JP6110744B2 - インクジェット記録用水系インクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録用水系インクの製造方法、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録媒体として普通紙が使用可能、被印字物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。
最近では、印刷物に耐候性や耐水性を付与するために、着色剤として顔料を用いるインクが広く用いられている。
また一方で、オフセットコート紙のような低吸液性のコート紙、又はポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂等の非吸液性樹脂のフィルムを用いた商業印刷向けの記録媒体への印刷が求められてきている。
これら低吸収性、非吸収性の記録媒体では、インクの浸透が起きにくいため、定着性が不十分となりやすく、定着性を向上させるために樹脂粒子等を配合すると光沢性が低下するという問題もあった。
これらの課題を解決するために、インク吸液層を有する記録媒体を用いるインクジェット記録方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、顔料を含有する塗工層を塗布してなる記録媒体に印字するインクジェット記録方法であって、記録媒体の前記塗工層を有する面への純水の転移量、及び塗工層を有する紙面pHが特定範囲にある記録媒体に対し、粒子状の色材とエマルジョン樹脂及び界面活性剤を含有するpH8以上のインクを用いて印字するインクジェット記録方法が開示されている。また、乾燥装置を備えた記録装置が提案されている。
特許文献2には、着色顔料を、顔料分散剤及び/又は非水溶性樹脂、並びに溶媒からなる混合溶液で分散して、非水性顔料分散液を製造した後、前記非水溶性樹脂を混合して非水性顔料インクを製造し、更に前記インクに乳化剤と水を混合して乳化分散する水性顔料インク組成物の製造方法が開示されており、得られた水性顔料インク組成物は貯蔵安定性、印字物の密着性等に優れると記載されている。
また、2種以上の顔料を含むインクジェット記録用インク組成物が提案されている。
例えば、特許文献3には、少なくとも2種類の顔料と水とを含有している水性インク組成物が開示されており、色再現範囲が広く、彩度の低下を招くことなく記録できると記載されている。
特許文献4には、異なる着色剤が、それぞれ同一又は類似の水不溶性ビニルポリマー粒子に含有されてなる水分散体を2種以上含有しているインクジェット記録用水系インクが開示されており、吐出性及び保存性等が良好であると記載されている。
特開2008−260279号公報 特開2007−138129号公報 特開2003−313480号公報 特開2005−29596号公報
上記特許文献1の記録媒体や記録装置からの改善は、コストや消費電力等の観点で課題があり、インク組成からの改善が求められている。また、上記特許文献4には、色相又は物性が異なる2種のキナクリドン顔料を用いたインクが、吐出性や保存性に優れると記載されているが、更なる改善が望まれる場合があった。
本発明は、保存安定性、吐出性に優れ、低吸収性記録媒体に印字した際に、印字濃度、光沢度、及び画像再現性に優れるインクジェット記録用水系インクの製造方法、及び該水系インクを用いたインクジェット記録方法を提供することを課題とする。
なお、本発明において、「低吸水性」とは、低吸収性、非吸収性を含む概念である。
本発明者らは、少なくともアゾ顔料とキナクリドン顔料とを、水不溶性ポリマーの存在下で水に分散して、顔料を含有する水不溶性ビニルポリマー粒子の分散処理物を得る工程を有する水系インクの製造方法により、前記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕及び〔2〕を提供する。
〔1〕2種以上の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aと、水不溶性ビニルポリマー粒子Bを含むインクジェット記録用水系インクの製造方法であって、少なくともアゾ顔料とキナクリドン顔料とを、水不溶性ポリマーaの存在下で水に分散して、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの分散処理物を得る工程Iを有する、インクジェット記録用水系インクの製造方法。
〔2〕前記〔1〕に記載の方法で得られたインクジェット記録用水系インクを、記録媒体に吐出するインクジェット記録方法であって、該記録媒体と純水との接触時間100m秒における該記録媒体の吸水量が、0g/m2以上10g/m2以下である、インクジェット記録方法。
本発明によれば、保存安定性、吐出性に優れ、オフセットコート紙等の低吸収性記録媒体に印字した際に、印字濃度、光沢度、及び画像再現性に優れるインクジェット記録用水系インクの製造方法、及び該水系インクを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクジェット記録用水系インクの製造方法は、保存安定性、吐出性に優れ、オフセットコート紙等の低吸収性記録媒体に印字した際に、印字濃度、光沢度、及び画像再現性に優れる効果を奏する。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
キナクリドン顔料は顔料粒子間の凝集力が強く、アゾ顔料は顔料粒子間の凝集力が相対的に弱いと考えられる。そのため、アゾ顔料と、キナクリドン顔料とを、水不溶性ポリマーaの存在下で水に分散することで、キナクリドン顔料の間にアゾ系顔料が均一に含まれた分散構造となって水不溶性ポリマーa中に含有され、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aとなると考えられる。アゾ顔料を含むことによりキナクリドン顔料間の凝集力が弱くなり、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの凝集が抑制されるために保存安定性が向上し、さらに乾燥時の粘度が低下し、吐出性にも優れ、画像再現性も優れると考えられる。また、水不溶性ビニルポリマー粒子Bと共に低吸水性の記録媒体に吐出した際には、低吸水性の記録媒体上で平滑にドット径が広がり易くなり、印字濃度及び光沢度が向上すると考えられる。
[インクジェット記録用水系インクの製造方法]
本発明のインクジェット記録用水系インクの製造方法は、2種以上の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aと、水不溶性ビニルポリマー粒子Bを含むインクジェット記録用水系インクの製造方法であって、少なくともアゾ顔料とキナクリドン顔料とを、水不溶性ポリマーaの存在下で水に分散して、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの分散処理物を得る工程Iを有する。
本発明に係る水系インクにおいて、「2種以上の顔料」とは、顔料の色相が異なるもの、同一色であっても物性が異なるものが包含され、水系インク中に、2種以上の顔料を含む水不溶性ポリマー粒子A又はその分散体を1つの組み合わせとして含むものである。少なくともアゾ顔料とキナクリドン顔料とを含むことにより2種以上となる。
また、「水系」とは、インクに含有される媒体中で、水が最大割合を占めていることを意味するものであり、媒体が水のみの場合もあり、水と一種以上の有機溶媒との混合溶媒の場合も含まれる。
本発明で得られるインクジェット記録用水系インクは、2種以上の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aと、水不溶性ビニルポリマー粒子Bを含む。
本発明に係るインクジェット記録用水系インクは、低吸水性の記録媒体に印字した際の印字濃度、光沢度及び画像再現性を向上する観点から、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの分散処理物を得る工程Iの後に、得られた顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aと、水不溶性ビニルポリマー粒子Bとを混合する方法、好ましくは更に有機溶媒Cを混合する工程IIを有する方法により製造することが好ましい。より具体的には、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの水分散体(顔料水分散体)、水不溶性ビニルポリマー粒子B、水、有機溶媒C、及び必要に応じて界面活性剤等を混合し、攪拌することによって得ることが好ましい。混合時の水不溶性ポリマーA及び水不溶性ビニルポリマー粒子Bの凝集を抑制する観点から、混合する際の混合順はこの順に混合することが好ましい。
〔顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子A〕
<顔料>
本発明においては、単独顔料を用いた水系インクよりも、保存安定性、吐出性、及び低吸収性記録媒体に印字した際の印字濃度、光沢度、及び画像再現性を向上させる観点から、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの顔料として、少なくともアゾ顔料とキナクリドン顔料を用いる。アゾ顔料及びキナクリドン顔料は、それぞれ1種又は2種以上を用いることができる。
アゾ顔料は、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、アゾレーキ顔料を包含する。
好ましいモノアゾ顔料、ジアゾ顔料、アゾレーキ顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・レッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、33、41、48、48:1、48:2、48;3、48:4、48:5、49、52、52:1、52:2、53:1、54、57:1、58、60:1、63、64:1、68、95、112、114、119、136、144、146、147、150、164、166、170、171、175、176、178、183、184、185、187、188、193、200、208、210、211、213、214、220、221、238、239、242、245、247、251、253、258、262、266、268、及び269が挙げられる。
より好ましいアゾ顔料としては、C.I.ピグメント・レッド150、同269、及び同48:3が挙げられる。
好ましいキナクリドン顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・レッド122、同202、同207、同209、同282、C.I.ピグメント・バイオレット19(α型)、及びC.I.ピグメント・バイオレット19(β型)が挙げられる。より好ましいキナクリドン顔料としては、C.I.ピグメント・レッド122、同202、及びC.I.ピグメント・バイオレット19(β型)が挙げられる。
なお、これらの顔料には2種以上の顔料成分を結晶状態で合成する固溶体顔料を含まない。
これらの顔料の色相は、オフセット印刷のマゼンタ色を再現する、マゼンタ色、赤色、オレンジ等の有彩色が挙げられる。
<水不溶性ポリマーa>
顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aを構成する水不溶性ポリマーaは、アゾ顔料とキナクリドン顔料を水系媒体中に分散させ、分散を安定に維持するために用いられる。水不溶性ポリマーaは、イオン性モノマー(a−1)由来の構成単位、芳香族環を有する疎水性モノマー(a−2)由来の構成単位、及び後述する式(1)で表される親水性ノニオン性モノマー(a−3)由来の構成単位を含有することが好ましい。
水不溶性ポリマーaは、イオン性モノマー(a−1)、芳香族環を有する疎水性モノマー(a−2)、及び式(1)で表される親水性ノニオン性モノマー(a−3)を、公知の方法により付加重合して得ることができる。
