JP5385812B2 - カードリーダ - Google Patents

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Description

本発明は、カードに記録された磁気データの読取および/またはカードへの磁気データの記録を行うカードリーダに関する。
従来、カードを内部に取り込んで磁気データの読取や記録を行うカードリーダが広く利用されている。また、カードリーダが利用される業界においては、従来、犯罪者がカードリーダのカード挿入部に磁気ヘッドを取り付けて、この磁気ヘッドでカードの磁気データを不正に取得するいわゆるスキミングが大きな問題となっている。
そこで、このスキミングを防止するための構成を備えるカードリーダが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のカードリーダでは、カードが挿入および排出されるカード挿入部の、挿入されるカードの磁気ストライプに対応する位置に、カードの排出方向に向かって突出する突出部が形成されている。そのため、このカードリーダでは、カード挿入部の、挿入されるカードの磁気ストライプに対応する位置に、スキミングを行うためのスキミング用の磁気ヘッドを犯罪者が取り付けることが困難になる。したがって、このカードリーダでは、スキミングを防止することが可能になる。
特開2001−67514号公報
しかしながら、特許文献1に記載のカードリーダでは、カード挿入部の、挿入されるカードの磁気ストライプに対応する位置にスキミング用の磁気ヘッドを犯罪者が取り付けるのを確実に防止することは困難である。その結果、このカードリーダでは、スキミングを効果的に防止することは困難である。
そこで、本発明の課題は、スキミングを効果的に防止することが可能なカードリーダを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、カードに記録された磁気データの読取および/またはカードへの磁気データの記録を行う磁気ヘッドを内部に備えるカードリーダにおいて、カードが挿入される挿入口が形成されるとともにカードリーダのカードの抜取り方向端に配置されるゲート機構を備え、ゲート機構には、カードの挿入方向に向かって切り欠かれた切欠部が形成され、切欠部は、カードの挿入方向に略直交するカードの幅方向において、磁気ヘッドの配置位置と略同じ位置に形成され、ゲート機構は、切欠部または切欠部の近傍に異物が取り付けられたことを検出するための異物検出機構を備えることを特徴とする。
本発明のカードリーダでは、ゲート機構に、カードの挿入方向に向かって切り欠かれた切欠部が形成され、この切欠部は、カードの挿入方向に略直交するカードの幅方向において、磁気ヘッドの配置位置と略同じ位置に形成されている。そのため、犯罪者は、この切欠部にスキミング用の磁気ヘッドを取り付けやすくなる。一方で、本発明では、ゲート機構は、切欠部または切欠部の近傍に異物が取り付けられたことを検出するための異物検出機構を備えているため、スキミング用の磁気ヘッドを取り付けやすい切欠部にこの磁気ヘッドが取り付けられると、異物検出機構によって、この磁気ヘッドが検出される。このように、本発明では、スキミング用の磁気ヘッドの取付位置が特定しやすくなり、かつ、特定された取付位置にスキミング用の磁気ヘッドが取り付けられると、この磁気ヘッドが異物検出機構で検出される。そのため、本発明では、ゲート機構にスキミング用の磁気ヘッドが取り付けられたことを検出しやすくなる。したがって、本発明では、切欠部にスキミング用の磁気ヘッドが取り付けられた際に所定の処理を行うことで、スキミングを効果的に防止することが可能になる。
本発明において、ゲート機構には、カードの抜取り方向に向かって突出する2個の突出部がカードの幅方向において間隔をあけた状態で形成され、切欠部は、2個の突出部の間に形成されるとともにカードの挿入方向に向かって窪む凹部であることが好ましい。この場合には、ゲート機構の外形は、カードの抜取り方向に向かって膨らむ略半円柱形状に形成されていることが好ましい。このように構成すると、犯罪者は、凹部以外の箇所にスキミング用の磁気ヘッドを取り付けることが困難になる。すなわち、このように構成すると、スキミング用の磁気ヘッドの取付位置をより特定しやすくなる。したがって、ゲート機構にスキミング用の磁気ヘッドが取り付けられたことを確実に検出することが可能になり、スキミングをより効果的に防止することが可能になる。
