JP2007085790A - 微粒子成分計測方法および微粒子成分計測装置 - Google Patents

微粒子成分計測方法および微粒子成分計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザー光を測定対象物質に効率良く吸収させる。ナノオーダーの粒径の微粒子についても良好に適用可能にする。複数の成分を同時に計測可能にする。
【解決手段】超短パルスレーザー光15を照射することによって生成されるフィラメント14を、ナノ粒子やマイクロ粒子等の微粒子に照射してプラズマを発生させ、そのプラズマからの発光スペクトルに基づいて微粒子の成分を計測する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばナノ粒子やマイクロ粒子等の微粒子の成分計測方法および成分計測装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、超短パルスレーザーを用いてプラズマを生成し、そのプラズマからの発光スペクトルを計測することにより、微粒子の成分を計測する微粒子成分計測方法および微粒子成分計測装置に関する。
従来、ナノ粒子やマイクロ粒子等のインサイト(in-situ:その場)での成分計測としては、パルス幅がナノ秒(ns)領域のナノ秒レーザーを用いたレーザー誘起ブレークダウン分光(Laser Induced Breakdown Spectroscopy;LIBS)が用いられてきた(非特許文献1)。また最近、超短パルスレーザーを対象物質に照射し、物質内で自然集光された結果生じるプラズマのスペクトルを観察することにより、直径数μm以上の粒子の成分を計測する手法が提案されている(非特許文献2,3)。また、超短パルスレーザーによる多光子吸収を利用して、バイオ粒子の成分を50mの距離から遠隔計測した結果も報告されている(非特許文献4,5)。
若松他、「プラズマ原子発光分析による微粒子の粒径・組成同時計測」、J. Aerosol Res./ Vol. 19, pp. 28-33, 2004. C. Favre et al., "White-Light Nanosource with Directional Emission", Phys. Rev. Lett., pp. 035002-035005, 2002. S. Borrmann et al., "Lasing on cloudy afternoon", Nature, Vol. 418, pp. 826-827, 2002. J. Kasparian et al., "White-light filaments for atmospheric analysis", Science, Vol. 301, pp. 61-64, 2003. G. Mejean et al., "Remote detection and identification of biological aerosols using a femtosecond terawatt lidar system", Appl. Phys. B, Vol. B78, pp. 535-537, 2004.
しかしながら、ナノ秒レーザーを用いたLIBSにおいては、レーザー光のパルス幅が長いため、レーザーパルスの波頭部分でプラズマが生成してしまい、レーザー光のエネルギーが測定対象物質に効率よく吸収されないため発光が弱いとの問題があった。また、超短パルスレーザー光を対象物質に照射し、物質内で自然集光された結果生じるプラズマのスペクトルを観察する手法は、粒径がマイクロメートル(μm)以上の大きさの粒子には適用可能であるが、ナノメートル(nm)以下の粒径の粒子の場合、光が効率よく粒子内で自然集光されないため、適用が困難であるとの問題がある。さらに、多光子吸収を利用する方法は、原子や分子の吸収スペクトルにレーザー波長を同調する必要があり、またこのため、複数の成分を同時に計測することが困難であるとの問題がある。
本発明は、レーザー光のエネルギーを測定対象物質に効率良く吸収させることができると共に、ナノオーダーの粒径の微粒子についても良好に適用でき、複数の成分を同時に計測することが可能な微粒子成分計測方法および微粒子成分計測装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の微粒子成分計測方法は、微粒子に超短パルスレーザー光を集光することによりプラズマを発生させ、そのプラズマからの発光スペクトルに基づいて微粒子の成分を計測するものである。超短パルスレーザー光を微粒子に集光させるとプラズマが発生する。プラズマからの発光スペクトルは物質ごとに異なるので、その発光スペクトルに基づいて微粒子の成分を同定することができる。
また、請求項2記載の微粒子成分計測方法は、超短パルスレーザー光を照射することによって生成されるフィラメントを、微粒子に照射してプラズマを発生させ、そのプラズマからの発光スペクトルに基づいて微粒子の成分を計測するものである。超短パルスレーザー光の照射によってフィラメントが生成され、フィラメントの照射を受けた微粒子からプラズマが発生する。プラズマからの発光スペクトルは物質ごとに異なるので、その発光スペクトルに基づいて微粒子の成分を同定することができる。
また、請求項3記載の微粒子成分計測方法は、局部的な凸部または凹部を有する反射ミラーに超短パルスレーザ光を照射し、局部的な凸部または凹部により反射したビーム断面の任意の部位に強度斑を作ることでフィラメント発生の起点とするものである。局部的な凸部または凹部を有する反射ミラーに照射された超短パルスレーザー光は、反射の際にミラー表面の局部的な凸部または凹部に応じた局所的な空間変調がビームの波面に与えられ、これが起点(種)となってフィラメントをビーム伝播の過程で形成する。このフィラメントは、反射ミラーの表面の局部的な凸部または凹部の存在により安定して生成されることから、局部的な凸部または凹部を任意の位置に形成することで、ビーム断面の任意の位置に一意的に連続して形成される。
また、請求項4記載の微粒子成分計測方法は、反射ミラーの局部的な凸部または凹部の周りには局部的な凸部または凹部に比して大域的な凹部が設けられており、大域的な凹部によりフィラメント周辺に反射した超短パルスレーザー光のエネルギあるいは周辺の強度斑をフィラメント発生の起点となる強度斑の周りに集合させるものである。即ち、局部的な凸部または凹部と大域的な凹部とが同じ反射ミラーに設けられており、この反射ミラーに超短パルスレーザー光を照射することで、フィラメント発生の起点となる強度斑を生成する工程と、超短パルスレーザー光のエネルギを前記強度斑の周りに集合させる工程とが同時に実施される。この場合には、局部的凸部または凹部により形成される強度斑の生成位置と大域的凹部により起こる超短パルスレーザー光のエネルギあるいは周辺の強度斑の集合位置とが予め関連づけられており、ビーム断面の任意位置の強度斑の電界強度をより確実にさらに強くする。
