JP5583509B2 - 黒色インク組成物、インクセット、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、黒色インクは、単一の黒色顔料を用いただけでは色調が赤みを帯びてしまうことが知られている。この問題に対し、黒色インクまたはグレーインクの色調を改良する目的で、インク中に黒色顔料のほかに着色顔料を共存させる技術が開発されている。例えば、カーボンブラック、シアン顔料、及びマゼンタ顔料をポリマーで分散させた黒色インクが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、自己分散型ブラック顔料、自己分散型シアン顔料、及び自己分散型マゼンタ顔料を含むグレーインクが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、一般に、水性顔料インク中に黒色顔料のほかに着色顔料も共存させると、全体の顔料濃度に対して印画濃度が低くなる。印画濃度を高めるために顔料濃度を増加させると、インクジェット記録装置のヘッド先端部等で目詰まりが生じやすい。
本発明は、黒色の色調が良好であり、長期保存時の粘度安定性に優れる黒色インク組成物、及びインクセットを提供することを課題とする。
また、本発明は、画像品質に優れ、長期保存時の吐出安定性及び長時間停止後運転時の吐出安定性に優れ、さらに、耐擦過性、特には裏移り耐性に優れる画像記録方法を提供することを課題とする。
<1> 水系媒体と、自己分散型カーボンブラックと、自己分散型フタロシアニン顔料、自己分散型キナクリドン顔料、および自己分散型アゾ顔料から選ばれる少なくとも1種の自己分散型着色顔料と、自己分散性ポリマー粒子と、を含み、前記自己分散型カーボンブラックおよび前記自己分散型着色顔料は、原料となるカーボンブラックおよび着色顔料の混合物が酸化処理されたものである、黒色インク組成物。
<2> 前記自己分散型カーボンブラックおよび前記自己分散型着色顔料は、原料となるカーボンブラックおよび着色顔料が、同一の酸化剤によって酸化処理されたものである<1>に記載の黒色インク組成物。
<3> 前記自己分散型着色顔料は、自己分散型フタロシアニン顔料と、自己分散型キナクリドン顔料と、自己分散型アゾ顔料とを含む<1>又は<2>に記載の黒色インク組成物。
<4> <1>〜<3>のいずれか1つに記載の黒色インク組成物と、前記黒色インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液と、を有するインクセット。
<5> 前記凝集剤は、2価以上のカルボン酸または2価以上のカチオン性ポリマーである<4>に記載のインクセット。
<6> <1>〜<3>のいずれか1つに記載の黒色インク組成物を記録媒体上にインクジェット法により付与するインク付与工程と、前記黒色インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、を有する画像形成方法。
また、本発明によれば、画像品質に優れ、長期保存時の吐出安定性及び長時間停止後運転時の吐出安定性に優れ、さらに、耐擦過性、特には裏移り耐性に優れる画像記録方法を提供することができる。
本発明の黒色インク組成物(「インク組成物」または「インク」とも称する。)は、水系媒体と、自己分散型カーボンブラックと、自己分散型フタロシアニン顔料、自己分散型キナクリドン顔料、および自己分散型アゾ顔料から選ばれる少なくとも1種の自己分散型着色顔料と、自己分散性ポリマー粒子と、を含む。
かかる構成とすることにより、本発明の黒色インク組成物は、黒色の色調が良好である。したがって、本発明の黒色インク組成物は、ベタ画像としたとき漆黒感の強い色調を呈し、打滴密度の低いグレー画像としたとき画像が赤みを帯びることが抑制される。
また、本発明の黒色インク組成物は、長期保存時の粘度安定性に優れる。したがって、本発明の黒色インク組成物は、記録装置のヘッド先端部やインク流路内で目詰まりを起こしにくい。
また、本発明の黒色インク組成物は、印画濃度が高く、画像を形成したときの画像品質が高い。
さらに、本発明の黒色インク組成物は、耐擦過性、特に裏移り耐性に優れる。
本発明における水系媒体は、水を含む。水の好ましい含有量は、インク全体に対し10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
水溶性有機溶剤は、インクジェット記録装置のインク吐出口においてインクの乾燥によって発生し得るノズルの目詰まりを効果的に防止する乾燥防止剤として好適である。乾燥防止剤や湿潤剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。
また、水溶性有機溶剤は、インクを記録媒体によりよく浸透させるための浸透促進剤として好適である。
本発明のインク組成物は、自己分散型カーボンブラックの少なくとも1種と、自己分散型フタロシアニン顔料、自己分散型キナクリドン顔料、および自己分散型アゾ顔料から選ばれる少なくとも1種の自己分散型着色顔料を含む。本明細書中、自己分散型カーボンブラックと自己分散型着色顔料の両者を総称して、「自己分散型顔料」という。
本発明おいて、自己分散型顔料とは、顔料表面に親水性官能基及び/又はその塩(以下、「分散性付与基」と称する。)を、直接的に又はアルキル基、アルキルエーテル基、アリール基等を介して間接的に結合させた顔料であって、付加的な分散剤を用いることなくインクを構成する水系媒体に分散し得る顔料を意味する。ここでいう「分散」とは、自己分散型顔料が分散剤なしに水中に安定に存在している状態をいい、分散している状態のもののみならず、溶解している状態のものも含むものとする。
自己分散型顔料は、原料となる顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、上記の官能基又は官能基を含んだ分子を顔料の表面に配位または結合(グラフト)させることによって得ることができる。前記物理的処理としては、真空プラズマ処理等が例示できる。また前記化学的処理としては、例えば、水中で酸化剤によって顔料表面を酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法が挙げられる。前記酸化剤としては、次亜ハロゲン酸、次亜ハロゲン酸塩(例えば、次亜塩素酸ナトリウム等)、オゾン等が例示できる。
