JP2007076527A - ヒーター付車両用ミラーおよびその製造方法 - Google Patents

ヒーター付車両用ミラーおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電極を櫛状にパターン形成したりPTC発熱体を蛇行形状にパターン形成する必要がなく、しかも給電電極をPTC面状発熱体上で銅ペーストなどを用いてスクリーン印刷して形成しなくてすむようにしたヒーター付車両用ミラーを提供する。
【解決手段】第一基板14は透明ガラス板で構成され、裏面全体に金属反射膜兼第一電極膜12が形成されている。第二基板18はガラス板で構成され、おもて面全体に第二電極膜16が形成されている。第一基板14と第二基板18を、金属反射膜兼第一電極膜12と第二電極膜16どうしを対面させて、PTC特性を有する導電性ペースト20aで構成されるPTC面状発熱体層20を間に挟み込んで貼り合わせる。第一基板14の下縁部に金属反射膜兼第一電極膜12に導通するようにクリップ電極22を装着する。第二基板18の上縁部に第二電極膜16に導通するようにクリップ電極24を装着する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)発熱体を使用したヒーター付車両用ミラーおよびその製造方法に関する。
ヒーター付車両用ミラーは、車両用ミラーのミラー板にヒーターを設け、このヒーターに通電してミラー板を加熱することにより、ミラー表面に付着した水滴を除去するようにしたものである。ヒーター付車両用ミラーに使用されるヒーターには、電熱線を用いたもののほかPTC発熱体を用いたものある。PTC発熱体を用いたものによれば、温度が自己調整されるので、温度調整のためのサーモスタット等の別部品が不要になる利点がある。
PTC面状発熱体を使用した従来のヒーター付車両用ミラーとして、下記特許文献1〜4に記載されたものがある。特許文献1記載のヒーター付車両用ミラーは、ポリエステルフィルム等の基板の上に金属箔からなる一対の電極を櫛状に形成し、その上にシート状のPTC面状発熱体を被せて構成した発熱体を、ミラー板の背面に接着したものである。一対の電極間に電圧を印加することによりPTC面状発熱体が発熱する。
特許文献2記載のヒーター付車両用ミラーは、ミラー板の裏面の反射膜上に絶縁膜を形成し、該絶縁膜の上に電極を構成する一対の導電膜パターンをスクリーン印刷で櫛状に形成し、その上にカーボンペーストをスクリーン印刷で塗布してPTC面状発熱体を形成し、その上に絶縁膜を被せたものである。一対の導電膜間に電圧を印加することによりPTC面状発熱体が発熱する。
特許文献3記載のヒーター付車両用ミラーは、ミラー板の裏面の反射膜上に絶縁用の樹脂フィルムを貼り付け、該樹脂フィルムの上に蛇行形状のPTC面状発熱体を形成し、その上に絶縁用の樹脂フィルムを被せたものである。蛇行形状のPTC面状発熱体の両端部間に電圧を印加することにより、PTC面状発熱体が発熱する。
特許文献4記載のヒーター付車両用ミラーは、ミラー基板の上に、反射膜兼電極、PTC面状発熱体、給電電極を順次重ね合わせたものである。反射膜兼電極と給電電極間に電圧を印加することによりPTC面状発熱体が発熱する。
実開平5−45987号公報(図1) 特開平9−207723号公報(図4) 特開平11−20624号公報(図3) 特開2001−171490号公報(図2)
特許文献1,2記載のヒーター付車両用ミラーによれば、電極を櫛状にパターン形成する必要があった。特許文献3記載のヒーター付車両用ミラーによれば、PTC発熱体を蛇行形状にパターン形成する必要があった。特許文献4記載のヒーター付車両用ミラーによれば、給電電極はPTC面状発熱体上で銅ペーストなどを用いてスクリーン印刷して形成する必要があった。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、電極を櫛状にパターン形成したりPTC発熱体を蛇行形状にパターン形成する必要がなく、しかも給電電極をPTC面状発熱体上で銅ペーストなどを用いてスクリーン印刷して形成しなくてすむようにしたヒーター付車両用ミラーを提供しようとするものである。
