JP2007085993A - 歪センサとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】センサを構成する感歪抵抗体の抵抗値が所定範囲内に入らなかった場合、ブリッジ回路を構成できないという課題があった。
【解決手段】基板上に、ガラス層25を介して形成された複数の感歪抵抗体52が、配線によってブリッジ回路を形成されてなる歪センサにおいて、前記感歪抵抗体52の少なくとも一側面に接続される配線がトリミング配線21a、21bである歪センサであり、前記トリミング配線21a、21bをオーバーコート53越しに切断する。
【選択図】図1
【解決手段】基板上に、ガラス層25を介して形成された複数の感歪抵抗体52が、配線によってブリッジ回路を形成されてなる歪センサにおいて、前記感歪抵抗体52の少なくとも一側面に接続される配線がトリミング配線21a、21bである歪センサであり、前記トリミング配線21a、21bをオーバーコート53越しに切断する。
【選択図】図1
Description
本発明は、トリミング配線を有するセンサの製造方法に関するものである。
従来、感歪抵抗体を用いたセンサが、パソコンのポインティングスティック等の様々な用途に使われている。更に近年では、乗用車用のスマートエアバッグ用のセンサ用途でも広く使われようとしている。
図17は従来のセンサに変位を与える様子を示す図である。図17(A)はセンサの斜視図、図17(B)はセンサの断面図である。図17(A)において、基板1の上には、複数の感歪抵抗体2が所定のブリッジ回路を形成するように形成されている。なお図17において、複数の感歪抵抗体2の間を接続する配線や感歪抵抗体上を覆う保護層、ブリッジ回路に接続された半導体チップや各種チップ部品、信号取り出し用のソケット等は記載していない。
そして基板1の上に、矢印3で示すような力をかけることで、図17(B)に示すように基板1がS字状に変形する。このS字の変形に応じて、基板1の上に形成されている感歪抵抗体2はその形成位置においてそれぞれ伸びたり縮んだりして抵抗値変化する。そしてこれら複数の感歪抵抗体2がホイートストーンブリッジ回路を形成するように電気的に接続することで歪センサとして機能する。
また補助線4は、基板1の中心線(もしくは基板1の歪測定で一番感度が良い部分等)である。図17(A)に示すように、感歪抵抗体2を補助線4の上に形成することで、歪センサとしての感度を高められる。また図17(A)におけるネジリ5は、基板を左右にねじる(もしくは回転させる)方向を示す。
基板1にこうしたネジリ5が発生した場合、感歪抵抗体2の抵抗値にもその影響を与えてしまうことがある。これは本来測定した矢印3に示す力以外に、ネジリ5による変形を感歪抵抗体2が拾ってしまうためである。こうした測定誤差やノイズを低く抑えるためには、感歪抵抗体は基板の中心に設けることが望ましい。具体的にはネジリ5等の不要な歪の影響を低減するためにも、複数の感歪抵抗体2は、コンピュータ上で構造設計(もしくは有限要素法等で設計)されて最適化された場所(例えば補助線4)の上に形成することが望ましい。このように、感歪抵抗体2の形成位置を最適化することで、基板1に印加された様々な力の中で必要な方向の変位量を高精度に検出することができる。こうした意味で、感歪抵抗体2の形成位置は重要である。
これら複数の感歪抵抗体2を用いてブリッジ回路を形成する場合、互いの抵抗値を一定値に揃える必要がある。しかし感歪抵抗体ペースト6を印刷、焼成して感歪抵抗体2を形成する場合、抵抗値が目的値からずれてしまい、ブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体の抵抗値が互いにばらついたりする場合がある。こうした課題について図18を用いて説明する。図18は感歪抵抗体ペーストが印刷時にだれる様子を説明する図である。図18において、感歪抵抗体ペースト6は配線7の上に一部が重なるように印刷される。またA−Aにおける断面図が図18(B)である。そして配線7の上に印刷された感歪抵抗体ペースト6が、図18(B)のこぶ10や、図18(A)のダレ9の発生の要因となる。そして、こうしたダレ9の程度の大小が、感歪抵抗体ペースト6が焼成されてなる感歪抵抗体2の抵抗値バラツキの大きな要因になる。
こうしたダレ9の発生を低減する方法として、特許文献1では、配線の一部に凸状部分を形成することが提案されている。図19は凸状部分で抵抗値バラツキを低減する様子を示す図であり、図19(A)はその上面図、図19(B)はそのA−A断面図である。図19において、配線7には凸部11が形成されている。図19の場合、抵抗値は主に凸部11の間隔と幅によって決まってしまうため、ダレ9の影響を低減できることが考えられる。しかしこうしたダレ防止策を用いても、抵抗値バラツキを無くすことは困難である。これは感歪抵抗体ペースト6によるバラツキを抑えながら高精度に印刷したとしても、焼成条件によってその抵抗値の出方が影響を受けるためである。
こうした課題もあって、抵抗値バラツキを抑える手法としては角チップ抵抗器等でレーザートリミングが広く用いられている。図20、図21は感歪抵抗体をレーザートリミングする様子を示す図である。図20は感歪抵抗体がレーザートリミングされる様子を示す断面図である。図20において、レーザー装置12から出たレーザー13は、感歪抵抗体2に照射され孔14を形成すると共に、孔14の内容物をドロス15a、15bとして周囲に飛び散らせる。更にレーザー13は、マイクロクラック16を孔14の周囲に発生させる。またレーザー装置12のパワーによっては、孔14は感歪抵抗体2の下部に形成されているガラス層17や内部電極18にまで影響を与える。なおドロス15a、15bとは、レーザー13が照射された部分の部材(例えば感歪抵抗体2やガラス層17)が、外部に飛び散ったもの(もしくはそれが他の場所に付着したもの)であり、これが孔14の周囲に付着するため、抵抗値にも影響を与える場合がある。更にレーザー13が照射された部分の感歪抵抗体2は、レーザー13による急速加熱溶解/急速冷却されるため、抵抗値やTCR(抵抗値の温度特性)が大きく変化してしまうことが知られている。
図21(A)はレーザートリミングされる前の感歪抵抗体の様子を示す上面図であり、感歪抵抗体中心19は、予め補助線4に合わせて最適化された位置に形成されている。図21(B)は、レーザートリミングされた後の感歪抵抗体の様子を示す上面図であり、トリミングによって孔14や、孔14の周囲にマイクロクラック16が形成されたことで、感歪抵抗体2における電流の流れる場所が限定されてしまうことが判る。そしてトリミング後の感歪抵抗体2の中心は、20の箇所に移動する。このように感歪抵抗体2のトリミング場所やトリミング量によって感歪抵抗体2の中心位置(もしくは感歪抵抗体2を流れる電流の中心位置)がバラバラに変化してしまうため、トリミング量の大小がセンサの感度に対して影響を与えてしまう可能性がある。
図22は、感歪抵抗体の上にオーバーコートを形成する前後で、抵抗値が変化する様子を示す図である。図22において、X軸はオーバーコート形成温度(単位は℃)、Y軸は抵抗値変化である。Y軸の0(ゼロ)はオーバーコートの形成前後で抵抗値が変化しない場合を示す。Y軸のプラス(抵抗値増加)はオーバーコート形成後で抵抗値が増加する様子を、Y軸のマイナス(抵抗値減少)はオーバーコートの形成後で抵抗値が減少する様子を示す。図22において、矢印8は抵抗値バラツキを示すものである。図22において、オーバーコートの形成温度が500℃付近では、抵抗値がオーバーコートの形成前に比べて増加していることが判る。また図22において、オーバーコートの形成温度が600℃付近では、抵抗値がオーバーコートの形成前に比べて低下していることが判る。そしてオーバーコートの形成温度が800℃付近では、抵抗値がオーバーコートの形成前に比べて増加していることが判る。そのため実際は、オーバーコートによる抵抗値変化が少ない処理温度(図22では、温度Aや温度Bに相当する)において、オーバーコートを形成することが望ましい。しかし温度Aや温度Bであっても、実際の生産工程では矢印8に示すように抵抗値がばらついてしまう。このように、オーバーコート形成前に抵抗値を所定値にトリミングした場合であっても、オーバーコートを形成することで抵抗値がばらついてしまう課題があった。特にこのような課題は、感歪抵抗体に厚膜抵抗体、オーバーコートにガラス系の材料を用いた場合に発生しやすい。
なお従来より、薄膜を用いた角チップ抵抗器において、オーバーコート越しに感歪抵抗体にレーザーを照射し、抵抗値を調整しようとするトリマブルチップ抵抗器が提案されているが、薄膜抵抗体を使った場合、歪に対する抵抗値の変化率が小さくてセンサとしての特性が得られない場合がある。また歪に対する抵抗値の変化率の大きな厚膜抵抗体を使った場合、オーバーコート越しに感歪抵抗体にレーザーを照射し感歪抵抗体を切断することは、図20で示したように難しい。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1や特許文献2が知られている。
特開2004−99432号公報
特公平6−48714号公報
しかしながら、前記従来の構成では、感歪抵抗体をレーザートリミングしてしまうため、レーザートリミングの影響を受けて感歪抵抗体のTCRやその中心位置が変化してしまう可能性があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、感歪抵抗体では無くて配線側をトリミングすることで、感歪抵抗体のTCRやその中心変化を最小限に抑えようとするものであり、またオーバーコート越しにもしくは前記オーバーコートに形成した窓を介して、配線を切断もしくは不導体化することで、オーバーコート形成による抵抗値の変化も防止できる。
前記従来の課題を解決するために、本発明は上記課題を解決するもので、感歪抵抗体を切断するのではなくて、感歪抵抗体に接続されているトリミング配線を、オーバーコート越しにレーザー等で切断もしくは不導体化することによって、感歪抵抗体にダメージを与えることなく、抵抗値を所定値に調整できるため、製品の歩留りや生産性を上げられセンサの低コスト化を実現することを目的としている。
この目的を達成するために、本発明は、感歪抵抗体と前記感歪抵抗体に接続されてなるトリミング配線を備えたセンサであり、トリミング配線を必要に応じてオーバーコート越しにもしくは前記オーバーコートに形成した窓を介して、所定本数だけ切断もしくは不導体化することで抵抗値を目的値に調整することができる。
以上のように本発明によれば、感歪抵抗体にダメージを与えることなく抵抗値を所定値に調整することができるため、センサの製造コストを下げられる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、本発明の特に請求項1、2、3、6、7の発明について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態1について、本発明の特に請求項1、2、3、6、7の発明について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1におけるトリミング配線付きセンサの感歪抵抗体部分を説明する図であり、図1(A)はその上面図、図1(B)はその断面図である。図1(A)において、配線の一部が複数本に分かれた状態で感歪抵抗体の一側面に接続されたトリミング配線21a、21bであり、本発明では感歪抵抗体52の代わりにトリミング配線21a、21bをレーザー等で切断することになる。また図1(A)において、53はオーバーコートであり、少なくとも感歪抵抗体52とトリミング配線21a、21bの上に形成されている。
実施の形態1では、感歪抵抗体52の両側に、合計2本のトリミング配線21a、21bが接続された場合について説明するものである。図1(A)において22a、22bは重なり部分であり、感歪抵抗体52とトリミング配線21a、21bが重なる場所を示す。図1(B)は、図1(A)のA−A断面図であり、図1(B)よりガラス層25の上に形成されたトリミング配線21a、21bの上に、感歪抵抗体52が覆いかぶさるように形成されている様子が判る。
このように、ガラス層25の上に形成されたトリミング配線21a、21bの上に、感歪抵抗体52を形成することによって、前記感歪抵抗体52の抵抗値を前記感歪抵抗体に影響を与えることなく所定値に調整できる。
次に実施の形態1における抵抗値調整方法(もしくはトリミング方法)について、図2を用いて説明する。図2はトリミング配線付きセンサの抵抗値をオーバーコート越しにレーザーでトリミングする様子について説明する図である。
図2(A)に示す感歪抵抗体52の抵抗値が目的値からずれている場合、図2(B)に示すように、トリミング配線21aの一部を切断することで抵抗値を一定量増加できる。図2(B)はトリミング配線21aの一部に、レーザー装置55からオーバーコート越しにレーザー56を照射して、前記トリミング配線21aの一部を切断(もしくは不導体化)する様子を示す。また図2(A)において、補助線57は互いに感歪抵抗体52のX方向、Y方向での中心線に相当し、その交点を抵抗体中心58としている。
