JP2007069412A - 印刷用ブランケット - Google Patents

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Abstract

【課題】電子デバイスの構成部材等の印刷に適し、支持体上にシリコーンゴムから成る表面印刷層を積層したブランケットであって、発塵のないプラスチックフィルムを支持体として、安定して高い耐溶剤接着力を有し、凹凸ムラのない均一な印刷用ブランケットを提供すること。
【解決手段】プラスチックフィルムの表面に金属又は金属化合物の薄膜を積層し、この薄膜上に、プライマーを介することなく直接シリコーンゴムよりなる表面印刷層を積層して印刷用ブランケットとする。
【選択図】図1

Description

本発明は印刷用ブランケットに関する。このブランケット上に画像状の印刷インキ皮膜を形成し、被印刷体に押圧して画像状印刷インキ皮膜を転移することにより、被印刷体に印刷する技術に適用できる。
ブランケット上に画像状印刷インキ皮膜を形成する方法には、大別して2種類の方法が知られている。その一つの方法は、刷版に画像状印刷インキ皮膜を形成し、次に、この画像状印刷インキ皮膜をブランケット上に転移する方法で、こうして形成された画像状印刷インキ皮膜を被印刷体に転移する方法は広義のオフセット印刷法と呼ばれている。刷版としては、平版がもっとも広範囲に利用されており、このため、平版を利用するこの方法を狭義のオフセット印刷法と呼ぶことがある。また、前記刷版として凸版を使用することもあり、この方法は凸版オフセット印刷法と呼ばれている。また、前記刷版として凹版を使用する方法は凹版オフセット印刷法と呼ばれている。
ブランケット上に画像状印刷インキ皮膜を形成する別の方法は、まずブランケットの全面に均一な厚みの印刷インキ皮膜を形成し、次に、この印刷インキ皮膜に刷版を押圧し、非画線部の印刷インキ皮膜を刷版に転移させることでブランケット表面から除去し、こうしてブランケット上に残存した印刷インキ皮膜を前記画像状印刷インキ皮膜として被印刷体に転移する方法である。刷版としては凸版が利用されており、その凸部を非画線部として利用する。この方法は、凸版反転印刷法と呼ばれている。
一般に印刷用ブランケットの表面は弾性材料で覆われているので、その弾性を利用してブランケットと被印刷体との間に均一な印圧を印加することが可能である。そして、このため、前記画像状印刷インキ皮膜を均一に被印刷体に転移して高品質の印刷物を生産することができる。
本発明に係る印刷用ブランケットは、これら広義のオフセット印刷法と凸版反転印刷法のいずれの方法にも適用できるものである。
周知のように、オフセット印刷法等は、安価に同一印刷物を大量生産できることから、主に紙を被印刷体として広範囲に利用されてきた。近年、この印刷技術は電子部品の製造に利用されているが、紙を被印刷体とする場合に比較してその要求精度が高く、しかも、ますます高精細化や高耐性化の要求が高まってきている。
ブランケットは、例えば、綿布や紙等の支持体に表面印刷層を積層して製造されてきた。この表面印刷層としては、一般にシリコーンゴムが利用されている。積層にあたっては、これら支持体とシリコーンゴムとの接着性を向上させるため支持体表面にプライマー等の薬液を塗布し、この処理面にシリコーンゴムを積層した後、加熱して支持体とシリコーンゴムとを接着している。
しかしながら、支持体として綿布や紙等を使用する場合、これら綿布や紙等から繊維状の発塵が避けられず、このため、電子部品の製造に適用することは困難であった。
そこで、支持体として発塵のないプラスチックフィルムを使用する必要があるが、この場合には、このプラスチックフィルムとシリコーンゴムとの接着力は上記プライマー処理を行っても十分なものとならず、耐刷性や耐溶剤性の点で劣るという欠点があった。特に
電子部品等を製造する場合には、その印刷インキの溶剤として有機溶剤が使用されるため、その低い耐溶剤性に起因して耐刷性が著しく劣ることとなり、プラスチックフィルムとシリコーンゴムとの間の耐溶剤接着力の改善が熱望されていた。
また、薬液処理面にシリコーンゴムを積層した後加熱すると、プラスチックフィルムに熱歪や残留応力が残り、表面に凹凸ムラが生じて、画像状印刷インキ皮膜の均一な転移を困難ならしめるという問題も生じていた。
