JP2013243322A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高湿度条件にてAR膜および下地膜が形成された場合に、高温焼成を行わなくても板ガラス基板上に耐摩耗性の高いAR膜および下地膜を形成することができる太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】主成分がSiO2である透明板ガラスを基板111とし、基板111の一面に反射防止膜113が形成され、対向する一面に下地膜112が形成され、下地膜112の上に透明導電膜12が形成され、透明導電膜12の上に光電変換ユニット3および裏面電極4が形成される太陽電池の製造方法であって、反射防止膜113は、透光性微粒子、透光性バインダおよび有機溶媒を含む塗布液を雰囲気湿度45%RH以上の環境下で透明板ガラス基板111上に塗布することにより形成され、かつ透明板ガラス基板111の反射防止膜113塗布面の表面組成におけるSn成分が0.2重量%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、物理的耐久性の高いAR(AntiReflections)膜(以下、反射防止膜ともいう)を備えた太陽電池の製造方法に関し、より詳細には高湿度環境においても密着性の優れたAR膜を有する太陽電池の製造方法に関する。
薄膜太陽電池では、下地膜、透明導電膜、アモルファスシリコンなどからなる光電変換ユニットおよび裏面電極を順次積層したガラス板の一面と対向する表面(光入射側)に、AR膜が形成される場合がある。太陽電池では、このように太陽光の入射側にAR膜が形成されることにより、より多くの太陽光が光電変換ユニットまたは太陽電池に導かれ、その発電量が向上することになる。また、太陽電池は屋外に長期間放置され、一度取り付けられると取り替えや交換が困難であることから、AR膜には高い物理的耐久性、つまりAR膜の基板に対する高い密着性(耐摩耗性)が要求されている。
AR膜の一つとして、シリコンアルコキシドとシリカ微粒子による縮合体を用いて形成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。AR膜に対する上記のような要求に対して、特許文献1では、微粒子とバインダ、バインダと基板とを反応させ、500℃近くの高温で焼成処理を行うことによって、微粒子とバインダ、バインダと基板の密着性を高めて、耐摩耗性を獲得することが開示されている。
特許文献2では、内部孔隙率が50体積%以下のバインダ層に、微粒子の1/4〜1/2が埋没して固定されてなるAR膜が開示されている。この反射防止基板においても、AR膜の材料を含む溶液を基板表面に塗布した後、500℃で2時間焼成することによって、当該溶液に含まれるシリカ微粒子、バインダ及び基板の密着性を高めて、耐摩耗性を獲得している。
特許文献3のガラス基板おいては、板ガラス基板組成に着目し、基板最表面上のMgO組成が0.2〜2.0重量%の範囲にてAR膜および下地膜を形成した場合、200℃以下で焼成を行っても耐摩耗性が高いAR膜が得られることが開示されている。
また、大量生産されるガラス基板はフロート方式で作製されるが、この方式は溶融金属であるスズ上(Sn面)にガラス組成溶融物を流し込み冷却することにより製作されるため、基板表裏で表面組成が異なることが判っている。一般的に溶融金属側のガラス面はスズバス面、溶融金属に接しない面はエア面と呼ばれる。特許文献4のように、ディッピング方式にて板ガラス表面にAR膜の材料を含む溶液を塗布した場合、Sn組成が少ないエア面側は、スズバス面よりシリカ粒子の被覆率が少なく、太陽電池に適した下地膜となると開示されている。
特開平9−249411号公報 特開2002−182006号公報 特開2011−108753公報 WO2009/142156号公報
しかしながら、特許文献1および2におけるように、500℃のような高温で焼成を行う場合には、必然的に製造設備コストやエネルギーコストが高くなるという問題があり、さらに焼成後の冷却過程においてガラス基板が熱割れを生じることにより製品の歩留まりが低下するという問題が生じうる。
特許文献3においては、AR膜および下地膜を形成する雰囲気湿度が高い場合、同一条件で製膜しているのにも関わらず、AR膜の密着性が低下する場合があり、市場から太陽電池としての更なる実用性向上が求められている。発明者らは、特に湿度45%RH以上において耐摩耗性が低下することを見出しており、夏場等で雰囲気湿度が45%RH以上となる日が発生する場合、AR膜の耐摩耗性が劣る虞があることを見出した。このため、除湿機等を設置することも考えられるが、塗布液は有機溶剤を含んでいることから防爆装置とする必要があり設備費が高くなる問題がある。