JP4806211B2 - 放電誘導方法および放電誘導装置 - Google Patents

放電誘導方法および放電誘導装置 Download PDF

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Description

本発明は、放電誘導方法および放電誘導装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、レーザー光で空気中に生成したプラズマチャネルにより雷を避雷針へと誘導するいわゆるレーザー誘雷を実施するのに好適な放電誘導技術の改良に関する。
重要な設備を雷の直撃による被害から守るための技術として、レーザー誘雷技術の開発が進められている。これは、例えば図22に示すように、レーザー発振器101により避雷針(もしくは避雷塔)103の先端部から雷雲102に向かってプラズマチャネルを生成し、避雷針103からの上向きリーダーを誘発することにより、雷放電をこの避雷針103へと誘導する技術である(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
このようなレーザー誘雷技術としては、これまで、CO2レーザーやYAGレーザーなど大出力の赤外レーザーやエキシマレーザーなどの大出力の紫外レーザー、チタンサファイアレーザーなどの超短パルス高強度レーザーを用い、レンズ(あるいは凹面鏡など)104により集光することによって焦点付近に生成された長尺のプラズマチャネルを用いるレーザー誘雷の基礎研究が進められてきた(図23参照)。例えばレーザー誘雷のモデル実験研究においては、電圧を印加された電極間にこのような長尺プラズマチャネルが生成されるとスパークオーバ電圧が低下し、放電路がプラズマチャネルに沿って形成されることが明らかにされている。
また、超短パルス高強度レーザーの場合には、光学機器による集光ではなく非線形光学効果(セルフトラッピング効果)によるフィラメント生成でプラズマチャネルを生成する誘雷方式の研究が進められている(図24参照)。この方式においても集光方式と同様に気中放電のスパークオーバ電圧を低下させ、放電路を制御する効果が実験的に明らかにされている。この方式は、集光方式の場合よりもコンパクトなシステムで長尺プラズマチャネルを生成することが可能だという利点があることから、実用的な誘雷システムを構築するのに有力な候補と考えられている。
特開平7−142190号公報 特開平8−064385号公報
しかしながら、超短パルス高強度レーザーの非線形光学効果によるプラズマチャネル生成方式では、長尺のプラズマチャネルを生成させるためには長い距離に亘ってフィラメントが生成していなければならず、この点においてこの方式には以下のような2つの問題点がある。
一つめの問題点は、フィラメントが長距離に亘って生成している必要があるために、レーザーの伝搬の条件が厳しいことである。つまり、適切なパワーでレーザーが過度に強くならないように平行に伝搬させる必要があり、もし、高密度のプラズマが生成されると平衡が崩れてフィラメントが壊れてしまう可能性がある。このことからすると、長距離に亘るフィラメントのプラズマは必ずしも放電誘導にとって適切なプラズマというわけではない。
二つめの問題点は、長尺の1本のプラズマチャネルでは、電界中にプラズマが生成された場合にチャネル両端に強い電界が形成されないことである。一般に、電界中に生成されたプラズマチャネルの両端には静電誘導によって強い局所電界が形成され、この電界によって放電がプラズマチャネルに引き寄せられることになる。ところが、プラズマチャネル長が10m以上になると、静電誘導過程においてプラズマ中の電荷の移動に時間がかかり、その間にプラズマが減衰して導電性を失い、局所電界が形成されなくなる場合がある。一例として、一様電界中に生成された36mに及ぶプラズマチャネルについてみてみると(図25参照)、超短パルス高強度レーザーのフィラメントに伴って生成されたプラズマチャネルと同じパラメータを使った計算の結果、電界が発生する前にプラズマが減衰してしまっていることがわかる。
そこで本発明は、超短パルス高強度レーザーを使ったプラズマチャネル生成方式以外の方式であって放電誘導の特性を向上させることが可能な放電誘導方法および放電誘導装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明者は種々の検討を繰り返し、その結果として、大気中に多くのフィラメントを積極的に生成させた場合、放電が誘導されやすくなるという知見を得た(本明細書ではこのように大気中にて多数生成したフィラメントのことを「マルチフィラメント」という)。すなわち、従来の場合だと、「特性のよい放電誘導を実施するためには連続した強いシングルフィラメントを数十m、場合によっては数百m形成する必要がある」と考えられていたが、本発明者は、マルチフィラメントの方が誘導効果が大きいと考えるに至った。別の表現をすれば、これは、数十〜数百mに及ぶ長い連続したプラズマチャネルが形成されていないとしても、数m程度のプラズマチャネルが何本も互い違いに続く状態を形成することができれば特性に優れた放電誘導が可能になるということである。
本発明は上記の知見に基づくものであり、請求項1に記載の発明は、電極からの放電をレーザー光を利用して導電体へと誘導するための放電誘導方法において、前記レーザー光を大気中に照射し、前記レーザー光を反射する光学機器を前記レーザー光の光路上に介装して、前記光学機器による反射後のビーム伝播過程での前記レーザー光のセルフトラッピング効果によって複数のフィラメントから成るマルチフィラメントを前記レーザービーム中に形成し、1本のレーザービーム中に複数のプラズマチャネルを生成した状態で放電を誘導するものである。また、請求項10に記載の発明は、電極からの放電をレーザー光を利用して導電体へと誘導するための放電誘導装置において、前記レーザー光を大気中に照射するレーザー発振器と、前記レーザー光の光路上に介装されて前記レーザー光を反射する光学機器と、前記光学機器による反射後のビーム伝播過程での前記レーザー光のセルフトラッピング効果によって複数のフィラメントから成るマルチフィラメントを前記レーザービーム中に形成し、1本のレーザービーム中に複数のプラズマチャネルを生成した状態で放電を誘導するものである。
セルフトラッピング効果(またはセルフチャネリング効果ともいう)とは、媒質の屈折率がレーザー光の強度とともに増加するとき、ある閾値以上の強さを持つ光が媒質中を細いフィラメント状で伝搬する現象のことである。より具体的には、伝搬されるレーザー光がレーザー光自身の有する自己収束効果により光導波路を作る際、自己収束の閾値以上のパワー密度になるとフィラメントが多数形成されたマルチフィラメントの状態となる。このようにして形成されるマルチフィラメントを積極的に利用することとすれば、1本のレーザービームにより、1本の長いプラズマチャネルではなく複数のプラズマチャネルが必要な長さに亘って生成された状態をつくりだすことができる。
