JP2007086511A - 光学機能材料並びにその製造方法、光学補償シート、偏光板、および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に配向膜を形成した後に、その上に液晶性化合物を含む液晶層塗布液を塗布して液晶層を形成してなる光学機能材料において、配向膜上に気相法による表面処理を施してから後に液晶層塗布液を塗布して形成されたことを特徴とする光学機能材料。
【選択図】なし
Description
透過型液晶表示装置では、二枚の偏光板を液晶セルの両側に取り付け、一枚または二枚の光学補償シートを液晶セルと偏光板との間に配置する。反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、一枚の光学補償シート、そして一枚の偏光板の順に配置する。
液晶セルは、通常、棒状液晶性分子、それを封入するための二枚の基盤および棒状液晶性部分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子の配向状態の違いにより様々な表示モードが提案されており、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferro electric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)等、反射型については、HAN(Hybrid Aligned Nematic)等が提案されている。
偏光板は、一般的に、偏光膜と透明保護膜とからなっている。該偏光膜は、一般的に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料の水溶液を含浸させ、さらにこのフィルムを一軸延伸することにより得られる。該偏光板はこの偏光膜の両側に二枚の透明保護膜を貼りつけた構成を有する。
ディスコティック液晶性分子を用いた光学補償シートでは、様々な表示モードに対応するものが既に提案されている。
また、配向の制御には、液晶層の空気界面側と配向膜界面側の親疎水性の差が大きく影響し、これを自在に制御することができれば、光学補償シートの光学設計の幅を拡大することができる。従来、配向膜に用いられるポリマー、例えばポリビニルアルコール系の化合物を官能基で修飾した後に配向膜を塗布することにより、配向膜側の親疎水性を制御し、また、液晶層中に界面活性剤や配向制御剤、カイラル剤などを添加することにより、空気界面側の親疎水性を制御することがなされてきた。
上記の様に塗設された水溶性樹脂硬化膜からなる配向膜は、迅速な硬化反応、製膜後の耐湿度依存性等が重要となる。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂と2官能性アルデヒド化合物と共に酸化合物を併用した塗布液を塗布し硬化する方法(特許文献3参照)、変性ポリビニルアルコール及び硬化剤に酸を添加して酸性条件の塗布液を塗布し硬化する方法(特許文献4段落番号[0148]参照)等が提案されている。
特に、近年、前記のような種々の液晶表示装置に対応できる光学補償シートとして、光学特性に優れ且つシート膜厚が薄膜のものが強く望まれている。
さらに本発明の他の目的は、該光学補償シートを偏光膜の少なくとも一方に配置した偏光板、および該光学補償シートを具備した表示品位の高い液晶表示装置を提供することである。
(2)前記配向膜が、ポリビニルアルコール及び/又は変性ポリビニルアルコールを主成分として含有する配向膜形成用組成物を塗布、乾燥してなる硬化膜であることを特徴とする上記(1)記載の光学機能材料。
(3)前記配向膜が、ポリイミドを主成分とすることを特徴とする上記(1)記載の光学機能材料。
(4)前記気相法による表面処理がプラズマ処理であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光学機能材料。
(5)前記プラズマ処理における反応ガスが、ハロゲンを含む物質であることを特徴とする上記(4)記載の光学機能材料。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の光学機能材料であって、複屈折性を補償することを特徴とする光学補償シート。
(8)透明保護膜、偏光膜、上記(7)に記載の光学補償シートがこの順に積層されていることを特徴とする偏光板。
(9)偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる偏光板を、液晶セルの両側に配置したことからなる液晶表示装置において、液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の透明保護膜の少なくとも一方が、上記(7)に記載の光学補償シートであることを特徴とする液晶表示装置。
(10)支持体上に配向膜を形成した後に、その上に液晶性化合物を含む液晶層塗布液を塗布して光学異方性層を形成してなる光学機能材料の製造方法であって、支持体上に配向膜を形成した後に、該配向膜上に気相法による表面処理を施す工程を有することを特徴とする光学機能材料の製造方法。
(11)上記(10)に記載の光学機能材料の製造方法において、前記気相法による表面処理工程が、配向膜を施した支持体のラビング処理工程後に行われることを特徴とする光学機能材料の製造方法。
(12)前記支持体がフィルムであって、長尺方向に対して連続的に前記気相法による表面処理が施されることを特徴とする上記(10)または(11)に記載の光学機能材料の製造方法。
本発明の光学機能材料および光学補償シートは、配向膜上に非接触(気相)の表面処理を施したことを特徴とし、これにより上層である液晶層の液晶の配向性を制御する範囲を拡大することができる。
支持体上に塗設される配向膜に非接触の表面処理を施し、例えばフッ素により修飾することにより配向膜表面の疎水性を向上させることができ、液晶層の配向膜側のチルト角を上昇させることができる。配向膜塗設後の処理であるため、配向膜を塗布法で作成する場合には、塗布性の良い配向膜組成物で塗布し、その後の表面処理で物性を変化できるため、設計の自由度を挙げることが可能である。
本発明の支持体は、平滑な塗布面を有する支持体であれば、ガラス、ポリマーフィルム、金属バンド、金属ドラム、金属の酸化物体など、いかなるものであっても構わない。塗布後に塗布層と支持体を剥がさずに用いる場合は、透明支持体であることが好ましく、その場合は、ガラス、もしくはポリマーフィルムのような透明なものであることが好ましく、その光透過率が70%以上、更に好ましくは80%以上であることが好ましい。光学補償シートとして用いる場合には、光透過率は80%以上、好ましくは90%以上であることが好ましい。
ポリマーフィルムを構成するポリマーの例としては、セルロースエステル(例、セルロースのモノ乃至トリアシレート体)、ノルボルネン系ポリマーでは、アートン及びゼオネックス(いずれも商品名))が挙げられる。又、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても、国際公開第00/26705号パンフレットに記載のように、分子を修飾することで複屈折の発現性を制御すれば、本発明の光学機能性材料の支持体として用いることができる。
本発明のポリマーフィルムとしては、セルロースエステルフィルムが好ましく、さらにはセルロースアセテートフィルムが好ましい。
