JP2007085011A - 下水道用臭気防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 下水道用防臭装置における弁体の装着操作を容易とし、かつ、弁体の円滑な開閉動作を図る。
【解決手段】 集水筒部の排水口を開閉するフラップ弁を取付けピンを介して取り付け、該取付けピンの弾性により集水筒部の取付け孔より外れることなく揺動自在に保持する。
【選択図】 図7

Description

この発明は、雨水ます、汚水ます、更にはマンホール等の下水道用管渠付属設備に使用され、下水本管からの臭気の逸出を防止する下水道用臭気防止装置に関し、更に詳しくは、これらの管渠付属設備の蓋部分に用いられ、簡便に使用することのできる下水道用臭気防止装置に関する。
本出願人は、この種の下水道用臭気防止装置につき、実公昭61−23105号公報(文献1)、実公昭61−41823号公報(文献2)、特開平11−13121号公報(文献3)及び特開平11−50519号公報(文献4)をもって提案したところである。
すなわち、既に提案した文献1の下水道用臭気防止装置においては、「集水孔を有する下水道用蓋において、前記集水孔に対応する前記下水道用蓋の下面に、上部が開放され、底部が流水の流下する傾斜面に形成されるとともに、前記傾斜面の向う側面に側方開口部を有し、前記側方開口部の端面に弁座が形成された有底箱状の集水受箱が取り付けられ、前記集水箱の側方開口部には、前記弁座を自重により常時閉弁し、前記集水受箱に流入する流水の水圧により開弁する弾性弁体が取り付けられてなる」構造を採るものである。これにより、下水本管内に発生する臭気は本装置により外部への逸出が阻止されるとともに、雨水に対しては弾性弁体が開弁し、排水機能を円滑に果たすものである。
しかして、これらの下水道用臭気防止装置においては、集水受箱(集水筒部)の側方開口部(排水口)をゴム素材の弾性弁体をもって開閉するものであり、長年の下水道雰囲気内にあって次第に劣化が進み、集水受箱本体の更なる再使用のため、該弾性弁体の取替えがなされる。
該弾性弁体の取替えは、該弁体の固定が嵌め合い(文献1,2)又は固定ピン(文献3,4)での強嵌合状態でなされており、該弁体の取外し、ひいては取付けも作業手間を要し困難を来すものである。そして、該弁体の強固定はまた、弁体の開閉動作を緩慢なものとし、作動性が悪く、改善が期待されている。
実公昭61−23105号公報 実公昭61−41823号公報 特開平11−13121号公報 特開平11−50519号公報
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、この種の下水道用臭気防止装置において、弁体の取付け及び取外し操作が簡便になされ、かつ弁体の作動が円滑になされる下水道用臭気防止装置を提供することを目的とする。
本発明はこのため、弁体を硬質素材に変更し、かつ該弁体の取付け手段を強嵌合から解放するという新規な着想を採ることにより、この目的を達成したものである。
併せて、従来のこの種の下水道用臭気防止装置におけるゴム弾性弁の取替えとの継続性も達成でき、再使用を図り得ることも他の目的とする。
本発明の下水道用臭気防止装置は、具体的には次の構成を採る。
すなわち、本発明の第1は、上方に集水口が形成され、側方に排水口が形成される集水筒部を備えてなる下水道用臭気防止装置において、
前記集水筒部の排水口回りには同一平面を形成する弁座部を有するとともに、前記弁座部は鉛直もしくは下方に向けて外方に傾斜し、前記排水口の上部の集水筒部には所定の孔径を有する複数の第1取付け孔が水平に相並んで開設され、
前記排水口の前面に配されて該排水口を開閉する非変形性のフラップ弁は、前記弁座部を覆う平板体の弁本体を有するとともに、該弁本体の上部には前記排水口の第1取付け孔に対応して第2取付け孔が同位相をもって開設され、
前記排水口の第1取付け孔と前記フラップ弁の第2取付け孔とにわたって、弾性線材よりなり頭部の円環状のホック部より端部に向けてくびれ部と肩部と開脚部とが順次形成された取付けピンが装着され、
