JP2007078103A - 電磁クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】板ばねのたわみ量を大きくとることができ、かつ、板ばねに加わるトルクにも十分に対応できる電磁クラッチを提供する。
【解決手段】電磁コイル131と、クラッチロータ11と、アーマチュア板123を板ばね124aを介してクラッチロータ11に対向させたアーマチュアユニット12とを備え、電磁コイル131への通電によりアーマチュア板123をクラッチロータ11に吸着させ、電磁コイル131への通電を停止することによりアーマチュア板123をクラッチロータ11から離脱させる電磁クラッチ10において、板ばね124aは複数枚重ね合わせた弾性板124a1からなっている。これにより、一枚ごとの弾性板124a1の厚みを薄くできるため、各弾性板124a1のたわみ量が大きくなり、この結果、板ばね124a全体のたわみ量が大きくなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、アーマチュア板をクラッチロータから離脱させる板ばね構造を改良した電磁クラッチに関するものである。
従来、自動車エンジンと車室内空調用の圧縮機とを連結及び離脱させる装置として電磁クラッチが用いられている。電磁クラッチの電磁コイルに通電するときは、アーマチュア板が板ばねの弾発力に抗してクラッチロータに吸着され、これにより、クラッチロータの回転力が板ばね及びアーマチュア板を通じて圧縮機に伝達される。一方、電磁コイルへの通電を停止するときは、アーマチュア板は板ばねの弾発力によりクラッチロータから離脱し、これにより、圧縮機の回転が停止するようになっている。
ここで、特許文献1に示すように、アーマチュア板と板ばねの連結手段としてリベットが用いられている。
特開2005−180549号公報
ところで、従来の板ばねは一枚の弾性板で形成されているため、板ばねに加わるトルクにより破損しないよう、板ばねの板厚を厚くしていた。
しかしながら、板ばねのたわみ量は板厚が厚くなるにつれて小さくなるため、従来の板ばねでは十分なたわみ量を得ることができなかった。
本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、板ばねのたわみ量を大きくとることができ、かつ、板ばねに加わるトルクにも十分に対応できる電磁クラッチを提供することにある。
本発明は前記課題を解決するため、請求項1の発明は、電磁コイルと、外部から回転力が伝達されるクラッチロータと、アーマチュア板を板ばねを介してクラッチロータに対向させたアーマチュアユニットとを備え、電磁コイルへの通電により板ばねの弾発力に抗してアーマチュア板をクラッチロータに吸着させ、電磁コイルへの通電を停止することにより板ばねの弾発力でアーマチュア板をクラッチロータから離脱させる電磁クラッチにおいて、板ばねは複数枚重ね合わせた弾性板からなっている。
本発明によれば、一枚ごとの弾性板の厚みを薄くできるため、各弾性板のたわみ量が大きくなり、この結果、板ばね全体のたわみ量が大きくなる。なお、請求項2の発明は、各弾性板を薄板材で形成している。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の電磁クラッチにおいて、板ばねの一端はアーマチュア板に、また、他端は主軸に固定された連結プレートにそれぞれリベットを介して連結し、リベットの軸部外周面の少なくとも一部はリベットの軸心から異なる距離になるよう形成するとともに、リベットが挿入されるリベット挿入穴の内側面は軸部外周面に対応するよう形成した構造となっている。
請求項3の発明によれば、リベットの軸部外周面の少なくとも一部がリベットの軸心から異なる距離になるよう形成されている。具体的には、請求項4の発明の如く、リベットの軸部の径方向断面が三角形状、四角形状、半円形状、楕円形状又は多角形状となっている。また、同じく請求項3の発明によれば、リベット挿入穴の内側面が軸部外周面に対応するよう形成されている。具体的には、請求項4の発明の如く、リベット挿入穴の内側面が、三角形状等になっているリベット軸部と対応するよう三角形状等となっている。従って、板ばねに回転力が伝達される際、板ばねがリベットとの間で滑り回転することがないから、板ばねの取付角度などが変わることがない。
