以下、本発明の一実施形態を具体化したスロット遊技機1を図1〜図15に基づき詳細に説明する。まず本実施形態のスロット遊技機1の基本的構成を説明する。
図1は、本実施形態のスロット遊技機1を遊技者側から見たときの全体正面図である。このスロット遊技機1は、長方形状の箱体(図示略)と、箱体の左端縁側に対して回動開閉可能に軸支された前扉2とを備えている。前扉2の前面側の略中央部において、箱体に取り付けられた図示しない可変表示装置(例えば回胴部材を有するドラムユニットなど)の前方位置には、矩形状の表示装置保護窓3が配設されている。従って、この表示装置保護窓3を介して可変表示装置の表示領域が視認可能となっている。なお、可変表示装置の表示領域には、複数の図柄からなる組合せが表示されるようになっている。
前扉2の前面において表示装置保護窓3の下方位置には、スタートレバー11、回胴停止装置である3つの停止ボタン12、BETボタン13、メダル返却ボタン14、清算ボタン15、メダル投入口16、施錠装置17などが配設されている。また、前扉2の前面における最下方中央部位置には受け皿18が配設されている。受け皿18の中央部にはメダル排出口19が形成され、その左側にはスピーカ20が配設されている。
図1に示されるように、箱体において前記可変表示装置の下方となる位置には、遊技機内部の収納部であるホッパー21が設置されている。ホッパー21の下端には図示しない払い出し装置が設けられるとともに、その払い出し装置によって所定数のメダルM1がメダル排出口19から排出されるようになっている。前扉2の裏面側における所定箇所には、メダル流路部材22が配設されている。メダル流路部材22は、直接メダル排出口19に接続されている。図1,図2に示されるように、前扉2の裏面側において前記メダル流路部材22の上方位置には、メダルセレクタ31が斜め下方に延びるようにして配設されている。かかるメダルセレクタ31は、メダル投入口16から投入されたメダルM1を取り込んで選別するとともに、前記メダルM1をホッパー21に収納し、またはメダル流路部材22及びメダル排出口19を介して受け皿18に返却するようになっている。
上記構成のスロット遊技機1では、遊技媒体としてメダルM1を用いて図柄組合せゲームが行われる。遊技者は、メダル投入口16からメダルM1を投入するか、あるいはBETボタン13を適宜操作してベット数を設定した後、スタートレバー11を操作して回胴部材を回転させる。回胴部材の回転が開始してから一定時間が経過するか、あるいは遊技者が停止ボタン12を操作すると、各回胴部材の回転が停止する。このとき、表示装置保護窓3を介して目視可能なドラムユニットの表示領域に現れる図柄が、特定の組み合せ態様になった場合には、賞として所定枚数のメダルM1が払い出されるようになっている。
次に、メダルセレクタ31の構成等について詳細に説明する。図3等に示されるように、本実施形態のメダルセレクタ31は、メダルセレクタ基体32とカバー部材33とを備えており、図2に示すように前扉2の裏面に配設されている。まずメダルセレクタ基体32側の構成について述べる。なお、図3にて正面を向いている面をメダルセレクタ31の表面とし、図4にて正面を向いている面をメダルセレクタ31の裏面とする。
図2,図3,図4,図8等に示されるように、メダルセレクタ基体32は合成樹脂材料からなる成形品であって、基体表面32a側には途中に曲がった部分(即ち進行方向変更部)を有するメダル通路41が構成されるようになっている。即ち、メダルセレクタ基体32の基体表面32aは、メダル通路41の一方側の側壁となっている。図8に示されるように、メダルセレクタ基体32の上端部には、メダル通路41内にメダルM1を取り込む際の入口である取込口36が形成されている。かかる取込口36は、前扉2に設けられたメダル投入口16の直下に配置されている。メダルセレクタ基体32の下端部には、メダル通路41からメダルM1を排出するための出口34が延設されている。出口34はホッパー21の上端開口部の直上に位置している。
ここでメダル通路41は、取込口36から取り込まれたメダルM1をホッパー21の上端開口の方面に案内する役割を果たしている。メダル通路41に沿ってその両側には部分的にリブが形成されている。図8に示されるように、かかるメダル通路41は、第1通路42及び第2通路43という2つの部分からなる。第1通路42は取込口36に連結されており、取込口36から取り込んだメダルM1を進行方向を殆ど変えずに斜め下方に案内するように構成されている。第2通路43は第1通路42の下端に連結されており、前記第1通路42を通過してきたメダルM1の進行方向を変えて斜め下方に案内するように構成されている。なお、水平線を基準としたときの第2通路43の傾斜角度は、水平線を基準としたときの第1通路42の傾斜角度よりも緩やかになっている。
図4,図8に示されるように、メダルセレクタ基体32において第1通路42のある箇所、言い換えると第1通路42の側壁となる部分には、メダル逃がしスリット35が貫通形成されている。メダル逃がしスリット35の基体裏面32b側の開口縁には面取りが施されている。メダル逃がしスリット35の幅(最大幅)は、正規メダルM1の直径よりも小さくなるようにあらかじめ設定されている。メダル逃がしスリット35は、正規メダルM1の直径よりも若干小さい程度に設定されることが望ましい。ここでは、直径25.0mm±0.03mm、厚さ1.6mm±0.05mmという寸法のメダルを「正規メダルM1」として定義する。なお、本実施形態のメダルセレクタ31の取込み可能なメダル寸法の範囲は、直径24.0mm〜25.5mm、厚さ1.5mm〜1.9mmとなっている。上記正規メダルM1の寸法以外のメダルを「不正メダル」とする。
図4,図8に示されるように、メダルセレクタ基体32の基体表面32aにおいて、第2通路43の前半部の底面となる部分には、第2通路43の底面の形状に沿って湾曲した開閉レール部材用溝44が形成されている。また、第2通路43の前半部底面となる部分において開閉レール部材用溝44の下流側端には、メダルストッパ46の先端部を第2通路43内に出没させるためのメダルストッパ用孔45が貫通形成されている。図4に示されるように、メダルストッパ46は略L字状の金属片であって、その中間部分はメダルセレクタ基体32の基体裏面32bに回動可能に軸支されている。メダルストッパ46の先端部が第2通路43内に突出した場合、メダルストッパ46の先端部がメダルM1に当接可能となるため、第2通路43の下流側へのメダルM1の通過が規制される。一方、メダルストッパ46の先端部が第2通路43外に退避した場合、メダルストッパ46の先端部がメダルM1に当接不能となるため、第2通路43の下流側へのメダルM1の通過が許容される。また、メダルストッパ46の基端部と、メダルセレクタ基体32の基体裏面32bとの間には、メダルストッパ付勢用バネ47が介装されている。このメダルストッパ付勢用バネ47は、メダルストッパ46の基端部を基体裏面32bから離間させる方向に常時付勢している。従って、メダルストッパ46の先端部は、実質的に、第2通路43内に突出する方向に常時付勢されていることになる。
