JP2003034073A - インクジェット用記録材料 - Google Patents

インクジェット用記録材料

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JP2003034073A
JP2003034073A JP2001224295A JP2001224295A JP2003034073A JP 2003034073 A JP2003034073 A JP 2003034073A JP 2001224295 A JP2001224295 A JP 2001224295A JP 2001224295 A JP2001224295 A JP 2001224295A JP 2003034073 A JP2003034073 A JP 2003034073A
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thermoplastic resin
resin layer
recording material
layer
base paper
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JP2001224295A
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Yukio Tokunaga
幸雄 徳永
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光沢性、インク吸収性が良好で耐光性、耐ガス
性に優れたインクジェット用記録材料を提供する。 【解決手段】基紙の片面に熱可塑性樹脂層を設けた後、
該熱可塑性樹脂層の表面から基紙まで貫通した貫通孔を
全面にわたって実質上均一に分布するように穿いた樹脂
被覆紙を支持体として用い、該熱可塑性樹脂層上にイン
ク受容層を設けたことを特徴とするインクジェット用記
録材料。または基紙の両面に熱可塑性樹脂層を設けた
後、各々の熱可塑性樹脂層の表面から少なくとも基紙ま
で貫通した貫通孔を全面にわたって実質上均一に分布す
るように穿いた樹脂被覆紙を支持体として用いたインク
ジェット用記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂被覆紙上にイ
ンク受容層を有するインクジェット用記録材料に関し、
更に詳しくは、光沢性、インク吸収性が良好であり、耐
候性に優れたインクジェット用記録材料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に使用される記
録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称
される支持体上に水等の溶剤膨潤性のバインダーからな
る膨潤性インク受容層や、非晶質シリカ等の顔料とポリ
ビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔性
インク受容層を設けてなる記録材料が知られている。イ
ンク吸収性からは多孔性のものが好ましい。
【0003】例えば、特開昭55−51583号、同5
6−157号、同57−107879号、同57−10
7880号、同59−230787号、同62−160
277号、同62−184879号、同62−1833
82号、及び同64−11877号公報等に開示のごと
く、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支
持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】また、特公平3−56552号、特開平2
−188287号、同平10−81064号、同平10
−119423号、同平10−175365号、同10
−203006号、同10−217601号、同平11
−20300号、同平11−20306号、同平11−
34481号公報等公報には、気相法による合成シリカ
微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いた記録材料
が開示されている。気相法シリカは、一次粒子の平均粒
径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢と高
いインク吸収性が得られるという特徴がある。しかしな
がら、印字後に画像が光、ガス等で劣化しやすく、耐候
性に劣った。
【0005】また、特開昭62−174183号、特開
平2−276670号、特開平5−32037号、特開
平6−199034号公報等にアルミナやアルミナ水和
物を用いた記録材料が開示されている。しかし、気相法
シリカ同様に光沢性は良好であるが、耐候性が低下し
た。
【0006】一方、インクジェット記録材料の支持体と
しては、従来、紙が一般的に用いられており、紙自体に
インク吸収層としての役割を持たせていた。近年、フォ
トライクな高光沢の記録シートが要望される中、紙支持
体を用いた記録シートは、光沢、質感、耐水性、印字後
のコックリング(皺あるいは波打ち)等の問題があり、
耐水性加工された紙支持体、例えば、紙の両面にポリエ
チレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂被
覆紙、プラスチックフィルム等が用いられるようになっ
てきた。しかしながら、これらの耐水性支持体を用いた
場合には特に耐候性が低下する傾向であった。
【0007】一般的なインクジェット用インク中の有機
溶媒と着色剤が共存する状態では光による劣化が促進さ
れる。印字された後に速やかに着色剤と有機溶媒が分離
された状態にすれば優れた耐光性が得られるのでこれを
目的とした提案がなれている。
【0008】例えば、特開平9−207429号公報に
はインク吸収層の下層に溶媒吸収層を設ける提案がなさ
れ、特開2001−96902号公報には透気性のフィ
ルムの一方の面に溶媒吸収層を設け、他方にインク受容
層を設ける提案がなされている。しかしながら、前者で
はインク吸収層と溶媒吸収層との接着性が劣りやすく、
後者では溶媒吸収層の吸収性を上げるためには強度が低
くなり、粉落ちしやすくなる。また、後者ではフィルム
の厚さが厚くなると溶媒の吸収速度が低下しやすくな
る。これらの例のように十分に満足出来る解決には至っ
ていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、樹脂
被覆紙上に無機微粒子を用いてインク吸収性及び光沢を
高いレベルに引き上げたインク受容層を有しており、印