図2(A)において、感歪抵抗体52の両端にはトリミング配線21a、21bが接続されており、図2(A)に示すようなトリミング配線付きセンサの抵抗値が目的値とずれていた場合、図2(B)に示すように、トリミング配線21aの一部を、レーザー装置55から照射されるレーザー56によって切断することができる。図2(B)に示すように、本実施の形態1の抵抗値調整方法は、感歪抵抗体52ではなくてトリミング配線21aの一部を切断することになる。そのため、感歪抵抗体52にレーザートリミングに起因するダメージは発生しない。そして感歪抵抗体52にはレーザートリミングダメージが発生していないため、レーザートリミング前後で抵抗値は変化しても、感歪抵抗体52自身にはレーザー56等の影響は無いため、TCR(抵抗値の温度特性)やESD(抵抗体の静電気に対する影響の度合い)は変化しない。また抵抗体中心58自身もレーザートリミング前後で殆ど変化しない。
このように、トリミング配線21a、21bに、レーザー56によって切断可能なものを用いることで、図1に示したセンサの抵抗値が所定値と異なった場合でも、前記トリミング配線21a、21bを所定本数、レーザー56で切断することによって、抵抗値を調整でき、センサの歩留りを高められる。
また、金属基板上にガラス層を介して形成された複数の感歪抵抗体52の両側面に接続される配線をトリミング配線21a、21bとすることで、図2に示すように抵抗値トリミングをすることができる。
そして図1や図2に示すように、ガラス層25を介して形成された複数の感歪抵抗体52の一部はトリミング配線21a、21bを介して、図17に示すような所定のブリッジ回路を形成する配線に接続することで、トリミング配線21a、21bを有する歪センサとすることができる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2について、本発明の特に請求項4、13、36、37、46、47の発明について図面を参照しながら説明する。
以下、実施の形態2について、本発明の特に請求項4、13、36、37、46、47の発明について図面を参照しながら説明する。
図3は本発明の実施の形態2におけるトリミング配線付きセンサをトリミングする様子を示す断面図である。図3(A)と図3(B)はオーバーコート53に形成された窓を介して抵抗値をトリミングする様子を示す断面図である。まず図3(A)に示すようにオーバーコート53の一部に、トリミング配線21aを露出するように窓59を形成しておく。そして図3(A)に示すように窓59の中に露出したトリミング配線21aをレーザー56によって切断する。そして抵抗値が所定値に調整された後、窓59を封止材60で覆うことで、感歪抵抗体52(図3には図示していない)にダメージを与えることなく、抵抗値を所定値に調整でき、製品歩留りを高められる。
図3(C)と図3(D)は、オーバーコート53を介して、トリミング配線21aをトリミングする様子を示す断面図である。図3(C)に示すようにオーバーコート53を介して、レーザー56をトリミング配線21aに照射し、トリミング配線21aの所定部分を切断(もしくは不導体化、高抵抗化)し、図3(D)に示すような状態とする。
なおオーバーコート53は、ガラスもしくは樹脂を主体とした厚み5μm〜5mmのものとし、少なくとも前記感歪抵抗体52とトリミング配線21a、21b(図3には図示していない)を覆うものであることが望ましい。オーバーコート53の厚みが5μm未満の場合、ピンホール等の影響を防止しきれない場合がある。またオーバーコート53の厚みが5mmを超えると、製品コストに影響を与える場合がある。またオーバーコート53は透明もしくはレーザー56に対して透過性を有するものが望ましい。これはオーバーコート53が着色されている場合(もしくはレーザー56を吸収しやすい場合)、照射したレーザー56がトリミング配線21a、21bに届きにくくなるためである。なおオーバーコート53は全面が透明もしくは透過性を有する必要は無く、レーザー56を照射する部分だけ透明であれば良く、それ以外の部分は適当に着色(例えば黒色)してもよい。またレーザー56の波長を可視光以外の波長としても良い。例えば市販のYAG等のレーザー56を使っても良く、この場合レーザー56の波長域でレーザー56の透過性があれば良い。
図3(C)は、オーバーコート53越しにレーザー56がトリミング配線21aに照射される様子を示す断面図である。図3(D)は、トリミング配線21aが切断(もしくは不導体化)された様子を示す断面図である。このように、オーバーコート53越しにトリミング配線21aを切断することで、感歪抵抗体52に影響を与えることなく抵抗値を所定値に調整できる。なお、図3(C)、(D)において、トリミング配線21aに接続されている感歪抵抗体52は図示していない。
なお、トリミング配線21aは、切断されずとも不導体化されれば良い。不導体化の目安としては、完全な絶縁体(例えば、1G以上の絶縁抵抗)とならずとも、抵抗値が一定以上(例えば、1MΩ以上)となっても良い。これはトリミング配線21aが完全に切断されずとも、そのレーザー56の照射位置の抵抗値が一定以上高くなれば、感歪抵抗体52に対する影響が発生しないためである(例えば、感歪抵抗体52の抵抗値が10kΩの場合、トリミング配線21aのレーザー56の照射位置の抵抗値が100kΩ以上、あるいは感歪抵抗体52より10倍以上、望ましくは100倍以上の不導体化であれば、実質的に殆ど影響を与えない)。
なお樹脂を主体としたオーバーコート53を形成する場合、その厚みは5μm〜5mmが望ましい。5μm未満の場合はピンホール等の影響を受ける場合があり、5mmを超える場合は製品コストに影響を与える場合がある。なおこうした樹脂を主体とするオーバーコート53は、市販されているものを用いることができる。
また、ガラスを主体としたオーバーコート53を形成する場合、その厚みは5μm〜5mmが望ましい。5μm未満の場合はピンホール等の影響を受ける場合があり、5mmを超える場合は製品コストに影響を与える場合がある。なおこうしたガラスを主体としたオーバーコート53は、市販されているものを用いることができる。
このように実施の形態2では、感歪抵抗体52の代わりにトリミング配線21aを切断することになり、感歪抵抗体52に対する影響を防止できる。なお図3において、切断位置は、トリミング配線21aがレーザー56等で切断された箇所である。本実施の形態では、レーザー56で切断されるのは感歪抵抗体52(主成分はガラス)ではなくて、トリミング配線21a(主成分は金属)のため、下地のガラス層25に殆どダメージを与えることなく簡単に切断できる。これはガラスのような酸化物と、金属では融点や溶解後の粘度が大きく異なるためであり、こうした違いを利用することができる。
更に詳しく説明する。厚み2mmの高耐力のステンレス基板上に所定のガラスペーストをスクリーン印刷で約厚み70μmに印刷した後、850℃で焼成し、約50μmのガラス層25を形成した。なおガラス層25の厚みは50μmとしたが、その厚みは10〜500μmが望ましい。ガラス層25の厚みが10μm未満の場合、ガラス層25に発生したボイド(小さな穴)やピンホール(小さな穴)等の影響を受ける可能性があるためである。また500μmを超えると、ガラス部材のコストが増加すると共に、ガラス部材の種類によっては、焼成時の内部応力によって、その強度や安定性が影響を受ける場合がある。
そしてガラス層25の上に、配線の一部がトリミング配線21aとなるようなパターンをCADで設計し、市販の銀パラジウム電極ペーストを使ってスクリーン印刷した後、850℃で焼成し、配線及びトリミング配線21aを一度に形成した。そして所定の感歪抵抗体ペーストを、前記トリミング配線21aの上に、その一部が覆いかぶさるように印刷した後、850℃で焼成した。
ここで背景技術において、図17(A)や図17(B)に示したセンサについて説明する。背景技術では、1個の基板1の上にガラス層を介して複数個の感歪抵抗体2がブリッジ回路を形成されてなるセンサを作製した。なお抵抗値バラツキを調べるため、センサは1ロット当たり5000枚で、10ロット合計5万枚作製した。
次にこうして形成されたセンサのブリッジ回路を形成する感歪抵抗体2の抵抗値を個々に測定したところ、ロットによって10%〜20%の割合で抵抗値が所定範囲内(なお抵抗値範囲は、ブリッジ回路に接続された半導体チップによって決められ抵抗値バラツキが一定以内の場合は半導体チップ側でデジタルキャリブレーションできるが、このデジタルキャリブレーションできないような抵抗値バラツキのものが10〜20%発生していた)に入っていないサンプルがあった。従来のノントリミング(トリミングを行わない場合)では、抵抗値が規格内に入らなかったこの10〜20%の製品は工程不良として廃棄されるため、製品価格に影響を与えてしまう可能性がある。
そこで従来例として、図20、図21に示すように、抵抗値が規格内に入っていない(もしくは規格外の)サンプルについてレーザー13でトリミングした。規格外のサンプルについて、ブリッジ回路を形成する複数個の感歪抵抗体の1個だけをトリミングしたところ、ブリッジ全体の抵抗値のTCR(抵抗値の温度係数)が変化してしまう場合があった。これはレーザー13で感歪抵抗体2が局所的に再加熱され、ブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体2のTCR自体が影響されたためと思われた。そのため感歪抵抗体2のTCRを互いにマッチングさせるためにはブリッジ回路を構成する4個の感歪抵抗体2のすべてを(たとえ残りの3個が良品だとしても)トリミングする必要があり、トリミングコストが増加した。またトリミングの程度(もしくはトリミング量の大小)によっては、図21(B)に示すように、出来上がったセンサの歪−変位特性に影響を与えるものもあった。
そこで、図2に示すようにトリミング配線21a、21bを必要に応じて切断することで抵抗値バラツキを抑えることにした。すると規格外となっていたサンプルの60%〜80%を、規格内に抑えることができ、歩留りを大幅に改善でき、製品コストを下げることができた。こうして抵抗値バラツキを低減した後、これら感歪抵抗体52やトリミング配線21a、21bの上に、オーバーコート53を形成し、最後に半導体チップや各種チップ部品、コネクタ等を実装し、所定のセンサとして製品化した。なお言うまでもなくこうして作製したセンサの場合、その信頼性や耐久性に対して感歪抵抗体52のレーザー加工の影響は考慮する必要はない。
なお本発明のセンサにおいて、少なくとも配線の一部には、半導体部品もしくはチップ部品もしくはコネクタが半田付けされていることが望ましい。このようにセンサの表面に半導体部品やチップ部品、コネクタ等を実装しておくことで、センサを使いやすくできると共に、前記半導体にブリッジ回路の補正係数を書き込むことができ、歪センサの特性バラツキを抑えられる。またこうした部品を半田付けで実装することで、実装部品の信頼性を高められる。また更に信頼性が必要な場合、半田付けされた部品の上から、更に樹脂等のオーバーコート53を厚く(例えば1cm以上)被せることもできる。
なお配線の厚みは5〜50μmが望ましい。配線に各種部品を実装する際、配線の厚みが5μm未満の場合、半田喰われしてしまう可能性がある。また配線の厚みが50μmを超えると、配線の材料比が製品コストに影響を与える場合がある。なお半田喰われに関しては、配線の厚み以外に、配線に使われる電極材料の組成にも影響されるが、これらは後述する実施の形態において説明する。
このようにガラス層25を介して形成された複数の感歪抵抗体52が、配線によってブリッジ回路を形成されてなるセンサの、前記感歪抵抗体52の一側面以上に接続される配線をトリミング配線21a、21bとすることで、前記感歪抵抗体52に影響を与えることなくその抵抗値を調整できる。
また同様にガラス層25を介して形成された複数の感歪抵抗体52の両側面に接続される配線をトリミング配線21a、21bとすることで、前記感歪抵抗体52に影響を与えることなくその抵抗値を調整できる。またこのように感歪抵抗体52の一側面以上(両方の側面を含む)や、前記感歪抵抗体52の両側面にトリミング配線21a、21bを形成し、このトリミング配線21a、21bを所定本数切断することで、前記感歪抵抗体52に影響を与えることなく、その抵抗値を調整できる。
更に歪センサを、ガラス層25を介して形成された複数の感歪抵抗体52の一部はトリミング配線21a、21bを介して所定のブリッジ回路を形成する配線に接続されているトリミング配線21a、21bを有する歪センサとすることで、このトリミング配線21a、21bを所定本数切断することで、前記感歪抵抗体52に影響を与えることがなく、その抵抗値を調整できる。このようにして、少なくともブリッジ回路を形成する配線と、複数の感歪抵抗体52と、少なくとも前記感歪抵抗体52と前記配線の間を接続するトリミング配線21a、21bを形成する工程と、前記感歪抵抗体52の抵抗値を測定する工程と、前記抵抗値によって前記トリミング配線21a、21bを切断する工程とを有することで、センサを高歩留りに製造できる。
また、少なくともブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体52の抵抗値の測定に、前記感歪抵抗体52に接続された配線もしくはトリミング配線21a、21bを用い、前記感歪抵抗体52の抵抗値を測定しながらその測定結果をトリミング装置にフィードバックさせて前記トリミング配線21a、21bを切断し抵抗値を所定値に調整する工程とを有することで、抵抗測定とトリミングを同じ設備で同時に行えるため、センサの生産性向上と低コスト化が可能となる。
またブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体52に接続されたトリミング配線21a、21bもしくは配線の一部が切断されて、複数の前記感歪抵抗体52の抵抗値バラツキが10%以下(望ましくは5%以下)になったトリミング配線21a、21bを有する歪センサとしても良い。このようにトリミング配線21a、21bや配線の一部を抵抗値に応じて切断する(配線の一部を抵抗値に応じて切断した場合、前記配線はトリミング配線21a、21bとなる)する場合、抵抗値バラツキは10%以下(更に望ましくは5%以下)となることが望ましい。これは前記ブリッジ回路に接続される半導体チップの特性にもよるが、抵抗値バラツキが10%を超えると前記半導体チップの演算機能だけではブリッジ回路の演算においてその抵抗値バラツキを吸収しきれない場合がある(なお抵抗値バラツキが5%以下、もしくは更に小さければ小さいほど、半導体チップ側の補正が容易になり、半導体チップの低コスト化、センサ出力の安定化が可能となることは言うまでも無い)。
なお抵抗値バラツキとしては、1枚の基板の上に形成された複数の感歪抵抗体52(一般的には4個の場合が多い)の抵抗値の平均に対して、残りの全ての感歪抵抗体52の抵抗値が±5%以下に収まっていることが望ましい。このように一つのブリッジ回路を構成する複数の感歪抵抗体52の抵抗値バラツキを±10%以下(望ましくは5%以下)にした後であれば、半導体チップ側の演算処理やデジタルキャリブレーション機能を使って対応しやすくなる。こうして必要に応じて、ブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体52に接続されたトリミング配線21a、21b(もしくは配線の一部)が切断されることで、前記感歪抵抗体52のバラツキが10%以下にすることで、高精度な歪センサを安価に製造できる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について、本発明の特に請求項6、9、10、16、17、40、43の発明について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態3について、本発明の特に請求項6、9、10、16、17、40、43の発明について図面を参照しながら説明する。
実施の形態3では、トリミング配線の切断方法について説明する。
なお、トリミング配線21a、21bは、レーザー56やサンドブラスト等の方法で切断することができるが、その作業性や生産性から考えると、レーザー装置55を用いることが望ましい。そのためトリミング配線は、レーザー56によって切断可能なものであることが望ましい。
またトリミング配線21a、21bは、銀、金、白金、パラジウムの単体もしくは合金もしくは混合物から形成されていることが望ましい。更に必要に応じてガラス成分を20wt%以下の範囲で添加することで、その下地となるガラス層25との密着強度を高めることができる。なおトリミング配線21a、21bにおいて、ガラス成分の含有率が20wt%を超えた場合、トリミング配線21a、21bの抵抗値が変化したり、感歪抵抗体52とのマッチングに影響を与える場合がある。またレーザー56で切断する場合の切断性に影響を与える場合もある。そして、少なくともブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体52と配線との間に、銀、金、白金、パラジウムの単体もしくは合金もしくは混合物を主成分とするトリミング配線21a、21bを形成し、前記感歪抵抗体の抵抗値に応じて前記トリミング配線21a、21bの所定箇所を切断し、前記感歪抵抗体52の抵抗値を所定値に調整する工程を有することで、センサの製造歩留りを向上でき、安価なセンサを市場に提供できる。
例えば、こうしたトリミング配線21a、21bの形成部材として銀ペースト、金ペースト、白金ペースト、パラジウムペースト等、市販のペーストを選ぶことができる。そしてこうしたペーストを、配線部の先端が複数本に分かれた状態で一つの感歪抵抗体52の側面に接続されるように形成し、これをトリミング配線21a、21bとすることができる。そしてこうしたペースト材料を用いて、図1、図2等に示すように、先端が複数に分かれた状態で一つの感歪抵抗体52の側面に接続することで、これがトリミング配線21a、21bとなる。
こうしてトリミング配線21a、21bを櫛型に印刷した後、所定温度で焼成することで、トリミング配線21a、21bとすることができる。なお配線は、銀、金、白金、パラジウムの単体もしくは合金から形成されていることが望ましい。例えば銀ペースト、金ペースト、白金ペースト、パラジウムペースト等、市販のペーストを、所定のブリッジ回路や半導体チップ等の実装用の回路上に印刷した後、所定温度で焼成することで、配線とすることができる。また必要に応じてガラス成分を20wt%以下の範囲で添加することで、配線とその下地となるガラス層25との密着強度を高めることができる。なお配線において、ガラス成分の含有率が20wt%を超えた場合、配線の抵抗値が増加してブリッジ回路に影響を与えたり、実装時の半田付け濡れ等に影響を与える可能性がある。
このように、トリミング配線21a、21bや配線として銀ペースト、金ペースト、白金ペースト、パラジウムペースト等の市販の厚膜焼成型の電極インキを選ぶことで、安価なセンサを低コストで製造できる。こうした電極インキは、300〜900℃で焼成され、所定の導体となる。このように焼成タイプのものを使うことで、薄膜法(例えば、真空中でスパッタや電子ビーム等を用いた蒸着装置を用いた方法)に比べて、安価な製造設備を使うことができるため、製品コストを抑えられる。
またトリミング配線21a、21bとして、前述の市販ペースト(もしくは市販インキ、なお市販品の場合、製造会社によってペーストと呼ばれる場合や、インキと呼ばれる場合がある。なお本特許においてインキとペーストも同じものを指す)を、配線部の先端が複数本に分かれた状態で一つの感歪抵抗体52の側面に接続されるように形成し、これをトリミング配線21a、21bとすることができる。
また配線として銀、金、白金、パラジウムの単体もしくは合金で形成することができる。また必要に応じて、ガラス成分を添加することで、下地となるガラス層25に対する接着強度を高められることは言うまでもない。またトリミング配線21a、21bの形状としては、図1等に示したような櫛歯状(あるいはラダー状、ラダーは階段の意味)とすることで、トリミング配線21a、21bの切断を容易にできる。このようにトリミング配線21a、21bは、配線の先端部が、櫛形やラダー状に細かく分かれたものであることが望ましい。
なお実施の形態3では配線とトリミング配線21a、21bを同時に形成したが(その結果、配線とトリミング配線21a、21bは同一の金属組成で形成されることになる)、配線とトリミング配線21a、21bを異なる金属組成で形成することも可能である。異なる金属組成とすることで、後述するように配線部材のコストダウンやトリミング性の改善が可能となる。
また配線やトリミング配線21a、21bの少なくともどちらか、あるいは両方ともに300〜900℃で焼成されるものを使うことが望ましい。焼成温度が300℃未満の場合、下地となるガラス層25に対する接着強度が不足し、導体として所定の導電が得られない場合がある。また焼成温度が900℃を超えた場合、焼成炉や金属基板に高価で特殊なものを使う必要があり、製品コストに影響を与える場合がある。
更に、トリミング配線付きセンサのトリミング方法について、図4、図5を用いて詳しく説明する。図2(B)で示したレーザートリミングでは、まだ抵抗値が目的範囲内に入らない場合、引き続き図4や図5に示すようにしてトリミングを続けることができる。
図4はトリミング配線付きセンサのトリミング方法について説明する図である。図4(A)において感歪抵抗体52の両端には、トリミング配線21a、21bが接続されている。そしてトリミング配線21aの一部は、図2(B)に示したようにレーザートリミングされ、切断位置23aによってオープン(断線)されている。図4(A)に示すように、トリミング配線21aを、その両側から順次(もしくは交互に)切断していくことで、抵抗体中心58は殆ど影響されない。
次に図4(B)は感歪抵抗体52に接続されたもう一方のトリミング配線21bの一部をレーザー56で切断する。こうして図4(A)、図4(B)に示すようにトリミング配線21a、21bをそれぞれ外側から順次(もしくは交互に)切断することができる。
また図4(A)、図4(B)でトリミングしきれない場合、図5に示すようにトリミング配線21a、21bの切断を続けることができる。図5はトリミング配線付きセンサのトリミング方法について説明する図である。図5(A)、図5(B)では、こうしてトリミング配線21a、21bにおいて、複数個の切断位置23a、23b、23c、23dが形成されている。
図4、図5で示すように、実施の形態3では、感歪抵抗体52に接続されたトリミング配線21a、21bを順番に複数個(もしくは複数本)切断することで、感歪抵抗体52の抵抗体中心58の位置に殆ど影響を与えることなく、その抵抗値を目的値に調整できる。なおトリミング順番としては、一つの感歪抵抗体52に、複数本のトリミング配線21a、21bが接続されている場合、対角や対向、もしくは外側から順番に切断することで、図2から図4に示したように、抵抗体中心58の位置への影響を抑えられる。またこの抵抗体中心58と、歪センサの設計上での歪最適測定位置に合わせることで、センサの感度を高められることは言うまでもない。
このように、少なくともブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体52の、前記感歪抵抗体52の両側面に形成されたトリミング配線21a、21bを切断することで、前記感歪抵抗体52の抵抗値を所定値に調整する工程を含むことで、高精度のセンサを安価に製造できる。
更に詳しく説明する。実施の形態3で作製したサンプルについて、更に抵抗値調整を行った。実施の形態1では、切断位置23aは一箇所だけだったので抵抗値の調整範囲は限られていたが、実施の形態3では、図4や図5に示すように切断位置23a、23b、23c、23dと複数箇所にわたるため抵抗値の調整範囲を更に広げられる。そのため実施の形態3では、抵抗値が規格内に収め切れなかったサンプルであっても規格内に抑えることができた。
こうして実施の形態3を用いることで、規格外になったサンプルの95%以上を規格内に抑えることができ、その歩留りを大幅に改善できた。そしてこうして抵抗値バラツキを低減した後、これら感歪抵抗体52やトリミング配線21a、21bの上に、オーバーコート53を形成し、最後に半導体チップや各種チップ部品、コネクタ等を実装し、所定のセンサとして製品化した。なお実施の形態3で作製されたセンサの場合、その信頼性や耐久性に対して感歪抵抗体52のレーザー加工の影響は考慮する必要はない。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4について、本発明の請求項24、25、26、27、29、30、31に記載の発明について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態4について、本発明の請求項24、25、26、27、29、30、31に記載の発明について図面を参照しながら説明する。
実施の形態4では、トリミング配線付きセンサの構造について、図6を用いて説明する。図6はトリミング配線付きセンサの部分断面図の一例を示す図である。図6に示すように、実施の形態4におけるトリミング配線付きセンサは、金属基板24の上に内部電極27を内蔵したガラス層25を介して配線61やトリミング配線21a、21b、感歪抵抗体52等が形成され、これらがオーバーコート53で保護されている。また切断位置23はトリミング配線21aが切断された部分である。
このように実施の形態4では、感歪抵抗体52の代わりにトリミング配線21a、21bを切断することになり、感歪抵抗体52の諸特性に影響を与えることなく、抵抗値だけを調整することができる。更に図6に示すように、ガラス層25の内部に内部電極27を形成することで、金属基板24を乗用車のシャーシ等に直接取り付けた場合でも、内部電極27によって車体からの色々な電気的ノイズを低減することができ、センサの耐ノイズ特性を改善できる作用効果が得られる。特にガラス層25の内部に内部電極27を内蔵した場合、レーザートリミングによって、ガラス層25や内部電極27にまでレーザー加工のダメージが発生する場合がある。しかし実施の形態4の場合、トリミング配線21a、21bを切断するだけなので、そうしたガラス層25や内部電極27に対するダメージを抑えられる。
更に詳しく説明する。まず金属基板24としては、高耐力で耐熱性を有するステンレス基板(約5cm×2cm×2mm厚)を選んだ。そして、この上に所定のガラスペーストを印刷した後、850℃で焼成し、MgOを主成分とする結晶化ガラスを形成し、これをガラス層25とした。なおガラス層25の厚みは50μmとした。なおガラス層25の厚みは10〜500μmが望ましい。これはガラス層25の厚みが10μm未満の場合、ガラス層25に発生したボイド(小さな穴)やピンホール(小さな穴)等の影響を受ける可能性があるためである。また500μmを超えると、ガラス部材のコストが増加すると共に、ガラス部材の種類によっては、焼成時の内部応力によって、その強度や安定性が影響を受ける場合がある。