この発明のヒーター付車両用ミラーは、透明部材で構成され裏面に金属反射膜兼第一電極膜が形成された第一基板と、おもて面に第二電極膜が形成された第二基板と、前記金属反射膜兼第一電極膜と前記第二電極膜とが対面する配置で前記第一基板と前記第二基板との間に挟み込まれて、該第一基板および該第二基板と相互に一体化されて、表裏各面が前記金属反射膜兼第一電極膜、前記第二電極膜にそれぞれ電気的に接続されたPTC面状発熱体層とを具備してなり、前記金属反射膜兼第一電極膜と前記第二電極膜との間に前記PTC面状発熱体層の駆動用電圧が該PTC面状発熱体層の膜厚方向に印加され、前記第一基板のおもて面側をミラーおもて面側として使用されるものである。
この発明のヒーター付車両用ミラーによれば、特許文献1〜3記載のヒーター付車両用ミラーとは異なり、PTC面状発熱体層の膜厚方向に電圧を印加するので、電極を櫛状にパターン形成したりPTC発熱体を蛇行形状にパターン形成する必要がない。また、この発明によれば、それぞれ電極が構成された2枚の基板を使用し、両基板の間にPTC発熱体をサンドイッチ状に挟み込んでヒーター付車両用ミラーを構成するので、両電極を予め用意しておくことができる。したがって、特許文献4記載のヒーター付車両用ミラーとは異なり、給電電極をPTC面状発熱体上で銅ペーストなどを用いてスクリーン印刷して形成する必要がない。
この発明のヒーター付車両用ミラーは、PTC面状発熱体層の接着力により、第一基板、PTC面状発熱体層、第二基板を相互に貼り合わせて一体化したものとすることができる。
この発明のヒーター付車両用ミラーは、それぞれ電極が構成された2枚の基板を使用するので、これら基板にクリップ電極をそれぞれ嵌め込み装着することにより、これら電極を各クリップ電極を介して各リード線に容易に接続することができる。
この発明のヒーター付車両用ミラーにおいて、PTC面状発熱体層は、例えばPTC特性を有する導電性ペーストを用いて構成することができる。この場合、該導電性ペースト中に、該導電性ペーストに含まれている導電性粒子よりも大きい均一な粒径を有する膜厚制御用非導電性粒子を分散しておけば、PTC面状発熱体層の膜厚を該膜厚制御用非導電性粒子の粒径で規定される均一な膜厚に設定することができる。
この発明のヒーター付車両用ミラーにおいて、PTC面状発熱体層は、均一な厚みを有するシート状のPTC面状発熱体を用いて構成することもできる。
この発明のヒーター付車両用ミラーの製造方法は、前記第一基板と前記第二基板との間に前記PTC面状発熱体層を構成する材料を挟み込み、該第一基板と該第二基板を相互に加熱および押圧して該PTC面状発熱体層を形成し、該PTC面状発熱体層の接着力によりこれら第一基板、PTC面状発熱体層、第二基板を一体化するようにしたものである。
(実施の形態1)
この発明のヒーター付車両用ミラーの実施の形態1を、図2に裏面側から見た斜視図で示す。また、図2のA−A断面を図1に示す。ミラー10は、ドアミラー、フェンダーミラー等の車両用アウターミラー装置のミラー板を構成する部分である。ミラー10は、第一基板14、第二基板18と、その間に挟み込まれたPTC特性を有する導電性ペースト20aで構成されるPTC面状発熱体層20とを、対向する面どうしをPTC面状発熱体層20の接着力で相互に接合することにより一体化して構成されている。第一基板14は、透明ガラス板等の透明非導電部材で構成され、裏面全体にCr(クロム)等の金属反射膜兼第一電極膜12が形成されている。第二基板18は、ガラス板等の非導電部材(透明である必要はない。)で構成され、おもて面全体にCr等の第二電極膜16が形成されている。