JP2007016224A - インクジェット用インク、インクジェット用インクの製造方法、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及びイエローインク - Google Patents

インクジェット用インク、インクジェット用インクの製造方法、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及びイエローインク Download PDF

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Abstract

【課題】ブリーディングの抑制及び発色性に優れたインクジェット用インク、該インクを経済的に且つ環境保護の点からも好適な手段で製造する方法、ブリーディングの発生の抑制及び発色性に優れた画像を与えるインクジェット記録方法の提供。
【解決手段】水、色材、及び水溶性有機溶剤を含有してなるインクジェット用インクであって、色材が、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー132、及びC.I.ダイレクトイエロー59からなる群から選択される1種以上の染料、並びにC.I.ピグメントイエロー74であり、水溶性有機溶剤が、該C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒を含み、インクの表面張力が、34.0mN/m以上であるインクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インク、インクジェット用インクの製造方法、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及びイエローインクに関する。
インクジェット記録方法は、インクを普通紙や光沢メディア等の記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。又、その記録物の高画質化が進んだことに加えて、デジタルカメラの急速な普及に伴い、銀塩写真と同等の画像を出力する方法として広く一般的になっている。このような環境の中で、時代のニーズに合った記録物を提供するために、インクジェット記録方法に用いられるインクの特性は勿論のこと、色材の特性を工夫することが行われている。
インクジェット用のイエローインクに用いる色材は、色材のマイグレーションが発生しにくい、即ち、画像の色調変化や褪色の発生が起こりにくいことが期待される。このような特性を有する染料として、C.I.ダイレクトイエロー86やC.I.ダイレクトイエロー173を用いることに関する提案がある(特許文献1及び2参照)。
又、染料に比べて発色性には劣るが、画像の耐水性等に優れる顔料をインクの色材として用いることが行われている。中でも、C.I.ピグメントイエロー74の発色性は、他のイエローの色相を有する顔料に比べて優れている。このため、イエローインクの色材としてC.I.ピグメントイエロー74を用いることに関する数多くの提案がある(特許文献3及び4参照)。更に、インクの保存安定性や発色性の向上を目的として、色材として染料及び顔料を併用することについての提案がある(特許文献5参照)。
特開平2−233781号公報 特開平4−233975号公報 特開平11−199811号公報 特開2000−281952公報 特公昭60−45667号公報
しかし、インクジェットに関する技術の向上に伴って、近年では、インクジェット記録方法により得られる画像の画質に関して、従来よりも高いレベルの記録物を出力することが要求されるようになってきた。特に、オフィスで用いる記録物は、粉体トナーを用いるレーザープリンターによる記録物のように高い発色性を有し、更には、色間の滲み(ブリーディング)が抑制された記録物とすることが要求されている。
例えば、ユーザーによっては、色材として上記したような染料を用いて高速で画像を形成する場合、記録を行う環境や記録媒体の種類によっては、得られた記録物に対して満足し得ない場合があることがわかった。即ち、イエローインクで形成する画像に隣接して他のインク(特に、ブラックインク)で画像を形成する場合等に、異なる色の領域の境界において色が滲むことやインクが不均一に混合することにより、画像の品位が低下する現象が発生する場合がある。一方、普通紙に形成した画像における耐光性や耐水性等の堅牢性を得ることを目的として、色材として顔料を用いる場合に、以下のような問題が起きる場合がある。即ち、例えば、発色性に優れるという特性を有するC.I.ピグメントイエロー74を用いても、画像の発色性、特に、イエローインク及びマゼンタインクで形成する赤色の画像の彩度が十分に得られない場合がある。そこで、本発明者らは、従来のインクジェット用インクよりもブリーディングを抑制することができ、更には発色性にも優れた画像を提供することが重要であることを認識した。
以上のようなことから、本発明が解決すべき第1の課題は、ブリーディングが抑制され、更には発色性にも優れた画像を与える新規なインクジェット用インクを提供することである。より好ましくは、例えば、ブラックインクで形成する画像に隣接してイエロ−インクで画像を形成する場合等に、ブリーディングが抑制された画像を与える新規なインクジェット用インクを提供することである。又、本発明が解決すべき第2の課題は、ブリーディング抑制され、更には発色性にも優れた画像を与えるインクジェット用インクを、経済的に且つ環境保護の点からも好ましい手段で製造する方法を提供することである。更に、本発明が解決すべき第3の課題は、ブリーディングが抑制され、更には発色性にも優れた画像を与えるインクジェット用インクを用いたインクジェット記録方法及びインクカートリッジを提供することである。
本発明者らは、前記したような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったものである。即ち、本発明の第1の課題を解決するための手段は、水、色材、及び水溶性有機溶剤を含有してなるインクジェット用インクであって、上記色材が、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー132、及びC.I.ダイレクトイエロー59からなる群から選択される1種以上の染料、並びに、C.I.ピグメントイエロー74であり、上記水溶性有機溶剤が、C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒を含み、上記インクの表面張力が、34.0mN/m以上であることを特徴とするインクジェット用インクである。
又、第1の課題を解決するための別の手段は、水、カーボンブラック、及び水溶性有機溶剤を含有してなるブラックインクと共に用いられるイエローインクであって、水、色材、及び水溶性有機溶剤を含有してなり、該色材として、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー132及びC.I.ダイレクトイエロー59からなる群から選択される1種以上の染料、並びに、C.I.ピグメントイエロー74を含有し、上記水溶性有機溶剤が、該C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒を含み、且つ、上記インクの表面張力が、34.0mN/m以上であることを特徴とするイエローインクである。
又、第2の課題を解決するための手段は、上記した構成のインクジェット用インクを得るインクジェット用インクの製造方法であって、C.I.ピグメントイエロー74、及び前記C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒を含有してなり、且つ表面張力が34.0mN/m以上であるインクを収容するインクカートリッジに、色材として、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー132及びC.I.ダイレクトイエロー59からなる群から選択される1種以上の染料を含有してなるインクジェット用インクを注入する工程を有することを特徴とするインクジェット用インクの製造方法である。
又、第3の課題を解決するための手段は、上記インクジェット用インク、イエローインク、又は上記のインクジェット用インクの製造方法により得られたインクジェット用インクを用いるインクジェット記録方法、及び、上記何れかのインクジェット用インクを収容するインクカートリッジである。
