JP2012046672A - 水系インクジェット記録用黒色インク組成物および画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】色調と耐擦過性に優れる水系インクジェット記録用黒色インク組成物を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される構造単位を含む第1の分散剤ポリマーによって表面被覆されたカーボンブラック顔料と、フロシアニン顔料、キナクリドン顔料、アゾ顔料から選ばれる少なくとも1種の着色顔料と、第1の分散剤ポリマーと同一の構造単位群からなる第2の分散剤ポリマー又は第1の分散剤ポリマーによって表面被覆された着色顔料と、水性媒体と、を含有する水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
Figure 2012046672

(Rは水素原子、メチル基等を表し、Lは−COO−、−OCO−、−CONR−、−O−又はフェニレン基を表し、Rは水素原子又はアルキル基を表す。Lは単結合または2価の連結基を表す)
【選択図】なし

Description

本発明は、水系インクジェット記録用黒色インク組成物および画像形成方法に関する。
近年、顔料のような水に不溶性の固体を分散させた水分散物は、インクジェット記録用インクなどに多く利用されている。
黒色インクを構成する顔料としては、カーボンブラックが用いられることが多い。カーボンブラックを用いた黒色インクでは、印画濃度の低い領域において色調が、赤味がかった黒色になる場合があった。
これに対して補色顔料を用いることによってニュートラルな黒を出力できるブラックインク組成物が種々開発されている。例えば、カーボンブラックと非水溶性のフタロシアニン系色素を含有するインクジェット記録液が開示され、耐水性、印画濃度、保存安定性に優れるとされている(例えば、特許文献1参照)。
またフタロシアニン系顔料と、ベンズイミダゾロン系顔料と、カーボンブラック顔料とを含有するブラックインク組成物が開示され、ニュートラルな黒色が出力可能とされている(例えば、特許文献2参照)。
一方、顔料の水分散体を含むインクジェットインクにおいては、顔料の分散安定性等を改良するために種々の高分子分散剤が検討されている。例えば、水不溶性高分子分散剤で被覆された顔料を含むインクジェット記録用水系インクが開示され、分散安定性と吐出安定性に優れるとされている(例えば、特許文献3参照)。
特開平7−268258号公報 特開2005−29596号公報 特開2009−84494号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載のインクジェット記録液でも、良好な発色と色再現性を有する画像を形成する点で改良の余地があり、また形成された画像の耐擦過性が十分とは言い難い場合があった。また特許文献3に記載のインクジェット記録用水系インクでは、インクが乾燥した際に、色調が青みを帯びた黒色になる場合があるという点で改良の余地があった。
本発明は、色調と耐擦過性に優れる画像を形成可能な水系インクジェット記録用黒色インク組成物と、これを用いた画像形成方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 下記一般式(1)で表される構造単位、および、前記一般式(1)で表される構造単位とは異なる構造単位を含み、水不溶性である第1の分散剤ポリマーによって、表面の少なくとも一部が被覆されたカーボンブラック顔料と、フロシアニン顔料、キナクリドン顔料およびアゾ顔料から選ばれる少なくとも1種の着色顔料であって、前記第1の分散剤ポリマーを構成する構造単位群と同一の構造単位群からなり各構造単位の組成比が異なる第2の分散剤ポリマー、または、前記第1の分散剤ポリマーによって、表面の少なくとも一部が被覆された着色顔料と、水性媒体と、を含有する水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
Figure 2012046672
(一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基、またはハロゲン原子を表し、Lは、−COO−、−OCO−、−CONR−、−O−、または置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Lは単結合または炭素数1〜30の2価の連結基を表す。尚、Lにおける*印は主鎖に連結する結合手を表す。)
<2> 前記第1の分散剤ポリマーおよび第2の分散剤ポリマーは、それぞれアニオン性基を含む、前記<1>に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
<3> 前記第1の分散剤ポリマーおよび第2の分散剤ポリマーの酸価は、それぞれ独立に30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下である、前記<2>に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
<4> 前記カーボンブラック顔料に対する前記着色顔料の総含有比率が0.1質量%以上10質量%以下である、前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
<5> 前記着色顔料は、着色顔料の水系分散体に由来する着色顔料であって、前記水系分散体のpHが7〜10である、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
<6> 前記フタロシアニン顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグメントブルー15:4から選ばれる少なくとも1種である前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
<7> 前記キナクリドン顔料は、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、およびC.I.ピグメントレッド209から選ばれる少なくとも1種である前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
<8> 前記アゾ顔料は、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー127、およびC.I.ピグメントイエロー155から選ばれる少なくとも1種である前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
<9> 前記着色顔料の体積平均粒子径が、60nm以上140nm以下である、前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
<10> 前記着色顔料は、フタロシアニン顔料およびキナクリドン顔料を少なくとも含む、前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
<11> 前記<1>〜<10>のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物を、インクジェット法によって記録媒体上に付与するインク付与工程と、前記水系インクジェット記録用黒色インク組成物と接触することで、前記水系インクジェット記録用黒色インク組成物の成分を凝集させる酸性化合物を含む処理液を、記録媒体上に付与する処理液付与工程と、
を含む画像形成方法。
本発明によれば、色調と耐擦過性に優れる画像を形成可能な水系インクジェット記録用黒色インク組成物と、これを用いた画像形成方法を提供することができる。
<水系インクジェット記録用黒色インク組成物>
本発明の水系インクジェット記録用黒色インク組成物(以下、単に「インク組成物」ということがある)は、カーボンブラック顔料と、フロシアニン顔料、キナクリドン顔料およびアゾ顔料から選ばれる少なくとも1種の着色顔料とを含み、前記カーボンブラック顔料は、下記一般式(1)で表される構造単位、および、前記一般式(1)で表される構造単位とは異なる構造単位を含み、水不溶性である第1の分散剤ポリマーによって、表面の少なくとも一部が被覆されており、また、前記着色顔料は、前記第1の分散剤ポリマーを構成する構造単位群と同一の構造単位群からなり各構造単位の組成比が異なる第2の分散剤ポリマー、または、前記第1の分散剤ポリマーによって、表面の少なくとも一部が被覆されていることを特徴とする。
Figure 2012046672
一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基、またはハロゲン原子を表し、Lは、−COO−、−OCO−、−CONR−、−O−、または置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Lは単結合または炭素数1〜30の2価の連結基を表す。尚、Lにおける*印は主鎖に連結する結合手を表す。
