JP2010505671A - 穿孔された裏側合成樹脂層を有するインクジェット記録材料 - Google Patents
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Abstract
前記原紙は少なくとも裏側が合成樹脂でコーティングされ、そして、裏側の前記合成樹脂層は、穿孔された孔部が原紙に及ぶように、穿孔されることを特徴とし、
ここで、窪み深さが、合成樹脂層の厚さの少なくとも1.5〜4倍であるものとする、
前記記録材料。
Description
ここで、前記原紙は少なくとも裏側が合成樹脂でコーティングされ、裏側の前記合成樹脂層は、穿孔された孔部(Perforationsloecher)が原紙に及ぶように穿孔されるものとし;そして、
窪み深さ(Eindringtiefe)は、多くても、A+0.75×B(A=合成樹脂層の厚さ、B=原紙の厚さ)であるものとする;
前記記録材料によって達成される。
以下の:
合成樹脂層で原紙の裏側をコーティングし;
裏側の合成樹脂層を穿孔し、〔ここで、窪み深さは、多くても、A+0.75×B(A=合成樹脂層の厚さ、B=原紙の厚さ)であるものとする〕;
合成樹脂層で原紙の表側をコーティングし;そして、
少なくとも1つのイメージ記録層で表側の合成樹脂層をコーティングする;
工程を含むことができる。
− 裏側の合成樹脂層が穿孔された後に、原紙の表側を合成樹脂層でコーティングし、その後、裏側の合成樹脂層をその他の機能層でコーティングして、表側の合成樹脂層をイメージ記録層でコーティングする。
− 原紙の裏側を最初に合成樹脂層でコーティングする。次に、原紙の表側を合成樹脂でコーティングする。次の工程で、裏側の合成樹脂層へ追加の機能層を付与することができる。次に、コーティングされた紙の裏側を穿孔し、そして、表側にイメージ記録層を提供する。
− 原紙の裏側を最初に合成樹脂層でコーティングする。次に、原紙の表側を合成樹脂でコーティングする。次の工程で、裏側の合成樹脂層をその他の機能層でコーティングする。次に、表側の合成樹脂層へイメージ記録層を付与する。最後に、記録材料の裏側を穿孔する。
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するためのものである:
原紙の製造にユーカリパルプを使用した。パルプは、36oSRのろ水度までリファイナーを使用して、約5%水性懸濁液(高濃度パルプ)としてリファイニング(mahlen)された。平均繊維長さは、0.64mmであった。低濃度パルプ中のパルプ繊維濃度は、パルプ懸濁液に対して1%w/wである。例えば、0.48%w/wの量の中性サイジング剤アルキルケテンダイマー(AKD)、0.36%w/wの量の湿潤強度剤ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(Kymene(商標))、及び10%w/wの量の天然CaCO3の添加剤を低濃度パルプへ添加した。
これらの示される量は、パルプ質量に対する量である。pH値が約7.5に設定される低濃度パルプを、ヘッドボックスから製紙機のスクリーン(製紙機のワイヤーセクション中で、ウェブの脱水を伴うシート形成が実施される)へもたらされた。ウェブ重量に対する含水量60%w/wまで、紙ウェブをプレスセクション中で更に脱水した。追加の乾燥が、加熱された乾燥シリンダーを有する製紙機の乾燥セクション中で実施された。これにより得られる原紙は、坪量160g/m2と水分約7%とを有していた。
40%w/wの低密度ポリエチレン(LDPE,d=0.923g/cm3)と60%の高密度ポリエチレン(HDPE,d=0.964g/cm3)とを含む、顔料を含まない合成樹脂混合物で、原紙の裏側をラミネーター中にコーティングした。コーティングをラミネーター中に、押出速度250m/分で実施した。層の厚さは、17μmであった。押出処理後に、裏側の合成樹脂層を、ロール(その表面は、ニードル様の小さい隆起部が取り付けられた)によって穿孔した。穿孔部の窪み深さは、47μmであった。
前記方法で加工される紙支持材料の表側を、130m2/gの特定表面を有するアルミニウム酸化物90%w/wと、88モル%のけん化度(Verseifungsgrad)を有するポリビニルアルコール9.9%w/wと、ホウ酸0.1%w/wとを含む水性コーティング化合物でコーティングした。スロットダイコーター(Schlitzgiesser)によって、コーティング化合物を付与した。得られたインク受容層のコーティング重量は、30g/m2であった。