PTC面状発熱体層20は、樹脂中に炭素粒子等の導電粒子を分散させて構成されている。第一基板14の下縁部には金属反射膜兼第一電極膜12に導通するようにクリップ電極22が嵌め込み装着されている。クリップ電極22にはリード線26がハンダや導電性接着剤等の接合材30で接続されている。第二基板18の上縁部には第二電極膜16に導通するようにクリップ電極24が嵌め込み装着されている。クリップ電極24にはリード線28がハンダや導電性接着剤等の接合材32で接続されている。なお、クリップ電極22,24は、PTC面状発熱体層20とは直接接触していない。
このミラー10は、第一基板14のおもて面側をミラーおもて面側として使用され、運転者は金属反射膜兼第一電極膜12で反射される車両後方の映像を視点34から視認する。リード線26,28間にはPTC面状発熱体層20の駆動用の直流電圧が供給される。この電圧はクリップ電極22,24を介して、金属反射膜兼第一電極膜12と第二電極膜16との間に印加される。これにより、PTC面状発熱体層20はその膜厚方向に電圧が印加されて発熱する。PTC面状発熱体層20は、温度が低いときは樹脂中に分散されている導電粒子どうしが相互につながって構成される電路が多くなるので抵抗値が減少し、その結果電流値が増大し、温度が上昇する。また、温度が高くなると、樹脂が膨張して、樹脂中に分散されている導電粒子どうしのつながりが一部で切断されるため、電路が減少して抵抗値が増大し、その結果電流値が減少し、温度が低下する。このようなメカニズムにより、PTC面状発熱体層20は、通電中はその温度によって電流値が自動調整されて、所定の温度に維持される。
実施の形態1のミラー10の製造工程の一例を説明する。第一基板14として曲率R=1000mmの透明ガラス基板を用意する。この透明ガラス基板14の裏面(凹面)に金属反射膜兼第一電極膜12としてCr膜をスパッタリング法にて80nmの膜厚に成膜する。同様に、第二基板18として曲率R=1000mmの透明ガラス基板を用意する。この透明ガラス基板18の表面(凸面)に第二電極膜16としてCr膜をスパッタリング法にて80nmの膜厚に成膜する。金属反射膜兼第一電極膜12、第二電極膜16は、スパッタリング法の他に、蒸着法、イオンプレーティング法等により成膜することもできる。
次いで、図3に示すように、第一基板14の凹表面の金属反射膜兼第一電極膜12の表面中央部に、PTC面状発熱体層20の材料であるPTC特性を有する導電性ペースト20aを適宜のペースト吐出装置(ディスペンサー)にて吐出する。PTC特性を有する導電性ペースト20aは、樹脂中に炭素粒子等の導電粒子を分散させて構成することができる。より具体的には、PTC特性を有する導電性ペースト20aは、例えば、ポリマー、導電性付与剤、絶縁性充填剤、可塑剤、分散剤等の混合物で構成することができる。この場合、ポリマーの種類によって主たる動作温度を設定することができる。また、導電性付与剤、絶縁性充填剤、可塑剤、分散剤により、抵抗値および副次的な動作温度を設定することができる。PTC面状発熱体層20自身の接着力を利用して第一基板14および第二基板と貼り合わせて一体化するために、ホットメルト型や粘着型のポリマーを使用することができる。ホットメルト型のポリマーとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、オレフィン系、熱可塑性エラストマー、ポリエステル系、またはこれらの混合物を使うことができる。粘着型のポリマーとしては、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、ビニルエーテル、シリコーン系、またはこれらの混合物を使うことができる。導電性付与剤として、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンブラック、金属微粒子、表面に金属薄膜を形成した表面処理微粒子等の導電性粒子を使うことができる。絶縁性充填剤として、金属酸化物、タルク、シリカ、マイカ等を使うことができる。