前記取付けピンの肩部の差渡し長さは自然状態で前記第1取付け孔の孔径よりも大きく、かつ、圧縮されて該第1取付け孔の孔径よりも小さくされ、
前記取付けピンの開脚部は端部に至るにつれ前記第1取付け孔の孔径よりも縮小され、
前記取付けピンのホック部は前記フラップ弁の第2取付け孔回りに係合され、該取付けピンのくびれ部は第1取付け孔内に遊嵌挿されることを特徴とする。
上記構成において、
1)フラップ弁は、平板体の弁本体の上部に外方に2つの平坦部によりく字状の屈曲部を有し、該屈曲部の上方の平坦部に第2取付け孔が開設されること、
2)排水口は方形状をなすこと、
3)第1取付け孔は円形であること、
は適宜採択される技術的事項である。
(作用)
本臭気防止装置の設置は、集水筒部を天板を介してまたは介さずに集水孔を有する雨水ます又は汚水ますの蓋部の下方に配して設置する。
本臭気防止装置の集水口は蓋部の集水孔に対応する位置に配される。
フラップ弁は取付けピンをもって吊設され、該フラップ弁自体の重量により弁座に当接し、排水口を塞ぐ。フラップ弁の流水圧による開放は取付けピン回りに揺動し、無理な応力を生じない。取付けピンはまた、第1取付け孔でそのくびれ部が遊嵌把持され、自由な動きを許容する。
下水道から生じる臭気は、フラップ弁の閉弁により阻止される。降雨による流入水は集水筒部の内方から排水口に向けて流れ、フラップ弁を開く。
本装置の組立てにおいて、フラップ弁の集水筒部への装着操作は、取付けピンを第2取付け孔に差し通し、該取付けピンの開脚部から第1取付け孔内へ押し込むことによりなされる。このとき、取付けピンの開脚部は外力の圧縮力をもってその幅をせばめる(圧縮変形)ことにより押込み操作は容易になされる。取付けピンは元形状に復し、その肩部が第1取付け孔の孔径よりも大きくなり、抜け出ない。
取外しにおいては、圧縮力をもって取付けピンの幅をせばめ、第1取付け孔より引き抜くことにより、容易になされる。
本発明の第2は、上方に集水口が形成され、側方に排水口が形成される集水筒部を備えてなる下水道用臭気防止装置において、
前記集水筒部の排水口は回りには同一平面を形成する弁座部を有するとともに、前記弁座部は鉛直もしくは下方に向けて外方に傾斜し、前記排水口の上部の集水筒部には所定の孔径を有する複数の第1取付け孔が水平に相並んで開設され、
前記排水口上部の前面に配されて該排水口を開閉するフラップ弁は、前記弁座部を覆う平板体の弁本体を有するとともに、該弁本体の上部には前記排水口の第1取付け孔に対応して第2取付け孔が同位相をもって開設され、
前記排水口の第1取付け孔と前記フラップ弁の第2取付け孔とにわたって取付けピンが装着され、
前記取付けピンは、前記フラップ弁を該フラップ弁の第2取付け孔を介して吊り下げるとともに、前記第1取付け孔より外れることなく揺動自在に保持することを特徴とする。
本第2発明は、取付けピンが特定の形状に限定されるものではなく、フラップ弁の枢着部での揺動自在性等の所定の機能を備えるものであればよいことを確認するものである。図11に示す吊下げワイヤー態様は本発明に属する。
本発明の第3は、上方に集水口が形成され、側方に排水口が形成される集水筒部を備えてなる下水道用臭気防止装置において、
前記集水筒部の排水口回りには同一平面を形成する弁座部を有するとともに、前記弁座部は鉛直もしくは下方に向けて外方に傾斜し、前記排水口の上部の集水筒部には複数の第1取付け孔が水平に相並んで開設され、
前記排水口の前面に配されて該排水口を開閉するフラップ弁は、前記弁座部を覆う平板体の弁本体を有するとともに、該弁本体の上部には前記排水口の第1付け孔に対応して第2取付け孔が同位相をもって開設され、
前記排水口上部の第1取付け孔と前記フラップ弁の第2取付け孔とにわたって取付けピンが装着され、
前記取付けピンは、前記フラップ弁を該フラップ弁の第2取付け孔を介して吊り下げることを特徴とする。
本第3発明は、取付けピンが揺動自在であることに限定されるものではなく、所定の機能を備えるものであればよいことを確認するものである。
