の有効ラインに「BAR、JAC、JAC(BARは左図柄に限る)」という組合せの図柄が揃った場合にのみ、入賞が発生する。レギュラーボーナスゲームで発生する入賞を特に「JAC入賞」という。JAC入賞が発生すれば、15枚のメダルが払い出される。さらに、レギュラーボーナスゲームが提供される遊技状態を遊技者に有利な第1の特別遊技状態と言い、この第1の特別遊技状態は、最大12回のレギュラーボーナスゲームが終了するまで継続するが、レギュラーボーナスゲームが12回に達する前にJAC入賞が8回発生した場合には、その回のレギュラーボーナスゲームで終了する。したがって、遊技者は第1の特別遊技状態中に最大8回JAC入賞の機会を確保することができる。
また、このレギュラーボーナスゲームでは1枚賭けの遊技しか許容されないが、スロットマシン1内部制御により、各ゲームにおいて極めて高い確率(例えば、1/1.2程度)でJAC入賞当選フラグが設定される。JAC入賞当選フラグが設定された場合には、JAC入賞を発生させることができるように、リールの引込み制御が行なわれる。ここで引込み制御とは、可変表示結果(ハズレ又は入賞)を予めスロットマシンの内部の制御で決定し、表示結果(停止図柄)に沿うようにリールの停止タイミングを制御する方法である。引込み制御が行なわれることにより、遊技者の所謂目押し(遊技者が特定図柄停止を狙ってストップボタン54a、54b、54cを押圧すること)のタイミングを基準にして、そのタイミングに一致する図柄の次の図柄から数えて最大4コマ分だけ図柄が移動して停止図柄が調整される。これにより、例えば、可変表示結果をハズレとすることがスロットマシンの内部の制御で予め決定されている場合には、たとえ遊技者の目押しが入賞を発生させるタイミングで行なわれたとしても図柄がずれるようにリールが制御され、逆に、例えば、JAC入賞当選フラグが設定され、可変表示結果をJAC入賞することがスロットマシン内部の制御で予め決定されている場合には、JAC入賞の表示結果となるようにリール制御されることとなる。このため、各レギュラーボーナスゲームで極めて高い確率でJAC入賞当選フラグが設定されることにより、遊技者は、レギュラーボーナス入賞によって極めて高い確率で、その後、JAC入賞を8回発生させることができるようになっている。
また、通常ゲームにおいて、有効ライン上に「7」が3つ揃って停止し、表示結果が「7、7、7」又は「模様付き7、模様付き7、模様付き7」となれば、ビッグボーナス入賞が発生し、メダル15枚が払い出されると共に、その後、「小役ゲーム」と称されるゲームを最大30ゲーム行なうことが可能となる。この小役ゲームでは、スロットマシン1内部の制御により、通常ゲーム時に比べて高い確率(通常時の20倍前後の確率に高められる)で小役当選フラグが設定される。このため、各小役ゲームで小役入賞する確率が通常ゲーム時に比べて高くなる。各小役ゲームにおいて有効ラインに予め定められた態様で図柄が停止すれば小役入賞が発生し、出目の図柄に応じた数(例えば、「スイカ」のゾロ目の場合には15、「ベル」のゾロ目の場合には12)のクレジット数が加算更新され、メダルが払い出される。また、一つのリール、例えば左リール42の有効ライン上に「チェリー」が停止した場合には、通常ゲーム時と同様に、他のリール44、46の出目にかかわらず、有効ライン毎に2枚のメダルが払い出される。
また、小役ゲームでは、スロットマシン1の内部の制御により、レギュラーボーナスゲームよりは低いが比較的高い確立(例えば、1/3〜4)でJACIN当選フラグが設定され、有効ライン上に「JAC」が3つ揃う可能性が高くなる。小役ゲームで「JAC」の3つ揃うことを特に「JACIN」又は「JACIN入賞」と言う。JACIN当選フラグが設定されている場合には、前述したリールの引込み制御が実行されることにより、「JACIN」し易いような制御がなされ、逆に、JACIN当選フラグが設定されていない場合には、「JACIN」しないように制御される。小役ゲームにおいて、JACINすれば、小役ゲームに代えて前述する第1の特別遊技状態として最大12回のレギュラーボーナスゲームが提供され、その終了後に、再び、残りの小役ゲームが提供される。
小役ゲームは、1回のビッグボーナスゲーム入賞に対して、最大30回提供されるが、小役ゲームの消化回数が30回に達する前に「JACIN」となった回数が3回に達すると、3回目の「JACIN」に基づいた最大12回のレギュラーボーナスゲームの終了後、未消化分の小役ゲームは提供されることなくビッグボーナスゲームは終了する。一方、30回の小役ゲームがすべて終了すれば、「JCIN」の回数が3回に達していなくてもビッグボーナスゲームは終了する。ビッグボーナスゲーム(小役ゲーム、及び「JACIN」により提供されるレギュラーボーナスゲームを含む)が提供されている遊技状態を第2の特別遊技状態と言う。なお、「JACIN」の回数が3回に達することなく、ビッグボーナスゲームが終了してしまうことを俗に「パンク」と称することもある。
