JP2009025789A - 光学補償フィルムの製造方法および光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置 - Google Patents

光学補償フィルムの製造方法および光学補償フィルム、偏光板、液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】配向膜を形成する塗布膜を均質に硬化させることにより、光学的欠陥を効果的に抑制し、高輝度かつ大画面化の液晶表示装置等に好適な光学補償フィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】走行する支持体4に、ポリマーと該ポリマーを硬化させる硬化用化合物とを有する塗布液を塗布して塗布膜を形成し、乾燥風により乾燥と硬化を行って配向膜を形成する光学補償フィルムの製造方法において、塗布膜が硬化する硬化温度よりも高い温度の乾燥風で恒率乾燥を行う第1の工程と、乾燥変化点での乾燥風の温度を硬化温度まで下げる第2の工程と、硬化温度まで下げた乾燥風で塗布膜の減率乾燥を行い、膜面温度を硬化温度まで上昇させる第3の工程と、膜面温度が硬化温度まで上昇した後、除々に乾燥風温度を下げ、膜面温度を下降させる第4の工程と、を備えたことを特徴とする光学補償フィルムの製造方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学補償フィルムおよび光学補償フィルムの製造方法に係り、特に面状を改良した光学補償フィルム、光学補償フィルムの製造方法、該光学補償フィルムを用いた偏光板、液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、通常、液晶セル、偏光板および光学補償フィルム(位相差板)からなり、主として透過型液晶表示装置および反射型液晶表示装置に大別される。
透過型液晶表示装置では、二枚の偏光板を液晶セルの両側に取り付け、一枚または二枚の光学補償フィルムを液晶セルと偏光板との間に配置する。反射型液晶表示装置では、反射板、液晶セル、一枚の光学補償フィルム、そして一枚の偏光板の順に配置する。
液晶セルは、通常、棒状液晶性分子、それを封入するための二枚の基盤および棒状液晶性部分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子の配向状態の違いにより様々な表示モードが提案されており、透過型については、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)等、反射型については、HAN(Hybrid Aligned Nematic)等が提案されている。
偏光板は、一般的に、偏光膜と透明保護膜とからなっている。該偏光膜は、一般的に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料の水溶液を含浸させ、さらにこのフィルムを一軸延伸することにより得られる。該偏光板はこの偏光膜の両側に二枚の透明保護膜を貼りつけた構成を有する。
光学補償フィルムは、画像着色を解消したり、視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置で用いられている。光学補償フィルムとしては、透明支持体上に液晶性分子(特にディスコティック液晶性分子)から形成された光学異方性層を有する光学補償フィルムを使用することが提案されている。光学異方性層は、液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定化することにより形成する。一般に、重合性基を有する液晶性分子を用いて、重合反応によって配向状態を固定化する。液晶性分子は、大きな複屈折を有する。そして、液晶性分子には、多様な配向形態がある。液晶性分子を用いることで、従来の延伸複屈折フィルムでは得ることができない光学的性質を実現することが可能になった。
光学補償フィルムの光学的性質は、液晶セルの光学的性質、具体的には上記の表示モードの違いに応じて決定する。光学補償フィルムに液晶性分子、特にディスコティック液晶性分子を用いると液晶セルの様々な表示モードに対応する様々な光学的性質を有する光学補償フィルムを製造することができる。ディスコティック液晶性分子を用いた光学補償フィルムでは、様々な表示モードに対応するものが既に提案されている。
透明支持体上に液晶性分子の配向を固定化した光学異方性層を設けた光学補償フィルムを製造する場合、透明支持体と光学異方性層の間に配向膜を設ける。この場合、透明支持体(通常は、セルロースアシレートフィルム)と配向膜との間の密着性が必要になる。また、配向膜の配向はラビング、電界印加、磁場印加、或いは光照射等の処理により行われるが、配向膜上の微小なチリ等の付着が配向の均一性を損なってしまう。特に、ラビング処理では膜表面を擦るために静電気発生への対策が必要となる。こうしたことから、通常、
配向膜は水溶性樹脂硬化膜が適用され、特にポリビニルアルコール系等の水酸基含有の樹脂と硬化剤からなる硬化膜が用いられる。
通常、透明支持体として用いられるセルロースアシレートフィルムは疎水性であるため、水溶性樹脂硬化膜とは親和性が悪く、これを解消するために、接着層としてゼラチン等の下塗り層を設ける(特許文献1参照)、或いは透明支持体(特に、セルロースアセテートフィルム)表面をアルカリ鹸化処理して、支持体表面に密着性を付与して配向膜を設ける(特許文献2参照)等の方法が開示されている。しかし、ゼラチン下塗り層を設ける場合には、支持体の膜厚を薄膜化すると下塗り層に含まれる塗布溶媒等の影響で均一な塗布が出来なくなる等の問題がある。
このような背景から、本出願人は、特許文献3に記載する光学補償フィルムおよびその製造方法を提案した。この光学補償フィルムおよびその製造方法は、配向膜形成用組成物が二つ以上のアルデヒド基を有するアルデヒド化合物と求核性定数(n)が5以上の求核剤を其々少なくとも1種含有する組成物を用いて塗布・加熱硬化されることにより、密着性および良好な面状を両立した光学補償フィルムを得ることができるとされている。また、配向膜の硬化が全体に均一に進行し、かつラビング処理でも膜全体にムラの無い配向状態を形成することができるとされている。したがって、光学異方性層用塗布液を塗布面全体に均一に塗布することができることが開示されている。
特開平11−248940号公報 特開2002−302561号公報 特開2006−119605号公報
ところで、光学特性に優れ、且つ光学的欠陥(例えば輝点欠陥)がない光学補償フィルムを製造するには、配向膜をラビング処理する際に発塵がしないようにするだけではなく、均質な配向膜を形成する必要がある。そして、均質な配向膜を形成するには、支持体に塗布した塗布膜を乾燥・硬化する際に塗布膜の硬化ムラをなくして均質に硬化することが重要なポイントになる。
しかし、従来の特許文献の技術を適用しても、硬化ムラを確実になくして塗布膜を均質に硬化することが十分に達成できず、これらの技術を用いて光学補償フィルムを製造した場合には、上述の光学的な欠陥が発生し易いという問題がある。特に、光学補償フィルムを長尺フィルムとして連続製造する場合には、実用に供する品質のものを製造する得率が著しく低下し、未だ十分な技術とはいえない。
また、近年は、TV用途に適合する高輝度、かつ大画面化の液晶表示装置に対応できる光学補償フィルムが要望されている。更には、光学補償フィルムを偏光膜の片側に配置した偏光板を備えた表示品位の高い液晶表示装置が要望されている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、配向膜を形成する塗布膜を硬化ムラが生じることなく均質に硬化させることができるので、光学的欠陥を効果的に抑制することができ、高輝度かつ大画面化の液晶表示装置や偏光膜の片側に配置した偏光板を備えた表示品位の高い液晶表示装置に好適な光学補償フィルムの製造方法、及びその製造方法により製造された光学補償フィルム、並びにその光学補償フィルムを用いた偏光板、更には液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は、前記目的を達成するために、走行する支持体に、少なくともポリ
マーと該ポリマーを硬化させる硬化用化合物とを有機溶剤性の溶媒に含有させた塗布液を塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜を乾燥風により乾燥と硬化を行って配向膜を形成する乾燥・硬化工程を備えた光学補償フィルムの製造方法において、前記乾燥・硬化工程は、前記塗布膜を前記塗布膜が硬化する硬化温度よりも高い温度の乾燥風で恒率乾燥を行う第1の工程と、前記恒率乾燥から減率乾燥へ移行する乾燥変化点での前記乾燥風の温度を前記硬化温度まで下げる第2の工程と、前記硬化温度まで下げた乾燥風で前記塗布膜の減率乾燥を行って前記膜面温度を硬化温度まで上昇させる第3の工程と、前記膜面温度が硬化温度まで上昇したら、除々に乾燥風温度を下げ、膜面温度を下降させる第4の工程と、を備えたことを特徴とする光学補償フィルムの製造方法を提供する。
請求項1によれば、恒率乾燥での乾燥風の熱は全て塗布膜の溶媒揮発のために使用され、塗布膜の膜面温度は殆ど上昇しないので、硬化温度よりも高い乾燥風の温度で恒率乾燥を行っても硬化用化合物が揮発することはない。これにより、第1の工程では硬化用化合物を揮発させることなく塗布膜の乾燥速度を促進することができる。
しかし、塗布膜中の溶媒が少なくなった減率乾燥期では乾燥風の熱の大部分が膜面温度上昇に使用されるために、従来のように恒率乾燥での高温の乾燥風をそのまま使用していると、膜面温度が急激に上昇して硬化用化合物が揮発する。これにより、塗布膜が硬化する際の硬化用化合物の密度が低下し、均質な配向膜を形成できない。
そこで、本発明では、第2の工程において、恒率乾燥から減率乾燥へ移行する乾燥変化点での乾燥風の温度を硬化温度まで下げるようにした。そして第3の工程では、硬化温度まで下げた乾燥風で減率乾燥を行って膜面温度を硬化温度まで上昇させるようにした。これにより、膜面温度は最高でも硬化温度までしか上昇しないので、硬化用化合物を揮発させることなく恒率乾燥で残存した溶媒の除去と塗布膜の硬化を行うことができる。
さらに、第4の工程において、硬化温度まで上昇した膜面温度を徐々に下降させることとした。第3の工程後において、膜面温度を硬化温度で維持することにより、硬化用化合物が揮発する。したがって、第3の工程後に、乾燥風の温度を下げ、膜面温度も下げることにより、硬化用化合物の揮発を防止する。これにより均質な配向膜を形成できる。
このような均質な膜面の配向膜をラビング処理することで、配向を均一に行うことができると共にラビング処理時における飛粉の発生もないので、光学的欠陥(例えば、面状ムラや輝点欠陥)のない光学補償フィルムを製造することができる。
ここで硬化温度とは、塗布膜を硬化させるのに最低限必要な温度を言い、硬化用化合物の揮発温度よりも低い。また、有機溶剤性の溶媒とは、有機溶剤を含み、例えば有機溶剤と水との混合溶媒をいう。
請求項2は請求項1において、前記硬化用化合物は2以上の架橋性反応基を有するモノマーの1種を少なくとも含有することを特徴とする。
請求項2によれば、硬化用化合物としては、2以上の架橋性反応基を有するモノマーの1種を少なくとも含有するものが、特に、密着性及び良好な面状を両立した光学補償フィルムを製造できるからである。