字されたインクが速やかに着色剤と有機溶媒が分離され
た状態にすることで印字後の画像の耐候性に優れたイン
クジェット用記録材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、主
として以下の手段によって達成された。
【0011】(1)基紙の片面に熱可塑性樹脂層を設け
た後、該熱可塑性樹脂層の表面から基紙まで貫通した貫
通孔を全面にわたって実質上均一に分布するように穿孔
した樹脂被覆紙を支持体として用い、少なくとも熱可塑
性樹脂層上にインク受容層を設けたことを特徴とするイ
ンクジェット用記録材料。
【0012】(2)基紙の両面に熱可塑性樹脂層を設け
た後、少なくとも片方の熱可塑性樹脂層の表面から他方
の熱可塑性樹脂層の表面まで貫通した貫通孔を全面にわ
たって実質上均一に分布するように穿孔した樹脂被覆紙
を支持体として用い、少なくとも片方の熱可塑性樹脂層
上にインク受容層を設けたことを特徴とするインクジェ
ット用記録材料。
【0013】(3)基紙の両面に熱可塑性樹脂層を設け
た後、少なくとも片方の熱可塑性樹脂層の表面から基紙
まで貫通した貫通孔を全面にわたって実質上均一に分布
するように穿孔した樹脂被覆紙を支持体として用い、少
なくとも片方の貫通孔を有する熱可塑性樹脂層上にイン
ク受容層を設けたことを特徴とするインクジェット用記
録材料。
【0014】(4)前記インク受容層に一次粒子の平均
粒径が0.1μm以下の無機微粒子を含有した前記
(1)、(2)、および(3)記載のインクジェット用
記録材料。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる樹脂被覆紙について詳細に説明す
る。本発明に用いられる樹脂被覆紙は、その含水率は特
に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.
0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の
範囲である。
【0016】樹脂被覆紙を構成する基紙には特に制限は
なく、一般に用いられている紙が使用できる。基紙を構
成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パ
ルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。こ
の基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力
増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加
剤が配合可能である。特に添加により空隙が増え、有機
溶剤の吸収性が良好となる填料の使用が好ましい。例え
ばシリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、カオ
リン等が挙げられ、パルプの1〜15質量%程度が添加
される。その他、ポリスチレン系、ポリエチレン系等の
有機溶剤吸着性の各種高分子化合物も添加可能である。
【0017】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0018】また、本発明では基紙の厚みは一般的に5
0μm以上である。50μmより薄いと良好な質感が得
られにくく溶媒吸収性も低下する。上限は特に無いが、
好ましくは300μm以下である。300μmより厚く
なると記録材料の取り扱い上不便になり、単位面積当た
りのコストも高くなる。紙を抄造中または抄造後カレン
ダー等にて圧力を付加して圧縮するなどの表面処理によ
り表面平滑性を良くしたものが好ましいが、基紙の密度
が1.1g/cm3より高くなるとクッション性が低下
し、腰が弱くなる他、通気性、溶剤吸収性が低下するの
で好ましくは1.05g/cm2以下である。逆に密度
が低すぎると表面平滑性が低くなるので下限は0.6g
/cm3以上、好ましくは0.7g/cm3以上である。
【0019】基紙を被覆する熱可塑性樹脂としては、例
えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィン
のホモポリマーまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ
以上からなる共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン等が挙げられ、各種の密度、溶融粘度
指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそ
れらを混合して使用できる。好ましくはポリエチレン、
ポリプロピレン、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体
の少なくとも1種が使用される。
【0020】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0021】樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行
する基紙上にポリオレフィン樹脂等を加熱溶融した状態
で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造さ
れ、一般的にはその両面が樹脂により被覆される。ま
た、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処
理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
基本的にはインク受容層塗設面の反対面に樹脂を被覆す
る必要はないが、一般的にはカール防止の点から樹脂被
覆を行う。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必
要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理など
の活性処理を施すことができる。
【0022】紙の表面や裏面に樹脂被覆層を設けるその
他の方法は、電子線硬化樹脂を塗設後、電子線を照射す
る方法や、ラテックス樹脂エマルジョンの塗液を塗設後
乾燥、表面平滑化処理を施す方法、樹脂をフィルム状に
形成した後基紙に貼り合わせる方法等が有る。
【0023】本発明ではインク受容層塗設側の熱可塑性
樹脂層(以降、表樹脂層と称す)の厚さは一般的には5
〜50μmであり、好ましくは10〜30μmである。
50μmより厚くなるとクッション性が低下するためか
