JP2007085332A - 燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料タンクより燃料フィルタを介して燃料を吸上げる入口部に、過大な負圧が発生するのを抑制することを目的とする。
【解決手段】駆動軸21に回転力を得て、燃料を吸入し、予備加圧する予備圧送部22と、予備圧送部より吐出の燃料を吸入および高圧に圧縮する燃料加圧室28、駆動軸の回転により回転するカム21c、およびカムの回転により往復移動され、一端が燃料加圧室に臨むプランジャ27aを有し、フィード燃料を更に高圧に圧送する加圧部27と、フィード燃料の一部が供給されるカム室35と、加圧部より燃料噴射装置へ吐出した燃料のうち余剰の第1の余剰燃料、およびカム室よりの第2の余剰燃料を回収する余剰燃料回収路15、46、16とを備え、燃料タンク10と予備圧送部22との間の配管途中に燃料フィルタ6を設ける燃料供給装置において、その間の燃料圧力が所定以下時に、余剰燃料をその間に供給する余剰燃料供給手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料供給装置に関し、例えば内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射装置の、燃料タンクから汲み上げた燃料を所定の圧力で圧送する燃料供給系に適用して好適なものである。
従来、燃料供給装置としては、例えば内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射装置において、低圧ポンプと高圧ポンプとを備え、燃料タンクから低圧ポンプにて燃料を汲み上げ、高圧ポンプにその燃料を供給し、その燃料を高圧ポンプにてさらに加圧することにより、内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁へ、燃料噴射圧相当の高圧燃料を供給する燃料噴射ポンプが知られている(特許文献1)。
この種の燃料噴射ポンプにおいて、高圧ポンプと低圧ポンプは、内燃機関などの駆動源の回転力を得て駆動される駆動軸で駆動されている。
高圧ポンプは、燃料噴射圧相当の高圧燃料を吐出するために、駆動軸の回転とともに回転するカムにより往復移動するプランジャを備えており、プランジャの一端に接するように、燃料加圧室と、他端に、駆動軸とカムを収容するカム室が配置されている。カム室内には、低圧ポンプにより加圧される燃料の一部が絞りを介して供給されており、このカム室内の燃料で、プランジャを高圧圧送するカムを燃料潤滑している。
低圧ポンプにより加圧される燃料は、レギュレートバルブなどの圧力調整装置により所定圧(以下、フィード圧と呼ぶ)に調圧され、燃料加圧室へ供給される。
なお、一般に、低圧ポンプの燃料入口側と、燃料タンクとの間の配管途中には、燃料中の異物等を除去するための燃料をろ過する燃料フィルタが設けられている。
特開2000−240531号公報
従来技術では、低圧ポンプと燃料タンクとの配管途中に燃料フィルタが設けられているため、燃料フィルタの状態や配管方法等の原因により、低圧ポンプの入口側で過大な負圧が発生するおそれがある。
この入口側に過大な負圧が作用すると、低圧ポンプより吐出される燃料のフィード圧が異常脈動する可能性があり、場合によっては、高圧ポンプで更に加圧される燃料吐出量のばらつき発生などの性能低下や、圧力調整装置などが故障するという燃料供給装置の性能低下や故障に繋がる要因となる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、燃料タンクより燃料フィルタを介して燃料を吸上げる入口部に、フィード圧の異常脈動要因となる過大な負圧が発生するのを抑制することを目的とする。
また、別の目的は、燃料タンクより燃料フィルタを介して燃料を吸上げる入口部に、フィード圧の異常脈動要因となる過大な負圧が発生するのを抑制するとともに、供給する燃料の過昇温を防止可能な燃料供給装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。
即ち、請求項1乃至18に記載の発明では、内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射装置に用いられ、
駆動軸に回転力を得て、燃料を吸入し、予備加圧する予備圧送部と、
予備圧送部より吐出される燃料を吸入および高圧に圧縮する燃料加圧室、駆動軸の回転により回転するカム、およびカムの回転により往復移動され、一端が前記燃料加圧室に臨むプランジャを有し、予備圧送部より吐出される燃料を更に高圧に圧送する加圧部と、
予備圧送部から吐出される燃料の一部が供給され、駆動軸およびカムを収容するカム室と、
予備圧送部より吐出する燃料のフィード圧力を調整する圧力調整装置と、
加圧部より燃料噴射装置へ吐出した燃料のうち燃料噴射装置で余剰の第1の余剰燃料、およびカム室よりオーバーフロする第2の余剰燃料を回収する余剰燃料回収路とを備え、
予備圧送部が吸入燃料として汲み上げる燃料タンクと、予備圧送部との間の配管途中に燃料フィルタを設ける燃料供給装置において、
燃料フィルタと予備圧送部との間の燃料圧力が所定以下になったときに、余剰燃料を燃料フィルタと予備圧送部との間に供給する余剰燃料供給手段を備えていることを特徴とする。
これによると、燃料フィルタと予備圧送部との間の燃料圧力が所定以下になったときに、余剰燃料を燃料フィルタと予備圧送部との間に供給する余剰燃料供給手段を有するので、燃料フィルタと予備圧送部との間つまり予備圧送部の入口の燃料圧力が過大な負圧になった場合、余剰燃料供給手段で正圧の余剰燃料を予備圧送部の入口へ導くことにより、負圧を解消することが可能である。
したがって、燃料タンクより燃料フィルタを介して燃料を吸上げる予備圧送部の入口に、フィード圧の異常脈動要因となる所定圧を超える負圧が発生するのを抑制できる。
また、請求項3に記載の発明では、余剰燃料供給手段は、余剰燃料の圧力と、燃料フィルタと予備圧送部との間の燃料圧力との差圧に応じて開閉する弁を有しており、この弁は、余剰燃料回収路より燃料フィルタと予備圧送部との間へ分岐する経路に設ける逆止弁であることを特徴とする。
これによると、余剰燃料供給手段として、余剰燃料回収路より燃料フィルタと予備圧送部との間へ分岐する経路(以下、余剰燃料還流経路と呼ぶ)に、余剰燃料の圧力と、予備圧送部の入口の燃料圧力との差圧に応じて開閉する逆止弁を設けるので、予備圧送部の入口の燃料圧力が過大な負圧になった場合、負圧解消のために正圧の余剰燃料を予備圧送部の入口へ導く安価な構造を提供できる。
また、請求項4に記載の発明では、余剰燃料供給手段は、大気圧と、燃料フィルタと予備圧送部との間の燃料圧力との差圧に応じて開閉する弁を有しており、この弁を、余剰燃料回収路より燃料フィルタと予備圧送部との間へ分岐する経路に設けていることを特徴とする。
これによると、余剰燃料供給手段として、余剰燃料還流経路に、大気圧と、予備圧送部の入口の燃料圧力との差圧に応じて開閉する弁を設けるので、大気圧と比較することで予備圧送部の入口の負圧状態を精度よく検出できるとともに、予備圧送部の入口が過大な負圧になった場合、負圧解消のために正圧の余剰燃料を予備圧送部の入口へ速やかに導く構造を提供できる。
さらに、余剰燃料の圧力が変動した場合であっても、その影響を受けない。
また、請求項5に記載の発明では、余剰燃料供給手段は、圧力または差圧に応じて開閉可能な電磁弁を有し、この弁を、余剰燃料回収路より燃料フィルタと予備圧送部との間へ分岐する経路に設けていることを特徴とする。
これによると、余剰燃料還流経路に、圧力または差圧に応じて開閉駆動する電磁弁を設けるので、予備圧送部の入口の燃料圧力を直接負圧検知し、または余剰燃料の圧力もしくは大気圧との差圧により間接的に負圧検知して電磁弁を駆動制御することにより、負圧解消のために正圧の余剰燃料を予備圧送部の入口へ導くことができる。
また、請求項6に記載の発明では、余剰燃料回収路より燃料フィルタと予備圧送部との間へ分岐する経路に、絞りを設けていることを特徴とする。
これによると、余剰燃料還流経路に、流れを制限する絞りを設けていることが好ましい。
一般に、予備圧送部および加圧部を有する燃料噴射装置は、予備圧送部で燃料タンクより汲み上げた燃料をフィード圧で吐出し、このフィード圧の燃料を加圧部で更に高圧圧送するため、加圧部より吐出する燃料は燃料タンク内の燃料に比べて昇温する。余剰燃料を燃料タンクへ戻さずに、再び予備圧送部で吐出する燃料に使用する場合、場合によっては過昇温になるおそれがある。
これに対して請求項6に記載の発明では、負圧解消のために余剰燃料還流経路を介して予備圧送部の入口へ還流する余剰燃料の還流量を、絞りによって制限することができるので、予備圧送部等より吐出する燃料の過昇温防止が図れる。
また、請求項7に記載の発明では、弁内には、経路に流れる燃料の流れを制限する絞りが設けられていることを特徴とする。
これにより、上記余剰燃料の還流流れを制限する絞りを、弁内に設けることができる。
また、請求項8に記載の発明では、弁は、経路を介して燃料フィルタと予備圧送部との間へ流れる燃料流量を制御する弁体を備え、弁体には、その燃料流量の上限を規制する上限流量規制部材が設けられていることを特徴とする。
