JP2007071259A - ドラム式ブレーキ及び鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成でありながら効果的にブレーキ鳴きを防止することができるドラム式ブレーキ及び鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】 ブレーキドラム30の車軸方向に隣接配置され、ブレーキシュー50を回動自在に枢支するシュープレート40に架設される部材であって、第1及び第2の部位81A,81Bを有し、第1の部位81Aをシュープレート40又は他の部材に固定するとともに、第2の部位81Bをシュープレート40に固定し又は圧接させ、第1の部位81Aを固定点としたときに、該第1の部位81Aと前記第2の部位81Bとの間の固有振動数がシュープレート40の固有振動数と異なる架設部材80を有する構成としてある。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、自動二輪車、四輪バギー又はスノーモービルといった鞍乗型車両に用いられるドラム式ブレーキ、及びこれを備えた鞍乗型車両に関し、特に、簡単な構成でありながら効果的にブレーキ鳴きを防止することができるドラム式ブレーキ及び鞍乗型車両に関する。
例えば、自動二輪車、四輪バギー又はスノーモービルといった鞍乗型車両には、車輪にドラム式ブレーキを装備したものがある。一般にドラム式ブレーキは、回転するブレーキドラムの内周にブレーキシューを押圧して摩擦によって制動する構成となっていた。このような構成からなるドラム式ブレーキでは、ブレーキドラムとブレーキシューの摩擦振動が、これらブレーキドラム、ブレーキシュー、シュープレート等のブレーキ構成部品の固有振動数と一致すると、共振を起こして不快な音が発生してしまうというブレーキ鳴きの問題があった。
そこで、従来は、上述した摩擦振動に共振するブレーキ構成部品の重量を変化させて、その固有振動数を調整することによりブレーキ鳴きの防止を図っていた。例えば、実開昭62−92331号(特許文献1)では、鋼板等の帯状体を半円形に丸め加工した一対の制振材と、内周面に浅い溝を設けた環状弾性体からなるバンドとからなり、バンドの溝に制振材を嵌め込んで、バンドをブレーキドラムの外周に巻着した構成のブレーキ鳴き防止装置を備えたドラム式ブレーキが提案されていた。
このような構成からなる従来のドラム式ブレーキによれば、ブレーキドラムの重量を変化させることによって、その固有振動数を変化させ、該ブレーキドラムが摩擦振動と共振しないようにしてブレーキ鳴きを防止していた。
実開昭62−92331号公報(図1,図2)
ところが、上述した従来のドラム式ブレーキでは、そのブレーキ鳴き防止装置が、ウエイト(重り)の役割を果たす金属製の制振材を、環状弾性体のバンドによってブレーキドラムに巻着する構成となっていた。このため、例えば、実開昭62−92331号のようにスポークを組み付けた車輪のブレーキドラムに、ブレーキ鳴き防止装置を後付けすることができず、逆に、一度、ブレーキドラムに巻着したブレーキ鳴き防止装置を、スポーク組み付け後にメンテナンスしたり、交換したりすることが極めて困難であるという問題があった。
また、ブレーキ鳴き防止装置が、一対の制振材とバンドとの複数部品からなり、部品点数の増大と、ブレーキドラムへの組み付けに手間と時間を要するという問題もあった。さらに、ブレーキドラムの重量を重くするためには、ウエイトである制振材を大きくする必要があるが、該制振材を設置するブレーキドラムの外周面の面積が限られているため、制振材を大きくするのに一定の限界があるという問題もあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でありながら効果的にブレーキ鳴きを防止することができるドラム式ブレーキ及び鞍乗型車両の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のドラム式ブレーキは、ブレーキドラムの車軸方向に隣接配置され、ブレーキシューを回動自在に枢支するシュープレートに架設される部材であって、第1及び第2の部位を有し、前記第1の部位を前記シュープレート又は他の部材に固定するとともに、前記第2の部位を前記シュープレートに固定し又は圧接させ、前記第1の部位を固定点としたときに、該第1の部位と前記第2の部位との間の固有振動数が前記シュープレートの固有振動数と異なる架設部材を有する構成としてある。
好ましくは、前記シュープレートが振動したときに振幅の小さい箇所と大きい箇所とを有し、前記架設部材の第1の部位を、前記振幅の小さい箇所に固定し又は前記振幅の小さい箇所に位置する他の部材に固定するとともに、前記架設部材の第2の部位を、前記振幅の大きい箇所に固定し又は圧接させた構成としてある。
好ましくは、前記シュープレートが振動したときに振幅の小さい箇所と大きい箇所とを有し、前記架設部材の第2の部位を、前記振幅の大きい箇所に固定し又は圧接させるとともに、前記架設部材の第1の部位を、前記シュープレートの直径方向における前記第2の部位から前記車軸以上離れた箇所に固定し、又は前記シュープレートの直径方向における前記第2の部位から前記車軸以上離れた箇所に位置する他の部材に固定した構成としてある。
好ましくは、前記架設部材の第1の部位を、前記車軸に固定した構成とし、また、より好ましくは、前記架設部材の第1の部位を、筒状カラーを介して前記車軸に固定した構成とする。
