JP3197751B2 - 面状発熱装置 - Google Patents

面状発熱装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、面状発熱装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】面状発熱装置は、霜取り、融氷、凍結防
止、加熱、保温などの目的で多用途に使用されている。
従来の面状発熱装置としては、たとえば実開昭60−1
45594号または特開平2−272702号公報に示
す装置が知られている。
【0003】これら公報に示す面状発熱装置では、図1
0,11に示すように、絶縁フィルム2上に、導電性イ
ンキ(銀粉末が混入)を印刷することにより電極4,6
が形成してあり、その上に、面状発熱素子8が印刷して
ある。面状発熱素子8は、樹脂に、カーボングラファイ
トなどの導電性粒子、その他に溶剤を加えて、ペースト
状にしたものをフィルム上に印刷することで形成され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】面状発熱素子8の材料
としては、様々な正温度特性(PTC)の面状抵抗体材
料が開発されているが、100℃以上程度の高温領域で
は、負温度特性(NTC)を示す面状抵抗体材料が多
い。高温領域でもPTC特性を有すれば、面状発熱素子
が高温になるにつれて、抵抗が増大し、良好な自己温度
調節機能を発揮する。したがって、面状発熱素子におい
ては、高温領域でもPTC特性を有するものが望まれて
いる。
【0005】また、従来の面状発熱装置に用いられてい
る面状発熱素子では、通電時間が長くなるほど、抵抗値
が変動し、良好な温度制御を得られないおそれがあっ
た。本発明は、このような実状に鑑みてなされ、通電時
間による抵抗変化率が小さく、しかも高温領域でもPT
C特性を有し、たとえば自動車のミラーの曇り取りとし
て用いて好適な面状発熱装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る面状発熱装置は、基体材料に導電性粒
子と酸化物粒子とを混練した導電性高分子材料からなる
面状発熱素子と、該面状発熱素子の表面に形成された電
極とを備える面状発熱装置であって、前記導電性粒子の
粒径が30〜300nmであり、当該導電性粒子に対す
るフタル酸ジブチルの吸油可能量が100〜150ml
/100gとしている。
【0007】前記基体材料としては、エチレンビニルア
セテートコポリマ、エチレンアクリレートコポリマ、ポ
リオレフィン、エチレンプロピレンジエンターポリマ、
アクリル系樹脂などの高分子材料が好ましく用いられ
る。アクリル樹脂としては、アクリル酸およびその誘導
体を重合したものであれば、特に限定されないが、エチ
レンアクリル酸共重合体(EAA)が好ましく用いられ
る。
【0008】前記酸化物粒子の粒径が、100〜300
nmの範囲にあり、前記導電性高分子材料中における酸
化物粒子の占める容積割合が、好ましくは5〜30%、
さらに好ましくは10〜30%の範囲にある。前記酸化
物粒子としては、特に限定されないが、好ましくは酸化
チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化シリコンなど、さらに
好ましくは酸化チタンが好ましく用いられる。
【0009】前記導電性粒子としては、導電性を有する
粒子であれば特に限定されないが、好ましくは金属粒
子、カーボン粒子(カーボンブラック粒子、カーボング
ラファイト粒子、黒鉛粒子)が用いられる。
【0010】前記導電性粒子は、その粒子のストラクチ
ャーが発達していることが望ましく、フタル酸ジブチル
(DBP)の給油可能量として、100〜150ml/
100gと必要とする。カーボン粒子において、DBP
の給油可能量は、カーボン粒子の三次元構造の複雑さを
表わす数値であるが、粒子径とも密接に関係する。本発
明において、好ましいカーボン粒子の径は、70〜90
nmである。
【0011】
【0012】
【作用】本発明に係る面状発熱装置では、面状発熱素子
が、導電性粒子以外に、酸化物粒子を含む。酸化物粒子
を含むことで、面状発熱素子の通電後の抵抗変化率特性
を改善することができる。たとえば基体材料としての熱