PTC特性を有する導電性ペースト20aの配合例を次に示す。ポリマーは接着剤の役目も兼ねてブレンドしてある。

(PTC特性を有する導電性ペースト20aの配合例)
・主ポリマー:飽和ポリエステル系樹脂 45%
・副ポリマー:アクリル系ゴム 27%
・カーボンブラック: 23%
・マイカ: 4%
・分散剤: 1%
第一基板14の凹表面の中央部に導電性ペースト20aを吐出したら、第一基板14と第二基板18を、クリップ電極22,24を装着する分相互にずらして(図1参照)位置合わせし、第一基板14および第二基板16の各外面に、これら各外面に倣う外面形状(第一基板14の凸外面に対しては凹外面形状、第二基板18の凹外面に対しては凸外面形状)を有する加熱された治具(図示せず)を押し当てて相互に加熱および押圧して、導電性ペースト20aを金属反射膜兼第一電極膜12と第二電極膜16の対向面全域に層状に押し延ばす。この場合、導電性ペースト20aは基板14,18の中央部から全方向に均等に押し拡げられていくので、導電性ペースト20aの層中に空気が取り込まれるのが防止される。これにより、穴のないPTC面状発熱体層20が形成されるとともに、第一基板14と第二基板18がPTC面状発熱体層20を接着剤として相互に貼り合わされ、一体化される。第一基板14と第二基板18は同一曲率を有するため、PTC面状発熱体層20の膜厚は均一となる。その後、この貼り合わせ体が常温に戻れば、PTC面状発熱体層20が安定し、一体化された状態が安定に保持される。なお、PTC面状発熱体層20は、その膜厚によって金属反射膜兼第一電極膜12と第二電極膜16間の抵抗値が変化して動作温度が変化するので、使用する駆動電圧との関係で所望の動作温度が得られる膜厚(例えば0.15mmその他適宜の値)に設定する。
その後、第一基板14の下縁部に金属反射膜兼第一電極膜12に導通するようにクリップ電極22を嵌めて装着し、第二基板18の上縁部に第二電極膜16に導通するようにクリップ電極24を嵌めて装着する。さらに、クリップ電極22にリード線26をハンダや導電性接着剤等の接合材30で接続し、クリップ電極24にリード線28をハンダや導電性接着剤等の接合材32で接続して図1のミラー10が完成する。
以上のようにして作られたミラー10のリード線26,28間に駆動電圧を印加すると、PTC面状発熱体層20はその膜厚方向に該電圧が印加されて発熱する。この場合、PTC面状発熱体層20に通電し続けても、PTC面状発熱体層20の自己温度調整機能によりPTC面状発熱体層20の温度は一定値に保たれる。また、PTC面状発熱体層20の膜厚は一定なので、PTC面状発熱体層20の面積抵抗は位置によらず一定であり、面全体がほぼ均一な温度に加熱される。
図4は、ミラー10の環境温度とリード線26,28間の抵抗値の関係の一例を示す。これによれば、温度上昇と共に急激に抵抗値が増大している。図5は同ミラー10のリード線26,28間に13.5Vの電圧を印加したときの、時間(印加開始時を基準とする)とミラー表面温度の関係(電圧印加前の温度は約20℃)の一例を示す。これによれば、時間経過と共にミラー表面温度が上昇し、一定温度に達したら、自己温度調整機能によりその温度に維持される。
(実施の形態2)
この発明のヒーター付車両用ミラーの実施の形態2を図6に断面図(実施の形態1に関する図2のA−A断面に相当する位置の断面図)で示す。図2と共通する部分には同一の符号を用いる。このミラー36は、実施の形態1の導電性ペースト20aで構成されたPTC面状発熱体層20に代えて、膜厚制御用非導電性粒子38を分散させた導電性ペースト20aで構成されたPTC面状発熱体層40を配置したものである。膜厚制御用非導電性粒子38は均一な粒径を有するプラスチックビーズ、非導電性金属酸化物等の非導電体で構成される。膜厚制御用非導電性粒子38の粒径は、PTC面状発熱体層40中に含まれている導電性粒子よりも大きく、PTC面状発熱体層40の所望の発熱特性が得られる膜厚(例えば0.15mmその他適宜の値)と等しい値に設定される。
