JP6331936B2 - 銅−ニッケル厚膜抵抗器およびその製造方法 - Google Patents
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Description
TCR=(R−R0)/R/(T−T0) (1)
図1に示すように、本発明の製造方法は、銅およびニッケルを含む厚膜抵抗体12と、厚膜抵抗体12に銅を含む厚膜導体13が接続した厚膜抵抗器10の製造方法であって、(1)絶縁基板1上に、銅粉末とニッケル粉末または銅−ニッケル合金粉末を含む抵抗ペースト2を印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、800℃〜950℃で焼成することにより厚膜抵抗体12を形成する、厚膜抵抗体形成工程と、(2)この厚膜抵抗体12と接続するように銅粉末を含む導体ペースト3を印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、550℃〜700℃で焼成することにより厚膜導体13を形成する、厚膜導体形成工程とを備えることを特徴とする。
厚膜抵抗体形成工程では、絶縁基板1上に銅およびニッケルを含む抵抗ペースト2を印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、800℃〜950℃で焼成することにより厚膜抵抗体12を形成する工程である。
本発明において、絶縁基板1の材質は、絶縁性を有するものであれば特に制限されることはないが、たとえば、アルミナ、フォルステライトなどのセラミック製の基板を好適に使用することができる。
本発明において使用する抵抗ペースト2は、銅およびニッケルからなる金属粉末のほか、一般的な抵抗ペーストと同様に、ガラス粉末および有機ビヒクルを含有する。金属粉末としては、銅粉末とニッケル粉末の混合粉末や銅−ニッケル合金粉末を使用することができる。
本発明では、抵抗ペースト2中の金属粉末として、銅粉末とニッケル粉末の混合粉末または銅−ニッケル合金粉末を使用することができる。いずれの金属粉末を使用する場合であっても、金属粉末中の銅(Cu)とニッケル(Ni)の質量比は、目的とする厚膜抵抗器10のTCRに応じて適宜調整する必要がある。たとえば、TCRを±200ppm/℃の範囲内に調整するためには、銅とニッケルの質量比を、Cu:Ni=55〜70:30〜45とすることが好ましい。特に、Cu:Ni=60〜70:30〜40とすることで、TCRを0ppm/℃に近い値とすることが可能となる。
ガラス粉末は、得られる厚膜抵抗体12を絶縁基板に密着させるために添加する。このようなガラス粉末としては、環境保護の観点から、鉛を含有しないガラス粉末を使用することが好ましく、たとえば、SiO2−B2O3系ガラス粉末やBi2O3−SiO2−B2O3系ガラス粉末などを好適に使用することができる。
有機ビヒクルは、抵抗ペースト2の粘度を調整し、その印刷を容易なものとするための成分である有機溶媒と、抵抗ペースト2を所定の寸法内に均等に印刷するための成分である樹脂とから構成される。
抵抗ペースト2には、上述した成分のほかに、焼結の促進、焼成時における抵抗ペースト2の急激な収縮の防止および/または絶縁基板1との接着強度の向上のために、微量の酸化銅や酸化ニッケル粉末などを添加してもよい。また、抵抗値を調整するために、微量のアルミナ粉末や酸化チタン粉末などを添加してもよい。
抵抗ペースト2は、上述した各成分を均一に混練することにより形成される。この際の混練方法は特に制限されることはなく、たとえば、3本ロールミル、湿式混練ミル、テーパロールミルを用いることができる。
上述のようにして得られた抵抗ペースト2は、絶縁基板1上に印刷される。この際の印刷方法も特に制限されることはなく、公知の印刷方法を適用することができる。たとえば、スクリーン印刷、凸版印刷、グラビア印刷といった印刷方法を好適に適用することができるが、適正な膜厚で大量生産を行う観点からスクリーン印刷により塗布することが好ましい。
a)焼成温度
