JP6331936B2 - 銅−ニッケル厚膜抵抗器およびその製造方法 - Google Patents

銅−ニッケル厚膜抵抗器およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回路基板、チップ抵抗器、ハイブリットICおよび抵抗ネットワークなどの電子部品に用いられる厚膜抵抗器およびその製造方法に関する。
電子部品の一つである厚膜抵抗器は、厚膜抵抗体を厚膜導体(電極)に電気的に接続することによって形成される。このような厚膜抵抗器は、これを構成する厚膜抵抗体の幅や長さが異なる場合であっても、その厚さや組成が同一であれば、理論上、面積抵抗値は同じ値を示す。一方、厚膜抵抗器の抵抗値は、その温度上昇に伴い変化することが知られている。この変化量は、基準温度T0における抵抗値をR0、温度Tにおける抵抗値をRとした場合に、下記の式(1)によって算出される抵抗温度係数(以下、「TCR」という)によって評価される。なお、TCRは、厚膜抵抗器の組成が同一であれば、その寸法にかかわらず、理論上、同一の値を示す。
TCR=(R−R0)/R/(T−T0) (1)
TCRが0に近い厚膜抵抗器、具体的には、TCRを±200ppm/℃の範囲内に制御できる厚膜抵抗器は、温度による抵抗値の変化を無視することができるので、特段の温度補償手段を用意する必要がなく、回路設計を容易に行うことができる。このようなTCRを実現できる厚膜抵抗器としては、厚膜抵抗体が銅−ニッケル合金、ニッケルークロム合金、銀−パラジウム合金、酸化ルテニウムなどで構成されているものが挙げられる。これらの中でも、銅−ニッケル合金は、安価であるばかりでなく、抵抗値の低い厚膜抵抗体の材料として広く用いられている。
厚膜抵抗器の製造方法としては、導体ペーストと抵抗ペーストを用いる方法が知られている。ここで、導体ペーストは、銅粉末および有機ビヒクルなどから構成され、抵抗ペーストは、銅粉末およびニッケル粉末または銅−ニッケル合金粉末、ガラス粉末ならびに有機ビヒクルなどから構成される。
たとえば、特開平2−308501号公報には、アルミナ基板上に、銅ペーストを印刷および乾燥し、非酸化性雰囲気中、900℃で焼成することにより厚膜導体を形成した後、この厚膜導体と接続するように、銅粉末とニッケル粉末を、質量比でCu:Ni=36〜84:16〜64で含む混合粉末と、軟化点が550℃〜700℃のガラス粉末を含む抵抗ペーストを印刷および乾燥し、非酸化性雰囲気中、900℃で焼成することにより厚膜抵抗体を形成する、厚膜抵抗器の製造方法が記載されている。
また、特開平9−275002号公報には、アルミナ基板上に、焼結助剤として銅粉末を添加した銅−ニッケル合金粉末を含む抵抗ペーストを印刷および乾燥し、窒素雰囲気または還元性雰囲気中、600℃〜1000℃で焼成することにより厚膜抵抗体を形成した後、この厚膜抵抗体と接続するように厚膜導体(端面電極)を形成する、厚膜抵抗器の製造方法が記載されている。なお、この文献では、端面電極の形成方法は特定されていないが、その実施例では、市販の銅ペーストを塗布した後、窒素雰囲気中、850℃で焼成することにより端面電極を形成している。
さらに、特開平10−144501号公報には、絶縁基板上に、銅−ニッケル合金粉末を含む抵抗ペーストを印刷および乾燥することにより抵抗層を形成し、この抵抗層の両端部上面に、銅または銀粉末を含む導体ペーストを印刷および乾燥することにより上面電極層を形成し、窒素雰囲気または還元性雰囲気中、600℃〜1000℃で、抵抗層および上面電極層を同時に焼成する、厚膜抵抗器の製造方法が記載されている。
これらの製造方法によれば、抵抗値が低く、かつ、TCRが±200ppm/℃の範囲内にある厚膜抵抗器を得ることができる。しかしながら、これらの厚膜抵抗器は、厚膜抵抗体の寸法、特に、長さによって面積抵抗値やTCRが異なった値を示すため、電子部品としての信頼性に欠けるという問題がある。
これに対して、特開2013−175523号公報には、絶縁基板上に、銅粉末およびニッケル粉末を含む抵抗ペーストを印刷および乾燥し、不活性雰囲気中、880℃〜920℃で焼成することにより厚膜抵抗体を形成した後、この厚膜抵抗体の上面に、銅粉末を含む導体ペーストを印刷および乾燥し、不活性雰囲気中、880℃〜920℃で焼成することにより厚膜導体を形成し、次いで、厚膜抵抗体および厚膜導体を、大気中、300℃〜500℃で熱処理する、厚膜抵抗器の製造方法が記載されている。この製造方法で得られる厚膜抵抗器は、厚膜抵抗体とその保護膜との間に酸化膜が形成されているため、酸素が保護膜を透過した場合であっても、厚膜抵抗体の酸化を防止することができる。したがって、この製造方法によれば、厚膜抵抗器の特性の経時的な変化に起因する、抵抗値やTCRの変動を抑制することができると考えられる。
しかしながら、このような製造方法であっても、厚膜抵抗器を構成する厚膜抵抗体の長さによって生じる面積抵抗値やTCRの変動を抑制することができず、上述した問題を解決することはできない。
特開平2−308501号公報 特開平9−275002号公報 特開平10−144501号公報 特開2013−175523号公報
本発明は、低抵抗で、かつ、厚膜抵抗体の長さにかかわらず、面積抵抗値やTCRが一定の厚膜抵抗器およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の厚膜抵抗器の製造方法は、銅およびニッケルを含む厚膜抵抗体と、該厚膜抵抗体に銅を含む厚膜導体が接続した、厚膜抵抗器の製造方法であって、絶縁基板上に、銅粉末とニッケル粉末または銅−ニッケル合金粉末を含む抵抗ペーストを印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、800℃〜950℃で焼成することにより厚膜抵抗体を形成する、厚膜抵抗体形成工程と、前記厚膜抵抗体と接続するように銅粉末を含む導体ペーストを印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、550℃〜700℃で焼成することにより厚膜導体を形成する、厚膜導体形成工程とを備えることを特徴とする。
