JP2007069833A - 電動パワーステアリング制御装置、および方法 - Google Patents

電動パワーステアリング制御装置、および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電動パワーステアリング制御装置において、制御波形の歪みを増大させることなく、演算負荷を低減する。
【解決手段】 ステアリングに印加された操舵トルクに基づき電流指令値を演算する電流指令値演算部と、操舵補助トルク発生用のモータに供給されたPWM駆動電流と前記電流指令値との差分に基づき、演算周期T1毎に電圧指令値を演算する電圧指令値演算部と、前記電圧指令値と前記演算周期T1よりも短い演算周期T2における前記モータの回転角Δθとによって表された電圧指令値偏差を算出し、前記演算周期T2毎に当該電圧指令値偏差を前記電圧指令値に累積することにより、前記PWM駆動電流のデューティ指令値を演算するデューティ指令値演算部とを備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、操舵トルクに基づき補助操舵トルクを発生させる電動モータを駆動するためのパワーステアリング制御装置、および方法に関する。
自動車用の補助操舵装置として、電動モータのトルクを用いた電動パワーステアリング装置が利用されている。このパワーステアリング装置は、ドライバによるハンドルの操作を検出するトルクセンサと、トルクセンサからの検出信号に基づき補助操舵力を演算するパワーステアリング制御装置と、当該制御装置からの出力信号に基づき回転トルクを発生する電動モータと、回転トルクをステアリング機構に伝える減速ギア等を備えて構成されている。
上述のパワーステアリング制御装置は、CPU、メモリ等を含むコンピュータにより構成されており、予め定められたソフトウェアプログラムを実行することにより、複数の処理を実現可能なものである。ソフトウェアによる処理内容としては、トルクセンサおよび車速センサからの信号を入力して電流指令値を算出する電流指令値演算処理、電流指令値に基づき三相モータ駆動用のPWM(パルス幅変調)信号を生成する電流制御処理、レゾルバ等によって検出されたモータの回転角に基づき角速度及び角加速度を演算するための回転角演算処理、角速度等に基づき電流指令値に対する各種補償制御を行うための補償制御処理等がある。
また、上述の電流制御処理においてベクトル制御が用いられている。このベクトル制御は、直流モータと同様に励磁電流とトルク電流とを独立に制御することができ、三相モータを高精度に制御することが可能なものである。ベクトル制御を用いた従来のパワーステアリング制御装置の一例を図7に示す。このパワーステアリング制御装置は、電流指令値演算部901、加算器902、903、PI制御部904、905、3相−dq変換部906、PWMコントローラ907、電流検出部908、909、3相―dq変換部910、レゾルバ911、回転角検出部912、操舵トルク発生用のモータ913等を備えて構成されている。
電流指令値901はトルク信号、車速信号等に基づき、d軸電流指令値、q軸電流指令値を算出する機能を有している。3相−dq変換部906は、電流検出部908、909によって検出されたモータ電流値をd軸電流検出値、q軸電流検出値に変換し、それぞれを加算器902、903に出力する。加算器902はd軸電流指令値とd軸電流検出値との差分を算出し、加算器903はq軸電流指令値とq軸電流検出値との差分をそれぞれ算出する。PI制御部904、905はそれぞれの差分に基づくPI制御を行いd軸目標電圧Vd、q軸目標電圧Vqを生成し、dq−3相変換部906はこれらのd軸目標電圧Vd、q軸目標電圧Vqおよびモータ回転角に基づき三相のモータ電圧Va、Vb、Vcを生成する。PWMコントローラ907はモータ電圧Va、Vb、Vcをパルス幅変調した駆動電流をモータ913に出力し、操舵補助トルクを生成する。
上述の構成において電流指令値演算部901、加算器902、903、PI制御部904、905、dq−3相変換部906、PWMコントローラ907、電流検出部908、909、3相―dq変換部910はソフトウェア処理により実現されていることから、プロセッサの負荷は大きなものとなっている。仮に、プロセッサにおいて電流制御処理の制御スピードが遅れると、モータ電流波形に歪みが生じ、トルクリプル、振動、騒音等の問題が発生してしまう。また、処理能力の高いプロセッサは高価であることから、パワーステアリング制御装置に組み込むことは必ずしも適当ではない。