また、請求項5記載の微粒子成分計測方法は、局部的な凸部または凹部を有する反射ミラーに超短パルスレーザ光を照射し、局部的な凸部または凹部により反射したビーム断面の任意の部位に強度斑を作ることでフィラメント発生の起点とすると共に、ビーム断面の局部的な凸部または凹部の周りに相当する位置に局部的な凸部または凹部に比して大域的な凹部を有する反射ミラーにも超短パルスレーザー光を照射し、大域的な凹部により反射した超短パルスレーザ光のエネルギあるいは周辺の強度斑をフィラメント発生の起点となる強度斑の周りに集合させるものである。即ち、局部的な凸部または凹部と大域的な凹部とが別々の反射ミラーに設けられており、各反射ミラーに超短パルスレーザー光を順番に照射することで、フィラメント発生の起点を生成する工程と、超短パルスレーザー光のエネルギを強度斑の周りに集合させる工程とが連続的に実施される。この場合には、局部的凸部または凹部により反射後のビーム断面の任意の位置に一意的に形成される強度斑とは独立して大域的凹部により起こる超短パルスレーザー光のエネルギあるいは周辺の強度斑の集合が制御される。
また、請求項6記載の微粒子成分計測方法は、反射ミラーを反射面が任意に変形可能な可変形ミラーとしたものである。したがって、反射ミラーの反射面の形状を変化させると局部的な凸部または凹部や大域的な凹部の位置等が変化し、フィラメントの発生位置を制御することができる。
また、請求項7記載の微粒子成分計測方法は、発光スペクトルの計測に時間的遅延を加えることにより白色光スペクトル強度を減少させるものである。発光スペクトルの計測に時間的遅延を加えることで白色光が伝播した後の発光スペクトルを計測することができる。このため、ノイズ(N)である白色光スペクトルの強度を減少させ、目的の信号(S)である測定対象物質スペクトルのS/N比を向上させることができる。
また、請求項8記載の微粒子成分計測方法は、プラズマからの発光を受光望遠鏡を用いて集光するものである。したがって、微粒子の成分を遠隔から計測することができる。
さらに、請求項9記載の微粒子成分計測装置は、微粒子に超短パルスレーザー光を集光することによりプラズマを発生させ、そのプラズマからの発光スペクトルに基づいて微粒子の成分を計測するものである。即ち、請求項1記載の微粒子成分計測方法を実施する微粒子成分計測装置が提供される。
また、請求項10記載の微粒子成分計測装置は、超短パルスレーザー光を照射することによって生成されるフィラメントを、微粒子に照射してプラズマを発生させ、そのプラズマからの発光スペクトルに基づいて微粒子の成分を計測するものである。即ち、請求項2記載の微粒子成分計測方法を実施する微粒子成分計測装置が提供される。
また、請求項11記載の微粒子成分計測装置は、局部的な凸部または凹部を有する反射ミラーに超短パルスレーザ光を照射し、局部的な凸部または凹部により反射したビーム断面の任意の部位に強度斑を作ることでフィラメント発生の起点とするものである。即ち、請求項3記載の微粒子成分計測方法を実施する微粒子成分計測装置が提供される。
また、請求項12記載の微粒子成分計測装置は、反射ミラーの局部的な凸部または凹部の周りには局部的な凸部または凹部に比して大域的な凹部が設けられており、大域的な凹部によりフィラメント周辺に反射した超短パルスレーザー光のエネルギあるいは周辺の強度斑をフィラメント発生の起点となる強度斑の周りに集合させるものである。即ち、請求項4記載の微粒子成分計測方法を実施する微粒子成分計測装置が提供される。
また、請求項13記載の微粒子成分計測装置は、局部的な凸部または凹部を有する反射ミラーに超短パルスレーザ光を照射し、局部的な凸部または凹部により反射したビーム断面の任意の部位に強度斑を作ることでフィラメント発生の起点とすると共に、ビーム断面の局部的な凸部または凹部の周りに相当する位置に局部的な凸部または凹部に比して大域的な凹部を有する反射ミラーにも超短パルスレーザー光を照射し、大域的な凹部により反射した超短パルスレーザ光のエネルギあるいは周辺の強度斑をフィラメント発生の起点となる強度斑の周りに集合させるものである。即ち、請求項5記載の微粒子成分計測方法を実施する微粒子成分計測装置が提供される。
また、請求項14記載の微粒子成分計測装置は、反射ミラーを反射面が任意に変形可能な可変形ミラーにしたものである。即ち、請求項6記載の微粒子成分計測方法を実施する微粒子成分計測装置が提供される。
また、請求項15記載の微粒子成分計測装置は、発光スペクトルの計測に時間的遅延を加えることにより白色光スペクトル強度を減少させるものである。即ち、請求項7記載の微粒子成分計測方法を実施する微粒子成分計測装置が提供される。
また、請求項16記載の微粒子成分計測装置は、プラズマからの発光を受光望遠鏡を用いて集光するものである。即ち、請求項8記載の微粒子成分計測方法を実施する微粒子成分計測装置が提供される。
請求項1記載の微粒子成分計測方法および請求項9記載の微粒子成分計測装置では、超短パルスレーザー光を対象物質である微粒子に対して集光させてプラズマを生成させる。このプラズマからの発光スペクトルを観察することにより、対象物質である微粒子のスペクトルを計測する。本発明では、複数の物質のスペクトルを同時に計測することができるので、複数の物質の成分を同時に計測することができる。さらに、フェムト秒領域の超短パルスレーザーを用いるため、プラズマが成長する前にレーザーパルスの照射が終了する。このため、レーザーエネルギーを測定対象物質に効率よく吸収させることが可能であり、測定対象物質の発光効率を向上させることができる。また、粒子内での自然集光を利用しないため、ナノメートル領域の粒径の粒子の計測も可能である。
また、請求項2記載の微粒子成分計測方法および請求項10記載の微粒子成分計測装置では、超短パルスレーザー光を大気中、液体中、固体中において伝播させることにより生じるフィラメントを用いて、微粒子の成分を計測する。フィラメントは細く絞られたまま伝播するレーザー光のことであり、超短パルスレーザー光を用いることにより長いフィラメントの生成が可能である。フィラメントの中には通常プラズマが生成し、プラズマチャンネルが形成される。このフィラメントを用いると、プラズマ発光がレーザー光の進行方向に積分されるため、プラズマ発光強度を格段に向上することが可能である。従って、例えば光ファイバーや受光望遠鏡をレーザー光の後方に設置することにより、インサイト計測および遠隔計測において、微粒子成分を効率的に計測することが可能になる。