以上により、遊技者は、第2の特別遊技状態期間、即ち、ビッグボーナスゲームの提供開始から提供終了までの間に、最大12回×3=36回だけ「JACIN」に基づいたレギュラーボーナスゲームを行なうことができ、そのうち、最大8回×3=24回だけレジュラーボーナスゲームでのJAC入賞を得ることができる。さらに、30回の小役ゲームをすべて消化した場合には、「JACIN」を含めて30回の入賞をも得ることができる。なお、ビッグボーナスゲーム期間に提供される小役ゲーム中と、レギュラーボーナスゲーム中を除き、有効ライン上においてリプレイ図柄「JAC」が揃えば、リプレイ入賞が発生し、リプレイ入賞の発生から所定時間の経過後に、クレジットが消費されることなく、リプレイ入賞の発生したゲームで設定されていた賭数が次回のゲームの賭数として自動的に設定される。そして遊技者は、スタートレバー52を操作すればクレジット数を消費しないリプレイゲームを開始することができる。
以上、遊技機としてのスロットマシン10の全体の概略構成及びその遊技内容について例示説明してきたが、次にスロットマシン10の詳細構造について説明する。スロットマシン10は、前述したように前面扉12と収容箱24とから構成されているので、それぞれに分けて以下説明する。
収容箱24は、前述したように上部の天板26と左右の側板28と下部の底板30と背面の背板32とによって直方体状に組み付けられ、その内部に主基板ボックス14、リールユニット16、ホッパーユニット18、電源ボックス20、オーバーフロータンク22が収容されている。まず、収容箱24の外形を構成する天板26、側板28、底板30、背板32について図2〜図4を参照して説明する。なお、図4は前面扉12及び電気・電子機器を取付けていない状態における背板32を示したスロットマシン10の背面図である。
天板26及び底板30は、図2に示すように、そのほぼ中央に長方形状の上部放熱開口68が開設されており、スロットマシン10内部の熱を放出する効果を有している。また、図示しないが天板26と対向する底板30にはスロットマシン10を遊技場の設置島に設置した際に当該設置島にメダルの自動循環補給装置が付設されている場合に、スロットマシン10内でオーバーフローしたメダルを回収時の樋へ回収するためのメダル回収開口が開設されている。また、側板28は左右共にその上部よりやや下方にスロットマシン10を運搬する場合に指先を入れて持ち運ぶための運搬用凹部70が配設されている。この運搬用凹部70は、外部から内部に貫通しても良いが、外部から異物を挿入する不正な遊技行為を防止すべく内部に対して閉塞した凹部を形成しても良い。また、背板32には、図4に示すように、その上部に長楕円形状の背面部放熱開口72が開設され、内部熱を放出させている。また、背板32の下方には円形の外部接続配線通し穴74が開設されており、内部の配線を外部に引き出すためのものである。
また、背板32の中央部には矩形状のメダル補給口76と円形のセンサ取出し用孔78とが横方向に並んで設けられている。このメダル補給口30はスロットマシン10がホールに設置されたときにのみ使用されるものであり、スロットマシン10のホールへの設置後、このメダル補給口76内にホール側の設備であるメダル補給ホース(図示せず)を挿入しておくことにより、スロットマシン10の遊技媒体であるメダルをホッパーユニット18内に自動補給することができるようになっている。なお、スロットマシン10の組み立てが完了してからホールへの設置が終了するまでの間は、メダル補給口76、センサ取り出し用孔78はそれぞれ、カバー(図示せず)が着脱自在に取付けられて閉塞されている。また、センサ取出し用孔78はホッパーユニット18と繋がり、このホッパーユニット18内のメダルの蓄積量を検知するメダル蓄積量センサ(図示せず)の配線を収容箱24の外部に引き出すためのものであり、スロットマシン10がホールに設置された後に使用される。また、背板32の下部には、縦長な矩形状の電源ボックス用放熱開口80が開設されている。電源ボックス用放熱開口80は、電源ボックス20から発生する熱を外部に放出するものである。
組付け上記した天板26、側板28、底板30、及び背板32の組付けは、側板28を天板26と底板30の内側に入れて挟持しているが、収容箱24を構成する天板26、底板30、側板28それぞれの内側前方領域には、収容箱24の開口に沿って延びる補強金具(天板部補強金具82、底板部補強金具84、右側板部補強金具86,左側板部補強金具88)が各々螺設されている。これら補強金具82,84,86,88は隣接するもの同士がその端部において結合されてフレーム構造を構成しており、収容箱24の強度を向上させている。