前記抵抗ペーストとして、銅とニッケルの質量比が、Cu:Ni=55〜70:30〜45であるものを用いることが好ましい。
前記抵抗ペーストとして、該抵抗ペーストの焼成温度よりも50℃以上低い軟化点を有するガラス粉末をさらに含むものを用いることが好ましい。
前記抵抗ペーストとして、粒度が10μm以下の銅粉と、粒度が2μm以下のニッケル粉末とを含むもの、または、粒度が10μm以下の銅−ニッケル合金粉末を含むものを用いことが好ましい。
前記導体ペーストとして、軟化点が、該導体ペーストの焼成温度よりも低く、かつ、650℃以下であるガラス粉末をさらに含むものを用いることが好ましい。
前記導体ペーストとして、粒度が1μm以下の銅粉末を含むものを用いることが好ましい。
本発明の厚膜抵抗器は、上述した製造方法により得られる厚膜抵抗器であって、絶縁基板上に形成された銅−ニッケル合金を含む厚膜抵抗体と、前記厚膜抵抗体の両端に、該厚膜抵抗体と接続するよう形成された銅を含む厚膜導体とを備えることを特徴とする。
本発明は、低抵抗で、かつ、厚膜抵抗体の長さにかかわらず、面積抵抗値やTCRが一定の厚膜抵抗器を提供することができる。また、本発明によれば、このような厚膜抵抗器を工業規模の生産において、容易に製造可能な製造方法を提供することができる。このため、本発明の工業的意義はきわめて大きい。
図1は、本発明の厚膜抵抗器の製造方法を説明するためのフロー図である。 図2は、本発明の厚膜抵抗器の概略平面図である。 図3は、図2のA−A断面図である。
本発明者らは、上述した問題に鑑みて、低抵抗で、かつ、厚膜抵抗体の長さにかかわらず、面積抵抗値やTCRが一定の厚膜抵抗器およびその製造方法について鋭意研究を重ねた。その結果、従来技術の厚膜抵抗器において、厚膜抵抗体の長さによって面積抵抗値やTCRに変動が生じる原因が、厚膜抵抗体の組成の不均一性にあることを突き止めた。すなわち、従来技術の厚膜導体の製造方法では、抵抗ペーストと導体ペーストを印刷する順番にかかわらず、最後に印刷したペースト中の金属粉末同士を焼結させるとともに、厚膜導体と厚膜抵抗体の電気的接触を確保する観点から、厚膜導体と抵抗ペーストまたは厚膜抵抗体と導体ペーストが接触した状態で、700℃を超える高温で焼成することが一般的であった。しかしながら、このような方法では、焼成時に、厚膜導体側から厚膜抵抗体側に銅が拡散し、これによって、厚膜抵抗体の組成が不均一になることを突き止めたのである。
厚膜抵抗体の組成が不均一になることを防止する手段としては、予め、銅の拡散量を見越して、厚膜抵抗体中の銅の割合を少なめに調整する方法が考えられる。しかしながら、銅の拡散量は焼成条件などによって複雑に変化するため、この方法では、工業規模の生産において厚膜抵抗体の組成を高精度で制御することは実質的に不可能である。
本発明者らは、この点についてさらに研究を重ねた結果、厚膜抵抗体の形成後に厚膜導体を形成するとともに、その際の焼成条件を適切に制御することにより、厚膜導体側から厚膜抵抗体側への銅の拡散を効果的に抑制できるとの知見を得た。本発明は、この知見に基づいて完成されたものである。
以下、本発明を「1.厚膜抵抗器の製造方法」および「2.厚膜抵抗器」に分けて詳細に説明する。なお、本発明は、厚膜抵抗体の寸法にかかわらず適用することができるが、一般に、厚膜抵抗体の寸法が小さいほど、厚膜抵抗体全体に対する銅の拡散領域の割合が大きくなり、面積抵抗値やTCRへの影響が大きくなる。
1.厚膜抵抗器の製造方法
図1に示すように、本発明の製造方法は、銅およびニッケルを含む厚膜抵抗体12と、厚膜抵抗体12に銅を含む厚膜導体13が接続した厚膜抵抗器10の製造方法であって、(1)絶縁基板1上に、銅粉末とニッケル粉末または銅−ニッケル合金粉末を含む抵抗ペースト2を印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、800℃〜950℃で焼成することにより厚膜抵抗体12を形成する、厚膜抵抗体形成工程と、(2)この厚膜抵抗体12と接続するように銅粉末を含む導体ペースト3を印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、550℃〜700℃で焼成することにより厚膜導体13を形成する、厚膜導体形成工程とを備えることを特徴とする。
このような製造方法では、厚膜抵抗体12を形成した後、700℃以下の焼成温度で厚膜導体13が形成されるため、厚膜導体13側から厚膜抵抗体12側への銅の拡散がほとんど起こらず、厚膜抵抗体12の組成の均一性が保たれることとなる。この結果、得られる厚膜抵抗器10では、これを構成する厚膜抵抗体12の長さにかかわらず、面積抵抗値やTCRを一定の範囲に制御することが可能となる。
これに対して、厚膜抵抗体12を形成した後、700℃を超える焼成温度で厚膜導体13を形成する場合、または、厚膜導体13を形成した後、700℃を超える焼成温度で厚膜抵抗体12を形成する場合には、厚膜抵抗体12と厚膜導体13が接触した状態で700℃を超える高温で加熱されるため、厚膜導体13側から厚膜抵抗体12側への銅の拡散が起こり、厚膜抵抗体12の組成が不安定となる。すなわち、厚膜抵抗体12の長さ方向に銅の濃度勾配が形成され、この結果、厚膜抵抗体12の長さによって面積抵抗値やTCRが異なった値を示すようになる。
以上より、本発明の厚膜抵抗器10の製造方法においては、厚膜抵抗体12の形成後に、厚膜導体13を形成すること、および、厚膜導体13を形成する際の焼成温度を700℃以下にすることが重要であると理解される。
(1)厚膜抵抗体形成工程
厚膜抵抗体形成工程では、絶縁基板1上に銅およびニッケルを含む抵抗ペースト2を印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、800℃〜950℃で焼成することにより厚膜抵抗体12を形成する工程である。