インク受容層に傷が発生しやすくなり、5μmより薄い
とインク受容層表面の光沢性、平滑性が低下する。好ま
しくは10〜30μmである。カール性からはインク受
容層塗設の反対側に樹脂層(以降、裏樹脂層と称す)を
設けたほうが好ましく、その場合の樹脂層の厚さは基本
的には基紙の厚さと支持体のカール性により適時決定さ
れるが上限は50μmである。
【0024】本発明に用いられる樹脂被覆紙のインク受
容層が塗設される面に下引き層を設けても良い。この下
引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め支持体
の樹脂層表面に塗布乾燥されたものである。この下引き
層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテッ
クス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セル
ロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラ
チンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、貫通
孔を埋めない程度である10〜500mg/m2が好まし
く、20〜300mg/m2がより好ましい。更に、下引
き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ま
しい。また、樹脂被覆紙や樹脂フィルムに下引き層を塗
布する前には、コロナ放電することが好ましい。
【0025】本発明における樹脂被覆紙には、筆記性、
帯電防止性、カール防止性などのために、本発明の効果
を低下させない範囲で各種の裏塗り層を塗設したものも
本発明に含める。裏塗り層は、好ましくはバインダー主
体であり、塗設量は貫通孔を埋めない程度の固形分とし
て100〜500mg/m2が好ましい。裏塗り層には親
水性バインダー、ラテックス、有機顔料、無機顔料、無
機帯電防止剤、有機帯電防止剤、硬化剤、界面活性剤な
どを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0026】本発明で、熱可塑性樹脂層を基紙の片面に
設ける場合には、樹脂層の全面にわたって実質上均一に
分布した基紙まで貫通した貫通孔を穿いた樹脂被覆紙を
支持体に用いる。熱可塑性樹脂層を基紙の両面に設ける
場合には、少なくとも片方の樹脂層から基紙まで貫通し
た貫通孔を穿つが、一方の樹脂層から基紙を通って他方
の樹脂層まで貫通する孔を設ける方が好ましい。特に樹
脂被覆紙が厚い場合には均一な貫通孔の加工が難しいの
で表樹脂層側と裏樹脂層側からの両方から基紙までの貫
通孔を設ける方がより好ましい。
【0027】本発明で貫通孔の一個当たりの平均面積が
大きすぎると貫通孔がインク受容層の無機微粒子により
埋まり、インク受容層表面の平滑性が低下するので一般
的には0.5mm2以下であり、0.2mm2以下が好ま
しい。下限は単位面積当たりの貫通孔の孔数や装置上安
定的に貫通孔を穿孔出来る孔面積によるが0.002m
2以上、好ましくは0.005mm2以上とすることで
印字画像の耐候性向上の効果が得られる。上記の貫通孔
の好ましい平均面積の好ましい範囲については裏樹脂層
を設けた場合には表、および裏の樹脂層共に満足するほ
うが好ましい。
【0028】本発明では貫通孔の存在密度は貫通孔の面
積にもよるが、少なすぎると均一な耐候性向上効果が得
られにくいので一般的には単位面積当たりの個数は20
個/cm2以上であり、50個/cm以上が好まし
い。樹脂被覆紙の樹脂被覆層表面または樹脂フィルムの
表面の全面積に対する貫通孔の総面積の比率は多すぎる
と支持体の強度が低下し、少なすぎると耐候性向上効果
が得られにくいので1〜40%が一般的である。好まし
くは3〜30%である。
【0029】本発明で貫通孔を穿つ方法は、特に限定し
ないが、例えばロール又は板の表面に実質上均一に分布
した細針を植え付けるか均一に分布した凸部を設け、加
熱した状態で樹脂被覆紙の樹脂層、または樹脂フィルム
の片面に押しつける方法によるが、特に細針や凸部の部
分を電磁誘導発熱させる事により均一な発熱が得られる
ので好ましい。更に冷却ロール等により溶融樹脂を固化
させる事で孔形が安定し、孔周囲が平滑となるので好ま
しい。
【0030】本発明の貫通孔を有する支持体上に一次粒
子の平均粒径が0.1μm以下の無機微粒子含有のイン
ク受容層を設けたインクジェット用記録材料の耐候性が
向上する理由は、支持体に適度の孔が存在することでイ
ンク受容層表面に印字されたインクに含まれる有機溶剤
が孔を通って基紙内部に速やかに拡散し、インク受容層
には着色剤が残されることで耐光性や耐ガス性が良化
し、インク受容層のオゾン等の着色剤を劣化させるガス
が停滞せずに空気とともに支持体の貫通孔を通って反対
面へ通過するので着色剤の劣化が軽減されると推測され
る。樹脂被覆紙の基紙が有機溶剤の吸収能力を有し、主
としてパルプ間の細孔により速やかに吸収するので好ま
しい。また、本発明のインクジェット用記録材料の光沢
が良好な理由は、特に微細な無機微粒子を用いたインク
受容層表面の高い光沢が支持体に穿つ孔の面積を適度に
調節することで維持されるためであり、インク吸収性が
良好な理由は微細な無機微粒子による空隙によると推測
される。
【0031】本発明において、インク受容層に使用され
る一次粒子の平均粒径が0.1μm以下の無機微粒子と
しては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、カオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、
水酸化亜鉛、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成
シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0032】高い印字濃度、鮮明な画像、安い製造コス
トの点では合成シリカ、アルミナやアルミナ水和物が選
択され、中でも気相法シリカが好ましい。
【0033】本発明のインク受容層に含有される無機微
粒子は、インク受容層の全固形分に対して50重量%以
上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重
量%以上含有するものである。90重量%より多くなる
とインク受容層の強度が低下し、ひび割れが発生しやす
く、製造工程、加工工程に粉体が飛散する問題が発生す
