JP2007059484A - 太陽電池の製造方法および太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガラス基板から半導体層へのNaの拡散をコントロールでき、ガラス基板とガラス基板に隣接する層との密着性が高い太陽電池を製造できる製造方法を提供する。また、ガラス基板とガラス基板に隣接する層との密着性が高く、効率のバラツキが小さい太陽電池を提供する。
【解決手段】 (i)フロート法で作製され一方の表面に配置されたスズ含有層11aを含む基板11(ソーダライムガラス基板)を用意し、(ii)スズ含有層11aが配置された表面を選択してその上に第1の電極膜12および光起電力層16を順に積層する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ソーダライムガラス基板を用いた太陽電池の製造方法、および太陽電池に関する。
薄膜で構成される太陽電池は、薄膜であることによる材料使用量の低減と大面積化による生産性の向上で製造単価の低減が期待できる。薄膜太陽電池では、材料コストの内に基板が占める割合が大きく、低コスト基板の使用が要求される。安価で大面積が可能な基板の材料としては、ソーダライムガラス(フロートガラスまたは青板ガラスともいわれる)が挙げられる。ソーダライムガラスは、アモルファスSi、薄膜微結晶Si、CuInSe2(CIS)太陽電池によく用いられている。
ソーダライムガラスのガラス板をフロート法で製造する場合、溶融したガラスをスズの溶液の上に流し込んで冷却する。この時、スズの溶液に接した面(以下、「スズ面」という場合がある)に、スズが拡散する。従って、ソーダライムガラスの両面は、スズを含有した層を含む面(スズ面)とスズを含有しない面とに区別される。
一方、ソーダライムガラスはNaを含有しているため、太陽電池製造時の加熱工程において、ガラス基板のNaが、太陽電池を構成する層、特に光吸収層に拡散し、太陽電池の効率に影響を及ぼす。アモルファスSiや微結晶Si等のSiでは、Naが不純物準位を形成し、キャリア再結合中心となるため、Naの拡散を極力防止する必要がある。アモルファスSiや薄膜微結晶Siを用いた太陽電池では、ソーダライムガラス基板に接するように透明導電膜(たとえばSnO2)等が形成される。この透明導電膜は、アモルファスSiあるいは微結晶Siを形成する際の加熱による基板からのNaの拡散を遮蔽する層として機能する場合がある。しかし、基板温度400〜500℃でガラス基板上に透明導電膜(SnO2等)を形成する際に、透明電極膜にNaが拡散し、透明導電膜の表面にNaが析出する場合がある。このような場合には、アモルファスSiあるいは微結晶SiへのNa拡散を充分に抑制できない。
一方、特許文献1や非特許文献1に記載されているように、CuとInとSeまたはSとを含むCIS膜にNaが拡散すると、キャリア濃度の増加や欠陥の低減が促進され、変換効率が向上することが知られている。しかしながら、CIS膜においても過剰なNaの拡散は、特許文献2に記載されているように効率を低下させる要因となり、特許文献3に記載されているように面内の特性が不均一となる要因となることが指摘されている。このような問題を回避するため、CIS膜の作製法の一つであるセレン化法、すなわち、Cu(あるいはCu−Ga合金)膜とIn膜とを積層し、H2Seガス雰囲気中で焼成してCIS膜を形成する方法において、Naの拡散を抑制するためにアルカリバリア層を形成する方法が開示されている(非特許文献2の表1)。しかし、この方法では、アルカリバリア層を形成する工程が必要となる。
また、ガラス基板上に太陽電池を製造する場合、ガラス基板とそれに接する電極膜との密着性も重要である。なかでも、ガラス基板上に、Mo膜(電極膜)/CIS膜/窓層/透明導電膜を順に積層するCIS系では、ガラス基板とMo膜との密着力が弱いと、Mo膜上にCIS膜等を形成する工程においてMo膜が剥離する場合がある。特許文献4や特許文献5には、ガラスとMo膜との密着性を向上するために、Cr層やTa層を挿入した太陽電池が開示されている。しかし、この方法では、Cr層やTa層を形成する工程が必要となる。
特開平8−102546号公報 米国第5994163号明細書 特開平8−222750号公報 特開昭62−20381号公報 特開平6−252433号公報 M. Bodegard, L. Stolt, J. Hedstrom, "The Influence of Sodium on the Grain Structure of CuInSe2 Films for Photovoltaic Applications", Proceedings of 12th European Photovoltaic Solar Energy Conference, p.1743 (1994) K. Kushiya, S. Kuriyagawa, I. Hara, Y. Nagoya, M. Tachiyuki, Y. Fujiwara, "Progress in Large-area CIGS-based Modules with Sputtered-GZO Window", Proceedings of 29th IEEE Photovoltaic Specialists Conference, p. 579 (2002)
