JP2003059626A - ヒータ - Google Patents

ヒータ

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JP2003059626A
JP2003059626A JP2001241160A JP2001241160A JP2003059626A JP 2003059626 A JP2003059626 A JP 2003059626A JP 2001241160 A JP2001241160 A JP 2001241160A JP 2001241160 A JP2001241160 A JP 2001241160A JP 2003059626 A JP2003059626 A JP 2003059626A
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JP
Japan
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heating element
heater
heat
electrodes
heat generating
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JP2001241160A
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English (en)
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Kenji Kasai
賢二 河西
Yoshiaki Kitahara
善紀 北原
Takaaki Yamada
孝明 山田
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Fuji Name Plate Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加熱体からの放熱が大きい場合や、所定温
度となっている被加熱体が外的要因によって、その熱量
が急激に奪われて温度が低下する場合、必要な熱量を迅
速に供給し、所定の温度状態を維持することは困難であ
った。 【解決手段】 一対の電極4,5と、この電極4,5と
電気的に接続され、通電により発熱する発熱部8とを有
するヒータ1であって、前記発熱部8は、少なくとも、
第1の発熱体6と第2の発熱体7からなり、前記第1の
発熱体6は、その温度が一定温度まで上昇すると電気抵
抗が増大し、一定温度に維持される正温度係数特性を有
する発熱体6であり、前記第2の発熱体7は、前記第1
の発熱体6よりも発熱量が大きい発熱体7であることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加熱体からの放
熱が大きい場合や、所定温度となっている被加熱体が外
的要因によって、その熱量が急激に奪われて温度が低下
する場合等であっても、必要な熱量を迅速に供給して所
定の温度状態を維持することが可能なヒータに関し、特
に、床暖房などの暖房用、温水などの保温用、触媒など
の加熱用、乾燥用、自動車のデフロスター用などに好適
なヒータである。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒータの発熱体として、ニクロム
線やカーボン系発熱体等の発熱体が用いられているが、
これらの発熱体は、所定の温度を維持するために、温度
を制御するための制御回路等が必要になる。そこで、こ
のような制御回路が不要な正温度係数特性を有する発熱
体が各種のヒータとして多用されている。正温度係数
(「Positive Temperature Coefficient」、以下、単に
「PTC」という。)特性とは、発熱体の温度が設計時
に定められた所定温度まで上昇すると、発熱体の電気抵
抗が増加する特性である。これにより、発熱体は、通電
による発熱で所定温度まで上昇するが、PTC特性によ
り電気抵抗が増加し、流れる電流が規制されることで発
熱温度が所定温度で維持される、いわゆる自己温度制御
機能を有する。
【0003】図6は、PTC発熱体を用いた従来のヒー
タの一例を示す図である。図6に示すように、このヒー
タは、絶縁性の基板101上に櫛歯状の電極102と電
極103が基板101の短手方向の中央線に対して対称