このミラー36は、第一基板14のおもて面側をミラーおもて面側として使用され、運転者は金属反射膜兼第一電極膜12で反射される車両後方の映像を視点34から視認する。リード線26,28間にはPTC面状発熱体層40の駆動用の直流電圧が供給される。この電圧はクリップ電極22,24を介して、金属反射膜兼第一電極膜12と第二電極膜16との間に印加される。これにより、PTC面状発熱体層40はその膜厚方向に電圧が印加されて発熱する。PTC面状発熱体層40は、温度が低いときは樹脂中に分散されている導電粒子どうしが相互につながって構成される電路が多くなるので抵抗値が減少し、その結果電流値が増大し、温度が上昇する。また、温度が高くなると、樹脂が膨張して、樹脂中に分散されている導電粒子どうしのつながりが一部で切断されるため、電路が減少して抵抗値が増大し、その結果電流値が減少し、温度が低下する。このようなメカニズムにより、PTC面状発熱体層40は、通電中はその温度によって電流値が自動調整されて、所定の温度に維持される。
実施の形態2のミラー36の製造工程の一例を説明する。第一基板14として曲率R=1000mmの透明ガラス基板を用意する。この透明ガラス基板14の裏面(凹面)に金属反射膜兼第一電極膜12としてCr膜をスパッタリング法にて80nmの膜厚に成膜する。同様に、第二基板18として曲率R=1000mmの透明ガラス基板を用意する。この透明ガラス基板18の表面(凸面)に第二電極膜16としてCr膜をスパッタリング法にて80nmの膜厚に成膜する。金属反射膜兼第一電極膜12、第二電極膜16は、スパッタリング法の他に、蒸着法、イオンプレーティング法等により成膜することもできる。
次いで、図7に示すように、第一基板14の凹表面の金属反射膜兼第一電極膜12の表面中央部に、PTC面状発熱体層40の材料であるPTC特性を有する導電性ペースト20aに膜厚制御用非導電性粒子38を分散させた材料を適宜のペースト吐出装置にて吐出する。PTC特性を有する導電性ペースト20aは、実施の形態1で説明したものと同じ材料を使用することができる。
さらに、第一基板14と第二基板18を、クリップ電極22,24を装着する分相互にずらして(図6参照)位置合わせし、第一基板14および第二基板16の各外面に、これら各外面に倣う外面形状を有する加熱された治具(図示せず)を押し当てて相互に加熱および押圧して、膜厚制御用非導電性粒子38で規制されるまで(すなわち、膜厚制御用非導電性粒子38が金属反射膜兼第一電極膜12と第二電極膜16とに押し当てられて、金属反射膜兼第一電極膜12と第二電極膜16がそれ以上接近できなくなるまで)、導電性ペースト20aを金属反射膜兼第一電極膜12と第二電極膜16の対向面全域に層状に押し延ばす。これにより、PTC面状発熱体層40が形成されるとともに、第一基板14と第二基板18がPTC面状発熱体層40を接着剤として相互に貼り合わされ、一体化される。第一基板14と第二基板18は同一曲率を有するため、PTC面状発熱体層40の膜厚は膜厚制御用非導電性粒子38の粒径で決まる均一な膜厚(例えば0.15mmその他適宜の値)となる。その後、この貼り合わせ体が常温に戻れば、PTC面状発熱体層40が安定し、一体化された状態が安定に保持される。
その後、第一基板14の下縁部に金属反射膜兼第一電極膜12に導通するようにクリップ電極22を嵌めて装着し、第二基板18の上縁部に第二電極膜16に導通するようにクリップ電極24を嵌めて装着する。さらに、クリップ電極22にリード線26をハンダや導電性接着剤等の接合材30で接続し、クリップ電極24にリード線28をハンダや導電性接着剤等の接合材32で接続して図6のミラー36が完成する。