以上のように、従来の方法では、ガラス基板から半導体層へのNaの拡散のコントロールが充分ではなく、また、ガラス基板とガラス基板に隣接する層との密着性が充分ではなかった。このような状況を考慮し、本発明は、ガラス基板から半導体層へのNaの拡散をコントロールでき、ガラス基板とガラス基板に隣接する層との密着性が高い太陽電池を製造できる製造方法を提供することを目的の1つとする。また、本発明は、ガラス基板とガラス基板に隣接する層との密着性が高く、効率のバラツキが小さい太陽電池を提供することを目的の1つとする。
上記目的を達成するため、太陽電池を製造するための本発明の方法は、(i)フロート法で作製され一方の表面に配置されたスズ含有層を含むソーダライムガラス基板を用意し、(ii)前記スズ含有層が配置された表面を選択してその上に電極および光起電力層を順に積層する工程を含む。なお、この明細書において「スズ含有層」とは、スズの含有率が、0.001原子%以上である領域を意味する。
本発明の第1の太陽電池は、上記本発明の製造方法で製造された太陽電池である。
また、本発明の第2の太陽電池は、一方の表面のみにスズ含有層を備えるソーダライムガラス基板と、前記スズ含有層上に順に積層された電極および光起電力層とを含む。
本発明によれば、太陽電池を構成する薄膜にガラス基板から過剰なNaが拡散することを抑制できる。そのため、本発明によれば、光吸収層の欠陥や、スズの不均一な拡散に基づく特性の面内ばらつきを抑制できる。したがって、本発明によれば、エネルギー変換効率が高く、長期使用の安定性に優れた大面積の太陽電池が得られる。また、本発明の製造方法によれば、ガラス基板と電極膜との密着性を高めることができる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、具体例を挙げて本発明を説明する場合があるが、本発明は以下で説明する具体例に限定されない。
<太陽電池の製造方法>
以下、太陽電池を製造するための本発明の方法について説明する。なお、この製造方法で製造された太陽電池は、本発明の太陽電池の1つである。
本発明の製造方法では、まず、(i)フロート法で作製され一方の表面に配置されたスズ含有層を含むソーダライムガラス基板を用意する。そして、(ii)スズ含有層が配置された表面を選択してその上に電極と光起電力層とを順に積層する。この工程を含む工程によって、スズ含有層上に、太陽電池を形成する。光起電力層上には、通常、さらに電極が形成される。
スズ含有層は、ナトリウム(Na)の拡散を抑制する。このため、ソーダライムガラス基板から太陽電池(特に光起電力層)へのNaの過剰な拡散が、スズ含有層によって抑制される。また、スズ含有層は、スズを含有しない表面と比較して、電極膜との密着性が高いため、電極膜が剥離することを抑制できる。
ソーダライムガラス基板には、一般的なソーダライムガラス基板を用いることができ、市販されている基板を用いてもよい。ソーダライムガラスの組成に特に限定はなく、一般的なソーダライムガラスを用いることができる。ソーダライムガラスの組成の一例を表1に示す。なお、本発明で用いられるソーダライムガラスの組成は以下の組成に限定されない。
Figure 2007059484
ソーダライムガラス基板の面積(一方の表面の面積)は5000cm2以上であってもよい。本発明の製造方法では、スズ含有層ではない表面に太陽電池を形成する場合に比べ、Naの拡散を均一に抑制できるため、変換効率の面内均一性が高い。この効果は、面積が1cm2程度のガラス基板を用いた場合にも得られるが、ガラス基板の面積が5000cm2以上の場合に特に顕著になる。
フロート法では、溶融したガラスをスズの溶液の上に流し込んで冷却し、板状のガラスを得る。ガラス表面のうち、スズの溶液と接触した面にはスズが拡散する。そのため、フロート法で作製されたガラスは、一方の表面にスズを含有する層が存在し、他方の表面は実質的にスズを含有しない。本発明の方法では、スズ含有層が存在する側の表面を選択してその上に太陽電池を形成する。
スズ含有層におけるスズの含有率は、0.001原子%〜10原子%の範囲にあってもよい。スズの含有率がこの範囲であると、ガラス基板から太陽電池を構成する各薄膜へのNaの拡散を充分に抑制できる。また、スズの含有率が上記範囲であると、ガラスとガラスに接する電極膜との間で強い密着性が得られる。スズ含有層におけるスズの含有率は、0.001原子%〜10原子%の範囲(たとえば0.01原子%〜1原子%の範囲)であることが好ましい。
