JP2007076042A - インクとインク接液部材を含むインクユニット - Google Patents

インクとインク接液部材を含むインクユニット Download PDF

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    • C09D11/322Pigment inks

Abstract

【課題】保存中のインク吐出精度が向上したインクユニットを提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材を含むインクユニットにおいて、該インクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であり、且つ該インク接液部材の主成分が、[1]特定のハイドロタルサイト類化合物、[2]脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類、[3]イソシアヌレート骨格を持つフェノール系酸化防止剤、または[4]アルキル置換ベンジリデンソルビトール類を含むポリオレフィン類であるインクユニット。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インク吐出方式の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置に用いるインク吸収体、インクタンク及びインクジェットカートリッジ等の如きインク接液部材とインクに関するものである。
インクを吐出する吐出口が設けられたインク吐出方式の記録ヘッドを備え、この記録ヘッドからインクを液滴として吐出しこれを用紙に付着させて画像を記録する、いわゆるインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置には、インクを収納するインクタンクが設けられており、このインクタンクから記録ヘッドへインクが供給される。インクと常に接液する部材には、従来から樹脂材料や金属材料、ゴム材料等が使用されてきているが、コスト及び加工性の観点から樹脂材料が用いられている。樹脂材料の例として、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ABS、ポリアセタール、ナイロン、不飽和ポリエステル、アラミド、PS、PET、PVC等が挙げられる。ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンは環境リサイクルの観点で好ましく用いられている。
樹脂材料の製造工程、加工工程、及び加工後における熱、光、酸素等により酸化されて分解劣化を防止するために酸化防止剤が添加することがある。樹脂材料の自動酸化作用の初期連鎖成長段階で生成するラジカルを捕捉するために酸化防止剤(例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤)を添加することが知られている。
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンのような結晶性の高い材料、特にポリプロピレンは一般に成形品の結晶が不均一で、光を散乱し、透明性が不十分な場合が多い。微細で均一な結晶にするための結晶化核剤としては、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール(商品名:ゲルオールMD)を添加することが知られている。
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンを製造する際のオレフィンの重合には、一般にチーグラー・ナッタ触媒等の触媒が用いられており、生成するポリマー内に塩素化合物等の触媒残渣が残っている。このポリマー内に残った触媒残渣は、ポリマーを黄変させる等、ポリマーを腐食或いは劣化させる可能性がある。そのために、この触媒残渣と反応して中和させるために、得られるポリマー中に中和剤の添加が知られており、中和剤としてステアリン酸カルシウム等の脂肪酸の金属塩、ハイドロタルサイト(塩基性アルミニウムマグネシウムカーボネート)を添加することが知られている。
ポリプロピレンの中和剤として、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸の金属塩を1,000〜1,500ppmの量でポリマー中に添加することが一般的であるが、インク接液部材として使用すると、インクの流動性を妨げる繊維状浮遊物を生成する場合があることが知られている。繊維状浮遊物発生を防ぐためにステアリン酸カルシウム等の脂肪酸類添加量を100ppm以下に減らす方法が特許文献1で提案されている。
インク接液部材からの溶質物による浮遊物発生という課題をインクのナトリウムイオン濃度とインク接液部材との組合せで解決する方法が、特許文献2に記載されているが、この方法では長時間インクを該インク接液部材に接触させた後のインク吐出精度が不十分であることがわかった。
インクジェット用インク色材として、近年、顔料を色材とするインクの検討が精力的に行われるようになってきた。インクジェット用顔料インクの課題である印字品位、吐出特性、保存安定性、目詰まり性、定着性、耐擦過性向上及び印字スピードの高速化を達成する顔料として、顔料の微粒子化が提案されてきている。例えば特許文献3では、顔料の平均粒径が、50〜100nmの範囲が好ましいことが提案されているが、濃度ムラ及びスジムラの点で好ましくなく、更なる改良が求められている。
特開昭63−216752号公報 特許第2696828号明細書 特開2003−3095号公報
インクタンク、インクジェットカートリッジ及び/またはインク吸収体のインク接液部材(該部材の主成分がポリオレフィン類である場合)に長時間接触させた後のインク吐出精度を向上させることが本発明の課題である。即ち、吐出インク体積のバラツキが大きくなり、目標着弾位置からのズレが大きくなると、濃度ムラ及びスジムラを引き起こすことになるので、これらのインクジェット品質を改善することが本発明の課題である。
本発明の研究者は、顔料の体積平均粒径を110nm、70nm、40nmと顔料を微粒子化し、長時間インクを該インク接液部材に接触させた後のインク吐出精度の改善を試みたが、単に、顔料の体積平均粒径を小さくするだけでは問題を解決することはできなかった。しかし、特定のインク接液部材と特定のインクの組合せにより、これらの課題が解決されることを見出した。
前記本発明の課題は下記の手段によって、解決された。
[1]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材を含むインクユニットにおいて、該インクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であり、且つ該インク接液部材の主成分が、下記一般式(X)で表されるハイドロタルサイト類化合物を添加して得られるポリオレフィン類であることを特徴とするインクユニット。
一般式(X)
[A1−x(OH)x+[Ex/n・mHO]x−
一般式(X)中のAは二価金属であり、Dは三価金属であり、Eはn価のアニオンであり、mは整数であり、xは0<x≦0.5である。Aは好ましくはMg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の二価金属であり、Dは好ましくはAl、Fe、Cr、Co、In等の三価金属であり、Eは好ましくはOH、F、Cl、Br、NO、CO、SO、Fe(CN)、CHCOO等のn価のアニオンである。
[2]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であり、該インク接液部材の主成分が脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類を添加して得られるポリオレフィン類であることを特徴とするインクユニット。
[3]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であり、該インク接液部材の主成分がフェノール系酸化防止剤を添加して得られるポリオレフィン類であることを特徴とするインクユニット。
[4]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であり、該インク接液部材の主成分がベンジリデンソルビトール類を添加して得られるポリオレフィン類であることを特徴とするインクユニット。
[5]前記顔料がC.I.ピグメントイエロー12、17、55、74、97、120、128、151、155、および180のいずれかであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のインクユニット。
[6]前記顔料がC.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド57:1、146、およびC.I.ピグメントブルー15:3のいずれかであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のインクユニット。
[7]前記インクは少なくともブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを含むインクセットであり、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの全てのインクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のインクユニット。
[8]前記顔料の粒径200nm以上の粒子が1体積%以下であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載のインクユニット。
[9]前記顔料の粒径200nm以上の粒子が0.5体積%以下であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載のインクユニット。
[10]前記ポリオレフィン類がポリプロピレン類であることを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載のインクユニット。
[11]前記インク接液部材がインクタンク及び/又はインクジェットカートリッジのインク接液部材であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかに記載のインクユニット。
[12]前記インク接液部材がインク吸収体のインク接液部材であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかに記載のインクユニット。
[13]前記インク接液部材がインク供給系のチューブ及び/又はヘッドの共通流路及び/又はヘッドの圧力室及び/又はヘッドのノズルのインク接液部材であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかに記載のインクユニット。