[絶縁基板]
本発明において、絶縁基板1の材質は、絶縁性を有するものであれば特に制限されることはないが、たとえば、アルミナ、フォルステライトなどのセラミック製の基板を好適に使用することができる。
[抵抗ペースト]
本発明において使用する抵抗ペースト2は、銅およびニッケルからなる金属粉末のほか、一般的な抵抗ペーストと同様に、ガラス粉末および有機ビヒクルを含有する。金属粉末としては、銅粉末とニッケル粉末の混合粉末や銅−ニッケル合金粉末を使用することができる。
a)金属粉末
本発明では、抵抗ペースト2中の金属粉末として、銅粉末とニッケル粉末の混合粉末または銅−ニッケル合金粉末を使用することができる。いずれの金属粉末を使用する場合であっても、金属粉末中の銅(Cu)とニッケル(Ni)の質量比は、目的とする厚膜抵抗器10のTCRに応じて適宜調整する必要がある。たとえば、TCRを±200ppm/℃の範囲内に調整するためには、銅とニッケルの質量比を、Cu:Ni=55〜70:30〜45とすることが好ましい。特に、Cu:Ni=60〜70:30〜40とすることで、TCRを0ppm/℃に近い値とすることが可能となる。
このような金属粉末において、銅粉末および銅−ニッケル合金粉末としては、粒度が10μm以下のものを使用することが好ましく、7μm以下のものを使用することがより好ましく、3μm以下のものを使用することがさらに好ましい。また、ニッケル粉末としては、粒度が2μm以下のものを使用することが好ましく、1μm以下のものを使用することがより好ましく、0.7μm以下のものを使用することがさらに好ましい。ここで、銅粉末、ニッケル粉末および銅−ニッケル合金粉末の粒度とは、累積粒度分布から求められる粒径のメジアン値(D50)を意味し、たとえば、マイクロトラック(登録商標)などのレーザ回折・散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。
金属粉末の粒度が上述の範囲にあれば、抵抗ペースト2内に金属粉末を均一に分散させることができる。また、印刷時に、金属粉末同士の距離(中心間距離)や接触面積にばらつきが生じた場合であっても、焼成時に、金属粉末が成長し、これらのばらつきを解消することができる。このため、組成が均一で、面積抵抗値やTCRのばらつきがきわめて小さい厚膜抵抗器10を得ることが可能となる。ただし、いずれの金属粉末も粒度が0.1μm以上であることが好ましい。これは、粒度が0.1μm未満の金属粉末は、高コストであるばかりでなく、酸化しやすく、保存安定性に劣るからである。
なお、金属粉末の含有量は、抵抗ペースト100質量部に対して、50質量部〜90質量部とすることが好ましく、80質量部〜90質量部とすることがより好ましい。金属粉末の含有量が50質量部未満では、厚膜抵抗器10の抵抗値が十分に低い値とならない場合がある。一方、金属粉末の含有量が90質量部を超えると、抵抗ペースト2の粘度が高くなり、この抵抗ペースト2を所定の範囲に印刷することが困難となる。
b)ガラス粉末
ガラス粉末は、得られる厚膜抵抗体12を絶縁基板に密着させるために添加する。このようなガラス粉末としては、環境保護の観点から、鉛を含有しないガラス粉末を使用することが好ましく、たとえば、SiO2−B23系ガラス粉末やBi23−SiO2−B23系ガラス粉末などを好適に使用することができる。
また、ガラス粉末としては、軟化点が、抵抗ペーストの焼成温度より50℃以上低いものが好ましく、100℃以上低いものがより好ましい。ガラス粉末の軟化点がこのような範囲にあれば、厚膜抵抗体12と絶縁基板1の接着強度を十分に確保することができる。ただし、厚膜導体形成工程において、厚膜抵抗体12の抵抗値やTCRが変動することを防止する観点から、抵抗ペースト2に添加するガラス粉末としては、軟化点が、後述する導体ペースト3の焼成温度よりも150℃以上低いものを使用すべきではなく、導体ペースト3の焼成温度以上のものを使用することが好ましい。
さらに、ガラス粉末としては、粒度が20μm以下のものを用いることが好ましく、15μm以下のものを用いることがより好ましく、10μm以下のものを用いることがさらに好ましい。このようなガラス粉末は、焼成時に抵抗ペースト2ないしは厚膜抵抗体12内に浸み込み、厚膜抵抗体12と絶縁基板1との間に存在する隙間を埋めることができるので、厚膜抵抗体12と絶縁基板1との接着強度を向上させることができる。
なお、ガラス粉末の含有量は、厚膜抵抗体12に必要とされる抵抗値に応じて適宜選択することが必要となるが、概ね、抵抗ペースト100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部とすることが好ましい。ただし、銅―ニッケル合金の長所である抵抗値の低さを活かす用途では、ガラス粉末の含有量を1質量部〜8質量部とすることがより好ましい。ガラス粉末の含有量が0.5質量部未満では、絶縁基板1と厚膜抵抗体12が十分に密着しない場合がある。一方、ガラス粉末の含有量が10質量部を超えると、抵抗ペースト2中の金属粉末の含有量が低くなり、厚膜抵抗体12の導通を確保することが困難となる。
c)有機ビヒクル
有機ビヒクルは、抵抗ペースト2の粘度を調整し、その印刷を容易なものとするための成分である有機溶媒と、抵抗ペースト2を所定の寸法内に均等に印刷するための成分である樹脂とから構成される。
このうち、有機溶媒は、抵抗ペースト2の乾燥や焼成時に蒸発するため、それ自体が厚膜抵抗体12の特性に影響を及ぼすことはないが、その蒸発温度がガラス粉末の軟化点以下であることが好ましく、一般的には、沸点が100℃〜250℃程度のものが用いられることが多い。たとえば、ターピネオール(沸点:217℃〜218℃)、ジヒドロターピネオール(沸点:200℃〜220℃)、ブチルカルビトール(沸点:230℃)、ブチルカルビトールアセテート(沸点:246℃〜247℃)、ヘキサノール(沸点:119℃〜158℃)などを好適に用いることができる。