請求項3は請求項1又は2において、前記乾燥変化点は、前記塗布膜中の固形分量が60〜80%の範囲であることを特徴とする。
請求項3は、第1の工程と、第2の工程との変更点である乾燥変化点の位置を規定した
ものであり、塗布膜中の固形分量が60〜80質量%になる位置とすることが好ましい。したがって、塗布膜中の固形分量を測定することにより、乾燥・硬化工程のどの位置で第1の工程と第2の工程を変更すればよいかが分かる。
請求項4は請求項1から3いずれかにおいて、前記乾燥変化点における膜面温度と乾燥風の温度との差が、45℃以下であり、かつ、該変化点における膜面温度が60℃以上であることを特徴とする。
乾燥状態が乾燥変化点を経過した後は、塗布膜中に有機溶剤の揮発分が少ないため、乾燥風の温度が低くても、乾燥が充分に進行する。逆に、乾燥風の温度が高い場合は、膜面温度が上昇し、塗布膜中の硬化用化合物が揮発し、架橋密度が低下する。したがって、請求項4では、乾燥変化点までに、膜面温度と乾燥風の温度差を上記範囲内にすることを規定したものであり、上記範囲内とすることにより、乾燥変化点以降の膜面温度を下げることができ、硬化用化合物の揮発を抑えることができる。また、乾燥変化点における膜面温度が60℃以上であるため、膜の硬化を促進することができる。
請求項5は請求項1から4いずれかにおいて、前記支持体は、レターデーション値(Re値)が0〜200nmの透明支持体であることを特徴とする。
請求項5によれば、支持体のレターデーション値を上記範囲とすることにより、液晶表示装置用の光学補償フィルムとして好適に用いることができる。
請求項6は請求項1から5いずれかにおいて、前記ポリマーが、ポリビニルアルコール及び/又は変性ポリビニルアルコールを主成分として含有する配向膜形成用組成物であることを特徴とする。
請求項6によれば、ポリマーがポリビニルアルコール及び/又は変性ポリビニルアルコールを主成分としているため、前記配向膜形成層に積層する液晶性化合物との接合強度を適切に維持することができる。
請求項7は請求項2から6いずれかにおいて、前記2以上の架橋反応性基を有するモノマーが2以上のアルデヒド基を有するアルデヒド化合物であることを特徴とする。
請求項7によれば、2以上の架橋反応性基を有するモノマーが2以上のアルデヒド基を有するアルデヒド化合物であるため、支持体と塗布膜との密着性を向上させることができる。
請求項8は請求項1から7いずれかにおいて、前記配向膜は、膜厚が0.06μmから0.45μmであることを特徴とする。
請求項8によれば、形成される配向膜の膜厚を薄くすることにより、配向膜の乾燥時に発生する硬化ムラを抑えることができ、また、輝点の発生を抑えることができるので、均質な配向膜を形成することができる。
請求項9は前記目的を達成するために、請求項1から8いずれかに記載の製造方法により製造された光学補償フィルムを提供する。
.
請求項10は請求項9において、ラビング処理が施されていることを特徴とする。
請求項11は請求項10において、前記塗布膜の上に、液晶性化合物を含む組成物が積層されていることを特徴とする。
請求項12は前記目的を達成するために、請求項11記載の光学補償フィルムを含むことを特徴とする偏光板を提供する。
請求項13は前記目的を達成するために、請求項12記載の偏光板を含むことを特徴とする液晶表示装置を提供する。
請求項9から13は、本発明の製造方法により製造された光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置である。本発明の光学補償フィルムは、架橋密度の低下がなく、均質な配向膜を形成することができるので、上記用途に好適に用いることができる。
本発明によれば、乾燥風の温度を塗布膜の乾燥状態によって下げているため、硬化用化合物の揮発を防止することができ、架橋密度の低下を抑えることができる。したがって、配向膜を形成する塗布膜を硬化ムラが生じることなく、均質に硬化させることができるので、光学低欠陥を効果的に抑制することができる。したがって、高輝度かつ大画面化の液晶表示装置や偏光膜の片側に配置した偏光板を備えた表示品位の高い液晶表示装置に好適な光学補償フィルムの製造方法、及びその製造方法により製造された光学補償フィルム、並びにその光学補償フィルムを用いた偏光板、更には液晶表示装置を提供することができる。
以下本発明の光学補償フィルムの製造方法、その製造方法により製造された光学補償フィルム、該光学補償フィルムを用いた偏光板及び該偏光板を配置した液晶表示装置について詳しく説明する。
まず、光学補償フィルム及びその製造方法について説明する。本発明の光学補償フィルムは予め密着性を付与処理した支持体、配向膜、及び光学異方性(「光学的異方性層」とも言う。)がこの順に積層された層構成を有する。
[支持体]
本発明の支持体は、ガラス、もしくは透明なポリマーフィルムであることが好ましい。支持体は、光透過率が80%以上であることが好ましい。ポリマーフィルムを構成するポリマーの例としては、セルロースエステル(例、セルロースのモノ乃至トリアシレート体)、ノルボルネン系ポリマーでは、アートン及びゼオネックス(いずれも商品名))が挙げられる。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても、国際公開第00/26705号パンフレットに記載のように、分子を修飾することで複屈折の発現性を制御すれば、本発明の光学補償フィルムに用いることができる。本発明に用いられるポリマーフィルムとしては、セルロースエステルフィルムが好ましく、さらにはセルロースアセテートフィルムが好ましい。また、本発明における支持体の厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、40乃至200μmであることがさらに好ましく、30乃至80μmが最も好ましい。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH(王子計
測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rth(λ)は前記Re(λ)、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力す
ることで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。
ポリマーフィルムのレターデーション値は光学補償フィルムが用いられる液晶表示装置やその使用の方法に応じて好ましい範囲が異なり、通常、Re値は0〜200nmの透明支持体であることが好ましい。ポリマーフィルムのRe値を調整するためには延伸のような外力を与える方法が一般的であり、他の方法として、光学異方性を調節するためのレターデーション上昇剤が、場合により添加される。
本発明に用いられるセルロースアシレートは、その原料としては、綿花リンター、ケナフ、木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。また、本発明においてはセルロースからエステル化してセルロースアシレートを作製するが、特に好ましい前述のセルロースがそのまま利用できる訳ではなく、リンター、ケナフ、パルプを精製して用いられる。
本発明において、セルロースアシレートとは、セルロースのカルボン酸エステルのことである。該カルボン酸の総炭素数は2〜22が好ましい。また、本発明のセルロースアシレートは、セルロースの水酸基への置換度が下記数式(1)及び(2)を満足するものが好ましい。
数式(1) : 2.3≦SA’+SB’≦3.0
数式(2) : 0≦SA’≦3.0
ここで、SA’はセルロースの水酸基の水素原子を置換しているアセチル基の置換度、又SB’はセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素原子数3〜22のアシル基の置換度を表す。なお、SAはセルロースの水酸基の水素原子を置換しているアセチル基を表し、SBはセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素原子数3〜22のアシル基を表す。
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部をアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位及び6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合(各位それぞれ100%のエステル化は置換度1)を意味する。
本発明では、SAとSBの置換度の総和(SA’+SB’)は、より好ましくは2.6〜3.0であり、特に好ましくは2.80〜3.00である。
また、SBの置換度(SB’)はより好ましくは0〜1.2であり、特には0〜0.8である。
本発明に用いられるセルロースアシレートの炭素数3〜22のアシル基(SB)としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、シクロアルカンカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましいSBとしては、プロピオニル、ブタノイル、ケプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、(メタ)アクリロイル、フェニルアセチル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、好ましいSBは、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、シクロヘキサンカルボニル、ドデカノイル、オクタデカノイル、オレオイル、(メタ)アクリロイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどである。
セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。
低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルロースエステルとしてはセルロースアセテートが好ましく、その例としては、ジアセチルセルロースおよびトリアセチルセルロースなどが挙げられる。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いることも好ましい。
これらの具体的なアシル基、及びセルロースアシレートの合成方法は、発明協会公開技報公技番号2001−1745号(2001年3月15日発行 発明協会)p.9に詳細に記載されている。
セルロースアセテートでは、セルロースの2位、3位、6位のヒドロキシルが均等に置換されるのではなく、6位の置換度が小さくなる傾向がある。本発明に用いるセルロースアセテートでは、セルロースの6位置換度が、2位、3位に比べて同程度または多い方が好ましい。
2位、3位、6位の置換度の合計に対する、6位の置換度の割合は、30乃至40%であることが好ましく、31乃至40%であることがさらに好ましく、32乃至40%であることが最も好ましい。6位の置換度は、0.88以上であることが好ましい。
セルロースアシレートフィルムは、フィルムを構成するポリマー成分が実質的に前記の定義を有するセルロースアシレートからなることが好ましい。「実質的に」とは、全ポリマー成分(後述する粒子以外のポリマー成分)の55重量%以上(好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上)を意味する。