イオン性モノマー(a−1)は、後述する「2種以上の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの水分散体」(以下、「顔料水分散体」ともいう)の製造の際における、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点から、水不溶性ポリマーaのモノマー成分として用いることが好ましい。
イオン性モノマー(a−1)としては、アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーが挙げられ、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点、及び吐出性を向上させる観点から、アニオン性モノマーが好ましい。
アニオン性モノマーとしては、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマー、リン酸モノマー等が挙げられる。
カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記アニオン性モノマーの中では、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点から、カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましく、メタクリル酸が更に好ましい。
芳香族環を有する疎水性モノマー(a−2)は、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点、低吸水性の記録媒体に印字した際の光沢度を向上させる観点から、水不溶性ポリマーaのモノマー成分として用いることが好ましい。
芳香族環を有する疎水性モノマー(a−2)としては、スチレン系モノマー、芳香族基含有(メタ)アクリレート、及びスチレン系マクロモノマーから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートは、メタクリレートとアクリレートの両方を意味する。以下においても同様である。
スチレン系モノマーとしては、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点から、スチレン、2−メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。
芳香族基含有(メタ)アクリレートとしては、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点、低吸水性の記録媒体に印字した際の光沢度を向上させる観点から、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、ベンジル(メタ)アクリレートがより好ましい。
スチレン系マクロモノマーは、片末端に重合性官能基を有する数平均分子量500以上100,000以下の化合物であり、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点、低吸水性の記録媒体に印字した際の光沢度を向上させる観点から、1,000以上10,000以下が好ましい。なお、数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲル浸透クロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される値である。
商業的に入手しうるスチレン系マクロモノマーとしては、AS−6(S)〔数平均分子量6000〕、AN−6(S)〔数平均分子量6000〕、HS−6(S)〔数平均分子量6000〕(東亞合成株式会社の商品名)等が挙げられる。
芳香族環を有する疎水性モノマー(a−2)としては、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点、低吸水性の記録媒体に印字した際の光沢度を向上させる観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレート及びスチレン系マクロモノマーから選ばれる1種又は2種を用いることが好ましく、芳香族基含有(メタ)アクリレートとスチレン系マクロモノマーを併用することがより好ましく、ベンジル(メタ)アクリレートとスチレン系マクロモノマーとを併用することが更に好ましい。
式(1)で表される親水性ノニオン性モノマー(a−3)は、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印字した際のドット径を大きくし、印字濃度を及び光沢度を向上させる観点、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、水不溶性ポリマーaのモノマー成分として用いることが好ましい。
Figure 0006110744
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は水素原子が炭素数1以上9以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示し、mは平均付加モル数を示し、7以上100以下の数である。)
上記式(1)において、R1は、水素原子又はメチル基であり、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点から、メチル基が好ましい。
2は、水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は水素原子が炭素数1以上9以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基であり、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点から、水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
上記式(1)において、mは7以上100以下である。mは、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印字した際のドット径を大きくし、印字濃度を及び光沢度を向上させる観点、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、9以上が好ましく、12以上がより好ましく、16以上が更に好ましく、20以上が更に好ましく、そして、mは、90以下が好ましく、70以下がより好ましく、55以下が更に好ましく、30以下がより更に好ましい。
上記式(1)で表されるモノマー(a−3)の好適例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートから選ばれる1種又は2種以上が挙げられるが、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートがより好ましい。
商業的に入手しうる式(1)で表される親水性ノニオン性モノマー(a−3)の具体例としては、NKエステルM−90G、同450G、同900G、TM−230G(以上、新中村化学工業株式会社社製、ライトエステル041MA(共栄社化学株式会社社製)が挙げられる。
本発明に用いられる水不溶性ポリマーaは、本発明の効果を損なわない範囲において、イオン性モノマー(a−1)、芳香族環を有する疎水性モノマー(a−2)及び式(1)で表される親水性ノニオン性モノマー(a−3)以外のモノマーを用いてもよい。
他のモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜22のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及び片末端に重合性官能基を有するオルガノポリシロキサン等のシリコーン系マクロモノマー等が挙げられる。
水不溶性ポリマーaの製造時における、前記モノマー(a−1)、(a−2)及び(a−3)のモノマー混合物(以下、単に「モノマー混合物」ともいう)中における含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)又は水不溶性ポリマーa中における前記モノマー(a−1)、(a−2)及び(a−3)成分に由来する構成単位の含有量は、好ましくは次のとおりである。
イオン性モノマー(a−1)の含有量は、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
芳香族環を有する疎水性モノマー(a−2)の含有量は、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点、低吸水性の記録媒体に印字した際の光沢度を向上させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは55質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは72質量%以下である。
また、モノマー(a−2)としてスチレン系マクロモノマーを用いる場合、その含有量は、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点、低吸水性の記録媒体に印字した際の光沢度を向上させる観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
親水性ノニオン性モノマー(a−3)の含有量は、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印字した際のドット径を大きくし、印字濃度及び光沢度を向上させる観点、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、好ましくは13質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは18質量%以上であり、そして、好ましくは45質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
また、〔(a−1)成分/[(a−2)成分+(a−3)成分]〕の質量比は、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点から、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.10以上であり、そして、好ましくは0.50以下、より好ましくは0.30以下、更に好ましくは0.20以下である。
(水不溶性ポリマーaの製造)
水不溶性ポリマーaは、前記モノマー混合物を公知の重合法により共重合させることによって製造される。重合法としては有機溶媒aを用いる溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる有機溶媒aに制限はないが、後述する顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの水分散体の製造の生産性を向上させる観点から、炭素数4以上8以下のケトン、アルコール、エーテル及びエステルから選ばれる1種以上の化合物が好ましく、炭素数4以上8以下のケトンがより好ましく、メチルエチルケトンが更に好ましい。
重合の際には、重合開始剤や重合連鎖移動剤を用いることができる。重合開始剤としては、アゾ化合物がより好ましく、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)がより好ましい。
重合連鎖移動剤としては、メルカプタン類が好ましく、2−メルカプトエタノールがより好ましい。