好ましくは、前記架設部材が、一端に前記第1の部位及び他端に第2の部位を有する架設プレートと、前記第1の部位に固定された前記筒状カラーとを備え、前記筒状カラーを前記車軸に装着するとともに、前記架設プレートの第2の部位を前記シュープレートに固定し又は圧接させた構成とする。
好ましくは、前記架設部材の第2の部位を、前記シュープレートの回止め部に固定し又は圧接させた構成とし、また、より好ましくは、前記架設部材の第2の部位を、締結部材により前記回止め部に固定した構成とする。
好ましくは、前記架設部材における前記第1及び第2の部位を除く本体部と前記シュープレートとの間に隙間を形成し、前記シュープレートが振動したときであっても、前記本体部と前記シュープレートとが非接触状態を保つようにした構成とする。
好ましくは、前記架設部材を、前記車軸を介して後輪を支持するリヤアームとし、このリヤアームに前記第1及び第2の部位を設け、前記第1の部位に前記車軸を挿通して固定するとともに、前記第2の部位に前記シュープレートの回止め部を固定した構成とする。
上記目的を達成するために、本発明の鞍乗型車両は、上述した本発明に係るいずれかのドラム式ブレーキを備えた構成としてある。
本発明のドラム式ブレーキ及び鞍乗型車両によれば、架設部材の第1の部位と第2の部位との間における固有振動数がシュープレートの固有振動数と異なる。このため、ブレーキドラムとブレーキシューの摩擦振動が生じた場合に、架設部材とシュープレートとの振動モードが相違して、架設部材の第2の部位においてシュープレートとの間で摩擦が生じ、シュープレートの振動エネルギーが摩擦熱エネルギーに変換され、ブレーキ鳴きを防止することができる。
このように、簡単な構成の架設部材によってシュープレートの振動を減衰し、効果的にブレーキ鳴きを防止することができる。
以下、本発明の実施形態に係るドラム式ブレーキ及び鞍乗型車両について、図面を参照しつつ説明する。まず、本実施形態に係るドラムブレーキを備えた鞍乗型車両について、図1を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両(自動二輪車)を示す右側面図である。
同図において、自動二輪車1の車体フレーム10は、クレードル形のフレームであり、該車体フレーム10の前端のステアリングヘッドパイプ10aには、フロントフォーク11が回動自在に取り付けてある。フロントフォーク11の下端部には前輪WFが回動自在に支承してあり、その上部には該前輪WFを覆うフロントフェンダー13が設けてある。また、フロントフォーク11の上端部には、ハンドル12が取り付けてある。
ステアリングヘッドパイプ10aには、後方斜め下向きに延びる左右のメインフレーム10bと、下向きに延びる左右のダウンチューブ10cが連結してあり、これらメインフレーム10bとダウンチューブ10cとで囲まれた空間部分に、空冷式4サイクルのエンジン14が搭載してある。該エンジン14は、やや前傾された直立形の気筒14aを有している。また、エンジン14には、図示しないパイプを介してオイルクーラ15が接続してある。該オイルクーラ15は、気筒14aの前方を通るダウンチューブ10cに取り付けてあり、気筒14aの前方上部に位置している。このオイルクーラ15の周囲は、合成樹脂製のシュラウド16によって覆われ、シュラウド16によって走行風をオイルクーラ15に導いて冷却している。
メインフレーム10bの後方には、シート17を支持する左右のシートレール10d,10dが連結してある。各シートレール10dとメインフレーム10bの後部の間にバックステー10eを連結し、バックステー10eによって各シートレール10dを支持している。各シートレール10dとバックステー10eとで後部フレームを構成しており、本実施形態では、該後部フレームを複数パイプの組み合わせとしているが、例えば、Al鋳造等の一体物とした構成としてもよい。
各シートレール10dとメインフレーム10bとの連結部分には、これら両者間に跨って燃料タンク18が配置してある。該燃料タンク18は、エンジン14の上方に位置しており、該燃料タンク18の後端部にシート17が連なっている。
一方、メインフレーム10bの後下部には、図示しないピボット軸取付ブラケットが固定してあり、該ピボット軸取付ブラケットに図示しないピボット軸が支持してある。該ピボット軸にはリヤアーム19の前端部が軸支してあり、該リヤアーム19は、サスペンション20によって揺動自在に支持してある。また、リヤアーム19には可動フェンダー21がボルトによって締付固定してある。このようなリヤアーム19の後端部には、車軸26を介して後輪WRが回動自在に支承してある。そして、該後輪WRには、本実施形態に係るドラム式ブレーキ3が備わっている。該ドラム式ブレーキについては後に詳述する。
なお、燃料タンク18の後部下方からシート17の前部下方はサイドカバー22によって覆ってある。また、シート17の側部から後部の周囲の下方は、リヤカバー23によって覆ってある。さらに、メインフレーム10bの後下部には、左右両側にそれぞれフートブラケット24,24が固定してある。右側のフートブラケット24には、エンジン14から後方に延びる排気管25が支持してある。
次に、本発明の第1実施形態に係るドラム式ブレーキについて、上記図1及び図2〜図4を参照しつつ説明する。図2は本発明の第1実施形態に係るドラム式ブレーキを示す拡大図である。図3は上記ドラム式ブレーキを示す縦断面図である。図4は上記ドラム式ブレーキを構成するシュープレートの正面図である。