前記セルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度200〜700、好ましくは230〜550、更に好ましくは230〜350であり、特に好ましくは粘度平均重合度240〜320である。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。更に特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。
また、本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって評価され、その多分散性指数Mw/Mn(Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜5.0であることが好ましく、1.0〜3.0であることがさらに好ましく、1.0〜2.0であることが最も好ましい。
前記セルロースアシレートは、その原料綿や合成方法が前記公技番号2001−1745号p.7−12に詳細に記載されている。
前記したようにレターデーション上昇剤を用いて、支持体の厚み方向のレターデーションを高い値とすることもできる。レターデーション上昇剤としては、芳香族環を少なくとも二つ有し、二つの芳香族環の立体配座を立体障害しない分子構造を有する化合物を使用できる。芳香族化合物は、セルロースアシレート100重量部に対して、0.01乃至20重量部の範囲で使用する。芳香族化合物は、セルロースアシレート100重量部に対し
て、0.05乃至15重量部の範囲で使用することが好ましく、0.1乃至10重量部の範囲で使用することがさらに好ましい。二種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
レターデーション上昇剤としては例えば、欧州特許0911656A2号明細書、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報等記載の化合物等が挙げられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、耐傷性やフィルムの搬送性を良好に保持するために微粒子を添加するのが好ましい。
それらは、マット剤、ブロッキング防止剤あるいはキシミ防止剤と称されて従来から利用されている。それらは、前述の機能を呈する素材であれば特に限定されないが、これらのマット剤の好ましい具体例は、無機化合物としては、ケイ素を含む化合物、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースアシレートフィルムの濁度を低減できるので、二酸化ケイ素が特に好ましい。
また、表面処理された無機微粒子もセルロースアシレート中への分散性が良好となり好ましい。処理法としては、例えば、特開昭54−57562号公報に記載の方法が挙げられる。粒子としては、例えば、特開2001−151936号公報に記載のものが挙げられる。
有機化合物としては、例えば、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、なかでも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。シリコーン樹脂のなかでも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。具体的には、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行 発明協会)の16頁に詳細に記載されている内容のものが好ましく用いられる。可塑剤の添加量は、セルロースエステルの量の0.1乃至25重量%であることが好ましく、1乃至20重量%であることがさらに好ましく、3乃至15重量%であることが最も好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、更に、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−1907073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載されている化合物が挙げられる。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01乃至1重量%であることが好ましく、0.01乃至0.2重量%であることがさらに好ましい。特に好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることができる。紫外線防止剤については、特開平7−11055号公報及び同平7−11056号公報に記載されている化合物が挙げられる。更に、これらの詳細は、上記の公技番号2001−1745の17頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。
作製したセルロースアシレートフィルムの吸湿による寸度変化を小さくするには、疎水基を有する化合物或いは微粒子等を添加することが好ましい。疎水基を有する化合物としては、分子中に脂肪族基や芳香族基のような疎水基を有する可塑剤や劣化防止剤の中で該当する素材が特に好ましく用いられる。これらの化合物の添加量は、調整する溶液(ドープ)に対して0.01乃至10重量%の範囲にあることが好ましい。また、セルロースアシレートフィルム中の自由体積を小さくすればよく、具体的には、後述のソルベントキャスト方法による成膜時の残留溶剤量が少ない方が、自由体積が小さくなる。セルロースアシレートフィルムに対する残留溶剤量が、0.01乃至1.00重量%の範囲となる条件で乾燥することが好ましい。
[支持体の製造方法]
本発明では、ソルベントキャスト法によりセルロースアシレートフィルムを製造することが好ましく、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムは製造される。
用いる有機溶媒としては、従来公知の有機溶媒が挙げられ、例えば溶解度パラメーターで17〜22の範囲のものが好ましい。溶解度パラメーターは、例えばJ. Brandrup、E. H等の「PolymerHandbook(4th. edition)」、VII/671〜VII/714に記載の内容のものを表す。低級脂肪族炭化水素の塩化物、低級脂肪族アルコール、炭素原子数3から12のケトン、炭素原子数3〜12のエステル、炭素原子数3〜12のエーテル、炭素原子数5〜8の脂肪族炭化水素類、炭素数6〜12の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。二種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
具体的には、例えば前記の公技番号2001−1745の12頁〜16頁に詳細の化合物が挙げられる。
特に、本発明では、溶媒は2種類以上の有機溶媒を混合して用いることが好ましく、特に好ましい有機溶媒は、互いに異なる3種類以上の混合溶媒であって、第1の溶媒が炭素原子数が3〜4のケトン類および炭素原子数が3〜4のエステル或いはその混合液であり、第2の溶媒が炭素原子数が5〜7のケトン類またはアセト酢酸エステルから選ばれ、第3の溶媒として沸点が30〜170℃のアルコールまたは沸点が30〜170℃の炭化水素から選ばれることが好ましい。
とくに、酢酸エステルを20〜90重量%、ケトン類を5〜60重量%、アルコール類を5〜30重量%の混合比で用いることがセルロースアセテートの溶解性の点から好ましい。
また、本発明に用いるドープには、上記の有機溶媒以外にフルオロアルコール類を全有機溶媒量の10重量%以下、より好ましくは5重量%以下含有させることもフィルムの透明性を向上させたり、溶解性を早めたりする上で好ましい。フルオロアルコール類としては沸点が165℃以下のものがよく、好ましくは111℃以下がよく、更に80℃以下が好ましい。フルオロアルコール類は好ましくは炭素原子数が2から10程度、より好ましくは2から8程度のものがよい。また、フルオロアルコール類はフッ素原子含有脂肪族アルコールで、置換基があってもなくてもよい。置換基としてはフッ素原子含有或いはなし
の脂肪族置換基、芳香族置換基などがよい。
該フルオロアルコール類としては例えば、特開平8−143709号公報明細書中の段落番号[0020]、同11−60807号公報明細書中の段落番号[0037]等に記載の化合物が挙げられる。これらのフルオロアルコールは一種または二種以上使用してもよい。
また、ハロゲン化炭化水素を含まない非ハロゲン系有機溶媒系が特に好ましい。技術的には、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素は問題なく使用できるが、地球環境や作業環境の観点では、有機溶媒はハロゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」とは、有機溶媒中のハロゲン化炭化水素の割合が5重量%未満(好ましくは2重量%未満)であることを意味する。また、製造したセルロースアセテートフィルムから、メチレンクロリドのようなハロゲン化炭化水素が全く検出されないことが好ましい。
本発明に使用する有機溶媒は具体的には、例えば特開2002−146043号明細書の段落番号[0021]〜[0025]、特開2002−146045号明細書の段落番号[0016]〜[0021]等に記載の溶媒系の例が挙げられる。
本発明のセルロースアシレート溶液を調製する際に、容器内に窒素ガスなどの不活性ガスを充満させてもよい。セルローストリアセテート溶液の製膜直前の粘度は、製膜の際、流延可能な範囲であればよく、通常10〜2000Pa・sの範囲に調製されることが好ましく、特に30〜400Pa・sが好ましい。
本発明に係るセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製については、その溶解方法は特に限定されず、室温溶解法でもよく、冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。これらに関しては、例えば特開平5−163301号、特開昭61−106628号、特開昭58−127737号、特開平9−95544号、特開平10−95854号、特開平10−45950号、特開2000−53784号、特開平11−322946号、さらに特開平11−322947号、特開平2−276830号、特開2000−273239号、特開平11−71463号、特開平04−259511号、特開2000−273184号、特開平11−323017号、特開平11−302388号などの各公報に記載のセルロースアシレート溶液の調製法が挙げられる。以上記載したこれらのセルロースアシレートの有機溶媒への溶解方法は、本発明においても、適宜これらの技術を適用できるものである。さらにセルロースアシレートのドープ溶液は、溶液の濃縮とろ過が通常実施され、同様に前記の公技番号2001−1745の25頁に詳細に記載されている。なお、高温度で溶解する場合は、使用する有機溶媒の沸点以上の場合がほとんどであり、その場合は加圧状態で用いられる。