厚膜抵抗器10の個体差による誤差、具体的には、厚膜抵抗器10の面積抵抗値やTCRのばらつきを抑制するためには、厚膜抵抗体12の組成を均一化することが重要である。組成が均一であれば、面積抵抗値やTCRのばらつきが抑制され、その抵抗値は、厚膜抵抗体12の長さに比例し、その断面積に反比例するようになる。このため、本発明では、抵抗ペースト2の焼成温度を800℃〜950℃、好ましくは800℃〜900℃とすることが必要となる。このような範囲で焼成することにより、金属粉末同士が焼結するばかりでなく、焼結した粉末内で銅とニッケルが拡散し、合金化することで、均一な厚膜抵抗体12を形成することが可能となる。
抵抗ペースト2中の金属粉末は反応性が高いため、酸化を抑制する観点から、焼成雰囲気を不活性雰囲気または還元性雰囲気とすることが必要となる。具体的には、不活性雰囲気としては、窒素雰囲気、アルゴンなどの希ガス雰囲気を採用することができる。また、還元性雰囲気としては、水素雰囲気などを採用することができる。
焼成時間は、抵抗ペースト2の組成や使用する焼成炉の特性などに応じて適宜調整されるべきものであり、特に制限されることはないが、焼成温度に達してから5分〜20分保持することが好ましく、7分〜15分保持することがより好ましい。
厚膜導体形成工程は、厚膜抵抗体形成工程で形成した厚膜抵抗体12と接続するように銅を含む導体ペースト3を印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、550℃〜700℃で焼成することにより厚膜導体13を形成する工程である。
本発明において使用する導体ペースト3は、銅粉末のほか、一般的な導体ペーストと同様に、ガラス粉末と有機ビヒクルを含有する。
本発明では、導体ペースト3の金属粉末として、銅粉末を使用する。これは、銅は安価であるばかりでなく、はんだ接合時に浸食されにくく、かつ、電気伝導性に優れるため、低抵抗の厚膜抵抗器10を容易に得ることができるからである。
ガラス粉末は、得られる厚膜導体13を絶縁基板に密着させるために添加する。このようなガラス粉末としては、環境保護の観点から、鉛を含有しないガラス粉末を使用することが好ましく、抵抗ペースト2の場合と同様に、SiO2−B2O3系ガラス粉末やBi2O3−SiO2−B2O3系ガラス粉末などを好適に使用することができる。
導体ペースト3を構成する有機ビヒクルおよびその含有量については、抵抗ペースト2の場合と同様であるため、ここでの説明は省略する。
導体ペースト3には、上述した成分のほかに、焼結の促進や絶縁基板1との接着強度を向上させるために、酸化銅粉末を添加してもよい。ただし、酸化銅粉末の添加量は、導体ペースト100質量部に対して、15質量部以下とすることが好ましい。酸化銅粉末の含有量が15質量部を超えると、厚膜導体13の電気伝導性を十分に確保することが困難となる。
導体ペースト3は、上述した各成分を均一に混練することにより形成される。混練方法としては、抵抗ペースト2の場合と同様に、3本ロールミル、湿式混練ミル、テーパロールミルなどを用いることができる。
上述のようにして得られた導体ペースト3は、絶縁基板1上に印刷される。この際の印刷方法も、抵抗ペースト2の場合と同様に、スクリーン印刷、凸版印刷、グラビア印刷などを利用することができる。
導体ペースト3の焼成温度は、550℃〜700℃、好ましくは550℃〜600℃とする。このような温度範囲で焼成することにより、厚膜抵抗体12側への銅の拡散を抑制しつつ、組成が均一で、かつ、低抵抗の厚膜導体13を形成することが可能となる。これに対して、焼成温度が550℃未満では、厚膜導体13の組成が不均一となり、十分な電気伝導性を確保することができない。一方、焼成温度が700℃を超えると、厚膜導体13側から厚膜抵抗体12側に銅が拡散し、厚膜抵抗体12の抵抗値やTCRに影響を及ぼすこととなる。特に、厚膜抵抗体12の寸法が小さい場合には、厚膜抵抗体12全体に対する銅の拡散領域の割合が大きくなるため、厚膜抵抗体12の抵抗値やTCRに及ぼす影響が大きなものとなる。なお、焼成雰囲気および焼成時間は、厚膜抵抗体形成工程の場合と同様である。