スズ含有層の厚さは、10μm以下であってもよい。上述したように、スズ含有層とは、スズの含有率が0.001原子%以上の層であり、スズの含有量が表面から徐々に減少している場合には、その含有率が0.001原子%となっている領域の厚さをスズ含有層の厚さとする。スズ含有層の厚さが10μm以下である場合、スズ含有層によるガラスへの応力が小さいため、太陽電池等のデバイス製造工程においてガラスの変形を抑制できる。スズ含有層の厚さは、通常0.01μm〜10μm程度であり、典型的には1μm〜10μmの範囲である。光吸収層がSi系半導体である場合には、スズ含有層の厚さは、1μm以上であることが好ましい。
本発明の製造方法では、上記(ii)の工程において、ソーダライムガラス基板に紫外線を照射することによってスズ含有層が配置された表面を判別してもよい。用いる紫外線の波長は、たとえば、300nm〜450nmである。
上記(ii)の工程は、スズ含有層に接するように誘電体膜を形成する工程をさらに含んでもよい。この構成では、通常、誘電体膜の上に電極膜が形成される。
誘電体膜は、酸化物または窒化物からなるものであってもよい。たとえば、誘電体膜は、SiO2、SiO、TiO2、Al23、ZrO2、Si34、TiN、Si(O,N)およびTi(O,N)からなる群より選ばれる少なくとも1つを主成分(含有率が50質量%以上の成分)とするものであってもよい。これらの密度が高い誘電体膜をスズ含有層上に形成することによって、ガラス基板からのNaの拡散をさらに抑制できる。
上記(ii)の工程は、スズ含有層に接するように透明導電膜を形成する工程を含んでもよい。透明導電膜は、酸化物からなるものであってもよい。たとえば、透明導電膜は、ZnO、In23およびSnO2からなる群より選ばれる少なくとも1つを主成分(含有率が50質量%以上の成分)とするものであってもよい。これらの透明導電膜は、近紫外から近赤外までの透光性に優れるとともに、密度が高い。そのため、これらの透明導電膜を用いることによって、光吸収層への光の透過率を高めることができ、且つ、ガラス基板からのNaの拡散を特に抑制できる。
本発明で製造される太陽電池に特に限定はないが、上記(ii)の工程において、ソーダライムガラス基板を400℃以上の温度に加熱する工程を含んでもよい。ソーダライムガラス基板を400℃以上に加熱するとNaの拡散が過剰となりやすいため、このような場合には、Naの過剰な拡散を抑制する本発明の効果が特に顕著となる。そのような工程としては、たとえば、光起電力層を構成する半導体膜を形成する工程や、電極膜を形成する工程が挙げられる。
上記(ii)の工程で形成される光起電力層は、光を吸収して起電力を生じる層である。
この光起電力層は、I−III−VI族化合物半導体またはSi系半導体からなる半導体層を含んでもよい。これらの半導体層は、光吸収層として用いられる。光吸収層は、他の層(通常、異なる導電型の半導体層)とともに光起電力層を構成する層であり、太陽電池に入射した光を最も多く吸収する層である。この層へNaが過剰に拡散することを抑制することによって、光吸収層における欠陥の形成を低減でき、変換効率を向上させることが可能である。
I−III−VI族化合物半導体は、I族元素(Cu)と、III族元素(Inおよび/またはGa)と、VI族元素(Seおよび/またはS)とを構成元素とし、必要に応じてドーパントを含む半導体である。I−III−VI族化合物半導体を所定の方法(たとえば上述したセレン化法)で形成する場合には、通常、ガラス基板を450℃〜550℃程度の温度に加熱する。I−III−VI族化合物半導体を用いた太陽電池(以下、「CIS系太陽電池」という場合がある)を本発明の製造方法で製造することによって、ガラス基板からI−III−VI族化合物半導体へNaが不均一に拡散することを抑制できる。従って、本発明の製造方法によれば、大面積で均一な効率のCIS系太陽電池が得られる。
Si系半導体は、Siを構成元素の1つとし必要に応じて不純物を含む半導体であり、具体的には、Si、またはSiと他の元素との化合物半導体である。Siと他の元素との化合物半導体としては、たとえば、SiGeやSiCが挙げられる。Si系半導体は、CVD法などの気相成膜法で形成される。Si系半導体を形成する際のガラス基板の温度は、通常200℃〜500℃程度である。アモルファスSiや微結晶Siでは、キャリア再結合中心となる欠陥をNaが誘発するため、Naの拡散の抑制は重要である。微結晶Si薄膜を形成する場合、結晶成長の促進と欠陥低減のために基板温度やアニール温度を高温(たとえば400℃以上)にする必要があるため、従来の製造方法では、Naが多量に拡散する場合がある。そのため、微結晶Si薄膜を光吸収層にする場合には、本発明を用いてNaの拡散を抑制することが特に重要になる。
