JP2007077109A - ヌクレオシド誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ヌクレオシド誘導体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 核酸の糖部に芳香族置換基が導入された新規ヌクレオシド誘導体を容易に製造することのできる方法を提供すること。
【解決手段】 本発明のヌクレオシド誘導体の製造方法は、下記工程(a)及び(b)を含む。
(a)一般式(1)で表わされるヌクレオシド誘導体を、一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物と塩基の存在下で反応させて、一般式(3)で表わされる化合物を得る工程;及び
(b)一般式(3)で表わされる化合物を脱保護剤で処理することにより、保護基Rを脱保護して、一般式(4)で表わされるヌクレオシド誘導体を得る工程。
【化1】
Figure 2007077109

−X (2)
【化2】
Figure 2007077109

【化3】
Figure 2007077109

【選択図】 なし

Description

本発明は、ヌクレオシド誘導体及びその製造方法に関する。更に詳細には、2’又は3’位にアリール基又はヘテロアリールが導入されたヌクレオシド誘導体及びその製造方法に関する。上記ヌクレオシド誘導体は、DNAポリメラーゼやRNAポリメラーゼの阻害剤として作用し、抗ウィルス剤、抗ヘルペス剤等として用いることができる。
核酸有機化学分野において、核酸分子の水酸基や塩基部分のアミノ基に選択的に化学修飾を行うことは、ヌクレオシド誘導体等の修飾核酸化合物を合成する上で重要な操作である。しかし、水酸基と塩基部アミノ基とは化学的性質が異なっているため、位置選択的な化学修飾を行うには複数の保護基を導入する必要がある。このため核酸分子の水酸基や塩基部分のアミノ基に選択的に化学修飾を行うには、結果として多段階の合成ステップを要することとなる。
一般に、核酸化合物のアルキル化反応を強塩基存在下で行う場合、核酸塩基部が優先的にアルキル化されてしまうため、水酸基へ位置選択的に化学修飾を施すことは困難である。近年においては、RNAiを志向した高い酵素耐性を有するRNAオリゴマーの合成研究が盛んに行われているようになっていることから、水酸基選択的な反応は修飾核酸を合成する際の重要な鍵反応となっている。しかし、有用な水酸基選択的な合成方法は限られている。
水酸基選択的な合成方法としては、例えば、非特許文献1に、アデノシンにジアゾメタンを作用させることにより、2’−O−メチルアデノシンが得られることが開示されている。しかし、この合成方法では、水酸基のメチル化は可能であるが、他の置換基を導入することはできない。また、非特許文献2には、2’,3’−O−ジブチルスタニルリボ核酸誘導体を用いた合成方法が開示されており、様々な脂肪族アルキルハライドとの2’,5’水酸基を選択的に保護できることから、2’位の水酸基の化学修飾(メチル化)を容易にすることが可能であることが記載されている。
上述した、非特許文献1及び非特許文献2に記載された、核酸化合物の糖部水酸基の化学修飾方法によれば、メチル化剤など比較的単純なアルキル化剤との反応においてはほぼ満足のいく結果を得ることができる。一方、芳香族ハロゲン化物を用いた置換反応は一般のアルキル化の反応条件では進行しない。実際に、核酸糖部水酸基に直接芳香族ハロゲン化物を導入する一般的な合成方法はなく、従って、その修飾核酸化合物の化学的および生物学的な性質は明らかにされていない。すなわち、核酸化合物を糖部水酸基に選択的に芳香族置換基を導入する製造方法は従来知られていない。
一方、従来より、核酸塩基部に複素環が置換した修飾核酸については数多く合成されており(例えば、非特許文献3)、高い生理活性を有する修飾核酸化合物も知られている。また、特許文献4には、核酸糖部水酸基に硫黄原子を含む1,3−ベンゾジチオール−2−イル基が置換した修飾核酸の合成法が開示されており、それらの化合物がC型肝炎ウイルスに対し抗ウイルス活性を有することが報告されている。
従って、核酸の糖部の水酸基に芳香族置換基を導入した化合物は、新しい様式の生理活性を有する修飾核酸化合物として期待され、新規な修飾核酸化合物を製造する方法の開発が望まれている。
ザ ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイアティー 87巻 P1145-1146 1965年 バイオコンジュゲート ケミストリー 6巻 P578-586 1995年 ケミカル レビュー 103巻 P1875-1916 2003年 ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー 47巻 P5265-5275 2004年
従って、本発明の目的は、核酸の糖部に芳香族置換基が導入された新規ヌクレオシド誘導体を容易に製造することのできる方法を提供することにある。
また、本発明は、上記新規オリゴヌクレオシド誘導体の製造方法により得られるヌクレオシド誘導体を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、芳香族ハロゲン化物を用いたアルコールとの求核置換反応は一般には起こらないが、反応試薬及び反応条件を選択することによって上記目的を達成し得ることを見出した。すなわち、本発明は、下記工程(a)及び(b)を含む、ヌクレオシド誘導体の製造方法を提供するものである。
(a)一般式(1)で表わされるヌクレオシド誘導体を、一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物と塩基の存在下で反応させて、一般式(3)で表わされる化合物を得る工程;及び
(b)一般式(3)で表わされる化合物を脱保護剤で処理することにより、保護基Rを脱保護して、一般式(4)で表わされるヌクレオシド誘導体を得る工程。
Figure 2007077109
(上記一般式(1)において、Rは水酸基の保護基であり、Bは天然又は非天然の核酸塩基である。)
−X (2)
(上記一般式(2)において、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基であり、Xはハロゲンである。)
Figure 2007077109
