JP2019168400A - 走査型プローブ顕微鏡及びその走査方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、第1の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Aの概略構成の一例を示す図である。図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡Aは、カンチレバー1、移動駆動部2、変位検出部3、加熱装置4、及び制御装置5を備えている。
Z方向駆動装置21は、試料台Hを水平面に垂直な方向(Z方向)に移動させる。例えば、Z方向駆動装置21は、圧電素子である。
なお、Z方向駆動装置21及びXYスキャナー22は、相対的に3次元形状観察の走査が可能な構成であれば、配置関係は問わない。つまり、カンチレバー走査でも試料走査でも良い。
第1の電極42cは、カンチレバー1の表面F2に設けられ、抵抗体41cの第1端に電気的に接続されている。
第2の電極43cは、カンチレバー1の表面F2に設けられ、抵抗体41cの第2端に電気的に接続されている。
電圧印加部44cは、制御装置5からの加熱信号に基づいて、第1の電極42c及び第2の電極43cの間に所定の電圧を印加し抵抗体41cに電流を流すことで発熱させる。これにより、カンチレバー1が加熱される。
第1の電極42dは、カンチレバー1の裏面F1側に設けられている。
第2の電極43dは、カンチレバー1の表面F2側に設けられている。
電圧印加部44dは、制御装置5からの加熱信号に基づいて、第1の電極42c及び第2の電極43cの間に交流の電圧を印加することで、電流回路41dに誘導電流を発生させて抵抗体に電流を流す。これにより、カンチレバー1の表面F2が加熱される。
なお、第1の電極42dと第2の電極43dとは、電極の変わりに電磁石でもよい。
図1に示すように、制御装置5は、判定部6、制御部7、及び測定部8を備える。
具体的には、駆動部71は、プローブ1aと試料表面とを接触させるために、接近動作信号をZ方向駆動装置21に出力することで、試料Sを上昇させる。これにより、制御部7は、プローブ1aと試料表面とを接近させることができる。
判定部6は、光検出部32から出力される第1検出信号が示すたわみ量が、第1の範囲を超えた場合に、プローブ1aが試料表面に接触したと判定する。また、判定部6は、光検出部32から出力される第2検出信号が示すねじれ量が、第2の範囲を超えた場合に、プローブ1aが試料表面に接触したと判定する。
コンタクトモードで間欠的測定方法を行う走査型プローブ顕微鏡では、各測定位置において接近動作と引離し動作とを実行する。したがって、間欠的測定方法では、連続的にプローブを走査させて試料表面の凸凹形状を測定する方法よりも、その凸凹形状の測定時間が長くなることが問題となる。
以下に、第2の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Bについて、図面を用いて説明する。第2の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Bは、引離し動作を行う場合において、加熱装置4がカンチレバー1の表面F2ではなく、裏面F1を加熱する点で第1の実施形態と相違する。
図1に示すように、制御装置5Bは、判定部6、制御部7B、及び測定部8を備える。
以下に、第3の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Cについて、図面を用いて説明する。第3の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Cは、加熱装置4を設けず、光照射部31でカンチレバー1を熱変形させる点で上記実施形態と相違する。
また、制御部7Cは、プローブ1aと試料Sとの相対的な移動量を制御する。ここで、走査型プローブ顕微鏡Cは、第1の実施形態と同様に、試料表面における、予め設定された複数の測定点のみにおいて、プローブ1aを接触させることで、試料表面を間欠的に走査する間欠的測定方法を用いる。したがって、制御部7Cは、プローブ1aを測定位置に接近させる接近動作と、プローブ1aと試料Sとを引き離す引離し動作と、プローブ1aを次の測定位置の上空まで移動させる移動動作と、のそれぞれの動作を制御する。
第3の実施形態の変形例として、光照射部31からカンチレバー1の裏面(第1の面)F1の反射面に対して照射されるレーザ光L1の照射強度を調整する調光用素子91を備えてもよい。この場合においては、調光用素子91でレーザ光L1の照射強度を制御するため、光照射部31の出力は一定でよい。すなわち、第3の実施形態の変形例では、第3の実施形態のようにレーザ制御部72Cにより光照射部31の出力を制御する必要がない。第3の実施形態の変形例に係る走査型プローブ顕微鏡C´と、第3の実施形態の走査型プローブ顕微鏡Cとは、加熱装置4を設けず、光照射部31でカンチレバー1を熱変形させる点では一致する。ただし、第3の実施形態の走査型プローブ顕微鏡Cでは、光照射部31の出力を制御することでレーザ光L1の照射強度を変化させてカンチレバー1を熱変形させることに対して、第3の実施形態の変形例に係る走査型プローブ顕微鏡C´では、光照射部31の出力を一定にして、調光用素子91によりレーザ光L1の照射強度を変化させてカンチレバー1を熱変形させる点で異なる。なお、その他の走査型プローブ顕微鏡C´の間欠測定方法の動作は、走査型プローブ顕微鏡Cの間欠的測定方法の動作と同様である。
これにより、第3の実施形態と比較して、より簡易に光照射部31から照射されるレーザ光L1の照射強度を制御することができる。
以下に、第4の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Dについて、図面を用いて説明する。第4の実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡Dは、ピエゾ抵抗素子を用いた自己検知方式によりカンチレバー1の変位を検出する装置であって、当該カンチレバー1に設けられた上記ピエゾ抵抗素子を用いてそのカンチレバー1を熱変形させる点で上記実施形態と相違する。
