JP2007098661A - インクとインク接液部材を含むインクユニット - Google Patents

インクとインク接液部材を含むインクユニット Download PDF

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Abstract

【課題】保存中のインク吐出精度が向上したインクユニットを提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材を含むインクユニットにおいて、該インクは水不溶性色材、水溶性有機溶剤、疎水性ブロックの少なくとも1種と親水性ブロックの少なくとも1種とをそれぞれ有するブロック共重合体からなる高分子分散剤、及び水を含有し、且つ該インク接液部材の主成分が、[1]特定のハイドロタルサイト類化合物、[2]脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類、[3]イソシアヌレート骨格を持つフェノール系酸化防止剤、または[4]アルキル置換ベンジリデンソルビトール類を含むポリプロピレン類であるインクユニット。
【選択図】図2

Description

本発明は、インク吐出方式の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置に用いるインク吸収体、インクタンク及びインクジェットカートリッジ等の如きインク接液部材とインクに関するものである。
インクを吐出する吐出口が設けられたインク吐出方式の記録ヘッドを備え、この記録ヘッドからインクを液滴として吐出しこれを用紙に付着させて画像を記録する、いわゆるインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置には、インクを収納するインクタンクが設けられており、このインクタンクから記録ヘッドへインクが供給される。インクと常に接液する部材には、従来から樹脂材料や金属材料、ゴム材料等が使用されてきているが、コスト及び加工性の観点から樹脂材料が用いられている。樹脂材料の例として、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ABS、ポリアセタール、ナイロン、不飽和ポリエステル、アラミド、PS、PET、PVC等が挙げられる。ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンは環境リサイクルの観点で好ましく用いられている。
樹脂材料の製造工程、加工工程、及び加工後における熱、光、酸素等により酸化されて分解劣化を防止するために酸化防止剤が添加することがある。樹脂材料の自動酸化作用の初期連鎖成長段階で生成するラジカルを捕捉するために酸化防止剤(例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤)を添加することが知られている。
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンのような結晶性の高い材料、特にポリプロピレンは一般に成形品の結晶が不均一で、光を散乱し、透明性が不十分な場合が多い。微細で均一な結晶にするための結晶化核剤としては、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール(商品名:ゲルオールMD)を添加することが知られている。
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンを製造する際のオレフィンの重合には、一般にチーグラー・ナッタ触媒等の触媒が用いられており、生成するポリマー内に塩素化合物等の触媒残渣が残っている。このポリマー内に残った触媒残渣は、ポリマーを黄変させる等、ポリマーを腐食或いは劣化させる可能性がある。そのために、この触媒残渣と反応して中和させるために、得られるポリマー中に中和剤の添加が知られており、中和剤としてステアリン酸カルシウム等の脂肪酸の金属塩、ハイドロタルサイト(塩基性アルミニウムマグネシウムカーボネート)を添加することが知られている。
ポリプロピレンの中和剤として、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸の金属塩を1,000〜1,500ppmの量でポリマー中に添加することが一般的であるが、インク接液部材として使用すると、インクの流動性を妨げる繊維状浮遊物を生成する場合があることが知られている。繊維状浮遊物発生を防ぐためにステアリン酸カルシウム等の脂肪酸類添加量を100ppm以下に減らす方法が特許文献1で提案されている。
インク接液部材からの溶質物による浮遊物発生という課題をインクのナトリウムイオン濃度とインク接液部材との組合せで解決する方法が、特許文献2に記載されているが、この方法では長時間インクを該インク接液部材に接触させた後のインク吐出精度が不十分であることがわかった。
インクジェット記録用インクとして、耐水性や耐光性に優れるという特徴から、最近では水不溶性色材が使用されてきている。インクの吐出安定性向上のために、水不溶性色材の表面を高分子分散剤被膜で覆う技術が提案されてきている。高分子分散剤が色材を均一に被覆することにより、色材の一部が露出しているような場合に比べ、水不溶性色材の水系での分散安定性が向上すると考えられる。高分子分散剤による分散技術は下記のものが知られている。
室温での皮膜形成性を有する転相乳化法による高分子分散剤は、例えば、特開 平08−218015号公報、特開平08−295837号公報、特開平09−3376号公報、特開平08−183920号公報、特開平10−46075号公報、特開平10−292143号公報、特開平11−80633号公報、特開平11−349870号公報、又は特開2000−7961号公報で開示されている。
また、酸析法によるアニオン性基含有高分子分散剤は、例えば、特開平9−31360号公報、特開平9−217019号公報、特開平9−316353号公報、特開平9−104834号公報、特開平9−151342号公報、特開平10−140065号公報、特開平11−152424号公報、特開平11−166145号公報、特開平11−166145号公報、特開平11−199783号公報、又は特開平11−209672号公報で開示されている。
また、転相乳化法によって合成される高分子微粒子に色材を含浸させてなるポリマーエマルジョンを用いる方法は、例えば、特開平9−286939号公報、特開2000−44852号公報、特開2000−53897号公報、特開2000−53898号公報、特開2000−53899号公報、又は特開2000−53900号公報で開示されている。
更に、1種以上の疎水性ブロックと1種以上の親水性ブロックとを少なくとも含むブロック共重合体からなる高分子分散剤を用いる方法は、例えば、特開2004−203969号公報、又は特開2005−120310号公報で開示されている。これらの文献ではインク袋等のインク収容部の接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましいとの記載があるのみである。
特開昭63−216752号公報 特許第2696828号明細書 特開2004−203969号公報 特開2005−120310号公報
インクタンク、インクジェットカートリッジ及び/またはインク吸収体のインク接液部材(該部材の主成分がポリプロピレン類である場合)に長時間接触させた後のインク吐出精度を向上させることが本発明の課題である。即ち、吐出インク体積のバラツキが大きくなり、目標着弾位置からのズレが大きくなると、濃度ムラ及びスジムラを引き起こすことになるので、これらのインクジェット品質を改善することが本発明の課題である。
前記の課題は下記の手段によって、解決された。
[1]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材を含むインクユニットにおいて、該インクは水不溶性色材、水溶性有機溶剤、疎水性ブロックの少なくとも1種と親水性ブロックの少なくとも1種とをそれぞれ有するブロック共重合体からなる高分子分散剤、及び水を含有し、且つ該インク接液部材の主成分が、下記一般式(X)で表されるハイドロタルサイト類化合物を添加して得られるポリプロピレン類であることを特徴とするインクユニット。
一般式(X)
[A1-xx(OH)2x+[Exn・mH2O]x-
一般式(X)中のAは二価金属であり、Dは三価金属であり、Eはn価のアニオンであり、mは整数であり、xは0<x≦0.5である。
[2]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクは水不溶性色材、水溶性有機溶剤、疎水性ブロックの少なくとも1種と親水性ブロックの少なくとも1種とをそれぞれ有するブロック共重合体からなる高分子分散剤、及び水を含有し、該インク接液部材の主成分が脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類を添加して得られるポリプロピレン類であることを特徴とするインクユニット。
[3]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクは水不溶性色材、水溶性有機溶剤、疎水性ブロックの少なくとも1種と親水性ブロックの少なくとも1種とをそれぞれ有するブロック共重合体からなる高分子分散剤、及び水を含有し、該インク接液部材の主成分がフェノール系酸化防止剤を添加して得られるポリプロピレン類であることを特徴とするインクユニット。
[4]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクは水不溶性色材、水溶性有機溶剤、疎水性ブロックの少なくとも1種と親水性ブロックの少なくとも1種とをそれぞれ有するブロック共重合体からなる高分子分散剤、及び水を含有し、該インク接液部材の主成分がベンジリデンソルビトール類を添加して得られるポリプロピレン類であることを特徴とするインクユニット。
[5]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水不溶性色材がC.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー42、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー83:1、C.I.ソルベントイエロー88、およびC.I.ソルベントイエロー151からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のインクユニット。
[6]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水不溶性色材がC.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド83:1、C.I.ソルベントレッド91、C.I.ソルベントレッド127、およびC.I.ソルベントレッド218からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のインクユニット。
[7]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水不溶性色材がC.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー38、C.I.ソルベントブルー44、C.I.ソルベントブルー67、およびC.I.ソルベントブルー70からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のインクユニット。
[8]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水不溶性色材がC.I.ソルベントブラック3、C.I.ソルベントブラック27、C.I.ソルベントブラック29、およびC.I.ソルベントブラック45からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のインクユニット。
[9]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水不溶性色材がC.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントイエロー184、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントグリーン36、およびC.I.ピグメントブルー15:3からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のインクユニット。
