JP2019168400A - 走査型プローブ顕微鏡及びその走査方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡及びその走査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】間欠的測定方法を行うにあたり、探針と試料表面へ相互に過負荷となることを避けると共に、試料表面における凸凹形状の測定時間を短縮化する。【解決手段】プローブが取り付けられたカンチレバーを備え、前記プローブを試料表面に間欠的に接触させることで前記試料表面を走査する走査型プローブ顕微鏡であって、前記プローブと前記試料表面とを接触させる第1の動作と、前記第1の動作後に前記プローブと前記試料表面とを引離す第2の動作を行う制御装置を備え、前記制御装置は、前記カンチレバーを熱変形させることにより、前記第2の動作を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡及びその走査方法に関する。
下記特許文献1には、カンチレバーの先端に形成されたプローブを試料に接触させながら連続的にプローブを走査させることで、試料表面の凸凹形状を測定する走査型プローブ顕微鏡が開示されている(特許文献1参照)。ただし、特許文献1に記載の走査型プローブ顕微鏡では、常にプローブと試料表面とが接しているため、プローブの摩耗や試料の損傷が発生する可能性がある。
これに対して、特許文献2、3には、予め設定された複数の試料表面の測定点のみ、プローブと試料表面とを接触させ試料表面を間欠的に走査することで、試料表面の凸凹形状を測定する間欠的測定方法が提案されている。これらの特許文献における「プローブと試料表面との接触」とは、物理的な相互作用が発生する距離まで接近することを指し、その相互作用の物理量を基準に接触の判断を行うことである。物理量の代表的なものの例は、引力や斥力がある。
具体的には、間欠的測定方法では、プローブを、所定の測定点の上空から試料表面まで接近動作させ、そのプローブが試料表面に接触させてプローブの高さを計測する第1工程と、その第1工程後に試料表面に接触しているプローブを試料表面から引き離し、次の測定点の上空まで移動させる第2工程とを繰り替えることで試料表面を間欠的に走査する。なお、実際の計測においては、前記第1工程と前記第2工程の間に、探針試料間の物性測定を行う工程、あるいは形状と物性の同時測定を行う工程が加わることが多い。
これにより、上記間欠的測定方法では、特許文献1と比較してプローブと試料表面とが測定点のみで接触するため最小の接触で済み、プローブの摩耗や試料の損傷を低減することができる。
特開2001−33373号公報 特開2007−85764号公報 特開2011−209073号公報
ところで、上記間欠的測定方法では、試料表面に接触しているプローブを、圧電素子を用いたスキャナーにより引離し動作を行っている。ただし、圧電素子には不可避的な応答遅れが存在するため、当該圧電素子は、引離し動作の開始を指示する信号を取得してからその引離し動作を開始するまでに応答しない時間が発生し、その間も試料へ接近し設定以上の力が加わる。そのため、間欠的測定方法において、上記応答遅れにより発生する、設定以上の力を加味して接近速度を設定する必要があり、速すぎる接近速度を設定することが困難となるため、試料表面の凸凹形状を測定する測定時間を短縮化できず、高速化の妨げになっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、間欠的測定方法を行うにあたり、探針と試料表面へ相互に過負荷となることを避けると共に、試料表面における凸凹形状の測定時間を短縮化することである。
本発明の一態様は、プローブが取り付けられたカンチレバーを備え、前記プローブを試料表面に間欠的に接触させることで前記試料表面を走査する走査型プローブ顕微鏡であって、前記プローブと前記試料表面とを接触させる第1の動作と、前記第1の動作後に前記プローブと前記試料表面とを引離す第2の動作を行う制御装置を備え、前記制御装置は、前記カンチレバーを熱変形させることにより、前記第2の動作を実行することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡である。
また、本発明の一態様は、上述の走査型プローブ顕微鏡であって、前記制御装置は、圧電素子を用いて前記プローブ及び前記試料表面を相対的に移動可能な微動機構を更に備え、前記制御装置は、前記カンチレバーの熱変形と、前記微動機構とを併用して前記第2の動作を実行する。
また、本発明の一態様は、上述の走査型プローブ顕微鏡であって、前記カンチレバーに対して光を照射する第1光照射部を更に備え、前記制御装置は、前記第2の動作時において、前記第1光照射部から照射される光の照射強度を制御することで前記カンチレバーを熱変形させる。
また、本発明の一態様は、上述の走査型プローブ顕微鏡であって、前記カンチレバーの第1の面に対してレーザ光を照射する第2光照射部を有し、前記第2光照射部により照射されたレーザ光の反射により前記カンチレバーの変位量を検出する光てこ方式の変位検出部を更に備え、前記第2光照射部は、前記第1光照射部を兼用する。
また、本発明の一態様は、上述の走査型プローブ顕微鏡であって、前記制御装置は、前記第1の動作時において、前記変位検出部により検出された前記カンチレバーの変位量に基づいて、前記プローブと前記試料表面との接触の有無を判定する判定部と、前記判定部により前記接触があったことが判定された後に、前記第2光照射部の前記レーザ光の照射強度を前記第1の動作時よりも弱めることで前記カンチレバーを熱変形させて前記第2の動作を実行する制御部と、を備える。
また、本発明の一態様は、上述の走査型プローブ顕微鏡であって、前記第2光照射部から前記第1の面に向けて照射された前記レーザ光の照射強度を調整可能な調光用素子を備え、前記制御装置は、前記第1の動作時において、前記変位検出部により検出された前記カンチレバーの変位量に基づいて、前記プローブと前記試料表面との接触の有無を判定する判定部と、前記判定部により前記接触があったことが判定された後に、前記調光用素子を制御して、前記前記第2光照射部から前記第1の面に向けて照射された前記レーザ光の照射強度を前記第1の動作時よりも弱めることで前記カンチレバーを熱変形させて前記第2の動作を実行する制御部と、を備える。
また、本発明の一態様は、上述の走査型プローブ顕微鏡であって、前記カンチレバーは、前記第1の面が前記第1の面とは反対側の第2の面よりも熱膨張係数が大きい。
また、本発明の一態様は、上述の走査型プローブ顕微鏡であって、前記カンチレバーに抵抗体を設け、前記制御装置は、前記第2の動作時において、前記抵抗体に通電することで前記カンチレバーを熱変形させる。
また、本発明の一態様は、上述の走査型プローブ顕微鏡であって、前記カンチレバーにピエゾ抵抗素子が設けられ、前記制御装置は、前記第1の動作時において、前記ピエゾ抵抗素子の抵抗値に基づいて、前記プローブと前記試料表面との接触の有無を判定する判定部と、前記判定部により前記接触があったことが判定された後に、前記ピエゾ抵抗素子に対して通電加熱することで前記カンチレバーを熱変形させて前記第2の動作を実行する制御部と、を備える。
また、本発明の一態様は、プローブが取り付けられたカンチレバーを備え、前記プローブを試料表面に間欠的に接触させることで前記試料表面を走査する走査型プローブ顕微鏡の走査方法であって、前記プローブと前記試料表面とを接触させる第1の動作ステップと、前記第1の動作ステップ後に前記プローブと前記試料表面とを引離す第2の動作ステップと、含み、第2の動作ステップは、前記カンチレバーの熱変形を利用して、前記プローブと前記試料表面とを引離すことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の走査方法である。
以上説明したように、本発明によれば、間欠的測定方法を行うにあたり、探針と試料表面へ相互に過負荷となることを避けると共に、試料表面における凸凹形状の測定時間を短縮化することができる。