また、請求項3〜6記載の微粒子成分計測方法および請求項11〜14記載の微粒子成分計測装置では、超短パルスレーザー光の伝播によるフィラメントの生成を制御する手法を用いている。通常フィラメントはレーザー光中の強度分布に応じて、時間的および空間的に任意に生成される。本発明では、フィラメントの生成位置および強度をリアルタイムにかつ簡便に制御することが可能であり、フィラメントを用いた微粒子成分計測の効率を向上することが可能となる。通常フィラメントはある程度の距離を伝播させないと生成しないが、本発明を用いることにより少ない伝播距離でフィラメントを生成することができるため、特にインサイトの計測において有効である。
ここで、請求項3記載の微粒子成分計測方法および請求項11記載の微粒子成分計測装置のように、フィラメントを生成しかつ制御する方法として、局部的な凸部または凹部を有する反射ミラーを使用すれば、あらかじめ設計された任意の位置にフィラメントを生成することが可能である。
また、請求項4記載の微粒子成分計測方法および請求項12記載の微粒子成分計測装置のように、フィラメントを生成しかつ制御する方法として、局部的な凸部または凹部に、局部的な凸部または凹部に比して大域的な凹部を加えた反射ミラーを使用すれば、任意の位置にレーザー光強度を集中することが可能である。このため、局部的凸部または凹部により反射したビーム断面の任意の位置に形成された強度斑の周りに、大域的な凹部により反射した超短パルスレーザー光のエネルギーあるいは周辺の強度斑を集合させて任意の位置の強度斑の電界強度をさらに強くし、ビーム伝播中のフィラメント生成をより確実なものとできる。このことは、請求項5記載の微粒子成分計測方法および請求項13記載の微粒子成分計測装置のように、局部的な凸部または凹部と大域的な凹部とを別々の反射ミラーに設けた場合も同様である。
さらに、請求項6記載の微粒子成分計測方法および請求項14記載の微粒子成分計測装置のように反射ミラーとして可変形ミラーを使用すれば、反射面の形状を変化させることにより、リアルタイムでビーム断面上におけるフィラメントの発生位置を変化させることができる。これにより、気象条件の変化等によりフィラメントの生成条件が変化した場合でも、最適な位置にフィラメントを生成することが可能である。
また、請求項7記載の微粒子成分計測方法および請求項15記載の微粒子成分計測装置では、測定対象物質スペクトルのS/N比を向上させることができる。
さらに、請求項8記載の微粒子成分計測方法および請求項16記載の微粒子成分計測装置では、受光望遠鏡で発光を集光することにより、遠隔計測することができる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1に本発明の第1の実施形態を示す。微粒子成分計測装置は、超短パルスレーザー光15を照射することによって生成されるフィラメント14を、ナノ粒子やマイクロ粒子等の微粒子に照射してプラズマを発生させ、そのプラズマからの発光スペクトルに基づいて微粒子の成分を計測するものである。本実施形態では、計測対象の微粒子が例えば大気中の微量なエアロゾルであり、大気中のエアロゾルの成分をライダーにより遠隔計測するものである。
計測対象の微粒子には、粒径がnmオーダーのナノ粒子やμmオーダーのマイクロ粒子の他、粒径がnm以下の粒子、μm以上の粒子が含まれる。また、超短パルスレーザー光15は、パルス幅がピコ秒(ps)領域以下のレーザー光であり、例えばチタンサファイアレーザー装置、ガラスレーザー装置、ファイバーレーザー装置等によって照射することができる。
レーザー装置16から出射した超短パルスレーザー光15は、凹面鏡17および表面形状可変鏡18により反射され、大気中に照射される。照射された超短パルスレーザー光15は緩やかに集光しつつフィラメント14を生成する。フィラメント14の照射を受けた大気中のエアロゾルはプラズマ化され、そのプラズマの発光を含むフィラメント14からの発光は超短パルスレーザー光15と非同軸に設置された受光望遠鏡19により集光され、バンドルファイバー20に入射する。本実施形態では、受光望遠鏡19の反射光を副鏡21により反射させてバンドルファイバー20に入射させている。
バンドルファイバー20からの出射光は分光器22に入射し、分光された後、ICCDカメラ23により受光され、そのスペクトルに基づいて大気中エアロゾルの成分を同定する。即ち、観測したプラズマからの発光スペクトルを各物質がもつ固有のスペクトルと照合することで、大気中エアロゾルの成分を同定することができる。スペクトルの照合は、例えば各物質がもつ固有のスペクトルに関する情報を記憶しているパーソナルコンピュータ24を使用して行われる。
本実施形態においては、受光望遠鏡19をレーザー光と非同軸に設置し、ICCDカメラ23のゲートタイミングを調整することにより、フィラメント14から発生する白色光が上記発光スペクトルの計測に与える影響を低減している。すなわち、超短パルスレーザー光15と受光望遠鏡19が同軸に設置されているならば、ICCDカメラ23のゲートタイミングを遅らせて白色光が伝播した後に設定しても、一度発生した白色光が伝播した後の後方散乱光を受光してしまうため、白色光の影響をなくすことは困難である。これに対し、図1に示すように超短パルスレーザー光15と受光望遠鏡19を非同軸にすると、一度発生した白色光は伝播するに従い受光望遠鏡19の視野33からはずれるため、ICCDカメラ23のゲートタイミングを白色光が伝播した後に設定する(時間的遅延)ことで、白色光の影響を除去して大気中エアロゾルの発光スペクトルを観測することができる。このように、測定対象物質の発光スペクトルの計測に時間的遅延を加えることにより白色光スペクトル強度を減少させ、測定対象物質スペクトルのS/N比を向上させることができる。
また、表面形状可変鏡18の角度を変えることにより超短パルスレーザー光15の伝播方向を変えることができる。これにより、受光望遠鏡19の視野33内に入るフィラメント14の受光望遠鏡19からの距離を変化させることができるため、対象物質の計測距離を変えることができる。図1の実施形態は、大気中のアスベストやバイオ兵器等の遠隔計測にも適用可能である。