(実施の形態3)
この発明のヒーター付車両用ミラーの実施の形態3を図8に断面図(実施の形態1に関する図2のA−A断面に相当する位置の断面図)で示す。図2と共通する部分には同一の符号を用いる。このミラー42は、実施の形態1の導電性ペースト20aで構成されたPTC面状発熱体層20に代えて、シート状PTC面状発熱体44で構成されたPTC面状発熱体層46を配置したものである。シート状PTC面状発熱体44は、例えばPTC特性を有する導電性ペーストを不織布に含浸させたものとして構成することができる。シート状PTC面状発熱体44の膜厚は所望の発熱特性が得られる膜厚(例えば0.15mmその他適宜の値)に設定される。
このミラー42は、第一基板14のおもて面側をミラーおもて面側として使用され、運転者は金属反射膜兼第一電極膜12で反射される車両後方の映像を視点34から視認する。リード線26,28間にはPTC面状発熱体層46の駆動用の直流電圧が供給される。この電圧はクリップ電極22,24を介して、金属反射膜兼第一電極膜12と第二電極膜16との間に印加される。これにより、PTC面状発熱体層46はその膜厚方向に電圧が印加されて発熱する。PTC面状発熱体層46は、温度が低いときは樹脂中に分散されている導電粒子どうしが相互につながって構成される電路が多くなるので抵抗値が減少し、その結果電流値が増大し、温度が上昇する。また、温度が高くなると、樹脂が膨張して、樹脂中に分散されている導電粒子どうしのつながりが一部で切断されるため、電路が減少して抵抗値が増大し、その結果電流値が減少し、温度が低下する。このようなメカニズムにより、PTC面状発熱体層46は、通電中はその温度によって電流値が自動調整されて、所定の温度に維持される。
実施の形態3のミラー42の製造工程の一例を説明する。第一基板14として曲率R=1000mmの透明ガラス基板を用意する。この透明ガラス基板14の裏面(凹面)に金属反射膜兼第一電極膜12としてCr膜をスパッタリング法にて80nmの膜厚に成膜する。同様に、第二基板18として曲率R=1000mmの透明ガラス基板を用意する。この透明ガラス基板18の表面(凸面)に第二電極膜16としてCr膜をスパッタリング法にて80nmの膜厚に成膜する。金属反射膜兼第一電極膜12、第二電極膜16は、スパッタリング法の他に、蒸着法、イオンプレーティング法等により成膜することもできる。
次いで、図9に示すように、金属反射膜兼第一電極膜12と第二電極膜16を対面させた状態で、第一基板14と第二基板18の間にPTC面状発熱体層46を構成するシート状PTC面状発熱体44を配置する。そして、第一基板14と第二基板18を、クリップ電極22,24を装着する分相互にずらして(図8参照)位置合わせして、第一基板14、シート状PTC面状発熱体44、第二基板18を重ね合わせる。この状態で、第一基板14および第二基板16の各外面に、これら各外面に倣う外面形状を有する加熱された治具(図示せず)を押し当てて、第一基板14と第二基板18を相互に加熱および押圧して、第一基板14と第二基板18をシート状PTC面状発熱体44を接着剤として相互に貼り合わせて一体化する。第一基板14と第二基板18は同一曲率を有するため、シート状PTC面状発熱体44の一方の面はその全面で金属反射膜兼第一電極膜12に貼り合わされ、他方の面はその全面で第二電極膜16に貼り合わされる。その後、この貼り合わせ体が常温に戻れば、一体化された状態が安定に保持される。
その後、第一基板14の下縁部に金属反射膜兼第一電極膜12に導通するようにクリップ電極22を嵌めて装着し、第二基板18の上縁部に第二電極膜16に導通するようにクリップ電極24を嵌めて装着する。さらに、クリップ電極22にリード線26をハンダや導電性接着剤等の接合材30で接続し、クリップ電極24にリード線28をハンダや導電性接着剤等の接合材32で接続して図8のミラー42が完成する。