本発明の前記の構成によって、インクジェット記録装置に用いられる接液部材にインクが比較的低温での長期経時または比較的高温での短期経時で接液する時に、吐出インク体積のバラツキを小さくし、目標着弾位置からのズレを小さくすることができた。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、上述したインクジェット記録装置に用いられるインク接液部材にインクを長時間接触させたり、高温条件でインクを接触させた後でのインク吐出評価において、特定のインク接液部材と特定のインクの組合せで、吐出インク体積のバラツキが小さくなること、更に目標着弾位置からのズレが小さくなることを見出した。インクを長時間インク接液部材に接触させたことで、インクに浮遊物の発生は認められないため、インクの目視評価では問題点は顕在化しなかった。吐出精度の優劣は、インク吐出ノズル近傍でのメニスカスにおける析出物の有無に起因した現象であると解釈している。
前記目的を達成するために[1]は、インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インク接液部材の主成分がハイドロタルサイト類化合物を添加して得られるポリオレフィン類であり、該インクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であることを特徴とするインクユニットである。
また、[2]は前記インク接液部材が脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類を添加して得られるポリオレフィン類を主成分としてなることを特徴とする。
また、[3]は前記インク接液部材がイソシアヌレート骨格を持つフェノール系酸化防止剤を添加して得られるポリオレフィン類を主成分としてなることを特徴とする。
また、[4]は前記インク接液部材がアルキル置換ベンジリデンソルビトール類を添加して得られるポリオレフィン類を主成分としてなることを特徴とする。
また、[5]は前記顔料がC.I.ピグメントイエロー12、17、55、74、97、120、128、151、155、および180のいずれかであることを特徴とする
また、[6]前記顔料がC.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド57:1、146、およびC.I.ピグメントブルー15:3のいずれかであることを特徴とする。
また、[7]は該インクは少なくともブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを含むインクセットであり、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの全てのインクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であることを特徴とする。
また、[8]は前記顔料の粒径200nm以上の粒子が1体積%以下であることを特徴とする。
また、[9]は前記顔料の粒径200nm以上の粒子が0.5体積%以下であることを特徴とする。
前記顔料の体積平均粒径は好ましくは30〜150nmであり、より好ましくは40〜120nmである。
本発明でいうインク接液部材とは、インクタンク、インクカートリッジ及びインク吸収体におけるインクが接触する部材を表す。前記接液部材の主成分はポリオレフィン類であるが、本発明のインク接液部材の主成分とはポリオレフィン類が部材の接液部分全体の50%(表面面積比、好ましくは質量比でも)以上、好ましくは70%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上の成分を表す。
本発明でいうインクユニットとは、インクと、インク供給系(インクタンク、チューブ、インクカートリッジ及びインク吸収体)やヘッド内部(共通流路、圧力室及びノズル)におけるインク接液部材との集合体を表わす。
本発明のポリオレフィン類はオレフィンの重合体(ポリマー)をいい、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン及びそれらの共重合体が挙げられるが、好ましくはエチレンおよび/またはプロピレンからなるポリマーであり、ホモポリプロピレン(ホモPP)、エチレン−プロピレンランダムコポリマー(ランダム共重合PP)、エチレン−プロピレンブロックコポリマー(ブロック共重合PP)から選択されたポリマー(樹脂)が好ましい。
本発明のポリオレフィン類には、ハイドロタルサイト類化合物が添加される。
前記のハイドロタルサイト類化合物とは次の一般式[A1−x(OH)+[E・mHO]x−(上記式中のAはMg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の二価金属であり、DはAl、Fe、Cr、Co、In等の三価金属であり、EはOH、F、Cl、Br、NO、CO、SO、Fe(CN)、CHCOO等のn価のアニオンであり、mは整数であり、xは0<x≦0.5である。)で表わされる不定比化合物である。
ハイドロタルサイト類化合物を具体的に例示すると、例えば、
MgAl(OH)16・CO・4H
Mg4.5Al(OH)13・CO・3.5H
CaAl(OH)16・CO・4H
ZnAl(OH)16・CO・4H
MgZnAl(OH)12・CO・4H
を例示することができる。
本発明に用いられるハイドロタルサイト類化合物として、特開平6−100734号公報、特開平6−256588号公報、特開平10−87907号公報、特開平10−139941号公報、特開2001−316530号公報に記載の化合物を用いることができる。
特に好ましい化合物は、一般式 Mg1−xAl(OH)(COx/2・mHO(0<x≦0.5)で表される化合物である。
ポリオレフィン樹脂中にハイドロタルサイト類化合物を添加する方法として、特に制限は無く、公知の方法を採用することができる。例えば、樹脂粉末あるいはペレットと、添加剤粉末をドライブレンドする方法、添加剤を高濃度で含有するマスターバッチを作製し、これを未添加の樹脂に添加する方法などを用いることができる。また、ハイドロタルサイト化合物を所定量添加し、ヘンシェル型混合機やVブレンダーやタンブラー型混合機などの一般に知られている混合機にて混合した後、単軸混練機、噛合同方向回転型・噛合異方向回転型・非噛合同方向回転型・非噛合異方向回転型等の二軸混練機による連続溶融混練方法や、ロール或いはバンバリー等のバッチ式溶融混練方法を採用することができる。ポリオレフィン樹脂組成物から成形品を得る加工方法は特に限定されるものではなく、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ブロー成形、インフレーション成形など通常の樹脂成形方法のいずれの方法を用いてもよい。
ハイドロタルサイト類化合物の好ましい添加量はポリオレフィン類中で10ppm〜10,000ppm、さらに好ましくは100ppm〜1,000ppmの範囲である。
本発明のポリオレフィン類には、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類が添加される。脂肪酸の具体例として、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、およびエルカ酸を挙げることができる。脂肪酸誘導体類の具体例として、ステアリン酸のCa、Al、Mg、Zn塩、ステアリン酸アミド、ベヘン酸のCa、Al、Mg、Zn塩、ベヘン酸アミド、オレイン酸のCa、Al、Mg、Zn塩、オレイン酸アミド、エルカ酸のCa、Al、Mg、Zn塩、およびエルカ酸アミドを挙げることができる。その他脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類としては特開2003−96246号公報に制酸剤や滑剤として記載されている化合物を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂中に脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類を添加する方法として、特に制限は無く、公知の方法を採用することができる。例えば、樹脂粉末あるいはペレットと、添加剤粉末をドライブレンドする方法、添加剤を高濃度で含有するマスターバッチを作製し、これを未添加の樹脂に添加する方法などを用いることができる。また、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類を所定量添加し、ヘンシェル型混合機やVブレンダーやタンブラー型混合機などの一般に知られている混合機にて混合した後、単軸混練機、噛合同方向回転型・噛合異方向回転型・非噛合同方向回転型・非噛合異方向回転型等の二軸混練機による連続溶融混練方法や、ロール或いはバンバリー等のバッチ式溶融混練方法を採用することができる。ポリオレフィン樹脂組成物から成形品を得る加工方法は特に限定されるものではなく、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ブロー成形、インフレーション成形など通常の樹脂成形方法のいずれの方法を用いてもよい。
脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類の好ましい添加量はポリオレフィン類中で10ppm〜1,000ppm、さらに好ましくは50ppm〜500ppmの範囲である。
本発明のポリオレフィン類には、フェノール系酸化防止剤が添加される。