上記構成において、
1)取付けピンは切欠きを有するホック部とねじ部とを備え、ねじ部への螺合するナットをもって固定されること、
は適宜採択される技術的事項である。
本発明の下水道用臭気防止装置によれば、フラップ弁の非変形性により従来のゴム弾性弁のようなめくれ、反りが生じず、長期間良好な防臭作用が持続できる。また、フラップ弁は枢着部により吊下げ保持され、該フラップ弁の開閉につき、その枢着部には無理な応力が加わらず、開閉が円滑になされる。
本防臭装置によれば本フラップ弁の装着は、取付けピンの作用とともに旧来のゴム弾性弁を有する臭気防止装置に適用され、旧来の臭気防止装置の再使用が実現される。
加えて、第1発明の下水道用臭気防止装置によれば、集水筒部の排水口へのフラップ弁の取付け及び取外しを、取付けピンの弾性に抗して一定の外力を加えることにより容易になされ、作業効率の向上に寄与する。また、取付けピンの自然弾性状態ではフラップ弁は集水筒部から容易に外れることはなく、頑丈なフラップ弁の取付け構造が得られる。
本発明の下水道用臭気防止装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図8は本発明の下水道用臭気防止装置の一実施形態を示す。すなわち、図1〜図3は本下水道用臭気防止装置Sの全体の各側面構成を示し、図4〜図8は本下水道用臭気防止装置Sの各部の構成を示す。
図1〜図3に示すとおり、この下水道用臭気防止装置(以下「臭気防止装置」という)Sは、天板部1、及び2つの側面板2と上下の前面板3,4と底面板5とからなる集水筒部6を含み、該集水筒部6の下部前面板4にフラップ弁7が取付けピン8を介して装着されてなる。天板部1と集水筒部6とにより、本臭気防止装置Sの「箱体」を構成する。
本臭気防止装置Sにおいて、流水の吐出される排水口すなわちフラップ弁8の配される側を前部とし、本装置自体をもって左右とする。
以下、各部の細部構成を説明を説明する。
天板部1(図1〜図3参照)
天板部1は、中央においてやや後部寄りに矩形状の挿入口1aを有する矩形平板状をなす。また、その縁部をもって雨水ますの本体の上縁部に載置される。
該天板部1は図例では平面形状が矩形状をなすが、場合によっては円形状も採りうるものである。
集水筒部6(図1〜図3参照)
集水筒部6は、所定間隔をもって相対峙して配される右左の側面板2、該側面板2の前端に跨がって配される上下の前面板3,4、及び該側面板2の底辺に跨がって配される底面板5の組合わせよりなり、箱空間を形成する。しかして、該集水筒部6は上部が天板部1の挿入口1aに連通する集水口6aに形成される。集水筒部6には前面に排水口6bが形成され、集水口6aから流入した雨水は内部空間を通って排水口6bより流れ出る。
上下の前面板3,4は、本集水筒部6の側面形状を決める側面板2の前端形状に対応して該側面板2の屈折部を境にして、上下に分かれるが、側面板2の前端形状が直線状であれば上下が一体化され、1枚ものであってもよい。また、底面板5も側面板2の下端形状に対応して曲面状となるが、側面板2の下端が直線状であれば平坦形状を採る。
(側面板2)
側面板2は、所定の形状をなし、所定間隔をもって相対峙して配される。図例では前端部がくびれを有するが、特にこの形状に限定されるものでないことは前述のとおりである。底部についても同様である。
(上部前面板3)
上部前面板3は、側面板2の前端の上部において側面板2間に跨がって配される。該上部前面板3は図例では下部前面板4と別体となっているが、下部前面板4と一体化されうることは前述のとおりである。
(下部前面板4)
下部前面板4は、側面板2の前端の下部において側面板2間に跨がって配されるとともに、排水口6bとしての開口が形成され、該開口6b回りに弁体の着座する突条の弁座10が突設される。弁座10は同一平面をなす。弁座10は鉛直面とαの傾斜をなし、下方に向けて外方に傾斜する。なお、αは0°すなわち鉛直状であってもよい。突条体としての弁座10は場合によっては省略され得るが、この場合には下部前面板4の平坦面が弁座の機能を果す。