好ましい重合条件は、重合開始剤の種類等によって異なるが、重合温度は50℃以上90℃以下が好ましく、重合時間は1時間以上20時間以下であることが好ましい。また、重合雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。また、得られたポリマーは、再沈澱、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去することができる。
水不溶性ポリマーaは、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの水分散体の生産性を向上させる観点から、重合反応に用いた溶剤を除去せずに、含有する有機溶媒aを後述する有機溶媒bとして用いるために、そのままポリマー溶液として用いることが好ましい。
水不溶性ポリマーa溶液の固形分濃度は、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの水分散体の生産性を向上させる観点から、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、そして、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
本発明で用いられる水不溶性ポリマーaの重量平均分子量は、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性を向上させる観点から、10,000以上が好ましく、15,000以上がより好ましく、20,000以上が更に好ましい。また、有機溶媒Cの揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印字した際のドット径を大きくし、印字濃度を及び光沢度を向上させる観点、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、150,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましく、60,000以下が更に好ましく、40,000以下が更に好ましい。なお、水不溶性ポリマーの重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
<顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの製造>
顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aは、水系インクの生産性を向上させる観点から、顔料水分散体としてインクジェット記録用水系インクに配合するのが好ましい。
顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの水分散体(顔料水分散体)は、少なくともアゾ顔料とキナクリドン顔料とを、水不溶性ポリマーaの存在下で水に分散して、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの分散処理物を得る工程Iを有する方法により製造することができる。より具体的には、以下の工程I−1及び工程I−2を有する方法により製造することができる。
工程I−1:水不溶性ポリマーa、有機溶媒b、アゾ顔料、キナクリドン顔料、及び水を含有する混合物(以下、「顔料混合物」ともいう)を分散処理して、分散処理物を得る工程
工程I−2:工程I−1で得られた分散処理物から前記有機溶媒bを除去して、顔料水分散体を得る工程
<工程I−1>
工程I−1は、水不溶性ポリマーa、有機溶媒b、アゾ顔料、キナクリドン顔料、及び水を含有する混合物(顔料混合物)を分散処理して、分散処理物を得る工程である。
工程I−1では、まず、水不溶性ポリマーa、有機溶媒b、アゾ顔料、キナクリドン顔料、水及び必要に応じて、中和剤、界面活性剤等を混合し、顔料混合物を得ることが好ましい。加える順序に制限はないが、水不溶性ポリマーa、有機溶媒b、中和剤、水及び顔料(アゾ顔料、キナクリドン顔料)はこの順に加えることが好ましい。
(有機溶媒b)
有機溶媒bに特に制限はないが、炭素数1以上3以下の脂肪族アルコール、炭素数4以上8以下のケトン類、エーテル類、エステル類等が好ましく、顔料への濡れ性、水不溶性ポリマーaの溶解性、及び水不溶性ポリマーaの顔料への吸着性を向上させる観点から、炭素数4以上8以下のケトンがより好ましく、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが更に好ましく、メチルエチルケトンがより更に好ましい。
有機溶媒bに対する水不溶性ポリマーaの質量比[水不溶性ポリマーa/有機溶媒b]は、顔料への濡れ性、及び水不溶性ポリマーaの顔料への吸着性を向上させる観点から、0.10以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.20以上が更に好ましく、そして、0.60以下が好ましく、0.50以下がより好ましく、0.40以下が更に好ましい。
(中和剤)
本発明においては、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性、吐出性を向上させる観点から、中和剤を用いることができる。中和剤を用いる場合、顔料水分散体のpHが好ましくは7.0以上、より好ましくは7.5以上にすることが好ましく、そして、pHが好ましくは11.0以下、より好ましくは9.5以下にすることが好ましい。
中和剤としては、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、有機アミン等が挙げられる。
アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムが挙げられるが、水酸化ナトリウムが好ましい。
有機アミンとしては、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
中和剤は、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性、吐出性を向上させる観点から、アルカリ金属の水酸化物、アンモニアが好ましく、水酸化ナトリウムとアンモニアを併用することがより好ましい。
中和剤は、十分かつ均一に中和を促進させる観点から、中和剤水溶液として用いることが好ましい。中和剤水溶液の濃度は、上記の観点から、3質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、そして、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。
有機溶媒bに対する中和剤水溶液の質量比[中和剤水溶液/有機溶媒b]は、水不溶性ポリマーaの顔料への吸着性とポリマーの中和を促進して顔料分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性、粗大粒子の低減、水系インクの吐出性を向上させる観点から、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.10以上が更に好ましく、そして、0.50以下が好ましく、0.30以下がより好ましく、0.20以下が更に好ましい。
中和剤及び中和剤水溶液は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
中和剤のモル当量を水不溶性ポリマーaのアニオン性基のモル当量で除して計算で求めた場合の中和度は以下の範囲であることが好ましい。
水不溶性ポリマーaの計算による中和度は、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性、粗大粒子の低減、水系インクの吐出性を向上させる観点から、30モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましく、50モル%以上が更に好ましく、そして、300モル%以下が好ましく、200モル%以下がより好ましく、150モル%以下が更に好ましい。
また、このうちアルカリ金属の水酸化物による場合は、計算による中和度が30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上がより好ましく、50モル%以上であることが更に好ましく、そして、150モル%以下であることが好ましく、125モル%以下がより好ましく、100モル%以下であることが更に好ましい。
(各成分の含有量等)
工程I−1における顔料の含有量は、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性、吐出性を向上させる観点、顔料水分散体の生産性を向上させる観点から、顔料混合物中、10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、そして、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
また、顔料としては、少なくともアゾ顔料とキナクリドン顔料が用いられるが、アゾ顔料とキナクリドン顔料の質量比〔アゾ顔料/キナクリドン顔料〕は、低吸水性の記録媒体に印字した印字物の乾燥性を早め、印字濃度、光沢度及び耐光性を向上させる観点から、好ましくは5/95以上、より好ましくは10/90以上、更に好ましくは12/88であり、そして、好ましくは65/35以下、より好ましくは55/45以下、更に好ましくは52/48以下である。キナクリドン顔料をより多く用いることで耐光性が向上する。
水不溶性ポリマーaの含有量は、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性、吐出性を向上させる観点から、顔料混合物中、2.0質量%以上が好ましく、4.0質量%以上がより好ましく、5.0質量%以上が更に好ましく、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8.0質量%以下が更に好ましい。
有機溶媒bの含有量は、顔料への濡れ性及び水不溶性ポリマーaの顔料への吸着性を向上させる観点から、顔料混合物中、10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、そして、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下が更に好ましい。
水の含有量は、顔料水分散体の分散安定性を向上させる観点及び顔料水分散体の生産性を向上させる観点から、顔料混合物中、40質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましく、そして、75質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、65質量%以下が更に好ましい。
水不溶性ポリマーaに対する顔料(アゾ顔料とキナクリドン顔料の合計)の質量比〔顔料/水不溶性ポリマーa〕は、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印字した際のドット径を大きくし、印字濃度を及び光沢度を向上させる観点、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、好ましくは30/70以上、より好ましくは50/50以上、更に好ましくは70/30以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは85/15以下、更に好ましくは80/20以下である。
(顔料混合物の分散)
工程I−1において前記顔料混合物を分散処理して分散処理物を得るが、その分散方法に特に制限はない。本分散だけで顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの平均粒径を所望の粒径となるまで微粒化することもできるが、好ましくは顔料混合物を予備分散させた後、更に剪断応力を加えて本分散を行い、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの平均粒径を所望の粒径とするよう制御することが好ましい。