また、本実施形態ではフィラメント14の生成位置を凹面鏡17の焦点距離と表面形状可変鏡18の反射面形状を調整することで制御している。凹面鏡17の焦点距離による制御は補助的に用いるものであり、凹面鏡17の焦点距離によってフィラメント14の生成する位置をだいたい決める。そして、表面形状可変鏡18の反射面の形状を変化させることで、フィラメント14の生成位置を微調整する。換言すると、凹面鏡17はフィラメント14の生成位置決定の粗調整に用い、表面形状可変鏡18は微調整に用いる。例えば、インサイト計測のように非常に短い伝播距離でフィラメント14を生成するためには、焦点距離の短い凹面鏡17を使用する。逆に、ライダー計測のように、フィラメント14の生成開始は超短パルスレーザー光15がある程度長距離伝播した後でもよく、そのかわり長いフィラメント14が欲しい場合は、焦点距離の長い凹面鏡17を用いるか、または凹面鏡17を用いずに表面形状可変鏡18のみを用いる。表面形状可変鏡18は通常平面ミラーを用いており、レーザービーム断面上の位相分布を制御する。表面形状可変鏡18の反射面形状を変化させることでその焦点距離も多少は変化するが、フィラメント14の生成位置を粗調整する場合のように大きく変化させるには凹面鏡17を併用するのが好ましい。なお、凹面鏡17を可変形ミラーとしてその反射面形状を変化させることでフィラメント14の生成位置を微調整することが可能であれば、表面形状可変鏡18を省略しても良い。ただし、凹面鏡17の反射面形状の変化を精密に制御することは難しいので、凹面鏡17と表面形状可変鏡18を併用することが実用的である。
また本実施形態では、表面形状可変鏡18の角度を変えることにより超短パルスレーザー光15の伝播方向を変えているが、表面形状可変鏡18から反射されたレーザー光を図1には記載されていない全反射鏡により反射して大気中に照射し、この全反射鏡の角度を変えることにより超短パルスレーザー光15の伝播方向を変えることも可能である。この場合、通常の全反射鏡は表面形状可変鏡に比べて構造が単純であるため角度を変えやすく、そのため超短パルスレーザー光の伝播方向の制御が容易であるという利点がある。
ここで、表面形状可変鏡18の反射面形状の変化とフィラメント14の生成についてより具体的に説明する。図2及び図3に表面形状可変鏡18を示す。表面形状可変鏡18は、独立制御可能な複数のアクチュエータを備える可変形ミラーを用いたものであり、反射面が任意に変形可能な反射ミラー(本明細書では可変形ミラーと呼ぶ)2と、該可変形ミラー2の背面側に連結されて可変形ミラー2に対して変位を与えるアクチュエータ8とを備え、アクチュエータ8の駆動によって可変形ミラー2を大域的に変形可能としたものである。
ここで、可変形ミラー2としては、独立して制御可能な複数本のアクチュエータ8の駆動により反射面が任意に変形可能な薄肉の平面ミラーが採用されている。本実施形態の場合、アクチュエータ8の駆動により所望の大域的凹部を容易に形成できる程度の剛性を有するものであり、例えば縦横寸法が100×100(mm)程度の正方形状のミラーにおいては厚さ3mm程度の薄肉の平面鏡の使用が好ましい。
反射ミラー2の背面はアクチュエータ8に連結され、アクチュエータ8を介してフレーム1に支持されている。本実施形態では、13本のアクチュエータ8が可変形ミラー2の裏面全域にほぼ均等な間隔で縦横並びに対角線上に配置されているが、この本数に特に限られるものではない。
アクチュエータ8は、可変形ミラー2の背面に固着されているロッド3を含み、該ロッド3が当該アクチュエータ8の可動部(本実施形態ではロッドホルダ4)に対して切り離し可能に連結されている。例えば、アクチュエータ8は、駆動素子6の先端に固定されているロッドホルダ4の少なくともロッド3を固定する端部側にロッド3を嵌め込む孔を設け、ロッド3の後端側を嵌め込んだ状態でロッド3をねじ5で締め付けることによって着脱可能に固定されている。本実施形態では、ロッドホルダ4のねじ孔に螺合されたねじ5の先端でロッド3の外周面を押しつけることによって摩擦力でロッド3を固定するようにしているが、場合によってはピンなどで着脱可能に連結しても良い。ロッド3を簡単に着脱できる構造とすることによって、可変形ミラー2の反射特性が劣化した場合など、可変形ミラー2の交換が必要となった場合には、ねじ5を弛めてロッドホルダ4からロッド3を取り外すことで、劣化した可変形ミラー2(裏面に接着されたロッド3を含む)だけを交換することができる。即ち、ロッドホルダ4、アクチュエータ8及び支持フレーム1はそのまま再利用できるので経済的である。
アクチュエータ8と可変形ミラー2との連結は、本実施形態の場合、エポキシ樹脂系接着剤7を使って、ロッド3の先端と可変形ミラー2の背面とを接着することによって行われている。この場合、厚さ3mmという薄肉の可変形ミラー2では、接着剤7が硬化するときの応力変化の影響がミラー表面に現れやすく、アクチュエータ8が接着された部分の可変形ミラーの表面側(反射面側)が僅かに隆起した。例えばエポキシ樹脂系接着剤7でロッド3を接着させた本実施形態の場合、0.4μmの凸部9が形成された。ここで、接着剤の硬化または固化により形成される凸部または凹部が局部的であれば、超短パルスレーザビームが反射したときに生ずるビームの波面に与えられる局所的な空間変調は、フィラメントを形成する起点となる十分なものとなる。また、接着剤7を利用して生じさせた高さ0.4μm程度の隆起や窪みであれば、可変形ミラー2の鏡面を蒸着形成して製作する時、予め蒸着面手前に穴開きマスクをセットし、蒸着工程時に鏡面蒸着の膜厚を局部的にコントロールすることで局部的凸部または凹部を形成することも可能である。
ここで、可変形ミラー2の厚みが大域的な凹部が形成できる程度の可撓性を有する厚さであっても、接着剤7によってロッド3を直付けすることにより局部的な凸部9または凹部が形成されないことがある。例えば、図8は厚さ3mmの可変形ミラー2の表面形状を示す。この場合には、点状の局部的な隆起(凸部)あるいは窪み(凹部)が発生している。他方、図7には厚さ6mmの可変形ミラー2の表面形状を示す。この場合には、図8のミラーとは異なって、点状の局部的な隆起(凸部)あるいは窪み(凹部)が発生していない。これは、可変形ミラーが厚過ぎるので、接着剤の硬化時または固化時の収縮やストレスでは局部的隆起あるいは窪みが起きないものと思われる。このことから、ロッド3の接着によってミラー表面に局部的凸部または凹部を形成する場合には、厚さ2〜3mm程度のミラーを使用することが好ましい。勿論、可変形ミラー2の裏面とアクチュエータ8の接着剤7による直付けによって局部的な凸部または凹部を形成しないのであれば、例えば蒸着膜の制御などで局部的な凸部または凹部を形成するのであれば、アクチュエータ8の駆動によって大域的な凹部が形成できる程度の可撓性を有する厚さであれば実施可能である。