これにより、上記予備圧送部の入口へ還流する余剰燃料の還流量を制限する方法として、弁体に、その燃料流量の上限を規制する上限流量規制部材を設けるように構成することができる。
また、請求項9に記載の発明では、余剰燃料供給手段は、余剰燃料を燃料フィルタと予備圧送部との間へ供給したときに、内燃機関を搭載する車両の乗員に警告する報知手段を備えていることを特徴とする。
これによると、余剰燃料供給手段は、余剰燃料を燃料フィルタと予備圧送部との間へ供給したときに、内燃機関を搭載する車両の乗員に警告する報知手段を備えていることが好ましい。これにより、乗員に車両修理工場等への車両点検および修理を促すことができるので、予備圧送部の入口が過大な負圧となる原因の、燃料フィルタの状態や配管方法を、正常な状態に速やかに戻すことが可能である。
また、請求項10に記載の発明では、余剰燃料回収路は、第1の余剰燃料が流れる第1余剰燃料回収路と、第2の余剰燃料が流れる第2余剰燃料回収路とを備え、
経路は、第1余剰燃料回収路と第2余剰燃料回収路とが合流する前の、第2余剰燃料回収路より分岐していることを特徴とする。
これによると、余剰燃料還流経路は、第1余剰燃料回収路と第2余剰燃料回収路とが合流する前の、第2余剰燃料回収路より分岐しているので、予備圧送部より吐出する燃料が供給されているカム室の第2の余剰燃料を優先して余剰燃料還流経路へ還流させられる。
したがって、加圧部より吐出し、燃料噴射装置で余剰となった第1の余剰燃料より、予備圧送部より吐出し、カム室で余剰となった第2の余剰燃料を優先するので、予備圧送部等より吐出する燃料の過昇温防止が図れる。
また、請求項11に記載の発明では、余剰燃料回収路は、第1の余剰燃料が流れる第1余剰燃料回収路と、第2の余剰燃料が流れる第2余剰燃料回収路とを備え、
経路は、第2余剰燃料回収路の少なくとも一部であることを特徴とする。
これによると、余剰燃料還流経路は、第2余剰燃料回収路の一部または全部に限定するので、燃料噴射装置で余剰となった第1の余剰燃料が還流することはない。したがって、予備圧送部等より吐出する燃料の過昇温防止が図れる。
また、請求項12に記載の発明では、余剰燃料回収路は、第1の余剰燃料が流れる第1余剰燃料回収路と、第2の余剰燃料が流れる第2余剰燃料回収路とを備え、
経路は、第1余剰燃料回収路と第2余剰燃料回収路とが合流した後に分岐していることを特徴とする。
これによると、余剰燃料還流経路へ還流する還流量は、第1の余剰燃料と第2の余剰燃料を加算した燃料量まで供給可能である。したがって、予備圧送部の入口の燃料圧力が過大な負圧になった場合、比較的大流量の余剰燃料を予備圧送部の入口へ導くことができるため、負圧を効果的に解消することが可能である。
また、請求項13に記載の発明では、経路と、第1余剰燃料回収路との間には、第1の余剰燃料が経路へ流れるのを制限する制限弁が設けられていることを特徴とする。
これにより、予備圧送部等より吐出する燃料の過昇温防止が図れる。
また、請求項14乃至17に記載の発明では、予備圧送部より吐出された燃料をろ過する第2の燃料フィルタとを備えていることを特徴とする。
予備圧送部の吸入側に燃料フィルタを配置すると、燃料フィルタに作用する燃料圧力(通過圧力)が比較的小さい。このような燃料フィルタでは、例えば低温時に燃料の粘性が高くなってワックス化すると、燃料フィルタが目詰まりして、流量不足となるおそれがあるため、予備圧送部から圧送部へ十分な燃料量を供給するとともに、高いろ過性能を確保することが難しい場合がある。
これに対して請求項14乃至17に記載の発明では、予備圧送部の吐出側にも第2の燃料フィルタを配置する。これにより、予備圧送部の吸入側の燃料フィルタは、予備圧送部の保護目的程度のろ過性能であればよいため、例えば低温時に燃料の粘性が高くなってワックス化した場合であっても、燃料フィルタの目詰まり防止が図れる。さらに、第2の燃料フィルタは、予備圧送部の吐出燃料の正圧が作用するため、上記燃料フィルタに比べて通過圧力を大きくできるので、ワックス化した場合であっても容易に目詰まりすることはなく、圧送部に十分な燃料量を供給するとともに、高いろ過性能を確保することができる。
また、請求項16に記載の発明では、予備圧送部と第2の燃料フィルタとの間にリリーフ弁が設けられ、リリーフ弁は、第2の燃料フィルタに作用する燃料圧力が所定値を越えると開弁し、第2の燃料フィルタに作用する燃料圧力を逃がすことを特徴とする。
これによると、リリーフ弁が開弁すると、第2の燃料フィルタに作用する燃料圧力が開放されるため、第2の燃料フィルタに過大な燃料圧力が作用することを防止できる。
また、請求項17に記載の発明では、予備圧送部から第2の燃料フィルタへ供給された燃料のうちリリーフ弁より流出する第3の余剰燃料を、余剰燃料回収路に回収する余剰燃料とし、
余剰燃料供給手段は、第3の余剰燃料を、燃料フィルタと予備圧送部との間の燃料圧力が所定以下になったときに燃料フィルタと予備圧送部との間に供給することを特徴とする。
これによると、予備圧送部の入口の燃料圧力が過大な負圧になった場合、第2の燃料フィルタで生じた正圧の余剰燃料を予備圧送部の入口へ導くことによっても、負圧を解消することが可能である。
また、請求項18に記載の発明では、燃料噴射装置は、内燃機関の気筒に設けられ、燃料を噴射する燃料噴射弁と、加圧部と燃料噴射弁の間に配置され、内燃機関の気筒に設けられた燃料噴射弁に分配するコモンレールとを備え、第1の余剰燃料は、燃料噴射弁およびコモンレールのうちの少なくともいずれかよりの余剰燃料であることを特徴とする。
これによると、燃料噴射装置は、内燃機関の気筒に設けられ、燃料を噴射する燃料噴射弁と、加圧部と燃料噴射弁の間に配置され、内燃機関の気筒に設けられた燃料噴射弁に分配するコモンレールとを備え、第1の余剰燃料は、燃料噴射弁およびコモンレールのうちの少なくともいずれかよりの余剰燃料が供給されている。
以下、本発明の燃料供給装置を、蓄圧式燃料噴射装置に適用して具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は、実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。図2は、図1中の予備圧送部と燃料フィルタとの間に余剰燃料を供給する弁周りを示す図であって、その余剰燃料還流弁の構成を示す断面図である。
図1に示すように、蓄圧式燃料噴射装置1は、燃料噴射圧相当(以下、コモンレール圧)の高圧燃料を蓄圧する蓄圧器としてのコモンレール3と、図示しないディーゼルエンジン(以下、エンジン)の各気筒に設けられ、その気筒に、コモンレール3より分配される燃料を噴射供給する燃料噴射弁5と、燃料噴射弁5を駆動制御する制御手段としてのECU9とを備えている。
なお、図1においては、4気筒のエンジンに対応する燃料噴射弁5および、これらの燃料噴射弁5に高圧燃料を分配供給するコモンレール3が図示されている。図中に示す細い実線は、ECU9に入力される入力信号や出力される駆動信号などの出力信号を示す電気信号配線を示しており、図中に示す太い実線は、燃料噴射装置3、5および燃料供給装置2、6、10を構成する構成部材間を接続する燃料経路を示している。
ECU9は、エンジン状態に応じた最適な噴射時期、噴射量(噴射期間)を決定し、各燃料噴射弁5を駆動する。コモンレール3に設けた圧力検出手段としての圧力センサ7からの検出信号に基づいてコモンレール3への吐出量を決定し、燃料噴射ポンプ2に制御信号を出力し、コモンレール圧を制御する。
コモンレール3に蓄圧される高圧燃料は、燃料噴射ポンプ2からなる燃料供給装置2、6より高圧燃料配管12を介して供給されている。また、燃料噴射ポンプ2により吐出され、コモンレール3および燃料噴射弁5に供給された高圧燃料のうちの余剰燃料は、燃料回収配管15を介して低圧燃料配管系の燃料タンク10へ戻される。
なお、燃料噴射ポンプ2からなる燃料供給装置2、6の詳細については後述する。
コモンレール3は、図示しない燃料回収配管15への流路を開閉する減圧弁を有しており、例えば減速時等に速やかにコモンレール圧を減圧可能としている。また、高圧燃料配管12の途中には、プレッシャリミッタ(図示せず)が設けられている。このプレッシャリミッタは圧力安全弁であり、コモンレール3内の燃料圧が限界設定圧を超える場合に開弁するように構成され、コモンレール3内の燃料圧を限界設定圧以下に抑える。
次に、燃料供給装置2、6を、図1および図2に従って説明する。燃料供給装置2、6は、図1に示すように、予備圧送部としての低圧ポンプ22と加圧部としての高圧ポンプ27を有する燃料噴射ポンプ2と、燃料噴射ポンプ2(詳しくは低圧ポンプ22)の入口と燃料タンク10との間に設けられる燃料フィルタ6とを備えている。燃料フィルタ6は、燃料タンク10より汲み上げる燃料中に含まれる異物を除去するために、燃料をろ過する装置である。
なお、一般に、燃料フィルタ6内は、燃料をろ過するためのろ過材料(図示せず)が設けられており、燃料フィルタ6の下流の吸入燃料配管11および吸入燃料経路46、特に低圧ポンプ22の入口側近傍の吸入燃料経路41に負圧発生が生じ易い。燃料フィルタ6のろ過材料が目詰まり等を起こすと、低圧ポンプ22の入口の吸入燃料経路41内の燃料圧力が過大な負圧となり、燃料中に気泡が発生する。燃料中に気泡が発生すると、低圧ポンプ22より吐出のフィード圧が異常脈動するなどの燃料噴射ポンプ2の性能低下や故障を招ねくおそれがある。