工程I−1の予備分散における温度は、0℃以上が好ましく、そして、40℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましく、20℃以下が更に好ましく、分散時間は0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましく、そして、30時間以下が好ましく、10時間以下がより好ましく、5時間以下が更に好ましい。
顔料混合物を予備分散させる際には、アンカー翼、ディスパー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができるが、中でも高速撹拌混合装置が好ましい。
本分散の剪断応力を与える手段としては、例えば、ロールミル、ニーダー等の混練機、マイクロフルイダイザー(Microfluidics社製)等の高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ビーズミル等のメディア式分散機が挙げられる。市販のメディア式分散機としては、ウルトラ・アペックス・ミル(寿工業株式会社製)、ピコミル(浅田鉄工株式会社製)等が挙げられる。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。これらの中では、顔料を小粒子径化する観点から、高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。
高圧ホモジナイザーを用いて本分散を行う場合、処理圧力やパス回数の制御により、顔料を所望の粒径になるように制御することができる。
処理圧力は、生産性及び経済性の観点から、60MPa以上が好ましく、100MPa以上がより好ましく、130MPa以上が更に好ましく、そして、200MPa以下が好ましく、180MPa以下がより好ましく、160MPa以下が更に好ましい。
また、パス回数は、顔料混合物の分散性の観点から、好ましくは3以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上であり、そして、好ましく30以下、より好ましくは25以下である。
<工程I−2>
工程I−2は、工程I−1で得られた分散処理物から前記有機溶媒bを除去して、顔料水分散体を得る工程である。有機溶媒bの除去は、公知の方法で行うことができる。
有機溶媒bを除去する過程で凝集物が発生することを抑制し、顔料水分散体の分散安定性及び水系インクの保存安定性、吐出性を向上させる観点から、有機溶媒bを除去する前に、工程I−1で得られた分散処理物に水を添加して、水に対する有機溶媒bの質量比(有機溶媒b/水)を調整することが好ましい。
(有機溶媒b/水)の質量比は、好ましくは0.08以上、より好ましくは0.10以上であり、そして、好ましくは0.40以下、より好ましくは0.20以下である。
また、質量比(有機溶媒b/水)を調整した後の顔料水分散体の不揮発成分濃度(固形分濃度)は、有機溶媒bを除去する過程で凝集物の発生を抑制する観点、及び顔料水分散体の生産性を向上させる観点から、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましく、そして、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、16質量%以下が更に好ましい。なお、上記顔料水分散体に含有される水の一部が有機溶媒bと同時に除去されてもよい。
工程I−2において用いられる有機溶媒bの除去装置としては、回分単蒸留装置、減圧蒸留装置、フラッシュエバポレーター等の薄膜式蒸留装置、回転式蒸留装置、攪拌式蒸発装置等が挙げられる。効率よく有機溶媒bを除去する観点から、回転式蒸留装置及び攪拌式蒸発装置が好ましく、回転式蒸留装置がより好ましく、ロータリーエバポレーターが更に好ましい。
有機溶媒bを除去する際の分散処理物の温度は、用いる有機溶媒bの種類によって適宜選択できるが、減圧下、20℃以上が好ましく、25℃以上がより好ましく、30℃以上が更に好ましく、そして、80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましく、65℃以下が更に好ましい。
このときの圧力は、0.01MPa以上が好ましく、0.02MPa以上がより好ましく、0.05MPa以上が更に好ましく、そして、0.5MPa以下が好ましく、0.2MPa以下がより好ましく、0.1MPa以下が更に好ましい。
有機溶媒bを除去するための時間は、1時間以上が好ましく、2時間以上がより好ましく、5時間以上が更に好ましく、24時間以下が好ましく、12時間以下がより好ましく、10時間以下が更に好ましい。
有機溶媒bの除去は、固形分濃度が、好ましく10質量%以上、より好ましくは20質量%以上になるまで行うことが好ましく、そして、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下になるまで行うことが好ましい。有機溶媒bの除去された後も、固形分濃度を調整するためにさらに濃縮を行ってもよい。
得られた濃縮物は、好ましくは遠心分離処理を行い、液層部分と固形部分とに分離し、液層部分を回収する。回収された液層部分は、主として、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aが水中に分散した分散液であり、固形部分は、主として、分散不良や凝集により生成した粗大粒子からなる固形分である。従って、この液層部分から顔料水分散体を得ることができる。
得られた顔料水分散体は、乾燥を防止する観点及び腐敗を防止する観点から、グリセリン等の保湿剤や防腐剤、防黴剤等を添加することが好ましい。
得られた顔料水分散体中の有機溶媒bは実質的に除去されていることが好ましいが、本発明の目的を損なわない限り、残存していてもよい。残留有機溶媒bの量は0.1質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましい。
得られた顔料水分散体の不揮発成分濃度(固形分濃度)は、顔料水分散体の分散安定性を向上させる観点及び水系インクの調製を容易にする観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、そして、30質量%以下が好ましく、25質量以下%がより好ましい。
得られた顔料水分散体は、少なくともアゾ顔料とキナクリドン顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの固体分が水を主媒体とする中に分散しているものである。
顔料水分散体中の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの平均粒径は、水不溶性ポリマーaの顔料への吸着性とポリマーの中和を促進して顔料分散体の分散安定性を向上させる観点、その結果、粗大粒子を低減し、水系インクの吐出性を向上させる観点、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印字した際のドット径を大きくし、印字濃度を及び光沢度を向上させる観点から、40nm以上が好ましく、60nm以上がより好ましく、80nm以上が更に好ましく、そして、200nm以下が好ましく、180nm以下がより好ましく、170nm以下が更に好ましく、160nm以下がより更に好ましい。
なお、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
また、水系インク中の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの平均粒径は、顔料水分散体中の平均粒径と同じであり、好ましい平均粒径の態様は、顔料水分散体中の平均粒径の好ましい態様と同じである。
(水系インクへの配合量、含有量)
前記顔料水分散体の水系インクへの配合量は、低吸水性の記録媒体に印字した際の紙面上での乾燥性を早め、印字濃度及び光沢度を向上させる観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。また、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印字した際のドット径を大きくし、印字濃度を及び光沢度を向上させる観点、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下が更に好ましい。
顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの水系インク中の含有量は、低吸水性の記録媒体に印字した際の紙面上での乾燥性を早め、印字濃度及び光沢度を向上させる観点から、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、4質量%以上が更に好ましい。また、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印字した際のドット径を大きくし、印字濃度及び光沢度を向上させる観点、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、8質量%以下が更に好ましい。
水不溶性ポリマーaの水系インク中の含有量は、上記と同様の観点から、0.5質量%以上が好ましく、0.8質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、そして、6質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。
顔料の水系インク中の含有量は、低吸水性の記録媒体に印字した際の紙面上での乾燥性を早め、印字濃度を向上させる観点から、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましい。また、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印字した際のドット径を大きくし、印字濃度を及び光沢度を向上させる観点、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。
<水不溶性ビニルポリマー粒子B>
本発明で用いられるインクジェット記録用水系インクは、インクジェット記録媒体(紙面)上での乾燥性を早め、低吸水性の記録媒体に印字した印字物の光沢度を向上させる観点から、水不溶ビニル性ポリマー粒子Bを含有する。
水不溶性ビニルポリマー粒子Bとしては、任意の水不溶性ポリマー粒子が使用できる。その形態としては、水不溶性ビニルポリマー粒子Bを、連続相としての水中に分散した分散液が挙げられ、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有していてもよい。水不溶性ビニルポリマー粒子Bの分散液は、インクジェットノズルから吐出されたインク液滴を記録媒体に定着させ、印字濃度、光沢度を向上させるための、定着エマルジョンとしても作用する。
水不溶性ビニルポリマー粒子Bは、顔料、染料等の着色剤を含有してもよいが、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、着色剤を含有しないことが好ましい。
水不溶性ビニルポリマー粒子Bを含有する分散液中の水不溶性ビニルポリマー粒子Bの含有量は、水不溶性ビニルポリマー粒子Bの分散安定性、インク配合時の利便性の観点から、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましく、そして、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、55質量%以下が更に好ましい。
また、水不溶性ビニルポリマー粒子Bを含有する分散液中又は水系インク中の水不溶性ビニルポリマー粒子Bの平均粒径は、水系インクの保存安定性、低吸水性の記録媒体に印字した際の印字濃度、光沢度を向上させる観点から、10nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、50nm以上が更に好ましく、そして、300nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、100nm以下が更に好ましい。