前記フェノール系酸化防止剤の具体的には、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ第3級ブチルフェノール、2,6−ジ第3級ブチル−4−エチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、n−オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート、ジステアリル・(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−第3級ブチル)ベンジルマロネート、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル、トコフェロール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第3級ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第3級ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ第3級ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第3級ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(6−第3級ブチル−m−クレゾール)、スチレン化フェノール、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、ビス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルエステル)カルシウム、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3級ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタン、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス〔6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール〕、1,3,5−トリス(4−第3級ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、2,2’−オキザミドビス〔エチル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルアニリノ)−2,4−ジオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、ビス〔2−第3級ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第3級ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、3,9−ビス〔2−〔3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンまたは3,9−ビス〔2−〔3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましいフェノール系酸化防止剤としては、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、4,4’−ブチリデンビス(6−第3級ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(6−第3級ブチル−m−クレゾール)、1,3,5−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3級ブチルフェニル)ブタン、3,9−ビス〔2−〔3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンなどが挙げられる。
本発明に用いられるフェノール系酸化防止剤として、特開平5−25330号公報、特開平5−214176号公報、特開平8−231779号公報、特開平8−283473号公報、特開平9−67474号公報、特開平9−169875号公報、特開平11−255973号公報、特開2001−172438号公報に記載の化合物を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂中にフェノール系酸化防止剤を添加する方法として、特に制限は無く、公知の方法を採用することができる。例えば、樹脂粉末あるいはペレットと、添加剤粉末をドライブレンドする方法、添加剤を高濃度で含有するマスターバッチを作製し、これを未添加の樹脂に添加する方法などを用いることができる。また、フェノール系酸化防止剤を所定量添加し、ヘンシェル型混合機やVブレンダーやタンブラー型混合機などの一般に知られている混合機にて混合した後、単軸混練機、噛合同方向回転型・噛合異方向回転型・非噛合同方向回転型・非噛合異方向回転型等の二軸混練機による連続溶融混練方法や、ロール或いはバンバリー等のバッチ式溶融混練方法を採用することができる。ポリオレフィン樹脂組成物から成形品を得る加工方法は特に限定されるものではなく、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ブロー成形、インフレーション成形など通常の樹脂成形方法のいずれの方法を用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤の好ましい添加量はポリオレフィン類中で100ppm〜10,000ppm、さらに好ましくは500ppm〜5000ppmの範囲である。
本発明のポリオレフィン類には、ベンジリデンソルビトール類が添加される。
前記ベンジリデンソルビトール類の具体的には、1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−(p−メチルベンジリデン、ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−(2,4−ジメチルベンジリデン、ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−(2,5−ジメチルベンジリデン、ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−ブトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−クロルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−ブロモベンジリデン)ソルビトール等が挙げられる。
特に好ましい例として、1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−(p−メチルベンジリデン、ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−(2,4−ジメチルベンジリデン、ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−(2,5−ジメチルベンジリデン、ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトールを挙げることができる。
本発明に用いられるベンジリデンソルビトール類として、特開平7−102123号公報、特開平7−173342号公報、特開平7−278362号公報、特開平9−157452号公報、特開平9−286787号公報、特開2001−26682号公報、特開2001−240698号公報、特開2003−96246号公報に記載の化合物を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂中にベンジリデンソルビトール類を添加する方法として、特に制限は無く、公知の方法を採用することができる。例えば、樹脂粉末あるいはペレットと、添加剤粉末をドライブレンドする方法、添加剤を高濃度で含有するマスターバッチを作製し、これを未添加の樹脂に添加する方法などを用いることができる。また、ベンジリデンソルビトール類を所定量添加し、ヘンシェル型混合機やVブレンダーやタンブラー型混合機などの一般に知られている混合機にて混合した後、単軸混練機、噛合同方向回転型・噛合異方向回転型・非噛合同方向回転型・非噛合異方向回転型等の二軸混練機による連続溶融混練方法や、ロール或いはバンバリー等のバッチ式溶融混練方法を採用することができる。ポリオレフィン樹脂組成物から成形品を得る加工方法は特に限定されるものではなく、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ブロー成形、インフレーション成形など通常の樹脂成形方法のいずれの方法を用いてもよい。
ソルビトール誘導体の好ましい添加量はポリオレフィン類中で100ppm〜10,000ppm、さらに好ましくは500ppm〜5000ppmの範囲である。
前記のように本発明の特徴は、顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であることにある。なお、本発明における粒子径は常法により測定することが可能であるが、例えば日機装(株)製の粒度分析計UPA150を使用して測定することができる。
本発明では、顔料とは化学大辞典第3版1994年4月1日発行(編集 大木道則他)の518頁に記載のように、水、有機溶剤にほとんど不溶の有色物質(無機顔料では白色も含む)の総称であり、有機顔料と無機顔料とがある。
また、本発明では、「媒体中に分散保持されている顔料」を用いるが、媒体中には分散剤を含んでいても、含んでいなくともよい。媒体としては親油性媒体、水性媒体のどちらも用いられるが、水性媒体が好ましい。
本発明で好ましく用いられる顔料として、自己分散型顔料を挙げることができる。自己分散型顔料とは、顔料表面に多数の親水性官能基および/またはその塩(以降、分散性付与基という)を、直接またはアルキル基、アルキルエーテル基、アリール基等を介して間接的に結合させたもので、分散剤なしに水性媒体中に分散および/または溶解することが可能な顔料である。ここで「分散剤なしに水性媒体中に分散および/または溶解」とは、顔料を分散させるための分散剤を用いなくても水性媒体中に分散可能な状態をいう。
前記自己分散型顔料を着色剤として含有するインクは、通常の顔料を分散させるために含有させる前述のような分散剤を含む必要が無いため、分散剤に起因する消泡性の低下による発泡がほとんど無く吐出安定性に優れるインクが調製しやすい。
前記自己分散型顔料の表面に結合される分散性付与基としては、−COOH、−CO、−OH、−SOH、−PO及び第4級アンモニウム並びにそれらの塩が例示でき、これらは、原料となる顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、前記分散性付与基または前記分散性付与基を有する活性種を顔料の表面に結合(グラフト)させることによって製造される。前記物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理等が例示できる。また前記化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により顔料表面を酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が例示できる。
本発明においては、次亜ハロゲン酸及び/または次亜ハロゲン酸塩による酸化処理、またはオゾンによる酸化処理により表面処理される自己分散型顔料が、高発色という点で好ましい。
前記自己分散型顔料としては市販品を利用することも可能であり、マイクロジェットCW−1(商品名;オリヱント化学工業(株)製)、CAB−O−JET200、CAB−O−JET300(以上商品名;キャボット社製)等が例示できる。
前記自己分散型顔料は、好ましくは2〜20質量%の範囲で本発明のインク中に含有される。