本発明において、異物検出機構は、発光素子と発光素子からの光を受光する受光素子とを備える光学式の検出機構であり、発光素子は、2個の突出部のうちの一方の突出部の内部に配置され、受光素子は、2個の突出部のうちの他方の突出部の内部に配置されていることが好ましい。すなわち、異物検出機構は、いわゆる透過型の検出機構であることが好ましい。異物検出機構がいわゆる反射型の検出機構であると、スキミング用の磁気ヘッドが光を吸収する部材で覆われていたり、発光素子からスキミング用の磁気ヘッドに向かう光を遮るような部材がスキミング用の磁気ヘッドに取り付けられている場合に、凹部にスキミング用の磁気ヘッドが取り付けられたことを検出することは困難になるが、このように構成すると、スキミング用の磁気ヘッドが光を吸収する部材で覆われていたり、発光素子からスキミング用の磁気ヘッドに向かう光を遮るような部材がスキミング用の磁気ヘッドに取り付けられている場合であっても、凹部にスキミング用の磁気ヘッドが取り付けられたことを検出することが可能になる。すなわち、異物検出機構の検出精度を高めることが可能になる。
本発明において、突出部は、不透明な材料で形成されていることが好ましい。このように構成すると、犯罪者はゲート機構の外部から異物検出機構を目視で確認することができない。したがって、犯罪者が異物検出機構を破壊するのを防止しやすくなる。
本発明において、ゲート機構は、凹部の側面を光らせるための発光機構を備えることが好ましい。2個の突出部の間に凹部が形成される場合、ユーザがカードを抜き取る際の、カードの抜取り方向端側は凹部の中に配置されるが、このように構成すると、カードの抜取り時に、発光機構によって凹部の側面を光らせることで、ユーザは、ゲート機構のどの箇所にカードがあるのかを容易に把握することが可能になる。
本発明において、たとえば、ゲート機構は、挿入口を閉鎖するためのシャッタ機構を備え、異物検出機構で異物が検出されるとシャッタ機構が挿入口を閉鎖する。この場合には、ユーザが挿入口にカードを挿入するのを防止することで、スキミングを防止することができる。
以上のように、本発明のカードリーダでは、スキミングを効果的に防止することが可能になる。
本発明の実施の形態にかかるカードリーダの斜視図である。 図1に示すカードリーダの概略構成を説明するための平面図である。 図1に示すゲート機構の構成を説明するための正面図である。 図3に示すカード検出機構の構成および動作を説明するための正面図である。 図3に示すシャッタ機構の構成および動作を説明するための正面図である。 図3に示す異物検出機構の構成を説明するための正面図である。 図3に示す凹部の側面を光らせるための発光機構の構成を説明するための正面図である。 図7に示す発光機構の構成を説明するための平面図である。 図7に示す発光機構の構成を説明するための図であり、(A)は側面図、(B)は(A)のE部の拡大図、(C)は(A)のF部の拡大図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(カードリーダの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカードリーダ1の斜視図である。図2は、図1に示すカードリーダ1の概略構成を説明するための平面図である。
本形態のカードリーダ1は、カード2に記録された磁気データの読取および/またはカード2への磁気データの記録を行うための装置であり、たとえば、ATM(Automate Teller Machine)等の上位装置に搭載されて使用される。このカードリーダ1の内部には、カード2が搬送されるカード搬送路が形成されている。また、カードリーダ1は、図1、図2に示すように、磁気データの読取および/または磁気データの記録を行う磁気ヘッド3と、カード2の取込および排出を行うための搬送ローラ4等を有するカード搬送機構と、カード2が挿入および排出される挿入口5が形成されたゲート機構6と、カード搬送路を閉鎖するためのシャッタ部材7とを備えている。
