〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
[パチスロの機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)1の機能フローについて説明する。図1は、第1実施形態に係るパチスロ1の機能フローを示す説明図である。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から一つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L,3C,3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L,7C,7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L,49C,49R)は、内部当籤役とストップボタン7L,7C,7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L,3C,3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタン7L,7C,7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L,3C,3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L,3C,3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L,3C,3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技として行われる。
また、パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置5により行う映像の表示、ランプ14により行う光の出力、スピーカ9L,9Rにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブCPU81)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リール3L,3C,3Rの回転が開始されるとき、各リール3L,3C,3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[パチスロの構造]
パチスロ1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
<パチスロの外部構造>
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
(リールと表示窓)
パチスロ1は、リール3L,3C,3Rや回路基板等を収容するキャビネット1aと、キャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2とを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、これら3つのリール3L,3C,3Rをリールユニット3と称することとする(後述の図4参照)。各リール3L,3C,3Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配されて構成されている。リールユニット3の構成の詳細については、後述する。
フロントドア2の中央には、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5は、図柄表示領域21L,21C,21Rを含む表示画面5aを備え、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域21L,21C,21Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成を備えている。
つまり、図柄表示領域21L,21C,21Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域21L,21C,21Rを含めた表示画面5aの全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域(以下、表示窓)21L,21C,21Rは、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、リール3L,3C,3Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓21L,21C,21Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
本実施形態では、各表示窓21L,21C,21Rの上段を組合せてなるトップライン8b、各表示窓21L,21C,21Rの中段を組合せてなるセンターライン8c、各表示窓21L,21C,21Rの下段を組合せてなるボトムライン8d、左表示窓21Lの上段、中表示窓21Cの中段及び右表示窓21Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン8e、左表示窓21Lの下段、中表示窓21Cの中段及び右表示窓21Rの上段を組合せてなるクロスアップライン8aの5つを入賞判定ラインとして設けている。
(操作装置)
フロントドア2には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口10は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口10に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン11は、パチスロ1内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン12は、パチスロ1内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー6は、全てのリール3L,3C,3Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン7L,7C,7Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリール3L,3C,3Rの回転を停止するために設けられる。
(その他装置)
7セグ表示器13は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
ランプ(LED等)14は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ9L,9Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口15は、後述のメダル払出装置40(後述の図3参照)の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受皿16に貯められる。
<パチスロの内部構造>
図3は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。すなわち、図3には、フロントドア2が開放され、フロントドア2の裏面側の構造及びキャビネット1a内部の構造が現れた状態が示されている。