本発明のインク組成物は、自己分散型カーボンブラックの少なくとも1種を含有する。自己分散型カーボンブラックは、カーボンブラック表面に直接的に又は間接的に結合した分散性付与基を有し、付加的な分散剤を用いることなくインクを構成する水系媒体に分散し得るカーボンブラックである。
また、自己分散型カーボンブラックは、十分なOD値が得られる点、及び黒色の色調が良好な点で、自己分散型顔料の総質量の50〜95質量%が好ましく、60〜85質量%がより好ましく、65〜75質量%が更に好ましい。
本発明のインク組成物中、自己分散型カーボンブラックの含有量は、OD値、黒色の色調、及び吐出安定性の観点から、好ましくは1〜10質量%であり、より好ましくは1.3〜8質量%であり、更に好ましくは1.5〜6質量%である。
本発明のインク組成物は、自己分散型フタロシアニン顔料、自己分散型キナクリドン顔料、および自己分散型アゾ顔料から選ばれる少なくとも1種の自己分散型着色顔料を含有する。本発明のインク組成物においては、自己分散型着色顔料を用いることで、黒色インクの色調を赤みの少ないニュートラルな黒色に調整することができる。
本発明のインク組成物中、自己分散型着色顔料の含有量は、OD値、黒色の色調、及び吐出安定性の観点から、好ましくは1〜5質量%であり、より好ましくは1〜3質量%である。
本発明において、自己分散型カーボンブラックおよび自己分散型着色顔料は、原料となるカーボンブラックおよび着色顔料が、酸化剤として同じ化合物によって酸化処理されたものであることが好ましい。自己分散型カーボンブラックと、自己分散型着色顔料とが、酸化剤として同じ化合物を用いて酸化処理されたものであると、インク中での分散安定性がより向上し、長期保存時のインク粘度が上昇しにくい。
原料となるカーボンブラックおよび着色顔料を、酸化剤として同じ化合物を用いて酸化処理して得られる自己分散型顔料は、(i)原料となるカーボンブラックおよび着色顔料の混合物を酸化処理することにより自己分散型顔料としたものでもよく、(ii)原料となるカーボンブラックおよび着色顔料を別々に、ただし酸化剤として同じ化合物を用いてそれぞれ酸化処理することにより自己分散型顔料としたものでもよい。インク中での分散安定性および長期保存時のインク粘度安定性の観点から、前記(i)がより好ましい。
前記工程(A)において、混合方法に特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて超音波分散機や高圧ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。
前記工程(B)において、酸化処理方法に特に制限はなく、例えば、前記混合液中に酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを滴下したりオゾンを導入して、ブラックカーボンと着色顔料の表面を酸化することができる。
前記工程(B)の後、得られた液に対して、必要に応じて、ろ過、水による洗浄、脱塩処理、及び濃縮を行い、顔料分散液を得ることができる。
本発明のインク組成物は、自己分散性ポリマー粒子の少なくとも1種を含有する。自己分散性ポリマー粒子を含むことにより、インク組成物により形成される画像中の白抜け抑制、画像の定着性、耐水性、耐ブロッキング性、耐オフセット性及び耐擦過性を向上させることができる。また、自己分散性ポリマー粒子は、後述する処理液中の成分と接触した際に、凝集又は分散不安定化してインク組成物を増粘させることにより、画像を固定化させる機能を有することが好ましい。
ここで分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルション)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンション)の両方の状態を含むものである。水不溶性ポリマーは、インク組成物に用いたときの凝集速度と定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となるものであることが好ましい。
前記水性媒体は、水を含んで構成され、必要に応じて水溶性有機溶剤を含んでいてもよい。本発明においては、水と水に対して0.2質量%以下の水溶性有機溶剤とから構成されることが好ましく、水から構成されることがより好ましい。該水溶性有機溶剤の例としては、既述のインク組成物の水系媒体に含み得る水溶性有機溶剤と同様のものが挙げられ、好ましい例も同様である。
また、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が10g以下であるポリマーをいい、その溶解量が好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下である。前記溶解量は、水不溶性ポリマーの塩生成基の種類に応じて、水酸化ナトリウム又は酢酸で100%中和した時の溶解量である。
縮合系ポリマー及び縮合系ポリマーを構成するモノマーの好適な例としては、特開2001−247787号公報に記載されているものを挙げることができる。
本発明において前記親水性基は、自己分散促進の観点、形成された乳化又は分散状態の安定性の観点から、解離性基であることが好ましく、アニオン性の解離基であることがより好ましい。前記解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、インク組成物を構成した場合の定着性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
前記解離性基含有モノマーの中では、インク組成物としたときの分散安定性及び吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
また、ノニオン性親水性基を有するモノマーは、末端が水酸基のエチレン性不飽和モノマーよりも、末端がアルキルエーテルのエチレン性不飽和モノマーの方が、粒子の安定性、水溶性成分の含有量の観点で好ましい。
また、アニオン性の解離性基を有する親水性単位を2種以上含有する態様や、アニオン性の解離性基を有する親水性の構成単位とノニオン性親水性基を有する親水性の構成単位を2種以上併用する態様であることもまた好ましい。
