JP2007085764A - 走査型プローブ顕微鏡の探針制御方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡の探針制御方法 Download PDF

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榑沼  透
Hiroshi Kuroda
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Abstract

【課題】 試料表面の凹凸形状等を予め決められた測定点についてステップイン方式で測定し、測定のスループプットを高め、探針の衝突による破損・ダメージを減少できる走査型プローブ顕微鏡の探針制御方法を提供する。
【解決手段】 この探針制御方法は、探針20と試料12の相対的な位置関係を変化させ、探針が試料の表面を走査しながら測定部で試料表面を測定する走査型プローブ顕微鏡に適用される。測定点に関する探針の走査移動では、XY微動機構29またはXYステージ14によって、探針を試料と非接触状態にて一定間隔で送る行程と、測定点で探針を前記試料に接近・接触させる行程と、探針を試料から退避させる行程を行う。さらに予定された次の測定点に探針を移動する行程で、次の測定点での測定位置をその前の少なくとも2つの測定点の測定値によって予測するステップと、予測により測定点の接近開始位置を決定するステップとを含む。
【選択図】 図4

Description

本発明は走査型プローブ顕微鏡の探針制御方法に関し、特に、走査型プローブ顕微鏡で探針を試料の測定領域に沿ってステップイン方式で走査移動させるとき、探針と試料の衝突を避けて探針のダメージを低減し、かつ探針送り速度をできるだけ高める探針制御方法に関する。
走査型プローブ顕微鏡は、従来、原子のオーダまたはサイズの微細な対象物を観察できる測定分解能を有する測定装置として知られている。近年、走査型プローブ顕微鏡は、半導体デバイスが作られた基板やウェハの表面の微細な凹凸形状の測定など各種の分野に適用されている。測定に利用する検出物理量に応じて各種のタイプの走査型プローブ顕微鏡がある。例えばトンネル電流を利用する走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力を利用する原子間力顕微鏡(AFM)、磁気力を利用する磁気力顕微鏡(MFM)等があり、それらの応用範囲も拡大しつつある。
上記のうち原子間力顕微鏡は、試料表面の微細な凹凸形状を高分解能で検出するのに適し、半導体基板、ディスクなどの分野で実績を上げている。最近ではインライン自動検査工程の用途でも使用されてきている。
原子間力顕微鏡は、計測装置としての基本的な構成として、原子間力顕微鏡の原理に基づく測定装置部分を備える。通常、圧電素子を利用して形成されたトライポッド型あるいはチューブ型のXYZ微動機構を備え、このXYZ微動機構の下端に、先端に探針が形成されたカンチレバーが取り付けられている。探針の先端は試料の表面に対向している。上記カンチレバーに対して例えば光てこ式光学検出装置が配備される。すなわち、カンチレバーの上方に配置されたレーザ光源(レーザ発振器)から出射されたレーザ光がカンチレバーの背面で反射され、光検出器より検出される。カンチレバーにおいて捩れや撓みが生じると、光検出器の受光面(例えば4分割受光面)におけるレーザ光の入射位置が変化する。従って探針およびカンチレバーで変位が生じると、光検出器から出力される検出信号で当該変位の方向および量を検出できる。上記の原子間力顕微鏡の構成について、制御系として、通常、比較器、制御器が設けられる。比較器は、光検出器から出力される検出電圧信号と基準電圧とを比較し、その偏差信号を出力する。制御器は、当該偏差信号が0になるように制御信号を生成し、この制御信号をXYZ微動機構内のZ微動機構に与える。こうして、試料と探針の間の距離を一定に保持するフィードバックサーボ制御系が形成される。上記の構成によって探針を試料表面の微細凹凸に追従させながら走査し、その形状を測定することができる。
原子間力顕微鏡が発明された当時は、その高分解能性を利用してnm(ナノメートル)以下のオーダの表面微細形状の測定が中心的課題であった。しかしながら、現在では、走査型プローブ顕微鏡は半導体デバイスのインライン製作装置の途中の段階で検査を行うインライン自動検査までその使用範囲が拡大してきている。このような状況になると、実際の検査工程では、基板またはウェハの上に作られた半導体デバイスの表面の微細凹凸形状において非常に急峻な凹凸の計測が必須になってきている。
従来、かかる凹凸面を計測する技術として下記の特許文献1に記載された走査型プローブ顕微鏡が存在する。この走査型プローブ顕微鏡による計測の方式(ステップイン方式)は、探針を試料に対して非接触状態で一定間隔(一定の送りピッチ)で送る行程と、探針を試料の表面に接近させる行程と、探針を試料の表面に接触させる行程と、接触位置を測定(計測)する行程と、探針を試料から退避させる行程とから構成されている。これらの行程を繰り返すことにより、試料の表面の必要な領域がラスタースキャン方式で計測される。