本形態では、図1等に示すX方向にカード2が搬送される。すなわち、X方向は、カード2の搬送方向(通過方向)である。また、本形態では、X1方向にカード2が挿入され、X2方向にカード2が抜き取られる。すなわち、X1方向は、カード2の挿入方向であり、X2方向は、カード2の抜取り方向である。また、X方向に略直交する図1のZ方向は、カード2の厚さ方向であり、X方向とZ方向とに略直交する図1のY方向は、カード2の幅方向(短手幅方向)である。なお、以下の説明では、X1方向側を「奥(後ろ)」側、X2方向側を「手前(前)」側、Y1方向側を「右」側、Y2方向側を「左」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。
カード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。このカード2には、磁気データが記録される磁気ストライプが形成されている。すなわち、本形態のカード2は、磁気カードである。なお、カード2には、ICチップが固定されても良いし、通信用のアンテナが内蔵されても良い。すなわち、カード2は、磁気ストライプ付きの接触式ICカードであっても良いし、磁気ストライプ付きの非接触式ICカードであっても良い。また、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
磁気ヘッド3は、カードリーダ1の本体部8の内部に配置されている。この磁気ヘッド3は、カード2に形成される磁気ストライプに接触可能な位置に配置されている。カード搬送機構は、搬送ローラ4の他に、搬送ローラ4に対向配置されるとともに搬送ローラ4に向かって付勢されるパッドローラ、搬送ローラ4を駆動するモータおよびモータの動力を伝達する歯車等を備えている。搬送ローラ4およびパッドローラは、本体部8の内部に配置されている。ゲート機構6は、本体部8の前端面に固定されており、カードリーダ1の前端に配置されている。ゲート機構6の詳細な構成については、後述する。
シャッタ部材7は、本体部8の前端側に配置されている。このシャッタ部材7には、ソレノイド等の駆動源が連結されている。本形態のシャッタ部材7は、前後方向から見たときに、カード搬送路の全域を閉鎖することが可能となるように構成されている。
(ゲート機構の構成)
図3は、図1に示すゲート機構6の構成を説明するための正面図である。図4は、図3に示すカード検出機構14の構成および動作を説明するための正面図である。図5は、図3に示すシャッタ機構15の構成および動作を説明するための正面図である。図6は、図3に示す異物検出機構17の構成を説明するための正面図である。図7は、図3に示す凹部11aの側面を光らせるための発光機構18の構成を説明するための正面図である。図8は、図7に示す発光機構18の構成を説明するための平面図である。図9は、図7に示す発光機構18の構成を説明するための図であり、(A)は側面図、(B)は(A)のE部の拡大図、(C)は(A)のF部の拡大図である。
ゲート機構6は、図1に示すように、全体として略半円柱形状に形成されている。すなわち、ゲート機構6の外形は、手前方向に向かって膨らむ略半円柱形状に形成されている。より具体的には、ゲート機構6のハウジング11の外形は、手前方向に向かって膨らむ略半円柱形状に形成されている。
ハウジング11には、奥方向に向かって切り欠かれた切欠部11aが形成されている。本形態の切欠部11aは、左右方向におけるハウジング11の中間位置が奥方向に向かって窪むように形成された凹部である。したがって、以下では、切欠部11aを「凹部11a」とする。
上述のように、ハウジング11には、奥方向に向かって窪む凹部11aが形成されている。すなわち、ハウジング11には、凹部11aの奥端部から手前方向に向かって突出する2個の突出部11b、11cが左右方向に間隔をあけた状態で形成されており、凹部11aは、2個の突出部11b、11cに挟まれるように、2個の突出部11b、11cの間に形成されている。また、ハウジング11には、前後方向に貫通するように、挿入口5が形成されている。