(上記一般式(3)において、Rは水酸基の保護基であり、Bは天然又は非天然の核酸塩基であり、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。)
Figure 2007077109
(上記一般式(4)において、Bは天然又は非天然の核酸塩基であり、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。)
また、本発明は、下記工程(c)及び(d)を含む、ヌクレオシド誘導体の製造方法を提供する。
(c)一般式(5)で表わされるヌクレオシド誘導体を、一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物と塩基の存在下で反応させて、一般式(6)で表わされる化合物を得る工程;及び
(d)一般式(6)で表わされる化合物を脱保護剤で処理することにより、保護基R及びRを脱保護して、一般式(7)で表わされるヌクレオシド誘導体を得る工程。
Figure 2007077109
(上記一般式(5)において、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、水酸基の保護基であり、Bは天然又は非天然の核酸塩基である。)
−X (2)
(上記一般式(2)において、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基であり、Xはハロゲンである。)
Figure 2007077109
(上記一般式(6)において、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、水酸基の保護基であり、Bは天然又は非天然の核酸塩基であり、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。)
Figure 2007077109
(上記一般式(7)において、Bは天然又は非天然の核酸塩基であり、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。)
本発明によれば、核酸の糖部に芳香族置換基が導入された新規ヌクレオシド誘導体を容易に製造することができる方法が提供される。
以下、本発明のヌクレオシド誘導体の製造方法について説明する。まず、本発明の第1の実施の形態にかかるヌクレオシド誘導体の製造方法について説明する。
本発明の第1の実施の形態にかかるヌクレオシド誘導体の製造方法は、下記工程(a)及び(b)を含む。
(a)一般式(1)で表わされるヌクレオシド誘導体を、一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物と塩基の存在下で反応させて、一般式(3)で表わされる化合物を得る工程;及び
(b)一般式(3)で表わされる化合物を脱保護剤で処理することにより、保護基Rを脱保護して、一般式(4)で表わされるヌクレオシド誘導体を得る工程。
Figure 2007077109
−X (2)
Figure 2007077109
Figure 2007077109
上記一般式(1)において、Rは水酸基の保護基である。水酸基の保護基としては特に限定されず、当該技術分野において一般的に使用されるものが挙げられる。水酸基の保護基としては、例えば、tert−ブチルジメチルシリル基、トリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、メトキシメチル基、エトキシエチル基、ベンジル基、ベンズヒドリル基、アセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、テキシルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリベンジルシリル基、ベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−フェニルベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、アセチル基、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシアセチル基、トリフェニルメトキシアセチル基、フェノキシアセチル基、p−クロロフェノキシアセチル基、フェニルアセチル基、ジフェニルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、4−ペンテノイル基、ピバロイル基、クロトノイル基、ベンゾイル基、o−メチルベンゾイル基、m−メチルベンゾイル基、p−メチルベンゾイル基、2,3−ジメチルベンゾイル基、2,4−ジメチルベンゾイル基、2,5−ジメチルベンゾイル基、2,6−ジメチルベンゾイル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル基、p−フェニルベンゾイル基、メトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、p−ニトロフェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、o−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、2−(4−ニトロフェニル)エトキシカルボニル基、2−(2,4−ジニトロフェニル)エトキシカルボニル基、メトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、p−メトキシベンジルオキシメチル基、p−ニトロベンジルメトキシメチル基、o−ニトロベンジルメトキシメチル基、(4−メトキシフェノキシ)メチル基、tert−ブトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル 基、tert−ブチルジメチルシリル 基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