特開平2−5340号公報
従来の計測の方式では、探針を試料から退避させる行程において、試料の表面形状に対して探針が表面平行移動時に衝突しないように十分に大きな退避距離を設定した。そのため、比較的に形状変化が乏しい表面部位であっても、あるいは凹凸が激しい表面部位であっても、計測時の探針接近処理と退避処理に時間が要し、全体として走査移動のため送り速度を高めることができないという問題があった。他方、送り速度を高める目的で退避距離を小さくすると、試料表面における凹凸の激しい部位では試料表面からの退避が不十分になり、探針が試料の突部に衝突し、探針が破損する等の問題が発生した。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、試料表面の凹凸形状等を予め決められた測定点についてステップイン方式で測定する走査型プローブ顕微鏡で、測定のスループットを高め、探針の衝突による破損・ダメージを減少することができる走査型プローブ顕微鏡の探針制御方法を提供することにある。
本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の探針制御方法は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
第1の走査型プローブ顕微鏡の探針制御方法(請求項1に対応)は、試料に対向する探針を有する探針部と、試料と探針の間に作用する物理量を検出する検出部と、探針が試料の表面を走査するとき検出部で検出される物理量に基づき試料の表面情報を測定する測定部と、少なくとも合計で3自由度を有する探針移動用移動機構と試料移動用移動機構を備え、探針移動用移動機構または試料移動用移動機構によって探針と試料の相対的な位置関係を変化させ、探針が試料の表面を走査しながら測定部によって試料の表面を測定する走査型プローブ顕微鏡に適用される。予め定められた測定点に関する探針の走査移動では、探針移動用移動機構または試料移動用移動機構によって、探針を試料と非接触状態にて一定間隔で送る行程と、測定点で探針を前記試料に接近・接触させる行程と、探針を試料から退避させる行程とから成る移動動作が行われる。すなわちステップイン方式の探針移動が実行される。この探針制御方法では、さらに予定された次の測定点に探針を移動する行程で、次の測定点での測定位置をその前の少なくとも2つの測定点の測定値によって予測するステップと、予測により測定点の接近開始位置を決定するステップとが含まれる。
上記の探針制御方法では、走査型プローブ顕微鏡によって試料表面上の測定対象領域で探針を走査移動させて当該領域をステップインモードで測定する時、探針移動用移動機構(微動機構)または試料移動用移動機構(粗動機構)で試料と探針の相対的位置を変化させるようにする。各測定点での接近開始位置は、その直前の2つの測定点での測定値を用いて次の測定点の測定位置を予測することにより、当該予測に基づいて調整・決定される。これにより、測定のスループットを向上でき、試料表面の突部に探針が衝突するのを防止できる。
第2の走査型プローブ顕微鏡の探針走査制御方法(請求項2に対応)は、試料に対向する探針を有する探針部と、試料と探針の間に作用する物理量を検出する検出部と、探針が試料の表面を走査するとき検出部で検出される物理量に基づき試料の表面情報を測定する測定部と、少なくとも2自由度を有する探針移動用移動機構と、少なくとも2自由度を有する試料移動用移動機構とを備え、探針移動用移動機構または試料移動用移動機構によって探針と試料の相対的な位置関係を変化させ、探針が試料の表面を走査しながら測定部によって試料の表面を測定する走査型プローブ顕微鏡に適用される。予め定められた測定点に関する探針の走査移動では、試料移動用移動機構によって、探針を試料と非接触状態にて一定間隔で送る行程と、測定点で探針を前記試料に接近・接触させる行程と、探針を試料から退避させる行程とから成る移動動作が行われる。すなわちステップイン方式の探針移動が実行される。この探針制御方法では、さらに、予定された或る測定点から次の測定点に探針を移動する行程で、或る測定点での測定の後、或る測定点の近傍の表面凹凸を測定する測定ステップと、或る測定点での測定値とその近傍の表面凹凸測定値によって次の測定点の測定位置を予測するステップと、予測により次の測定点の接近開始位置を決定するステップとが含まれる。
上記の探針制御方法では、走査型プローブ顕微鏡によって試料表面上の測定対象領域で探針を走査移動させて当該領域をステップインモードで測定する時、試料移動用移動機構(粗動機構)で試料と探針の相対的位置を変化させるようにする。各測定点での接近開始位置は、その前の1つの測定点での測定値とその近傍の表面凹凸情報を用いて次の測定点の測定位置を予測することにより、当該予測に基づいて調整・決定される。これにより、試料表面の突部に探針が衝突するのを防止できる。
本発明によれば次の効果を奏する。