太陽電池の光吸収層は、可視光を吸収して電子を生じる色素と、色素で生じた電子を輸送する電子輸送体とを含んでもよい。この太陽電池には、たとえば、色素増感型太陽電池と呼ばれる公知の太陽電池を適用できる。電子輸送体には、半導体微粒子や、その凝集体や、多孔質半導体を用いることができる。色素は、電子輸送体である半導体微粒子の表面に吸着している。これらは、電解液中に配置される。このような色素増感型太陽電池でも、TiO2やZnO等の半導体微粒子の表面に吸着した色素へのNaの拡散は劣化を生じる要因となる。Naは、室温でも、長時間経過すればガラスから析出する。色素を用いた太陽電池では、多孔質のTiO2に色素を沈着させており、長時間の室温放置によって、色素へのNaの拡散量が多くなる。本発明の製造方法は、そのようなNaの拡散を抑制するため、色素増感型太陽電池の製造方法としても有効である。
<太陽電池>
本発明の太陽電池は、一方の表面のみにスズ含有層を備えるソーダライムガラス基板と、スズ含有層上に順に積層された電極および光起電力層とを含む。ソーダライムガラス基板、およびその上に積層される層については、上述した製造方法と同じである。
すなわち、本発明の太陽電池は、スズ含有層と電極との間に配置された誘電体膜を含んでもよいし、スズ含有層と電極との間に配置された透明導電膜を含んでもよい。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の製造方法で製造されるCIS系の一例について説明する。
図1に、実施形態1の太陽電池10の断面図を示す。太陽電池10は、基板11と、基板11上に積層された第1の電極膜12、光吸収層13、窓層14および第2の電極膜15とを備える。基板11は、フロート法で作製されたソーダライムガラス基板(旭硝子株式会社製)である。基板11の両面のうち、一方の表面には、スズ含有層11aが存在する。太陽電池を構成する各層は、スズ含有層11a上に積層される。
スズ含有層11aに接する第1の電極膜12としては、金属膜を用いることができ、例えば、Mo膜を用いることができる。
光吸収層13としては、例えば、I族元素とIII族元素とVI族元素によって構成されたp形のI−III−VI族化合物半導体を用いることができる。I−III−VI族化合物半導体には、必要に応じて不純物が添加される。I−III−VI族化合物半導体としては、たとえば、CuInSe2(CIS)や、Inの一部をGaに置換したCu(In,Ga)Se2(CIGS)や、さらにSeの一部をSに置換したCu(In,Ga)(Se,S)2(CIGSS)を用いることができる。
p形の光吸収層13に対して、n形でかつ光吸収層13よりバンドギャップの大きな窓層14は、例えば、CdS、ZnO、Zn(O,S)、(Zn1-xMgx)O(0<x<1)等で形成できる。また、薄膜の積層膜、例えば、CdSの上にZnOを積層した窓層を用いてもよい。光吸収層13と窓層14とは、光起電力層16を行使する。
第2の電極膜15となる透明導電膜としては、近紫外〜可視域または近紫外〜近赤外域において透光性を有し、かつ導電性を有する材料からなる薄膜を用いることができる。例えば、透光性のIXO(In23:X,Xとして、Sn,Mn,Mo,Ti,Zn)、SnO2:F,ZnO:Al、ZnO:Ga等からなる膜を用いることができる。また、これらの材料の積層膜を用いてもよい。
CIS系太陽電池で第1の電極膜12として用いられるMo膜はスズと接着するため、スズ含有層11aではないガラス表面よりもスズ含有層11aに対する密着性が高い。しかし、ガラス中のスズの含有率が10原子%より大きくなると、あるいはスズ含有層の厚さが10μmより大きくなるとガラスの熱膨張係数が変化し、Mo膜との熱膨張係数の差が大きくなるため、太陽電池の製造工程における加熱と冷却によってガラス基板からMo膜が剥離する場合がある。従って、Mo膜との密着力を強化し、かつNaの過剰な拡散を抑制するためには、スズ含有層11aのスズの含有率と厚さは上記範囲内であることが好ましい。
次に、実施形態1の太陽電池の製造方法の一例について述べる。基板11として、ソーダライムガラスを用いた。この時、紫外線ランプを用いてガラス面に紫外線を照射し、スズを含有する層が存在する面とスズを含有しない面とを判別する。紫外線を照射したときに、白く透明に見える面がスズ含有層が存在する面であり、黒く見える面がスズを含有しない面である。
次に、スズ含有層が配置された面の上に、スパッタ法によって、第1の電極膜12としてMo膜(膜厚約0.4μm)を堆積した。スパッタは、Moをターゲットとして、Arガス雰囲気中でDC1kWを印加することによって行った。
