JP6598238B2 - 微粉砕ふすまの製造方法、微粉砕ふすま及び食品 - Google Patents

微粉砕ふすまの製造方法、微粉砕ふすま及び食品 Download PDF

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Description

本発明は、微粉砕ふすまの製造方法、該方法で得られる微粉砕ふすま、及び該微粉砕ふすまを用いて得られる食品に関する。
小麦の製粉工程で得られるふすまは、食物繊維、ビタミン、ミネラル等の栄養成分に富むものであるが、ふすま特有の穀物臭(以下「ふすま臭」とする)やざらつき感があり、保存性に劣るため、これまでは、飼料等として利用されることが多かった。
近年、小麦ふすまが含有する豊富な栄養成分に着眼して、菓子、パンなどの原料として利用できるようにした小麦ふすまが製造、販売されている。
このような小麦ふすまとして、下記特許文献1には、(1)原料小麦を粗粉砕する工程と、(2)工程(1)で得られた粗粉砕物から小麦ふすまを採取する工程と、(3)工程(2)で得られた小麦ふすまを加熱処理する工程と、(4)工程(3)で加熱処理した小麦ふすまを微粉砕する工程と、(5)工程(4)で得られた微粉砕物から平均粒径が150μm 未満〜200μm 未満の微ふすま画分を分取する工程とを含む、小麦ふすまの製造方法が開示されている。
また、下記特許文献2には、小麦ふすまの粉砕物を、中位径50μm未満の微粒子画分とそれ以外の他の画分とに分級し、該微粒子画分を採取する工程を有する、微粉ふすまの製造方法が開示されており、該微粉ふすまは、アルキルレゾルシノールを高含有することが記載されている。
特開2013−243984号公報 特開2014−214105号公報
上記特許文献1、2では、製粉工程から得られる通常の小麦ふすまをそのまま用いて粉砕処理を行っており、加熱処理は湿熱処理が好ましいとされている。
しかしながら、製粉工程からふすま画分として分離される通常の小麦ふすまを用いると、食物繊維含量を高く維持しつつ、ふすま臭の強い画分を除くことができないという問題があった。
また、特許文献2では、小麦ふすまの粉砕物から、アルキルレゾルシノールの含有量の高い中位径50μm未満の微粒子画分を採取しているが、アルキルレゾルシノールの含有量の低い画分を利用できなくなるので、収率が低下するという問題があった。
したがって、本発明の目的は、ふすま臭がより低減されるようにした微粉砕ふすまを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の微粉砕ふすまの製造方法は、小麦としてウエスタン・ホワイトを用い、該小麦から小麦粉を得るための製粉工程で分離されるふすまの画分のうち、粒度が所定値より小さい画分と、粒度が所定値より大きい画分を除いた中間粒度画分のふすまを採取し、このふすまを焙煎した後、粒度分布における中位径が100μm以下になるように粉砕することを特徴とする。
本発明の微粉砕ふすまの製造方法によれば、小麦としてウエスタン・ホワイトを用いることにより、ふすま臭が弱められると共に、色調の明るいふすまを提供することができる。また、小麦粉を得るための製粉工程で分離されるふすまの画分のうち、粒度が所定値より小さい画分と、粒度が所定値より大きい画分を除いた中間粒度画分のふすまを採取して原料とすることにより、食物繊維含量を高く維持しつつ、ふすま臭を低減することができる。更に、該ふすまを焙煎処理することにより、ふすま臭を更に低減して、好ましい香ばしい香りを付与できると共に、微粉砕しやすくすることができ、更に製品の保存性を高めることができる。こうして得られる微粉砕ふすまは、ふすま臭が効果的に軽減され、好ましい香ばしい香りが付与され、食品に添加したときの色調変化を軽減して外観を良好に保ち、食した際にざらつきの少ない滑らかな食感を付与することができる。
本発明の微粉砕ふすまの製造方法においては、前記中間粒度画分のふすまは、目開き700〜900μmの間で選択された篩をパスし、目開き300〜500μmの間で選択された篩をオンする画分から採取されたものであることが好ましい。これによれば、原料として、食物繊維含量を高く維持しつつ、ふすま臭の少ない画分を得ることができ、ふすま臭がより低減された製品が得られる。
また、前記中間粒度画分のふすまの灰分は、3〜6質量%であることが好ましい。これによれば、原料として、食物繊維含量を高く維持しつつ、ふすま臭の少ない画分を得ることができ、ふすま臭がより低減された製品が得られる。