図2及び図3において、内拡式の本ドラム式ブレーキ3は、主として、ブレーキドラム30と、シュープレート40と、一対のブレーキシュー50,50と、カムレバー60と、バックプレート70と、架設部材80とを備えた構成となっている。
ブレーキドラム30は、後輪WRのホイールと一体的に設けてあり、リヤアーム5に架設した車軸26に左右一対の軸受31,32を介して回転自在に支承してある。これによりブレーキドラム30は、後輪WRとともに車軸26回りに回転するようになっている。ブレーキドラム30の一側(車両右側)には、ブレーキシュー50を収納するための内部空間30Aが形成してあり、該内部空間30Aの内周面は摩擦面30Bとなっている。
ブレーキドラム30の内部空間30Aの開口部は、シュープレート40によって閉鎖してある。該シュープレート40は、図4に示すように、正面視において略円板状の部材であり、中央に車軸挿通孔40Aが設けてあるとともに、該車軸層通孔40Aから半径方向に向かって径外まで延びる段差状の回止め部40Bが一体的に形成してある。このようなシュープレート40は、車軸挿通孔40Aに車軸26を挿通するとともに、回止め部40Bを図示しない回止めロッドによりリヤアーム5に締結することにより、該リヤアーム5に一定状態で固定してある。
また、シュープレート40の内側には、ブレーキドラム30の内部空間30Aに向かって枢支軸41が突設してあり、該枢支軸41には、一対のブレーキシュー50,50が回動自在に枢支されている。また、シュープレート40には、前記車軸挿通孔40Aと半径方向に隣接するカム軸挿通孔40Cが設けてあり、該カム軸挿通孔40Cにはカム軸42が回動自在に保持してある。該カム軸42は、ブレーキドラム30の内部空間30Aにおいて、各ブレーキシュー50とカム係合している。
各ブレーキシュー50は、それぞれブレーキドラム30の摩擦面30Bの近傍に位置し、該摩擦面30Bに沿って延びる半円弧形状をなし、車軸26回りの周方向で互いに対向するように列設してある。これらブレーキシュー50は、各一端部を枢支軸41に枢支してあり、該枢支軸41を中心として、各他端部側がブレーキドラム30の直径方向に回動(内拡)自在となっている。そして、これらブレーキシュー50の各他端部は、上述のようにカム軸42とカム係合している。
また、各ブレーキシュー50には、それぞれブレーキドラム30の摩擦面30Bから離反させるよう付勢し、これらブレーキシュー50の各他端部をカム軸42に圧接させる図示しない一対のばねが設けてある。なお、各ブレーキシュー50は公知のもので、各ブレーキシュー50の基部は金属製で十分な強度と剛性を有し、これら基部の摩擦面30B側の面にはライニングが取り付けてある。
カムレバー60は、シュープレート40の外側に突出したカム軸42の他端に取り付けてあり、該シュープレート40の直径方向外側に向かって延びている。該カムレバー60の先端には、上述した自動二輪車1のブレーキペダルに連動する図示しないロッドが連結してある。
前記ブレーキペダルを踏み込み操作すると、該ブレーキペダルの回動と連動して前記ロッドが直線運動し、該直線運動を受けてカムレバー60が回動する。すると、該カムレバー60に連動してカム軸42が回動し、これにより、該カム軸42とカム係合する各ブレーキシュー50が、ブレーキドラム30の摩擦面30Bに向かって回動(内拡)して摩擦接合する。この結果、回転する後輪WRの制動力が発生する。
このとき、ブレーキドラム30と各ブレーキシュー50の摩擦振動が、ブレーキ構成部品の固有振動数と一致すると、共振を起こして不快なブレーキ鳴きを発生させてしまうが、本実施形態では、架設部材80を設けることにより、このブレーキ鳴きを効果的に防止している。該架設部材80については後に詳述する。
一方、ブレーキドラム30の他側(車両左側)には、バックプレート70が連結してある。該バックプレート70は、その車軸層通孔70A内に装着した軸受71を介して車軸26に回動自在に支承してある。また、バックプレート70の外側面にはスプロケット90が複数本のボルト91,91…により固定してあり、該スプロケット90には、上述したエンジン14からの駆動力を伝達するチェーン92が歯合してある。
このようなバックプレート70は、スプロケット90及びチェーン92を介して、エンジン14からの駆動力を受けて回転し、この回転をブレーキドラム30に伝達して後輪WRを回転させている。
次に、上述したドラムブレーキのブレーキ鳴きを防止するための架設部材について、上記図2〜図4、及び図5〜図7を参照しつつ説明する。図5は上記ドラム式ブレーキに取り付けた架設部材を示す斜視図である。図6は上記架設部材を示す側面図である。図7は上記架設部材を示す正面図である。
まず、架設部材80の構成について図5〜図7を参照して説明する。該架設部材80は、主として、金属板からなる架設プレート81の一端側に、筒状カラー82を溶接した構成となっている。架設プレート81は、図2及び図4に示すように、シュープレート40の回止め部40Bの輪郭に近似した形状となっており、シュープレート40との固定点となる第1の部位81Aと、第2の部位81Bとを有している。第1の部位81Aには、筒状カラー82の取付孔81aが穿設してあり、第2の部位81Bには、前記回止め部40Bに設けたロッド締結孔40B1に一致する取付孔81bが穿設してある。