本発明において積極的に利用するこのマルチフィラメントは大気中にて多数生成されたフィラメントであり、個々のフィラメントは数mないしはそれ以下程度の長さでしかないが、このような短いフィラメントが大気中に多数生成される結果、数百mに渡って連なるフィラメントの集まり(マルチフィラメント)が形成されることになる。本発明のごとくセルフトラッピング効果を生じさせた場合、フィラメントは短いものばかりが多いいわばぶつ切りの状態となる。このようなぶつ切り状態のマルチフィラメントが多数生成された場合における放電誘導の様子を、従来との比較実験の結果を用いて図に示す(図16〜図18参照)。まず、マルチフィラメントにおいても、図16に示すように当該1本のフィラメントに沿って誘導される場合がある(図16参照)。また、図17に示すように、当該2本のフィラメント間を移動しながら放電が進展していく場合もある(図17参照)。レーザー光を照射することによって多数のフィラメントを形成した場合の様子は図18に示すとおりであるが、このようなマルチフィラメントの状態で放電を生じさせた場合には、当該多数のフィラメント間を図17に示したような感じで次々に移動しながら進展し、スムーズに放電誘導が行われることになる。
要するに、マルチフィラメントでは、1本の長いフィラメントでなく、短いフィラメントにより短いプラズマチャネルが生成される。したがって、この放電誘導方法を例えば誘雷に適用した場合であれば、個々のプラズマチャネルの長さが短く、プラズマ内での電荷移動に時間を必要としないことから、プラズマの導電率が高くなくても雷雲の電界中でその両端に局所的な高電界が形成されることになる。このことは、一様電界中に生成された複数のプラズマチャネルによる電界分布を表した図19において、単一のプラズマチャネルに比べて各プラズマチャネルの端で電界が強くなっていることからも明らかである(図19参照)。
このようにマルチフィラメントを積極的に利用した放電誘導を行うにあたっては、光学機器としては局部的な凸部または凹部を反射面に有する反射ミラーを使用し、前記局部的な凸部または凹部に起因した局所的な空間変調をビーム波面に与え、この空間変調を起点としてビーム伝播過程で前記レーザー光のセルフトラッピング効果によって複数のフィラメントから成るマルチフィラメントを前記レーザービーム中に形成することが好ましい。さらには、請求項の放電誘導方法のように、光学機器として局部的な凸部または凹部を有し該凸部または凹部の分布を変化させることが可能な反射ミラーを使用し、前記フィラメントの数、長さおよび生成位置を制御することが好ましい。さらには、反射ミラーは、回転、振動あるいはX−Y方向への移動によって前記局部的な凸部または凹部の分布を変化させるものである異が好ましい。また、請求項11記載の放電誘導装置のように、光学機器は局部的な凸部または凹部を反射面に有し、前記局部的な凸部または凹部に起因した局所的な空間変調をビーム波面に与え、この空間変調を起点としてビーム伝播過程で前記レーザー光のセルフトラッピング効果によって複数のフィラメントから成るマルチフィラメントを前記レーザービーム中に形成するものであることが好ましいさらには、請求項12の放電誘導装置のように、光学機器は局部的な凸部または凹部を有し該凸部または凹部の分布を変化させることが可能な反射ミラーであり、前記フィラメントの数、長さおよび生成位置を制御することが好ましい。例えば、光学機器の表面に形成される局部的な凸部または凹部の位置を反射面の任意の位置に形成できるようにすれば、フィラメント生成の起点となる強度斑の位置を変えてマルチフィラメントを制御することが可能となる。
また、このように局部的な凸部または凹部を有する光学機器を使用する場合の放電誘導方法においては、請求項のように、反射ミラーの表面の前記局部的な凸部または凹部において起こる空間変調を起点とし生成されるフィラメントの周辺に相当する光路上に配置されて前記凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を備える反射ミラーをさらに前記ビーム路程中に介装して反射するレーザービームのエネルギあるいは周辺の強度斑を任意の位置に集合させて任意の位置の強度斑の電界強度をさらに強くすることことが好ましい。ここで、第2の反射ミラーは前記大域的凹部の曲率、あるいは曲率中心位置、形状などを制御して、ビーム断面におけるフィラメントの形成位置、強度、密度などを自在に制御できるものであることが好ましい。また、光学機器として、前記局部的な凸部または凹部を有する第1の反射ミラーと、前記局部的な凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を有する第2の反射ミラーとの少なくとも2枚の反射ミラーを光路上で組み合わせて使用することが好ましい。さらには、光学機器として、前記局部的な凸部または凹部を有しかつ該凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を当該局部的な凸部または凹部の周りに備えている可変形反射ミラーを使用することことが好ましい。また、放電誘導装置における光学機器は、請求項14のように、光学機器は前記反射ミラーの表面の前記局部的な凸部または凹部において起こる空間変調を起点とし生成されるフィラメントの周辺に相当する光路上に配置されて前記凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を備える反射ミラーをさらに含み、前記ビーム路程中に介装して反射するレーザービームのエネルギあるいは周辺の強度斑を任意の位置に集合させて任意の位置の強度斑の電界強度をさらに強くすることが好ましい。ここで、大域的凹部を備える前記反射ミラーは前記大域的凹部の曲率、あるいは曲率中心位置、形状などを制御して、ビーム断面におけるフィラメントの形成位置、強度、密度などを自在に制御できるものであることが好ましい。また、光学機器として、前記局部的な凸部または凹部を有する第1の反射ミラーと、前記局部的な凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を有する第2の反射ミラーとの少なくとも2枚の反射ミラーを光路上で組み合わせて使用することが好ましい。さらには、光学機器として、前記局部的な凸部または凹部を有しかつ該凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を当該局部的な凸部または凹部の周りに備えている可変形反射ミラーを使用する異が好ましい。局部的凸部または凹部により反射したビーム断面の任意の位置に形成された強度斑の周りに、大域的な凹部により反射した超短パルス高強度レーザー光のエネルギあるいは周辺の強度斑を集合させて任意の位置の強度斑の電界強度をさらに強くすることができる。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の放電誘導方法を、電極の一種である雷雲からの放電を導電体としての避雷針へと誘雷するために適用するというものである。また、請求項8の発明は、請求項5から7のいずれかに記載の放電誘導装置を、電極の一種である雷雲からの放電を導電体としての避雷針へと誘雷するために適用するというものである。