本発明によれば、板ばねが複数枚重ねた弾性板で構成され、これにより、各弾性板を薄板材に形成できるため、板ばねのたわみ量を大きく取ることができるし、また、弾性板を複数枚重ねとなっているため、板ばねの強度も向上し、板ばねに加わるトルクにも十分に対応できる。
図1乃至図3は本発明に係る電磁クラッチの一実施形態を示すもので、図1は電磁クラッチの分解斜視図、図2は電磁クラッチの断面図、図3(a)(b)(c)は板ばねとリベットの各種例を示す一部省略平面断面図、図4(a)(b)は板ばねとリベットの他の各種例を示す一部省略平面断面図である。
本発明に係る電磁クラッチ10は、外部からの動力が伝達されるクラッチロータ11と、クラッチロータ11に対向するアーマチュアユニット12と、クラッチロータ11とアーマチュアユニット12を電磁的に吸着或いは離脱させる電磁コイルユニット13とを有している。
クラッチロータ11は、図1及び図2に示すように、外側に環状に形成された金属製のプーリ部111と、内側に同じく環状に形成された断面略逆U字状の金属製のロータ部112とからなり、プーリ部111にはベルト機構などを通じて自動車エンジン(図示しない)の動力が伝達されるようになっている。
アーマチュアユニット12は、図1及び図2に示すように、主軸30(図2で一点鎖線示した)に連結するボス121と、ボス121にボス連結用リベット121aを介して連結した三角形状の連結プレート122と、ロータ部112と対向する環状のアーマチュア板123と、連結プレート122とアーマチュア板123を板ばね連結用リベット(以下、リベットと略す)125aを介して連結する3個の板ばね124aとを有している。各板ばね124aはアーマチュア板123をロータ部112から離隔するよう付勢されており、常時はアーマチュア板123とロータ部112が接触しないようにしている。また、各板ばね124aの延在方向はアーマチュア板123の回転方向(図1の白抜き矢印方向)と鈍角に交差する方向に設定されている。
電磁コイルユニット13は、図1及び図2に示すように、電磁コイル131と、電磁コイル131を収納する環状のコイルケース132と、コイルケース132が嵌め込まれる環状のコアリング133と、電磁コイル131を一部覆う円弧状のコイルカバー134と、コアリング133をフロントハウジング20に固定する取付カバー135とを有している。電磁コイル131に通電するときはクラッチロータ11が励磁され、ロータ部112にアーマチュア板123が吸着されるため、クラッチロータ11の回転力がアーマチュアユニット12の伝達され、主軸30が回転するようになっている。
以上のように構成された電磁クラッチ10において、本発明に係る電磁クラッチ10は板ばね124a及びリベット125aの構造に特徴を有する。以下、この特徴的構成を図1、図2、図3(a)を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、板ばね124aは2枚の弾性板124a1を重ね合わせて構成されている。また、各弾性板124a1は例えば金属製の薄板材にて形成されている。
また、図3(a)に示すように、リベット125aの軸部125a1の外周面の少なくとも一部はリベット125aの軸心S1から異なる距離になるよう形成している。具体的には図3(a)に示すように、軸部125a1の径方向断面を正方形状に形成し、軸心S1からの距離において、長い距離H1と短い距離L1を有している。一方、板ばね124aのリベット挿入穴124a2の内側面は軸部125a1の外周面に対応するよう、同じく正方形状に形成している。
なお、連結プレート122及びアーマチュア板123のリベット挿入穴122a,123a(図2に示している)もリベット挿入穴124a2と同様に形成している。
本実施形態によれば、前述した如く、板ばね124aを2枚の弾性板124a1を重ね合わせて形成しているから、弾性板124a1の厚みを薄くできる。これにより、各弾性板124a1のたわみ量が大きくなり、この結果、板ばね124a全体のたわみ量が大きく、板ばね124aの弾性力を大きくすることができる。
また、2枚の弾性板124a1で構成することにより、板ばね124aの強度が向上するため、板ばね破断等の不具合も生ずることがない。