なお、本発明の低圧ポンプ22と燃料フィルタ6の間で過大な負圧が発生した場合に、負圧解消のため、余剰燃料をその間に供給する余剰燃料供給手段については後述する。
また、図1に示すように、燃料供給装置2、6は、高圧ポンプ27より吐出し、コモンレール3を介して燃料噴射弁5に供給された、燃料噴射のための高圧燃料のうち、コモンレール3や燃料噴射弁5で余剰となった余剰燃料(以下、第1の余剰燃料と呼ぶ)、およびカム室35でオーバーフロする余剰燃料(以下、第2の余剰燃料と呼ぶ)を、燃料タンク10へ回収する余剰燃料回収路15、46、16を備えている。
余剰燃料回収路15、46、16は、第1の余剰燃料が燃料タンク10へ向かって流れる燃料回収配管15と、第2の余剰燃料が燃料タンク10へ向かって流れる、カム室オーバーフロ燃料回収経路46および燃料回収配管16とを含んで構成されている。カム室オーバーフロ燃料回収経路46は、図1に示すように、燃料噴射ポンプ2内に形成されており、燃料噴射ポンプ2の外側に配置されている燃料回収配管16に接続している。
なお、ここで、燃料回収配管15は、第1の余剰燃料が流れる第1余剰燃料回収路を構成する。カム室オーバーフロ燃料回収経路46および燃料回収配管16は、第2の余剰燃料が流れる第2余剰燃料回収路を構成する。
第1の余剰燃料および第2の余剰燃料は、低圧燃料配管系の燃料タンク10に向かって流れる燃料であるから、燃料タンク10内に貯留されている燃料の圧力にほぼ等しく、大気圧程度の正圧である。なお、燃料タンク10内はその構造上から、大気圧にほぼ等しい正圧になるように設定されている。
燃料噴射ポンプ2は、図1に示すように、低圧ポンプ22と、高圧ポンプ27と、低圧ポンプ22と高圧ポンプ27を駆動源としてのエンジンの回転力を得て駆動する駆動軸21と、低圧ポンプ22の出口より吐出するフィード燃料を所定圧(以下、フィード圧)に調整する圧力調整装置としてのレギュレートバルブ23と、低圧ポンプ22より吐出されるフィード燃料の一部が減圧されて供給されるカム室35と、これらを収容するハウジング31とを備えている。
駆動軸21は、軸受けを介してハウジング31に回転可能に支持されている。ハウジング31と駆動軸との間には、図示しないオイルシールがハウジングに保持されており、このオイルシールでハウジング31と駆動軸との間をシールしている。断面円形状のカム21cは駆動軸21に対して偏心して一体形成されている。
駆動軸21の両端部21a、21bのうち一端部(図中の右端部)21aには、図示しないプーリやギヤ(本実施例ではギヤ)が取付けられており、ギヤやタイミングベルト等の伝達力伝達部材を介してエンジンのクランク軸と同期して回転するように構成されている。なお、ギヤ同士でエンジンの回転力が伝達される構成に限らず、プーリとタイミングベルトでエンジンの回転力が伝達される構成であってもよい。
他端部(図中の左端部)21bは、低圧ポンプ22を一体的に駆動可能に、低圧ポンプ22の駆動軸を兼ねている。なお、駆動軸21の他端部21bは、低圧ポンプ22の駆動軸を兼ねる構成に限らず、低圧ポンプ22の駆動軸と連結する構成であってもよい。
低圧ポンプ22は、図示しないインナギアおよびアウタギアを有し、インナギアを駆動軸21の回転により駆動するインナギア式ポンプが用いられている。なお、低圧ポンプ22は、インナギア式ポンプに限らず、ベーン式ポンプ等のいずれのポンプ構造であってもよい。
低圧ポンプ22は吸い込み側で、エンジンの回転力を得て駆動軸21とともにインナギアが回転することにより燃料タンク10から吸入燃料配管11および吸入燃料経路41を経由し、燃料フィルタ6でろ過された燃料を吸上げ、吸上げた燃料を加圧する。加圧した燃料は、低圧ポンプ22の吐出側で、フィード燃料経路42に吐出される。
このフィード燃料経路42は、燃料加圧室28にフィード燃料を供給する燃料加圧室供給用フィード燃料経路42a、43と、カム室35に燃料を潤滑用として供給するカム室供給用フィード燃料経路42bに分岐する。
カム室供給用フィード燃料経路42bは、その経路途中に減圧目的の潤滑用絞り32が設けられており、この潤滑用絞り32により正圧の燃料をカム室34内に供給している。
また、カム室供給用フィード燃料経路42bは、潤滑用絞り32の上流側より分岐しており、フィード燃料をレギュレートバルブ23の一端に導いている。このレギュレートバルブ23は、低圧ポンプ22から吐出されるフィード燃料が所定圧以上になると、開弁し、余剰燃料がフィード圧調圧用燃料回収経路45を介して低圧ポンプ22の吸い込み側に戻される。
レギュレートバルブ23は、図1に示すように、略円筒状のボディ内に、その内周に沿って軸方向移動可能な円柱状の弁体(以下、ピストン)23fと、ピストン23fの一端面(図中の上端面)側の内周に貫通する制御ポート23oと、他端面(図中の下端面)を制御ポートに向かって付勢力する付勢部材とが設けられている周知の構造の圧力調整装置である。このレギュレートバルブ23は、ピストン23fの位置により決まる制御ポート23oの開口面積を調整することで、フィード燃料の圧力を一定に保つようにする。
図1に示すように、燃料加圧室供給用フィード燃料経路42a、43の途中には、吸入調量弁25が設けられており、燃料加圧室供給用フィード燃料経路42aと燃料加圧室供給用フィード燃料経路43との連通を断続するものである。また、燃料加圧室供給用フィード燃料経路43の途中には、燃料加圧室28の上流側に近傍に、吸入弁26が設けられており、この吸入弁26は、低圧ポンプ22から燃料加圧室28に向かう燃料の流れを順方向とする逆止弁である。
吸入調量弁25は、燃料加圧室28に流れる燃料量をエンジンの運転状態に応じて調量する電磁弁である。
高圧ポンプ27は、図1に示すように、燃料加圧室28と、カム21cと、複数(本実施例では3個)のプランジャ27aとを備え、低圧ポンプ22より吐出されるフィード燃料を高圧に圧送する。高圧ポンプ27には、低圧ポンプ22によって一方ではプランジャ27aのための燃料が燃料加圧室28に供給され、他方では潤滑用の燃料としてカム室35に供給される。なお、図1ではプランジャ27aは一つのみを図示し、他のプランジャ27aの図示は省略している。
各プランジャ27aは、駆動軸14を挟んで120°等間隔に配置されている。プランジャ27aは、ハウジング31の摺動孔内に往復移動可能であり、プランジャ27の一端面(図中の上端面)には、燃料加圧室28が設けられており、他端面(図中の下端面)には、図示しないシューなどを介してカム21cとお互い接触しており、カム21cの回転により摺動孔内を往復移動する。なお、シューは、カムの回転に伴い自転することなく、公転可能で、プランジャ27aに対向するシューの外周面が平面状に形成されている。
燃料加圧室28の吐出側には、図1に示すように、吐出燃料経路44に吐出弁29が設けられている。この吐出弁29は、燃料加圧室28へ逆流するのを防止するものである。
次に、低圧ポンプ22と燃料フィルタ6の間で過大な負圧が発生した場合に、負圧解消のため、その間に余剰燃料を供給する余剰燃料供給手段について、以下説明する。
本実施形態では、図1に示すように、余剰燃料回収経路15、46、16より分岐し、燃料フィルタ6と低圧ポンプ22との間の燃料経路11、46へ接続する経路(以下、余剰燃料還流経路)51を設けている。なお、具体的には、カム室オーバーフロ燃料回収経路46と燃料回収配管15が、下流側の燃料回収配管16に合流するように接続されており、余剰燃料還流経路51は、カム室オーバーフロ燃料回収経路46と燃料回収配管15が合流する前の、カム室オーバーフロ燃料回収経路46より分岐している。すなわち、余剰燃料還流経路51は、燃料ポンプ2内に形成されている、吸入燃料経路41とカム室オーバーフロ燃料回収経路46の間を接続するように構成されている(図1および図2参照)。
この余剰燃料還流経路51には、図1および図2に示すように、燃料の流れを断続する弁(以下、余剰燃料還流弁)50が設けられている。この余剰燃料還流弁50は、余剰燃料還流弁50の上流側の圧力と下流側の圧力との圧力差で開閉する逆止弁である。なお、具体的には、ボール状の弁体50aaと、この弁体50aaが離座および着座する弁座50abと、弁体50aaを弁座方向に付勢する付勢部材50sとを備えている。付勢部材50sの付勢荷重を変えることで、開閉する圧力差の大きさを調整できる。また、弁座50abは余剰燃料還流経路51の内周に形成されており、低圧ポンプ22の入口側へ流れる方向を順方向とするように、付勢部材50sの付勢力が弁体50aaに作用している。
なお、ここで、弁体50aa、弁座50ab、および付勢部材50sは差圧により開閉する弁(逆止弁)50aを構成している。この逆止弁50aと、逆止弁50aの閉弁および開弁により低圧ポンプ22の入口側への流れが停止および流通つまり断続する余剰燃料還流経路51は、余剰燃料還流弁50を構成している。この逆止弁50aは、低圧ポンプ22の入口側に所定圧を越える負圧が発生すると開弁する。
これにより、余剰燃料還流弁50は、余剰燃料の圧力と、燃料フィルタ6と低圧ポンプ22との間の燃料の圧力との差圧に応じて開閉することができる。そのため、燃料フィルタ6と低圧ポンプ22との間つまり低圧ポンプ22の吸い込み側の吸入燃料経路41などの燃料圧力が過大な負圧になった場合、余剰燃料還流弁50によって正圧の余剰燃料を低圧ポンプ22の入口へ導くことができるので、負圧を解消することが可能である。