凹部11aは、図2に示すように、上下方向から見たときの形状が略U形状となるように形成されている。具体的には、凹部11aは、上下方向から見たときに、その前端側が開口する略U形状となるように形成されている。また、凹部11aの幅(左右方向の幅)は、カードリーダ1のユーザの指が入る広さとなっている。また、凹部11aは、図2に示すように、左右方向において、磁気ヘッド3の配置位置と略同じ位置に形成されている。すなわち、凹部11aは、左右方向において、カードリーダ1に挿入されるカード2の磁気ストライプの位置と略同じ位置に形成されており、上下方向から見たときに、カードリーダ1に挿入されるカード2の磁気ストライプは凹部11aを通過する。
突出部11bは、凹部11aの左側に形成されている。突出部11cは、凹部11aの右側に形成されている。突出部11bの左右方向の幅は、突出部11cの左右方向の幅よりも広くなっている。また、上述のように、凹部11aは、左右方向において、磁気ヘッド3の配置位置と略同じ位置に形成されており、突出部11b、11cは、左右方向において、磁気ヘッド3の配置位置と異なる位置に形成されている。
ハウジング11は、不透明な材料で形成されている。たとえば、ハウジング11は、不透明な樹脂材料で形成されている。また、ハウジング11の凹部11aが形成された部分は開口している。この開口部には、半透明な材料で形成された半透明部材12が固定されており、この開口部は半透明部材12で塞がれている。すなわち、半透明部材12によって凹部11aの側面が構成されている。半透明部材12は、たとえば、半透明な樹脂材料で形成されている。
図2、図3に示すように、ゲート機構6は、カード搬送機構によってカード2の前端側が所定の位置まで排出されたことを検出するためのカード検出機構14と、カード2の排出時にカード2の前端側が所定の位置まで排出されていない場合にカード2の抜取りを阻止するシャッタ機構15と、シャッタ機構15の状態を検出するためのシャッタ検出機構16と、凹部11aに異物が取り付けられたことを検出するための異物検出機構17とを備えている。また、ゲート機構6は、図7に示すように、凹部11aの側面を光らせるための発光機構18を備えている。
カード検出機構14は、カード2に接触可能なレバー部材20と、レバー部材20がカード2に接触しているか否かを検出するセンサ21とを備えている。このカード検出機構14は、突出部11bの内部に配置されている。センサ21は、発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサである。レバー部材20は、カード2の左端に接触するカード接触部20aと、センサ21の発光素子と受光素子との間を遮る遮光部20bとを備え、前後方向から見たときの形状が略L形状となるように形成されている。このレバー部材20は、所定の回動軸を中心に回動可能となっており、カード接触部20aは、挿入口5に対して進退可能となっている。
図4(A)に示すように、カード接触部20aにカード2が接触していないときには、カード接触部20aは挿入口5の中にあり、遮光部20bはセンサ21の発光素子と受光素子との間を遮っている。一方、カード2の左端がカード接触部20aに接触すると、図4(B)に示すように、レバー部材20が回動して、カード接触部20aは挿入口5から退避し、遮光部20bはセンサ21の発光素子と受光素子との間から外れる。センサ21の発光素子と受光素子との間から遮光部20bが外れると、カード検出機構14によって、カード2が検出される。
本形態のカード検出機構14は、カード2の排出時に、図2に示すように、凹部11aにおいて、カードリーダ1のユーザがカードリーダ1からカード2を抜き取ることが可能な位置までカード搬送機構によってカード2が排出されたことを検出する。具体的には、カード検出機構14は、ユーザが親指や人差指等の指を凹部11aに差し込み、差し込んだ指の間にカード2の前端側を挟んでカードリーダ1からカード2を抜き取ることが可能な位置までカード搬送機構によってカード2の前端側が排出されたことを検出する。たとえば、カード検出機構14は、図2に示すように、カード2の前端が凹部11aの奥端部から距離D1、排出されたことを検出する。
なお、本形態では、カード搬送機構によるカード2の排出が完了したときには、カード2の奥端側は、搬送ローラ4と搬送ローラ4に対向配置されるパッドローラとの間に挟まれている(図2参照)。また、本形態では、カード搬送機構によってカード2が正常に排出されるときには、設計上、カード検出機構14でカード2の前端が検出された後にさらに距離D2、カード搬送機構によってカード2が排出されて停止する。なお、本形態のカード検出機構14は、カードリーダ1にカード2が挿入されたことを検出する機能も果たしている。