なお、水不溶性ビニルポリマー粒子Bの平均粒径は、実施例に記載の方法に測定される。
水不溶性ビニルポリマー粒子Bの構成成分としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらの中では、紙面上での乾燥性を早め、低吸水性の記録媒体に印字した印字物の光沢度を向上させる観点から、アクリル系樹脂が好ましい。
また、水不溶性ビニルポリマー粒子Bは、水系インクの生産性を向上させる観点から、水不溶性ビニルポリマー粒子Bを含む分散液として用いることが好ましい。水不溶性ビニルポリマー粒子Bは、連続相を水系とする媒体中に、界面活性剤の存在下又は不存在下で、ポリマーエマルジョンとなって分散可能であるポリマー粒子が好ましい。これらのポリマー粒子は、乳化重合法若しくは懸濁重合法によって得られるポリマー粒子、又は塊状重合法若しくは溶液重合法によって得られたポリマーから得られるポリマー粒子が好ましい。
ポリマー粒子を構成するポリマーの具体例としては、(メタ)アクリル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、スチレン−ブタジエン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、スチレン−(メタ)アクリル系ポリマー、ブタジエン系ポリマー、スチレン系ポリマー等が挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル系ポリマー、(メタ)アクリル−スチレン系ポリマー、スチレン系ポリマーが好ましく、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステルを共重合した(メタ)アクリル−スチレン系ポリマーがより好ましい。例えば、特開2008−266488号公報に記載のものを用いることができる。
水不溶性ビニルポリマー粒子Bは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
市販の水不溶性ビニルポリマー粒子Bの分散液としては、例えば、「Neocryl A1127」(DSM NeoResins社製、アニオン性自己架橋水系アクリル樹脂、MFT7℃、酸価21)、「ジョンクリル390」(BASFジャパン株式会社製)等のアクリル樹脂、「WBR−2018」「WBR−2000U」(大成ファインケミカル株式会社製)等のウレタン樹脂、「SR−100」、「SR102」(以上、日本エイアンドエル株式会社製)等のスチレン−ブタジエン樹脂、「ジョンクリル7100」、「ジョンクリル734」、「ジョンクリル538」(以上、BASFジャパン株式会社製)等のスチレン−アクリル樹脂及び「ビニブラン701」(日信化学工業株式会社製)等の塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
顔料に対する水不溶性ビニルポリマー粒子Bの質量比〔顔料/水不溶性ビニルポリマー粒子B〕は、低吸水性の記録媒体に印字した印字物の乾燥性を早め、印字濃度及び光沢度を向上させる観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.7以上であり、そして、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.0以下である。
本発明で用いられるインクジェット記録用水系インク中の水不溶性ビニルポリマー粒子Bの含有量は、低吸水性の記録媒体に印字した印字物の光沢度を向上させる観点から、1.0質量%以上が好ましく、2.0質量%以上がより好ましく、3.0質量%以上が更に好ましい。また、溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸水性の記録媒体に印字した際のドット径を大きくし、印字濃度を及び光沢度を向上させる観点、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、10質量%以下が好ましく、8.0質量%以下がより好ましく、6.0質量%以下が更に好ましい。
<有機溶媒C>
本発明で用いられるインクジェット記録用水系インクは、水系インクの吐出性を向上させる観点から、有機溶媒Cを含有することが好ましい。有機溶媒Cの沸点は、1種の有機溶媒を用いる場合はその溶媒の沸点であり、2種以上の有機溶媒を用いる場合は各有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値である。有機溶媒Cは、沸点90℃以上の1種又は2種以上の有機溶媒を含有し、有機溶媒Cの沸点が、各有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で250℃以下である。有機溶媒Cとして、2種以上の有機溶媒を用いる場合は、画像の乾燥性の向上及びノズル目詰まり抑制の観点から、沸点の異なる複数の有機溶媒を用いることが好ましい。
有機溶媒Cの沸点の加重平均値は、インクジェットノズル中でのインクの乾燥を防止する観点から、好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上であり、また、低吸水性の記録媒体に印字した印字物の乾燥性を早め、光沢度を向上させる観点から、好ましくは240℃以下、より好ましくは230℃以下、更に好ましくは220℃以下である。
沸点の低い有機溶媒ほど、特定の温度における飽和蒸気圧が高く、蒸発速度も速くなる。また、特定の温度における蒸発速度が速い有機溶媒の割合が多いほど、特定の温度における混合有機溶媒の蒸発速度は速くなる。したがって、有機溶媒Cの沸点の加重平均値は、混合溶媒の蒸発速度の指標となる。
なお、有機溶媒Cの沸点の加重平均値は、例えば、プロピレングリコールの含有量が20質量%であり、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルの含有量が10質量%である場合は、下記のように189℃と算出される。
[〔プロピレングリコールの含有量(質量%)×プロピレングリコールの沸点(188℃)〕+〔ジプロピレングリコールモノメチルエーテルの含有量(質量%)×ジプロピレングリコールモノメチルエーテルの沸点(190℃)〕]/[プロピレングリコールの含有量(質量%)+ジプロピレングリコールモノメチルエーテルの含有量(質量%)]
=[0.2×188℃〕+〔0.1×190℃〕]/[0.2+0.1]=189℃
有機溶媒Cとして使用する化合物は、例えば、多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテル、含窒素複素環化合物、アミド、アミン、含硫黄化合物等が挙げられ、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、多価アルコール及び多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種が好ましく、多価アルコールがより好ましい。多価アルコールは多価アルコールの概念に含まれる複数を混合して用いることができ、多価アルコールアルキルエーテルも同様に複数を混合して用いることができる。
有機溶媒C中の、多価アルコール及び多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、実質的に100質量%が更に好ましく、100質量%が更に好ましい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール(沸点197℃)、ジエチレングリコール(沸点244℃)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール(沸点188℃)、ジプロピレングリコール(沸点232℃)、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール(沸点210℃)、1,3−ブタンジオール(沸点208℃)、1,4ブタンジオール(沸点230℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(沸点203℃)、1,5−ペンタンジオール(沸点242℃)、1,6−ヘキサンジオール(沸点250℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(沸点196℃)、1,2,6−ヘキサントリオール(沸点178℃)、1,2,4−ブタントリオール(沸点190℃)、1,2,3−ブタントリオール(沸点175℃)、ペトリオール(沸点216℃)等が挙げられる。また、トリエチレングリコール(沸点285℃)、トリプロピレングリコール(沸点273℃)、グリセリン(沸点290℃)等を沸点が250℃未満の化合物と組み合わせて用いることができる。これらの中では、低吸水性の記録媒体に印字した際に、ドット径の広がりに優れ、印字濃度、光沢度を向上させる観点から、グリセリン、プロピレングリコール及びジエチレングリコールが好ましい。
多価アルコールアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点135℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(沸点171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点202℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点122℃)、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル(沸点160℃)、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点158℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点133℃)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点227℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点90℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点100℃)、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。また、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点276℃)等を沸点が250℃未満の化合物と組み合わせて用いることができる。これらの中では、低吸水性の記録媒体に印字した際に、ドット径の広がりに優れ、印字濃度、光沢度を向上させる観点から、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(沸点202℃)、2−ピロリドン(沸点245℃)、1,3−ジメチルイミダゾリジノン(沸点220℃)、ε−カプロラクタム(沸点136℃)等が挙げられる。
アミドとしては、例えば、ホルムアミド(沸点210℃)、N−メチルホルムアミド(沸点199℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点153℃)等が挙げられる。
アミンとしては、例えば、モノエタノ−ルアミン(沸点170℃)、ジエタノールアミン(沸点217℃)、トリエタノールアミン(沸点208℃)トリエチルアミン(沸点90℃)等が挙げられる。