また、本発明で好ましく用いられる顔料として、マイクロカプセル化顔料を挙げることができる。マイクロカプセル化顔料とは、顔料が樹脂で被覆された顔料である。
マイクロカプセル化顔料の樹脂は、限定されるものではないが、水に対して自己分散能または溶解能を有し、かつアニオン性基(酸性)を有する高分子の化合物であるのが好ましい。この樹脂は、通常、数平均分子量が1、000〜100、000範囲程度のものが好ましく、3、000〜50、000範囲程度のものが特に好ましい。また、この樹脂は有機溶剤に溶解して溶液となるものが好ましい。樹脂の数平均分子量がこの範囲であることにより、顔料における被覆膜として、またはインク組成物における塗膜としての機能を十分に発揮することができる。
前記樹脂は、それ自体が自己分散能あるいは溶解能を有するものであっても、またはその様な機能が付加、導入されたものであってもよい。従って、例えば、有機アミンやアルカリ金属を用いて中和することにより、カルボキシル基、スルホン酸基、またはホスホン酸基等のアニオン性基を導入されてなる樹脂であってもよい。また、同種または異種の一または二以上のアニオン性基が導入された樹脂であってもよい。本発明にあっては、塩基をもって中和されて、カルボキシル基が導入された樹脂が好ましくは用いられる。
このように、本発明にあっては、樹脂は、アルカリ金属や有機アミンの塩の形 使用されることが好ましい。塩形態での樹脂を用いた場合、再分散性と信頼性とに優れたインクを提供することができる。樹脂とアルカリ金属との塩の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩が、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の塩、より好ましくは水酸化カリウムとの塩が挙げられる。また樹脂の有機アミンの塩の具体例としては、アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モルホリンの如き揮発性アミン化合物との塩;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の揮発しにくい高沸点の有機アミン等の塩が挙げられる。
マイクロカプセル化顔料の樹脂の具体例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニル系、アルキド樹脂、フタル酸樹脂等のポリエステル系、メラミン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキド共縮合樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂等のアミノ系の材料;熱可塑性、熱硬化性あるいは変性のアクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリアミド系、不飽和ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系、フッ素系高分子化合物、あるいはそれらの共重合体または混合物などのアニオン性基を有する材料などが挙げられる。
マイクロカプセル化顔料の樹脂は、予め樹脂それ自体に、グリシジル基、イソシアネート基、水酸基またはα、β−エチレン性不飽和二重結合(ビニル基)の如き反応性活性基をペンダントさせたり、または反応性活性基を有する架橋剤、例えば、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、エチレン性不飽和モノマーやオリゴマー等の光硬化剤等を混合して用いてもよい。この様な処理を施した樹脂は、顔料の被覆壁の耐溶剤性や耐久性などの特性を一層向上させることができ、また、インクが記録媒体上に塗膜を形成した後の膜強度を高めるとの利点を得る。
上記樹脂の中、アニオン性アクリル系樹脂は、例えば、アニオン性基を有するアクリルモノマー(以下、アニオン性基含有アクリルモノマーという)と、更に必要に応じてこれらのモノマーと共重合し得る他のモノマーを溶媒中で重合して得られる。アニオン性基含有アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン基からなる群から選ばれる1個以上のアニオン性基を有するアクリルモノマーが挙げられ、これらの中でもカルボキシル基を有するアクリルモノマーが特に好ましい。
カルボキシキル基を有するアクリルモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマール酸等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。スルホン酸基を有するアクリルモノマーの具体例としては、スルホエチルメタクリレート、ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。ホスホン基を有するアクリルモノマーの具体例としては、ホスホエチルメタクリレート等が挙げられる。
アニオン性基含有アクリルモノマーと共重合し得る他のモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ベンジル等のような(メタ)アクリル酸エステル;ステアリン酸とグリシジルメタクリレートの付加反応物等のような油脂肪酸とオキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとの付加反応物;炭素原子数3以上のアルキル基を含むオキシラン化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応物;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のようなスチレン系モノマー;イタコン酸ベンジル等のようなイタコン酸エステル;マレイン酸ジメチル等のようなマレイン酸エステル;フマール酸ジメチル等のようなフマール酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸アミノプロピル、アクリル酸メチルアミノエチル、アクリル酸メチルアミノプロピル、アクリル酸エチルアミノエチル、アクリル酸エチルアミノプロピル、アクリル酸アミノエチルアミド、アクリル酸アミノプロピルアミド、アクリル酸メチルアミノエチルアミド、アクリル酸メチルアミノプロピルアミド、アクリル酸エチルアミノエチルアミド、アクリル酸エチルアミノプロピルアミド、メタクリル酸アミド、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸メチルアミノエチル、メタクリル酸メチルアミノプロピル、メタクリル酸エチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸アミノエチルアミド、メタクリル酸アミノプロピルアミド、メタクリル酸メチルアミノエチルアミド、メタクリル酸メチルアミノプロピルアミド、メタクリル酸エチルアミノエチルアミド、メタクリル酸エチルアミノプロピルアミド、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール等が挙げられる。
架橋性官能基を有するモノマーとしては、下記のものが挙げられる。ブロックイソシアネート基を有する重合性モノマーは、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基を有する重合性モノマーに公知のブロック剤を付加反応させることによって容易に製造することができる。あるいは、上述した水酸基およびカルボキシル基を有するビニル系共重合体に、イソシアネート基とブロックイソシアネート基とを有する化合物を付加反応することによって容易に製造することができる。イソシアネート基とブロックイソシアネート基とを有する化合物は、ジイソシアネート化合物と公知のブロック剤とをモル比で約1:1の割合で付加反応させることによって容易に得ることができる。
エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマーなどが挙げられる。1、3−ジオキソラン−2−オン−4−イル基を有するモノマーとしては、例えば、1、3−ジオキソラン−2−オン−4−イルメチル(メタ)アクリレート、1、3−ジオキソラン−2−オン−4−イルメチルビニルエーテルなどが挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンパーヒドロキシド、アセチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のような過酸化物;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビス−2、4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等のようなアゾ化合物などが挙げられる。
アニオン性基含有アクリルモノマーと、更に必要に応じて、これらのモノマーと共重合し得る他のモノマーを重合する際に使用する溶媒としては、例えば、ヘキサン、ミネラルスピリット等のような脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等のような芳香族炭化水素系溶剤;酢酸ブチル等のようなエステル系溶剤;メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン等のようなケトン系溶剤;メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のようなアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ピリジン等のような非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は2種以上を併用して用いることもできる。
尚、本発明にあっては、顔料を被覆する樹脂は、硬化剤および/または高分子化合物をさらに含んでなるものが好ましい。より好ましくは、硬化剤および/または高分子化合物とで顔料をさらに被覆化してなるものが好ましい。硬化剤または高分子化合物は、着色剤の被覆壁を硬化し、また、インクに使用した場合の塗膜強度を高める働きをする。