かかる問題を解決するために、例えば特開2004−210289号公報に記載されているように、電流制御手段の演算周期よりも電流指令値算出手段の演算周期を長くすることにより、全体としての演算負荷を低減するための装置が案出されている。この装置によれば、電流指令値演算部901の演算周期をTa、PI制御部904、905等の電流制御処理の演算周期をTb、dq−3相変換部906等の電圧制御処理の演算周期をTcとした場合、Ta>Tb=Tcとなるように各部の演算周期が定められる。すなわち、この装置は、電流指令値演算処理の演算周期Taを他の演算周期よりも長くすることにより、処理全体の負荷を軽減し、上述の問題を回避しようとしたものである。
しかしながら、電流制御処理におけるdq−3相変換処理、3相−dq変換処理は回転角θを変数とする演算処理を必要とし、sinテーブルの参照処理等の負荷の大きい処理が必要となる。このため、電流指令値演算部の演算周期Taを長くしたとしても、演算量を十分に低減することはできない。
また、他の先行技術として、特開2003―267237号公報に記載された装置が案出されている。この装置は、さらに電流制御処理の演算周期Tbを電圧制御処理の演算周期Tcよりも長くすることにより、処理全体の負荷を低減することを目的としたものである。しかしながら、上述の先行技術と同様に、回転角θを変数として含む演算を実行しなければならず、処理負担を十分に軽減することはできない。
特開2004−210289号公報 特開2003−267237号公報
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、制御波形における波形歪みを抑えながら、演算負荷を軽減可能な電動パワーステアリング制御装置、および方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明は、ステアリングに印加された操舵トルクに基づき電流指令値を演算する電流指令値演算部と、操舵補助トルク発生用のモータに供給されたPWM駆動電流と前記電流指令値との差分に基づき、演算周期T1毎に電圧指令値を演算する電圧指令値演算部と、前記電圧指令値と前記演算周期T1よりも短い演算周期T2における前記モータの回転角Δθとによって表された電圧指令値偏差を算出し、前記演算周期T2毎に当該電圧指令値偏差を前記電圧指令値に累積することにより、前記PWM駆動電流のデューティ指令値を演算するデューティ指令値演算部とを備える。
また、前記演算周期T1は前記演算周期T2の整数倍であることを特徴とする。
さらに、前記デューティ指令値演算部は、前記演算周期T1毎に各々算出された3相の電圧指令値Va,Vb、Vcと回転角Δθとに基づき、
ΔVa=((√3)/3)×Δθ×(Vc−Vb)、
ΔVb=((√3)/3)×Δθ×(Va−Vc)、
ΔVc=((√3)/3)×Δθ×(Vb−Va)、
で表された電圧指令値偏差ΔVa、ΔVb、ΔVcを、前記演算周期T2毎に算出する。
本発明によれば、電流指令値演算部はステアリングに印加された操舵トルクに基づき電流指令値を演算し、電圧指令値演算部は操舵補助トルク発生用のモータに供給されたPWM駆動電流と前記電流指令値との差分に基づき、演算周期T1毎に電圧指令値を演算する。そして、デューティ指令値演算部は、電圧指令値演算部と、前記電圧指令値と前記演算周期T1よりも短い演算周期T2における前記モータの回転角Δθとによって表された電圧指令値偏差を算出し、前記演算周期T2毎に当該電圧指令値偏差を前記電圧指令値に累積することにより、前記PWM駆動電流のデューティ指令値を演算する。
このように、電圧指令値とモータ回転角Δθとに基づき、電圧指令値偏差を算出することができるため、sinテーブル等を含む複雑な演算処理を要することなく、波形歪みの少ない電圧指令値を算出することが可能となる。また、演算負荷の大きい電圧指令値演算処理の演算周期T1をデューティ指令値演算処理の演算周期T2よりも長くしたとしても、波形歪みの増大を抑えることができる。従って、本発明によれば、演算負荷を軽減しながら、電圧指令値における波形歪みを低減することができ、トルクリップル、振動、または騒音等の問題を回避することが可能となる。
また、演算周期T1を演算周期T2の整数倍にすることにより、電圧指令値の波形歪みを抑えながら、演算負荷の大きい電圧指令値演算処理の回数を減らすことができる。