図4に示されるように、メダルセレクタ基体32の基体裏面32b側には、メダル検知用の検知装置100が取り付けられている。ここで、検知装置100の構成を、図4,図10,図13等に基づいて説明する。検知装置100は、平面視略L字状に形成された配線基板111と、検知機構100aとを備えている。配線基板111の表面は、センサやコネクタなどの電気部品が実装される電気部品実装面となっており、配線基板111の裏面は、導体パターン(図示略)が形成される導体パターン形成面となっている。即ち、配線基板111は、裏面のみに導体パターンを有する片面板である。なお、電気部品実装面は、メダルセレクタ基体32との組付状態において下面(第2通路43に臨む面)となり、導体パターン形成面は、メダルセレクタ基体32との組付状態において上面(第2通路43に臨まない面)となる。即ち、配線基板111は、組付状態において裏返しになっている。配線基板111は、基板主部111bと、同基板主部111bに直交する張出部111aとからなり、全体として平面視略L字状に形成されている。張出部111aは、第2通路43の前半部の上部に貫設された光センサ用孔52(検知手段用挿通孔)を介して、基体表面32a側に突出可能になっている。この張出部111aの電気部品実装面には、検知手段実装領域112が割り当てられている。また、基板主部111bは、一端側が張出部111aに接続され、他端側にコネクタハウジング実装領域113を有している。コネクタハウジング実装領域113は、配線基板111において検知手段実装領域112と同じ面(電気部品実装面)に配置されている。図4に示されるように、配線基板111は、メダルセレクタ基体32の基体裏面32b側に取り付けられ、基体裏面32b側において同基体裏面32bに直交するように配置されている。
図10に示されるように、配線基板111の検知手段実装領域112には、検知機構100aがネジ止めされている。即ち、検知機構100aは、配線基板111の下面にネジ止めされており、基板主部111bと張出部111aとを跨いだ状態で配置されている。なお、検知機構100aは、配線基板111の上面にネジ止めされていてもよいが、第2通路43から離れてしまうため、検知機構100aを大型化・複雑化しなければ、第2通路43を通過するメダルM1を検知できない可能性が高い。よって、検知機構100aは、配線基板111の下面にネジ止めされることが好ましい。
図10,図11に示されるように、検知機構100aは、接触式検知手段101及び検知部支持体103を備えている。検知部支持体103は、支持体本体121(図4参照)と、同支持体本体121の両側にそれぞれ配置された略矩形状の側板122a,122bとを備え、全体として略箱状をなしている。支持体本体121は、略立方体状をなしており、上面(配線基板111側の面)、側面(側板122a,122bを有する面)、前面及び後面121a(図4参照)からなっている。支持体本体121の上面は、配線基板111の下面に当接しており、配線基板111の上面側から挿通されたネジ123が螺着されるようになっている。これにより、配線基板111に検知部支持体103が固定される。
一方、両側板122a,122bは、互いに平行に配置されるとともに、支持体本体121の上面及び配線基板111に対して直交した状態に配置されている。両側板122a,122bは、前側(配線基板111の張出部111aの先端側)及び下側(配線基板111とは反対側)に延設されている。これら側板122a,122bの延設部分と支持体本体121の前面とからなる空間は、接触式検知手段101を収容する検知手段収容部となっている。また、両側板122a,122bの上端部(配線基板111側の端部)は、支持体本体121の上面から突出し、張出部111aの側縁に当接している。このため、両側板122a,122bの間隔は、張出部111aの幅とほぼ等しくなっている。なお、両側板122a,122bの上端部の突出量は配線基板111の板厚と等しくなっているため、両側板122a,122bの上端は配線基板111と面一になる。
図10,図11に示されるように、一方の側板122aには、略矩形板状をなすネジ孔部103bが突設されている。ネジ孔部103bは、同ネジ孔部103bを厚さ方向に貫通するネジ孔を有している。ネジ孔部103bは、側板122aに対して直交しており、側板122aの上下方向に沿って延設されている。ネジ孔部103bの上端部は、基板主部111bの側縁に当接しており、ネジ孔部103bの上端は、配線基板111と面一になっている。また、ネジ孔部103bの突出方向における先端部には、コ字状をなす切欠部126が形成されている。
なお、図4に示されるように、検知部支持体103は、切欠部126をメダルセレクタ基体32の基体裏面32bに突設された位置決めリブ(図示略)に係合させた状態で、ネジ孔を挿通したネジをメダルセレクタ基体32の基体裏面32bに螺着させることにより、メダルセレクタ基体32に固定される。これにより、検知装置100がメダルセレクタ基体32に固定され、配線基板111が、検知部支持体103を介してメダルセレクタ基体32に固定される。なお、検知装置100とメダルセレクタ基体32との組付状態において、ネジ孔部103bが突設された側板122aは、メダルセレクタ基体32の基体裏面32bに対して直交した状態に配置される。さらに、支持体本体121の上面は、側板122aに対して直交した状態に配置されており、基体裏面32bに対して直交している。従って、支持体本体121の上面に配線基板111を固定すれば、配線基板111を、メダルセレクタ基体32の基体裏面32bに直交した状態に確実に配置できる。
図10,図11に示されるように、一方の側板122a(ネジ孔部103bが突設された側板)の上端部には、配線基板111の下面に当接する配線基板支持部(図示略)が突設されている。配線基板支持部の一端は、ネジ孔部103bの上端部分に直交した状態で接続されている。配線基板支持部には、略円柱状をなす位置決めピン124が突設されている。位置決めピン124は、配線基板111を貫通する位置決め孔125に係合することにより、検知部支持体103と配線基板111とを互いに位置決めする機能を有している。なお、位置決めピン124の突出量は配線基板111の板厚と等しくなっているため、位置決めピン124の先端は配線基板111と面一になっている。
また、他方の側板122b(ネジ孔部103b及び配線基板支持部を有しない側板)には、配線基板111側に突出する係合凸部127が形成されている。係合凸部127は、支持体本体121の上面からの突出部分に配置されており、基板主部111bの一端部に形成された係合凹部128に係合することにより、検知部支持体103と配線基板111とを互いに位置決めする機能を有している。さらに、この側板122bには、略矩形状をなす規制孔103aが貫通形成されている。
図10,図11に示されるように、前記接触式検知手段101は、第2通路43を通過するメダルM1に対して接触状態で検知するようになっている。接触式検知手段101は、接触検知部102と、検知手段である光センサ104(第1の非接触式センサ)とを有している。接触検知部102は、互いに直交する第1腕部102a及び第2腕部102bを有している。接触検知部102は、第1腕部102aと第2腕部102bとの接続部分を挿通し、両端が両側板122a,122bの延出部分を挿通する回動軸105を介して、検知部支持体103に回動可能に取り付けられている。なお、両側板122a,122bは、前記メダルセレクタ基体32の基体裏面32bに対して直交した状態に配置され、しかも互いに平行に配置されるため、第2通路43の延びる方向(図10にてA1で示す矢印の方向)と平行に回動軸105を配置することが容易になる。また、第1腕部102aの先端部側面には、前記メダルストッパ用孔45を介して第2通路43内に出没可能な突出部102dが形成されている。突出部102dは、第2通路43内に突出することで第2通路43を通過するメダルM1に接触可能となっている。なお、突出部102dは、第1腕部102aにおいて第2通路43の上流側に形成されている。また、突出部102dは、メダルストッパ用孔45内においてメダルストッパ46の先端部よりも第2通路43の下流側に位置するとともに、第2通路43の底面近傍に位置するようになっている。突出部102dにおけるメダル接触面は、接触検知部102の先端に行くに従って矢印A1方向に傾斜している。