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高湿度条件にてAR膜および下地膜が形成された場合に、高温焼成を行わなくても板ガラス基板上に耐摩耗性の高いAR膜および下地膜を形成することができる太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、主成分がSiO2である透明板ガラスを基板とし、基板の一面に反射防止膜が形成され、対向する一面に下地膜が形成され、下地膜の上に透明導電膜が形成され、透明導電膜の上に光電変換ユニットおよび裏面電極が形成される太陽電池の製造方法であって、前記反射防止膜は、透光性微粒子、透光性バインダおよび有機溶媒を含む塗布液を雰囲気湿度45%RH以上の環境下で透明板ガラス基板上に塗布することにより形成され、かつ透明板ガラス基板の反射防止膜塗布面の表面組成におけるSn成分が0.2重量%以下であることを特徴とする、太陽電池の製造方法に関する。
前記塗布液を、雰囲気湿度が45%RH以上の高湿度環境下でも、表面組成におけるSn成分が0.2重量%以下である透明板ガラス基板上に塗布することにより、焼成温度が200℃以下でも耐摩耗性が高い反射防止膜を形成させることができる。
好ましい実施態様は、前記透明板ガラス基板のサイズが900mm×900mm以上であることを特徴とする、前記の太陽電池の製造方法に関する。
好ましい実施態様は、前記透明板ガラス基板がフロート方式で製造されたものであり、反射防止膜塗布面がエア面であることを特徴とする、前記の太陽電池の製造方法に関する。
フロート方式で製造された透明板ガラス基板を使用し、例えばディッピング法にて前記塗布液を塗布すると、透明板ガラス基板の両面(エア面/スズバス面)で透光性微粒子の被覆率が異なることが知られているが、板ガラス基板サイズを大きくすることにより、特に900mm×900mm以上のサイズである場合、エア面およびスズバス面の透光性微粒子の被覆率の差は少なくなる傾向があり、太陽電池の変換効率への影響が小さくなることを初めて見出した。
好ましい実施態様は、前記透明導電膜が酸化亜鉛系透明導電膜であることを特徴とする、前記の太陽電池の製造方法に関する。透明導電膜として酸化亜鉛系透明導電膜を用いることにより安価で光電変換効率の高い太陽電池を得ることができる。
好ましい実施態様は、前記光電変換ユニットが、光電変換層としてアモルファスシリコン、結晶質シリコン、アモルファスシリコンゲルマニウム、アモルファスゲルマニウム、結晶質ゲルマニウムから選択される少なくとも1種を含んで構成されることを特徴とする、前記の太陽電池の製造方法に関する。特に光電変換ユニットが、アモルファスシリコンのシングルセル、或いはアモルファスシリコンおよび結晶質シリコンから構成されるタンデムセルの場合、安価で高効率の太陽電池を得ることができる。また本発明において光電変換ユニットが、アモルファスシリコン、結晶質シリコンおよびアモルファスシリコンゲルマニウムから構成されるトリプルセルの場合、可視光域から長波長域までの光を有効に利用することができる。
好ましい実施態様は、前記反射防止膜および下地膜はディッピング法で形成され、反射防止膜および下地膜を同一組成、同時形成することを特徴とする、前記の太陽電池の製造方法に関する。ディッピング法で反射防止膜および下地膜を形成することで、同一組成の塗布液を一度の塗布で基板両面に同時塗布することが可能であり、生産性向上、設備費を安価とすることができる。
好ましい実施態様は、前記塗布液が、コロイダルシリカ、アルコキシシラン、酸、水、アルコールを含む、前記の太陽電池の製造方法に関する。耐磨耗性の高い反射防止膜および下地膜を得るためには、コロイダルシリカおよびアルコキシシランを加水分解する必要があり、触媒である酸および水が必要である。また揮発性のよい溶媒を使用することにより反射防止膜および下地膜を前記透明板ガラス基板表面上に均一に形成することができ、外観に優れた太陽電池とすることができる。
好ましい実施態様は、前記コロイダルシリカの平均粒子径が50〜200nmであることを特徴とする、前記の太陽電池の製造方法に関する。コロイダルシリカの屈折率は1.4前後であることから、平均粒子径を50〜200nmとすることで反射防止効果が大きく太陽電池への光の入射量を多くすることができ、変換効率を高くすることができる。
好ましい実施態様は、前記アルコキシシランがテトラエトキシシランの4〜6量体のオリゴマーであることを特徴とする、前記の太陽電池の製造方法に関する。
好ましい実施態様は、反射防止膜および下地膜が200℃以下の温度で焼成して形成されることを特徴とする、前記の太陽電池の製造方法に関する。
反射防止膜および下地膜を形成する際の焼成温度が低すぎると充分な高分子化がなされず、当該膜と透明板ガラス基板との密着強度が充分でない場合がある。前記塗布液中のアルコキシシランをテトラエトキシシランのオリゴマーとすることで、雰囲気湿度が45%RH以上、透明板ガラス基板表面のSn成分が0.2重量%以下の状態にて、焼成温度を200℃以下により低下させることができる。