したがって、燃料タンク10より燃料フィルタ6を介して燃料を吸上げる低圧ポンプ22の入口に、フィード圧の異常脈動要因となる所定圧を超える負圧が発生するのを抑制できる。
さらに、負圧解消のため、余剰燃料を還流する余剰燃料還流弁50を、逆止弁50aで設けるので、負圧解消のために正圧の余剰燃料を低圧ポンプ22の入口へ導く安価な構造を提供できる。
なお、ECU9は、制御処理、演算処理を行なうCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶手段としての記憶装置(ROM、スタンバイRAMまたはEEPROM、RAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路、燃料噴射弁5の駆動回路および燃料噴射ポンプ2の吸入調量弁25の駆動回路等の機能を含んで構成されている周知構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、ECU9に読み込まれたセンサ類の信号に基づいて各種の演算処理を行なうようになっている。
ECU9に接続されるセンサ類は、図1に示すように、アクセル開度Accpを検出するアクセルセンサ8a、エンジン回転数Neを検出する回転数センサ8b、エンジンの冷却水温度Twを検出する水温センサ8c、燃料噴射ポンプ2内に吸入される燃料温度Tfを検出する燃料温センサ8d、コモンレール圧Pcを検出する圧力センサ7、およびその他のセンサ類がある。
なお、ここで、ECU9は、燃料噴射弁5の噴射動作を制御する噴射手段と、コモンレール3内のコモンレール圧を目標燃料圧力(目標コモンレール圧)に制御するコモンレール圧制御手段とを備えている。なお、ここで、目標コモンレール圧は、燃料噴射弁5より噴射される燃料噴射圧相当し、エンジンの運転状態に応じた最適な燃料圧力に設定されている。
次に、上述の構成を有する蓄圧式燃料噴射装置1、特に燃料噴射ポンプ2の作動について説明する。駆動軸21の回転に伴いカム21cが回転すると、カム21cの回転に伴いシューが自転することなく公転する。このシューの公転に伴いシューおよびプランジャ27aに形成されている平面状の接触面同士が摺動することにより、ハウジング31の摺動孔内をプランジャ27aが往復移動する。
シューの公転に伴い上死点にあるプランジャ27aが下降すると、低圧ポンプ22からの吐出燃料が吸入調量弁25の制御によって調整され、その調整された燃料が燃料加圧室供給用フィード燃料経路42a、43から吸入弁26を経て燃料加圧室28に流入する。下死点に達したプランジャ27aが再び上死点に向けて上昇すると吸入弁26が閉じ、燃料加圧室28の燃料圧力が上昇する。燃料加圧室28の燃料圧力が吐出燃料経路44の燃料圧力よりも上昇すると吐出弁29が開弁する。吐出弁29が開弁すると、燃料加圧室28で加圧された燃料は、吐出弁29を経由し、吐出燃料経路44より送出される。なお、他のプランジャおよびこれに対応する燃料加圧室は、120°等間隔に配置されているので、120°位相ずれて状態で吐出燃料経路44よりコモンレール3へ順に送出される。
次に、余剰燃料還流弁50の作動について説明する。駆動軸21の回転に伴い低圧ポンプ22は、燃料タンク10から燃料フィルタ6を経由し、燃料フィルタ6でろ過された燃料を吸い上げ、かつ加圧して、フィード燃料経路42にフィード燃料として送出する。このフィード燃料経路42を流れるフィード燃料の一部が、レギュレートバルブ23のピストン23fの上端面に導かれると、付勢部材23sの付勢力に抗してピストン23fが移動し、ピストン23fの位置に応じて制御ポート23oの開口面積が変化する。制御ポートの開口面積に応じてその余剰燃料の流量が決まる。そしてそのピストン23fの位置が、その余剰燃料の流量に応じたフィード燃料の圧力と付勢部材23sの付勢力が釣り合う位置になることで、フィード燃料の圧力が一定となる。
一般に、ろ過材料の目詰まり等燃料フィルタの状態や配管方法等の原因により、低圧ポンプ22の入口側(詳しくは吸入燃料経路41)で過大な負圧が発生するおそれがある。低圧ポンプ22の入口の吸入燃料経路41内の燃料圧力が過大な負圧となると、その燃料中に気泡が発生する場合がある。燃料中に気泡が発生すると、低圧ポンプ22より吐出のフィード圧が異常脈動するなどの燃料噴射ポンプ2の性能低下や故障を招ねくおそれがある。
これに対して本実施形態では、低圧ポンプ22の入口の吸入燃料経路41に、燃料噴射ポンプ2内で余剰の余剰燃料もしくはコモンレール3や燃料噴射弁5で余剰の余剰燃料を、余剰燃料還流弁50によって導くようにしている。低圧ポンプ22の吸い込み側の吸入燃料経路41などの燃料圧力が過大な負圧になった場合、余剰燃料還流弁50によって正圧の余剰燃料を低圧ポンプ22の入口へ導くことができるので、その負圧が解消される。
具体的には、カム室オーバーフロ燃料回収経路46より分岐し吸入燃料経路41に接続する余剰燃料還流経路51に、低圧ポンプ22の入口側へ流れる方向を順方向とする逆止弁50aが設けられているので、低圧ポンプ22の入口の吸入燃料経路41内に、所定圧を越える負圧が発生した場合、逆止弁50aが開弁し、余剰燃料が余剰燃料還流経路51経由し、低圧ポンプ22の入口側へ流れる。この余剰燃料が低圧ポンプ22の入口の吸入燃料経路41内に充填されるので、負圧状態が解消される。
したがって、燃料タンク10より燃料フィルタ6を介して燃料を吸上げる低圧ポンプ22の入口に、フィード圧の異常脈動要因となる所定圧を超える負圧が発生するのを抑制できる。
さらに、本実施形態では、負圧解消のための余剰燃料を還流する余剰燃料還流弁50を、逆止弁50aで設けるので、負圧解消のために正圧の余剰燃料を低圧ポンプ22の入口へ導く安価な構造を提供できる。
さらになお、本実施形態では、余剰燃料が流れる余剰燃料回収路15、46、16は、燃料噴射ポンプ2内(詳しくは、カム室35内)で余剰の第2の余剰燃料が流れるカム室オーバーフロ燃料回収経路46と、コモンレール3や燃料噴射弁5の燃料噴射装置で余剰の第1の余剰燃料が流れる燃料回収配管16とを備えており、余剰燃料還流経路51は、カム室オーバーフロ燃料回収経路46と燃料回収配管16と合流する前の、カム室オーバーフロ燃料回収経路46より分岐している。なお、低圧ポンプ22より吐出したフィード燃料のうち余剰の第2の余剰燃料の温度は、高圧ポンプより吐出した高圧燃料のうち余剰の第1の余剰燃料の温度より低い。
一般に、低圧ポンプ22、および高圧ポンプ27を有する燃料噴射装置1は、低圧ポンプ22で燃料タンク10より汲み上げたフィード燃料をフィード圧で吐出し、このフィード圧の燃料を高圧ポンプ27で更に高圧圧送するため、高圧ポンプ27より吐出する燃料は燃料タンク10内の燃料に比べて昇温する。余剰燃料の一部を燃料タンク10へ戻さずに、再び低圧ポンプ22で吐出する燃料に使用する場合、場合によっては過昇温になるおそれがある。
これに対して本実施形態では、余剰燃料還流経路51は、カム室オーバーフロ燃料回収経路46と燃料回収配管16と合流する前の、カム室オーバーフロ燃料回収経路46より分岐しているので、第2の余剰燃料を優先して余剰燃料還流経路51へ還流させられる。
したがって、高圧ポンプ27より吐出し、燃料噴射装置1で余剰となった第1の余剰燃料より、低圧ポンプ22より吐出し、カム室35で余剰となった第2の余剰燃料を優先するので、低圧ポンプ22等の燃料供給装置2、6より吐出する燃料の過昇温防止が図れる。
さらになお、本実施形態では、余剰燃料還流弁50を、燃料噴射ポンプ2内に設けることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰返さない。
第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した余剰燃料還流弁50を、余剰燃料の圧力と、燃料フィルタ6と低圧ポンプ22との間の燃料の圧力との差圧に応じて開閉する弁50aに代えて、図3に示すように、大気圧と、燃料フィルタ6と低圧ポンプ22との間の燃料の圧力との差圧に応じて開閉する弁150aとする。図3は、本実施形態に係わる余剰燃料還流弁の構成を示す断面図である。
図3に示すように、この弁150aは、円筒状に形成され、外周に余剰燃料還流経路51の一部(以下、余剰燃料還流孔)150acが開口する円筒状の弁体150aaと、弁体150aaを摺動可能に収容し、カム室オーバーフロ燃料回収経路46が開口する内周150abと、付勢部材50sとを備え、弁体150aaの一端面には大気圧が作用し、他端面は余剰燃料還流経路51内に臨み、付勢部材50sの付勢荷重が作用する。弁体150aaの弁位置によって、余剰燃料還流孔150acの開口とカム室オーバーフロ燃料回収経路46が開口との重なりつまり開口面積が決めるため、弁150aは、余剰燃料供給経路51内を流れる余剰燃料の流量を制御する。
なお、弁体150aaの一端面側には伸縮可能なシール部材150cで液密にシールされている。この弁150aと余剰燃料還流経路51は、余剰燃料還流弁150を構成している。
これによると、余剰燃料還流経路51に、大気圧と、低圧ポンプ22の入口の燃料圧力との差圧に応じて開閉する弁150aを設けるので、大気圧と比較することで低圧ポンプ22の入口の負圧状態を精度よく検出できるとともに、低圧ポンプ22の入口の燃料圧力が過大な負圧になった場合、負圧解消のために正圧の余剰燃料を低圧ポンプ22の入口へ速やかに導くことができる。