図10,図11に示されるように、第2腕部102bの先端部には、略円柱状をなすバネ支持部102eが突設されている。バネ支持部102eと検知部支持体103との間には、接触検知部付勢用バネ107が介装されている。この接触検知部付勢用バネ107は、第2腕部102bの先端部を前記支持体本体121から離間させる方向に常時付勢している。これに伴い、突出部102dは、実質的に、第2通路43内に突出する方向に常時付勢される。さらに、第2腕部102bの先端部側方には、第2腕部102bが延びる方向と直交する方向に突出する回動規制片106が設けられている。回動規制片106は、前記規制孔103aの下端に爪部が係合することにより、支持体本体121から離間させる方向への第2腕部102bの移動を規制する機能を有している。また、第2腕部102bの基端部には、回動規制片106と同方向に突出する検知用突片102cが設けられている。
図10,図13,図14に示されるように、前記接触式検知手段101が有する光センサ104は、前記配線基板111の前記検知手段実装領域112に実装されている。具体的に言うと、光センサ104は、同光センサ104が有する複数の端子を前記電気部品実装面側から挿通させ、前記導体パターン形成面から突出した各端子の先端部に対してはんだ付けを行うことにより、検知手段実装領域112に実装される。また、光センサ104は、検知部支持体103の前記検知手段収容部内に配置されている。これにより、検知部支持体103は、支持体本体121及び前記両側板122a,122bによって光センサ104を囲んでいるため、光センサ104を覆う保護部材を兼ねている。光センサ104は、略コ字状をなし、溝部を隔てて互いに向かい合う発光部104aと受光部104bとを備えている(図14参照)。なお、本実施形態の発光部104aは、直流電源(5V)に接続されるアノード端子と、接地するカソード端子とを有する発光ダイオードである。また、本実施形態の受光部104bは、直流電源(5V)に接続される電源端子と、第3検知信号を出力する出力端子と、接地するグランド端子とを有し、発光素子(LED)及び増幅回路を備えたフォトICである。光センサ104は、接触検知部102の回動に伴う検知用突片102cの動きを非接触状態で検知するようになっている。具体的に言うと、光センサ104は、突出部102dへのメダルM1の接触に伴って接触検知部102が回動し、発光部104aからの光を検知用突片102cが遮って受光部104bが受光不能となる場合(図10(b)及び図11(c),(d)参照)に、メダルM1を検知する(オン状態となる)ようになっている。この場合、光センサ104は、受光部104bの出力端子から第3検知信号を、スロット遊技機1が備える主制御基板(図示略)のCPU(中央処理装置)に後述するセンサ駆動用コネクタハウジング114を介して出力する。一方、発光部104aからの光を受光部104bが受光可能となる場合には(図10(a)及び図11(a),(b),(e),(f)参照)、光センサ104は、メダルM1を検知しなくなり(オフ状態となり)、受光部104bの出力端子から第3検知信号を出力しなくなる。
また、図10,図13に示されるように、配線基板111の検知手段実装領域112には、検知手段である光センサ50,51(第2の非接触式センサ)が、2個並列に実装されている。具体的に言うと、光センサ50,51は、同光センサ50,51が有する複数の端子を電気部品実装面側から挿通させ、導体パターン形成面から突出した各端子の先端部に対してはんだ付けを行うことにより、検知手段実装領域112に実装される。光センサ50,51は、前記張出部111aの先端側に配置されている。図8に示されるように、検知手段実装領域112の一部、及び、光センサ50,51の一部は、前記光センサ用孔52を介して前記第2通路43内に突出している。即ち、検知手段実装領域112の一部は、光センサ用孔52を介してメダルセレクタ基体32の基体表面32a側に突出している。その結果、光センサ50,51の一部(透過部)が光センサ用孔52を介して第2通路43に臨むようなかたちで配置される。なお、各光センサ50,51は、第2通路43の上方位置に配設されている。一方の光センサ50は第2通路43の上流側位置に配設され、他方の光センサ51は、光センサ50よりも第2通路43の下流側位置に配設されている。また、光センサ50,51は、前記メダルストッパ46の先端部よりも第2通路43の下流側位置に配設されている。なお、接触式検知手段101の接触検知部102が有する突出部102dは、光センサ50よりも下流側位置であって光センサ51よりも上流側位置、即ち、各光センサ50,51の間の位置に配設されている(図12参照)。また、各光センサ50,51及び突出部102dは、第2通路43が延びる方向において、メダルM1の直径分の長さ(具体的には25.0mm)を有する領域内に配設されている。これにより、メダルM1の検知時において、全ての光センサ50,51,104がメダルM1を検知する状態(図15の期間D参照)を作り出すことができる。実際には、第2通路43が延びる方向において、光センサ50の発光部54及び受光部55と、突出部102dの先端との間隔L1(図12参照)は、4.0〜6.0mmに設定されている。また、第2通路43が延びる方向において、光センサ51の発光部54及び受光部55と、突出部102dの先端との間隔L2(図12参照)は、4.0〜6.0mmに設定されている。即ち、光センサ50,51及び突出部102dは、第2通路43が延びる方向に沿って互いに近接して配置されている。
図10〜図14に示されるように、各光センサ50,51は、いずれも略コ字状をなす対向型の光センサであり、発光部54と受光部55とを第2通路43の両側にそれぞれ備えている。発光部54と受光部55との隙間は、第2通路43の一部を構成している。なお、本実施形態の発光部54は、直流電源(5V)に接続されるアノード端子と、受光部55のLED端子に接続されるカソード端子とを有する発光ダイオードである。また、本実施形態の受光部55は、LED端子と、直流電源(5V)に接続される電源端子と、第1検知信号または第2検知信号を出力する出力端子と、接地するグランド端子とを有し、発光素子(LED)及び増幅回路を備えたフォトICである。各光センサ50,51は、第2通路43を通過するメダルM1に対して非接触状態で検知するようになっている。具体的に言うと、各光センサ50,51は、発光部54からの光をメダルM1が遮って受光部55が受光不能となる場合にメダルM1を検知し(オン状態となり)、受光部55の出力端子から前記主制御基板のCPUに対して第1検知信号及び第2検知信号を後述するセンサ駆動用コネクタハウジング114を介して出力する。一方、各光センサ50,51は、発光部54からの光を受光部55が受光可能となる場合にはメダルM1を検知せず(オフ状態となり)、受光部55の出力端子から第1検知信号及び第2検知信号を出力しなくなる。なお、各光センサ50,51のそれぞれの発光部54及び受光部55は、第2通路43を挟んで互いに逆に配置されている。本実施形態では、第2通路43の上流側の光センサ50は、第2通路43の奥側(図12では下側)に発光部54を有し、手前側(図12では上側)に受光部55を有している。また、第2通路43の下流側の光センサ51は、第2通路43の手前側(図12では上側)に発光部54を有し、奥側(図12では下側)に受光部55を有している。なお、各光センサ50,51の発光部54及び受光部55は、第2通路43を挟んで本実施形態の場合とは逆に配置されていてもよい。