可塑性樹脂中に、導電性粒子としてのカーボン粒子のみ
を含有させた場合と、酸化物粒子としての酸化チタンを
0〜20容積%含ませた場合とで、面状発熱素子の通電
後の抵抗変化率特性を図7に示す。
【0013】図7中、横軸は面状発熱素子に対する通電
時間を示し、縦軸は抵抗変化率を示す。また、図7中、
aは、酸化チタンの容積%が0である面状発熱素子を一
定時間通電(発熱温度が90℃となるような電圧、以下
同様)した後の抵抗の変化率特性を示し、bは、酸化チ
タンの容積%が5である面状発熱素子を一定時間通電し
た後の抵抗の変化率特性を示し、cは、酸化チタンの容
積%が10である面状発熱素子を一定時間通電した後の
抵抗の変化率特性を示し、dは、酸化チタンの容積%が
15〜20である面状発熱素子を一定時間通電した後の
抵抗の変化率特性を示す。なお、酸化チタンの粒径は、
100〜300nmである。
【0014】図7に示す結果から理解できるように、酸
化チタンを全く含まない場合(a)には、発熱素子の通
電後に、室温に戻すと、抵抗が著しく高くなり、酸化チ
タンの配合量が増大するほど、抵抗変化が少なくなる。
これは、高温下で基体材料としての樹脂が溶融状態にな
ったときに、ミクロな構造変化を起こし難くする補強作
用を、酸化チタンが有することと考えられる。同様な作
用は、酸化鉄(Fe23 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸
化シリコン(SiO2 )などの酸化物粒子も有する。
【0015】本発明において、面状発熱素子に含まれる
導電性粒子として、DBP吸油可能量が大きいものが好
ましい理由は、次のことから説明される。たとえば平均
粒径が70〜90nmのカーボン粒子で、DBPの吸油
可能量が60〜80ml/100gであるカーボン粒子
を用いて製造された面状発熱素子と、DBPの吸油可能
量が100〜150ml/100gのカーボン粒子を用
いて製造された面状発熱素子とのPTC特性比較を図8
に示す。図8中、横軸は、面状発熱素子の発熱温度を示
し、縦軸は、25℃での抵抗に対する所定温度t℃での
抵抗の比(抵抗率)を示す。
【0016】図8中の特性eに示すように、DBPの吸
油可能量が60〜80ml/100gのものを用いて製
造された面状発熱素子では、樹脂の融点以上の高温領域
で、PTC特性(温度上昇と共に抵抗が高くなる)がな
くなり、NTC特性(温度上昇と共に抵抗が低くなる)
を示す。これに対し、図8中の特性fに示すように、D
BPの吸油可能量が100〜150ml/100gのも
のを用いて製造された面状発熱素子では、樹脂の融点以
上の高温領域でも、PTC特性を示す。
【0017】カーボン粒子の粒径が同じでDBP吸油可
能量が大と言うことは、カーボンストラクチャーが発達
していると考えられる。このことが、高温領域でのPT
C特性を発揮させる原因か否かは明かではないが、おそ
らく、樹脂が溶融した状態でも、ミクロな構造を壊し難
くする補強作用を、このカーボンストラクチャーが有し
ているためと考えられる。
【0018】なお、DBPの吸油可能量が150ml/
100gよりも大きなカーボン粒子を用いて製造された
面状発熱素子では、PTC特性が出難くなることが確認
されている。したがって、カーボン粒子などの導電性粒
子のDBP吸油可能量は、100〜150ml/100
gが好ましい。
【0019】本発明において、混練物のフロー特性(温
度190℃、圧力100kg/cm 2 、ノズル径0.5
mm、ノズル長さ1mmの条件)が、10-1〜10-5cc/
minの流量特性であることが好ましい理由を説明す
る。上記範囲のように、発熱素子材料としての混練物の
粘度が高温領域で高く設定されていれば、端子カシメ部
の応力緩和による密着力低下が生じ難く、導通の安定性
が保持されるからである。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係る面状発熱装置を、図面に
示す実施例に基づき、詳細に説明する。図1は本発明の
一実施例に係る自動車用ドアミラーのための面状発熱装
置の一部破断背面図、図2は図1に示す面状発熱装置の
表面側電極パターンを示す図、図3は図1に示す面状発
熱装置の背面側電極パターンを示す図、図4は図1に示
すIV−IV線に沿う要部断面図、図5は図1に示すV−V線