本発明によれば、ブリーディングが抑制され、更に、画像の発色性、特に、赤色の彩度が向上した画像を与えることができるインクジェット用インク及びイエローインクを提供することができる。又、かかるインクを、インクカートリッジに残留しているインクジェット用インク等を再利用することで、経済的に且つ環境保護の点からも好ましい手段で製造することができるインクジェット用インクの製造方法を提供することができる。更に、ブリーディングが抑制され、更に、画像の発色性、特に、赤色の彩度が向上した画像を与えることができるインクジェット記録方法及びインクカートリッジを提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。以下、本発明においては、インクジェット用インクのことを「インク」、又、C.I.ピグメントイエロー74のことを「イエロー顔料」と称することがある。本発明にかかるインクは、イエローの色相を有するインクであり、色材として、特定の染料及び特定のイエロー顔料を含有することが必要である。前記染料には、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー132及びC.I.ダイレクトイエロー59からなる群から選択される1種以上を用いる。又、前記イエロー顔料には、C.I.ピグメントイエロー74を用いる。更に、本発明にかかるインクは、水溶性有機溶剤として上記C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒を含有してなること、及び、インクの表面張力が34.0mN/m以上であることが必要である。
一般に、色材として顔料を含有するインクを用いて形成した画像は、色材として染料を含有するインクを用いて形成した画像よりも、耐光性や耐水性等の堅牢性には優れるが、発色性が十分に得られない場合がある。このため、前記した特許文献5に記載の発明のように、堅牢性及び発色性を共に優れたものとするために、色材として染料及び顔料を併用することはこれまでにも行われてきた。しかし、本発明者らが検討を行った結果、以下のことがわかった。即ち、染料及び顔料を単に併用するだけでは、色材として染料又は顔料を含有する従来のインクと比べて、本発明の目的である優れた発色性を得ること及びブリーディングの抑制という点で大きな効果が得られるレベルには至らないことがわかった。
そこで、本発明者らが更に検討を行った結果、インク中に、顔料に対する貧溶媒を含有させることで、上記した本発明の効果が顕著に得られるようになることを知見した。特に、イエローの色相を有するインクの場合、インク中の染料及び顔料の種類やそれらの含有量の比を特定の関係とすることによって、ブリーディングの抑制や、発色性、特に赤色の画像の彩度を優れたものとする効果がより顕著に得られることがわかった。
本発明にかかるインクを用いることで、発色性に優れた画像となる効果が顕著に得られる理由は明確ではないが、本発明者らは、優れた発色性が得られる理由を、次のように推測している。インク中にイエロー顔料に対する貧溶媒を含有させることで、該インクを記録媒体に付与した後に、インク中の水分の蒸発や浸透に伴うイエロー顔料の凝集が急速に起こる。この結果、記録媒体の表面近傍に生成したイエロー顔料の凝集物が、記録媒体の深さ方向への染料の浸透を抑制する。更に、染料が記録媒体の表面近傍に存在するイエロー顔料の凝集物の隙間を染色することにより、画像の染着率が向上するためであると推測している。
本発明にかかるインクを用いることで、ブリーディングを抑制できる理由は明確ではない。しかし、ブリーディングを抑制できる理由を、本発明者らは次のように推測している。本発明にかかるインクを記録媒体に付与した場合、インク中の染料は、インクが記録媒体に付着した後に従来のインクと同じように繊維に沿って広がる。一方で、インク中のイエロー顔料は、インクが記録媒体に付着した直後の水の蒸発に伴い、インク中におけるイエロー顔料及び貧溶媒の比率が急激に上昇するため、凝集物が生成する(図3(a)及び(b)参照)。この凝集物は、インク中における貧溶媒の比率が高くなるのにつれて急速に生成するため、ドットの中心部ではなくドットの外縁部分に、あたかもイエロー顔料の土手を形成するかのように生成する。この結果、染料の横方向への広がりを抑制できる(図3(c)参照)。このようなメカニズムにより、本発明にかかるインクで形成したドット(画像)に隣接するように他のインクを付与する場合でも、色材として染料及びイエロー顔料を共に含有するだけの従来のインクと比較してブリーディングを抑制できると考えている。
このとき、以下の構成とすることで、より効果的にブリーディングを抑制できると考えられる。即ち、本発明のイエローインクをブラックインクとを併用し、ブラックインクの色材として、カーボンブラックを用い、上記で説明した本発明にかかるインクをイエローインクとして用いる。このとき、ブラックインクに、色材であるカーボンブラックに対する貧溶媒を含有させたものを用いることが好ましい。更には、かかるブラックインクと共に用いるイエローインク中のC.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒が、該ブラックインク中のカーボンブラックに対する貧溶媒である場合、特に効果的にブリーディングを抑制できるので好ましい。上記したような構成とすることで、特に効果的にブリーディングを抑制できる理由は以下のようなであると考えられる。即ち、記録媒体上、又は記録媒体の内部(深さ方向)に浸透した箇所で互いの色材が接触する際に、急速に凝集体が形成されることにより、互いの色材が実質的に混合しないためであると推測している。特に、上記の構成のブラックインクにおいて、カーボンブラックが、カーボンブラック粒子の表面に少なくとも1つのイオン性基が直接又は他の原子団を介して結合している自己分散型のカーボンブラックであることが好ましい。又、イエローインク及びブラックインクが含有する貧溶媒が、これらのインクに含まれる水溶性有機溶剤のそれぞれのKa値のうち、最大のKa値を示すものであることが特に好ましい。
ここで、ブリストウ法によって求められるKa値について説明する。この値は、液体の記録媒体への浸透性を表わす尺度として用いられる。以下、インクを例に挙げて説明する。インクの浸透性を1m2あたりのインク量Vで表わすと、インクを吐出してから所定時間tが経過した後における、インクの記録媒体への浸透量V(mL/m2=μm)は、下記に示すブリストウの式(式(1))によって示される。
V=Vr+Ka(t−tw)1/2 式(1)
記録媒体に付与された直後のインクは、そのほとんどが記録媒体表面の凹凸部分(記録媒体表面の粗さの部分)に吸収され、記録媒体の内部(深さ方向)へはほとんど浸透していない。この間の時間がコンタクトタイム(tw)であり、コンタクトタイムに記録媒体の凹凸部に吸収されたインク量がVrである。そして、インクが記録媒体に付与された後に、コンタクトタイムを超えると、このコンタクトタイムを超えた時間、即ち、(t−tw)の1/2乗に比例するインクが記録媒体の内部(深さ方向)へ浸透し、浸透量が増加する。Kaは、この増加分の比例係数であり、浸透速度に応じた値となる。
上記したKa値は、ブリストウ法による液体の動的浸透性試験装置(例えば、商品名:動的浸透性試験装置S;東洋精機製作所製)等を用いて測定することが可能である。尚、本発明におけるブリストウ法によるKa値は、普通紙を記録媒体として用いて測定した値である。普通紙の具体例としては、例えば、電子写真方式を用いた複写機やページプリンタ(レーザビームプリンタ)やインクジェット記録方式を用いたプリンタ用のPB紙(キヤノン製)、電子写真方式を用いた複写機用のPPC用紙等が挙げられる。又、測定環境は、通常のオフィス等の環境、例えば、温度20℃乃至25℃、湿度40%乃至60%を想定している。
前記したように、本発明にかかるインクを用いることで、赤色の画像の彩度を優れたものとする効果が顕著に得られるが、その理由は明確ではない。本発明者らは、優れた赤色の画像の彩度が得られる理由を、次のように推測している。
色材としてイエロー顔料を用いて画像を形成する場合は、色材として染料を用いて画像を形成する場合に比べて、画像の発色性が劣るという傾向がある。これに対し、本発明にかかるインクは、インクがイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74)に対する貧溶媒を含有しているので、従来のイエロー顔料を含有するインクに比べて、記録媒体のより表面近傍にイエロー顔料の凝集物を形成することが可能となる。従来のイエロー顔料を含有するインクに比べて、記録媒体のより表面近傍でイエロー顔料が凝集するという現象は、上記でも述べたメカニズムと同様である。即ち、インクが記録媒体に付着した直後の水の蒸発に伴い、インク中におけるイエロー顔料及び貧溶媒の比率が急激に上昇するため、凝集物が生成する。この凝集物は、インク中における貧溶媒の比率が高くなるのにつれて急速に生成するため、ドットの中心部ではなくドットの外縁部分に、あたかもイエロー顔料の土手を形成するかのように生成する。この結果、色材が横方向へ広がる前に記録媒体の表面近傍で凝集物が生成する(図3(d)及び(e)参照)。本発明のインクは、イエロー顔料とともに特定のイエロー染料を含有するが、このような現象を起こすことができる構成の顔料インクが、更に色材として染料を含有する場合には、イエロー顔料の凝集物の隙間に染料が染着する。このため、記録媒体の表面近傍において、染着率が向上する(図3(f)参照)。本発明者らは、上記したメカニズムによって、本発明のインクを用いた場合に赤色の画像の彩度が向上したものと推測している。