図4,図10,図11,図13,図14に示されるように、前記配線基板111において検知手段実装領域112とは別の位置に設定された前記コネクタハウジング実装領域113には、センサ駆動用コネクタハウジング114と電磁石駆動用コネクタハウジング115とが実装されている。具体的に言うと、コネクタハウジング114,115が有するクランプ部(図示略)を前記電気部品実装面側から挿通させ、クランプ部の先端部を前記導体パターン形成面に係止させる。また、コネクタハウジング114,115が有する複数の端子を電気部品実装面側から挿通させ、導体パターン形成面から突出した各端子の先端部に対してはんだ付けを行う。これにより、各コネクタハウジング114,115がコネクタハウジング実装領域113に実装される。センサ駆動用コネクタハウジング114は、同センサ駆動用コネクタハウジング114に着脱可能に取り付けられた接続コネクタ(図示略)を介して、主制御基板のCPUに電気的に接続される。図14に示されるように、センサ駆動用コネクタハウジング114は、第1直流電源用端子(5V)、第1センサ用端子、第2センサ用端子、第3センサ用端子、グランド用端子を備えている。第1直流電源用端子は、配線基板111の導体パターンを介して、光センサ50,51の発光部54のアノード端子、光センサ50,51の受光部55の電源端子、前記光センサ104の受光部の電源端子に電気的に接続されている。第1直流電源用端子は、主制御基板側から各光センサ50,51,104に5Vの電源を供給する第1電源経路の一部を構成している。また、第1直流電源用端子は、配線基板111の導体パターン及び抵抗116を介して、光センサ104の発光部104aのアノード端子に電気的に接続されている。さらに、第1直流電源用端子は、配線基板111の導体パターン及びコンデンサ117を介して、センサ駆動用コネクタハウジング114のグランド用端子に電気的に接続されている。なお、抵抗116及びコンデンサ117は、抵抗116及びコンデンサ117が有する複数の端子を電気部品実装面側から挿通させ、導体パターン形成面から突出した各端子の先端部に対してはんだ付けを行うことにより、配線基板111において検知手段実装領域112及びコネクタハウジング実装領域113とは別の位置に実装される。第1センサ用端子は、配線基板111の導体パターンを介して、光センサ50の受光部55の出力端子に電気的に接続されている。即ち、第1センサ用端子は、光センサ50から出力された第1検知信号が流れる第1信号経路の一部を構成している。第2センサ用端子は、配線基板111の導体パターンを介して、光センサ51の受光部55の出力端子に電気的に接続されている。即ち、第2センサ用端子は、光センサ51から出力された第2検知信号が流れる第2信号経路の一部を構成している。第3センサ用端子は、配線基板111の導体パターンを介して、光センサ104の受光部104bの出力端子に電気的に接続されている。即ち、第3センサ用端子は、光センサ104から出力された第3検知信号が流れる第3信号経路の一部を構成している。グランド用端子は、配線基板111の導体パターンを介して、光センサ50,51の受光部55のグランド端子、光センサ104の発光部104aのカソード端子、光センサ104の受光部104bのグランド端子に電気的に接続されている。即ち、グランド用端子は、接地するグランド経路の一部を構成している。また、センサ駆動用コネクタハウジング114は、第2直流電源用端子(24V)及び電磁石用端子を備えており、これらの端子は、配線基板111の導体パターンを介して電磁石駆動用コネクタハウジング115に電気的に接続されている。
一方、電磁石駆動用コネクタハウジング115は、同電磁石駆動用コネクタハウジング115に着脱可能に取り付けられた接続コネクタ115a(図6等参照)を介して、前記カバー部材33に搭載された電磁石(ソレノイド)66に電気的に接続される。なお、カバー部材33及び電磁石66は、前記メダルセレクタ基体32の基体表面32a側に配置されている。図3,図6等に示されるように、接続コネクタ115aと電磁石66とを繋ぐ電線115bは、カバー部材33の表面33aの側における一端(図3,図6では右端)に形成された係止爪部33cに係止されている。そして、電線115bは、メダルセレクタ基体32の上側を通って基体裏面32b側の電磁石駆動用コネクタハウジング115に繋がっている。これにより、電線115bは第2通路43内に侵入しにくくなるため、電線115bが光センサ50,51の検知領域内に侵入して検知を妨げる不具合を防止できる。また、電線115bは、メダルセレクタ基体32においてカバー部材33の装着部の右側を通過している。これにより、電線115bは、メダルセレクタ基体32においてカバー部材33の裏側となる領域に侵入しにくくなるため、その領域内にあるメダル返却ボタン14やメダル詰まり解除突起91(図7(b)参照)などの作動を妨げる不具合を防止できる。
図14に示されるように、電磁石駆動用コネクタハウジング115は、センサ駆動用コネクタハウジング114の第2直流電源用端子に電気的に接続された第2直流電源用端子(24V)と、センサ駆動用コネクタハウジング114の電磁石用端子に電気的に接続された電磁石用端子とを備えている。即ち、電磁石駆動用コネクタハウジング115の第2直流電源用端子は、主制御基板側から電磁石66に24Vの電源を供給する第2電源経路の一部を構成している。また、電磁石駆動用コネクタハウジング115の電磁石用端子は、電磁石66の駆動信号が流れる駆動信号経路の一部を構成している。なお、第2電源経路は、ダイオード118のカソード端子に電気的に接続され、駆動信号経路は、同ダイオード118のアノード端子に電気的に接続されている。また、ダイオード118は、カソード端子及びアノード端子を電気部品実装面側から挿通させ、導体パターン形成面から突出した両端子の先端部に対してはんだ付けを行うことにより、コネクタハウジング実装領域113に実装される。
図2,図3,図8に示されるように、前記メダルセレクタ基体32の前記基体表面32aにおいて、第2通路43の前記光センサ用孔52よりもさらに下流側には、弾性を有する金属カバー片56が着脱可能に装着されている。そして、この金属カバー片56とメダルセレクタ基体32との間に第2通路43の後半部が形成されている。メダルセレクタ基体32において第2通路43の終端部には、メダルM1と当接することによりその進行方向を出口34側に向けて約90°変更する進行方向変更突起57が一体形成されている。
次に、メダルセレクタ基体32に取り付けられているカバー部材33側の構成について述べる。