さらに、カム室オーバーフロ燃料回収経路46などの余剰燃料の圧力が変動した場合であっても、その影響を受けない。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第2の実施形態で説明した余剰燃料還流弁150を、大気圧と低圧ポンプ22の入口側の燃料圧力との差圧に応じて開閉する弁150aに代えて、図4に示すように、低圧ポンプ22の入口側の燃料圧力を検出し、この燃料圧力に応じて駆動制御される電磁コイル250cを有する電磁弁150a、250cとする。図4は、本実施形態に係わる余剰燃料還流弁の構成を示す断面図である。
図4に示すように、余剰燃料還流弁250は、圧力センサ8eで低圧ポンプ22の入口側の燃料圧力を検知するECU9の駆動信号により開閉駆動される電磁弁150a、250cと、余剰燃料還流経路51とを備えている。
なお、具体的には、図4に示すように、弁体150aaの一端面側に電磁コイル250cが設けられている。そして、低圧ポンプ22の入口側の燃料圧力を検出する圧力センサ8eが設けられおり、この圧力センサ8eによる燃料圧力の信号をECU9に入力している。
これにより、余剰燃料還流経路51に、圧力または差圧に応じて開閉駆動する電磁弁150、250cを設けるので、低圧ポンプ22の入口の燃料圧力を直接負圧検知し、または余剰燃料の圧力もしくは大気圧との差圧により間接的に負圧検知して電磁弁150a、250cを駆動制御することにより、負圧解消のために正圧の余剰燃料を低圧ポンプ22の入口へ導くことができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第2の実施形態で説明した余剰燃料還流弁において、図5に示すように、大気圧と低圧ポンプ22の入口側の燃料圧力との差圧に応じて開閉する弁150aに、この弁の開閉を検出する検出手段350rを備える余剰燃料還流弁350とする。図5は、本実施形態に係わる余剰燃料還流弁およびその弁動作時に警告する報知手段の構成を示す部分的断面図である。
図5に示すように、余剰燃料還流弁350は、大気圧と低圧ポンプ22の入口側の燃料圧力との差圧に応じて開閉する弁150aと、この弁150aの開閉を検出する検出手段としてのリレー350rを備えている。
ECU9は、リレー350rの開閉信号が入力されており、余剰燃料が低圧ポンプ22の入口側へ供給されたことをリレー350rにより検知した場合には、エンジンを搭載する車両の乗員に警告する報知手段9aを備えている。具体的には、このリレー350rは、余剰燃料還流弁350が開弁および閉弁することにより、閉(ON)状態および開(OFF)状態となる。ECU9は、リレー350rからのON信号に基づいて余剰燃料が低圧ポンプ22の入口側へ供給したと判断する。
この報知手段9aは、点灯して乗員に知らせる警報ランプ、警報音を鳴らして乗員に知らせる警報ブザー等いずれの周知の報知手段である。なお、この報知手段9aは、図示しないメータ等の車両表示器またはナビゲーション装置の表示部等に設けられている。
なお、ここで、余剰燃料還流弁350およびECU9は、余剰燃料供給手段を構成している。
このように、本実施形態では、余剰燃料を低圧ポンプ22の入口側へ供給したときに、エンジンを搭載する車両の乗員に警告する報知手段9aが設けられているので、乗員に車両修理工場等への車両点検および修理を促すことができ、従って低圧ポンプ22の入口が過大な負圧となる原因の、燃料フィルタ6の状態や配管方法を、正常な状態に速やかに戻すことが可能である。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、第4の実施形態で説明した余剰燃料還流弁350を、大気圧と低圧ポンプ22の入口側の燃料圧力との差圧に応じて開閉する弁150aに代えて、図6に示すように、余剰燃料の圧力と、低圧ポンプ22の入口側の燃料圧力との差圧に応じて開閉する逆止弁50aとし、この逆止弁50aの弁体50aaの変位挙動を検出するリフトセンサ450rを設けている。
このように構成しても、第4の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、第1の実施形態で説明した余剰燃料還流弁50に代えて、図7に示すように、余剰燃料還流通路51に絞り151を設ける余剰燃料還流弁550とする。図7は、本実施形態に係わる余剰燃料還流弁の構成を示す断面図である。
図7に示すように、絞り151は、余剰燃料還流通路51および弁座50abを形成するハウジング31に設けられている。絞り151は、余剰燃料還流通路51の燃料の流れを制限する。なお、余剰燃料還流弁550は、逆止弁50a内ではなく、余剰燃料還流通路51に絞り151を設けるものである。
これにより、負圧解消のために余剰燃料還流経路51を介して低圧ポンプ22の入口へ還流する余剰燃料の還流量を、絞り151によって制限することができるので、低圧ポンプ22等より吐出する燃料の過昇温防止が図れる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、第6の実施形態で説明した余剰燃料還流弁50における余剰燃料還流通路51に絞り151を設けるものに代えて、図8に示すように、弁150a内に絞り650oを設ける余剰燃料還流弁650とする。図8は、本実施形態に係わる余剰燃料還流弁の構成を示す断面図である。
図8に示すように、弁150a内に設けられた余剰燃料還流孔150acに、絞り650oを設けている。絞り650oは、余剰燃料還流孔150ac内を流れる燃料の流れを制限する。これにより、余剰燃料の還流流れを制限する絞り650oを、弁150a内に設けることができる。
このように弁150a内に絞り650oを設ける構成であっても、第6の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、第2の実施形態で説明した余剰燃料還流弁において、図9に示すように、大気圧と低圧ポンプ22の入口側の燃料圧力との差圧に応じて開閉する弁150aに、この弁150aの弁位置を規制する規制部材750fを設けるようにする。図9は、本実施形態に係わる余剰燃料還流弁の構成を示す断面図である。
図9に示すように、弁体150aaの弁位置で、余剰燃料還流経路51内を流れる余剰燃料の流量を制御する弁構造であり、規制部材750fによって余剰燃料の流量の上限を規制することができる。
規制部材750fは、バイメタルなどの温度変化に応じて規制位置が変えられる温度感知部材である。なお、ここで、規制部材750fは、上限流量規制部材を構成する。
これにより、上記低圧ポンプ22の入口へ還流する余剰燃料の還流量を制限する方法として、弁体150aaに、その燃料流量の上限を規制する上限流量規制部材750fを設けるように構成することができる。
なお、本実施形態では、規制部材750fは、吸入燃料経路41側の弁体150aaの端面を規制しており、燃料温度変化に応じて低圧ポンプ22の入口へ還流する余剰燃料の還流量を制限できる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、第1の実施形態で説明した燃料噴射ポンプ2内に設ける余剰燃料還流弁50に代えて、図10に示すように、燃料噴射ポンプ2外に設ける余剰燃料還流弁850とする。図10は、本実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。
図10に示すように、余剰燃料還流弁850は、低圧ポンプ22と燃料フィルタ6の間の吸入燃料経路41、11のうちの吸入燃料配管11と、燃料回収配管16との間に配置されている。
このように構成しても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、一般に、使用燃料等の給油環境が異なる仕向地へ輸出する場合には、燃料フィルタ6の状態そのものが仕向け地により異なる。これに対して本実施形態では、仕向け地ごとの余剰燃料還流弁850の仕様を、容易に設定することができる。
(第10の実施形態)
第1の実施形態では、余剰燃料還流弁50はカム室オーバーフロ燃料回収経路46より分岐したものとしていた。
第10の実施形態では、図11に示すように、余剰燃料還流弁50はカム室オーバーフロ燃料回収経路46の一部経路46bより分岐する構成とする。図11は、本実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。
図11に示すように、カム室オーバーフロ燃料回収経路46は、第1カム室オーバーフロ燃料回収経路46aと第2カム室オーバーフロ燃料回収経路46bの二つの経路があり、第2カム室オーバーフロ燃料回収経路46bのみが、余剰燃料還流弁50の余剰燃還流経路51に接続している。
これにより、余剰燃料還流経路51に供給される余剰燃料は、第2余剰燃料の流れるカム室オーバーフロ燃料回収経路46の一部経路46bによるものに限定するので、燃料噴射装置1で余剰となった第1の余剰燃料が還流することはない。したがって、低圧ポンプ22等より吐出する燃料の過昇温防止が図れる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態では、図12に示すように、余剰燃料還流弁850は、カム室オーバーフロ燃料回収経路46と燃料回収配管15とが合流した経路より分岐する構成とする。図12は、本実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。