また、2種以上の親水性の構成単位を有する場合、親水性の構成単位の総含有率が前記範囲内であることが好ましい。
前記芳香族基含有モノマーは、芳香族基と重合性基とを含む化合物であれば、特に制限はない。芳香族基は、芳香族炭化水素に由来する基であっても、芳香族複素環に由来する基であってもよい。本発明においては、水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、芳香族炭化水素に由来する芳香族基であることが好ましい。また、重合性基は、縮重合性の重合性基であっても、付加重合性の重合性基であってもよい。本発明においては、水性媒体中での粒子形状安定性の観点から、付加重合性の重合性基であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を含む基であることがより好ましい。
前記芳香族基含有モノマーとしてスチレン系モノマーを用いる場合、自己分散性ポリマー粒子とした際の安定性の観点から、スチレン系モノマーに由来する構成単位の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが更に好ましく、スチレン系モノマーに由来する構成単位を含まない態様が特に好ましい。ここで、スチレン系モノマーとは、スチレン、置換スチレン(α−メチルスチレン、クロロスチレンなど)、および、ポリスチレン構造単位を有するスチレンマクロマーのことを指す。
前記脂環式モノマーは、脂環式炭化水素基と重合性基とを含む化合物であれば特に制限はないが、分散安定性の観点から、脂環式(メタ)アクリレートであることが好ましい。
前記脂環式(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリル酸に由来する構造部位と、アルコールに由来する構造部位とを含み、アルコールに由来する構造部位に、無置換または置換された脂環式炭化水素基を少なくとも1つ含む構造を有しているものである。前記脂環式炭化水素基は、アルコールに由来する構造部位そのものであっても、連結基を介してアルコールに由来する構造部位に結合していてもよい。なお、「脂環式(メタ)アクリレート」とは、脂環式炭化水素基を有する、メタクリレートまたはアクリレートを意味する。
本発明における脂環式炭化水素基としては、粘度や溶解性の観点から、脂環式炭化水素基部分の炭素数が5〜20であることが好ましい。
単環式(メタ)アクリレートとしては、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基の炭素数が3〜10のシクロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。2環式(メタ)アクリレートとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、3環式(メタ)アクリレートとしては、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、自己分散性ポリマー粒子の分散安定性と、定着性、ブロッキング耐性の観点から、2環式(メタ)アクリレート、又は3環式以上の多環式(メタ)アクリレートを少なくとも1種であることが好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
また、自己分散性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を共重合比率として15質量%以上80質量%以下と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構成単位)とを含むことが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位及び/又はベンジル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を共重合比率として15質量%以上80質量%以下と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構成単位)とを含み、酸価が25〜95で重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
さらに、2環式または3環式以上の多環式(メタ)アクリレートに由来する構成単位(好ましくは、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの少なくとも1つに由来する構成単位)を共重合比率として30質量%以上90質量%未満と、炭素数1〜4の鎖状アルキル基を含有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を共重合比率として10質量%以上70質量%未満と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位を酸価が25〜100の範囲で含み、親水性構造単位の総含有率が25質量%以下であって、重量平均分子量が10000〜20万であるビニルポリマーであることがより好ましい。
さらに、2環式または3環式以上の多環式(メタ)アクリレートに由来する構成単位(好ましくは、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの少なくとも1つに由来する構成単位)を共重合比率として40質量%以上80質量%未満と、少なくともメチル(メタ)アクリレートまたはエチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を共重合比率として20質量%以上60質量%未満含み、アクリル酸又はメタクリル酸に由来する構成単位を酸価が30〜80の範囲で含み、親水性構造単位の総含有率が25質量%以下であって、重量平均分子量が30000〜15万であるビニルポリマーであることが特に好ましい。
B−02:フェノキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/35/29/6)