シャッタ機構15は、カード検出機構14よりも手前側に配置され挿入口5を開閉するシャッタ部材22と、シャッタ部材22を駆動するソレノイド23とを備えている。このシャッタ機構15は、突出部11bの内部に配置されている。シャッタ部材22は、挿入口5を閉鎖するための閉鎖部22aを備えている。閉鎖部22aは、上側に向かって立ち上がるように形成されており、挿入口5の左端側の一部を閉鎖する。また、シャッタ部材22は、所定の回動軸を中心に回動可能となっており、閉鎖部22aは、挿入口5に対して進退可能となっている。ソレノイド23は、挿入口5よりも下側に配置されており、シャッタ部材22に連結されている。
図5(A)に示すように、シャッタ部材22が挿入口5を開放しているときには、ソレノイド23のプランジャは突出しており、閉鎖部22aは挿入口5の下方に退避している。この状態で、ソレノイド23のプランジャが引っ込むと、図5(B)に示すように、シャッタ部材22は図5の反時計方向に回動し、閉鎖部22aが上方向に移動して、挿入口5を閉鎖する。
本形態では、カード2の取込時に、ユーザによって挿入されたカード2が本体部8内に取り込まれると、シャッタ部材22が挿入口5を閉鎖する。また、カード2の排出時に、カード2が抜取り可能位置まで排出されると、シャッタ部材22が挿入口5を開放して、カードリーダ1からのカード2の抜取りが可能になる。一方、カード2の排出時に、カード2が抜取り可能位置まで排出されないと、引き続き、シャッタ部材22が挿入口5を閉鎖して、カードリーダ1からのカード2の抜取りが阻止される。
シャッタ検出機構16は、発光素子と受光素子とを有する光学式のセンサである。このシャッタ検出機構16は、突出部11bの内部に配置されている。また、シャッタ検出機構16は、挿入口5よりも上側に配置されている。本形態では、シャッタ部材22が挿入口5を閉鎖しているときに、図5(B)に示すように、閉鎖部22aの上端側がシャッタ検出機構16の発光素子と受光素子との間を遮る。すなわち、本形態では、シャッタ検出機構16は、閉鎖部22aが挿入口5を閉鎖していることを検出する。
異物検出機構17は、発光素子24と、発光素子24からの光を受光する受光素子25とを備える光学式の検出機構である。また、異物検出機構17は、発光素子24から受光素子25へ向かう光が遮られることで異物を検出する透過型の検出機構である。この異物検出機構17は、発光素子24が射出する光の方向を変えるミラー26を備えている。発光素子24は、たとえば、LED(Light Emitting Diode)であり、受光素子25は、たとえば、フォトトランジスタである。
発光素子24は、突出部11bの内部に配置されている。また、発光素子24は、シャッタ部材22よりも手前側に配置されている。さらに、発光素子24は、右方向に向かって光を射出するように配置されている。具体的には、発光素子24は、凹部11aを通過する光を射出するように配置されている。
受光素子25およびミラー26は、突出部11cの内部に配置されている。受光素子25は、その受光面が手前側を向くように配置されている。ミラー26は、受光素子25の手前側に配置されており、発光素子24から射出された右方向に向かう光の方向を奥方向へ変える。
本形態では、凹部11aに異物が取り付けられると、発光素子24から受光素子25へ向かう光がこの異物によって遮られるため、異物検出機構17によって、異物が取り付けられたことが検出される。たとえば、犯罪者がカード2の磁気データを不正に取得するためのスキミング用の磁気ヘッドを凹部11aに取り付けた場合には、異物検出機構17によって、スキミング用の磁気ヘッドが取り付けられたことが検出される。
発光機構18は、複数の光源27と、光源27から射出された光を拡散させるプリズム28とを備えている。光源27は、たとえば、LEDであり、基板29に実装されている。複数の光源27は、図8に示すように、凹部11aの奥端側の側面に沿って略円弧状に配置されている。また、複数の光源27および基板29は、挿入口5の上側および下側の両側に配置されている。プリズム28は、図8に示すように、上下方向から見たときの形状が略円弧状になるように形成されており、複数の光源27を覆うように配置されている。