また、架設プレート81は、後述するように、第2の部位81Bにおいて振動するシュープレート40との間で摩擦を生じさせ、この振動を減衰させるものであるから、シュープレート40の振動に追従しない程度の剛性を必要とする。したがって、架設プレート81の剛性が高いほど、振動するシュープレート40との間で効果的に摩擦を生じさせることができ、該シュープレート40の振動を効率よく減衰させることができる。
一方、筒状カラー82は、架設プレート81を車軸26に容易に固定するための部材であり、圧肉円筒の胴部をアールに絞った形状となっている。また、筒状カラー82の内径は、車軸26の外径とほぼ等しくなっており、図3に示すように、該車軸26に嵌挿可能となっている。
該筒状カラー82をリヤアーム19とともに車軸26に嵌挿し、該車軸26の一側端に螺合させたナット26aを締結することにより、架設プレート81の第1の部位81Aを、シュープレート40の車軸挿通孔40Aの位置に固定している。このとき、架設プレート81の第2の部位81Bが、シュープレート40の回止め部40Bにおける固定面40B2に一致する。そこで、上述した回止めロッドを固定するための図示しないボルトを、互いに重なり合い連通する取付孔81b及びロッド締結孔40B1に挿通し締結することにより、架設プレート81の第2の部位81Bを、回止め部40Bの固定面40B2に固定している。
さらに、筒状カラー82の一端部には、段差状取付部82aが形成してある。該段差状取付部82aに架設プレート81の取付孔81aを嵌合させることにより、車軸26に取り付けた該架設プレート81を、シュープレート40の回止め部40Bにおける固定面40B2の高さに保持している。図3に示すように、固定面40B2は、これ以外の回止め部40Bにおける他の面よりも若干高く形成してあり、架設プレート81の第2の部位81Bが固定面40B2のみと面接触するようになっている。
このような構成により、架設プレート81とシュープレート40との接触面を、摩擦熱エネルギーの発生に必要な第1及び第2の部位81A,81Bに制限し、他の部位(架設プレート81の第1及び第2の部位81A,81Bを除く本体部)において非接触とすることができる。これにより、これら架設プレート81とシュープレート40とが不必要な部位で接触して振動し、新たなブレーキ鳴きが生じることを防止することができる。
ここで、上記構成からなる架設部材80によるブレーキ鳴き防止の原理について説明する。本発明のブレーキ鳴き防止の原理は、ブレーキ構成部品として少なくとも一箇所において固定された状態であることを前提とし、ブレーキドラム30とブレーキシュー50との摩擦振動を受けたときの固有振動数がシュープレート40と異なる架設部材80を、該シュープレート40に面接触で圧接又は固定させることにより、該接触面においてシュープレート40の振動エネルギーを摩擦熱エネルギーに変換するというものである。
極端な具体例を挙げるなら、摩擦振動に共振するシュープレート40に対して、全く振動しない架設部材80を面接触させれば、該接触面において摩擦が生じ、シュープレート40の振動エネルギーは、摩擦熱エネルギーに変換されて減衰される。
なお、本発明における「固有振動数」は、一般的な定義のような、シュープレート40や架設部材80等の物体を自由状態にしたときの外部からの入力による振動を指すものではない。本発明における「固有振動数」は、第1の部位81Aと第2の部位81Bといった二つの部位間の固有振動数を指すものである。
このような原理に基づいて、より効果的にシュープレート40の振動を減衰させるべく、本発明者は、シュープレート40の振動モードを測定した。具体的には、図4に示すように、シュープレート40の車軸挿通孔40Aを固定点P0として、図中二点鎖線の交点P1〜P9に、それぞれ図示しない加速度センサーを設置し、該シュープレート40の振動モードを測定した。この結果、シュープレート40は、概ね、車軸26の方向に凹凸を呈して波打つように振幅し、車軸挿通孔40Aから直径方向に遠い箇所ほど振幅が大きいことが分かった。
したがって、本実施形態の架設部材80では、上述のように、架設プレート81の第2の部位81Bを、他の箇所と比較して振幅の大きい回止め部40Bの端部に固定することとしている。これにより、シュープレート40のより振幅の大きい箇所での振動減衰を図ることができ、ブレーキ鳴きを効果的に防止することができる。
なお、回止め部40Bには、前記回止めロッドを固定するためのロッド締結孔40B1及び固定面40B2が設けてあるので、新たにシュープレート40に取付部を設けることなく、架設プレート81の第2の部位81Bを固定できるというメリットもある。
次いで、架設プレート81の第1の部位81Aの、シュープレート40における固定点の選定について説明する。まず、上述のように、第2の部位81Bをシュープレート40のより振幅の大きい箇所に固定した場合は、本実施形態のように、第1の部位81Aをシュープレート40の振幅の小さい箇所である固定点P0近傍、すなわち、車軸挿通孔40A近傍に固定することが振動減衰に効果的である。第1の部位81Aと第2の部位81Bとの間における、架設プレート81とシュープレート40との固有振動数及び振動モードの違いによる変位のずれを大きくすることができるからである。