B−03:フェノキシエチルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(50/44/6)
B−04:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸共重合体(30/55/10/5)
B−05:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(35/59/6)
B−06:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(10/50/35/5)
B−07:ベンジルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(55/40/5)
B−08:フェノキシエチルメタクリレート/ベンジルアクリレート/メタクリル酸共重合体(45/47/8)
B−09:スチレン/フェノキシエチルアクリレート/ブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(5/48/40/7)
B−10:ベンジルメタクリレート/イソブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(35/30/30/5)
B−11:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(12/50/30/8)
B−12:ベンジルアクリレート/イソブチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(93/2/5)
B−13:スチレン/フェノキシエチルメタクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸 共重合体(50/5/20/25)
B−14:スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(62/35/3)
B−15:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/51/4)
B−16:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/49/6)
B−17:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/48/7)
B−18:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/47/8)
B−19:メチルメタクリレート/フェノキシエチルアクリレート/アクリル酸共重合体(45/45/10)
C−02:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/62/8)
C−03:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(40/52/8)
C−04:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(50/42/8)
C−05:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/50/14/6)
C−06:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(40/50/10)
C−07:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/フェノキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/50/14/6)
C−08:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=2)/メタクリル酸共重合体(30/54/10/6)
C−09:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=2)/メタクリル酸共重合体(54/35/5/6)
C−10:メチルメタクリレート/アダマンチルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=23)/メタクリル酸共重合体(30/50/15/5)
C−11:メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(20/50/22/8)
C−12:エチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/アクリル酸共重合体(50/45/5)
C−13:イソブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/アクリル酸共重合体(40/50/10)
C−14:n−ブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/スチレン/アクリル酸共重合体(30/55/10/5)
C−15:メチルメタクリレート/ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(40/52/8)
C−16:ラウリルメタクリレート/ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(3/87/10)
工程(1):ポリマー(水不溶性ポリマー)、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を、攪拌する工程
工程(2):前記混合物から前記有機溶媒を除去する工程
該混合物の攪拌方法に特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて超音波分散機や高圧ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。