本発明者らの検討によれば、上記した、優れた発色性、ブリーディングの抑制、赤色の画像の彩度の向上、の3つの効果を同時に得るためには、インクの記録媒体に対する浸透速度をある程度低く抑える必要がある。より具体的には、本発明のインクは、その表面張力が、25℃において、34.0mN/m以上であることが必要である。更には、25℃において、38.0mN/m以上とすることが好ましい。インクの表面張力が34.0mN/m未満である場合、イエロー顔料の凝集速度よりもインクの記録媒体への浸透速度の方が大きくなる。このため、ブリーディングは抑制できても、十分に優れた発色性を得ることができない場合がある。又、本発明にかかるインクの表面張力は41.0mN/m以下とすることが好ましい。インクの表面張力が41.0mN/mを超える場合、インクの記録媒体での定着性が十分に得られない場合や、ブリーディングが十分に抑制できない場合がある。
ブリーディングを抑制する効果を有する従来のインクセットは、該インクセットに含まれる各インクの記録媒体への浸透速度を大きくして、各インクが記録媒体上で混色しないような構成としている。特に、カラーインクは、複数のカラーインクの間でのブリーディングを抑制するために、いわゆる浸透系のインクとすることが多い。例えば、特開2003−20428公報の実施例のように、用いる色材が、本発明で規定する色材の構成を満足するようなインクを用いる場合であっても、本発明の効果のひとつである優れた発色性を得ることはできない。これは、色材には染料及び顔料を組み合わせて用いているが、インクが更に、浸透性が大きい水溶性有機溶剤であるアルカンジオールや界面活性剤を多く含有する、いわゆる浸透系インクとなっているためである。
本発明のポイントのひとつは、上記したようなブリーディングを抑制する従来のいわゆる浸透系インクとは異なって、浸透性をある程度低く抑えても、ブリーディングを抑制できるようになったことにある。尚、本発明においては、表面張力を測定する際の温度は25℃とし、又、表面張力の測定には、協和CBVP−2式表面張力計(協和科学製)を用いた。
更に、本発明のより好ましい形態について説明する。先ず、本発明にかかるインク中の、C.I.ピグメントイエロー74の含有量をA(質量%)、C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒の含有量をB(質量%)とした場合に、Aに対するBの割合(B/A)を0.75以上4以下とする。更には、Aに対するBの割合(B/A)を1以上4以下とすることが好ましい。尚、上記A及び上記Bの値は、インク全質量を基準とした含有量(質量%)をそれぞれ示す。Aに対するBの割合(B/A)を0.75以上とすることで、記録媒体の表面近傍に、より大きなイエロー顔料の凝集物を形成させることができるようになる。このため、インク中のイエロー顔料の含有量(質量%)が4質量%以上の場合は、特に優れた発色性を得ることができる。更に、Aに対するBの割合(B/A)を1以上とすることで、インク中のイエロー顔料の含有量(質量%)が4質量%未満の場合でも、記録媒体の表面近傍に大きなイエロー顔料の凝集物を形成しやすくなる。このため、普通紙に画像を形成する場合のブリーディングを容易に抑制でき、優れた発色性が容易に得られる。又、Aに対するBの割合(B/A)を4以下とすることで、インクを長期保存する場合にも、保存安定性に優れたインクとすることができる。具体的には、インク中におけるイエロー顔料の平均粒径の変化率が小さく、インクが実質的に増粘しないことや、インク中にゲル状の沈降物が生じない等の効果を得ることができる。
又、本発明にかかるインクを記録媒体に付与する場合に優れた発色性を得るためには、以下の構成とすることが好ましい。本発明のインク中におけるC.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒の含有量をB(質量%)、C.I.ピグメントイエロー74に対する良溶媒の含有量をC(質量%)とした場合に、C:Bを10:5〜10:30とすることが好ましい。つまり、良溶媒の含有量Cを10としたときに、貧溶媒の含有量Bが5以上30以下(つまり、C/Bが0.3以上2以下)となるように構成することが好ましい。即ち、インク中における貧溶媒と良溶媒の含有量の比を上記した範囲にすることで、記録媒体の表面近傍にイエロー顔料の凝集物を形成することができ、その結果、優れた発色性を得ることができる。尚、本発明における顔料に対する貧溶媒及び良溶媒の定義や、その選択の方法は後述する。
<色材の含有量>
又、インク中における染料の含有量が多すぎる場合、従来の顔料を含有するインクに比べて画像の耐水性等が低下する可能性もある。このため、特に画像の堅牢性を重視したインクとして用いる時は、染料の含有量を適宜決定することが好ましい。本発明のインク中におけるイエロー顔料の含有量A(質量%)と染料の含有量D(質量%)の比は、以下のようにすることが好ましい。尚、含有量A及びDは、インク全質量を基準とした含有量(質量%)をそれぞれ示す。インク中の染料の含有量がイエロー顔料の含有量よりも多い場合には、インク中のイエロー顔料の含有量A(質量%)は、インク中の染料の含有量D(質量%)に対して、即ち、A/D×100%の値を7%以上34%以下とすることが好ましい。インク中におけるイエロー顔料と染料の含有量の比を7%以上にすることで、記録媒体における染料の横方向への広がりを抑制するのに十分な量の凝集体が形成され、このことにより、ブリーディングをより効果的に抑制できる。又、インク中におけるイエロー顔料と染料の含有量の比を34%以下にすることで、記録媒体における染料を付与した部分とイエロー顔料を付与した部分の耐光性の差により生じる画像の劣化の程度にほとんど差がなくなる。このため、画像を長期間保存する場合に、記録媒体における染料を付与した部分とイエロー顔料を付与した部分の褪色バランスが揃った画像とすることができる。
又、インク中のイエロー顔料の含有量が染料の含有量よりも多い場合には、インク中の染料の含有量D(質量%)は、インク中のイエロー顔料の含有量A(質量%)に対して、即ち、D/A×100%の値を5%以上25%以下とすることが好ましい。インク中におけるイエロー顔料と染料の含有量の比を5%以上にすることで、優れた発色性を得ることができる。又、インク中におけるイエロー顔料と染料の含有量の比を25%以下にすることで、記録媒体における染料を付与した部分とイエロー顔料を付与した部分の耐光性の差により生じる画像の程度にほとんど差がなくなる。このため、画像を長期間保存する場合に、記録媒体における染料を付与した部分とイエロー顔料を付与した部分の褪色バランスが揃った画像とすることができる。
本発明にかかるインク中におけるイエロー顔料の含有量及び染料の含有量は、具体的には、それぞれ以下のようにすることが好ましい。先ず、インク中の染料の含有量がイエロー顔料の含有量よりも多い構成においては、インク中のイエロー顔料の含有量(質量%)を、インク全質量を基準として0.2質量%以上、更には0.6質量%以上、又、2質量%以下とすることが好ましい。インク中の染料の含有量がイエロー顔料の含有量よりも多い場合に、イエロー顔料の含有量が0.2質量%未満であると、優れた発色性やブリーディングを抑制するという効果が得られない場合がある。これは、記録媒体として普通紙を用いる場合に、染料が横方向に広がる現象を抑制する作用が十分に得られないためである。又、インク中の染料の含有量がイエロー顔料の含有量よりも多い構成においては、インク中の染料の含有量(質量%)を、インク全質量を基準として3.0質量%以上3.4質量%以下とすることが好ましい。インク中の染料の含有量がイエロー顔料の含有量よりも多い場合に、染料の含有量が3.0質量%未満であると、優れた発色性が得られない場合があり、又、染料の含有量が3.4質量%を超えると、優れた堅牢性が得られない場合があるためである。
一方で、インク中のイエロー顔料の含有量が染料の含有量よりも多い構成においては、インク中のイエロー顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として4.0質量%以上6.0質量%以下とすることが好ましい。インク中のイエロー顔料の含有量が染料の含有量よりも多い場合に、イエロー顔料の含有量を4.0質量%以上とすることで、優れた発色性を得ることができる。又、インク中のイエロー顔料の含有量が染料の含有量よりも多い場合は、インク中の染料の含有量(質量%)を、インク全質量を基準として、0.2質量%以上、更には0.6質量%以上、又、1.1質量%以下とすることが好ましい。インク中のイエロー顔料の含有量が染料の含有量よりも多い場合に、染料の含有量を0.6質量%以上とすることで、染料が記録媒体の表面近傍に存在するイエロー顔料の凝集物の隙間を染色することができ、優れた発色性を得ることができる。
<貧溶媒及び良溶媒の定義>
本発明にかかるインクは、C.I.ピグメントイエロー74を、水及び水溶性有機溶剤とを混合してなる水性媒体に分散した状態で含有してなる。前記C.I.ピグメントイエロー74は、以下のものを用いることができる。例えば、顔料粒子の表面に少なくとも1つのイオン性基が直接又は他の原子団を介して結合している自己分散型顔料、分散剤や界面活性剤等により水性媒体に分散している樹脂分散型顔料等が挙げられる。本発明においては、前記したような状態でインク中に存在するC.I.ピグメントイエロー74分散体の分散状態を安定に保つことができる水溶性有機溶剤を良溶媒、分散状態を安定に保つことができない水溶性有機溶剤を貧溶媒と定義する。