に配置され、その櫛歯部分が交互に配置されるように形
成されている。そして、電極102と電極103との間
に発熱部として、PTC特性を有する発熱体104が一
面に形成されている。この状態で、電極102及び電極
103に通電すると、発熱体104が発熱して所定温度
まで上昇する。そして、発熱体104は、そのPTC特
性により、所定温度を維持する。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、ヒ
ータが使用される環境によって、例えば、被加熱体から
の放熱が大きい場合や、所定温度となっている被加熱体
が外的要因によって、その熱量が急激に奪われて温度が
低下する場合がある。このような場合に、正温度係数特
性を有する発熱体単体のヒータでは、発熱量に不足が生
じ、所定の温度状態の維持、あるいは所定温度への迅速
な復帰が困難である場合がある。
【0005】そこで、本発明は、上記課題を解決するた
めになされたものであって、被加熱体からの放熱が大き
い場合や、所定温度となっている被加熱体が外的要因に
よって、その熱量が急激に奪われて温度が低下する場合
等であっても、必要な熱量を迅速に供給し、所定の温度
状態を維持することが可能なヒータを得ることを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるヒータは、
一対の電極と、この電極と電気的に接続され、通電によ
り発熱する発熱部とを有するヒータであって、前記発熱
部は、少なくとも、第1の発熱体と第2の発熱体からな
り、前記第1の発熱体は、その温度が一定温度まで上昇
すると電気抵抗が増大し、一定温度に維持される正温度
係数特性を有する発熱体であり、前記第2の発熱体は、
前記第1の発熱体よりも発熱量が大きい発熱体である。
【0007】また、本発明によるヒータの前記発熱部
は、第1の発熱体と第2の発熱体が交互に配置されてな
る。
【0008】また、本発明によるヒータの前記第1の発
熱体が接する電極間の距離は、第2の発熱体が接する電
極間の距離よりも短く形成されているものである。
【0009】また、本発明によるヒータの前記正温度係
数特性を有する発熱体は、ポリマーマトリックスと導電
物質とから構成され、前記導電物質が、当該発熱体全体
の重量の10乃至70%である。
【0010】また、本発明によるヒータの前記第2の発
熱体は、カーボン系の発熱体からなる。
【0011】また、本発明によるヒータの前記第1の発
熱体及び/又は第2の発熱体は、少なくとも一部に、発
熱体を設けていない間隙が設けられている。
【0012】また、本発明によるヒータの前記第1の発
熱体及び/又は第2の発熱体は、複数箇所に部分的に設
けられ、隣り合う発熱体間に間隙が形成されている。
【0013】また、本発明によるヒータの前記間隙は、
電極の長手方向に沿って所定の間隔をおいて複数箇所設
けられているものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明によるヒータの第1の実施
の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本
発明によるヒータの第1の実施の形態を示す平面図、図
2は、本発明によるヒータの第1の実施の形態を示すA
−A断面図である。
【0015】図1及び図2に示すように、ヒータ1は、
ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」とい
う。)などからなる基板2と、この基板2上に銀等によ
り所定のパターンで形成された一対の電極4,電極5
と、基板2上に形成された発熱部8と、この発熱部8を
覆うように、PET等で形成された上面基板3と、これ
ら基板2と基板3との間を接着するための接着剤9を有
している。
【0016】電極4は、基板2の一端が外部電源(図示
しない)のプラス(又はマイナス)の一方端に電気的に
接続された外周縁部4aと、この外周縁部4aから基板
2の長手方向、すなわち図1に示すX方向に向かって延
び出した複数の枝状部4bと、この枝状部4bから部分
的に、かつ、枝状部4bに対して直角、すなわち図1に
示すY方向に伸び出した複数の櫛歯部4cとを有してい
る。
【0017】また、他方の電極5は、図1から明らかな
ように、基板2の一端が外部電源(図示しない)のマイ