第1の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Aの概略構成の一例を示す図である。 第1の実施形態に係る斜面を有する試料Sと、カンチレバー1との斜視図である。 第1の実施形態に係る加熱装置4の光加熱方式の構成を説明する図である。 第1の実施形態に係る加熱装置4のマイクロ波加熱方式の構成を説明する図である。 第1の実施形態に係る加熱装置4の通電加熱方式の第1の構成を説明する図である。 第1の実施形態に係る加熱装置4の通電加熱方式の第2の構成を説明する図である。 第1の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Aの間欠的測定方法の流れを説明する図である。 第2の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Bの概略構成の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Bの間欠的測定方法の流れを説明する図である。 第3の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Cの概略構成の一例を示す図である。 第3の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Cの間欠的測定方法の流れを説明する図である。 第3の実施形態の変形例である走査型プローブ顕微鏡C´の概略構成の一例を示す図である。 第4の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Dの概略構成の一例を示す図である。 第4の実施形態に係る変位検出部3Dの概略構成の一例を示す図である。 第4の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Dの間欠的測定方法の流れを説明する図である。
本発明の一実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡は、試料表面にプローブを接触させて、その試料表面をプローブで間欠的に走査する、いわゆる間欠的測定方法というプローブ走査方法を用いた走査型プローブ顕微鏡である。
以下、本発明の一実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡を、図面を用いて説明する。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Aの概略構成の一例を示す図である。図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡Aは、カンチレバー1、移動駆動部2、変位検出部3、加熱装置4、及び制御装置5を備えている。
カンチレバー1は、先端にプローブ1aを備える。カンチレバー1は、その基端が固定され、先端が自由端となっている。カンチレバー1は、小さいバネ定数Kを備える弾性レバー部材であり、先端のプローブ1aと試料Sの表面(以下、「試料表面」という。)が接触すると、先端のプローブ1aが試料表面を押圧する押し付け力に応じたたわみが生じる。
また、カンチレバー1は、先端のプローブ1aと試料表面とが接触した場合に、その試料表面に傾きがある場合には、その試料表面の傾きと、先端のプローブ1a及び試料表面の接触点である支点の支点反力と、に応じたねじれやたわみが生じる。
移動駆動部2は、プローブ1a及び試料Sを3次元方向に対して相対的に移動可能な微動機構である。移動駆動部2は、Z方向駆動装置21(駆動部)及びXYスキャナー22(スキャナー部)を備える。
Z方向駆動装置21上には、試料台Hが載置されている。この試料台Hには、カンチレバー1のプローブ1aに対向配置するように試料Sが載置されている。
Z方向駆動装置21は、試料台Hを水平面に垂直な方向(Z方向)に移動させる。例えば、Z方向駆動装置21は、圧電素子である。
Z方向駆動装置21は、制御装置5からの制御により、試料台HをZ方向に移動させることで、試料表面をプローブ1aに接近させる動作、又はプローブ1aから試料Sを引き離す方向に動作させる動作を行う。
XYスキャナー22は、制御装置5からの制御により、プローブ1aと試料Sとを、XY方向に対して相対的に移動させる。なお、図1において試料台Hの表面に平行な面は水平面であり、ここでは直交の2軸X,YによりXY平面と定義される。例えば、XYスキャナー22は、圧電素子である。
なお、Z方向駆動装置21及びXYスキャナー22は、相対的に3次元形状観察の走査が可能な構成であれば、配置関係は問わない。つまり、カンチレバー走査でも試料走査でも良い。
変位検出部3は、カンチレバー1のたわみ量やねじれ量を検出する。例えば、変位検出部3は、光てこ式を用いてカンチレバー1のたわみ量とねじれ量とを検出する。
変位検出部3は、光照射部31及び光検出部32を備える。
光照射部31は、カンチレバー1の裏面(第1の面)F1に形成された図示しない反射面に対してレーザ光L1を照射する。ここで、裏面(第1の面)F1とは、カンチレバー1において、プローブ1aが配置されている表面(第2の面)F2と反対側の面である。
光検出部32は、上記反射面で反射されたレーザ光L2を受光する。光検出部32は、当該反射面で反射されたレーザ光L2を受光する4分割の受光面33を備えた光検出器である。カンチレバー1の反射面で反射されたレーザ光L2は、光検出部32の4分割された複数の受光面33に入射する。なお、例えば、カンチレバー1の反射面で反射されたレーザ光L2が受光面33の中心付近に入射するように、光検出部32の位置が調整される。
以下に、第1の実施形態に係るカンチレバー1のたわみ量とねじれ量との検出方法について、図1及び図2を用いて、説明する。図2は、斜面を有する試料Sと、カンチレバー1との斜視図である。
カンチレバー1は、プローブ1aと試料表面とが接触した場合にZ方向とY方向のいずれか一方、又は両方に変位が生じる。第1の実施形態において、Z方向に生じるカンチレバー1の変位をたわみ量と称し、Y方向に生じるカンチレバー1の変位をねじれ量と称する。例えば、初期条件では、プローブ1aに力が加わっていない状態で反射されたレーザ光L2の光検出部32の受光面33における入射スポット位置を、受光面33の中心位置Oとする。なお、プローブ1aに力が加わっていない状態とは、例えば、プローブ1aと試料表面とが接触していないため、接触時の力によるカンチレバーの無変形がない状態である。
コンタクトモードにおいて、プローブ1aと試料表面とが接触すると、プローブ1aに力が加わることで、カンチレバー1にたわみ量やねじれ量が生じる。したがって、たわみ量やねじれ量が生じたカンチレバー1の反射面で反射されたレーザ光L2の反射スポット位置は、その中心位置Oから変位する。そのため、走査型プローブ顕微鏡Aは、光検出部32の受光面33における当該スポット位置の移動方向を捉えることによってプローブ1aに加わった力の大きさと方向を検出可能となる。
例えば、図1において、カンチレバー1にねじれ量が発生した場合には、光検出部32の受光面33においてα方向のスポット位置の変化を捉えることができる。また、カンチレバー1にたわみ量が発生した場合には、受光面33でβ方向のスポット位置の変化を捉えることができる。
ここで、中心位置Oからのスポット位置の変化量は、ねじれ量やたわみ量に依存する。具体的には、カンチレバー1が+Z方向にたわんだ場合には、光検出部32の受光面33におけるレーザ光L2の反射スポットは、+β方向に変化する。また、カンチレバー1が−Z方向にたわんだ場合には、光検出部32の受光面33におけるレーザ光L2の反射スポットは、−β方向に変化する。一方、カンチレバー1が+Y方向にねじれ量が発生した場合には、光検出部32の受光面33におけるレーザ光L2の反射スポット位置は、+α方向に変化する。また、カンチレバー1が−Y方向にねじれ量が発生した場合には、光検出部32の受光面33におけるレーザ光L2の反射スポットは、−α方向に変化する。
光検出部32は、受光面33の±Z方向におけるレーザ光L2の反射スポット位置に応じた第1検出信号を制御装置5に出力する。すなわち、第1検出信号は、カンチレバー1のたわみ量に応じたDIF信号(たわみ信号)である。また、光検出部32は、受光面33の±Y方向におけるレーザ光L2の反射スポット位置に応じた第2検出信号を制御装置5に出力する。すなわち、第2検出信号は、カンチレバー1のねじれ量に応じたFFM信号(ねじれ信号)である。
図1に戻り、加熱装置4は、制御装置5により駆動されることで、カンチレバー1の温度を変化させる。なお、この加熱装置4は、カンチレバー1を加熱可能な構成であればよく、その加熱方法には特に限定されない。例えば、加熱装置4は、以下に説明する方法において、カンチレバー1を加熱することができる。
例えば、図3に示すように、加熱装置4は、光照射部4aを備え、制御装置5からの信号(以下、「加熱信号」という。)に基づいて、その光照射部4aからカンチレバー1の表面F2に対してレーザ光や赤外線等の光を照射することで、カンチレバー1の表面F2を加熱してもよい。以下に、カンチレバー1に光を照射することで、当該カンチレバーを加熱する方式を、光加熱方式と称する。