また、前記焙煎は、一般生菌数が10,000/g以下となる条件で行うことが好ましい。これによれば、保存性をより良好に高めることができると共に、好ましい香ばしい風味を効果的に付与することができる。
また、前記焙煎は、前記ふすまの水分量が、5質量%以下となる条件で行うことが好ましい。これによれば、保存性をより良好に高めることができると共に、後の粉砕工程の際に微粉砕しやすくすることができる。
更に、前記ふすまの粉砕後に、目開き100〜300μmの間で選択された篩をパスしたものを採取することが好ましい。これによれば、比較的粗い粒子のものを除いて、食感のざらつきをより低減することができる。
更にまた、目開き200μmの篩をパスするものの割合が90質量%以上となるように、前記粉砕を行うことが好ましい。これによれば、充分に微粉砕して食感のざらつきを低減できると共に、製品の収率を高めることができる。
本発明の微粉砕ふすまは、上記のいずれかの方法で製造されたものであることを特徴とする。本発明の微粉砕ふすまによれば、ふすま臭が著しく軽減され、好ましい香ばしい香りが付与され、食品に添加したときの色調変化を軽減して外観を良好に保ち、食した際にざらつきの少ない滑らかな食感を付与することができる。
本発明の食品は、上記微粉砕ふすまを用いて得られるものであることを特徴とする。本発明の食品によれば、上記微粉砕ふすまを用いることにより、食物繊維やミネラルを豊富に含有すると共に、ふすま臭が軽減され、食したときのざらつきが少ない食品を提供できる。
上記本発明の食品は、洋菓子、和菓子、焼菓子及びパンから選ばれた1種であることが好ましい。これによれば、洋菓子、和菓子、焼菓子及びパンに、食物繊維やミネラルを豊富に含有させることができると共に、それらに求められる好ましい風味や、色調や、食感が損なわれないようにすることができる。
本発明によれば、ふすま臭が効果的に軽減され、好ましい香ばしい香りが付与され、食品に添加したときの色調変化を軽減して外観を良好に保ち、食した際にざらつきの少ない滑らかな食感を付与することができる微粉砕ふすまを提供できる。
試験例1の未加熱ふすまの臭いの分析結果における不快な臭いの分析結果を示す図表である。 試験例1の未加熱ふすまの臭いの分析結果における好ましい臭いの分析結果を示す図表である。 試験例2の微粉砕ふすまの臭いの分析結果における不快な臭いの分析結果を示す図表である。 試験例2の微粉砕ふすまの臭いの分析結果における好ましい臭いの分析結果を示す図表である。
本発明においては、小麦として、ウエスタン・ホワイト(W.W.)を用いる。ウエスタン・ホワイトは、主としてアメリカ西部で生産されている小麦であって、ソフト・ホワイト(S.W.)と、ホワイト・クラブ(W.C.)とが混合されたものである。ウエスタン・ホワイトは、蛋白質含量が比較的少なく、また、グルテンの性質が弱い。
そして、後述する実施例に示されるように、ウエスタン・ホワイトから得られた小麦ふすまは、他の産地品種銘柄の小麦を用いて得られた小麦ふすまよりも、ふすま臭に特有な香気成分が少ないことがわかった。また、ウエスタン・ホワイトから得られた小麦ふすまは、他の産地品種銘柄の小麦を用いて得られた小麦ふすまに比べて色調が白っぽく、食品に添加したときに、食品本来の色調に影響を与えにくいことがわかった。
本発明においては、ウエスタン・ホワイトを用いて、小麦粉を得るための製粉工程において、副産物として得られる小麦ふすまを原料として利用する。製粉工程は、特に限定されないが、例えば、ロール式粉砕機を用いて粉砕し、粉砕物をシフター及びピュリファイヤーで仕分けて、小麦の外皮や胚芽を除く方法が採用される。このような製粉工程においては、主として胚乳部分からなる小麦粉と、外皮や胚芽の粉砕物とが、粒度等が異なる多数の画分に分かれて分離されてくる。
本発明では、上記のような製粉工程で分離される小麦ふすまの画分のうち、粒度が所定値より小さい画分と、粒度が所定値より大きい画分を除いた中間粒度画分のふすまを採取する。すなわち、製粉工程で小麦ふすまとして分離される画分には、シフター及びピュリファイヤーで仕分けられた、粒度等が異なる複数の画分があり、このうち、中間粒度画分のふすまを採取するのである。
製粉工程で分離される小麦ふすまの画分のうち、粒度の細かい部分は、胚乳部分である小麦粉が多く混入しており、粒度の細かい部分を除くことによって、食物繊維含量を高めることができる。また、製粉工程で分離される小麦ふすまの画分のうち、粒度の粗い部分は、食物繊維含量が高くなる傾向があるが、ふすま臭も強くなるという問題がある。本発明においては、製粉工程で分離される小麦ふすまの画分のうち、粒度が所定値より小さい画分と、粒度が所定値より大きい画分を除いた中間粒度画分のふすまを採取することにより、食物繊維含量を高く維持しつつ、ふすま臭の少ない画分を得ることができる。また、中間粒度画分のふすまは、微粉砕しやすいという利点もある。