大気中にマルチフィラメントを積極的に生成して利用する請求項1の放電誘導方法、請求項5の放電誘導装置によると、連続した強いシングルフィラメントを数十m〜数百mに亘って形成する必要はなくなり、レーザー伝搬条件が従来の場合よりも緩いものとなるから、レーザー誘雷をはじめとする放電誘導技術の性能を格段に向上させることが可能となる。したがってこの放電誘導方法ないしは放電誘導装置によれば、十分なフィラメントを生成する必要があるという従来技術の問題ないしは課題を容易に解決することができる。すなわち、従来のように数十〜数百mに及ぶ長い連続したプラズマチャネルを形成しなくてもマルチフィラメントを用いて特性が向上した放電誘導を行うことが可能となる。
請求項2の放電誘導方法、請求項6の放電誘導装置によると、局部的な凸部または凹部を有する光学機器を使用してマルチフィラメントの数、長さおよび生成位置を制御することができ、これによってこれらフィラメントが1本のレーザービーム中で光軸に沿って1つずつ並ぶようにすることができる。こうした場合、例えば、光学機器の表面に形成される局部的な凸部または凹部の位置を反射面の任意の位置に形成できるようにすれば、フィラメント生成の起点となる強度斑の位置を変えてマルチフィラメントあるいはその生成状況を制御することが可能となる。
請求項3の放電誘導方法、請求項7の放電誘導装置においては、局部的な凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を備えた反射ミラーを使用することにより、反射ビーム断面の任意の位置に任意の密度もしくは単一のフィラメントをさらに容易にかつ安定した状態で生成することが可能となる。これによれば、任意の位置の強度斑の電界強度をさらに強くすることも可能となる。
また、請求項4の放電誘導方法、請求項8の放電誘導装置によると、上記のような新規な放電誘導技術をいわゆるレーザー誘雷に適用することにより、従来よりも特性のよい誘雷を実現し、性能を格段に向上させることができる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1に本発明の一実施形態を示す。本発明にかかる放電誘導装置1は電極2からの放電をレーザー光Lを利用して導電体3へと誘導するための装置である。本実施形態の放電誘導装置1は、レーザー光Lとして超短パルス高強度レーザー光を用いこの超短パルス高強度レーザー光Lを大気中に照射し、当該超短パルス高強度レーザー光Lのセルフトラッピング効果によって当該大気中にマルチフィラメントを生成するレーザー発振器4を備えており、1本のレーザービーム中に複数のプラズマチャネルが生成された状態とし、このようにして大気中に生成されるマルチフィラメントを利用して放電を導電体3へと誘導しやすくするというものである。この場合のマルチフィラメントは数百mに渡り生成可能であるため、長距離の放電誘導または上向きリーダーの誘導が可能となり、レーザー誘雷等の性能が格段に向上することにつながる。
なお、「フィラメント」とは、特に超短パルス高強度レーザーを用いた時に顕著に発生する現象であり、レーザービームが細く絞れたまま長距離伝播する現象である。通常、レーザービームを集光すると、一旦絞れた後にすぐに発散してレーザービーム径が大きくなってしまうが、フィラメントは100μm〜1mmの直径で絞れたまま数m以上伝播する。マルチフィラメントとは、図からも観察されるように(例えば図18参照)レーザービーム中に数本のフィラメントが混在している状態であり、1本のフィラメントの伝播距離(生成距離)は数m〜数十mであっても、フィラメントが次々に生成するため、数百mから数kmに亘ってフィラメントが生成する場合がある。つまり、フィラメントとはレーザー光のことであり、このフィラメントによってプラズマチャネルが生成するというものである。
以下に示す実施形態では、この放電誘導装置1をレーザー誘雷に適用する場合について説明する(図1等参照)。この場合、電極2に該当するのが雷雲となり(以下、符号2を付して雷雲2と称する)、導電体3に該当するのが避雷針となる(以下、符号3を付して避雷針3と称する)。避雷針3は落雷被害を防止するための装置で、例えば先端に金属製の棒が立てられた鉄塔(避雷塔)などからなる。
ここで、まずは本実施形態で行うレーザー誘雷について簡単に説明しておく。避雷針3などを使って雷を安全な場所へと人為的に導くのが誘雷と呼ばれるものであり、このうち、レーザー光Lを利用して誘雷させることはレーザー誘雷と呼ばれている。つまり、図1に示すように雷雲2へ向けてレーザー光Lを照射し、避雷針3に雷を誘導することにより落雷被害を回避する技術がレーザー誘雷である。このレーザー誘雷は、高密度・長尺のプラズマチャネルを地上と雷雲2との間にレーザー光Lを使って生成して行うもので、この場合に生じるプラズマが高い電気伝導度を有していることから、これにより雷放電路をガイドして安全な場所へと誘導する。つまりは、レーザー光Lのエネルギを高密度にして空気中に導電性のよいプラズマを生成し、これによって雷の通りやすい経路を形成するというものである。
続いて、本実施形態におけるレーザー誘雷の概要を簡単に説明しておくと以下のとおりである。超短パルス高強度レーザー光Lは、レーザー発振器4と光学機器5とによって避雷針3の先端付近を通り雷雲2に向かうように照射される。この時、一定値以上のレーザー出力が設定されることにより、フィラメントが避雷針3の先端から雷雲2の方向に向けて複数生成される。「一定値以上のレーザー出力」とは、レーザー光自身の有する自己収束効果により光導波路を作る際、自己収束の閾値以上のパワー密度になるのに足りる程度の出力のことである。なお、この閾値は一般的には以下の式で表される。
Pcr=λ2/(2π・n2
λはレーザー光の波長、n2は空気中でのレーザー光の屈折率の電界依存係数である。例えば波長が800nmで
n2=3〜6×10-19
とすると(ただしn2の値は測定者によってばらつきがある)、Pcrは2〜3GW程度となる。
さらに、例えばミラー表面の形状が可変の光学機器5によってフィラメントの数、生成位置、長さが制御され、図1に示すように、お互いに重なることのない状態で多数のフィラメントが光軸方向に並ぶように生成される。この場合、フィラメントの生成に伴ってプラズマチャネルが生成されるため、一つ(1本)のレーザービーム中に複数の光軸方向に並んだプラズマチャネルが生成されることになる。個々のプラズマチャネルは例えば5m以下に設定されていて、このようなプラズマチャネルが雷雲2の電界中に生成されると当該プラズマチャネルの両端に強い局所電界が形成される。この局所電界により避雷針3からの上向きリーダーが誘発され、雷雲2からの雷放電が避雷針3へと誘導されることになる。引き続き、放電誘導装置1の各構成を以下に説明する。