上記構成のように特定の構造単位を含み、カーボンブラック顔料を被覆して水分散化せしめる第1の分散剤ポリマーと、これと類似する第2の分散剤ポリマーまたは第1の分散剤ポリマーによって被覆された着色顔料と、を含む黒色インク組成物であることで、乾燥後にも色調が変化しない安定した色調で耐擦過性に優れる画像を形成することができる。
さらに第1の分散剤ポリマーが特定の構造単位を含むことで、分散安定性および吐出安定性に優れるとともに耐水性や耐光性にも優れるという効果が奏される。
[カーボンブラック顔料]
本発明におけるカーボンブラック顔料としては、通常用いられるカーボンブラック顔料を特に制限なく用いることができる。カーボンブラック顔料としては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
カーボンブラック顔料の具体例としては、Raven7000、Raven5750、Raven5250、Raven5000 ULTRAII、Raven 3500、Raven2000、Raven1500、Raven1250、Raven1200、Raven1190 ULTRAII、Raven1170、Raven1255、Raven1080、Raven1060、Raven700(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Black Pearls L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製)、Color Black FW1、 Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black 18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex35、Printex U、Printex V、Printex140U、Printex140V、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black4(以上、デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.45、No.47、No.52、No.900、No.2200B、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)等を挙げることができる。但し、これらに限定されるものではない。
またカーボンブラック顔料は、1種単独種で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[第1の分散剤ポリマー]
本発明における第1の分散剤ポリマーは、下記一般式(1)で表される構造単位(以下、「特定構造単位」ということがある)の少なくとも1種と、下記一般式(1)で表される構造単位とは異なる構造単位(以下、「その他の構造単位」ということがある)の少なくとも1種とを含んで構成される。
Figure 2012046672
一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基、又はハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)を表す。
また、Lは、−COO−、−OCO−、−CONR−、−O−、又は置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基を表す。なお、Lで表される基中の*印は、主鎖に連結する結合手を表す。フェニレン基が置換されている場合の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基等、シアノ基等が挙げられる。
は、単結合、又は炭素数1〜30の2価の連結基を表し、2価の連結基である場合は、好ましくは炭素数1〜25の連結基であり、より好ましくは炭素数1〜20の連結基であり、更に好ましくは炭素数1〜15の連結基である。中でも、特に好ましくは、炭素数1〜25(より好ましくは1〜10)のアルキレンオキシ基、イミノ基(−NH−)、スルファモイル基、及び、炭素数1〜20(より好ましくは1〜15)のアルキレン基やポリエチレンオキシ基[−(CHCHO)−,n=1〜6]などの、アルキレン基を含む2価の連結基等、並びにこれらの2種以上を組み合わせた基などである。
前記一般式(1)で表される構造単位のうち、Rが水素原子又はメチル基であり、L−COO−であり、Lがアルキレンオキシ基及びアルキレン基のすくなくとも1種を含む炭素数1〜25の2価の連結基である構造単位の組合せが好ましく、より好ましくは、Rが水素原子又はメチル基であり、L−COO−であり、L−(CH−CH−O)−〔nは平均の繰り返し数を表し、n=1〜6である。〕である場合の組合せが好ましい。
前記一般式(1)で表される構造単位の中でも、分散安定性の観点から、下記に示すベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、及びフェノキシエチルメタクリレートから選ばれる化合物に由来する構造単位が好ましく、フェノキシエチルアクリレート、及びフェノキシエチルメタクリレートから選ばれる化合物に由来する構造単位がより好ましく、フェノキシエチルメタクリレートに由来する構造単位がさらに好ましい。
本発明における水不溶性の第1の分散剤ポリマーは、特定構造単位として、これらから選ばれる構造単位の1種又は2種以上を有することが好ましい。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
Figure 2012046672
前記特定構造単位の分散剤ポリマー中における含有比率は、顔料の分散安定性、吐出安定性、洗浄性の観点から、分散剤ポリマーの全質量に対して40質量%以上であることが好ましく、40質量%以上75質量%未満であることがより好ましく、さらに好ましくは40質量%以上70質量%未満であり、特に好ましくは40質量%以上60質量%未満である。
本発明における第1の分散剤ポリマーは、前記特定構造単位に加えて、前記特定構造単位以外のその他の構造単位の少なくとも1種を更に含む。その他の構造単位としては、特定構造単位を構成する重合性化合物とともに第1の分散剤ポリマーを構成可能なものであれば特に制限はない。例えば、疎水性基を有する疎水性構造単位(但し、前記特定構造単位を除く)、親水性基を有する親水性構造単位を挙げることができる。
前記疎水性構造単位(但し、前記特定構造単位を除く)は、これに対応するモノマーを重合することにより形成することができる。また、分散剤ポリマーの重合後に、ポリマー鎖に疎水性官能基を導入してもよい。
前記疎水性構造単位(但し、前記特定構造単位を除く)を構成するモノマーは、重合体を形成しうる官能基と疎水性の官能基とを有していれば特に制限はなく、公知の如何なるモノマー類をも用いることができる。
前記疎水性構造単位(但し、前記特定構造単位を除く)を形成しうるモノマーとしては、入手性、取り扱い性、汎用性の観点から、ビニルモノマー類((メタ)アクレート類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエステル類等)が好ましい。
これらの例として、(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル部位の炭素数としては1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。
分散剤ポリマーが(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位を有する場合、該構造単位の分散剤ポリマー中における含有比率は、分散剤ポリマーの全質量に対して15質量%以上であることが、分散安定性付与の点で好ましい。中でも、この構成単位の含有比率は、好ましくは20〜60質量%であり、より好ましくは20〜50質量%である。
(メタ)アクリルアミド類としては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ビニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類が挙げられ、中でも、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
スチレン類としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、n−ブチルスチレン、tert−ブチルスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、およびα−メチルスチレン、ビニルナフタレン等などが挙げられ、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