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、発塵のないプラスチックフィルムを支持体として、安定して高い耐溶剤接着力を有し、凹凸ムラのない均一な印刷用ブランケットを提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、少なくともプラスチックフィルムを含む支持体上にシリコーンゴムよりなる表面印刷層を積層してなるブランケットにおいて、
前記プラスチックフィルムの表面に金属薄膜を有し、この薄膜上に直接前記表面印刷層が積層されていることを特徴とする印刷用ブランケットであり、
請求項2に記載の発明は、少なくともプラスチックフィルムを含む支持体上にシリコーンゴムよりなる表面印刷層を積層してなるブランケットにおいて、
前記プラスチックフィルムの表面に金属化合物の薄膜を有し、この薄膜上に直接前記表面印刷層が積層されていることを特徴とする印刷用ブランケットである。
請求項1〜2に記載の発明によれば、シリコーンゴムよりなる表面印刷層が薄膜上に直接積層されているため、高い接着力を有している。しかも、表面印刷層の積層にあたってプライマー等の薬液層を介在させることなく直接積層しているので、有機溶剤を使用して電子部品等を製造する場合にもその劣化がなく、耐刷性を向上させることができる。
また、支持体に表面印刷層を積層した後の加熱工程がないので、熱による歪みや残留応力もなく、均一でムラが生じることもない。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2記載のブランケットにおいて、金属化合物の薄膜が金属酸化物薄膜であることを特徴とする印刷用ブランケットである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3記載のブランケットにおいて、金属酸化物薄膜がSiOxで表わされる物質であり、Xの範囲が0<X≦2であることを特徴とする印刷用ブランケットである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のブランケットにおいて、シリコーンゴム側から見たブランケットが、不透明で、かつ、ムラなく均一な外観を有することを特徴とする印刷用ブランケットである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のブランケットにおいて、支持体に設けられた薄膜が不透明で、かつ、ムラなく均一な外観を有することを特徴とする印刷用ブランケットである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のブランケットにおいて、シリコーンゴム組成物が付加型で室温硬化可能であるシリコーンゴム組成物であることを特徴とする印刷用ブランケットである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のブランケットにおいて、該ブランケットがオフセット印刷用であることを特徴とする印刷用ブランケットである。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載のブランケットにおいて、該ブランケットが電子デバイス関連部材印刷用であることを特徴とする印刷用ブランケットである。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のブランケットにおいて、該ブランケットがディスプレイ関連部材印刷用であることを特徴とする印刷用ブランケットである。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載のブランケットにおいて、該ブランケットがカラーフィルター印刷用であることを特徴とする印刷用ブランケットである。
本発明によれば、支持体として繊維状発塵のないプラスチックフィルムを使用して、しかも、この支持体と表面印刷層との間で、安定して高い耐溶剤接着力を有する。また、その表面は均一で、凹凸ムラが生じることもない。
本発明に係る支持体は、繊維状発塵のないプラスチックフィルムを含む必要がある。この他、プラスチックフィルムの下にクッション層等を設けることもできるが、この場合であっても、繊維状発塵のないものを利用することが望ましい。
このようなプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムの他、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル等の樹脂フィルムを使用することができる。中でもポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく利用できる。これは耐薬品性、耐熱性、力学特性等の特性面やサイズや厚みのバリエーションで他のフィルム類より優れているためである。
プラスチックフィルムの厚さに制限はないが、ポリエチレンテレフタレートの場合には50〜500μmであることが好ましい。これより薄いと、ブランケットとして必要な強度が不足する。また、プラスチックフィルムの下にクッション層等を設けた場合、これらクッション層等がブランケット表面に影響を及ぼし、印刷品質が劣ることがある。また、これより厚いと硬くなりすぎるなどの使い勝手の悪さがでる。本発明のブランケットの総厚に制限はないが、0.1mm〜2.5mmの範囲が使い勝手が良い。
次に、本発明に係る金属薄膜層の材質としては、例えば、Al、Zn、Sn、Ni、Cr、Au、Ag、Pt、Cu、Ti、In等あるいはこれらを主体とする合金が上げられる。また、本発明に係る金属化合物としては、前記金属の酸化物が好ましく利用できる。金属化合物の中でも、金属酸化物は、特に耐溶剤性等の安定性の面から優れているためである。例えば、TiO2、TiO、In23、SiO2、SiO、ZnS、CuO、CuO2、Al23等あるいはこれらの混合物である。中でも、SiOxで表わされる物質であって、0<x≦2である酸化ケイ素が好ましく使用できる。これは耐薬品性がすぐれること、プラスチックフィルムへの接着性が優れること、プラスチックフィルムとシリコーンゴムとの接着力を増大できるためである。
これら薄膜の厚みは10nm以上1000nm以下が好ましい。さらに好ましくは20nm以上500nm以下である。上記の範囲より薄いと薄膜を形成した効果が十分得られない。また上記範囲より厚いと不経済であるし、薄膜形成後のフィルムの取り扱いが難しくなったりするためである。
これら薄膜は、単層でも良いし、何種類かの薄膜を積層した多層構造としてもかまわない。例えば、プラスチックフィルムに金属薄膜を積層し、さらにこの金属薄膜上に金属酸化物薄膜を積層すると、その接着強度や耐溶剤性を向上させることができる。
これら薄膜は、公知の手段で形成することができる。例えば真空蒸着法やスパッタ法、イオンプレーティング法、電解メッキ、無電解メッキあるいは印刷法などである。これらの形成法のなかでも、特に真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法が好ましく利用できる。これらの方法によれば、極めて平滑な表面を有する薄膜をムラ無く均一に形成することができ、このため、表面印刷層も精密に形成することが可能となる。
なお、薄膜が設けられた支持体とシリコーンゴムとの接着力は、これら薄膜表面に付着したほこりや油脂等による汚染によって低下するから、表面印刷層形成前に薄膜表面の脱脂、洗浄を行うことが好ましい。
次に、本発明に係るシリコーンゴムとしては、付加型で室温硬化可能であるシリコーンゴムが好ましく使用できる。これは縮合型ではゴムの硬化収縮による歪が発生しやすいためである。また高温硬化タイプでは支持体の耐熱性が問題となるし、同時にシリコーンゴムの熱膨張が発生しさらに歪や残留応力が発生しやすいため好ましくない。他方、付加型で室温硬化可能であるシリコーンゴム組成物を使用した場合、十分な支持体/シリコーンゴム間の接着力が得られ、また、熱処理不要のために支持体やシリコーンゴムの歪や残留応力も発生しにくい。室温硬化型シリコーンゴムを使用した場合でも、後硬化のために熱処理する場合があるが、このときには支持体の耐熱性に留意しながら熱処理することで、歪や残留応力を避けるべきである。
付加型で室温硬化可能なシリコーンゴムの具体例としては、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、トリフルオロプロピルメチルシリコーンゴム等が挙げられる。
