JP2007061813A - 小麦全粒粉の製造方法 - Google Patents

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【課題】二次加工性に優れ、しかも二次加工品における外観、風味および食感の良好な小麦全粒粉を効率良く製造する方法を提供すること。
【解決手段】下記工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする、小麦全粒粉の製造方法。
(1)原料小麦を粗粉砕する工程
(2)工程(1)で得られた粗粉砕物を、平均粒径150〜200μm未満の微粉画分と、平均粒径150〜200μm以上の粗粉画分(但し、この粗粉画分の平均粒径は、前者の微粉画分の平均粒径よりも大きい)に分離する工程
(3)工程(2)で得られた粗粉画分を衝撃式微粉砕に供して微粉砕する工程
(4)工程(3)で得られた微粉砕物から平均粒径が150〜200μm未満の微粉画分を分取する工程
(5)工程(2)で得られた平均粒径150〜200μm未満の微粉画分と、工程(4)で得られた平均粒径150〜200μm未満の微粉画分とを混合する工程
【選択図】図2

Description

本発明は、二次加工適性に優れ、しかも二次加工品における外観、風味および食感の良好な小麦全粒粉を効率良く製造する方法に関する。
近年、健康意識の高まりから、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素に富むふすまや胚芽を含み、ふすまに由来する独特の風味を有する小麦全粒粉の需要が増してきている。従来、この小麦全粒粉は、小麦粒(原料小麦)をそのまま粗粉砕するか、あるいは粗粉砕したのち、さらに粉砕処理することにより製造されていた。しかし、ふすま画分は粉砕され難く、得られる全粒粉には、大きなふすまの断片が多く混入しているため、舌にざらつく食感やふすま独特の臭いやえぐみがあるだけでなく、二次加工性にも劣るという問題があった。また、小麦粒の粗粉砕物をさらに粉砕処理したものでは、舌にざらつく食感はある程度改善されるものの、ふすま画分の微粉砕化が困難であるため、依然として比較的大きなふすま部分が残り、これをさらに微粉砕しようとすると胚乳画分を過度に粉砕することになる。このため、得られる全粒粉中の澱粉やグルテンの損傷が大きくなってしまうため、これを用いた二次加工品は品質に劣るという欠点があった。
その改良法として、小麦粒の粉砕に気流式粉砕機(Air Attrition Mill)を用いると共に、小麦粒を粉砕後、約150μmより大きい画分を再度当該気流式粉砕機に戻して粉砕を繰り返す方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この方法における粉砕手段は気流により引き起こされた粒子同士の衝突により粉砕を行うものであるため、粉砕効率の点で問題があった。また、小麦粒を粉砕後、約150μmより大きい画分を再度当該気流式粉砕機に戻して粉砕を繰り返す方法であるため、得られる全粒粉中の澱粉やグルテンの損傷が大きくなってしまうという欠点があった。
一方、図1に示すように、小麦粒を精選、調質した後、ミルで複数回、粉砕して微細な小麦粉画分と、粗いふすまおよび胚芽からなる画分に分離し、このふすまおよび胚芽からなる画分を微粉砕した後に、上記小麦粉画分と混合して小麦全粒粉を製造する方法が考案され(特許文献2参照)、当該方法で製造された小麦全粒粉が既に市販されている。しかし、この方法では、粉砕効率についてもさほど改善されず、さらに微粉砕により澱粉やグルテンの損傷が生じてしまう。このため、この小麦全粒粉を用いてパン類を製造した場合には、パン生地中の水分値が低くなってしまうことも重なり、吸水が多くなるがパン生地のへたりが大きくなるため、製パン性が悪く、またパンの品質も劣るなど、二次加工性が悪く、二次加工品の品質も満足なものとは言い難い。
カナダ特許第2, 141, 974号明細書 国際公開第2005/058044号パンフレット
本発明の課題は、二次加工性に優れ、しかも二次加工品における外観、風味および食感の良好な小麦全粒粉を効率良く製造する方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、小麦粒を粗粉砕した後、分級して特定の粒度未満の画分と当該粒度以上の画分に分離し、当該粒度以上の画分を衝撃式微粉砕機で微粉砕し、得られた微粉砕物を再度、分級して、上記の特定の粒度未満の画分と混合することにより得られる小麦全粒粉が、二次加工性に優れ、さらにこれを用いて製造した二次加工品が良好な外観、風味および食感を有することを見出し、発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする小麦全粒粉の製造方法を提供することにより、上記課題を解決したものである。