本発明によれば、高湿度の環境においても、透過性板ガラス基板上にAR膜を塗布した場合に高温焼成を行わずとも耐摩耗性の高いAR膜が形成できる。これにより、当該AR膜が形成された基板を用いた太陽電池の製造方法を提供することができる。
本発明に係る太陽電池の概略構成図である。
本発明の一実施形態に係る太陽電池の製造方法について、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本願の図面において、厚さや幅などの寸法関係は、図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表してはいない。
本発明は、主成分がSiO2である透明板ガラスを基体とし、基体の一面にAR膜が形成され、対向する一面に下地膜が形成され、下地膜の上に透明導電膜が形成され、透明導電膜の上に光電変換ユニットおよび裏面電極が形成される太陽電池の製造方法に関し、前記AR膜は、透光性微粒子、透光性バインダおよび有機溶媒を含む塗布液を雰囲気湿度45%RH以上の環境下で透明板ガラス基板上に塗布することにより形成され、かつ透明板ガラス基板のAR塗布面の表面組成におけるSn成分が0.2重量%以下であることを特徴とする。
前記塗布液を雰囲気湿度が45%RH以上の高湿度環境下で塗布しAR膜を形成する場合でも、表面組成におけるSn成分が0.2重量%以下である透明板ガラス基板上に塗布することにより、AR膜の焼成温度が200℃以下でも、耐摩耗性が高いAR膜を形成させることができることを初めて見出したものである。
図1は、本発明の一実施形態による太陽電池を模式的断面図で示したものである。この図においては、透明板ガラス基板111上に堆積された下地膜112およびAR膜113が形成されており、本発明においては、これら下地膜112およびAR膜113を有する透明板ガラス基板を、機能性膜付き透明板ガラス基板とも呼ぶ。下地膜112上に透明導電膜12、前方光電変換ユニット2、後方光電変換ユニット3、および裏面電極層4がこの順に積層され、太陽電池5が形成されている。
本発明において透明板ガラス基板111は、その主成分がSiO2である公知の透明な板ガラス基板を意味する。主成分であるSiO2はその母ガラス組成比が50重量%を超えるものであれば良いが、好ましくは60重量%以上、さらには70重量%以上のSiO2が含まれていることが好ましい。ガラス基板の透明性についても、太陽電池用の基板として用いる観点から光線透過率はできる限り高い方が好ましい。好適には厚さ3mmにおいて波長350〜1150nmにおける光線透過率が89%以上、さらには92%以上であることが好ましい。
前記透明板ガラス基板は、フロート法で形成されたものが好ましい。フロート法により板ガラスを形成させる場合、溶融しているガラスを溶融金属であるスズ(Sn)上に浮かべ、厳密な温度操作で、厚み、板幅の均一な板ガラスに形成している。Snは酸素と反応し二酸化スズになりやすく、形成過程においてそれが不純物としてガラス表面に付着し、板ガラス表面組成としてSnが検出される。本発明において、AR膜、下地膜を板ガラス上に形成する場合、塗布液中のシリカ粒子、バインダであるアルコキシシランが板ガラス表面のSi成分におけるシラノール基と重縮合反応し、シリカ粒子、バインダ、板ガラスに高い密着性が確保できるが、板ガラス基板表面のSn成分がこの反応を阻害するため密着性が確保できなくなる傾向があることから、Sn成分が少ないエア面をAR膜側とすることが好ましい。
前記ガラス基板における任意成分の母ガラス組成比(重量%)は、例えば、蛍光X線分析や化学分析などの公知の方法により測定することができる。また、ガラス基板の最表面の組成比(atm%)は、例えば、X線光電子分光法(XPS)、飛行時間二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)などの公知の方法により測定することができる。なお、本発明においてガラス基板の表面組成については、X線光電子分光法(XPS)を用いて分析した値を用いるものとする。分析元素はC,O,Na,Mg,Al,Si,Ca,Feとし、これら元素の合計に対する各元素の比率を測定すればよい。測定深さは約5nmとする。分析装置および条件としては次のものを用いることができる。
装置:ファイ社 Quantum2000
X線強度:AlKα/15kV・25W
X線ビーム径:100μmφ
パスエネルギー:187.85eV(ワイド)、46.95eV(ナロー)
本発明においては、前記透明板ガラス基板の光入射面および光入射面の裏面に機能性膜が形成される。前記機能性膜としてはAR膜、下地膜の他に、例えば密着強度向上膜および光散乱膜などが例示され、これらを含んでいてもよい。本発明において、AR膜とは透明板ガラス基板へ入射する光の反射を抑制する機能を有する膜を意味する。下地膜とは、例えば凹凸構造を持ち、透明導電膜厚を調整することにより光閉じ込め効果を上げることができ、光電変換ユニットにて電流を増加させる機能を有する膜を意味する。また密着強度向上膜とはガラスと透明導電膜の密着強度を向上させる機能を有する膜を意味し、光散乱膜は直線透過光を散乱させる機能を有する膜を意味する。