ナス(又はプラス)の一方端に電気的に接続された外周
縁部5aと、この外周縁部5aから基板2の長手方向、
すなわち図1に示すX方向に向かって延び出した複数の
枝状部5bと、この枝状部5bから部分的に、かつ、枝
状部5bに対して直角、すなわち図1に示すY方向に伸
び出した複数の櫛歯部5cとからなり、前記複数の櫛歯
部5cが電極4の櫛歯部4cと所定の間隔をおいて交互
に配置されるように設けられている。
【0018】また、図1に示すように、一方の電極4
と、他方の電極5との間には、間隙30aが設けられて
おり、また、電極4の枝状部4b及び電極5の枝状部5
bは、間隙30b内に設けられている。なお、間隙30
a、間隙30bは、単に間隙30として用いる場合もあ
る。
【0019】発熱部8は、PTC特性を有する第1の発
熱体6と、カーボン系発熱体からなる第2の発熱体7か
らなっている。この第1の発熱体6と第2の発熱体7
は、図1に示すように、枝状部4b、枝状部5bに沿っ
て交互に配置されている。第1の発熱体6は、電極4の
櫛歯部4c、電極5櫛歯部5c間に形成されており、そ
の上面形状が一条の折り返しパターン形状となってい
る。また、第2の発熱体7は、外周縁部4a、外周縁部
5aと櫛歯部4c、櫛歯部5cとの間、及び櫛歯部4c
と櫛歯部5cとの間に、一面に形成されている。
【0020】以上のように形成されたヒータ1は、電極
4、電極5に対して外部電源から通電されると、第1の
発熱体6及び第2の発熱体7が発熱する。第1の発熱体
6は、PTC特性を有する発熱体であるため、電流が流
れることにより所定温度まで上昇し、所定温度になると
正温度係数特性により抵抗が増大し、流れる電流が阻止
されて、所定温度を維持するようになる。一方、第2の
発熱体7は、カーボン系発熱体であるため、流れる電流
の大きさに応じて発熱する。
【0021】この状態で、被加熱体の放熱が大きかった
り、外的要因によって急激な温度低下が生じたとする。
このような場合には、第1の発熱体6は、その温度が所
定温度以下となると、電気抵抗が減少する。これによ
り、発熱部8全体の電気抵抗が小さくなり、第1の発熱
体6及び第2の発熱体7に流れる電流が大きくなる。こ
こで、第2の発熱体7は、カーボン系発熱体で形成され
ているため、PTC特性を有する第1の発熱体6よりも
発熱量が大きいため、その発熱量が多くなる。
【0022】このように、PTC特性を有する第1の発
熱体6に加えて、カーボン系の第2の発熱体7を用いて
発熱部8を構成したことから、被加熱体の放熱量が多い
場合や、急激な温度低下が発生した場合などであって
も、第1の発熱体で不足している発熱量を第2の発熱体
で迅速に補うことができる。これにより、PTC特性を
有する発熱体単体で使用する場合より、所定の温度を維
持、或いは所定の温度の回復を迅速に行うことができ
る。
【0023】また、発熱体6と発熱体7を交互に配置し
ていることから、ヒータ1全体の温度分布を均一化する
ことができる。また、本実施の形態の第1の発熱体6の
ように、1条の折り返しパターン形状とすることによ
り、第1の発熱体6の接する電極4c、電極5c間の距
離を短くすることができ、PTC発熱体である第1の発
熱体6部分の抵抗値を低くして、必要な熱量を迅速に得
ることができる。また、PTC特性を有する材料は一般
的に高価であるが、本実施の形態の発熱体6のように、
1条の折り返しパターン形状とすることにより、正温度
係数特性を有する材料を使用する部分を減らすことがで
き、ヒータ1の製品コストが高くなることを抑えること
ができる。
【0024】次に、本発明によるヒータの第2の実施の
形態について図面を参照して説明する。図3は本発明に
よるヒータの第2の実施の形態を示す平面図、図4は、
本発明によるヒータの第2の実施の形態を示すB−B断
面図である。
【0025】図3及び図4に示すように、ヒータ11
は、PET等からなる基板12と、この基板12上に形
成された一対の電極14,電極15と、基板12上に形
成され、電極14,電極15からの通電により発熱する
発熱部18と、PETなどからなり発熱部18の一面を
覆うように形成された上面基板13と、基板12と基板
13とを接着するための接着剤19を有している。
【0026】電極14は、基板2の一端に形成された外
周縁部14aと、この外周縁部14aから基板2の長手
方向、すなわち図3に示すX方向に延び出した複数の延