る他、印字品を扱う場合に傷が発生しやすい。50重量
%より少ないとインク吸収性が低下する。
【0034】本発明で用いられる合成シリカには、湿式
法によるものと気相法によるものがある。通常シリカ微
粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シ
リカとしては、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分
解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、ま
たはこのシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダ
ルシリカ、シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を
変えることによって数μmから10μm位の一次粒子が
シロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリ
カゲル、更にはシリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アル
ミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののよ
うなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0035】気相法シリカは、湿式法に対して乾式法と
も呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られ
る。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼
して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素
の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン
等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状
態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエ
ロジル(株)からアエロジル、トクヤマ(株)からQS
タイプとして市販されており入手することができる。
【0036】本発明の気相法シリカの一次粒子の平均粒
径は、5〜30nmが好ましく、より高い光沢を得るた
めには、5〜20nmでかつBET法による比表面積が
100〜400m2/gのものを用いるのが好ましい。本
発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面
積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持
つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸
着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被
吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最
も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに
最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であ
ってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられてい
る。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が
表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0037】気相法シリカを用いるとインク吸収性が良
好で光沢性が高い記録材料が得られる反面、シリカ表面
のシラノール基が少ない為か二次粒子の凝集性が弱く、
傷がつきやすい欠点を有している。この欠点により製造
時、仕上げ時の巻き取りでの保管により傷の発生が問題
となるが、本発明により解消することが可能となる。
【0038】本発明のインク受容層に含有されるアルミ
ナ、及びアルミナ水和物は、酸化アルミニウムやその含
水物であり、結晶質でも非晶質でもよく、不定形や、球
状、板状等の形態を有しているものが使用される。両者
の何れかを使用してもよいし、併用してもよい。特に一
次粒子の平均粒径が5〜30nmのものが光沢性、印字
濃度からは好ましく、更にアスペクト比が2以上の平板
状のアルミナ水和物がより良好な光沢性、印字濃度等の
発色性が得られるので好ましい。
【0039】本発明のアルミナとしては酸化アルミニウ
ムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδ
グループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を1
0nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常
は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホ
モジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で50〜3
00nm程度まで粉砕したものが好ましく使用出来る。
【0040】本発明のアルミナ水和物はAl23・nH
2O(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合
がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より
大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和
物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニ
ウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカ
リによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造
方法により得られる。
【0041】本発明において、インク受容層の無機微粒
子の量は、10〜35g/m2が好ましく、13〜30g
/m2の範囲がより好ましい。無機微粒子の量が上記範囲
