JP2007062317A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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雄二郎 福田
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健秀 笠原
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Abstract

【課題】 白色度が高く、さらに強度、地合に優れたインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】 基紙の少なくとも一方の面に、顔料とバインダーを含有する塗工液を塗布してインク受容層を設けたインクジェット記録媒体において、前記基紙がISO白色度の異なる2種類以上のパルプを含有し、かつ灰分が10〜20%であり、さらに前記基紙の白色度がISO白色度で85以上である。また、前記パルプのうち、少なくとも1種類のパルプのISO白色度が85%以上であり、少なくとも1種類以上のパルプのISO白色度が85%未満であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録に好適に用いられるインクジェット記録媒体に関するものである。
インクジェット記録方式は、種々の機構によりインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させることにより、ドットを形成し記録を行うものであるが、ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がなく、またフルカラー化が容易である上、高速印字が可能であるなどの利点がある。
近年の四色カラー印刷の普及により、印刷に高い再現性が求められるため、高い白色度が必要となっている。特に情報用紙分野においてはISO白色度が90%以上の用紙が好まれ、市場には100%を越えるISO白色度の用紙も存在する。一般に高い白色度を得るための技術として、原紙及び塗工層への蛍光増白剤の添加(特許文献1、特許文献2)、高白色の塗工顔料の使用、高白色の原紙の使用(特許文献3、特許文献4)といった方法がある。
特開2001−246833号公報 特開2000−6515号公報 特開2004−148750号公報 特開2003−291516号公報
インクジェット記録媒体の白色度を上げる手法として、原紙や塗工層に蛍光増白剤を添加する方法は一般的であるが、高い白色度を得るために蛍光増白剤を多量に配合すると、用紙の黄ばみやインクジェット画像の退色が起こりやすくなり、保存性(特に耐光性)が大きく劣ることになる。
また、インクジェット記録媒体は水性インクによって印字されるため、インク受容層には吸収性と透明性が求められる。特にインク受容層に顔料を使用する空隙型のインクジェット媒体では、インク受容層にシリカやアルミナといった多孔質顔料が使用され、印刷用塗工紙の塗工層の顔料として通常用いられる隠蔽性が高く、高白色な顔料(炭酸カルシウムや二酸化チタン等)の使用は制限される。このため、インク受容層によってインクジェット記録媒体を高白色度化することは難しい。
また、高白色の基紙を得るために、基紙中に高白色の填料を含有させることが行われる。しかし、高白色の基紙を得るためには高白色填料を多量に配合する必要があり、紙の強度の低下や、操業の際、断紙や剥離といった問題を引き起こすことになる。さらに、高白色のパルプを使用して高白色の基紙を得ようとした場合、基紙の強度が低下し、地合も悪化する。このように、高白色度であるインクジェット記録媒体を製造するには困難が多かった。
従って、本発明は白色度が高く、さらに強度、地合に優れたインクジェット記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者らは、基紙を構成するパルプとして白色度の異なる2種類のパルプを混合して使用し、灰分を特定することにより、前記目的を達成することを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明は基紙の少なくとも一方の面に、顔料とバインダーを含有する塗工液を塗布してインク受容層を設けたインクジェット記録媒体において、前記基紙がISO白色度の異なる2種類以上のパルプを含有し、かつ灰分が10〜20%であり、さらに前記基紙の白色度がISO白色度で85%以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体である。
前記パルプのうち、少なくとも1種類のパルプのISO白色度が85%以上であり、少なくとも1種類以上のパルプのISO白色度が85%未満であることが好ましく、また、前記インク受容層がキャストコート法によって設けられることが好ましい。
本発明のインクジェット記録媒体は、基紙を構成するパルプとして白色度の異なるパルプを混合して用いることで、基紙の白色度、強度を高くすることが可能となり、その結果、高い白色度と強度を有し、地合に優れるインクジェット記録媒体を得ることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明においては基紙の少なくとも一方の面に、顔料とバインダーを含有する塗工液を塗布してインク受容層を設ける。
(基紙)