そして所定の結晶化ガラス粉が樹脂溶液に分散されてなるガラスペーストを、前記ステンレス基板の上に印刷した後、焼成することでガラス層25を結晶化ガラスで形成できるため、その信頼性や耐力を向上できる。なお前記結晶化ガラス粉としては、MgOが35〜50wt%、B2O3は10〜30wt%、SiO2は10〜25wt%、BaOは3〜25wt%、AL2O3は1〜30wt%、SnO2は1〜5wt%、P2O5は5wt%以下とすることが望ましい。MgOの量が35wt%未満の場合や50wt%より多い場合、所定の強度や焼結性が得られない場合がある。またB2O3の割合が10wt%未満の場合や30wt%より多い場合、所定の焼結性が得られない場合がある。またSiO2の割合が、10wt%未満や25wt%より多い場合は焼結温度が影響される場合がある。またBaOの割合が3wt%未満や25wt%、AL2O3の割合が1wt%未満や30wt%より多い場合は焼結性が影響を受ける場合がある。またSnO2の割合が1wt%未満や5wt%より多い場合、P2O5の割合が5wt%より多い場合は所定の特性が得られない場合がある。
なお結晶化ガラス粉の粒径は0.5〜10μmが望ましい。結晶化ガラスの粒径を0.5μm未満とすると、結晶化ガラスの粉砕や分級コストが発生するため、製品コストに影響を与える場合がある。また結晶化ガラスの粒径が10μmを超えると、結晶化ガラスが焼結してなるガラス層25の均一性に影響を与える場合がある。
こうした結晶化ガラスは、割れにくい、強度が高い等の特徴があり、ガラス層25として結晶化ガラスを用いることによって、センサの耐力を大幅に改善できる。
また結晶化ガラスと非晶質ガラスを多層にして、ガラス層25とすれば、感歪抵抗体52とガラス層25のマッチング(例えば、ガラス成分同士が拡散しあって、感歪抵抗体52の特性が影響されること)を改善できる。こうした場合、非晶質ガラスとしては、非晶質ガラス粉が所定の樹脂溶液中に分散されてなるガラスペーストを印刷した後、所定温度で形成することで、ガラス層25として非晶質ガラスを使うことができる。なお非晶質ガラス粉としては、SiO2が40〜80wt%、CaOが5〜15wt%、PbOが3〜15wt%、AL2O3が1〜20wt%、ZrO2が1〜20wt%であるものが望ましい。
SiO2の割合が40wt%未満や80wt%より多い場合は、非晶質ガラス粉の焼結性が影響される場合がある。またCaOの割合が5wt%未満の場合や15wt%より多い場合では非晶質ガラスの焼結性が影響される場合がある。またPbOの割合が3wt%未満や15wt%より多い場合、感歪抵抗体とのマッチング性に影響を与える場合がある。またAL2O3の割合が1wt%未満や20wt%より多い場合、ZrO2の割合が1wt%未満や20wt%より多い場合、非晶質ガラスの焼結性に影響を与える場合がある。
なお非晶質ガラス粉の粒径や0.5〜10μmが望ましい。結晶化ガラスの粒径を0.5μm未満とすると、非晶質ガラスの粉砕や分級コストが発生するため、製品コストに影響を与える場合がある。また非晶質ガラスの粒径が10μmを超えると、非晶質ガラスが焼結してなるガラス層25の均一性に影響を与える場合がある。このようにガラス層25は結晶化ガラスと非晶質ガラスの複数層とすることで、結晶化ガラスの特徴(強度的にも耐力が優れている)と、非晶質ガラスの特徴(焼結後の表面が滑らかであり、感歪抵抗体52とのマッチング性に優れている、安価である、信頼性が高い他)を、センサに活かすことができる。
また感歪抵抗体52の直下は非晶質ガラスとすることが望ましい。これは感歪抵抗体52には結晶化ガラスではなくて、非晶質ガラスが含まれていることが多いため、下地として非晶質ガラスを用いた方が、下地に結晶化ガラスを用いた場合より、感歪抵抗体52の特性を引き出しやすいためである。
またこうした非晶質ガラスや結晶化ガラスに、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニア、カルシウム、シリコンの酸化物もしくは水酸化物を1種類以上添加しても良い。こうしたセラミック粉を添加することで、非晶質ガラスや結晶化ガラスの熱膨張係数を増減できるため、金属基板24への密着力やクラック強度(どのぐらいの応力を発生させた場合にガラス層25が割れるかの目安、クラック強度は高い方が望ましい)を高めることができる。なお、こうしたセラミック粉を添加する場合、セラミック粉の粒径は0.01〜10μm(更に望ましくは0.1〜1μm)が望ましい。セラミック粉の粒径が、0.01μm未満の場合、セラミック粉同士が凝集しやすく取り扱いが難しく製品コストに影響を与える場合がある。またセラミック粉の粒径が10μmを超えると、ガラス層25の焼結性や焼結後の密度や強度に影響を与える場合がある。
このようにガラス層25は結晶化ガラス単体、非晶質ガラス単体、もしくは結晶化ガラスと非晶質ガラスの複数層で形成することができる。また感歪抵抗体52の直下のガラス層を非晶質ガラスとすることで、非晶質ガラスとガラス層25のマッチング性を高められる(マッチング性が低い場合、抵抗値が時間と共に増減しTCR等の特性も影響される場合がある)。
そしてこのガラス層25の上に銀を主体とした内部電極ペーストを印刷し、850℃で焼成し、内部電極27とした。更に内部電極27を覆うように、所定のガラスペーストを印刷した後、850℃で焼成し、ガラス層25を形成した。そしてガラス層25の上に、配線の一部がトリミング配線21a、21bとなるようなパターンを、市販の銀パラジウム電極ペーストで印刷した後、850℃で焼成し、配線及びトリミング配線21a、21bを一度に形成した。そして所定の感歪抵抗体ペースト6を、前記トリミング配線21a、21bの上に、その一部が覆いかぶさるように設計したパターン状に印刷した後、850℃で焼成した。こうして、1個の基板の上に、ガラス層25を介して複数個の感歪抵抗体52がブリッジ回路を形成されてなるセンサを作製した。また、抵抗値が規格外のものに関しては、図2や図4、図5等で説明したように、トリミング配線21a、21bをレーザートリミングすることで、抵抗値を規格内に抑えることができた。
なおここで、抵抗値の規格は、本センサに実装する半導体チップによって決められた仕様に従った。これは抵抗値バラツキが一定以内(例えば、2〜3%程度)の場合は半導体チップ側でデジタルキャリブレーションできるが、このデジタルキャリブレーションできないような抵抗値バラツキ(例えば3%を超えるもの)の場合について、トリミング配線21a、21bをトリミングすることで、規格内に抑えることができ、製品の歩留りを大幅に改善できた。また図6に示すように、感歪抵抗体52や配線の下に、内部電極27を形成した場合についても、トリミングの影響を最小限に抑えられる。これは実施の形態4で切断するものは、トリミング性に優れたトリミング配線21a、21bを構成する金属部材であるため、下地となるガラス層25等とは異なる部材であり、トリミング条件にこれらの材料の差を活かすことで、下地他への影響を抑えやすい。
なお内部電極27としては、銀を主体とし、ここに必要に応じて他の金属部材やガラス部材を加えたものを用いることが望ましい。ここでガラス部材を加えることで、ガラス層25への密着力を高められる。ガラス部材としては、市販のガラスフリット(例えばSiO2等を主体としたもの)を用いても良いが、ガラス層25を構成するガラス成分を添加しても良い。なおこうしたガラス部材の添加割合は30wt%以下が望ましい。ガラス部材の添加割合が30wt%を超えた場合、内部電極27の抵抗値に影響を与える場合がある。また内部電極27の厚みは1〜50μmが望ましい。内部電極27の厚みが1μm未満の場合、ピンホール等が発生する場合があり、所定の効果(例えば、ノイズ防止効果、コンデンサとしての効果等)が得られない場合がある。また内部電極27の厚みが50μmを超えた場合、製品コストに影響を与える場合がある。このようにガラス層25の内部に、厚み1〜10μmの銀を主体とする内部電極を有することで、センサの耐ノイズ性や小型化、特性の安定化が可能となる。
また必要に応じてガラス層25に形成したスルーホールやビア孔(共に図示していない)を介して、内部電極27と配線や金属基板24を電気的に接続しても良い。このように内部電極27を用いることで、配線を多層化できるため、センサの小型化や高性能化を実現できる。
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5について、本発明の特に請求項28の発明について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態5について、本発明の特に請求項28の発明について図面を参照しながら説明する。
実施の形態5では、トリミング配線付きセンサの構造の一例について、図7を用いて説明する。図7はトリミング配線付きセンサの部分断面の一例を示す図である。図7に示すように、実施の形態5におけるトリミング配線付きセンサは、金属基板24の上に直接形成されたGND電極28の上に形成されたガラス層25を介して配線やトリミング配線21a、21b、感歪抵抗体52等が形成され、これらがオーバーコート53で保護されている。
このように実施の形態5では、感歪抵抗体52の代わりにトリミング配線21a、21bを切断することになり、感歪抵抗体52に対する影響を防止できる。また、ガラス層25の内部に内部電極27を形成することで、金属基板24を乗用車のシャーシ等に直接取り付けた場合でも、GND電極28によって車体からの色々な電気的ノイズを低減することができ、センサの耐ノイズ特性を改善できる作用効果が得られる。
更に詳しく説明する。ガラス層25に非晶質ガラスを用いた場合、使用する金属基板24と配線やトリミング配線21a、21bの間で、電池効果による銀の拡散現象が発生することがある。これは配線やトリミング配線21a、21bに銀を主体とした電極材料を焼成する場合に発生することがある。前記電極材料を600〜900℃付近で焼成する場合、下地となるガラス層25も再溶解し一種の固体電解質となる。そして金属基板24と配線やトリミング配線21a、21bの間に、ガラスが再溶解されてなる固体電解質層が発生することになり、前記電極と前記金属基板24の間でイオン化傾向の違いによると思われる電位差が生じることがある(発明者らの実験では、1〜2V程度発生することが観察された)。そしてこの電位差が影響したと思われる銀の拡散現象が、ガラス層25の内部に発生し、金属基板24と配線やトリミング配線21a、21bとの間の電気絶縁性を低下させショート率を増加させ、製品の歩留りを低下させる可能性がある。
こうした場合、図7に示すように、金属基板24の表面に予めGND電極28を形成しておくことで、たとえガラス層25が加熱によって再溶解されて一種の電解質となった場合でも、イオン化傾向の差は発生しないため、こうした電位は発生せずガラス層25への銀の拡散も少なくできる(発明者らが実験して確かめた結果である)。
なおGND電極28としては、銀を主体とし、ここに必要に応じて他の金属部材やガラス部材を加えたものを用いることが望ましい。ここでガラス部材を加えることで、ガラス層25への密着力を高められる。ガラス部材としては、市販のガラスフリット(例えばSiO2等を主体としたもの)を用いても良いが、ガラス層25を構成するガラス成分を添加しても良い。なおこうしたガラス部材の添加割合は30wt%以下が望ましい。ガラス部材の添加割合が30wt%を超えた場合、GND電極28と金属基板24の接続抵抗に影響を与える場合がある。またGND電極28の厚みは1〜50μmが望ましい。GND電極28の厚みが1μm未満の場合、厚みを高精度に制御することは難しい。なおGND電極28はベタでなくても水玉状や網状、メッシュ状であっても、前記電圧発生の防止効果が得られる。またGND電極28の厚みが50μmを超えた場合、製品コストに影響を与える場合がある。
(実施の形態6)
以下、本発明の実施の形態6について、本発明の特に5、38、39の請求項の発明について、図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態6について、本発明の特に5、38、39の請求項の発明について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態6では、トリミング配線付きセンサのトリミング方法について、図8を用いて説明する。図8はトリミング配線付きセンサのトリミング方法について説明する図である。図8(A)において、トリミング配線21aはそれぞれ切断位置23a、23bの複数箇所で、トリミング配線21bは切断位置23c、23dで複数箇所、直列するように切断されている。このようにトリミング配線21a、21bを複数箇所で切断することで、トリミング配線21a、21bの切断を確実に行える。
図8(B)は、図8(A)のA−A断面図である。図8(B)において、ガラス層25の上に、トリミング配線21a、21bが形成され、その上には感歪抵抗体52が、重なり部分22a、22bを形成しながら覆いかぶさるように形成されていることが判る。このように、少なくともブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体52に接続されたトリミング配線の同一トリミング配線の複数箇所を、直列するように接続することで、前記トリミング配線21a、21bの切断を確実なものとできる。