[10]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水不溶性色材がアニオン性染料とカチオン性界面活性剤のイオンコンプレックスからなる色材であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のインクユニット。
[11]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる高分子分散剤がインクのpHが低下することにより高分子鎖が会合を起こし得るpH刺激応答性を有し、且つ、インク中に、高分子分散剤がpH刺激応答性を示すpHより+0.1〜+3.0のpHの範囲内に緩衝領域を有するpH緩衝剤を含有することを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載のインクユニット。
[12]インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水溶性有機溶剤が環状エーテルを少なくとも含有化合物あるいは多価アルコールのモノアルキルエーテルを少なくとも含有化合物であることを特徴とする[1]〜[11]のいずれかに記載のインクユニット。
[13]前記インク接液部材がインクタンク及び/又はインクジェットカートリッジのインク接液部材であることを特徴とする[1]〜[12]のいずれかに記載のインクユニット。
[14]前記インク接液部材がインク吸収体のインク接液部材であることを特徴とする[1]〜[12]のいずれかに記載のインクユニット。
[15]前記インク接液部材がインク供給系のチューブ及び/又はヘッドの共通流路及び/又はヘッドの圧力室及び/又はヘッドのノズルのインク接液部材であることを特徴とする[1]〜[12]いずれかに記載のインクユニット。
本発明の前記の構成によって、インクジェット記録装置に用いられる接液部材にインクが比較的低温での長期経時または比較的高温での短期経時で接液する時に、吐出インク体積のバラツキを小さくし、目標着弾位置からのズレを小さくすることができた。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、上述したインクジェット記録装置に用いられるインク接液部材にインクを長時間接触させたり、高温条件でインクを接触させた後でのインク吐出評価において、特定のインク接液部材と特定のインクの組合せで、吐出インク体積のバラツキが小さくなること、更に目標着弾位置からのズレが小さくなることを見出した。インクを長時間インク接液部材に接触させたことで、インクに浮遊物の発生は認められないため、インクの目視評価では問題点は顕在化しなかった。吐出精度の優劣は、インク吐出ノズル近傍でのメニスカスにおける析出物の有無に起因した現象であると解釈している。
前記目的を達成するために[1]は、インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インク接液部材の主成分がハイドロタルサイト類化合物を添加して得られるポリプロピレン類であり、該インクは水不溶性色材、水溶性有機溶剤、1種以上の疎水性ブロックと1種以上の親水性ブロックとを少なくとも含むブロック共重合体からなる高分子分散剤、及び水を含有することを特徴とするインクユニットである。
また、[2]は前記インク接液部材が脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類を添加して得られるポリプロピレン類を主成分としてなることを特徴とする。
また、[3]は前記インク接液部材がイソシアヌレート骨格を持つフェノール系酸化防止剤を添加して得られるポリプロピレン類を主成分としてなることを特徴とする。
また、[4]は前記インク接液部材がアルキル置換ベンジリデンソルビトール類を添加して得られるポリプロピレン類を主成分としてなることを特徴とする。
また、[5]は該インクに含まれる水不溶性色材がことを特徴とする。
本発明でいうインク接液部材とは、インク供給系(インクタンク、チューブ、インクカートリッジ及びインク吸収体)やヘッド内部(共通流路、圧力室及びノズル)におけるインクが接触する部材(インク接液部材)を表す。前記接液部材の主成分はポリプロピレン類であるが、本発明のインク接液部材の主成分とはポリプロピレン類が部材の接液部分全体の50%(表面面積比、好ましくは質量比でも)以上、好ましくは70%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは99%以上の成分を表す。
本発明でいうインクユニットとは、インクと、インク供給系(インクタンク、チューブ、インクカートリッジ及びインク吸収体)やヘッド内部(共通流路、圧力室及びノズル)におけるインク接液部材との集合体を表わす。
本発明のポリプロピレン類はプロピレンの重合体(ポリマー)を言い、ホモポリプロピレン(ホモPP)、エチレン−プロピレンランダムコポリマー(ランダム共重合PP)、エチレン−プロピレンブロックコポリマー(ブロック共重合PP)から選択されたポリマー(樹脂)を表わす。
本発明のポリプロピレン類には、ハイドロタルサイト類化合物が添加される。
前記のハイドロタルサイト類化合物とは一般式[A1-xx(OH)2x+[Exn・mH2O]x-(上記式中のAはMg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等の二価金属であり、DはAl、Fe、Cr、Co、In等の三価金属であり、EはOH、F、Cl、Br、NO3、CO3、SO4、Fe(CN)6、CH3COO等のn価のアニオンであり、mは整数であり、xは0<x≦0.5である。)で表わされる不定比化合物である。
ハイドロタルサイト類化合物を具体的に例示すると、例えば、
Mg6Al2(OH)16・CO3・4H2
Mg4.5Al2(OH)13・CO3・3.5H2
Ca6Al2(OH)16・CO3・4H2
Zn6Al2(OH)16・CO3・4H2
Mg3ZnAl2(OH)12・CO3・4H2
を例示することができる。
本発明に用いられるハイドロタルサイト類化合物として、特開平6−100734号公報、特開平6−256588号公報、特開平10−87907号公報、特開平10−139941号公報、特開2001−316530号公報に記載の化合物を用いることができる。
特に好ましい化合物は、一般式 Mg1-xAlx(OH)2(CO3x2・mH2O(0<x≦0.5)で表される化合物である。
ポリプロピレン樹脂中にハイドロタルサイト類化合物を添加する方法として、特に制限は無く、公知の方法を採用することができる。例えば、樹脂粉末あるいはペレットと、添加剤粉末をドライブレンドする方法、添加剤を高濃度で含有するマスターバッチを作製し、これを未添加の樹脂に添加する方法などを用いることができる。また、ハイドロタルサイト化合物を所定量添加し、ヘンシェル型混合機やVブレンダーやタンブラー型混合機などの一般に知られている混合機にて混合した後、単軸混練機、噛合同方向回転型・噛合異方向回転型・非噛合同方向回転型・非噛合異方向回転型等の二軸混練機による連続溶融混練方法や、ロール或いはバンバリー等のバッチ式溶融混練方法を採用することができる。ポリプロピレン樹脂組成物から成形品を得る加工方法は特に限定されるものではなく、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ブロー成形、インフレーション成形など通常の樹脂成形方法のいずれの方法を用いてもよい。
ハイドロタルサイト類化合物の好ましい添加量はポリプロピレン類中で10ppm〜10,000ppm、さらに好ましくは100ppm〜1,000ppmの範囲である。
本発明のポリプロピレン類には、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類が添加される。脂肪酸の具体例として、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、およびエルカ酸を挙げることができる。脂肪酸誘導体類の具体例として、ステアリン酸のCa、Al、Mg、Zn塩、ステアリン酸アミド、ベヘン酸のCa、Al、Mg、Zn塩、ベヘン酸アミド、オレイン酸のCa、Al、Mg、Zn塩、オレイン酸アミド、エルカ酸のCa、Al、Mg、Zn塩、およびエルカ酸アミドを挙げることができる。その他脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類としては特開2003−96246号公報に制酸剤や滑剤として記載されている化合物を用いることができる。
ポリプロピレン樹脂中に脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類を添加する方法として、特に制限は無く、公知の方法を採用することができる。例えば、樹脂粉末あるいはペレットと、添加剤粉末をドライブレンドする方法、添加剤を高濃度で含有するマスターバッチを作製し、これを未添加の樹脂に添加する方法などを用いることができる。また、脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類を所定量添加し、ヘンシェル型混合機やVブレンダーやタンブラー型混合機などの一般に知られている混合機にて混合した後、単軸混練機、噛合同方向回転型・噛合異方向回転型・非噛合同方向回転型・非噛合異方向回転型等の二軸混練機による連続溶融混練方法や、ロール或いはバンバリー等のバッチ式溶融混練方法を採用することができる。ポリプロピレン樹脂組成物から成形品を得る加工方法は特に限定されるものではなく、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ブロー成形、インフレーション成形など通常の樹脂成形方法のいずれの方法を用いてもよい。
脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類の好ましい添加量はポリプロピレン類中で10ppm〜1,000ppm、さらに好ましくは50ppm〜500ppmの範囲である。
本発明のポリプロピレン類には、フェノール系酸化防止剤が添加される。
前記フェノール系酸化防止剤の具体的には、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ第3級ブチルフェノール、2,6−ジ第3級ブチル−4−エチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、n−オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート、ジステアリル・(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−第3級ブチル)ベンジルマロネート、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル、トコフェロール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第3級ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第3級ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ第3級ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第3級ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(6−第3級ブチル−m−クレゾール)、スチレン化フェノール、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、ビス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルエステル)カルシウム、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3級ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタン、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス〔6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール〕、1,3,5−トリス(4−第3級ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、2,2’−オキザミドビス〔エチル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルアニリノ)−2,4−ジオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、ビス〔2−第3級ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第3級ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、3,9−ビス〔2−〔3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンまたは3,9−ビス〔2−〔3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましいフェノール系酸化防止剤としては、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル・3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、4,4’−ブチリデンビス(6−第3級ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(6−第3級ブチル−m−クレゾール)、1,3,5−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3級ブチルフェニル)ブタン、3,9−ビス〔2−〔3−(3−第3級ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンなどが挙げられる。