ビニルエステル類としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、および安息香酸ビニルなどのビニルエステル類が挙げられ、中でも、ビニルアセテートが好ましい。
これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記親水性構造単位における親水性基としては、イオン性基であっても非イオン性基であってもよい。
親水性基を有する構造単位は、親水性基含有モノマーを重合することにより得ることができるが、親水性基を有さないポリマーの重合後、該ポリマー鎖に親水性基(イオン性基又は非イオン性基)を導入することで形成してもよい。
イオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などのアニオン性基、アミノ基、アンモニウム基などのカチオン性基が挙げられ、中でも、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基より選ばれる1種以上のアニオン性基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
本発明に用いることができるアニオン性基含有モノマー、カチオン性基含有モノマーの例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
アニオン性基含有モノマーのうち、カルボキシル基を含むものとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸モノマー類及び、β−カルボキシエチルアクリル酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。
リン酸基含有モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
カチオン性基含有モノマーとしては、3級アミン含有ビニルモノマー及びアンモニウム塩含有ビニルモノマーからなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
3級アミン含有ビニルモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−6−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等が挙げられる。
アンモニウム塩含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート四級化物等が挙げられる。
これらのうちでは、アニオン性モノマーが好ましく、インク粘度及び吐出性の観点から、不飽和カルボン酸モノマー類が好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸が特に好ましい。なお、イオン性基含有モノマーは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また非イオン性基としては、水酸基、(窒素原子が無置換の)アミド基及び、後述するようなポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のアルキレンオキシド重合体が挙げられる。これらのうち、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アルキレンオキシド重合体を含有する(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記親水性構造単位は、アルキレンオキシド重合体構造を有する親水性の構造単位を含むことが好ましい。
前記アルキレンオキシド重合体のアルキレンとしては、親疎水性の観点から炭素数1〜6が好ましく、炭素数2〜6がより好ましく、炭素数2〜4が特に好ましい。
また、前記アルキレンオキシド重合体の重合度としては、1〜120が好ましく、1〜60がより好ましく、1〜30が特に好ましい。
前記親水性構造単位は、水酸基を含む親水性の構造単位であることも好ましい態様である。前記親水性構造単位中の水酸基数としては、特に限定されず、第1の分散剤ポリマーの親疎水性、重合時の溶媒や他のモノマーとの相溶性の観点から、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が特に好ましい。
親水性構造単位の分散剤ポリマー中における含有比率としては、分散剤ポリマーの全質量に対して、0質量%を超え15質量%以下の範囲が好ましく、2質量%以上15質量%以下の範囲がより好ましく、5質量%以上15質量%以下の範囲が更に好ましく、8質量%以上12質量%以下の範囲が特に好ましい。
本発明における分散剤ポリマーがカルボキシル基等のアニオン性基を含有する場合、分散剤ポリマーの酸価は30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下であることが好ましく、50mgKOH/g以上110mgKOH/g以下であることがより好ましく、60mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
なお、ここでいう酸価とは、ポリマー(B)の1gを完全に中和するのに要するKOHの質量(mg)で定義され、JIS規格(JISK0070:1992)記載の方法を採用した。
カルボキシル基等の酸性基を含有する場合の前記分散剤ポリマーの酸価が30mgKOH/g以上であることで、分散性が向上する傾向となり、また120mgKOH/g以下であることで、ポリマーの親水性が高くなりすぎることを抑制し、カーボンブラック顔料への吸着性が向上する。
親水性構造単位及び疎水性構造単位(特定構造単位を含む)の組成比としては、それぞれの親水性、疎水性の程度にもよるが、疎水性構造単位の第1の分散剤ポリマー中における含有割合(質量比)が、第1の分散剤ポリマーの全質量に対して、80質量%を超える組成である場合が好ましく、85質量%を超える組成である場合がより好ましい。換言すれば、親水性構造単位の第1の分散剤ポリマー中における含有割合(質量比)は、第1の分散剤ポリマーの全体質量に対して15質量%以下が好ましい。親水性構造単位の比率が15質量%以下であると、顔料の分散に寄与せず単独で水性液媒体中に溶解する成分が減少し、顔料の分散状態を良好に維持でき、粘度上昇が抑えられるので、インクジェット記録用インクとしたときの吐出性を良好にすることができる。
また前記疎水性構造単位に含まれる芳香環の比率は、ポリマー全質量に対して10質量%以上20質量%未満の範囲であることが好ましく、中でも15質量%以上20質量%未満がより好ましい。芳香環の比率を前記範囲に調整すると、耐擦過性、インク安定性、吐出信頼性が向上する。換言すれば、芳香環の比率が10質量%未満又は20質量%以上であると、長期経時での分散粒子(特に顔料)の沈降が抑えられず、またインク組成物を調製したときには、画像に白抜け故障が発生してしまう場合がある。
本発明における第1の分散剤ポリマーは、各構造単位が不規則的に導入されたランダム共重合体、又は規則的に導入されたブロック共重合体のいずれでもよい。ブロック共重合体である場合の各構造単位は、いかなる導入順序で合成されたものであってもよく、同一の構成単位を2回以上利用してもよい。汎用性、製造性の観点から、第1の分散剤ポリマーは、ランダム共重合体であることが好ましい。
本発明における第1の分散剤ポリマーの中和度は特に制限されないが、50%〜90%であることが好ましい。中和度が50%〜90%である場合には、長期経時での分散粒子(特に顔料、中でもアゾ顔料)の沈降が効果的に抑制され、また、インク組成物を調製したときには、画像に白抜け故障の発生が抑制される。分散ポリマーの中和度は、72%〜88%の範囲がより好ましい。
また、本発明における第1の分散剤ポリマーの水に対する溶解量としては、水(25℃)5mlに対して0.2g以上0.4g以下である。溶解量が0.2g未満あるいは0.4gを超える場合には、長期経時での分散粒子(特に顔料、中でもアゾ顔料)の沈降が抑えられず、また、インク組成物を調製したときには、画像に白抜け故障が発生する。第1の分散剤ポリマーの水5mlに対する溶解量は、0.3g〜0.4gの範囲がより好ましい。
溶解量の測定は、所望の中和度に中和した第1の分散剤ポリマーを水(25℃)5mlに分散(超音波を15分間かけて30分撹拌)し、フィルターで濾過した濾液をTHF系GPCで定量する。このとき、水に溶解したポリマーの量を溶解量として求める。