キャビネット1a内部の上方には、主制御回路71(後述の図9参照)が形成された基板(以下、主基板71A)が設けられている。主制御回路71は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路71の具体的な構成は後述する。
キャビネット1a内部の中央には、3つのリール3L,3C,3Rが設けられている。各リール3L,3C,3Rのそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ49L,49C,49R(後述の図8参照)が接続されている。
3つのリール3L,3C,3Rの左側には、副制御回路72(後述の図10参照)が形成された基板(以下、副基板72A)が設けられている。副制御回路72は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路72の具体的な構成は後述する。
キャビネット1a内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置(以下、ホッパー)40が設けられている。ホッパー40の左側には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置43が設けられている。
フロントドア2裏側の中央、表示窓21L,21C,21Rの下方には、セレクタ42が設けられている。セレクタ42は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口10に受け入れられた適正なメダルをホッパー40へ案内する。尚、セレクタ42内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ42S(後述の図9参照)が設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
(リールユニット)
次に、図4〜図8を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備えるリールユニット3の構成を説明する。ここで、図4は、リールユニット3の構成を示す斜視図、図5は、リール3Lの構成を示す斜視図、図6は、リール3Lの構成を示す側面図、図7は、リールの圧縮ばねを示す側面図、図8は、リールの圧縮ばねを示す部分断面図である。
図4に示すように、各リール3L,3C,3Rは、アングル部材630に回転可能に支持され、横一列に設けられている。これらのリール3L,3C,3Rは、図示されないリールケースに着脱自在に収容されている。各リール3L,3C,3Rは、同様に構成されているので、リール3Lを代表して以下に説明する。
図3に示すように、リール3Lは、アングル部材630(図4及び図5参照)によってキャビネット1a内に配設されている。アングル部材630は、図4に示すように、リールユニット3の一部を構成している。
図4〜図6に示すように、リール3Lは、回転可能なリールドラム61aと、リールドラム61aの外周に取り付けられたリール帯61bとを有している。リール帯61bには、複数の図柄が形成されている。
図4及び図5に示すように、リールドラム61aは、ハブ610を備えている。ハブ610は、図8に示すように、アングル部材630にベアリング619を介して回転可能に連結された片持ちの回転軸611に支持されている。
図5に示すように、ハブ610には、ハブ610を中心として放射状に延びる複数のスポーク612が連結されている。そして、複数のスポーク612の延端には円環状の第1リム613が結合されている。
リールドラム61aは、第1リム613に対向して円環状の第2リム614が配設されている。第2リム614は、リール帯61bが結合されている。つまり、第1リム613に支持されたリール帯61bが第2リム614に結合されている。
また、図6及び図8に示すように、アングル部材630には、ステッピングモータ49Lが取り付けられており、ステッピングモータ49Lは、リール3Lの内部に収納されている。ステッピングモータ49Lの出力軸には、歯数の少ない原動歯車617が嵌合されている。一方、ハブ610には、原動歯車617に噛み合う歯数の多い従動歯車618が取り付けられている。
また、図4〜図6及び図8に示すように、回転軸611の先端部には、ねじ611cによりリング板611aが取り付けられている。リング板611aとハブ610との間には、リング板611bを介してスプリング622が配設され、ハブ610を回転軸611の基端部側に付勢している。リールドラム61aの内部には、図6に示すように、リールドラム61aの回転角度を検出する検知部650が配置されている。
また、リールユニット3は、図6に示すように、バックライト621を有している。バックライト621は、アングル部材630に支持され、リール3Lを介して表示窓21L(図2参照)に対向している。
以上のように構成されたリール3L、原動歯車617及び従動歯車618は、軽量化等のため、熱可塑性樹脂(例えば、ABS樹脂やPC樹脂等)から成形されている。
(圧縮ばね)
また、図8に示すように、リール3Lのハブ610は、従動歯車618のボス部618aを圧入する圧入穴610aを中心に有する。尚、説明の便宜上、ボス部618aと圧入穴610aとの当接部分を圧入部610bと称する。
従動歯車618は、一方が回転軸611に向けて開口すると共に他方がリール3Lとの圧入部610bに対向する凹部620を有している。凹部620には、圧入部610b側に開口部を有する収納体626を介して圧縮ばね625が配設されている。
圧縮ばね625は、圧入部610b及び回転軸611を付勢するために設けられたものである。すなわち、圧縮ばね625は、圧入部610bが例えば70度以上の温度になり、熱収縮によって当該圧入部610bに微小な隙間が生じようとしても、当該隙間を生じさせないように付勢する。
以上のようにリール3Lに設けられた凹部620、収納体626及び圧縮ばね625は、リール3C,3Rについても同様に設けられている。
[パチスロが備える回路の構成]
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図9及び図10を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主制御回路71、副制御回路72及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御回路>
図9は、パチスロ1の主制御回路71の構成を示すブロック図である。
(マイクロコンピュータ)
主制御回路71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
(乱数発生器等)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から一つの値を抽出する。
(スイッチ等)