また、図3に示すように収容箱24と前面扉12とは、2つの蝶番90により結合されており、前面扉12は収容箱24に対して開閉(揺動)自在になっている。具体的には、左側の側板28及び前面扉12それぞれの上下2ヵ所に配設された蝶番取付部(図示せず)に蝶番取付部90を取り付けることで収容箱24と前面扉12とを結合している。また、前面扉12は正面視中央右端部に設けられた施錠装置92(図1参照)から施錠キー(図示せず)によって施錠を行うことにより閉扉状態にすることができる。なお、遊技時にスロットマシン10は前面扉12が閉扉された状態で遊技に供される。
次に、収容箱24内への各リール42,44,46の取り付けについて説明すれば、リールユニット16は、図2に示すように中央部に前後方向に抜ける空間を有して構成されたリール保持枠94内に、同一の水平軸まわりに回転自在に配置されてリール保持枠94の内部で回転自在な3つのリール42,44,46を備えた構成を有する。リール保持枠94はリールユニット載置板96の上面に載置された状態で複数の固定螺子98によって固定されており、3つのリール42,44,46はそれぞれ同一の水平軸上に回転軸が配置された3つのステッピングモータ(後述)の回転軸に取付けられている。リール保持枠71の上面側には各ステッピングモータの回転起動及び停止動作制御を行う回胴装置基板100が取付けられている。なお、各リール42,44,46はそれぞれ対応するステッピングモータと組み合わされたリール駆動ユニットとして構成されており、リールユニット16は、これらリール駆動ユニットをリール保持枠94の前面側から挿入して固定することによって組み立てられている。なお、図2に図示はしないが、3つのリール42,44,46それぞれの近傍位置には、対応するリールが現在どの図柄を表示しているかを検出する図柄検出センサが設けられており、各図柄検出センサが検出した情報は、図示しないハーネス介して回胴装置基板100に送られるようになっている。なお、各リール42,44,46の詳細な構造については後述する。
次に、ホッパーユニット18はメダルを貯留するホッパータンク102と、このポッパータンク102の下部に位置し、ホッパータンク102から供給されたメダルを整列させたうえでメダル払出口66に放出するホッパー本体104等を有して構成されている。ホッパー本体104の下部には、互いに平行かつ収容箱24の底部の前後方向に延びた左右のレール部106(図3、図2参照)が設けられており、これら左右のレール部106を底板30に設けられたホッパーユニット取付け金具108のレール受容部と底板30の上面との間にスライドさせながら挿入することによってホッパーユニット18を収容箱24の底板30に取付けることができる。ここで、ホッパーユニット取付け金具108について言及すれば、該金具108底板30の上面側にはホッパーユニット18を取付けるためものであり、左右それぞれが互いに平行かつ収容箱24の底部で前後方向に延びて設けられている。これら左右のホッパーユニット取付け金具108はそれぞれ左右外側に位置する部分が底板30の上面側に螺着されており、左右内側に位置する部分はやや底板30から浮き上がるように屈曲して延びてレール受容部を形成している。ホッパーユニット18を取り付ける際には、レール受容部に沿ってレール部106をスライドするように押し込むことにより、底板30にホッパーユニット18を取り付けることができる。一方、ホッパーユニット18を取り外す際には、ホッパーユニット18をホッパーユニット取付け金具108に固定するストッパとして作用するホッパーユニットストッパー(図示せず)を指先で押し込んだ状態のままホッパーユニット18を手前側に引き抜くことにより、ホッパーユニット18を底板30から離間させることができる。また、ホッパーユニット18、とりわけホッパータンク102の側方には、開口110が開設されており、この開口110からのメダルを受容するようにホッパーユニット18の側方にオーバーフロータンク22が載置される。
次に、各種基板の接続について説明する。まず、収容箱24に設けられた主基板ボックス14には本スロットマシン10が行う遊技動作の主な制御を行う主基板112が取付けられている。また、図3に示すように前面扉12の裏面側(収容箱24の内部と対向する側)の上部領域にはサブ制御基板114が設けられており、同じく前面扉12の裏面側中央部領域には中央表示基板116が左右方向に延びて設けられている。これら主基板112、サブ制御基板114及び中央表示基板116のほか、前述の回胴装置基板100及び電源基板118はリールユニット16やホッパーユニット18をはじめとする各遊技動作機器の動作制御を行うものである。また、各基板112,114,116,118は図示しないハーネスによって互いに接続されている。