上記の中でも、本発明の第1の分散剤ポリマーは、酸価(mgKOH/g)と中和度(%/100)との積が50以上150以下であり、かつ中和当量が1以下であることが好ましい。ここでの中和度(%/100)は、百分率の値(a%)を100で除した値(a%/100)である。酸価と中和度との積は、50以上であると顔料分散後の経時での沈降が抑えられ、分散安定性が良好であり、150以下であると顔料分散性(粒子の微細化)の点で有利である。また、中和当量が1以下であると、部分中和の観点から顔料が樹脂に被覆されやすく、粗大粒子が減少する。中でも、酸価と中和度の積は、50以上95以下が好ましく、60以上90以下がより好ましい。
更には、前記同様の理由から、酸価(mgKOH/g)と中和度(%/100)との積が50以上95以下(好ましくは60以上90以下)であって中和当量が0.8以上0.9以下である場合が好ましい。
第1の分散剤ポリマーの分子量としては、重量平均分子量(Mw)で3万以上が好ましく、3万〜15万がより好ましく、更に好ましくは3万〜10万であり、特に好ましくは3万〜8万である。分子量が3万以上であると、分散剤としての立体反発効果が良好になる傾向があり、立体効果により顔料へ吸着し易くなる。また、数平均分子量(Mn)で1,000〜100,000の範囲程度のものが好ましく、3,000〜50,000の範囲程度のものが特に好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、顔料における被覆膜としての機能又はインクの塗膜としての機能を発揮することができる。本発明における第1の分散剤ポリマーは、アルカリ金属や有機アミンの塩の形で使用されることが好ましい。
また、第1の分散剤ポリマーの分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)としては、1〜6の範囲が好ましく、1〜4の範囲がより好ましい。分子量分布が前記範囲内であると、インクの分散安定性、吐出安定性を高められる。
数平均分子量及び重量平均分子量は、TSKgel Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THFにて示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算することにより表される分子量である。
本発明における第1の分散剤ポリマーは、前記特定構造単位として、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート及びフェノキシエチルメタクリレートから選ばれる化合物に由来する構造単位を、40質量%以上70質量%未満で含み、その他の構造単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位の20質量%以上60質量%以下と、アクリル酸及びメタクリル酸に由来する構造単位の5質量%以上15質量%以下とを含み、中和度が50%〜90%であることが好ましく、
前記特定構造単位として、フェノキシエチルアクリレート及びフェノキシエチルメタクリレートから選ばれる化合物に由来する構造単位を、40質量%以上60質量%未満で含み、その他の構造単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位の20質量%以上50質量%以下と、アクリル酸及びメタクリル酸に由来する構造単位の8質量%以上12質量%以下とを含み、中和度が72%〜88%であることがより好ましい。
第1の分散剤ポリマーは、種々の重合方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合により合成することができる。重合反応は、回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行なうことができる。重合の開始方法は、ラジカル開始剤を用いる方法、光又は放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば、「鶴田禎二、高分子合成方法 改定版、日刊工業新聞社刊(1971)」や「大津隆行、木下雅悦共著、高分子合成の実験法、化学同人、昭和47年刊、124〜154頁」に記載されている。具体的には、分散ポリマーは、モノマー混合物と必要に応じて有機溶媒及びラジカル重合開始剤とを含む混合物を、不活性ガス雰囲気下で共重合反応させることにより製造することができる。重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いられる溶剤は、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等の種々の有機溶剤が挙げられる。溶剤は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。また、水との混合溶媒として用いてもよい。重合温度は、生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり、通常は0℃〜100℃程度であるが、50〜100℃の範囲で重合を行なうことが好ましい。反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は1〜100kg/cmであり、特に1〜30kg/cm程度が好ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。得られた樹脂は、再沈殿などの精製を行なってもよい。
以下、本発明における第1の分散剤ポリマーとして好ましい具体例を示す。但し、本発明における第1の分散剤ポリマーは下記具体例に限定されるものではない。
Figure 2012046672
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〜カーボンブラック顔料と第1の分散剤ポリマーとの比率〜
カーボンブラック顔料(Pig)と第1の分散剤ポリマー(Poly)との比率(Pig:Poly)としては、質量比で100:25〜100:140が好ましく、より好ましくは100:25〜100:50である。第1の分散剤ポリマーの比率は、100:25以上に第1の分散剤ポリマーの比率が多くなると分散安定性と耐擦性が良化し、100:140以下に第1の分散剤ポリマーの比率を少なく抑えると分散安定性が良化する。
本発明においてカーボンブラック顔料は、前記第1の分散剤ポリマーによって、その粒子表面の少なくとも一部が被覆されているが、粒子表面の全体が被覆されていてもよい。
分散剤ポリマーによって被覆された顔料は、例えば、カプセル化顔料と呼ばれ、従来公知の物理的、化学的方法により製造することができる。例えば、特開平9−151342号、特開平10−140065号、特開平11−209672号、特開平11−172180号、特開平10−25440号、又は特開平11−43636号の各公報に記載の方法により製造することが可能である。具体的には、特開平9−151342号及び特開平10−140065号の各公報に記載の転相乳化法と酸析法等が挙げられ、中でも、分散安定性の点で転相乳化法が好ましい。
前記転相乳化法は、基本的には、自己分散能または溶解能を有する樹脂(分散剤ポリママー)と顔料との混合溶融物を水に分散させる自己分散(転相乳化)方法である。ここで、混合溶融物とは、溶解せず混合した状態、溶解して混合した状態、又はこれら両者の状態のいずれの状態を含むものをいう。「転相乳化法」のより具体的な製造方法は、特開平10−140065号に記載の方法が挙げられる。転相乳化法のより具体的な方法については、特開平9−151342号、特開平10−140065号の各公報に記載を参照することができる。
本発明において、第1の分散剤ポリマーによって、その粒子表面の少なくとも一部が被覆されているカーボンブラック顔料の粒子径としては、特に制限ないが、色調と耐擦性の観点から、体積平均粒子径が65nm〜110nmであることが好ましく、70nm〜100nmであることがより好ましい。
尚、体積平均粒子径は、動的光散乱法を用いて測定される。
本発明のインク組成物における第1の分散剤ポリマーによって、その粒子表面の少なくとも一部が被覆されているカーボンブラック顔料の含有率は、目的に応じて適宜選択されるが、インク組成物の全質量に対して、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、2〜6質量%が特に好ましい。
[着色顔料]
本発明の水系インクジェット記録用黒色インク組成物は、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料およびアゾ顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の着色顔料を含み、前記第1の分散剤ポリマーまたは後述する第2の分散剤ポリマーの少なくとも1種によって、その粒子表面の少なくとも一部が被覆されているが、前記着色顔料は前記第1の分散剤ポリマーによって、その粒子表面の少なくとも一部が被覆されていることがより好ましい。