原紙の裏側を、実施例1と同じように合成樹脂層でコーティングして、そして、穿孔した。穿孔工程後で、低密度ポリエチレン(LDPE,0.923g/cm3)71%w/wと、TiO2マスターバッチ(50%w/wLDPE及び50%w/wTiO2)16%w/wと、その他の添加剤(例えば、蛍光増白剤、ステアリン酸カルシウム、及び青色顔料)13%w/wとを含む合成樹脂混合物で、原紙の表側を、約250m/分の速度のラミネーター中にコーティング重量約17g/m2でコーティングした。表側の合成樹脂層の厚さは17μmであった。次に、実施例1と同じように、表側の合成樹脂層にインク受容層を付与した。
原紙の表側を、以下に詳細に特定されるコーティング化合物でコーティングした。コーティング化合物(固形分(Feststoffgehalt):21%w/w、pH値=8.0、粘度:50mPas)をサイズプレスによって付与した。乾燥後のコーティング重量は、6.5g/m2であった。
コーティング化合物は以下の成分を含んでいた:
*) 固形分25%w/wを有する溶液について、50℃/100RPM/spindle2で測定される、C−film07302(Cargill)/粘度234mPas。
**) 1μm未満の顔料粒子85%を有するCaCO3(Covercarb(商標)85−ME,OMYA)。
***) 1μm未満の顔料粒子65%を有するカオリン(Lithoprint(商標)EM,OMYA)。
実施例1の合成樹脂層を、顔料コーティングされた前記原紙の裏側へ付与して、穿孔した。合成樹脂層の厚さは34μmであった。穿孔された孔部は、窪み深さ64μmを有する。穿孔工程に続いて、顔料コーティングされた原紙の表側を、実施例2と同じようにラミネーター中に合成樹脂層でコーティングした。続いて、実施例1と同じように、表側をインク受容層でコーティングした。
実施例2と同じように製造されたが、けん化度98モル%を有するポリビニルアルコール70%w/wと、コロイドシリカ29.9%w/wと、ホウ酸0.1%w/wとを含む水性コーティング化合物で、裏側の合成樹脂層をコーティングする点で異なった。得られたコーティングのコーティング重量は、1g/m2であった。続いて、実施例2と同じように、裏側を穿孔して、表側を合成樹脂層でコーティングして、そして、インク受容層でコーティングした。
実施例2と同じように記録材料を製造したが、裏側の合成樹脂層は穿孔しなかった。
《比較例2》
実施例4と同じように記録材料を製造したが、裏側の合成樹脂層を穿孔しなかった。
《比較例3》
実施例2と同じように記録材料を製造したが、裏側でなく表側を穿孔した点で異なる。
《比較例4》
実施例2と同じ製造を行ったが、顔料を含まない、ポリビニルアルコール含有インク受容層を付与した点で異なる。
実施例及び比較例により製造される記録材料の試験。
本発明の記録紙は、HP8250インクジェットプリンターで印刷され、そして、色の位置ずれ(Farbortverschiebung)に関して試験された。
転移は、a)外観的に、又は、b)色測定において、のいずれかで評価されることができ、ここで、表に列挙される数値は色測定データに関する:
a)白色であって印刷されていない領域とインクジェットプリンターを介して強く着色された領域との間の縁領域において、印刷された紙の表側がカバーされるスタック印刷の場合に、染料の転移は、印刷されていない領域の望ましくない着色に基づいて視覚的に検知され、そして、限定的なプルーフサンプルに基づいて評価される。
b)より確実な評価は、微小多孔質(mikroporoesen)インクジェット記録紙上へのスーパーインポージングインジェット試験印刷(Testdrucke mit Tintenstrahldrucker)によって達成される。その他の試験記録紙(この場合、試験されるべき本発明の記録紙)の裏側で検査されるべき印刷された記録紙をカバーし、そして、「スタック」を保管(24時間)した後、規定された測定領域の着色値が、印刷紙について測定された。更に、カバーされていない紙のアナログ印刷された測定領域の着色値が測定された。カバーされたサンプルとカバーされていないサンプルとの間の得られる色差(ΔEとして表示される)が、転移についての指標である。小さいΔE値は、スタックにおける色の転移傾向が低いことを示す。ΔE値は、4つの基調色、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックについての平均化された値である。これらは、以下の式:
ΔE=v(L1−L2)2+(a1−a2)2+(b1−b2)2
で計算されることができる。