一方、樹脂は、抵抗ペースト2の焼成時に分解されるため、有機溶媒と同様に、それ自体が厚膜抵抗体12の特性に影響を及ぼすことはないが、熱分解温度がガラス粉末の軟化点以下であるものが好ましい。このような樹脂として、たとえば、セルロース系樹脂やアクリル系樹脂を好適に用いることができる。
なお、本発明において、有機ビヒクル中の有機溶媒と樹脂の比率は、抵抗ペースト2を所定の寸法内に均等に印刷することができる限り特に制限されることはないが、質量比で、有機溶媒:樹脂=50〜95:5〜50とすることが好ましい。
また、有機ビヒクルの含有量は、抵抗ペースト100質量部に対して、9質量部〜49質量部とすることが好ましい。有機ビヒクルの含有量が9質量部未満では、均一な抵抗ペースト2を形成することが困難となるばかりでなく、粘度が高くなり、抵抗ペースト2を所定の範囲に印刷することが困難となる。一方、有機ビヒクルの含有量が49質量部を超えると、抵抗ペースト2を所定の形状に印刷することが困難となる。また、所定の形状に印刷できたとしても、焼成後の膜厚や密度が小さくなりすぎるため、厚膜抵抗体12の抵抗値が過度に高くなる場合がある。
d)微量添加成分
抵抗ペースト2には、上述した成分のほかに、焼結の促進、焼成時における抵抗ペースト2の急激な収縮の防止および/または絶縁基板1との接着強度の向上のために、微量の酸化銅や酸化ニッケル粉末などを添加してもよい。また、抵抗値を調整するために、微量のアルミナ粉末や酸化チタン粉末などを添加してもよい。
[抵抗ペーストの作製]
抵抗ペースト2は、上述した各成分を均一に混練することにより形成される。この際の混練方法は特に制限されることはなく、たとえば、3本ロールミル、湿式混練ミル、テーパロールミルを用いることができる。
[抵抗ペーストの印刷]
上述のようにして得られた抵抗ペースト2は、絶縁基板1上に印刷される。この際の印刷方法も特に制限されることはなく、公知の印刷方法を適用することができる。たとえば、スクリーン印刷、凸版印刷、グラビア印刷といった印刷方法を好適に適用することができるが、適正な膜厚で大量生産を行う観点からスクリーン印刷により塗布することが好ましい。
なお、印刷後の抵抗ペースト2は、概ね80℃〜200℃に加熱して、2分〜15分程度かけて乾燥することが好ましい。
[抵抗ペーストの焼成]
a)焼成温度
厚膜抵抗器10の個体差による誤差、具体的には、厚膜抵抗器10の面積抵抗値やTCRのばらつきを抑制するためには、厚膜抵抗体12の組成を均一化することが重要である。組成が均一であれば、面積抵抗値やTCRのばらつきが抑制され、その抵抗値は、厚膜抵抗体12の長さに比例し、その断面積に反比例するようになる。このため、本発明では、抵抗ペースト2の焼成温度を800℃〜950℃、好ましくは800℃〜900℃とすることが必要となる。このような範囲で焼成することにより、金属粉末同士が焼結するばかりでなく、焼結した粉末内で銅とニッケルが拡散し、合金化することで、均一な厚膜抵抗体12を形成することが可能となる。
これに対して、焼成温度が800℃未満では、金属粉末同士が十分に焼結することができないため、得られる厚膜抵抗体12の抵抗値が大きくなる。また、合金化した金属粉末の組成を十分に均一なものとすることができないため、厚膜抵抗器の面積抵抗値やTCRにばらつきが生じることとなる。
なお、金属粉末として、粒度が小さい銅粉末やニッケル粉末を使用することで、これらの金属粉末を低温で焼結させることも可能である。一方、焼成温度が950℃を超えると、抵抗ペースト2に含まれるガラス粉末の粘度が著しく低下するため、抵抗ペースト2が所定の形状を保持できず、短絡や断線が生じるおそれがある。
また、金属粉末が焼結し、合金化する温度は、金属粉末を構成する銅とニッケルの質量比や粒度に応じて変動するため、焼成温度は上述した範囲内で適宜調整することが必要となる。たとえば、銅−ニッケル合金粉末中のニッケル含有量が増加すると、焼結が進みにくくなるので、この合金粉末の粒度を小さくするか、焼成温度を高温側に調整することが必要となる。
b)焼成雰囲気
抵抗ペースト2中の金属粉末は反応性が高いため、酸化を抑制する観点から、焼成雰囲気を不活性雰囲気または還元性雰囲気とすることが必要となる。具体的には、不活性雰囲気としては、窒素雰囲気、アルゴンなどの希ガス雰囲気を採用することができる。また、還元性雰囲気としては、水素雰囲気などを採用することができる。
c)焼成時間
焼成時間は、抵抗ペースト2の組成や使用する焼成炉の特性などに応じて適宜調整されるべきものであり、特に制限されることはないが、焼成温度に達してから5分〜20分保持することが好ましく、7分〜15分保持することがより好ましい。
(2)厚膜導体形成工程
厚膜導体形成工程は、厚膜抵抗体形成工程で形成した厚膜抵抗体12と接続するように銅を含む導体ペースト3を印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、550℃〜700℃で焼成することにより厚膜導体13を形成する工程である。
[導体ペーストの組成]
本発明において使用する導体ペースト3は、銅粉末のほか、一般的な導体ペーストと同様に、ガラス粉末と有機ビヒクルを含有する。
a)金属粉末
本発明では、導体ペースト3の金属粉末として、銅粉末を使用する。これは、銅は安価であるばかりでなく、はんだ接合時に浸食されにくく、かつ、電気伝導性に優れるため、低抵抗の厚膜抵抗器10を容易に得ることができるからである。
このような銅粉末としては、酸素をあまり含まない銅粉末が好ましく、たとえば、無酸素銅からなる銅粉末を好適に使用することができる。また、銅粉末として、粒度が1μm以下のものを用いることが好ましく、0.7μm以下のものを用いることがより好ましく、0.5μm以下のものを用いることがさらに好ましい。このような銅粉末であれば、後述する焼成温度で焼成した場合に、抵抗値がきわめて低い厚膜導体13を形成することができる。