次に、Mo膜12の上に、半導体膜13(光吸収層)としてCIGS膜を蒸着法によって作製した。蒸着は、Cu、In、GaおよびSeの各蒸発源からの蒸着レートを制御して、最高基板温度550℃で行った。作製したCIGS膜の膜厚は約2μmであった。また、CIGS膜を堆積する前に、Naの供給層として、蒸着法によって厚さ約10nmのNa2S膜を形成した。Na2S膜中のNaは、CIGS膜の形成中にCIGS膜に拡散し、スズ含有層によって抑制されたNaの拡散を補う。このように、I−III−VI族化合物半導体が光吸収層である場合には、電極と光吸収層との間にNaを含む層を配置し、I−III−VI族化合物半導体中のNa量をコントロールしてもよい。ソーダライムガラス基板から拡散するNa量はばらつきが大きいのに対し、この方法によれば、Naの量をコントロールすることが容易である。
次に、窓層14の一部を構成する第1の層としてCdS膜(膜厚約80nm)を化学析出法によってCIGS膜表面に堆積した。化学析出法によるCdS膜の形成は、硝酸Cdとチオ尿素とアンモニアの水溶液を約80℃に温め、これにCIGS膜を浸漬することによって行った。さらに、CdS膜の上に、窓層14を構成する第2の層となるZnO膜(膜厚約0.1μm)をスパッタ法によって形成した。スパッタ法は、ZnO焼結体をターゲットとして、Arガス雰囲気中でRF500Wを印加することによって行った。
次に、スパッタ法によって、第2の電極膜15(透明導電膜)として、ZnO:Al膜(膜厚約1μm)を堆積した。スパッタは、Al23を2wt%含有するZnO焼結体をターゲットに用い、Ar+O2(2vol%)の雰囲気中でDC1kWを印加することによって行った。
ここでは、比較のために、ガラス基板のスズを含有しない面の上にMo膜を形成した。また、スズを含有しない面の上に、上記と同じ作製法で比較例の太陽電池を作製した。
第1の電極膜12であるMo膜の密着性を調べるために、Mo膜を形成した後に、粘着力の異なる数種類のテープを用いてテープテストを行った。具体的には、Mo膜に粘着テープを接着したのち、テープを引っ張り、Mo膜が剥離するか否かを観察した。スズを含有しない面の上に形成したMo膜は、粘着力9.5N/cmのテープを用いた場合に、接着面の約半分のMo膜が剥離した。一方、スズ含有層の上に形成したMo膜は、粘着力9.5N/cmのテープを用いても剥離しなかった。このように、スズ含有層上にMo膜を形成することによって密着力が向上することを確認できた。
作製した各々の太陽電池に疑似太陽光(1kW/m2、AM1.5)を照射し、電流−電圧特性を測定して変換効率を求めた。図2に、スズを含有しない面の上に形成した複数の比較例のCIGS太陽電池、および、スズ含有層の上に作製した複数の本発明のCIGS太陽電池の変換効率の分布を示す。比較例の太陽電池に比べて本発明の太陽電池の方が、効率の分布が狭くなり、高効率の頻度が高くなっている。これは、スズ含有層がNaの過剰な拡散を抑制するため、変換効率の再現性が向上したことによると考えられる。このように、ソーダライムガラス基板のスズ含有層の上に太陽電池を形成することによって、変換効率とその再現性を向上できる。
なお、ガラスのスズ含有層上にさらにスズを蒸着して熱拡散させ、スズの含有率を10原子%より大きくしたガラス面の上にMo膜を上記製造方法と同様に形成すると、CIGS膜形成後にMo膜がガラス基板から剥離することがあった。また、ガラスのスズ含有層上にさらにスズを蒸着して熱拡散させ、スズの含有層の厚さを10μmより大きくした場合も、同様に、CIGS膜形成後にMo膜がガラス基板から剥離することがあった。従って、スズ含有層のスズ含有率は10原子%以下であることが好ましく、その厚さは10μm以下であることが好ましい。一般的なソーダライムガラスの製造において形成されるスズ含有層のスズ含有率および厚さは、上記範囲内である。
なお、図1の太陽電池において、スズ含有層11aと第1の電極膜12との間に誘電体層を設けると、Naの拡散を一層抑制できる。例えば、以下の製造法によって形成されるCIGSS太陽電池において、変換効率の面内均一性の向上に効果がある。
以下に、CIGSS太陽電池の製造方法の一例について説明する。まず、基板11のスズ含有層11a上に、膜厚約0.2μmのSiO2膜(誘電体層)をスパッタ法によって形成した。スパッタは、溶融SiO2をターゲットとして、Arガス雰囲気中でRF1kWを印加して行った。次に、SiO2膜の上に、上記と同様の方法によってMo膜を堆積した。次に、Mo膜の上に、Cu−Ga合金膜(膜厚約0.25μm)と、In膜(膜厚約0.5μm)とを形成した。これらは各々、金属をターゲットとするスパッタ法であって、Arガス雰囲気中でDC1kWを印加するスパッタ法によって形成した。