さらに、デューティ指令値演算部は、前記演算周期T1毎に各々算出された3相の電圧指令値Va,Vb、Vcと回転角Δθとに基づき、ΔVa=((√3)/3)×Δθ×(Vc−Vb)、ΔVb=((√3)/3)×Δθ×(Va−Vc)、ΔVc=((√3)/3)×Δθ×(Vb−Va)で表された電圧指令値偏差ΔVa、ΔVb、ΔVcを、演算周期T2毎に算出する。上式には、回転角θが含まれていないことから、sinテーブルの参照処理が不要であり、演算負荷を軽減することができる。また、演算周期T1を長くしたとしても、デューティ指令値演算処理を短い演算周期T2で行うことにより、歪みの少ない制御波形を生成することができる。
以下に、図面を参照しながら本発明の最良の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略図である。この電動パワーステアリング装置は、いわゆるピニオンアシストタイプのものであり、ステアリング61はステアリングシャフト62、ユニバーサルジョイント63、64、シャフト65を介してラック&ピニオン66に連結されている。さらに、ラック&ピニオン66には車輪のタイロッド67が設けられており、ハンドル61の回転運動はタイロッド67の軸方向の運動に変換される構造となっている。
シャフト65にはトルクセンサ4が設けられており、トルクセンサ4はステアリング61に印加された操舵トルクを検出し、トルク信号を出力可能である。さらに、シャフト65には減速ギア31、モータ3が取り付けられており、モータ3の回転トルクが減速ギア31を介してシャフト65に伝達される構成となっている。
電動パワーステアリング制御装置(ECU)1は上述のようにトルクセンサ4からのトルク信号、車速センサ2からの車速信号に基づき補助操舵トルクを算出し、この算出結果に基づく駆動電流をモータ3に送出するものである。パワーステアリング制御装置1にはイグニッションキー5aのオン・オフ信号が入力されており、イグニッションキー5aをオンにすることによりECU1は補助操舵トルクのための演算処理を開始する構成となっている。
図2は電動パワーステアリング制御装置1のハードウェア構成を表すブロック図である。電動パワーステアリング制御装置1は、A/Dコンバータ110,インタフェース111,CPU113,ROM114,RAM115、フラッシュROM116、PWMコントローラ117,モータ駆動回路119、モータ電流検出回路120、バス121、基準電圧発生回路130、定電圧回路140等を備えて構成されている。
バス121はA/Dコンバータ110、インタフェース111、割込コントローラ112、CPU113、ROM114、RAM115等の間でデータの送受信を行うためのものである。A/Dコンバータ110は、トルクセンサ4から出力されたメイントルク信号およびサブトルク信号、モータ電流検出回路120からの検出電流、モータ3の端子間電圧を入力し、ディジタル信号に変換するためのものである。定電圧回路140はA/Dコンバータ110に一定電圧を与えることにより、A/D変換後の電圧誤差を低減するために設けられている。
上述のトルクセンサ4は、メイントルク信号、サブトルク信号の2つの出力信号を備え、これらの信号の合計電圧は基準電圧(例えば5V)であるクロス特性となるように設定されている。すなわち、ステアリングにトルクが印加されない場合には、メイントルク信号およびサブトルク信号はそれぞれトルク中立電圧2.5Vとなり、ステアリングに何らかのトルクが印加された場合には、メイントルク信号およびサブトルク信号は中立電圧2.5Vを基準として互いに逆方向に変動する。基準電圧発生回路130は上述の5Vの基準電圧をトルクセンサ130に与えるためのものである。
インタフェース111は車速センサ2からの車速パルスをカウントしディジタル信号に変換するものである。ROM114はモータ3の制御プログラム、PWMの演算プログラム、フェールセーフプログラム等を記憶するためのメモリとして使用され、RAM115は当該プログラムを動作させるためのワークメモリとして使用される。フラッシュROM116は、イグニッションキー5aがオフになった後においてもメモリ内容を保持可能なものである。このフラッシュROM109は、例えば制御学習結果等を記憶することが可能である。
PWMコントローラ117はモータ3のトルクを表す信号をパルス幅変調されたデューティ指令値W,V,U,Wb,Vb,Ubに変換するためのものである。ここで、パルス信号W,V,Uは正相の三相信号を表し、パルス信号Wb,Vb,Ubは逆相の三相信号を表している。
モータ駆動回路119は、WVUの三相電流を発生させるためのインバータ回路より構成されており、PWMコントローラ117から与えられた信号に基づき所定のデューティ比の三相電流をモータ3に供給可能である。