(1)ステップイン方式の測定が実行される走査型プローブ顕微鏡において、予め設定された多数の測定点での接近開始位置を、その直前の2つの測定点の測定情報で次の測定点の測定位置を予測することにより当該予測に基づいて調整・決定するようにしたため、測定のスループットを向上でき、かつ探針が試料表面の突部に衝突するのを避け、探針がダメージを受けるのを防止することができる。
(2)粗動機構によるステップイン方式の測定が実行される走査型プローブ顕微鏡において、予め設定された多数の測定点での接近開始位置を、その直前の1つの測定点の測定値とその近傍の表面凹凸情報で次の測定点の測定位置を予測することにより当該予測に基づいて調整・決定するようにしたため、探針が試料表面の突部に衝突するのを避け、探針がダメージを受けるのを防止することができる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
図1に基づいて、本発明が適用される走査型プローブ顕微鏡(SPM)の全体の構成を説明する。この走査型プローブ顕微鏡は代表的な例として原子間力顕微鏡(AFM)を想定している。
走査型プローブ顕微鏡の下側部分には試料ステージ11が設けられている。試料ステージ11の上に試料12が置かれている。試料ステージ11は、直交するX軸とY軸とZ軸から成る3次元座標系13で、試料12の位置を変えるための機構である。試料ステージ11はXYステージ14とZステージ15と試料ホルダ16とから構成されている。試料ステージ11は、試料移動用移動機構であり、試料側で変位(位置変化)を生じさせる粗動機構として構成されている。
試料ステージ11の試料ホルダ16の上面には、比較的大きな面積でかつ薄板形状の上記試料12が置かれ、保持されている。試料12は、例えば、表面上に半導体デバイスの集積回路パターンが製作された基板またはウェハである。試料12は試料ホルダ16上に固定されている。試料ホルダ16は試料固定用チャック機構を備えている。
試料ステージ11では、具体的に、XYステージ14は水平面(XY平面)上で試料を移動させる機構であり、Zステージ15は垂直方向に試料12を移動させる機構である。Zステージ15はXYステージ14に設けられている。上記試料ステージ11による移動距離については、XY方向には例えば数百mm、Z方向には例えば数十mmである。
図1で、試料12の上方位置には、駆動機構17を備えた光学顕微鏡18が配置されている。光学顕微鏡18は駆動機構17によって支持されている。駆動機構17は、光学顕微鏡18を、Z軸方向に動かすためのフォーカス用Z方向移動機構部17aと、XYの各軸方向に動かすためのXY方向移動機構部17bとから構成されている。取付け関係として、Z方向移動機構部17aは光学顕微鏡18をZ軸方向に動かし、XY方向移動機構部17bは光学顕微鏡18とZ方向移動機構部17aのユニットをXYの各軸方向に動かす。XY方向移動機構部17bはフレーム部材に固定されるが、図1で当該フレーム部材の図示は省略されている。光学顕微鏡18は、その対物レンズ18aを下方に向けて配置され、試料12の表面を真上から臨む位置に配置されている。光学顕微鏡18の上端部にはTVカメラ(撮像装置)19が付設されている。TVカメラ19は、対物レンズ18aで取り込まれた試料表面の特定領域の像を撮像して取得し、画像データを出力する。
試料12の上側には、先端に探針20を備えたカンチレバー21が接近した状態で配置されている。カンチレバー21は取付け部22に固定されている。取付け部22は、例えば、空気吸引部(図示せず)が設けられると共に、この空気吸引部は空気吸引装置(図示せず)に接続されている。カンチレバー21は、その大きな面積の基部が取付け部22の空気吸引部で吸着されることにより、固定・装着される。
上記の取付け部22は、Z方向に微動動作を生じさせるZ微動機構23に取り付けられている。さらにZ微動機構23は、カンチレバー変位検出部24における下記の支持フレーム25の下面に取り付けられている。
カンチレバー変位検出部24は、支持フレーム25にレーザ光源26と光検出器27が所定の配置関係で取り付けられた構成を有する。カンチレバー変位検出部24とカンチレバー21は一定の位置関係に保持され、レーザ光源26から出射されたレーザ光28はカンチレバー21の背面で反射されて光検出器27に入射されるようになっている。上記カンチレバー変位検出部は光てこ式光学検出装置を構成する。この光てこ式光学検出装置によって、カンチレバー21で捩れや撓み等の変形が生じると、当該変形による変位を検出することができる。
カンチレバー変位検出部24は、XY微動機構29に取り付けられている。XY微動機構29によってカンチレバー21および探針20等はXYの各軸方向に微小距離で移動される。このとき、カンチレバー変位検出部24は同時に移動されることになり、カンチレバー21とカンチレバー変位検出部24の位置関係は不変である。
上記において、Z微動機構23とXY微動機構29は、通常、圧電素子で構成されている。Z微動機構23とXY微動機構29によって、探針20の移動について、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の各々へ微小距離(例えば数〜10μm、最大100μm)の変位を生じさせる。特に、Z軸方向には、数十μmである。上記のXY微動機構29はさらに図示しないフレーム機構に取り付けられている。