本発明において使用され得る硬化剤の具体例としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂、トリメチロールフェノール、その縮合物等のフェノール樹脂、テトラメチレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、それらの変性イソシアネートやブロックドイソシアネート等のポリイソシアネート、脂肪族アミン、芳香族アミン、N−メチルピペラジン、トリエタノールアミン、モルホリン、ジアルキルアミノエタノール、ベンジルジメチルアミン等のアミン類、ポリカルボン酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート等の酸無水物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノール系エポキシ樹脂、グリシジルメタクリレート共重合体、カルボン酸のグリシジルエステル樹脂、脂環式エポキシ等のエポキシ化合物、ポリエーテルポリオール、ポリブタジエングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、トリスヒドロキシエチルイソシアネート(THEIC)等のアルコール類、ペルオキシドによるラジカル硬化あるいはUV硬化や電子線硬化に用いる不飽和基含有化合物としてのポリビニル化合物、ポリアリル化合物、グリコールやポリオールとアクリル酸またはメタクリル酸の反応物等のビニル化合物等が挙げられる。
更に必要であれば、光開始剤、重合開始剤あるいは触媒を添加し、硬化の促進を図るのがより好ましい。光開始剤としては、ベンゾイン類、アントラキノン類、ベンゾフェノン類、含イオウ化合物類やジメチルベンジルケタール等が挙げられるが、これらに限定される物ではない。重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンパーヒドロキシド、アセチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のような過酸化物;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビス−2、4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等のようなアゾ化合物などが挙げられる。触媒としては、例えば、Co化合物、Pb化合物などが挙げられる。
本発明において使用され得る高分子化合物は、数平均分子量1、000以上のものであれば、特に制限なく使用することができるが、インクの膜強度の面、顔料の被膜の製造面から、数平均分子量が3、000〜100、000の範囲のものが好ましい。
高分子化合物の種類は特に限定されないが、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニル系、アルキド樹脂、フタル酸樹脂等のポリエステル系、メラミン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキド共縮合樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂等のアミノ系、熱可塑性、熱硬化性あるいは変性のアクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリアミド系、不飽和ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系、フッ素系等の高分子化合物、あるいはそれらの共重合体または混合物などが挙げられる。
マイクロカプセル化顔料の製造
マイクロカプセル化顔料は、上記した成分を用いて、従来の物理的、化学的方法によって製造することができる。本発明の好ましい態様によれば、特開平9−151342号、特開平10−140065号、特開平11−209672号、特開平11−172180号、特開平10−25440号、または特開平11−43636号に開示されている方法によって製造することができる。これら公開公報に開示されている製造方法について、以下に概説する。
特開平9−1513142号および特開平10−140065号には、「転相法」と「酸析法」とが開示されている。
a)「転相法」
本発明において、「転相法」とは、基本的には、自己分散能または溶解能を有する樹脂と顔料との混合溶融物を水に分散させる、自己分散(転相乳化)化方法をいう。また、この混合溶融物には、前記した硬化剤または高分子化合物を含んでなるものであってもよい。ここで、混合溶融物とは、溶解せず混合した状態、また溶解して混合した状態、またはこれら両者の状態のいずれの状態をも含むものをいう。
b)「酸析法」
本発明において、「酸析法」とは、樹脂と顔料とからなる含水ケーキを用意し、その含水ケーキ中の、樹脂が含有してなるアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物を用いて中和することによって、マイクロカプセル化顔料を製造する方法をいう。
「酸析法」は具体的には、(1)樹脂と顔料とをアルカリ性水性媒体中に分散し、また、必要に応じて加熱処理を行なって樹脂のゲル化を図る工程、(2)pHを中性または酸性にすることによって樹脂を疎水化して、樹脂を顔料に強く固着する工程と、(3)必要に応じて、濾過および水洗を行なって、含水ケーキを得る工程と、(4)含水ケーキを中の、樹脂が含有してなるアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物を用いて中和し、その後、水性媒体中に再分散する工程と、(5)必要に応じて加熱処理を行ない樹脂のゲル化を図る工程とを含んでなるものである。上記の、「転相法」および「酸析法」のより具体的な製造方法は、特開平9−151342号、特開平10−140065号に開示されているものと同様であってよい。
特開平11−209672号公報および特開平11−172180号には、着色剤の製造方法が開示されている。この製法の概要は、基本的には次の製造工程からなる。
(1)アニオン性基を有する樹脂またはそれを有機溶剤に溶解した溶液と塩基性化合物とを混合して中和することと、(2)この混合液に顔料を混合して懸濁液とした後に、分散機等で顔料を分散して顔料分散液を得ることと、(3)必要に応じて、溶剤を蒸留して除くことと、(4)酸性化合物を加えてアニオン性基を有する樹脂を析出させることによって、顔料をアニオン性基を有する樹脂で被覆することと、(5)必要に応じて、濾過および水洗を行うことと、(6)塩基性化合物を加えてアニオン性基を有する樹脂のアニオン性基を中和して、水性媒体中に分散させて水性分散体を得ることとを含んでなるものである。なお、より具体的な製造方法は特開平11−2096722号公報および特開平11−172180号に開示されているものと同様であってよい。
本発明において使用可能な顔料としては、イエローインクの顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、14C、16、17、24、34、35、37、42、53、55、65、73、74、75、81、83、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、128、129、138、150、151、153、154、155、180等が挙げられる。
また、マゼンタインクの顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、48(Ca)、48(Mn)、48:2、48:3、48:4、49、49:1、50、51、52、52:2、53:1、53、55、57(Ca)、57:1、60、60:1、63:1、63:2、64、64:1、81、83、87、88、89、90、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、163、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、209、219等が挙げられ、特に、C.I.ピグメントレッド122が好ましい。
また、シアンインクの顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、16、17:1、22、25、56、60、C.I.バットブルー4、60、63等が挙げられ、特に、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
その他のカラーインクの顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19(キナクリドンレッド)、23、38等も挙げられる。その他顔料表面を樹脂等で処理したグラフトカーボン等の加工顔料等も使用できる。
黒色系のものとしては、例えばカーボンブラックが挙げられる。かかるカーボンブラックの具体例としては、三菱化学製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Monarch700、Monarch800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、ColorBlack FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、ColorBlack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U 、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black4A、Special Black4等が挙げられる。
上記の顔料は、単独種で使用してもよく、また上記した各群内もしくは各群間より複数種選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。なお、本発明のインクジェット記録方法として特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても、後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特開2002−166638(特願2000−363090)、特開2002−121440(特願2000−315231)、特開2002−154201(特願2000−354380)、特開2002−144696(特願2000−343944)、特開2002−080759(特願2000−268952)に記載された方法を好ましく用いることができる。
また、本発明の分散顔料において、1分子中に10個を超える非局在化π電子を有する無色の水溶性平面状化合物を添加することによりブロンズ現象を抑制することができる。ブロンズ現象とは、光学濃度が高い記録画像を形成させた場合において、乾燥するにつれて顔料の結晶が記録材料表面に析出して、記録画像が光を反射して金属光沢を放つ現象であり、この現象は、耐水性、耐光性や耐ガス性を向上させるために顔料の水溶解性を下げたり、色素構造中に水素結合性基を導入したりすることにより生じやすい傾向がある。
ブロンズ現象の発生によって光を反射、散乱するので、記録画像の光学濃度が低下してしまうばかりでなく、記録画像の色相も所望のものとは大きく異なったり、透明度が失われたりするため、ブロンズ現象抑制はインクジェットインクに要求される性能として重要なものの一つである。