また上記のAR膜113および下地膜112、並びにその他機能性膜は、太陽電池5における光入射側に位置するので、より多くの太陽光を透過させて光電変換ユニット2、3に吸収させる観点から、できる限り透明であることが好ましい。
前記のAR膜113および下地膜112は、上記観点から、透光性微粒子と透光性バインダとを含んでおり、その透光性微粒子は前記透明板ガラス基板の光入射面および光入射面の裏面を覆うように分散させられていることが好ましい。
前記の下地膜112およびAR膜113は、例えば、有機溶媒を含んだ透光性バインダ形成材料と共に透光性微粒子を含む塗布液を透明板ガラス基板111上に塗布し、焼成することによって形成することができる。
例えば、透光性バインダとして、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、およびタンタル酸化物などの金属酸化物を利用することができる。より具体的には、シリコン、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、タンタルなどの金属を用いた金属アルコキシドを例示することができる。中でもシリコンアルコキシド(アルコキシシランともいう)は屈折率が低いことから、AR膜や下地膜として好適である。シリコンアルコキシドについては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどの1種または2種以上の単量体またはオリゴマー(縮合度が2〜10の部分加水分解縮合物)などを好適に用いることができる。特にあらかじめ縮合が進んでいることも有り、焼成温度を低下させることが出来るという観点から、テトラエトキシシランの4〜6量体のオリゴマーであることが好ましい。
また透光性微粒子としては、例えば、シリカ(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化インジウム錫(ITO)、またはフッ化マグネシウム(MgF2)などが用いられ得る。中でも、材料の透明度や板ガラス基板との相性という意味ではコロイダルシリカが好ましい。透光性微粒子の平均粒子径は光学特性等を考慮して適宜設定すればよいが、画像解析により算出される平均粒子径が50nm以上200nm以下の範囲にあることが好ましく、さらには80nm以上120nm以下の範囲がより好ましい。
透光性微粒子としてコロイダルシリカ、透光性バインダとしてアルコキシシランを用いる場合は、加水分解・縮合反応を促進する観点から、塗布液中に酸、水、アルコールを含むことが好ましい。酸としては、塩酸、硫酸、スルホン酸などが例示でき、中でもコストが安価、加水分解の促進性の観点から塩酸が好ましい。アルコールとしては、例えば炭素数が1〜8のアルコールを例示できるが、中でもコストが安価、沸点が低くディッピングでの膜厚均一性の観点からイソプロパノールが好ましい。
透明板ガラス基板111上に機能性膜を形成する塗布液を塗布する方法としては、例えば、ディッピング法、スピンコート法、バーコート法、スプレー法、ダイコート法、ロールコート法(印刷法)、フローコート法などを利用し得るが、ディッピング法でAR膜および下地膜を形成する場合、同一組成の塗布液を一度の塗布で基板両面に同時塗布することが可能であり、生産性向上、設備費を安価とする観点から特に好ましい。
なお下地膜112およびAR膜113において微細な表面凹凸を均一に形成するために、透光性微粒子の形状は球状であることが好ましい。
本発明者らは、AR膜、下地膜を板ガラス上に形成する際の雰囲気湿度が高い場合、AR膜の耐摩耗性は低下する傾向があることを見出した。逆に言えば、AR膜を塗布する雰囲気湿度が45%RH未満では高い耐磨耗性が確保でき、より高い耐摩耗性を確保するにはさらに雰囲気湿度を低くすることが好ましいと言える。但し、梅雨時や夏場等で雰囲気湿度が45%RH以上となる日が発生する場合、耐摩耗性が確保できなくなる問題が発生する。
太陽電池に用いる基板を製造する場合、光散乱の観点から、板ガラス基板のエア面を透明導電膜、光電変換ユニット、裏面電極が製膜される側とし、一方、スズバス面をAR膜側としてしまうことが後述するように当業者の常識となっている。
一方、本発明者らは、当業者にとっては非常識となるエア面側をAR膜側とすることにより密着性に不利な湿度45%RH以上の環境下でも耐磨耗性が改善されることを見出した。これにより、膜形成時の雰囲気環境に左右されず、常に耐摩耗性が確保されたAR膜を形成することができる。従って、エア面をAR膜側とすることが好ましいが、この主要因としては、前述の理由からエア面の表面組成におけるSn成分が0.2重量%以下であることに基づくと考えられる。
一方、エア面をAR膜側とすれば太陽電池の性能向上に有効な光散乱の観点からは不利になると考えられるが、後述するように、本発明者らは基板サイズを大きくすることにより、スズバス面を透明導電膜等の製膜側としても、光散乱効果はエア面を製膜側とした場合と変らないことを見出した。