本発明の厚膜抵抗器10においては、厚膜抵抗体12または厚膜導体13の表面に、樹脂やガラスを含む保護ペーストを印刷および乾燥し、不活性雰囲気あるいは還元性雰囲気中、700℃以下で焼成することにより、保護膜を形成してもよい。このような保護膜によって、厚膜抵抗体12や厚膜導体13が酸素や水と直接接触することを防止することができるため、厚膜抵抗器10の耐久性を向上させることが可能となる。また、保護膜の存在により、厚膜抵抗体12や厚膜導体13が、他の電子部品と直接接触することを防止することができるため、厚膜抵抗器10を用いた厚膜回路基板において、電子部品を近接させた配置が可能となる。
本発明の厚膜抵抗器10は、上述した製造方法により得られるものである。この厚膜抵抗器10は、図2および図3に示されるように、絶縁基板1上に形成された銅−ニッケル合金を含む厚膜抵抗体12と、厚膜抵抗体12の両端に、この厚膜抵抗体12と接続するように形成された銅を含む厚膜導体13とを備える。このような厚膜抵抗器10は、抵抗値が小さく、かつ、厚膜抵抗体12の長さにかかわらず、面積抵抗値やTCRがほぼ一定であるという特性を備える。以下、本発明の厚膜抵抗器の特性について、主として、幅0.5mm、長さ0.5mmまたは50.0mm、厚さ14μmの厚膜抵抗体12を備えた厚膜抵抗器10を例に挙げて、具体的に説明する。
本発明の厚膜抵抗器10は、四端子法により測定される抵抗値をR、厚膜抵抗体12の幅をW、実質的な長さ(厚膜抵抗体12の長さのうち、厚膜導体13と重なっている部分を除いた長さ)をL、膜厚を14μmとした場合に、下記の式(2)から求められる面積抵抗値Rsを80mΩ/□以下、好ましくは75mΩ/□以下とすることができる。
Rs=R・W/L (2)
本発明の厚膜抵抗器10は、上述のように構成される厚膜抵抗器10aと10bにおいて、下記の式(3)により算出される低温抵抗温度係数(以下、「CTCR」という)の差を70ppm/℃以下、好ましくは45ppm/℃以下、より好ましくは40ppm/℃以下とすることができる。なお、下記の式(3)において、R-55は、厚膜抵抗器10aおよび10bをー55℃で15分間保持した状態で測定される抵抗値を、R25は、厚膜抵抗器10aおよび10bを25℃で15分間保持した場合に測定される抵抗値を意味する。
CTCR(ppm/℃)=(R-55−R25)/R25/(−80)×106 (3)
HTCR(ppm/℃)=(R125−R25)/R25/100×106 (4)
[抵抗ペーストおよび導体ペーストの作製]
粒度が2μmの銅粉末を51質量部、粒度が0.5μmのニッケル粉末を34質量部、粒度が5μmで、軟化点が600℃であるSiO2−B2O3−ZnO系ガラス粉末を3質量部、および、20質量%のアクリル樹脂を80質量%のジヒドロターピネオールに溶解した有機ビヒクルを12質量部秤量した後、3本ロールミルを用いて均一に混錬することにより抵抗ペースト2を作製した。なお、この抵抗ペースト2中における銅粉末とニッケル粉末の質量比は、Cu:Ni=60:40であった。
アルミナ製の絶縁基板1上に、抵抗ペースト2を幅0.5mm、長さ0.9mm、厚さ14μmのパターンとなるようにスクリーン印刷した。続いて、この抵抗ペースト2を120℃で5分間乾燥した後、酸素濃度が20容量ppmの窒素雰囲気中、焼成温度(ピーク温度)を900℃として、この温度で10分間保持することにより焼成し、厚膜抵抗体12aを形成した。また、別途用意したアルミナ製の絶縁基板1上に、抵抗ペースト2を幅0.5mm、長さ50.4mm、厚さ14μmのパターンとなるようにスクリーン印刷したこと以外は同様にして、厚膜抵抗体12bを形成した(厚膜抵抗体形成工程)。
はじめに、厚膜抵抗器10aおよび10bの抵抗値を四端子法により測定した。具体的には、厚膜抵抗器10aおよび10bの両端にある厚膜導体13に、抵抗計(日置電機株式会社製、RM3548)のプローブを接触させて抵抗値Rを測定し、この値から式(2)に基づき、面積抵抗値Rsを算出した。
抵抗ペースト2として、粒度が2μmの銅粉末を59.5質量部、粒度が0.5μmのニッケル粉末を25.5質量部、粒度が5μmで、軟化点が600℃であるSiO2−B2O3−ZnO系ガラス粉末を3質量部、および、20質量%のアクリル樹脂を80質量%のジヒドロターピネオールに溶解した有機ビヒクルを12質量部秤量した後、3本ロールミルを用いて均一に混錬することにより得られものを使用したこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。なお、この抵抗ペースト2中における銅粉末とニッケル粉末の質量比は、Cu:Ni=70:30であった。この結果を表2に示す。