アルコール系溶媒としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、エタノール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒とイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒が好ましい。また、油系から水系への転相時への極性変化を穏和にする目的で、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンを併用することも好ましい。該溶剤を併用することで、凝集沈降や粒子同士の融着がなく、分散安定性の高い微粒径の自己分散性ポリマー粒子を得ることができる。
なお、自己分散性ポリマー粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により求められるものである。
自己分散性ポリマー粒子は、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明のインク組成物は、上記成分以外にその他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、重合禁止剤、乾燥防止剤(固体湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
表面張力調整剤の添加量は、インク組成物の表面張力を20〜60mN/mに調整できる範囲が好ましく、20〜45mN/mに調整できる範囲がより好ましく、25〜40mN/mに調整できる範囲が更に好ましい。添加量が前記範囲内であると、インクジェット法で良好に打滴することができる。
更に、特開昭59−157636号の第37〜38頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)に界面活性剤として挙げられたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載のフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦過性を良化することもできる。
本発明のインクセットは、既述の黒色インク組成物と、前記黒色インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液とを有する。
本発明のインクセットは、黒色の色調が良好であり、ベタ画像としたとき漆黒感の強い色調を呈し、打滴密度の低いグレー画像としたとき画像が赤みを帯びることもない。
また、本発明のインクセットは、長期保存時の粘度安定性に優れ、記録装置のヘッド先端部やインク流路内で目詰まりを起こしにくい。
また、本発明のインクセットを用いて形成された画像は、印画濃度が高く、画像品質が高く、さらに、耐擦過性、特に裏移り耐性に優れる。
本発明における処理液は、既述の黒色インク組成物中の成分と接触することで凝集体を形成し得る凝集剤を少なくとも1種含み、必要に応じて、さらに他の成分を用いて構成することができる。
処理液は、インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含んでなる。本発明における凝集剤は、記録媒体上においてインク組成物と接触することにより、インク組成物を凝集(固定化)可能なものであり、固定化剤として機能する。例えば、処理液を記録媒体(好ましくは、塗工紙)に付与することにより記録媒体上に凝集剤が存在している状態で、インク組成物がさらに着滴して凝集剤に接触することにより、インク組成物中の成分を凝集させて、インク組成物を記録媒体上に固定化することができる。
前記インク組成物中の成分を固定化させる成分としては、酸性化合物、多価金属塩、カチオン性ポリマー等を挙げることができる。これらは1種単独でも、2種以上を併用することができる。
酸性化合物としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、およびこれらの化合物の誘導体、ならびにこれらの塩等が好適に挙げられる。上記の中でも、インク組成物を固定化し易いとの観点から、カルボン酸が好ましい。
酸性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに酸性化合物の含有量は、前記処理液の全質量に対し、15質量%〜35質量%であることが好ましく、20質量%〜30質量%であることがより好ましい。
本発明における多価金属塩は、アルカリ土類金属、亜鉛族金属等の2価以上の金属を含む化合物であり、Ca2+、Cu2+、Al3+等の金属イオンの酢酸塩、酸化物等を挙げることができる。
塩とは、上記のような多価金属イオンと、これらのイオンに結合する陰イオンとから構成される金属塩のことであるが、溶媒に可溶なものであることが好ましい。ここで、前記溶媒とは、多価金属塩とともに処理液を構成する媒質であり、例えば、水や有機溶剤が挙げられる。
多価金属イオンと陰イオンとは、それぞれ単独種または複数種を用いて多価金属イオンと陰イオンとの塩を形成することができる。
また、陰イオンとしては、溶解性などの観点から、NO3 −が特に好ましい。
前記多価金属塩は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
多価金属塩の含有量は、前記処理液の全質量に対し、15質量%〜35質量%であることが好ましく、20質量%〜30質量%であることがより好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、及びポリグアニドから選ばれる少なくとも1種のカチオン性ポリマーである。
カチオン性ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記カチオン性ポリマーの中でも、凝集速度の観点で有利な、ポリグアニド(好ましくは、ポリ(ヘキサメチレングアニジン)アセテート、ポリモノグアニド、ポリメリックビグアニド)、ポリエチレンイミン、ポリ(ビニルピリジン)が好ましい。
本発明の画像形成方法は、本発明の黒色インク組成物を記録媒体上にインクジェット法により付与するインク付与工程と、前記黒色インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、を有する。本発明の画像形成方法は、必要に応じて、更に他の工程を有してよい。