本発明に用いられるフェノール系酸化防止剤として、特開平5−25330号公報、特開平5−214176号公報、特開平8−231779号公報、特開平8−283473号公報、特開平9−67474号公報、特開平9−169875号公報、特開平11−255973号公報、特開2001−172438号公報に記載の化合物を用いることができる。
ポリプロピレン樹脂中にフェノール系酸化防止剤を添加する方法として、特に制限は無く、公知の方法を採用することができる。例えば、樹脂粉末あるいはペレットと、添加剤粉末をドライブレンドする方法、添加剤を高濃度で含有するマスターバッチを作製し、これを未添加の樹脂に添加する方法などを用いることができる。また、フェノール系酸化防止剤を所定量添加し、ヘンシェル型混合機やVブレンダーやタンブラー型混合機などの一般に知られている混合機にて混合した後、単軸混練機、噛合同方向回転型・噛合異方向回転型・非噛合同方向回転型・非噛合異方向回転型等の二軸混練機による連続溶融混練方法や、ロール或いはバンバリー等のバッチ式溶融混練方法を採用することができる。ポリプロピレン樹脂組成物から成形品を得る加工方法は特に限定されるものではなく、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ブロー成形、インフレーション成形など通常の樹脂成形方法のいずれの方法を用いてもよい。
フェノール系酸化防止剤の好ましい添加量はポリプロピレン類中で100ppm〜10,000ppm、さらに好ましくは500ppm〜5000ppmの範囲である。
本発明のポリプロピレン類には、ベンジリデンソルビトール類が添加される。
前記ベンジリデンソルビトール類の具体的には、1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−(p−メチルベンジリデン、ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−(2,4−ジメチルベンジリデン、ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−(2,5−ジメチルベンジリデン、ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−ブトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−クロルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−ブロモベンジリデン)ソルビトール等が挙げられる。
特に好ましい例として、1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−(p−メチルベンジリデン、ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−(2,4−ジメチルベンジリデン、ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−(2,5−ジメチルベンジリデン、ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトールを挙げることができる。
本発明に用いられるベンジリデンソルビトール類として、特開平7−102123号公報、特開平7−173342号公報、特開平7−278362号公報、特開平9−157452号公報、特開平9−286787号公報、特開2001−26682号公報、特開2001−240698号公報、特開2003−96246号公報に記載の化合物を用いることができる。
ポリプロピレン樹脂中にベンジリデンソルビトール類を添加する方法として、特に制限は無く、公知の方法を採用することができる。例えば、樹脂粉末あるいはペレットと、添加剤粉末をドライブレンドする方法、添加剤を高濃度で含有するマスターバッチを作製し、これを未添加の樹脂に添加する方法などを用いることができる。また、ベンジリデンソルビトール類を所定量添加し、ヘンシェル型混合機やVブレンダーやタンブラー型混合機などの一般に知られている混合機にて混合した後、単軸混練機、噛合同方向回転型・噛合異方向回転型・非噛合同方向回転型・非噛合異方向回転型等の二軸混練機による連続溶融混練方法や、ロール或いはバンバリー等のバッチ式溶融混練方法を採用することができる。ポリプロピレン樹脂組成物から成形品を得る加工方法は特に限定されるものではなく、押し出し加工、カレンダー加工、射出成形、ブロー成形、インフレーション成形など通常の樹脂成形方法のいずれの方法を用いてもよい。
ソルビトール誘導体の好ましい添加量はポリプロピレン類中で100ppm〜10,000ppm、さらに好ましくは500ppm〜5000ppmの範囲である。
高分子分散剤、水不溶性色材、水溶性有機溶剤、及び水を含有するインクジェット記録用インクにおいて、高分子分散剤を用いる方法として、室温での皮膜形成性を有する転相乳化法による高分子分散剤を用いる方法、酸析法によるアニオン性基含有高分子分散剤、転相乳化法によって合成される高分子微粒子に色材を含浸させてなるポリマーエマルジョンを用いる方法、1種以上の疎水性ブロックと1種以上の親水性ブロックとを少なくとも含むブロック共重合体からなる高分子分散剤を用いる方法があるが、本発明のインク接液部材との組合せにおいては、1種以上の疎水性ブロックと1種以上の親水性ブロックとを少なくとも含むブロック共重合体からなる高分子分散剤が好ましいことが判明した。
(水溶性有機溶剤)
本発明のインクジェット記録用インクに使用する水溶性有機溶剤は、高分子分散剤の親水性ブロック部の溶解性パラメータに対して−4.0〜+16.0(J/cm312、好ましくは0.0〜+16.0(J/cm312、より好ましくは0.0〜+10.0(J/cm312の範囲にある溶解性パラメータを有する水溶性の有機溶剤である。水溶性有機溶剤の溶解性パラメータが、高分子分散剤の親水性ブロック部の溶解性パラメータに対して−4.0(J/cm312より低いと、インク中の水分が多量に蒸発するようなインクジェットプリンターの印字プロセス時において、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりが発生してインクが吐出できなくなり、+16.0(J/cm312より高いと、インク吐出が不安定になってしまう。また、水溶性有機溶剤の溶解性パラメータが、高分子分散剤の疎水性ブロック部の溶解性パラメータに対して+4.0(J/cm312より高いとインク吐出がより安定するため好ましい。
本発明の水溶性有機溶剤は、2種以上の水溶性有機溶剤の混合溶剤としても使用でき、その際は各水溶性有機溶剤単独の溶解性パラメータと混合比率を考慮して算出した混合溶剤全体での溶解性パラメータとして使用する。すなわち、混合溶剤の溶解性パラメータは、各水溶性有機溶剤の溶解性パラメータに、その水溶性有機溶剤の全水溶性有機溶剤に対する含有質量比率を掛けた値の総和として表わす。またこのような混合溶剤して使用する際は、混合溶剤として液体であれば固体の水溶性有機化合物が含有されていてもよい。
このような水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、チオジグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール等のジオール類;グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール等のトリオール類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール等のヒンダードアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングコーリモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;ジメチルスルホキシキド、グリセリンモノアリルエーテル、ポリエチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等である。
水溶性有機溶剤として環状エーテルを少なくとも含有する化合物を好ましい例 として挙げることができる。上記環状エーテルが、ジメチルフラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシテトラヒドロフランおよびジオキサンから選ばれる少なくとも1種であること;特に上記環状エーテルがテトラヒドロフランであることが好ましい。
水溶性有機溶剤として多価アルコールのモノアルキルエーテルを少なくとも含有する化合物を好ましい例として挙げることができる。上記の多価アルコールのモノアルキルエーテルとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、およびトリプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよび/またはトリプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
これらの中でも、沸点が120℃以上の水溶性有機溶剤を使用すると、ノズル先端部でのインク濃縮が抑制されるため好ましい。これらの水溶性有機溶剤のインク中に占める割合は、インク全質量に対して、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
(高分子分散剤)
本発明のインクジェット記録用インクに使用する高分子分散剤としては、親水性ブロックの少なくとも1種と、疎水性ブロックの少なくとも1種とをそれぞれ有するブロック共重合体であればよく、2種類以上の親水性ブロックや2種類以上の疎水性ブロックを有するものでも使用することができ、単独のブロック共重合体でも2種以上のブロック共重合体が混合されたものでも使用できる。共重合体の形態は直鎖型、グラフト型等が挙げられるが、直鎖型のブロック共重合体が好ましい。
また、この高分子分散剤が、ビニルエーテルモノマーを重合してなるポリビニルエーテル構造を有するものであると、色材と安定な分散体を形成するため好ましい。より具体的には、高分子分散剤の親水性ブロックがアニオン性のポリビニルエーテル又は非イオン性のポリビニルエーテル、或いは、非イオン性のポリビニルエーテルのブロックとアニオン性のポリビニルエーテルのブロックから構成されたジブロック体であると、インク媒体中での色材分散体の安定性が更に向上するためより好ましい。高分子分散剤の親水性ブロックが、非イオン性のポリビニルエーテルのブロックとアニオン性のポリビニルエーテルのブロックから構成されたジブロック体である場合においては、疎水性を有するポリビニルエーテルのブロック、非イオン性の親水性を有するポリビニルエーテルのブロック、アニオン性の親水性を有するポリビニルエーテルのブロックの順番で構成されたブロック共重合体であると、インク媒体中での色材分散体の安定性がよりいっそう向上するため更に好ましい。