また、駆動素子6としては、圧電素子(PZT:Pb−Zr−Ti)または電歪素子(PMN:Pb−Mg−Nb)などの、可変形ミラーの微小変位を可能とする駆動源が用いられている。電歪素子などの駆動素子の場合、印加電圧の大きさや方向を切り替えることで、駆動素子の変位方向・量を容易に制御できるので使用が好ましいが、これに限られるものではない。駆動素子6はフレーム1の土台に対して垂直に配置されている壁1bに固定され、可動部となるロッドホルダ4は貫通孔を有する壁1aを通して前後方向(図2の左右方向)へ進退動可能に支持されている。可変形ミラー2は互いに平行に配置された複数のアクチュエータ8の駆動を適宜制御することによって、即ちロッド3を前方に押し出すアクチュエータ8と後方へ引き戻すアクチュエータ8あるいは駆動させないアクチュエータ8とを組み合わせることによって、可変形ミラー2の所望の領域に大域的凹部を形成するように変形させられる。
以上のように構成された表面形状可変鏡18に超短パルスレーザー光15を入射し、その反射光を大気中伝播させたときにフィラメントが生成されることを以下に説明する。尚、説明を簡単にするため、一辺100mmのミラーに対して超短パルスレーザー光15の直径を50√2mmとすることで、13本のアクチュエータのうちの、中心付近の5本(符号E,J,K,L,M)について注目することとした。
まず、反射面に局部的な凸部または凹部を有する反射ミラーのみを使ってフィラメントを形成する方法について説明する。図8に示すような点状の局部的な隆起(凸部)あるいは窪み(凹部)が発生している可変形ミラー2を超短パルスレーザー光15の光路上へ介装することによって、波面が整った超短パルスレーザー光15であっても(図5(A)参照)、反射ビーム中には、ミラー表面の局部的な凸部または凹部に応じた局所的な空間変調がビームの波面に与えられ(図5(B)参照)、反射ビーム13の伝播の過程で前述の反射ビーム13の波面に与えられる局所的な空間変調がさらに顕著となり(図5(C,D)参照)、これが起点(種)となってフィラメント14をビーム伝播の過程で形成する。このフィラメント14は、反射ミラーの表面の局部的な凸部または凹部の存在により安定して生成されることから、局部的な凸部または凹部を任意の位置に形成することで、ビーム断面の任意の位置に一意的に連続して形成される。図11は近距離における反射ビーム13の断面強度分布を示し、図12は遠距離における反射ビーム13の断面強度分布を示す。このように、ミラー中央部に作られた局部的凸部または凹部によって単一のフィラメント14が優先的に生成されていることが判る。超短パルスレーザー光15を反射させて大気中伝播させた場合、反射したビーム13の断面には、強度斑によってフィラメント14の起点11が生成され、さらに伝播が進む中でフィラメント14が成長することが判明した。
次ぎに、局部的凸部または凹部とそれよりも大きな大域的な凹部を有する反射ミラーを使ってフィラメントを形成する方法について説明する。図10に示すように、符号E,J,K,L,Mの5個のアクチュエータ8を駆動させ、可変形ミラー2を裏面側から引っ張って、可変形ミラー2の表面側を大域的に窪ませて変形させる。この状態においても、図4に示すように、アクチュエータによってミラー表面形状が大域的な凹部10に形成され尚かつ局部的凸部9(または凹部)が存在する特殊な表面形状が実現されている(図11参照)。これによって、局部的凸部9または凹部の周りあるいはビーム断面の局部的な凸部9または凹部の周りに相当する位置に、反射ビーム13のエネルギあるいは周辺の強度斑を中心となる強度斑の周りに集合させて、フィラメント生成の起点となる強度斑の電界強度をより強くしてビーム伝播中のフィラメント生成をより確実なものにする。図13に可変形ミラー2の中央部を引っ張ったときのビーム断面の状態を示す。ビーム中央部に相当するミラー中央部のアクチュエータ(E)を引っ張ってミラー中央部に大域的凹部を形成した場合、周辺の強度斑がビーム中央に集合し高密度のフィラメント14が形成された(図13参照)。
さらに、ビーム断面上における大域的凹部の形成位置を制御することによって、フィラメント14が生成される位置を制御できる。例えば、ビーム中央部に相当するミラー中央部のアクチュエータ(E)を引っ張ってミラー中央部に大域的凹部10を形成した場合、周辺の強度斑がビーム中央に集合し高密度のフィラメント14が形成された(図13参照)。他方、反射ミラーのビームが照射される領域12内のミラー周辺部(ビーム周辺部)に相当するアクチュエータ(M)を引っ張ってミラー周辺部に大域的凹部を形成した場合、強度斑もビーム周辺部に片寄り、周辺部の方がフィラメントの形成が顕著となって高密度のフィラメント14が形成された(図14参照)。このことから、反射ミラーの表面のフィラメント生成の起点となる局部的な凸部または凹部の位置を変更しなくとも、反射ミラー表面に形成される大域的凹部の形成位置を制御することでフィラメントが顕著に形成される位置、高密度のフィラメントが形成される位置を制御できることが明らかになった。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、図1の微粒子成分計測装置と同一の部材には同一の符号を付してそれらの詳細な説明は省略する。
図1に示す第1の実施形態の微粒子成分計測装置は大気中の微量なエアロゾルを遠隔計測するものであったが、図15に示す第2の実施形態の微粒子成分計測装置は雲25の成分を遠隔計測するものである。図1の微粒子成分計測装置と比べた場合の相違は、図1のものが超短パルスレーザー光15と受光望遠鏡19の光軸が非同軸なのに対し、図15は超短パルスレーザー光15と受光望遠鏡19の光軸が同軸である。超短パルスレーザー光15と受光望遠鏡19の光軸を同軸にするために、表面形状可変鏡18からの反射光を受光望遠鏡19の副鏡21の裏側に設置した全反射鏡26により反射し、超短パルスレーザー光15を大気中に照射している。雲25は粒子密度が大きいため、超短パルスレーザー光15そのものやフィラメント14により発生した白色光が伝播しにくい。そのため、図15に示すように超短パルスレーザー光15と受光望遠鏡19の光軸を同軸にしても、測定領域から伝播後の超短パルスレーザー光15や白色光の後方散乱の影響が少ない。なお、図1に示すように超短パルスレーザー光15と受光望遠鏡19の光軸を非同軸にした場合でも、雲25の成分のライダー計測は可能である。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、図1の微粒子成分計測装置と同一の部材には同一の符号を付してそれらの詳細な説明は省略する。
図1に示す第1の実施形態及び図15に示す第2の実施形態は大気中のエアロゾルや雲25の成分の遠隔計測に関するものであったが、図16に示す第3の実施形態は大気中における微粒子についてのインサイト計測についてのものである。第1及び第2の実施形態と異なる主な点は、ライダー計測を行わないため受光望遠鏡19を用いない点である。まず、大気中の微粒子を微粒子充填セル27内に吸引する。超短パルスレーザー光15は凹面鏡17、表面形状可変鏡18およびダイクロイックミラー28により反射された後、窓29を通して微粒子充填セル27に入射される。超短パルスレーザー光15は凹面鏡17および表面形状可変鏡18で反射されることにより集光される。さらに表面形状可変鏡18の反射面形状を上述のように変化させることにより、微粒子充填セル27内におけるフィラメント14の生成位置や強度を制御することができる。微粒子充填セル27を通過した超短パルスレーザー光15は微粒子充填セル27内に設置されたビームダンパ30に照射する。