次に、本発明において、セルロースアシレート溶液を用いたフィルムの製造方法について述べる。セルロースアシレートフィルムを製造する方法及び設備は、セルローストリアセテートフィルム製造に供するドラム方法若しくはバンド方法と称される、従来公知の溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。バンド法を例として製膜の工程を説明すると、溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜に一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。調製したドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延し、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群
で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。これらの各製造工程(流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離、延伸などに分類)については、前記の公技番号2001−1745の25頁〜30頁に詳細に記載された内容が挙げられる。流延工程では1種類のセルロースアシレート溶液を単層流延してもよいし、2種類以上のセルロースアシレート溶液を同時及びまたは逐次共流延しても良い。
[透明支持体の密着性付与の方法]
本発明の光学補償フィルムは、配向膜を塗布方式で設ける場合には、該透明支持体表面に密着性を付与し、配向膜用塗布液が均一に塗工されるように表面処理を施すことが好ましい。
表面処理の方法としては、配向膜の下塗り層を設ける方法が挙げられる。特開平7−333433号公報記載の下塗り層、或いは疎水性基と親水性基との両方を含有するゼラチン等の樹脂層を一層のみ塗布する単層法、第1層として高分子フィルムによく密着する層(以下、下塗第1層と略す)を設け、その上に第2層として配向膜とよく密着するゼラチン等の親水性の樹脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂重層法(例えば、特開平11−248940号公報記載)の内容が挙げられる。
他の表面処理として、コロナ放電処理、グロー放電処理、紫外線照射処理、火炎処理、オゾン処理、酸処理、アルカリ処理等で該フィルム表面を改質する方法が挙げられる。これらについては、詳細が前記の公技番号2001−1745号公報の30頁〜32頁に詳細に記載されている。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアセテートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
[配向膜]
次に、支持体の上に形成される配向膜について説明する。本発明の配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)塗布液を塗布して形成される配向膜が好ましい。配向膜の膜自身の強度、下層或いは上層となる光学異方性層との密着性の観点から、硬化されたポリマー膜であることが好ましい。配向膜は、その上に設けられる液晶性化合物の配向方向を規定するために設けられる。配向膜に配向規定の機能を付与する方法としては、従来公知のラビング、磁場或いは電場の付与、光照射等が挙げられる。
本発明に供される配向膜は、液晶セルの表示モードの種類に応じて変更することが可能である。
液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に垂直に配向している表示モード(例、VA、OCB、HAN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実質的に水平に配向させる機能を有する。液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に水平に配向している表示モード(例、STN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実質的に垂直に配向させる機能を有する。液晶セル内の棒状液晶性分子の多くが実質的に斜めに配向している表示モード(例、TN)では、光学的異方性層の液晶性分子を実質的に斜めに配向させる機能を有する。
本発明における配向膜に使用される具体的なポリマーの種類については、前述した様々な表示モードに対応するディスコティック液晶性分子を用いた光学補償フィルムについての文献に記載がある。
配向膜に使用されるポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができ、これらの組み合わせを複数使用することができる。ポリマーの例として、例えば特開平8−338913号公報明細書中段落番号[0022]記載の化合物が挙げられる。好ましくは水溶性ポリマー(例えば、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール)が挙げられ、この中でもゼラチン、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールがさらに好ましく、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。
ポリビニルアルコールの鹸化度は、70乃至100%が好ましく、80乃至100%がさらに好ましく、85乃至95%が最も好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、100乃至3000であることが好ましい。
変性ポリビニルアルコールの変性基は、共重合変性、連鎖移動変性またはブロック重合変性により導入できる。変性基の例には、親水性基(カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、アンモニウム基、アミド基、チオール基等)、炭素数10〜100個の炭化水素基、フッ素原子置換の炭化水素基、チオエーテル基、重合性基(不飽和重合性基、エポキシ基、アジリニジル基等)、アルコキシシリル基(トリアルコキシ、ジアルコキシ、モノアルコキシ)等が挙げられる。これらの変性ポリビニルアルコール化合物の具体例として、例えば、特開2000−56310号公報明細書中の段落番号[0074]、同2000−155216号公報明細書中の段落番号[0022]〜[0145]、同2002−62426号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0022]に記載のもの等が挙げられる。
また、形成された配向膜の膜厚は0.06〜0.45μmであることが好ましい。膜厚を上記範囲とすることにより、膜厚の差を小さくすることができるので、均一な膜を形成することができ、良好な膜を形成することができる。
[硬化用化合物]
本発明において配向膜形成用組成物は、前記配向膜に使用するポリマー(好ましくは水溶性ポリマー、さらに好ましくはポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール)を硬化するために硬化用化合物として、二つ以上のアルデヒド基を含有するアルデヒド化合物を含有する。具体的な化合物として、例えばグリオキサール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、ピメロアルデヒド、スベロアルデヒド、アゼラアルデヒド、セバコアルデヒド、アスパルアルデヒド、1,2,4−ブタントリカルバルデヒド、3−ホルミルヘキサンジアール、シクロヘキサンジカルバルデヒド、シクロヘキサンジアセトアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ベンゼントリアルデヒド、1,4,5,8−ナフタレンテトラアセトアルデヒド、両末端アルデヒド化ポバール、ジアルデヒドでんぷん等が挙げられる。本発明に供されるアルデヒド化合物はこれらに限定されるものではない。
これらの中で、特に、反応性の高い2官能性(アルデヒド基が2つ)脂肪族アルデヒド化合物が好ましい。
また、供される硬化用化合物として、更に従来公知の架橋剤を併用してもよい。例えばN−メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾール等が挙げられる。具体的には、例えば特開2002−62426号公報明細書中の段落番号[0023]〜[0024]記載の化合物等が挙げられる。
これらの架橋剤を併用する場合は、全硬化用化合物中の30重量%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以下である。
硬化用化合物の添加量は、ポリマーに対して0.1乃至20重量%が好ましく、0.5乃至15重量%がさらに好ましい。配向膜に残存する未反応の硬化用化合物の量は、1.0重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以下であることがさらに好ましい。配向膜中に残存する硬化用化合物が1.0重量%以下であると、充分な耐久性を得ることができるので好ましい。また、そのような配向膜を液晶表示装置に使用することにより、長期の使用、あるいは高温高湿の雰囲気に長期放置した場合にも、レチキュレーションが発生しないので好ましい。
[配向膜に含有される求核剤]
また、配向膜形成用組成物は、Pearson等の求核性定数(nCH3I)が5以上10以下の求核性剤を少なくとも1種含有することが好ましい。好ましくはPearson等の求核性定数(n)が6.5以上10以下であり、より好ましくは7以上10以下である(以降、求核性定数(nCH3I)を求核性定数(n)と表記することもある)。ここで、Pearson等の求核性定数(nCH3I)は、R.G.Pearson、et al.、J.Am.Chem.Soc.、89、1827(1967)に基づくものであり、岡本邦男、「講座有機反応機構3、求核置換反応」pp147((株)東京化学同人(1970年刊))等に記載の内容のものが挙げられる。上記の求核定数(n)となる求核試薬として、例えば以下の試薬が挙げられる(括弧の数字は求核定数(n)を示す)。
有機塩基(例えば、トリエチルアミン(6.66)、ジエチルアミン(7.00)、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(6.73)、ピリジン(5.23)、ピロリジン(7.23)、ピペリジン(7.30)、アニリン(5.70)、N,N−ジメチルアニリン(5.64)等)、NH(5.5)、ArO(Arはアリール基を表し、フェニル基、トリル基、キシリル基、メトキシフェニル基等が挙げられ、例えばフェノレートアニオン(5.75)等)、ヒドロキリルアミン(6.60)、SCN(6.70)、チオ尿素(7.27)、OH(6.58)、I(7.42)、(R)P(Rは炭化水素基又は−OR1基(Rは炭化水素基)を表す。:炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、トリル基等が挙げられる。例えばトリエチルフォスフィン(8.72)、トリブチルフォスフィン(8.69)、トリフェニルフォスフィン(7.00)、トリメトキシフォスフィン(5.00)等)、RS-(Rは炭化水素基を表し、例えばブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、トリル基等が挙げられる。フェニルチオラートイオン(9.92)等)、SO 2−(8.53)、S 2−(8.95)などが挙げられる。