厚膜導体形成工程において、焼成温度を700℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
厚膜導体形成工程において、焼成温度を700℃としたこと以外は実施例2と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
厚膜導体形成工程において、焼成温度を550℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
厚膜抵抗体形成工程において、焼成温度を800℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
厚膜抵抗体形成工程において、焼成温度を950℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
抵抗ペースト2として、粒度が2μmの銅粉末を46.75質量部、粒度が0.5μmのニッケル粉末を38.25質量部、粒度が5μmで、軟化点が600℃であるSiO2−B2O3−ZnO系ガラス粉末を3質量部、および、20質量%のアクリル樹脂を80質量%のジヒドロターピネオールに溶解した有機ビヒクルを12質量部秤量した後、3本ロールミルを用いて均一に混錬することにより得られものを使用したこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。なお、この抵抗ペースト2中における銅粉末とニッケル粉末の質量比は、Cu:Ni=55:45であった。この結果を表2に示す。
厚膜導体形成工程後に、厚膜抵抗体形成工程を行ったこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
抵抗ペースト2として、粒度が2μmの銅粉末を59.5質量部、粒度が0.5μmのニッケル粉末を25.5質量部、粒度が5μmで、軟化点が600℃であるSiO2−B2O3−ZnO系ガラス粉末を3質量部、および、20質量%のアクリル樹脂を80質量%のジヒドロターピネオールに溶解した有機ビヒクルを12質量部秤量した後、3本ロールミルを用いて均一に混錬することにより得られものを使用したこと以外は比較例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。なお、この抵抗ペースト2中における銅粉末とニッケル粉末の質量比は、Cu:Ni=70:30であった。この結果を表2に示す。
厚膜導体形成工程において、焼成温度を800℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
厚膜導体形成工程において、焼成温度を800℃としたこと以外は実施例2と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
厚膜導体形成工程において、焼成温度を750℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
厚膜導体形成工程において、焼成温度を500℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
厚膜抵抗体形成工程において、焼成温度を750℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗器10aおよび10bを得て、その評価を行った。この結果を表2に示す。
厚膜抵抗体形成工程において、焼成温度を1000℃としたこと以外は実施例1と同様にして、厚膜抵抗体12aおよび12bを形成した。この状態で目視により厚膜抵抗体12aおよび12bを観察したところ、いずれも抵抗ペースト2を印刷した領域よりも大きく広がっていることが確認された。このため、本比較例では、この段階で厚膜抵抗器10aおよび10bの作製を中止した。