かかる着色顔料を前記カーボンブラック顔料とともに含むことで、色調と耐擦過性に優れる画像を形成することができる。
前記フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料およびアゾ顔料は、公知の有機顔料から適宜選択される。本発明に用いられる有機顔料の具体的な例を以下に示す。
オレンジ又はイエロー用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7、米国特許4311775記載のシロキサン架橋アルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。
これらの中でも、フタロシアニン顔料としては、色調の観点から、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
またキナクリドン顔料としては、色調の観点から、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209、ピグメントレッド149から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
またアゾ顔料としては、色調の観点から、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー128から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー155から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明における着色顔料は、色調と耐擦性の観点から、少なくともフタロシアニン顔料の少なくとも1種を含むことが好ましく、フタロシアニン顔料の少なくとも1種とキナクリドン顔料の少なくとも1種とを含むことがより好ましく、フタロシアニン顔料の少なくとも1種とキナクリドン顔料の少なくとも1種とアゾ顔料の少なくとも1種とを含むことがさらに好ましい。
さらに本発明における着色顔料は、色調と耐擦性の観点から、少なくともフタロシアニン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、
フタロシアニン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4から選ばれる少なくとも1種とキナクリドン顔料としてC.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209から選ばれる少なくとも1種とを含むことがより好ましく、
フタロシアニン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4から選ばれる少なくとも1種と、キナクリドン顔料としてC.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209から選ばれる少なくとも1種、とアゾ顔料としてC.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー155から選ばれる少なくとも1種とを含むことがさらに好ましい。
[第2の分散剤ポリマー]
本発明における第2の分散剤ポリマーは、前記第1の分散剤ポリマーを構成する構造単位群と同一の構造単位群からなり、各構造単位の組成比が異なるものである。すなわち第2の分散剤ポリマーは、第1の分散剤ポリマーと構造的特徴が類似するものである。
本発明における第2の分散剤ポリマーは、第2の分散剤ポリマーを構成する構造単位の組成比が、前記第1の分散剤ポリマーを構成する構造単位の組成比と異なるものであれば、特に制限はない。
第1の分散剤ポリマーと第2の分散剤ポリマーにおける構造単位の組成比の差としては特に制限はなく、第2の分散剤ポリマーが前記第1の分散剤ポリマーにおける好ましい態様となるように適宜選択することが好ましい。
また、第2の分散剤ポリマーによって前記着色顔料を被覆する方法は、前記第1の分散剤ポリマーによってカーボンブラック顔料を被覆する方法と同様にして行なうことができ、好ましい態様も同様である。
本発明において、第2の分散剤ポリマーによって、その粒子表面の少なくとも一部が被覆されている着色顔料の粒子径としては特に制限はないが、色調と耐擦性の観点から、体積平均粒子径が60nm〜140nmであることが好ましく、70nm〜98nmであることがより好ましい。
本発明において、第2の分散剤ポリマーによって、その粒子表面の少なくとも一部が被覆されている着色顔料が、水系媒体(好ましくは水)に分散された状態とした場合、そのpHとしては、インク化した後の観点から、7〜10であることが好ましく、8〜9.5であることがより好ましい。
本発明のインク組成物における第2の分散剤ポリマーによって、その粒子表面の少なくとも一部が被覆されている着色顔料の総含有率は、目的に応じて適宜選択されるが、色調と耐擦性の観点から、前記カーボンブラック顔料の全質量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜7.5質量%がより好ましく、0.3〜5質量%が特に好ましい。
また着色顔料としてフタロシアニン顔料、およびキナクリドン顔料を含む場合、その含有比は適宜選択されるが、色調と耐擦性の観点から、カーボンブラック顔料100質量部に対してフタロシアニン顔料が0.1〜4.0質量部であって、キナクリドン顔料が0.1〜3.0質量部であることが好ましく、フタロシアニン顔料が0.3〜3.0質量部であって、キナクリドン顔料が0.3〜2.0質量部であることがより好ましい。
さらに着色顔料としてフタロシアニン顔料、キナクリドン顔料およびアゾ顔料を含む場合、その含有比は適宜選択されるが、色調と耐擦性の観点から、カーボンブラック顔料100質量部に対して、フタロシアニン顔料が0.1〜4.0質量部であって、キナクリドン顔料が0.1〜3.0質量部であって、アゾ顔料が0.1〜2.0質量部であることが好ましく、フタロシアニン顔料が0.3〜3.0部であって、キナクリドン顔料が0.2〜2.0質量部であって、アゾ顔料が0.2〜1.0質量部であることがより好ましい。
本発明の水系インクジェット記録用黒色インク組成物は、第1の分散剤ポリマーで被覆されたカーボンブラック顔料と、第1の分散剤ポリマーまたは第2の分散剤ポリマーで被覆された少なくともフタロシアニン顔料およびキナクリドン顔料を含む着色顔料と、を含み、カーボンブラック顔料に対する着色顔料の総含有比率が0.1〜10質量%であることが好ましく、
第1の分散剤ポリマーで被覆されたカーボンブラック顔料と、第1の分散剤ポリマーで被覆されたフタロシアニン顔料、キナクリドン顔料およびアゾ顔料を含む着色顔料と、を含み、カーボンブラック顔料に対する着色顔料の総含有比率が0.1〜10質量%であることがより好ましく、
第1の分散剤ポリマーで被覆されたカーボンブラック顔料と、第1の分散剤ポリマーで被覆された、フタロシアニン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4から選ばれる少なくとも1種と、キナクリドン顔料としてC.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド209から選ばれる少なくとも1種と、イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー155から選ばれる少なくとも1種と、を含み、カーボンブラック顔料に対する着色顔料の総含有比率が0.2〜7.5質量%であることがさらに好ましい。
[水性媒体]
本発明の水系インクジェット記録用黒色インク組成物は、水性媒体を含む。前記水性媒体は、少なくとも水を含み、必要に応じて水溶性有機溶剤の少なくとも1種を含んで構成される。
水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
(水溶性有機溶剤)
本発明のインク組成物は水溶性有機溶剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。水溶性有機溶剤は、乾燥防止、湿潤あるいは浸透促進の効果を得ることができる。乾燥防止には、噴射ノズルのインク吐出口においてインク組成物が付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する乾燥防止剤として用いられ、乾燥防止や湿潤には、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。また、浸透促進には、紙へのインク浸透性を高める浸透促進剤として用いることができる。