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ49L,49C,49R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ7Sは、3つのストップボタン7L,7C,7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口10に受け入れられたメダルが前述のセレクタ42内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ11Sは、ベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ12Sは、精算ボタン12が遊技者により押されたことを検出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L,49C,49R、7セグ表示器13及びホッパー40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路39は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L,3C,3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L,3C,3Rに応じて検出する。
ステッピングモータ49L,49C,49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L,3C,3Rに伝達される。ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L,3C,3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リール3L,3C,3Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3L,3C,3Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路48は、7セグ表示器13の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
<副制御回路>
図10は、パチスロ1の副制御回路72の構成を示すブロック図である。
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ROM(以下、サブROM)82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ87、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91を含んで構成されている。
サブCPU81は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ14による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御回路72には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ9L,9R、ランプ14が接続されている。
サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファ86を含む)及びドライバ87は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
また、サブCPU81、DSP88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ9L,9Rにより出力する。また、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ14の点灯及び消灯を行う。
[メインROMに記憶されているデータテーブルの構成]
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図11を参照して、メインROM32に記憶されている図柄配置テーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図11は、図柄配置テーブルを示す説明図である。図柄配置テーブルは、各リール3L,3C,3Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓21L,21C,21R内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3L,3C,3Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓21L,21C,21Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
[パチスロにおいて実行されるプログラムフロー]
次に、図12を参照して、主制御回路71のメインCPU31により実行されるプログラムの内容について説明する。
[主制御回路のメインCPUの制御によるメインフローチャート]
図12は、メインCPU31の基本制御を示すメインフローチャートである。パチスロ1に電源が投入されると、はじめに、メインCPU31は、初期化処理を行う(S1)。次に、メインCPU31は、メインRAM33における指定格納領域のクリアを行う(S2)。この処理では、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU31は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ42Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェック等が行われる。
次に、メインCPU31は、乱数値を抽出し、メインRAM33に設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。次に、メインCPU31は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次に、メインCPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(S6)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPU31は、全リール3L,3C,3Rの回転開始を要求する(S7)。尚、全リール3L,3C,3Rの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理によってステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。
次に、メインCPU31は、リール停止制御処理を行う(S8)。この処理では、ストップスイッチ7Sの入力のチェックが行われ、ストップボタン7L,7C,7Rが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リール3L,3C,3Rの回転が停止される。