上記の求核試薬として挙げられるアニオン分子は、無機カチオンと塩を形成した化合物として用いられる(本発明で称する「求核剤」)。無機カチオンとしては特に限定されないが、具体的にはアンモニウムカチオン、金属カチオン(金属としてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属等の何れでも良い。例えば、Li、Na、K、Be、Mg、Ca、Ba、Ce、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Co、Cu、Ag、Zn、B、Al等)が挙げられる。より好ましくは、アンモニウムカチオン、或いはLi、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Ti、Zr、Co、Ni、Znから選ばれる金属イオンが挙げられる。
さらに好ましくは、水/メタノールに対しての溶解性が良い塩を形成していることが挙げられる。
これにより、得られた配向膜に配向手段で配向した後に光学異方性層を塗設して得られた光学補償フィルムの塗布面状が良好で白抜け等の光学的欠陥を軽減若しくは解消する改善効果を発現する。推測される理由としては、配向膜に含有する求核性物質が配向膜に含まれる架橋剤を安定かつ均一に分布させることで光学異方性層を塗設した時に液晶分子の配向状態への影響を小さくすることが1つの要因と思われる。当然、添加量により効果は異なってくるため、適時量を調整する必要がある。
本発明の特に好ましい求核剤として、亜硫酸イオンを生じる亜硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)、チオ硫酸イオンを生じるチオ硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)が挙げられる。
配向膜の塗布液の調製法としては、(a)配向膜の素材を溶解した溶液の中に架橋剤、求核剤を別々に添加する方法、(b)高濃度の架橋剤の溶液を作製してその中に求核剤を添加してその混合溶液を配向膜の素材を溶解した溶液に添加する方法、(c)配向膜の素材を溶解した溶液に高濃度の架橋剤と求核剤を溶解させた混合溶液を添加した溶液を添加する方法が挙げられる。高濃度の架橋剤の溶液は10〜50wt%溶液が好ましく、本発明においては(b)乃至(c)の方法で行うことが好ましい。
配向膜は、前記ポリマー、アルデヒド化合物(硬化用化合物)、及び求核剤を少なくとも含有する配向膜形成用組成物の塗布液を支持体上に塗布した後、加熱乾燥し(架橋し)、配向処理することにより形成することができる硬化膜である。架橋反応は、前記のように、支持体上に塗布した後、任意の時期に行なって良い。ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーを配向膜形成用組成物として用いる場合には、塗布液は消泡作用のある有機溶媒(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール等)と水の混合溶媒とすることが好ましい。その比率は重量比で水:メタノールが0:100〜99:1が好ましく、0:100〜91:9であることがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方層の層表面の欠陥が著しく減少するので好ましい。
(求核剤の添加量)
求核剤の添加量は、ポリマーに対して0.001乃至1.0重量%が好ましく、0.005乃至0.8重量%がさらに好ましい。求核剤の添加量が上記範囲内であると、液晶の良好な配向性が得られ、配向欠陥や液晶ドメインのムラが発生しないので好ましい。
[配向膜の形成方法]
配向膜の形成方法について説明する。図1は本発明の光学補償フィルムの製造方法の全体を示す概略図である。フィルムの長尺ロール(フィルムロール)1から送出機1aにより送り出された長尺状の支持体4aは、駆動ローラにより搬送され、表面除塵機2により除塵される。その後、塗布機3により配向膜形成用組成物を含む塗布液が塗布され、乾燥装置5で乾燥され、樹脂層がフィルム表面上に形成される。ここで得られたフィルムは一旦巻き取っても良い。
配向膜形成用組成物を有する支持体4bは、ラビングローラ8、スプリングでローラステージに固定されたガイドローラ6及びラビングローラに備え付けられた除塵機7からなるラビング装置により、ラビング処理が施され、形成された配向膜の表面は、ラビング装置に隣接して設けられた表面除塵機9により除塵される。ラビング装置は、上記以外の公知の装置を使用しても良い。配向膜が形成された支持体4cは、駆動ローラにより搬送され、配向膜上に、液晶性ディスコティック化合物を含む塗布液が塗布機10により塗布される。次いで、溶剤を蒸発させた後、加熱ゾーン11において、塗布層をディスコティックネマティック相形成温度に加熱して(ここで塗布層の残留溶剤も蒸発する)、ディスコティックネマティック相の液晶層を形成する。
上記液晶層は、次いで、紫外線(UV)ランプ12により紫外線が照射され、液晶層は架橋する。架橋させるためには、液晶性ディスコティック化合物として架橋性官能基を有する液晶性ディスコティック化合物を使用する必要がある。架橋性官能基を持たない液晶性ディスコティック化合物を用いた場合は、この紫外線照射工程は省略され、直ちに冷却される。この場合、ディスコティックネマティック相が冷却中に破壊されないように、冷却は急速に行なう必要がある。配向膜及び液晶層が形成された透明フィルムは、検査装置13により透明フィルム表面の光学特性が測定され、異状がないかどうか検査が行なわれる。次いで、液晶層表面に保護フィルム14がラミネート機15によりラミネートされ、巻き取り装置16に巻き取られる。
図2は、配向膜の形成方法の塗布工程および乾燥・効果工程を示す概略図である。
配向膜形成用組成物を塗布機3により塗布する方法としては、上述した配向膜形成用組成物の塗布液をディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート、マイクログラビア法、ダイコート法(エクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)、スライドコート法、押し出しコート法)等の方法を用いて塗布することができる。塗布方式に関しては、各種文献(例えば、Modern Coating and Drying Technology, Edward Cohen and Edgar B. Gutoff, Edits., VCH Publishers, Inc, 1992)に記載されている。少ない塗布量域でも安定に操作できるロッドコーター法、グラビアコーター法、ブレードコーター法、ダイコーター法が好ましく、特に、ロッドコーター法或いはダイコーター法が好ましい。
上記の方法で、支持体上に塗布された配向膜形成用組成物の塗布液は、複数の乾燥ゾーン51を備える乾燥装置5に搬送され、乾燥が行われる。この乾燥装置5内は、支持体の走行方向に直行した複数の仕切り板で仕切ることにより、複数の分割ゾーン51に分割される。そして、各分割ゾーン51に、乾燥風発生手段52、乾燥風を排気する排気手段53および乾燥風を加熱する加熱手段54を備え、乾燥ゾーン51ごとに、乾燥風の温度および風量の調節が可能となっている。そして、この乾燥風の温度および風量を調節することにより、膜面温度の調節が可能である。なお、図2においては、分割ゾーン51を7つのゾーンとして記載しているが、分割ゾーンの数は特に限定されず、配向膜の形成条件により適宜設定が可能である。
また、支持体4bの膜面温度を調節するため、乾燥風の温度および風量を制御する乾燥風制御手段55を備える。膜面温度を調節するためには、乾燥風の温度および膜面温度に基づいて、乾燥風発生手段52、加熱手段54を制御し、乾燥風の温度、風量を制御することにより行う。なお、図2においては、乾燥風制御手段55は、乾燥ゾーン51gにのみ記載したが、すべての乾燥ゾーン51に設けることが好ましい。また、支持体4aの膜面温度を測定する表面温度測定手段としては、赤外線温度計、放射式温度計等の公知の各種測定手段を採用することができる。
乾燥ゾーン51内の温度は、まず、塗布膜が硬化する硬化温度よりも高い温度の乾燥風を乾燥ゾーン51内に供給し乾燥を行う。乾燥初期の恒率乾燥期における乾燥においては、乾燥風の熱のほとんどが塗布膜の溶媒揮発のために使用されるため、効果温度よりも高い乾燥風の温度で乾燥を行っても硬化用化合物が揮発することなく、塗布膜の乾燥を促進することができる(第1の工程)。
次に、塗布膜中の溶媒が少なくなり、減率乾燥期に移行すると、乾燥風の熱の大部分が膜面温度の上昇に使用されるため、恒率乾燥期での乾燥風の温度のまま乾燥を行うと、膜面温度が急激に上昇し、硬化用化合物が揮発する。そのため、塗布膜が硬化する際の硬化用化合物の密度が低下し、均質な配向膜を形成することができない。したがって、第2の工程において、恒率乾燥期から減率乾燥期に移行する乾燥変化点において、乾燥風の温度を硬化温度まで下げることにより硬化用化合物の揮発を防止することができる。
この時、乾燥変化点における膜面温度と乾燥風の温度との差が45℃以下であることが好ましい。より好ましくは温度差が40℃以下である。膜面温度との差を上記範囲内とすることにより、乾燥変化点通過後の膜面温度を事前に下げておくことができるので、硬化用化合物の揮発を抑えることができる。また、乾燥風の風量としては、50Nm/min〜200Nm/minであることが好ましい。なお、Nm(ノルマル立米)は、0℃、1気圧下での気体体積を表すもので、主として排出ガス量などを表す場合に用いられる。1Nmとは、標準状態(0℃、1気圧)に換算したときの1mのガス量を表す。
また、乾燥変化点における膜面温度は60℃以上であることが好ましい。硬化性物質の揮発を抑えるために、乾燥変化点における膜面温度を低くすると、膜の硬化が進まなくなるため、膜面温度は上記温度以上とすることが好ましい。したがって、上記膜面温度を維持するために、乾燥変化点における乾燥風温度は100℃以上とすることが好ましい。
そして、第3の工程において、膜面温度を硬化温度まで上昇させる。第3の工程においては、膜面温度は硬化温度までしか上昇しないため、硬化用化合物を揮発させることなく、恒率乾燥で残存した溶媒の除去と塗布膜の硬化を行うことができる。
最後に、第4の工程において、第3の工程で硬化温度まで上昇した膜面温度を徐々に下降させる。膜面温度を硬化温度で維持することにより、硬化用化合物が揮発するため、硬化温度まで上昇した膜面温度を下げることにより、硬化用化合物の揮発を防止する。膜面温度を下降させる速度としては、50〜200℃/minの速度で下降させることが好ましい。
ここで、乾燥変化点について説明する。図3に乾燥時間に対する膜面温度の温度変化を示す。図3は横軸が乾燥時間、縦軸が膜面温度であり、一定の風速と風温で塗布膜を乾燥させた場合の膜面の温度変化を示す。図3に示すように、乾燥を開始すると、ある時間から湿球温度であった膜面温度が上昇する。上昇前を恒率乾燥期と称し、上昇が開始した点以降を減率乾燥期と称する。また、恒率乾燥期と減率乾燥期との変化点を乾燥変化点と称する。膜面温度が湿球温度である恒率乾燥期においては、膜内の揮発分の膜内移動が充分早く、表面から揮発する液が充分存在する状態である。そして、減率乾燥期では、膜内の揮発分が表面に不足して同じ風を与えても乾燥速度が遅い状態になる。この乾燥変化点において、固形分量を測定すると、60〜80%の間である。