(1)原料小麦を粗粉砕する工程
(2)工程(1)で得られた粗粉砕物を、平均粒径150〜200μm未満の微粉画分と、平均粒径150〜200μm以上の粗粉画分(但し、この粗粉画分の平均粒径は、前者の微粉画分の平均粒径よりも大きい)に分離する工程
(3)工程(2)で得られた粗粉画分を衝撃式微粉砕に供して微粉砕する工程
(4)工程(3)で得られた微粉砕物から平均粒径が150〜200μm未満の微粉画分を分取する工程
(5)工程(2)で得られた平均粒径150〜200μm未満の微粉画分と、工程(4)で得られた平均粒径150〜200μm未満の微粉画分とを混合する工程
本発明の方法において、微粉画分の平均粒経は、通常は150〜200μm未満、好ましくは150〜180μm未満、より好ましくは150μm未満である。粉砕物の分級を篩で行う場合、用いる篩の目開きは、通常は150〜200μm、好ましくは150〜180μm、より好ましくは150μmである。粉砕物の分級を空気分級機で行う場合、空気流量、分級ロータの種類や回転速度などを適宜調整し、平均粒径150〜200μm未満の微粉画分と、平均粒径150〜200μm以上の粗粉画分(但し、この粗粉画分の平均粒径は、前者の微粉画分の平均粒径よりも大きい)に分離する。
従って、小麦粉砕物は、平均粒径150〜200μm未満の微粉画分、好ましくは150〜180μm未満の微粉画分、より好ましくは150μm未満の微粉画分と、平均粒径150〜200μm以上の粗粉画分(但し、この粗粉画分の平均粒径は、前者の微粉画分の平均粒径よりも大きい)、好ましくは150〜180μm以上の粗粉画分、より好ましくは150μm以上の粗粉画分に分離される。
本発明はまた、前述した方法で製造される小麦全粒粉およびこれを用いた各種二次加工品に関する。
本発明の小麦全粒粉の製造方法によれば、平均粒径が150〜200μm未満、好ましくは150〜180μm未満、より好ましくは150μm未満であり、且つこれに含まれる澱粉やグルテンの損傷が少なく、外皮画分(ふすま画分)が微粉砕化された全粒粉を効率良く製造することができる。本発明の方法により得られる小麦全粒粉は、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素に富むばかりでなく、二次加工性に優れ、しかもこれを用いて製造した二次加工品は食味・食感が良好であるため、パン類、菓子類、麺類などの二次加工品用の原料として非常に有用である。
以下、本発明の小麦全粒粉の製造方法を、その好ましい実施形態について説明する。
まず、工程(1)において、原料小麦を常法に従って精選した後、加水・調質して粗粉砕するか、あるいは加水・調質せずにそのまま粗粉砕するが、加水・調質せずに粗粉砕するのが好ましい。この粗粉砕処理は、ロール式粉砕または衝撃式粉砕に供してもよいが、ロール式粉砕と衝撃式粉砕の組合せで行うことが好ましく、その場合、ロール式粉砕を行った後、衝撃式粉砕を行うことが好ましい。ロール式粉砕は、通常の製粉では多段階で複数回行われるが、本発明では2回以下であることが好ましく、より好ましくは1回のみである。また、衝撃式粉砕に用いる粉砕機としては、衝撃板と回転ロータ間で機械的衝撃により粉砕を行うものであれば特に限定されるものではなく、例えばターボミル、ブレードミルなどが用いられるが、ターボミルを用いるのが好ましい。
この粗粉砕処理の程度は、原料小麦の加水・調質の有無により異なるが、一般的には次工程の分級において、平均粒径150〜200μm未満の微粉画分の割合が50〜80%程度となるように行うのが好ましく、例えば分級を篩で行う場合には、篩を通過する微粉画分の割合が60〜75%となるように行うことが好ましく、65〜70%となるように行うことがより好ましい。
本工程では、粗粉砕処理をロール式粉砕と衝撃式粉砕の組合せで行うと原料小麦の粉砕効率が良い。また、原料小麦を加水・調質せずにそのまま粗粉砕することで、粉砕効率はさらに向上する。