モータ電流検出回路120は抵抗等の電流−電圧変換素子から構成され、モータ3への駆動電流を検出し、電流に応じた電圧を有する電流検出値を出力するためのものである。電流検出値は図示されていない増幅回路によって増幅された後、A/Dコンバータ110に入力され、ディジタル信号に変換される。なお、図示されていないが、モータ3には回転角を検出するためのレゾルバが設けられており、レゾルバからの回転角信号はA/Dコンバータ110に入力される構成となっている。また、モータ3にはモータ温度を検出するための温度センサ(未図示)が設けられており、温度センサからの温度信号も同様にA/Dコンバータ110に入力されている。このように、温度センサからの信号を監視することにより、モータ3の加熱を防止することが可能である。
図3に、電動パワーステアリング制御装置1における制御処理のブロック図を示す。この図において、位相補償部301、基本アシスト制御部302、補償制御部303、電流指令値演算部304、加算器310a〜310c、PI制御部311a〜311c、3相−dq変換部312、dq−3相変換部313、開眼各検出部316の各機能は、CPU113のソフトウェア処理によって実現されるものである。また、位相補償部301、基本アシスト制御部302、補償制御部303、電流指令値演算部304、加算器310a〜310c、PI制御部311a〜311c、3相−dq変換部312は周期T1で実行され、dq−3相変換部313、回転角検出部316は周期T2で実行されるものである。ここで、周期T2はT1よりも短く設定されており、周期T2をT1の整数分の1に設定される。例えば、ディーティ指令値の演算周期T2を25μsecとした場合、電流指令値演算周期T1は4×T2=1msecに設定可能である。
位相補償部301は入力されたトルク信号に基づき、位相遅れ制御、位相進み制御を組み合わせることによって、制御系の周波数特性を補償し、制御の安定性を確保するためのものである。基本アシスト制御部302は、低速域でのハンドル取り回しと高速域でのハンドル安定性とを実現するために、車速毎に独立したアシストトルクマップを設定し、車速に応じたアシストトルクを演算している。
補償制御部303は、モータ3の慣性モーメントに起因する操舵感を補償するためのものであり、トルク信号の微分値と車速信号とに基づき、高速域での操舵感を改善することが可能である。また、補償制御部303は、収れん性処理、慣性補償処理、SAT(セルフアライニングトルク)推定処理を実行可能である。収れん性処理はモータの角速度に基づき、制御の収れん性を改善させるための補償値を算出する処理である。また、慣性補償処理はトルク信号の微分値と車速信号とに基づき、高速走行時における操舵フィーリングを改善させるためのものである。すなわち、モータは大きな慣性モーメントを持っているため、高速走行時における操舵フィーリングが慣性感を持ったものとなってしまうことから、慣性補償処理によって慣性感を打ち消す処理を行っている。
また、補償制御部303は、ハンドル戻り補償のためのセルフアライニングトルクを算出することも可能である。一般に、電動パワーステアリング装置においては、減速ギア31等の影響によりセルフアライニングトルクが弱くなり易く、このためにハンドル61が中立位置に戻り難くなってしまう。そこで、セルフアライニングトルクの作用によってモータ3が回転させられる際のモータ角速度、角加速度、トルク信号に基づき、ハンドルを中立位置に復元させるための補償電流値を算出することにより、ハンドル戻り補償を行うことができる。
電流指令値演算部304は、基本アシスト制御部302、補償制御部303からの信号に基づき、モータ3に対する電流指令値を算出する。電流指令値は3相(U、V、W)で表されており、各々の電流指令値は加算器310a〜310cに入力されている。加算器310a〜311cは、電流指令値と、電流検出回路120a〜120cによって検出された電流値との差分を表す差分電流値を算出する機能を有している。
PI制御部311a〜311cは、算出された差分電流値に基づき、比例制御、積分制御を組み合わせた制御を行うことにより、電圧指令値Va、Vb、Vcを算出する。3相−dq変換部312は、回転角θに基づき、3相の電圧指令値Va、Vb、Vcを2相の電圧指令値Vd、Vqに変換する機能を有している。電圧指令値Vdはd軸誘導モータの界磁電流の座標軸に対応しており、電圧指令値Vqは励磁電流の座標軸に対応している。