また、図4に示すように、加熱装置4は、マイクロ波を照射させることが可能なマイクロ波照射部4bを備え、制御装置5からの加熱信号に基づいて、そのマイクロ波照射部4bからカンチレバー1の表面F2に対してマイクロ波を照射することで、カンチレバー1の表面F2を加熱してもよい。以下に、カンチレバー1に光を照射することで、当該カンチレバーを加熱する方式を、マイクロ波加熱方式と称する。
また、図5に示すように、加熱装置4は、カンチレバー1に通電することでカンチレバー1を通電加熱してもよい。例えば、加熱装置4は、抵抗体41c、第1の電極42c、第2の電極43c、及び電圧印加部44cを備える。
抵抗体41cは、カンチレバー1に設けられている。例えば、抵抗体41cは、発熱可能な抵抗を含む導電性部材であって、カンチレバー1に形成されている。
第1の電極42cは、カンチレバー1の表面F2に設けられ、抵抗体41cの第1端に電気的に接続されている。
第2の電極43cは、カンチレバー1の表面F2に設けられ、抵抗体41cの第2端に電気的に接続されている。
電圧印加部44cは、制御装置5からの加熱信号に基づいて、第1の電極42c及び第2の電極43cの間に所定の電圧を印加し抵抗体41cに電流を流すことで発熱させる。これにより、カンチレバー1が加熱される。
また、図6に示すように、加熱装置4は、電磁誘導によりカンチレバー1に誘導電流を発生させることでカンチレバー1を通電加熱してもよい。例えば、加熱装置4は、電流回路41d、第1の電極42d、第2の電極43d、及び電圧印加部44dを備える。
電流回路41dは、抵抗体を備える回路であって、カンチレバー1に設けられている。
第1の電極42dは、カンチレバー1の裏面F1側に設けられている。
第2の電極43dは、カンチレバー1の表面F2側に設けられている。
電圧印加部44dは、制御装置5からの加熱信号に基づいて、第1の電極42c及び第2の電極43cの間に交流の電圧を印加することで、電流回路41dに誘導電流を発生させて抵抗体に電流を流す。これにより、カンチレバー1の表面F2が加熱される。
なお、第1の電極42dと第2の電極43dとは、電極の変わりに電磁石でもよい。
次に、第1の実施形態に係る制御装置5について、説明する。
図1に示すように、制御装置5は、判定部6、制御部7、及び測定部8を備える。
判定部6は、光検出部32から出力される第1検出信号及び第2検出信号に基づいて、プローブ1aが試料表面に接触したか否かを判定する。なお、以下の説明において、プローブ1aが試料表面に接触したか否かを判定する処理を「接触判定処理」と称する。
また、判定部6は、光検出部32から出力される第1検出信号及び第2検出信号に基づいて、プローブ1aが試料表面に対して離間したか否かを判定する。なお、以下の説明において、プローブ1aが試料表面に対して離間したか否かを判定する処理を「離間判定処理」と称する。
制御部7は、プローブ1aと試料Sとの相対的な移動量を制御する。ここで、本発明の一実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Aは、試料表面における、予め設定された複数の測定点のみにおいて、プローブ1aを接触させることで、試料表面を間欠的に走査する間欠的測定方法を用いる。したがって、制御部7は、プローブ1aを測定位置に接近させて接近動作(第1の動作)と、プローブ1aと試料Sとを引き離す引離し動作(第2の動作)と、プローブ1aを次の測定位置の上空まで移動させる移動動作と、のそれぞれの動作を制御する。
以下に、制御部7の構成について説明する。制御部7は、駆動部71及び加熱制御部72を備える。
駆動部71は、移動駆動部2を制御することで、プローブ1a及び試料Sを3次元方向に対して相対的に移動させる。
具体的には、駆動部71は、プローブ1aと試料表面とを接触させるために、接近動作信号をZ方向駆動装置21に出力することで、試料Sを上昇させる。これにより、制御部7は、プローブ1aと試料表面とを接近させることができる。
また、駆動部71は、プローブ1aと試料表面とを引き離すために、引離し動作信号をZ方向駆動装置21に出力することで、試料Sを下降させる。これにより、駆動部71は、試料表面をプローブ1aから引き離す方向に動作させることができる。
さらに、制御部7は、XYスキャナー22に駆動信号を出力することで、次の測定位置の直上に位置する測定下降位置にプローブ1aを移動させる。
加熱制御部72は、加熱装置4の出力を制御する。具体的には、加熱制御部72は、加熱装置4の出力を制御することで、カンチレバー1の温度変化によるたわみを制御する。この温度変化によるカンチレバー1のたわみをカンチレバー1の熱変形という。
例えば、加熱制御部72は、加熱装置4に加熱信号を出力することで、加熱装置4を駆動する。これにより、カンチレバー1の表面F2は、加熱装置4により加熱され、熱変形として熱膨張する(カンチレバー1が試料Sから離れる方向にたわむ)。一方、加熱制御部72は、加熱装置4に対する加熱信号の出力を停止することで、加熱装置4の駆動を停止させる。これにより、カンチレバー1に対する加熱装置4の加熱が停止され、カンチレバー1の表面F2は、温度が低下することで熱変形として収縮する(カンチレバー1が試料Sに接近する方向にたわむ)。
測定部8は、プローブ1aと試料表面とが接触している状態で、試料表面の凸凹形状を測定する。例えば、測定部8は、接触判定処理によりプローブ1aが試料表面に接触したと判定された場合には、接近動作において試料Sがプローブ1aに対して相対的に移動した距離(以下、単に「相対距離」という。)を測定することで、試料表面の凸凹形状を測定する。例えば、測定部8は、プローブ1aと試料表面とが接触している状態における駆動信号の電圧値に基づいて相対距離を算出してもよい。また、測定部8は、試料台Hの変位をセンサー(不図示)により直接計測してもよいし、試料台Hの高さをセンサー(不図示)により直接計測してもよい。また、接触判定処理によりプローブ1aが試料表面に接触したと判定する動作と、相対距離の測定の動作とを同時進行的に行い、接触したと判定した時の相対距離により試料表面の凹凸形状を測定してもよい。
次に、第1の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Aの間欠的測定方法の流れについて、図7を用いて説明する。なお、初期条件として、所定の測定点における測定下降位置にプローブ1aが位置している場合とする。
駆動部71は、接近動作信号をZ方向駆動装置21に出力し、試料台Hを上昇させることで接近動作を開始する(ステップS101)。
判定部6は、駆動部71により接近動作が開始された場合には、光検出部32から出力される第1検出信号及び第2検出信号に基づいて、プローブ1aが試料表面に接触したか否かを判定する接触判定処理を実行する(ステップS102)。
以下に、本実施形態に係る接触判定処理について、説明する。
判定部6は、光検出部32から出力される第1検出信号が示すたわみ量が、第1の範囲を超えた場合に、プローブ1aが試料表面に接触したと判定する。また、判定部6は、光検出部32から出力される第2検出信号が示すねじれ量が、第2の範囲を超えた場合に、プローブ1aが試料表面に接触したと判定する。
このように、判定部6は、光検出部32から出力される第1検出信号が示すたわみ量が第1の範囲を超える第1条件と、光検出部32から出力される第2検出信号が示すねじれ量が第2の範囲を超える第2条件と、のうち少なくともいずれか一方が成立した場合に、プローブ1aが試料表面に接触したと判定する。なお、上記では、第1検出信号と第2検出信号が、独立して判定される例であるが、判定部6内で、「第1検出信号の2乗」と「第2検出信号の2乗」を足し合わせ、その和の平方根の正の数が、一定以上となった場合に接したと判定する等、特性に応じた設定値により判定してもよい。
駆動部71は、上記接触判定処理により、プローブ1aが試料表面に接触したと判定した場合には、接近動作信号の出力を停止して、接近動作を停止する(ステップS103)。この場合には、プローブ1aが試料表面に接触しているため、カンチレバーに一定以上のねじれやたわみが生じている。そして、測定部8は、接近動作が停止された状態で相対距離を測定することで、試料表面の凸凹形状を測定する(ステップS104)。また、接触判定処理によりプローブ1aが試料表面に接触したと判定する動作と、相対距離の測定の動作とを同時進行的に行い、接触したと判定した時の相対距離により試料表面の凹凸形状を測定してもよい。