支持体の厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、30乃至200μmであることがさらに好ましく、40乃至90μmが最も好ましい。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。
ポリマーフィルムのレターデーション値は光学補償シートが用いられる液晶表示装置やその使用の方法に応じて好ましい範囲が異なり、通常、Reレターデーション値は0〜200nmであり、かつRthレターデーション値は70〜400nm範囲に調節することが好ましい。
尚、ポリマーフィルムの複屈折率(Δn:nx−ny)は、0.00028乃至0.020の範囲にあることが好ましい。また、ポリマーフィルムの厚み方向の複屈折率{(nx+ny)/2−nz}は、0.001乃至0.04の範囲にあることが好ましい。
ポリマーフィルムのレターデーション値を調整するためには延伸のような外力を与える方法が一般的であり、他の方法として、光学異方性を調節するためのレターデーション上昇剤が、場合により添加される。
セルロースアセテートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。又、セルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0乃至4.0であることが好ましい。
本発明では、酢化度が55.0乃至62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。酢化度は、57.0乃至62.0%であることがさらに好ましく、59.0乃至61.5%が特に好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算によって求められる。
2位、3位、6位の置換度の合計に対する、6位の置換度の割合は、30乃至40%であることが好ましく、31乃至40%であることがさらに好ましく、32乃至40%であることが最も好ましい。6位の置換度は、0.88以上であることが好ましい。
レターデーション上昇剤としては例えば、欧州特許0911656A2号明細書、特開2000−111914号、同2000−275434号公報等記載の化合物等が挙げられる。
それらは、マット剤、ブロッキング防止剤あるいはキシミ防止剤と称されて従来から利用されている。それらは、前述の機能を呈する素材であれば特に限定されないが、これらのマット剤の好ましい具体例は、無機化合物としては、ケイ素を含む化合物、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースエステルフィルムの濁度を低減できるので、二酸化ケイ素が特に好ましい。
又、表面処理された無機微粒子もセルロースエステル中への分散性が良好となり好ましい。処理法としては、例えば、特開昭54−57562号公報に記載の方法が挙げられる。粒子としては、例えば、特開2001−151936号公報に記載のものが挙げられる。
有機化合物としては、例えば、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、なかでも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。シリコーン樹脂のなかでも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましい。
更に、これらの詳細は、上記の公技番号2001−1745の17頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
この吸湿膨張係数を調節することで、光学補償シートの光学補償機能を維持したまま、額縁状の透過率上昇すなわち歪みによる光漏れを防止することができる。
吸湿膨張係数[/%RH]={(L1−L0)/L0}/(R1−R0)
作製したセルロースエステルフイルムの吸湿による寸度変化を小さくするには、疎水基を有する化合物或は微粒子等を添加することが好ましい。疎水基を有する化合物としては、分子中に脂肪族基や芳香族基のような疎水基を有する可塑剤や劣化防止剤の中で該当する素材が特に好ましく用いられる。これらの化合物の添加量は、調整する溶液(ドープ)に対して0.01乃至10質量%の範囲にあることが好ましい。又、セルロースエステルフイルム中の自由体積を小さくすればよく、具体的には、後述のソルベントキャスト方法による成膜時の残留溶剤量が少ない方が自由堆積が小さくなる。セルロースエステルフイルムに対する残留溶剤量が、0.01乃至1.00質量%の範囲となる条件で乾燥することが好ましい。
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロースアセテートフィルムを製造することが好ましく、セルロースアセテートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムは製造される。
用いる有機溶媒としては、従来公知の有機溶媒が挙げられ、例えば溶解度パラメーターで17〜22の範囲ものが好ましい。低級脂肪族炭化水素の塩化物、低級脂肪族アルコール、炭素原子数3から12までのケトン、炭素原子数3〜12のエステル、炭素原子数3〜12のエーテル、炭素原子数5〜8の脂肪族炭化水素類、炭素数6〜12の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
具体的には、例えば前記の公技番号2001−1745の12頁〜16頁に詳細の化合物が挙げられる。
とくに、酢酸エステルを20〜90質量%、ケトン類を5〜60質量%、アルコール類を5〜30質量%の混合比で用いることがセルロースアセテートの溶解性の点から好ましい。
技術的には、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素は問題なく使用できるが、地球環境や作業環境の観点では、有機溶媒はハロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶媒中のハロゲン化炭化水素の割合が5質量%未満(好ましくは2質量%未満)であることを意味する。また、製造したセルロースアセテートフィルムから、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素が全く検出されないことが好ましい。
本発明の透明支持体は、配向膜を塗布方式で設ける場合には、該透明支持体表面に密着性を付与し、配向膜用塗布液が均一に塗工されるように表面処理を施すことが好ましい。
表面処理の方法としては、配向膜の下塗り層を設ける方法が挙げられる。特開平7−333433号公報記載の下塗り層、或いは疎水性基と親水性基との両方を含有するゼラチン等の樹脂層を一層のみ塗布する単層法第1層として高分子フィルムによく密着する層(以下、下塗第1層と略す)を設け、その上に第2層として配向膜とよく密着するゼラチン等の親水性の樹脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂重層法(例えば、特開平11−248940号公報記載)の内容が挙げられる。