さらに、dq−3相変換部313は、回転角θ、Δθに基づき、電圧指令値Vd、Vqを再び、三相の電圧指令値Va’、Vb’、Vc’に変換し、これらの信号をPWMコントローラ117に出力するためのものである。これにより、パルス幅変調された3相のモータ駆動電流がモータ3に供給される構成となっている。レゾルバ315は、モータ3の軸角度を表す信号を出力するためのものであり、回転角検出部316は入力された信号に基づきモータの回転角θ、およびΔθを算出し、これらの信号を3相−dq変換部312、dq−3相変換部313に出力するよう構成されている。
続いて、本実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置における信号処理の概要を説明する。先ず、電圧指令値を3相−dq変換、およびdq−3相変換する処理は各々、次式で与えられる。
Figure 2007069833
Figure 2007069833
ここで、dq軸における電圧指令値Vd,Vqは十分に短い時間(例えば、演算周期T2)においては一定であるとみなすことができる。また、デューティ演算周期T2におけるモータ回転角をΔθ=ωT2とおくと、演算周期T2が十分に小さいことから、cosΔθ≒1,sinΔθ≒Δθであると近似できる。
Figure 2007069833
すなわち、dq−3相変換部313における電圧指令値Va’,Vb’,Vc’は次式のように三角関数を含まない演算式に簡略化できる。
Figure 2007069833
このように、デューティ指令値演算周期T2毎に、偏差(√3/3)・Δθ(Vc−Vb)を演算し、この偏差を電圧指令値に加算するだけで、歪みの少ない電圧指令値を生成することができる。生成された波形の一例を図4に示す。この図において、電流制御演算周期T1はデューティ指令値演算周期T2の4倍に設定されており、算出された偏差を周期T2毎に加算することにより、歪みの少ない制御電圧波形を生成できることが確認できる。
すなわち、本実施形態によれば、上述の処理は偏差の加算のみで実現できるため、sinテーブルの参照、シフト演算等の複雑な演算を必要としない。このため、CPUに対する演算負荷を軽減させながら、歪みの少ない制御電圧波形を生成することが可能となる。また、演算負荷の大きい電流制御演算周期T1を長く設定したとしても、波形の歪みを抑えることができるため、演算負荷を軽減することができる。
続いて、本実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置の動作を図5のフローチャートを参照しながら説明する。先ず、イグニッションスイッチ5aがオンになると、CPU113は、自己診断処理、タイマーのリセット等の初期設定を行う(ステップS51)。続いて、CPU113はタイマーをスタートさせ(ステップS52)、タイマーが周期T1だけ経過したか否かを判断する(ステップS53)。タイマーが周期T1だけ経過すると(ステップS52でYES)には、CPU113はA/D変換されたトルク信号等に基づき(ステップS54)、電流指令値を算出する(ステップS55)。さらに、CPU113は電流指令値と電流検出値との差分に基づき電圧指令値Va、Vb,Vcを算出する(ステップS56)。
次に、カウンタータイマが周期T2だけ経過すると(ステップS57でYES)、CPU113はステップS56で算出された電圧指令値Va、Vb,Vcに基づき、電圧指令値偏差ΔVa、ΔVb,ΔVcを算出する(ステップS58)。電圧指令値偏差ΔVa、ΔVb,ΔVcは次式に従い、算出される。
ΔVa=((√3)/3)×Δθ×(Vc−Vb)、
ΔVb=((√3)/3)×Δθ×(Va−Vc)、
ΔVc=((√3)/3)×Δθ×(Vb−Va)、
この式において、Δθ=ω×T2によって算出でき、簡単な演算によって電圧指令値偏差ΔVa、ΔVb,ΔVcを算出できることが理解される。続いて、CPU113は電圧指令値偏差ΔVa、ΔVb,ΔVcを現時点における電圧指令値Va、Vb,Vcに加算し、新たな電圧指令値Va’、Vb’,Vc’を算出する(ステップS59)。PWMコントローラ117は新たな電圧指令値Va’、Vb’,Vc’に基づき、3相の駆動電流をモータ3に出力することにより、補助トルクがステアリングに印加される(ステップS59)。