基紙の主成分はパルプと内添填料である。パルプとしては通常公知のパルプであればいずれのものを使用することができる。例えば、化学パルプとして広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプ等、木材、綿、麻、じん皮等の繊維原料を化学的に処理して作製されたパルプなどを使用できる。また、木材やチップを機械的にパルプ化したグランドウッドパルプ、木材やチップに薬液を染み込ませた後に機械的にパルプ化したケミメカニカルパルプ、及び、チップをやや軟らかくなるまで蒸解した後にリファイナーでパルプ化したサーモメカニカルパルプ等も使用できる。また、古紙を原料とするパルプ、すなわち、製本、印刷工場、断裁所等において発生する裁落、損紙、幅落しした上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙;印刷やコピーが施された上質紙、上質コート紙等の上質印刷古紙;水性インク、油性インク、鉛筆などで筆記された古紙;印刷された上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙等のチラシを含む新聞古紙;中質紙、中質コート紙、更紙等の古紙等を離解して得られるパルプを使用することもできる。
本発明では、ISO白色度の異なる2種類以上のパルプを混合して使用する。一般に漂白してISO白色度が高いパルプは残留リグニンが少なく、微細な繊維も少ないことから各種強度に弱く、抄造時や塗工時に断紙したり、また特にカレンダー処理やキャスト塗工時に剥離することがある。そこで高白色なパルプと白色度はやや低いが強度がある低白色のパルプを混合することで、高白色で強度のある混合パルプとすることができる。高白色のパルプとしては、ISO白色度が85以上95%以下のものが好ましい。85%以下のパルプでは最終的な記録媒体として十分な白色度を達成できず、ISO白色度が95%以上のパルプは、パルプの繊維が短くなり地合が悪くなる傾向にある。低白色のパルプとしては、ISO白色度が75以上85%未満のパルプを使用することが好ましい。ISO白色度が75%以下のパルプでは高白色パルプを使用しても得られる基紙の白色度が低く、85%未満のパルプでは強度が不十分となる傾向にある。なお、パルプのISO白色度はJIS−P8212に規定された方法に従い測定する。
本発明では高白色のパルプと低白色のパルプを混合して使用するが、その配合は(高白色パルプ)/(低白色パルプ)=75/25〜25/75であることが好ましい。高白色パルプの配合が75%を越えると強度が低下し、25%以下であると基紙の白色度が低下する傾向にある。
なお、容易に高白色化できるという点から高白色のパルプとしてはLBKPを使用することが好ましく、また、記録媒体の地合等の点から低白色のパルプとしてLBKPを使用することが好ましい。
パルプは漂白することにより高白色とすることができる。パルプの漂白方法としては、元素状塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素、酸素、過酸化水素、苛性ソーダ等の薬品の組合せにより漂白する塩素漂白法、二酸化塩素を使用する漂白方法(ECF)、塩素化合物を一切使用せずに、オゾン/過酸化水素等を主に使用して漂白する方法(TCF)といった方法がある。このうち塩素漂白法からなる有機塩素化合物負荷が環境に悪影響を与える恐れがあることから、ECFやTCFといった方法で漂白することが好ましい。またECFでは、二酸化塩素はリグニンと選択的に反応するため、セルロースに損傷を与えずにパルプの白色度を高めることができるので、さらに好ましい。
さらに、本発明の基紙においては、不透明度、白色度向上を目的として填料を添加(内添)することができる。一般に白色の填料の添加部数の増加で基紙の白色度が向上する事が知られている。また、填料の高配合の場合、白色度は向上するが強度が低下し、低配合の場合不透明度が劣り、地合が悪化する。従って填料の配合は基紙の灰分が10〜20%となるように配合することが好ましく、12%〜18%とすることがさらに好ましい。上記填料としては、クレー、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を添加できるが、高白色度を得やすいことから炭酸カルシウム、特に軽質炭酸カルシウムの添加が好ましい。なお、本発明において、灰分はJIS−P8251に規定された方法に従って測定する。
上記したパルプは抄紙適性、ならびに、強度、平滑性、地合の均一性等といった紙の諸特性等を向上させるため、ダブルディスクリファイナー等の叩解機により叩解される。叩解の程度は、カナディアン スタンダード フリーネスで250ml〜550ml程度の通常の範囲で目的に応じて選択することが出来る。
叩解されたパルプスラリーは、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、または、丸網抄紙機等の抄紙機により抄紙され基紙を得ることができるが、この際、通常抄紙に際して用いられるパルプスラリーに、分散助剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、定着剤等の諸添加物を必要に応じて添加することが可能である。更に、必要であれば、本発明の効果を損なわない範囲でpH調節剤、染料、有色顔料、及び蛍光増白剤等も添加することも可能である。