このシリコーンゴムはブランケットの表面を構成して印刷精度に直接関係するから、その表面を極めて平滑として、その表面に凹凸等があっても印刷に影響を及ぼさない程度であることが好ましい。具体的には、その表面の十点平均粗さ(Rz)を1.0μm以下とするのが好ましく、さらに好ましくは0.5μm以下である。
また、シリコーンゴムの厚みとしては30μm〜2000μmの範囲であることが好ましい。この範囲より薄い場合は、ゴムの弾性の効果が十分得られず、この範囲より厚い場合は不経済である。
シリコーンゴムの固さは、印刷精度等を考慮すると、日本工業規格JIS K 6301に規定されたスプリング式硬さ(JIS A)で表して20〜80°程度、特に30〜70°程度であるのが好ましい。表面印刷層の硬さが上記範囲を超えると、ブランケットが硬すぎて、刷版や被印刷体の全面に一様な圧力を加えることが困難で印圧ムラが生じ易くなり、この結果、均一で高品質な印刷が困難となる。また、表面印刷層の固さが上記範囲を下回ると、ブランケットが柔らかすぎて、刷版や被印刷体に圧接した際にシリコーンゴムが潰れて変形し、画像パターンが歪むことがある。
次に、ブランケットの総厚の均一性は特に高精細な印刷をするためには重要であり、面内の厚みバラツキは40μm以下が好ましい。30μm以下であればさらに好ましい。また厚さは均一であっても、ブランケットとして歪やうねり等があるとブランケット胴に均一に装着することが難しく、印刷品位に悪影響を及ぼすため注意が必要である。
また、ブランケットは、全体として、これをシリコーンゴム側から見たときに不透明で、しかも、外観上均一でムラがないことが好ましい。ブランケット全体が透明であると、外観観察によってシリコーンゴムの欠陥を検査する際に、その下地のステージ等の模様やマーク類等、あるいは裏面の汚れ等不要な部分まで欠陥として認識してしまい、正確な検査が困難となるためである。また、不透明であっても、色彩の濃淡等のために不均一な外観を有する場合や着色ムラを有する場合も、正確な検査が困難となる。不透明で、しかも、均一でムラがない外観を得るためには、前記薄膜として金属薄膜を利用すれば良い。また、シリコーンゴムに着色剤を混合して着色しても良い。前記薄膜としてSiOxで表わされる酸化ケイ素の薄膜を使用する場合には、シリコーンゴムを着色することにより、プラスチックフィルムとシリコーンゴムとの接着力を増大させて、しかも、正確な外観検査ができるブランケットを得ることができる。また、プラスチックフィルム上に不透明な金属薄膜を積層し、この金属薄膜上にSiOxで表わされる酸化ケイ素の薄膜を積層した場合にも、高い接着力を持ち、正確な外観検査ができるブランケットを得ることが可能である。
本発明に係るブランケットは、前述のように、広義のオフセット印刷法、凸版反転印刷法のいずれにも適用できる。また、被印刷体として、紙の他、プラスチック、金属、ガラス、半導体等を使用することもできる。中でも、高精細、均一性や耐久性が必要となる電子デバイス関連部材印刷用において本ブランケットの特徴を発揮することができる。
例えば、液晶ディスプレイのカラーフィルタの着色画素の印刷である。周知のように、液晶ディスプレイのカラーフィルタは、ガラス基板等の透明基板の表面を多数の画素領域に区分して、これら画素領域のそれぞれに透過光を着色する透明着色皮膜を設けて構成されている。透明着色皮膜としては、一般に、青色、緑色、赤色の三色が利用されており、これら三色の透明着色皮膜を画素領域のそれぞれに配置して着色画素を構成している。本発明に係るブランケットは、透明着色インキを印刷してこれら透明着色皮膜を形成する際に利用することができる。
また、本発明に係るブランケットは、ELディスプレイの発光素子の形成に利用することもできる。ELディスプレイは、基板表面を多数の画素領域に区分して、これら画素領域のそれぞれに、陽極、蛍光体層、陰極を積層し、陽極と陰極との間に電圧を印加して蛍光体層を発光させて画面表示するものである。陽極と陰極との間には、蛍光体層の他に、正孔輸送層や電子輸送層を設ける場合もある。本発明に係るブランケットは、これら蛍光体層、正孔輸送層、又は電子輸送層等を印刷によって形成する際に利用することが可能である。
液晶ディスプレイやELディスプレイ等のディスプレイは、近年、高精細化と低価格化の要求が高まり、これに伴って、均一で高品質な画面構成部材の大量生産技術が求められており、本発明に係るブランケットは、その要求に十分に応えることが可能である。