含硫黄化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)、スルホラン(沸点285℃)等が挙げられる。また、チオジグリコール(沸点282℃)等を沸点が250℃未満の化合物と組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、低吸水性の記録媒体に印字した際に、ドット径の広がりに優れ、印字濃度、光沢度を向上させる観点及びインクの吐出性を向上させる観点から、有機溶媒Cとしては、多価アルコール2種以上の併用、多価アルコールアルキルエーテル2種以上の併用、及び多価アルコール1種以上と多価アルコールアルキルエーテル1種以上の併用が好ましく、多価アルコール2種以上の併用、及び多価アルコール1種以上と多価アルコールアルキルエーテル1種以上の併用がより好ましく、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる1種以上が更に好ましい。
水系インク中の有機溶媒Cの合計含有量は、インクの吐出性を向上させる観点から、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましい。また、水系インクの保存安定性を向上させる観点、低吸水性の記録媒体に印字した印字物の乾燥性を早め、光沢度を向上させる観点から、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルの合計の有機溶媒C中の含有量は、インクの吐出性を向上させる観点、低吸水性の記録媒体に印字した印字物の乾燥性を早め、光沢度を向上させる観点から、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましく、実質的に100質量%が更に好ましい。
プロピレングリコール及びジエチレングリコールの合計の水系インク中の含有量は、低吸水性の記録媒体に印字した際に、ドット径の広がりに優れ、印字濃度、光沢度を向上させる観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、また、同様の観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
ジプロピレングリコールモノメチルエーテルの水系インク中の含有量は、低吸水性の記録媒体に印字した際に、ドット径の広がりに優れ、印字濃度、光沢度を向上させる観点から、1質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2質量%以上が更に好ましく、そして、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。
<水>
水の含有量は、低吸水性の記録媒体に印字した際に、ドット径の広がり、印字濃度、光沢度を向上させる観点及び水系インクの保存安定性を向上させる観点から、インクジェット記録用水系インク中、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましい。また、インクの吐出性を向上させる観点から、70質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。
<その他の成分>
インクジェット記録用水系インクには、通常用いられる湿潤剤、浸透剤、分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等を添加することができる。
<水系インクの物性>
前記方法により得られるインクジェット記録用水系インクの25℃の粘度は、水系インクの吐出性を向上させる観点から、2.0mPa・s以上が好ましく、3.0mPa・s以上がより好ましく、5.0mPa・s以上が更に好ましい。また、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、12mPa・s以下が好ましく、10.0mPa・s以下がより好ましく、9.0mPa・s以下が更に好ましい。
なお、25℃におけるインクの粘度は、実施例に記載の方法により測定される。
インクジェット記録用水系インクのpHは、水系インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点及び低吸水性の記録媒体に印字した際に、ドット径の広がり、印字濃度、光沢度を向上させる観点から、7.0以上が好ましく、8.0以上がより好ましく、8.5以上が更に好ましい。また、部材耐性、皮膚刺激性の観点から、pHは11.0以下が好ましく、10.0以下がより好ましく、9.5以下が更に好ましい。pHは、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、有機アミン等の塩基性化合物及び酸等のpH調整剤を用いて調整することもできる。なお、pHは、実施例に記載の方法により測定される。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の方法で得られたインクジェット記録用水系インクを、記録媒体に吐出するインクジェット記録方法であって、該記録媒体と純水との接触時間100m秒における該記録媒体の吸水量が、0g/m2以上10g/m2以下である、インクジェット記録方法である。
インクの吐出方法としては、サーマル式又はピエゾ式のインクジェットヘッドを用いてインクを吐出する方法があるが、本発明においては、ピエゾ式のインクジェットヘッドを用いてインクを吐出させ印字する方法が好ましい。
<インクジェット記録媒体>
(記録媒体の吸水量)
用いることができるインクジェット記録媒体の吸水量に特に制限はないが、高吸収性媒体と純水との接触時間100m秒の吸水量は、通常10g/m2以上である。また、低吸収性媒体と純水との接触時間100m秒の吸水量は、通常0g/m2以上10g/m2以下である。本発明方法により得られる水系インクは、低吸収性媒体に印刷する場合に特に好適である。
なお、インクジェット記録媒体と純水との接触時間100m秒の吸水量は、実施例に記載の方法により測定される。
(記録媒体の60°光沢度)
記録媒体の60°光沢度は、印字物の光沢度及び視認性を向上させる観点から、5以上が好ましく、20以上がより好ましく、30以上が更に好ましく、そして、200以下が好ましい。60°光沢度は、光沢計「HANDY GLOSSMETER」(日本電色工業株式会社製、品番:PG−1M)を用いて測定することができる。
(記録媒体の具体例)
本発明によれば、インクジェット記録媒体としてオフセット印刷用のコート紙等の低吸収性記録媒体に印字した際に、印字濃度、光沢度、及び画像再現性に優れる効果を奏する。
コート紙としては、例えば、「OKトップコートプラス」(王子製紙株式会社製、坪量104.7g/m2、60°光沢度49.0、接触時間100m秒における吸水量(以下の吸水量は同じ)4.9g/m2)、多色フォームグロス紙(王子製紙株式会社製、104.7g/m2、60°光沢度36.8、吸水量5.2g/m2)、UPM Finesse Gloss(UPM社製、115g/m2、60°光沢度27.0、吸水量3.1g/m2)、UPM Finesse Matt(UPM社製、115g/m2、60°光沢度5.6、吸水量4.4g/m2)、TerraPress Silk(Stora Enso社製、80g/m2、60°光沢度6.0、吸水量4.1g/m2)、LumiArt(Stora Enso社製、90g/m2、60°光沢度26.3)等が挙げられる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のインクジェット記録方法を開示する。
<1> 2種以上の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aと、水不溶性ビニルポリマー粒子Bを含むインクジェット記録用水系インクの製造方法であって、少なくともアゾ顔料とキナクリドン顔料とを、水不溶性ポリマーaの存在下で水に分散して、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの分散処理物を得る工程Iを有する、インクジェット記録用水系インクの製造方法。
<2> アゾ顔料が、ピグメントレッド150、ピグメントレッド269及びピグメントレッド48:3から選ばれる1種又は2種以上の顔料である、前記<1>に記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
<3> キナクリドン顔料が、ピグメントレッド122、ピグメントレッド202及びピグメントバイオレット19から選ばれる1種又は2種以上の顔料である、前記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
<4> アゾ顔料とキナクリドン顔料の質量比〔アゾ顔料/キナクリドン顔料〕が、好ましくは5/95以上、より好ましくは10/90以上、更に好ましくは12/88であり、そして、好ましくは65/35以下、より好ましくは55/45以下、更に好ましくは52/48以下である、前記<1>〜<3>のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
<5> 水不溶性ポリマー粒子Aを構成する水不溶性ポリマーaが、イオン性モノマー(a−1)由来の構成単位、芳香族環を有する疎水性モノマー(a−2)由来の構成単位、及び前記式(1)で表される親水性モノマー(a−3)由来の構成単位を含有する、前記<1>〜<4>のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
<6> 式(1)において、mは、好ましくは9以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上、更に好ましくは20以上であり、好ましくは90以下、より好ましくは70以下、更に好ましくは55以下、更に好ましくは25以下である、前記<1>〜<5>のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
<7> 式(1)において、R2は、好ましくは水素原子又は炭素数1以上20以下のアルキル基、より好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基、更に好ましくはメチル基である、前記<1>〜<6>のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
<8> モノマー(a−1)が、好ましくはカルボン酸モノマー、より好ましくはアクリル酸又はメタクリル酸、更に好ましくはメタクリル酸である、前記<1>〜<7>のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
<9> モノマー(a−2)が、好ましくはスチレン系モノマー、芳香族基含有(メタ)アクリレート、及びスチレン系マクロモノマーから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは芳香族基含有(メタ)アクリレート及びスチレン系マクロモノマーから選ばれる1種又は2種であり、更に好ましくは芳香族基含有(メタ)アクリレートとスチレン系マクロモノマーを併用することであり、更に好ましくはベンジル(メタ)アクリレートとスチレン系マクロモノマーとを併用することである、前記<1>〜<8>のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
<10> モノマー(a−3)が、好ましくはポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートである、前記<1>〜<9>のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
<11> 水不溶性ビニルポリマー粒子Bの構成成分が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂から選ばれる1種又は2種以上である、前記<1>〜<10>のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