フィラメント14からの発光と、超短パルスレーザー光15およびフィラメント14により生成する白色光の散乱光は、窓29を透過してダイクロイックミラー28に至る。ここでダイクロイックミラー28は超短パルスレーザー光15を反射し、測定物質の発光波長を透過させる特性を有する。これにより、ビームダンパ30からの強いレーザー光の散乱がバンドルファイバー20へ入射することを防ぐ。フィラメント14からの発光や白色光はバンドルファイバー20を介して分光器22に入射し、分光された後ICCDカメラ23により受光され発光スペクトルを得る。この発光スペクトルを各物質がもつ固有のスペクトルと照合し、測定対象物質である大気中の微粒子の成分を同定する。また、ICCDカメラ23のゲートタイミングを変化させて時間的遅延を加えることで、フィラメント14から発生する白色光が発光スペクトルの計測に与える影響を低減することができる。
図16では、バンドルファイバー20がダイクロイックミラー28の後方に設置されているが、微粒子充填セル27の側面に別の窓を設置し、測定物質の発光波長のみを透過させるフィルターを介してバンドルファイバーを設置することにより、フィラメントからの発光を計測することも可能である。この場合、フィラメントの発光を横方向から測定するためフィラメント内での発光の積分効果が少なくなるが、ビームダンパ30からの強いレーザー光の散乱の影響を低減することができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、上述の説明では受光素子としてICCDカメラ23を用いていたが、ICCDカメラ23に限るものではない。ICCDカメラ23の代わりに例えばアレイ型半導体素子を用いることも可能である。この場合、イメージインテンシファイアによる増強機能が付加されていないため測定感度が落ちるが、ICCDカメラ23に比べてアレイ形半導体素子は安価であるため製造コストを安くすることができる。測定物質の発光強度が強い場合に適している。
また、ICCDカメラ23の代わりに光電子増倍管を用いることもできる。光電子増倍管を用いる場合、以下の二つの方法が考えられる。
第一に、通常の一素子の光電子増倍管を用いることができる。光電子増倍管は感度が高く、また受光面積も大きいため、単一波長における発光強度の測定感度が向上する。また、分光器22のスリット幅を小さくすることにより、測定分解能も向上することができる。しかしこの場合、一度に単一波長の強度しか測定ができないため、測定物質の成分を同定するために必要な発光スペクトルを得るためには、分光器22の回折格子の角度を変化させ、各波長当りの強度を順次測定する必要がある。この場合、レーザー光の強度や測定物質の濃度は必ずしも安定ではないため、回折格子の角度を変化させる間に、各波長におけるレーザー光強度や測定物質濃度等測定条件が変化する可能性がある。このため、発光スペクトルを正確に測定できない可能性がある。特に微弱光を測定する場合、S/N比を改善するために受光信号を積分する必要があるが、各波長において長時間受光信号を積分すると一つの発光スペクトルを計測するのに長時間を要する。レーザー光強度および測定対象物質濃度等測定条件が安定な場合に適用するのが好ましい。
第二に、マルチチャンネル光電子増倍管を用いることができる。マルチチャンネル光電子増倍管とは、アレイ状に設置された光電子増倍管のことである。これを用いると、感度が高く一素子当たりの受光面積も大きいため発光強度の測定感度が向上する。さらに一度に広いスペクトルの計測が可能であるため、積分することによりS/N比を改善することも可能である。しかし、通常マルチチャンネル光電子増倍管は1チャンネルの面積が大きいため波長分解能が良好とは言えない。広いスペクトルを有する物質の計測に特に効果的である。
また、上述の説明では表面形状可変鏡18として図6(A)に示すような1枚の薄肉反射鏡による可変形ミラー2を用いて、局部的な凸部9または凹部と大域的な凹部10とを形成し、フィラメント発生の起点を生成する工程と、超短パルスレーザビームのエネルギあるいは周辺の強度斑を中心の強度斑の周りに集合させる工程とを同時に実施させる例を挙げて主に説明しているが、図6(B)に示すように局部的な凸部9または凹部を有する第1のミラー2’と大域的な凹部10を有する第2のミラー2”との少なくとも2枚のミラーを光路上で組み合わせ、上述の2つの工程を別々の反射ミラーで前後させて実施することも可能である。これによっても、反射ビーム断面の任意の部位に任意の密度のフィラメントを生成させたり、あるいは大域的凹部の形成位置を制御することによりフィラメントの生成位置を任意に制御することも可能である。
この局部的な凸部9または凹部を有する第1のミラー2’と大域的な凹部10を形成する第2のミラー2”とを組み合わせてフィラメント14を形成する場合、第1のミラー2’の局部的凸部9または凹部と第2のミラー2”の大域的凹部10は共に変位または変形しない固定的構成としても良いが、それぞれ可動的な構成としても良い。例えば、図17に示すように、超短パルスレーザビームの光路上に局部的凸部9を有する第1の反射ミラー2’とビーム断面の局部的凸部9の周りに相当する位置に大域的な凹部10を形成する可変形ミラーから成る第2の反射ミラー2”を配置し、超短パルスレーザー光15がこれら第1及び第2のミラー2’,2”間を経由して反射する間に、ビーム断面の任意の部位に強度斑を作ってその周りあるいは複数形成された強度斑のうちの任意の1つあるいは複数の強度斑の周りに超短パルスレーザー光15のエネルギあるいは周辺の強度斑を集合させるようにすることも可能である。ここで、第1の反射ミラー2’と第2の反射ミラー2”とは独立して制御可能にできるので、第1の反射ミラー2’をX−Y方向に制御可能とすることにより反射面に形成した局部的凸部9のビーム断面上における位置を変更することができる。また、可変形ミラーから成る第2の反射ミラー2”は、可変形ミラーの背面側にそれぞれ独立制御可能な複数のアクチュエータ8を備えているので、アクチュエータ8の駆動により反射面を任意の曲率の大域的凹部10としたり、あるいは大域的凹部10の曲率中心位置、形状などを制御して、ビーム断面におけるフィラメントの形成位置、強度、密度などを自在に制御できる。また、第1の反射ミラー2’は、場合によっては局部的凸部9が異なる位置に形成された別のミラーを用意しておき、これを交換することによって局部的凸部9あるいは凹部の位置を変更可能とすることもある。