制御部7は、測定部8による相対距離の測定が完了した場合には、試料Sとプローブ1aとを引き離す引離し動作を開始する。すなわち、加熱制御部72は、カンチレバー1を熱変形するように加熱装置4の出力を制御して、引離し動作を開始する(ステップS105)。
具体的には、加熱制御部72は、引離し動作を開始するにあたり、加熱装置4に駆動信号を出力する。加熱装置4は、加熱制御部72から駆動信号を取得すると、カンチレバー1の表面F2を加熱する。これにより、カンチレバー1の表面F2が加熱膨張し、カンチレバー1は、裏面F1側に向かって上方(+Z)に反るように熱変形する。したがって、この熱変形により引離し動作が開始される。
ここで、熱変形の応答速度は、圧電素子の応答速度よりも圧倒的に速い。すなわち、カンチレバー1の熱変形による引離し動作(第1の引離し動作)の応答速度は、Z方向駆動装置21(微動機構)による引離し動作(第2の引離し動作)の応答速度よりも圧倒的に速い。そのため、本実施形態では、Z方向駆動装置21ではなくカンチレバー1の熱変形を利用して引離し動作を開始することで、試料表面における凸凹形状の測定時間を短縮化する。
カンチレバー1の熱変形による第1の引離し動作の開始と同時に、駆動部71は、離し動作信号をZ方向駆動装置21に出力することで、試料Sをプローブ1aから引き離す方向に動作させる第2の引離し動作を開始する(ステップS106)。両方の引離しを同時に始動しても、応答の速い熱変形の引離しが先行し、応答の遅い微動機構の引離しが後から追従する動きとなる。上記両方の引離し動作は、一定時間実行され、その後終了する(ステップS107)。この一定時間とは、Zの微動機構が応答し、熱変形した変形量と同等以上となるタイミングまでである。
制御部7は、引離し動作が停止されると、XYスキャナー22に駆動信号を出力することで、次の測定位置の直上に位置する測定下降位置にプローブ1aを移動させる(ステップS108)。そして、制御部7は、次の測定位置においても、ステップS101からステップS108の動作を行う。すなわち、走査型プローブ顕微鏡Aは、試料Sの各測定点に対応して、ステップS101からステップS109の動作を行うことで、試料表面を間欠的に走査する。
次に、第1の実施形態に係る効果について、説明する。
コンタクトモードで間欠的測定方法を行う走査型プローブ顕微鏡では、各測定位置において接近動作と引離し動作とを実行する。したがって、間欠的測定方法では、連続的にプローブを走査させて試料表面の凸凹形状を測定する方法よりも、その凸凹形状の測定時間が長くなることが問題となる。
そこで、間欠的測定方法において、凸凹形状の測定時間の短縮化のために、接近動作や引離し動作を高速で行うことが求められている。ただし、接近動作や引離し動作を微動機構、すなわち圧電素子で行う従来の方法では、その圧電素子の応答遅れが上記測定時間の短縮化の妨げになっている。
より具体的には、一般的に、間欠的測定方法では、接近動作を行っている場合においてプローブと試料表面とが接触し、そのカンチレバーに加わる力が目標値(F0)に達した時点で引離し動作が行われる。ただし、カンチレバーに加わる力が目標値に達したことを検出してから実際に引き離し動作が開始するまでに、すなわちプローブと試料表面とが引離す方向に移動し始めるまでには時間差(応答遅れ)ΔT(msec)が発生する。そのため、目標値の力を超えた力F(nN)が発生し、その力Fの力だけ更に押し込むこととなる。なお、プローブと試料表面との接近速度をV(nm/msec)、カンチレバーのバネ定数をK(N/m)とした場合、力F(nN)は、フックの法則より以下の関係式(1)で表すことができる。
F(nN)=V(nm/msec)×ΔT(msec)×K(N/m) …(1)
間欠的測定方法において凸凹形状の測定時間を短縮化する方法として、単純に接近速度Vを速くする方法がある。ただし、その方法では、上記関係式(1)からも明らかなように、接近速度Vを速くすると力Fが大きくなり、F0<<Fの状態となると、プローブの破損や試料の変形が発生してしまうおそれがある。そのため、プローブの破損や試料の変形を防止するために力Fを所定値に抑えようとすると、接近速度Vを速くできず従来の方法では測定時間が短縮化できない。
例えば、走査型プローブ顕微鏡において、仮に、バネ定数が40N/mの一般的なカンチレバーを使用し、プローブの破損や試料の変形が防止できる力(F+F0:ただしF>>F0とする)が10nN以下であることを前提としたとする。この場合において、接近動作や引離し動作を圧電素子で行う従来の方法において、接触速度の上限を見積もる。
一般的に、チューブ型のPZT圧電素子の場合には、0.2msec程度の応答遅れΔTが発生する。また、高速で動作する積層型PZT圧電素子でも、0.04msec程度の応答遅れΔTが発生する。したがって、関係式(1)により、接近速度Vの上限は、チューブ型PZT圧電素子で「1.25nm/msec」、積層型PZT圧電素子で「6.25nm/msec」となる。
一方、本実施形態における間欠的測定方法では、圧電素子ではなく、カンチレバー1の熱変形を利用して引き離し動作を実行する。走査型プローブ顕微鏡Aにおいて、カンチレバー1に加わる力が目標値に達したことを検出してからカンチレバー1が熱変形するまでの時間は、実施例として0.1μsecであった。すなわち、カンチレバー1に加わる力が目標値に達したことを検出してから実際に引き離し動作が開始するまでの時間、すなわち応答遅れΔTは0.1μsecとなる。したがって、バネ定数K=40N/m、力(F+F0:ただしF>>F0とする)=10nNとした場合には、接近速度V=2500nm/msecとなり、チューブ型PZT圧電素子の2000倍、積層型PZT圧電素子の400倍の速さで接近動作を行うことができる。これにより、走査型プローブ顕微鏡Aは、従来と比較して、測定時間の大幅な短縮が可能となる。
上述したように、第1の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Aは、カンチレバー1を熱変形させることにより引離し動作を実行する。これにより、走査型プローブ顕微鏡Aは、従来と比較して、測定時間の大幅な短縮が可能となる。
また、走査型プローブ顕微鏡Aは、カンチレバー1の熱変形と、微動機構(移動駆動部2)とを併用して引離し動作を実行してもよい。なお、本実施形態では、カンチレバー1を熱変形させて第1の引離し動作を実行した後に、微動機構による第2の引離し動作を実行したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の引離し動作と第2の引離し動作とを同時に実行してもよい。
また、カンチレバー1は、単一材料(例えば、Si)で構成されてもよいし、裏面F1及び表面F2が膨張係数の異なる材料で構成されてもよい。例えば、走査型プローブ顕微鏡Aにおいては、表面F2を加熱することが熱変形させるため、例えば、カンチレバー1は、表面F2の熱膨張係数が裏面F1の膨張係数よりも大きくなるように構成されてもよい。例えば、カンチレバー1の表面F2に裏面F1よりも大きい熱膨張係数を有する良導体の層が形成されることで、表面F2が裏面F1よりも熱膨張係数が大きくなるように設定されてもよい。具体的には、裏面F1がSiで形成され、表面F2がAlで形成される。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Bについて、図面を用いて説明する。第2の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Bは、引離し動作を行う場合において、加熱装置4がカンチレバー1の表面F2ではなく、裏面F1を加熱する点で第1の実施形態と相違する。
図8は、第2の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Bの概略構成の一例を示す図である。図8に示すように、走査型プローブ顕微鏡Bは、カンチレバー1、移動駆動部2、変位検出部3、加熱装置4B、及び制御装置5Bを備えている。
加熱装置4Bは、カンチレバー1の裏面F1を加熱する。なお、この加熱装置4Bは、カンチレバー1を加熱可能な構成であればよく、その加熱方法には特に限定されない。例えば、加熱装置4Bは、第1の実施形態と同様に、光加熱方式やマイクロ波方式で、カンチレバー1の裏面F1を加熱してもよい。また、加熱装置4Bは、カンチレバー1の表面F2に通電加熱してもよい。例えば、加熱装置4は、抵抗体41c、第1の電極42c、第2の電極43c、及び電圧印加部44cを備える。ただし、この場合には、抵抗体41c、第1の電極42c、第2の電極43cは、カンチレバー1の裏面F1に設けられる。また、加熱装置4Bは、電磁誘導によりカンチレバー1の表面F2に誘導電流を発生させてカンチレバー1を通電加熱してもよい。例えば、加熱装置4は、電流回路41d、第1の電極42d、第2の電極43d、及び電圧印加部44dを備える。ただし、この場合には、電流回路41dは、カンチレバー1の裏面F1に設けられる。