図12に示すように、カム室オーバーフロ燃料回収経路46と燃料回収配管15が、下流側の燃料回収配管16に合流するように接続されており、余剰燃料還流経路51は、燃料回収配管16より分岐している。
これにより、余剰燃料還流経路51へ還流する還流量は、第1の余剰燃料と第2の余剰燃料を加算した燃料量まで供給可能である。したがって、低圧ポンプ22の入口の燃料圧力が過大な負圧になった場合、比較的大流量の余剰燃料を低圧ポンプ22の入口へ導くことができるため、負圧を効果的に解消することが可能である。
(第12の実施形態)
第12の実施形態では、第1の実施形態で説明した余剰燃料還流経路51と燃料回収配管15との間に、図13に示すように、燃料回収配管15へ向かう燃料流れを順方向とする逆止弁60を設ける構成とする。図13は、実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。
図13に示すように、逆止弁(以下、逆流防止弁)60は、弁座に離座および着座する、ボール状の弁体60aと、弁体60aを弁座方向に付勢する付勢部材60sとを備える周知の弁構造である。付勢部材60sの付勢荷重を変えることで、開閉する圧力差の大きさを調整できる。
これにより、余剰燃料還流経路51に供給される余剰燃料は、逆流防止弁60によってカム室オーバーフロ燃料回収経路46を流れる第2の余剰燃料に限定されることになるので、燃料噴射装置1で余剰となった第1の余剰燃料が還流することはない。したがって、低圧ポンプ22等より吐出する燃料の過昇温防止が図れる。
(第13の実施形態)
第13の実施形態では、図14に示すように、カム室オーバーフロ燃料回収経路46と燃料回収配管15とが合流した経路途中に、逆流防止弁160を設けるように構成する。図14は、本実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。
図14に示すように、逆流防止弁160は、付勢部材60sを有しない逆止弁160aとするため、構造が簡素化される。なお、この逆流防止弁160は、付勢部材60sを有しないものに限らず、付勢部材60sを有するものであってもよい。
燃料フィルタ6の状態や配管方法等によっては、場合により低圧ポンプ22の入口の燃料圧力が継続的に過大な負圧になる場合がある。万が一の場合、燃料タンク10の燃料が燃料フィルタ6でろ過されずに、余剰燃料還流経路51を経由して低圧ポンプ22の入口側へ吸上げられるおそれがある。
これに対して本実施形態では、余剰燃料回収路15、46、16のうち、燃料タンク10に近傍の下流側に、逆流防止弁160を設けているので、燃料タンク10の燃料が燃料フィルタ6でろ過されずに低圧ポンプ22の入口側へ吸上げられることはない。
(第14の実施形態)
第14の実施形態では、第13の実施形態で説明した逆流防止弁60に代えて、
図15に示すように、絞り260とする。図15は、本実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。
図15に示すように、絞り260は、燃料タンク10より燃料フィルタ6でろ過されずに余剰燃料還流経路51を経由して低圧ポンプ22の入口側へ吸上げられる燃料の流れを制限する。
これにより、その燃料流れを阻止することはできないが、燃料流れを制限することで、燃料フィルタ6でろ過されると同程度の圧損を生じさせることができる。したがって、燃料タンク10の燃料が燃料フィルタ6でろ過されずに低圧ポンプ22の入口側へ吸上げられることはあり得ない。
(第15の実施形態)
第11の実施形態では、余剰燃料還流弁850は、カム室オーバーフロ燃料回収経路46と燃料回収配管15とが合流した経路より分岐する構成とした。
これに対して第15の実施形態では、図16に示すように、余剰燃料還流弁850は、コモンレール3および燃料噴射弁5で余剰となった第1の余剰燃料が流れる燃料回収配管15のみより分岐する構成とする。図16は、本実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。
図16に示すように、余剰燃料還流経路51に供給される余剰燃料は、燃料回収配管15の第1の余剰燃料に限定されている。一方、カム室オーバーフロ燃料回収経路46の第2の余剰燃料は、燃料回収配管15に合流することなく、燃料回収配管146を通って燃料タンク10へ戻される。
第1の余剰燃料は、フィード燃料を高圧ポンプ27で更に高圧に加圧したものの余剰燃料であり、カム室オーバーフロ燃料回収経路46の第2の余剰燃料の流量に比べて相当に大きい流量となる。
これにより、余剰燃料還流経路51へ還流する還流量は、第1の余剰燃料に限定されたとしても、相当大きな燃料量を見込める。したがって、このような構成にしても、低圧ポンプ22の入口の燃料圧力が過大な負圧になった場合、比較的大流量の余剰燃料を低圧ポンプ22の入口へ導くことができるため、負圧を効果的に解消することが可能である。
(第16の実施形態)
第16の実施形態では、図17に示すように、低圧ポンプ22の下流側の、低圧ポンプ22と吸入調量弁25の間に、第2の燃料フィルタとしての正圧フィルタ106を設ける構成とする。図17は、本実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。
図17に示すように、吸入燃料配管11には、燃料フィルタ6と、車両の組立時等にて配管内のエア抜きを行なう周知構造のプライミングポンプ(図示せず)が設けられている。なお、第1から第15の実施形態では、このプライミングポンプを吸入燃料配管11に配置しているとの説明は省略している。
さらに、燃料フィルタ6より下流側の吸入燃料経路41には、プライミングポンプによって汲み上げられた燃料を低圧ポンプ22の下流側へ送るためのバイパス通路(以下、プライミングバイパス通路)147が接続され、そのバイパス通路147には、燃料の逆流を防止する逆止弁161が設けられている。
一方、低圧ポンプ22の吐出側には、低圧ポンプ9より吐出される燃料を濾過する正圧フィルタ106と、この正圧フィルタ106に作用する燃料圧力が所定値(例えば、正圧フィルタ106の耐圧許容上限値)を超えると開弁するリリーフ弁162とが設けられている。正圧フィルタ106とリリーフ弁162は、燃料噴射ポンプ2に一体に設けられるものであっても、別体に設けられるものであってもよい。なお、本実施形態の説明では、正圧フィルタ106とリリーフ弁162は、燃料噴射ポンプ2とは別体に設けられているものとする。
具体的には、正圧フィルタ106は、外部配管であるフィード燃料配管117を介して低圧ポンプ9下流側のフィード燃料経路142に接続されており、正圧フィルタ106でろ過されたフィード燃料は、燃料加圧室供給用フィード燃料経路142aとカム室供給用フィード燃料経路142bへ供給される。一方、リリーフ弁162は、フィード燃料経路142に分岐する正圧燃料回収配管118に接続されている。
リリーフ弁31が開弁すると、低圧ポンプ22より吐出された燃料の一部(以下、第3の余剰燃料と呼ぶ)が、リリーフ弁162に接続される正圧燃料回収配管118を通って燃料タンク10へ還流することで、正圧フィルタ106に過大な燃料圧力が作用することを防止できる。
なお、リリーフ弁106は、エンジンのアイドリング時に発生する低圧ポンプ22の吐出圧より低い開弁圧に設定される。このリリーフ弁106の開弁設定圧は、これに限らず、エンジンのアイドリング回転数より高い回転領域で開弁する様に、開弁圧を高く設定するものであってもよい。
ここで、一般に、低圧ポンプ22の吸入側に燃料フィルタ6を配置すると、燃料フィルタ6に作用する燃料圧力(通過圧力)が比較的小さい。このような燃料フィルタ6では、例えば低温時に燃料の粘性が高くなってワックス化すると、燃料フィルタ6が目詰まりして、流量不足となるおそれがあるため、低圧ポンプ22から高圧ポンプ27へ十分な燃料量を供給するとともに、高いろ過性能を確保することが難しい場合がある。
これに対して本実施形態では、低圧ポンプ22の吐出側にも正圧フィルタ106を配置しているので、燃料フィルタ6は、低圧ポンプ22の保護目的程度のろ過性能であればよい。このため、低温時に燃料の粘性が高くなってワックス化した場合であっても、燃料フィルタ6の目詰まり防止が図れる。さらに、正圧フィルタ106には、低圧ポンプ22の吐出燃料の正圧が作用するため、上記燃料フィルタ6に比べて通過圧力を大きく形成することができる。したがって、ワックス化した場合であっても容易に目詰まりすることはなく、高圧ポンプ27に必要十分な燃料量を供給するとともに、高いろ過性能を確保することができる。
(第17の実施形態)
第17の実施形態では、図18に示すように、リリーフ弁162を燃料噴射ポンプ2内に設けるようにする。図18は、本実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。