より具体的には、下記のようにして、C.I.ピグメントイエロー74分散体に対して、用いる水溶性有機溶剤が貧溶媒又は良溶媒になっているかの判定を行う。先ず、下記に挙げた、判定対象の水溶性有機溶剤を含有する、C.I.ピグメントイエロー74分散体の分散液X、及び該顔料分散体の水分散液Y、の2種類の分散液を調製する。
分散液X:判定対象としての水溶性有機溶剤が50質量%、C.I.ピグメントイエロー74、又は該C.I.ピグメントイエロー74及びその分散に寄与する物質の総量が5質量%、水が45質量%である組成の分散液。
水分散液Y:C.I.ピグメントイエロー74、又は該C.I.ピグメントイエロー74及びその分散に寄与する物質の総量が5質量%、水が95質量%である組成の水分散液。
次に、分散液Xを60℃で48時間保存した後のC.I.ピグメントイエロー74の平均粒径を測定する。又、同様にして水分散液YのC.I.ピグメントイエロー74の平均粒径を測定する。そして、分散液X及び水分散液YのそれぞれのC.I.ピグメントイエロー74の平均粒径を、粒径(A)、粒径(B)とする。このときに、粒径(A)が粒径(B)よりも大きい場合、前記水溶性有機溶剤を貧溶媒、粒径(A)が粒径(B)と同等又はそれ以下の場合には良溶媒と判定する。
尚、上記では、C.I.ピグメントイエロー74分散体に対する貧溶媒及び良溶媒の判定方法として説明を行ったが、顔料がカーボンブラックである場合も上記と同様の方法により、貧溶媒及び良溶媒の判定を行うことができる。本発明で用いた貧溶媒である水溶性有機溶剤の具体例としては、ポリエチレングリコール1000(平均分子量1,000のポリエチレングリコール)、2−ピロリドン、1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。又、良溶媒である水溶性有機溶剤の具体例としては、グリセリン、エチレングリコール等が挙げられる。勿論、本発明で用いることができる貧溶媒及び良溶媒はこれらに限られるものではない。
<インクジェット用インク>
次に、本発明にかかるインクを構成する各成分について、それぞれ説明する。[色材]
本発明にかかるインクは色材として、顔料であるC.I.ピグメントイエロー74を含有することが必要である。本発明において、顔料の中でもC.I.ピグメントイエロー74を用いる理由を以下に述べる。上記で説明した本発明の効果であるブリーディングが抑制され、発色性に優れた画像を得ることができる顔料は、特にC.I.ピグメントイエロー74に限られるものではない。C.I.ピグメントイエロー74は、他のイエローの色相を有する顔料に比べて発色性が高い反面、耐光性が染料と同等に低いという特性を有する。このため、記録物を長期間保存する際の褪色バランスが崩れにくいという効果を得ることができると考えられる。そこで、本発明においては、顔料としてC.I.ピグメントイエロー74を用いることとした。
更に、本発明にかかるインクは上記したC.I.ピグメントイエロー74に加えて、特定の染料を含有することが必要である。前記特定の染料とは、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー132及びC.I.ダイレクトイエロー59からなる群から選択される1種以上の染料のことである。これらの染料は、何れも発色性に優れる等の特性を有するものである。このため、これらの染料を用いることで、近年、インクジェット用インクに要求される銀塩写真と同等の画像を形成することが可能となる。
(C.I.ピグメントイエロー74)
本発明にかかるインクが含有するC.I.ピグメントイエロー74は、その分散方法にかかわらずに用いることができる。例えば、分散剤を用いて分散する樹脂分散タイプの顔料(樹脂分散型顔料)や、界面活性剤によって分散する界面活性剤分散タイプの顔料を用いることができる。又、顔料粒子の表面にイオン性基を導入して分散剤等を用いることなく分散可能とした自己分散タイプの顔料(自己分散型顔料)を用いることができる。更には、顔料粒子の表面を有機高分子類で被覆すること等により分散性を高めたマイクロカプセル型顔料や、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基を化学的に結合して改質したポリマー結合型自己分散型顔料を用いることができる。勿論、本発明においては、上記に挙げた分散方法の異なる顔料を組み合わせて用いることもできる。以下、本発明で用いることができる顔料について説明する。
〔樹脂分散タイプの顔料〕
本発明にかかるインクが含有するC.I.ピグメントイエロー74には、先に述べたように、樹脂分散タイプの顔料を用いることができる。この場合には、疎水性である顔料を分散剤や界面活性剤等を用いて水性媒体に分散することが好ましい。この際に用いる分散剤又は界面活性剤は特に限定されるものではなく、以下に挙げるようなものを用いることができる。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤又はノニオン系界面活性剤を用いることができる。アニオン系界面活性剤は、以下のものを用いることができる。具体的には、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、又はこれらの置換誘導体等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤は、以下のものを用いることができる。具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、又はこれらの置換誘導体等が挙げられる。
分散剤は、以下のものを用いることができる。具体的には、例えば、スチレン又はその誘導体、ビニルナフタレン又はその誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、
アクリル酸又はその誘導体、マレイン酸又はその誘導体、イタコン酸又はその誘導体、フマール酸又はその誘導体、
酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、アクリルアミド、又はその誘導体等から選ばれた少なくとも2つの単量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)で構成されるブロック共重合体、ランダム共重合体及びグラフト共重合体、
又はこれらの塩等が挙げられる。更に、ブロック共重合体及びランダム共重合体等を組み合わせて用いることもできる。
〔マイクロカプセル型顔料〕
本発明にかかるインクが含有するC.I.ピグメントイエロー74には、先に述べたように、顔料粒子の表面を有機高分子類で被覆すること等により分散性を高めたマイクロカプセル型顔料を用いることができる。
〔自己分散型顔料〕
本発明にかかるインクが含有するC.I.ピグメントイエロー74には、先に述べたように、顔料粒子の表面にイオン性基を導入して分散剤等を用いることなく分散可能とした自己分散型顔料を用いることができる。自己分散型顔料は、顔料粒子の表面にイオン性基が直接又は他の原子団を介して結合しているものが挙げられる。例えば、顔料粒子の表面に導入したイオン性基が、−COOM、−SO3M及び−PO3H(M)2(式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムである)からなる群から選ばれるもの等であることが好ましい。更に、前記他の原子団が、炭素原子数1乃至12のアルキレン基、置換若しくは未置換のフェニレン基、又は置換若しくは未置換のナフチレン基等であることが好ましい。その他にも、顔料を次亜塩素酸ソーダや水中オゾン処理で酸化する方法、オゾン処理を施した後に酸化剤により湿式酸化して顔料粒子の表面を改質する方法等によって得られる、表面酸化処理タイプの自己分散型顔料を用いることができる。
〔ポリマー結合型自己分散型顔料〕
本発明にかかるインクが含有するC.I.ピグメントイエロー74には、先に述べたように、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基を化学的に結合して改質したポリマー結合型自己分散型顔料を用いることができる。ポリマー結合型自己分散型顔料は、顔料粒子の表面に、直接又は他の原子団を介して化学的に結合した官能基と、イオン性モノマーと疎水性モノマーとの共重合体との反応物を含有するものを用いることが好ましい。これは、表面を改質する際に用いる共重合体の材料であるイオン性モノマー及び疎水性モノマーとの共重合比率を適宜に変えることができ、これによって改質した顔料の親水性を任意に調整することができるためである。又、イオン性モノマー及び疎水性モノマーの種類や、両者の組み合わせを任意に変えることができるため、顔料粒子の表面に様々な特性を付与することができるためである。
[水性媒体]
本発明にかかるインクは、上記したように、顔料であるC.I.ピグメントイエロー74、特定の染料、及び、前記顔料に対する貧溶媒を含有してなることを特徴とする。それ以外のインクの成分は、従来のインクジェット用インクに使用するものを何れも用いることができる。例えば、インクが含有する上記したイエロー顔料及び染料を溶解又は分散する水性媒体は、前記イエロー顔料に対する貧溶媒を含有することを満たしていれば、下記に挙げるようなものを何れも用いることができる。