上記高分子分散剤を形成する、疎水性を有するビニルエーテル類のブロックとしては、下記一般式(1)で示される繰り返し単位構造を有するブロックが好ましい。
−(CH2−CH(OR1))−(1)
上記の一般式(1)において、R1は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基のような脂肪族炭化水素基、フェニル基、ピリジル基、ベンジル基、トルイル基、キシリル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキレン基、ビフェニル基、フェニルピリジル基等のような、炭素原子が窒素原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表わす。また、芳香環上の水素原子は、炭化水素基で置換されていてもよい。R1の炭素数は1〜18が好ましい。
またR1は、−(CH(R2)−CH(R3)−O)p−R4若しくは−(CH2m−(O)n−R4で表される基でもよい。この場合、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表わし、R4はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基のような脂肪族炭化水素基、フェニル基、ピリジル基、ベンジル基、トルイル基、キシリル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキレン基、ビフェニル基、フェニルピリジル基等のような、炭素原子が窒素原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(芳香環上の水素原子は、炭化水素基で置換されていてもよい)、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2、−CH2−CH=CH2、−CH2−C(CH3)=CH2等を表わし、これらの基のうちの水素原子は、化学的に可能である範囲でフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子と置換されていてもよい。R4の炭素数は1〜18が好ましい。pは1〜18が好ましく、mは1〜36が好ましく、nは0又は1であるのが好ましい。
1及びR4において、アルキル基又はアルケニル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、オレイル等であり、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロオクチル等である。
次に、親水性を有するビニルエーテル類のブロックとしては、下記一般式(2)で選ばれる繰り返し単位構造を有するブロックが好ましい。
−(CH2−CH(OR5))−(2)
上記の一般式(1)において、R5は、−(CH2−CH2−O)k−R6、−(CH2m−(O)n−R6、−R7−X、−(CH2−CH2−O)k−R7−X、−(CH2m−(O)n−Xで表わされる基である。この場合、R6は、水素原子、炭素数1から4までの直鎖または分枝状のアルキル基、及び−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2、−CH2−CH=CH2、−CH2−C(CH3)=CH2等を表わし、R7はアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基又はシクロアルケニレン基のような脂肪族炭化水素基、フェニレン基、ピリジレン基、ベンジレン基、トルイレン基、キシリレン基、アルキルフェニレン基、フェニレンアルキレン基、ビフェニレン基、フェニルピリジレン基等のような、炭素原子が窒素原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(芳香環上の水素原子は、炭化水素基で置換されていてもよい)を表わし、これらの基のうちの水素原子は、化学的に可能である範囲で、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子と置換されていてもよい。Xはカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基から選ばれるアニオン性を有する基を表わす。R7の炭素数は1〜18が好ましい。kは1〜18が好ましく、mは1〜36が好ましく、nは0または1であるのが好ましい。
本発明において、インクのpHが低下することにより高分子分散剤の高分子鎖が会合を起こし得るpH刺激応答性を有し、且つ、高分子分散剤がpH刺激応答性を示すpHより+0.1〜+3.0のpHの範囲内に緩衝領域を有するpH緩衝剤を含有することが好ましい例として挙げることができる。
本発明のインクジェット記録用インクに使用する高分子分散剤の有するpH刺激応答性とは、インクのpHが低下することで高分子分散剤の高分子鎖同士が会合し、インクの粘度を増大させる性能である。pH刺激応答性は、pH刺激応答後のインク粘度が、pH刺激応答前のインク粘度に対して、好ましくは50倍以上、より好ましくは100倍以上に増大させるように分子設計すると、印字画像の定着性が良好になる。
また、本発明のインクジェット記録用インクに使用する高分子分散剤としては、モノマーとしてビニルエーテル類を重合してなるもので、少なくとも1種類以上の疎水性ブロックと、少なくとも1種類以上の親水性ブロックをそれぞれ有するブロック共重合体であればよく、2種類以上の親水性ブロックや2種類以上の疎水性ブロックを有するものでもよく、単独のブロック共重合体でも2種以上のブロック共重合体が混合されたものでも使用できる。共重合体の重合形態は、直鎖型、グラフト型等が挙げられるが、直鎖型のブロック共重合体が好ましい。
また、高分子分散剤の親水性ブロックは、アニオン性のビニルエーテル類又は非イオン性のビニルエーテル類から構成されていることが好ましい。或いは、アニオン性のビニルエーテル類から構成されるブロックと、非イオン性のビニルエーテル類から構成されるブロックの2種のブロックを有しているジブロック体であると、インク媒体中での色材分散体の安定性がより向上するため好ましい。
高分子分散剤の親水性ブロックが上記のようなジブロック体である場合は、疎水性を有するポリビニルエーテルのブロック、非イオン性の親水性を有するポリビニルエーテルのブロック、アニオン性の親水性を有するポリビニルエーテルのブロックの順番で構成されたブロック共重合体であると、インク媒体中での色材分散体の安定性が更に向上するためより望ましい。
本発明のインクジェット記録用インクに使用するpH緩衝剤としては、上記高分子分散剤がpH刺激応答性を示すpHより、+0.1〜+3.0のpHの範囲内、好ましくは+0.5〜+2.5のpHの範囲内にpHの緩衝領域を有するものであればよい。また、pHの緩衝領域の範囲が、これらの範囲より広いものでも狭いものでも使用することができる。pH緩衝剤の緩衝性能を発揮するpHの範囲が、上記高分子分散剤がpH刺激応答性を示すpHに対して、+0.1より低いpHの範囲にしかないと、インクの保存中にインクが増粘したり、色材分散体の凝集が発生しやすくなる。また、高分子分散剤がpH刺激応答性を示すpHに対して、+3.0より高いpHの範囲にしかないと、印字画像の定着性が低下しやすくなってしまう。
このようなpH緩衝剤としては、例えば、リン酸、ほう酸、けい酸、酢酸、炭酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フタル酸、乳酸、塩酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩及びこれらと水酸化ナトリウムや水酸化カリウムとの混合物、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、2,4,6−トリメチルピリジン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチルバルビツル酸ナトリウムと塩酸の混合物等が挙げられる。
(水不溶性色材)
本発明のインクジェット記録用インクに使用する水不溶性色材としては、水にほとんど溶解しない色材であれば使用することができる。具体的には、水に対する溶解度が、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下の色材である。このような色材としては、油溶性染料、建染染料、分散染料、顔料等が挙げられ、なかでも油溶性染料が上記高分子分散剤と安定な色材分散体を形成するためより好ましい。
以下に、水不溶性色材の例を示すが、これらに限定されるものではない。
(油溶性染料)
C.I.ソルベントイエロー1、2、3、13、14、19、21、22、29、36、37、38、39、40、42、43、44、45、47、62、63、71、76、79、81、82、83、85、86、88、151;C.I.ソルベントレッド8、27、35、36、37、38、39、40、49、58、60、65、69、81、83:1、86、89、91、92、97、99、100、109、118、119、122、127、218;C.I.ソルベントブルー14、24、25、26、34、37、38、39、42、43、44、45、48、52、53、55、59、67、70;C.I.ソルベントブラック3、5、7、8、14、17、19、20、22、24、26、27、28、29、43、45等;
イエローの油溶性染料として、特に、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー42、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー83:1、C.I.ソルベントイエロー88、およびC.I.ソルベントイエロー151を好ましい例として挙げることができる。
マゼンタの油溶性染料として、特に、C.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド83:1、C.I.ソルベントレッド91、C.I.ソルベントレッド127、およびC.I.ソルベントレッド218を好ましい例として挙げることができる。
シアンの油溶性染料として、特に、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー38、C.I.ソルベントブルー44、C.I.ソルベントブルー67、およびC.I.ソルベントブルー70を好ましい例として挙げることができる。
ブラックの油溶性染料として、特に、C.I.ソルベントブラック3、C.I.ソルベントブラック27、C.I.ソルベントブラック29、およびC.I.ソルベントブラック45を好ましい例として挙げることができる。
(水不溶性色材がアニオン性染料とカチオン性界面活性剤のイオンコンプレックスを作る場合)
アニオン性染料としては、色素骨格にスルホン酸基やカルボン酸基等の酸性基を有する染料であり、カチオン性界面活性剤とイオン的に反応してイオンコンプレックスを形成できるものであればよい。なかでも、直接染料、酸性染料、反応性染料、及び食用染料からなる群から選ばれる少なくとも1種の染料を使用すると、カチオン性界面活性剤と容易にイオンコンプレックスを形成できるので好ましい。