図2,図3,図5,図6等に示されるように、本実施形態のカバー部材33は、透明な合成樹脂材料からなる板状の成形品であって、メダルセレクタ基体32の基体表面32aの側に着脱可能な構造となっている。また、図4に示されるカバー部材33の裏面33bの側にはメダル通路41の一部が構成されるようになっている。即ち、カバー部材33の裏面33bはメダル通路41の他方側の側壁となっている。カバー部材33は、その裏面33bの側をメダルセレクタ基体32の基体表面32aに向けた状態で配置される。図5に示されるように、本実施形態のカバー部材33は、メダルセレクタ基体32に対し、弾性係止部材61を用いて開閉可能かつ着脱可能な状態で係止されている。この弾性係止部材61は、屈曲した形状のフック部61bと、捩りバネ部61aとを有している。フック部61bの略V字状部分は、メダルセレクタ基体32の基体裏面32bに対して引っ掛けられるようになっている。捩りバネ部61aは、カバー部材33を閉じる方向に常時付勢するバネ力を作用させる役割を果たしている。
カバー部材33の表面33aの側における一端(図6では右端)には、金属製の弾性係止部材61を取り付けるための弾性係止部材取付軸62が両持ち支持されている。この弾性係止部材取付軸62には、弾性係止部材61の捩りバネ部61aが巻装されている。
カバー部材33の表面33aの側における他端(図6では左端)には、位置決め凹部63が設けられている。一方、図2,図3,図8等に示されるように、メダルセレクタ基体32の基体表面32aにおける対応箇所には、位置決め突起64が突設されている。従って、この位置決め突起64が位置決め凹部63に係合することにより、カバー部材33の開閉時のメダルセレクタ基体32に対する位置決めが図られるようになっている。
図5,図6,図7等に示されるように、カバー部材33の表面33aの側における略中央部には、返却口70を開閉させる開閉手段65を駆動させる前記電磁石66が搭載されている。返却口70は、メダル通路41において前記光センサ50,51及び前記接触式検知手段101の突出部102dよりも上流側であって、かつ前記進行方向変更部の近傍位置に形成されている。電磁石66は、カバー部材33の表面33aに対してコアの軸線方向が直交するような状態で配置されている。カバー部材33は金属製の開閉レール部材71を備えている。開閉レール部材71は、第2通路43の底面の一部を構成し、吸着部72、レール湾曲部73及びレール直線部74を有している。吸着部72は電磁石66の端面を覆うようにして配置されている。レール湾曲部73及びレール直線部74は吸着部72の一端(図6では下端)に設けられている。レール湾曲部73及びレール直線部74は、カバー部材33に貫通形成された開閉レール部材用スリット75を介してメダル通路41内に出没可能となっている。なお、第2通路43のレール直線部74以降の領域には、光センサ50,51及び突出部102dが設けられている。吸着部72の他端(図6では上端)は、カバー部材33の表面33aの側に設けられた開閉レール部材取付軸76に回動可能に軸支されている。この開閉レール部材取付軸76にはレール部材付勢用バネ77が巻装されている。このレール部材付勢用バネ77は、吸着部72を電磁石66から離間させる方向(即ちレール湾曲部73及びレール直線部74を第2通路43から退避させる方向)に常時付勢している。
そして、電磁石66に通電がなされている励磁状態のときには、吸着部72が電磁石66に吸着される結果、レール湾曲部73及びレール直線部74が第2通路43の底面をなす位置(即ち閉位置)に移動するようになっている。なお、この場合にはレール湾曲部73の閉鎖によって返却口70が閉口される。電磁石66への通電がなされない非励磁状態のときには、吸着部72が電磁石66に吸着されなくなる。このため、レール部材付勢用バネ77の付勢力によって、レール湾曲部73及びレール直線部74が、第2通路43の底面をなさない位置(即ち開位置)に移動するようになっている(図7(a)参照)。なお、この場合にはレール湾曲部73及びレール直線部74の開放によって返却口70が開口される。また、レール直線部74の先端部とメダルストッパ46の先端部とは、常時当接し合うようにして配置されているため、メダルストッパ46は開閉レール部材71の動きに以下のように追従するようになっている。励磁状態のときには、レール直線部74との当接によって、メダルストッパ46の先端部が押圧されて第2通路43上から退避するようになっている。また、非励磁状態のときには、メダルストッパ46の先端部は、メダルストッパ付勢用バネ47の付勢力の作用により、第2通路43上に突出するようになっている。
図3,図6等に示されるように、カバー部材33において電磁石66が搭載されている箇所の右側には、上記光センサ50,51の一部を挿通するための光センサ用挿通孔78が貫通形成されている。
また、カバー部材33の表面33aの側には、正規メダルM1とそれよりも小径の不正メダルとを振り分けて選別するために、略L字状をした合成樹脂製の振分け部材81が設けられている。振分け部材81の中間部分は、カバー部材33の表面33aの側における所定箇所(図6では電磁石66の左斜め上の箇所)にて、回動可能に軸支されている。振分け部材81の先端部84は、カバー部材33に貫通形成された振分け部材用孔82を介して第1通路42内に出没可能になっている。振分け部材81の先端部84には、上部から下部に行くに従って基体裏面32bの方向に突出するような傾斜部が設けられている(図4参照)。振分け部材81の基端部と、カバー部材33の表面33aとの間には、振分け部材付勢用バネ83が介装されている。この振分け部材付勢用バネ83は、振分け部材81の基端をカバー部材33の表面33aから離隔させる方向に常時付勢している。従って、振分け部材81の先端部84は、第1通路42内に突出する方向に常時付勢されており、第1通路42を通過しようとするメダルM1を基体表面32a側から基体裏面32b側へ押圧するようになっている。
従って、小径の不正メダルは、第1通路42を通過する際に、振分け部材81の先端部84に当接する。しかし、このとき小径の不正メダルは、第1通路42におけるメダル逃がしスリット35の一方(図4では右側)の開口縁のみに接触しながら斜め下方へと移動する。従って、小径の不正メダルは、第1通路42内に突設した振分け部材81の先端部84に当接して押圧力を受けることで、体勢を崩しやすくなる。その結果、小径の不正メダルは、自身の直径よりも幅広のメダル逃がしスリット35を容易に通り抜けて、メダルセレクタ基体32の基体裏面32b側に到ってしまう。よって、小径の不正メダルは第1通路42を通過して第2通路43へと進行することができず、結果として正規のものと確実に選別される。なお、本実施形態において小径の不正メダルは、メダル流路部材22及びメダル排出口19を介して最終的に受け皿18に返却されるようになっている。
図4,図7に示されるように、カバー部材33の裏面33bの側における所定箇所には、メダル詰まり解除突起91が一体的に設けられている。メダルセレクタ基体32においてメダル詰まり解除突起91に対応した箇所には、図8に示されるように、メダル詰まり解除突起91よりも一回り大きい突起挿通孔92が貫通形成されている。そして、この突起挿通孔92にメダル詰まり解除突起91が挿通される結果、メダル詰まり解除突起91の先端部が基体裏面32b側に到っている。