本形態では、光源27から射出された光は、プリズム28によって拡散されて、半透明部材12を透過する。そのため、光源27から光が射出されると凹部11aの側面が光る。
(カードリーダの概略動作)
以上のように構成されたカードリーダ1は、スキミングを防止するために以下のように動作する。また、カードリーダ1は、犯罪者がカードリーダ1内部からのカード2の排出を妨害する何らかの仕掛けをして、カードリーダ1内部でカード2を詰まらせた後にこの詰まったカード2を不正に取得するいわゆるフィッシングを防止するために以下のように動作する。
まず、フィッシングを防止するためのカードリーダ1の概略動作について説明する。カードリーダ1の内部に取り込まれたカード2がカード搬送機構によって排出されたときに、カード検出機構14がカード2の前端側を検出していない場合には、カード2の取込後に挿入口5を閉鎖したシャッタ部材22は、引き続き、挿入口5を閉鎖する。すなわち、カード2の排出時に、カード検出機構14がカード2の前端側を検出していない場合には、フィッシングを行うための仕掛けがカードリーダ1に取り付けられたと判断して、犯罪者がカード2を抜き取ることができないように、シャッタ部材22が引き続き、挿入口5を閉鎖する。
また、カード2の排出時に、カード検出機構14がカード2の前端側を検出していない場合には、カードリーダ1は、異常が発生していることを上位装置に通知する。この通知を受けた上位装置は、たとえば、上位装置のディスプレイに異常が発生している旨を表示する、ブザーを鳴らす、および/または、光源27を点滅させる等の所定の動作を行って、ユーザに異常が発生していることを知らせる。
なお、カードリーダ1にカード2が取り込まれておらず、カードリーダ1でカード2の取引が行われていないときには、ソレノイド23は、定期的にシャッタ部材22を駆動して、挿入口5の開閉動作を行う。この開閉動作の際に、シャッタ検出機構16で閉鎖部22aが検出されない場合には、犯罪者によって閉鎖部22aが破壊され、閉鎖部22aで挿入口5を閉鎖できなくなっている状況が発生していると判断して、カードリーダ1は、異常が発生していることを上位装置に通知する。この通知を受けた上位装置は、以後のカード2の取込を中止する。たとえば、シャッタ部材7でカード搬送路を閉鎖したり、カード搬送機構によるカード2の搬送ができないようにする。
次に、スキミングを防止するためのカードリーダ1の概略動作について説明する。カード2の取引が行われていないときには、発光素子24は光を射出しており、凹部11aにスキミング用の磁気ヘッド等が取り付けられたか否かが監視されている。この監視中に、発光素子24から受光素子25へ向かう光が遮られると、凹部11aにスキミング用の磁気ヘッド等が取り付けられたと判断して、ユーザがカード2を挿入することができないようにシャッタ部材22で挿入口5を閉鎖する。あるいは、シャッタ部材7でカード搬送路を閉鎖する。また、この場合には、カードリーダ1は、異常が発生していることを上位装置に通知する。
なお、発光素子24がLEDであれば、カード2の取引が行われていないときに、発光素子24を任意の間隔でパルス点灯させることが好ましい。この場合には、発光素子24に定格値以上の電流を流すことが可能になるため、発光素子24から射出される光量を増やすことができる。したがって、受光素子25におけるSN比(signal−to−noise ratio)を大きくすることが可能になる。
また、カード2の取引が行われていないときに、LEDである発光素子24をパルス点灯させる場合には、発光素子24から光が射出されているときの受光素子25の出力値と、発光素子24から光が射出されていないときの受光素子25の出力値との差に基づいて、異物検出機構17で異物が検出されたか否かを判断することが好ましい。たとえば、発光素子24から光が射出されているときの受光素子25の出力値と、発光素子24から光が射出されていないときの受光素子25の出力値との差と、所定の閾値とを比較して、出力値の差が閾値以下になった場合に、異物検出機構17で異物が検出されたと判断することが好ましい。