また図8(A)において、切断位置23aにおける補助線57の幅が切断幅に相当する。このようにレーザー56でトリミング配線21a、21bを切断する場合、その切断幅は1μm〜5mmが望ましい。切断幅が1μm未満の場合、レーザー56に起因して切断時に飛び散った飛散物(例えば、図20におけるドロス15a、15b等)の影響を受ける場合がある。また切断幅が5mmより超えた場合、切断時間や切断コストが増加する場合がある。発明者らの実験では、トリミング配線21a、21bの厚みや使用するレーザー56の波長にも依存するが、切断幅は1μm〜5mm(望ましくは切断幅が10〜500μm、更にレーザー設備によっては切断幅100〜300μm)が適当であった。また切断幅が短くとも、実施の形態6で説明するように、複数箇所を切断することで、トリミング配線の切断を確実に行えることは言うまでもない。
このように、少なくともブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体52に接続されたトリミング配線21a、21bを幅1μm〜5mmで切断することで、前記感歪抵抗体52の抵抗値を所定値に調整することができる。なおレーザー56としては、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)の場合、レーザー56の波長が10.2μmと比較的太いために切断幅を狭めることは難しいが、装置のメンテナンスが安価である利点がある。またYAGレーザーの場合、波長が1μm程度と比較的細いため、切断幅を狭めることができる。なおレーザー56として、ガスレーザー以外に半導体レーザー等を用いることはコスト面やメンテナンス面で利点がある。またそれ以外でも、キセノン等の光源からの光を集中させることで、感歪抵抗体52を切断することができる。またサンドブラストや物理的切断(例えば、ダイヤモンド針で引掻く、ヤスリで削り取る)等でも対応できる。またこうした切断を複数回繰り返すことで確実な切断を行える。
なお本発明のセンサにおいて、複数の感歪抵抗体52が接続されてなるブリッジ回路と、半導体チップや他の部品が実装されてなる実装回路部分を分けても良い。このようにガラス層25を介して形成された複数の感歪抵抗体52は、トリミング配線21a、21bを介して所定のブリッジ回路を形成することができる。このようにトリミング配線21a、21bでブリッジ回路を形成することで、例えば後述する実施の形態で説明するように、インキジェット工法等を用いて複雑な回路であっても、簡単に形成することができ、センサの設計自由度を向上できる。
なおこのようなインキジェット工法でトリミング配線21a、21bからなるブリッジ回路を形成した場合、前記トリミング配線21a、21bは切断性が高いことが望ましく、また薄いほどトリミング配線21a、21b上のオーバーコート53への影響を抑えられる。しかしトリミング配線21a、21bの厚みを薄くした場合、半導体チップや各種チップ部品等を半田実装する際、半田喰われしやすくなる課題がある。そのため、ブリッジ回路においても、例えば半導体チップ等が実装される部分だけを実装回路部として、AgPd等の半田喰われしにくい市販の配線材料を使うことができる。
このように、ガラス層25を介して形成された複数の感歪抵抗体52は、トリミング配線21a、21bを介して所定のブリッジ回路を形成し、かつオーバーコート53越しにレーザートリミングできるため、センサの用途別での設計自由度を高められることは言うまでもない。
(実施の形態7)
以下、本発明の実施の形態7について、本発明の特に請求項8の発明について、図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態7について、本発明の特に請求項8の発明について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態7では、トリミング配線付きセンサの構造の一例について、図9を用いて説明する。図9は感歪抵抗体52の上にトリミング配線21a、21bを形成する様子を説明する図である。図9(A)において、感歪抵抗体52の上に、トリミング配線21a、21bが形成されていることが判る。そして必要に応じて、トリミング配線21a、21bの一部に切断位置23a、23bを形成することで、抵抗値を所定範囲内に収められる。
図9(B)は、図9(A)のA−A断面図である。図9(B)において、ガラス層25の上に、感歪抵抗体52が形成され、感歪抵抗体52の端部を覆うようにトリミング配線21a、21bが形成されている。そして感歪抵抗体52とトリミング配線21a、21bの重なる箇所に、重なり部分22a、22bが形成されている。このように感歪抵抗体52をガラス層25の上に直接形成することで、図18や図19で説明したような配線の凹凸(もしくは厚み)による抵抗値バラツキへの影響を抑えられるため、抵抗値バラツキを低く抑えられる。しかしこうした場合であっても、実施の形態7を用いることによって、その抵抗値が規格外を示すサンプルが発生した場合でも、図9(A)に示すようにトリミングすることができる。そして感歪抵抗体52に影響を与えることなく、センサの歩留りを高められる。
図10は感歪抵抗体とトリミング配線の接続例を示す図である。図10(A)において、感歪抵抗体52の片側に配線61、もう一方にはトリミング配線21aが形成されている。図10(B)は、図10(A)に示したサンプルのトリミング配線21aを部分的に切断する様子を示す。図10(B)において、感歪抵抗体52のトリミング配線21aが、レーザー装置55から照射されるレーザー56によって切断されることになる。
このように感歪抵抗体52の片方だけにトリミング配線21aを形成した場合であっても、感歪抵抗体52の諸特性に影響を与えることなく抵抗値を調整できる。
更に詳しく説明する。歪センサの設計によっては、感歪抵抗体52の形成位置が制限される場合がある。例えば基板の歪中央(例えば、歪の一番大きな位置等、設計上、感歪抵抗体52を形成すべき最良位置)に感歪抵抗体52を形成する場合、トリミング配線21aを両端に形成するだけのスペースが得られない場合がある。こうした場合図10(A)、図10(B)に示したように、感歪抵抗体52の片側を従来通りの配線61とすることができる。このように感歪抵抗体52の片側だけにトリミング配線21aを形成した場合であっても、実施の形態1〜7と同様にトリミング配線21aをトリミングすることによって、感歪抵抗体52に影響を与えることなく抵抗値を規格内に抑えることができる。
このように、ガラス層25を介して形成された複数の感歪抵抗体52が、配線によってブリッジ回路を形成してなるセンサの、前記感歪抵抗体52の一側面以上(図10は一側面だけであるが)に接続する配線をトリミング配線21aとすることで、歪センサの設計自由度を改善できる。
(実施の形態8)
以下、本発明の実施の形態8について、本発明の特に請求項33の発明について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態8について、本発明の特に請求項33の発明について図面を参照しながら説明する。
実施の形態8では、図11を用いてトリミング配線21a、21bのトリミング順番について説明する。図11はトリミング配線21a、21bのトリミング順について説明する図である。図11(A)において、トリミング配線21a、21bのトリミング順番を(1)→(2)→(3)・・・→(7)→(8)の順で示す。このように一つの感歪抵抗体52に対して、右上(図11(A)の(1)に相当)、右下(図11(A)の(2)に相当)、左上(図11(A)の(3)に相当)、左下(図11(A)の(4)に相当)等の順番にすることで、感歪抵抗体52の中心位置に与える影響を抑えられる。
このように、感歪抵抗体52に接続されたトリミング配線21a、21bが、外周部から順番に切断していくことで、感歪抵抗体52の中心位置への影響を抑えながら、抵抗値を所定値に調整できる。
図11(B)は、トリミング配線と感歪抵抗体の位置関係がずれた場合のトリミング順番について説明する図である。図11(B)において、感歪抵抗体52は、トリミング配線21a、21bに対して、少し傾いている。しかし本発明のようにトリミング配線21a、21bを用いる場合、電流が流れるのは複数のトリミング配線21a、21bの間であるため、図11(B)に示すように感歪抵抗体52の形成位置がずれたとしても抵抗値に対して影響しにくい。また感歪抵抗体52の形成位置がずれたとしても(ずれ量に関係なく)、トリミング配線21a、21bを、例えば図11(B)に示すような順番に切断することで、感歪抵抗体52の中心位置に与える影響を抑えられる。
なおセンサの構造設計によっては、感歪抵抗体52の抵抗体中心の重要性が低い場合があるが、こうした場合ではトリミング配線21a、21bの切断順番については特にこだわる必要は無く、一番低コストで高速なトリミング順番にすることができる。
(実施の形態9)
以下、本発明の実施の形態9について、本発明の特に請求項18、19、20、21の発明について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態9について、本発明の特に請求項18、19、20、21の発明について図面を参照しながら説明する。
実施の形態9では、図12を用いてトリミング配線21a、21bに接続された感歪抵抗体52のパターン形状について説明する。図12は感歪抵抗体のパターンの一例について説明する図である。図12(A)はトリミング配線の形成された感歪抵抗体の平面図、図12(B)は図12(A)のA−A断面図である。
図12(A)に示すように、トリミング配線21a、21bの幅{図12(B)の矢印54cの長さに相当}よりも、感歪抵抗体52の幅{図12(B)の矢印54bと54cと54dの長さ合計に相当}を長くすることで、感歪抵抗体52の厚みバラツキを抑えられる。
このとき感歪抵抗体52を、感歪抵抗体ペースト6を印刷、焼成して作製する場合、感歪抵抗体52の側面{図12(B)の矢印54bや54dで示した部分}に厚みムラが発生しやすい。こうした場合、感歪抵抗体52の幅を、トリミング配線21a、21bの幅より長くしておくことで、厚みムラの影響を低減できる。こうして予め感歪抵抗体52の厚みバラツキを抑えておくことで、トリミング配線21a、21bをレーザートリミングした際の、レーザートリミングの直線性(例えば、トリミング配線21a、21bを一箇所切断すれば、抵抗値が何%添加するか等)を高められる。
発明者らの実験では、感歪抵抗体52の側面のダレ防止のため、トリミング配線21a、21bよりも感歪抵抗体52の幅を20μm以上長くすることが望ましかった。トリミング配線21a、21bよりも感歪抵抗体52の幅の差は5mm以下が望ましい。これは感歪抵抗体52の幅が一定以上長くとも、その厚みムラの低減効果が得られない場合があるためと、材料費が製品コストに影響を与える場合があるためである。
このように、感歪抵抗体52の寸法は、トリミング配線寸法よりも10μm〜5mmの範囲で長くすることで、感歪抵抗体52の厚みバラツキを抑えられ、トリミング配線21a、21bを用いたトリミングの工程を安定化できる。
なお感歪抵抗体52としては、ガラス粉中に少なくとも酸化ルテニウム粉を主成分とする抵抗体成分が分散されたペーストが、300〜900℃で焼成されたものを用いることが望ましい。このように、酸化ルテニウム粉をガラス粉と共に、樹脂溶液中に分散してなる感歪抵抗体ペースト6を用いることで、GFの高い感歪抵抗体52を安価に作製することができる(GFはGauge Factorの意味で、GFは歪に対する抵抗値の変化率の意味であり、GFは高い方が望ましい)。
特に本発明において、抵抗値が目的値から多少外れたとしても、トリミング配線21a、21bを切断することで抵抗値を調整できるため、印刷等の抵抗値バラツキの発生する可能性のある安価な工法を選ぶことができる。なお感歪抵抗体52の厚みは1〜50μmが望ましい。感歪抵抗体52の厚みが1μm未満の場合、GF値が低下してしまう場合がある。また感歪抵抗体52の厚みが50μmを超えた場合、GF値やTCR(抵抗値の温度係数)が影響され感歪抵抗体52の形成部材が製品コストに影響を与える場合がある。
また感歪抵抗体52のパターンの大きさ(もしくはその寸法)は、0.1mm角以上、10mm角以下が望ましい。感歪抵抗体52の一辺の長さが0.1mm未満の場合、トリミング配線21a、21bを形成することが難しい。また感歪抵抗体52の一辺の長さが10mm以上の場合、感歪抵抗体52の面積が広くなりすぎて、目的とする力だけを高精度に測定することが難しくなり、所定の感度が得られない場合がある。
(実施の形態10)
以下、本発明の実施の形態10について、本発明の特に請求項22、32、34の発明について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態10について、本発明の特に請求項22、32、34の発明について図面を参照しながら説明する。
実施の形態10では、図13を用いて、トリミング配線の形状について説明する。図13はトリミング配線の形状について説明する図である。