図7(b)に示されるように、遊技機前面(前扉2の前面2a)には、メダル返却ボタン14の頭部14aが露出しており、その頭部14aの内面側には軸部14b、押圧板14d、復帰バネ14e等が設けられている。頭部14aを押圧すると、押圧板14dがメダル詰まり解除突起91の先端部に当接して、カバー部材33を図7(b)の右側方向に押圧する。その結果、弾性係止部材取付軸62を軸として、図7(b)の右側方向にカバー部材33が開き、カバー部材33とメダルセレクタ基体32との間隔が広くなる。その結果、メダル通路41が開放されてその中にあるメダルM2を落下させ、メダル流路部材22にメダルM2を返却することができる。従って、メダル通路41内にてメダル詰まりが生じた場合であっても、遊技者はそれを迅速に解消することができる。
次に、上記のように構成されたメダルセレクタ31の動作を、図9に基づいて説明する。
まず遊技者によって正規のメダルM1が投入された場合について説明する。メダル受付許可時においては、電磁石66は通電により励磁されている。そのため、開閉レール部材71は閉位置にあり、返却口70は閉口している。
メダル投入口16からはメダルM1が一枚ずつ投入される。そこから投入された正規メダルM1は、取込口36を介してメダル通路41内に入り込む。そして、正規メダルM1は、第1通路42におけるメダル逃がしスリット35の左右の開口縁に接触しながら斜め下方へと移動する(図9の破線円の部分を参照)。従って、正規メダルM1の表面側が、第1通路42内に突設した振分け部材81の先端部84に当接しても、なんら影響を受けることなく第1通路42を通過する。その際、正規メダルM1であれば、メダル外縁部の2箇所が、第1通路42にあるメダル逃がしスリット35の縁部に摺接可能である。そのため、正規メダルM1は体勢を崩すことがなく、メダル逃がしスリット35を介して反対側に通り抜けないようになっている。なお、正規メダルM1の通過時に、正規メダルM1は必ず振分け部材81の先端部84に当接することになる。この関係上、通過する際に抵抗が発生して速度が落ちすぎないように、振分け部材付勢用バネ83の付勢力をある程度弱めに設定しておくことが好ましい。
開閉手段65の電磁石66は上記のごとく励磁されているので、開閉レール部材71の吸着部72が電磁石66に吸着されている。これにより、レール湾曲部73及びレール直線部74が開閉レール部材用スリット75を介してメダル通路41内(即ちメダル軌道上)に突出して、第2通路43の底面をなす閉位置に移動する結果、返却口70が閉口状態となる。また、突出した開閉レール部材71のレール直線部74との当接によって、メダルストッパ46の先端部が押圧されて第2通路43上から退避するため、正規メダルM1は第2通路43の前半部において進行方向を変更しつつそこを通過可能となる。その後、正規メダルM1は、進行方向の前後方向に整列して設けられた一対の光センサ50,51及び接触式検知手段101を通過して、メダルセレクタ基体32及び金属カバー片56により形成された第2通路43の後半部に到る(図9の破線円の部分を参照)。そして正規メダルM1は、進行方向変更突起57に衝突して円滑に進路を変更した後、出口34を出て落下してホッパー21内へ収納される。
ここで、各光センサ50,51及び接触式検知手段101(光センサ104)による、第2通路43を通過するメダルM1の検知状況を図15等を参照して説明する。メダルM1が通過する前の期間(期間A)においては、光センサ50,51の受光部55は、発光部54からの光をメダルM1に遮蔽されることなく受光するため、光センサ50,51はメダルM1を検知しない(オフ状態である)。また、メダルM1は突出部102dに接触しないため、接触検知部102も回動しない。このため、光センサ104の受光部104bは、発光部104aからの光を検知用突片102cに遮蔽されることなく受光するため、光センサ104はメダルM1を検知しない(オフ状態である)。
そして、第2通路43を通過するメダルM1は、期間A→期間Bとなる時点で光センサ50の発光部54の光を遮蔽する(図11(a),(b)参照)。このとき、光センサ50の受光部55が発光部54からの光を受光できなくなり、光センサ50はメダルM1を検知する(オン状態となる)。次に、メダルM1は、期間B→期間Cとなる時点で突出部102dに接触し、接触検知部102を回動させる(図11(c),(d)参照)。その結果、光センサ104の発光部104aからの光が検知用突片102cによって遮蔽されるため、発光部104aからの光を受光部104bで受光できなくなり、光センサ104はメダルM1を検知する(オン状態となる)。さらに、メダルM1は、期間C→期間Dとなる時点で光センサ51の発光部54の光を遮蔽する。このとき、光センサ51の受光部55が発光部54からの光を受光できなくなり、光センサ51はメダルM1を検知する(オン状態となる)。その結果、期間Dでは、全ての光センサ50,51,104がメダルM1を検知した状態となる。
その後、メダルM1は、期間D→期間Eとなる時点で光センサ50の発光部54からの光を遮蔽しなくなる。その結果、発光部54からの光が受光部55に入射するようになり、光センサ50はメダルM1を検知しなくなる(オフ状態となる)。次に、メダルM1は、期間E→期間Fとなる時点で突出部102dに接触しなくなる(図11(e),(f)参照)。その結果、光センサ104の発光部104aからの光が検知用突片102cによって遮蔽されなくなるため、発光部104aからの光を受光部104bで受光できるようになり、光センサ104はメダルM1を検知しなくなる(オフ状態となる)。さらに、メダルM1は、期間F→期間Gとなる時点で光センサ51の発光部54からの光を遮蔽しなくなる。その結果、発光部54からの光が受光部55に入射するようになり、光センサ51はメダルM1を検知しなくなる(オフ状態となる)。これにより、光センサ50,51,104の全てが初期状態(期間Aの場合と同じ状態)に戻る。
従って、光センサ50は3つの期間B〜Dでオン状態となり、光センサ104は3つの期間C〜Eでオン状態となり、光センサ51は3つの期間D〜Fでオン状態となる。即ち、光センサ50→光センサ104→光センサ51の順でメダルM1が検知され(オフ状態からオン状態)、光センサ50→光センサ104→光センサ51の順でメダルM1が検知されなくなる(オン状態からオフ状態)。なお、各光センサ50,51としては同一のものが用いられているため、光センサ50,51がオン状態となる時間は互いに同一である。また、本実施形態では、光センサ104がオン状態となる時間は、他の光センサ50,51がオン状態となる時間と同一になっている。なお、突出部102dがメダルM1に接触した状態で、メダルM1の中心を通過するように第2腕部102bを摺動させれば、光センサ104がオン状態となる時間は長くなる。一方、突出部102dがメダルM1に接触した状態で、メダルM1の外周部のみを通過するように第2腕部102bを摺動させれば、光センサ104がオン状態となる時間は短くなる。但し、光センサ104は、光センサ50,51より先にオン状態になることはないし、光センサ51より先にオン状態になることもない。ゆえに、光センサ50,51,104によるメダルM1の検知順序が、光センサ104がオン状態となる時間の長短に応じて変わることはない。