他の表面処理として、コロナ放電処理、グロー放電処理、紫外線照射処理、火炎処理、オゾン処理、酸処理、アルカリ処理等で該フィルム表面を改質する方法が挙げられる。これらについては、詳細が前記の公技番号2001−1745の30頁〜32頁に詳細に記載されている。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアセテートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
アルカリ鹸化処理は、アルカリ溶液を透明支持体に浸漬、噴射若しくは塗布することで行う。好ましくは、塗布で鹸化処理することが好ましく、塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法およびE型塗布法を挙げることができる。
本発明のアルカリ溶液はpH11以上のアルカリ溶液が好ましい。より好ましくはpH12〜14である。
アルカリ溶液に用いられるアルカリ剤の例として、水酸化ナトリウム、同カリウム、同リチウム等の無機アルカリ剤、又、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン)、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルブチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ剤も用いられる。これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせて併用することもでき、一部を例えばハロゲン化したような塩の形で添加してもよい。
これらのアルカリ剤の中でも、水酸化ナトリウム或は水酸化カリウムが、これらの量を調整することにより広いpH領域でのpH調整が可能となるため好ましい。
その中でも好ましい有機溶媒は、無機性/有機性値(I/O値)が0.5以上、且つ溶解度パラメーターが16〜40[mJ/m3]1/2の範囲のものが好ましい。より好ましくは、I/O値が0.6〜10、且つ溶解度パラメーターが18〜31[mJ/m3]1/2である。I/O値がこの範囲よりも無機性が強いか、又は溶解度パラメーターが低いと、アルカリ鹸化速度が低下し、また鹸化度の全面均一性も不満足となる。一方、I/O値が上記範囲よりも有機性の側であるか、又は溶解度パラメーターが高溶解性の側では、鹸化速度は速いが、ヘイズを生じ易く、したがって全面均一性の点では同様に不満足となる。
また、有機溶媒、とりわけ上記有機性と溶解性の各範囲の有機溶媒を後述する界面活性剤、相溶化剤等と組み合わせて用いると高い鹸化速度が維持されて、かつ全面に亘る鹸化度の均一性が向上する。
有機溶媒の溶媒中の使用割合は、溶媒の種類、水との混和性(溶解性)、反応温度および反応時間に応じて決定する。
水と有機溶媒の混合比は、3/97〜85/15質量比が好ましい。より好ましくは5/95〜60/40質量比であり、更に好ましくは15/85〜40/60質量比である。この範囲において、アシレートフィルムの光学特性を損なうことなく容易にフィルム全面が均一に鹸化処理される。
これらの界面活性剤の中でも、カチオン性界面活性剤としての4級アンモニウム塩類、ノニオン性界面活性剤としての各種のポリアルキレンレングリコール誘導体類、各種のポリエチレンオキサイド付加物類等のポリエチレンオキサイド誘導体類、両性界面活性剤としてのベタイン型化合物類が好ましい。
アルカリ溶液には、ノニオン活性剤とアニオン活性剤又はノニオン活性剤とカチオン活性剤を共存させて用いることも本発明の効果が高められて好ましい。
ポリオール化合物は、低分子化合物、オリゴマー化合物および高分子化合物のいずれも用いることができる。
脂肪族ポリオール類としては、例えば、炭素数2〜8のアルカンジオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリンモノメチルエーテル、グリセリンモノエチルエーテル、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等)、ヒドロキシル基を3個以上含有する炭素数3〜18のアルカン類(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール、イノシットール等)が挙げられる。
ポリアルキレンオキシポリオール類としては、上記のような同じアルキレンジオール同士が結合していてもよく、異なるアルキレンジオールが互いに結合していてもよいが、同じアルキレンジオール同士が結合したポリアルキレンポリオールがより好ましい。いずれの場合もの結合数は3〜100であるのが好ましく、3〜50であるのがより好ましい。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)が挙げられる。
糖類は、一般に、グルコース、スクロース、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類されるが、いずれも本発明に好適に用いられる。
例えば、サッカロース、トレハロース、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体、D,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシット、アロズルシット、還元水あめが挙げられる。これらの糖類は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、アルキレンポリオール、ポリアルキレンオキシポリオール、糖アルコール等のポリオール化合物が好ましい。
上記のアルカリ溶液を用いたセルロースアセテートフィルムの表面処理方法は従来公知のいずれの方法でもよいが、特に、フィルムの片面のみをムラ無く均一に鹸化処理する場合は、塗布方式が好ましい。塗布の方法としては、従来公知の塗布方法[例えば、ダイコーター(エクストルージョンコーター、スライドコーター)、ロールコーター(順転ロールコーター、逆転ロールコーター、グラビアコーター)、ロッドコーター、ブレードコーター等]が好ましく利用できる。
鹸化処理は、処理するフィルムの変形、処理液の変質等が生じない温度120℃を越えない範囲の処理温度で行うことが好ましい。更に温度10℃以上であり100℃以下の範囲が好ましい。特に、温度20〜80度が好ましい。
又、鹸化処理の時間は、アルカリ溶液、処理温度により適宜調整して決定するが、1秒から60秒の範囲で行われるのが好ましい。
セルロースアセテートフイルムをその表面が所定の温度でアルカリ溶液で鹸化処理には、塗布する前に予め所定の温度に調整する工程、アルカリ液を予め所定の温度に調整しておく工程、或いはこれらを組み合わせた工程等が挙げられる。塗布する前に予め所定の温度に調整する工程と組み合わせることが好ましい。
鹸化反応後は、水洗、中和し水洗等でフィルム表面からアルカリ溶液及び鹸化処理反応物とを洗浄し除去することが好ましい。
具体的には、例えば国際公開第02/46809号パンフレット等に記載の内容が挙げられる。
本発明の配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)塗布液を塗布して形成される配向膜が好ましい。配向膜の膜自身の強度、下層或は上層となる光学異方性層との密着性の観点から硬化されたポリマー膜であることが好ましい。配向膜は、その上に設けられる液晶性化合物の配向方向を規定するために設けられる。配向規定の方法としては、従来公知のラビング、磁場或は電場の付与、光照射等が挙げられる。