Gretag MacBeth Spectrolinoカラー測定デバイスを使用して測定を実施した。
本発明の工程及び本明細書中に記載される試験は、微小多孔質インクジェット紙用のみで使用されることができる。バインダー中に豊富なカラー受容層が本発明の紙支持材料へ付与され、そして、印刷後にカバーされて保管される場合には、紙の印刷された側が、それを覆っている紙の裏側へ粘着する;従って、転移を評価することができない。
《試験結果》
Claims (35)
- 少なくとも一面が合成樹脂でコーティングされる原紙と、少なくとも1つの多孔質イメージ記録層とを含む記録材料であって、
前記原紙は少なくとも裏側が合成樹脂でコーティングされ、そして、裏側の前記合成樹脂層は、穿孔された孔部が原紙に及ぶように、穿孔されることを特徴とし、
ここで、窪み深さが、合成樹脂層の厚さの少なくとも1.5〜4倍であるものとする、
前記記録材料。 - 穿孔された孔部の領域が、0.005〜1.0mm2であることを特徴とする、請求項1に記載の記録材料。
- 合成樹脂層の全体の領域を占める穿孔された領域の割合が、10%未満であることを特徴とする、請求項1及び2に記載の記録材料。
- 合成樹脂層の全体の領域を占める穿孔された領域の割合が、0.1〜2%であることを特徴とする、請求項3に記載の記録材料。
- 穿孔された孔部の数が、50/cm2未満(特に、2〜20/cm2)であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録材料。
- 穿孔された孔部が、スロット形状であるか、楕円形であるか、又は円形であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録材料。
- 裏側の合成樹脂層が、0.935g/cm3を超える密度を有するHDPE少なくとも30%w/wを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録材料。
- 裏側の合成樹脂層のコーティング重量が、10〜50g/m2であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録材料。
- 原紙の表側が、0.935g/cm3以下の密度を有するLDPE少なくとも1つを含む合成樹脂層でコーティングされることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録材料。
- 表側の合成樹脂層のコーティング重量が、5〜50g/m2(特に、10〜30g/m2)であることを特徴とする、請求項9に記載の記録材料。
- 原紙が、パルプ質量に基づく充填剤40%w/wまで(特に、5〜20%w/w)を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の記録材料。
- 親水性結合剤を含むその他の層を、原紙と合成樹脂層との間に配置することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の記録材料。
- 層が、金属の酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩、亜硫酸塩、及び硫酸塩の群からの顔料を含むことを特徴とする、請求項12に記載の記録材料。
- イメージ記録層が、無機微粒子及び親水性結合剤を含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の記録材料。
- 無機粒子が、一次粒子の平均粒度100nm(特に、50nm)未満を有することを特徴とする、請求項14に記載の記録材料。
- イメージ記録層が、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、二酸化シリコン、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、又はそれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項14及び15に記載の記録材料。
- イメージ記録層が、単層ずきであることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の記録材料。
- イメージ記録層が、少なくとも1つの下方インク吸収層及び少なくとも1つの上方染料定着層を含むことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の記録材料。