また、各光センサ50,51,104がメダルM1を検知した際の信号は、遊技全体の制御を行う主制御基板のCPUにそれぞれ第1検知信号、第2検知信号、第3検知信号として出力される。そして、CPUは、各光センサ50,51,104から出力された検知信号の順序及び検知時間が、主制御基板のROM(図示略)に記憶されているあらかじめ決定された順序及び検知時間と一致するか否かを判定する。なお、あらかじめ決定された順序は、光センサ50→光センサ104→光センサ51の順でメダルM1を検知する順序と定められている。また、あらかじめ決定された検知時間は、光センサ50,51,104のそれぞれがオン状態となる時間(期間BCD、期間DEF、期間CDE)と定められている。あらかじめ決定された順序及び検知時間と一致する場合には、CPUは、第2通路43を通過するメダルを正規メダルM1と判定し、投入メダルとしてその正規メダルM1を受付けるような制御を行う。これに対して、あらかじめ決定された順序及び検知時間と一致しない場合には、投入メダルエラーとなり、CPUは、第2通路43を通過するメダルを不正メダルと判定し、投入されたメダルを無効とするような制御を行う。なお、本実施形態において正規メダルM1と判定するためには、各光センサ50,51,104から出力された検知信号の検知時間が、あらかじめ決定された検知時間と一致する必要がある。しかし、両検知時間に誤差があったとしても、その誤差が所定の範囲内にあれば正規メダルM1であると判定するようにしてもよい。
従って、例えば、光センサ50,51及び接触式検知手段101を一旦通過させた糸付きメダルを往復動させて何度も検知させる等の不正行為を効果的に防止できる。また、光センサ50,51のそれぞれの受光部55に対して発光する不正装置を挿入した場合であっても、接触式検知手段101があることにより、不正と判断しやすくなる。
次に、正規メダルM1を返却する場合については、以下のようになる。なお、正規メダルM1の返却は、メダル受付不許可時に正規メダルM1を投入した場合に行われるとともに、受付可能枚数以上のメダルM1を投入した場合についても行われる。この場合、電磁石66は通電されなくなるため非励磁状態となる。そのため、開閉レール部材71は開位置にあり、返却口70は開口状態となる。
メダル投入口16から投入された正規メダルM1は、取込口36から取り込まれた後、第1通路42を通過して斜め下方に進む。上記のごとく開閉手段65の電磁石66は消磁されて、かつメダルストッパ付勢用バネ47の付勢力が作用しているので、開閉レール部材71の吸着部72は電磁石66から離間する位置にある。これにより、レール湾曲部73及びレール直線部74がメダル通路41から退避して、第2通路43の底面をなさない開位置に移動する結果、第2通路43の底面にて返却口70が開口される。従って、第1通路42により案内された正規メダルM1は、その進行方向を保ちつつ、レール湾曲部73及びレール直線部74の開放によって開口された返却口70から下方に排出され、メダル流路部材22に返却される(図9の一点鎖線円を参照)。
次に、上記のように構成されたメダルセレクタ31の製作方法を説明する。
まず、配線基板111を準備し、配線基板111の検知手段実装領域112に各光センサ50,51,104を実装するとともに、配線基板111のコネクタハウジング実装領域113にセンサ駆動用コネクタハウジング114及び電磁石駆動用コネクタハウジング115を実装する。また、配線基板111の電気部品実装面に対して、抵抗116、コンデンサ117、ダイオード118を実装する。さらに、配線基板111の電気部品実装面に対して、接触検知部102を有する検知部支持体103を取り付ける。即ち、各部品は、配線基板111の片面(電気部品実装面)のみに実装されるため、実装が容易になる。ここで、検知部支持体103の取付方法を以下に詳述する。まず、接触検知部102、回動軸105、接触検知部付勢用バネ107、支持体本体121から検知部支持体103を組み立てる。そして、検知部支持体103の係合凸部127を配線基板111の係合凹部128に係合させるとともに、検知部支持体103の位置決めピン124を配線基板111の位置決め孔125に係合させる。また、検知部支持体103の検知手段収容部内に、光センサ104と、光センサ50,51の一部とを収容する。そして、この状態において、配線基板111の上面側から挿通したネジ123を、検知部支持体103の支持体本体121に螺着する。これにより、検知部支持体103に配線基板111が固定される。このとき、配線基板111は、位置決めピン124及び係合凸部127によって位置決めされるとともに、検知部支持体103を構成する側板122a,122bの上端部、及び、検知部支持体103を構成するネジ孔部103bの上端部によって支持される。
次に、検知部支持体103が固定された配線基板111を、メダルセレクタ基体32の基体裏面32b側に取り付ける。具体的には、配線基板111の張出部111aをメダルセレクタ基体32の光センサ用孔52に挿入し、光センサ50,51の一部を第2通路43内に突出させる。また、接触検知部102の突出部102dをメダルストッパ用孔45に挿入し、突出部102dを第2通路43内に突出させる。さらに、検知部支持体103のネジ孔部103bの切欠部126に、基体裏面32bに突設された位置決めリブ(図示略)を係合させる。そして、この状態において、ネジ孔部103bのネジ孔を挿通したネジをメダルセレクタ基体32の基体裏面32bに螺着させる。これにより、配線基板111が、検知部支持体103を介してメダルセレクタ基体32に取り付けられる。なお、配線基板111は、裏面(導体パターン形成面)を上にした状態で取り付けられる。これにより、配線基板111の表面(電気部品実装面)に実装された部品(光センサ50,51,104,コネクタハウジング114,115など)に対する異物の付着を防止できる。また、各光センサ50,51,104、コネクタハウジング114,115、抵抗116、コンデンサ117及びダイオード118が、配線基板111及び検知部支持体103を介してメダルセレクタ基体32に取り付けられる。
その後、弾性係止部材61のフック部61bをメダルセレクタ基体32に係止させることで、カバー部材33をメダルセレクタ基体32に取り付ける。そして、配線基板111上の電磁石駆動用コネクタハウジング115に対して、カバー部材33上の電磁石66に電気的に接続された接続コネクタ115aを取り付ける。また、配線基板111上のセンサ駆動用コネクタハウジング114に対して、主制御基板のCPUに電気的に接続された接続コネクタを取り付ける。その結果、メダルセレクタ31が完成する。
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態のメダルセレクタ31の製作においては、各光センサ50,51,104やコネクタハウジング114,115などをあらかじめ配線基板111に実装しておいてから、その配線基板111をメダルセレクタ基体32に取り付ける。このため、各光センサ50,51,104やコネクタハウジング114,115などを密集した部分であるメダルセレクタ基体32に直接取り付けなくても済む。これにより、組立作業の効率が高くなるため、メダルセレクタ31の製作が容易になる。
(2)本実施形態のセンサ駆動用コネクタハウジング114は、コネクタハウジング実装領域113に実装され、配線基板111の導体パターンを介して光センサ50,51,104に電気的に接続されている。即ち、センサ駆動用コネクタハウジング114と光センサ50,51,104とを結ぶ電線は、配線基板111の導体パターンに置き換わっている。ゆえに、光センサ50,51,104とセンサ駆動用コネクタハウジング114とを電線で接続することの面倒さを解消できる。