より多くなるとひび割れが生じやすくなり、また少なく
なるとインク吸収性が低くなる。
【0042】本発明のインク受容層は、皮膜としての特
性を維持するためにバインダーを有しているが、透明性
が高くインクのより高い浸透性が得られる親水性バイン
ダーが好ましく用いられる。親水性バインダーの使用に
当たっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時
に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、
この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バイ
ンダーが好ましく用いられる。特に好ましい親水性バイ
ンダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコール
またはカチオン変性ポリビニルアルコールである。気相
法シリカの分散には、高圧ホモジナイザー、ボールミル
等の一般に知られている分散機を用いることができる。
【0043】ポリビニルアルコールの中でも特に好まし
いのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化
したものである。平均重合度500〜5000のポリビ
ニルアルコールが好ましい。
【0044】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開昭61−10483号に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有
するポリビニルアルコールである。
【0045】また、親水性バインダー以外のバインダー
も併用することができるが、親水性バインダーに対して
20重量%以下であることが好ましい。親水性バインダ
ーの量は、インク受容層の35重量%以下がインク吸収
性からは好ましい。特に10〜25重量%がより好まし
い。
【0046】本発明において好ましくは、インク受容層
に水溶性の金属化合物を含有することによって、ひび割
れを防止することができる。従って、インク吸収性を向
上させるために親水性バインダー量の低減及び無機微粒
子付着量の増量が可能となる。
【0047】水溶性の金属化合物としては、例えば水溶
性の多価金属塩として、カルシウム、バリウム、マンガ
ン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜
鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステ
ン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられ
る。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウ
ム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、
硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マ
ンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニ
ウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)
ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバル
ト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケ
ル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアン
モニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸
アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニ
ウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和
物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一
鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、
塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニ
ウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和
物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸ク
ロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、
クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナ
トリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タング
ストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩
化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられ
る。
【0048】本発明において、耐水性を向上させるため
にカチオンポリマーを含有させるのが好ましい。カチオ
ンポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリ
ルアミン、ポリアリルアミン、特開昭59−20696
号、同59−33176号、同59−33177号、同
59−155088号、同60−11389号、同60
−49990号、同60−83882号、同60−10
9894号、同62−198493号、同63−494
78号、同63−115780号、同63−28068
1号、特開平1−40371号、同6−234268
号、同7−125411号、同10−193776号公
報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム
塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。これらの
カチオンポリマーの分子量は、5,000以上が好まし
く、更に5,000〜10万程度が好ましい。