以下実施例により、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
支持体層として、厚み0.25mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製 S10)を用い、その片面に厚み50nmのCr膜を、スパッタリング法で形成した。
次に、このCr膜上に、シリコーンゴム(GE東芝シリコーン社製 TSE−3457T室温硬化型−付加型ジメチルシリコーンゴム)を、厚み0.3mmとなるように、バーコーターを用いて、均一に塗布した。そして、このシリコーンを室温で硬化して表面印刷層を形成し、ブランケットとした(図1参照)。
ブランケットの総厚は約0.55mmであり、表面印刷層の表面粗度は10点平均粗さ(Rz)で0.1umであった。このブランケットを表面印刷層側から見ると、不透明で前記Cr膜が観察できた。また、その外観上、均一でムラが見当たらず、容易に外観検査を行うことができた。
(実施例2)
厚み50nmのCr膜の代わりに、厚み50nmのSiO2膜をスパッタリング法を用いて形成した他は、実施例1と同様にブランケットを製造した(図1参照)。
ブランケットの総厚は約0.55mmであり、表面印刷層の表面粗度は10点平均粗さ(Rz)で0.1μmであった。尚、ブランケットは半透明であった。
(実施例3)
支持体層として、厚み0.25mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製 S10)を用い、その片面にまず厚み50nmのアルミニウム膜を真空蒸着法を用いて形成し、次に、このアルミニウム膜上に、厚み50nmのSiO2膜をスパッタリング法を用いて形成した。
次に、このSiO2膜上に、シリコーンゴム(GE東芝シリコーン社製 TSE−3457T室温硬化型−付加型ジメチルシリコーンゴム)を、厚み0.3mmとなるように、バーコーターを用いて、均一に塗布した。そして、このシリコーンを室温で硬化して表面印刷層を形成し、ブランケットとした(図1参照)。
ブランケットの総厚は約0.55mmであり、表面印刷層の表面粗度は10点平均粗さ(Rz)で0.1μmであった。このブランケットを表面印刷層側から見ると、不透明で前記表面印刷層が観察できた。また、その外観上、均一でムラが見当たらず、容易に外観検査を行うことができた。
(比較例1)
支持体として、厚み0.25mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製 S10)を用い、洗浄後、その片面にプライマー(GE東芝シリコーン社製 ME153)をハケで塗布し、室温で30分風乾した。
次に、このプライマー上に、シリコーンゴム(GE東芝シリコーン社製 TSE−3457T室温硬化型−付加型ジメチルシリコーンゴム)を、厚み0.3mmとなるように、バーコーターを用いて、均一に塗布した。そして、このシリコーンを室温で硬化して表面印刷層を形成し、ブランケットとした(図3参照)。
ブランケットの総厚は約0.55mmであり、表面印刷層の表面粗度は10点平均粗さ(Rz)で0.1μmであった。また、ブランケットの外観は半透明であった。
(比較例2)
プライマー上にシリコーンゴムを塗布した後、100℃で1時間加熱硬化させた他は、比較例1と同様にブランケットを作製した。
ブランケットの総厚は約0.55mmであり、表面印刷層の表面粗度は10点平均粗さ(Rz)で0.1μmであった。また、ブランケットの外観は半透明であった。
(評価)
実施例1〜3及び比較例1〜2の各ブランケットについて、均一性、外観、接着力、耐溶剤性及び耐刷性を評価した。評価方法は次のとおりである。また、評価結果を表1に示す。
均一性についてはフラットな定盤上に各ブランケットを静置して、ブランケットの歪の有無の確認を行った。
外観検査は、まずブランケット胴に金陽社製 コルクアンダーシートブラック(厚み0.8mm)を装着した後、その上に各ブランケットを装着した。この状態で目視で異物、凹凸等の有無の検査を行った。
接着力については、各ブランケットについて、プッシュプルゲージを用いて支持体からシリコーンゴムを180°剥離する時の荷重を測定した。
耐溶剤性については、各ブランケットをアセトンに1時間浸漬したときの支持体からのシリコーンゴムの剥がれの有無を確認した。剥がれの発生していないものについてはプッシュプルゲージを用いて支持体からシリコーンゴムを180°剥離する時の荷重を測定した。