第2の電極33Dは、カンチレバー1の表面F2に設けられ、ピエゾ抵抗素子31Dの第2端に電気的に接続されている。また、第2の電極33Dは、制御装置5Dに電気的に接続されている。
図13に示すように、制御装置5Dは、判定部6D、制御部7D、及び測定部8を備える。
また、制御部7Dは、プローブ1aと試料Sとの相対的な移動量を制御する。ここで、走査型プローブ顕微鏡Dは、第1の実施形態と同様に、試料表面における、予め設定された複数の測定点のみにおいて、プローブ1aを接触させることで、試料表面を間欠的に走査する間欠的測定方法を用いる。したがって、制御部7Dは、プローブ1aを測定位置に接近させる接近動作と、プローブ1aと試料Sとを引き離す引離し動作と、プローブ1aを次の測定位置の上空まで移動させる移動動作と、のそれぞれの動作を制御する。
1 カンチレバー
2 移動駆動部(微動機構)
3 変位検出部
4 加熱装置
4a 光照射部(第1光照射部)
5 制御装置
6 判定部
7 制御部
8 測定部
31 光照射部(第2光照射部)
31D ピエゾ抵抗素子
32 光検出部
41c 抵抗体
91 調光用素子
F1 裏面(第1の面)
F2 表面(第2の面)
Claims (10)
- プローブが取り付けられたカンチレバーを備え、前記プローブを試料表面に間欠的に接触させることで前記試料表面を走査する走査型プローブ顕微鏡であって、
前記プローブと前記試料表面とを接触させる第1の動作と、前記第1の動作後に前記プローブと前記試料表面とを引離す第2の動作を行う制御装置を備え、
前記制御装置は、前記カンチレバーを熱変形させることにより、前記第2の動作を実行することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。 - 前記制御装置は、圧電素子を用いて前記プローブ及び前記試料表面を相対的に移動可能な微動機構を更に備え、
前記制御装置は、前記カンチレバーの熱変形と、前記微動機構とを併用して前記第2の動作を実行することを特徴とする請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 前記カンチレバーに対して光を照射する第1光照射部を更に備え、
前記制御装置は、前記第2の動作時において、前記第1光照射部から照射される光の照射強度を制御することで前記カンチレバーを熱変形させることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 前記カンチレバーの第1の面に対してレーザ光を照射する第2光照射部を有し、前記第2光照射部により照射されたレーザ光の反射により前記カンチレバーの変位量を検出する光てこ方式の変位検出部を更に備え、
前記第2光照射部は、前記第1光照射部を兼用することを特徴とする請求項3に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 前記制御装置は、
前記第1の動作時において、前記変位検出部により検出された前記カンチレバーの変位量に基づいて、前記プローブと前記試料表面との接触の有無を判定する判定部と、
前記判定部により前記接触があったことが判定された後に、前記第2光照射部の前記レーザ光の照射強度を前記第1の動作時よりも弱めることで前記カンチレバーを熱変形させて前記第2の動作を実行する制御部と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 前記第2光照射部から前記第1の面に向けて照射された前記レーザ光の照射強度を調整可能な調光用素子を備え、
前記制御装置は、
前記第1の動作時において、前記変位検出部により検出された前記カンチレバーの変位量に基づいて、前記プローブと前記試料表面との接触の有無を判定する判定部と、
前記判定部により前記接触があったことが判定された後に、前記調光用素子を制御して、前記前記第2光照射部から前記第1の面に向けて照射された前記レーザ光の照射強度を前記第1の動作時よりも弱めることで前記カンチレバーを熱変形させて前記第2の動作を実行する制御部と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 前記カンチレバーは、前記第1の面が前記第1の面とは反対側の第2の面よりも熱膨張係数が大きいことを特徴とする請求項5又は6に記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記カンチレバーに抵抗体を設け、
前記制御装置は、前記第2の動作時において、前記抵抗体に通電することで前記カンチレバーを熱変形させることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 前記カンチレバーにピエゾ抵抗素子が設けられ、
前記制御装置は、
前記第1の動作時において、前記ピエゾ抵抗素子の抵抗値に基づいて、前記プローブと前記試料表面との接触の有無を判定する判定部と、
前記判定部により前記接触があったことが判定された後に、前記ピエゾ抵抗素子に対して通電加熱することで前記カンチレバーを熱変形させて前記第2の動作を実行する制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - プローブが取り付けられたカンチレバーを備え、前記プローブを試料表面に間欠的に接触させることで前記試料表面を走査する走査型プローブ顕微鏡の走査方法であって、
前記プローブと前記試料表面とを接触させる第1の動作ステップと、
前記第1の動作ステップ後に前記プローブと前記試料表面とを引離す第2の動作ステップと、
を含み、
第2の動作ステップは、前記カンチレバーの熱変形を利用して、前記プローブと前記試料表面とを引離すことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡の走査方法。
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