【0049】これらのカチオンポリマーの使用量は無機
微粒子に対して1〜10重量%、好ましくは2〜7重量
%である。
【0050】本発明において、インク受容層には、親水
性バインダーと共に硬膜剤を含有するのが好ましい。硬
膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタ
ルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、
クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−
クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロ
ロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,7
75号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジ
ビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載
の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第
2,732,316号記載の如きN−メチロール化合
物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシ
アナート類、米国特許第3,017,280号、同2,
983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国
特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド
系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如
きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボ
キシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオ
キサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう
酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1
種または2種以上組み合わせて用いることができる。こ
れらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好まし
い。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する親水性バ
インダーに対して、0.1〜40重量%gが好ましく、
より好ましくは0.5〜30重量%である。
【0051】本発明において、インク受容層には、更
に、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、イ
ンク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の
分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、
粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加
することもできる。
【0052】樹脂被覆紙にインク受容層の塗布組成物を
塗布する場合、塗布に先立って、好ましくはコロナ放電
処理、火炎処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等が行
われる。
【0053】本発明において、下引き層、裏塗り層及び
インク受容層の塗布方法は、特に限定されず、公知の塗
布方法を用いることができる。例えば、スライドビード
方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナ
イフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーテ
ィング方式、バーコター方式、ディップ方式等がある。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0055】実施例1 <ポリオレフィン樹脂被覆紙支持体の作製>広葉樹晒ク
ラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパル
プ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタン
ダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パ
ルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキ
ルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤とし
てポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオ
ン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロ
ロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%、平均粒径2μ
mの湿式シリカを対パルプ2質量%添加し、水で希釈し
て1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪
量170g/m2、厚さ180μmになるように抄造し、
乾燥調湿して樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙
に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン1
00質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型
チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を32
0℃で溶融し、200m/分で厚さ25μmになるよう
に押出コーティングし、微粗面加工されたクーリングロ
ールを用いて押出被覆し、表樹脂層を設けた。もう一方
の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレ
ン樹脂70質量部と密度0.918の低密度ポリエチレ