図18に示すように、低圧ポンプ22より下流側のフィード燃料経路142には、正圧フィルタ106の第3の余剰燃料を低圧ポンプ22の上流側に戻すためのバイパス通路(以下、正圧燃料回収用バイパス通路)148が接続され、その正圧燃料回収用バイパス通路148にリリーフ弁162が配置されている。
このような構成にしても、第16の実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、本実施形態では、リリーフ弁162を燃料噴射ポンプ2内に内蔵することにより、正圧燃料回収用バイパス通路148を通じて正圧フィルタ106の第3の余剰燃料を低圧ポンプ22の吸入側へ供給される。これにより、低圧ポンプ22の入口の燃料圧力に生じる負圧が、過大な負圧になるのを抑制することがことができる。
なお、ここで、正圧燃料回収用バイパス通路は、請求範囲に記載の余剰燃料回収経路に対応し、第3の余剰燃料回収経路と呼ぶ。
(第18の実施形態)
第18の実施形態では、第17の実施形態で説明した正圧燃料回収用バイパス通路148の第3の余剰燃料の下流側を、図19に示すように、余剰燃料還流弁50の余剰燃料還流経路51に接続する。図19は、本実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。
図19に示すように、余剰燃料還流経路51に供給される余剰燃料に、正圧燃料回収用バイパス通路148の第3の余剰燃料をさらに加えることができる。これにより、余剰燃料還流経路51へ還流する還流量は、第3の余剰燃料を加算した燃料量まで供給可能である。したがって、低圧ポンプ22の入口の燃料圧力が過大な負圧になった場合、比較的大流量の余剰燃料を低圧ポンプ22の入口へ導くことができるため、負圧を効果的に解消することが可能である。
(第19の実施形態)
第19の実施形態では、第18の実施形態で説明した余剰燃料還流弁50に代えて、図20に示すように、正圧燃料回収用バイパス通路148の第3の余剰燃料に限定する余剰燃料還流弁850とする。図20は、本実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。
このような構成にしても、これによると、低圧ポンプ22の入口の燃料圧力が過大な負圧になった場合、正圧フィルタ106で生じた正圧の余剰燃料(第3の余剰燃料)を低圧ポンプ22の入口へ導くことによっても、負圧を解消することができる。
(他の実施形態)
(1)以上説明した本実施形態では、低圧ポンプ22と燃料フィルタ6の間に余剰燃料を供給する余剰燃料還流弁50、150、250として、余剰燃料の圧力と低圧ポンプ22、燃料フィルタ6間の燃料圧力との差圧に応じて開閉する逆止弁50a、大気圧と低圧ポンプ22、燃料フィルタ6間の燃料圧力との差圧に応じて開閉する弁150a、差圧または圧力に応じて開閉駆動する電磁弁150a、250cで説明したが、これらの弁のいずれかに限定されるものではなく、低圧ポンプ22と燃料フィルタ6の間に余剰燃料を供給する余剰燃料供給手段であれば、いずれの構造であってもよい。
(2)以上説明した第4および第5の実施形態では、余剰燃料を低圧ポンプ22の入口側へ供給したことを検知する方法として、弁150aの閉弁および開弁により0N、OFFするリレー350rや、逆止弁50aの弁体50aaの変位挙動を検出するリフトセンサ450rを設ける構成としたが、これらのリレー350rやリフトセンサ450rに限らず、リレー350rやリフトセンサ450r以外の余剰燃料の供給状態を間接的に検知する検出手段、あるいは余剰燃料の供給状態を直接的に検知する検出手段であってもよい。
(3)以上説明した第10の実施形態では、カム室オーバーフロ燃料回収経路46は、第1カム室オーバーフロ燃料回収経路46aと第2カム室オーバーフロ燃料回収経路46bの二つの経路があり、第2カム室オーバーフロ燃料回収経路46bのみが、余剰燃料還流弁50の余剰燃還流経路51に接続していると説明した。カム室オーバーフロ燃料回収経路46は、二つの経路46a、46bを有するものに限らず、三つの経路など複数の経路を有するものであってもよい。
(4)以上説明した第10の実施形態では、余剰燃料還流経路51を流れる余剰燃料を、カム室オーバーフロ燃料回収経路46のうちの一部経路46bの第2の余剰燃料に限定したが、カム室オーバーフロ燃料回収経路46全体の第2の余剰燃料に限定するものであってもよい。
(5)以上説明した第12の実施形態では、余剰燃料還流経路51と燃料回収配管15との間に、燃料回収配管15へ向かう燃料流れを順方向とする逆流防止弁60を設けようにした。この逆流防止弁60は、付勢部材60sを有する逆止弁60aに限らず、付勢部材を有しない逆止弁、あるいは流れを制限する絞りなどの制限弁のいずれであってもよい。いずれの制限弁(絞り)であっても、燃料回収配管15を流れる第1の余剰燃料が余剰燃料還流経路51へ流れるのを制限することができる。
(6)以上説明した本実施形態において、低圧ポンプ22は、駆動軸21に内燃機関の回転力を得て、燃料を吸入し、予備加圧するものとして説明した。低圧ポンプ22駆動のため、駆動軸21に回転力を与える駆動源は、内燃機関に限らず、内燃機関とは別に設けられるモータ、例えば電動モータ等の電動機であってもよい。
(7)以上説明した本実施形態では、カム室35にフィード燃料を供給するカム室供給用フィード燃料経路42b、142bに、潤滑用絞り32を設けた。カム室供給用フィード燃料経路に、この潤滑用絞りを有するものに限らず、潤滑用絞りを有しないもの(図21参照)であってもよい。
本発明の第1の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。 図1中の予備圧送部と燃料フィルタとの間に余剰燃料を供給する弁周りを示す図であって、その余剰燃料還流弁の構成を示す断面図である。 第2の実施形態に係わる余剰燃料還流弁の構成を示す断面図である。 第3の実施形態に係わる余剰燃料還流弁の構成を示す断面図である。 第4の実施形態に係わる余剰燃料還流弁およびその弁動作時に警告する報知手段の構成を示す部分的断面図である。 第5の実施形態に係わる余剰燃料還流弁およびその弁動作時に警告する報知手段の構成を示す部分的断面図である。 第6の実施形態に係わる余剰燃料還流弁の構成を示す断面図である。 第7の実施形態に係わる余剰燃料還流弁の構成を示す断面図である。 第8の実施形態に係わる余剰燃料還流弁の構成を示す断面図である。 第9の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。 第10の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。 第11の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。 第12の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。 第13の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。 第14の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。 第15の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。 第16の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。 第17の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。 第18の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。 第19の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。 他の実施形態の燃料供給装置を適用した蓄圧式燃料噴射装置を示す模式的構成図である。
符号の説明
1 蓄圧式燃料噴射装置(燃料噴射装置)
2 燃料噴射ポンプ(燃料供給装置)
3 コモンレール(蓄圧器)
5 燃料噴射弁
6 燃料フィルタ
9 ECU(制御手段)
9a 報知手段
10 燃料タンク
11 吸入燃料配管
12、14 高圧燃料配管
15 燃料回収配管(第1余剰燃料回収路)
16 燃料回収配管
21 駆動軸
21c カム
22 低圧ポンプ(予備圧送部)
23 レギュレートバルブ(圧力調整装置)
25 吸入調量弁
26 吸入弁
27 高圧ポンプ(加圧部)
27a プランジャ
28 燃料加圧室
29 吐出弁
31 ハウジング
32 潤滑用絞り
35 カム室
41 吸入燃料経路(予備圧送部の入口側)
42 フィード燃料経路(予備圧送部の出口側)
42a、43 燃料加圧室供給用フィード燃料経路
42b カム室供給用フィード燃料経路
44 吐出燃料経路
45 フィード圧調圧用燃料回収経路
46 カム室オーバーフロ燃料回収経路(第2余剰燃料回収路)
50 余剰燃料還流弁(弁)
50a 逆止弁
50aa 弁体(ボール)
50ab 弁座
50s 付勢部材
51 余剰燃料還流経路(燃料フィルタと予備圧送部の間へ分岐する経路)

Claims (18)

  1. 内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射装置に用いられ、
    駆動軸に回転力を得て、燃料を吸入し、予備加圧する予備圧送部と、