出部14bと、延出部14bから部分的に垂直、すなわ
ち図3に示すY方向に延び出した枝部14cからなる。
【0027】また、電極15は、基板2の他端に外周縁
部14aと対向して形成された外周縁部15aと、この
外周縁部15aから基板2の長手方向、すなわち図3に
示すX方向で外周縁部14a側に延び出して、延出部1
4bと所定の間隔をおいて平行に形成された複数の延出
部15bと、延出部15bから部分的に垂直、すなわち
図3に示すY方向に延び出した枝部15cからなる。ま
た、図3に示すように、電極14の外周縁部14aと電
極15の外周縁部15aとの間に設けられた間隙31
a、電極14の外周縁部14aと発熱部17との間に設
けられた間隙31b1、発熱部17と延出部14b又は
延出部15bとの間に設けられた間隙31b2とを有す
る。なお、間隙31a、間隙31b1、間隙31b2
は、間隙31とも称する。
【0028】発熱部18は、PTC特性を有する第1の
発熱体16と、カーボン系発熱体17とから構成され、
この第1の発熱体16と第2の発熱体17は、基板2の
長手方向、すなわち図3に示すX方向に交互に形成され
ている。
【0029】第1の発熱体16は、延出部14bと延出
部15bの間に形成され、その上面形状が基板2長手方
向に一条の折り返しパターン形状に形成されている。ま
た、第2の発熱体17は、外周縁部14aの一端部と外
周縁部15aとの間に形成され、枝部14cと枝部15
cとにより複数に分割されて形成されている。
【0030】以上のように、ヒータ11は、電極14、
電極15に対して外部電源から通電されると、第1の発
熱体16及び第2の発熱体17が発熱する。第1の発熱
体16は、正温度係数特性を有する発熱体であるため、
電流が流れることにより所定温度まで上昇し、所定温度
になると正温度係数特性により抵抗が増大し、流れる電
流が阻止されて、所定温度を維持するようになる。一
方、第2の発熱体17は、カーボン系発熱体であるた
め、流れる電流の大きさに応じて発熱する。
【0031】この状態で、被加熱体の放熱が大きかった
り、外的要因によって急激な温度低下が生じたとする。
このような場合には、第1の発熱体16は、その温度が
所定温度以下となると、電気抵抗が減少する。これによ
り、発熱部18全体の電気抵抗が小さくなり、第1の発
熱体16及び第2の発熱体17に流れる電流が大きくな
る。ここで、第2の発熱体17は、カーボン系発熱体で
形成されているため、PTC特性を有する第1の発熱体
16よりも発熱量が大きいため、第1の発熱体16より
も発熱量が多くなる。
【0032】このように、PTC特性を有する第1の発
熱体16に加えて、カーボン系の第2の発熱体17を用
いて発熱部18を構成したことから、被加熱体の放熱量
が多い場合や、急激な温度低下などが発生した場合に
は、第1の発熱体16で不足している発熱量を第2の発
熱体17で迅速に補うことができるため、PTC特性を
有する発熱体単体で使用する場合より、所定の温度を維
持、或いは所定の温度の回復を迅速に行うことができ
る。
【0033】また、発熱体16と発熱体17を基板2の
長手方向に交互に配置していることから、発熱部18全
体の温度分布を均一化することができる。
【0034】次に、本発明によるヒータの第3の実施の
形態について図面を参照して説明する。図5は、本発明
によるヒータの第3の実施の形態を示す図である。第3
の実施の形態に係るヒータについては、第1の実施の形
態(図1及び図2参照)に係るヒータが有する第2の発
熱体7に間隙を設けた点が異なり、他の構成については
同一であることから、第1の実施の形態に係るヒータと
同一の構成又は機能を有する部分については説明を省略
する。
【0035】図5に示すように、電極4の外周縁部4a
と電極5の外周縁部5aとの間には、間隙32aが設け
られている。電極4の枝状部4b及び電極5の枝状部5
bは、間隙32b内に設けられている。なお、間隙32
a、間隙32bは、単に間隙32として用いる場合もあ
る。
【0036】しかして、図5に示すように、第3の実施
の形態に係るヒータは、第2の発熱体7には、間隙10
を有する。この間隙10は、前記間隙32が電極間の電
流の流れを規制するものとは異なるものである。すなわ
ち、ヒータ全体の発熱量は、発熱体、この場合第2の発
熱体7の面積によって決まるため、電極4と電極5間の