なお、銅粉末の含有量は、導体ペースト100質量部に対して、50質量部〜90質量部とすることが好ましく、80質量部〜90質量部とすることがより好ましい。銅粉末の含有量が50質量部未満では、得られる厚膜導体13において、十分な電気伝導性を確保することが困難となる。一方、銅粉末の含有量が90質量部を超えると、導体ペースト3の粘度が高くなり、この導体ペースト3を所定の範囲に印刷することが困難となる。
b)ガラス粉末
ガラス粉末は、得られる厚膜導体13を絶縁基板に密着させるために添加する。このようなガラス粉末としては、環境保護の観点から、鉛を含有しないガラス粉末を使用することが好ましく、抵抗ペースト2の場合と同様に、SiO2−B23系ガラス粉末やBi23−SiO2−B23系ガラス粉末などを好適に使用することができる。
また、ガラス粉末としては、軟化点が、導体ペースト3の焼成温度よりも低く、かつ、650℃以下のものが好ましく、600℃以下のものがより好ましく、550℃以下のものがさらに好ましい。ガラス粉末の軟化点がこのような範囲にあれば、厚膜導体13と絶縁基板1の接着強度を十分に確保することができる。
さらに、ガラス粉末としては、粒度が20μm以下のものを用いることが好ましく、15μm以下のものを用いることがより好ましく、10μm以下のものを用いることがさらに好ましい。このようなガラス粉末は、焼成時に溶融し、厚膜導体13と絶縁基板1との間に存在する隙間を埋めることができるので、厚膜導体13と絶縁基板1との接着強度を十分なものとすることができる。
なお、ガラス粉末の含有量は、厚膜導体13に必要とされる電気伝導性に応じて適宜選択することが必要となるが、概ね、導体ペースト100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部とすることが好ましい。ガラス粉末の含有量が0.5質量部未満では、絶縁基板1と厚膜導体13が十分に密着しない場合がある。一方、ガラス粉末の含有量が10質量部を超えると、導体ペースト3中の銅粉末の含有量が低くなり、厚膜導体13の電気伝導性を十分に確保することが困難となる。
c)有機ビヒクル
導体ペースト3を構成する有機ビヒクルおよびその含有量については、抵抗ペースト2の場合と同様であるため、ここでの説明は省略する。
d)酸化銅粉末
導体ペースト3には、上述した成分のほかに、焼結の促進や絶縁基板1との接着強度を向上させるために、酸化銅粉末を添加してもよい。ただし、酸化銅粉末の添加量は、導体ペースト100質量部に対して、15質量部以下とすることが好ましい。酸化銅粉末の含有量が15質量部を超えると、厚膜導体13の電気伝導性を十分に確保することが困難となる。
[導体ペーストの作製]
導体ペースト3は、上述した各成分を均一に混練することにより形成される。混練方法としては、抵抗ペースト2の場合と同様に、3本ロールミル、湿式混練ミル、テーパロールミルなどを用いることができる。
[導体ペーストの印刷]
上述のようにして得られた導体ペースト3は、絶縁基板1上に印刷される。この際の印刷方法も、抵抗ペースト2の場合と同様に、スクリーン印刷、凸版印刷、グラビア印刷などを利用することができる。
なお、印刷後の導体ペースト3は、概ね80℃〜200℃に加熱して、2分〜15分程度かけて乾燥することが好ましい。
[導体ペーストの焼成]
導体ペースト3の焼成温度は、550℃〜700℃、好ましくは550℃〜600℃とする。このような温度範囲で焼成することにより、厚膜抵抗体12側への銅の拡散を抑制しつつ、組成が均一で、かつ、低抵抗の厚膜導体13を形成することが可能となる。これに対して、焼成温度が550℃未満では、厚膜導体13の組成が不均一となり、十分な電気伝導性を確保することができない。一方、焼成温度が700℃を超えると、厚膜導体13側から厚膜抵抗体12側に銅が拡散し、厚膜抵抗体12の抵抗値やTCRに影響を及ぼすこととなる。特に、厚膜抵抗体12の寸法が小さい場合には、厚膜抵抗体12全体に対する銅の拡散領域の割合が大きくなるため、厚膜抵抗体12の抵抗値やTCRに及ぼす影響が大きなものとなる。なお、焼成雰囲気および焼成時間は、厚膜抵抗体形成工程の場合と同様である。
(3)保護膜形成工程
本発明の厚膜抵抗器10においては、厚膜抵抗体12または厚膜導体13の表面に、樹脂やガラスを含む保護ペーストを印刷および乾燥し、不活性雰囲気あるいは還元性雰囲気中、700℃以下で焼成することにより、保護膜を形成してもよい。このような保護膜によって、厚膜抵抗体12や厚膜導体13が酸素や水と直接接触することを防止することができるため、厚膜抵抗器10の耐久性を向上させることが可能となる。また、保護膜の存在により、厚膜抵抗体12や厚膜導体13が、他の電子部品と直接接触することを防止することができるため、厚膜抵抗器10を用いた厚膜回路基板において、電子部品を近接させた配置が可能となる。
なお、本発明の製造方法では、厚膜導体形成工程後または保護膜形成工程後、必要に応じて、厚膜抵抗器10の抵抗値を所望の値に調整するトリミング工程や側面電極を形成する側面電極形成工程などを行うことも可能である。これらの工程については、従来技術と同様である。
2.厚膜抵抗器
本発明の厚膜抵抗器10は、上述した製造方法により得られるものである。この厚膜抵抗器10は、図2および図3に示されるように、絶縁基板1上に形成された銅−ニッケル合金を含む厚膜抵抗体12と、厚膜抵抗体12の両端に、この厚膜抵抗体12と接続するように形成された銅を含む厚膜導体13とを備える。このような厚膜抵抗器10は、抵抗値が小さく、かつ、厚膜抵抗体12の長さにかかわらず、面積抵抗値やTCRがほぼ一定であるという特性を備える。以下、本発明の厚膜抵抗器の特性について、主として、幅0.5mm、長さ0.5mmまたは50.0mm、厚さ14μmの厚膜抵抗体12を備えた厚膜抵抗器10を例に挙げて、具体的に説明する。