放電誘導装置1が備えるレーザー発振器4は誘雷に用いるレーザー光Lを発するための装置である。本実施形態においては、このレーザー光Lとして超短パルスのレーザー光Lを用いることとしている。超短パルス高強度レーザー光Lは、長い距離に渡ってプラズマチャネルを生成すること、あるいは集光プラズマを生成することが可能なレーザー光である。本実施形態においては、この超短パルス高強度レーザー光Lを大気中に照射し、当該大気中に多数のフィラメントを積極的に生成させるようにする(本明細書ではこれら多数のフィラメントを「マルチフィラメント」と呼んでいる)。
光学機器5としての反射ミラー(以下、符号5を付して表現する)は、一般的には集光ミラーによって構成されている光学系の装置であるがこれに限らず他の光学素子で構成されていても構わない。ただし、いずれにせよ反射角度を任意に変え、レーザー光Lの雷雲2に向けての照射位置ないしは照射経路を変化させることができる構成となっていることが好ましい。このようにレーザー光Lの照射位置ないしは照射経路を変化させるための構成としては種々のものが考えられるが、例えば、反射ミラー5自体を回転させることによってレーザー光Lが微小に振れるようにしてもよいし、あるいは反射ミラー5自体を微小振動させることによってレーザー光Lが微小に振れるようにしてもよい。
ここで、本実施形態における反射ミラー5は、局部的な凸部または凹部を有し、レーザー光Lを反射して当該レーザー光Lの経路を変えるミラーとなっている。そして、このような反射ミラー5を使用してマルチフィラメントを生成し尚かつ制御することとしている。以下においては、このようなレーザー発振器4および反射ミラー5を用いて大気中にフィラメントを生成させる場合の好適な形態について説明しておく(図2〜図14参照)。ここでは、局部的な凸部または凹部を有する反射ミラー5に超短パルス高強度レーザー光(以下、「超短パルスレーザービーム」ともいう)Lを照射し、局部的凸部または凹部により反射したビーム断面の任意の部位に強度斑を作ることでフィラメント発生の起点とする。
即ち、局部的な凸部または凹部を有する反射ミラー5を超短パルスレーザービームLの光路上へ介装することにより、超短パルスレーザービームLが反射する際に、ミラー表面の局部的な凸部または凹部に応じた局所的な空間変調がビームの波面に与えられ、これが起点(種)となってフィラメントをビーム伝播の過程で形成する。このフィラメントは、反射ミラー5の表面の局部的な凸部または凹部の存在により安定して生成されることから、局部的な凸部または凹部を任意の位置に形成することで、ビーム断面の任意の位置に一意的に連続して形成される。尚、局部的な凸部または凹部は、反射ミラー5の表面・反射面のビームが照射される領域内の任意の位置に少なくとも1つは設けられるが、必要に応じて2カ所以上設けることも可能である。
また、局部的な凸部または凹部を有する反射ミラー5は、このような局部的な凸部または凹部に加え、当該局部的な凸部または凹部よりも大きな大域的凹部(図4において符号10を付けて表示)を備えたものであることが好ましい。すなわち、局部的凸部または凹部により強度斑を作る工程と同時にあるいは前後して、局部的凸部または凹部に比して大域的な凹部10を有する反射ミラー5で超短パルスレーザービームLを反射させることにより、超短パルスレーザービームLのエネルギあるいは周辺の強度斑を大域的凹部10の中心に向けて集合させるようにすれば、フィラメント生成の起点となる強度斑の電界強度をより強くしてビーム伝播中のフィラメント生成をより確実なものとできる。より具体的には、局部的凸部または凹部の周りあるいはビーム断面の局部的な凸部または凹部の周りに相当する位置に、局部的凸部または凹部に比して大域的凹部10を有する反射ミラー5で超短パルスレーザービームLを反射させることにより、反射ビームのエネルギあるいは周辺の強度斑を中心となる強度斑の周りに集合させて、フィラメント生成の起点となる強度斑の電界強度をより強くしてビーム伝播中のフィラメント生成をより確実なものにすると共に反射ビーム断面の任意の部位に任意の密度のフィラメントを生成させることを可能とする。
また、大域的凹部10の形成位置を制御することで、ビーム断面上におけるフィラメントの発生位置を制御できる。即ち、反射ミラー5の反射面に予め形成されている局部的な凸部または凹部により、ビーム伝播の過程でビームの波面にフィラメントを形成する起点(種)となる局所的な空間変調がビームが照射される領域内の局部的な凸部または凹部の数だけ与えられて反射ビームに形成されるが、その内の一部の強度斑について超短パルスレーザービームLのエネルギあるいは周辺の強度斑が集合するように大域的凹部10を反射面に形成すれば、大域的凹部10の中心にある強度斑の電界強度がより強くされることによって、さらには周辺の強度斑が集合ないし合流することによって、ビーム断面中の大域的凹部10の中心に位置する場所に確実により密度の高いあるいは強いフィラメントが生成される。そこで、大域的な凹部10の形成位置を制御することで、ビーム断面上の任意位置に任意密度あるいは数のフィラメントを発生させるように制御できる。これによれば、大気中に多数のフィラメントからなるマルチフィラメントを積極的に生成させることも可能となる。
上述のフィラメント発生起点の生成工程と超短パルスレーザービームLのエネルギあるいは周辺の強度斑を強度斑の周りに集合させる工程とは、同時に実施する場合ばかりでなく、いずれかを先に実施しても良い。しかし、同時あるいは超短パルスレーザービームLのエネルギあるいは周辺の強度斑を強度斑の周りに集合させる工程を後で実施する場合の方が、幾つか発生しているフィラメント発生起点のうちの1つあるいは複数の強度斑の電界強度をさらに強くしてフィラメントの生成を促すことが容易である。
ここで、フィラメント発生の起点となる強度斑を生成する工程と超短パルスレーザービームLのエネルギを上記の強度斑の周りに集合させる工程とを同時に実施するフィラメント形成方法としては、例えば反射面に局部的な凸部または凹部を有しかつこの局部的な凸部または凹部の周りに局部的凸部または凹部に比して大域的な凹部10を形成するように任意に変形可能な可変形反射ミラー5の採用である。この場合には、局部的凸部または凹部により形成される強度斑の生成位置と大域的凹部10により起こる超短パルスレーザービームLのエネルギあるいは周辺の強度斑の集合位置とが予め関連づけられており、ビーム断面の任意位置の強度斑の電界強度をより確実にさらに強くする。
また、フィラメント発生の起点を生成する工程と超短パルスレーザービームLのエネルギを強度斑の周りに集合させる工程とを連続的に実施するフィラメント形成方法としては、例えば局部的な凸部または凹部を有する反射ミラー5と局部的凸部または凹部に比して大域的な凹部10をビーム断面の局部的な凸部または凹部の周りに相当する位置に形成する反射ミラー5との別々の反射ミラー5で順番に反射させることがある。この場合には、局部的凸部または凹部により反射後のビーム断面の任意の位置に一意的に形成される強度斑とは独立して大域的凹部10により起こる超短パルスレーザービームLのエネルギあるいは周辺の強度斑の集合が制御される。