具体的に、主基板112は、これに設けられた主基板第1コネクタ112aとサブ制御基板114に設けられたサブ制御基板コネクタ114aとを接続(すなわち収容箱24側の電気電子機器と前面扉12側の電気・電子機器とを接続)し、又主基板112に設けられた主基板第2コネクタ112bと電源基板118に設けられた図示しない電源基板コネクタとを接続(すなわち収容箱24側の電気・電子機器同士を接続)する。さらに、主基板112は、これに設けられた主基板第3コネクタ112cと中央表示基板116に設けられた中央表示基板コネクタ116aとを接続(すなわち収容箱24側の電気電子機器と前面扉12側の電気・電子機器とを接続)し、主基板112に設けられた主基板第4コネクタ112dと回胴装置基板100に設けられた図示しない回胴装置基板第2コネクタとを接続する。さらに、サブ制御基板114はこれに設けられたサブ制御基板コネクタ114bと回胴装置基板100に設けられた回胴装置基板第1コネクタ100aとを接続(すなわち収容箱24側の電気電子機器と前面扉12側の電気・電子機器とを接続)する。
次に収容箱24内に装着される部品としては、上記主基板ボックス14以外に、電源ボックス20、オーバーフロータンク22、ホッパーユニット18、リールユニット16、等があるが、以下、これらについて説明する。まず、図5(A)、図5(B)においてそれぞれカバー120が取り外された状態および取り付けられた状態が示された電源ボックス20は、左側板28の内側であって底板30の上部に載置固定される。この電源ボックス20は図5に示すように全体として縦長の直方体形状をしており、その下部には螺子取付け穴121aが穿設された下部支持板121が取付けられており、左側面部には螺子取付け穴123aが穿設された側面部支持板123が取付けられている。下部支持板121及び側面部支持板123はそれぞれ螺子取付け穴121a,123aから取付けられる図示しない螺子によって底板30及び左側板28に螺着固定されている。電源ボックス20の後面からは図示しない電源コードが延びており、この電源コードは背板32の下部に設けられた前述の電源コード取出孔74から収容箱24の外部に出されている。また、電源ボックス20の後面は背板32の下部に設けられた前述の電源ボックス用放熱開口80と対向しており、電源ボックス20から放熱された熱は、この電源ボックス用放熱開口80を介して収容箱24の外部に放散されるようになっている。また、電源ボックス20の構成について説明すれば、その上面には上面パネル122が設けられており、この上面パネル122には数個のコネクタ差込口124が前後方向に並設されるとともに、これらコネクタ差込口124の側方には多数の冷却フィン126が左右2列に並んで設けられている。上面パネル122の下側には電源基板118(図3参照)が設けられており、上記複数のコネクタ差込口124に差し込まれた相手方コネクタは、この電源基板118と接続するようになっている。また、電源ボックス20の前面には正面パネル128が設けられており、この正面パネル128の上部には設定キー差込口130が設けられている。この設定キー差込口130にはホール関係者が管理する設定キー(図示せず)を差し込むことができるようになっており、設定キー差込口130に設定キーを差し込んだ状態でこれを捻り操作等することにより、入賞態様等を所望に設定することが可能である。具体的には、設定キー差込口130は、スロットマシン10の前述した入賞態様(小役、レギュラーボナス、ビッグボーナス等)の発生確率を複数段階(一般的に6段階)に設定変更する際に、操作するためのものであり、設定キーを差し込んでONの状態にした後、設定スイッチ140を押圧操作する毎に、設定1から設定6に順次変更される。変更後には、設定キーをOFFに戻して設定キー差込口130から引き抜いて遊技場のキー管理者が設定キーを保管しておくこととなる。なお、本スロットマシン10がホールに設置された後は、電源ボックス20を不正行為等から保護するため、電源ボックスカバー120が正面パネル128に着脱自在に取付けられる。この電源ボックスカバー120は、正面パネル128の外縁128aの形状にほぼ合致する上下方向に長い長方形形状を有しており、その外周部には正面パネル128側に突出した矩形の枠部130が設けられている。電源ボックスカバー120の左側長辺の上下2箇所には爪部134が突設されており、これら2つの爪部134を正面パネル128の左方上下2箇所に形成された爪係止穴13658に嵌入させて位置決めをしたうえで揺動させ、電源ボックスカバー120を電源ボックス20の正面パネル128の表面に押し付けるようにすれば、電源ボックスカバー120の上記枠部130が正面パネル128の外縁128aに外嵌して電源ボックスカバー120が電源ボックス20に装着されるようになっている。なお、装着された電源ボックスカバー120を電源ボックス20から脱着するときには、電源ボックスカバー120の前面側に設けられた把持部138をつかんでこれを電源ボックス20の前方へ引っ張ればよい。