上記中間粒度画分のふすまとしては、目開き700〜900μmの間で選択された篩をパスし、目開き300〜500μmの間で選択された篩をオンする画分から採取されたものが好ましく、目開き750〜850μmの間で選択された篩をパスし、目開き350〜450μmの間で選択された篩をオンする画分から採取されたものがより好ましい。
こうして得られる中間粒度画分のふすまの灰分は、3〜6質量%であることが好ましく、4〜5質量%であることがより好ましい。ふすまの灰分は、食物繊維含量が高くなるほど高くなる傾向があり、灰分が3質量%未満では食物繊維含量が不足し、6質量%を超えるとふすま臭が強くなる傾向がある。
上記中間粒度画分のふすまは、ふすま臭が比較的少なく、胚乳や異物等の混入も少ないという利点がある。このため、食物繊維含量が高く、栄養成分に富み、ふすま臭が少ない原料を得ることができる。
本発明では、こうして採取された中間粒度画分のふすまを焙煎する。焙煎は、好ましくは水分を添加することなく、回転釜等の加熱容器に入れて、撹拌しながら、好ましくは最終品温が95〜140℃になるように、加熱時間がトータルで好ましくは30〜180分間になるように加熱することによってなされる。なお、加熱手段としては、上記態様に限らず、例えば、回転ドラムにふすまを入れて、熱風を吹込みながら加熱する方法など、各種の方法を採用することができる。
本発明では、上記焙煎によって、一般生菌数が10,000/g以下となるようにすることが好ましい。なお、一般生菌数は、標準寒天培地を用いた段階希釈法によって測定することができる。一般生菌数を上記のように減らすことにより、最終製品の保存性を向上させることができると共に、焙煎による好ましい香りを効果的に付与することができる。
また、焙煎後のふすまの水分量は、5質量%以下となるようにすることが好ましく、2〜3質量%となるようにすることがより好ましい。水分量を5質量%以下とすることにより、製品の保存性を高めることができるだけでなく、後述する粉砕工程において、より微細に粉砕されやすくすることができる。
本発明では、こうして焙煎されたふすまを、粒度分布における中位径が100μm以下、好ましくは10〜60μm、より好ましくは20〜40μmになるように粉砕する。粉砕手段は、特に限定されないが、例えば、気流式粉砕機や、衝撃式粉砕機などを使用することができる。
本発明において、粒度分布における中位径とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径(体積中位径)を意味する。中位径は、レーザー回折/散乱式粒度分布計(例えば商品名「マイクロトラック」、日機装社製)で測定したメジアン径として得られる。
中位径が上記範囲となるように粉砕することにより、食品に添加したときのざらつき感を少なくして、滑らかで良好な食感を付与することができる。
本発明では、更に、前記ふすまの粉砕後に、目開き100〜300μmの間で選択された篩をパスしたものを採取することが好ましく、目開き150〜250μmの間で選択された篩をパスしたものを採取することがより好ましい。これによれば、比較的粗い粒子のものを除いて、食感のざらつきをより低減することができる。また、万が一、粒度の粗い異物が混入していたとしても、それらを確実に除去することができる。
なお、本発明では、目開き200μmの篩をパスするものの割合が、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上となるように、前記粉砕を行うことが好ましい。これによれば、充分に微粉砕して食感のざらつきを低減できると共に、製品の収率を高めることができる。
なお、上記篩をオンしたふすまを回収して、再度粉砕し、再度上記篩にかけてパスしたものを回収し、製品としての微粉砕ふすまに含有させてもよい。また、上記粉砕後の篩かけは、必須ではなく、粉砕しただけで中位径が100μm以下になれば、最後の篩かけは行わなくてもよい。
こうして得られた本発明の微粉砕ふすまは、ふすま臭が少なく、焙煎による好ましい香りが付与され、食した際のざらつき感が少なく、保存性も良好なものとなる。また、飲食品に添加しても、色調が明るく白っぽいので、食品本来の色調が変化してしまうことが抑制される。