表2より、本発明の技術的範囲に属する実施例1〜8では、厚膜抵抗器10aおよび10bの面積抵抗値Rsが80mΩ/□以下で、その差が7mΩ/□以下であることが確認される。また、CTCRおよびHTCRは、いずれも±200ppm/℃以下で、その差が50ppm/℃以下であることが確認される。さらに、実施例1〜8の厚膜抵抗器10aおよび10bでは、厚膜導体13の形成時に、厚膜導体13側から厚膜抵抗体12aおよび12b側への銅の拡散がほとんど生じておらず、組成の均一性が保たれていることが確認される。すなわち、本発明の製造方法によれば、低抵抗で、かつ、厚膜抵抗体の長さにかかわらず、面積抵抗値RsおよびTCRが一定の厚膜抵抗器を得ることができるといえる。
2 抵抗ペースト
3 導体ペースト
10、10a、10b 厚膜抵抗器
12、12a、12b 厚膜抵抗体
13 厚膜導体
Claims (7)
- 銅およびニッケルを含む厚膜抵抗体と、該厚膜抵抗体に銅を含む厚膜導体が接続した、厚膜抵抗器の製造方法であって、
絶縁基板上に、銅粉末とニッケル粉末または銅−ニッケル合金粉末を含む抵抗ペーストを印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、800℃〜950℃で焼成することにより厚膜抵抗体を形成する、厚膜抵抗体形成工程と、
前記厚膜抵抗体と接続するように銅粉末を含む導体ペーストを印刷し、不活性雰囲気または還元性雰囲気中、550℃〜700℃で焼成することにより厚膜導体を形成する、厚膜導体形成工程と
を備える、厚膜抵抗器の製造方法。 - 前記抵抗ペーストとして、銅とニッケルの質量比が、Cu:Ni=55〜70:30〜45であるものを用いる、請求項1に記載の厚膜抵抗器の製造方法。
- 前記抵抗ペーストとして、該抵抗ペーストの焼成温度よりも50℃以上低い軟化点を有するガラス粉末をさらに含むものを用いる、請求項1または2に記載の厚膜抵抗器の製造方法。
- 前記抵抗ペーストとして、粒度が10μm以下の銅粉と、粒度が2μm以下のニッケル粉末とを含むもの、または、粒度が10μm以下の銅−ニッケル合金粉末を含むものを用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の厚膜抵抗器の製造方法。
- 前記導体ペーストとして、軟化点が、該導体ペーストの焼成温度よりも低く、かつ、650℃以下であるガラス粉末をさらに含むものを用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の厚膜抵抗器の製造方法。
- 前記導体ペーストとして、粒度が1μm以下の銅粉末を含むものを用いる、請求項1〜5のいずれかに記載の厚膜抵抗器の製造方法。
- 絶縁基板上に形成された銅−ニッケル合金を含む厚膜抵抗体と、
前記厚膜抵抗体の両端に、該厚膜抵抗体と接続するよう形成された銅を含む厚膜導体と
を備える、厚膜抵抗器であって、
同一組成について、前記厚膜導体間の距離Dが0.5mmである厚膜抵抗器と、前記厚膜導体間の距離Dが50mmである厚膜抵抗器を作製して、
四端子法により測定した前記厚膜抵抗器の抵抗値をRとし、前記厚膜抵抗体の幅をWとし、前記厚膜抵抗体の長さをLとして、下記式(1)によって面積抵抗値Rsを算出した場合に、
前記厚膜抵抗器のいずれもの面積抵抗値R s が80mΩ/□以下で、かつ、該厚膜抵抗器間の面積抵抗値R s の差が10mΩ/□以下となり、および、
前記厚膜抵抗器のそれぞれについて、−55℃、25℃および125℃のそれぞれの温度で15分間保持した後、四端子法により測定したそれぞれの抵抗値R −55 、R 25 、およびR 125 を用いて、下記(2)式によって得られるCTCRと、下記(3)式によって得られるHTCRとを算出した場合に、いずれも±200ppm/℃以内で、かつ、該厚膜抵抗器間の前記CTCRおよび前記HTCRの差がいずれも±70ppm/℃以内となる、
厚膜抵抗器。
R s =R・W/L・・・(1)
CTCR(ppm/℃)=(R -55 −R 25 )/R 25 /(−80)×10 6 ・・・(2)
HTCR(ppm/℃)=(R 125 −R 25 )/R 25 /100×10 6 ・・・(3)
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