次に、固形分の測定方法について説明する。ここでいう固形分量とは
固形分量(%)=固形分/(揮発分+固形分)×100
である。固形分及び(揮発分+固形分)は、重量測定により、以下の式(1)及び式(2)により求めることができる。
固形分=[A:乾燥終了した膜の重量]−[B:塗布前の支持体の重量]・・・(1)
揮発分+固形分=[C:ある乾燥ゾーンでサンプルした膜の重量]−[B:塗布前の支持体の重量] ・・・(2)
したがって、あるゾーンでサンプルを採取した時に
A:揮発分の沸点以上で絶乾させた重量、
B:Aを脱膜して測った重量、
C:サンプルしてすぐに測った重量、
を各々測定することにより固形分量を得ることができる。
更に、本発明の配向膜形成用組成物の塗布液を支持体に塗布、乾燥し、配向手段で配向させたのちに光学異方性層用塗布液が塗布されるときに、該配向膜の表面がpH4.0〜10.0の範囲に保持されることが好ましい。更にはpH4.5〜8.0がより好ましい。
また、該光学異方性層用塗布液を塗布する際に、塗布の幅方向での配向膜表面のpHの変動幅△pHが±0.30の範囲で行われることが好ましい。より好ましくは、△pHが±0.15の範囲である。
pHの変動幅が上記範囲であると、光学異方性層を塗設された光学補償フィルムは光学的欠陥がより軽減され、好ましい。
配向膜表面のpH値の測定方法は、配向膜を塗設した試料を(温度25℃/湿度65%RH)の環境下に1日静置した後、窒素雰囲気下で純水を10ml乗せて速やかにpHメーターでpH値を読み取る。
本発明の配向膜表面のpH値を特定し、且つ塗布幅方向での△pHを制御するには、上記のロッドコーター法或いはダーコーター法による塗布により行うことができる。更には、膜表面の乾燥温度、乾燥風を用いる場合のその風量、風向等を調節することも有効である。
配向膜は、透明支持体上に設けられる。また、配向膜は、上記のようにポリマー層を架橋したのち、表面をラビング処理することにより形成することができる。
ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を適用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
また、光照射で光配向する場合には、光照射装置としての光源は、超高圧水銀灯、キセノン灯、蛍光灯、レーザ等を用いることが出来、光二量化化合物を、光配向をするには上記光源と偏光膜を組み合わせて(偏光膜を通して)紫外線を直線偏光とし、光配向膜に照射する。偏光膜としては、主に使用されているものとして延伸染色PVAがある。この直線偏光紫外線照射装置としては、例えば、特開平10−90684号公報に開示されているものを用いることが出来る。
配向膜の厚さは、0.01乃至5μmであることが好ましく、0.05乃至1μmであることがさらに好ましい。
[光学異方性層]
本発明の光学異方性層は、液晶性分子から形成され、液晶性分子としては、棒状液晶性分子またはディスコティック液晶性分子が好ましい。棒状液晶性分子としては、例えばアゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。これらの化合物は、例えば日本化学会編季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994年)第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章等の文献記載の化合物等が挙げられる。これら低分子液晶化合物は重合性基を分子内に有することが好ましい(例えば、特開2000−304932号公報明細書段落番号[0016]、特開2002−6138号公報明細書段落番号[0055]等記載)。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。高分子液晶性分子は、以上のような低分子液晶性分子に相当する側鎖を有するポリマーである。高分子液晶性分子を用いた光学補償フィルムについては、特開平5−53016号公報に記載の化合物が挙げられる。
ディスコティック液晶性分子としては、様々な文献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem., vol. 96, 70 (1984);J. M. Lehn et al., J. Chem. Soc., Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されている化合物が挙げられる。ディスコティック液晶性分子の重合については、特開平8−27284号公報の記載が挙げられる。
ディスコティック液晶性分子を重合により固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。円盤状コアと重合性基は、連結基を介して結合する化合物が好ましく、これにより重合反応においても配向状態を保つことが出来る。例えば、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0151]〜[0168]記載の化合物等が挙げられる。
なお、STNモードのような棒状液晶性分子がねじれ配向している液晶セルを、光学的に補償するためには、ディスコティック液晶性分子もねじれ配向させることが好ましい。上記連結基に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。また、不斉炭素原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学的異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。
また、二種類以上のディスコティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、以上述べたような重合性ディスコティック液晶性分子と非重合性ディスコティック液晶性分子とを併用することができる。
非重合性ディスコティック液晶性分子は、前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性分子は、例えば特許第2640083号公報記載の化合物等が挙げられる。
[光学異方性層の他の成分]
上記の液晶性分子と共に、可塑剤、界面活性剤、含フルオロ脂肪族基を含有するポリマー、重合性モノマー、ポリマー、配向剤、傾斜角制御剤等の成分を併用して、塗工膜の均一性、膜の強度、液晶分子の配向性等を向上することが出来る。液晶性分子と相溶性を有し、液晶性分子の傾斜角の変化を与えられるか、あるいは配向を阻害しないことが好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性若しくはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報明細書中の段落番号[0018]〜[0020]記載のものが挙げられる。上記化合物の添加量は、ディスコティック液晶性分子に対して一般に1〜50重量%の範囲にあり、5〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特に含フッ素界面活性剤が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0056]記載の化合物が挙げられる。
ディスコティック液晶性分子とともに使用するポリマーは、ディスコティック液晶性分子に傾斜角の変化を与えられることが好ましい。具体的には、例えば特開2004−13
9015号公報明細書中の段落番号[0036]〜[0094]、特開2004−101820号公報明細書中の段落[0029]〜[0058]記載の化合物が挙げられる。
ポリマーの例としては、セルロースエステルを挙げることができる。セルロースエステルの好ましい例としては、特開2000−155216号公報明細書中の段落番号[0178]記載のものが挙げられる。液晶性分子の配向を阻害しないように、上記ポリマーの添加量は、液晶性分子に対して0.1〜10重量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8重量%の範囲にあることがより好ましい。
ディスコティック液晶性分子のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がさらに好ましい。
上記化合物を用い、特許第2004−139015号公報記載の光学異方層を用いることも挙げられる。
含フルオロ脂肪族基を含有するポリマー(以下「ポリマーA」とする。)としてはフルオロ脂肪族基含有モノマーにより誘導される繰り返し単位と下記一般式(1)で表される繰り返し単位とを含む共重合体が好ましい。
このような化合物としては、例えば、特開2006−119605号公報明細書中の段落番号[0108]〜[0124]に記載の化合物を用いることができる。
光学異方性層の塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド等)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、テトラヒドロフラン、トリオキサン、1,3−ジオキソラン等)、炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン等)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル(例、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン等)、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロパングリコール等)が挙げられる。このうち、アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液の塗布は、公知の方法(例、ロッドコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法(押し出しコーティング法、エクストリュージョン法、スライドコーティング法、スリットコーティング法)により実施できる。
配向剤としては以下の構造の物質を挙げることができる。
一般式(I)
Z−(X−Q)
式中、Zはm価の連結基を表し、好ましくは、芳香環以外の連結基である。mは2以上の整数を表す。XはNRa(Raは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す)、O、Sのいずれかをあらわし、複数のXは同じでも異なっても良い。Qはヘテロ環または芳香環をあらわし、複数のQは同じでも異なっていてもよい。
前記一般式(I)において、Qはヘテロ環または芳香環をあらわし、複数のQは同じでも異なっていてもよい。ヘテロ環の例としては、5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環であり、好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環である。芳香環の例としては、6〜30員の置換もしくは無置換の芳香環であり、好ましくは5、6員の置換もしくは無置換の芳香環基であり、さらに好ましくは、ヘテロ環の芳香環である。
Qが有してもよい置換基としては、特開2006−119605号広報明細書[0129]〜[0142]に記載されている置換基を挙げることができる。