次に、基板上の積層膜を、H2Seを1%含有するN2ガス雰囲気中において約500℃で焼成し、その後0.5%のH2Sガスを混入してさらに焼成した。このようにして半導体膜13(光吸収層)となるCIGSS膜を形成した。作製したCIGSS膜の膜厚は約1.5μmであった。次に、上記製造方法と同様の方法で、窓層14としてCdS膜とZnO膜との積層膜を形成し、その後、第2の電極膜15としてZnO:Al膜をスパッタ法で作製した。また、同様の方法で、スズを含有しないガラス面上に、誘電体層、Mo膜、CIGSS膜、CdS/ZnO膜、ZnO:Al膜を形成し、比較例の太陽電池を製造した。
本発明および比較例の太陽電池について、1枚のガラス基板上に形成された太陽電池を複数の太陽電池セルに分割し、それぞれの変換効率を測定した。その結果、比較例の太陽電池の変換効率は8〜12%の範囲に分布しているのに対し、本発明の太陽電池の変換効率は11〜14%の範囲に分布していた。これは、スズ含有層とそれに接する誘電体膜とによって、ガラスからのNaの拡散が抑制され、面内におけるNaの拡散の不均一性が改善されるためであると考えられる。
以上のように、本発明の製造方法によれば、変換効率だけでなく、面内の効率分布が改善される。
なお、実施形態1では誘電体層としてSiO2膜を用いたが、SiO、TiO2、Al23、ZrO2、Si34、TiN、Si(O,N)、Ti(O,N)等の酸化物あるいは窒化物あるいはそれらの複合体を用いても同様の効果が得られる。
(実施形態2)
実施形態2では、本発明の太陽電池の他の一例について説明する。実施形態2の太陽電池20の断面図を図3に示す。
太陽電池20は、基板11と、基板11のスズ含有層11a上に順に積層された、誘電体膜22、透明導電膜23、p形半導体層24、i形半導体層25、n形半導体層26および第2の電極膜27とを備える。
基板11は、実施形態1で説明した基板である。誘電体膜22としては、酸化物あるいは窒化物を用いることができ、例えば、SiO2、SiO、TiO2、Al23、ZrO2、Si34、TiN、Si(O,N)、Ti(O,N)を用いることができる。また、これらの材料からなる多層膜を用いてもよい。
第1の電極膜である透明導電膜23としては、近紫外〜可視域または近紫外〜近赤外域において透光性を有し、かつ導電性を有する材料からなる酸化物薄膜を用いることができる。例えば、透光性のIXO(In23:X,Xとして、Sn,Mn,Mo,Ti,Zn)、SnO2:F,ZnO:Al、ZnO:Ga等を用いることができる。また、これらの材料の複層膜を用いてもよい。
p形半導体層24、i形半導体層25およびn形半導体層26は、光起電力を生じるpin接合を構成する。p形半導体層24には、Siを主成分とする半導体、例えば、アモルファスSi、アモルファスSiC、微結晶Siまたは微結晶SiCといった半導体にBをドープすることによって得られる半導体の薄膜を用いることができる。
pin接合において主たる光吸収層となるi形半導体層25には、例えば、ドープしていないアモルファスSiや微結晶Siの薄膜を用いることができる。
n形半導体層26としては、Siを主成分とする半導体、例えば、アモルファスSiや微結晶SiにP(リン)をドープすることによって得られる半導体の薄膜を用いることができる。
第2の電極膜27には金属膜を用いることができ、例えば、Al、Ag等を用いることができる。また、n形半導体層26と第2の電極膜27との間に、光反射を増加する薄膜として、例えばZnO膜等が配置されてもよい。
以下に、実施形態2の太陽電池20の製造方法の一例について述べる。まず、実施形態1と同様に、基板11の表面に紫外線を照射してスズ含有層11aが存在する面を判別した。
次に、スズ含有層11a上に、プラズマCVD法によって、誘電体膜22としてSiO2膜(膜厚約0.2μm)を形成した。プラズマCVD法は、SiH4ガスおよび亜酸化窒素ガスを原料ガスとして行った。
次に、SiO2膜の上に、透明導電膜23としてSnO2:F膜(膜厚約0.5μm)をCVD法によって形成した。CVD法は、常圧で加熱してSnCl4とH2Oとを反応させることによって行った。ここで、ドーパントとしてCH3OHとHFとを微量混入し、FドープされたSnO2:F膜を形成した。
次に、p形半導体膜24として、プラズマCVD法によって、Bドープした微結晶Si膜(膜厚約0.2μm)を形成した。微結晶Si:B膜は、SiH4ガスとB26ガスに高周波を印加してプラズマを形成し、基板温度500℃に保持して形成した。
次に、i形半導体膜25として、微結晶Si膜(膜厚約2μm)をプラズマCVD法によって形成した。プラズマCVDでは、基板温度を500℃に保持し、SiH4ガスに高周波を印加してプラズマを形成した。
次に、n形半導体層26として、Pをドープした微結晶Si膜(膜厚約0.2μm)を形成した。微結晶Si:P膜は、SiH4ガスとPH3ガスに高周波を印加してプラズマを形成し、基板温度300℃に保持して形成した。
次に、第2の電極膜27として、Ag膜(膜厚約0.3μm)を形成した。Ag膜は、Agのターゲットを用いてArガス雰囲気中でDC1kWを印加するスパッタ法で作製した。