上記の取付け関係において、光学顕微鏡18による観察視野には、通常、試料12の特定領域の表面と、カンチレバー21における探針20を含む先端部(背面部)とが含まれる。
次に走査型プローブ顕微鏡の制御系を説明する。制御系の構成としては、コントローラ(第1制御装置)33と上位制御装置(第2制御装置)34を備える。コントローラ33と上位制御装置34はコンピュータシステムで構築される。
コントローラ33内には、機能部として、比較部31、制御部32、第1駆動制御部41、第2駆動制御部42、画像処理部43、データ処理部44、XY走査制御部45、X駆動制御部46、Y駆動制御部47、Z駆動制御部48が設けられる。コントローラ33は、走査型プローブ顕微鏡の各部を駆動させるための制御装置である。
上記制御部32は、フィードバックループを形成し、例えば原子間力顕微鏡(AFM)による測定機構を原理的に実現するためのZ軸方向フィードバック制御機能を有する部分である。
上記比較部31は、光検出器27から出力される電圧信号Vdと予め設定された基準電 圧(Vref)とを比較し、その偏差信号s1を出力する。制御部32は、偏差信号s1が0になるように制御信号s2を生成し、この制御信号s2をZ微動機構23に与える。制御信号s2を受けたZ微動機構23は、カンチレバー21の高さ位置を調整し、探針20と試料12の表面との間の距離を一定の距離に保つ。上記の光検出器27からZ微動機構23に到る制御ループは、探針20で試料表面を走査するとき、光てこ式光学検出装置によってカンチレバー21の変形状態を検出しながら、探針20と試料12との間の距離を上記の基準電圧(Vref)に基づいて決まる所定の一定距離に保持するためのフィードバックサーボ制御のループである。この制御ループによって探針20は試料12の表面から一定の距離に保たれ、この状態で試料12の表面を走査すると、試料表面の凹凸形状(Z座標値、高さデータ)を測定することができる。
光学顕微鏡18は、フォーカス用Z方向移動機構部17aとXY方向移動機構部17bとから成る駆動機構17によって、その位置が変化させられる。コントローラ33の上記の第1駆動制御部41と第2駆動制御部42は、上記のZ方向移動機構部17aとXY方向移動機構部17bのそれぞれの動作を制御する。
光学顕微鏡18によって得られた試料表面やカンチレバー21の像は、TVカメラ19によって撮像され、画像データとして取り出される。光学顕微鏡18のTVカメラ19で得られた画像データはコントローラ33内に入力され、内部に設けられた上記画像処理部43で処理される。
制御部32等を含む上記のフィードバックサーボ制御ループにおいて、制御部32から出力される制御信号s2は、走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡)における探針20の高さ信号を意味するものである。探針20の高さ信号すなわち制御信号s2によって探針20の高さ位置の変化に係る情報を得ることができる。探針20の高さ位置情報を含む上記制御信号s2は、前述のごとくZ微動機構23に対して駆動制御用に与えられると共に、コントローラ33内のデータ処理部44に取り込まれる。
試料12の表面の測定領域について探針20による試料表面の走査は、XYステージ14またはXY微動機構29を駆動することにより行われる。XY微動機構29の駆動制御は、XY微動機構29に対してXY走査信号s3を提供するXY走査制御部45によって行われる。
本実施形態では、探針20の走査は、XY微動機構29と粗動機構であるXYステージ14のうちのいずれか一方、または両方を適宜に組み合わせ、これらの2つの機構を適宜に選択し利用することによりステップイン方式の走査・測定が行われる。
ここで、「ステップイン方式」とは、予め設定された複数の測定点(サンプリング点)の間を移動するときには、試料の表面から一定距離(退避距離)だけ離れた状態で移動し、測定点の箇所で探針を試料表面に接近させ、接触させて測定を行い、その後において再び一定距離だけ離れた位置に後退するという測定方式である。
また粗動機構である試料ステージ11のXYステージ14とZステージ15の駆動は、X方向駆動信号を出力するX駆動制御部46と、Y方向駆動信号を出力するY駆動制御部47と、Z方向駆動信号を出力するZ駆動制御部48とに基づいて制御される。
なおコントローラ33は、必要に応じて、設定された制御用データ、入力した光学顕微鏡画像データや探針の高さ位置に係るデータ等を記憶・保存する記憶部(図示せず)を備えている。
上記コントローラ33に対して上位制御装置34は、通常の計測プログラムの記憶・実行および通常の計測条件の設定・記憶、自動計測プログラムの記憶・実行およびその計測条件の設定・記憶、計測データの保存、計測結果の画像処理および表示装置(モニタ)35への表示等の処理を行う。計測条件の設定では、測定範囲、測定点の設定、測定スピードといった基本項目など、自動計測の条件の設定が行われ、それらの条件は設定ファイルに記憶され、管理される。さらに、通信機能を有するように構成し、外部装置との間で通信を行える機能を持たせることもできる。