このようなアニオン性染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、19、22、32、38、51、62、71、108、146、154;C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、44、86、87、98、100、130、142;C.I.ダイレクトレッド1、4、13、17、23、28、31、62、79、81、83、89、227、240、242、243;C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、78、86、90、106、199;C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、60;C.I.ダイレクトバイオレット47、48;C.I.ダイレクトブラウン109;C.I.ダイレクトグリーン59等の直接染料;C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、52、63、112、118、168、172、208;C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、49、61、71;C.I.アシッドレッド1、6、8、32、37、51、52、80、85、87、92、94、115、180、254、256、289、315、317;C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、113、117、120、167、229、234、254;C.I.アシッドオレンジ7、19;C.I.アシッドバイオレット49等の酸性染料;C.I.リアクティブブラック1、5、8、13、14、23、31、34、39;C.I.リアクティブイエロー2、3、13、15、17、18、23、24、37、42、57、58、64、75、76、77、79、81、84、85、87、88、91、92、93、95、102、111、115、116、130、131、132、133、135、137、139、140、142、143、144、145、146、147、148、151、162、163;C.I.リアクティブレッド3、13、16、21、22、23、24、29、31、33、35、45、49、55、63、85、106、109、111、112、113、114、118、126、128、130、131、141、151、170、171、174、176、177、183、184、186、187、188、190、193、194、195、196、200、201、202、204、206、218、221;C.I.リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、18、19、21、25、27、28、38、39、40、41、49、52、63、71、72、74、75、77、78、79、89、100、101、104、105、119、122、147、158、160、162、166、169、170、171、172、173、174、176、179、184、190、191、194、195、198、204、211、216、217;C.I.リアクティブオレンジ5、7、11、12、13、15、16、35、45、46、56、62、70、72、74、82、84、87、91、92、93、95、97、99;C.I.リアクティブバイオレット1、4、5、6、22、24、33、36、38;C.I.リアクティブグリーン5、8、12、15、19、23;C.I.リアクティブブラウン2、7、8、9、11、16、17、18、21、24、26、31、32、33等の反応性染料;C.I.フードブラック1、2;C.I.フードイエロー3;C.I.フードレッド87、92、94等の食用染料等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、疎水基を有する1級、2級及び3級アミン塩や第4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物であれば使用することができる。なかでも、高分子分散剤の疎水性ブロックとの親和性をより向上させるためには、好ましくは炭素数10以上の直鎖状のアルキル基、より好ましくは炭素数12〜18の直鎖状のアルキル基を有する第4級アンモニウム塩がよい。
このようなカチオン性界面活性剤としては、例えば、デシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ジドデシルジメチルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジメチルジパルミチルアンモニウム、ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、ベンザルコニウム等の塩化物や臭化物が挙げられる。このようなカチオン性界面活性剤のインク中での含有量は、上記アニオン性染料に対して、モル比で好ましくは0.5〜5.0倍、より好ましくは1.0〜3.0倍であるのがよい。
(建染染料)
C.I.バットイエロー2、4、10、20、33;C.I.バットオレンジ1、2、3、5、7、9、13、15;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、16、61;C.I.バットブルー1、3、4、5、6、8、12、14、18、19、20、29、35、41;C.I.バットブラック1、8、9、13、14、20、25、27、29、36、56、57、59、60等。
(分散染料)
C.I.ディスパーズイエロー5、42、83、93、99、198、224;C.I.ディスパーズオレンジ29、49、73;C.I.ディスパーズレッド92、126、145、152、159、177、181、206、283;C.I.ディスパーズブルー60、87、128、154、201、214、224、257、287、368等。
(顔料)
本発明において、自己分散顔料を使用することが好ましい例として挙げることができる。自己分散顔料に使用される顔料としては、有機顔料及び無機顔料のいずれでもよい。インクに用いられる顔料の色調としては、好ましくは、黒色顔料と、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料を用いる。尚、上記に記した以外の色顔料や、無色または淡色の顔料、金属光沢顔料等を使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料を用いてもよい。
以下に、黒、シアン、マゼンタ、イエローにおいて、市販されている顔料を例示した。
黒色の顔料としては、Raven760Ultra、Raven1060Ultra、Raven1080、Raven1100Ultra、Raven1170、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven2500Ultra、Raven3500、Raven5250、Raven5750、Raven7000、Raven5000ULTRAII、Raven1190ULTRA II(以上、コロンビアン・カーボン社製)、BlackPearlsL、MOGUL−L、Regal400R、Regal660R、Regal330R、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1300、Monarch1400(以上、キャボット社製)、ColorBlackFW1、ColorBlackFW2、ColorBlackFW200、ColorBlack18、ColorBlackS160、ColorBlackS170、SpecialBlack4、SpecialBlack4A、SpecialBlack6、SpecialBlack550、Printex35、Printex45、Printex55、Printex85、Printex95、PrintexU、Printex140U、PrintexV、Printex140V(以上、デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.45、No.47、No.52、No.900、No.970、No.2200B、No.2300、No.2400B、MCF−88、MA600、MA77、MA8、MA100、MA230、MA220(以上、三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
シアン色の顔料としては、C.I.PigmentBlue−1、C.I.PigmentBlue−2、C.I.PigmentBlue−3、C.I.PigmentBlue−15、C.I.PigmentBlue−15:2、C.I.PigmentBlue−15:3(C.I.ピグメントブルー15:3)、C.I.PigmentBlue−15:4、C.I.PigmentBlue−16、C.I.PigmentBlue−22、C.I.PigmentBlue−60等が挙げられるが、これらに限定されない。上記のうち、好ましくはC.I.ピグメントブルー15:3である。
マゼンタ色の顔料としては、C.I.PigmentRed−5、C.I.PigmentRed−7、C.I.PigmentRed−12、C.I.PigmentRed−48、C.I.PigmentRed−48:1、C.I.PigmentRed−57、C.I.PigmentRed−112、C.I.PigmentRed−122(C.I.ピグメントレッド122)、C.I.PigmentRed−123、C.I.PigmentRed−146、C.I.PigmentRed−168、C.I.PigmentRed−184、C.I.PigmentRed−202、C.I.PigmentRed−207、C.I.PigmentRed−254等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記のうち、好ましくはC.I.ピグメントレッド122、およびC.I.ピグメントレッド254である。
黄色の顔料としては、C.I.PigmentYellow−3(C.I.ピグメントイエロー3)、C.I.PigmentYellow−12、C.I.PigmentYellow−13、C.I.PigmentYellow−14、C.I.PigmentYellow−16、C.I.PigmentYellow−17、C.I.PigmentYellow−74、C.I.PigmentYellow−83、C.I.PigmentYellow−93、C.I.PigmentYellow−95、C.I.PigmentYellow−97、C.I.PigmentYellow−98、C.I.PigmentYellow−109、C.I.PigmentYellow−114、C.I.PigmentYellow−120、C.I.PigmentYellow−128、C.I.PigmentYellow−129、C.I.PigmentYellow−138、C.I.PigmentYellow−151、C.I.PigmentYellow−154、C.I.PigmentYellow−175、C.I.PigmentYellow−183、C.I.PigmentYellow−184等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記のうち、好ましくは、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメン トイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントイエロー184である。
その他、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、およびC.I.ピグメントグリーン36も好ましく用いられる。
本発明のインクジェット記録用インク中における水不溶性色材の含有量は、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは1.0〜15質量%の範囲である。水不溶性色材の量が0.1質量%未満では十分な画像濃度が得にくい場合があり、25質量%を超えると、ノズルにおける目詰り等による吐出安定性の低下が起こりやすくなる。また、水不溶性色材と上記高分子分散剤とのインク中における含有比率は、固形分質量比で100:1〜1:2であると、インクの吐出安定性や保存安定性の面から望ましい。尚、これらの水不溶性色材は、単独で使用する以外に、2種以上組み合わせて使用することもできる。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。なお、本発明のインクジェット記録方法として特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105の記載が適用できる。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善する目的からポリマーラテックス化合物を併用してもよい。ラテックス化合物を受像材料に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても、後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も受像紙中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用しても良い。具体的には、特開2002−166638(特願2000−363090)、特開2002−121440(特願2000−315231)、特開2002−154201(特願2000−354380)、特開2002−144696(特願2000−343944)、特開2002−080759(特願2000−268952)に記載された方法を好ましく用いることができる。