尚、独立制御可能な複数のアクチュエータを備えることによって反射面が任意に変形可能な可変形反射ミラー5を用いる場合には、少なくとも搭載されたアクチュエータの数の大域的凹部10が反射面に形成されることから、各大域的凹部10の中心に相当する位置ごとに、あるいはその周辺に局部的な凸部または凹部を設けることが好ましい。
以上のようにミラー表面の局部的な凸部または凹部に応じた局所的な空間変調を超短パルスレーザービームLに与えてフィラメントを形成することができるフィラメント形成装置の一例を図2および図3に示す。このフィラメント形成装置は、独立制御可能な複数のアクチュエータを備える可変形反射ミラー5を用いたものであり、反射面が任意に変形可能な反射ミラー(以下、可変形ミラーとも呼ぶ)5と、該可変形ミラー5の背面側に連結されて可変形ミラー5に対して変位を与えるアクチュエータ6とを備え、アクチュエータ6の駆動によって可変形ミラー5を大域的に変形可能としたものである。
ここで、可変形ミラー5としては、独立して制御可能な複数本のアクチュエータ6の駆動により反射面が任意に変形可能な薄肉の平面ミラーが採用されている。本実施形態の場合、アクチュエータ6の駆動により所望の大域的凹部10を容易に形成できる程度の剛性を有するものであり、例えば縦横寸法が100×100(mm)程度の正方形状のミラーにおいては厚さ3mm程度の薄肉の平面鏡の使用が好ましい。
反射ミラー5の背面はアクチュエータ6に連結され、アクチュエータ6を介してフレーム11に支持されている。本実施形態では、13本のアクチュエータ6が可変形ミラー5の裏面全域にほぼ均等な間隔で縦横並びに対角線上に配置されているが、この本数に特に限られるものではない。
アクチュエータ6は、反射ミラー5の背面に固着されているロッド13を含み、該ロッド13が当該アクチュエータ6の可動部(本実施形態ではロッドホルダ14)に対して切り離し可能に連結されている。例えば、アクチュエータ6は、駆動素子16の先端に固定されているロッドホルダ14の少なくともロッド13を固定する端部側にロッド13を嵌め込む孔を設け、ロッド13の後端側を嵌め込んだ状態でロッド13をねじ15で締め付けることによって着脱可能に固定されている。本実施形態では、ロッドホルダ14のねじ孔に螺合されたねじ15の先端でロッド13の外周面を押しつけることによって摩擦力でロッド13を固定するようにしているが、場合によってはピンなどで着脱可能に連結しても良い。ロッド13を簡単に着脱できる構造とすることによって、可変形ミラー5の反射特性が劣化した場合など、可変形ミラー5の交換が必要となったときには、ねじ5を弛めてロッドホルダ14からロッド13を取り外すことで、劣化した可変形ミラー5(裏面に接着されたロッド13を含む)だけを交換することができる。即ち、ロッドホルダ14、アクチュエータ6及び支持フレーム11はそのまま再利用できるので経済的である。
アクチュエータ6と可変形ミラー5との連結は、本実施形態の場合、エポキシ樹脂系接着剤17を使い、ロッド13の先端と可変形ミラー5の背面とを接着することによってお行っている。この場合、厚さ3mmという薄肉の可変形ミラー5では、接着剤17が硬化するときの応力変化の影響がミラー表面に現れやすく、アクチュエータ6が接着された部分の可変形ミラー5の表面側(反射面側)が僅かに隆起する場合がある。例えば、エポキシ樹脂系接着剤17でロッド13を接着させた一実施例においては、0.4μmの凸部(隆起)9が形成された(図3参照)。ここで、接着剤17の硬化または固化により形成される凸部(または凹部)9が局部的であれば、超短パルスレーザービームLが反射したときに生ずるビームの波面に与えられる局所的な空間変調は、フィラメントを形成する起点となるのに十分なものとなる。また、接着剤17を利用して生じさせた高さ0.4μm程度の隆起や窪みであれば、可変形ミラー5の鏡面を蒸着形成して製作する時、予め蒸着面手前に穴開きマスクをセットし、蒸着工程時に鏡面蒸着の膜厚を局部的にコントロールすることで局部的凸部(または凹部)9を形成することも可能である。
ここで、可変形ミラー5の厚みが大域的な凹部10が形成できる程度の可撓性を有する厚さであっても、接着剤17によってロッド13を直付けすることにより局部的な凸部または凹部9が形成されないことがある。例えば、厚さ3mmの可変形ミラー5の表面形状を図8に示す。この場合には、点状の局部的な隆起(凸部)あるいは窪み(凹部)が発生している。他方、図7には厚さ6mmの可変形ミラー5の表面形状を示す。この場合には、図8の可変形ミラー5とは異なって、点状の局部的な隆起(凸部)あるいは窪み(凹部)が発生していない。これは、可変形ミラー5が厚過ぎるので、接着剤17の硬化時または固化時の収縮やストレスでは局部的隆起あるいは窪みが起きないものと思われる。このことから、ロッド13の接着によってミラー表面に局部的凸部(または凹部)9を形成する場合には、厚さ2〜3mm程度のミラーを使用することが好ましい。勿論、可変形ミラー5の裏面とアクチュエータ6の接着剤17による直付けによって局部的な凸部(または凹部)9を形成しないのであれば、例えば蒸着膜の制御などで局部的な凸部(または凹部)9を形成するのであれば、アクチュエータ6の駆動によって大域的な凹部10が形成できる程度の可撓性を有する厚さであれば実施可能である。
また、駆動素子16としては、圧電素子(PZT:Pb−Zr−Ti)または電歪素子(PMN:Pb−Mg−Nb)などの、可変形ミラー5の微小変位を可能とする駆動源が用いられている。電歪素子などの駆動素子の場合、印加電圧の大きさや方向を切り替えることで、駆動素子16の変位方向・量を容易に制御できるので使用が好ましいが、これに限られるものではない。駆動素子16はフレーム11の土台に対して垂直に配置されている壁11bに固定され、可動部となるロッドホルダ14は貫通孔を有する壁11aを通して前後方向(図上左右)へ進退動可能に支持されている(図2参照)。可変形ミラー5は互いに平行に配置された複数のアクチュエータ6の駆動を適宜制御することによって、即ちロッド13を前方に押し出すアクチュエータ6と後方へ引き戻すアクチュエータ6あるいは駆動させないアクチュエータ6とを組み合わせることによって、可変形ミラー5の所望の領域に大域的凹部10を形成するように変形させられる。
以上のように構成されたフィラメント形成装置に超短パルスレーザービームLを入射し、その反射光を大気中伝播させたときにフィラメントが生成されることを以下に説明する。尚、説明を簡単にするため、一辺100mmのミラーに対して超短パルスレーザービームLの直径を50√2mmとすることで、13本のアクチュエータ6のうちの、中心付近の5本(符号E,J,K,L,M)について注目することとした(図3等参照)。