ン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320
℃で溶融し、厚さ25μmになるように押出コーティン
グし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被
覆し、裏樹脂層を設けた。
【0056】上記樹脂被覆紙表面に高周波コロナ放電処
理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50m
g/m2となるように塗布乾燥して支持体を作成した。
尚、部とは、質量部を表す。
【0057】 <下引き層> 石灰処理ゼラチン 100部 スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部 クロム明ばん 10部
【0058】この樹脂被覆紙の表樹脂層側から均一に分
布した平均面積0.05mm2の円形で基紙までの貫通
孔を全面積に対する貫通孔面積の比率が10%となるよ
うに電磁誘導発熱による穿孔部と冷却装置を備えた装置
を用いて穿孔した。更に裏樹脂層側から同様にして直径
0.05mmの基紙までの貫通孔を全面積に対する貫通
孔面積の比率が10%となるように穿孔して実施例1で
使用の支持体を作成した。貫通孔の個数は200個/c
2
【0059】上記支持体に下記組成のインク受容層塗布
液をスライド塗布装置で塗布し乾燥した。下記に示すイ
ンク受容層塗布液は、気相法シリカが9質量%の固形分
濃度になるように調製した。この塗布液を塗布量が固形
分で、25g/m2になるように塗布、乾燥した。
【0060】 <インク受容層塗布液> 気相法シリカ 100部 (平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g) ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部 (第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000) ほう酸 3部 ポリビニルアルコール 20部 (ケン化度88%、平均重合度3500) 塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物 2部 (理研グリーン社製、ピュラケムWT)
【0061】上記のようにして作製された記録材料につ
いて、インク受容層の光沢性、インク受容層のインク吸
収性、及び画像の耐光性、耐ガス性を下記の方法で評価
した。その結果を表2に示す。
【0062】<インク受容層光沢性>印字していないイ
ンクジェット用記録材料を下記の基準により目視で評価
した。 ○;写真用印画紙に近く非常に良好。 △;アート、コート紙のレベルで良好。 ×;マット紙に近く大幅に悪い。
【0063】<インク吸収性>インクジェット用記録材
料を20℃、65%RHの条件でセイコーエプソン社製
インクジェットプリンターMJ−5100Cで黒ベタ印
字し、30秒後に印字面にPPC用紙を重ねて軽く圧着
し、剥がしてPPC用紙へのインクの裏写りを評価し
た。 ○;全く裏写り無し。 △;やや裏写り有り。 ×;明らかに裏写り有り。
【0064】<耐光性>インクジェットプリンター(セ
イコーエプソン社製PM−770C)を用いてCYMK
のインクでそれぞれベタ印字を行い、キセノンウェザオ
メーターにて0.18W/m2で100時間照射した後、
印字部の濃度を測定し、画像残存率{(照射後濃度/照
射前の濃度)×100}を求め、CMYK画像の内、最
も残存率が低いデータにより下記の基準で評価した。 ○:80%以上 △:75%〜80%未満 ×:75%未満
【0065】<耐ガス性>上記耐光性試験と同様に印字
後、暗室内壁面に室温で100日間曝露した後、印字部
の濃度を測定し、画像残存率{(曝露後濃度/曝露前の
濃度)×100}を求め、CMYK画像の内、最も残存
率が低いデータにより下記の基準で評価した。 ◎:85%以上 ○:80%〜85%未満 △:75%〜80%未満 ×:75%未満
【0066】実施例2〜5 実施例1で樹脂被覆紙支持体の貫通孔の面積、全面積に
対する貫通孔面積の比率を表1の様に変化させた以外は
実施例1と同様にして実施例2〜5のインクジェット用
記録材料を得た。実施例1と同様に評価した結果を表2
に示す。
【0067】実施例6 実施例1でインク受容層塗布液を下記組成の塗液に代え
てアルミナ水和物が固形で30g/m2になるようにした
以外は実施例1と同様に塗布層をスライドビード方式で
塗布、乾燥させて実施例6のインクジェット記録材料を
得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示
す。
【0068】 <インク受容層塗布層> アルミナ水和物(一次粒子の平均粒径15nm、アスペクト比6) 100部 ポリビニルアルコール 15部 (商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500) 界面活性剤 0.5部
【0069】実施例7 実施例1の樹脂被覆紙で表樹脂層面からのみ穿孔処理を
して裏樹脂層を貫通する貫通孔を穿孔した以外は実施例
1と同様にして実施例7のインクジェット用記録材料を
得た。裏樹脂層の貫通孔面積は0.04mm2で全面積
に対する貫通孔面積の比率は8%であった。実施例1と
同様にして評価した結果を表1に示す。尚貫通孔面積、
全面積に対する貫通孔面積比率は裏樹脂層のデータを示
す。
【0070】実施例8 実施例1の樹脂被覆紙で裏樹脂層を設けずに表樹脂層面
から基紙に達する貫通孔を穿孔した以外は実施例1と同
様にして実施例8のインクジェット用記録材料を得た、
実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
【0071】実施例9 実施例1の表樹脂被覆紙で表樹脂層からのみ穿孔処理を
して基紙まで貫通する貫通孔を穿孔した以外は実施例1
と同様にして実施例9のインクジェット用記録材料を得
た。表樹脂層の貫通孔面積は0.05mm2で全面積に
対する貫通孔面積の比率は10%であった。実施例1と
同様にして評価した結果を表1に示す。尚貫通孔面積、
全面積に対する貫通孔面積比率は裏樹脂層のデータを示
す。
【0072】比較例1 実施例1で、樹脂被覆紙に貫通孔を穿孔しなかった以外
は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット用記
録材料を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