実施形態2では、比較のために、スズを含有しない面の上に上記と同様の作製法で太陽電池を製造した。
本発明および比較例の太陽電池について、1枚のガラス基板上に形成された太陽電池を複数の太陽電池セルに分割し、それぞれに疑似太陽光(1kW/m2、AM1.5)を照射して特性を測定した。その結果、本発明の太陽電池の変換効率の最高は9%であった。これに対し、比較例の太陽電池の変換効率の最高は7%であった。本発明の太陽電池では、スズ含有層によって、微結晶Si膜、特にi形微結晶Si膜25へのNaの拡散が抑制され、変換効率が向上したと考えられる。また、変換効率の分布は、本発明の太陽電池が7〜9%であったのに対し、比較例の太陽電池では2〜7%であり、比較例の太陽電池では分布が広かった。これは、比較例では、スズを含有しないガラス面からのNaの拡散が部分的に増加しているためであると考えられる。実施形態2では、微結晶Si膜の結晶性の向上を意図して、ソーダライムガラスの転移点の近傍である500℃という高温に基板温度を設定した。そのため、本発明および比較例の太陽電池において、変換効率に対するNaの拡散の影響が顕著に表れていると考えられる。
なお、実施形態2では、Siを主成分とする半導体膜として微結晶Si膜を用いた例について説明したが、アモルファスSi膜を用いた場合でも同様の効果が得られる。
(実施形態3)
実施形態3では、本発明の太陽電池の他の一例について説明する。実施形態3の太陽電池30の断面図を図4に示す。
太陽電池30は、基板11と、基板11のスズ含有層11a上に順に配置された、第1の電極膜32、光電極層33、色素層34、電解質35、第2の電極膜36および支持体37と、スペーサー38とを備える。
基板11は、実施形態1で説明した基板である。第1の電極膜32としては、透明導電膜を用いることができ、例えば、透光性のIXO(In23:X,Xとして、Sn,Mn,Mo,Ti,Zn)、SnO2:F,ZnO:Al、ZnO:Ga等を用いることができる。また、これらの材料の複層膜を用いてもよい。
光電極層33は、色素を吸着し、色素で発生した電子を輸送する層である。光電極層33としては、酸化物多孔質を用いることができ、例えば、TiO2、SnO2、ZnOあるいは前述の材料の複合体の多孔質を用いることができる。色素層34としては、例えば、ルテニウム錯体等の層を用いることができる。色素層34の色素は、光を吸収して電子を生じる。生じた電子は、光電極層33によって輸送される。
電解質35としては、I2やLiI等の電解質の溶液を用いることができる。この場合、電解液の漏れを防ぐために、スペーサー38を設ける。また、固体電解質として、p形半導体であるCuIやCuSCN等を用いてもよい。さらに、ゲル電解質として、ポリアクリロニトリルや、ヨウ素とゲル剤との混合物を用いてもよい。
第2の電極膜36には導電性の膜を用いることができ、例えば、PtやCを用いることができる。第2の電極膜36を支持する支持体37には、例えば、ガラスや、ポリエチルアセテート等の有機樹脂を用いることができる。
以下に、実施形態3の太陽電池の製造方法の一例について述べる。まず、実施形態1と同様に、基板11の表面に紫外線を照射してスズ含有層11aが存在する面を判別した。そして、スズ含有層11a上に、第1の電極膜32としてSnO2膜(膜厚約0.5μm)を、実施形態2と同様の方法で形成した。
次に、光電極層33として、多孔質TiO2層(膜厚約10μm)を形成した。多孔質TiO2層は、TiO2のナノ粒子をSnO2膜の上に塗布し、大気中において450℃で30分間焼成することによって形成した。
次に、形成されたTiO2層を、TiCl4を含有する溶液に浸漬する処理を行った。この処理によって、多孔質TiO2に被覆されていないSnO2膜の表面に高抵抗層を形成した。また、この処理によって、TiO2あるいはTiO2に被覆されていないSnO2にガラスから拡散した微量のNaを除去した。
次に、多孔質TiO2層を形成した基板を、ルテニウム錯体を含有する溶液に1昼夜浸漬して、多孔質TiO2層に色素を担持させた。
一方、ガラス基板(支持体37)に、第2の電極膜36となるPt膜(膜厚約0.2μm)をスパッタ法によって形成した。スパッタは、Ptをターゲットとして、Arガス雰囲気中でDC500Wを印加して行った。
次に、Pt膜を形成したガラス基板と基板11とを、スペーサー38となる厚さ50μmの有機フィルムを用いて貼り合わせた。このとき、2枚の基板とスペーサーとによって囲まれた空間に、LiIの溶液を注入した。その後、電解液の漏れを防ぐために封止した。
以上のようにして、本発明の太陽電池を作製した。また、比較例として、スズを含有しない面の上に、上記と同様の作製法で太陽電池を製造した。