に沿う要部断面図、図6は図2に示す電極パターンの要
部拡大図である。
【0021】図1〜6に示すように、本発明の一実施例
に係る面状発熱装置10は、面状発熱素子12と、その
表面に形成された所定パターンの電極14と、素子の裏
面に形成されたダミー電極16とを有する。面状発熱素
子12は、基体材料に、導電性粒子および酸化物粒子を
混練した導電性高分子材料で構成してあり、本実施例で
は、自動車のドアミラーに合致した形状を有している。
【0022】素子12の表面に形成された電極14は、
図6に示すように、第1電極パターン14aと、第2電
極パターン14bとから成り、その全体のパターンは、
図2に示すように、三列の櫛形電極パターンであり、中
央部の電極パターンは、凸レンズの断面形状となってい
る。すなわち、図2に示すように、中央列の電極パター
ンにおいて、素子12の中央部での電極14の長さL
(図6参照)は、周辺部での電極14の長さよりも長く
設定してある。また、電極14のパターンは、異方導電
性を有する発熱素子の導電率が高い(抵抗が低い)方向
に平行なパターンにする。
【0023】異方導電性を有する面状発熱素子12で
は、導電率が高い(抵抗が低い)方向に平行に電極を形
成することで、電極長さLが長いほど、単位長さ当りの
電極間の抵抗が低下する。そこで、この作用を利用し、
面状発熱素子12の中央部での電極長さLが、素子の周
辺部での電極長さよりも大きくなるように、電極パター
ンを設計する。このようにすることで、面状発熱装置1
0の中央部での電極間抵抗が、周辺領域よりも低くな
り、発熱量が増大する。 図2に示すように、電極14
を構成する一方の第1電極パターン14aには、その端
子カシメ部15aにおいて、図1に示す第1端子18が
カシメられて接続される。また、電極14を構成する他
方の第2電極パターン14bには、その端子カシメ部1
5bにおいて、図1に示す第2端子20がカシメられて
接続される。第1端子18および第2端子20は、図1
に示すハーネス28およびコネクタ22を通して外部電
源に接続される。
【0024】これら端子18,20と、端子カシメ部1
5a,15bとの接続部の詳細を、図5に示す。ただ
し、図5では、端子18と端子カシメ部15aとの接続
部の断面を示す。端子20と端子カシメ部15bとの接
続は図5に示す場合と同様なので省略する。
【0025】図5に示すように、端子カシメ部15a
は、素子12を貫通する雄端子19を通じて、雌端子で
ある端子18に接続される。雄端子19の先端部19a
は、雌端子である端子18に対してカシメ止めさせ接続
される。端子18は、ハーネス28を介して図1に示す
コネクタ22に接続される。
【0026】図3に示すように、素子12の背面側に形
成されるダミー電極16の電極パターンは、図2に示す
端子カシメ部15a,15bに対応する裏電極カシメ部
17,17のパターンを除き、素子12の表面側に形成
される電極14と同じパターンである。また、ダミー電
極16の材質および厚みも、電極14と同様である。こ
れは、面状発熱装置10の反りやカールを防止するため
である。図3に示す裏電極カシメ部17のパターンが、
図2に示す電極カシメ部15a,15bのパターンと異
なるのは、図3に示す背面側のダミー電極16には通電
する必要がないためである。
【0027】図4,5に示すように、電極14,16が
形成された素子12の両面には、室温圧着型シリコーン
粘着剤24を介して、絶縁フィルム26が張り合わせて
ある。室温圧着型シリコーン粘着材を使用する理由は、
面状発熱素子12の抵抗の経時変化を小さくするためで
ある。また、前記雄端子19のカシメも、絶縁フィルム
26の貼着と同時に行う。
【0028】図5に示すように、装置の表面側、すなわ
ち電極14側に位置する絶縁フィルム26の表面には、
両面テープ30および剥離紙32が順次積層してある。
剥離紙32が剥離されることにより、その面に自動車用
ミラーが貼着される。自動車用ミラーは、電極14によ
り通電されて発熱する素子12により加熱されることが
できる。
【0029】なお、図5中、符号34は絶縁用熱収縮チ
ューブを示し、符号36は絶縁用液状シリコン剤を示
す。この面状発熱装置10は、たとえば次に示す方法で
製造される。導電性粒子として、たとえばカーボン粒子