水溶性有機溶剤の例としては、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
乾燥防止や湿潤の目的としては、多価アルコール類が有用であり、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
浸透促進の目的としては、ポリオール化合物が好ましく、脂肪族ジオールが好適である。脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールを好ましい例として挙げることができる。
水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
水溶性有機溶剤のインク組成物中における含有量としては、全インク組成物中、安定性および吐出信頼性確保の点から、1〜60質量%が好ましく、より好ましくは5〜40質量%であり、特に好ましく10質量%以上30質量%以下である。
(界面活性剤)
本発明のインク組成物は、界面活性剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。
界面活性剤は、表面張力調整剤として用いられ、ノニオン系、カチオン系、アニオン系、ベタイン系の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、インク組成物の表面張力を20〜60mN/mに調整できる量を含有することが好ましく、この量の範囲であるとインクジェット法で良好に打滴することができる。中でも、界面活性剤のインク組成物中における含有量は、表面張力を20〜45mN/mに調整できる量が好ましく、より好ましくは25〜40mN/mに調整できる量である。
界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ化合物等が好適であり、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも用いることができる。アニオン性界面活性剤の具体例としては、炭化水素系では、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&ChemicaLs社製)やオルフィン(日信化学工業(株)製)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシド等のアミンオキシド型の両性界面活性剤も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)に界面活性剤として挙げられたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載のフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦過性をさらに良化することもできる。
界面活性剤のインク組成物中における含有量は、特に制限はなく、1質量%以上が好ましく、より好ましくは1〜10質量%であり、更に好ましくは1〜3質量%である。
(その他成分)
インク組成物は、上記の成分に加え、必要に応じて、更にその他成分として各種の添加剤を含むことができる。各種の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤、固体湿潤剤等の公知の添加剤が挙げられる。
固体湿潤剤としては、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類;糖アルコール類;ヒアルロン酸類;尿素類等を挙げることができる。
〜インクの物性〜
インク組成物の表面張力(25℃)としては、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上40mN/m以下である。表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株)製)を用い、インクを25℃の条件下で測定されるものである。
また、インク組成物の25℃での粘度は、1.2mPa・s以上15.0mPa・s以下が好ましく、より好ましくは2mPa・s以上13mPa・s未満であり、更に好ましくは2.5mPa・s以上10mPa・s未満である。粘度は、VISCOMETER TV-22(TOKI SANGYO CO.LTD製)によりインクを25℃の条件下で測定されるものである。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、既述の本発明のインク組成物をインクジェット法により記録媒体上に付与するインク付与工程と、インク組成物中の成分を凝集させる酸性化合物を含む処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程とを少なくとも有する。また、本発明の画像形成方法は、必要に応じて、さらに定着工程などの他の工程を設けて構成することができる。既述の本発明のインク組成物を用いて画像形成することにより、白抜け故障がなく、色調と耐擦性に優れた画像が得られる。
−インク付与工程−
インク付与工程は、既述の本発明のインク組成物をインクジェット法により吐出する等により付与し、記録媒体上に画像を形成する。インクジェット法は、インクジェット記録用のインク組成物をノズルから液滴として吐出し、その液滴を記録媒体に付着させるいずれの方法も含まれる。
インクジェット法による画像形成は、エネルギーを供与することにより、記録媒体上にインク組成物を吐出し、着色画像を形成する。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。
インクジェット法には、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等のいずれであってもよい。インクジェット法としては、特に、特開昭54−59936号公報に記載の方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット法を有効に利用することができる。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
記録媒体としては、特に制限はなく、例えば、普通紙、上質紙、塗工紙等を挙げることができる。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。一般的に塗工紙を記録媒体として用いる通常の水性インクジェットによる画像形成においては、画像の滲みや耐擦性など品質上の問題を生じやすいが、本発明の画像形成方法では、画像滲みが抑制されて均質で濃度ムラの発生が防止され、耐擦性の良好な画像が得られる。
塗工紙としては、一般に上市されているものを入手して使用できる。例えば、一般印刷用塗工紙を用いることができ、具体的には、王子製紙製の「OKトップコート+」、日本製紙社製の「オーロラコート」、「ユーライト」等のコート紙(A2、B2)、及び三菱製紙社製の「特菱アート」等のアート紙(A1)などを挙げることができる。
−処理液付与工程−
処理液付与工程は、前記インク付与工程で付与されるインク組成物中の成分を凝集させる酸性化合物を含む処理液を記録媒体上に付与する。処理液をインク組成物に接触させることで、インク組成物中の成分を凝集させることより画像形成をより高速に行なえる。
処理液を記録媒体上に付与する方法としては、画像様に付与する方法、面状に付与する方法のいずれでもよく、公知の液体付与方法を制限なく用いることができる。例えば、インクジェット方式による付与、塗布ローラーによる付与等を挙げることができる。
処理液の付与量としては、インク組成物を凝集可能な範囲であれば特に制限はなく、付与方法に応じて適宜選択することができる。例えば、酸性化合物を含有する処理液の場合、酸性化合物の付与量が0.3g/m以上となる量が好ましく、より好ましくは0.3g〜2g/m、更に好ましくは0.5〜1g/mである。
酸性化合物を含む処理液の例としては、インク組成物のpHを変化させることにより凝集物を生じさせることができる液体が挙げられる。このとき、処理液のpH(25℃)は、インク組成物の凝集速度の観点から、3.5以下であることが好ましく、0.5〜2.5であることがより好ましく、0.5〜1.5であることが更に好ましい。この場合、インク付与工程で用いるインク組成物のpH(25℃)は、7.5以上(より好ましくは8以上)であることが好ましい。
中でも、本発明においては、画像濃度、解像度、及び画像形成の高速化の観点から、インク組成物のpH(25℃)が8以上であって、処理液のpH(25℃)が3.5以下(好ましくは0.5〜2.5)である場合が好ましい。
前記凝集成分は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