傾斜角制御剤としては、特開2006−119605号公報明細書[0174]〜[0191]に記載されている化合物を用いることができる。
[液晶性分子の配向状態の固定]
液晶性分子は、実質的に均一に配向していることが好ましく、実質的に均一に配向している状態で固定されていることがさらに好ましく、重合反応により液晶性分子が実質的に均一に配向している状態で固定されていることが最も好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例としては、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.5乃至5重量%であることがさらに好ましい。
ディスコティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。
照射エネルギーは、20mJ/cm乃至50J/cmであることが好ましく、100乃至800mJ/cmであることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
光学的異方性層の厚さは、0.1乃至10μmであることが好ましく、0.5乃至5μmであることがさらに好ましく、0.7乃至5μmであることが最も好ましい。ただし、液晶セルのモードによっては、高い光学的異方性を得るために、光学的異方性層を厚く(3乃至10μm)する場合がある。
光学的異方性層内での液晶性分子の配向状態は、前述したように、液晶セルの表示モードの種類に応じて決定される。液晶性分子の配向状態は、具体的には、液晶性分子の種類、配向膜の種類および光学異方性層内の添加剤(例、可塑剤、ポリマー、界面活性剤)の使用によって制御される。
[偏光板の透明保護膜]
本発明の偏光板は偏光膜と透明保護膜を含有することからなる。保護膜が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。透明保護膜としては、一般にセルロースエステルフィルム、好ましくは前記のセルロースアシレートフィルムが用いられる。透明保護膜の厚さは、20〜200μmであることが好ましく、30〜100μmであることがさらに好ましい。特に好ましくは30〜80μmである。通常は偏光膜の両面に透明保護膜を配置する。
本発明では、偏光板の片面に透明保護膜の代わりに光学補償フィルムを用いることが好ましい。すなわち、光学補償フィルムの光学異方性層(複数の光学異方性層を設ける場合、最も偏光膜側の第1光学異方性層)を、偏光膜上に直接液晶性分子から形成するか、もしくは配向膜を介して液晶性分子から形成することが好ましい。具体的には、前記のような光学異方性層用塗布液を偏光膜の表面に塗布することにより光学異方性層を形成する。その結果、偏光膜と光学異方性層との間に透明保護膜を使用することなく、偏光膜の寸度変化にともなう応力(歪み×断面積×弾性率)が小さい薄い偏光板が作成される。本発明による偏光板を大型の液晶表示装置に取り付けると、光漏れなどの問題を生じることなく、表示品位の高い画像を表示する。
[光学補償フィルムの表面処理]
光学補償フィルムを偏光板の透明保護膜の代わりに使用する場合、光学補償フィルムと偏光板の透明保護膜との接着が問題となる。本発明では、光学補償フィルムの偏光膜側の面を表面処理することにより、光学補償フィルムと偏光膜との接着を改善する。表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、オゾン処理、酸処理またはアルカリ処理を実施する。
コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、オゾン処理、酸処理、アルカリ処理等の処理方法は、例えば、前記の公技番号2001−1745の30頁〜31頁に記載の内容が挙げられる。本発明は、アルカリ処理することが好ましく、前記したフィルムの鹸化処理で記載と同様の内容のものが挙げられる。
[偏光膜]
本発明に用いられる偏光膜は、通常、Optiva Inc.に代表される塗布型偏光膜、もしくはバインダーと、ヨウ素または二色性色素とからなる偏光膜が好ましい。
偏光膜におけるヨウ素および二色性色素は、バインダー中で配向することで偏向性能を発現する。ヨウ素および二色性色素は、バインダー分子に沿って配向するか、もしくは二色性色素が液晶のような自己組織化により一方向に配向することが好ましい。
現在、市販の偏光膜は、延伸したポリマーを、浴槽中のヨウ素もしくは二色性色素の溶液に浸漬し、バインダー中にヨウ素、もしくは二色性色素をバインダー中に浸透させるこ
とで作製されるのが一般的である。
市販の偏光膜は、ポリマー表面から4μm程度(両側合わせて8μm程度)にヨウ素もしくは二色性色素が分布しており、十分な偏光性能を得るためには、少なくとも10μmの厚みが必要である。浸透度は、ヨウ素もしくは二色性色素の溶液濃度、同浴槽の温度、同浸漬時間により制御することができる。
上記のように、バインダー厚みの下限は、10μmであることが好ましい。厚みの上限は、液晶表示装置の光漏れの観点からは、薄ければ薄い程よい。現在市販の偏光板(約30μm)以下であることが好ましく、25μm以下が好ましく、20μm以下がさらに好ましい。20μm以下であると、光漏れ現象は、17インチの液晶表示装置で観察されなくなるので好ましい。
偏光膜のバインダーは架橋していてもよい。架橋しているバインダーは、それ自体架橋可能なポリマーを用いることができる。官能基を有するポリマーあるいはポリマーに官能基を導入して得られるバインダーを、光、熱あるいはpH変化により、バインダー間で反応させて偏光膜を形成することができる。
また、架橋剤によりポリマーに架橋構造を導入してもよい。架橋は一般に、ポリマーまたはポリマーと架橋剤の混合物を含む塗布液を、透明支持体上に塗布したのち、加熱を行なうことにより実施される。最終商品の段階で耐久性が確保できれば良いため、架橋させる処理は、最終の偏光板を得るまでのいずれの段階で行なっても良い。
偏光膜のバインダーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。ポリマーの例としては、前記の配向膜で記載のポリマーと同様のものが挙げられる。なかでも、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。変性ポリビニルアルコールについては、特開平8−338913号、同9−152509号および同9−316127号の各公報に記載がある化合物を用いることができる。また、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコールは、二種以上を併用してもよい。
バインダーの架橋剤の添加量は、バインダーに対して、0.1乃至20重量%が好ましい。偏光素子の配向性、偏光膜の耐湿熱性が良好となる。配向膜は、架橋反応が終了した後でも、反応しなかった架橋剤をある程度含んでいる。但し、残存する架橋剤の量は、配向膜中に1.0重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以下であることがさらに好ましい。このようにすることで、偏光膜を液晶表示装置に組み込み、長期使用、或いは高温高湿の雰囲気下に長期間放置しても、偏光度の低下を生じない。架橋剤については、米国再発行特許23297号明細書の記載が挙げられる。また、ホウ素化合物(例、ホウ酸、硼砂)も架橋剤として用いることができる。
二色性色素としては、アゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素あるいはアントラキノン系色素が用いられる。二色性色素は、水溶性であることが好ましい。二色性色素は、親水性置換基(例、スルホ、アミノ、ヒドロキシル)を有することが好ましい。二色性色素の例としては、例えば、発明協会公開技報、公技番号2001−1745号、58頁(発行日2001年3月15日)に記載の化合物が挙げられる。
液晶表示装置のコントラスト比を高めるためには、偏光板の透過率は高い方が好ましく、偏光度も高い方が好ましい。偏光板の透過率は、波長550nmの光において、30乃至50%の範囲にあることが好ましく、35乃至50%の範囲にあることがさらに好まし
く、40乃至50%の範囲にあることが最も好ましい。偏光度は、波長550nmの光において、90乃至100%の範囲にあることが好ましく、95乃至100%の範囲にあることがさらに好ましく、99乃至100%の範囲にあることが最も好ましい。
偏光膜と光学異方性層、あるいは、偏光膜と配向膜を、接着剤を介して配置することも可能性である。接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂(アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基による変性ポリビニルアルコールを含む)やホウ素化合物水溶液を用いることができる。ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。接着剤層の厚みは、乾燥後に0.01乃至10μmの範囲にあることが好ましく、0.05乃至5μmの範囲にあることが特に好ましい。
[偏光板の製造]
偏光膜は、歩留まりの観点から、バインダーを偏光膜の長手方向(MD方向)に対して、10乃至80度傾斜して延伸するか(延伸法)、もしくはラビングした(ラビング法)後に、ヨウ素、二色性染料で染色することが好ましい。傾斜角度は、LCDを構成する液晶セルの両側に貼り合わされる2枚の偏光板の透過軸と液晶セルの縦または横方向のなす角度にあわせるように延伸することが好ましい。
通常の傾斜角度は45゜である。しかし、最近は、透過型、反射型および半透過型LCDにおいて必ずしも45゜でない装置が開発されており、延伸方向はLCDの設計にあわせて任意に調整できることが好ましい。
延伸法の場合、延伸倍率は2.5乃至30.0倍が好ましく、3.0乃至10.0倍がさらに好ましい。延伸は、空気中でのドライ延伸で実施できる。また、水に浸漬した状態でのウェット延伸を実施してもよい。ドライ延伸の延伸倍率は、2.5乃至5.0倍が好ましく、ウェット延伸の延伸倍率は、3.0乃至10.0倍が好ましい。延伸工程は、斜め延伸を含め数回に分けて行ってもよい。数回に分けることによって、高倍率延伸でもより均一に延伸することができる。斜め延伸前に、横あるいは縦に若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度)を行ってもよい。
延伸は、二軸延伸におけるテンター延伸を左右異なる工程で行うことによって実施できる。上記二軸延伸は、通常のフィルム製膜において行われている延伸方法と同様である。二軸延伸では、左右異なる速度によって延伸されるため、延伸前のバインダーフィルムの厚みが左右で異なるようにする必要がある。流延製膜では、ダイにテーパーを付けることにより、バインダー溶液の流量に左右の差をつけることができる。
以上のように、偏光膜のMD方向に対して10乃至80度斜め延伸されたバインダーフィルムが製造される。
ラビング法では、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されているラビング処理方法を応用することができる。すなわち、膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維を用いて一定方向に擦ることにより配向を得る。一般には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布を用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