(たとえば東海カーボン社製GG013)を用い、酸化
物粒子としては、酸化チタン粒子を用いる。また、基体
材料としては、EAA樹脂を用いる。EAA樹脂と、カ
ーボン粒子と酸化チタン粒子との混合比の一例を、表1
に示す。
【0030】
【表1】
【0031】カーボン粒子の粒径は、70nmであり、
酸化チタンの粒径は200nmである。容積比は、EA
A樹脂59%に対し、カーボン粒子が17%、酸化チタ
ン粒子が24%である。面状発熱素子を構成する材料1
00cc中のカーボン粒子の表面積は、580m2 であ
り、酸化チタン粒子の表面積は、730m2 である。
【0032】混練装置としては、オープンロールもしく
は密封式ニーダ混練機を用いる。また、混練温度は、E
AA樹脂などの基体材料の融点よりも10〜50℃程度
高い温度に設定される。導電性粒子としては、導電性粒
子がカーボン粒子である場合には、カーボン粒子100
グラムに対してDBPが100〜150ml程度吸油可
能な性質を有するカーボン粒子を用いる。
【0033】このようにして得られた発熱素子材料は、
図8中の曲線fで示すように、100℃以上の高温領域
でも、NTC特性を示さない良好なPTC特性を有す
る。発熱素子の現材料および混練後の材料は、高湿度下
では吸湿する性質があり、その吸湿量が加工後の抵抗値
に影響を及ぼす。したがって、これら材料は、恒温恒湿
下で保存することが好ましい。本実施例では、温度20
℃および湿度50%の条件下で、これら材料を保管し
た。
【0034】混練工程とは別に、接合面側を粗面化処理
した電解銅箔を準備する。電解銅箔としては、特に限定
されないが、たとえば古河サーキットフォイル社製GT
−18を用いる。粗面化処理された電解銅箔の表面に
は、亜鉛コーティングおよびニッケルコーティングを施
すことが好ましい。
【0035】次に、混練した材料を分出しし、シート状
の発熱素子材料を得る。そのシート厚さは、特に限定さ
れないが、たとえば0.3mm程度である。このシート状
発熱素子材料の表裏面に、前記粗面化処理された電解銅
箔を加熱圧着する。その際に、電解銅箔の粗面化処理面
が発熱素子材料に対して圧着する。
【0036】この加熱圧着工程は、電解銅箔と発熱素子
材料とを圧着し剥がれなくする機能の他、混練後の材料
を加熱することにより、導電性粒子であるカーボン粒子
を凝集させ、所定の抵抗値を発現させる作用を有する。
加熱圧着条件としては、特に限定されないが、加熱温度
が170〜190℃、圧着圧力が約200Kg/cm 2
である。この圧着により、厚み約0.3mmの面状発熱素
子を得ることができる。
【0037】加熱圧着工程時およびその後の冷却工程あ
るいはエッチング工程には、発熱素子に反りやカールな
どは生じない。発熱素子の両面に電解銅箔を加熱圧着す
るからである。加熱圧着時の加熱温度を変えることによ
り、任意の抵抗値を有する面状発熱素子を得ることがで
きる。
【0038】加熱圧着後には、発熱素子の両面に加熱圧
着された銅箔を、図2,3に示すパターンにエッチング
加工する。このエッチング時にも、素子12に反りやカ
ールなどは発生しない。その後、図4,5に示すよう
に、電極14,16が形成された素子12の両面に、室
温圧着型シリコン粘着剤24を介して、絶縁フィルム2
6を張り合わせる。その際に、図5に示すように、雄端
子19を、電極カシメ部15a,15bの位置で、素子
12に対して貫通させ、端子19の先端部19aをカシ
メ、雌端子である端子18,20に接続する。
【0039】その後、図5に示すように、装置の表面
側、すなわち電極14側に位置する絶縁フィルム26の
表面に、両面テープ30および剥離紙32が順次積層す
る。自動車に装着する際には、剥離紙32を剥離するこ
とにより、その面に自動車用ドアミラーを貼着できる。
【0040】実際に装置10の表面に、厚さ1.8mmの
背面クロムメッキされた耐熱ガラス製ドアミラーを貼着
し、DC12Vの電圧を印加し、環境温度20℃で動作
させた結果を図9に示す。図9に示すように、ミラーの
鏡面温度は曲線Xで示すように通電時間と共に上昇する
が、一定以上の通電時間では約60℃以上に上昇しな
い。また、作動電流は、曲線Yで示すように、通電時間
と共に低下し、一定電流に近づく。すなわち、本実施例
に係る面状発熱装置10が良好なPTC特性を有するこ