    前記予備圧送部より吐出される燃料を吸入および高圧に圧縮する燃料加圧室、前記駆動軸の回転により回転するカム、および前記カムの回転により往復移動され、一端が前記燃料加圧室に臨むプランジャを有し、前記予備圧送部より吐出される燃料を更に高圧に圧送する加圧部と、
    前記予備圧送部から吐出される燃料の一部が供給され、前記駆動軸および前記カムを収容するカム室と、
    前記予備圧送部より吐出する燃料のフィード圧力を調整する圧力調整装置と、
    前記加圧部より前記燃料噴射装置へ吐出した燃料のうち前記燃料噴射装置で余剰の第1の余剰燃料、および前記カム室よりオーバーフロする第2の余剰燃料を回収する余剰燃料回収路とを備え、
    前記予備圧送部が吸入燃料として汲み上げる燃料タンクと、前記予備圧送部との間の配管途中に燃料フィルタを設ける燃料供給装置において、
    前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間の燃料圧力が所定以下になったときに、前記余剰燃料を前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間に供給する余剰燃料供給手段を備えていることを特徴とする燃料供給装置。
  2. 内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射装置に用いられ、
    駆動軸に回転力を得て、燃料を吸入し、予備加圧する予備圧送部と、
    前記予備圧送部より吐出される燃料を吸入および高圧に圧縮する燃料加圧室、前記駆動軸の回転により回転するカム、および前記カムの回転により往復移動され、一端が前記燃料加圧室に臨むプランジャを有し、前記予備圧送部より吐出される燃料を更に高圧に圧送する加圧部と、
    前記予備圧送部から吐出される燃料の一部が減圧されて供給され、前記駆動軸および前記カムを収容するカム室と、
    前記予備圧送部より吐出する燃料のフィード圧力を調整する圧力調整装置と、
    前記加圧部より前記燃料噴射装置へ吐出した燃料のうち前記燃料噴射装置で余剰の第1の余剰燃料、および前記カム室よりオーバーフロする第2の余剰燃料を回収する余剰燃料回収路とを備え、
    前記予備圧送部が吸入燃料として汲み上げる燃料タンクと、前記予備圧送部との間の配管途中に燃料フィルタを設ける燃料供給装置において、
    前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間の燃料圧力が所定以下になったときに、前記余剰燃料を前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間に供給する余剰燃料供給手段を備えていることを特徴とする燃料供給装置。
  3. 前記余剰燃料供給手段は、前記余剰燃料の圧力と、前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間の燃料圧力との差圧に応じて開閉する弁を有しており、
    この弁は、前記余剰燃料回収路より前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間へ分岐する経路に設ける逆止弁であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料供給装置。
  4. 前記余剰燃料供給手段は、大気圧と、前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間の燃料圧力との差圧に応じて開閉する弁を有しており、
    この弁を、前記余剰燃料回収路より前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間へ分岐する経路に設けていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料供給装置。
  5. 前記余剰燃料供給手段は、圧力または差圧に応じて開閉駆動可能な電磁弁を有し、
    この弁を、前記余剰燃料回収路より前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間へ分岐する経路に設けていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料供給装置。
  6. 前記余剰燃料回収路より前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間へ分岐する経路に、絞りを設けていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
  7. 前記弁内には、前記経路に流れる燃料の流れを制限する絞りが設けられていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
  8. 前記弁は、前記経路を介して前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間へ流れる燃料流量を制御する弁体を備え、
    前記弁体には、その燃料流量の上限を規制する上限流量規制部材が設けられていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
  9. 前記余剰燃料供給手段は、前記余剰燃料を前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間へ供給したときに、前記内燃機関を搭載する車両の乗員に警告する報知手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
  10. 前記余剰燃料回収路は、前記第1の余剰燃料が流れる第1余剰燃料回収路と、前記第2の余剰燃料が流れる第2余剰燃料回収路とを備え、
    前記経路は、前記第1余剰燃料回収路と前記第2余剰燃料回収路とが合流する前の、前記第2余剰燃料回収路より分岐していることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
  11. 前記余剰燃料回収路は、前記第1の余剰燃料が流れる第1余剰燃料回収路と、前記第2の余剰燃料が流れる第2余剰燃料回収路とを備え、
    前記経路は、前記第2余剰燃料回収路の少なくとも一部であることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
  12. 前記余剰燃料回収路は、前記第1の余剰燃料が流れる第1余剰燃料回収路と、前記第2の余剰燃料が流れる第2余剰燃料回収路とを備え、
    前記経路は、前記第1余剰燃料回収路と前記第2余剰燃料回収路とが合流した後に分岐していることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
  13. 前記経路と、前記第1余剰燃料回収路との間には、前記第1の余剰燃料が前記経路へ流れるのを制限する制限弁が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の燃料供給装置。
  14. 前記予備圧送部より吐出された燃料をろ過する第2の燃料フィルタとを備えていることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
  15. 前記予備圧送部より下流に設けられ、前記予備圧送部から前記圧送部へ供給される燃料量を調整する吸入調量弁を備え、
    前記第2の燃料フィルタは、前記予備圧送部と前記吸入調量弁との間に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の燃料供給装置。
  16. 前記予備圧送部と前記第2の燃料フィルタとの間にリリーフ弁が設けられ、
    前記リリーフ弁は、前記第2の燃料フィルタに作用する燃料圧力が所定値を越えると開弁し、前記第2の燃料フィルタに作用する燃料圧力を逃がすことを特徴とする請求項14または請求項15に記載の燃料供給装置。
  17. 前記予備圧送部から前記第2の燃料フィルタへ供給された燃料のうち前記リリーフ弁より流出する第3の余剰燃料を、前記余剰燃料回収路に回収する前記余剰燃料とし、
    前記余剰燃料供給手段は、当該第3の余剰燃料を、前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間の燃料圧力が所定以下になったときに前記燃料フィルタと前記予備圧送部との間に供給することを特徴とする請求項16に記載の燃料供給装置。
  18. 前記燃料噴射装置は、前記内燃機関の気筒に設けられ、燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記加圧部と前記燃料噴射弁の間に配置され、前記内燃機関の気筒に設けられた前記燃料噴射弁に分配するコモンレールとを備え、
    前記第2の余剰燃料は、前記燃料噴射弁および前記コモンレールのうちの少なくともいずれかよりの余剰燃料であることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
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