<12> 顔料に対する水不溶性ビニルポリマー粒子Bの質量比〔顔料/水不溶性ビニルポリマー粒子B〕が、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.7以上であり、そして、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.0以下である、前記<1>〜<11>のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
<13> 前記工程Iの後に、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aと、水不溶性ビニルポリマー粒子Bと、有機溶媒Cを混合する工程IIを有するインクジェット記録用水系インクの製造方法であって、有機溶媒Cが、沸点90℃以上の1種又は2種以上の有機溶媒を含有し、有機溶媒Cの沸点が、各有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で250℃以下である、前記<1>〜<12>のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
<14> 有機溶媒Cの沸点の加重平均値は、好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上であり、また、好ましくは240℃以下、より好ましくは230℃以下、更に好ましくは220℃以下である、前記<1>〜<13>のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
<15> 有機溶媒Cが、好ましくは多価アルコール及び多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種以上、より好ましくは多価アルコール類2種以上の併用、多価アルコールアルキルエーテル類2種以上の併用、及び多価アルコール類1種以上と多価アルコールアルキルエーテル類1種以上の併用、更に好ましくは多価アルコール類2種以上の併用及び多価アルコール類1種以上と多価アルコールアルキルエーテル類1種以上の併用、更に好ましくはプロピレングリコール、ジエチレングリコール及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる1種以上とグリセリンとの併用である、前記<1>〜<14>のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
<16> 有機溶媒C中の、多価アルコール及び多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種の含有量が、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは実質的に100質量%、更に好ましくは100質量%である、前記<1>〜<15>のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
<17> 前記<1>〜<16>のいずれかに記載の方法で得られたインクジェット記録用水系インクを、記録媒体に吐出するインクジェット記録方法であって、該記録媒体と純水との接触時間100m秒における該記録媒体の吸水量が、0g/m2以上10g/m2以下である、インクジェット記録方法。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「質量
部」及び「質量%」である。
(1)ポリマーの重量平均分子量の測定
N,N−ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲルクロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8120GPC)、東ソー株式会社製カラム(TSK−GEL、α−M×2本)、流速:1mL/min〕により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定した。
(2)顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子A及び水不溶性ビニルポリマー粒子Bの平均粒径の測定
レーザー粒子解析システム「ELS−8000」(大塚電子株式会社製)を用いてキュムラント解析を行い測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力した。測定濃度は、5×10-3質量%(固形分濃度換算)で行った。
なお、実施例で用いた水不溶性ビニルポリマー粒子B(アニオン性自己架橋水系アクリル樹脂「Neocryl A1127」)の平均粒径は63.2nmであった。
(3)顔料水分散体の固形分濃度の測定
30mlのポリプレピレン製容器(φ=40mm、高さ=30mm)にデシケーター中で恒量化した硫酸ナトリウム10.0gを量り取り、そこへサンプル約1.0gを添加して、混合させた後、正確に秤量し、105℃で2時間維持して、揮発分を除去し、更にデシケーター内で更に15分間放置し、質量を測定した。揮発分除去後のサンプルの質量を固形分として、添加したサンプルの質量で除して固形分濃度とした。
(4)記録媒体の純水との接触時間100m秒での吸水量
自動走査吸液計(熊谷理機工業株式会社製、KM500win)を用いて、23℃、相対湿度50%の条件下にて、純水の接触時間100msにおける転移量を測定し、100m秒の吸水量とした。測定条件を以下に示す。
「Spiral Method」
Contact Time : 0.010〜1.0(sec)
Pitch (mm) : 7
Length Per Sampling (degree) : 86.29
Start Radius (mm) : 20
End Radius (mm) : 60
Min Contact Time (ms) : 10
Max Contact Time (ms) : 1000
Sampling Pattern (1 - 50) : 50
Number of Sampling Points (> 0) : 19
「Square Head」
Slit Span (mm) : 1
Slit Width (mm) : 5
汎用光沢紙「OKトップコートプラス」(王子製紙株式会社製)は4.9g/m2であった。
製造例1(水不溶性ポリマーa溶液の製造)
2つの滴下ロート1及び2を備えた反応容器内に、表1の「初期仕込みモノマー溶液」に示すモノマー、溶媒、重合開始剤、重合連鎖移動剤を入れて混合し、窒素ガス置換を行い、初期仕込みモノマー溶液を得た。
一方、表1の「滴下モノマー溶液1」に示すモノマー、溶媒、重合開始剤、合連鎖移動剤を混合して、滴下モノマー溶液1を得、滴下ロート1中に入れて、窒素ガス置換を行った。
また、表1の「滴下モノマー溶液2」に示すモノマー、溶媒、重合開始剤、重合連鎖移動剤を混合して、滴下モノマー溶液2を得、滴下ロート2中に入れて、窒素ガス置換を行った。
窒素雰囲気下、反応容器内の初期仕込みモノマー溶液を攪拌しながら77℃に維持し、滴下ロート1中の滴下モノマー溶液1を3時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。次いで滴下ロート2中の滴下モノマー溶液2を2時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了後、反応容器内の混合溶液を77℃で0.5時間攪拌した。次いで前記の重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製、商品名:V−65)1.1部をメチルエチルケトン47.3部に溶解した重合開始剤溶液を調製し、該混合溶液に加え、77℃で0.5時間攪拌することで熟成を行った。前記重合開始剤溶液の調製、添加及び熟成を更に5回行った。次いで反応容器内の反応溶液を80℃に1時間維持し、固形分濃度は45.2%になるようにメチルエチルケトン約200部を加えてポリマーa溶液を得た。
得られた水不溶性ポリマーaの重量平均分子量は28,258であった。
なお、用いたモノマーの詳細は下記のとおりである。
メタクリル酸:和光純薬工業株式会社製
ベンジルメタクリレート:和光純薬工業株式会社製
スチレン:和光純薬工業株式会社製
スチレン系マクロモノマー:「AS−6(S)」(東亜合成株式会社製)(有効分濃度50%、数平均分子量6000)
メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(m=23):NKエステルTM−230G(新中村化学工業株式会社製)
Figure 0006110744
実施例1
(1)顔料水分散体1の製造
製造例1で得られた水不溶性ポリマーa溶液(固形分濃度45.2%)44.2部を、メチルエチルケトン(MEK)36.1部と混合し、水不溶性ポリマーaのMEK溶液を得た。
容積が2Lのディスパーに該水不溶性ポリマーaのMEK溶液を投入し、翼径40mmφの攪拌翼で1400rpmの条件で撹拌しながら、イオン交換水176.8部、5N水酸化ナトリウム水溶液6.1部、及び25%アンモニア水溶液1.3部を添加して、水酸化ナトリウムによる中和度が85%、アンモニアによる中和度が40%となるように調整し、0℃の水浴で冷却しながら、1400rpmで15分間撹拌した。
次いで、アゾ顔料としてピグメントレッド150(PR150)、及びキナクリドン顔料としてピグメントレッド122(PR122)を、質量比(PR150/PR122)が30/70の割合で60部加え、7000rpmで3時間撹拌した。得られた顔料混合物をマイクロフルイダイザー「M−110EH−30XP」(Microfluidics社製)を用いて150MPaの圧力で20パス分散処理し、分散処理物を得た(工程I−1)。固形分濃度は25.0%であった。
前記工程で得られた分散処理物324.5部を2Lナスフラスコに入れ、イオン交換水216.3部を加え(固形分濃度15.0%)、減圧蒸留装置「ロータリーエバポレーター N−1000S」(東京理化器械株式会社製)を用いて、回転数50rpmで、32℃に調整した温浴中、0.09MPaの圧力で3時間保持して、有機溶媒を除去した。更に、温浴を62℃に調整し、圧力を0.07MPaに下げて固形分濃度25%になるまで濃縮した(工程I−2)。(表2の「アゾ顔料とキナクリドン顔料の混合方法」の欄の「方法1」は、この方法をいう。)
得られた濃縮物を500mlアングルローターに投入し、高速冷却遠心機「himac CR22G」(日立工機株式会社製、設定温度20℃)を用いて7000rpmで20分間遠心分離した後、液層部分を5μmのメンブランフィルター「Minisart」(Sartorius社製)で濾過した。
ろ液300部(顔料55.1部、水不溶性ポリマーa 18.4部)にイオン交換水48.4部を添加し、更にグリセリン18.4部とプロキセルLVS 0.74部を添加し、70℃で1時間攪拌した。25℃に冷却後、前記5μmフィルターでろ過し、更に固形分濃度は20.0%になるようにイオン交換水を加えて、顔料水分散体1を得た。
得られた顔料水分散体1中の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの〔顔料/ポリマー〕質量比は75/25であり、平均粒径は130nmであった。
(2)水系インク1の製造
前記(1)で得られた顔料水分散体1を用いて、インクジェット記録用水系インク1を調製した。インク中に顔料4%、水不溶性ビニルポリマー粒子B5%となるように以下の組成(合計100部)にて配合した(工程II)。pH電極「6337−10D」(株式会社堀場製作所製)を使用した卓上型pH計「F−71」(株式会社堀場製作所製)を用いて、25℃におけるインクのpHを測定したところ、9.0であった。
<組成A>
顔料水分散体1(グリセリン5%含有) 26.7部
水不溶性ビニルポリマー粒子B アニオン性自己架橋水系アクリル樹脂「Neocryl A1127」(DSM NeoResins社製、固形分44%、平均粒径は63.2nm) 11.4部