まず、反射面に局部的な凸部(または凹部)9を有する反射ミラー5のみを使ってフィラメントを形成する方法について説明する。図8に示したような点状の局部的な隆起(凸部)あるいは窪み(凹部)が発生している反射ミラー5を超短パルスレーザービームLの光路上へ介装することによって、波面が整った超短パルスレーザービームLであっても(図5(A)参照)、反射ビーム中には、ミラー表面の局部的な凸部(または凹部)9に応じた局所的な空間変調がビームの波面に与えられ(図4(B)参照)、ビームの伝播の過程で前述のビームの波面に与えられる局所的な空間変調がさらに顕著となり(図4(C)、図4(D)参照)、これが起点(種)となってフィラメントをビーム伝播の過程で形成する。このフィラメントは、反射ミラー5の表面の局部的な凸部(または凹部)9の存在により安定して生成されることから、局部的な凸部(または凹部)9を任意の位置に形成することで、ビーム断面の任意の位置に一意的に連続して形成される。図11は近距離における反射ビーム(図11等において符号19で表示)の断面強度分布を示し、図12は遠距離における反射ビーム19の断面強度分布を示す。このように、ミラー中央部に作られた局部的凸部(または凹部)9によって単一のフィラメント(図11等において符号20で表示)が優先的に生成されていることが判る。超短パルスレーザービームLを反射させて大気中伝播させた場合、反射したビーム19の断面には、強度斑によってフィラメントの起点(図8において符号8で表示)が生成され、さらに伝播が進む中でフィラメント20が成長することが判明した。
次に、局部的凸部(または凹部)9とそれよりも大きな大域的な凹部10を有する反射ミラー5を使ってフィラメントを形成する方法について説明する。図10に示すように、符号E,J,K,L,Mの5個のアクチュエータ6を駆動させ、可変形ミラー5を裏面側から引っ張って、可変形ミラー5の表面側を大域的に窪ませて変形させる。この状態においても、図4に示すように、アクチュエータ6によってミラー表面形状が大域的な凹部10に形成され尚かつ局部的凸部(または凹部)9が存在する特殊な表面形状が実現されている(図11参照)。これによって、局部的凸部(または凹部)9の周りあるいはビーム断面の局部的な凸部(または凹部)9の周りに相当する位置に、反射ビームのエネルギあるいは周辺の強度斑を中心となる強度斑の周りに集合させて、フィラメント生成の起点となる強度斑の電界強度をより強くしてビーム伝播中のフィラメント生成をより確実なものにする。図13に可変形ミラー5の中央部を引っ張ったときのビーム断面の状態を示す。ビーム中央部に相当するミラー中央部のアクチュエータ(E)を引っ張ってミラー中央部に大域的凹部10を形成した場合、周辺の強度斑がビーム中央に集合し高密度のフィラメント20が形成された(図13参照)。
さらに、ビーム断面上における大域的凹部10の形成位置を制御することによって、フィラメント20が生成される位置を制御できる。例えば、ビーム中央部に相当するミラー中央部のアクチュエータ(E)を引っ張ってミラー中央部に大域的凹部10を形成した場合、周辺の強度斑がビーム中央に集合し高密度のフィラメント20が形成された(図13参照)。他方、反射ミラー5のビームが照射される領域(図7等において符号18を付けて表示)内のミラー周辺部(ビーム周辺部)に相当するアクチュエータ(M)を引っ張ってミラー周辺部に大域的凹部10を形成した場合、強度斑もビーム周辺部に片寄り、周辺部の方がフィラメントの形成が顕著となって高密度のフィラメント20が形成された(図14参照)。このことから、反射ミラー5の表面のフィラメント生成の起点となる局部的な凸部(または凹部)9の位置を変更しなくとも、反射ミラー5の表面に形成される大域的凹部10の形成位置を制御することでフィラメントが顕著に形成される位置、高密度のフィラメントが形成される位置を制御できることが明らかになった。
したがって、このフィラメントは、例えば放電経路のコントロールに応用することができる。また、フィラメントを用いた伝播は屈折率の非線形効果を伴うために多波長でかつ連続なスペクトルとなり、大気環境計測などにおいて多種多様な測定種に対し同時計測にも応用できる。また、高密度のガス中で超短パルスレーザービームLを伝播させる場合、大気中で伝播させる場合と比べてプラズマの発生がより顕著である。フィラメントには超高強度のレーザー電場が局在しているため、発生したプラズマとレーザー電場との相互作用により電子を加速させることが可能となる。また、発生したプラズマを光増幅媒質とした場合は誘電放出が可能となり、長尺で連続したフィラメントを用いれば増幅効率が向上する。さらに、ガラスなどの固体媒質中に超短パルス高強度レーザーを伝播させる場合でもフィラメントの発生が顕著である。その伝播の際、媒質の組成が変化するために局部的に屈折率や透過率を変化させるなどして微細な加工や改質が可能であり、長尺で連続したフィラメントを用いれば導波路などの加工も容易になると考えられる。
このことから、前述のレーザー誘雷技術の他、多種同時計測による大気環境計測や、フィラメントを光増幅媒質にして誘導放出させる光増幅、電子を加速させる粒子加速、そして媒質の組成を変化させるレーザー加工などに応用可能である。
以上、ここまで説明したのが大気中にマルチフィラメントを生成して誘雷しやすい状況とする場合の実施形態であるが、これのみならず、マルチフィラメントと高密度プラズマとを用いたいわばハイブリッド型の誘雷を行うことも好ましい。以下、このハイブリッド型の誘雷手法についても説明しておく(図20参照)。また、参考までにハイブリッド型の場合における誘雷実験の様子も図示しておく(図21参照)。
本実施形態におけるハイブリッド型の放電誘導装置1は、レーザー発振器4と反射ミラー5とを備えた装置となっている。このうち、レーザー発振器4はレーザー光Lとして超短パルス高強度レーザー光Lを用いるもので、この超短パルス高強度レーザー光Lを避雷針3の先端に向かうように照射する。この場合、当該超短パルス高強度レーザー光Lを短焦点で集光することにより生成する高密度プラズマを用いて避雷針3から雷雲2へ向けて延びる上向きリーダーを誘起するとともに、他の超短パルス高強度レーザー光Lを雷雲2に向けて照射し、当該他の超短パルス高強度レーザー光Lを長焦点で集光することにより生成するフィラメントを用いて上向きリーダーを長距離誘導する(図20参照)。
また、この放電誘導装置1における反射ミラー5は、超短パルス高強度レーザー光Lを反射して当該レーザー光Lの経路を変えるミラーであって、部分的に焦点距離の異なる多重焦点型のミラーである。すなわち、この反射ミラー5は、レーザー発振器4から照射される超短パルス高強度レーザー光Lの一部を焦点距離の短いミラー部分で反射・集光するとともに、超短パルス高強度レーザー光Lの残りを焦点距離の長いミラー部分で反射するものである。焦点距離の短いミラー部分で反射された超短パルス高強度レーザー光Lは避雷針3の先端に向かい、高密度プラズマを生成させ、雷雲2へ向けて延びる上向きリーダーを誘起する。一方、焦点距離の長いミラー部分で反射された超短パルス高強度レーザー光Lは長焦点で集光(もしくは平行照射)し、大気中にマルチフィラメントを生成させる。