次に、工程(2)において、工程(1)で得られた粗粉砕物は、篩による分級または空気分級機による分級により、平均粒径150〜200μm未満の微粉画分と150〜200μm以上の粗粉画分(但し、この粗粉画分の平均粒径は、前者の微粉画分の平均粒径よりも大きい)、好ましくは150〜180μm未満の微粉画分と150〜180μm以上の粗粉画分、より好ましくは150μm未満の微粉画分と150μm以上の粗粉画分に分離される。
本工程を篩で行う場合、該篩は、目開き150〜200μm、好ましくは150〜180μm、より好ましくは150μmの篩を用いる。従って、工程(2)においては、小麦粉砕物は、上記篩を通過する粒径150〜200μm未満、好ましくは150〜180μm未満、より好ましくは150μm未満の微粉画分と、上記篩上に残留する粒径150〜200μm以上、好ましくは150〜180μm以上、より好ましくは150μm以上の粗粉画分とに分離される。
また、空気分級機で行う場合、粒径150〜200μmを境に粗粉画分と微粉画分とを精度よく分離可能な分級機を用いるのが好ましい。そのような空気分級機としては、日清エンジリニアリング社製のターボクラシファイア(商品名)などが挙げられる。
次いで、工程(3)において、工程(2)で得られた平均粒径150〜200μm以上の粗粉画分を、さらに衝撃式微粉砕に供して微粉砕する。この微粉砕処理の程度は、次工程の分級において、平均粒径150〜200μm未満の微粉画分の割合が80〜100%程度となるように行うことが好ましく、90〜100%となるように行うことがより好ましい。例えば分級を篩で行う場合には、篩を通過する微粉画分の割合が80〜100%となるように行うことが好ましく、90〜100%となるように行うことがより好ましい。
次工程の分級を空気分級機で行う場合、衝撃式微粉砕に供してから、粉砕物を空気分級機に供してもよく、また、空気分級機構を内蔵した衝撃式微粉砕機を用いて粉砕と分級をほぼ同時に行ってもよく、設備やコストの面から空気分級機構内蔵の衝撃式微粉砕機を用いて粉砕および分級を行うことが好ましい。
次いで、工程(4)において、工程(2)と同様にして、工程(3)で得られた微粉砕物を、篩による分級または空気分級機による分級により、平均粒径150〜200μm未満の微粉画分と150〜200μm以上の粗粉画分(但し、この粗粉画分の平均粒径は、前者の微粉画分の平均粒径よりも大きい)、好ましくは150〜180μm未満の微粉画分と150〜180μm以上の粗粉画分、より好ましくは150μm未満の微粉画分と150μm以上の粗粉画分に分離する。
本工程を篩で行う場合、該篩は、目開き150〜200μm、好ましくは150〜180μm、より好ましくは150μmの篩を用いる。従って、工程(4)においては、微粉砕物は、上記篩を通過する粒径150〜200μm未満、好ましくは150〜180μm未満、より好ましくは150μm未満の微粉画分と、上記篩上に残留する粒径150〜200μm以上、好ましくは150〜180μm以上、より好ましくは150μm以上の粗粉画分とに分離される。
また、空気分級機を用いる場合、粒径150〜200μmを境に粗粉画分と微粉画分とを精度よく分離可能な分級機を用いるのが好ましく、上記のとおり、空気分級機構内蔵の衝撃式微粉砕機を用いて粉砕および分級を行うことが好ましい。なお、本工程を篩で行う場合も、篩を通過する微粉画分の割合を高められることから空気分級機構内蔵の衝撃式微粉砕機の使用が好ましい。そのような空気分級機構内蔵の衝撃式微粉砕機としては、例えばホソカワミクロン社製のACMパルベライザー(商品名)を挙げることができる。
本工程(4)における分級を篩、空気分級機のいずれを用いて行っても、本工程(4)で得られた粗粉画分は、工程(3)に戻すことが好ましく、必要に応じてこの操作を繰り返すことができる。粗粉画分を工程(3)に戻すことで、粉砕されにくいふすま画分を微粉砕することができるが、この操作を過度に繰り返し行うと当該粉砕物中の澱粉やグルテンの構造が損傷を受けるため好ましくない。
最後に、工程(5)において、工程(2)で得られた微粉画分と、工程(4)で得られた微粉画分とを混合することで、風味・食感のみならず、二次加工性に優れた小麦全粒粉が得られる。以上の工程(1)〜(5)からなる本発明の方法の概略を図2に示した。
本発明の方法で製造される小麦全粒粉は、粉砕され難いふすま画分が十分に粉砕されており、その平均粒径が、通常は150〜200μm未満、好ましくは100μm未満、より好ましくは40〜80μmの範囲、さらに好ましくは50〜70μmの範囲であり、しかも粒径150〜200μm以上の粗粉画分、好ましくは150〜180μm以上の粗粉画分、より好ましくは150μm以上の粗粉画分の含有量が、5質量%未満、好ましくは3質量%未満であり、例えば0.3〜3質量%の範囲である。