本発明の画像形成方法は、既述の黒色インク組成物を用いることにより、画像品質に優れ、長期保存時の吐出安定性及び長時間停止後運転時の吐出安定性に優れる。さらに、本発明の画像形成方法は、耐擦過性、特に裏移り耐性に優れる。
インク付与工程は、既述の黒色インク組成物を記録媒体上に付与する。本工程で用いるインク組成物の詳細及び好ましい態様は、本発明の黒色インク組成物について既述したとおりである。
本工程において、インク組成物を記録媒体上に付与する方法は、特に制限されないが、インクジェット法が好適である。
なお、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式、無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
また、インクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
加熱乾燥は、ヒータ等の公知の加熱手段やドライヤ等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により行なえる。加熱方法としては、例えば、記録媒体のインク付与面と反対側からヒータ等で熱を与える方法や、記録媒体のインク付与面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
処理液付与工程は、インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液を、記録媒体上に付与する。本工程で用いる処理液の詳細及び好ましい態様は、本発明のインクセットについて既述したとおりである。
本発明の画像形成方法で用いる記録媒体には、特に制限はなく、一般のオフセット印刷に用いられるセルロースを主体とする一般印刷用紙、インクジェット専用紙、写真専用紙、電子写真共用紙、フィルム、布帛、ガラス、金属、陶磁器等を用いることができる。
表面積が230m2/gでDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック70g、C.I.ピグメントブルー15:3 15g、C.I.ピグメントレッド122 10g、C.I.ピグメントイエロー74 5gを水500gに混合して、ミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌装置の付いた3Lのガラス容器に入れ、攪拌しながら次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度11%)500gを滴下して、攪拌しながら10分間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラスフィルターにて吸引ろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、UF膜により電導度が2mS/cmになるまで脱塩・精製した。その後、顔料濃度が15%になるまで濃縮して、顔料分散液1を調製した。顔料分散液1中の顔料の体積平均粒子径は101nmであった。
表面積が230m2/gでDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック70g、C.I.ピグメントブルー15:3 15g、C.I.ピグメントレッド122 10g、C.I.ピグメントイエロー74 5gを水500gに混合して、ミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌しながら、オゾン濃度7.5%のオゾン含有ガスを550ml/minで導入した。得られた分散原液をガラスフィルターにて吸引ろ過して、顔料濃度が15%になるまで濃縮を行った。このとき、0.1mol/lの水酸化ナトリウム溶液を添加し、分散原液をpH9に調整しながら、濃縮を行った。このようにして、顔料分散液2を調製した。顔料分散液2中の顔料の体積平均粒子径は91nmであった。
表面積が230m2/gでDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック100gをミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌装置のついた3Lのガラス容器に入れ、攪拌しながら次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度11%)500gを滴下して、攪拌しながら10分間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラスフィルターにて吸引ろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、UF膜により電導度が2mS/cmになるまで脱塩・精製した。その後、顔料濃度が15%になるまで濃縮して、顔料分散液3を調製した。顔料分散液3中の顔料の体積平均粒子径は87nmであった。
C.I.ピグメントブルー15:3 50g、C.I.ピグメントレッド122 33.3g、C.I.ピグメントイエロー74 16.7gを水500gに混合して、ミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌装置のついた3Lのガラス容器に入れ、攪拌しながら次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度11%)500gを滴下して、攪拌しながら10分間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラスフィルターにて吸引ろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、UF膜により電導度が2mS/cmになるまで脱塩・精製した。その後、顔料濃度が15%になるまで濃縮して、顔料分散液4を調製した。顔料分散液4中の顔料の体積平均粒子径は110nmであった。