また、上記実施形態においては可変形ミラー2の裏面にロッド3を接着剤7で直に接着した構造が示されたが、アクチュエータ8の駆動素子そのものあるいは駆動素子に固着された部材の先端部を直にミラー裏面に接着し、可変形ミラー2をアクチュエータ8で直接担持することもできる。
また、上述の説明では、大域的な凹部10を設けてフィラメント14周辺に反射した超短パルスレーザー光15のエネルギあるいは周辺の強度斑をフィラメント14発生の起点となる強度斑の周りに集合させるようにしていたが、大域的な凹部10を省略しても良い。
また、上述の説明では、超短パルスレーザー光15の照射によってフィラメント14を生成させ、フィラメント14を計測対象である微粒子に照射させてプラズマを発生させていたが、微粒子に超短パルスレーザー光15を集光することでプラズマを発生させるようにしても良い。
また、上記実施形態は大気中に浮遊する微粒子の計測に関してであったが、これに限定されるものではなく、たとえば生体や液体中の微粒子の計測にも適用可能である。
本発明の効果を確認する実験を行った。超短パルスレーザー光15を用いて海塩粒子中のNaのインサイト計測を行った。図18にその実験系を示す。超音波加湿器(微粒子発生装置)31を用いて飽和食塩水(150g/500ml)を微粒子化し、人工的な海塩粒子を生成した。図示しないレーザーを用いた粒径測定装置(Oxford lasers;VisiSizer)で測定したところエアロゾル(海塩粒子)の粒径は10μm以下であった。生成した海塩粒子を内径20cm、長さ5mの円筒32中に噴霧した。使用したレーザー装置はチャープパルス増幅のフェムト秒チタンサファイアレーザー装置である。パルスエネルギー130mJ、パルス幅70fs、ピーク出力2TW、パルス繰り返し10Hzのレーザー光を焦点距離20mの凹面鏡17を用いて集光し、海塩粒子に照射した。集光後約18mの位置において、レーザー光進行方向に対して後方に23度の角度で設置したバンドルファイバー20を用いて、海塩粒子の発光を焦点距離460mmの分光器22に導光した。分光したスペクトルはICCDカメラ23で受光した。
図19に海塩粒子発光計測地点におけるレーザビーム断面と生成したマルチフィラメントの様子を示す。レーザビーム中に観察される多数の輝点がフィラメント14である。図20は参考図であり、水蒸気を充満した円筒中に入射するレーザー光を斜め横から多数ショット重ね撮りしたものである。一本一本のフィラメント14が伝播する様子が観察されている。
海塩粒子にフィラメント14を照射したときの分光測定結果を図21(a)に示す。計測時におけるICCDカメラ23のゲート幅は20nsとした。超短パルスレーザー光15の照射タイミングには約10nsのジッターがある。まず、分光器22の中心波長を800nmに設定し、チタンサファイアレーザーの基本波および自己位相変調により発生する白色光が最も強く観測されるICCDカメラ23のゲートタイミングを見出した。そのタイミングからのゲート遅れ時間が20ns、40ns、120nsの時の分光スペクトルを図21(a)に示す。また、参照スペクトルとして食塩を溶解したアルコールランプの発光スペクトルを図21(b)に示す。NaのD、D線が明瞭に観察されている。
図21(a)より、海塩粒子にフィラメント14を照射した場合遅れ時間が20nsの時(20nsの時間遅延を加えた時)にNaの発光が明瞭に観測されている。遅れ時間が40ns(40nsの時間遅延)になるとNaの発光はほとんど観測されなくなり、遅れ時間が120ns(120nsの時間遅延)の時には全く観測されていない。遅れ時間が20nsの時に長波長側の信号強度が徐々に上昇していくのは白色光発生のためであり、遅れ時間の増大と共に白色光強度も弱くなっていることが分かる。遅れ時間が0の時、すなわちICCDカメラ23のゲートタイミングがレーザー照射とほぼ同じ時には、白色光のスペクトルに隠れてNaの発光は観測されなかった。以上の結果より、ICCDカメラ23のゲートタイミングを調整し、フィラメント14中に生成したプラズマの発光スペクトルを測定することにより、海塩粒子の同定が可能であることが示された。
上記の結果を元に、海塩粒子のライダー計測実験を行った。図22にその実験系を示す。上記のインサイト計測と同様、超短パルスレーザー光15を約20mの焦点距離の凹面鏡17で集光することによりフィラメント14を生成し、人工的に生成した海塩粒子に照射した。受光望遠鏡19は主鏡直径12.5インチ、焦点距離1.5mのニュートン型であり、海塩粒子より約20m手前に超短パルスレーザー光15と同軸に設置した。受光望遠鏡19により集光された光はバンドルファイバー20を通して分光器22に入射した。バンドルファイバー20からの出射光は焦点距離460mmの分光器22により分光され、ICCDカメラ23により受光された。
測定した結果を図23に示す。図23(b)に示す参照スペクトルは食塩を溶解したアルコールランプの発光スペクトルであり、NaのD線とD線が明瞭に観察される。図23(a)に示すスペクトルが、Tキューブレーザー光を海塩粒子に照射して遠隔で計測して得たスペクトルであり、レーザー光を照射せずに測定したバックグラウンドのデータを差し引いている。この時、レーザー光に対するICCDカメラ23のゲート遅れ時間は上記のインサイト計測と同様20nsとした。スペクトルの形状より明らかに海塩粒子中のNaのD線とD線が観測されている。以上の結果より、本発明により粒径10μm以下の微粒子のライダー計測が可能であることが確認できた。