分散助剤としては例えばポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、とろろあおい等が、紙力増強剤としては例えば植物性ガム、澱粉、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のアニオン性紙力増強剤、カチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性紙力増強剤が、サイズ剤としては例えば高級脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、ジアルキルケテンダイマー、アルケニル或いはアルキルコハク酸塩、エポキシ化脂肪酸アミド、多糖類エステル等が、定着剤としては例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩、カチオン化澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等のカチオン性ポリマー等が、pH調節剤としては塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられる。
また、上記基紙には、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤を含有する液を、タブサイズ、サイズプレス、ゲートロールコーターあるいはフィルムトランスファーコーター等で塗工することも可能である。
上記水溶性高分子添加剤としては、例えば澱粉、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等、無水マレイン酸樹脂等の水溶性高分子、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性高分子接着剤等が用いられ、さらにこの他、サイズ剤として石油樹脂エマルション、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテンダイマー乳化物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン等のディスパーションが挙げられる。その他の添加剤としては、帯電防止剤として、無機電解質である塩化ナトリウム、塩化カルシウム、ボウ硝等が、吸湿性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコール等が、顔料としてクレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等が、pH調節剤として塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられ、その他染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を組み合わせて使用することも可能である。
本発明においては、上記基紙のISOの白色度は85%以上であり、好ましくは88%以上である。この理由は次の二つにある。第一にカラー画像の印刷物やプリントでは、白い物をより忠実に再現することを要求されるため、記録媒体に忠実な白さが望まれるためである。第二に背景の白色が高いと印刷画像とのコントラストがはっきりするため、高画質な画像となるためである。
(インク受容層)
本発明において、インク受容層は、顔料とバインダーを含有する。前記顔料としては、公知の白色顔料を1種以上用いることができる。例えば、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料が挙げられる。これらの顔料は単独あるいは適宜混合して持ちいることができる。このうち、合成非晶質シリカやアルミナ等の多孔性顔料は他の顔料と比較してインク吸収性に優れたポーラスな層を形成し、塗工層中で比較的透明となり、インクジェット記録媒体に記録を行った際にインク発色性が向上するため、好ましく用いられる。
前記バインダーは結着機能を有する各種樹脂が用いられる。例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系接着剤、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、及びアルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリビニルアルコール及びその変性物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックスやエマルジョン類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び無水マレイン酸またはその共重合体等を挙げられる。好ましくは、共重合体系のエマルジョンである。
更に、インク受容層塗工液中にその他の添加剤として、カチオン系染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、粘度安定剤、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、白色無機顔料、白色有機顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを本発明の目的を害しない範囲で適宜添加することもできる。
前記インク受容層を設ける際に、塗工方法は特に限定されず、公知の塗工方法を用いることができる。例えば、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、サイズプレスなどの各種装置により支持体上に塗工することができる。
塗工後に乾燥する手段としては、一般の公知の方法を用いることができ、限定されない。例えば、熱源により発生した加熱空気を送風した加温器内に搬送する方法、ヒーター等の熱源近傍を通過させる方法等である。また、インク受容層の層構成は、単層であっても積層構成であってもよい。積層構成の場合、全層が同じ配合の層であってもよいし、他の成分で構成される層との積層構成であってもよい。またインク受容層を支持体上に設けた後にカレンダー処理を行うことで、平滑性や光沢性の向上を図ることができる。