距離、すなわち、図5に示す電極間距離Lが一定で発熱
体、この場合第2の発熱体7と電気的に接続されている
場合には、間隙10を所定の幅Xa若しくは任意の幅で
設けて発熱体、この場合第2の発熱体7を形成してもよ
い。従って、図5は、間隙10が横長の矩形形状で形成
されているが、台形状など種々の形態で構成することが
可能である。このようにすることによって、発熱体、こ
の場合第2の発熱体7を構成する材料を均一分布させる
ことができるのみでなく、また、発熱体の材料を少なく
しても第2の発熱体7の単位面積あたりの発熱量は、間
隙10を設けない構成とした場合の発熱体の単位面積あ
たりの発熱量と同様であるから、所望の発熱量を得るこ
とができるので、効率的である。したがって、図5に示
す実施の形態では、間隙10は1箇所のみであるが、複
数も受けてもよいことは勿論である。
【0037】本実施の形態によれば、間隙10は、どの
ような形状とすることもできるため、ヒータ敷設部分
に、突起等の障害物が存在する場合においても障害物に
合わせて間隙10を設け、それに合わせて基板2と上面
基板3を切断することによって障害物を避けてヒータを
敷設することもできる。また、間隙10を適宜設けるこ
とによって、定常電流も従来のヒータよりも少なくする
ことが出来るから、消費電力を低く抑えることができ
る。また、電極4と電極5間に部分的に第2の発熱体7
を形成したことから、高価な発熱体を形成する部分の面
積が少なくなるため、製品としてのコストを低く抑える
ことができる。
【0038】また、第3の実施の形態は、第2の発熱体
7の間に間隙10を形成、配置したことのみが第1の実
施の形態と異なるものであり、第1の実施の形態による
ヒータ、PTC特性を有する第1の発熱体6に加えて、
カーボン系の第2の発熱体7を用いて発熱部8を構成し
たことから、被加熱体の放熱量が多い場合や、急激な温
度低下が発生した場合などであっても、第1の発熱体で
不足している発熱量を第2の発熱体で迅速に補うことが
できる。これにより、PTC特性を有する発熱体単体で
使用する場合より、所定の温度を維持、或いは所定の温
度の回復を迅速に行うことができる。また、発熱体6と
発熱体7を交互に配置していることから、ヒータ1全体
の温度分布を均一化することができる。
【0039】また、本実施の形態の第1の発熱体6のよ
うに、1条の折り返しパターン形状とすることにより、
第1の発熱体6の接する電極4c、5c間の距離を短く
することができ、PTC発熱体である第1の発熱体6部
分の抵抗値を低くして、必要な熱量を迅速に得ることが
できる。
【0040】また、PTC特性を有する材料は一般的に
高価であるが、本実施の形態の発熱体6のように1条の
折り返しパターン形状とすることにより、正温度係数特
性を有する材料を使用する部分を減らすことができ、ヒ
ータ1の製品コストが高くなることを抑えることができ
る。
【0041】また、間隙10は、第2の発熱体間にのみ
設けられるものではなく、電極4c及び電極5cと、電
極5a及び電極4cと、電極4a及び5cが第1の発熱
体6に電気的に接続されるのであれば、第1の発熱体6
間にも設けることができる。
【0042】これによって、第3の実施の形態に係るヒ
ータが得ることができる効果及び一般的に高価であるP
TC特性を有する材料を使用することから来るヒータ1
の製品コストが高くなることを押さえることができる。
【0043】上記第1の実施の形態乃至第3の実施の形
態で説明したPTC特性を有する発熱体は、所定のポリ
マーマトリックスと導電性物質を所定の割合で混合して
形成し、PTC発熱体の電気抵抗が急増する所定の温度
を調節することが可能である。この場合、ポリマーマト
リックスとしては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重
合体系ポリマー、ポリエチレングリコール系、ポリフッ
化ビニリデン系、エチレン/酢酸ビニル共重合体系、酸
変性ポリプロピレン系などでもよい。また、導電性物質
としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、カーボン
繊維などの炭素系化合物、アルミニュウムなどの金属系
化合物などを使用してもよい。また、ポリマーマトリッ
クスに含まれる導電性物質の混合割合は、任意である
が、特に10〜70重量%の範囲がPTC特性を発揮す