次に、メインCPU31は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する(S9)。検索の結果、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU31は、表示コマンドを副制御回路72に対して送信する(S10)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPU31は、メダル払出処理を行う(S11)。この処理では、決定された払出枚数に基づいて、ホッパー40の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU31は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S12)。この処理では、払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
次に、メインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S13)。メインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、ボーナス終了チェック処理を行う(S14)。この処理では、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
メインCPU31は、S14の後、又は、S13においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を行う(S15)。この処理では、ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、S2に移る。
(圧縮ばねの作用等)
次に、図7を参照して、圧縮ばね625が奏する作用及び効果について説明する。
合成樹脂成形品のリール3Lと従動歯車618とが圧入固定されており、高温条件下で使用される場合であっても、従動歯車618の凹部620に設けられた圧縮ばね625が、圧入部610b及び回転軸611を常時付勢している。
このため、圧入部610bが例えば70度以上の温度になり、熱収縮によって当該圧入部610bに微小な隙間が生じようとしても、上記圧縮ばね625によって圧入部610bが密着する方向に付勢されているので、微小な隙間は生じず、圧入の効果が低減されることがない。
また、合成樹脂成形品のリール3Lと従動歯車618に、ある程度の寸法ばらつき(製造誤差)があっても、上記圧縮ばね625によって圧入部が密着する方向に付勢されているので、当該寸法ばらつきによる微小な隙間を吸収することができる。よって、合成樹脂成形品の寸法管理を緩和することができる。
上述したリール3Lが奏する作用及び効果は、他のリール3C,3Rも同様に奏するので、説明を省略する。
以上のように、第1実施形態によれば、合成樹脂成形品のリール3C,3L,3Rと従動歯車618とが圧入固定されているパチスロ1において、高温条件下で使用される場合であっても、簡易な構成によってリール3C,3L,3Rの振動発生を抑制することができる。
尚、上記第1実施形態においては、リール3Lに凹部620及び圧縮ばね625を一つ設けるものとして説明したが、これに限定されず、複数設けてもよい。この場合も上記第1実施形態と同様の効果を期待できる。
また、上記第1実施形態においては、ステッピングモータ49Lの駆動力伝動手段として歯車を用いるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、タイミングベルトやプーリからなる駆動力伝動手段に本発明を適用してもよい。この場合も上記第1実施形態と同様の効果を期待できる。
〔第2実施形態〕
(リールユニット)
次に、図13〜図17を参照して、第2実施形態におけるパチスロ1が備えるリール3Lの構成を説明する。尚、リール3C,3Rの構成は、リール3Lの構成と同一であるので、詳細な説明を省略する。
ここで、図13は、第2実施形態に係るリールユニット3の構成を示す斜視図、図14は、リール3Lの構成を示す斜視図、図15は、リール3Lの構成を示す側面図、図16は、リールの弾性体を示す側面図、図17は、リール3Lの弾性体を示す部分断面図である。
図13に示すように、各リール3L,3C,3Rは、アングル部材630に回転可能に支持され、横一列に設けられている。これらのリール3L,3C,3Rは、図示されないリールケースに着脱自在に収容されている。各リール3L,3C,3Rは、同様に構成されているので、リール3Lを代表して以下に説明する。
図3に示すように、リール3Lは、アングル部材630(図13及び図14参照)によってキャビネット1a内に配設されている。アングル部材630は、図13に示すように、リールユニット3の一部を構成している。
図13〜図15に示すように、リール3Lは、回転可能なリールドラム61aと、リールドラム61aの外周に取り付けられたリール帯61bとを有している。リール帯61bには、複数の図柄が形成されている。
図13及び図14に示すように、リールドラム61aは、ハブ610を備えている。ハブ610は、図17に示すように、アングル部材630にベアリング619を介して回転可能に連結された片持ちの回転軸611に支持されている。
図14に示すように、ハブ610には、ハブ610を中心として放射状に延びる複数のスポーク612が連結されている。そして、複数のスポーク612の延端には円環状の第1リム613が結合されている。
リールドラム61aは、第1リム613に対向して円環状の第2リム614が配設されている。第2リム614は、リール帯61bが結合されている。つまり、第1リム613に支持されたリール帯61bが第2リム614に結合されている。
また、図15及び図17に示すように、アングル部材630には、ステッピングモータ49Lが取り付けられており、ステッピングモータ49Lは、リール3Lの内部に収納されている。ステッピングモータ49Lの出力軸には、歯数の少ない原動歯車617が嵌合されている。一方、ハブ610には、原動歯車617に噛み合う歯数の多い従動歯車618が取り付けられている。
また、図13〜図15、及び図17に示すように、回転軸611の先端部には、ねじ611cによりリング板611aが取り付けられている。リング板611aとハブ610との間には、リング板611bを介してスプリング622が配設され、ハブ610を回転軸611の基端部側に付勢している。リールドラム61aの内部には、図15に示すように、リールドラム61aの回転角度を検出する検知部650が配置されている。
また、リールユニット3は、図15に示すように、バックライト621を有している。バックライト621は、アングル部材630に支持され、リール3Lを介して表示窓21L(図2参照)に対向している。
以上のように構成されたリール3L、原動歯車617及び従動歯車618は、軽量化等のため、熱可塑性樹脂(例えば、ABS樹脂やPC樹脂等)から成形されている。
(弾性体)
また、図17に示すように、リール3Lのハブ610は、従動歯車618のボス部618aを圧入する圧入穴610aを中心に有する。尚、説明の便宜上、ボス部618aと圧入穴610aとの当接部分を圧入部610bと称する。
従動歯車618は、一方が回転軸611に向けて開口すると共に他方がリール3Lとの圧入部610bに対向する凹部620を有している。凹部620には、弾性体627が配設されている。
弾性体627は、圧入部610b及び回転軸611を付勢するために設けられたものである。すなわち、弾性体627は、圧入部610bが例えば70度以上の温度になり、熱収縮によって当該圧入部610bに微小な隙間が生じようとしても、当該隙間を生じさせないように付勢する。