上位制御装置34は、上記の機能を有することから、処理装置であるCPU51と記憶部52とから構成される。記憶部52には上記のプログラムおよび条件データ等が記憶・保存されている。また上位制御装置34は、画像表示制御部53と通信部等を備える。加えて上位制御装置34にはインタフェース54を介して入力装置36が接続されており、入力装置36によって記憶部52に記憶される測定プログラム、測定条件、データ等を設定・変更することができるようになっている。
上位制御装置34のCPU51は、バス55を介して、コントローラ33の各機能部に対して上位の制御指令等を提供し、また画像処理部43やデータ処理部44等から画像データや探針の高さ位置に係るデータを提供される。
次に上記の走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡)の基本動作を説明する。
試料ステージ11上に置かれた半導体基板等の試料12の表面の所定領域に対してカンチレバー21の探針20の先端を臨ませる。通常、探針接近用機構であるZステージ15によって探針20を試料12の表面に近づけ、原子間力を作用させてカンチレバー21に撓み変形を生じさせる。カンチレバー21の撓み変形による撓み量を、前述した光てこ式光学検出装置によって検出する。この状態において、試料表面に対して探針20を移動させることにより試料表面の走査(XY走査)が行われる。探針20による試料12の表面のXY走査は、探針20の側をXY微動機構29で移動(微動)させることによって、または試料12の側をXYステージ14で移動(粗動)させることによって、試料12と探針20の間で相対的なXY平面内での移動関係を作り出すことにより行われる。
探針20の側の移動は、カンチレバー21を備えるXY微動機構29に対してXY微動に係るXY走査信号s3を与えることによって行われる。XY微動に係る走査信号s3はコントローラ33内のXY走査制御部45から与えられる。他方、試料12の側の移動は、試料ステージ11のXYステージ14に対してX駆動制御部46とY駆動制御部47から駆動信号を与えることによって行われる。
上記のXY微動機構29は、圧電素子を利用して構成され、高精度および高分解能な走査移動を行うことができる。またXY微動機構29によるXY走査で測定される測定範囲については、圧電素子のストロークによって制約されるので、最大でも約100μm程度の距離で決まる範囲となる。XY微動機構29によるXY走査によれば、微小な狭域範囲の測定となる。他方、上記のXYステージ14は、通常、駆動部として電磁気モータを利用して構成するので、そのストロークは数百mmまで大きくすることができる。XYステージによるXY走査によれば、広域範囲の測定が可能となる。
上記のごとくして試料12の表面上の所定の測定領域を探針20でステップイン方式にて走査しながら、各測定点でフィードバックサーボ制御ループに基づいてカンチレバー21の撓み量(撓み等による変形量)が一定になるように制御を行う。カンチレバー21の撓み量は、常に、基準となる目標撓み量(基準電圧Vrefで設定される)に一致するよう に制御される。その結果、探針20と試料12の表面との距離は一定の距離に保持される。従って探針20は、試料12の表面の微細凹凸形状(プロファイル)をステップイン方式にて走査移動しながら、各測定点で探針の高さ信号を得ることによって試料12の表面の微細凹凸形状を計測することができる。本実施形態によるステップイン方式のXY方向の走査移動では、好ましい一例として、粗動機構であるXYステージ14が使用される。なおXYステージ14の代わりにXY微動機構29を用いることも可能である。
図2に基づいて光てこ式光学的検出装置による変位検出の原理を詳述する。上記カンチレバー21は、先端の探針20に作用する原子間力等に基づいて例えばHA1方向とHB1方向のいずれか一方または両方に変位が生じる。その結果、カンチレバー21に撓みや捩れ等の変形が生じる。カンチレバー変位検出部24において、レーザ光源26から出射されたレーザ光28はカンチレバー21の背面に照射され、当該背面で反射されて光検出器27に入射される。図2で、27aは受光面を示すものとする。初期条件では、探針20に力が加わっていない状態で反射レーザ光28の光検出器27の受光面27aでの入射スポット位置を記憶しておく。その後、カンチレバー21の変形による光検出器27の受光面27aでの当該スポット位置の移動方向を捉えることによって探針20に加わった力の大きさと方向を精度よく検出することができる。例えば図2で、探針20にHA1方向の力が加わったときには、光検出器27の受光面27aでHA2方向のスポット位置の変化を捉えることができる。また探針20にHB1方向の力が加わったときには、同受光面27aでHB2方向のスポット位置の変化を捉えることができる。HA1方向の力を捩れ方向力といい、HB1方向の力を撓み方向力という。