酸性化合物としては、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、又はカルボキシル基を有する化合物、あるいはその塩を用いることができる。中でも、インク組成物の凝集速度の観点から、リン酸基又はカルボキシル基を有する化合物がより好ましく、カルボキシル基を有する化合物が更に好ましい。
カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸もしくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の中から選ばれることが好ましい。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
処理液は、酸性化合物に加えて、水系溶媒(例えば、水と水溶性有機溶剤)を更に含んで構成することができる。処理液中における酸性化合物の含有量としては、凝集効果の観点から、処理液の全質量に対して、5〜95質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。
処理液は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられ、前述の水性インクジェット記録用インクに含まれるその他の添加剤の具体的な例に示したものが適用できる。
処理液の粘度としては、インク組成物の凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。粘度は、VISCOMETER TV-22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて20℃の条件下で測定されるものである。
また、処理液の表面張力としては、インク組成物の凝集速度の観点から、20〜60mN/mであることが好ましく、20〜45mN/mであることがより好ましく、25〜40mN/mであることがさらに好ましい。表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
本発明においては、処理液付与工程で処理液を付与した後にインク付与工程を設ける態様が好ましい。すなわち、記録媒体上に、インク組成物を付与する前に、予めインク組成物中の成分(特に、インク組成物に含まれる顔料やポリマー粒子等の分散粒子)を凝集させるための処理液を付与しておき、記録媒体上に付与された処理液と接触するようにインク組成物を付与して画像を形成する態様が好ましい。これにより、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
本発明のインク組成物を用いて形成された記録物は、優れた画像品質を有し、色調と耐擦性に優れている。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した。GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super Multipore HZ-H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。また、条件は、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なった。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard, polystyrene」:「F-40」、「F-20」、「F-4」、「F-1」、「A-5000」、「A-2500」、「A-1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製した。
[分散剤ポリマーの合成]
(合成例1):分散ポリマーD−1の合成
攪拌機、冷却管を備えた500mlの三口フラスコにメチルエチルケトン33gを加え窒素雰囲気下で75℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン70gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート2g、フェノキシエチルメタクリレート50g、メタクリル酸8g、メチルメタクリレート42gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.2gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温し4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出したポリマーを乾燥させ、95gの分散ポリマーB−1を得た。
得られたポリマーの組成は、H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は40,800であった。さらに、このポリマーの酸価をJIS規格(JIS K0070:1992)に記載の方法により求めたところ、52.1mgKOH/gであった。
(合成例2):分散ポリマーD−2〜D−9の合成
前記合成例1において、合成に用いるモノマーを各ポリマーに合わせて下記表1に示すように変更したこと以外は、合成例1と同様にして分散ポリマーを合成し、分散ポリマーD−2〜D−9(樹脂分散剤)を得た。
なお、分子量の調整は、開始剤であるジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートの添加量を調整することにより行なった。また、表中のモノマー類の数値は質量基準の含有率(%)である。
Figure 2012046672
Figure 2012046672

[水系インクジェット記録用黒色インク組成物の調製]
(1)インク組成物2の調製
−樹脂被覆カーボンブラック顔料分散物の調製−
カーボンブラック顔料(Printex300;(商品名)、デグッサ社製)10部と、上記で得た分散ポリマーD−1を6.5部と、メチルエチルケトン16部と、1Mol/l NaOH水溶液8部と、イオン交換水59.5部とをディスパー混合し、さらに分散機(マイクロフルイダイザーM−140K、150MPa、みづほ工業(株)製)で8パス処理した。得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、顔料濃度が15.5質量%のカーボンブラック顔料の分散物を得た。これをさらに、遠心分離機(05P−21、(株)日立製作所製)により30分間、5000rpmにて遠心分離させた後、顔料濃度15質量%になるようにイオン交換水を添加した。このようにして顔料分散物(K−1)を調製した。
得られた顔料分散液10μlに対しイオン交換水10mlを加えて測定用サンプルを調製し、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により、D95粒径を25℃で測定したところ、85nmであった。なお、D95は、小粒径側からの積算粒径分布(体積基準)が95%となる粒径である。
また得られた顔料分散液のpHを、pHメータ−WM−50EG(東亜DKK(株)製)にて測定したところ、pHは8.4であった。
−樹脂被覆フタロシアニン顔料分散物の調製−
フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、BASFジャパン社製)10部と、上記で得た分散ポリマーD−1を6.5部と、メチルエチルケトン20部と、1Mol/l NaOH水溶液8部と、イオン交換水55.5部とをディスパー混合し、さらに分散機(マイクロフルイダイザーM−140K、150MPa、みづほ工業(株)製)で8パス処理した。得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、顔料濃度が15.5質量%のフタロシアニン顔料の分散物を得た。これをさらに、遠心分離機(05P−21、(株)日立製作所製)により30分間、5000rpmにて遠心分離させた後、顔料濃度15質量%になるようにイオン交換水を添加した。このようにして顔料分散物(C−1)を調整した。
−樹脂被覆キナクリドン顔料分散物の調製−
上記樹脂被覆フタロシアニン顔料分散物の調製において、フタロシアニン顔料の代わりにキナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122、BASFジャパン社製)を用いたこと以外は、上記と同様にして樹脂被覆キナクリドン顔料分散物(M−1)を調製した。
−樹脂被覆アゾ顔料分散物の調製−
上記樹脂被覆フタロシアニン顔料分散物の調製において、フタロシアニン顔料の代わりにアゾ顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化工業社製)を用いたこと以外は、上記と同様にして樹脂被覆アゾ顔料分散物(Y−1)を調製した。
−インク組成物2の調製−