弾性体627は、例えば、天然ゴム、合成ゴム(例えば、クロロプレンゴム等)及び熱可塑性エラストマーのうちいずれか一つから形成されている。
以上のようにリール3Lに設けられた凹部620及び弾性体627は、リール3C,3Rについても同様に設けられている。
パチスロ1のリールユニット3以外の構成は、上記第1実施形態と同様であるので重複説明を省略する。
(弾性体の作用等)
次に、図16を参照して、弾性体627が奏する作用及び効果について説明する。
合成樹脂成形品のリール3Lと従動歯車618とが圧入固定されており、高温条件下で使用される場合であっても、従動歯車618の凹部620に設けられた弾性体627が、圧入部610b及び回転軸611を常時付勢している。
このため、圧入部610bが例えば70度以上の温度になり、熱収縮によって当該圧入部610bに微小な隙間が生じようとしても、上記弾性体627によって圧入部610bが密着する方向に付勢されているので、微小な隙間は生じず、圧入の効果が低減されることがない。
また、合成樹脂成形品のリール3Lと従動歯車618に、ある程度の寸法ばらつき(製造誤差)があっても、上記弾性体627によって圧入部が密着する方向に付勢されているので、当該寸法ばらつきによる微小な隙間を吸収することができる。よって、合成樹脂成形品の寸法管理を緩和することができる。
上述したリール3Lが奏する作用及び効果は、他のリール3C,3Rも同様に奏するので、説明を省略する。
また、パチスロ1のその他の作用効果は、上記第1実施形態と同様であるので重複説明を省略する。
以上のように、第2実施形態によれば、合成樹脂成形品のリール3C,3L,3Rと従動歯車618とが圧入固定されているパチスロ1において、高温条件下で使用される場合であっても、簡易な構成によってリール3C,3L,3Rの振動発生を抑制することができる。
また、弾性体627を、天然ゴム、合成ゴム(例えば、クロロプレンゴム等)及び熱可塑性エラストマーといった汎用的な素材のうち、いずれか一つから形成することによって、低コストで構成することができる。
尚、上記第2実施形態においては、リール3Lに凹部620及び弾性体627を一つ設けるものとして説明したが、これに限定されず、複数設けてもよい。この場合も上記第2実施形態と同様の効果を期待できる。
上記第2実施形態においては、弾性体627は、例えば、天然ゴム、合成ゴム(例えば、クロロプレンゴム等)及び熱可塑性エラストマーのうちいずれか一つから形成されているものとして説明したが、これに限定されず、上記高温条件下において所定の弾性力(付勢力)を有するものであれば、その他の素材によって構成してもよい。
また、上記第2実施形態においては、ステッピングモータ49Lの駆動力伝動手段として歯車を用いるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、タイミングベルトやプーリからなる駆動力伝動手段に本発明を適用してもよい。この場合も上記第2実施形態と同様の効果を期待できる。
〔第3実施形態〕
(リールユニット)
次に、図18〜図19を参照して、第3実施形態におけるパチスロ1が備えるリール3Lの構成を説明する。尚、リール3C,3Rの構成は、リール3Lの構成と同一であるので、詳細な説明を省略する。
ここで、図18は、第3実施形態に係るリールユニット3の構成を示す斜視図、図19は、リール3Lの構成を示す斜視図、図20は、リール3Lの構成を示す側面図である。
図18に示すように、各リール3L,3C,3Rは、アングル部材630に回転可能に支持され、横一列に設けられている。これらのリール3L,3C,3Rは、図示されないリールケースに着脱自在に収容されている。各リール3L,3C,3Rは、同様に構成されているので、リール3Lを代表して以下に説明する。
図3に示すように、リール3Lは、アングル部材630(図18及び図19参照)によってキャビネット1a内に配設されている。アングル部材630は、図18に示すように、リールユニット3の一部を構成している。
図18〜図20に示すように、リール3Lは、回転可能なリールドラム61aと、リールドラム61aの外周に取り付けられたリール帯61bとを有している。リール帯61bには、複数の図柄が形成されている。
図18及び図19に示すように、リールドラム61aは、ハブ610を備えている。ハブ610は、アングル部材630にベアリング(図示せず)を介して回転可能に連結された片持ちの回転軸611に支持されている。
図19に示すように、ハブ610には、ハブ610を中心として放射状に延びる複数のスポーク612が連結されている。そして、複数のスポーク612の延端には円環状の第1リム613が結合されている。
リールドラム61aは、第1リム613に対向して円環状の第2リム614が配設されている。第2リム614は、リール帯61bが結合されている。つまり、第1リム613に支持されたリール帯61bが第2リム614に結合されている。
また、図20に示すように、アングル部材630には、ステッピングモータ49Lが取り付けられており、ステッピングモータ49Lは、リール3Lの内部に収納されている。ステッピングモータ49Lの出力軸には、歯数の少ない原動歯車617が嵌合されている。一方、ハブ610には、原動歯車617に噛み合う歯数の多い従動歯車618が取り付けられている。
また、図18〜図20に示すように、回転軸611の先端部には、リング板611aが取り付けられている。リング板611aとハブ610との間には、スプリング622が配設され、ハブ610を回転軸611の基端部側に付勢している。リールドラム61aの内部には、図20に示すように、リールドラム61aの回転角度を検出する検知部650が配置されている。
また、リールユニット3は、図20に示すように、バックライト621を有している。バックライト621は、アングル部材630に支持され、リール3Lを介して表示窓21L(図2参照)に対向している。
以上のように構成されたリール3Lは、マグネシウム合金からなる。また、リール3C,3Rは、リール3Lと同様にマグネシウム合金からなる。
パチスロ1のリールユニット3以外の構成は、上記第1実施形態と同様であるので重複説明を省略する。
(リールの作用等)
マグネシウム合金は、比強度(強度/比重)が熱可塑性樹脂(例えば、ABS樹脂やPC樹脂等)の10倍程度あるため、剛性を向上でき、ステッピングモータ49C,49L,49Rの回転出力に対してリール3C,3L,3Rの外周での応答性が改善される。
また、マグネシウム合金の比重は、上記熱可塑性樹脂の1.5倍程度あるが、上述したように比強度に優れている。このため、リール3C,3L,3Rをマグネシウム合金によって形成しても、リール3C,3L,3R各部の肉厚を薄くする等、構造を簡素化することによって、結果的に全体の重量を低減することができ、小型軽量化を維持できる。
また、マグネシウム合金は、高温条件下で使用される場合であっても、寸法安定性に優れているため、従来の合成樹脂成形品のリール3C,3L,3Rにおいて生じていた圧入部における熱変形(熱収縮)の問題は生じない。
以上のように、第3実施形態によれば、高温条件下で使用される場合であっても寸法安定性に優れ、剛性を確保しつつ小型軽量化を図ることができるリール3C,3L,3Rを備えたパチスロ1を提供することができる。