この場合には、受光素子25に入射する外部光の影響を抑制することができるため、凹部11aにスキミング用の磁気ヘッド等が取り付けられたことをより適切に検出することが可能になる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、ハウジング11の突出部11b、11cの間に、奥方向に向かって窪む凹部11aが形成されており、この凹部11aは、左右方向において、磁気ヘッド3の配置位置と略同じ位置に形成されている。また、本形態では、ハウジング11の外形は、手前方向に向かって膨らむ略半円柱形状に形成されている。そのため、犯罪者は、凹部11a以外の箇所にスキミング用の磁気ヘッドを取り付けることが困難である。すなわち、本形態では、スキミング用の磁気ヘッドがゲート機構6に取り付けられたとしても、その取付位置を特定しやすくなる。
また、本形態では、ゲート機構6は、凹部11aに異物が取り付けられたことを検出するための異物検出機構17を備えているため、スキミング用の磁気ヘッドを取り付けやすい凹部11aにこの磁気ヘッドが取り付けられると、異物検出機構17によって、この磁気ヘッドが検出される。このように、本形態では、スキミング用の磁気ヘッドの取付位置が特定しやすくなり、かつ、特定された取付位置にスキミング用の磁気ヘッドが取り付けられると、この磁気ヘッドが異物検出機構17で検出される。したがって、ゲート機構6にスキミング用の磁気ヘッドが取り付けられたことを確実に検出することが可能になる。その結果、本形態では、ゲート機構6にスキミング用の磁気ヘッドが取り付けられた際に、シャッタ部材22で挿入口5を閉鎖する等の所定の措置を行うことで、スキミングを効果的に防止することが可能になる。
本形態では、異物検出機構17は、透過型の検出機構であり、発光素子24は突出部11bの内部に配置され、受光素子25は突出部11cの内部に配置されている。そのため、スキミング用の磁気ヘッドが光を吸収する部材で覆われていたり、発光素子24からスキミング用の磁気ヘッドに向かう光を遮るような部材がスキミング用の磁気ヘッドに取り付けられている場合であっても、凹部11aにスキミング用の磁気ヘッドが取り付けられたことを検出することが可能になる。したがって、本形態では、異物検出機構17の検出精度を高めることが可能になる。
本形態では、異物検出機構17の発光素子24は突出部11bの内部に配置され、受光素子25は突出部11cの内部に配置されている。そのため、本形態では、犯罪者が異物検出機構17を破壊するのを防止しやすくなる。特に本形態では、ハウジング11は、不透明な材料で形成されているため、犯罪者はゲート機構6の外部から異物検出機構17を目視で確認することができない。したがって、本形態では、犯罪者が異物検出機構17を破壊するのをより防止しやすくなる。
本形態では、光源27から光が射出されると凹部11aの側面が光る。そのため、たとえば、カード2の排出時に凹部11aの側面を点滅させれば、排出されたカード2の前端部分が凹部11aで停止しても、ユーザは、カード2がどこに排出されたのかを容易に把握することができる。
(他の実施の形態)
上述した形態および変形例は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、異物検出機構17は、発光素子24と受光素子25とを備える透過型の検出機構である。この他にもたとえば、異物検出機構17は、発光素子と受光素子とを備える反射型の検出機構であっても良い。この場合には、異物検出機構17を構成する発光素子および受光素子は、たとえば、突出部11bの内部に配置される。また、異物検出機構17は、凹部11aに取り付けられる異物に接触可能な接点レバーと、この接点レバーの動きに応じてオンオフする接点とを備える機械式の検出機構であっても良いし、凹部11aに取り付けられる異物に接触可能な接点を備える機械式の検出機構であっても良い。さらに、異物検出機構17は、超音波センサであっても良い。
上述した形態では、切欠部11aは、奥方向に向かって窪むように形成された凹部であり、ハウジング11には、凹部11aの奥端部から手前方向に向かって突出する2個の突出部11b、11cが形成されている。この他にもたとえば、ハウジング11に、1個の突出部が形成されても良い。すなわち、ハウジング11は、上下方向から見たときの形状が略L形状または略T形状となるように形成されても良い。たとえば、ハウジング11に、突出部11bが形成されるとともに突出部11cが形成されなくても良い。この場合には、ハウジング11の、突出部が形成されていない部分が切欠部となり、この切欠部の少なくとも一部は、左右方向において、磁気ヘッド3の配置位置と略同じ位置に形成される。なお、ハウジング11に3個以上の突出部が形成されても良い。