本発明において耐摩耗性の評価は、JIS K7204に記載の摩耗輪による摩耗試験方法に準じて評価すればよく、具体的には、CS10Fの回転ホイールを9.8NでAR膜または下地膜に押し付け、72rpm(60Hz)でAR膜付き透明板ガラス基板を回転させて、膜が完全に剥がれるまでの回転数を測定することができる。この時の回転数が200回転以上でも膜剥がれが生じない場合に太陽電池の実用上の品質として好ましい。
また、下地膜およびAR膜を形成する前に予め透明板ガラス基板111を洗浄しておくことが望ましい。透明板ガラス基板は、放置によりガラスを構成しているアルカリ元素がガラス表面に拡散し、大気中の水分と反応することによりアルカリ水和物を形成する。次いでアルカリ水和物と大気中のCO2ガスが反応して炭酸塩を形成し、ガラス表面に炭酸塩の核が形成されるため、これがガラス基板の透明性を悪化させる原因となる。なお、ガラス基板の洗浄方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、超音波洗浄、プラズマ洗浄、アルカリ洗浄、セリコ洗浄などが挙げられる。
プラズマ洗浄の場合、四フッ化炭素、酸素プラズマを用いることによってガラス基板表面の炭素分、ヤケを除去できるが、ガラス基板表面にガラス成分であるMg、Na、Ca、Alが残留してしまう。またアルカリ洗浄の場合は、ガラス表面にケイ酸ソーダの膜(バリヤー)が形成され、そのバリヤーを通してアルカリが作用するため、その表面はポーラス状態になってしまう。一方、セリコ洗浄は、洗浄後、ガラス基板表面に異物が残留する、表面形状が変化するなどの問題は生じないため、洗浄の制御は容易である。従って、前述の洗浄方法の中でもセリコ洗浄を選択するのが好ましいが、洗浄後のガラス基板表面の炭素元素濃度が9.5%以下になるのであれば、どの洗浄方法を選択しても構わない。
ここでセリコ洗浄について説明する。セリコ洗浄はガラスの研磨洗浄としては一般的な方法である。なお、「セリコ洗浄」とは水と酸化セリウムを主成分とする研磨スラリーを用いて研磨洗浄する方法であって、そのメカニズムは酸化セリウムと水が圧縮応力の作用でガラス表面の酸化ケイ素に接近し、化学反応にてSi−OHとなり、液中に溶出されることによる。洗浄方法は水と酸化セリウムからなる研磨スラリーを布やスポンジにつけて、ガラスをこすってセリコ洗浄を行うことが望ましい。また、酸化セリウム粒子を、例えばポリビニルアルコール製のスポンジに固定化させた研磨バフに水を吸収させ、ガラス表面に押し当てて洗浄するのが、より好ましい。セリコ洗浄した後、純水ですすいで洗浄することが好ましい。
ラボレベルの小さい基板サイズではディッピング方式にて板ガラス表面にAR膜の材料を含む溶液を塗布した場合、Sn組成が少ないエア面側は、スズバス面よりシリカ粒子の被覆率が少なく、光散乱効果が高い太陽電池に適した下地膜になりやすい傾向があり、その結果、エア面側に透明導電膜や光電変換ユニットなどを製膜した方が太陽電池の変換効率が高くなることが確認されている。このため、当業者はエア面側を、いわゆる製膜側とすることが常識であるが、基板のサイズを大きくした場合、驚いたことにスズバス面を製膜側としても、光散乱効果はエア面を製膜側とした場合と変らないことを初めて見出した。これはディッピング方式の特性上、板ガラス基板は縦方向に保持されており、板ガラス基板上に塗布されたシリカ粒子は自重により板ガラス表面上を降下し状態が変化するため、板ガラス基板サイズを大きくした場合、特にサイズが900mm×900mm以上の場合に、エア面およびスズバス面のシリカ微粒子の被覆率の差が少なくなり、その結果、太陽電池の変換効率に影響がなくなったのではないかと考える。
ガラス基板の形状は正方形、長方形など特に限定は無いが、上記の例えば「サイズが900mm×900mm以上」とは、縦および横のサイズがいずれも900mm以上であることを意味する。
前記の粒子被覆率は、原子間力顕微鏡(AFM)や走査トンネル顕微鏡(STM)などの走査型顕微鏡、または走査型電子顕微鏡(SEM)で測定することができる。例えばAFMを利用して、以下のような手順で粒子被覆率を求めることができる。すなわち、微粒子を含む下地膜の表面のAFM像を得て、その表面の高さ分布を反映する3次元データを求める。その表面高さについてヒストグラムを作成し、最も頻度の多い表面高さを平均粒径(d)とする。そして表面の3次元情報を表示し得るAFM像において、d/2より高い領域(少なくとも1段の粒子によって被覆されている領域を意味し、2段以上に積み重なった粒子によって被覆されている領域をも含む)の面積の割合が粒子被覆率に相当する。本発明において、透光性微粒子は緻密に並び凹凸形状の均一性がよく、凹凸高さも揃っていることが好ましく、被覆率に関しては80%以上が好ましい。