2に示す。
【0073】比較例2 実施例1で支持体をJIS−P8117で規定される透
気度が40秒/100ccである無機微粒子含有の二軸
延伸ポリエチレンフィルム(厚さ230μm)に代えた
以外は実施例1と同様にして比較例2のインクジェット
用記録材料を得、同様にして評価した結果を表1に示
す。
【0074】比較例3 比較例2でフィルム支持体のインク受容層を設ける面と
反対面に下記の溶媒吸収層を固形で8g/m2設けた以外
は同様にして比較例3のインクジェット用記録材料を得
た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
【0075】 <溶媒吸収層> シリカゲル(吸油量350ml/100g) 80部 アクリル樹脂 20部
【0076】
【表1】 ─────────────────────────────────── 貫通孔 貫通孔 貫通孔 光沢性 インク 耐光性 耐ガス性 面積 面積比率 個数 吸収性 ─────────────────────────────────── 実施例1 0.05 10 200 ○ ○ ○ ◎ 実施例2 0.05 2 40 ○ ○〜△ △ ○ 実施例3 0.003 3 1000 ○ ○ △ ○ 実施例4 0.30 18 60 △ ○ ○ ◎ 実施例5 0.05 35 700 ○〜△ ○ ○ ◎ 実施例6 0.05 10 200 ○ ○ ○ ◎ 実施例7 0.04 8 200 ○ ○ ○ ◎ 実施例8 0.05 10 200 ○ ○ ○ ◎ 実施例9 0.05 10 200 ○ ○ ○ ○ ─────────────────────────────────── 比較例1 − − ○ △ × △ 比較例2 − − △ △ × △ 比較例3 − − △ △ △ △ ─────────────────────────────────── (注)表中の貫通孔面積は1個の平均面積で単位はmm2。 表中の貫通孔面積比率は全面積に対する貫通孔面積の比率で単位は%。 表中の貫通孔個数の単位は個/cm2
【0077】結果:本発明の実施例1〜9のインクジェ
ット用記録材料は、光沢性、インク吸収性が良好で、耐
光性、耐ガス性に優れた結果であった。
【0078】実施例1よりも1個の貫通孔面積が小さい
実施例3は耐光性と耐ガス性が低下傾向であり、貫通孔
面積が大きく貫通孔面積比率が高い実施例4は光沢性が
やや低下した。貫通孔面積比率が高い実施例5は実施例
1より光沢性がやや低下した。実施例1で表樹脂層の表
面のみから穿孔した支持体を用いた実施例7は裏樹脂層
面にザラツキ感が有ったが他の特性は実施例1同様に良
好であった。片面のみに樹脂被覆して穿孔した支持体を
用いた実施例8は実施例1同様に各特性は良好であっ
た。実施例1で片面からのみ穿孔した実施例9では耐ガ
ス性が実施例1よりも低下した。実施例1で穿孔しない
支持体を用いた比較例1は実施例1よりも耐光性が大き
く低下し、耐ガス性、インク吸収性も低下した。透気性
フィルムを用いた比較例2は特に光沢性とインク吸収性
が実施例1よりも大きく劣った。比較例2で裏面に溶媒
吸収性の層を設けた比較例3は比較例2よりも耐光性は
向上したが、インク吸収性、光沢性は比較例2同様に劣
った。尚、実施例1〜9、比較例1〜3のインクジェッ
ト用記録材料をシート状に断裁時に比較例3のみ溶媒吸
収性の層からの粉落ちが発生した。
【0079】
【発明の効果】本発明により、光沢性、インク吸収性が
良好で、耐光性、耐ガス性に優れたインクジェット用記
録材料が得られた。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙の片面に熱可塑性樹脂層を設けた
    後、該熱可塑性樹脂層の表面から基紙まで貫通した貫通
    孔を全面にわたって実質上均一に分布するように穿孔し
    た樹脂被覆紙を支持体として用い、少なくとも該熱可塑
    性樹脂層上にインク受容層を設けたことを特徴とするイ
    ンクジェット用記録材料。
  2. 【請求項2】 基紙の両面に熱可塑性樹脂層を設けた
    後、少なくとも片方の熱可塑性樹脂層の表面から他方の
    熱可塑性樹脂層の表面まで貫通した貫通孔を全面にわた
    って実質上均一に分布するように穿孔した樹脂被覆紙を
    支持体として用い、少なくとも片方の熱可塑性樹脂層上
    にインク受容層を設けたことを特徴とするインクジェッ
    ト用記録材料。
  3. 【請求項3】 基紙の両面に熱可塑性樹脂層を設けた
    後、少なくとも片方の熱可塑性樹脂層の表面から基紙ま
    で貫通した貫通孔を全面にわたって実質上均一に分布す
    るように穿孔した樹脂被覆紙を支持体として用い、少な
    くとも片方の貫通孔を有する熱可塑性樹脂層上にインク
    受容層を設けたことを特徴とするインクジェット用記録
    材料。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層が一次粒子の平均粒径
    が0.1μm以下の無機微粒子を含有している請求項1
    〜3に記載のインクジェット用記録材料。
  5. 【請求項5】 前記貫通孔の一個当たりの面積が平均で
    0.005〜0.2mm2である請求項1〜4の何れか
    1項に記載のインクジェット用記録材料。
  6. 【請求項6】 前記樹脂被覆紙の樹脂被覆層表面の全面
    積に対する貫通孔の総面積が3〜30%である請求項1
    〜5の何れか1項に記載のインクジェット用記録材料。
  7. 【請求項7】 前記貫通孔の単位面積当たりの個数が5
    0個/cm2以上である請求項6に記載のインクジェッ
    ト用記録材料。
  8. 【請求項8】 前記無機微粒子が一次粒子の平均粒径が
    5〜30nmの気相法シリカ、アルミナ、またはアルミ
    ナ水和物の少なくとも1種である請求項4〜7の何れか
    1項に記載のインクジェット用記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008043751A1 (de) 2006-10-13 2008-04-17 Felix Schoeller Jr. Foto- Und Spezialpapiere Gmbh & Co. Kg Ink-jet-aufzeichnungsmaterial mit perforierter rückseitenkunstharzschicht
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