上記一般式(1)において、Bは天然又は非天然の核酸塩基である。具体的には、天然のアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシルのほかに人工塩基である7−デアザアデニン、7−デアザ−8−アザアデニン、3−デアザアデニン、7位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、水酸基等)が導入された7−デアザアデニン、8位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基水酸基等)が導入されたアデニン、8位に種々の置換基(アルキル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、水酸基等)が導入された7−デアザアデニン、7位及び8位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、水酸基等)が導入された7−デアザアデニン、7−デアザグアニン、7−デアザ−8−アザグアニン、3−デアザグアニン、7位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、水酸基等)が導入された7−デアザグアニン、8位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、水酸基)を導入したグアニン、8位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、水酸基等)が導入された7−デアザグアニン、7位と8位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基水酸基等)が導入された7−デアザグアニン、5位に種々の官能基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基水酸基等)が導入されたシトシン、シュードイソシトシン、1位に種々の官能基(アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル基、水酸基等)が導入されたシュードイソシトシン、5位に種々の官能基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基水酸基等)が導入されたウラシル、シュードウラシル、1位に種々の官能基(アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル基、水酸基等)が導入されたシュードウラシル等が挙げられる。
なお、一般式(1)で表わされる化合物は、保護基を有していない、一般式(1)で表わされる化合物に保護基Rを導入することにより得られる、保護基を導入する方法に特に制限はなく、従来公知の方法によって実施することができる。
上記一般式(2)において、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。アリール基としては、例えば、フェニル基又はナフチル基等の6〜10員の単環式または二環式アリール基等が挙げられる。 ヘテロアリール基としては、例えば、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される原子を異項原子として含有するヘテロアリール基が挙げられる。このようなヘテロアリール基としては、例えば、5〜14員、好ましくは5〜10員の単環式又は二環式ヘテロアリール基が挙げられる。具体的には、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジル基、ジヒドロピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、テトラヒドロピリミジニル基、フロピリミジニル基、ピリダジニル基、イミダゾリジニル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、プリニル基、1H−インダゾリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、プテリジニル基、フリル基、ピラニル基、チエニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、キノリジニル基、ベンズイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾフラニル基、ナフチリジニル基、1,2−ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、オキサゾロピリジル基、イソチアゾロピリジル基、ベンゾチエニル基等を挙げることができる。
一般式(2)におけるRは、上述したように、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。アリール基又はヘテロアリール基に置換される置換基としては、電子吸引性基が好ましく、このような電子吸引性基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、パーハロゲノアルキル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミド基、パーハロゲノアルキルアミド基、アルカノイル基、置換アルカノイル基、アロイル基、置換アロイル基、アルキルスルホニル基、置換アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、置換アリールスルホニル基、アルキルスルホンアミド基、置換アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、または置換アリールスルホンアミド基等が挙げられる。電子吸引性基としては、具体的には、フッ素原子、塩素原子、ニトロ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、トリフルオロアセトアミド基、トリフルオロアセチル基、p-クロロベンゾイル、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メタンスルホンアミド、トリフルオロメタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミドまたはp−トルエンスルホンアミド等が挙げられる。電子吸引性基で置換された化合物を用いることにより、置換反応が容易に進行し、以下に説明する(a)工程の反応の収率が向上するので好ましい。
上記一般式(2)において、Xはハロゲンであり、F、Cl又はBrである。