本発明に好ましく用いられる、1分子中に10を超える非局在化π電子を有する無色の水溶性平面状化合物について説明する。非局在化したπ電子系を構成するπ電子の数が増え、π電子系が広がると可視域に吸収を持つことが多い。本発明で無色とは、画像に影響を及ぼさない範囲で極わずかに着色している状態も含まれる。また、蛍光性の化合物であっても良いが、蛍光のない化合物が好ましく、さらに好ましくは最も長波側の吸収ピークのλmaxが350nm以下、より好ましくは320nm以下で、且つモル吸光係数が1万以下の化合物である。
この化合物は、1分子中に10個を超える非局在化π電子を有する。π電子の数の上限に特に制限はないが、80個以下が好ましく、中でも50個以下が好ましく、特に30個以下が好ましい。また、10個を超えるπ電子が1つの大きな非局在系を形成していてもよいが、2つ以上の非局在系を形成していてもよい。特に、1分子中に2つ以上の芳香族環を有する化合物が好ましい。芳香族環は、芳香族炭化水素環であっても良いしヘテロ原子を含む芳香族ヘテロ環であっても良く、縮環して1つの芳香族環を形成するものであっても良い。芳香族環の例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジンなどを挙げることができる。
本発明に好ましく用いられる水溶性平面状化合物は、20℃において100gの水に対して少なくとも1g以上溶解する化合物が好ましい。より好ましくは5g以上溶解する化合物であり、最も好ましくは10g以上溶解する化合物である。
1分子中に2つ以上の芳香族環を有する化合物の場合には、分子中の芳香族環に結合している少なくとも2個の可溶化基を有することがとりわけ望ましい。有用な可溶化基には、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ホスホノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、4級アンモニウム塩および当業者に明らかな他の基が含まれるが、これらに限定されない。なかでも、スルホ基およびカルボキシル基が好ましく、スルホ基がもっとも好ましい。
分子中の可溶化基の最大数は、利用可能な置換基の位置の数によってのみ制限されるけれども、実用上の目的には、分子中に、同じかまたは異なる可溶化基が10個存在すれば十分である。これらの可溶性基のカウンターカチオンに制限はなく、アルカリ金属、アンモニウム、有機のカチオン(テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム、ピリジニウムなど)を挙げることができるが、中でもアルカリ金属、アンモニウムが好ましく、特にリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましく、リチウム、ナトリウム、アンモニウムが最も好ましい。
具体的な化合物としては、特開昭63−55544号の他、特開平3−146947号、同3−149543号、特開2001−201831号、同2002−139822号、同2002−196460号、同2002−244257号、同2002−244259号、同2002−296743号、同2002−296744号、同2003−255502号、同2003−307823号、同2004−4500号、同2004−170964号の各公報あるいは明細書に記載の化合物を挙げることができる。
なかでも下記一般式VIで表される化合物が好ましく用いられる。
一般式VI:
A−X−L−(Y−B)n
式中、A、L、Bは、それぞれ独立に、芳香族基(アリール基および芳香族ヘテロ環基)を表す。XとYはそれぞれ独立に2価の連結基を表す。nは0もしくは1を表す。芳香族基は単環であっても縮合環であってもよい。2価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、−CO−、−SOn−(nは0、1、2)、−NR−(Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す)、−O−、およびこれらの連結基を組み合わせた2価の基である。但し、一般式VIで表される化合物は、スルホ基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、およびホスホノ基から選ばれるイオン性親水性基を少なくとも1つ含有する。これらのイオン性親水性基は塩の形でも良く、そのカウンターカチオンについては制限はなく、アルカリ金属、アンモニウム、有機のカチオン(テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム、ピリジニウムなど)を挙げることができるが、中でもアルカリ金属、アンモニウムが好ましく、特にリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましく、リチウム、ナトリウム、アンモニウムが最も好ましい。
また、一般式VIで表される化合物は、イオン性親水性基以外の置換基を有していても良く、具体的置換基としてアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アミノ基(アニリノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシル基、アシルアミノ基、ウレイド基、ハロゲン原子、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルホニル基、スルフェニル基、スルフィニル基等を挙げることができ、これらは更に置換基を有していても良い。一般式VIの化合物の中でも好ましいものは、n=1のものであり、またA、L、Bのうち少なくとも1つが芳香族ヘテロ環であるものが好ましい。さらにはイオン性親水性基が2から4個含まれるものが好ましい。
代表的な化合物(解凝集剤)を以下に示す。
Figure 2007076042
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Figure 2007076042
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インクジェット用インクは、親油性媒体や水性媒体中に顔料を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。水性媒体を用いる場合、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有される。
その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において該インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
浸透促進剤は、インクジェット用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチ・ディスクロージャー、No.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチ・ディスクロージャー、No.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
pH調整剤としては前記中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
表面張力調整剤としてはノニオン、カチオン、アニオン、ベタイン界面活性剤が挙げられる。表面張力の調整剤の添加量は、インクジェットで良好に打滴するために、本発明のインクの表面張力を20〜60mN/mに調整する量が好ましく、より好ましくは20〜45mN/m、更に好ましくは25〜40mN/mに調整できる量である。界面活性剤の例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系、シリコーン系の界面活性剤も用いることができる。これら表面張力調整剤は消泡剤としても使用することができ、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も使用することができる。
また本発明のインクジェット用インクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
本発明のインクジェット用インクは、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。また、イエロー、マゼンタ、シアン色調インク以外のレッド、グリーン、ブルー、白色インクやいわゆる印刷分野における特色インク等を用いることができる。
本発明に好ましく用いられるインクジェット記録装置について説明する。図1に示すインクジェット記録装置10は、用紙11に対してインクを吐出して付着させることにより画像を記録する記録ヘッド12を備えている。記録ヘッド12は、インクを吐出する吐出口が形成された複数のノズルを備えており、これら複数のノズルの吐出口が配列された吐出面が用紙11の記録面と対面するように配置される。記録ヘッド12は、用紙11の幅方向(主走査方向X)に移動自在なキャリッジ13に取り付けられており、キャリッジ13の底面に形成された開口から前記吐出面が露呈される。記録ヘッド12は、キャリッジ13の移動に伴って用紙11の幅方向に沿って往復動しながら、画像をライン記録する。この記録ヘッド12が1往復動する毎に、図示しない搬送ローラによって用紙11が副走査方向Yへ、記録ヘッド12の1往復動による記録幅分送られる。こうした動作が繰り返されて、1画面分の画像が記録される。
キャリッジ13は、ガイド棒14a、14bにスライド自在に取り付けられており、ベルト16と1対のプーリ17とからなるベルト機構18によって駆動される。キャリッジ13には、記録ヘッド12の上方に、例えば、Y、M、C、Kの4色のインクがそれぞれ収納された4つのインクカートリッジ21が着脱自在に装着される。キャリッジ13には、各インクカートリッジ21が差し込まれる複数のスロットが形成されている。
インクカートリッジ21は、その下面をスロットの床面に向けて装着される。インクカートリッジ21がキャリッジ13に装着されると、インクカートリッジ21と記録ヘッド12とがインク供給路を通じて接続される。記録ヘッド12には、各ノズルに対応してピエゾ素子によって駆動される振動板が設けられており、この振動板の振動による圧力変化により、インクカートリッジ21内のインクがノズルへ吸引され、吐出口から噴射される。
キャリッジ13は、記録動作時以外は、記録紙11の搬送路外へ退避して待機する。この待機位置は、キャリッジ13のホームポジションとなり、インクカートリッジ21の交換はこのホームポジションで行われる。ホームポジションには、記録ヘッド12の吐出面を下方から覆って吐出面から漏れ出たインクを受けるヘッドキャップ26が配置されている。このヘッドキャップ26の吐出面と対面する位置には、ノズルの先端に詰まったインクを吸引するための吸引面26aが配置されている。ヘッドキャップ26には、吸引面21aを通じてノズルに詰まったインクを吸引して記録ヘッド12の吐出不良を回復する吐出不良回復用の吸引ポンプ27が接続されている。この吸引ポンプ27によって回収されたインクは、回収部28に回収される。