一方、シュープレート40の第2の部位81Bを固定した箇所と、同様のモードで振動する箇所(振幅の位相差が小さい箇所)に第1の部位81Aを固定した場合は、架設プレート81がシュープレート40の振幅に追従してしまい、互いの接触面における摩擦が低減し、振動減衰の効果が小さくなるものと考えられる。
例えば、図4に示すシュープレート40における点P5,P9は、固定点P0を中心に互いに半径方向に近接しており、ほぼ同様のモードで振動すると考えられる。したがって、架設プレート81の第1の部位81Aを点P5に固定するとともに、第2の部位81Bを点P9に固定した場合は、これら点P5,P9における振幅に架設プレート81が追従してしまい、互いの接触面における摩擦が低減するものと考えられる。
これと逆に、シュープレート40の第2の部位81Bを固定した箇所と、異なるモードで振動する箇所(振幅の位相差が大きい箇所)に第1の部位81Aを固定した場合は、互いの接触面における摩擦が増大し、振動減衰の効果が大きくなるものと考えられる。
例えば、図4に示すシュープレート40における点P1,P9は、固定点P0を中心に互いに直径方向に離反しており、異なるモードで振動すると考えられる。したがって、架設プレート81の第1の部位81Aを点P1に固定するとともに、第2の部位81Bを点P9に固定した場合は、これら点P1,P9における振幅に架設プレート81が追従せず、互いの接触面における摩擦が増大するものと考えられる。
また、上述した振動モード測定の結果、図4に示すような円板状のシュープレート40では、少なくとも、固定点P0を通る直径方向の直線を境にして離反する2点の振動モードが互いに異なることが分かった。したがって、架設プレート81の第2の部位81Bを点P9に固定するならば、第1の部位81Aを、該点P9から点P0以上離れた点P2,P3,P8又はP7のいずれかに固定した場合も、架設プレート81がこれら点P9と、点P2,P3,P8又はP7のいずれかとの振幅に追従せず、互いの接触面における摩擦が増大するものと考えられる。
上述した本実施形態に係るドラム式ブレーキ3、及びこれを備えた自動二輪車(鞍乗型車両)1によれば、架設部材80(架設プレート81)の第1の部位81Aと第2の部位81Bとの間における固有振動数がシュープレート40の固有振動数と異なる。このため、ブレーキドラム30とブレーキシュー50の摩擦振動が生じた場合に、架設部材80とシュープレート40との振動モードが相違して、架設部材80の第2の部位81Bにおいてシュープレート40(固定面40B2)との間で摩擦が生じる。これにより、シュープレート40の振動エネルギーが摩擦熱エネルギーに変換され、該シュープレート40の振動が減衰されて、ブレーキ鳴きを防止することができる。
また、本実施形態では、架設部材80の第2の部位81Bをシュープレート40の振幅の大きい回止め部40Bに固定してあるので、シュープレート40のより大きな振動を、より大きな摩擦熱エネルギーに変換して減衰することができ、ブレーキ鳴きを効果的に防止することができる。
さらに、上述のように、略円板状のシュープレート40は、車軸26近傍の振幅が小さく、車軸26から直径方向外側へ離れるほど振幅が大きくなる。また、架設部材80の第1の部位81Aと第2の部位81Bとがあまりに近すぎると、両部位においてシュープレート40の振動モードが近似してしまい、架設部材80がシュープレート40の振動に追従してしまい、第2の部位81Bにおいて架設部材80とシュープレート40の摩擦が減少してしまう。
したがって、本実施形態のように、架設部材80の第2の部位81Bをシュープレート40の振幅の大きい箇所に固定するとともに、該架設部材80の第1の部位81Aを、シュープレート40の振幅による影響を受けない車軸26に固定することにより、第2の部位81Bにおいて、より大きな摩擦熱エネルギーを生じさせて、ブレーキ鳴きを効果的に防止することができる。
また、本実施形態の架設部材80は、架設プレート81と筒状カラー82とを備えた簡単な構成でありながら、効果的にドラム式ブレーキ3の鳴き防止を図ることができる。また、筒状カラー82を車軸26に挿通して固定することにより、架設部材80をシュープレート40に容易に装着することができ、既存の自動二輪車(鞍乗型車両)1のドラム式ブレーキ3に簡単に後付けすることが可能となる。
さらに、本実施形態では、シュープレート40に設けられている既存の回止め部(回止めロッドの接続部)40Bを利用して、架設部材80の第2の部位81Bをボルト等の締結部材により容易に固定することができ、架設部材80自体の構成のみならず、その設置構造をも簡単にすることができる。
これに加え、本実施形態では、架設部材80とシュープレート40との接触点を摩擦熱エネルギーの発生に必要な第1及び第2の部位81A,81Bに制限し、他の部位(架設プレート81の第1及び第2の部位81A,81Bを除く本体部)において非接触としている。これにより、これら架設部材80とシュープレート40とが不必要な部位で接触して新たなブレーキ鳴きが生じることを防止することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るドラム式ブレーキについて、図8を参照しつつ説明する。図8は本発明の第2実施形態に係るドラム式ブレーキを示す拡大図である。なお、以下に説明する第2実施形態において、上述した第1実施形態と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