その他、特に図示しないが正面パネル128には、ビッグボーナスゲームが終了したときに強制的にクレジットを精算するか否かを選択する自動清算スイッチや、ビッグボーナスゲームが終了したときに打止め(ゲームを開始できない)するか否かを選択する打ち止めスイッチや、打止めを解除する場合やエラーの復旧時に操作するリセットスイッチや、スロットマシン10のすべての電源をONするための電源スイッチ等も存在する。
また、右側板28の内側であって底板30の上部には、図2、図3に示すように、オーバーフロータンク22が載置される。オーバーフロータンク22は、上面が開放した縦深の直方体状に合成樹脂で成形されており、前方には取手部22aが形成されてメダルが貯留されたオーバーフロータンク22を手前側に引出し易くしている。また、図示しないが貯留されたメダルで満杯状態になったことを検出するセンサ(通常、「フルセンサ」と称する)も配設されている。なお、オーバーフロータンク22の底面には図示しない開口が開設されている場合があり、メダル自動循環補給装置(図示せず)が設置島台に付設されている場合に、オーバーフロータンク22に貯留されるメダルを設置島台の内部に返却する役割を有する。
次に、底板30に着脱自在に装着されるホッパーユニット18について説明する。ホッパーユニット18は、メダルを貯留するホッパータンク102と該ホッパータンク102の下部に位置してメダルを1列に整列させて放出するホッパー本体104と該ホッパー本体104を回転駆動するモータ(図示せず)とがホッパーユニット取付金具108を介して底板30に固定支持されている。ホッパータンク102には、前面扉12に開設されるメダル補給口76(図3参照)からのメダル放出を受容するメダル誘導凹部142が形成され、その内部の上部一側に前記オーバーフロータンク22にメダルを誘導するためのオーバーフローレール144が開口110まで配設されている。また、ホッパー本体104のメダル払出口146近傍には、払出メダル計数センサ(図示せず)が取り付けられている。この払出メダル計数センサはフォトセンサタイプのものでありメダルが1枚通過するとセンサの光を遮蔽することにより通過を検出してメダルの計数信号を出力するものである。このメダル払出口146より放出されたメダルは、前面扉12の裏側に開設された開口148(図3参照)を通って表側のメダル払出口66(図1)から放出される。また、前述した通りホッパーユニット取付金具108の両側部にはレール部106が形成されており、このレール部106を底板30に係合させることにより、ホッパーユニット18を所定の位置に固定することができるが、ホッパーユニット18の取外時の作用については前述した通りである。
次に、リールユニット16について説明する。リールユニット16は、リールユニット16の斜視図である図6に示すように3つのほぼ同じ構造を有するリール(駆動ユニット)42,44,46をリールボックス天板150、各リールごとの支持部材としても形成される(後述)リールボックス側面板152、及びリールボックス底面板154と組付けることにより構成されている。ここで各リール(駆動ユニット)42、44、46について図6を参照しつつ説明する。まず、図7は、右側のリール46の組立分解図であり、視認し易さを考慮して各構成要素を左右反対に配置している(従って、本来的には図7の紙面を上下反対にして視認した状態がリール46をそのまま分解したものとして形成される)。右側のリール46は、リール本体156と、該リール本体156を回転駆動するステッピングモータ158と、該ステッピングモータ158を支持固定するリール支持板(リール取付金具)160と、該リール支持板160に固定されるランプ装置162と、前記リール支持板160が固定されるリール側面板152(図5も参照)とから構成されている。なお、左側及び中のリール駆動ユニット42,44とここで参照する右側のリール駆動ユニット46とは、略同一の構成を有するため、ここでは割愛する。
リール本体156は、図7に示すように帯状の合成樹脂(ポリエチレンテレフタレート)からなるリールテープ164を円形状に丸めて端部164a、164bを重ね合わせ(上方に現れる端部を実線164b、下方になり隠れる端部を点線164aで示している)を両面テープで止着し、その両サイドからリールテープ保持主枠166とリールテープ保持従枠168とを嵌め込むことにより構成される。まず、リールテープ保持従枠168は、外周の環状部分だけで構成されている。また、リールテープ保持主枠166は、円形状の環状部分166aと中心の中心支持部分166bとを複数のスポーク166cによって連結することにより構成されており、その正面図(図7における右側視)が図9に示されており、図9におけるラインA-A断面が図9に示されている。