C.I.ピグメントブルー15:3 50g、C.I.ピグメントレッド122 33.3g、C.I.ピグメントイエロー74 16.7gを水500gに混合して、ミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌しながら、オゾン濃度7.5%のオゾン含有ガスを550ml/minで導入した。得られた分散原液をガラスフィルターにて吸引ろ過して、顔料濃度が15%になるまで濃縮を行った。このとき、0.1mol/lの水酸化ナトリウム溶液を添加し、分散原液をpH9に調整しながら、濃縮を行った。このようにして、顔料分散液5を調製した。顔料分散液5中の顔料の体積平均粒子径は98nmであった。
C.I.ピグメントブルー15:3 100gをミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌装置のついた3Lのガラス容器に入れ、攪拌しながら次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度11%)500gを滴下して、攪拌しながら10分間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラスフィルターにて吸引ろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、UF膜により電導度が2mS/cmになるまで脱塩・精製した。その後、顔料濃度が15%になるまで濃縮して、顔料分散液6を調製した。顔料分散液6中の顔料の体積平均粒子径は98nmであった。
C.I.ピグメントレッド122 100gをミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌装置のついた3Lのガラス容器に入れ、攪拌しながら次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度11%)500gを滴下して、攪拌しながら10分間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラスフィルターにて吸引ろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、UF膜により電導度が2mS/cmになるまで脱塩・精製した。その後、顔料濃度が15%になるまで濃縮して、顔料分散液7を調製した。顔料分散液7中の顔料の体積平均粒子径は87nmであった。
C.I.ピグメントイエロー74 100gをミキサーで5分間分散した。得られた液を攪拌装置のついた3Lのガラス容器に入れ、攪拌しながら次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度11%)500gを滴下して、攪拌しながら10分間煮沸して湿式酸化を行った。得られた分散原液をガラスフィルターにて吸引ろ過して、さらに水で洗浄した。得られたウェットケーキを水5kgに再分散して、UF膜により電導度が2mS/cmになるまで脱塩・精製した。その後、顔料濃度が15%になるまで濃縮して、顔料分散液8を調製した。顔料分散液8中の顔料の体積平均粒子径は105nmであった。
フェニルエチルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレートの共重合体(質量比48/42/10)のメチルエチルケトン溶液(固形分濃度35%)20.7g、表面積が230m2/gでDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック12.0g、1mol/lの水酸化カリウム溶液10.5g、メチルエチルケトン7.0g、及びイオン交換水49.8gを混合し十分に攪拌した後、ビーズミル分散機にて分散した。その後、エバポレータを用いてメチルエチルケトンを分離し、遠心分離を行い、顔料濃度が15%になるように調液して、顔料分散液9を調製した。顔料分散液9中の顔料の体積平均粒子径は97nmであった。
フェニルエチルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレートの共重合体(質量比48/42/10)のメチルエチルケトン溶液(固形分濃度35%)20.7g、C.I.ピグメントブルー15:3を12.0g、1mol/lの水酸化カリウム溶液10.5g、メチルエチルケトン7.0g、及びイオン交換水49.8gを混合し十分に攪拌した後、高圧分散機にて分散した。その後、エバポレータを用いてメチルエチルケトンを分離し、遠心分離を行い、顔料濃度が15%になるように調液して、顔料分散液10を調製した。顔料分散液10中の顔料の体積平均粒子径は88nmであった。
上記の顔料分散液10の調製と同様の方法で、ただし、顔料をC.I.ピグメントレッド122に換え、顔料分散液11を調製した。顔料分散液11中の顔料の体積平均粒子径は92nmであった。
上記の顔料分散液10の調製と同様の方法で、ただし、顔料をC.I.ピグメントイエロー74に換え、顔料分散液12を調製した。顔料分散液12中の顔料の体積平均粒子径は86nmであった。
水120gに、ラテムルASK((株)花王製、カルボン酸塩系乳化剤)19.8g、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液6g、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.3gを加え、均一に溶解させた。得られた溶液を70℃に加熱し、窒素気流下に、スチレン25.9gとブチルアクリレート26.3gとアクリル酸5.1gのモノマー混合物を2時間かけて添加した。その後、70℃で2時間、80℃で3時間加熱した。室温に冷却後、pHが9前後になるように、攪拌しながら1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて、ラテックス溶液PL−01を得た。ラテックス溶液PL−01中の自己分散性ポリマー粒子(スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体、質量比45/46/9)の体積平均粒子径は115nmであり、固形分は33%であった。
得られた顔料分散液1〜12及びラテックス溶液PL−01を用い、下記表1に示す組成にてインク1〜12を調製した。