該下部前面板4の上部は、複数(少なくとも2、本実施形態では4)の第1の取付け孔12が同一水準を保って開設される。該取付け孔12の孔径Aは同一寸法にされ、後記する取付けピン28との関係を保つ。
(底面板5)
底面板5は、側面板2の下端部において、該側面板2間に跨がって配される。該底面板5の条面には適宜流水の流下を導く縦条が形成されるが、任意的事項である。
以上の天板1及び集水筒部6を構成する各部材2,3,4,5は、金属製の薄板が使用される。そのような金属薄板として軟質の素材、通常はトタン(亜鉛メッキ鋼板)、ブリキ板(すずメッキ鋼板)が使用される。特にはステンレスが好適である。これらの薄板の接合部は折返し部をもって、ねじ締め、あるいは溶接をもって接合される。
なお、金属素材に限定されず、他の素材(例えば合成樹脂材)の使用を妨げるものではない。
更には、これらの部材をもって先の文献3,4に示すとおり、組立て式にすることも妨げるものではない。
フラップ弁7(図4、図5参照)
フラップ弁7は、非変形性の硬質素材をもって形成され、所定の形状を有し、所定の取付け状態並びに関係位置をもって前面板4に装着され、かつ該前面板4の排水口6bを開閉する。
該フラップ弁の素材は、非変形性・硬質性の要請から金属あるいは硬質合成樹脂が使用されるが、更に防錆性の観点からステンレス鋼が推奨される。
図4は該フラップ弁7の平面形状を示し、図5はその側面ないしは側断面形状を示す。
該フラップ弁7は、1枚の平板体から形成され、下方の大部分を占める平板部14と上部の屈曲部15とからなる。平板部14は弁座10を十分に覆う広さを有する。屈曲部15は上部屈曲部15aと下部屈曲部15bとから構成され、上部屈曲部15a及び下部屈曲部15b自体は平板状をなす。上部屈曲部15aと下部屈曲部15bとは適宜角度をもって折り曲げられる。
該フラップ弁7の上部屈曲部15aには第2取付け孔17が開設される。該第2取付け孔17は第1取付け孔12に対応し、同間隔の位相を採る。該取付け孔17の孔径は格別の条件はなく、要は後記する取付けピン8の差し通しを許容しえればよい。
留意すべきは、該取付け孔12の上縁と上部屈曲部15aの上縁との間隔距離が、後記する取付けピン8の差し通しを許容することであり、該取付けピン8のフック部の内径より小さいことである。
該フラップ弁7の屈曲部15aは取付けピン8との装着性を配慮したもので、場合によっては屈曲部15を廃し、平板部14からの直接的な延長としての平板体であってもよい。また、曲面状であってもよい。
該フラップ弁7はステンレス鋼製であることが好ましい。
取付けピン8(図6参照)
取付けピン8は、1本の金属線をもって成形され、中央で円環状をなすいわゆるホック部8aをもって折り曲げられ、中間の凹曲状のくびれ部8b、肩部8c、及び末端の開脚部8dより構成される。この形状は金属線を塑性変形して得られるものであり、全体として若干の弾性を発揮する。
該取付けピン8は所定の強度と硬度を有し、若干の弾性を有することを基本とする。
これらの各部8a,8b,8c,8dは取付け孔12,17と所定の寸法関係を有する。
図6において、Hはホック部8aの外径寸法、H’はホック部8aの内径寸法、Iはくびれ部8bの外形寸法、Jは肩部8cの外形寸法、Kは脚部8dの端部の外形寸法を示す。ホック部8aの内径寸法H’は、フラップ弁7の上縁と第2取付け孔17の上縁との距離よりも大きい。肩部8cの外径寸法Jは自然状態(非圧縮状態)で第1取付け孔12の孔径Aより大きく、圧縮状態で第1取付け孔12の孔径Aより小さい。
該取付けピン8は本実施形態では金属線よりなるが、他の素材(例えば合成樹脂材)の使用を妨げるものではない。この場合において、全体的に弾性を発揮するものであることは上述のとおりである。
本実施形態において、上記した構成のフラップ弁7を取付けピン8を介して前面板4へ取り付ける装着態様に特徴を有する。
図7・図8はその取付け・装着態様を示す。