一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物の具体例としては、例えば、1−フルオロ−2−ニトロベンゼン、1−フルオロ−4−ニトロベンゼン、4−フルオロベンゾニトリル、2−クロロピリミジン、2−クロロベンゾキサゾール等が挙げられる。
上記一般式(3)において、Rは水酸基の保護基である。水酸基の保護基としては、一般式(1)で説明したものと同様である。また、一般式(3)において、Bは天然又は非天然の核酸塩基であり、その具体例としては、一般式(1)において説明したものと同様である。また、一般式(3)において、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。アリール基及びヘテロアリール基の具体例としては、一般式(2)において説明したものと同様である。また、アリール基及びヘテロアリール基は置換されていてもよいが、置換基としては、一般式(2)において説明した通りである。
工程(a)においては、一般式(1)で表わされるヌクレオシド誘導体を、一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物と塩基の存在下で反応させ、一般式(3)で表わされる化合物を得る。用いられる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミン、リチウムヘキサメチルジシラザン、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、カリウム−tert−ブトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、クロロピリジン、ルチジン、コリジン及びジメチルアミノピリジン、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
工程(a)における反応は、一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物とをほぼ当モル量用いて行うが、いずれか一方が過剰に存在していてもよく、いずれか一方が他方の2倍程度存在していてもよい。用いられる塩基の量は、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物の合計量の2倍程度でよい。
工程(a)における反応は無水条件下で行うことが好ましい。従って、原材料である一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物は脱水して用いることが好ましい。また、反応を行う溶媒についても無水の溶媒を用いることが好ましい。工程(a)において反応を行う溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等が挙げられる。
また、工程(a)においては、一般式(1)で表わされる化合物を、上記溶媒に5質量%の濃度溶解して行うことが好ましい。また、工程(a)における反応は、25〜55℃程度の温度で、1〜24 時間程度行なうことが好ましい。工程(a)で得られた、一般式(3)で表わされる化合物は、そのまま、工程(b)で反応に用いてもよいが、精製を行ってもよい。精製を行なう場合、例えば、カラムクロマトグラフィー、再結晶、昇華等の精製方法により精製することができる。
次に、工程(b)について説明する。工程(b)は、工程(a)で得られた一般式(3)で表わされる化合物を脱保護剤で処理することにより、保護基Rを脱保護して、一般式(4)で表わされるヌクレオシド誘導体を得る工程である。
一般式(4)において、Bは、一般式(1)において説明したものと同様である。また、一般式(4)において、Rは、一般式(2)において説明したものと同様であり、置換基についても同様である。
脱保護剤としては、水酸基の保護基を脱保護することのできる化合物であれば特に制限なく用いることができる。脱保護剤の具体例としては、例えば、トリエチルアミン−3フッ化水素;テトラブチルアンモニウムフルオリド;塩酸、臭酸、ギ酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ジメチルスルフィド/メタンスルホン酸、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三臭化ホウ素/ジメチルスルフィド等の酸;t-ブチルアミン等のアルキルアミン;アンモニア水、硫化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基;ヨードトリメチルシラン、ヨウ化メチルマグネシウム、ヨウ化リウチム、ヨウ化ナトリウム等のヨウ化物;シアン化ナトリウム、シアン化カリウム等のシアン化物;ナトリウムエタンチオラート等のチオラート;Pt/H2 、Pd/H2 、Pd-C/H2 等の接触還元剤等が挙げられる。脱保護剤の使用量は、一般式(3)で表わされる化合物の質量の3倍程度でよい。
工程(b)における反応を行う溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等が挙げられる。
また、工程(b)においては、一般式(3)で表わされる化合物を、上記溶媒に5質量%の濃度に溶解して行うことが好ましい。また、工程(b)における反応は、25〜55℃程度の温度で、1〜24時間程度行なうことが好ましい。工程(b)で得られた、一般式(4)で表わされるヌクレオシド誘導体は、例えば、カラムクロマトグラフィー、再結晶、昇華等の精製方法により精製することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態にかかるヌクレオシド誘導体の製造方法について説明する。
本発明の第2の実施の形態にかかるヌクレオシド誘導体の製造方法は、下記工程(c)及び(d)を含む。
(c)一般式(5)で表わされるヌクレオシド誘導体を、一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物と塩基の存在下で反応させて、一般式(6)で表わされる化合物を得る工程;及び
(d)一般式(6)で表わされる化合物を脱保護剤で処理することにより、保護基R及びRを脱保護して、一般式(7)で表わされるヌクレオシド誘導体を得る工程。
Figure 2007077109
−X (2)
Figure 2007077109