同図において、本実施形態に係るドラム式ブレーキ4は、上述した架設部材80(図3及び図5参照)を、車軸26を介して後輪を支持するリヤアーム90としてある。該リヤアーム90は、上記架設部材80と同様に、第1及び第2の部位90A,90Bを有し、第1の部位90Aに車軸26を挿通して固定するとともに、第2の部位90Bにシュープレート40の回止め部40Bを固定した構成としてある。
また、リヤアーム90の第1の部位90Aには、車軸26の端部を挿通するための長孔91が形成してある。該長孔91は、車軸26を車両前後方向に移動させてチェーンの弛み等を調整するためのものである。これと同様に、リヤアーム90の第2の部位90Bにも、車両前後方向に延びる長孔92が形成してあり、車軸26の移動に追従して、回止め部40Bに固定するためのボルト93の締結位置を変更することができるようになっている。
上述した第1実施形態と同様に、回止め部40Bの固定面40B2は、これ以外の回止め部40Bにおける他の面よりも若干高く形成してあり、リヤアーム90の第2の部位90Bが固定面40B2のみと面接触するようになっている。
このような本実施形態のドラム式ブレーキ4によれば、上記第1実施形態と同様に、リヤアーム90の第1の部位90Aと第2の部位90Bとの間における固有振動数がシュープレート40の固有振動数と異なる。このため、ブレーキドラム30とブレーキシュー50(図3参照)の摩擦振動が生じた場合に、リヤアーム90とシュープレート40との振動モードが相違して、リヤアーム90の第2の部位90Bにおいてシュープレート40(固定面40B2)との間で摩擦が生じる。これにより、シュープレート40の振動エネルギーが摩擦熱エネルギーに変換され、該シュープレート40の振動が減衰されて、ブレーキ鳴きを防止することができる。
また、リヤアーム90自体を、上述した架設部材80とすることができ、別途、架設部材80を増設することなく、部品点数の削減を図りつつ、ブレーキ鳴きを効果的に防止することができる。
なお、第1の部位90Aをシュープレート40に直接固定していなくても、第1の部位90Aからシュープレート40までの間が、該シュープレート40と共に振動する略剛体といえる部材により形成されているのであれば、第1実施形態と同様の摩擦減衰の作用効果を奏することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係るドラム式ブレーキについて、図9を参照しつつ説明する。図9は本発明の第3実施形態に係るドラム式ブレーキを示す拡大図である。なお、以下に説明する第3実施形態において、上述した第1又は第2実施形態と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
同図において、本実施形態に係るドラム式ブレーキ5は、上述した第2実施形態と同様に、架設部材80(図3及び図5参照)をリヤアーム100とした構成としてある。但し、本実施形態では、シュープレート40の回止め部140の構成を変更している。
まず、リヤアーム100は、その側壁部101の端部近傍に第1の部位100Aを有するとともに、その上壁部102に第2の部位100Bを有している。第1の部位100Aには、車両前後方向に延びる長孔101aが形成してあり、該長孔101aに挿通した車軸26がナット26aにより締結してある。
一方、第2の部位100Bには、上壁部102を貫通する取付孔102aが穿設してあり、該上壁部102の裏側には、取付孔102aにねじ孔を一致させたナット103が溶着してある。該ナット103に、シュープレート40の回止め部140に貫挿したボルト142を締結させることにより、回止め部140を第2の部位100Bに固定してある。
回止め部140は、リヤアーム100と略平行な断面逆L字型の板状体としてあり、シュープレート40に一体的に形成してある。該回止め部140は、リヤアーム100の上壁部102に面接触する固定部141を有している。該固定部141には、上述したボルト142を貫挿するための長孔141aが形成してある。該長孔141aは、車両前後方向に延びており、リヤアーム100の第1の部位100Aに設けた長孔101aに沿って車軸26を移動させたとき、これに追従して、回止め部140を固定するボルト142の締結位置を変更することができるようになっている。
このような本実施形態のドラム式ブレーキ5によれば、上記第1実施形態と同様に、リヤアーム100の第1の部位100Aと第2の部位100Bとの間における固有振動数がシュープレート40の固有振動数と異なる。このため、ブレーキドラム30とブレーキシュー50(図3参照)の摩擦振動が生じた場合に、リヤアーム100とシュープレート40との振動モードが相違して、リヤアーム100の第2の部位100Bにおいてシュープレート40(固定部141)との間で摩擦が生じる。これにより、シュープレート40の振動エネルギーが摩擦熱エネルギーに変換され、該シュープレート40の振動が減衰されて、ブレーキ鳴きを防止することができる。
また、第2実施形態と同様に、リヤアーム100自体を、上述した架設部材80とすることができ、別途、架設部材80を増設することなく、部品点数の削減を図りつつ、ブレーキ鳴きを効果的に防止することができる。