ここで、リール本体156をステッピングモータ202に固定する構造について説明する。リール本体156のリールテープ保持主枠166の中心支持部分166bには、モータ軸挿入穴166dが開設されており(図9参照)、該挿入穴166dにステッピングモータ158のモータ軸158aが挿入され、その先端が中心支持部分166bを貫通して外部に突出している。また、このモータ軸158aの先端には、図9に示すように軸線方向に貫通する穴170aを有したキャップ170に挿入される。さらに、キャップ170は、中心支持部分166bに係止される。従って、モータ軸158aがキャップに対して固定されると、キャップ170、リール保持主枠166を介してモータ軸158aの回転がリール本体156に伝達されることとなり、ステッピングモータ158による階段的な回転がリールテープ164表面に描かれた各図柄(図示せず)の進行・停止をなすことができる。ここで図7〜9においてはモータ軸158a、キャップ170、リール保持主枠166との固定について明確に図示されていないため、図10を参照しつつ以下、これについて説明する(本発明の実施形態の特徴部分である)。図7に示すようにステッピングモータ158のモータ軸158aは、その軸線方向に対して垂直両側に突出するピン158bを有している。前述の通り、モータ軸158aは、リール保持主枠166の中央支持部分166bの挿入穴166dに挿入されるわけであるが、このとき挿入穴166dはピン158dをも含めて挿入可能な形状を有している。
図10を参照すれば、(a)においてキャップ170が装着されていない状態におけるリール保持主枠166の中央支持部分166近傍の略拡大正面図を示しており、(b)においては、キャップ170が装着された状態における(a)のラインB−Bに沿った断面図を示している。図10(a)に示すようにモータ軸挿入穴166dは、モータ軸158a(ピン158bを除く)の外径よりも大きい内径を有する貫通穴166eと、該貫通穴166eの周囲にピン158bの突出長さよりも長手方向に大きいスリットを有する長形穴(楕円穴)166fとを有して形成されており、それぞれモータ軸158aの軸線方向に貫通している(中央支持部分166bの厚み方向に貫通している)。そして、モータ軸挿入穴166dにモータ軸158aを挿入すればピン158bを含んだ全体が挿入穴166dを貫通し、モータ軸158aの先端とピン158bとが中央支持部分166bから外部に突出しする。また、図10(b)に示すようにステッピングモータ158と反対側のリール保持主枠166の中央支持部分166b表面にはモータ軸挿入穴166dの長形穴166fに対して90度回転した位置にスリット状の長形溝166gを有する。この長形溝166gは長手方向にピン158bの長さよりも長く所定の深さを有する。従って、前述するようにモータ軸158をモータ軸挿入穴166dに挿入した後に外部に突出したピン158bを90度回転させればピン158bを該長形溝166g内に位置決めすることが可能となり、モータ軸158に対してリール保持主枠166が回転方向に固定されることとなる(図10参照)。
ピン158bの位置決め後には、中央支持部分166bの外周部166iにキャップ170を被せる。これは中央支持部166bの表面はモータ軸挿入穴166d等を有する凸部分166iと他の凹部分166jとで領域構成されたハブ状のものであり、この凸部分166iに中心に凹部分を有するキャップ170を被せることで可能である。詳細には、外周部166hとキャップ170の内周壁170aはともに螺子溝が設けられており、キャップ170を中央支持部分166bに被せる際にこれらの螺子溝166hと170aとを螺合させることで両者の固定、とりわけモータ軸158aの軸線方向の固定を図っている。さらに、中央指示部分166dとキャップ170はともに合成樹脂等であり、両者は同一材質であることが望ましい。従って、簡単な構造で確実にモータ軸158とリール46とを固定することができ、且つリール保持主枠166とモータ軸158aとの間の螺子結合を開放するだけで容易に着脱可能である点で使用後のリサイクル性も良好となる。さらに、固定に使用する要素(リール保持主枠166の中央支持部材166b、キャップ170)は同一の材質で構成可能であるため結合強度が高く(弾性係数が同一であるので、結合力が高い)、加工精度を高めなくとも高い結合強度を維持できる点で生産コストの減少を企図することも可能である。