Figure 2007077109
上記一般式(5)において、Rは及びRは同一であっても異なっていてもよく、水酸基の保護基である。保護基としては、特に限定されず、当該技術分野において一般的に使用されるものが挙げられ、上記一般式(1)において説明したものと同様である。また、一般式(5)において、Bは天然又は非天然の核酸塩基であり、具体例としては、上述した一般式(1)と同様である。また、第2の実施の形態にかかるヌクレオシド誘導体において用いられる一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物については、第1の実施の形態にかかるヌクレオシド誘導体の製造方法において説明したのと同様である。
第2の実施の形態にかかるヌクレオシド誘導体の製造方法においては、先ず、工程(c)において、一般式(5)で表わされるヌクレオシド誘導体を、一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物と塩基の存在下で反応させて、一般式(6)で表わされる化合物を得る。用いられる塩基、その使用量、反応条件等は、第1の実施の形態にかかるヌクレオシド誘導体の製造方法における工程(a)と同様である。
次いで、工程(d)について説明する。工程(d)は、(c)で得られた一般式(6)で表わされる化合物を脱保護剤で処理することにより、保護基Rを脱保護して、一般式(7)で表わされるヌクレオシド誘導体を得る工程である。
一般式(6)及び一般式(7)において、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。アリール基及びヘテロアリール基の具体例としては、一般式(2)において説明したものと同様である。また、アリール基及びヘテロアリール基は置換されていてもよいが、置換基としては、一般式(2)において説明したのと同様である。
また、第2の実施の形態にかかるヌクレオシド誘導体の製造方法における工程(d)の反応条件等は、第1の実施の形態にかかるヌクレオシド誘導体の製造方法における工程(b)と同様である。
次に、本発明のヌクレオシド誘導体について説明する。
本発明のヌクレオシド誘導体は、下記一般式(4)又は下記一般式(7)で表わされる。
Figure 2007077109
Figure 2007077109
上記一般式(4)及び(7)において、Bは天然又は非天然の核酸塩基である。具体的には、天然のアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシルのほかに人工塩基である7−デアザアデニン、7−デアザ−8−アザアデニン、3−デアザアデニン、7位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、水酸基等)が導入された7−デアザアデニン、8位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基水酸基等)が導入されたアデニン、8位に種々の置換基(アルキル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、水酸基等)が導入された7−デアザアデニン、7位及び8位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、水酸基等)が導入された7−デアザアデニン、7−デアザグアニン、7−デアザ−8−アザグアニン、3−デアザグアニン、7位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、水酸基等)が導入された7−デアザグアニン、8位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、水酸基)を導入したグアニン、8位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、水酸基等)が導入された7−デアザグアニン、7位と8位に種々の置換基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基水酸基等)が導入された7−デアザグアニン、5位に種々の官能基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基水酸基等)が導入されたシトシン、シュードイソシトシン、1位に種々の官能基(アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル基、水酸基等)が導入されたシュードイソシトシン、5位に種々の官能基(アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ニトロ基、アシル基水酸基等)が導入されたウラシル、シュードウラシル、1位に種々の官能基(アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル基、水酸基等)が導入されたシュードウラシル等が挙げられる。
上記一般式(4)及び(7)において、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。アリール基としては、例えば、フェニル基又はナフチル基等の6〜10員の単環式または二環式アリール基等が挙げられる。 ヘテロアリール基としては、例えば、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される原子を異項原子として含有するヘテロアリール基が挙げられる。このようなヘテロアリール基としては、例えば、5〜14員、好ましくは5〜10員の単環式又は二環式ヘテロアリール基が挙げられる。具体的には、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジル基、ジヒドロピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、テトラヒドロピリミジニル基、フロピリミジニル基、ピリダジニル基、イミダゾリジニル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、プリニル基、1H−インダゾリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、プテリジニル基、フリル基、ピラニル基、チエニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアジアゾリル基、オキサジアゾリル基、キノリジニル基、ベンズイミダゾリル基、イミダゾピリジル基、ベンゾフラニル基、ナフチリジニル基、1,2−ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、オキサゾロピリジル基、イソチアゾロピリジル基、ベンゾチエニル基等を挙げることができる。