水性媒体は、水、又は、水溶性有機溶剤と水との混合媒体を用いることが好ましい。本発明にかかるインク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として3.0質量%以上50.0質量%以下とすることが好ましい。水溶性有機溶剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等の炭素原子数1乃至4のアルカノール;
N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;
アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;
グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジチオグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、トリメチロールプロパン等のような多価アルコール類;
エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルモルホリン等の複素環類;
ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物、尿素及び尿素誘導体等。
又、水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。本発明にかかるインク中の水の含有量(質量%)は、インクを安定して吐出するために適切な粘度を有し、且つ、ノズル先端における目詰まりを抑制するために、インク全質量を基準として50.0質量%以上90.0質量%以下とすることが好ましい。
[添加剤]
本発明にかかるインクには、上記した成分以外にも、界面活性剤、pH調整剤、キレート剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、消泡剤、及び、水溶性ポリマー等の種々の添加剤を含有してもよい。
界面活性剤は、例えば、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。アニオン界面活性剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、N−アシルメチルタウリン塩、
アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、
アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、
ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸ジオクチルスルホ琥珀酸塩等。
カチオン界面活性剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等がある。両性界面活性剤は、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等。
ノニオン界面活性剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系、
ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、
ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系
(例えば、川研ファインケミカル製アセチレノールEH、日信化学製サーフィノール104、82、465、オルフィンSTG等)等。
<インクジェット用インクの製造方法>
本発明にかかるインクは、本発明において必須である以下の構成要件を満足するものであればよい。即ち、色材が、特定の染料、及び、顔料としてC.I.ピグメントイエロー74を含有することが必要である。前記特定の染料とは、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー132及びC.I.ダイレクトイエロー59からなる群から選択される1種以上の染料のことである。又、水溶性有機溶剤として前記C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒を含有してなり、インクの表面張力が、34.0mN/m以上であることが必要である。本発明にかかるインクは、前記した構成要件を満足するものであればよく、その作製方法やその実施形態については特に限定されない。
本発明のインクジェット用インクは、上記した各成分を用いて常法に従って製造することができる。本発明のインクジェット用インクは、下記に説明するように、インクカートリッジに残留しているインク等を再利用することで、経済的に且つ環境保護の点からも好ましい手段による本発明にかかるインクの製造方法によっても得ることができる。
具体的には、C.I.ピグメントイエロー74、及び該C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒を含有してなるインクを収容するインクカートリッジに、特定の染料を含有するインクを注入する工程を有するインクの製造方法である。上記特定の染料とは、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー132及びC.I.ダイレクトイエロー59からなる群から選択される1種以上の染料のことである。
上記した方法でインクを製造することで、優れた性能を有する顔料であるC.I.ピグメントイエロー74及び該顔料に対する貧溶媒を含有してなるインクカートリッジを再利用することが可能となり、コストの削減が可能となる。更に、上記した方法によれば、一度インクを含有したインクカートリッジや該インクを収容するインク収容部を有するインクカートリッジへのインクの充填が容易となるという効果も更に得ることができる。
<ブラックインク>
本発明にかかるインクは、水、カーボンブラック、及び水溶性有機溶剤を含有してなるブラックインクと共に用いるイエローインクとすることが特に好ましい。このような構成とすることで、より効果的にブリーディングを抑制できると考えられる。以下、この際に使用するブラックインクを構成する各成分について説明する。
ブラックインクが含有するカーボンブラックは、その分散方法にかかわらず、何れも用いることができる。即ち、C.I.ピグメントイエロー74の分散方式と同様に、例えば、分散剤を用いて分散する樹脂分散タイプのカーボンブラック(樹脂分散型カーボンブラック)や、界面活性剤によって分散する界面活性剤分散タイプのカーボンブラックを用いることができる。又、カーボンブラック粒子の表面にイオン性基を導入して分散剤等を用いることなく分散可能とした自己分散タイプのカーボンブラック(自己分散型カーボンブラック)を用いることができる。又、カーボンブラック粒子の表面を有機高分子類で被覆すること等により分散性を高めたマイクロカプセル型カーボンブラックを用いることができる。更に、カーボンブラック粒子の表面に高分子を含む有機基を化学的に結合して改質したポリマー結合型自己分散型カーボンブラックを用いることができる。勿論、本発明においては、上記に挙げた分散方法の異なるカーボンブラックを組み合わせて用いることもできる。以下、本発明で用いることができるカーボンブラックについて説明する。
例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等の従来公知のカーボンブラックを何れも用いることができる。具体的には、以下の市販品等を用いることができる。
レイヴァン(Raven):1170、1190ULTRA−II、1200、1250、1255、1500、2000、3500、5000ULTRA、5250、5750、7000、(以上、コロンビア製);
ブラックパールズ(Black Pearls)L;
リーガル(Regal):330R、400R、660R;
モウグル(Mogul)L;
モナク(Monarch):700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、2000;
ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上、キャボット製)。
カラーブラック(Color Black)FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170;
プリンテックス(Printex):35、U、V、140U、140V;
スペシャルブラック(Special Black):4、4A、5、6(以上、デグッサ製)。
No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300;
MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学製)。