尚、図1ではシャトル型のヘッドの例を示したが、紙幅を有するラインヘッドに対しても本発明を適用することが可能である。
本発明に好ましく用いられるインクカートリッジについて説明する。図2に示すように、インクカートリッジ21は、インクを収納するケース34を備えており、このケース34は、インクを収納するインク収納室35が形成されたケース本体32と、このケース本体32の上部開口を閉じる蓋部材33とからなる。蓋部材33は、例えば、ケース本体32にインクを充填した後、上部開口からのインク漏れが生じないようにケース本体32に溶着される。ケース本体32は、例えば、透明なプラスチックで形成されており、インクカートリッジ21内のインクの残量を目視で確認できるようになっている。
インク収納室35には、インクを吸収して保持するインク吸収体36が収容される。このインク吸収体36は、毛管力を発生する微細な空隙を含むスポンジ状の部材である。具体的には、発泡材料や、繊維材料などの各種の多孔質材料が使用される。本発明ではポリオレフィン類(樹脂)が好ましく用いられる。インク吸収体36は、その幅及び奥行がインク収納室35の寸法とほぼ同様であり、上面を除く外周面がインク収納室25の内壁と接触した状態で収容される。
ケース34は、記録ヘッド12の上方に配置されるので、ケース34内のインクの荷重は、記録ヘッド12に対して正圧として作用する。インク吸収体36は、その毛管力によってインクを吸収することにより、記録ヘッド12のノズル内圧を負圧(大気に対して)に維持する負圧発生部材である。これにより、記録ヘッド12内のインクが不用意にノズルから漏れ出ないようにしている。
蓋部材33には、大気導入口41が形成されている。この大気導入口41は、インクの消費量に応じた空気をインク収納室35内に取り込む。蓋部材33の上面には、曲がりくねった溝42が形成されている。この溝42の一端42aは、大気導入口41と接続されており、そこから他端42bに向かう経路上には液溜め部43が設けられている。この溝42のうち、他端42b以外の部分(図上2本の2点鎖線の間の部分)は、その上方がシール45によって封止され、他端42bだけが露呈される。この溝42は、インク収納室25内のインクが大気導入口41から漏れ出た場合に、そのインクを液溜め部43に導いて、インクカートリッジ21の外部へのインク漏れを防止する。空気は、他端42bから進入して大気導入口41に導かれる。
また、蓋部材33の下面には、下方に突出する複数のリブ46が設けられている。各リブ46は、蓋部材33がケース本体32に取り付けられると、インク収納室35内に進入して、そこに収容されたインク吸収体36の上面と当接して、インク吸収体36を押し込み、その下面をインク収納室35の床に押しつける。こうしてインク吸収体36の位置決めを行うことで、インク吸収体36と蓋部材33との間に空間が確保される。インク吸収体36は、リブ46によって位置決めされるので、インク吸収体36が位置ずれして大気導入口41を塞いでしまうことはない。
ケース34の下面には、インク収納室35からインクを取り出して、記録ヘッド12へ供給するためのインク取出部51が設けられている。インク取出部51は、例えば、ケース34の底部に形成された略円形の取出口51aと、この取出口51aから下方に向けて突出する筒状の突出部51aからなる。インク収納室35の床面には、この取出口51aの位置に、略平板形状のフイルタ54が配置される。フイルタ54は、取出口51aを通じてその下面(露呈面)54aが露呈される。
フイルタ54は、多数の小孔が網目状に配列されたメッシュフイルタであり、取出口51aを通って外部へ取り出されるインクを濾過する。このフイルタ54を設けることにより、例えば、インク収納室35内で凝固したインクや異物が記録ヘッド12内へ流入することが防止される。フイルタ54の小孔の径は、例えば、約5μm〜20μmであることが好ましい。このように細かい目のフイルタ54を用いることで、取出口51aを通じてケース34の外部からインク収納室35内への塵や埃などのゴミの進入を確実に防止することができる。
しかし、目が細かいフイルタ54は、インク通過時の流路抵抗が大きく、吸引圧力の損失が大きい。そのため、本発明のインクカートリッジ21とインクジェット記録装置10には、インクカートリッジ21をインクジェット記録装置10に装着したときに、こうしたフイルタ54の圧力損失を軽減する工夫が施されている。
ケース34の下面には、一端がケース34に固定され他端が下方に延びて開放端となる押圧ピン56が設けられている。この押圧ピン56は、後述するように、インク供給路内のインクを加圧して、記録ヘッド12へ向かう供給方向とは反対にケース34に向かう逆流を発生させ、インク供給路からフイルタ54に向けてインクを送り込むインク加圧機構を構成する押圧部材である。こうしてインク供給路からフイルタ54に向けてインクを送り込むことで、インク供給路内のインクとケース34内のインクとが繋がり、フイルタ54の圧力損失が軽減される。
[実施例]
次に、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説明する。尚、文中、「%」とあるものは、特に断りがない限り質量基準である。
(インク接液部材)
インク接液部材として各種部材を用いて下記のインクタンク(BCI−3e(型番;キヤノン(株)製)と同形状))を作成した。
タンクA: ポリプロピレンタンクを成型した。
タンクB: ポリプロピレンに中和剤としてMg1−xAl(OH)(COx/2・mHO(0<x≦0.5)で表わされるハイドロタルサイト類化合物(協和化学工業株式会製DHT−4A)0.05%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクC: ポリプロピレンにステアリン酸カルシウム0.01%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクD: ポリプロピレンにトリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート0.2%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクE: ポリプロピレンにビス(m,p−ジメチルベンジリデン)ソルビトール0.2%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクF: ポリエチレンでタンクを成型した。
タンクG: ポリエチレンに中和剤としてMg1−xAl(OH)(COx/2・mHO(0<x≦0.5)で表わされるハイドロタルサイト類化合物(協和化学工業株式会製DHT−4A)0.05%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクH: ポリエチレンにステアリン酸カルシウム0.01%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクI: ポリエチレンにトリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート0.2%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクJ: ポリエチレンにビス(m,p−ジメチルベンジリデン)ソルビトール0.2%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
また、ポリプロピレンへの添加剤の比較例として、特開平10−139941号公報に記載されているリチウムアルミニウム複合水酸化合物[LiAl(OH)CO・1.6HO、及び、特開平10−87907号公報に記載されている有機リン系抗酸化剤のトリスノニルフェニルホスファイトおよびチオエーテル系抗酸化剤のチオジプロピオン酸ジラウリルエステルのそれぞれを用いてタンクK〜タンクMを作成した。
タンクK: ポリプロピレンにリチウムアルミニウム複合水酸化合物[LiAl(OH)CO・1.6HOを0.05%混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクL: ポリプロピレンに有機リン系抗酸化剤のトリスノニルフェニルホスファイトを0.2%混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクM: ポリプロピレンにチオエーテル系抗酸化剤のチオジプロピオン酸ジラウリルエステルを0.2%混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
(インク組成物A〜Hの調製)
下記組成の成分を全量が500質量部になるように混合し、さらに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2質量部添加し、窒素ガス置換を十分に行い、樹脂合成混合液を得た。
ステアリルメタクリレート 20質量部
スチレンマクロマー 5質量部
スチレン 10質量部
ポリプロピレングリコール(9) メタクリレート 10質量部
メタクリル酸 10質量部
2−メルカプトエタノール 0.1質量部
なお、上記の名称は、以下のことを意味する。
スチレンマクロマー:東亜合成(株)製、商品名:AS−6(スチレン単独重合マクロマー、数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクリロイルオキシ基)
ポリプロピレングリコール(9)メタクリレート:日本油脂(株)製、商品名:ブレンマーPP−500(プロピレンオキシド付加モル数:9)
次に、メチルエチルケトン500質量部を窒素雰囲気下で撹拌しながら75℃まで昇温させた。75℃、攪拌状態で上記樹脂合成混合液を4時間にわたって滴下した。さらに75℃、攪拌状態で6時間反応を続けた。その後、反応合成物を25℃まで自然冷却した後、固形分が50%になるようにメチルエチルケトンを加えて希釈し、平均分子量19000の分散樹脂溶液を得た。
得られた50%共重合体溶液15質量部に5mol/L水酸化ナトリウム水溶液2質量部を加えて中和し、さらにPigment Red 122〔チバスペシャルティケミカルズ(株)製、商品名:CROMOPHTAL Jet Magenta DMQ〕7.5質量部を加え、ロールミルで必要に応じて2〜6時間混練した。混練物をイオン交換水100質量部に分散した。得られた分散物から減圧下、60℃で有機溶媒を完全に除去し、更に水を除去することにより濃縮し、固形分濃度が20質量%の顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体を得た。