先ず取付けピン8をフラップ弁7の第2取付け孔17に差し通して、ホック部8aをもってフラップ弁7を吊り下げ、開脚部8dを下部前面板4の前面から第1取付け孔17に挿入してフラップ弁7を装着する。取付けピン8の肩部8cの外形寸法Jは第1取付け孔12の孔径Aより大きく、該第2取付け孔17より容易に抜け出ることはない。取付けピン8の凹曲部8bの外形寸法Iは第1取付け孔12の孔径Aより小さく、取付けピン8は遊びを存して緩嵌挿されてなる。
これにより、フラップ弁7は取付けピン8を介して前面板4に脱落することなく止着される。もっと言えば、フラップ弁7は取付けピン8により吊設されるとともに、取付けピン8も第1取付け孔12内に遊動自在に取り付けられ、フラップ弁7の揺動を保障する。フラップ弁7は揺動自在に取付けピン8に吊設されるが、どの状態にあってもその平板部14が弁座10に当接し、密閉状態を保つ。
フラップ弁7の取付け・取外し操作
本フラップ弁7の集水筒部6への取付け操作は次の手順、要領をもってなされる。なお、本操作は工場・現場を問わない。
取付け
先ず取付けピン8をフラップ弁7の第2取付け孔17に差し通して、ホック部8aをもってフラップ弁7を吊り下げる。
フラップ弁7を集水筒部6の前面に臨ませ、所定状態に保持し、その第1取付け孔12に取付けピン8の開脚部8dより差し込む。強い力をもって取付けピン8を押し込むことにより肩部8cは縮径し挿入されるが、人力または適宜の挟着具を使用して該取付けピン8を圧縮することもできる。
第1及び第2取付け孔12,17相互の対応が定まっているので、フラップ弁7は取付けピン8を介して所定の取付け状態に保持される。
取外し
取付けピン8をその弾性に抗して縮径し、該取付けピン8の肩部8cを第1取付け孔12から引き抜き、フラップ弁7を取り外す。
取替え
旧来の既設の臭気防止装置において、老朽化もしくは損傷した弾性弁体を取り替える場合、旧来の臭気防止装置の旧取付け孔位置は本臭気防止装置Sと同位置にあり、旧位置をそのまま利用できるものであり、弾性弁体を取り外して該上記の取付け操作によりフラップ弁の取付けが容易になされる。
既設の本臭気防止装置Sではフラップ弁7の取替え操作は更に容易である。
(本臭気防止装置Sの設置)
叙上の構成よりなる本臭気防止装置Sは雨水ます・汚水ますに対して、次の要領で設置される。
図9はその設置要領を示し、図においてMは雨水ます、Rは道路面、Pは舗道面である。雨水ますMは本体100と該本体100の上縁に載置される蓋体102とからなり、該本体100下部から道路下の下水道本管に連通する取付け管104が配される。蓋体102には集水孔102aが開設される。本臭気防止装置Sは、その天板部1の縁部を雨水ますMの本体100の上縁に載置し、集水筒部6を内部空間に配し、蓋体102を天板部1上に載置する。天板部1は薄板をなすので、蓋体102の設置に何らの影響を与えない。
(本臭気防止装置Sの機能)
取付け管104から発生する臭気は、本臭気防止装置Sにおけるフラップ弁7により閉塞され、地上へは逸出しない。
降雨において、雨水は蓋体102の集水孔102aより流入し、本臭気防止装置Sの集水口6aより集水筒部6内に流れ込み排水口6bに至る。この流水圧は排水口6bにおけるフラップ弁7を開き、雨水は雨水ますMから取付け管104を介して下水道本管へ流れ出る。
(本臭気防止装置Sの効果)
本実施形態の下水道用臭気防止装置Sによれば、そのフラップ弁7は上述した取付け・取外し操作をもって、取付けピン8の加力のみで容易になされ、良好な作業性を発揮する。また、取付けピン8の自然弾性状態ではフラップ弁7は集水筒部6第1取付け孔12から容易に外れることはなく、フラップ弁7は強固に集水筒部6に取り付けられるものである。更に、フラップ弁7の開閉につき、その枢着部には無理な応力が加わらず、開閉が円滑になされる。
本フラップ弁7の装着は、取付けピン8の作用とともに旧来のゴム弾性弁を有する臭気防止装置に適用され、旧来の臭気防止装置の再使用が実施される。