上記で得られた顔料分散物(K−1、C−1、M−1、Y−1)を用い、下記のインク組成よりなる顔料分散物含有組成物を調製し、該組成物に遠心分離(10000〜20000rpmで30分〜2時間)を行ない、インク組成物2を得た。
<インク組成>
・前記顔料分散物(K−1) ・・・2.0部
・前記顔料分散物(C−1) ・・・0.007部
・前記顔料分散物(M−1) ・・・0.05部
・前記顔料分散物(Y−1) ・・・0.024部
・グリセリン ・・・7部
・ジエチレングリコール ・・・9部
・トリエタノールアミン ・・・1部
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製)・・・1部
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル ・・・9部
(SP値=20.4)
・イオン交換水 ・・・34部
得られたインク組成物2のpHを、pHメータ−WM−50EG(東亜DKK(株)製)にて測定したところ、pHは8.65であった。
(2)インク組成物1及び3〜28の調製
前記インク組成物2の調製において、分散剤ポリマーD−1を下記表2に示す分散剤ポリマーにそれぞれ変更し、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、アゾ顔料を下記表2に示す顔料にそれぞれ変更したこと以外は、上記と同様にして顔料分散物をそれぞれ調製し、それぞれの着色顔料分散物の添加量を表2に示すように変更したこと以外は、インク組成物1、3〜28をそれぞれ調製した。
[処理液の調製]
下記組成の諸成分を混合し、処理液を調製した。pHメーターWM−50EG(東亜DKK(株)製)にて測定した処理液のpH(25℃)は1.21であった。
<組成>
・マロン酸(酸性化合物) ・・・7.5g
・サンニックスGP250 ・・・10g
(三洋化成工業(株)製、ポリプロピレングリコールグリセリルエーテル)
・イオン交換水 ・・・7.5g
[評価]
(画像形成)
上記で得られたインク組成物をインクジェットプリンタ(600dpi、256ノズルの試作プリントヘッド)に装填した。記録媒体であるFX−L紙(富士ゼロックス(株)製)上に、上記で得られた処理液を塗布量2.7g/mで塗布した後、このインクジェットプリンタを用いて、インク組成物を吐出することにより、100%カバレッジパターンを形成した。
(色調)
−1.色調変化(色変り)−
色調を以下のようにして評価した。結果を表2に示す。
インクジェットプリンタ(600dpi、256ノズルの試作プリントヘッド)を用い、各インクジェット記録シートのインク受容層(第3インク受容層)上に、グレーのベタ画像を形成した。このとき、グレタグ スペクトロリノ SPM−50(グレタグマクベス社製;視野角2°、光源D50、フィルターなし)で測定されたグレー濃度が1.7になるように、画像データの階調を調整した。
ベタ画像が形成された面同士が接するように重ね合わせ、室温条件下で1日放置した。 プリント直後(プリント後3分以内)と、プリント後に重ね合わせて1日経過後とに、それぞれグレーのベタ画像について、分光光度計スペクトロリノ(グレタグマクベス社製)を用いて視野角2°、光源F8、フィルターなしの条件でLを計測し、それぞれの計測値から色差(ΔE)を求め、色調変化を評価する指標とした。評価は、色差の値から、下記の評価基準にしたがって評価した。
〜評価基準〜
A:ΔE<2 ;色調変化はほとんど認識できなかった。
B:2≦ΔE<4;色調変化がわかるがあまり目立たない程度であった。
C:4≦ΔE<7;色調の変化がかなり目立った。
D:ΔE≧7;色調変化が顕著であった。
(耐擦過性)
耐擦過性を以下のようにして評価した。結果を表2に示す。
−耐擦過性−
ベタ画像が記録された記録媒体の2cm四方のベタ部を印字直後、記録していない記録媒体(記録に用いたものと同じ記録媒体(以下、本評価において未使用サンプルという。)を重ねて荷重150kg/mをかけて10往復擦り、未使用サンプルの白地部分へのインクの転写度合いを目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
〜評価基準〜
A:インクの転写は全くなかった。
B:インクの転写はほとんど目立たなかった。
C:インクの転写が多少見られた。
D:インクの転写が顕著であった。
Figure 2012046672
表2から、本発明の水系インクジェット記録用黒色インク組成物で形成された画像は、色調と耐擦過性に優れることが分かる。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位、および、前記一般式(1)で表される構造単位とは異なる構造単位を含み、水不溶性である第1の分散剤ポリマーによって、表面の少なくとも一部が被覆されたカーボンブラック顔料と、
    フロシアニン顔料、キナクリドン顔料およびアゾ顔料から選ばれる少なくとも1種の着色顔料であって、前記第1の分散剤ポリマーを構成する構造単位群と同一の構造単位群からなり各構造単位の組成比が異なる第2の分散剤ポリマー、または、前記第1の分散剤ポリマーによって、表面の少なくとも一部が被覆された着色顔料と、
    水性媒体と、
    を含有する水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
    Figure 2012046672

    (一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基、またはハロゲン原子を表し、Lは、−COO−、−OCO−、−CONR−、−O−、または置換もしくは無置換のフェニレン基を表し、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Lは単結合または炭素数1〜30の2価の連結基を表す。尚、Lにおける印は、主鎖に連結する結合手を表す。)
  2. 前記第1の分散剤ポリマーおよび第2の分散剤ポリマーは、それぞれアニオン性基を含む、請求項1に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
  3. 前記第1の分散剤ポリマーおよび第2の分散剤ポリマーの酸価は、それぞれ独立に30mgKOH/g以上120mgKOH/g以下である、請求項2に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
  4. 前記カーボンブラック顔料に対する前記着色顔料の総含有比率が0.1質量%以上10質量%以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
  5. 前記着色顔料は、着色粒子の水系分散体に由来する着色顔料であって、前記水系分散体のpHが7〜10である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
  6. 前記フタロシアニン顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3およびC.I.ピグメントブルー15:4から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
  7. 前記キナクリドン顔料は、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、およびC.I.ピグメントレッド209から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
  8. 前記アゾ顔料は、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー127、およびC.I.ピグメントイエロー155から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
  9. 前記着色顔料の体積平均粒子径が、60nm以上140nm以下である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
  10. 前記着色顔料は、フタロシアニン顔料およびキナクリドン顔料を少なくとも含む、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の水系インクジェット記録用黒色インク組成物を、インクジェット法によって記録媒体上に付与するインク付与工程と、
    前記水系インクジェット記録用黒色インク組成物と接触することで、前記水系インクジェット記録用黒色インク組成物の成分を凝集させる酸性化合物を含む処理液を、記録媒体上に付与する処理液付与工程と、
    を含む画像形成方法。
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