また、上記実施形態ではリール本体156とステッピングモータ158のモータ軸158との固定の一態様について提供されたが、他の固定態様(従来より存在する)も存在する。上記実施形態では、中央支持部分166bを貫通するモータ軸挿入穴166dの形状を貫通穴166eと長形166fとで形成していたが、他の固定態様では中央支持部分166bはモータ軸158aとピン158bとが貫通できるだけの径を有していれば足り、モータ軸挿入穴にもたせる特殊形状をキャップ側に備えることとなる。この場合、図11に示すようにキャップ180はステッピングモータ158のモータ軸158aの外径よりも大きな内径の貫通穴180aとピン158bを挿入させ得る長形穴180bとを長手方向に亙って貫通させた中空部材として構成される。このキャップ180の貫通穴180aおよび長形穴180bに沿ってモータ軸158aおよびピン158bを挿入すれば、モータ軸158aの回転方向に対してピン158bが長形穴状180bの内壁に係止されることとなる。従って、モータ軸158はその回転方向についてはキャップ180に固定されることとなり、キャップ180をリール保持主枠166の中央支持部分166bに固定すればステッピングモータ158の回転をリール保持主枠166、ひいてはリール46にリアルに伝達することが可能となる。
一方、上記固定態様の場合、モータ軸158aの回転方向の固定は確保されるが、軸線方向は固定されていない。従って、モータ軸158aとピン158bとをキャップ180内に挿入した際に軸線方向の固定手段を付加する必要がある。この点、従来より止め螺子を使用する手段が提供されている。再び図11のキャップ180の構成を参照すれば、その外表面に止め螺子用の螺子穴180cが開設されている。この螺子穴180cは、キャップ180の径方向に外部から内部のモータ軸挿入穴180aまで貫通されており、その内壁には螺子溝が付与されている。この螺子溝に嵌合する止め螺子(図示せず)を捩じ込んでいき、止め螺子の先端部を内部に挿入されたモータ軸158aの外周面(外壁)に押圧させることで固定させる。この手段はスロットマシン10のリールをステップモータのモータ軸158aに固定する手段として既知である。
しかしながら、上記止め螺子を用いた既知の固定態様のままでは固定が完全に達成できない又は高い加工精度が必要なともわかってきた。既知の固定手段における止め螺子による固定を物理作用的に考えた場合、モータ軸158aの軸線方向に対するキャップ180の固定は止め螺子の先端部の摩擦力(押圧力に比例)に依存する。たしかに理想的にはステッピングモータモータ158の回転をリール46に伝達する過程において大きな力が作用するのは、モータ軸158aの回転方向であり、この方向の固定に対しては上記既知の手段のみでも十分に固定確保が可能である。しかしながら、既知の固定手段ではモータ軸158aの軸線方向の固定力(結合力)が止め螺子の先端部とモータ軸158aの外表面との摩擦力であり、特に動作中における摩擦力は低くくなるものである(静摩擦係数より動摩擦係数は小さい)。さらに、長期間の動作、振動を繰り返した場合、止め螺子に緩みが出ることもあり、これが軸線方向の固定力を著しく低下させていることがわかってきた。
図12では上記問題を解決する実施形態が例示されている(なお、図9の実施形態の変形例は、図13を参照しつつ後述する)。図11のキャップ180では、止め螺子用の螺子溝180cが1〜2つ付与されているが、この螺子溝の数は結合強度(固定強度)の確保という視点に依拠するものである。これに対して、ここで示す実施形態の場合、結合強度の確保のみを目的とするものではなく振動等の動作影響(前述する止め螺子の緩み)を緩和する手段が提供されている。従って、結合強度の確保を目的とした止め螺子及び螺子溝180c(図11のごとき)を別途配設しても良い。図12を参照すれば、キャップ180(止め螺子の配列以外は同様なので同一の参照番号を付すこととする)の略端面図(図11におけるラインC−C視点)を示しているが、理解の便宜上、モータ軸挿入穴180aの内径を図11に比して大きく表示し、長形穴180bを削除して表示している。この図12からも明らかなようにキャップ180は6個の止め螺子182a〜182fが挿入できるように螺子溝180cが構成されている。特に、各止め螺子182a〜fは、それぞれ周方向に均一な間隔(等角度)で配列されており、好ましくは互いに径方向に対向する位置に止め螺子182a〜fが位置決めされるように配列されている。例えば、図12の実施形態で例示すれば、各止め螺子182a〜fは、周方向に60度の等角度で離間配列されており、それぞれ止め螺子182aと止め螺子182d、止め螺子182bと止め螺子182e、止め螺子182cと止め螺子182f、が互いに対向して配列されている。このように止め螺子182a〜fを配列すれば、止め螺子182a〜fのそれぞれの先端部がモータ軸158aを押圧して軸線方向の結合を確保できるだけでなく、それぞれの押圧力の合力を干渉させることができ、モータ軸158aの回転時にキャップ180やリール46のガタツキを緩和することができる。また、各止め螺子182a〜fの螺子溝180cに対する挿入深度を調整すればそれぞれの押圧力および止め螺子間の力バランスを調整することができ、仮にキャップ180の加工精度が良好でなくとも回転時における力バランスを均一に調整することができる。なお、図12では止め螺子182を6個配列する例が示されているが、これは例示に過ぎず、上記配列間隔の均一性を満足する配列であれば他の個数でも差し支えない。また、ここでは「止め螺子」を配列することが述べられてきたが、螺子結合をなすものであれば他の要素であっても良い。