本発明の方法で製造される小麦全粒粉は、原料小麦を適宜選択することによってパン用粉、麺用粉、菓子用粉などとして好適に使用することができる。全穀粉に対する本発明の小麦全粒粉の使用比率は、使用目的により異なるが、一般的には10〜100質量%、好ましくは50〜100質量%の範囲である。
次に本発明をさらに具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
硬質小麦を精選して、加水・調質せずにロール機(ロール機1B)にて粉砕した後、衝撃式粉砕機(ターボミル,東京製粉機製作所製)を用いて粉砕した。次いで、目開き150μmの篩を用いて分級し、篩を通過する平均粒径150μm未満の微粉画分と、篩上に残留する平均粒径150μm以上の粗粉画分とに分離した。ここで得られた微粉画分の平均粒径は53μmであり、粗粉画分の平均粒径は321μmであった。
次いで、粗粉画分を衝撃式微粉砕機(ACMパルベライザー,ホソカワミクロン社製)を用いて微粉砕し、目開き150μmの篩を用いて分級し、篩を通過する平均粒径150μm未満の微粉画分を分取した。これを、先に分離した平均粒径53μmの微粉画分と混合し、パン用小麦全粒粉を得た。得られたパン用小麦全粒粉の平均粒径は約50μmであり、粒径150μm以上の粗粉画分は全粒粉全量に対して0.3質量%であった。
[実施例2]
硬質小麦を精選して、加水・調質せずにロール機(ロール機1B)にて粉砕した後、衝撃式粉砕機(ターボミル,東京製粉機製作所製)を用いて粉砕した。次いで、目開き150μmの篩を用いて分級し、篩を通過する平均粒径150μm未満の微粉画分と、篩上に残留する平均粒径150μm以上の粗粉画分とに分離した。ここで得られた微粉画分の平均粒径は53μmであり、粗粉画分の平均粒径は321μmであった。
次いで、粗粉画分を衝撃式微粉砕機(ACMパルベライザー,ホソカワミクロン社製)を用いて微粉砕し、目開き150μmの篩を用いて分級し、篩を通過する平均粒径150μm未満の微粉画分と、篩上に残留する平均粒径150μm以上の粗粉画分とに分離し、篩を通過する微粉画分を分取した。また、ここで得られた粗粉画分を再度、ACMパルベライザーで衝撃式微粉砕した後、同様に分級して平均粒径150μm未満の微粉画分を分取した。そして、これらの分取した平均粒径150μm未満の微粉画分を、先に分離した平均粒径53μmの微粉画分と混合し、パン用小麦全粒粉を得た。得られたパン用小麦全粒粉の平均粒径は約50μmであり、粒径150μm以上の粗粉画分は全粒粉全量に対して0.2質量%であった。
[実施例3]
原料小麦として、麺用普通小麦を用いたこと以外は、実施例2と同様に処理して、麺用小麦全粒粉を得た。
[実施例4]
原料小麦として、軟質小麦を用いたこと以外は、実施例2と同様に処理して、菓子用小麦全粒粉を得た。
[実施例5]
硬質小麦を精選して、加水・調質せずにロール機(ロール機1B)にて粉砕した後、衝撃式粉砕機(ターボミル,東京製粉機製作所製)を用いて粉砕した。次いで、空気分級機(ターボクラシファイア,日清エンジリニアリング社製)を用いて、粉砕物を平均粒径150μm未満の微粉画分と平均粒径150μm以上の粗粉画分とに分離した。ここで得られた微粉画分の平均粒径は68μmであり、粗粉画分の平均粒径は445μmであった。
次いで、この粗粉画分を空気分級機内蔵の衝撃式微粉砕機(ACMパルベライザー,ホソカワミクロン社製)を用いて微粉砕し、平均粒径150μm未満の微粉画分を分取した。これを、先に分離した平均粒径68μmの微粉画分と混合し、パン用小麦全粒粉を得た。得られたパン用小麦全粒粉の平均粒径は約60μmであり、粒径150μm以上の粗粉画分は全粒粉全量に対して1.4質量%であった。
[試験例および比較試験例]
小麦全粒粉として、実施例2のパン用小麦全粒粉(試験例1)、比較試験例として市販のパン用小麦全粒粉である比較小麦全粒粉1「グラハムブレッドフラワー(日清製粉株式会社製)」(比較試験例1)または比較小麦全粒粉2「特許文献2の製造方法で製造され販売されている小麦全粒粉(UltragrainTM,ConAgra 社製)」(比較試験例2)を用い、下記のようにしてフランスパンをそれぞれ製造した。