上記顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体 40質量部
グリセリン 8質量部
ジエチレングリコール 8質量部
トリエタノールアミン 1質量部
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1質量部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8質量部
イオン交換水 36質量部
上記を混合しインク液を得た。
該インク液に対し、遠心分離(必要に応じて10000〜20000rpmで30分〜1時間)、限外濾過及びフィルタ濾過の少なくともいずれかを行い、インク液を分画し、表1に示した所望の顔料の体積平均粒径サイズと所望の顔料の200nm以上粒子体積%になるようにインク組成物A〜Hを調整した。
Figure 2007076042
(吐出精度評価)
表1に示すインク接液部材からなるインクタンク(BCI−3e(型番;キヤノン(株)製)と同形状))に、表1に示す顔料インク組成物を注入し、70℃環境下に2週間放置した。インクジェット記録装置として、市販のインクジェット記録プリンターPIXUS6500i(商品名:キヤノン(株)製)を用い、上記条件のインクタンクを用いて、連続でA4のPM写真用紙光沢(セイコーエプソン(株)製)に50%Dutyベタをインク消費量が10mLになるまで連続で印字した。引続き、ライン状に同一ノズルからドット打滴を1000発行った。紙面上で目標着弾位置と着弾インクの重心との差を計測し、1000発データから標準偏差を求めた。また、着弾インクの面積を計測し、1000発データから標準偏差を求めた。実験101の標準偏差の値を100に規格化して表2に記載した。数字が小さいほどバラツキが小さく好ましいことを表す。
Figure 2007076042
実験101〜110から判るように、顔料インクB(顔料の200nm以上粒子体積%が2.2%)を用い、高温条件下で保存した後のインク吐出精度評価では、インク接液部材としてのポリエチレン類やポリプロピレン類の吐出精度に与える影響は小さいと言える。実験111および116から判るように、顔料インクとして顔料の200nm以上粒子体積%が2%以下のインクCを用いてもインク接液部材がポリエチレンおよびポリプロピレンの場合、吐出精度に与える影響は小さいことが判る。しかし、実験112〜115および実験117〜120から判るように、顔料インクとして顔料の200nm以上粒子体積%が2%以下のインクCを用いインク接液部材として本発明のポリエチレン類やポリプロピレン類を用いると有意に吐出精度が向上したことが判る。また、実験121〜123から判るように、本発明ではない添加剤を加えたポリプロピレン類とインクとして本発明の顔料の200nm以上粒子体積%が2%以下のインクとの組合せでは有効でないことが判る。
Figure 2007076042
実験201〜203、207〜209、213〜215、および219〜221から判るように、顔料の200nm以上粒子体積%が2%以上のインクであるインクB、インクA、インクE、インクGを用いた場合、高温条件下で保存した後のインク吐出精度評価では、インク接液部材としてのポリエチレンやポリプロピレン類の吐出精度に与える影響は小さいと言える。実験204、205、210、211、216、217、222、および223から判るように、顔料インクとして顔料の200nm以上粒子体積%が2%以下のインクを用いてもインク接液部材がポリエチレンおよびポリプロピレンの場合、吐出精度に与える影響は小さいことが判る。しかし、実験206、212、218、および224から判るように、顔料インクとして顔料の200nm以上粒子体積%が2%以下のインクを用いインク接液部材として本発明のポリプロピレン類を用いると有意に吐出精度が向上したことが判る。以上から、顔料の体積平均粒径の大きさが関与するのではなく、顔料の200nm以上粒子体積%が2%以下が重要であることが判明した。
インク組成として、水溶性平面状化合物P−1を2%添加したインクを調製した。添加の有無は表4に示した。
Figure 2007076042
実験201〜204と実験205〜208を比較して判るように、顔料の200nm以上粒子体積%が2%以上のインクであるインクBの場合やインク接液部材がポリエチレンの場合、水溶性平面状化合物をインクに添加する影響は小さいことが判る。顔料の200nm以上粒子体積%が2%以下のインクCとインク接液部材とも本発明の場合、水溶性平面状化合物をインクに添加すると吐出精度が向上したことが判る。
顔料として上記実施例1および実施例2のC.I.ピグメントレッド122に変えて、C.I.ピグメントイエロー12、17、55、74、97、120、128、151、155、180、およびC.I.ピグメントバイオレット19、およびC.I.ピグメントレッド57:1、146、およびC.I.ピグメントブルー15:3、について、上記実施例1および実施例2の条件で評価したところ、化合物1同様に、良好な性能を示した。
顔料の200nm以上粒子体積%が1%以下の顔料インク、および顔料の200nm以上粒子体積%が0.5%以下の顔料インクを調製し、上記実施例1ないし実施例3の条件で評価したところ、顔料の200nm以上粒子体積%が2%以下の顔料インクと比較して、顔料の200nm以上粒子体積%が1%以下の顔料インクは良好な性能を示し、顔料の200nm以上粒子体積%が0.5%以下の顔料インクは更に良好であることを確認した。
インク接液部材の比較実験として、ポリアセタール、不飽和ポリエステル、PS、PET、PVCを用いてタンクを作成し、実施例1および実施例2の条件で評価した。上記部材と本発明の200nm以上粒子体積%が2%以下の顔料インクとの組合せで、吐出精度の改良効果は認められなかった。
インクタンク(BCI−3e(型番;キヤノン(株)製))に適合したインク吸収体について、実施例1のタンクA〜タンクMと同じインク接液部材でインク吸収体を作成した。実施例1と同様の実験を行ったところ、本発明の200nm以上粒子体積%が2%以下の顔料インクと本発明のインク接液部材の組合せで良好な吐出精度が得られた。
図1は本発明の好ましいインクジェット記録装置の1例である。 図2は図1に用いられるインクカートリッジの構造図である。
符号の説明
11:用紙
14a、14b:ガイド棒
16:ベルト
17:プーリ
18:ベルト機構
26:ベルトキャップ
26a:吸引面
27:吸引ポンプ
42a:溝の一端
42b:溝の他端
43:液溜め部
46:リブ
51:インク取出部
56:押圧ピン
X:主走査方向
Y:副走査方向

Claims (13)

  1. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材を含むインクユニットにおいて、該インクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であり、且つ該インク接液部材の主成分が、下記一般式(X)で表されるハイドロタルサイト類化合物を添加して得られるポリオレフィン類であることを特徴とするインクユニット。
    一般式(X)
    [A1−x(OH)x+[Ex/n・mHO]x−
    一般式(X)中のAは二価金属であり、Dは三価金属であり、Eはn価のアニオンであり、mは整数であり、xは0<x≦0.5である。
  2. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であり、該インク接液部材の主成分が脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類を添加して得られるポリオレフィン類であることを特徴とするインクユニット。
  3. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であり、該インク接液部材の主成分がフェノール系酸化防止剤を添加して得られるポリオレフィン類であることを特徴とするインクユニット。
  4. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であり、該インク接液部材の主成分がベンジリデンソルビトール類を添加して得られるポリオレフィン類であることを特徴とするインクユニット。
  5. 前記顔料がC.I.ピグメントイエロー12、17、55、74、97、120、128、151、155、および180のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクユニット。
  6. 前記顔料がC.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド57:1、146、およびC.I.ピグメントブルー15:3のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクユニット。
  7. 前記インクは少なくともブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを含むインクセットであり、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの全てのインクは媒体中に分散保持されている顔料を含有し該顔料の粒径200nm以上の粒子が2体積%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクユニット。
  8. 前記顔料の粒径200nm以上の粒子が1体積%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクユニット。
  9. 前記顔料の粒径200nm以上の粒子が0.5体積%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクユニット。
  10. 前記ポリオレフィン類がポリプロピレン類であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクユニット。
  11. 前記インク接液部材がインクタンク及び/又はインクジェットカートリッジのインク接液部材であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のインクユニット。
  12. 前記インク接液部材がインク吸収体のインク接液部材であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のインクユニット。
  13. 前記インク接液部材がインク供給系のチューブ及び/又はヘッドの共通流路及び/又はヘッドの圧力室及び/又はヘッドのノズルのインク接液部材であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のインクユニット。
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