液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に垂直に配向している表示モード(例、VA、OCB、HAN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実質的に水平に配向させる機能を有する。液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に水平に配向している表示モード(例、STN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実質的に垂直に配向させる機能を有する。液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に斜めに配向している表示モード(例、TN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実質的に斜めに配向させる機能を有する。
配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができ、これらの組み合わせを複数使用することができる。ポリマーの例として、例えば特開平8−338913号公報明細書中段落番号[0022]記載の化合物が挙げられる。好ましくは水溶性ポリマー(例えば、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール)が挙げられ、この中でもゼラチン、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールがさらに好ましく、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。
配向膜に使用されるポリマーには、ポリビニルアルコールおよび/または変性ポリビニルアルコールを主成分として、好ましくは配向膜形成ポリマー成分の40質量%以上、より好ましくは75質量%以上含むことが好ましい。
また、配向膜に使用されるポリマーとしては、ポリイミドを主成分(好ましくは配向膜形成ポリマー成分の40質量%以上、より好ましくは75質量%以上)として用いることも可能である。
又、該光学異方性層用塗布液を塗布する際に、塗布の幅方向での配向膜表面のpHの変動幅△pHが±0.30の範囲で行われることが好ましい。より好ましくは、△pHが±0.15の範囲である。
この範囲において光学異方性層を塗設された光学補償シートは、光学的欠陥が著しく軽減され、好ましい。
本発明の配向膜表面のpH値を特定とし、且つ塗布幅方向での△pHを制御するには、上記のロッドコーティング方式による塗布により達成される。更には、膜表面の乾燥温度、乾燥風を用いる場合のその風量、風向等を調節することも有効である。
本発明の、配向膜の気相法による表面処理は、支持体上に配向膜を形成した後に行なわれ、配向膜表面のラビング処理の前でも構わないしラビング処理の後であっても構わないが、ラビング処理後に気相法による表面処理を行うことが好ましい。従来の方法では、ラビングにより表層付近の分子構造が乱れてしまうため、前記の官能基が有効に影響できなかったが、本発明の気相法による表面処理は、ラビング後に施した場合にもあらたに官能基を配向膜表面に修飾できるためである。
配向膜表面の親疎水性を制御するためには、極性の官能基で配向膜表面を修飾することが好ましい。このため、プラズマ処理時は反応ガスとして、配向膜を修飾できるようなラジカルを発生するようなガスを用いることが好ましい。表面を疎水的にしたい場合には、フッ素ラジカルを発生するようなガスが好ましく用いられ、例えばNF3、CF4、SF6、C2F4などが挙げられるが、室温でもグロー放電により容易にフッ素ラジカルを発生するNF3が好ましく用いられる。また、配向膜表面を親水的にしたい場合には、親水基もしくは酸素を含有するガスを用いることが好ましい。特に、酸素もしくは水を用いることは、配向膜を汚染するおそれが無く好ましく用いられる。
グロー放電プラズマを誘起するためには、設備としてはバッチ式でも連続搬送式でも構わないが、連続搬送式であることが生産性の観点で特に好ましい。公知のいかなる装置を用いて行っても構わないが、プラズマを均一に発生する条件は試行錯誤が伴い得る。例えば、特開2000−82223公開特許公報に例示されているような装置を用いる方法がある。
以下、少なくとも2つの対向する電極に高周波の交流電圧を印加することにより容量結合型プラズマを誘起する方法について、図面を基に説明する。
図1は、プラズマ反応設備の模式図の一例である。
プラズマを誘起するためには、不活性ガスをベースガスとして用いられ、特に真空グロー放電の場合には好ましい。例えば、ヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトン等が用いられ、特にアルゴンガスが好ましく用いられる。前記反応性ガスは、誘起されたプラズマ中に順次添加するか、もしくは例示された不活性ベースガスとあらかじめ混ぜた上で、反応室に導入される。
装置の電極配置にもよるが、印加する電圧は高いほうが処理速度をあげることができ好ましいが、一方で配向膜表面をプラズマに強く晒すことになり、配向膜組成物の重合や解離等が起こるなど、ダメージを与えてしまうことがあり、好ましい条件は実験によって決定する必要がある。
配向膜にダメージを極力与えない方法として、活性化学種(フッ素ラジカル、酸素ラジカル等)をプラズマ中で作るものの、非処理体である配向膜はプラズマから離したところに配置する方法があり、本発明においては好ましく用いられる。いわゆるアフターグロー領域に配向膜を配置するということである。この方法は、ガスのフローを、電圧印加電極⇒設置電極⇒配向膜表面の向きにすることにより、発生した活性化学種を配向膜表面に効率よく攻撃させることができ、効率よく表面が修飾される。また、この方法は、配向膜の片面のみを処理することができるため、支持体の物性を変化させずに済み、例えば光学補償シートとして用いた場合の粘着剤との貼合などに影響を及ぼさず好ましい。
又、光照射で光配向する場合には、光照射装置としての光源は、超高圧水銀灯、キセノン灯、蛍光灯、レーザ等を用いることが出来、光二量化化合物を光配向をするには上記光源と偏光膜を組み合わせて(偏光膜を通して)紫外線を直線偏光とし、光配向膜に照射する。偏光膜としては、主に使用されているものとして延伸染色PVAがある。この直線偏光紫外線照射装置としては、例えば、特開平10−90684号公報に開示されているものを用いることが出来る。
本発明の液晶層は液晶性分子を主たる組成物として形成される。光学補償シートを作成するためには、この層が光学異方性層として機能するように設計する。
液晶性分子としては、棒状液晶性分子またはディスコティック液晶性分子が好ましく、ディスコティック液晶性分子が特に好ましい。
棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。これら低分子液晶化合物は重合性基を分子内に有することが好ましい(例えば、特開2000−304932号公報明細書段落番号[0016]等記載)。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。高分子液晶性分子は、以上のような低分子液晶性分子に相当する側鎖を有するポリマーである。高分子液晶性分子を用いた光学補償シートについては、特開平5−53016号公報に記載の化合物が挙げられる。