次に、図3〜図5に基づいて探針の走査動作と各測定点(サンプリング点)での探針による測定動作(サンプリング動作)の第1実施例を説明する。
試料12における表面の測定領域における多数の測定点の位置(X座標値とY座標値)は、測定者によって予め決定されている。図1に示された走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡)の測定方式はステップイン方式である。
ステップイン方式の測定では、XYステージ14またはXY微動機構29により探針20を試料12に対して非接触状態で一定間隔(一定の送りピッチ)で次の測定点の接近開始位置に送る行程と、探針20を接近開始位置から試料12の表面に接近させる行程と、探針を試料12の表面に接触させる行程と、接触位置を測定する行程と、探針20を試料12から次の測定点における接近開始位置に対応する高さ位置にまで退避させる行程を有する。
この第1実施例による探針の測定動作に係る制御では、測定点の高さ方向の位置(Z)を、その直前の2つの測定点のZ座標値に基づいて予測し、当該測定点の接近開始位置を決めることに特徴がある。これにより、探針20の測定移動のスループットを高めると共に、探針20が試料12の表面における突部12aの壁面等に衝突するのを防止することができる。
図3は、試料12の表面の測定領域における1つの突部12aを示し、さらに当該測定領域にでの測定点の軌跡を示している。図3中、X軸、Y軸、Z軸の3次元座標系13が示される。X軸方向に引かれた線61は探針20のX軸方向の1つの走査移動線を試料12の表面に投影した線を示しており、線61上の少なくとも10個の黒点は予め設定された測定点の一例を示している。10個の黒点に関しては、予測によって接近開始位置を決めるという考え方を理解しやすくするため、符号を分け、黒点A0,B0,C0,D0,E0と黒点A0‐1,B0‐1,C0‐1,D0‐1,E0‐1として示されている。探針20は、試料12の表面から所定距離離れた位置で線61に従って移動し、測定点A0,A0‐1,B0,B0‐1,C0,…,E0,E0‐1の順序で走査移動し、各測定点にて試料表面に接近し、試料表面の高さの測定を行う。粗動機構を利用したステップイン方式の場合、測定点の間の距離は例えば1mmであり、移動速度は例えば1mm/秒である。この場合において、測定点B0の接近開始位置は、その直前の2つの測定点A0,A0‐1のZ座標値によって決められる。また測定点B0‐1の接近開始位置はその直前の2つの測定点A0‐1,B0のZ座標値によって決められる。以下、同様に各測定点の接近開始位置は、その直前の2つの測定点の測定で得られたZ座標値を利用した予測によって決められる。線61上のすべての測定点における接近開始位置は、原則的に直前の2つの測定点のZ座標値に基づく予測によって決められる。
同様に、線61−2は、線61の次に隣接する走査移動線を表す線である。この線61−2の上には同様に少なくとも10個の測定点A1,A1‐1,B1,B1‐1,C1,…,E1,E1‐1が設定されている。線61−2の上の少なくとも10個の測定点の接近開始位置についても、前述と同様に直前の2つの測定点のZ座標値に基づく予測によって決められる。
図4は、図3で示した突部12aの登り側の斜め壁面を示す部分断面図を示す。図4では、試料12の表面における突部12aの壁面において3つの測定点D0,D0‐1,E0が示されている。探針20は、測定点以外では、試料表面からの所定の退避距離で離れており、その後、水平方向に移動する。退避距離の設定の仕方により、測定点D0から測定点D0‐1への水平移動のときには探針20が突部12aの衝突することはないが、突部12aの斜面における測定点D0‐1から測定点E0への水平移動では、探針20は試料表面の突部62に衝突し、探針20を破損し、探針20はダメージを受けるおそれがある。
本実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡での探針20の測定時でのステップイン方式の走査移動では、前述のごとく、任意の測定点での接近開始位置は、直前の2つの測定点での測定で得られたZ座標値(高さ位置のデータ)に基づき予測して決定される。そこで、特に急峻な壁面を有する突部12aが形成された試料12の表面部分を示した図4を利用して、代表的に測定点D0,D0‐1,E0での予測による接近開始位置の決め方を説明する。
図4で、位置71は測定点D0における接近開始位置でありかつ探針退避位置でもある。位置71から探針20は測定点D0に接近して測定を行ってZ座標値を得て、次に再び位置71に退避する。次に、探針20は測定点D0‐1の接近開始位置72に移動する。この場合、接近開始位置72の高さ位置は、直前の2つの測定点(D0,C0‐1)のZ座標値に基づき決定され、同じ高さ位置になる。この場合には、同じ高さ位置であっても、探針20が突部12aの壁面に衝突することはない。