本実施形態の放電誘導装置1によれば、上述のようなレーザー発振器4と反射ミラー5を使い、超短パルス高強度レーザー光Lを短焦点で集光することにより生じる集光プラズマと、長焦点で集光もしくは平行に照射することにより生じるフィラメントを組み合わせて、レーザー誘雷やレーザーギャップスイッチ等の性能を向上させることができる。より具体的には、集光プラズマとフィラメントとが同時に形成された状態とし、集光プラズマによって放電のトリガーとなる上向きリーダーを生じさせ、その生じた上向きリーダーをフィラメントにより長距離ガイドすることができる。この誘雷手法によれば、避雷針3の先端から生じる上向きリーダーを数十m以上ガイドすることが可能となるためにレーザー誘雷の性能が上がり、誘雷の際の特性がさらに向上することとなる。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態では新規な放電誘導技術をレーザー誘雷に適用する場合を例に説明したが、同様の放電誘導手法は例えば長ギャップ放電スイッチ、レーザートリガー式ギャップスイッチ(レーザー・トリガード・ギャップスイッチ)等にも適用可能である。ちなみに、レーザー誘雷に適用した本実施形態においては放電を生じる電極2の具体例が雷雲であり、導電体3の具体例が避雷針だったわけであるが、適用例に応じてこれら電極2や導電体3の具体例が種々のものとなり得ることはいうまでもない。
また、図20に示したハイブリッド型の誘雷手法においては多重焦点型の反射ミラー5を説明したが、この多重焦点型の反射ミラー5は上述のような一体型のミラーに限らない。例えば、短焦点型のミラーと長焦点型のミラーというように別々の反射ミラー5を使って部分的に焦点距離を異ならせることとしてもよい。この場合、1台のレーザー発振器4から発せられる超短パルス高強度レーザー光Lの一部を第1のミラーで反射、残りを第2のミラーで反射することとしてもよいし、あるいは複数台のレーザー発振器4を設けて超短パルス高強度レーザー光Lを別々に照射・反射することとしてもよい。
また、上述した実施形態では図2〜図14を用いて大気中にフィラメントを生成させる場合の好適な形態を説明した。ここでは、図6(A)に示すような1枚の薄肉反射鏡による可変形ミラー5を用いて局部的凸部(または凹部)9と大域的凹部10とを形成しフィラメント発生の起点を生成する工程と、超短パルスレーザービームLのエネルギあるいは周辺の強度斑を中心の強度斑の周りに集合させる工程とを同時に実施させる例を挙げて主に説明したが、局部的凸部(または凹部)9を有する第1のミラー5’と大域的凹部10を有する第2のミラー5”との少なくとも2枚のミラーを光路上で組み合わせ、上述の2つの工程を別々の反射ミラー5で前後させて実施することも可能である(図6(B)参照)。これによっても、反射ビーム断面の任意の部位に任意の密度のフィラメントを生成させたり、あるいは大域的凹部10の形成位置を制御することによりフィラメントの生成位置を任意に制御することも可能である。
また、上記のように局部的凸部(または凹部)9を有する第1のミラー5’と大域的凹部10を形成する第2のミラー5”とを組み合わせてフィラメントを形成する装置の場合、第1のミラー5’の局部的凸部(または凹部)9と第2のミラー5”の大域的凹部10は共に変位または変形しない固定的構成としても良いが、それぞれ可動的な構成としても良い。例えば、図15に示すように、超短パルスレーザービームLの光路上に局部的凸部9を有する第1の反射ミラー5’とビーム断面の局部的凸部9の周りに相当する位置に大域的な凹部10を形成する可変形ミラーから成る第2の反射ミラー5”を配置し、超短パルスレーザービームLがこれら第1及び第2のミラー5’,5”間を経由して反射する間に、ビーム断面の任意の部位に強度斑を作ってその周りあるいは複数形成された強度斑のうちの任意の1つあるいは複数の強度斑の周りに超短パルスレーザービームLのエネルギあるいは周辺の強度斑を集合させるようにすることも可能である。ここで、第1の反射ミラー5’と第2の反射ミラー5”とは独立して制御可能とできるので、第1の反射ミラー5’をX−Y方向に制御可能とすることにより反射面に形成した局部的凸部9のビーム断面上における位置を変更することができる。また、可変形ミラーから成る第2の反射ミラー5”は、可変形ミラーの背面側にそれぞれ独立制御可能な複数のアクチュエータ6を備えているので、アクチュエータ6の駆動により反射面を任意の曲率の大域的凹部10としたり、あるいは大域的凹部10の曲率中心位置、形状などを制御して、ビーム断面におけるフィラメントの形成位置、強度、密度などを自在に制御できる。また、第1の反射ミラー5’は、場合によっては局部的凸部9が異なる位置に形成された別のミラーを用意しておき、これを交換することによって局部的凸部(あるいは凹部)9の位置を変更可能とすることもある。
また、上記実施形態においては可変形ミラー5の裏面にロッド13を接着剤17で直に接着した構造が示されたが、アクチュエータ6の駆動素子そのものあるいは駆動素子に固着された部材の先端部を直にミラー裏面に接着し、可変形ミラー5をアクチュエータ6で直接担持することもできる。
本発明にかかる放電誘導方法および放電誘導装置をレーザー誘雷に適用した場合の一実施形態を説明する図である。 超短パルスレーザービームのフィラメント制御装置の形態を示す概略説明図である。 本実施形態の可変形ミラーの正面図(反射面側)である。 ミラーの反射面における局部的凸部と大域的凹部との関係を示す原理図である。 超短パルスレーザービームの反射の前後における波面の変化を示す説明図であり、(A)は入射するビーム波面、(B)〜(D)は局部的凸部を有する反射面で反射したビーム波面の経時変化を示す。 フィラメント形成方法を実施する例を示す原理図であり、(A)は1枚のミラーで局部的凸部と大域的凹部を実現する例、(B)は2枚の反射ミラーを組み合わせて局部的凸部と大域的凹部を実現する例をそれぞれ示す。 厚さ6mmの可変形ミラーの表面形状を示す説明図である。 厚さ3mmの可変形ミラーの表面形状を示す説明図である。 可変形ミラーをアクチュエータでミラー表面側へ押して隆起変形させた場合の表面形状を示す説明図である。 実施形態の可変形ミラーをアクチュエータでミラー裏面側へ引っ張って窪み変形させた場合の表面形状を示す説明図である。 近距離のビーム断面強度を示す説明図である。 遠距離のビーム断面強度を示す説明図である。 可変形ミラーをアクチュエータでミラー中央部を引っ張って窪み変形させた場合のビーム断面強度を示す説明図である。 実施形態の可変形ミラーをアクチュエータでミラー周辺部を引っ張って窪み変形させた場合のビーム断面強度を示す説明図である。 2枚の反射ミラーを組み合わせて局部的凸部と大域的凹部を実現する例の原理図である。 1本のフィラメントのみを形成した状態で放電を生じさせたときの放電誘導の様子を示す画像である。 2本のフィラメントを形成した状態で放電を生じさせたときの放電誘導の様子を示す画像である。 超短パルス高強度レーザー光を照射することによって多数のフィラメントを形成した場合の様子を示す画像である。 一様電界中に生成された複数のプラズマチャネルによる電界分布を示すグラフである。 本発明にかかる放電誘導方法および放電誘導装置をレーザー誘雷に適用した場合の別の実施形態を説明する図である。 ハイブリッド型とした場合の誘雷実験の様子を示す画像である。 レーザーによって生成したプラズマチャネルを利用して雷放電を避雷針へ落とすという従来のレーザー誘雷技術の一例を示す図である。 従来の集光系を使用したプラズマチャネル生成法であって、レーザーのレイリー長によってプラズマチャネル長が制限されることを示す図である。 非線形光学効果(セルフトラッピング効果)を使用したプラズマチャネル生成法であって、レーザー光のエネルギ損失によりパワーが低下した時にフィラメントが生成できなくなりプラズマチャネルの長さが決まることを示す図である。 一様電界中に生成された36mのプラズマチャネルの電界分布を示すグラフである。