インク受容層の塗工量は特に限定されないが、少な過ぎるとインクジェット印刷後のインク吸収性に劣り、多過ぎる場合は製造上の困難が多いばかりか効果も飽和してしまい経済性に劣る。また強度が劣る傾向にあり紙粉が発生しやすい。従って好ましい範囲は5g/m以上30g/m以下である。
本発明において、インク受容層をキャストコート法で設ける場合、高い光沢感を持つインクジェット記録媒体を得ることが可能となる。キャストコート法には代表的なものとして以下の3つの方法がある。(1)支持体に塗布された塗工液が全く乾燥されていない状態に有るうちに、加熱されたキャストドラムに圧着させる直接法、(2)支持体に塗布された塗工液を一旦乾燥し又は半ば乾燥した後、再湿液によって再び可塑性を有した状態に戻し、ついで加熱されたキャストドラムに圧着させるリウエットキャスト法、(3)支持体に塗布された塗工液層を凝固液で処理し、流動性のないゲルの状態とした後に、加熱されたキャストドラムに圧着させる凝固法がある。これらのキャスト法は、何れも鏡面状のドラム表面を写し取ることによって、高光沢塗工層表面を得るという点で共通している。
本発明においては、上述した直接法キャストコートやリウェット法キャストコートなど、通常公知のキャストコート法でインク受容層を設けることができるが、特に凝固法キャストコートで設けることが好ましい。凝固法は塗工層がゲル化し、可塑化の度合いが高いため、リウエットキャストコート法に比較し、光沢ムラやドラムへの密着ムラが少なく優れた面感のキャストコート層を得ることが出来る。
顔料とバインダーの配合比率は、その性状、処方及び支持体に応じて変更可能であり、インク吸収性などの要求品質を損なわない範囲で適宜設定する事が出来るが、顔料100重量部に対して5重量部〜30重量部であることが好ましく、20重量部以下であることがより好ましい。結着剤の配合量が少ないと記録層の強度が低下しやすく、配合量が多いとインク吸収性が低下しやすい。また、キャストコート法でインク受容層を設ける場合、基紙とキャストコート層の間にアンダー層を設けることも可能である。上記アンダー層上にこのキャストコート法によりインク受容層を設けると、基紙上にこのインク受容層を直接設けた場合よりも支持体の被覆性が高まりインクジェット記録媒体としての地合が向上する。
インク受容層を凝固キャストコート法で設ける場合、バインダーとしてはポリビニルアルコールやカゼインを含有することが好ましく、透明性の点からポリビニルアルコールであることがさらに好ましい。凝固液に用いる凝固剤としては、インク受容層中のバインダーを凝固または架橋することができる化合物を用いることができるが、例えば結着剤としてポリビニルアルコールを含有する場合は凝固剤としてホウ砂、各種ホウ酸塩等を用いる。特に、ホウ酸とホウ酸塩とを含有する処理液が好ましい。ホウ酸とホウ酸塩とを混合して用いることにより、適度な固さの凝固状態を得ることが容易となり、良好な光沢感を有するインクジェット記録媒体を得ることができる。また、カゼインを含有する場合は、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸、炭酸、等とカルシウム、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、鉛、カドミウム、アンモニウム等との塩類を使用することができる。
凝固法で用いる凝固液やリウェット法で用いる再湿潤液には、必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。凝固液や再湿潤液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等があげられるが、特に限定されない。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
<実施例1>
叩解度360ml、ISO白色度90%の広葉樹晒クラフトパルプA(L−BKP)75部と叩解度360ml、ISO白色度84%の広葉樹晒クラフトパルプB(L−BKP)25部からなるパルプスラリ−に軽質炭酸カルシウム(TP−121:奥多摩工業株式会社製の商品名)を灰分15%となるように添加し、硫酸アルミニウム1.0部、AKD0.15部、歩留向上剤0.015部を添加した。抄紙機で抄紙するに際し、5%のデンプンを、固形分で1.5g/m2となるようにを2ロール方式で塗工し原紙を得た。この原紙に下記塗工液Aを乾燥塗工量が14g/m2となるようにブレードコーターで塗工し、170g/m2のインクジェット記録媒体を得た。
塗工液A:顔料として、合成シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製の商品名)100部にラテックス(LX438C:住友化学工業株式会社製の商品名)5部及びポリビニールアルコール(PVA117:株式会社クラレ社製の商品名)25部、カチオン性樹脂(ポリアミンアンモニアエピクロロヒドリン、重量平均分子量10万)5部を配合して濃度20%の水性塗工液を調製した。
<実施例2>
広葉樹晒クラフトパルプAを50部、広葉樹晒クラフトパルプBを50部に変更した以外は実施例1と同様に抄紙、塗工を行い、インクジェット記録媒体を得た。
<実施例3>
広葉樹晒クラフトパルプAを25部、広葉樹晒クラフトパルプBを75部に変更した以外は実施例1と同様に抄紙、塗工を行い、インクジェット記録媒体を得た。