一般式(4)及び(7)におけるRは、上述したように、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。アリール基又はヘテロアリール基に置換される置換基としては、電子吸引性基が好ましく、このような電子吸引性基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、パーハロゲノアルキル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミド基、パーハロゲノアルキルアミド基、アルカノイル基、置換アルカノイル基、アロイル基、置換アロイル基、アルキルスルホニル基、置換アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、置換アリールスルホニル基、アルキルスルホンアミド基、置換アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、または置換アリールスルホンアミド基等が挙げられる。電子吸引性基としては、具体的には、フッ素原子、塩素原子、ニトロ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、トリフルオロアセトアミド基、トリフルオロアセチル基、p-クロロベンゾイル、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メタンスルホンアミド、トリフルオロメタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミドまたはp−トルエンスルホンアミド等が挙げられる。
本発明のヌクレオシド誘導体を製造する方法に特に制限はないが、好ましくは、上述した、本発明のヌクレオシド誘導体の製造方法によって製造することができる。
本発明のヌクレオシド誘導体は、DNAポリメラーゼやRNAポリメラーゼの阻害剤として作用し、抗ウィルス剤、抗ヘルペス剤として用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
実施例1
チミジンの5’位に、常法に従い、5’-O-tert-ブチルジメチルシリル基を導入し、5’-O-tert-ブチルジメチルシリルチミジンを得た。得られた5’-O-tert-ブチルジメチルシリルチミジン(356mg, 1.0mmol)を少量の乾燥アセトニトリルを用いて3回共沸脱水し、無水テトラヒドロフラン(THF)(10mL)に溶解させ、5’-O-tert-ブチルジメチルシリルチミジン溶液を得た。次いで、5’-O-tert-ブチルジメチルシリルチミジン溶液に水素化ナトリウム(100mg,2.5mmol,60%)を徐々に加え、室温(25℃)下20分間攪拌した。次いで、1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(160μl, 1.5mmol)を加え、室温(25℃)で1.5時間反応させた後、10mlのメタノールを加えて反応を停止した。次いで、15mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて攪拌した後、反応混合物をクロロホルムで抽出し、抽出液を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : クロロホルム = 3 : 7)により分離精製することにより、5’−O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(2-ニトロフェニル)チミジン(358mg, 75%)を得た。
1H-NMR (d6-DMSO, 270MHz) δ0.08 (6H, s), 0.87 (9H, s), 1.79 (3H, s), 2.35-2.60 (2H, m), 3.75-3.90 (2H, m), 4.11-4.14 (1H, m), 5.11-5.14 (1H, m), 6.22 (1H, dd, J = 7.8, 6.2 Hz), 7.14-7.20 (1H, m), 7.40-7.43 (1H, m), 7.53 (1H, s), 7.62-7.67 (1H, m), 7.88 (1H, d, J = 8.1 Hz), 11.29 (1H, bs).
実施例2
実施例1で得られた5’−O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(2-ニトロフェニル)チミジン (382mg, 0.8mmol)を8mLのTHFに溶解して、5’−O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(2-ニトロフェニル)チミジン溶液を得た。得られた5’−O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(2-ニトロフェニル)チミジン溶液にトリエチルアミン-3フッ化水素(390μl, 4mmol)を加え室温(25℃)下、30分間攪拌した。溶液に10mLのメタノールを加えて反応液を希釈した後、溶媒を減圧下除去した。得られた残査をPTLC(クロロホルム : メタノール = 4 : 1)により分離精製することにより、3’-O-(2-ニトロフェニル)チミジン (171mg, 59%)を得た。
1H-NMR (d6-DMSO, 270MHz) δ1.78 (3H, s), 2.20-2.45 (2H, m), 3.60-3.75 (2H, m), 4.01-4.12 (1H, m), 5.15-5.35 (2H, m), 6.17-6.30 (1H, m), 7.10-7.20 (1H, m), 7.35-7.43 (1H, m), 7.60-7.73 (1H, m), 7.72 (1H, s), 7.89-7.95 (1H, m), 11.34 (1H, bs).