次に、接近開始位置72から探針20は測定点D0‐1に接近し、測定点D0‐1のZ座標値を測定する。次に、探針20は再び接近開始位置72に退避する。次に、探針20を測定点E0を測定するため、測定点E0の接近開始位置に移動する。このときには、測定点D0のZ座標値と測定点D0‐1のZ座標値によってベクトル81を計算することができる。そこで、位置72から測定点E0の接近開始位置に移動するためには、ベクトル81を利用すると、位置72を基準位置としてベクトル81と同じベクトル82を想定し、測定点E0のための接近開始位置74を決定する。接近開始位置74が決定されると、ベクトル82をZ軸ベクトル成分82ZとX軸ベクトル成分82Xに分解する。それにより、探針20は、Z軸ベクトル成分82Zによって位置73まで移動し、さらにX軸ベクトル成分82Xによって測定点E0の接近開始位置74に移動する。探針20が測定点E0の接近開始位置74に移動すると、その後の測定点E0を測定するための接近動作が開始される。
以上によって、探針20のステップイン方式の走査移動において、各測定点の接近開始位置を直前の2つの測定点の測定で得たZ座標値を利用して予測に基づき決定するため、探針20が試料12の表面の突部12a等の壁面に衝突するのを防止することができる。
以上の探針20についてのステップイン方式の走査移動での各測定点における接近開始位置の決定の仕方をフローチャートで示すと、図5に示すごとくなる。すなわち、第1実施例に係る探針20の走査移動での位置制御方法は、第1ステップS11:次の測定点での接近開始位置を前述した予測処理に基づき決定(ベクトルの決定)、第2ステップS12:測定点への接近開始位置への移動(Z軸方向、X軸方向)、第3ステップS13:接近開始位置から測定点への接近・接触動作、第4ステップS14:測定点でのZ座標値の測定、第5ステップS15:測定点から接近開始位置への退避動作、第6ステップS16:次の測定点の位置データ(X座標値とY座標値)の取得、を実行し、再び上記の第1ステップS11に戻る。以上のステップS11〜S16を繰り返して、ステップイン方式の走査移動を行い、前述の各測定点での測定を継続する。
以上によって、第1実施例による探針の測定動作に係る位置制御では、測定点の高さ方向の位置(Z)を、その直前の2つの測定点での測定で得たZ座標値に基づいて予測し、当該測定点の接近開始位置を決めることより、測定のスループットを保持し、さらに探針20が試料12の表面における突部12aの壁面等に衝突するのを確実に防止することができる。
上記の第1実施例では、測定点の接近開始位置を決定するにあたりその前の2つの測定点の測定データを用いたが、これに限定されず、測定のスループットを高く保持できる限り任意の数の測定点を利用することができる。
次に、図6と図7を参照して、探針20の走査動作と各測定点での探針による測定動作の第2実施例を説明する。図6では、測定点として、黒点A0,B0,C0,D0,E0,A1,B1,C1,D1,E1等が示されている。また各測定点A0,B0,C0,D0,E0において、さらに白丸点A0‐1,A0‐2,B0‐1,B0‐2,C0‐1,C0‐2,D0‐1,D0‐2,E0‐1,E0‐2等が示されている。これらの黒点と白丸点の関係については、黒点A1,B1,C1,D1,E1についても同様に設定されるが、図示は省略されている。
上記の黒点A0,B0,C0,D0,E0,A1,B1,C1,D1,E1等は、予め決定された測定点を意味しており、これらの測定点に対しては粗動機構を利用した通常のステップイン方式が適用されて測定が実行される。また白丸点A0‐1,A0‐2,B0‐1,B0‐2,C0‐1,C0‐2,D0‐1,D0‐2,E0‐1,E0‐2等は、各測定点A0,B0,C0,D0,E0,A1,B1,C1,D1,E1の各々で測定が終了した後、当該測定点の近傍での表面凹凸情報を得るために微動機構を利用してそのストローク内での凹凸を測定するための測定点である。これらの表面凹凸情報を得ることによりステップイン方式による次の測定点における接近開始位置を予測する情報を得ることが可能になる。白丸点A0‐1,B0‐1,C0‐1,D0‐1,E0‐1等での測定で得た高さデータを利用して、X軸方向における次のステップイン方式の測定点での接近開始位置を予測する。また、白丸点A0‐2,B0‐2,C0‐2,D0‐2,E0‐2等での測定で得た高さデータを利用して、線91に隣接する線92でのステップイン方式の測定点A1,B1,C1,D1,E1での接近開始位置を予測するときに利用する。白丸点での測定については、微動機構を利用してのステップイン式計測でも、あるいはコンタクト式計測によるものでもよい。
以上のごとく、第2実施例による探針20の移動制御方法は、前述したステップイン方式と、各測定点での近傍表面の凹凸情報取得方式との組合せにより構成され、各測定点でのステップイン方式による接近動作で衝突の生じない最適な接近開始位置を決定することができる。また、ステップイン方式と測定点近傍表面での凹凸表面情報取得方式とを組み合わせたため、測定のスループットも高く保持することができる。