小麦全粒粉100質量部、インスタントイースト1質量部、フランスパン用生地改良剤0.2質量部、乳化剤0.1質量部、食塩2質量部および水を適宜質量部(下記の表中に記載)を加え、低速で5分間、中速で3分間、高速で2分間混捏してパン生地を得た(捏上げ温度28.0℃)。得られた生地を室温で20分間発酵させ、次に1個250gに分割した後、20分間ベンチタイムをとった。次にこの生地を成形して、温度32℃および湿度80%の条件下で65分間ホイロをとった後、温度230℃の条件下で25分間焼成してフランスパンを得た。
得られたフランスパンを表2に示す評価基準により10名のパネラーで評価した。その評価結果(10名のパネラーの平均点)を表1に示す。表1には、得られたフランスパンのボリュームも記載した。
Figure 2007061813
Figure 2007061813
試験例および比較試験例の結果より、本発明の方法で製造される小麦全粒粉を用いた場合には、従来の小麦全粒粉を用いた場合と比較して、パン製造における作業性、すなわち二次加工性が良くなり、そして得られるパン類においてもその内相、容積、外観のみならず、パンの食感、風味・味に優れることが示された。これに対し、従来の小麦全粒粉を用いた場合、特に比較小麦全粒粉2「特許文献2の製造方法で製造され販売されている小麦全粒粉(UltragrainTM,ConAgra 社製)」を用いた比較試験例2の場合は、二次加工性が劣り、得られるパン類の品質も悪い。これらのことから、比較試験例2で用いた小麦全粒粉は、粉砕効率が悪いため、澱粉やグルテンの損傷が生じているのに対し、本発明の方法で製造される小麦全粒粉は、原料小麦が効率良く粉砕され、澱粉やグルテンの損傷が無いか極めて僅かであることが確認された。
特許文献2に記載された小麦全粒粉の製造方法の概略を示すフローシートである。 本発明の小麦全粒粉の製造方法の好ましい一実施形態の概略を示すフローシートである。

Claims (8)

  1. 下記工程(1)〜(5)を含むことを特徴とする、小麦全粒粉の製造方法。
    (1)原料小麦を粗粉砕する工程
    (2)工程(1)で得られた粗粉砕物を、平均粒径150〜200μm未満の微粉画分と、平均粒径150〜200μm以上の粗粉画分(但し、この粗粉画分の平均粒径は、前者の微粉画分の平均粒径よりも大きい)に分離する工程
    (3)工程(2)で得られた粗粉画分を衝撃式微粉砕に供して微粉砕する工程
    (4)工程(3)で得られた微粉砕物から平均粒径が150〜200μm未満の微粉画分を分取する工程
    (5)工程(2)で得られた平均粒径150〜200μm未満の微粉画分と、工程(4)で得られた平均粒径150〜200μm未満の微粉画分とを混合する工程
  2. 工程(1)の粗粉砕が、ロール式粉砕と衝撃式粉砕の組合せである、請求項1記載の小麦全粒粉の製造方法。
  3. 工程(2)の分離工程が、工程(1)で得られた粗粉砕物を目開き150〜200μmの篩で分級し、該篩を通過する微粉画分と該篩上に残留する粗粉画分に分離することからなる、請求項1または2記載の小麦全粒粉の製造方法。
  4. 工程(2)の分離工程が、工程(1)で得られた粗粉砕物を空気分級機で分級し、平均粒径150〜200μm未満の微粉画分と、平均粒径150〜200μm以上の粗粉画分に分離することからなる、請求項1または2記載の小麦全粒粉の製造方法。
  5. 工程(4)の平均粒径150〜200μm未満の微粉画分を分取する工程が、工程(3)で得られた粗粉砕物を目開き150〜200μmの篩で分級し、該篩を通過する微粉画分を分取することからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の小麦全粒粉の製造方法。
  6. 工程(4)の平均粒径150〜200μm未満の微粉画分を分取する工程が、工程(3)で得られた粗粉砕物を、空気分級機で分級し、平均粒径150〜200μm未満の微粉画分を分取することからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の小麦全粒粉の製造方法。
  7. 工程(4)で得られた残余の平均粒径150〜200μm以上の粗粉画分を工程(3)に戻す、請求項5または6記載の小麦全粒粉の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法で製造される小麦全粒粉。
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