<実施例4>
広葉樹晒クラフトパルプAを50部、広葉樹晒クラフトパルプBを50部、灰分を10%に変更した以外は実施例1と同様に抄紙、塗工を行い、インクジェット記録媒体を得た。
<実施例5>
広葉樹晒クラフトパルプAを50部、広葉樹晒クラフトパルプBを50部、灰分を20%に変更した以外は実施例1と同様に抄紙、塗工を行い、インクジェット記録媒体を得た。
<実施例6>
叩解度360ml、ISO白色度90%の広葉樹晒クラフトパルプA(L−BKP)50部と叩解度360ml、ISO白色度84%の広葉樹晒クラフトパルプB(L−BKP)50部からなるパルプスラリ−にタルク(NTGタルク:日本タルク社製の商品名)を灰分15%となるように添加し、硫酸アルミニウム1.0部、AKD0.15部、歩留向上剤0.015部を添加した。抄紙機で抄紙するに際し、5%のデンプンを、固形分で1.5g/m2となるようにを2ロール方式で塗工し原紙を得た。この原紙に下記塗工液Bを塗工量が14g/m2となるようにロールコーターで塗工し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、下記凝固液Cを用いて凝固させ、次いでプレスロールを介して加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取り、170g/m2のインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
塗工液B:顔料として、合成シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製の商品名)100部にラテックス(LX438C:住友化学工業株式会社製の商品名)5部及びポリビニールアルコール(PVA117:株式会社クラレ社製の商品名)10部、サイズ剤(ポリマロン360:荒川化学工業株式会社製の商品名)5部配合して濃度20%の水性塗工液を調製した。
凝固液C: ホウ砂/ホウ酸の配合比を0.25、NaおよびHBO換算で濃度を4%とし、離型剤(FL−48C:東邦化学工業社製の商品名)0.2%を配合して凝固液を調整した。
<比較例1>
叩解度360ml、シート白色度90%の広葉樹晒クラフトパルプA(L−BKP)100部からなるパルプスラリ−に灰分が15%となるように軽質炭酸カルシウムを添加し、硫酸アルミニウム1.0部、AKD0.15部、歩留向上剤0.015部を添加した支持体を抄紙機で抄紙するに際し、5%のデンプンを固形分で1.5g/m2となるように、2ロール方式で塗工し原紙を得た。この原紙に塗工液Aを塗工量が14g/m2となるようにブレードコーターで塗工し、170g/m2のインクジェット記録媒体を得た。
<比較例2>
広葉樹晒クラフトパルプAを広葉樹晒クラフトパルプBに変更した以外は比較例1と同様に抄紙、塗工を行い、インクジェット記録媒体を得た。
<比較例3>
広葉樹晒クラフトパルプAを50部、広葉樹晒クラフトパルプBを50部、灰分を5%に変更した以外は比較例1と同様に抄紙、塗工を行い、インクジェット記録媒体を得た。
<比較例4>
広葉樹晒クラフトパルプAを50部、広葉樹晒クラフトパルプBを50部、灰分を25%に変更した以外は比較例1と同様に抄紙、塗工を行い、インクジェット記録媒体を得た。
(評価)
実施例および比較例で得られたインクジェット記録媒体の評価を、以下に示す方法により行った。各項目において、〇および△の評価であれば実用することが出来る。
(1)白色度
ISO2470に従って、インクジェット記録媒体の白色度を測定した。
○ 白色度が85%以上であるもの
× 白色度が85%未満であるもの
(2)強度
JIS P 8113に従って、インクジェット記録媒体のMD方向の引張強度を測定した。
○ 10kN/m以上であるもの
△ 7kN/m〜10kN/mであるもの
× 7kN/m未満であるもの
(3)地合
インクジェット記録媒体を目視で観察し、地合を評価した。
○ 地合に優れ、問題がないもの
× 地合が劣り、問題となるもの
評価結果を表1に記す。
Figure 2007062317
表1より、実施例1〜6では白色度、強度、地合ともに優れたインクジェット記録媒体であったのに対し、高白色パルプのみを配合した比較例1では地合が悪く、低白色パルプのみを配合した比較例2および填料部数が少ない比較例3では白色度が低かった。また填料部数が多い比較例4では強度に劣った。

Claims (3)

  1. 基紙の少なくとも一方の面に、顔料とバインダーを含有する塗工液を塗布してインク受容層を設けたインクジェット記録媒体において、前記基紙がISO白色度の異なる2種類以上のパルプを含有し、かつ灰分が10〜20%であり、さらに前記基紙の白色度がISO白色度で85以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記パルプのうち、少なくとも1種類のパルプのISO白色度が85%以上であり、少なくとも1種類以上のパルプのISO白色度が85%未満であることを特徴とする請求項1に記載されたインクジェット記録媒体。
  3. 前記インク受容層がキャストコート法によって設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載されたインクジェット記録媒体。



JP2005254754A 2005-09-02 2005-09-02 インクジェット記録媒体 Pending JP2007062317A (ja)

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