第2実施例に基づく探針20の走査移動での各測定点における接近開始位置の決定の仕方をフローチャートで示すと、図7に示すごとくなる。すなわち、第2実施例に係る探針20の位置の制御方法は、第1ステップS21:次の測定点での接近開始位置の予測に基づく決定、第2ステップS22:測定点への接近開始位置への移動(Z軸方向、X軸方向)、第3ステップS23:接近開始位置から測定点への接近・接触動作、第4ステップS24:測定点でのZ座標値の測定、第5ステップS25:微動機構を利用して測定点の近傍での少なくとも2点の測定、第6ステップS26:測定点から接近開始位置への退避動作、第7ステップS27:次の測定点の位置データ(X座標値とY座標値)の取得、をそれぞれ実行し、再び上記の第1ステップS21に戻る。以上のステップS21〜S27を繰り返して、前述の各測定点での測定を継続する。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、走査型プローブ顕微鏡によるステップイン方式の測定で各測定点での接近開始位置を直前の測定点での測定情報を利用して予測し、衝突によるダメージの発生を防止するのに利用される。
本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の測定部と制御部の全体的な装置構成を示す構成図である。 走査型プローブ顕微鏡におけるカンチレバーおよび探針と光てこ式光学検出装置の関係を示す説明図である。 本発明に係る走査型プローブ顕微鏡でのステップイン方式による探針の走査・測定動作の第1実施例を説明するための図である。 第1実施例による探針の走査・測定動作での突部での接近開始位置の決め方を説明する断面図である。 第1実施例による探針の走査・測定動作の工程を示すフローチャートである。 本発明に係る走査型プローブ顕微鏡でのステップイン方式による探針の走査・測定動作の第2実施例を説明するための図である。 第2実施例による探針の走査・測定動作の工程を示すフローチャートである。
符号の説明
11 試料ステージ
12 試料
14 XYステージ
15 Zステージ
16 試料ホルダ
20 探針
21 カンチレバー
23 Z微動機構
29 XY微動機構
33 コントローラ
34 上位制御装置

Claims (2)

  1. 試料に対向する探針を有する探針部と、前記試料と前記探針の間に作用する物理量を検出する検出部と、前記探針が前記試料の表面を走査するとき前記検出部で検出される前記物理量に基づき前記試料の表面情報を測定する測定部と、少なくとも合計で3自由度を有する探針移動用移動機構と試料移動用移動機構を備え、前記探針移動用移動機構または前記試料移動用移動機構によって前記探針と前記試料の相対的な位置関係を変化させ、前記探針が前記試料の表面を走査しながら前記測定部によって前記試料の表面を測定する走査型プローブ顕微鏡において、
    前記探針移動用移動機構または前記試料移動用移動機構によって、前記探針を前記試料と非接触状態にて一定間隔で送る行程と、測定点で前記探針を前記試料に接近・接触させる行程と、前記探針を前記試料から退避させる行程とから成る移動動作を行い、
    予定された次の測定点に前記探針を移動する行程で、
    前記次の測定点での測定位置をその前の少なくとも2つの測定点の測定値によって予測するステップと、
    前記予測により前記測定点の接近開始位置を決定するステップとを含む、
    ことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の探針制御方法。
  2. 試料に対向する探針を有する探針部と、前記試料と前記探針の間に作用する物理量を検出する検出部と、前記探針が前記試料の表面を走査するとき前記検出部で検出される前記物理量に基づき前記試料の表面情報を測定する測定部と、少なくとも2自由度を有する探針移動用移動機構と、少なくとも2自由度を有する試料移動用移動機構とを備え、前記探針移動用移動機構または前記試料移動用移動機構によって前記探針と前記試料の相対的な位置関係を変化させ、前記探針が前記試料の表面を走査しながら前記測定部によって前記試料の表面を測定する走査型プローブ顕微鏡において、
    前記試料移動用移動機構によって、前記探針を前記試料と非接触状態にて一定間隔で送る行程と、測定点で前記探針を前記試料に接近・接触させる行程と、前記探針を前記試料から退避させる行程とから成る移動動作を行い、
    予定された或る測定点から次の測定点に前記探針を移動する行程で、
    前記或る測定点での測定の後、前記或る測定点の近傍の表面凹凸を測定する測定ステップと、
    前記或る測定点での測定値とその近傍の表面凹凸測定値によって前記次の測定点の測定位置を予測するステップと、
    前記予測により前記次の測定点の接近開始位置を決定するステップとを含む、
    ことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の探針制御方法。
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