次に、第2の実施形態に係る制御装置5Bについて、説明する。
図1に示すように、制御装置5Bは、判定部6、制御部7B、及び測定部8を備える。
制御部7Bは、プローブ1aと試料Sとの相対的な移動量を制御する。ここで、走査型プローブ顕微鏡Bは、第1の実施形態と同様に、試料表面における、予め設定された複数の測定点のみにおいて、プローブ1aを接触させることで、試料表面を間欠的に走査する間欠的測定方法を用いる。したがって、制御部7Bは、プローブ1aを測定位置に接近させる接近動作と、プローブ1aと試料Sとを引き離す引離し動作と、プローブ1aを次の測定位置の上空まで移動させる移動動作と、のそれぞれの動作を制御する。
以下に、第2の実施形態に係る制御部7Bの構成について説明する。制御部7Bは、駆動部71及び加熱制御部72Bを備える。
加熱制御部72Bは、加熱装置4Bの出力を制御する。具体的には、加熱制御部72Bは、加熱装置4Bの出力を制御することで、カンチレバー1の温度変化によるたわみを制御する。
例えば、加熱制御部72Bは、加熱装置4Bに加熱信号を出力することで、加熱装置4Bを駆動する。これにより、カンチレバー1の裏面F1は、加熱装置4により加熱され、熱変形として熱膨張する(カンチレバー1が試料Sから離れる方向にたわむ)。一方、加熱制御部72Bは、加熱装置4Bに対する加熱信号の出力を停止することで、加熱装置4の駆動を停止させる。これにより、カンチレバー1に対する加熱装置4Bの加熱が停止され、カンチレバー1の表面F2は、熱変形として収縮する(カンチレバー1が試料Sから離れる方向にたわむ)。
以下に、第2の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Bの間欠的測定方法の流れについて、図9を用いて説明する。なお、初期条件として、所定の測定点における測定下降位置にプローブ1aが位置している場合とする。
まず、制御部7Bは、接近動作を開始する前に、カンチレバー1の裏面F1を加熱して熱変形させる。すなわち、加熱制御部72Bは、カンチレバー1を熱変形させるように加熱装置4Bの出力を制御する(ステップS201)。
具体的には、加熱制御部72Bは、加熱装置4Bに駆動信号を出力する。加熱装置4Bは、加熱制御部72Bから駆動信号を取得すると、カンチレバー1の裏面F1を加熱する。これにより、カンチレバー1の裏面F1が加熱膨張し、カンチレバー1は、表面F2側に向かって下方(−Z)に曲がるように熱変形する。
駆動部71は、カンチレバー1が表面F2側に向かって下方(−Z)に熱変形した状態で、接近動作信号をZ方向駆動装置21に出力することで接近動作を開始する(ステップS202)。
判定部6は、駆動部71により接近動作が開始された場合には、光検出部32から出力される第1検出信号及び第2検出信号に基づいて、プローブ1aが試料表面に接触したか否かを判定する接触判定処理を実行する(ステップS203)。なお、第2の実施形態に係る接触判定処理は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
駆動部71は、上記接触判定処理により、プローブ1aが試料表面に接触したと判定した場合には、接近動作信号の出力を停止して、接近動作を停止する(ステップS204)。この場合には、プローブ1aが試料表面に接触しているため、カンチレバーに一定以上のねじれやたわみが生じている。そして、測定部8は、接近動作が停止された状態で相対距離を測定することで、試料表面の凸凹形状を測定する(ステップS205)。
制御部7Bは、測定部8による相対距離の測定が完了した場合には、カンチレバー1への加熱を停止させるように加熱装置4Bの出力を制御して、引離し動作を開始する(ステップS206)。
具体的には、加熱制御部72Bは、引離し動作を開始するにあたり、加熱装置4Bに対する駆動信号の出力を停止する。したがって、加熱装置4Bは、加熱制御部72Bからの駆動信号が消失すると、カンチレバー1の裏面F1への加熱を停止する。これにより、膨張していたカンチレバー1の裏面F1が収縮し、カンチレバー1は、裏面F1側に向かって上方(+Z)に熱変形する。したがって、この熱変形により引離し動作(第1の引離し動作)が開始される。
ここで、カンチレバー1の熱変形による引離し動作(第1の引離し動作)の応答速度は、Z方向駆動装置21(微動機構)による引離し動作(第2の引離し動作)の応答速度よりも圧倒的に速い。そのため、本実施形態では、Z方向駆動装置21ではなく、温度が低下することによるカンチレバー1の熱変形を利用して引離し動作を開始することで、試料表面における凸凹形状の測定時間を短縮化する。
裏面F1の温度が低下することによってカンチレバー1が熱変形し、この熱変形により第1の引離し動作の開始と同時に、駆動部71は、離し動作信号をZ方向駆動装置21に出力することで、試料Sをプローブ1aから引き離す方向に動作させる第2の引離し動作を開始する(ステップS207)。なお、両方の引離しを同時に始動しても、応答の速い熱変形の引離しが先行し、応答の遅い微動機構の引離しが後から追従する動きとなる。上記両方の引離し動作は、一定時間実行され、その後終了する(ステップS208)。この一定時間とは、Zの微動機構が応答し、熱変形した変形量と同等以上となるタイミングまでである。
制御部7Bは、引離し動作が停止されると、XYスキャナー22に駆動信号を出力することで、次の測定位置の直上に位置する測定下降位置にプローブ1aを移動させる(ステップS209)。そして、制御部7Bは、次の測定位置においてもステップS201からステップS210の動作を行う。すなわち、走査型プローブ顕微鏡Bは、試料Sの各測定点に対応して、ステップS201からステップS209の動作を行うことで、試料表面を間欠的に走査する。
上述したように、第2の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Bは、カンチレバー1を熱変形させることにより引離し動作を実行する。これにより、走査型プローブ顕微鏡Bは、測定時間の大幅な短縮という第1の実施形態と同様の効果を奏する。
また、走査型プローブ顕微鏡Bにおいては、例えば、カンチレバー1は、裏面F1の膨張係数が表面F2の熱膨張係数よりも大きくなるように構成されてもよい。これにより、カンチレバー1において加熱される裏面F1の温度勾配による熱膨張だけでなく、バイメタル的な効果により、引離し動作が増強され、速く長い距離の引離し動作が可能となる。なお、この場合には、カンチレバー1の裏面F1を加熱するのではなく、カンチレバー1の全体を加熱してもよい。
また、第2の実施形態に係るカンチレバー1は、単一材料(例えば、Si)で構成されてもよいし、裏面F1及び表面F2が膨張係数の異なる材料で構成されてもよい。例えば、第2の実施形態に係るカンチレバー1は、裏面F1の熱膨張係数が表面F2の膨張係数よりも大きくなるように構成されてもよい。例えば、カンチレバー1の裏面F1に表面F2よりも大きい熱膨張係数を有する良導体の層が形成されることで、裏面F1が表面F2よりも熱膨張係数が大きくなるように設定されてもよい。具体的には、裏面F1がAlで形成され、表面F2がSiで形成される。
また、加熱制御部72Bは、引離し動作を開始するにあたり、加熱装置4Bに対する駆動信号の出力を停止したが、これに限定されない。例えば、加熱制御部72Bは、引離し動作を開始するにあたり、加熱装置4Bの出力を停止させるのではなく、加熱装置4Bの出力を接近動作時よりも下げればよい。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Cについて、図面を用いて説明する。第3の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Cは、加熱装置4を設けず、光照射部31でカンチレバー1を熱変形させる点で上記実施形態と相違する。
図10は、第3の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Cの概略構成の一例を示す図である。図10に示すように、走査型プローブ顕微鏡Cは、カンチレバー1、移動駆動部2、変位検出部3、及び制御装置5Cを備えている。
制御装置5Cは、判定部6、制御部7C、及び測定部8を備える。
制御部7Cは、光照射部31の照射強度を制御する。