(1)面積抵抗値
本発明の厚膜抵抗器10は、四端子法により測定される抵抗値をR、厚膜抵抗体12の幅をW、実質的な長さ(厚膜抵抗体12の長さのうち、厚膜導体13と重なっている部分を除いた長さ)をL、膜厚を14μmとした場合に、下記の式(2)から求められる面積抵抗値Rsを80mΩ/□以下、好ましくは75mΩ/□以下とすることができる。
s=R・W/L (2)
また、本発明の厚膜抵抗器10は、これを構成する厚膜抵抗体12の長さが異なる場合であっても、その厚さおよび組成が同一であれば、面積抵抗値がほぼ一定であり、長さによる変動が少ないという特性を備える。たとえば、本発明の製造方法により、厚膜導体13間の距離Dが0.5mmである厚膜抵抗器10aと、距離Dが50mmである厚膜抵抗器10bを製造した場合、厚膜抵抗器10aと10bの面積抵抗値の差を10mΩ/□以下、好ましくは7mΩ/□以下、より好ましくは5mΩ/□以下とすることができる。なお、厚膜導体13間の距離Dは、厚膜抵抗体12の実質的な長さLと同じ長さとなる。
(2)TCR
本発明の厚膜抵抗器10は、上述のように構成される厚膜抵抗器10aと10bにおいて、下記の式(3)により算出される低温抵抗温度係数(以下、「CTCR」という)の差を70ppm/℃以下、好ましくは45ppm/℃以下、より好ましくは40ppm/℃以下とすることができる。なお、下記の式(3)において、R-55は、厚膜抵抗器10aおよび10bをー55℃で15分間保持した状態で測定される抵抗値を、R25は、厚膜抵抗器10aおよび10bを25℃で15分間保持した場合に測定される抵抗値を意味する。
CTCR(ppm/℃)=(R-55−R25)/R25/(−80)×106 (3)
さらに、厚膜抵抗器10aと10bにおいて、下記の式(4)により算出される高温抵抗温度係数(以下、「HTCR」という)の差を70ppm/℃以下、好ましくは45ppm/℃以下、より好ましくは40ppm/℃以下とすることができる。なお、下記の式(4)において、R125は、厚膜抵抗器10aおよび10bを125℃で15分間保持した場合に測定される抵抗値を、R25は、厚膜抵抗器10aおよび10bを25℃で15分間保持した状態で測定される抵抗値を意味する。
HTCR(ppm/℃)=(R125−R25)/R25/100×106 (4)
以下、実施例および比較例を用いて、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
[抵抗ペーストおよび導体ペーストの作製]
粒度が2μmの銅粉末を51質量部、粒度が0.5μmのニッケル粉末を34質量部、粒度が5μmで、軟化点が600℃であるSiO2−B23−ZnO系ガラス粉末を3質量部、および、20質量%のアクリル樹脂を80質量%のジヒドロターピネオールに溶解した有機ビヒクルを12質量部秤量した後、3本ロールミルを用いて均一に混錬することにより抵抗ペースト2を作製した。なお、この抵抗ペースト2中における銅粉末とニッケル粉末の質量比は、Cu:Ni=60:40であった。
また、粒度が0.3μmの銅粉末を85質量部、粒度が5μmで、軟化点が450℃であるBi23−SiO2−B23系ガラス粉末を3質量部、および、20質量%のアクリル樹脂を80質量%のジヒドロターピネオールに溶解した有機ビヒクルを12質量部秤量した後、3本ロールミルを用いて均一に混錬することにより導体ペースト3を作製した。
[厚膜抵抗器の製造]
アルミナ製の絶縁基板1上に、抵抗ペースト2を幅0.5mm、長さ0.9mm、厚さ14μmのパターンとなるようにスクリーン印刷した。続いて、この抵抗ペースト2を120℃で5分間乾燥した後、酸素濃度が20容量ppmの窒素雰囲気中、焼成温度(ピーク温度)を900℃として、この温度で10分間保持することにより焼成し、厚膜抵抗体12aを形成した。また、別途用意したアルミナ製の絶縁基板1上に、抵抗ペースト2を幅0.5mm、長さ50.4mm、厚さ14μmのパターンとなるようにスクリーン印刷したこと以外は同様にして、厚膜抵抗体12bを形成した(厚膜抵抗体形成工程)。
次に、厚膜抵抗体12aの両端部に、導体ペースト3を幅2mm、長さ2mm、厚さ14μmの正方形パターンとなるようにスクリーン印刷した。この際、この正方形パターンの対向する辺が、その中央部において、厚膜抵抗体12aの端部から0.2mmの領域とそれぞれ重なり合うように印刷した。続いて、この導体ペースト3を120℃で5分間乾燥した後、酸素濃度が20容量ppmの窒素雰囲気中、焼成温度(ピーク温度)を600℃として、この温度で10分間保持することにより厚膜導体13を形成し、厚膜導体13間の距離Dが0.5mmである厚膜抵抗器10aを得た。また、厚膜抵抗体12bについても、同様にして厚膜導体13を形成し、厚膜導体13間の距離Dが50mmである厚膜抵抗器10bを得た(厚膜導体形成工程)。なお、これらの厚膜抵抗器10aおよび10bでは、厚膜導体13間の距離Dが厚膜抵抗体12aおよび12bの実質的な長さに相当する。
[厚膜抵抗器の評価]
はじめに、厚膜抵抗器10aおよび10bの抵抗値を四端子法により測定した。具体的には、厚膜抵抗器10aおよび10bの両端にある厚膜導体13に、抵抗計(日置電機株式会社製、RM3548)のプローブを接触させて抵抗値Rを測定し、この値から式(2)に基づき、面積抵抗値Rsを算出した。
また、厚膜抵抗器10aおよび10bについて、−55℃、25℃および125℃のそれぞれの温度で15分間保持した後、同様にして抵抗値を測定し、式(3)に基づきCTCRを、式(4)に基づきHTCRを算出した。
次に、厚膜抵抗器10aおよび10bの表面をピンセットで強く擦ることにより、厚膜抵抗体12aおよび12bならびに厚膜導体13の接合強度を評価した。この結果、剥離が生じなかったものを「良(○)」、剥離が生じたものを「不良(×)」と評価した。以上の結果を表2に示す。