図13において、トリミング配線21a、21bは、異なる太さ(もしくは幅)で感歪抵抗体52に接続されている。図13の右側のトリミング配線21aの場合、中央部は幅広で、その上下は幅狭で感歪抵抗体52に接続されている。また図13の左側のトリミング配線21bの場合、中央は幅広複数本で、その上下は幅狭で感歪抵抗体52に接続されている。このように、必要に応じてトリミング配線21a、21bの幅を調整することで、例えばトリミング配線21a、21bを一箇所切断すれば、感歪抵抗体52の抵抗値が5%変化できるのか、10%変化できるのか、あるいは3%変化できるのか等、その変化量を事前に最適化できる。
このように本発明においてトリミング配線21a、21bの形状としては、図1等に示したような櫛歯状(あるいはラダー状、ラダーは階段の意味)とし、更に図13に示すようにトリミングしやすいように、あるいは抵抗値の出方によって、あるいは抵抗値バラツキの大小やその傾向によって、櫛歯の本数やその幅や形成ピッチを最適設計することができる。またこのようにトリミング配線21a、21bの幅を増減させることで(トリミングしない部分のトリミング配線21a、21bを幅広にして、これで抵抗値を大体の値として、トリミング用に幅狭の部分を作製し、抵抗値を5%や10%だけ増加させることで)、抵抗値調整は、前記トリミング配線21a、21bの1本(多くとも2本まで)の切断で済ませられ、抵抗値修正を簡単にできる。またレーザートリミングで、トリミング配線21aを切り落としても(図13のトリミング配線21a、21bの中央部の幅広部分の一部までレーザー56の溝が入っても)、抵抗値には影響されないため、トリミング工程での歩留り改善や、フェイルセイフ(切り過ぎ失敗の防止)が可能となる。
このように感歪抵抗体52の一側面に接続されたトリミング配線の中央部は太く、周辺は細くなるように、少なくともその一部(つまり感歪抵抗体52に接続されるトリミング配線21a、21b)の太さを異なるようにしておくことで、トリミング量(もしくはトリミング本数)と抵抗値変化の関係をより効率的に設計できるため、製品のトリミングコストを抑えられると共にトリミング精度、トリミング歩留りを高めることができる。
そしてトリミング量(もしくはトリミング本数)と抵抗値変化の関係をより効率的に設計しておくことで、感歪抵抗体52に接続された、異なる太さを有するトリミング配線21a、21bが細い方から太い方に順番に切断することができ、より短時間に抵抗値を所定値に調整できるため、トリミングコストやトリミング時間を抑えられる。
なお図13において、感歪抵抗体52の形状は小判型(もしくは長丸形状)としている。このように感歪抵抗体52の形状としては、図12に示したような長方形以外に、小判型や長丸形状とすることで、抵抗体インキの表面張力によるレベリング性を活かすことができ、図12(B)の矢印54b、54dで示したような、感歪抵抗体52の厚みバラツキの発生を低減することもできる。このように、感歪抵抗体52の形状が小判型もしくは長丸形状を有していることで、感歪抵抗体ペースト6の印刷後のレベリング性を改善でき、抵抗値バラツキを抑えられるため(その分、トリミングする必要が無くなり)製品コストを下げられる。なお図12の場合でも、トリミング配線21a、21bを形成しておくことで、抵抗値が規格外となっても抵抗値を目的値に近づけられることは言うまでも無い。
(実施の形態11)
以下、本発明の実施の形態11について、本発明の特に請求項11、35、42、49、50、51、53、54の発明について、図面を参照しながら説明する。実施の形態11では、図14を用いて、トリミング配線と配線の関係について説明する。
以下、本発明の実施の形態11について、本発明の特に請求項11、35、42、49、50、51、53、54の発明について、図面を参照しながら説明する。実施の形態11では、図14を用いて、トリミング配線と配線の関係について説明する。
図14はトリミング配線と配線を別々の材料、異なる厚みで形成する様子を説明する図である。図14(A)は上面図であり、図14(B)は図14(A)のA−A断面図である。
図14に示すように、トリミング配線21aと配線61を異なる材料、異なる厚み、異なる製法で作製することができる。例えば、トリミング配線21aには、トリミング性(例えば、より低いレーザーパワーで切断可能なように)やファインパターン性(より微細な櫛型パターンを形成できるように)が望まれる。こうした用途として、有機金属化合物(金属レジネートや金液等と呼ばれるもの)を用いることができ、有機溶剤に可溶でスクリーン印刷可能なものが数社から市販されている。例えば、金のレジネートを用いた場合、400〜900℃の幅広い焼成温度で焼成できると共に、焼成後に1μm未満の極めて薄くて、かつピンホールの少ない均一な電極塗膜を形成できる。また金の場合、感歪抵抗体52との焼成時の拡散現象が発生しにくい。また金は他の貴金属に対して、色的にもレーザー光の吸収性に優れるため、トリミング配線21aとして使いやすい。
一方、配線61には半導体チップや、角チップ抵抗器や積層セラミックコンデンサ等が半田付けされる。そのため、配線61には耐半田喰われ性や耐マイグレーション性が要求される。こうした意味で、配線61には銀パラジウム電極を用いることができる。この場合、パラジウム含有率は5wt%以上(更に望ましくは10wt%以上)が望ましい。パラジウム含有率が5wt%(望ましくは10wt%)と、その含有率を高めることで半田喰われや銀のマイグレーションの防止効果を高められる。なおパラジウムの含有率は50wt%以下が望ましい。パラジウムの含有率が50wt%を超えると、製品コストに影響を与える場合がある。また必要に応じて配線61に白金を0.5wt%以上加えることで、半田濡れ性を高めることができる。なお白金の含有率は30wt%以下が望ましい。白金の含有率を30wt%より多くした場合、製品コストに影響を与えることがある。また配線61を銀パラジウム白金としても良い。こうすることで、半田喰われやマイグレーションを防止できると共に半田濡れ性を改善できる。
このように、トリミング配線21aは、所定回路部品と異なる金属組成とすることで、それぞれの特徴に応じた導体材料を選ぶことができ、トリミング性、信頼性、半田付け性等を向上できセンサの低コスト化と高信頼性化が可能となる。
なお配線61の印刷形成にはスクリーン印刷を使うことが望ましい。これはスクリーン印刷を使うことで、配線61の厚みを半田喰われしにくいだけの膜厚を安価に形成できるためである。
またトリミング配線21aの形成にスクリーン印刷を用いることで、その製造コストを下げられる。またトリミング配線21aに用いる電極インキとして、貴金属のレジネートインキや貴金属のナノインキを用いることで、焼成後の膜厚を1μm以下と薄くすることが可能であり、トリミング性にすぐれたトリミング配線21aを安価に形成できる。こうした薄層の用途に、スクリーン印刷可能なレジネートインキが複数種類市販されている。こうしたレジネートインキとしては、厚膜型サーマルヘッドの電極材料として広く使われている金のレジネート(スクリーン印刷可能なものもある)を用いてもよい。
このように、少なくともブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体52と配線61との間に、金属レジネートが有機溶剤中に溶解もしくは分散されてなるレジネートインキが熱処理されてなるトリミング配線21aを形成し、前記感歪抵抗体52の抵抗値に応じて前記トリミング配線21aを切断し、前記感歪抵抗体52の抵抗値を所定値に調整する工程を有することで、歪センサの歩留りを高められ、安価で高精度な歪センサを市場に提供できる。
次にナノインキについて説明する。ナノインキとは、粒径1nm〜1μmの金属微粒子が溶液中に分散されてなるインキであり、金属素材メーカー等より色々なものが市販されている。こうした金属微粒子は、その粒径が小さい分だけ、焼成温度(熱処理した後、導電が得られる温度)が、従来の電極インキに比べて、かなり低温となる。そのため、こうしたナノインキによっては、150℃程度から焼成できるものがある。このように、低温で焼成できるナノインキを用いることで、センサの製造コストを低減できる(高価な焼成炉を用いずとも、安価な乾燥機で焼成できるため)。
そのため、トリミング配線21aとして、粒径1nm〜1μmの金属微粒子が溶液中に分散されてなるナノインキが、所定形状に印刷された後、150〜900℃で焼成されたものを用いることが望ましい。このような金属ナノインキを用いることで、トリミング配線21aの膜厚を薄く(例えば、1μm以下)としても、焼結塗膜が緻密であり、トリミング配線21aの抵抗値(もしくはシート抵抗)が増加しにくいためである。なおナノインキの焼成温度は150℃以上であれば良い。150℃以下の場合、ナノインキの焼成時間が極端に長くなったり、金属微粒子を覆っている各種有機物の分解が不充分になる場合がある。またナノインキの焼成温度は900℃を超えると、ナノインキ自体が変質してしまったり、ピンホールが発生しやすくなる可能性がある。
このように少なくともブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体52と配線61との間に、粒径1nm〜1μmの金属微粒子が溶液中に分散されてなるナノインキが熱処理されてなるトリミング配線21aを形成し、前記感歪抵抗体52の抵抗値に応じて前記トリミング配線21aを切断し、前記感歪抵抗体52の抵抗値を所定値に調整する工程を有することで、歪センサの歩留りを高められ、安価で高精度な歪センサを市場に提供できる。
またトリミング配線21aの形成にスクリーン印刷法を用いる場合、粘度が10〜10000ポイズであり、その金属含有率は5〜80wt%の電極インキを用いることが望ましい。粘度が10ポイズ未満の場合、スクリーン印刷時にインキが滲みやすく、微細な櫛型パターンを形成しにくい場合がある。また粘度が10000ポイズを超えると、印刷されたインキ膜厚に厚みムラが発生しやすくなり、トリミング性に影響を与える可能性がある。
また金属含有率が5wt%未満の場合、焼成されてなるトリミング配線21aがボソボソ(もしくはスカスカ)となる場合がある。また金属含有率が80wt%を超えた場合、印刷後のインキのレベリング性が低下して、インキ膜厚に厚みムラが発生しやすくなる可能性がある。こうして所定の電極インキを、生産性に優れた安価なプロセスであるスクリーン印刷法を用いて、トリミング配線21aの形状に印刷した後、所定温度(これは用いる電極インキに依存する)で熱処理してレーザートリミングすれば、トリミング配線21aを安価に製造でき、センサのコストを下げられる。
またこうしたレジネートインキの場合、転写印刷法を用いることができる。ここで転写印刷法とは、ガラス基板等をエッチングして作製した微細な溝(例えば、幅が20μm、深さ20μm、ピッチ40μmの溝等であり、これが本実施の形態の場合にはトリミング配線21aとなる)の中に、レジネートインキを充填し、これをシリコンゴム等に転写した後、被印刷体(本実施の形態の場合、ガラス層25になる)の上に転写し、熱処理することでトリミング配線21aとすることができる。また、こうした転写印刷方法としては、特許第2943362号公報や特許第2502852号公報、更には発明者らがSSDM’91(日本応用物理学会主催)等で提案した技術を使うことができる。
また、トリミング配線21aの作製に描画法で形成しても良い。特に描画用のノズルに超硬やサファイア等の硬質材料を用いることで、従来の金属や樹脂等を用いたノズルに比べて、ノズルの内径を10〜30μm程度と細くした場合での長時間の安定描画性を大幅に改善できる。また、このような描画用の細いノズルを複数本並べることで(マルチノズルとも呼ばれる)、一度の描画で複数本の微細な平行線を描画できるため、トリミング配線21aのような櫛型パターンの形成コストを大幅に低減できる。
なお描画法で、貴金属のレジネートインキや貴金属のナノインキ、あるいは市販の電極ペーストを用いてトリミング配線21aを形成する場合、これらインキの粘度は1〜1000ポイズが望ましい。インキ粘度が1ポイズ未満の場合、描画後にパターンが滲んだり広がったりしてファインパターンを形成しにくい場合がある。またインキ粘度が1000ポイズを超えた高粘度の場合、描画ノズルを細くした場合にインキの安定吐出が難しくなり、目的とするトリミング配線21aを高精度に形成することが難しくなる。またレジネートインキやナノインキ、一般インキの場合でも、その金属含有率は5〜80wt%のものを用いることが望ましい。金属含有率が5wt%未満の場合、焼成してなるトリミング配線がスカスカとなり、ボイドやピンホールと呼ばれる欠陥が発生する可能性がある。また金属含有率が80wt%を超えた場合、描画用ヘッドを詰める可能性があり、微細パターンの高精度描画に影響を与える場合がある。
また感歪抵抗体52の形成には、コスト面からスクリーン印刷を使うことが望ましい。これは本発明の場合、多少抵抗値が目的値からずれたとしてもトリミング配線21aを用いて簡単に抵抗値を目的値に近づけられるためである。そのため、感歪抵抗体52の印刷形成にはスクリーン印刷のように、安価で一定以上の膜厚が得られる工法を用いることが望ましい。また必要に応じて感歪抵抗体52の形成に、描画法を用いても良い。描画法とは、シリンジ中にセットされた感歪抵抗体ペースト6を、前記シリンジの先端に取り付けられたノズルから吐出する方法である。この時前記シリンジを、XYテーブル等を用いて所定速度で運動させることで、感歪抵抗体52のパターン形状を調整できる。このように描画法で感歪抵抗体52を形成した場合でも、本発明で提案するトリミング配線21aを用いることで抵抗値修正できることは言うまでもない。