- 少なくとも1つの合成樹脂層でコーティングされる原紙と、少なくとも1つの多孔質イメージ記録層とを含む記録材料を製造する方法であって、
以下の:
原紙の裏側を合成樹脂層でコーティングし;
裏側の合成樹脂層を穿孔し、〔ここで、穿孔された孔部の窪み深さは、多くても、A+0.75×B(A=合成樹脂層の厚さ、B=原紙の厚さ)であるものとする〕;そして、
少なくとも1つの多孔質イメージ記録層で原紙の表側をコーティングする;
工程を含むことを特徴とする、前記方法。 - 少なくとも1つの合成樹脂層でコーティングされる原紙と、少なくとも1つの多孔質イメージ記録層とを含む記録材料を製造する方法であって、
以下の:
合成樹脂層で原紙の裏側をコーティングし;
裏側の合成樹脂層を穿孔し、〔ここで、窪み深さは、多くても、A+0.75×B(A=合成樹脂層の厚さ、B=原紙の厚さ)であるものとする〕;
合成樹脂層で原紙の表側をコーティングし;そして、
少なくとも1つの多孔質イメージ記録層で表側の合成樹脂層をコーティングする;
工程を含むことを特徴とする、前記方法。 - 原紙の少なくとも一面に、親水性結合剤及び顔料を含む層が提供されることを特徴とする、請求項19又は20に記載の方法。
- その他の機能層が、裏側の穿孔された層に付与されることを特徴とする、請求項19〜21のいずれか一項に記載の方法。
- 裏側の合成樹脂層が、少なくとも0.935g/cm3の密度を有するHDPE少なくとも30%w/wを含むことを特徴とする、請求項19〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 裏側の合成樹脂層のコーティング重量が、10〜45g/m2であることを特徴とする、請求項19〜23のいずれか一項に記載の方法。
- 表側の合成樹脂層が、0.935g/cm3以下の密度を有する少なくとも1つのLDPEを含むことを特徴とする、請求項20〜24のいずれか一項に記載の方法。
- 表側の合成樹脂層のコーティング重量が、5〜50g/m2(特に、10〜30g/m2)であることを特徴とする、請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの合成樹脂層でコーティングされる原紙と、少なくとも1つの多孔質イメージ記録層とを含む記録材料を製造する方法であって、
以下の:
合成樹脂層で原紙の裏側をコーティングし;
裏側の合成樹脂層を穿孔し、〔ここで、穿孔された孔部の窪み深さは、多くても、A+0.75×B(A=合成樹脂層の厚さ、B=原紙の厚さ)であるものとする〕;
合成樹脂層で原紙の表側をコーティングし;
裏側の穿孔された合成樹脂層をその他の機能層でコーティングし;そして、
表側の合成樹脂層を少なくとも1つの多孔質イメージ記録層でコーティングする;
工程を含むことを特徴とする、前記方法。 - 機能層が水溶性及び/又は水分散性結合剤並びに顔料を含むことを特徴とする、請求項22及び27に記載の方法。
- 結合剤が、スチレン/ブタジエンラテックス、スチレン/アクリレートラテックス、ポリビニルアルコール、及び/又はセルロース誘導体であることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
- 機能層のコーティング重量が、0.05〜3g/m2(特に、0.1〜2.0g/m2)であることを特徴とする、請求項22、27、28、及び29のいずれか一項に記載の方法。
- イメージ記録層が、無機微粒子及び親水性結合剤を含むことを特徴とする、請求項19〜30のいずれか一項に記載の方法。
- 無機粒子が、一次粒子の平均粒度100nm未満(特に、50nm)を有することを特徴とする、請求項31に記載の方法。
- イメージ記録層が、少なくとも1つの下方インク吸収層及び少なくとも1つの上方染料定着層を含むことを特徴とする、請求項19〜32のいずれか一項に記載の方法。
- イメージ記録層が、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、二酸化シリコン、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、又はそれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項19〜33のいずれか一項に記載の方法。
- インク受容層のコーティング重量が、5〜60g/m2(特に、10〜50g/m2)であることを特徴とする、請求項19〜34のいずれか一項に記載の方法。
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