この発明のヒーター付車両用ミラーの実施の形態1を示す図で、図2のA−A断面図である。 図1のヒーター付車両用ミラーを裏面側から見た斜視図である。 図1のヒーター付車両用ミラー10の製造工程の一部を示すミラー裏面側から見た斜視図である。 図1のミラー10の環境温度とリード線26,28間の抵抗値の関係の一例を示す線図である。 図1のミラー10のリード線26,28間に13.5Vの電圧を印加したときの、時間とミラー表面温度の関係の一例を示す線図である。 この発明のヒーター付車両用ミラーの実施の形態2を示す断面図である。 図6のヒーター付車両用ミラー36の製造工程の一部を示すミラー裏面側から見た斜視図である。 この発明のヒーター付車両用ミラーの実施の形態3を示す断面図である。 図8のヒーター付車両用ミラー42の製造工程の一部を示すミラー裏面側から見た斜視図である。
符号の説明
10,36,42…ヒーター付車両用ミラー、12…金属反射膜兼第一電極膜、14…透明非導電部材で構成された第一基板、16…第二電極膜、18…非導電部材で構成された第二基板、20,40,46…PTC面状発熱体層、20a…導電性ペースト、38…膜厚制御用非導電性粒子、44…シート状のPTC面状発熱体。

Claims (7)

  1. 透明部材で構成され裏面に金属反射膜兼第一電極膜が形成された第一基板と、
    おもて面に第二電極膜が形成された第二基板と、
    前記金属反射膜兼第一電極膜と前記第二電極膜とが対面する配置で前記第一基板と前記第二基板との間に挟み込まれて、該第一基板および該第二基板と相互に一体化されて、表裏各面が前記金属反射膜兼第一電極膜、前記第二電極膜にそれぞれ電気的に接続されたPTC面状発熱体層とを具備してなり、
    前記金属反射膜兼第一電極膜と前記第二電極膜との間に前記PTC面状発熱体層の駆動用電圧が該PTC面状発熱体層の膜厚方向に印加され、前記第一基板のおもて面側をミラーおもて面側として使用されるヒーター付車両用ミラー。
  2. 前記第一基板の周縁部に前記金属反射膜兼第一電極膜に導通するクリップ電極が嵌め込み装着され、
    前記第二基板の周縁部に前記第二電極膜に導通するクリップ電極が嵌め込み装着され、
    前記両クリップ電極を介して前記金属反射膜兼第一電極膜と前記第二電極膜との間に前記PTC面状発熱体層の駆動用電圧が印加される請求項1記載のヒーター付車両用ミラー。
  3. 前記第一基板、前記PTC面状発熱体層、前記第二基板が、該PTC面状発熱体層の接着力により相互に貼り合わされて一体化されている請求項1または2記載のヒーター付車両用ミラー。
  4. 前記PTC面状発熱体層が、PTC特性を有する導電性ペーストを用いて構成されている請求項1から3のいずれかに記載のヒーター付車両用ミラー。
  5. 前記PTC特性を有する導電性ペースト中に、該PTC特性を有する導電性ペーストに含まれている導電性粒子よりも大きい均一な粒径を有する膜厚制御用非導電性粒子が分散されている請求項4記載のヒーター付車両用ミラー。
  6. 前記PTC面状発熱体層が、均一な厚みを有するシート状のPTC面状発熱体を用いて構成されている請求項1から3のいずれかに記載のヒーター付車両用ミラー。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のヒーター付車両用ミラーを製造する方法であって、
    前記第一基板と前記第二基板との間に前記PTC面状発熱体層を構成する材料を挟み込み、該第一基板と該第二基板を相互に加熱および押圧して該PTC面状発熱体層を形成し、該PTC面状発熱体層の接着力によりこれら第一基板、PTC面状発熱体層、第二基板を一体化するヒーター付車両用ミラーの製造方法。
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