ディスコティック液晶性分子を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。円盤状コアと重合性基は、連結基を介して結合する化合物が好ましく、これにより重合反応においても配向状態を保つことが出来る。例えば、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0151]〜[0168]記載の化合物等が挙げられる。
なお、STNモードのような棒状液晶性分子がねじれ配向している液晶セルを、光学的に補償するためには、ディスコティック液晶性分子もねじれ配向させることが好ましい。上記連結基に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。また、不斉炭素原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学的異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。
非重合性ディスコティック液晶性分子は、前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性分子は、例えば特許第2640083号公報記載の化合物等が挙げられる。
上記の液晶性分子と共に、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー、ポリマー等を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶分子の配向性等を向上することが出来る。液晶性分子と相溶性を有し、液晶性分子の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。
ディスコティック液晶性分子とともに使用するポリマーは、ディスコティック液晶性分子に傾斜角の変化を与えられることが好ましい。
ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性分子の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性化合物に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜3質量%の範囲にあることがより好ましい。
ディスコティック液晶性分子のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が挙げられる。このうち、アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
液晶性分子は、実質的に均一に配向していることが好ましく、実質的に均一に配向している状態で固定されていることがさらに好ましく、重合反応により液晶性分子が固定されていることが最も好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例としては、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.5乃至5重量%であることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、100乃至800mJ/cm2 であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。また、重合反応を促進するため、窒素雰囲気下など酸素分圧を下げて光照射を実施してもよい。
光学的異方性層内での液晶性分子の配向状態は、前述したように、液晶セルの表示モードの種類に応じて決定される。液晶性分子の配向状態は、具体的には、液晶性分子の種類、配向膜の種類および光学異方性層内の添加剤(例、可塑剤、ポリマー、界面活性剤)の使用によって制御される。
本手法では算出を容易にすべく、下記の2点を仮定し、光学異方性層の2つの界面におけるチルト角とする。
1.光学異方性層は円盤状化合物や棒状化合物を含む層で構成された多層体と仮定する。さらに、それを構成する最小単位の層(円盤状化合物または棒状化合物のチルト角は該層内において一様と仮定)は光学的に一軸と仮定する。
2.各層のチルト角は光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化すると仮定する。
具体的な算出法は下記のとおりである。
(1)各層のチルト角が光学異方性層の厚み方向に沿って一次関数で単調に変化する面内で、光学異方性層への測定光の入射角を変化させ、3つ以上の測定角でレターデーション値を測定する。測定および計算を簡便にするためには、光学異方性層に対する法線方向を0°とし、−40°、0°、+40°の3つの測定角でレターデーション値を測定することが好ましい。このような測定は、KOBRA-21ADHおよびKOBRA-WR(王子計測器(株)製)、透過型のエリプソメーターAEP-100((株)島津製作所製)、M150およびM520(日本分光(株)製)、ABR10A(ユニオプト(株)製)で行うことができる。
(2)上記のモデルにおいて、各層の常光の屈折率をno、異常光の屈折率をne(neは各々すべての層において同じ値、noも同様とする)、及び多層体全体の厚みをdとする。さらに各層におけるチルト方向とその層の一軸の光軸方向とは一致するとの仮定の元に、光学異方性層のレターデーション値の角度依存性の計算が測定値に一致するように、光学異方性層の一方の面におけるチルト角θ1および他方の面のチルト角θ2を変数としてフィッティングを行い、θ1およびθ2を算出する。
ここで、noおよびneは文献値、カタログ値等の既知の値を用いることができる。値が未知の場合はアッベ屈折計を用いて測定することもできる。光学異方性層の厚みは、光学干渉膜厚計、走査型電子顕微鏡の断面写真等により測定数することができる。
本発明の光学補償シートは、偏光板と貼り合せるか、偏光板の保護フィルムとして使用することで、その機能を著しく発揮し、液晶表示装置に好ましく用いられる。
以下、偏光板及びその製造について詳しく説明する。
偏光板は通常、偏光膜とその両面に透明保護膜を含有することからなる。保護膜が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。透明保護膜としては、一般にセルロースエステルフィルム、好ましくはアセチルセルロースフィルムが用いられる。セルロースエステルフィルムは、前記の透明支持体に記載のソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明保護膜の厚さは、20〜200μmであることが好ましく、30〜100μmであることがさらに好ましい。特に好ましくは30〜80μmである。
光学補償シートを偏光板の透明保護膜の代わりに使用する場合、光学補償シートと偏光膜との接着が問題となることがある。本発明では、光学補償シートの偏光膜側の面(即ち、支持体面)を表面処理することにより、光学補償シートと偏光膜との接着を改善することが好ましい。表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、オゾン処理、酸処理又はアルカリ処理が挙げられる。
コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、オゾン処理、酸処理、アルカリ処理等の処理方法は、例えば、前記の公技番号2001−1745の30頁〜31頁に記載の内容が挙げられる。本発明は、アルカリ処理することが好ましく、前記したフィルムの鹸化処理で記載と同様の内容のものが挙げられる。
本発明に用いられる偏光膜は、通常、Optiva Inc.に代表される塗布型偏光膜、もしくはバインダーと、ヨウ素または二色性色素からなる偏光膜が好ましい。偏光膜におけるヨウ素および二色性色素は、バインダー中で配向することで偏光性能を発現する。ヨウ素および二色性色素は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。
現在、市販の偏光膜は、延伸したポリマーを、浴槽中のヨウ素もしくは二色性色素の溶液に浸漬し、バインダー中にヨウ素、もしくは二色性色素をバインダー中に浸透させることで作製されるのが一般的である。
市販の偏光膜は、ポリマー表面から4μm程度(両側合わせて8μm程度)にヨウ素もしくは二色性色素が分布しており、十分な偏光性能を得るためには、少なくとも10μmの厚みが必要である。浸透度は、ヨウ素もしくは二色性色素の溶液濃度、同浴槽の温度、同浸漬時間により制御することができる。
上記のように、バインダー厚みの下限は、10μmであることが好ましい。厚みの上限は、液晶表示装置の光漏れの観点からは、薄ければ薄い程よい。現在市販の偏光板(約30μm)以下であることが好ましく、25μm以下が好ましく、20μm以下がさらに好ましい。20μm以下であると、光漏れ現象は、17インチの液晶表示装置で観察されなくなる。
架橋しているバインダーは、それ自体架橋可能なポリマーを用いることができる。官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入して得られるバインダーを、光、熱あるいはpH変化により、バインダー間で反応させて偏光膜を形成することができる。
また、架橋剤によりポリマーに架橋構造を導入してもよい。
架橋は一般に、ポリマーまたはポリマーと架橋剤の混合物を含む塗布液を、透明支持体上に塗布したのち、加熱を行なうことにより実施される。最終商品の段階で耐久性が確保できれば良いため、架橋させる処理は、最終の偏光板を得るまでのいずれの段階で行なっても良い。
ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。
変性ポリビニルアルコールについては、特開平8−338913号、同9−152509号および同9−316127号の各公報に記載がある。
ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールは、二種以上を併用してもよい。
配向膜は、架橋反応が終了した後でも、反応しなかった架橋剤をある程度含んでいる。但し、残存する架橋剤の量は、配向膜中に1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。このようにすることで、偏光膜を液晶表示装置に組み込み、長期使用、或は高温高湿の雰囲気下に長期間放置しても、偏光度の低下を生じない。
架橋剤については、米国再発行特許23297号明細書の記載が挙げられる。また、ホウ素化合物(例、ホウ酸、硼砂)も架橋剤として用いることができる。
二色性色素の例としては、例えば、発明協会公開技報、公技番号2001−1745号、58頁(発行日2001年3月15日)に記載の化合物が挙げられる。
偏光膜は、歩留まりの観点から、バインダーを偏光膜の長手方向(MD方向)に対して、10乃至80度傾斜して延伸するか(延伸法)、もしくはラビングした(ラビング法)後に、ヨウ素、二色性染料で染色することが好ましい。傾斜角度は、LCDを構成する液晶セルの両側に貼り合わされる2枚の偏光板の透過軸と液晶セルの縦または横方向のなす角度にあわせるように延伸することが好ましい。
通常の傾斜角度は45゜である。しかし、最近は、透過型、反射型および半透過型LCDにおいて必ずしも45゜でない装置が開発されており、延伸方向はLCDの設計にあわせて任意に調整できることが好ましい。
延伸は、二軸延伸におけるテンター延伸を左右異なる工程で行うことによって実施できる。上記二軸延伸は、通常のフイルム製膜において行われている延伸方法と同様である。二軸延伸では、左右異なる速度によって延伸されるため、延伸前のバインダーフイルムの厚みが左右で異なるようにする必要がある。流延製膜では、ダイにテーパーを付けることにより、バインダー溶液の流量に左右の差をつけることができる。
以上のように、偏光膜のMD方向に対して10乃至80度斜め延伸されたバインダーフイルムが製造される。
ロール自身の真円度、円筒度、振れ(偏芯)がいずれも30μm以下であるラビングロールを用いて実施することが好ましい。ラビングロールへのフィルムのラップ角度は、0.1乃至90゜が好ましい。ただし、特開平8−160430号公報に記載されているように、360゜以上巻き付けることで、安定なラビング処理を得ることもできる。
長尺フィルムをラビング処理する場合は、フィルムを搬送装置により一定張力の状態で1〜100m/minの速度で搬送することが好ましい。ラビングロールは、任意のラビング角度設定のためフィルム進行方向に対し水平方向に回転自在とされることが好ましい。0〜60゜の範囲で適切なラビング角度を選択することが好ましい。液晶表示装置に使用する場合は、40乃至50゜が好ましい。45゜が特に好ましい。
透明保護膜は、その最表面が防汚性及び耐擦傷性を有する反射防止膜を設けてなることも好ましい。反射防止膜は、従来公知のいずれのものも用いることができる。
本発明の光学補償シート又は該光学補償シートを用いた偏光板は、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。
以下、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置及びその製造について詳しく説明する。
本発明の透過型液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された二枚の偏光板を含有することからなる。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。
光学補償シートは、液晶セルと一方の偏光膜との間に、一枚配置するか、あるいは液晶セルと双方の偏光膜との間に二枚配置する。
各液晶モードにおける光学異方性層の好ましい形態について、以下で説明する。
各液晶モードにおける光学異方性層の好ましい形態において、本発明の光学補償シート又は該光学補償シートを用いた偏光板は、有利に光学的に補償することができる。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献の記載が挙げられる。TNモードの黒表示における液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性分子が寝た配向状態にある。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルである。ベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置は、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている装置が挙げられる。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれる。