本発明および比較例の太陽電池について特性を測定した結果、どちらの太陽電池も変換効率が8%であった。両者の変換効率が同じであったのは、比較例の太陽電池においても、製造工程で行われたTiCl4溶液による処理とその後の洗浄によって、スズを含有しないガラス面から多量に拡散したNaが除去されたためであると考えられる。
本発明および比較例の太陽電池を2週間室内にて放置した後に変換効率を測定したところ、本発明の太陽電池は、効率が8%でほとんど劣化が観測されなかった。これに対し、比較例の太陽電池は効率が4%まで低下した。これは、常温においてもNaがガラスから拡散し、色素を劣化させたためであると考えられる。Naは酸素を吸着するため、色素の劣化の機構としては、Naの拡散に伴う酸素の導入による劣化も考えられる。
以上のように、本発明の製造方法によれば、変換効率の安定性に優れた色素増感太陽電池を提供できる。なお、実施形態3では電解質としてLiI溶液を用いる一例について説明したが、固体電解質であるポリアクリロニトリルや、ヨウ素とゲル剤との混合物を用いても同様の効果が得られる。
本発明は、太陽電池に適用でき、たとえば、CIS系太陽電池、Si系太陽電池、色素増感型太陽電池などに適用できる。
本発明の太陽電池について一例を示す断面図。 本発明および比較例の太陽電池について変換効率の分布の一例を示すグラフ。 本発明の太陽電池について他の一例を示す断面図。 本発明の太陽電池について他の一例を示す断面図。
符号の説明
10、20、30 太陽電池
11 基板(ソーダライムガラス基板)
11a スズ含有層
12、32 第1の電極膜
13 光吸収層
14 窓層
15 第2の電極膜
16 光起電力層
22 誘電体層
23 透明導電膜
24 p形半導体層
25 i形半導体層
26 n形半導体層
27 第2の電極膜
33 光電極層
34 色素層
35 電解質
36 第2の電極膜
37 支持体
38 スペーサ

Claims (16)

  1. (i)フロート法で作製され一方の表面に配置されたスズ含有層を含むソーダライムガラス基板を用意し、
    (ii)前記スズ含有層が配置された表面を選択してその上に電極および光起電力層を順に積層する太陽電池の製造方法。
  2. ソーダライムガラス基板の面積が5000cm2以上である請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記スズ含有層におけるスズの含有率が、0.001原子%〜10原子%の範囲にある請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記スズ含有層の厚さが10μm以下である請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記(ii)の工程において、前記ソーダライムガラス基板に紫外線を照射することによって前記スズ含有層が配置された表面を判別する請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記(ii)の工程は、前記スズ含有層に接するように誘電体膜を形成する工程を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記誘電体膜が酸化物または窒化物からなる請求項6に記載の太陽電池の製造方法。
  8. 前記(ii)の工程は、前記スズ含有層に接するように透明導電膜を形成する工程を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  9. 前記透明導電膜が酸化物からなる請求項8に記載の太陽電池の製造方法。
  10. 前記(ii)の工程において、前記ソーダライムガラス基板を300℃以上の温度に加熱する工程を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  11. 前記光起電力層が、I−III−VI族化合物半導体またはSi系半導体を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  12. 前記太陽電池の光起電力層が、可視光を吸収して電子を生じる色素と、前記色素で生じた前記電子を輸送する電子輸送体とを含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法で製造された太陽電池。
  14. 一方の表面のみにスズ含有層を備えるソーダライムガラス基板と、前記スズ含有層上に順に積層された電極および光起電力層とを含む太陽電池。
  15. 前記スズ含有層と前記電極との間に配置された誘電体膜をさらに備える請求項14に記載の太陽電池。
  16. 前記スズ含有層と前記電極との間に配置された透明導電膜をさらに備える請求項14に記載の太陽電池。
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