る上で好ましい。
【0044】また、第2の発熱体として、上記実施の形
態では、カーボン系発熱体を用いたが、本発明はこれに
限らず、PTC発熱体よりも発熱量が大きい発熱体であ
れば任意である。また、基板2,基板3としては、例え
ば、PETなどの樹脂シートだけでなく、セラミック製
薄板などを使用してもよい。
【0045】また、発熱体の製造方法としては、例え
ば、ポリマーマトリックス成分と導電性物質を溶融混合
し、押出機等で成型して形成してもよし、スクリーン印
刷法を用いてもよい。スクリーン印刷法を用いて形成す
る場合には、まず、発熱体を形成すべき位置に開口部を
形成したスクリーンを作成する。そして、このスクリー
ンを基板上に配置し、その上面からポリマーマトリック
ス成分と導電性物質を混合した材料を、所定の押し込み
部材(スキージ、紗など)でスクリーンの開口部に押し
込む。その後、このスクリーンを基板上から取り去るこ
とにより、スクリーンの開口部に対応した基板上の位置
に、発熱体が印刷形成される。このように、スクリーン
印刷法を用いることにより、薄い発熱体を形成すること
ができるし、発熱体の形状の自由度が向上する。
【0046】
【実施例】図1、図2に示したヒータ1を、厚さ200
μm、縦300mm、横300mmのPETフィルム基
板と、この基板上に銀インキを印刷して形成した電極
と、エチレン/酢酸ビニル共重合体系ポリマーと黒鉛か
らなるPTC系発熱体(第1の発熱体)と、黒鉛インキに
よるカーボン系発熱体(第2の発熱体)とにより面状の発
熱体を構成し、発熱性能評価を行った。
【0047】発熱性能評価としては、厚さ10mm、縦
300mm、横300mmの床暖房用床材に上記ヒータ
1を取り付けた後、AC100Vを印加し、暖房用床材
表面が所定温度になるまでの時間を計測した。 また、
その後、約5℃の冷風を吹き掛けてある温度まで冷却
し、冷却された発熱体が所定温度まで復帰するまでの時
間を計測した。 その結果、本実施例のヒータでは、床
材の表面温度が36℃に達するまでに25分を要した。
また、床材表面を25℃まで冷却した後、36℃の復帰
するのに3分間を要した。
【0048】一方、比較のため、図1、図2に示したヒ
ータ1の発熱部をすべてPTC系材料によって製作し、
その他の条件を上記実施例と同様にしたヒータを製作
し、同様の発熱性の評価を行った。その結果、床暖房用
床表面が34℃に達するまでに35分を要した。また、
25℃まで冷却した後、34℃に復帰するまでの時間を
計測したところ、10分を要した。
【0049】以上のように、発熱体をPTC特性を有す
る発熱体と、カーボン系発熱体で構成したヒータは、P
TC特性を有する発熱体のみで構成したヒータよりも、
非加熱体を比較的短い時間で所定温度まで過熱すること
ができる。また、発熱体をPTC特性を有する発熱体
と、カーボン系発熱体で構成したヒータは、PTC特性
を有する発熱体のみで構成したヒータよりも、非加熱体
が急激に冷却された場合に、これを迅速に所定温度まで
復帰させることができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によるヒータによれば、被加熱体
からの放熱が大きい場合や、所定温度となっている被加
熱体が外的要因によって、その熱量が急激に奪われて温
度が低下する場合等であっても、必要な熱量を迅速に供
給し、所定の温度状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるヒータの平
面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかるヒータのA
−Aでの断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態にかかるヒータの平
面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態にかかるヒータのB
−Bでの断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態にかかるヒータの平
面図である。
【図6】従来のヒータの平面図である。
【符号の説明】