また、本臭気防止装置Sを設置した汚水ますは、建物内からの汚水流入管を有する外は図9と実質的に同一構成をなし、その蓋部102は旧来の密閉型と異なり、集水孔102aを有するものが使用され、場合によってはグレーチングの使用も可能である。そして、この汚水ますでは臭気の外部への逸出が防止されるとともに、降雨において集水がなされ、地域での集水機能の増大化に寄与し、画期的である。
図9に示す雨水ます・汚水ますはその蓋体102が方形状をなし、これに対して本臭気防止装置Sの天板部1も方形状をなすが、雨水ます・汚水ますの蓋体102が円板状をなす場合にあっては本臭気防止装置Sの天板部1も円板状を採る。この臭気防止装置Sにおいては、挿入口1aを含めそれ以外の構成は先の実施例の態様に準じる。この場合においては円形蓋体102の集水口102aは円形天板部1の挿入口1aの領域内に含まれることは勿論である。
本発明は叙上の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能である。すなわち、以下の態様は本発明の技術的範囲内に包含される。
1)叙上の実施形態では取付けピン8の肩部8cは曲面状に形成されてなるが、該取付けピン8の肩部8cに突起を設けることにより、該取付けピン8の第1取付け孔12からの抜け出しがより確実に阻止される。
2)取付けピンにいわゆる「洋灯吊りボルト」を使用すること。
図10にその一例示を示す。該図は図8に相当するものであって、洋灯吊りボルト20を使用したフラップ弁7の装着状態を示す。該洋灯吊りボルト20はホック部20a、直杆部20b、ねじ部20cよりなり、20dはフック部20aの切れ目である。該洋灯吊りボルト20はナット21及びワッシャー(図示せず)と一対となって使用される。ワッシャーは適宜省略されうる。前面板4及びフラップ弁7の構成については特に変わるところはなく、前面板4には第1取付け孔12が、フラップ弁7には第2取付け孔17がそれぞれ形成される。
この態様において、各洋灯吊りボルト20はその直杆部20bを第1取付け孔12に挿通され、ナット21をねじ部20cに締め込んで固定される。しかる後、フラップ弁7を第2取付け孔17を介して該洋灯吊りボルト20の切れ目20dから挿し込み、ホック部20aに係合させ、フラップ弁7を吊り下げ保持する。
3)図11は取付けピンの別の態様を示す。該図も図8に相当する。本態様において、前面板4の第1取付け孔12に所定長さの金属ワイヤー23が挿通され、該取付け孔12を挟んでワイヤー23を挿通しうる穴を有するワッシャー24を配し、更にその両側に金属塑性リング25(フラップ弁側リング25a、前面板4側リング25b)を嵌装する。フラップ弁側リング25a側については、ワイヤー23をフラップ弁7の第2取付け孔17に挿し通し、その折り返し部を該リング25aに挿し通し、しかる後リング25aを圧縮変形させてワイヤー23を固定する。前面板4側リング25b側についても、ワイヤー23を折り返し、リング25bに挿し通し、しかる後リング25bを圧縮変形させてワイヤー23を固定する。ワッシャー24によりこの吊下げワイヤー23の抜出しが阻止される。
この吊下げワイヤー23の態様においては、ワイヤー23は屈撓性を示し、フラップ弁7を自在に吊し、またその装着作業も容易である。
本発明の下水道用臭気防止装置の一実施形態の平面図(図2、図3の1方向矢視図)。 その正面図(図1、図3 の2方向矢視図)。 その側面図(図1、図2の3方向矢視図)。 フラップ弁の一部省略正面図。 図4の5方向矢視図。 取付けピンの平面図。 本フラップ弁の装着状態を示す断面図。 図7の部分拡大図。 本下水道用臭気防止装置の雨水ますへの設置要領を示す図。 本下水道用臭気防止装置の他の様態を示す部分断面図。 本下水道用臭気防止装置の更に他の様態を示す部分断面図。
符号の説明
M…下水道管渠用枡、S…下水道管渠用防臭装置、1…天板部、3,4…前面板、6…集水筒部、6b…排水口、7…フラップ弁、8…取付けピン、8a…ホック部、8b…くびれ部、8c…肩部、8d…開脚部、12…第1取付け孔、17…第2取付け孔、20…洋灯吊りボルト、23…吊下げワイヤー