なお、本発明の微粉砕ふすまの食物繊維含量は、30〜60質量%が好ましく、35〜50質量%がより好ましい。ここで、食物繊維含量は、酵素−重量法で測定した値を意味する。
本発明の微粉砕ふすまは、各種の食品原料として利用することができる。例えば、スポンジケーキ、バターケーキ、クッキー、パイ、スコーン、ホットケーキ等の洋菓子や、どら焼き、たい焼き等の和菓子や、食パン、クロワッサン、ロールパン等のパンの原料として使用することができる。
上記食品中への本発明の微粉砕ふすまの添加量は、食品全体に対して5〜90質量%とすることが好ましく、10〜50質量%とすることがより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
小麦としてウエスタン・ホワイトを用い、その製粉工程で得られるふすま画分であって、目開き800μmのふるいをパスし、目開き425μmのふるいをオンする中間粒度の画分を採取した。このふすまの灰分は、約4.5%であった。
上記ふすまを、回転釜に入れて、撹拌しながら、最終品温110℃となるように加熱し、合計90分間焙煎した。こうして得られた焙煎ふすまは、一般生菌数が1.9×102個/gであり、水分量は1.7質量%であった。
上記焙煎ふすまを、気流粉砕によって粉砕した。
上記粉砕物を目開き200μmのふるいにかけ、パスした部分(以下「微粉砕ふすま」とする)を採取し、オンした部分を除去した。
こうして得られた微粉砕物を、レーザー回折/散乱式粒度分布計(例えば商品名「マイクロトラック」、日機装社製)を用いて測定したところ、粒度分布における50%中位径が25.5μmであった。また、微粉砕ふすまの食物繊維含量は40.3質量%であった。
<比較例1>
小麦として、オーストラリア産スタンダード・ホワイト(ASW)を用い、他は実施例1と同様にして、微粉砕ふすまを製造した。
<比較例2>
小麦として、いずれも強力系麦種である、ダーク・ノーザン・スプリング(DNS)と、No.1カナダ・ウエスタン(CW)・レッド・スプリングと、ハード・レッド・ウインター(SH)との混合物を用い、他は実施例1と同様にして、微粉砕ふすまを製造した。
<試験例1(未加熱ふすまの臭いの分析)>
下記(1)〜(3)の小麦ふすま(未加熱、未粉砕のもの)について、下記表1に示す臭い成分を分析した。
(1)ウエスタン・ホワイト由来のもの(以下「WW」とする)
(2)強力系麦種である、ダーク・ノーザン・スプリング(DNS)と、No.1カナダ・ウエスタン(CW)・レッド・スプリングと、ハード・レッド・ウインター(SH)との混合物由来のもの(以下「強力系」とする)
(3)オーストラリア産スタンダード・ホワイト(ASW)由来のもの(以下「ASW」とする)
臭い成分の分析方法は、次の通りである。すなわち、検体0.1 gを20 mlバイアル瓶に入れ、60℃〜70℃の加温下、ヘッドスペースの揮発成分をSPMEファイバー(Sigma-Aldrich社製 DVB/CAR/PDMS)に40分間吸着した後、GC-MSにて分析した。分析条件は下記<GC-MS分析条件>の通りである。臭い成分として、検体中の不快な臭い(ヘキサナール、ペンタン酸(吉草酸)、ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸(エナント酸))、及び、好ましい臭い(4-ビニルグアイヤコール、フェニルエチルアルコール、バニリン)の主イオンのAREA値を算出し、WWの検体から得られたAREA値を「1」とした場合の、相対値を算出した。その結果を表1に示す。
(GC-MS分析条件)
GC-MS装置:GC(450-GC), MS(300-MS)、いずれもVarian社製
カラム:InertCap pure wax(60 m×φ0.25 mm×0.25 ■m)GLサイエンス社製
キャリアガス:ヘリウム
カラム温度:40℃(1分間保持)→ 5℃/分 → 150℃ →10℃/分 →250℃(5分間保持)
注入口温度:270℃
MS検出器:スキャン分析(29 - 230 m/z)
イオン源:220℃
エミッション電圧:70 eV
また、上記表1における不快な臭い成分の測定結果を図1に、好ましい臭い成分の測定結果を図2に示す。
表1及び図1,2の結果から、WWは、不快な臭い成分が最も少なく、好ましい臭い成分はASWに比べると多く含まれていることがわかる。
<試験例2(微粉砕ふすまの臭いの分析)>