なお、表1中、Kはカーボンブラック、CはC.I.ピグメントブルー15:3、MはC.I.ピグメントレッド122、YはC.I.ピグメントイエロー74をそれぞれ意味する。オルフィンE1010は、アセチレングリコール系界面活性剤(日信化学工業(株)製)である。
下記の「処理液1の組成」に示す成分を混合して、処理液1を調製した。pHメーター(東亜DKK(株)製WM−50EG)にて、処理液1のpH(25℃)を測定したところ、1.2であった。
・Vantocil IB(ポリグアニジン、アビシア社製) 4.0部
・トリメチロールプロパン 10.0部
・オルフィンE1010 1.0部
(アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学工業(株)製)
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
・デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
・イオン交換水 総量が100部となる残部
下記の「処理液2の組成」に示す成分を混合して、処理液2を調製した。pHメーター(東亜DKK(株)製WM−50EG)にて、処理液2のpH(25℃)を測定したところ、1.2であった。
・DL−リンゴ酸(和光純薬工業(株)製) 18部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(和光純薬工業(株)製) 10部
・エマルゲンP109(ノニオン性界面活性剤、花王(株)製) 1部
・イオン交換水 総量が100部となる残部
上記で得られたインク1〜12のいずれか1つと処理液1又は2とを組み合せて、インクセットを作製し、下記の評価項目について評価した。評価結果を下記表2に示す。
調製直後のインク粘度を、粘度計VISCONIC ELD(TOKYO KEIKI製)を用いて30℃の条件下で測定した。次いで、密閉容器に収容したインクを60℃下で2週間経時した後、同様にしてインク粘度を測定した。
調製直後と熱経時後のインク粘度を比較し、粘度変化が小さいほどインクの保存安定性が高く、良好である。
インクジェット記録装置として、600dpi、256ノズルの試作プリントヘッド(ピエゾ素子)を備えたインクジェット装置を用意し、これにインクセットを装填した。インクセット中の処理液とインクとを、各々別個のヘッドからこの順に記録媒体上に吐出し、印画濃度を7段階に変化させた画像を形成した。記録媒体には、FX−L紙(富士ゼロックス(株)製)を用いた。
ベタ画像部分(7段階目)と打滴密度の低いグレー画像部分(2〜3段階目)を目視観察し、下記の評価基準に従って黒色の色調を評価した。B評価以上が実用に耐え得るレベルである。
A:ベタ画像部分は黒々としており、グレー画像部分も鮮明なグレーが表現されていた。
B:ベタ画像部分は黒々としているが、グレー画像部分は若干茶色味を帯びていた。
C:ベタ画像部分とグレー画像部分、共に赤みがかっていた。
前記インクジェット装置にインクセットを装填し、インクセット中の処理液とインクとを、各々別個のヘッドから、60分間連続吐出した。その後、メンテナンス作業として、ヘッドをクリーンワイパーFF−390c((株)クラレ製)を用いて、圧力15kPaで10秒間加圧しワイピングを行った。その後、処理液とインクとを、各々別個のヘッドからこの順にFX−L紙に5分間連続吐出し、画像を形成した。吐出終了後5分経過後に画像(5cm×5cm)を目視観察し、下記の評価基準に従って評価した。C評価以上が実用に耐え得るレベルである。
A:白抜けの発生はみられなかった。
B:白抜けの発生が2箇所以下であった。
C:白抜けの発生が3箇所以上5箇所以下であった。
D:白抜けの発生が6箇所以上10箇所以下であった。
E:白抜けの発生が10箇所超であった。
色調の評価における画像の形成方法と同様にして画像を形成した。形成直後のベタ画像部分に対して、文鎮に貼り付けた未印画のFX−L紙(富士ゼロックス(株)製)にて、押さえつけることなく3往復擦った後、画像部分と、FX−L紙の画像との接触部分について目視観察し、下記の評価基準に従って評価した。B評価以上が実用に耐え得るレベルである。
A:画像部分にまったく変化がなく、擦った紙への着色剤の移り(裏移り)は見られなかった。
B:画像部分にわずかな痕跡があり、擦った紙への着色剤の移り(裏移り)は擦り面の端の部分のみに見られた。
C:画像部分がけずれており、擦った紙への着色剤の移り(裏移り)は擦り面全体に見られた。
Claims (6)
- 水系媒体と、自己分散型カーボンブラックと、自己分散型フタロシアニン顔料、自己分散型キナクリドン顔料、および自己分散型アゾ顔料から選ばれる少なくとも1種の自己分散型着色顔料と、自己分散性ポリマー粒子と、を含み、
前記自己分散型カーボンブラックおよび前記自己分散型着色顔料は、原料となるカーボンブラックおよび着色顔料の混合物が酸化処理されたものである、
黒色インク組成物。 - 前記自己分散型カーボンブラックおよび前記自己分散型着色顔料は、原料となるカーボンブラックおよび着色顔料が、同一の酸化剤によって酸化処理されたものである請求項1に記載の黒色インク組成物。
- 前記自己分散型着色顔料は、自己分散型フタロシアニン顔料と、自己分散型キナクリドン顔料と、自己分散型アゾ顔料とを含む請求項1又は請求項2に記載の黒色インク組成物。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の黒色インク組成物と、前記黒色インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液と、を有するインクセット。
- 前記凝集剤は、2価以上のカルボン酸または2価以上のカチオン性ポリマーである請求項4に記載のインクセット。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の黒色インク組成物を記録媒体上にインクジェット法により付与するインク付与工程と、
前記黒色インク組成物の成分と接触して凝集体を形成し得る凝集剤を含む処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程と、
を有する画像形成方法。
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