符号の説明
1 放電誘導装置
2 雷雲(電極)
3 避雷針(導電体)
4 レーザー発振器
5 反射ミラー(光学機器)
9 局部的な凸部または凹部
10 大域的凹部

Claims (18)

  1. 電極からの放電をレーザー光を利用して導電体へと誘導するための放電誘導方法において、前記レーザー光を大気中に照射し、前記レーザー光を反射する光学機器を前記レーザー光の光路上に介装して、前記光学機器による反射後のビーム伝播過程での前記レーザー光のセルフトラッピング効果によって複数のフィラメントから成るマルチフィラメントを前記レーザービーム中に形成し、1本のレーザービーム中に複数のプラズマチャネルを生成した状態で放電を誘導することを特徴とする放電誘導方法。
  2. 前記光学機器としては局部的な凸部または凹部を反射面に有す反射ミラーを使用し、前記局部的な凸部または凹部に起因した局所的な空間変調をビーム波面に与え、この空間変調を起点としてビーム伝播過程で前記レーザー光のセルフトラッピング効果によって複数のフィラメントから成るマルチフィラメントを前記レーザービーム中に形成することを特徴とする請求項1記載の放電誘導方法。
  3. 前記光学機器として局部的な凸部または凹部を有し該凸部または凹部の分布を変化させることが可能な反射ミラーを使用し、前記フィラメントの数、長さおよび生成位置を制御することを特徴とする請求項2記載の放電誘導方法。
  4. 前記反射ミラーは、回転、振動あるいはX−Y方向への移動によって前記局部的な凸部または凹部の分布を変化させるものである請求項3記載の放電誘導方法。
  5. 前記反射ミラーの表面の前記局部的な凸部または凹部において起こる空間変調を起点とし生成されるフィラメントの周辺に相当する光路上に配置されて前記凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を備える反射ミラーをさらに前記ビーム路程中に介装して反射するレーザービームのエネルギあるいは周辺の強度斑を任意の位置に集合させて任意の位置の強度斑の電界強度をさらに強くすることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の放電誘導方法。
  6. 前記大域的凹部を備える前記反射ミラーは前記大域的凹部の曲率、あるいは曲率中心位置、形状などを制御して、ビーム断面におけるフィラメントの形成位置、強度、密度などを自在に制御できるものであることを特徴とする請求項5に記載の放電誘導方法。
  7. 前記光学機器として、前記局部的な凸部または凹部を有する第1の反射ミラーと、前記局部的な凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を有する第2の反射ミラーとの少なくとも2枚の反射ミラーを光路上で組み合わせて使用することを特徴とする請求項5に記載の放電誘導方法。
  8. 前記光学機器として、前記局部的な凸部または凹部を有しかつ該凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を当該局部的な凸部または凹部の周りに備えている可変形反射ミラーを使用することを特徴とする請求項5に記載の放電誘導方法。
  9. 前記電極の一種である雷雲からの放電を前記導電体としての避雷針へと誘雷するために適用される請求項1から8のいずれかに記載の放電誘導方法。
  10. 電極からの放電をレーザー光を利用して導電体へと誘導するための放電誘導装置において、前記レーザー光を大気中に照射するレーザー発振器と、前記レーザー光の光路上に介装されて前記レーザー光を反射する光学機器と、前記光学機器による反射後のビーム伝播過程での前記レーザー光のセルフトラッピング効果によって複数のフィラメントから成るマルチフィラメントを前記レーザービーム中に形成し、1本のレーザービーム中に複数のプラズマチャネルを生成した状態で放電を誘導することを特徴とする放電誘導装置。
  11. 前記光学機器は局部的な凸部または凹部を反射面に有し、前記局部的な凸部または凹部に起因した局所的な空間変調をビーム波面に与え、この空間変調を起点としてビーム伝播過程で前記レーザー光のセルフトラッピング効果によって複数のフィラメントから成るマルチフィラメントを前記レーザービーム中に形成するものである請求項10記載の放電誘導装置
  12. 前記光学機器は局部的な凸部または凹部を有し該凸部または凹部の分布を変化させることが可能な反射ミラーであり、前記フィラメントの数、長さおよび生成位置を制御することを特徴とする請求項11記載の放電誘導装置
  13. 前記反射ミラーは、回転、振動あるいはX−Y方向への移動によって前記局部的な凸部または凹部の分布を変化させるものである請求項12記載の放電誘導装置。
  14. 前記光学機器は前記反射ミラーの表面の前記局部的な凸部または凹部において起こる空間変調を起点とし生成されるフィラメントの周辺に相当する光路上に配置されて前記凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を備える反射ミラーをさらに含み、前記ビーム路程中に介装して反射するレーザービームのエネルギあるいは周辺の強度斑を任意の位置に集合させて任意の位置の強度斑の電界強度をさらに強くすることを特徴とする請求項10から13のいずれか1つに記載の放電誘導装置。
  15. 前記大域的凹部を備える前記反射ミラーは前記大域的凹部の曲率、あるいは曲率中心位置、形状などを制御して、ビーム断面におけるフィラメントの形成位置、強度、密度などを自在に制御できるものであることを特徴とする請求項14に記載の放電誘導装置。
  16. 前記光学機器として、前記局部的な凸部または凹部を有する第1の反射ミラーと、前記局部的な凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を有する第2の反射ミラーとの少なくとも2枚の反射ミラーを光路上で組み合わせて使用することを特徴とする請求項14に記載の放電誘導装置。
  17. 前記光学機器として、前記局部的な凸部または凹部を有しかつ該凸部または凹部に比して大域的である大域的凹部を当該局部的な凸部または凹部の周りに備えている可変形反射ミラーを使用することを特徴とする請求項14に記載の放電誘導装置。
  18. 前記電極の一種である雷雲からの放電を前記導電体としての避雷針へと誘雷するために適用される請求項10から17のいずれかに記載の放電誘導装置。
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