最後に、厚膜抵抗器10aおよび10bを構成する厚膜抵抗体12aおよび12bの両端部(厚膜導体13との重なっている部分)および中央部を王水で溶解してサンプルを採取した後、その組成をICP発光分光分析法により測定し、抵抗ペースト2における銅とニッケルの質量比と比較することにより、厚膜抵抗体12aおよび12bの組成の均一性を評価した。この結果、厚膜抵抗体12aおよび12bのいずれの場所においても、銅とニッケルの質量比が、概ね抵抗ペースト2における銅とニッケルの質量比と同等であるものを「良(○)」、いずれかの測定位置において、銅とニッケル質量比が大きく変化していたものを「不良(×)」と評価した。以上の結果を表2に示す。
(実施例2)
抵抗ペースト2として、粒度が2μmの銅粉末を59.5質量部、粒度が0.5μmのニッケル粉末を25.5質量部、粒度が5μmで、軟化点が600℃であるSiO2−B23−ZnO系ガラス粉末を3質量部、および、20質量%のアクリル樹脂を80質量%のジヒドロターピネオールに溶解した有機ビヒクルを12質量部秤量した後、3本ロールミルを用いて均一に混錬することにより得られものを使用したこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。なお、この抵抗ペースト2中における銅粉末とニッケル粉末の質量比は、Cu:Ni=70:30であった。この結果を表2に示す。
(実施例3)
厚膜導体形成工程において、焼成温度を700℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
(実施例4)
厚膜導体形成工程において、焼成温度を700℃としたこと以外は実施例2と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
(実施例5)
厚膜導体形成工程において、焼成温度を550℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
(実施例6)
厚膜抵抗体形成工程において、焼成温度を800℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
(実施例7)
厚膜抵抗体形成工程において、焼成温度を950℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
(実施例8)
抵抗ペースト2として、粒度が2μmの銅粉末を46.75質量部、粒度が0.5μmのニッケル粉末を38.25質量部、粒度が5μmで、軟化点が600℃であるSiO2−B23−ZnO系ガラス粉末を3質量部、および、20質量%のアクリル樹脂を80質量%のジヒドロターピネオールに溶解した有機ビヒクルを12質量部秤量した後、3本ロールミルを用いて均一に混錬することにより得られものを使用したこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。なお、この抵抗ペースト2中における銅粉末とニッケル粉末の質量比は、Cu:Ni=55:45であった。この結果を表2に示す。
(比較例1)
厚膜導体形成工程後に、厚膜抵抗体形成工程を行ったこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
(比較例2)
抵抗ペースト2として、粒度が2μmの銅粉末を59.5質量部、粒度が0.5μmのニッケル粉末を25.5質量部、粒度が5μmで、軟化点が600℃であるSiO2−B23−ZnO系ガラス粉末を3質量部、および、20質量%のアクリル樹脂を80質量%のジヒドロターピネオールに溶解した有機ビヒクルを12質量部秤量した後、3本ロールミルを用いて均一に混錬することにより得られものを使用したこと以外は比較例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。なお、この抵抗ペースト2中における銅粉末とニッケル粉末の質量比は、Cu:Ni=70:30であった。この結果を表2に示す。
(比較例3)
厚膜導体形成工程において、焼成温度を800℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
(比較例4)
厚膜導体形成工程において、焼成温度を800℃としたこと以外は実施例2と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
(比較例5)
厚膜導体形成工程において、焼成温度を750℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
(比較例6)
厚膜導体形成工程において、焼成温度を500℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
(比較例7)
厚膜抵抗体形成工程において、焼成温度を750℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
(比較例8)
厚膜抵抗体形成工程において、焼成温度を1000℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗体12aおよび12bを形成した。この状態で目視により厚膜抵抗体12aおよび12bを観察したところ、いずれも抵抗ペースト2を印刷した領域よりも大きく広がっていることが確認された。このため、本比較例では、この段階で厚膜抵抗器10aおよび10bの作製を中止した。
Figure 0006331936
Figure 0006331936
[総合評価]