本発明において、好適には前記下地膜112上に形成される透明導電膜12の材料としては、例えばITO(酸化インジウム錫)、SnO2、ZnO等の導電性金属酸化物が用いられうる。中でも、原料が安価で省エネルギーであり、生産性の高い太陽電池を得ることができる観点および長波長における透過率が高く、高ヘイズ率による光閉じ込め効果により光電変換効率の高い太陽電池を得る観点から、ZnOを主成分とする酸化亜鉛系透明導電膜が好ましい。当該酸化亜鉛系透明導電膜に含まれるドーピング不純物として、B、Al、およびGaの少なくとも1種を含むことが好ましく、特にB原子を含むことが好ましい。またドーピング不純物のほかに、H原子を含むことも好ましい。Hを含む酸化亜鉛系透明導電膜においては、光閉じ込め効果を生じ得る表面凹凸が形成され易いので、本発明の太陽電池に用いる透明導電膜として好適である。
本発明において、前記透明導電膜12は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタ、蒸着等の方法で形成されうるが、酸化亜鉛系透明導電膜を形成する場合は、製膜完了の状態で光散乱効果に有効な表面テクスチャ形状が形成され、かつ高い生産性とコスト面の観点から、LPCVD法(減圧化学気相成長法)によって200度以下の堆積温度で形成することが好ましい。なお、この酸化亜鉛系透明導電膜12の堆積温度とは、透明板ガラス基板がCVD装置の加熱部と接している面の温度を意味する。
一方、AR膜および/または下地膜の成分として特にコロイダルシリカやアルコキシシランを用いる場合には焼成(縮合反応)温度が低すぎると充分な高分子量化がなされ難く、前記機能性膜と透明板ガラス基板との密着強度が得られ難い傾向がある。一方、一般にAR膜および/または下地膜の焼成温度が高すぎると透明板ガラス基板を昇温するヒータ電力が多く必要となり、エネルギー負荷が大きなものとなる。上記の観点も含め、AR膜および/または下地膜の焼成温度は100〜200℃が好ましく、130〜170℃がより好ましい。
本発明において、太陽電池の光電変換ユニットは、公知の方法にて、公知の光電変換ユニットを形成することができるが、光電変換層としてアモルファスシリコン、結晶質シリコン、アモルファスシリコンゲルマニウム、アモルファスゲルマニウム、結晶質ゲルマニウムから選択される少なくとも1種を含んで構成されることが好ましい。中でも、光電変換ユニットが、アモルファスシリコンのシングルセル、或いはアモルファスシリコンおよび結晶質シリコンから構成されるタンデムセルであることがより好ましい。例えば、タンデム型光電変換ユニットにおいて、前方光電変換ユニット2にアモルファスシリコン系材料を選択すれば、それは約360〜800nmの波長の光に対して感度を有し、他方、後方光電変換ユニット3に結晶質シリコン系材料を選択すれば、それはより長い約1200nmまでの波長の光に対して感度を有する。したがって、光入射側からアモルファスシリコン系材料の前方光電変換ユニット2と結晶質シリコン系材料の後方光電変換ユニット3がこの順で積層される、所謂ハイブリッド型太陽電池5においては、安価でかつより広い波長範囲において入射光を有効利用することが可能となることから、より好ましい。ここで、「シリコン系」の材料には、シリコンのみならず、シリコンカーバイドやシリコンゲルマニウムなどのようなシリコン合金半導体材料も含まれうる。
なお、太陽電池は図1に示したように2段の光電変換ユニットを含んでいてもよいが、1段の光電変換ユニットのみを含む所謂シングルセル、3段の光電変換ユニットを含む所謂トリプルセル、さらには4段以上の光電変換ユニットを含む多段セルであってもよいことは言うまでもない。また、本発明の透明導電膜12として酸化亜鉛系透明導電膜を用いた場合、これはSnO2に比べて耐プラズマ性が高いので、透明導電膜12上に直接に結晶質シリコン光電変換ユニットを形成することも可能である。すなわち、本発明では、図1における結晶質シリコン光電変換ユニット3のみを含んで前方光電変換ユニット2が省略された結晶質シングルセルも可能である。さらに、トリプルセルの例として、アモルファスシリコン光電変換ユニット/実質的にi型のアモルファスシリコンゲルマニウム層を含むアモルファスシリコンゲルマニウム光電変換ユニット/結晶質シリコン光電変換ユニットの順に3つの光電変換ユニットを積層してもよい。さらにまた、アモルファスシリコン光電変換ユニット/結晶質シリコン光電変換ユニット/結晶質シリコン光電変換ユニットの順またはアモルファスシリコン光電変換ユニット/アモルファスシリコン光電変換ユニット/結晶質シリコン光電変換ユニットの順に3つの光電変換ユニットが積層されてもよい。
本発明の太陽電池における裏面電極層4としては公知のものを使用できるが、例えば、Al、Ag、Au、Cu、PtおよびCrから選ばれる少なくとも一種の材料が、少なくとも一層の金属層として、例えばスパッタ法や蒸着法などにより堆積されることが好ましい。また、上記金属層とこれに隣接する光電変換ユニットとの間に、ITO、SnO2、酸化亜鉛系透明導電膜などの導電性酸化物層を裏面電極層4の一部として形成することが好ましい。この導電性酸化物層は、裏面電極層4とこれに隣接する光電変換ユニットとの間の密着性を高めるとともに、裏面電極層4の光反射率を高め、さらに光電変換ユニットの化学変化を防止する機能をも有する。