また、制御部7Cは、プローブ1aと試料Sとの相対的な移動量を制御する。ここで、走査型プローブ顕微鏡Cは、第1の実施形態と同様に、試料表面における、予め設定された複数の測定点のみにおいて、プローブ1aを接触させることで、試料表面を間欠的に走査する間欠的測定方法を用いる。したがって、制御部7Cは、プローブ1aを測定位置に接近させる接近動作と、プローブ1aと試料Sとを引き離す引離し動作と、プローブ1aを次の測定位置の上空まで移動させる移動動作と、のそれぞれの動作を制御する。
以下に、第3の実施形態に係る制御部7Cの構成について説明する。制御部7Cは、駆動部71及びレーザ制御部72Cを備える。
レーザ制御部72Cは、光照射部31の出力を制御することで、光照射部31から照射されるレーザ光L1の照射強度を制御する。ここで、光照射部31は、カンチレバー1の裏面(第1の面)F1にレーザ光L1を照射する。したがって、カンチレバー1の裏面F1は、このレーザ光L1により加熱される。そのため、レーザ制御部72Cは、レーザ光L1の照射強度を強めたり弱めたりすることで、カンチレバー1の裏面F1の温度を変化させ、熱変形させることができる。すなわち、レーザ制御部72Cは、光照射部31の出力を制御することで、カンチレバー1の温度変化によるたわみを制御する。
次に、第3の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Cの間欠的測定方法の流れについて、図11を用いて説明する。なお、初期条件として、所定の測定点における測定下降位置にプローブ1aが位置している場合とする。
レーザ制御部72Cは、光照射部31の出力を制御し、光照射部31から照射されるレーザ光L1の照射強度を第1の照射強度に制御する(ステップS301)。これにより、光照射部31から照射された第1の照射強度のレーザ光L1は、カンチレバー1の裏面F1で反射して光検出部32の受光面33の中心付近に入射する。さらに、カンチレバー1の裏面F1は、この光照射部31から照射された第1の照射強度のレーザ光L1により加熱される。これにより、カンチレバー1の裏面F1が加熱膨張し、当該カンチレバー1は、表面F2側に向かって下方(−Z)に曲がるように熱変形する。
駆動部71は、カンチレバー1が表面F2側に向かって下方(−Z)に熱変形した状態で、接近動作信号をZ方向駆動装置21に出力することで接近動作を開始する(ステップS302)。
判定部6は、駆動部71により接近動作が開始された場合には、光検出部32から出力される第1検出信号及び第2検出信号に基づいて、プローブ1aが試料表面に接触したか否かを判定する接触判定処理を実行する(ステップS303)。なお、第3の実施形態に係る接触判定処理は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
駆動部71は、上記接触判定処理により、プローブ1aが試料表面に接触したと判定した場合には、接近動作信号の出力を停止して、接近動作を停止する(ステップS304)。この場合には、プローブ1aが試料表面に接触しているため、カンチレバーに一定以上のねじれやたわみが生じている。そして、測定部8は、接近動作が停止された状態で相対距離を測定することで、試料表面の凸凹形状を測定する(ステップS305)。
レーザ制御部72Cは、測定部8による相対距離の測定が完了した場合には、光照射部31の出力を制御して、光照射部31から照射されるレーザ光L1の照射強度を第1の照射強度から第2の照射強度に弱める。すなわち、レーザ制御部72Cは、引離し動作を開始するにあたり、光照射部31から照射されるレーザ光L1の照射強度を第1の照射強度から第2の照射強度に弱める。これにより、膨張していたカンチレバー1の裏面F1は温度が低下することで収縮する。すなわち、カンチレバー1は、裏面F1側に向かって上方(+Z)に熱変形する。したがって、この熱変形により引離し動作(第1の引離し動作)が開始される(ステップS306)。
ここで、カンチレバー1の熱変形による引離し動作(第1の引離し動作)の応答速度は、Z方向駆動装置21(微動機構)による引離し動作(第2の引離し動作)の応答速度よりも圧倒的に速い。そのため、本実施形態では、Z方向駆動装置21ではなく、温度が低下することによるカンチレバー1の熱変形を利用して引離し動作を開始することで、試料表面における凸凹形状の測定時間を短縮化する。
裏面F1の温度が低下することによってカンチレバー1が熱変形し、この熱変形により第1の引離し動作の開始と同時に、駆動部71は、離し動作信号をZ方向駆動装置21に出力することで、試料Sをプローブ1aから引き離す方向に動作させる第2の引離し動作を開始する(ステップS307)。両方の引離しを同時に始動しても、応答の速い熱変形の引離しが先行し、応答の遅い微動機構の引離しが後から追従する動きとなる。上記両方の引離し動作は、一定時間実行され、その後終了する(ステップS308)。この一定時間とは、Zの微動機構が応答し、熱変形した変形量と同等以上となるタイミングまでである。
制御部7Cは、引離し動作が停止されると、XYスキャナー22に駆動信号を出力することで、次の測定位置の直上に位置する測定下降位置にプローブ1aを移動させる(ステップS309)。そして、制御部7Cは、次の測定位置においてもステップS301からステップS310の動作を行う。すなわち、走査型プローブ顕微鏡Cは、試料Sの各測定点に対応して、ステップS301からステップS309の動作を行うことで、試料表面を間欠的に走査する。
上述したように、第3の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Cは、カンチレバー1を熱変形させることにより引離し動作を実行する。これにより、走査型プローブ顕微鏡Cは、測定時間の大幅な短縮という第1の実施形態と同様の効果を奏する。
また、第3の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Cは、加熱装置4を設けずに、光てこの光源である光照射部31でカンチレバー1を熱変形させる。すなわち、走査型プローブ顕微鏡Cでは、光照射部31が加熱用の光照射部4aを兼用することで、光てこの光路とカンチレバー1の加熱用の光路とを両立させる。これにより、カンチレバー1を熱変形させるために加熱装置4を追加することがなく、低コストとなる。
また、第3の実施形態では、カンチレバー1の根本ではなく、カンチレバー1の先端を光で加熱するため、カンチレバー1の裏面F1をより高い温度で温めることができるので、大きな熱変形を発生させることができる。
また、カンチレバー1にレーザ光を照射することで当該カンチレバー1を加熱する場合において、その加熱によりカンチレバー1を熱変形させるために必要な熱量は、カンチレバー1のバネ定数に応じて変化する。したがって、カンチレバー1のバネ定数に応じて光照射部4aから照射するレーザ光の照射強度を決定してもよい。
また、走査型プローブ顕微鏡Cにおいては、例えば、カンチレバー1は、裏面F1の膨張係数が表面F2の熱膨張係数よりも大きくなるように構成されてもよい。これにより、カンチレバー1において加熱される裏面F1の温度勾配による熱膨張だけでなく、バイメタル的な効果により、引離し動作が増強され、速く長い距離の引離し動作が可能となる。なお、この場合には、カンチレバー1の裏面F1を加熱するのではなく、カンチレバー1の全体を加熱してもよい。
例えば、カンチレバー1の裏面F1に弾性レバー部材よりも大きい熱膨張係数を有する良導体の層が形成されることで、裏面F1が表面F2よりも熱膨張係数が大きくなるように設定されてもよい。
また、カンチレバー1の表面F2に弾性レバー部材より小さい熱膨張係数を有する良導体の層が形成されることで、裏面F1が表面F2よりも熱膨張係数が大きくなるように設定されてもよい。
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態の変形例として、光照射部31からカンチレバー1の裏面(第1の面)F1の反射面に対して照射されるレーザ光L1の照射強度を調整する調光用素子91を備えてもよい。この場合においては、調光用素子91でレーザ光L1の照射強度を制御するため、光照射部31の出力は一定でよい。すなわち、第3の実施形態の変形例では、第3の実施形態のようにレーザ制御部72Cにより光照射部31の出力を制御する必要がない。第3の実施形態の変形例に係る走査型プローブ顕微鏡C´と、第3の実施形態の走査型プローブ顕微鏡Cとは、加熱装置4を設けず、光照射部31でカンチレバー1を熱変形させる点では一致する。ただし、第3の実施形態の走査型プローブ顕微鏡Cでは、光照射部31の出力を制御することでレーザ光L1の照射強度を変化させてカンチレバー1を熱変形させることに対して、第3の実施形態の変形例に係る走査型プローブ顕微鏡C´では、光照射部31の出力を一定にして、調光用素子91によりレーザ光L1の照射強度を変化させてカンチレバー1を熱変形させる点で異なる。なお、その他の走査型プローブ顕微鏡C´の間欠測定方法の動作は、走査型プローブ顕微鏡Cの間欠的測定方法の動作と同様である。