OCBモードの液晶セルもTNモード同様、黒表示においては、液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性分子が寝た配向状態にある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が挙げられる。
IPSモード、ECBモードおよびSTNモードの液晶表示装置に対しては、上記と同様の考え方で光学的に補償することが出来る。
[実施例1]
(光学補償シート1の作製)(本発明)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、30℃に加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
セルロースアセテート溶液組成(質量部) 内層 外層
酢化度60.9%のセルロースアセテート 100 100
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8 7.8
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9 3.9
メチレンクロライド(第1溶媒) 293 314
メタノール(第2溶媒) 71 76
1−ブタノール(第3溶媒) 1.5 1.6
シリカ微粒子(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0 0.8
下記レターデーション上昇剤 1.5 0
得られたセルロースアシレートフィルムのRe(630)は8nm(流延方向に遅相軸)、Rth(630)は80nmだった。
上記ロールフィルムの片面に温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、下記の組成のアルカリ溶液をバーコータを用いて、14ml/m2塗布し、110℃に加熱したスチーム式遠赤外線ヒーター((株)ノリタケカンパニー製)の下に10秒間滞留させた後、同じくバーコーターを用いて純水を3ml/m2塗布した。このときのフィルム温度は40℃であった。次いでファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返して後に、70℃の乾燥ゾーンに2秒滞留させて乾燥した。
水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.7質量部
イソプロパノール 64.8質量部
プロピレングリコール 14.9質量部
C16H33O(CH2CH2O)10H(界面活性剤) 1.0質量部
下記変性ポリビニルアルコール 20質量部
水 360質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 1.0質量部
次に、形成した膜に、プラズマ処理を施した。これは、フィルムを搬送しながら図1に概略を示す装置において長手方向に連続におこなった。差動排気によりベースプレッシャーが10Paのプラズマ反応室にて、上から、40cm幅×1m長の平板パンチメタル状の印加電極(細孔が10mmステップであけてあり、そこから原料ガス(反応ガス+不活性ガス)が吹き出るようになっている)、40cm幅×1m長の平板メッシュ状の接地電極、搬送されている配向膜が塗設された透明支持体、の順に互いに平行に約25cm間隔で配置されている(すなわち、アフターグロー領域に配向膜がある)。
アルゴンガスとNF3ガスを9:1になるように反応室の印加電極側から導入し、真空度を50Paに保ち、13.56MHzの高周波交流電圧を両電極間に印加したところ、グロー放電が生じ、赤紫色の発光が生じた。このときの印加電力は250Wであった。
処理が完了した配向膜表面は、無色透明であった。
次に、形成した膜に、セルロースアシレートフィルムの流延方向と平行な方向に配向するようにラビング処理を実施した(即ち、ラビング軸はセルロースアシレートフィルムの流延方向と平行であった)。
セルロースアシレートフィルムを用いた配向膜上に、下記塗布液を、#4のワイヤーバーを764回転でフィルムの搬送方向と同じ方向に回転させて、24m/分で搬送されている上記ロールフィルムの配向膜面に連続的に塗布した。室温から100℃に連続的に加温する工程で溶媒を乾燥させ、その後、130℃に給気された乾燥ゾーンで、ディスコティック液晶化合物層にあたる膜面風速がフィルム搬送方向に平行に1.0m/secとなるようにし、約120秒間加熱し、ディスコティック液晶化合物を配向させた。次に、80℃に給気された乾燥ゾーンに搬送させて、フィルムの表面温度が約95℃の状態で、紫外線照射装置(紫外線ランプ:出力160W/cm)により、照度600mWの紫外線を4秒間照射し、架橋反応を進行させ、ディスコティック液晶化合物をその配向に固定した。その後、室温まで放冷し、円筒状に巻き取ってロール状の形態にした。以上により光学補償シート1を作製した。
下記の組成物を、107質量部のメチルエチルケトンに溶解して塗布液を調製した。
下記ディスコティック液晶性化合物(1) 41.01質量部
エチレンオキサイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 4.06質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB551−0.2、イーストマンケミカル社製) 0.9質量部
セルロースアセテートブチレート
(CAB531−1、イーストマンケミカル社製) 0.21質量部
フルオロ脂肪族基含有ポリマー
(メガファックF780 大日本インキ(株)製) 0.14質量部
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)1.35質量部
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.45質量部
配向膜上へのプラズマ処理を、ラビング後に施した以外は、光学補償シート1と同様にして光学補償シート2を作製した。
配向膜上へのプラズマ処理をバッチ処理で行ったこと以外は、光学補償シート2と同様にして光学補償シート3を作製した。バッチ処理であったため、プラズマ反応室の真空度は補償シート2を作製したときよりも向上させることができ、ベースプレッシャーは1Paであった。
配向膜上へのプラズマ処理において、真空グロー放電のかわりに大気圧グロー放電を用いたこと以外は光学補償シート2と同様にして光学補償シート4を作製した。
本シートの作成にあたっては、プラズマ処理工程において、図1に示す装置模式図のうち、反応外室8は除去した。また印加電力はパルス状とし、パルス電界の立ち上がり時間および立下り時間は共に80nsであり、かつそのパルス電界の強さは30kV/cmであった。またパルス電界の形成時間は平均50msであった。電極は焼結セラミックスを用いた固体誘電体を対抗面側に設けてあり、固有抵抗は109Ω・cmであった。