更に、軸部125a1の外周面の一部がリベット125aの軸心S1から異なる距離(L1,H1)になるよう形成され、また、板ばね124aのリベット挿入穴124a2の内側面が軸部125a1の外周面に対応するよう、同じく正方形状に形成しているので、板ばね124aに回転力が伝達される際、板ばね124aがリベット125aとの間で滑り回転することがないから、板ばね124aの取付角度などが変わることがない。
図3(b)(c)及び図4(a)(b)には、板ばね及びリベットの変形例が示されている。
図3(b)に示す例では、リベット125bの軸部125b1の径方向断面を正三角形状に形成し、軸心S2からの距離において、長い距離H2と短い距離L2を有するようになっている。一方、板ばね124bのリベット挿入穴124b2の内側面は軸部125b1の外周面に対応するよう、同じく正三角形状に形成している。
図3(c)に示す例では、リベット125cの軸部125c1の径方向断面を略半円形状に形成し、軸心S3からの距離において、長い距離H3と短い距離L3を有するようになっている。一方、板ばね124cのリベット挿入穴124c2の内側面は軸部125c1の外周面に対応するよう、同じく略半円形状に形成している。
図4(a)に示す例では、リベット125dの軸部125d1の径方向断面を多角形状(正六角形状)に形成し、軸心S4からの距離において、長い距離H4と短い距離L4を有するようになっている。一方、板ばね124dのリベット挿入穴124d2の内側面は軸部125d1の外周面に対応するよう、同じく正六角形状に形成している。
図4(b)に示す例では、リベット125eの軸部125e1の径方向断面を楕円形状に形成し、軸心S5からの距離において、長い距離H5と短い距離L5を有するようになっている。一方、板ばね124eのリベット挿入穴124e2の内側面は軸部125e1の外周面に対応するよう、同じく楕円形状に形成している。
これら図3(b)(c)及び図4(a)(b)に示す板ばね124b〜124e及びリベット125b〜125eを用いる場合も、前記板ばね124a及びリベット125aと同様の作用を発揮する。
電磁クラッチの分解斜視図 電磁クラッチの断面図 板ばねとリベットの各種例を示す一部省略平面断面図 板ばねとリベットの他の各種例を示す一部省略平面断面図
符号の説明
10…電磁クラッチ、11…クラッチロータ、12…アーマチュアユニット、13…電磁コイルユニット、122…連結プレート、124a,124b,124c,124d,124e…板ばね、124a1,124b1,124c1,124d1,124e1…弾性板、124a2,124b2,124c2,124d2,124e2…リベット挿入穴、125a,125b,125c,125d,125e…リベット、125a1,125b1,125c1,125d1,125e1…軸部、131…電磁コイル。

Claims (4)

  1. 電磁コイルと、外部から回転力が伝達されるクラッチロータと、アーマチュア板を板ばねを介して該クラッチロータに対向させたアーマチュアユニットとを備え、該電磁コイルへの通電により該板ばねの弾発力に抗して該アーマチュア板を該クラッチロータに吸着させ、該電磁コイルへの通電を停止することにより該板ばねの弾発力で該アーマチュア板を該クラッチロータから離脱させる電磁クラッチにおいて、
    前記板ばねは複数枚重ね合わせた弾性板からなる
    ことを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 前記各弾性板は薄板材からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の電磁クラッチ。
  3. 前記板ばねの一端は前記アーマチュア板に、また、他端は主軸に固定された連結プレートにそれぞれリベットを介して連結し、
    該リベットの軸部外周面の少なくとも一部は該リベットの軸心から異なる距離になるよう形成するとともに、該リベットが挿入される該リベット挿入穴の内側面は該軸部外周面に対応するよう形成した
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電磁クラッチ。
  4. 前記リベットの軸部の径方向断面を三角形状、四角形状、半円形状、楕円形状又は多角形状に形成した
    ことを特徴とする請求項3記載の電磁クラッチ。
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