具体的には、図12に示すように、走査型プローブ顕微鏡C´は、カンチレバー1、移動駆動部2、変位検出部3、調光用素子91及び制御装置5C´を備えている。
調光用素子91は、光照射部31からカンチレバー1の裏面(第1の面)F1の反射面に対して照射されるレーザ光L1の照射強度を調整するものであって、例えば、音響光学変調器や電気光学変調器である。
制御装置5C´は、判定部6、制御部7C´、及び測定部8を備える。制御部7C´は、駆動部71及びレーザ制御部72C´を備える。
レーザ制御部72C´は、調光用素子91に制御信号を出力することで、調光用素子91を制御して駆動してレーザ光L1の照射強度を調整する。すなわち、調光用素子91は、レーザ制御部72Cからの制御信号を応じて、光照射部31から照射されたレーザ光L1の強度を強めたり弱めたりすることで、カンチレバー1の裏面F1の温度を変化させ、熱変形させることができる。このように、調光用素子91は、光照射部31から照射されたレーザ光L1の強度を制御することで、カンチレバー1の温度変化によるたわみを制御する。
具体的には、調光用素子91は、判定部6によりプローブ1aが試料表面に接触したと判定された後に第1の引離し動作を実行する場合には、レーザ制御部72C´からの制御信号に応じて、光照射部31から照射されたレーザ光L1の照射強度を第1の照射強度から第2の照射強度に弱める。これにより、膨張していたカンチレバー1の裏面F1は温度が低下することで収縮する。すなわち、カンチレバー1は、裏面F1側に向かって上方(+Z)に熱変形する。したがって、第3の実施形態と同様に、この熱変形により第1の引離し動作が開始される。
これにより、第3の実施形態と比較して、より簡易に光照射部31から照射されるレーザ光L1の照射強度を制御することができる。
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Dについて、図面を用いて説明する。第4の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Dは、ピエゾ抵抗素子を用いた自己検知方式によりカンチレバー1の変位を検出する装置であって、当該カンチレバー1に設けられた上記ピエゾ抵抗素子を用いてそのカンチレバー1を熱変形させる点で上記実施形態と相違する。
図13は、第4の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Dの概略構成の一例を示す図である。図13に示すように、走査型プローブ顕微鏡Dは、カンチレバー1、移動駆動部2、変位検出部3D、及び制御装置5Dを備えている。
変位検出部3Dは、カンチレバー1に設けられ、カンチレバー1のたわみ量の変位を検出する。この変位検出部3Dは、光てこ式ではなく、ピエゾ抵抗素子の抵抗値によりカンチレバー1の変位を検出する。以下に、変位検出部3Dの構成について、図14を用いて説明する。
図14に示すように、変位検出部3Dは、ピエゾ抵抗素子31D、第1の電極32D、及び第2の電極33Dを備える。
ピエゾ抵抗素子31Dは、カンチレバー1の表面F2に設けられている。このピエゾ抵抗素子31Dは、カンチレバー1の変位量に応じて抵抗値が変化する。
第1の電極32Dは、カンチレバー1の表面F2に設けられ、ピエゾ抵抗素子31Dの第1端に電気的に接続されている。また、第1の電極32Dは、制御装置5Dに電気的に接続されている。
第2の電極33Dは、カンチレバー1の表面F2に設けられ、ピエゾ抵抗素子31Dの第2端に電気的に接続されている。また、第2の電極33Dは、制御装置5Dに電気的に接続されている。
次に、第4の実施形態に係る制御装置5Dについて、説明する。
図13に示すように、制御装置5Dは、判定部6D、制御部7D、及び測定部8を備える。
判定部6Dは、第1の電極32Dと第2の電極33Dとのそれぞれに接続されている。判定部6Dは、ピエゾ抵抗素子31Dの抵抗値の変化を検出することで、プローブ1aが試料表面に接触したか否かを判定する。すなわち、判定部6Dは、ピエゾ抵抗素子31Dの抵抗値の変化に基づいて接触判定処理を行う。
具体的には、判定部6Dは、第1の電極32Dと第2の電極33Dとの間に電圧が印加されることでピエゾ抵抗素子31Dに流れる電流(以下、「変位検出電流」という。)を検出し、この検出した変位検出電流に基づいて、プローブ1aが試料表面に接触したか否かを判定する。
制御部7Dは、第1の電極32Dと第2の電極33Dとの間に任意の電圧を印加する。
また、制御部7Dは、プローブ1aと試料Sとの相対的な移動量を制御する。ここで、走査型プローブ顕微鏡Dは、第1の実施形態と同様に、試料表面における、予め設定された複数の測定点のみにおいて、プローブ1aを接触させることで、試料表面を間欠的に走査する間欠的測定方法を用いる。したがって、制御部7Dは、プローブ1aを測定位置に接近させる接近動作と、プローブ1aと試料Sとを引き離す引離し動作と、プローブ1aを次の測定位置の上空まで移動させる移動動作と、のそれぞれの動作を制御する。
以下に、制御部7Dの構成について説明する。制御部7Dは、駆動部71及び通電制御部72Dを備える。
通電制御部72Dは、第1の電極32Dと第2の電極33Dとの間に電圧を印加することでピエゾ抵抗素子31Dに通電する。また、通電制御部72Dは、第1の電極32Dと第2の電極33Dとの間に印加する電圧を制御することで、ピエゾ抵抗素子31Dに流れる電流を制御可能である。ここで、ピエゾ抵抗素子31Dは、通電制御部72Dに通電されることで発熱する。すなわち、ピエゾ抵抗素子31Dに通電されることで、カンチレバー1の表面F2は加熱され熱変形する。そのため、通電制御部72Dは、第1の電極32Dと第2の電極33Dとの間に印加する電圧を変化させることで、カンチレバー1の表面F2の温度を変化させ、熱変形させることができる。すなわち、通電制御部72Dは、第1の電極32Dと第2の電極33Dとの間に印加する電圧を制御することで、カンチレバー1の温度変化によるたわみを制御する。
以下に、第4の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Dの間欠的測定方法の流れについて、図15を用いて説明する。なお、初期条件として、所定の測定点における測定下降位置にプローブ1aが位置している場合とする。
通電制御部72Dは、第1の電極32Dと第2の電極33Dとの間に第1の電圧を印加することでピエゾ抵抗素子31Dに通電する(ステップS401)。ここで、第1の電圧を印加することでピエゾ抵抗素子31Dに通電する目的は、カンチレバー1の変位を偏出するための変位検出電流を発生させることであり、カンチレバー1を熱変形させることではない。
駆動部71は、ピエゾ抵抗素子31Dに通電されると、接近動作信号をZ方向駆動装置21に出力することで接近動作を開始する(ステップS402)。
判定部6Dは、駆動部71により接近動作が開始された場合には、ピエゾ抵抗素子31Dに流れる電流を変位検出電流として検出し、この検出した変位検出電流の値に基づいて、プローブ1aが試料表面に接触したか否かを判定する接触判定処理を実行する(ステップS403)。
駆動部71は、判定部6Dによりプローブ1aと試料表面とが接触したと判定された場合には、接近動作信号の出力を停止して、接近動作を停止する(ステップS404)。この場合には、プローブ1aが試料表面に接触しているため、カンチレバーに一定以上のねじれやたわみが生じている。そして、測定部8は、接近動作が停止された状態で相対距離を測定することで、試料表面の凸凹形状を測定する(ステップS405)。
制御部7Dは、測定部8による相対距離の測定が完了した場合には、試料Sとプローブ1aとを引き離す引離し動作を開始する。
具体的には、通電制御部72Dは、第1の電極32Dと第2の電極33Dとの間に第1の電圧よりも高い第2の電圧を印加してピエゾ抵抗素子31Dを通電加熱する。これにより、ピエゾ抵抗素子31Dに変位検出電流よりも大きい電流が流れ、当該ピエゾ抵抗素子31Dは発熱する。したがって、カンチレバー1の表面F2は、ピエゾ抵抗素子31Dの発熱により加熱され、加熱膨張する。その結果、カンチレバー1は、裏面F1側に向かって上方(+Z)に反るように熱変形し、引離し動作が開始される(ステップS406)。