さらに、図12の止め螺子182a〜fの配列は、前述した図9の実施形態においても追加配列可能である。図13は、図9(b)の実施形態に図12の止め螺子182a〜fを追加配列した状態を示している。各止め螺子182a〜fは、それぞれモータ軸158aの径方向にキャップ170と中央支持部分166bとを連通する螺子溝が形成されており、この螺子溝に各止め螺子182a〜fが捩じ込まれている。具体的配列間隔、調整等は、図12を参照しつつ前述した実施形態と同様であるが、図13の実施形態の場合には、元来、キャップ170とリール保持主枠166の突出部分166iとが螺子結合(螺合)されているため、キャップ170とリール46に対してモータ軸158aの軸線方向の結合力は確保されている。従って、この場合においては各止め螺子182a〜fの機能は、上述する力バランスの調整が中心となる。また、上述の説明において止め螺子182a〜fはキャップ170に設けているが、リール46の回転中の力バランスを調整する機能を有していれば良く、中央支持部分166bに設けても良い。
以上、リール46にステッピングモータ158に固定される様子を示してきた。次に、ステッピングモータ158のリール支持板160への取付けに言及する。ステッピングモータ158は、その基部に取付板158cが一体的に設けられており、この取付板158cに開設された螺子穴158dとリール支持板160に開設された螺子穴160bとが図示しない螺子で結合されることで、ステッピングモータ158はリール支持板160に固定される。このときステッピングモータ158のリール本体156と反対側の端部(図7の左側端部)は、図示しないがモータ胴体の端部が突出しているため、取付け時にこれを受容すべくリール支持板160に開口160aが開設されている。以上によりリール本体156もリール支持板160に固定されることとなる。また、リール支持板160の前後方向端部(図7における右上端部)には螺子穴160cが開設され、これとランプ装置162に開設された螺子穴162aとが図示しない螺子で結合されることでリール支持板160にランプ装置162が固定される。このときランプ装置162は、リールテープ164の裏側に位置決めされることとなり、ランプ点灯をもってリールシールに描かれた各図柄を点灯させる(図柄部分は透明部分が大きく光を透過する)機能を有する。また、リール支持板160は下方端部に螺子穴160dが開設され、これに位置検出センサ161を螺子結合している。このとき位置検出センサは、光検出センサでありリールテープ164の裏側に位置する。そして、リールシールに描かれた図柄以外の部分が光透過性が悪いことを用いて光透過がなされない(センサで検出されない)ときにランプ装置162による光の照射先に図柄が位置するように位置決めすれば、図柄がすれてランプ装置162に位置決めされることを回避することができる。さらに、リール支持板160は、リールボックス側面板152に固定される。従って、リール本体156はリールボックス側面板152に対して固定されることとなる。
以上、リール(駆動ユニット)46についてその詳細な構造を説明するとともに本発明の実施形態(特に図9参照)を例示してきた。これは概ね他のリール42、44も同様であり、それぞれリールユニット16(図2参照)内に並べて位置決めされる。以上、収容箱24の構成及び収容箱24に収容される主たる部品の構成について説明してきた。さらに、スロットマシン10では、前面扉12が収容箱24に結合されるが、ここでは先の記載を参照することで替えることとする。なお、上記本発明の実施形態については本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機のドラムユニット等のリールを有する他の遊技機でも適用されることを言及しておく。また、電気的駆動源としてのモータの回転軸と可動部材とを連結する回転保持部分として上記実施形態では中央支持部分166bの場合と中央支持部分116dとキャップ170との結合の場合を例示したが、本明細書および特許請求の範囲に示す回転保持部分とは、可動部材は、電気的駆動源の回転軸を内部に受容して回転軸と連結する他の部材であっても良い。