又、本発明のために別途新たに調製されたカーボンブラックを用いることもできる。尚、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子や、チタンブラック等を併用してもよい。ブラックインク中のカーボンブラックの含有量(質量%)は、ブラックインク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下、更には1.0質量%以上10.0質量%以下とすることが好ましい。
[水性媒体]
ブラックインクに用いられる水性媒体は、水、又は、水溶性有機溶剤と水との混合媒体を用いることが好ましい。そして、このブラックインクには、先に説明したカーボンブラックに対する貧溶媒を含有することが好ましい。尚、前記したカーボンブラックは、樹脂分散型のカーボンブラックや自己分散型のカーボンブラック等の分散体を含むものとする。このような構成とすることで、より効果的にブリーディングを抑制できるためである。更には、かかるブラックインクと共に用いるイエローインク中のC.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒が、ブラックインク中のカーボンブラックに対する貧溶媒である場合、特に効果的にブリーディングを抑制できるために、特に好ましい。本発明にかかるインクと共に用いるブラックインク中の水性媒体を構成する成分は、上記した好ましい構成を満たすものであれば、特に限定されるものではなく、先に説明したインクに含有させる水性媒体と同様のものを用いることができる。
[添加剤]
ブラックインクには、上記した成分以外にも、界面活性剤、pH調整剤、キレート剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、消泡剤、及び、水溶性ポリマー等の種々の添加剤を含有してもよい。かかる添加剤は、上記で説明したものと同様のものを用いることができる。
<インクジェット記録方法>
本発明にかかるインクは、特に、インクを記録信号に応じて吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法に用いる場合に良好な結果が得られる。この場合の好ましいインクジェット記録方式は、インクに熱エネルギーを作用させて記録媒体に記録を行う方式が挙げられる。
<インクカートリッジ>
本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジは、これらのインクを収容するインク収容部を有するインクカートリッジが挙げられる。以下に本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジの具体例を示す。
図1は、本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジの概略説明図であり、断面図である。図1に示すように、インクカートリッジは、上部で大気連通口112を介して大気に連通し、下部でインク供給口に連通している。インクカートリッジの内部は、負圧発生部材を収容する負圧発生部材収納室134と液体のインクを収容する実質的に密閉された液体収納室136とに仕切壁138で仕切られている。負圧発生部材収納室134及び液体収納室136は、インクカートリッジの底部付近で、仕切壁138に形成された連通孔140及び液体供給動作時に液体収納室への大気の導入を促進するための大気導入溝(大気導入路)150のみを介して連通している。負圧発生部材収納室134を構成するインクカートリッジの上壁には、内部に突出する形態で複数個のリブが一体に成形され、負圧発生部材収納室134に圧縮状態で収容される負圧発生部材と当接している。このリブにより、上壁と負圧発生部材の上面との間にエアバッファ室が形成されている。又、液体供給口114を備えたインク供給筒には、負圧発生部材より毛管力が高く且つ物理的強度の強い圧接体146が設けられており、負圧発生部材と圧接している。
図示した例では、負圧発生部材収納室内に、負圧発生部材として、ポリエチレン等オレフィン系樹脂の繊維で構成される第一の負圧発生部材132B、及び第二の負圧発生部材132Aの2つの毛管力発生型負圧発生部材が収納されている。132Cは、この2つの負圧発生部材の境界層であり、境界層132Cの仕切壁138との交差部分は、連通部を下方にしたインクカートリッジの使用時の姿勢において大気導入溝(大気導入路)150の上端部より上方に存在している。又、負圧発生部材内に収容されているインクは、インクの液面Lで示されるように、上記境界層132Cよりも上方まで存在している。
ここで、第一の負圧発生部材と第二の負圧発生部材の境界層は圧接しており、負圧発生部材の境界層近傍は他の部位と比較して圧縮率が高く、毛管力が強い状態となっている。即ち、第一の負圧発生部材の毛管力をP1、第二の負圧発生部材の持つ毛管力をP2、負圧発生部材同士の界面の持つ毛管力をPSとすると、P2<P1<PSとなっている。
図2は、本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適な、別のインクカートリッジの概略説明図であり、断面図である。図2に示すように、インクカートリッジは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色のインクをそれぞれ収容する容器41と、容器41を覆う蓋部材42とを有する。
容器41の内部は、3色のインクを収容するために、互いに平行に配置された2つの仕切板411、412により、容量がほぼ等しい3つの空間に仕切られている。これら3つの空間は、互いにインクカートリッジホルダへカラーインクカートリッジを装着する際のカラーインクカートリッジの挿入方向に沿って並んでいる。又、これら各空間に、それぞれイエローのインクを吸収して保持するインク吸収体44Y、マゼンタのインクを吸収して保持するインク吸収体44M、及びシアンのインクを吸収して保持するインク吸収体44Cが収納されている。又、負圧発生部材であるインク吸収体44Y、インク吸収体44M、インク吸収体44C内に収容されているインクは、インクの液面Lで示されるように、それぞれのインク吸収体の上部まで存在している。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例によって限定されるものではない。尚、以下の記載で、「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<インクの評価>
ここでは、本発明の実施態様のひとつであるインクについて下記のような手順で調製し、得られたインクについて下記のようにして評価を行った。
(イエロー顔料分散液の調製)
顔料(C.I.ピグメントイエロー74)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散した。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、イエロー顔料分散体を調製した。その後、顔料濃度が10%となるように水で調整してイエロー顔料分散液を得た。尚、分散剤には、酸価200、重量平均分子量10,000のスチレン−アクリル酸共重合体を、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより得られた水溶液を用いた。
(各水溶性有機溶剤の貧溶媒及び良溶媒の判定)
上記で得られたイエロー顔料分散体に対して貧溶媒及び良溶媒として作用する水溶性有機溶剤を選択するために以下の実験を行った。先ず、上記で得られたイエロー顔料分散液の固形分濃度10%水溶液を調製し、これと各水溶性有機溶剤とを用いて、以下の配合比にて貧溶媒及び良溶媒の判定用分散液X、判定用水分散液Yを調製した。
〔判定用分散液X〕
・イエロー顔料分散液 50部
・表1に記載の各水溶性有機溶剤 50部
〔判定用水分散液Y〕
・イエロー顔料分散液 50部
・純水 50部
次に、上記のようにして調製した判定用分散液X及び判定用水分散液Y各10gを、それぞれ透明なガラス製蓋つきサンプルビンに入れ、蓋をした後、充分に撹拌し、これを60℃で48時間静置した。その後、静置した分散液を測定用サンプルとして、当該分散液中の顔料の平均粒径を、濃厚系粒径アナライザー(商品名:FPAR−1000;大塚電子製)を用いて測定した。60℃、48時間保存後の判定用分散液X及び判定用水分散液Y中の顔料の平均粒径が、判定用分散液Xの方が判定用水分散液Yより大きくなる水溶性有機溶剤を貧溶媒と判定した。又、60℃、48時間保存後の判定用分散液Xの平均粒径が、判定用水分散液Yと同等又はそれ以下になる水溶性有機溶剤を良溶媒と判定した。
上記のようにして平均粒径を測定することで、表1に示した4種類の水溶性有機溶剤について、先に調製したイエロー顔料分散液中の顔料分散体に対して貧溶媒及び良溶媒の何れに該当するかについて判定した。評価結果を表1に示す。表1中の結果は、良溶媒と判定された場合を○とし、貧溶媒と判定された場合を×として示した。
(各水溶性有機溶剤のKa値の測定)
先ず、各水溶性有機溶剤のKa値の測定にあたり、下記に示す組成を有する染料の含有量が0.5%の染料水溶液を調製した。かかる染料水溶液を用いるのは、無色透明の水溶液を着色することにより可視化して、Ka値の測定を容易にするためである。