さらに、コネクタハウジング実装領域113は、検知手段実装領域112から離れた別の位置にあるため、センサ駆動用コネクタハウジング114に装着された接続コネクタから延びる電線や、電磁石駆動用コネクタハウジング115に装着された接続コネクタ115aから延びる電線115bが、検知手段実装領域112内に侵入しにくくなる。よって、電線が光センサ50,51,104の検知領域内に侵入して検知を妨げる不具合や、電線が第2通路43内に侵入してメダルM1の通過を妨げる不具合を防止できる。
また、各光センサ50,51,104及びコネクタハウジング114,115を1つの配線基板111に実装したことにより、各光センサ50,51,104及びコネクタハウジング114,115を例えば別々の配線基板に実装する場合に比べて基板数を削減できる。よって、メダルセレクタ31の製作コストを抑えることができる。
(3)本実施形態の配線基板111は、導体パターン形成面を上にした状態で取り付けられるため、電気部品実装面に実装された光センサ50,51,104は、配線基板111の下側に位置するようになる。よって、配線基板111の上面側(導体パターン形成面側)からの光センサ50,51,104の検知領域内への異物の侵入を防止できる。従って、異物の侵入に起因した光センサ50,51,104の誤検知を防止できる。特に、光センサ104は、配線基板111だけでなく検知部支持体103によっても保護されるため、異物の侵入をより確実に防止できる。よって、異物の侵入に起因した光センサ104の誤検知をより確実に防止できる。
(4)本実施形態の接触検知部102は、第2通路43内に突出可能な突出部102dを有しており、突出部102dは、第1腕部102aの基端部ではなく先端部に配置されている。このため、メダルM1が突出部102dに接触した際に接触検知部102を小さい力で回動させることができる。即ち、突出部102dの回動時にメダルM1に加わる抵抗が小さくなるため、メダルM1の速度低下を防止できる。従って、正規メダルM1であるにもかかわらず、主制御基板のCPUによって不正メダルであると判定されることを防止できる。
(5)本実施形態では、検知部支持体103を構成する両側板122a,122bの上端部が、同じく検知部支持体103を構成する支持体本体121の上面から突出し、張出部111aの側縁に当接している。また、検知部支持体103に形成されたネジ孔部103bの上端部が、同じく検知部支持体103に形成された配線基板支持部の上面から突出し、基板主部111bの側縁に当接している。これにより、検知部支持体103と配線基板111とをより確実に位置決めできる。
(6)本実施形態では、両側板122a,122b及びネジ孔部103bの上端が配線基板111と面一になるとともに、位置決めピン124の先端が配線基板111と面一になっている。このため、配線基板111の裏側(光センサ50,51,104などが実装されていない側)に生じる凹凸が少なくなる。よって、接続コネクタ115aを有する電線115bなどが検知装置100に引っ掛かって傷付くことを防止できる。
(7)本実施形態では、光センサ50,51及び突出部102dが、第2通路43が延びる方向に沿って互いに近接して配置されている。このため、光センサ50,51及び突出部102dを通過する間にメダルM1の速度が変化する可能性が低くなる。よって、各光センサ50,51,104による実際の検知時間と、主制御基板のROMに記憶されているあらかじめ決定された検知時間とのずれが小さくなるため、正規メダルM1であるにもかかわらず、主制御基板のCPUによって不正メダルであると判定されることを防止できる。
(8)本実施形態では、接触式検知手段101の光センサ104(第1の非接触式センサ)が第2通路43から離間して配置されるため、光センサ104に対応する位置に不正装置の発光素子を設けることが困難になる。ゆえに、不正を行うことがよりいっそう困難になる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の光センサ104は、配線基板111の検知手段実装領域112に実装されるとともに、検知部支持体103の検知手段収容部内に配置されていた。しかし、検知機構100aを構成する光センサ104以外の部材(検知部支持体103や接触検知部102など)を省略し、光センサ104を、張出部111aの先端側において光センサ50,51に隣接した状態に配置してもよい。
・上記実施形態では、接触式検知手段101の接触検知部102が有する突出部102dは、光センサ50よりも下流側位置であって光センサ51よりも上流側位置に配設されていた。しかし、突出部102dは、光センサ50よりも上流側位置に配設されていてもよいし、光センサ51よりも下流側位置に配設されていてもよい。
・本発明のメダルセレクタ31は、上記実施形態にて示したようなスロット遊技機1に適用されるばかりでなく、遊技媒体としてメダルを用いる他の遊技機においても適用されることが可能である。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記配線基板は、電気部品が実装される電気部品実装面と、前記配線基板の導体が形成される導体形成面とを有し、前記複数の検知手段は、前記電気部品実装面に配置されており、前記配線基板は、前記電気部品実装面を下にし、前記導体形成面を上にした状態で、前記メダルセレクタ基体の基体裏面側に取り付けられること。
(2)技術的思想(1)において、前記電気部品実装面には全ての部品が配置されていること。
(3)請求項2において、前記配線基板は、前記検知手段用挿通孔を介して前記基体表面側に突出可能な張出部を有し、前記張出部は前記検知手段実装領域を有すること。
(4)請求項2において、前記配線基板は、基板主部と、前記基板主部に直交し、前記検知手段用挿通孔を介して前記基体表面側に突出可能な張出部とを有し、全体として平面視略L字状に形成されており、前記基板主部に前記コネクタハウジング実装領域を有し、前記張出部に前記検知手段実装領域を有すること。
(5)請求項3乃至6のいずれか1項において、前記接触検知部は、前記検知部支持体に対して回動可能に取り付けられており、前記接触検知部の先端部は、前記メダル通路内に突出可能に構成され、前記第1の非接触式センサは、前記接触検知部の回動に伴う同接触検知部の基端部の動きを検知すること。
(6)技術的思想(5)において、前記接触検知部は、前記メダル通路内に突出可能な突出部を有しており、前記突出部は、前記接触検知部の先端部に配置されていること。
(7)請求項1乃至6のいずれか1項において、前記複数の検知手段の少なくとも2つは、それぞれ発光部及び受光部を備え、前記発光部からの光を前記メダルが遮って前記受光部が受光不能となる場合に前記メダルを検知する対向型の光センサであり、複数の前記光センサの前記発光部及び前記受光部が、前記メダル通路を挟んで互いに逆に配置されていること。
(8)技術的思想(7)において、前記発光部と前記受光部との隙間は、前記メダル通路の一部を構成していること。
(9)請求項3乃至6のいずれか1項において、前記検知部支持体は、支持体本体と、同支持体本体の両側において互いに平行に配置された側板とを備え、全体として略箱状をなしており、前記支持体本体は、前記配線基板が固定される配線基板固定面を有し、前記両側板は、前記配線基板固定面に対して直交した状態に配置されていること。
(10)技術的思想(9)において、前記両側板と前記支持体本体とからなる空間は、前記検知手段を収容する検知手段収容部となっていること。