ロール自身の真円度、円筒度、振れ(偏芯)がいずれも30μm以下であるラビングロールを用いて実施することが好ましい。ラビングロールへのフィルムのラップ角度は、0.1乃至90゜が好ましい。ただし、特開平8−160430号公報に記載されているように、360゜以上巻き付けることで、安定なラビング処理を得ることもできる。
長尺フィルムをラビング処理する場合は、フィルムを搬送装置により一定張力の状態で1〜100m/minの速度で搬送することが好ましい。ラビングロールは、任意のラビング角度設定のためフィルム進行方向に対し水平方向に回転自在とされることが好ましい。0〜60゜の範囲で適切なラビング角度を選択することが好ましい。液晶表示装置に使用する場合は、40乃至50゜が好ましい。45゜が特に好ましい。
偏光膜の光学異方性層とは反対側の表面には、前記透明保護膜を配置する(光学異方性層/偏光膜/透明保護膜の配置とする)ことが好ましい。
透明保護膜は、その最表面が防汚性及び耐擦傷性を有する反射防止膜を設けてなることも好ましい。反射防止膜は、従来公知のいずれのものも用いることが出来る。
上記のようにして、本発明の偏光板が製造される。本発明の光学補償フィルムまたは該光学補償フィルムを用いた偏光板は、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置に有利に用いられる。
以下、液晶表示装置、特に透過型液晶表示装置及びその製造について詳しく説明する。
[液晶表示装置]
本発明の透過型液晶表示装置は、液晶セル及びその両側に配置された二枚の偏光板を含有することからなる。液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。光学補償フィルムは、液晶セルと一方の偏光板との間に、一枚配置するか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置する。光学異方性層の好ましい形態については、各液晶モードで任意に設定が可能である。
[反射防止膜付きの偏光板]
本発明の偏光板は、空気側の偏光膜の保護膜の表面上に更に反射防止膜を設けてなることが好ましい。これにより、外光の写り込みが著しく軽減若しくは解消されて、鮮明な画像表示が可能となる。反射防止膜は偏光膜の保護膜上に直接設ける、或いは透明支持体上に反射防止膜を設けた反射防止フィルムを偏光膜保護膜と貼り合せる態様が挙げられる。偏光板の薄膜化から、前者の態様が好ましい。
[反射防止膜]
反射防止膜は、一般に、防汚性層でもある低屈折率層、及び低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(すなわち、高屈折率層、中屈折率層)とを透明支持体上に設けてなる。
反射防止膜の形成方法としては、屈折率の異なる無機化合物(金属酸化物等)の透明薄膜を積層させて多層膜とする方法;化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法により薄膜を形成する方法;金属アルコキシド等の金属化合物のゾル/ゲル方法でコロイド状金属酸化物粒子皮膜を形成後に後処理(紫外線照射:特開平9−157855号公報、プラズマ処理:特開2002−327310号公報)して薄膜を形成する方法などが挙げられる。さらに生産性が高い反射防止膜の形成方法として、無機粒子をマトリックスに分散させてなる薄膜組成物を積層塗布して反射防止膜を形成する方法など各種の提案がなされている。またこの塗布による反射防止膜に、最上層表面が微細な凹凸の形状を有している防眩性を付与した反射防止膜も挙げられる。
以下に、実施例により本発明の実質的な効果を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1、比較例1、2)
本実施例においては、光学補償フィルムの材料として、まず、支持体の材料としてセルローストリアセテートフィルム(富士フイルム(株)製)を用いて、支持体を製造した。その後、支持体上に配向膜として変性ポリビニルアルコールを材料として光学補償フィルムの製造を行った。表1および図4〜6に、各乾燥ゾーンにおける塗布膜の膜面温度、乾燥風の給気温度、および膜面温度と給気温度との差を示す。図4〜6に示すように実施例1および比較例1、2の乾燥変化点は、乾燥ゾーンNo.3の位置である。
実施例1においては、乾燥ゾーンNo.3の膜面温度を乾燥ゾーンNo.2の膜面温度より高く設定しており、製造後の膜についても、フィルム10m当たりの輝点の数が、0.9〜1.2ヶと良好な面状のフィルムを得ることができた。
比較例1は、恒率乾燥期と乾燥変化点の膜面温度において、乾燥変化点の膜面温度が高く、乾燥変化点経過後の温度が、実施例1より高い温度としている例である。また、比較例2も、乾燥変化点の膜面温度が、恒率乾燥期より高く、また、乾燥変化点経過後においても膜面温度を高温に維持している例である。
比較例1、2より、フィルム10m当たりの輝点の数が、比較例1では、1.3〜2.4ヶ、比較例2では2.1〜3.1ヶであり、実施例1と比較し、面状が悪化していた。

(実施例2〜9)
次に、形成する配向膜の膜厚について検討を行った。配向膜の膜厚は、配向膜形成用組成物中の固形分濃度を調節することにより行った。配向膜形成用組成物の組成および結果を表2に示す。なお、乾燥風は実施例1と同様の方法により供給し、乾燥を行った。


表中の変性ポリビニルアルコールおよびカルボン酸化合物は、下記式で表わされる化合物を示す。

[外観評価]
作成した光学補償フィルムについて、外観観察により、液晶化合物層の配向性、ムラ・輝点発生度について評価を行った。また、膜厚の測定は、四酸化オスミニニウム蒸気に被検体を晒した後、SEM(日本電子製 JSM 6700F)にて観察、標準スケールとの対比にて厚みを測定した。なお、表中の記号は以下の意味を示す。
<液晶化合物層の配向性>
○・・・肉眼で配向性不良は発生していなかった。
△・・・肉眼でわずかに配向性不良が観察された。
×・・・肉眼で明らかに配向性不良が観察された。
<ムラ・輝点発生度>
○・・・肉眼でムラ・輝点欠陥は認識できなかった。
△・・・肉眼でわずかなムラ欠陥のみが観察された。
×・・・肉眼でも明らかにムラ・輝点欠陥が観察された。
表2より膜厚が0.06〜0.45μmの実施例3〜8についてはムラと輝点のいずれの発生も見られず良好な光学補償フィルムを製造することができた。以上より、配向膜の膜厚を0.06〜0.45μmとすることにより、さらに良好な膜を形成することができることが確認できた。
光学補償フィルムの製造方法の全体を示す概略図である。 配向膜の形成方法の塗布工程および乾燥・効果工程を示す概略図である。 一定の温度条件下での乾燥時間に対する膜面温度の温度変化を示す図である。 実施例の結果を示す図である。 実施例の結果を示す図である。 実施例の結果を示す図である。
符号の説明
1…長尺ロール、1a…送出機、2…表面除塵機、3…塗布機、4…支持体、5…乾燥
装置、6…ガイドローラ、7…除塵機、8…ラビングローラ、9…表面除塵機、10…塗布機、11…加熱ゾーン、12…紫外線(UV)ランプ、13…検査装置、14…保護フィルム、15…ラミネート機、16…巻き取り装置、51…乾燥ゾーン、52…乾燥風発生手段、53…排気手段、54…加熱手段、55…乾燥風制御手段、

Claims (13)

  1. 走行する支持体に、少なくともポリマーと該ポリマーを硬化させる硬化用化合物とを有機溶剤性の溶媒に含有させた塗布液を塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜を乾燥風により乾燥と硬化を行って配向膜を形成する乾燥・硬化工程を備えた光学補償フィルムの製造方法において、
    前記乾燥・硬化工程は、
    前記塗布膜を前記塗布膜が硬化する硬化温度よりも高い温度の乾燥風で恒率乾燥を行う第1の工程と、
    前記恒率乾燥から減率乾燥へ移行する乾燥変化点での前記乾燥風の温度を前記硬化温度まで下げる第2の工程と、
    前記硬化温度まで下げた乾燥風で前記塗布膜の減率乾燥を行って前記膜面温度を硬化温度まで上昇させる第3の工程と、
    前記膜面温度が硬化温度まで上昇したら、除々に乾燥風温度を下げ、膜面温度を下降させる第4の工程と、を備えたことを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
  2. 前記硬化用化合物は2以上の架橋性反応基を有するモノマーの1種を少なくとも含有することを特徴とする請求項1記載の光学補償フィルムの製造方法。
  3. 前記乾燥変化点は、前記塗布膜中の固形分量が60〜80%の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の光学補償フィルムの製造方法。
  4. 前記乾燥変化点における膜面温度と乾燥風の温度との差が、45℃以下であり、かつ、該変化点における膜面温度が60℃以上であることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の光学補償フィルムの製造方法。
  5. 前記支持体は、レターデーション値(Re値)が0〜200nmの透明支持体であることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の光学補償フィルムの製造方法。
  6. 前記ポリマーが、ポリビニルアルコール及び/又は変性ポリビニルアルコールを主成分として含有する配向膜形成用組成物であることを特徴とする請求項1から5いずれか記載の光学補償フィルムの製造方法。
  7. 前記2以上の架橋反応性基を有するモノマーが2以上のアルデヒド基を有するアルデヒド化合物であることを特徴とする請求項2から6いずれか記載の光学補償フィルムの製造方法。
  8. 前記配向膜は、膜厚が0.06μmから0.45μmであることを特徴とする請求項1から7いずれか記載の光学補償フィルムの製造方法。
  9. 請求項1から8いずれかに記載の製造方法により製造された光学補償フィルム。
  10. ラビング処理が施されていることを特徴とする請求項9記載の光学補償フィルム。
  11. 前記塗布膜の上に、液晶性化合物を含む組成物が積層されていることを特徴とする請求項10記載の光学補償フィルム。
  12. 請求項11記載の光学補償フィルムを含むことを特徴とする偏光板。
  13. 請求項12記載の偏光板を含むことを特徴とする液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013108648A (ja) * 2011-11-18 2013-06-06 Dainippon Printing Co Ltd 乾燥装置および乾燥方法
JP2014147909A (ja) * 2013-02-04 2014-08-21 Fujifilm Corp 塗膜形成方法及び装置並びに磁気記録媒体製造方法及び装置
WO2019225517A1 (ja) * 2018-05-23 2019-11-28 富士フイルム株式会社 積層体の製造方法
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