実施例1で得られた微粉砕ふすま(以下「WW」とする)、比較例1で得られた微粉砕ふすま(以下「ASW」とする)、及び比較例2で得られた微粉砕ふすま(以下「強力系」とする)について、試験例1と同様にして、臭い成分を分析した。この結果を下記表2に示す。
また、上記表2における不快な臭い成分の測定結果を図3に、好ましい臭い成分の測定結果を図4に示す。
表2及び図3,4の結果から、WWは、不快な臭い成分が最も少なく、好ましい臭い成分は最も多く含まれていることがわかる。
<試験例3(スポンジケーキの製造)>
前記実施例1(WW)、比較例2(強力系)、比較例3(ASW)で得られた微粉砕ふすまを用いて、下表3に示す配合及び製造条件で、下記の製造手順によって、スポンジケーキを製造した。
(製造手順)
まず、卵、砂糖、水、乳化油脂をミキサーボウルに加え均一になるまでミキシングを行った。次いで、微粉砕フスマを加えて、低速1分、中速1分、高速40秒、中速2分の順にミキシングを行った。その後、油を加えて低速で1分間ミキシングし、スポンジケーキ生地を得た。これを6号缶に300gずつ分注し、180℃で25分間焼成した。
こうして得られたスポンジケーキにつき、下記表4に示す評価基準で、色、ボリューム感、ざらつき、総合的な食感、風味について、10人のパネラーによる評価を行い、その平均値を算出した。その結果を表5に示す。
上記表5に示すように、WWを用いた実施例1は、強力系を用いた比較例1、ASWを用いた比較例2に対して、色、ボリューム感、ざらつき感、総合的な食感、風味のいずれにおいても、優れていた。
<実施例2>
実施例1において、粉砕物を目開き200μmのふるいにかけずに、粉砕しただけのものを得た。この微粉砕ふすまの中位径は、90.5μmであった。
<比較例3>
実施例1において、粉砕物を目開き200μmのふるいにかけたときに、同篩にONしたものを採取して、微粉砕ふすまを調製した。この微粉砕ふすまの中位径は、265μmであった。
<比較例4>
製粉工程で分離される小麦ふすまの画分のうち、目開き425μmの篩をスルーする画分から採取されたふすまを得た。このふすまの中位径は、349μmであった。
<試験例4(スポンジケーキの製造)>
実施例1、実施例2,比較例3、比較例4のふすまを用いて、試験例3と同様にスポンジケーキを作成し、試験例3と同様に色、ボリューム感、ざらつき感、総合的な食感、風味の評価を行った。その配合及び製造条件を表6に示す。また、上記評価結果を表7に示す。なお、評価基準は、前記表4と同じである。
表7に示されるように、ふすまの中位径が100μm以下とされた実施例1,2は、中位径が100μmを超える比較例3,4に比べて、色、ボリューム感、ざらつき感、総合的な食感、風味のいずれにおいても、優れていた。

Claims (9)

  1. 小麦としてウエスタン・ホワイトを用い、該小麦から小麦粉を得るための製粉工程で分離されるふすまの画分のうち、目開き700〜900μmの間で選択された篩をパスし、目開き300〜500μmの間で選択された篩をオンする中間粒度画分のふすまを採取し、このふすまを焙煎した後、粒度分布における中位径が100μm以下になるように粉砕することを特徴とする微粉砕ふすまの製造方法。
  2. 前記ふすまの画分のうち、目開き800μmの篩をパスし、目開き425μmの篩をオンする中間粒度画分のふすまを採取する、請求項1記載の微粉砕ふすまの製造方法。
  3. 前記中間粒度画分のふすまの灰分は、3〜6質量%である請求項1又は2記載の微粉砕ふすまの製造方法。
  4. 前記焙煎は、前記ふすまの一般生菌数が10,000/g以下となる条件で行う請求項1〜3のいずれか1つに記載の微粉砕ふすまの製造方法。
  5. 前記焙煎は、前記ふすまの水分量が、5質量%以下となる条件で行う請求項1〜4のいずれか1つに記載の微粉砕ふすまの製造方法。
  6. 前記ふすまの粉砕後に、目開き100〜300μmの間で選択された篩をパスしたものを採取する請求項1〜5のいずれか1つに記載の微粉砕ふすまの製造方法。
  7. 目開き200μmの篩をパスするものの割合が90質量%以上となるように、前記粉砕を行う請求項1〜6のいずれか1つに記載の微粉砕ふすまの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法で製造された微粉砕ふすまを原料として用いることを特徴とする食品の製造方法。
  9. 前記食品が、洋菓子、和菓子、焼菓子及びパンから選ばれた1種である請求項記載の食品の製造方法。
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