以下において、本発明による実施例および比較例により具体的に説明される。なお、本発明の範囲は、その趣旨を超えない限りにおいて以下の実施例に限定されないことは言うまでもない。
なお、実施例、比較例で使用した透明板ガラス基板の組成については表1、および表2に示したものである。具体的には、表1に関しては透明板ガラス基板のエア面側組成、表2に関しては前記透明板ガラス基板のスズバス面側組成である。
Figure 2013243322
Figure 2013243322
透明板ガラス基板の透過率、表面組成、並びにAR膜/下地膜における膜中の微粒子被覆率、密着強度の指標となる耐摩耗性は、以下の方法により測定を行った。
[分光透過率]
分光光度計(島津製作所社製 SolidSpec−3700)を用いて、透過率の測定を行った。
[透明板ガラス基板の最表面組成]
X線光電子分光法(XPS)を用いて分析した。分析元素はC,O,Na,Mg,Al,Si,Ca,Feとし、これら元素の合計に対する各元素の比率を測定した。測定深さは約5nmである。なお、分析装置および条件は次の通りである。
装置:ファイ社 Quantum2000
X線強度:AlKα/15kV・25W
X線ビーム径:100μmφ
パスエネルギー:187.85eV(ワイド)、46.95eV(ナロー)
[AR膜および下地膜の耐摩耗性]
JIS K7204に記載の摩耗輪による摩耗試験方法に準じて評価した。具体的には、CS10Fの回転ホイールを9.8NでAR膜または下地膜に押し付け、72rpm(60Hz)でAR膜付き透明板ガラス基板を回転させて、膜が完全に剥がれるまでの回転数を測定した。この時の回転数が200回転以上でも膜剥がれが生じない場合に太陽電池の実用上の品質として好ましいと判断した。
(実施例1)
本発明の実施例1として、透明板ガラス基板のエア面組成が表1、スズバス面組成が表2である、厚み3.2mm、サイズ1400mm×1100mmの透明板ガラス基板111のエア面側に、AR膜113を形成した。
前記AR膜113の形成に際し、まず透明板ガラス基板111のセリコ洗浄を行った。具体的には酸化セリウムをポリビニルアルコール製スポンジに固定化させた研磨バフに水を吸収させ、回転数2000rpm、移動速度30mm/s、押圧2kgfで透明板ガラス基板に押し当ててセリコ洗浄を行った。さらに、純水ですすいで洗浄した。その後、エアナイフにて水滴を飛ばすと共に乾燥を行った。
次に、AR膜113および下地膜112を形成する際に用いる塗布液について、水およびイソプロパノール、塩酸、テトラエトキシシランのオリゴマー(縮合度4〜6)、シリカ微粒子分散液(水溶媒、固形分40重量%、平均粒子径90nm)を20:40:1:10:20の割合で順次添加して4時間室温で攪拌し、加水分解反応を実施して原液を得た。その後、原液と希釈溶媒としてイソプロパノールを1:50の割合で混合し、塗布液を作製した。
この塗布液を用い、塗布液中に前記洗浄済み透明板ガラス基板を浸漬し、引き上げ速度0.2m/分、湿度53.9RH%、温度22.9℃の雰囲気でディッピングコーティング法により、AR膜と下地膜の塗布操作を行った。これにより透明板ガラス基板表面にAR膜および下地膜つきの透明板ガラス基板を得た。得られた機能性膜付きの透明板ガラス基板の波長1000nmにおける透過率は93.2%であり、非常に透過率特性の高いものであった。
次に、熱風乾燥炉にて200℃で焼成して得られた上記機能性膜付き透明板ガラス基板のスズバス面側に酸化亜鉛系膜が形成されるよう透明板ガラスを設置し、LPCVD法により酸化亜鉛系透明導電膜からなる透明導電膜12を形成して太陽電池用基板を得た。LPCVD法は、透明板ガラス基板の温度を160℃に設定し、原料ガスであるジエチル亜鉛と酸化剤である水およびドーパントであるジボランの流量比を2:3:2で供給し、反応室内圧力25Paで酸化亜鉛系膜を成膜した。この条件で成膜された酸化亜鉛を主成分とする透明導電膜12の厚さは1.8μmであった。
次にプラズマCVD法により、厚さ13nmのボロンドープの一導電型層(p型層)、厚さ300nmのノンドープの非晶質シリコン系光電変換層(i型層)、および厚さ20nmのリンドープの逆導電型層(n型層)を製膜してp−i−n接合の非晶質シリコン系の前方光電変換ユニットを形成した。そののち、厚さ10nmのボロンドープの一導電型層(p型層)、厚さ3μmのノンドープの結晶質シリコン系光電変換層(i型層)、および厚さ15nmリンドープの逆導電型層(n型層)を製膜してp−i−n接合の結晶質シリコン系の後方光電変換ユニットを形成した。
次いで、それぞれスパッタ法により、酸化亜鉛からなる厚さ100nmの透明導電性酸化物膜、およびAgからなる厚さ300nmの光反射性金属電極を製膜して、裏面電極を形成した。