とが確認された。
【0041】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。たとえば、本発明に係る面状発熱装置で
は、面状発熱素子の材質に特徴を有し、電極の材質、構
造およびパターンは特に限定されず、種々の変形例が考
えられる。
【0042】また、本発明に係る面状発熱装置は、自動
車のミラー用として用いられるのみではなく、その他の
用途にも好適に用いることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る面状発熱装置によれば、粒
径が30〜300nmで、フタル酸ジブチルの吸油可能
量が100〜150ml/100gの導電性粒子を用い
た面状発熱素子を備えることにより、樹脂の融点以上の
高温領域においても、NTC特性を示さない良好なPT
C特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る自動車用ドアミ
ラーのための面状発熱装置の背面図である。
【図2】図2は図1に示す面状発熱装置の表面側電極パ
ターンを示す図である。
【図3】図3は図1に示す面状発熱装置の背面側電極パ
ターンを示す図である。
【図4】図4は図1に示すIV−IV線に沿う要部断面図で
ある。
【図5】図5は図1に示すV−V線に沿う要部断面図であ
る。
【図6】図6は図2に示す表面側電極パターンの拡大図
である。
【図7】図7は導電性粒子としてのカーボン粒子のみを
含有させた場合と、酸化物粒子としての酸化チタンを0
〜20容積%含ませた場合とで、面状発熱素子の通電後
の抵抗変化率特性を示す図である。
【図8】図8はDBPを60〜80ml/100g含油
可能なカーボン粒子を用いて製造された面状発熱素子
と、DBPを100〜150ml/100g含油可能な
カーボン粒子を用いて製造された面状発熱素子とのPT
C特性比較を示す図である。
【図9】図9は本発明の実施例に係る面状発熱装置を自
動車用ミラーとして用いた場合の特性図である。
【図10】図10は従来例に係る面状発熱装置の要部断
面図である。
【図11】図11は図10に示す装置の平面図である。
【符号の説明】
10… 面状発熱装置 12… 面状発熱素子 14… 電極 14a… 第1電極パターン 14b… 第2電極パターン 15a,15b… 端子カシメ部 16… ダミー電極 17… 裏電極カシメ部 19… 雄端子 24… シリコーン粘着剤 26… 絶縁性フィルム
フロントページの続き (72)発明者 田熊 勇 佐賀県三養基郡中原町大字簔原609 エ ヌオーケー株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−62488(JP,A) 特開 平2−213432(JP,A) 特開 平3−195782(JP,A) 特開 平4−308605(JP,A) 実開 平5−84086(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 3/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体材料に導電性粒子と酸化物粒子とを
    混練した導電性高分子材料からなる面状発熱素子と、該
    面状発熱素子の表面に形成された電極とを備える面状発
    熱装置であって、 前記導電性粒子の粒径が30〜300nmであり、当該
    導電性粒子に対するフタル酸ジブチルの吸油可能量が1
    00〜150ml/100gであることを特徴とする
    状発熱装置。
  2. 【請求項2】 前記基体材料が、エチレンビニルアセテ
    ートコポリマ、エチレンアクリレートコポリマ、ポリオ
    レフィン、エチレンプロピレンジエンターポリマ、アク
    リル系樹脂のうちのいずれかで構成される請求項1に記
    載の面状発熱装置。
  3. 【請求項3】 前記導電性高分子材料中における導電性
    粒子の占める容積割合が5〜50%であり、前記導電性
    高分子材料中における酸化物粒子の占める容積割合が5
    〜30%である、請求項1または2のいずれかに記載の
    面状発熱装置。
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