また、本発明の色素において、1分子中に10個を超える非局在化π電子を有する無色の水溶性平面状化合物を添加することによりブロンズ現象を抑制することができる。ブロンズ現象とは、光学濃度が高い記録画像を形成させた場合において、乾燥するにつれて色素の結晶が記録材料表面に析出して、記録画像が光を反射して金属光沢を放つ現象であり、この現象は、耐水性、耐光性や耐ガス性を向上させるために色素の水溶解性を下げたり、色素構造中に水素結合性基を導入したりすることにより生じやすい傾向がある。
ブロンズ現象の発生によって光を反射、散乱するので、記録画像の光学濃度が低下してしまうばかりでなく、記録画像の色相も所望のものとは大きく異なったり、透明度が失われたりするため、ブロンズ現象抑制はインクジェットインクに要求される性能として重要なものの一つである。
本発明に好ましく用いられる、1分子中に10を超える非局在化π電子を有する無色の水溶性平面状化合物について説明する。非局在化したπ電子系を構成するπ電子の数が増え、π電子系が広がると可視域に吸収を持つことが多い。本発明で無色とは、画像に影響を及ぼさない範囲で極わずかに着色している状態も含まれる。また、蛍光性の化合物であっても良いが、蛍光のない化合物が好ましく、さらに好ましくは最も長波側の吸収ピークのλmaxが350nm以下、より好ましくは320nm以下で、且つモル吸光係数が1万以下の化合物である。
この化合物は、1分子中に10個を超える非局在化π電子を有する。π電子の数の上限に特に制限はないが、80個以下が好ましく、中でも50個以下が好ましく、特に30個以下が好ましい。また、10個を超えるπ電子が1つの大きな非局在系を形成していてもよいが、2つ以上の非局在系を形成していてもよい。特に、1分子中に2つ以上の芳香族環を有する化合物が好ましい。芳香族環は、芳香族炭化水素環であっても良いしヘテロ原子を含む芳香族ヘテロ環であっても良く、縮環して1つの芳香族環を形成するものであっても良い。芳香族環の例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジンなどを挙げることができる。
本発明に好ましく用いられる水溶性平面状化合物は、20℃において100gの水に対して少なくとも1g以上溶解する化合物が好ましい。より好ましくは5g以上溶解する化合物であり、最も好ましくは10g以上溶解する化合物である。
1分子中に2つ以上の芳香族環を有する化合物の場合には、分子中の芳香族環に結合している少なくとも2個の可溶化基を有することがとりわけ望ましい。有用な可溶化基には、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ホスホノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、4級アンモニウム塩および当業者に明らかな他の基が含まれるが、これらに限定されない。なかでも、スルホ基およびカルボキシル基が好ましく、スルホ基がもっとも好ましい。
分子中の可溶化基の最大数は、利用可能な置換基の位置の数によってのみ制限されるけれども、実用上の目的には、分子中に、同じかまたは異なる可溶化基が10個存在すれば十分である。これらの可溶性基のカウンターカチオンに制限はなく、アルカリ金属、アンモニウム、有機のカチオン(テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム、ピリジニウムなど)を挙げることができるが、中でもアルカリ金属、アンモニウムが好ましく、特にリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましく、リチウム、ナトリウム、アンモニウムが最も好ましい。
具体的な化合物としては、特開昭63−55544号の他、特開平3−146947号、同3−149543号、特開2001−201831号、同2002−139822号、同2002−196460号、同2002−244257号、同2002−244259号、同2002−296743号、同2002−296744号、同2003−255502号、同2003−307823号、同2004−4500号、同2004−170964号の各公報あるいは明細書に記載の化合物を挙げることができる。
なかでも下記一般式VIで表される化合物が好ましく用いられる。
一般式VI:
A−X−L−(Y−B)n
式中、A、L、Bは、それぞれ独立に、芳香族基(アリール基および芳香族ヘテロ環基)を表す。XとYはそれぞれ独立に2価の連結基を表す。nは0もしくは1を表す。芳香族基は単環であっても縮合環であってもよい。2価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、−CO−、−SOn−(nは0、1、2)、−NR−(Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す)、−O−、およびこれらの連結基を組み合わせた2価の基である。但し、一般式VIで表される化合物は、スルホ基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、およびホスホノ基から選ばれるイオン性親水性基を少なくとも1つ含有する。これらのイオン性親水性基は塩の形でも良く、そのカウンターカチオンについては制限はなく、アルカリ金属、アンモニウム、または有機のカチオン(テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム、ピリジニウムなど)を挙げることができるが、中でもアルカリ金属、アンモニウムが好ましく、特にリチウム、ナトリウム、カリウム、またはアンモニウムが好ましく、リチウム、ナトリウム、またはアンモニウムが最も好ましい。
また、一般式VIで表される化合物は、イオン性親水性基以外の置換基を有していても良く、具体的置換基としてアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基、アミノ基(アニリノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシル基、アシルアミノ基、ウレイド基、ハロゲン原子、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルホニル基、スルフェニル基、スルフィニル基等を挙げることができ、これらは更に置換基を有していても良い。一般式VIの化合物の中でも好ましいものは、n=1のものであり、またA、L、Bのうち少なくとも1つが芳香族ヘテロ環であるものが好ましい。さらにはイオン性親水性基が2から4個含まれるものが好ましい。
代表的な化合物(解凝集剤)を以下に示す。
Figure 2007098661
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インクジェット用インクは、親油性媒体や水性媒体中に色材を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。水性媒体を用いる場合、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有される。
その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
乾燥防止剤はインクジェット記録方式に用いるノズルのインク噴射口において該インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用される。乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いても良いし2種以上併用しても良い。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
浸透促進剤は、インクジェット用インクを紙により良く浸透させる目的で好適に使用される。浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に5〜30質量%含有すれば通常充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチ・ディスクロージャー、No.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチ・ディスクロージャー、No.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
pH調整剤としては前記中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましく、pH7〜10となるように添加するのがより好ましい。
表面張力調整剤としてはノニオン、カチオン、アニオン、ベタイン界面活性剤が挙げられる。表面張力の調整剤の添加量は、インクジェットで良好に打滴するために、本発明のインクの表面張力を20〜60mN/mに調整する量が好ましく、より好ましくは20〜45mN/m、更に好ましくは25〜40mN/mに調整できる量である。界面活性剤の例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系、シリコーン系の界面活性剤も用いることができる。 これら表面張力調整剤は消泡剤としても使用することができ、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も使用することができる。
また本発明のインクジェット用インクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。水性媒体は、水を主成分とし、所望により、水混和性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。前記水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種類以上を併用してもよい。
本発明のインクジェット用インクは、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。また、イエロー、マゼンタ、シアン色調インク以外のレッド、グリーン、ブルー、白色インクやいわゆる印刷分野における特色インク等を用いることができる。
本発明に好ましく用いられるインクジェット記録装置について説明する。図1に示すインクジェット記録装置10は、用紙11に対してインクを吐出して付着させることにより画像を記録する記録ヘッド12を備えている。記録ヘッド12は、インクを吐出する吐出口が形成された複数のノズルを備えており、これら複数のノズルの吐出口が配列された吐出面が用紙11の記録面と対面するように配置される。記録ヘッド12は、用紙11の幅方向(主走査方向X)に移動自在なキャリッジ13に取り付けられており、キャリッジ13の底面に形成された開口から前記吐出面が露呈される。記録ヘッド12は、キャリッジ13の移動に伴って用紙11の幅方向に沿って往復動しながら、画像をライン記録する。この記録ヘッド12が1往復動する毎に、図示しない搬送ローラによって用紙11が副走査方向Yへ、記録ヘッド12の1往復動による記録幅分送られる。こうした動作が繰り返されて、1画面分の画像が記録される。
キャリッジ13は、ガイド棒14a、14bにスライド自在に取り付けられており、ベルト16と1対のプーリ17とからなるベルト機構18によって駆動される。キャリッジ13には、記録ヘッド12の上方に、例えば、Y、M、C、Kの4色のインクがそれぞれ収納された4つのインクカートリッジ21が着脱自在に装着される。キャリッジ13には、各インクカートリッジ21が差し込まれる複数のスロットが形成されている。
インクカートリッジ21は、その下面をスロットの床面に向けて装着される。インクカートリッジ21がキャリッジ13に装着されると、インクカートリッジ21と記録ヘッド12とがインク供給路を通じて接続される。記録ヘッド12には、各ノズルに対応してピエゾ素子によって駆動される振動板が設けられており、この振動板の振動による圧力変化により、インクカートリッジ21内のインクがノズルへ吸引され、吐出口から噴射される。
キャリッジ13は、記録動作時以外は、記録紙11の搬送路外へ退避して待機する。この待機位置は、キャリッジ13のホームポジションとなり、インクカートリッジ21の交換はこのホームポジションで行われる。ホームポジションには、記録ヘッド12の吐出面を下方から覆って吐出面から漏れ出たインクを受けるヘッドキャップ26が配置されている。このヘッドキャップ26の吐出面と対面する位置には、ノズルの先端に詰まったインクを吸引するための吸引面26aが配置されている。ヘッドキャップ26には、吸引面21aを通じてノズルに詰まったインクを吸引して記録ヘッド12の吐出不良を回復する吐出不良回復用の吸引ポンプ27が接続されている。この吸引ポンプ27によって回収されたインクは、回収部28に回収される。