表2より、本発明の技術的範囲に属する実施例1〜8では、厚膜抵抗器10aおよび10bの面積抵抗値Rが80mΩ/□以下で、その差が7mΩ/□以下であることが確認される。また、CTCRおよびHTCRは、いずれも±200ppm/℃以下で、その差が50ppm/℃以下であることが確認される。さらに、実施例1〜8の厚膜抵抗器10aおよび10bでは、厚膜導体13の形成時に、厚膜導体13側から厚膜抵抗体12aおよび12b側への銅の拡散がほとんど生じておらず、組成の均一性が保たれていることが確認される。すなわち、本発明の製造方法によれば、低抵抗で、かつ、厚膜抵抗体の長さにかかわらず、面積抵抗値RsおよびTCRが一定の厚膜抵抗器を得ることができるといえる。
これに対して、比較例1〜5は、厚膜抵抗器10aおよび10bの面積抵抗値Rsは概ね良好であるが、厚膜抵抗体の寸法によって、面積抵抗値Rs、CTCRおよびHTCRに差が生じていることが確認される。これは、比較例1〜5では、厚膜抵抗体12aおよび12bと厚膜抵抗体13が接触した状態で700℃を超える温度で焼成したことによって、厚膜導体13側から厚膜抵抗体12aおよび12b側へ銅の拡散が生じたためと考えられる。より具体的には、厚膜導体13間の距離Dが0.5mmである厚膜抵抗体12aは、距離Dが50mmである厚膜抵抗体12bと比べて、全体に対する銅の拡散領域の占める割合が大きかったため、厚膜抵抗器10aの面積抵抗値Rが大幅に低下し、厚膜抵抗器10aと厚膜抵抗器10bの面積抵抗値の差が大きくなったためと考えられる。
比較例6では、特に、厚膜抵抗器10bの面積抵抗値Rが大きな値を示していることが確認される。これは、比較例6では、導体ペースト3を、550℃未満の温度で焼成したため、導体ペースト3の焼結が十分に進行しなかったためと考えられる。
比較例7では、厚膜抵抗器10aおよび10bの面積抵抗値Rが、いずれも高い値を示していることが確認される。これは、比較例7では、抵抗ペースト2を800℃未満の温度で焼成したため、銅粉末とニッケル粉末とが十分に合金化せず、均一な組成を有する厚膜抵抗体12aおよび12bを形成することができなかったためと考えられる。
比較例8では、上述したように厚膜抵抗体12aおよび12bが、抵抗ペースト2を印刷した領域よりも大きく広がったことが確認される。これは、比較例8では、抵抗ペースト2を、950℃を超える高温で焼成したため、抵抗ペースト2の粘度が大幅に低下したためと考えられる。
1 絶縁基板
2 抵抗ペースト
3 導体ペースト
10、10a、10b 厚膜抵抗器
12、12a、12b 厚膜抵抗体
13 厚膜導体

Claims (7)

  1. 銅およびニッケルを含む厚膜抵抗体と、該厚膜抵抗体に銅を含む厚膜導体が接続した、厚膜抵抗器の製造方法であって、
    絶縁基板上に、銅粉末とニッケル粉末または銅−ニッケル合金粉末を含む抵抗ペーストを印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、800℃〜950℃で焼成することにより厚膜抵抗体を形成する、厚膜抵抗体形成工程と、
    前記厚膜抵抗体と接続するように銅粉末を含む導体ペーストを印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、550℃〜700℃で焼成することにより厚膜導体を形成する、厚膜導体形成工程と
    を備える、厚膜抵抗器の製造方法。
  2. 前記抵抗ペーストとして、銅とニッケルの質量比が、Cu:Ni=55〜70:30〜45であるものを用いる、請求項1に記載の厚膜抵抗器の製造方法。
  3. 前記抵抗ペーストとして、該抵抗ペーストの焼成温度よりも50℃以上低い軟化点を有するガラス粉末をさらに含むものを用いる、請求項1または2に記載の厚膜抵抗器の製造方法。
  4. 前記抵抗ペーストとして、粒度が10μm以下の銅粉と、粒度が2μm以下のニッケル粉末とを含むもの、または、粒度が10μm以下の銅−ニッケル合金粉末を含むものを用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の厚膜抵抗器の製造方法。
  5. 前記導体ペーストとして、軟化点が、該導体ペーストの焼成温度よりも低く、かつ、650℃以下であるガラス粉末をさらに含むものを用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の厚膜抵抗器の製造方法。
  6. 前記導体ペーストとして、粒度が1μm以下の銅粉末を含むものを用いる、請求項1〜5のいずれかに記載の厚膜抵抗器の製造方法。
  7. 縁基板上に形成された銅−ニッケル合金を含む厚膜抵抗体と、
    前記厚膜抵抗体の両端に、該厚膜抵抗体と接続するよう形成された銅を含む厚膜導体と
    を備える、厚膜抵抗器であって、
    同一組成について、前記厚膜導体間の距離Dが0.5mmである厚膜抵抗器と、前記厚膜導体間の距離Dが50mmである厚膜抵抗器を作製して、
    四端子法により測定した前記厚膜抵抗器の抵抗値をRとし、前記厚膜抵抗体の幅をWとし、前記厚膜抵抗体の長さをLとして、下記式(1)によって面積抵抗値Rsを算出した場合に、
    前記厚膜抵抗器のいずれもの面積抵抗値R が80mΩ/□以下で、かつ、該厚膜抵抗器間の面積抵抗値R の差が10mΩ/□以下となり、および、
    前記厚膜抵抗器のそれぞれについて、−55℃、25℃および125℃のそれぞれの温度で15分間保持した後、四端子法により測定したそれぞれの抵抗値R −55 、R 25 、およびR 125 を用いて、下記(2)式によって得られるCTCRと、下記(3)式によって得られるHTCRとを算出した場合に、いずれも±200ppm/℃以内で、かつ、該厚膜抵抗器間の前記CTCRおよび前記HTCRの差がいずれも±70ppm/℃以内となる、
    厚膜抵抗器
    =R・W/L・・・(1)
    CTCR(ppm/℃)=(R -55 −R 25 )/R 25 /(−80)×10 6 ・・・(2)
    HTCR(ppm/℃)=(R 125 −R 25 )/R 25 /100×10 6 ・・・(3)
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