・C.I.ダイレクトブルー199 0.5部
・純水 99.5部
次いで、この0.5%の染料水溶液と、測定対象の各水溶性有機溶剤により、下記に示す組成を有する、着色された水溶性有機溶剤の20%水溶液をそれぞれ調製した。
・上記0.5%の染料水溶液 80部
・表1に記載の水溶性有機溶剤 20部
上記で調製した各水溶性有機溶剤の20%水溶液を測定用の試料として、動的浸透性試験装置(商品名:動的浸透性試験装置S;東洋精機製作所製)を用いて、ブリストウ法により各水溶性有機溶剤の20%水溶液のKa値をそれぞれ求めた。上記のようにして測定した、インクに用い得る各水溶性有機溶剤の20%水溶液におけるKa値の測定結果を表1に示した。
Figure 2007016224
(インクの調製)
下記表2〜表4に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、実施例1〜25及び比較例1〜11のインクを調製した。又、上記で得られた実施例1〜25及び比較例1〜11のインクについて、協和CBVP−2式表面張力計(協和科学)を用いて、25℃におけるインクの表面張力を測定した。測定したインクの表面張力を表2〜表4中に示した。尚、表2〜表4には、各インク中における、顔料の含有量A(%)、貧溶媒の含有量B(%)、良溶媒の含有量C(%)、染料の含有量D(%)、及び、B/A、C/B、A/D×100又はD/A×100(%)の値を示した。
Figure 2007016224
Figure 2007016224
Figure 2007016224
[発色性及びブリーディングの評価]
上記で調製した実施例1〜13及び比較例1〜11のインク、更に下記に示すブラックインク1〜3を用いて、下記の評価を行った。
(ブラック顔料分散液1の調製)
比表面積210m2/g、DBP吸油量74ml/100gのカーボンブラック10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、サンドグラインダーを用いて1時間分散した。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、ブラック顔料分散体1を調製した。その後、顔料濃度が10%となるように水で調整してブラック顔料分散液1を得た。尚、分散剤には、酸価200、重量平均分子量10,000のスチレン−アクリル酸共重合体を、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより得られた水溶液を用いた。
(ブラック顔料分散液2の調製)
5.5gの水に5gの濃塩酸を溶かした溶液に、5℃に冷却した状態で4−アミノフタル酸1.5gを加えた。次に、この溶液が入った容器をアイスバスに入れて液を撹拌することにより溶液を常に10℃以下に保った状態とし、これに5℃の水9gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かした溶液を加えた。この溶液を更に15分間撹拌後、比表面積が220m2/gでDBP吸油量が105mL/100gであるカーボンブラック6gを撹拌下で加えた。その後、更に15分間撹拌した。得られたスラリーをろ紙(商品名:標準用濾紙No.2;アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥して、自己分散型カーボンブラックを調製した。その後、その後、顔料濃度が10%となるように水で調整してブラック顔料分散液2を得た。
(各水溶性有機溶剤の貧溶媒及び良溶媒の判定)
イエロー顔料分散液に対する各水溶性有機溶剤の貧溶媒及び良溶媒の判定と同様の方法により、上記で得られたブラック顔料分散液1及び2に対して貧溶媒及び良溶媒として作用する水溶性有機溶剤を選択するための実験を行った。表5に示した4種類の水溶性有機溶剤について、ブラック顔料分散液中の顔料分散体に対して貧溶媒及び良溶媒の何れに該当するかについて判定した。評価結果を表5に示す。表5中の結果は、良溶媒と判定された場合を○とし、貧溶媒と判定された場合を×として示した。
Figure 2007016224
(ブラックインクの調製)
下記表6に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、ブラックインク1〜3を調製した。
Figure 2007016224
(記録物の作製)
記録物の作製には、熱エネルギーの作用によりインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名:PIXUS 950i;キヤノン製)を用いた。具体的には、図1の構成を有するインクカートリッジに、上記で得られた各インクを充填して、このインクカートリッジを前記インクジェット記録装置に搭載して画像を形成した。そして、実施例1〜13及び比較例1〜11、更にはブラックインク1の各インクを用いて、下記の4種類のコピー用紙(普通紙)に、イエローインク及びブラックインクが隣接した状態の2cm×2cmのベタ画像を形成した記録物を作製した。
プリンタドライバは、デフォルトモードを選択した。デフォルトモードの設定条件は下記の通りである。
・用紙の種類:普通紙
・印刷品質:標準
・色調整:自動
記録媒体は、下記の4種類のコピー用紙(普通紙)を用いた。
・PPC用紙PB(キヤノン製)
・PPC用紙4024(ゼロックス製)
・PPC用紙プローバーボンド(フォックスリバー製)
・キヤノン用PPC用紙(ノイジドラ製)
(発色性及びブリーディング)
記録物を作製した1日後に、ブラックインク1で形成した画像と実施例のインクで形成した画像が隣接した部分におけるブリーディングの程度を、目視により観察した。又、同様にして、ブラックインク1で形成した画像と比較例のインクで形成した画像が隣接した部分におけるブリーディングの程度を、目視により観察して、実施例の記録物と比較して評価を行った。更に、イエローの画像における光学濃度を、マクベスRD915(マクベス製)を用いて測定した。発色性及びブリーディングの評価基準は下記の通りである。評価結果を表7に示す。尚、表7中の評価結果は、何れの記録媒体を用いた場合においても共通のものであった。
A:比較例のインクで形成した画像と比べて、発色性及びブリーディングの抑制の何れも明らかに優れている。
B:比較例のインクで形成した画像と比べて、発色性又はブリーディングの抑制の何れか一方で優れている。
C:比較例のインクで形成した画像と比べて、発色性及びブリーディングの抑制に差がない。
Figure 2007016224
尚、実施例11及び12の評価結果は、実施例6〜10及び13、と比べて、発色性及びブリーディングの抑制の何れにおいても、より優れた結果となっていた。
ブラックインク1に代えてブラックインク2を用いて、上記と同様の方法により、実施例1のイエローインク及びブラックインク2が隣接した状態の2cm×2cmのベタ画像を形成した記録物を作製した。記録物を作製した直後に、ブラックインク2で形成した画像と実施例のインクで形成した画像が隣接した部分におけるブリーディングの程度を、目視により観察して、上記の実施例1のイエローインクとブラックインク2で作製した記録物と比較して評価を行った。その結果、ブラックインク2を用いて作製した記録物は、ブラックインク1を用いて作製した記録物と比較してブリーディングの抑制が良い結果となった。
ブラックインク2に代えてブラックインク3を用いて、上記と同様の方法により、実施例1のイエローインク及びブラックインク3が隣接した状態の2cm×2cmのベタ画像を形成した記録物を作製した。記録物を作製した直後に、ブラックインク3で形成した画像と実施例のインクで形成した画像が隣接した部分におけるブリーディングの程度を、目視により観察して、上記の実施例1のイエローインクとブラックインク2で作製した記録物と比較して評価を行った。その結果、ブラックインク3を用いて作製した記録物は、ブラックインク2を用いて作製した記録物と比較してブリーディングの抑制が良い結果となった。
[赤色の画像の彩度の評価]
先に調製した実施例14〜25及び比較例8〜11の各インク、更に下記に示すマゼンタインクを用いて、下記の評価を行った。
・C.I.アシッドレッド52 2.4%
・グリセリン 3.6%
・ポリエチレングリコール1000 1.0%
・サーフィノール465(界面活性剤;日信化学工業製) 1.0%
・水 92.0%
(記録物の作製)
記録物の作製には、熱エネルギーの作用によりインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名:PIXUS 950i;キヤノン製)を用いた。具体的には、図1の構成を有するインクカートリッジに、上記で得られた各インクを充填して、このインクカートリッジを前記インクジェット記録装置に搭載する。そして、実施例14〜25及び比較例8〜11の各インクを用いて、各色の2cm×2cmのベタ画像をそれぞれ形成した。また、前記各インクを記録媒体上でマゼンタインクと質量比50:50で混色し、2cm×2cmのベタ画像(2次色の画像)をそれぞれ形成した。プリンタドライバ及び記録媒体は上記と同様とした。
(赤色の画像の彩度)