本発明の第1の実施形態を示し、大気中の微量なエアロゾル成分の遠隔計測を行う様子を示す概略構成図である。 表面形状可変鏡の一例を示す概略説明図である。 図2の表面形状可変鏡の可変形ミラーの正面図(反射面側)である。 ミラーの反射面における局部的凸部と大域的凹部との関係を示す原理図である。 超短パルスレーザビームの反射の前後における波面の変化を示す説明図であり、(A)は入射するビーム波面、(B〜D)は局部的凸部を有する反射面で反射したビーム波面の経時変化を示す。 本発明のフィラメント形成方法を実施する例を示す原理図であり、(A)は1枚のミラーで局部的凸部と大域的凹部を実現する例、(B)は2枚の反射ミラーを組み合わせて局部的凸部と大域的凹部を実現する例をそれぞれ示す。 厚さ6mmの可変形ミラーの表面形状を示す説明図である。 厚さ3mmの可変形ミラーの表面形状を示す説明図である。 実施形態の可変形ミラーをアクチュエータでミラー表面側へ押して隆起変形させた場合の表面形状を示す説明図である。 実施形態の可変形ミラーをアクチュエータでミラー裏面側へ引っ張って窪み変形させた場合の表面形状を示す説明図である。 近距離のビーム断面強度を示す説明図である。 遠距離のビーム断面強度を示す説明図である。 実施形態の可変形ミラーをアクチュエータでミラー中央部を引っ張って窪み変形させた場合のビーム断面強度を示す説明図である。 実施形態の可変形ミラーをアクチュエータでミラー周辺部を引っ張って窪み変形させた場合のビーム断面強度を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態を示し、雲の成分の遠隔計測を行う様子を示す概略構成図である。 本発明の第3の実施形態を示し、大気中微粒子のインサイト計測を行う様子を示す概略構成図である。 2枚の反射ミラーを組み合わせて局部的凸部と大域的凹部を実現する例の原理図である。 海塩粒子成分のインサイト計測の実験系を示す概略構成図である。 フィラメントの発生したレーザービームの断面を示す図である。 マルチフィラメントの伝播の様子を示す参考図である。 海塩粒子にフィラメントを照射した時のNaの発生スペクトルを示し、(a)はICCDカメラのゲートタイミングの、レーザー光から遅延時間を変化させた時の発光スペクトルの変化を示す図、(b)は食塩を溶解したアルコールランプの発光スペクトルを示す図である。 海塩粒子成分の遠隔計測実験系を示す概略構成図である。 フィラメントを用いた海塩粒子中Naの発光スペクトルの遠隔計測結果を示し、(a)は海塩粒子中Naの発光スペクトルを示す図、(b)は食塩を溶解したアルコールランプの発光スペクトルを示す図である。
符号の説明
2 可変形ミラー(反射ミラー)
9 局部的な凸部
10 大域的な凹部
14 フィラメント
15 超短パルスレーザー光
19 受光望遠鏡

Claims (16)

  1. 微粒子に超短パルスレーザー光を集光することによりプラズマを発生させ、そのプラズマからの発光スペクトルに基づいて前記微粒子の成分を計測することを特徴とする微粒子成分計測方法。
  2. 超短パルスレーザー光を照射することによって生成されるフィラメントを、微粒子に照射してプラズマを発生させ、そのプラズマからの発光スペクトルに基づいて前記微粒子の成分を計測することを特徴とする微粒子成分計測方法。
  3. 局部的な凸部または凹部を有する反射ミラーに前記超短パルスレーザ光を照射し、前記局部的な凸部または凹部により反射したビーム断面の任意の部位に強度斑を作ることで前記フィラメント発生の起点とすることを特徴とする請求項2記載の微粒子成分計測方法。
  4. 前記反射ミラーの前記局部的な凸部または凹部の周りには前記局部的な凸部または凹部に比して大域的な凹部が設けられており、前記大域的な凹部により前記フィラメント周辺に反射した超短パルスレーザビームのエネルギあるいは周辺の強度斑を前記フィラメント発生の起点となる強度斑の周りに集合させることを特徴とする請求項3記載の微粒子成分計測方法。
  5. 局部的な凸部または凹部を有する反射ミラーに前記超短パルスレーザ光を照射し、前記局部的な凸部または凹部により反射したビーム断面の任意の部位に強度斑を作ることで前記フィラメント発生の起点とすると共に、前記ビーム断面の前記局部的な凸部または凹部の周りに相当する位置に前記局部的な凸部または凹部に比して大域的な凹部を有する反射ミラーにも前記超短パルスレーザー光を照射し、前記大域的な凹部により反射した前記超短パルスレーザ光のエネルギあるいは周辺の強度斑を前記フィラメント発生の起点となる強度斑の周りに集合させることを特徴とする請求項2記載の微粒子成分計測方法。
  6. 前記反射ミラーは反射面が任意に変形可能な可変形ミラーであることを特徴とする請求項3から5のいずれか1つに記載の微粒子成分計測方法。
  7. 前記発光スペクトルの計測に時間的遅延を加えることにより白色光スペクトル強度を減少させることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の微粒子成分計測方法。
  8. 前記プラズマからの発光を受光望遠鏡を用いて集光することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の微粒子成分計測方法。
  9. 微粒子に超短パルスレーザー光を集光することによりプラズマを発生させ、そのプラズマからの発光スペクトルに基づいて前記微粒子の成分を計測することを特徴とする微粒子成分計測装置。
  10. 超短パルスレーザー光を照射することによって生成されるフィラメントを、微粒子に照射してプラズマを発生させ、そのプラズマからの発光スペクトルに基づいて前記微粒子の成分を計測することを特徴とする微粒子成分計測装置。
  11. 局部的な凸部または凹部を有する反射ミラーに前記超短パルスレーザ光を照射し、前記局部的な凸部または凹部により反射したビーム断面の任意の部位に強度斑を作ることで前記フィラメント発生の起点とすることを特徴とする請求項10記載の微粒子成分計測装置。
  12. 前記反射ミラーの前記局部的な凸部または凹部の周りには前記局部的な凸部または凹部に比して大域的な凹部が設けられており、前記大域的な凹部により前記フィラメント周辺に反射した超短パルスレーザビームのエネルギあるいは周辺の強度斑を前記フィラメント発生の起点となる強度斑の周りに集合させることを特徴とする請求項11記載の微粒子成分計測装置。
  13. 局部的な凸部または凹部を有する反射ミラーに前記超短パルスレーザ光を照射し、前記局部的な凸部または凹部により反射したビーム断面の任意の部位に強度斑を作ることで前記フィラメント発生の起点とすると共に、前記ビーム断面の前記局部的な凸部または凹部の周りに相当する位置に前記局部的な凸部または凹部に比して大域的な凹部を有する反射ミラーにも前記超短パルスレーザー光を照射し、前記大域的な凹部により反射した前記超短パルスレーザ光のエネルギあるいは周辺の強度斑を前記フィラメント発生の起点となる強度斑の周りに集合させることを特徴とする請求項10記載の微粒子成分計測装置。
  14. 前記反射ミラーは反射面が任意に変形可能な可変形ミラーであることを特徴とする請求項11から13のいずれか1つに記載の微粒子成分計測装置。
  15. 前記発光スペクトルの計測に時間的遅延を加えることにより白色光スペクトル強度を減少させることを特徴とする請求項9から14のいずれか1つに記載の微粒子成分計測装置。
  16. 前記プラズマからの発光を受光望遠鏡を用いて集光することを特徴とする請求項9から15のいずれか1つに記載の微粒子成分計測装置。
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