(実施の形態12)
以下、本発明の実施の形態12について、本発明の特に請求項12、44、48、52、53に記載の発明について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態12について、本発明の特に請求項12、44、48、52、53に記載の発明について図面を参照しながら説明する。
実施の形態12では、図15を用いてインキジェットを用いたトリミング配線の製造方法について説明する。図15はインキジェットを用いてトリミング配線を製造する様子について説明する断面図である。
まず図15(A)に示すように、インキジェット装置30からインキ滴31を噴射し、ガラス層25の上に、感歪抵抗体52と配線61の間を接続するように所定のインキパターンを形成する。ここでインキジェット装置に予め、超微粒子の銀粉末を水を主体とした溶液中に分散してなる銀ナノインキを使うことができる。次にガラス基板25の表面に形成された銀ナノインキ等からなるインキパターンを乾燥させ、150℃〜300℃で熱処理することで、銀ナノインキを銀の薄膜パターンに変化できる。こうして図15(B)に示すように、ガラス層25の上に、銀の薄膜パターンからなるトリミング配線21aが形成される。そして前記感歪抵抗体52やトリミング配線21aと配線61を覆うようにガラスからなるオーバーコート53を形成する。
こうして作製した歪センサの抵抗値が所定値範囲に収まっていない場合、図15に示すトリミング配線21aをオーバーコート53越しにレーザートリミング(あるいはレーザー切断)することができる。図15(C)は、オーバーコート53越しにトリミング配線21aを切断する様子を示す断面図である。図15(C)において、56はレーザーであり、オーバーコート53越しにトリミング配線21aに照射される。図15(D)はこうして、オーバーコート53越しに、トリミング配線21aが切断された様子を示す断面図である。こうして感歪抵抗体52にレーザー56の照射を与えることなく、その抵抗値を所定値に調整することができる。なお図15において、インキジェット装置30は、外部信号(図示していない)によって制御されている。また配線61としては、半田付き等を考慮した銀パラジウム電極ペーストを選ぶことが望ましい。ここで銀パラジウム電極ペーストとしては、スクリーン印刷用に市販されているものを使うことができる。そして前記この銀パラジウム電極ペーストと銀ナノインキを同時焼成することも可能である。この場合、焼成温度は500℃〜900℃の範囲が望ましい。500℃未満の場合、銀パラジウム電極の焼結が不充分で、所定の特性が得られない場合がある。また焼成温度が900℃を超えた場合、歪センサのベース基板となる金属基板に耐熱性の高い高価なものを使う必要がある。なお銀ナノインキは150℃以上で焼成可能であるが、500℃から900℃の範囲で焼成しても特に問題ない。
次にインキジェットに用いる、ナノインキについて詳しく説明する。ナノインキとしては、銀を主体としたもの(銀ナノインキ)、金を主体としたもの(金ナノインキ)、パラジウムや白金を主体としたもの等が市販されている。
また近年では、市販のインキジェットプリンター(一滴が2PLと極めて微細なインキ滴でファインパターン印刷を可能にするインキジェットプリンターが1台数万円で市販されている)を用いて、トリミング配線21aを形成できる。
インキジェット法を用いてトリミング配線21aを形成する場合、粘度が1センチポイズ〜10ポイズで、その金属含有率は5〜80wt%である電極インキを用いることが望ましい。インキ粘度が1センチポイズ未満の場合、インキに用いる溶剤が特殊で高価なものを選ぶ必要がある。またインキ粘度が10ポイズを超えた場合、インキジェット装置30から噴射させにくくなったり、インキジェット装置のインキ噴射孔を詰まらせたりする可能性がある。
また金属含有率が5wt%未満の場合、焼成されてなるトリミング配線21aがスカスカになる可能性がある。また金属含有率が80wt%を超えた場合、インキジェット装置のインキ噴射孔を詰まらせる可能性がある。そしてこうした電極インキを、インキジェット法を用いて、トリミング配線21aの形状に印刷した後、所定温度で熱処理してトリミング配線21aとすることで、微細な(例えば、市販プリンターにはピッチ1200dpiとファインパターン印字対応のものが使われている。なおdpiはdot per inchの略)パターン形状にトリミング配線21aを印刷できる。なおインキのような分散系液体の場合、ズリ速度(単位は1/s、粘度計の回転数に相当する)によって、粘度が変化することが知られている(チキソ性と呼ばれることもある)。そのため本発明において、ズリ速度は、粘度計で測定容易な範囲、つまり1/s(/sは秒の逆数であり、ズリ速度の単位、セクインパースと呼ばれることがある)以上10/s以下の任意のズリ速度での粘度値を用いることが望ましい。
なおインキジェット印刷には、金属の超微粒子が分散されてなるナノインキ以外に、金属レジネート等を用いることもできる。
またトリミング配線21aは、所定電極インキが熱処理されて導電を有するトリミング配線21aとなった後、前記トリミング配線21aの上に少なくとも電極ペーストもしくは感歪抵抗体ペースト6が所定形状に印刷された後、これらいずれか一つ以上と共に、600〜950℃で焼成される工程を用いることで、センサの製造コストを下げられる。このように、トリミング配線21aを熱処理してトリミング配線21aとすることで、トリミング配線21aの厚みを(最初のペースト状態やペーストの乾燥した状態に比べ)薄くすることができる。そのため、トリミング配線21aの上に、電極ペーストや感歪抵抗体ペースト6を印刷しやすくなり、印刷精度を高められる。また電極ペーストもしくは感歪抵抗体ペースト6を、熱処理されて導電を有する状態のトリミング配線21aと同時に焼成することで、トリミング配線21aと感歪抵抗体、あるいはトリミング配線21aと配線とのオーミックコンタクトが可能になり、互いの接続抵抗を抑えられるために、ブリッジ回路に互いの接続抵抗に起因するノイズ成分の発生を抑制できる。
またトリミング配線21aの構成部材に関しては、銀を使うことができる。トリミング性や感歪抵抗体とのマッチング性を元に決めても良い。例えば、銀100%でも良いし、銀パラジウムでも良い。また金や白金は感歪抵抗体52の内部へ拡散しにくいため、こうした部材をトリミング配線21aとして用いることで、感歪抵抗体52の特性を向上させたり安定化させたりできる。
また金や白金、パラジウム等の高価な部材を用いる場合、トリミング配線21aだけにこうした高価な部材を用いて、配線61に安価な配線部材を用いることで、製品コストへの影響を抑えられる。また高価な部材(例えば、金、銀、白金、パラジウム等)を用いた場合、トリミング配線21aを薄くすることで製品コストへの影響を抑えられる。例えば、金や白金、パラジウム、銀等では金属レジネート(もしくは有機金属化合物や金液とも呼ばれることがある)化合物を用いることで、その焼成後の厚みを0.01μm程度まで薄くできるため、製品コストへの影響を抑えられる。
また近年では、貴金属(例えば、金、銀、白金、パラジウム等)の超微粒子粉末(あるいはこれら超微粒子粉末が溶液中に分散されてなるナノインキ等で知られているもの)が開発されている。こうした部材を用いても良い。またこうした部材の一部は、スクリーン印刷以外に、オフセット印刷、インキジェット印刷、転写印刷等、様々な用途のものも開発されているようであり、こうした部材を用いることができる。またこうしたナノインキをインキジェットで形成することで、トリミング配線21aを微細なパターン状で形成できる。
(実施の形態13)
以下、本発明の実施の形態13について、本発明の特に請求項55に記載の発明について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の実施の形態13について、本発明の特に請求項55に記載の発明について図面を参照しながら説明する。
実施の形態13では、図16を用いて、レーザーパワーの詳細について説明する。図16(A)は、レーザー出力の一例を示すものである。図16(A)において、X軸は時間、Y軸はレーザーパワーを示す。図16(A)において、レーザーパワーはQスイッチ等を用いてパルス的に照射される。この場合、パルスの時間や間隔(もしくは周波数)、パワーを調整することで、他の実施の形態に示すように、オーバーコート53越しにレーザー56を照射する場合の、オーバーコート53への悪影響を抑えられる。こうしたレーザーパワーの最適化が不充分な場合、オーバーコート53にクラックが発生することがある。
また光ビームによる半田付けに広く使われている固体半導体レーザーやキセノン等を用いた装置を使うこともできる。こうしたものはコンティニュアス式(連続照射)と呼ばれる。こうした場合、レーザーパワーの調整が難しく、オーバーコート53にクラック(瞬間的にオーバーコート53が加熱−冷却されることによるクラック)が発生する可能性がある。その場合、図16(B)に示すように、レーザーパワーにスロープ62a、62bを付けることが望ましい。図16(B)において、62aは立ち上がり部(レーザーパワーがゼロから最大まで増加する部分)のスロープであり、62bは終息部(レーザーパワーがゼロまで低下する部分)のスロープに相当する。このように、レーザーパワーにスロープ62a、62bを付けることで、オーバーコート53への悪影響を抑えられる。このようにレーザーパワーにスロープを付けることで、オーバーコート53に応力集注しにくくなり、オーバーコート53のクラック防止効果が得られる。なおスロープ62a、62bの時間としては、0.01秒以上100秒以下(望ましくは0.1秒以上10秒以下)が望ましい。スロープ時間が0.01秒未満の場合、充分な効果が得られない場合がある。またスロープ時間は100秒以上と長ければ長いほど、オーバーコート53に対するレーザーダメージを抑えられるが、その分、生産性を下げてしまい、製品コストに影響を与える。なお、スロープ以外に階段状(もしくはステップ状、図示していない)に、レーザーパワーを変化させても良い。このようにトリミング配線21a、21bを切断もしくは不導体化する際に、レーザーパワーが最大出力となる前後の位置の少なくともどちらかはスロープ状もしくはステップ状にレーザーパワーを時間的に変化させるレーザー装置55を使うことで、オーバーコート53のクラック発生を抑制できる。
なおトリミング配線21a、21bの厚みは0.01〜10μmが望ましい。トリミング配線21a、21bの厚みが10μmを超えると、オーバーコート53越しにレーザー56で切断したり不導体化したりしにくくなる場合がある。またトリミング配線21a、21bの厚みが0.01μmより薄い場合、トリミング配線21a、21bにピンホールが発生しやすく、またトリミング配線21a、21b自身の抵抗値(もしくはシート抵抗値)が増加するため、トリミング配線21a、21bとしての機能が低下する場合がある。なおトリミング配線21a、21bの厚みは、厚ければ厚いほど、微細な櫛型を形成することが難しくなったり、材料費が増加したり、レーザー切断時の作業性に影響を与える場合がある。このように、トリミング配線21a、21bを薄くすることで、トリミング配線21a、21bの微細印刷時での印刷滲みを防止したり、レーザー切断性を改善することができることは言うまでもない。
なおオーバーコート53越しのトリミング配線21a、21bのトリミング方法としては、レーザートリミングを用いることができる。本発明の場合、感歪抵抗体52へのレーザーダメージは発生しないため、抵抗値を測定しながら同時にレーザートリミングし、その結果をフィードバックしながら自動でレーザートリミングできるため、レーザートリミングした後にオーバーコート53の形成の影響を受けることなく、レーザートリミングの自動化やトリミング時間の短縮が可能となる。レーザー56としては、CO2やYAGを用いることができる。また半導体レーザー等を用いても良い。
なお感歪抵抗体52としては、酸化ルテニウムを使った市販のペーストを使うことができる。こうした感歪抵抗体ペースト6としては、ペーストメーカーから400〜900℃焼成用のものが複数種類市販されている。またオーバーコート53としては、ガラスもしくは樹脂を厚み5μm〜5mmで形成することが望ましい。オーバーコート53の厚みが5μm未満の場合、ピンホールや泡等によって、充分な保護効果が得られない場合がある。またオーバーコート53の厚みが5mmを超えた場合、製品コストに影響を与える場合がある。
また本発明のようにトリミング配線21a、21bを薄くすることで、弱いレーザーパワーでもトリミングしやすくなる。
このように本発明では、抵抗値修正を行う場合、感歪抵抗体52にラダー状(櫛歯状)に接続されてなるトリミング配線21a、21bを切断することで、感歪抵抗体52に影響を与えることなく抵抗値を所定範囲内に調整できるため、歪センサの歩留りを改善できる。
なお、感歪抵抗体52は金属製の基板上にガラス層25を介して形成するが、それ以外の構成でも良い。
本発明にかかるトリミング用配線を有する歪センサとその製造方法は、感歪抵抗体にダメージを与えることなく抵抗値を所定値にトリミング調整できるため、歪センサの歩留りを高められ、安価で高品質のセンサを市場に適用できるため、センサを用いた各種製品のコストダウンを可能とする。