Claims (7)

  1. 上方に集水口が形成され、側方に排水口が形成される集水筒部を備えてなる下水道用臭気防止装置において、
    前記集水筒部の排水口回りには同一平面を形成する弁座部を有するとともに、前記弁座部は鉛直もしくは下方に向けて外方に傾斜し、前記排水口の上部の集水筒部には所定の孔径を有する複数の第1取付け孔が水平に相並んで開設され、
    前記排水口の前面に配されて該排水口を開閉する非変形性のフラップ弁は、前記弁座部を覆う平板体の弁本体を有するとともに、該弁本体の上部には前記排水口の第1取付け孔に対応して第2取付け孔が同位相をもって開設され、
    前記排水口上部の第1取付け孔と前記フラップ弁の第2取付け孔とにわたって、弾性線材よりなり頭部の円環状のホック部より端部に向けてくびれ部と肩部と開脚部とが順次形成された取付けピンが装着され、
    前記取付けピンの肩部の差渡し長さは自然状態で前記第1取付け孔の孔径よりも大きく、かつ、圧縮されて該第1取付け孔の孔径よりも小さくされ、
    前記取付けピンの開脚部は端部に至るにつれ前記第1取付け孔の孔径よりも縮小され、
    前記取付けピンのホック部は前記フラップ弁の第2取付け孔回りに係合され、該取付けピンのくびれ部は第1取付け孔内に遊嵌挿される、
    ことを特徴とする下水道用臭気防止装置。
  2. 上記フラップ弁は、平板体の弁本体の上部に外方に2つの平坦部によりく字状の屈曲部を有し、該屈曲部の上方の平坦部に第2取付け孔が開設される請求項1に記載の下水道用臭気防止装置。
  3. 請求項1又は2のいずれかにおいて、取水口は方形の天板部に形成される下水道用臭気防止装置。
  4. 請求項1又は2のいずれかにおいて、取水口は円形状の天板部に形成される下水道用臭気防止装置。
  5. 上方に集水口が形成され、側方に排水口が形成される集水筒部を備えてなる下水道用臭気防止装置において、
    前記集水筒部の排水口回りには同一平面を形成する弁座部を有するとともに、前記弁座部は鉛直もしくは下方に向けて外方に傾斜し、前記排水口の上部の集水筒部には所定の孔径を有する複数の第1取付け孔が水平に相並んで開設され、
    前記排水口の前面に配されて該排水口を開閉するフラップ弁は、前記弁座部を覆う平板体の弁本体を有するとともに、該弁本体の上部には前記排水口の第1取付け孔に対応して第2取付け孔が同位相をもって開設され、
    前記排水口上部の第1取付け孔と前記フラップ弁の第2取付け孔とにわたって取付けピンが装着され、
    前記取付けピンは、前記フラップ弁を該フラップ弁の第2取付け孔を介して吊り下げるとともに、前記第1取付け孔より外れることなく揺動自在に保持する、
    ことを特徴とする下水道用臭気防止装置。
  6. 上方に集水口が形成され、側方に排水口が形成される集水筒部を備えてなる下水道用臭気防止装置において、
    前記集水筒部の排水口回りには同一平面を形成する弁座部を有するとともに、前記弁座部は鉛直もしくは下方に向けて外方に傾斜し、前記排水口の上部の集水筒部には複数の第1取付け孔が水平に相並んで開設され、
    前記排水口の前面に配されて該排水口を開閉するフラップ弁は、前記弁座部を覆う平板体の弁本体を有するとともに、該弁本体の上部には前記排水口の第1付け孔に対応して第2取付け孔が同位相をもって開設され、
    前記排水口上部の第1取付け孔と前記フラップ弁の第2取付け孔とにわたって取付けピンが装着され、
    前記取付けピンは、前記フラップ弁を該フラップ弁の第2取付け孔を介して吊り下げる、
    ことを特徴とする下水道用臭気防止装置。
  7. 請求項6において、取付けピンは切欠きを有するホック部とねじ部とを備え、ねじ部への螺合するナットをもって固定される、下水道用臭気防止装置。

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