尚、図1ではシャトル型のヘッドの例を示したが、紙幅を有するラインヘッドに対しても本発明を適用することが可能である。
本発明に好ましく用いられるインクカートリッジについて説明する。図2に示すように、インクカートリッジ21は、インクを収納するケース34を備えており、このケース34は、インクを収納するインク収納室35が形成されたケース本体32と、このケース本体32の上部開口を閉じる蓋部材33とからなる。蓋部材33は、例えば、ケース本体32にインクを充填した後、上部開口からのインク漏れが生じないようにケース本体32に溶着される。ケース本体32は、例えば、透明なプラスチックで形成されており、インクカートリッジ21内のインクの残量を目視で確認できるようになっている。
インク収納室35には、インクを吸収して保持するインク吸収体36が収容される。このインク吸収体36は、毛管力を発生する微細な空隙を含むスポンジ状の部材である。具体的には、発泡材料や、繊維材料などの各種の多孔質材料が使用される。本発明ではポリプロピレン類(樹脂)が好ましく用いられる。インク吸収体36は、その幅及び奥行がインク収納室35の寸法とほぼ同様であり、上面を除く外周面がインク収納室25の内壁と接触した状態で収容される。
ケース34は、記録ヘッド12の上方に配置されるので、ケース34内のインクの荷重は、記録ヘッド12に対して正圧として作用する。インク吸収体36は、その毛管力によってインクを吸収することにより、記録ヘッド12のノズル内圧を負圧(大気に対して)に維持する負圧発生部材である。これにより、記録ヘッド12内のインクが不用意にノズルから漏れ出ないようにしている。
蓋部材33には、大気導入口41が形成されている。この大気導入口41は、インクの消費量に応じた空気をインク収納室35内に取り込む。蓋部材33の上面には、曲がりくねった溝42が形成されている。この溝42の一端42aは、大気導入口41と接続されており、そこから他端42bに向かう経路上には液溜め部43が設けられている。この溝42のうち、他端42b以外の部分(図上2本の2点鎖線の間の部分)は、その上方がシール45によって封止され、他端42bだけが露呈される。この溝42は、インク収納室25内のインクが大気導入口41から漏れ出た場合に、そのインクを液溜め部43に導いて、インクカートリッジ21の外部へのインク漏れを防止する。空気は、他端42bから進入して大気導入口41に導かれる。
また、蓋部材33の下面には、下方に突出する複数のリブ46が設けられている。各リブ46は、蓋部材33がケース本体32に取り付けられると、インク収納室35内に進入して、そこに収容されたインク吸収体36の上面と当接して、インク吸収体36を押し込み、その下面をインク収納室35の床に押しつける。こうしてインク吸収体36の位置決めを行うことで、インク吸収体36と蓋部材33との間に空間が確保される。インク吸収体36は、リブ46によって位置決めされるので、インク吸収体36が位置ずれして大気導入口41を塞いでしまうことはない。
ケース34の下面には、インク収納室35からインクを取り出して、記録ヘッド12へ供給するためのインク取出部51が設けられている。インク取出部51は、例えば、ケース34の底部に形成された略円形の取出口51aと、この取出口51aから下方に向けて突出する筒状の突出部51aからなる。インク収納室35の床面には、この取出口51aの位置に、略平板形状のフイルタ54が配置される。フイルタ54は、取出口51aを通じてその下面(露呈面)54aが露呈される。
フイルタ54は、多数の小孔が網目状に配列されたメッシュフイルタであり、 取出口51aを通って外部へ取り出されるインクを濾過する。このフイルタ54を設けることにより、例えば、インク収納室35内で凝固したインクや異物が記録ヘッド12内へ流入することが防止される。フイルタ54の小孔の径は、例えば、約5μm〜20μmであることが好ましい。このように細かい目のフイルタ54を用いることで、取出口51aを通じてケース34の外部からインク収納室35内への塵や埃などのゴミの進入を確実に防止することができる。
しかし、目が細かいフイルタ54は、インク通過時の流路抵抗が大きく、吸引圧力の損失が大きい。そのため、本発明のインクカートリッジ21とインクジェット記録装置10には、インクカートリッジ21をインクジェット記録装置10に装着したときに、こうしたフイルタ54の圧力損失を軽減する工夫が施されている。
ケース34の下面には、一端がケース34に固定され他端が下方に延びて開放端となる押圧ピン56が設けられている。この押圧ピン56は、後述するように、インク供給路内のインクを加圧して、記録ヘッド12へ向かう供給方向とは反対にケース34に向かう逆流を発生させ、インク供給路からフイルタ54に向けてインクを送り込むインク加圧機構を構成する押圧部材である。こうしてインク供給路からフイルタ54に向けてインクを送り込むことで、インク供給路内のインクとケース34内のインクとが繋がり、フイルタ54の圧力損失が軽減される。
[実施例]
次に、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説明する。尚、文中、「%」とあるものは、特に断りがない限り質量基準である。
(インク接液部材)
インク接液部材として各種部材を用いて下記のインクタンク(BCI−3e(型番;キヤノン(株)製)と同形状))を作成した。
タンクA: ポリプロピレンタンクを成型した。
タンクB: ポリプロピレンに中和剤としてMg1-xAlx(OH)2(CO3x2・mH2O(0<x≦0.5)で表わされるハイドロタルサイト類化合物(協和化学工業株式会製DHT−4A)0.05%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクC: ポリプロピレンにステアリン酸カルシウム0.01%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクD: ポリプロピレンにトリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート0.2%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクE: ポリプロピレンにビス(m,p−ジメチルベンジリデン)ソルビトール0.2%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクF: ポリエチレンでタンクを成型した。
タンクG: ポリエチレンに中和剤としてMg1-xAlx(OH)2(CO3x2・mH2O(0<x≦0.5)で表わされるハイドロタルサイト類化合物(協和化学工業株式会製DHT−4A)0.05%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクH: ポリエチレンにステアリン酸カルシウム0.01%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクI: ポリエチレンにトリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート0.2%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクJ: ポリエチレンにビス(m,p−ジメチルベンジリデン)ソルビトール0.2%を混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
また、ポリプロピレンへの添加剤の比較例として、特開平10−139941号公報に記載されているリチウムアルミニウム複合水酸化合物[LiAl2(OH)62CO3・1.6H2O、及び、特開平10−87907号公報に記載されている有機リン系抗酸化剤のトリスノニルフェニルホスファイトおよびチオエーテル系抗酸化剤のチオジプロピオン酸ジラウリルエステルのそれぞれを用いて、タンクK〜タンクMを作成した。
タンクK: ポリプロピレンにリチウムアルミニウム複合水酸化合物[LiAl2(OH)62CO3・1.6H2Oを0.05%混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクL: ポリプロピレンに有機リン系抗酸化剤のトリスノニルフェニルホスファイトを0.2%混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
タンクM: ポリプロピレンにチオエーテル系抗酸化剤のチオジプロピオン酸ジラウリルエステルを0.2%混合し、混練してペレットを製造しタンクを成型した。
(インク組成物Xの調製)
[ABC型トリブロック共重合体(ポリマーS)の合成]
ガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃で加熱して吸着水を除去し室温に戻した。1−イソブチルビニルエーテル、酢酸エチル、1−イソブトキシエチルアセテート、およびトルエンを加え、系内温度0℃にてエチルアルミニウムセスキクロライドを加え重合を開始し、トリブロック共重合体のA成分を合成した。A成分の重合が完了した後、B成分である2−メトキシエチルビニルエーテルを添加し重合させた。
次いでC成分である4−[2−ビニルオキシエトキシ]安息香酸エチルを添加して合成を行い、重合反応の停止は、系内に0.3%のアンモニア/メタノール溶液を加えて行なった。得られたトリブロック共重合体の数平均分子量(Mn)40,000、分子量分布の程度を示す重量平均分子量(Mw)/数平均分子量比(Mw/Mn)は1.2であった。また、これらのトリブロック共重合体のC成分のエステル部分は5倍当量の水酸化ナトリウム水溶液とメタノール混合溶媒中で加水分解し、溶媒を留去し、カルボン酸型のポリマーSを得た。
Pigment Red 122(C.I.ピグメントレッド122)〔チバスペシャルティケミカルズ(株)製、商品名:CROMOPHTAL Jet Magenta DMQ〕の1部とアセトン99部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99部に前記ポリマーSの1部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体を得た。この色材分散体をビーズミルで分散処理し、ジエチレングリコール2部、グリセリン2部、トリエタノールアミン1部、オルフィンE1010(日信化学工業(株)製)0.5部およびトリエチレングリコールモノブチルエーテル1部、全量が50部になる量のイオン交換水を添加し本発明のインク組成物Xを得た。
比較例インク[インク組成物Yの作製]
ポリマーSの代わりにn−ブチルメタクリレート−メタクリル酸ブロック共重合体(数平均分子量30,000)を1部用いて、顔料はインクXと同様のものを1部用い、その他は水性インクXと同様の方法で比較例のインク組成物Yを調製した。
(吐出精度評価)
表1に示すインク接液部材からなるインクタンク(BCI−3e(型番;キヤノン(株)製)と同形状))に、表1に示す顔料インク組成物を注入し、70℃環境下に2週間放置した。インクジェット記録装置として、市販のインクジェット記録プリンターPIXUS6500i(商品名:キヤノン(株)製)を用い、上記条件のインクタンクを用いて、連続でA4のPM写真用紙光沢(セイコーエプソン(株)製)に50%Dutyベタをインク消費量が10mLになるまで連続で印字した。引続き、ライン状に同一ノズルからドット打滴を1000発行った。紙面上で目標着弾位置と着弾インクの重心との差を計測し、1000発データから標準偏差を求めた。また、着弾インクの面積を計測し、1000発データから標準偏差を求めた。実験101の標準偏差の値を100に規格化して表2に記載した。数字が小さいほどバラツキが小さく好ましいことを表す。
Figure 2007098661
実験101〜110から判るように、比較インク組成物Yを用い、高温条件下で保存した後のインク吐出精度評価では、インク接液部材としてのポリエチレン類やポリプロピレン類の吐出精度に与える影響は小さいと言える。実験111および116から判るように、本発明のインクXを用いてもインク接液部材がポリエチレンおよびポリプロピレンの場合、吐出精度に与える影響は小さいことが判る。実験111〜115から判るように、本発明のインク組成物Xを用いインク接液部材としてポリエチレン類を用いると吐出精度がわずかに向上したことが判る。一方、実験116〜120から判るように、本発明のインク組成物Xを用いインク接液部材として本発明のポリプロピレン類を用いると顕著に吐出精度が向上したことが判る。また、実験121〜123から判るように、本発明ではない添加剤を加えたポリプロピレン類とインクとして本発明のインク組成物Xとの組合せでは有効でないことが判る。