同様にして、イグニッションスイッチがオフになるまで(ステップS60でYES)、上述の処理が繰り返し実行される。すなわち、カウンタタイマーが次の周期T2だけ経過した場合(ステップS57でYES)には、CPU113は電圧指令値偏差ΔVa、ΔVb,ΔVcを算出し(ステップS58)、これらの電圧指令値偏差ΔVa、ΔVb,ΔVcを前回算出された電圧指令値Va’、Vb’,Vc’に加算する(ステップS59)。電圧指令値Va’、Vb’,Vc’に基づきデューティ値が決定され(ステップS60)、PWMコントローラ117から3相の駆動電流がモータ3に供給される。
演算周期T1が演算周期T2の4倍に設定されている場合には、1回の電流指令値演算処理(ステップS53〜S56)につき、デューティ指令値の演算処理(ステップS57〜S59)が4回繰り返される。本実施形態によれば、図4に示されたように、電流指令値演算周期T1を長く設定したとしても、電流指令値演算処理を周期T2毎に実行したのと同等の精度の波形を生成することができる。
なお、上述の実施形態においては、3相の電流制御の構成を示したが、dq相の電流制御の構成においても本発明を適用可能であることは言うまでもない。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略図である。 本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置のブロック図である。 本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置の機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る電圧指令値の一例を表すグラフである。 本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置の動作を表すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング制御装置の動作を表すフローチャートである。 従来のパワーステアリング制御装置を説明するための図である。
符号の説明
1 ECU
3 モータ
4 トルクセンサ
30 トルク演算処理
31 モータ制御処理
32 補償制御処理
33 センサ処理
113 CPU

Claims (4)

  1. ステアリングに印加された操舵トルクに基づき電流指令値を演算する電流指令値演算部と、
    操舵補助トルク発生用のモータに供給されたPWM駆動電流と前記電流指令値との差分に基づき、演算周期T1毎に電圧指令値を演算する電圧指令値演算部と、
    前記電圧指令値と前記演算周期T1よりも短い演算周期T2における前記モータの回転角Δθとによって表された電圧指令値偏差を算出し、前記演算周期T2毎に当該電圧指令値偏差を前記電圧指令値に累積することにより、前記PWM駆動電流のデューティ指令値を演算するデューティ指令値演算部とを備えた電動パワーステアリング制御装置。
  2. 前記演算周期T1は前記演算周期T2の整数倍であることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング制御装置。
  3. 前記デューティ指令値演算部は、前記演算周期T1毎に各々算出された3相の電圧指令値Va,Vb、Vcと回転角Δθとに基づき、
    ΔVa=((√3)/3)×Δθ×(Vc−Vb)、
    ΔVb=((√3)/3)×Δθ×(Va−Vc)、
    ΔVc=((√3)/3)×Δθ×(Vb−Va)、
    で表された電圧指令値偏差ΔVa、ΔVb、ΔVcを、前記演算周期T2毎に算出することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. ステアリングに印加された操舵トルクに基づき電流指令値を演算するステップと、
    操舵補助トルク発生用のモータに供給されたPWM駆動電流と前記電流指令値との差分に基づき、演算周期T1毎に電圧指令値を演算するステップと、
    前記電圧指令値と前記演算周期T1よりも短い演算周期T2における前記モータの回転角Δθとによって表された電圧指令値偏差を算出し、前記演算周期T2毎に当該電圧指令値偏差を前記電圧指令値に累積することにより、前記PWM駆動電流のデューティ指令値を演算するステップとを備えた電動パワーステアリング制御方法。
JP2005261469A 2005-09-09 2005-09-09 電動パワーステアリング制御装置、および方法 Expired - Fee Related JP4736116B2 (ja)

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