1 ヒータ 2 基板 4 電極 4a 電極の外周縁部 4b 電極の枝状部 4c 電極の櫛歯部 5 電極 5a 電極の外周縁部 5b 電極の枝状部 5c 電極の櫛歯部 6 第1の発熱体 7 第2の発熱体 8 発熱部 9 接着剤 10 間隙 12 基板 14 電極 14a 電極の外周縁部 14b 電極の延出部 14c 電極の枝部 15 電極 15a 電極の外周縁部 15b 電極の延出部 15c 電極の枝部 16 第1の発熱体 17 第2の発熱体 18 発熱部 30 間隙 31 間隙 32 間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 孝明 長野県諏訪市大字四賀238番地2 富士ネ ームプレート株式会社内 Fターム(参考) 3K034 AA05 AA07 AA10 AA15 AA34 BA08 BA13 BA18 BB08 BB13 HA08 JA09 3K092 PP20 QA05 QB15 QB21 QB30 QB49 QB55 QB65 QB70 RF02 RF13 RF17 RF26 VV16 3L028 CA02 CB01 3L072 AA01 AB03 AC02 AD13 AD14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極と、この電極と電気的に接続
    され、通電により発熱する発熱部とを有するヒータであ
    って、 前記発熱部は、少なくとも、第1の発熱体と第2の発熱
    体からなり、 前記第1の発熱体は、その温度が一定温度まで上昇する
    と電気抵抗が増大し、一定温度に維持される正温度係数
    特性を有する発熱体であり、 前記第2の発熱体は、前記第1の発熱体よりも発熱量が
    大きい発熱体であることを特徴とするヒータ。
  2. 【請求項2】 前記発熱部は、第1の発熱体と第2の発
    熱体が交互に配置されてなることを特徴とする請求項1
    記載のヒータ。
  3. 【請求項3】 前記第1の発熱体が接する電極間の距離
    は、第2の発熱体が接する電極間の距離よりも短く形成
    されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載
    のヒータ。
  4. 【請求項4】 前記正温度係数特性を有する発熱体は、
    ポリマーマトリックスと導電物質とから構成され、前記
    導電物質が、当該発熱体全体の重量の10乃至70%で
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか
    1に記載のヒータ。
  5. 【請求項5】 前記第2の発熱体は、カーボン系の発熱
    体からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のい
    ずれか1に記載のヒータ。
  6. 【請求項6】 前記第1の発熱体及び/又は第2の発熱
    体は、少なくとも一部に、発熱体を設けていない間隙が
    設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5
    のいずれか1に記載のヒータ。
  7. 【請求項7】 前記第1の発熱体及び/又は第2の発熱
    体は、複数箇所に部分的に設けられ、隣り合う発熱体間
    に間隙が形成されていることを特徴とする請求項1乃至
    請求項5のいずれか1に記載のヒータ。
  8. 【請求項8】 前記間隙は、電極の長手方向に沿って所
    定の間隔をおいて複数箇所設けられていることを特徴と
    する請求項6又は請求項7記載のヒータ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007066698A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 面状発熱体
CN106536244A (zh) * 2014-07-22 2017-03-22 株式会社电装 辐射加热器装置
CN107726611A (zh) * 2017-10-24 2018-02-23 奥普家居股份有限公司 环形ptc加热器
JP2018125342A (ja) * 2017-01-30 2018-08-09 株式会社Screenホールディングス 熱処理装置および熱処理方法

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