実施例3
1−フルオロ−2−ニトロベンゼンに代え、1−フルオロ−4−ニトロベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様に操作を行い、5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(4-ニトロフェニル)チミジン (460mg, 96%)を得た。
1H-NMR (d6-DMSO, 270MHz) δ0.10 (6H, s), 0.88 (9H, s), 1.80 (3H, s), 2.30-2.56 (2H, m), 3.80-3.90 (2H, m), 4.13-4.17 (1H, m), 5.10-5.16 (1H, m), 6.17-6.27 (1H, m), 7.21 (2H, d, J = 9.2 Hz), 7.54 (1H, s), 8.20 (2H, d, J = 9.2 Hz), 11.36 (1H, bs).
実施例4
5’−O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(2-ニトロフェニル)チミジンに代え、実施例3で得られた5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(4-ニトロフェニル)チミジン (382mg, 0.8mmol)を用いた以外は実施例2と同様に操作を行い、3’-O-(4-ニトロフェニル)チミジン(87mg, 30%)を得た。
1H-NMR (d6-DMSO, 270MHz) δ1.79 (3H, s), 2.20-2.50 (2H, m), 3.62-3.72 (2H, m), 4.08-4.13 (1H, m), 5.18-5.33 (2H, m), 6.15-6.30 (1H, m), 7.21 (2H, d, J = 9.3 Hz), 7.73 (1H, s), 8.22 (2H, d, J= 9.3 Hz), 11.35 (1H, bs).
実施例5
1−フルオロ−2−ニトロベンゼンに代え、4−フルオロベンゾニトリルを用い、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)を用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(4-シアノフェニル)チミジン (220mg, 65%)を得た。
1H-NMR (d6-DMSO, 270MHz) δ0.08 (6H, s), 0.88 (9H, s), 1.79 (3H, s), 2.30-2.50 (2H, m), 3.80-3.90 (2H, m), 4.10-4.16 (1H, m), 5.03-5.10 (1H, m), 6.15-6.25 (1H, m), 7.17 (2H, d, J = 8.9 Hz), 7.53 (1H, s), 7.78 (2H, d, J = 8.9 Hz), 11.35 (1H, bs).
実施例6
5’−O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(2-ニトロフェニル)チミジンに代え、実施例5で得られた5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(4-シアノフェニル)チミジン(110mg, 0.24mmol)を用いた以外は実施例2と同様に操作を行い、3’-O-(4-シアノフェニル)チミジン(60mg, 73%)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 270MHz) δ1.87 (3H, s), 2.30-2.60 (2H, m), 3.50 (1H, bs), 3.84-4.00 (2H, m), 4.20-4.30 (1H, m), 5.05-5.20 (2H, m), 6.14-6.20 (1H, m), 6.93 (2H, d, J = 8.9 Hz), 7.44 (1H, s), 7.56 (2H, d, J = 8.9 Hz), 9.40 (1H, bs).
実施例7
1−フルオロ−2−ニトロベンゼンに代え、2−クロロピリミジン(171mg、1.5mmol)を用い、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)を用いた以外は実施例1と同様に操作を行い、5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(2-ピリミジニル)チミジン(435mg, 100%)を得た。
1H-NMR (d6-DMSO, 270MHz)δ0.00 (6H, s), 0.77 (9H, s), 1.69 (3H, s), 2.22-2.40 (2H, m), 3.75-3.88 (2H, m), 4.02-4.10 (1H, m), 5.32-5.40 (1H, m), 6.10-6.17 (1H, m), 7.08 (1H, t, J = 4.9 Hz), 7.44 (1H, s), 8.53 (2H, d, J= 4.9 Hz), 11.29 (1H, bs).
実施例8
5’−O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(2-ニトロフェニル)チミジンに代え、実施例7で得られた5’-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-3’-O-(2-ピリミジニル)チミジン(43mg, 0.1mmol)を用いた以外は実施例2と同様に操作を行い、3’-O-(2-ピリミジニル)チミジン (19mg, 60%)を得た。
1H-NMR (d6-DMSO, 270MHz) δ1.79 (3H, s), 2.35-2.50 (2H, m), 3.63-3.80 (2H, m), 4.09-4.14 (1H, m), 5.17-5.24 (1H, m), 5.50 (1H, bs), 6.22-6.27 (1H, m), 7.17 (1H, t, J = 4.9 Hz), 7.79 (1H, s), 8.62 (2H, d, J = 4.9 Hz), 11.31 (1H, bs).