次に、本発明の第4実施形態に係るドラム式ブレーキについて、図10を参照しつつ説明する。図10は本発明の第4実施形態に係るドラム式ブレーキを示す部分拡大断面図である。なお、以下に説明する第4実施形態において、上述した第1〜第3実施形態と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
同図において、本実施形態のドラム式ブレーキ6は、架設プレート111と筒状カラー112からなる架設部材110を備えた構成となっている。特に、本実施形態では、架設プレート111の第2の部位111Bに段差状の圧接部111bを突設してあり、架設プレート111に与えた付勢力で、該圧接部111bをシュープレート40の表面に圧接させていることを特徴としている。
架設プレート111に付勢力を与える手段として、例えば、車軸26へ固定する前の状態において、架設プレート111に、筒状カラー112の突出方向と反対方向(図中矢印P方向)の若干の傾きを与える。これにより、筒状カラー112を車軸26に固定したときに、架設プレート111が図中矢印P方向の付勢力を発揮するようになる。
なお、架設プレート111の第1の部位111Aには、第1実施形態と同様に、筒状カラー112の段差状取付部112aが嵌合してあり、筒状カラー112を車軸26に固定したときに、架設プレート111の第1の部位111A側を、シュープレート40の表面における当接部111bの高さに保持している。これにより、架設プレート111の当接部111bのみがシュープレート40の表面と面接触するようになっている。
このような本実施形態のドラム式ブレーキ6によれば、上記第1実施形態と同様に、架設部材110(架設プレート111)の第1の部位111Aと第2の部位111Bとの間における固有振動数がシュープレート40の固有振動数と異なる。このため、ブレーキドラム30とブレーキシュー50(図3参照)の摩擦振動が生じた場合に、架設部材110とシュープレート40との振動モードが相違して、架設部材110の第2の部位111Bにおいて当接部111bとシュープレート40との間で摩擦が生じる。これにより、シュープレート40の振動エネルギーが摩擦熱エネルギーに変換され、該シュープレート40の振動が減衰されて、ブレーキ鳴きを防止することができる。
また、本実施形態では、架設部材110の第2の部位111Bに当接部111bを形成して、これをシュープレート40の表面に圧接させる構成としてあるので、第2の部位111Bをボルトやナット等で固定する必要がなく、シュープレート40への組み付けがより容易となる。
次に、本発明の第5実施形態に係るドラム式ブレーキについて、図11を参照しつつ説明する。図11は本発明の第5実施形態に係るドラム式ブレーキを構成するシュープレート及び架設部材の正面図である。なお、以下に説明する第5実施形態において、上述した第1〜第4実施形態と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
同図において、本実施形態のドラム式ブレーキ7は、シュープレート40と略同心円弧状の架設部材120を備えた構成となっている。該架設部材120は、その両端側に第1及び第2の部位120A,120Bを有している。これら第1及び第2の部位120A,120Bには、それぞれ図示しない締結用ボルトを貫挿するための取付孔121,122が穿設してある。
一方、シュープレート40には、架設部材120の各取付孔121,122に対応して、二つの取付台座部40D,40Eが突設してある。これら取付台座部40D,40Eの中心には、前記締結用ボルトと螺合するねじ孔40D1,40E1が穿設してある。このような取付台座部40D,40Eに、架設部材120の第1及び第2の部位120A,120Bを載置し、各取付孔121,122を貫挿させた前記締結用ボルトを各ねじ孔40D1,40E1に締結することにより、第1及び第2の部位120A,120Bを取付台座部40D,40Eに固定している。
このように、第1実施形態及び第2実施形態の如く、第1の部位120Aを固定する箇所は、車軸26ないしシュープレート40の車軸挿通孔40A近傍に限定されるものではない。すなわち、架設部材120の第1の部位120Aと第2の部位120Bとの間における固有振動数がシュープレート40の固有振動数と異なるならば、本実施形態の如く、架設部材120の第1の部位120Aを、シュープレート40上の車軸挿通孔40A以外の箇所に固定しても、振動減衰の作用効果を奏することができる。
このような構成からなる本実施形態のドラム式ブレーキ7によれば、架設部材120の第1の部位120Aと第2の部位120Bとの間における固有振動数がシュープレート40の固有振動数と異なる。このため、ブレーキドラム30とブレーキシュー50(図3参照)の摩擦振動が生じた場合に、架設部材120とシュープレート40との振動モードが相違して、架設部材120の第1及び第2の部位120A,120Bにおいてシュープレート40(取付台座部40D,40E)との間で摩擦が生じる。これにより、シュープレート40の振動エネルギーが摩擦熱エネルギーに変換され、該シュープレート40の振動が減衰されて、ブレーキ鳴きを防止することができる。
なお、本発明のドラム式ブレーキ及び鞍乗型車両は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明は、上述した実施形態の内拡式のドラム式ブレーキに限らず、外接式のドラム式ブレーキであっても摩擦振動が生じる以上、ブレーキ鳴き防止を図ることができる。また、内拡式のドラム式ブレーキの場合は、ツー・リーディング又はリーディング・トレーリングのいずれのタイプでも、本発明の適用が可能である。