耐刷性については、特開2005−126608号公報に記載されている凸版反転印刷法によりカラーフィルターの印刷を100枚行い、そのときのシリコーンゴムの剥がれの有無を確認した。
Figure 2007069412
この結果から、次の事項が確認できた。
すなわち、プライマーを介してシリコーンゴムを積層した場合には、その接着力及び耐溶剤性が劣り、特に、積層した後加熱硬化させた比較例2の場合には、均一性も損なわれている。これに対し、プライマーを使用することなく、金属薄膜又は金属化合物薄膜上に直接シリコーンゴムを積層した場合には、接着力と耐溶剤性のいずれもが優れており、均一性にも優れている。
また、金属薄膜を使用した場合(実施例1)に比較して、酸化ケイ素薄膜を使用した場合(実施例2)は、外観検査の容易性については劣るものの、接着力と耐溶剤性のいずれについても優れている。なお、シリコーンゴムを着色することによって、外観検査の点については改善できる。
また、アルミニウム薄膜の上に酸化ケイ素薄膜を積層した多層構造の薄膜を使用した場合には、接着力と耐溶剤性のいずれについてももっとも優れている。また、均一性と外観検査の容易性についても優れた結果を示す。
本発明の実施例に係るブランケットの断面説明図。 本発明の実施例に係るブランケットの断面説明図。 比較例に係るブランケットの断面説明図。

Claims (11)

  1. 少なくともプラスチックフィルムを含む支持体上にシリコーンゴムよりなる表面印刷層を積層してなるブランケットにおいて、
    前記プラスチックフィルムの表面に金属薄膜を有し、この薄膜上に直接前記表面印刷層が積層されていることを特徴とする印刷用ブランケット。
  2. 少なくともプラスチックフィルムを含む支持体上にシリコーンゴムよりなる表面印刷層を積層してなるブランケットにおいて、
    前記プラスチックフィルムの表面に金属化合物の薄膜を有し、この薄膜上に直接前記表面印刷層が積層されていることを特徴とする印刷用ブランケット。
  3. 請求項2記載のブランケットにおいて、金属化合物の薄膜が金属酸化物薄膜であることを特徴とする印刷用ブランケット。
  4. 請求項3記載のブランケットにおいて、金属酸化物薄膜がSiOxで表わされる物質であり、Xの範囲が0<X≦2であることを特徴とする印刷用ブランケット。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のブランケットにおいて、シリコーンゴム側から見たブランケットが、不透明で、かつ、ムラなく均一な外観を有することを特徴とする印刷用ブランケット。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のブランケットにおいて、支持体に設けられた薄膜が不透明で、かつ、ムラなく均一な外観を有することを特徴とする印刷用ブランケット。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のブランケットにおいて、シリコーンゴム組成物が付加型で室温硬化可能であるシリコーンゴム組成物であることを特徴とする印刷用ブランケット。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のブランケットにおいて、該ブランケットがオフセット印刷用であることを特徴とする印刷用ブランケット。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のブランケットにおいて、該ブランケットが電子デバイス関連部材印刷用であることを特徴とする印刷用ブランケット。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のブランケットにおいて、該ブランケットがディスプレイ関連部材印刷用であることを特徴とする印刷用ブランケット。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のブランケットにおいて、該ブランケットがカラーフィルター印刷用であることを特徴とする印刷用ブランケット。
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