21a、21b トリミング配線
22a、22b 重なり部分
25 ガラス層
52 感歪抵抗体
53 オーバーコート
54b、54c、54d 矢印
55 レーザー装置
56 レーザー
57 補助線
58 抵抗体中心
59 窓
60 封止材
61 配線
62 スロープ
22a、22b 重なり部分
25 ガラス層
52 感歪抵抗体
53 オーバーコート
54b、54c、54d 矢印
55 レーザー装置
56 レーザー
57 補助線
58 抵抗体中心
59 窓
60 封止材
61 配線
62 スロープ
Claims (56)
- 基板上にガラス層を介して形成された複数の感歪抵抗体が、配線によってブリッジ回路を形成され、更にオーバーコートによって保護されてなる歪センサにおいて、前記感歪抵抗体の少なくとも一側面に接続される前記配線がトリミング配線である歪センサ。
- 基板上にガラス層を介して形成された複数の感歪抵抗体が、配線によってブリッジ回路を形成され、更にオーバーコートによって保護されてなる歪センサにおいて、前記感歪抵抗体の両側面に接続される前記配線がトリミング配線である歪センサ。
- 基板上にガラス層を介して形成された複数の感歪抵抗体の一部はトリミング配線を介してブリッジ回路を形成する配線に接続されている歪センサ。
- ブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体に接続されたトリミング配線もしくは配線の一部が、オーバーコート越し、もしくはオーバーコートに形成された窓を介して切断もしくは不導体化されることで、前記感歪抵抗体の互いの抵抗値のバラツキを10%以下とした歪センサ。
- 基板上にガラス層を介して形成された複数の感歪抵抗体は、トリミング配線を介して所定のブリッジ回路を形成した状態でオーバーコートによって保護され、更に前記トリミング配線はオーバーコート越し、もしくはオーバーコートに形成された窓を介して切断もしくは不導体化されてなる歪センサ。
- トリミング配線は、オーバーコート越し、もしくはオーバーコートによって形成された窓を介してレーザーによって切断可能なものである請求項1から5に記載の歪センサ。
- 基板上にガラス層を介して形成されたトリミング配線の上に、感歪抵抗体の一部が形成されている請求項1から5に記載の歪センサ。
- 基板上にガラス層を介して形成された感歪抵抗体の上に、トリミング配線の一部が形成されている請求項1から5に記載の歪センサ。
- トリミング配線は、配線部の先端が複数本に分かれた状態で一つの感歪抵抗体の側面に接続されたものである請求項1から5に記載の歪センサ。
- トリミング配線は、銀、金、白金、パラジウムの単体もしくは合金から形成されており、ガラス成分は20wt%以下である請求項1から5に記載の歪センサ。
- トリミング配線は、ブリッジ回路を形成する配線と異なる金属組成である請求項1から5に記載の歪センサ。
- トリミング配線の厚みは、0.01〜10μmである請求項1から5に記載の歪センサ。
- 少なくとも感歪抵抗体及びトリミング配線は、ガラスもしくは樹脂を主体とした透明もしくはレーザー透過性を有する厚み5μm〜5mm以下のオーバーコートで覆われている請求項1から5に記載の歪センサ。
- 少なくとも配線の一部には、半導体部品もしくはチップ部品もしくはコネクタが半田付けされている請求項1から5に記載の歪センサ。
- 配線の厚みは5〜50μm以下である請求項1から5に記載の歪センサ。
- 配線は、銀、金、白金、パラジウムの単体もしくは合金から形成されており、ガラス成分は20wt%以下である請求項1から5に記載の歪センサ。
- 配線もしくはトリミング配線の少なくともどちらかは、所定の電極部材が300〜900℃で焼成されたものである請求項1から5に記載の歪センサ。
- 感歪抵抗体は、ガラス粉中に少なくとも酸化ルテニウムを主成分とする抵抗体成分が分散されてなる感歪抵抗体ペーストが、300〜900℃で焼成されたものである請求項1から5に記載の歪センサ。
- 感歪抵抗体の厚みは、1〜50μmである請求項1から5に記載の歪センサ。
- 感歪抵抗体の寸法は、0.1mm角以上10mm角以下である請求項1から5に記載の歪センサ。
- 感歪抵抗体の寸法は、トリミング配線よりも10μm〜5mmの範囲で長く形成されている請求項1から5に記載の歪センサ。
- 感歪抵抗体は、その形状が小判型もしくは長丸形状を有している請求項1から5に記載の歪センサ。
- ガラス層は結晶化ガラスである請求項1から5に記載の歪センサ。
- 感歪抵抗体の直下は非晶質ガラス層である請求項1から5に記載の歪センサ。
- ガラス層は結晶化ガラスと非晶質ガラスの複数層である請求項1から5に記載の歪センサ。
- ガラス層の厚みは5〜500μmである請求項1から5に記載の歪センサ。
- ガラス層の内部に、厚み1〜50μmの銀を主体とする内部電極を有する請求項1から5に記載の歪センサ。
- 金属基板とガラス層の間に、厚み1〜50μm以下の銀を主体とするGND電極を有する請求項1から5に記載の歪センサ。
- 結晶化ガラスはMgOが35〜50wt%、B2O3は10〜30wt%、SiO2は10〜25wt%、BaOは3〜25wt%、AL2O3は1〜30wt%、SnO2は1〜5wt%、P2O5は5wt%以下である請求項21、23、24、25に記載の歪センサ。
- 非晶質ガラスはSiO2が40〜80wt%、CaOが5〜15wt%、PbOが3〜15wt%、AL2O3が1〜20wt%、ZrO2が1〜20wt%である請求項22、24、26に記載の歪センサ。
- 結晶化ガラスもしくは非晶質ガラスには、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニア、カルシウム、シリコンの酸化物もしくは水酸化物が1種類以上含まれている請求項1から5に記載の歪センサ。
- 感歪抵抗体の一側面に接続されたトリミング配線の中央部は太く、周辺は細くなるように、少なくともその一部の太さが異なっている請求項1から5に記載の歪センサ。
- 感歪抵抗体に接続されたトリミング配線が、外周部から順番に切断されている請求項1から5に記載の歪センサ。
- 感歪抵抗体に接続された、異なる太さを有するトリミング配線が、細い方から太い方に順番に切断されてなる請求項1から5に記載の歪センサ。
- トリミング配線は、粒径1nm〜1μmの金属微粒子が溶液中に分散されてなるナノインキが、所定形状に印刷された後、150〜900℃で焼成されたものである請求項1から5に記載の歪センサ。
- 少なくともブリッジ回路を形成する配線もしくはトリミング配線を形成する工程と、感歪抵抗体を形成する工程と、前記配線もしくは前記トリミング配線の少なくともいずれかと感歪抵抗体をオーバーコートで覆う工程と、前記感歪抵抗体の抵抗値を測定する工程と、前記抵抗値に応じて前記トリミング配線を前記オーバーコートを介して、もしくは前記オーバーコートに形成された窓を介して切断もしくは不導体化する工程とを有する歪センサの製造方法。
- 少なくともブリッジ回路を形成する感歪抵抗体の抵抗値の測定に、前記感歪抵抗体に接続された配線もしくはトリミング配線を用い、前記感歪抵抗体の抵抗値を測定しながらその測定結果をトリミング装置にフィードバックさせて前記トリミング配線をオーバーコート越しに、もしくは前記オーバーコートに形成した窓を介して切断もしくは不導体化し前記感歪抵抗体の抵抗値を所定値に調整する工程を有する歪センサの製造方法。
- 少なくともブリッジ回路を形成する感歪抵抗体に接続された同一トリミング配線の複数箇所をオーバーコート越しに、もしくは前記オーバーコートに形成した窓を介して切断もしくは不導体化することで、前記感歪抵抗体の抵抗値を所定値に調整する歪センサの製造方法。
- 少なくともブリッジ回路を形成する感歪抵抗体に接続されたトリミング配線をオーバーコート越しに、もしくは前記オーバーコートに形成した窓を介して切断もしくは不導体化幅1μm〜5mmで切断することで、前記感歪抵抗体の抵抗値を所定値に調整する歪センサの製造方法。
- 少なくともブリッジ回路を形成する感歪抵抗体の両側面に形成されたトリミング配線を交互にオーバーコート越しに、もしくは前記オーバーコートに形成した窓を介して切断もしくは不導体化切断することで、前記感歪抵抗体の抵抗値を所定値に調整する工程を含む歪センサの製造方法。
- 少なくともブリッジ回路を形成する感歪抵抗体と配線との間に、粒径1nm〜1μmの金属微粒子が溶液中に分散されてなるナノインキを熱処理してなるトリミング配線を形成し、前記感歪抵抗体の抵抗値に応じて前記トリミング配線をオーバーコート越しに、もしくは前記オーバーコートに形成した窓を介して切断もしくは不導体化切断し、前記感歪抵抗体の抵抗値を所定値に調整する工程を有する歪センサの製造方法。
- 少なくともブリッジ回路を形成する複数の感歪抵抗体と配線との間に、金属レジネートが溶剤中に溶解もしくは分散されてなるレジネートインキを熱処理されてなるトリミング配線を形成し、前記感歪抵抗体の抵抗値に応じて前記トリミング配線をオーバーコート越しに、もしくは前記オーバーコートに形成した窓を介して切断もしくは不導体化切断し、前記感歪抵抗体の抵抗値を所定値に調整する工程を有する歪センサの製造方法。
- 少なくともブリッジ回路を形成する感歪抵抗体と配線との間に、銀、金、白金、パラジウムの単体もしくは合金を主成分とするトリミング配線を形成し、前記感歪抵抗体の抵抗値に応じて前記トリミング配線をオーバーコート越しに、もしくは前記オーバーコートに形成した窓を介して切断もしくは不導体化切断し、前記感歪抵抗体の抵抗値を所定値に調整する工程を有する歪センサの製造方法。
- トリミング配線の厚みは、0.01〜10μmとする請求項36から43に記載の歪センサの製造方法。
- 感歪抵抗体の抵抗値に応じて、前記感歪抵抗体に接続されたトリミング配線の一部を切断した後、前記感歪抵抗体及び前記トリミング配線をオーバーコートで覆う歪センサの製造方法。
- 樹脂を主体としたオーバーコートを厚み5μm〜5mmで形成する請求項45に記載の歪センサの製造方法。
- ガラスを主体としたオーバーコートを厚み5μm〜5mmで形成する請求項45に記載の歪センサの製造方法。
- トリミング配線の作製に、インキジェット装置を用いる請求項36から43に記載の歪センサの製造方法。
- トリミング配線の作製には、描画法を使う請求項36から43に記載の歪センサの製造方法。
- トリミング配線の作製には、スクリーン印刷法を使う請求項36から43に記載の歪センサの製造方法。
- トリミング配線の作製には、転写印刷を使う請求項36から43に記載の歪センサの製造方法。
- トリミング配線は、電極インキが熱処理されて導電を有するトリミング配線となった後、前記トリミング配線の上に少なくとも電極ペーストもしくは感歪抵抗体ペーストのいずれか一つ以上と共に、600〜950℃で焼成される工程を有する請求項36から43に記載の歪センサの製造方法。
- 粘度が1センチポイズ〜10ポイズであり、その金属含有率は5〜80wt%であるナノインキを、インキジェット法を用いてトリミング配線形状に印刷した後、所定温度で熱処理してトリミング配線とする工程を有する請求項36、37、38、39、40、41、43に記載の歪センサの製造方法。
- 粘度が10〜10000ポイズであり、その金属含有率は5〜80wt%であるナノインキを、スクリーン印刷法を用いてトリミング配線の形状に印刷した後、所定温度で熱処理してトリミング配線とする工程を有する請求項36、37、38、39、40、41、43に記載の歪センサの製造方法。
- 粘度が1〜1000ポイズであり、その金属含有率は5〜80wt%であるナノインキを、描画法を用いてトリミング配線の形状に印刷した後、所定温度で熱処理してトリミング配線とする工程を有する請求項36、37、38、39、40、41、43に記載の歪センサの製造方法。
- トリミング配線を切断もしくは不導体化する際に、レーザーパワーが最大出力となる前後の位置の少なくともどちらかにはスロープ状もしくはステップ状にレーザーパワーを時間的に変化させるレーザー装置を使う請求項36から43記載の歪センサの製造方法。
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JP2005277741A JP2007085993A (ja) | 2005-09-26 | 2005-09-26 | 歪センサとその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009168668A (ja) * | 2008-01-17 | 2009-07-30 | Panasonic Corp | 歪検出装置 |
WO2012147349A1 (ja) | 2011-04-27 | 2012-11-01 | パナソニック株式会社 | 電子機器 |
TWI505435B (zh) * | 2009-02-12 | 2015-10-21 | Kelk Ltd | A substrate provided with a sensor, and a substrate provided with a sensor |
-
2005
- 2005-09-26 JP JP2005277741A patent/JP2007085993A/ja active Pending
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