ここで、熱変形の応答速度は、圧電素子の応答速度よりも圧倒的に速い。すなわち、カンチレバー1の熱変形による引離し動作(第1の引離し動作)の応答速度は、Z方向駆動装置21(微動機構)による引離し動作(第2の引離し動作)の応答速度よりも圧倒的に速い。そのため、本実施形態では、Z方向駆動装置21ではなく、ピエゾ抵抗素子31Dを通電加熱することで自己検知型のカンチレバー1を熱変形させ引離し動作(第1の引離し動作)を開始する。これにより、試料表面における凸凹形状の測定時間が短縮する。
カンチレバー1の熱変形による第1の引離し動作の開始と同時に、駆動部71は、離し動作信号をZ方向駆動装置21に出力することで、試料Sをプローブ1aから引き離す方向に動作させる第2の引離し動作を開始する(ステップS407)。両方の引離しを同時に始動しても、応答の速い熱変形の引離しが先行し、応答の遅い微動機構の引離しが後から追従する動きとなる。上記両方の引離し動作は、一定時間実行され、その後終了する(ステップS408)。この一定時間とは、Zの微動機構が応答し、熱変形した変形量と同等以上となるタイミングまでである。
制御部7Dは、第1の引離し動作及び第2の引離し動作が停止されると、XYスキャナー22に駆動信号を出力することで、次の測定位置の直上に位置する測定下降位置にプローブ1aを移動させる(ステップS409)。そして、制御部7Dは、次の測定位置においても、ステップS401からステップS410の動作を行う。すなわち、走査型プローブ顕微鏡Dは、試料Sの各測定点に対応して、ステップS401からステップS409の動作を行うことで、試料表面を間欠的に走査する。
上述したように、第4の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Dは、カンチレバー1を熱変形させることにより引離し動作を実行する。これにより、走査型プローブ顕微鏡Dは、測定時間の大幅な短縮という第1の実施形態と同様の効果を奏する。
また、第4の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Dは、ピエゾ抵抗素子を用いた自己検知方式によりカンチレバー1の変位を検出する装置であって、加熱装置4を設けずに、ピエゾ抵抗素子への通電加熱によりカンチレバー1を熱変形させる。これにより、カンチレバー1を熱変形させるために加熱装置4を追加することがなく、低コストとなる。
また、走査型プローブ顕微鏡Dにおいては、例えば、カンチレバー1は、表面F2の膨張係数が裏面F1の熱膨張係数よりも大きくなるように構成されてもよい。例えば、カンチレバー1の表面F2に裏面F1よりも大きい熱膨張係数を有する良導体の層が形成されることで、表面F2が裏面F1よりも熱膨張係数が大きくなるように設定されてもよい。例えば、裏面F1がSiで形成され、表面F2がAlにより形成される。例えば、表面F2に設けられた変位検出部3Dの配線がAlにより配線されてもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
A 走査型プローブ顕微鏡
1 カンチレバー
2 移動駆動部(微動機構)
3 変位検出部
4 加熱装置
4a 光照射部(第1光照射部)
5 制御装置
6 判定部
7 制御部
8 測定部
31 光照射部(第2光照射部)
31D ピエゾ抵抗素子
32 光検出部
41c 抵抗体
91 調光用素子
F1 裏面(第1の面)
F2 表面(第2の面)

Claims (10)

  1. プローブが取り付けられたカンチレバーを備え、前記プローブを試料表面に間欠的に接触させることで前記試料表面を走査する走査型プローブ顕微鏡であって、
    前記プローブと前記試料表面とを接触させる第1の動作と、前記第1の動作後に前記プローブと前記試料表面とを引離す第2の動作を行う制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記カンチレバーを熱変形させることにより、前記第2の動作を実行することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 前記制御装置は、圧電素子を用いて前記プローブ及び前記試料表面を相対的に移動可能な微動機構を更に備え、
    前記制御装置は、前記カンチレバーの熱変形と、前記微動機構とを併用して前記第2の動作を実行することを特徴とする請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  3. 前記カンチレバーに対して光を照射する第1光照射部を更に備え、
    前記制御装置は、前記第2の動作時において、前記第1光照射部から照射される光の照射強度を制御することで前記カンチレバーを熱変形させることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  4. 前記カンチレバーの第1の面に対してレーザ光を照射する第2光照射部を有し、前記第2光照射部により照射されたレーザ光の反射により前記カンチレバーの変位量を検出する光てこ方式の変位検出部を更に備え、
    前記第2光照射部は、前記第1光照射部を兼用することを特徴とする請求項3に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  5. 前記制御装置は、
    前記第1の動作時において、前記変位検出部により検出された前記カンチレバーの変位量に基づいて、前記プローブと前記試料表面との接触の有無を判定する判定部と、
    前記判定部により前記接触があったことが判定された後に、前記第2光照射部の前記レーザ光の照射強度を前記第1の動作時よりも弱めることで前記カンチレバーを熱変形させて前記第2の動作を実行する制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 前記第2光照射部から前記第1の面に向けて照射された前記レーザ光の照射強度を調整可能な調光用素子を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1の動作時において、前記変位検出部により検出された前記カンチレバーの変位量に基づいて、前記プローブと前記試料表面との接触の有無を判定する判定部と、
    前記判定部により前記接触があったことが判定された後に、前記調光用素子を制御して、前記前記第2光照射部から前記第1の面に向けて照射された前記レーザ光の照射強度を前記第1の動作時よりも弱めることで前記カンチレバーを熱変形させて前記第2の動作を実行する制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  7. 前記カンチレバーは、前記第1の面が前記第1の面とは反対側の第2の面よりも熱膨張係数が大きいことを特徴とする請求項5又は6に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  8. 前記カンチレバーに抵抗体を設け、
    前記制御装置は、前記第2の動作時において、前記抵抗体に通電することで前記カンチレバーを熱変形させることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  9. 前記カンチレバーにピエゾ抵抗素子が設けられ、
    前記制御装置は、
    前記第1の動作時において、前記ピエゾ抵抗素子の抵抗値に基づいて、前記プローブと前記試料表面との接触の有無を判定する判定部と、
    前記判定部により前記接触があったことが判定された後に、前記ピエゾ抵抗素子に対して通電加熱することで前記カンチレバーを熱変形させて前記第2の動作を実行する制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  10. プローブが取り付けられたカンチレバーを備え、前記プローブを試料表面に間欠的に接触させることで前記試料表面を走査する走査型プローブ顕微鏡の走査方法であって、
    前記プローブと前記試料表面とを接触させる第1の動作ステップと、
    前記第1の動作ステップ後に前記プローブと前記試料表面とを引離す第2の動作ステップと、
    を含み、
    第2の動作ステップは、前記カンチレバーの熱変形を利用して、前記プローブと前記試料表面とを引離すことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の走査方法。
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