配向膜上へのプラズマ処理において、反応ガスとしてCF4を用いたことと印加電力を300Wとしたこと以外は、光学補償シート2と同様にして光学補償シート5を作製した。
配向膜上にプラズマ処理を施さなかった以外は、光学補償シート1と同様にして光学補償シート6を作製した。
配向膜の組成物として、光学補償シート1に用いた組成物に対して、下記フルオロ脂肪族基含有ポリマー1(界面活性剤)を1.5質量部添加した後、配向膜を光学補償シート1と同様に塗設した。また、プラズマ処理を施さずに光学補償シート7を作製した。
しかしながら、配向膜の塗布後、乾燥した配向面を観察したところ、はじき故障が多発しており、液晶層を塗布すると、全面にムラとはじきが生じて、さらにはじいていない部分も液晶の配向が不良であった。
光学補償シート8は光学補償シート2の作成方法のうち次の点を変更して作成した。1)配向膜塗布液を、ポリイミド系低温処理型配向膜 オプトマーAL3046(JSR株式会社製) 4.8質量部とγ―ブチルラクトン 8.0質量部の混合液とした。2)塗布後の乾燥を60℃の温風で90秒、90℃の温風で150秒、更に130℃の温風で10分間乾燥し,以後,25℃まで10℃/分で降温しながら合計40分間乾燥させることによりおこなった。以後の工程は光学補償シート2の作成方法と同様である。
偏光板をクロスニコル配置とし、得られた光学補償シート1〜8のムラを観察したところ、光学補償シート1〜6および8にあっては正面、および法線から60度まで傾けた方向から見ても、ムラは検出されなかった。比較例の光学補償シート7は前記のとおり全面にムラ・ハジキおよび配向不良が生じていた。
各光学補償シートのディスコティック液晶性化合物からなる光学異方性層において、本明細書に記載の光学的方法で液晶化合物のチルト角(θ1およびθ2)を算出した。ディスコティック液晶性分子は円盤面と配向膜平面のなす角度(チルト角)が、膜面から光学空気界面に向かってハイブリッド配向していた。結果を表1に示す。なお、いずれの試料においても深さ方向に均一なチルト角を有しているわけではなく、熱的・物理的ゆらぎが起因と想定されるようなばらつきを有していた。表1の結果は、平均的な結果を示している。
厚さ80μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、ヨウ素濃度0.05質量%のヨウ素水溶液中に30℃で60秒浸漬して染色し、次いでホウ酸濃度4質量%濃度のホウ酸水溶液中に60秒浸漬している間に元の長さの5倍に縦延伸した後、50℃で4分間乾燥させて、厚さ20μmの偏光膜を得た。
光学補償シート1〜8を1.5モル/Lで55℃の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した後、水で十分に水酸化ナトリウムを洗い流した。その後、0.005モル/Lで35℃の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
なお、この際光学補償シート7は膜面がはがれてしまい、偏光板の作成が不能であった。
前記のように鹸化処理を行った光学補償シート1〜6および8を、同じく鹸化処理を行った市販のセルロースアシレートフィルムと組合せて前記の偏光膜を挟むようにポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合せ偏光板1〜6および8を得た。ここで市販のセルロースアシレートフィルムとしてはフジタックTF80UL(富士写真フイルム(株)製)を用いた。このとき、偏光膜および偏光膜両側の保護膜はロール形態で作製されてるため各ロールフィルムの長手方向が平行となっており連続的に貼り合わされる。従って光学補償シートロール長手方向と偏光子吸収軸と平行な方向となった。
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(Syncmaster172X、三星電子(株)製)に設けられている一対の偏光板を剥がし、代わりに上記の作製した偏光板を、光学補償シートが液晶セル側となるように粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置した。
作製した液晶表示装置について、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)から白表示(L8)までで視野角を測定した。左右で、コントラスト比(白透過率/黒透過率)が10以上の領域を視野角として求めた。測定結果を表2に示す。
2:配向膜を付与したフィルム状支持体
3:RF電極
4:原料ガス(反応ガス+不活性ガスの混合体)
5:メッシュ状接地電極
6:グロー放電プラズマ
7:プラズマ反応室
8:プラズマ反応外室
9:アース
10:搬送ローラー
Claims (12)
- 支持体上に配向膜を形成した後に、その上に液晶性化合物を含む液晶層塗布液を塗布して液晶層を形成してなる光学機能材料において、配向膜上に気相法による表面処理を施してから後に液晶層塗布液を塗布して形成されたことを特徴とする光学機能材料。
- 前記配向膜が、ポリビニルアルコール及び/又は変性ポリビニルアルコールを主成分として含有する配向膜形成用組成物を塗布、乾燥してなる硬化膜であることを特徴とする請求項1記載の光学機能材料。
- 前記配向膜が、ポリイミドを主成分とすることを特徴とする請求項1記載の光学機能材料。
- 前記気相法による表面処理がプラズマ処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学機能材料。
- 前記プラズマ処理における反応ガスが、ハロゲンを含む物質であることを特徴とする請求項4記載の光学機能材料。
- 前記気相法による表面処理が、グロー放電プラズマのアフターグロー領域において施されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学機能材料。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の光学機能材料であって、複屈折性を補償することを特徴とする光学補償シート。
- 透明保護膜、偏光膜、請求項7に記載の光学補償シートがこの順に積層されていることを特徴とする偏光板。
- 偏光膜およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる偏光板を、液晶セルの両側に配置したことからなる液晶表示装置において、液晶セルと偏光膜との間に配置される二枚の透明保護膜の少なくとも一方が、請求項7に記載の光学補償シートであることを特徴とする液晶表示装置。
- 支持体上に配向膜を形成した後に、その上に液晶性化合物を含む液晶層塗布液を塗布して光学異方性層を形成してなる光学機能材料の製造方法であって、支持体上に配向膜を形成した後に、該配向膜上に気相法による表面処理を施す工程を有することを特徴とする光学機能材料の製造方法。
- 請求項10に記載の光学機能材料の製造方法において、前記気相法による表面処理工程が、配向膜を施した支持体のラビング処理工程後に行われることを特徴とする光学機能材料の製造方法。
- 前記支持体がフィルムであって、長尺方向に対して連続的に前記気相法による表面処理が施されることを特徴とする請求項10または11に記載の光学機能材料の製造方法。
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