プロピレングリコール(和光純薬工業株式会社製) 20部
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業株式会社製) 10部
サーフィノール104PG50(日信化学工業株式会社製、プロピレングリコール、有効分50%) 0.60部
エマルゲン120(花王株式会社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 0.60部
イオン交換水 30.7部
得られた混合液を前記5μmフィルターで濾過し、水系インク1を得た。水系インク1の物性を表2に示す。
なお、有機溶媒の沸点は、以下の計算式により、有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で193℃と算出される。
[〔プロピレングリコールの含有量(質量%)×プロピレングリコールの沸点(188℃)〕+〔グリセリンの含有量(質量%)×グリセリンの沸点(290℃)〕+〔ジプロピレングリコールモノメチルエーテルの含有量(質量%)×ジプロピレングリコールモノメチルエーテルの沸点(190℃)〕]/[プロピレングリコールの含有量(質量%)+グリセリンの含有量(質量%)+ジプロピレングリコールモノメチルエーテルの含有量(質量%)]
=[0.203×188℃〕+[0.013×290℃〕+〔0.1×190℃〕]/[0.203+0.013+0.1]=193℃
実施例2〜7、比較例2〜9
実施例1において、アゾ顔料及びキナクリドン顔料を表2に記載の顔料及び質量比に変更した以外は、実施例1と同様にして、水系インク2〜7及び9〜16を得た。各水系インクのpHは8.6〜9.0の範囲であった。結果を表2に示す。
比較例1
比較例4で得られた顔料分散体10を13.35部、比較例7で得られた顔料分散体13を13.35部用いた以外は、実施例1(2)の水系インク1の製造と同様にして、水系インク8を得た。結果を表2に示す。
なお、表2の「アゾ顔料とキナクリドン顔料の混合方法」の欄の「方法2」は、この方法をいう。
なお、実施例1〜7、及び比較例1〜9で用いた顔料の詳細は下記のとおりである。
PR48:3 :富士色素株式会社製、FUJI RED 5R 763
PR122:大日精化株式会社製、Chromofine Red 6111T
PR150:トーヨーカラー株式会社製、LIONOGEN RED LX10231
PR202:DIC株式会社製、QUIND Magenta 202 228-6843
PR269:山陽色素株式会社製、Permanent Carmine 3810
PV19(γ型):Clariant社製、Inkjet Magenta E5B02
PV19(β型):Clariant社製、Hostaperm Red Violet ER02
<インクジェット記録方法による印刷物の作製と評価>
上記実施例及び比較例で得られた水系インク1〜16を、ピエゾ方式インクジェットプリンター(リコー株式会社製、型番:GX2500)のヘッドに充填し、オフセットコート紙(王子製紙株式会社製、品番:OKトップコート+、坪量104.7g/m2、接触時間100m秒における吸水量4.9g/m2、60°光沢度;44)に写真モード(解像度1200ドット/インチ)で印字(Duty10%〜100%までを10%刻み)し、印字物を25℃湿度50%で24時間放置した。
得られた水系インクを用いて、下記の方法により、水系インクの粘度、平均粒径、保存安定性、吐出性、粘度、平均粒径、ドット径、印字濃度、光沢度、色相及び色相角(画像再現性)、耐光性を評価した。結果を表5に示す。
(1)水系インクの粘度
E型粘度計「TV−25」(東機産業株式会社製、標準コーンロータ1°34’×R24使用、回転数50rpm)を用いて、25℃にてインクの粘度を測定した。
(2)水系インクの平均粒径
レーザー粒子解析システム「ELS−8000」(大塚電子株式会社製)を用いてキュムラント解析を行いインク中のポリマー粒子の平均粒径を測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力した。測定濃度は、5×10-3質量%(固形分濃度換算)で行った。
(3)保存安定性
保存安定性は、インクを70℃で2週間保存し、保存前後の粒径変化について以下の式の計算値を指標とした。値は100%に近いほど保存安定性に優れる。
保存安定性(%)=(保存後の平均粒径)/(保存前の平均粒径)×100
なお、インクの平均粒径は、レーザー粒子解析システム「ELS−8000」(大塚電子株式会社製)を用いてキュムラント解析を行って測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力した。測定濃度は、5×10-3質量%(固形分濃度換算)で行った。
(4)吐出性
減圧乾燥機を用いて210mmHg、60℃の条件の下、インクの濃縮を行い、濃縮度が70%のインクを作製した。なお、濃縮度は下式で求められる。
濃縮度=(濃縮後インク質量/初期インク質量)×100
次に、MCR301レオメーター(Anton Paar社製、CP50−1コーンプレート使用)を用いて、25℃にて、上記の濃縮インクについて、せん断速度を上昇させながら、せん断速度100、200、300、400、500、600、700、800、900及び1000における応力を測定した。得られた応力−せん断速度のプロットを原点を通るように最小二乗法でフィッティングし、その直線の傾きを濃縮インクの粘度とした。この粘度を吐出性の数値とした。値が小さい程、吐出性に優れる。
(5)ドット径
ドットサイズの測定には、ハンディ型画像評価システム(QEA社製、型番:PIAS−II)を用い、得られた印字物のDuty10%でドットの直径(μm)を読み取った。
ドット径の値が大きい程、ドットの重なりが増えて良好な画像となる。
(6)印字濃度
印字濃度の測定には、分光光度計(グレタグマクベス社製、型番:SpectroEye)を用い、上記で得られた印字物のDuty100%で印字したマゼンタの色濃度成分の数値を読み取った(測定条件:観測光源D65、観測視野2度、濃度基準DIN16536)。測定値が大きい方が良好である。
(7)光沢度
印字物のDuty100%で印字したマゼンタの光沢度(60°)を光沢計「HANDY GLOSSMETER」(日本電色工業株式会社製、品番:PG−1M)を用いて測定を行った。値が大きいほど、光沢度に優れる。
(8)色相及び色相角
色相及び色相角の測定には、分光光度計(グレタグマクベス社製、型番:SpectroEye)を用い、上記で得られた印字物のDuty100%で印字したマゼンタのCIE L***の数値を読み取った(測定条件:観測光源D65、観測視野2度、表色系CIE L***)。L***の値を以下の式より、色相として色度図の原点からの距離として示した。値が大きいほど、色相に優れる。
色相=√[(L*2+(a*2+(b*2
***の値を以下の式より、色相角として色度図の原点からの角度として示した。
色相角(°)=ATAN2(a*,b*)×180/π
(9)耐光性
耐光性の測定には、(Duty100%で印字したマゼンタの印字物をキセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、型番:X75.648を用いて放射照度20W/m2hで5万kJ照射し続けた後、分光光度計を用いで照射前における測定と同じ印字箇所の印字濃度を測定し、以下の式で耐光性を評価した。測定値が100に近いほど良好である。
耐光性(%)=(照射後の印字濃度)/(照射前の印字濃度)×100
参考例
オフセット印刷機(Manroland社製、型番:R300)にオフセットインキ(太陽インキ製造株式会社製、品番:OPIS100YMCK)を充填し、印刷速度7000枚/時、175線でDuty10%から100%までの10%刻みパターンを前記オフセットコート紙のA4版に印刷し、印字物を25℃湿度50%で24時間放置した。
Figure 0006110744
表2から、アゾ顔料とキナクリドン顔料とを水不溶性ポリマーaの存在下で水に分散する工程を有する方法により得られた実施例1〜7のインクは、アゾ顔料の顔料分散体とキナクリドン顔料の顔料分散体をそれぞれ製造した後に、混合する方法により得られた比較例1のインクに比べ、保存安定性と吐出性に優れていることが分かる。また、実施例1〜7と比較例2〜9との対比から、アゾ顔料とキナクリドン顔料の2種を併用することにより、保存安定性、吐出性、色相角及び耐光性を満足するインクが得られることが分かる。

Claims (8)

  1. 2種以上の顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aと、水不溶性ビニルポリマー粒子Bを含むインクジェット記録用水系インクの製造方法であって、少なくともアゾ顔料とキナクリドン顔料とを、水不溶性ポリマーaの存在下で水に分散して、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aの分散処理物を得る工程Iを有する、インクジェット記録用水系インクの製造方法。
  2. アゾ顔料が、ピグメントレッド150、ピグメントレッド269及びピグメントレッド48:3から選ばれる1種又は2種以上の顔料である、請求項1に記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
  3. キナクリドン顔料が、ピグメントレッド122、ピグメントレッド202及びピグメントバイオレット19から選ばれる1種又は2種以上の顔料である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
  4. アゾ顔料とキナクリドン顔料の質量比〔アゾ顔料/キナクリドン顔料〕が、5/95〜65/35である、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
  5. 水不溶性ポリマー粒子Aを構成する水不溶性ポリマーaが、イオン性モノマー(a−1)由来の構成単位、芳香族環を有する疎水性モノマー(a−2)由来の構成単位、及び式(1)で表される親水性モノマー(a−3)由来の構成単位を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
    Figure 0006110744
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基、又は水素原子が炭素数1以上9以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示し、mは平均付加モル数を示し、7以上100以下の数である。)
  6. 前記工程Iの後に、顔料を含有する水不溶性ポリマー粒子Aと、水不溶性ビニルポリマー粒子Bと、有機溶媒Cを混合する工程IIを有するインクジェット記録用水系インクの製造方法であって、有機溶媒Cが、沸点90℃以上の1種又は2種以上の有機溶媒を含有し、有機溶媒Cの沸点が、各有機溶媒の含有量(質量%)で重み付けした加重平均値で250℃以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
  7. 有機溶媒Cが、多価アルコール及び多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種又は2種を含有する、請求項6に記載のインクジェット記録用水系インクの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法で得られたインクジェット記録用水系インクを、記録媒体に吐出するインクジェット記録方法であって、該記録媒体と純水との接触時間100m秒における該記録媒体の吸水量が、0g/m2以上10g/m2以下である、インクジェット記録方法。
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