実施例9
3’,5’-O-(1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサニリデン)ウリジン(487mg, 1.0mmol)を少量の乾燥アセトニトリルで3回共沸脱水し、無水THF(10ml)に溶解させ、3’,5’-O-(1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサニリデン)ウリジン溶液を得た。得られた3’,5’-O-(1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサニリデン)ウリジン溶液に、水素化ナトリウム(100mg,2.5mmol,60%)を徐々に加え、室温(25℃)下20分間攪拌した。次いで、1-フルオロ-4-ニトロベンゼン(120μl, 1.1mmol)を加え50℃で24時間反応させた後、10mlのメタノールを加えて反応を停止した。15mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて攪拌した後、反応混合物をクロロホルムで抽出し、抽出液を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン : クロロホルム = 3 : 7)により分離精製することにより3’-(4-ニトロフェニル)-3’,5’-O-(1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサニリデン)ウリジン (400mg, 66%)を得た。
1H-NMR (d6-DMSO, 270MHz) δ0.74-1.10 (28H, m), 3.82-3.98 (5H, m), 5.56 (1H, d, J = 8.1 Hz), 5.73-5.76 (1H, m), 7.10-7.18 (2H, m), 7.71 (2H, d, J = 8.1 Hz), 8.08-8.15 (2H, m), 11.34 (1H, bs).


Claims (8)

  1. 下記工程(a)及び(b)を含む、ヌクレオシド誘導体の製造方法。
    (a)一般式(1)で表わされるヌクレオシド誘導体を、一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物と塩基の存在下で反応させて、一般式(3)で表わされる化合物を得る工程;及び
    (b)一般式(3)で表わされる化合物を脱保護剤で処理することにより、保護基Rを脱保護して、一般式(4)で表わされるヌクレオシド誘導体を得る工程。
    Figure 2007077109
    (上記一般式(1)において、Rは水酸基の保護基であり、Bは天然又は非天然の核酸塩基である。)
    −X (2)
    (上記一般式(2)において、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基であり、Xはハロゲンである。)
    Figure 2007077109
    (上記一般式(3)において、Rは水酸基の保護基であり、Bは天然又は非天然の核酸塩基であり、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。)
    Figure 2007077109
    (上記一般式(4)において、Bは天然又は非天然の核酸塩基であり、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。)
  2. 下記工程(c)及び(d)を含む、ヌクレオシド誘導体の製造方法。
    (c)一般式(5)で表わされるヌクレオシド誘導体を、一般式(2)で表わされる芳香族ハロゲン化物と塩基の存在下で反応させて、一般式(6)で表わされる化合物を得る工程;及び
    (d)一般式(6)で表わされる化合物を脱保護剤で処理することにより、保護基R及びRを脱保護して、一般式(7)で表わされるヌクレオシド誘導体を得る工程。
    Figure 2007077109
    (上記一般式(5)において、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、水酸基の保護基であり、Bは天然又は非天然の核酸塩基である。)
    −X (2)
    (上記一般式(2)において、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基であり、Xはハロゲンである。)
    Figure 2007077109
    (上記一般式(6)において、R及びRは同一であっても異なっていてもよく、水酸基の保護基であり、Bは天然又は非天然の核酸塩基であり、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。)
    Figure 2007077109
    (上記一般式(7)において、Bは天然又は非天然の核酸塩基であり、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。)
  3. がtert−ブチルジメチルシリル基、トリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン−1,3−ジイル基又はジtert−ブチルシランジイル基である、請求項1又は2に記載のヌクレオシド誘導体の製造方法。
  4. アリール基又はヘテロアリール基が、電子吸引性基で置換されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のヌクレオシド誘導体の製造方法。
  5. 下記一般式(4)で表わされる、ヌクレオシド誘導体。
    Figure 2007077109
    (上記一般式(4)において、Bは天然又は非天然の核酸塩基であり、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。)
  6. アリール基又はヘテロアリール基が、電子吸引性基で置換されている、請求項5に記載のヌクレオシド誘導体。
  7. 下記一般式(7)で表わされる、ヌクレオシド誘導体。
    Figure 2007077109
    (上記一般式(7)において、Bは天然又は非天然の核酸塩基であり、Rは置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基である。)
  8. アリール基又はヘテロアリール基が、電子吸引性基で置換されている、請求項7に記載のヌクレオシド誘導体。
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