こうして得られた実施例1のハイブリッド型太陽電池にAM(エアマス)1.5の光を100mW/cm2の光量で照射して出力特性を測定したところ、その光電変換効率は10.93%であり光電変換効率の高いものであった。またAR膜の耐摩耗性試験を行った結果、2000回転でも膜剥がれが生じない非常に密着強度の高いものであることが分かった。
(比較例1)
比較例1として、実施例1と同様の透明板ガラス基板のスズバス面にAR膜を形成した。実施例1と同様にセリコ洗浄を行い、エアカットにて乾燥を行った後、引き上げ速度0.2m/分、湿度52.0RH%、温度22.1℃の雰囲気でディッピングコーティング法により、AR膜と下地膜の塗布操作を行った。次に得られた上記機能性膜付き透明板ガラス基板のエア面側に、実施例1と同様の酸化亜鉛系膜、光電変換ユニット、裏面電極を形成した。
こうして得られた比較例1のハイブリッド型太陽電池にAM(エアマス)1.5の光を100mW/cm2の光量で照射して出力特性を測定したところ、その光電変換効率は10.77%であり実施例1と同様、光電変換効率の高いものであった。但し、AR膜の耐摩耗性試験を行った結果、80回転で膜剥がれが生じたことから密着強度の弱いものであった。
(比較例2)
比較例2として、実施例1と同様の透明板ガラス基板のスズバス面にAR膜を形成した。実施例1と同様にセリコ洗浄を行い、エアカットにて乾燥を行った後、引き上げ速度0.2m/分、湿度43.0RH%、温度22.9℃の雰囲気でディッピングコーティング法により、AR膜と下地膜の塗布操作を行った。次に得られた上記機能性膜付き透明板ガラス基板のエア面側に実施例1と同様の酸化亜鉛系膜、光電変換ユニット、裏面電極を形成した。
こうして得られた比較例2のハイブリッド型太陽電池にAM(エアマス)1.5の光を100mW/cm2の光量で照射して出力特性を測定したところ、その光電変換効率は10.83%であり実施例1と同様、光電変換効率の高いものであった。またAR膜の耐摩耗性試験を行った結果、500回転で膜剥がれが生じたが、密着強度の高いものであった。
111 透明板ガラス基板
112 下地膜
113 AR膜
12 透明導電膜
2 前方光電変換ユニット
3 後方光電変換ユニット
4 裏面電極
5 太陽電池

Claims (10)

  1. 主成分がSiO2である透明板ガラスを基板とし、基板の一面に反射防止膜が形成され、対向する一面に下地膜が形成され、下地膜の上に透明導電膜が形成され、透明導電膜の上に光電変換ユニットおよび裏面電極が形成される太陽電池の製造方法であって、
    前記反射防止膜は、透光性微粒子、透光性バインダおよび有機溶媒を含む塗布液を雰囲気湿度45%RH以上の環境下で透明板ガラス基板上に塗布することにより形成され、かつ透明板ガラス基板の反射防止膜塗布面の表面組成におけるSn成分が0.2重量%以下であることを特徴とする、太陽電池の製造方法。
  2. 前記透明板ガラス基板のサイズが900mm×900mm以上であることを特徴とする、請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記透明板ガラス基板がフロート方式で製造されたものであり、反射防止膜塗布面がエア面であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記透明導電膜が酸化亜鉛系透明導電膜であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記光電変換ユニットが、光電変換層としてアモルファスシリコン、結晶質シリコン、アモルファスシリコンゲルマニウム、アモルファスゲルマニウム、結晶質ゲルマニウムから選択される少なくとも1種を含んで構成されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記反射防止膜および下地膜はディッピング法で形成され、反射防止膜および下地膜を同一組成、同時形成することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記塗布液が、コロイダルシリカ、アルコキシシラン、酸、水、アルコールを含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
  8. 前記コロイダルシリカの平均粒子径が50〜200nmであることを特徴とする、請求項7記載の太陽電池の製造方法。
  9. 前記アルコキシシランがテトラエトキシシランの4〜6量体のオリゴマーであることを特徴とする、請求項7記載の太陽電池の製造方法。
  10. 反射防止膜および下地膜が200℃以下の温度で焼成して形成されることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
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