記録物を作製した1日後に、イエローの画像、及び2次色の画像における彩度を、スペクトロリノ(グレタグマクベス製)を用いて測定した。尚、彩度はc*=(a*2+b*21/2の式により求めることができる。彩度の評価基準は下記の通りである。評価結果を表8に示す。尚、表8中の評価結果は、何れの記録媒体を用いた場合においても共通のものであった。
A:比較例のインクで形成した画像と比べて、イエローの画像及び2次色の画像の彩度の何れも明らかに優れている。
B:比較例のインクで形成した画像と比べて、イエローの画像及び2次色の画像の何れかの一方の彩度の点で明らかに優れている。
C:比較例のインクで形成した画像と比べて、イエローの画像及び2次色の画像の彩度に差がない。
Figure 2007016224
実施例19、22及び23は、それぞれインクが含有する染料及び顔料の種類や含有量が全く同じであるにもかかわらず、実施例23のイエローの画像及び2次色の画像の彩度が最も良好であった。又、実施例22も、実施例23と比べるとややその程度は劣るが、実施例19と比べると、イエローの画像及び2次色の画像の彩度が良好であった。
実施例9、13、24及び25で作製した記録物を、低温サイクルキセノンウェザーメーター(商品名:XL−75C;スガ試験機製)にセットし、照射強度100キロルクス、槽内温度23℃、相対湿度55%の条件で1週間曝露した。この耐光試験の前後のイエローのベタ画像における均一性の程度を目視により確認して、褪色バランスの評価を行った。その結果、実施例9に比べて実施例13の方が、均一性が劣っていた。又、実施例24に比べて実施例25の方が、均一性が劣っていた。
[保存安定性の評価]
先に調製した実施例1〜25の各インクをそれぞれショット瓶に入れて密栓し、60℃のオーブンで2週間保存した。60℃での保存前後における、顔料の平均粒径、及びインクの粘度をそれぞれ測定して、平均粒径の変化率及び粘度の変化率を求め、得られた各変化率により評価を行った。保存安定性の評価基準は下記の通りである。評価結果を表9に示す。
A:顔料の平均粒径の変化率又はインクの粘度の変化率が、60℃での保存前後で5%以下である。
B:顔料の平均粒径の変化率またはインクの粘度の変化率が、60℃での保存前後で5%を超えて10%以下である。
C:60℃での保存後に、インクがゲル状に変化している、インクの上部が透明になっている、又はインクが明らかに増粘している。
Figure 2007016224
<インクジェット用インクの製造方法の評価>
ここでは、本発明の別の実施態様であるインクジェット用インクの製造方法により得られたインクについての評価を行った。
下記表10に示した各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、インクAを調製した。このインクAは、C.I.ピグメントイエロー74と、該C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒を含有してなる。
Figure 2007016224
図1の構成を有するインクカートリッジに、表10に示す処方で調製したインクAを14.5g注入した。その後、前記インクカートリッジから12.5gのインクを排出した。その後更に、先に調製した比較例1〜6のインクを、前記インクカートリッジにそれぞれ10.0g充填して、実施例26〜31のインクを調製した。これらのインクをインクカートリッジから抜き取り、組成を分析したところ、下記表11に示す組成であることがわかった。
Figure 2007016224
(記録物の作製)
実施例26〜31の各インクを用いて、記録物を作製した。記録物の作製には、熱エネルギーの作用によりインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名:PIXUS 950i;キヤノン製)を用いた。具体的には、上記で得られたインクカートリッジを前記インクジェット記録装置に搭載して画像を形成した。そして、実施例26〜31の各インクを用いて、実施例1で行った発色性及びブリーディングについての評価と全く同様の方法及び基準で評価を行った。評価結果を表12に示す。尚、この際の評価基準における比較例は、上記と同様に比較例1〜11である。
Figure 2007016224
本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジの概略説明図である。 本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジの概略説明図である。 記録媒体にインクが付与されてから定着するまでの概略説明図である。
符号の説明
41:容器
42:蓋部材
43Y、43M、43C:インク供給口
44Y、44M、44C:インク吸収体
45Y、45M、45C:インク供給部材
46:抜け止め爪
47:ラッチレバー
47c:根元斜面
48:ラッチ爪
49:段差部
112:大気連通口
114:液体供給口
132A:第2の負圧発生部材
132B:第1の負圧発生部材
132C:第1の負圧発生部材と第2の負圧発生部材の境界層
134:負圧発生部材収納室
136:液体収納室
138:仕切壁
140:連通孔
146:圧接体
150:大気導入溝(大気導入路)
411、412:仕切板
L:液体−気体界面
1300:記録媒体
1301:C.I.ピグメントイエロー74
1302:染料
1303:C.I.ピグメントイエロー74の凝集物

Claims (9)

  1. 水、色材、及び水溶性有機溶剤を含有してなるインクジェット用インクであって、
    上記色材が、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー132、及びC.I.ダイレクトイエロー59からなる群から選択される1種以上の染料、並びに、C.I.ピグメントイエロー74であり、
    上記水溶性有機溶剤が、C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒を含み、
    上記インクの表面張力が、34.0mN/m以上であることを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 前記インク中の、前記C.I.ピグメントイエロー74の含有量A(質量%)、及び、前記貧溶媒の含有量B(質量%)における、Aに対するBの割合(B/A)が、1以上4以下である請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記インクの表面張力が、41.0mN/m以下である請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット用インクを得るインクジェット用インクの製造方法であって、
    C.I.ピグメントイエロー74、及び該C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒を含有してなり、且つ表面張力が34.0mN/m以上であるインクを収容するインクカートリッジに、色材として、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー132及びC.I.ダイレクトイエロー59からなる群から選択される1種以上の染料を含有してなるインクジェット用インクを注入する工程を有することを特徴とするインクジェット用インクの製造方法。
  5. 請求項4に記載のインクジェット用インクの製造方法により得られてなることを特徴とするインクジェット用インク。
  6. インクジェット方式でインクを吐出するインクジェット記録方法において、前記インクに、請求項1乃至3又は5の何れか1項に記載のインクジェット用インクを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. インクを収容するインク収容部を備えてなるインクカートリッジにおいて、前記インクの収容部に、請求項1乃至3又は5の何れか1項に記載のインクジェット用インクを収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  8. 水、カーボンブラック、及び水溶性有機溶剤を含有してなるブラックインクと共に用いられるイエローインクであって、
    水、色材、及び水溶性有機溶剤を含有してなり、該色材として、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー132及びC.I.ダイレクトイエロー59からなる群から選択される1種以上の染料、並びに、C.I.ピグメントイエロー74を含有し、
    上記水溶性有機溶剤が、上記C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒を含み、
    且つ、上記インクの表面張力が、34.0mN/m以上であることを特徴とするイエローインク。
  9. 前記C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒が、共に用いるブラックインク中のカーボンブラックに対する貧溶媒でもある請求項8に記載のイエローインク。
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