また、上述した実施形態では、いずれも架設部材を薄型かつ軽量の板状体としたが、板状体に限定されるものではなく、第1の部位と第2の部位との間における固有振動数がシュープレートの固有振動数と異なるならば、架設部材の形状や重さ等の諸形態を種々変更することが可能である。
さらに、本発明に係る排気装置の適用の対象となる鞍乗型車両は、図1に示す形式の自動二輪車1に限定されるものではなく、例えば、スクータやオフロードといった各種形式の自動二輪車又は三輪車、四輪バギー(全地形型車両)、スノーモービル等の鞍乗型車両に適用することもできる。
本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両を示す右側面図である。 本発明の第1実施形態に係るドラム式ブレーキを示す拡大図である。 上記ドラム式ブレーキを示す縦断面図である。 上記ドラム式ブレーキを構成するシュープレートの正面図である。 上記ドラム式ブレーキに取り付けた架設部材を示す斜視図である。 上記架設部材を示す側面図である。 上記架設部材を示す正面図である。 本発明の第2実施形態に係るドラム式ブレーキを示す拡大図である。 本発明の第3実施形態に係るドラム式ブレーキを示す拡大図である。 本発明の第4実施形態に係るドラム式ブレーキを示す部分拡大断面図である。 本発明の第5実施形態に係るドラム式ブレーキを構成するシュープレート及び架設部材の正面図である。
符号の説明
1 鞍乗型車両(自動二輪車)
3,4,5,6,7 ドラム式ブレーキ
19,90,100 リアアーム
26 車軸
30 ブレーキドラム
30A 内部空間
30B 摩擦面
31,32 軸受
40 シュープレート
40A 車軸挿通孔
40B 回止め部
40B1 ロッド締結孔
40B2 固定面
40C カム軸挿通孔
40D,40E 取付台座部
41 枢支軸
42 カム軸
50 ブレーキシュー
60 カムレバー
70 バックプレート
80,110,120 架設部材
81,111 架設プレート
81A,111A,120A 第1の部位
81B,111B,120B 第2の部位
111b 圧接部
82,112 筒状カラー

Claims (11)

  1. ブレーキドラムの車軸方向に隣接配置され、ブレーキシューを回動自在に枢支するシュープレートに架設される部材であって、第1及び第2の部位を有し、前記第1の部位を前記シュープレート又は他の部材に固定するとともに、前記第2の部位を前記シュープレートに固定し又は圧接させ、前記第1の部位を固定点としたときに、該第1の部位と前記第2の部位との間の固有振動数が前記シュープレートの固有振動数と異なる架設部材を有することを特徴とするドラム式ブレーキ。
  2. 前記シュープレートが振動したときに振幅の小さい箇所と大きい箇所とを有し、前記架設部材の第1の部位を、前記振幅の小さい箇所に固定し又は前記振幅の小さい箇所に位置する他の部材に固定するとともに、前記架設部材の第2の部位を、前記振幅の大きい箇所に固定し又は圧接させたことを特徴とする請求項1記載のドラム式ブレーキ。
  3. 前記シュープレートが振動したときに振幅の小さい箇所と大きい箇所とを有し、前記架設部材の第2の部位を、前記振幅の大きい箇所に固定し又は圧接させるとともに、前記架設部材の第1の部位を、前記シュープレートの直径方向における前記第2の部位から前記車軸以上離れた箇所に固定し、又は前記シュープレートの直径方向における前記第2の部位から前記車軸以上離れた箇所に位置する他の部材に固定したことを特徴とする請求項1記載のドラム式ブレーキ。
  4. 前記架設部材の第1の部位を、前記車軸に固定したことを特徴とする請求項1記載のドラム式ブレーキ。
  5. 前記架設部材の第1の部位を、筒状カラーを介して前記車軸に固定したことを特徴とする請求項4記載のドラム式ブレーキ。
  6. 前記架設部材が、一端に前記第1の部位及び他端に第2の部位を有する架設プレートと、前記第1の部位に固定された前記筒状カラーとを備え、前記筒状カラーを前記車軸に装着するとともに、前記架設プレートの第2の部位を前記シュープレートに固定し又は圧接させたことを特徴とする請求項5記載のドラム式ブレーキ。
  7. 前記架設部材の第2の部位を、前記シュープレートの回止め部に固定し又は圧接させたことを特徴とする請求項1記載のドラム式ブレーキ。
  8. 前記架設部材の第2の部位を、締結部材により前記回止め部に固定したことを特徴とする請求項7記載のドラム式ブレーキ。
  9. 前記架設部材における前記第1及び第2の部位を除く本体部と前記シュープレートとの間に隙間を形成し、前記シュープレートが振動したときであっても、前記本体部と前記シュープレートとが非接触状態を保つようにしたことを特徴とする請求項1記載のドラム式ブレーキ。
  10. 前記架設部材を、前記車軸を介して後輪を支持するリヤアームとし、このリヤアームに前記第1及び第2の部位を設け、前記第1の部位に前記車軸を挿通して固定するとともに、前記第2の部位に前記シュープレートの回止め部を固定したことを特徴とする請求項1記載のドラム式ブレーキ。
  11. 請求項1〜10いずれか記載のドラム式ブレーキを備えたことを特徴とする鞍乗型車両。
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