上述した形態では、ハウジング11の外形は、手前方向に向かって膨らむ略半円柱形状に形成されている。この他にもたとえば、ハウジング11の外形は、略直方体状に形成されても良い。
上述した形態では、凹部11aは、上下方向から見たときの形状が略U形状となるように形成されているが、凹部11aは、上下方向から見たときの形状が略矩形状等の多角形状となるように形成されても良い。また、上述した形態では、ゲート機構6は、カード検出機構14、シャッタ機構15および発光機構18を備えているが、ゲート機構6は、カード検出機構14、シャッタ機構15および/または発光機構18を備えていなくても良い。
上述した形態では、カードリーダ1は、カード搬送機構を備えるカード搬送式のカードリーダであるが、本発明の構成が適用されるカードリーダは、ユーザが手動でカード2を移動させながら、カード2に記録された磁気データの読取等を行う手動式のカードリーダであっても良い。たとえば、本発明の構成が適用されるカードリーダは、カードリーダ内部にカードを差し込む際、あるいは、カードリーダからカードを引き抜く際に磁気データの読取や記録を行ういわゆるディップ式のカードリーダであっても良い。
1 カードリーダ
2 カード
3 磁気ヘッド
5 挿入口
6 ゲート機構
11a 凹部(切欠部)
11b、11c 突出部
15 シャッタ機構
17 異物検出機構
18 発光機構
24 発光素子
25 受光素子
X1 カードの挿入方向
X2 カードの抜取り方向
Y カードの幅方向

Claims (7)

  1. カードに記録された磁気データの読取および/または前記カードへの磁気データの記録を行う磁気ヘッドを内部に備えるカードリーダにおいて、
    前記カードが挿入される挿入口が形成されるとともに前記カードリーダの前記カードの抜取り方向端に配置されるゲート機構を備え、
    前記ゲート機構には、前記カードの挿入方向に向かって切り欠かれた切欠部が形成され、
    前記切欠部は、前記カードの挿入方向に略直交する前記カードの幅方向において、前記磁気ヘッドの配置位置と略同じ位置に形成され、
    前記ゲート機構は、前記切欠部または前記切欠部の近傍に異物が取り付けられたことを検出するための異物検出機構を備えることを特徴とするカードリーダ。
  2. 前記ゲート機構には、前記カードの抜取り方向に向かって突出する2個の突出部が前記カードの幅方向において間隔をあけた状態で形成され、
    前記切欠部は、2個の前記突出部の間に形成されるとともに前記カードの挿入方向に向かって窪む凹部であることを特徴とする請求項1記載のカードリーダ。
  3. 前記ゲート機構の外形は、前記カードの抜取り方向に向かって膨らむ略半円柱形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のカードリーダ。
  4. 前記異物検出機構は、発光素子と前記発光素子からの光を受光する受光素子とを備える光学式の検出機構であり、
    前記発光素子は、2個の前記突出部のうちの一方の前記突出部の内部に配置され、前記受光素子は、2個の前記突出部のうちの他方の前記突出部の内部に配置されていることを特徴とする請求項2または3記載のカードリーダ。
  5. 前記突出部は、不透明な材料で形成されていることを特徴とする請求項4記載のカードリーダ。
  6. 前記ゲート機構は、前記凹部の側面を光らせるための発光機構を備えることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のカードリーダ。
  7. 前記ゲート機構は、前記挿入口を閉鎖するためのシャッタ機構を備え、
    前記異物検出機構で異物が検出されると前記シャッタ機構が前記挿入口を閉鎖することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のカードリーダ。
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