インク組成として、水溶性平面状化合物P−1を2%添加したインクを調製した。添加の有無は表2に示した。
Figure 2007098661
実験201〜204と実験205〜208を比較して判るように、インクが比較インク組成物Yの場合やインク接液部材がポリエチレンの場合、水溶性平面状化合物をインクに添加する影響は小さいことが判る。インク組成物とインク接液部材とも発明の場合、水溶性平面状化合物をインクに添加すると吐出精度が向上したことが判る。
高分子分散剤を用いる方法の比較例として、室温での皮膜形成性を有する転相乳化法による高分子分散剤として特開2000−7961号公報、酸析法によるアニオン性基含有高分子分散剤として特開平11−199783号公報、転相乳化法によって合成される高分子微粒子に色材を含浸させてなるポリマーエマルジョンを用いる方法として特開2000−53897号公報に基づいて比較例のインク組成物を調製した。
上記部材と比較例のインク組成物の組合せでは、吐出精度の改良効果は認められなかった。
不溶性色材として上記実施例1および実施例2のC.I.ピグメントレッド122に変えて、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー42、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー83:1、C.I.ソルベントイエロー88、およびC.I.ソルベントイエロー151を用い、インク処方として不溶性色材1部、本発明のポリマーSの1部、ジエチレングリコール3部、グリセリン1部、全量が100部になる量のイオン交換水を添加しインク組成物を得た。このインクを用いて、上記実施例1ないし実施例3の条件で評価したところ、良好な性能を示した。
不溶性色材として上記実施例1および実施例2のC.I.ピグメントレッド122に変えて、C.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド83:1、C.I.ソルベントレッド91、C.I.ソルベントレッド127、およびC.I.ソルベントレッド218を用い、インク処方として不溶性色材1部、本発明のポリマーSの1部、ジエチレングリコール3部、グリセリン1部、全量が100部になる量のイオン交換水を添加しインク組成物を得た。このインクを用いて、上記実施例1ないし実施例3の条件で評価したところ、良好な性能を示した。
不溶性色材として上記実施例1および実施例2のC.I.ピグメントレッド122に変えて、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー38、C.I.ソルベントブルー44、C.I.ソルベントブルー67、およびC.I.ソルベントブルー70を用い、インク処方として不溶性色材1部、本発明のポリマーSの1部、ジエチレングリコール3部、グリセリン1部、全量が100部になる量のイオン交換水を添加しインク組成物を得た。このインクを用いて、上記実施例1ないし実施例3の条件で評価したところ、良好な性能を示した。
不溶性色材として上記実施例1および実施例2のC.I.ピグメントレッド122に変えて、C.I.ソルベントブラック3、C.I.ソルベントブラック27、C.I.ソルベントブラック29、およびC.I.ソルベントブラック45を用い、インク処方として不溶性色材1部、本発明のポリマーSの1部、ジエチレングリコール3部、グリセリン1部、全量が100部になる量のイオン交換水を添加しインク組成物を得た。このインクを用いて、上記実施例1ないし実施例3の条件で評価したところ、良好な性能を示した。
不溶性色材として上記実施例1および実施例2のC.I.ピグメントレッド122に変えて、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントイエロー184、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントグリーン36、およびC.I.ピグメントブルー15:3について、上記実施例1ないし実施例3の条件で評価したところ、良好な性能を示した。
不溶性色材として上記実施例1および実施例2のC.I.ピグメントレッド122に変えて、アニオン性染料とカチオン性界面活性剤のイオンコンプレックスからなる色について、上記実施例1ないし実施例3の条件で評価したところ、良好な性能を示した。
上記実施例1および実施例2の本発明のインク組成物Xのグリセリンをテトラヒドロフランに変えて、上記実施例1ないし実施例3の条件で評価したところ、グリセリンと比較して更に良好な性能を示した。
インク接液部材の比較実験として、ポリアセタール、不飽和ポリエステル、PS、PET、PVCを用いてタンクを作成し、上記実施例1ないし実施例3の条件で評価した。上記部材と本発明のインク組成物の組合せで、吐出精度の改良効果は認められなかった。
インクタンク(BCI−3e(型番;キヤノン(株)製))に適合したインク吸収体について、実施例1のタンクA〜タンクMと同じインク接液部材でインク吸収体を作成した。
実施例1と同様の実験を行ったところ、本発明のインク組成物と本発明のインク接液部材の組合せで良好な吐出精度が得られた。
図1は本発明の好ましいインクジェット記録装置の1例である。 図2は図1に用いられるインクカートリッジの構造図である。
符号の説明
11:用紙
14a、14b:ガイド棒
16:ベルト
17:プーリ
18:ベルト機構
26:ベルトキャップ
26a:吸引面
27:吸引ポンプ
42a:溝の一端
42b:溝の他端
43:液溜め部
46:リブ
51:インク取出部
56:押圧ピン
X:主走査方向
Y:副走査方向

Claims (15)

  1. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材を含むインクユニットにおいて、該インクは水不溶性色材、水溶性有機溶剤、疎水性ブロックの少なくとも1種と親水性ブロックの少なくとも1種とをそれぞれ有するブロック共重合体からなる高分子分散剤、及び水を含有し、且つ該インク接液部材の主成分が、下記一般式(X)で表されるハイドロタルサイト類化合物を添加して得られるポリプロピレン類であることを特徴とするインクユニット。
    一般式(X)
    [A1-xx(OH)2x+[Exn・mH2O]x-
    一般式(X)中のAは二価金属であり、Dは三価金属であり、Eはn価のアニオンであり、mは整数であり、xは0<x≦0.5である。
  2. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクは水不溶性色材、水溶性有機溶剤、疎水性ブロックの少なくとも1種と親水性ブロックの少なくとも1種とをそれぞれ有するブロック共重合体からなる高分子分散剤、及び水を含有し、該インク接液部材の主成分が脂肪酸及び/又は脂肪酸誘導体類を添加して得られるポリプロピレン類であることを特徴とするインクユニット。
  3. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクは水不溶性色材、水溶性有機溶剤、疎水性ブロックの少なくとも1種と親水性ブロックの少なくとも1種とをそれぞれ有するブロック共重合体からなる高分子分散剤、及び水を含有し、該インク接液部材の主成分がフェノール系酸化防止剤を添加して得られるポリプロピレン類であることを特徴とするインクユニット。
  4. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクは水不溶性色材、水溶性有機溶剤、疎水性ブロックの少なくとも1種と親水性ブロックの少なくとも1種とをそれぞれ有するブロック共重合体からなる高分子分散剤、及び水を含有し、該インク接液部材の主成分がベンジリデンソルビトール類を添加して得られるポリプロピレン類であることを特徴とするインクユニット。
  5. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水不溶性色材がC.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー42、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー83:1、C.I.ソルベントイエロー88、およびC.I.ソルベントイエロー151からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクユニット。
  6. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水不溶性色材がC.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド83:1、C.I.ソルベントレッド91、C.I.ソルベントレッド127、およびC.I.ソルベントレッド218からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクユニット。
  7. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水不溶性色材がC.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー38、C.I.ソルベントブルー44、C.I.ソルベントブルー67、およびC.I.ソルベントブルー70からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクユニット。
  8. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水不溶性色材がC.I.ソルベントブラック3、C.I.ソルベントブラック27、C.I.ソルベントブラック29、およびC.I.ソルベントブラック45からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクユニット。
  9. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水不溶性色材がC.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントイエロー184、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントグリーン36、およびC.I.ピグメントブルー15:3からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクユニット。
  10. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水不溶性色材がアニオン性染料とカチオン性界面活性剤のイオンコンプレックスからなる色材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクユニット。
  11. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる高分子分散剤がインクのpHが低下することにより高分子鎖が会合を起こし得るpH刺激応答性を有し、且つ、インク中に、高分子分散剤がpH刺激応答性を示すpHより+0.1〜+3.0のpHの範囲内に緩衝領域を有するpH緩衝剤を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクユニット。
  12. インクジェット記録装置に用いられるインクと接液する接液部材において、該インクに含まれる水溶性有機溶剤が環状エーテルを少なくとも含有化合物あるいは多価アルコールのモノアルキルエーテルを少なくとも含有化合物であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインクユニット。
  13. 前記インク接液部材がインクタンク及び/又はインクジェットカートリッジのインク接液部材であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインクユニット。
  14. 前記インク接液部材がインク吸収体のインク接液部材であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインクユニット。
  15. 前記インク接液部材がインク供給系のチューブ及び/又はヘッドの共通流路及び/又はヘッドの圧力室及び/又はヘッドのノズルのインク接液部材であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインクユニット。
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