JP2007059349A - 燃料電池セパレータ用プリプレグ、燃料電池セパレータの製造方法及び燃料電池セパレータ - Google Patents

燃料電池セパレータ用プリプレグ、燃料電池セパレータの製造方法及び燃料電池セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】シート成形を可能として燃料電池セパレータの薄型化、軽量化を可能とすることができ、且つ、得られる燃料電池セパレータの良好な導電性及び機械的強度を確保することができる燃料電池セパレータ用プリプレグを提供する。
【解決手段】平均粒径5〜35μmの黒鉛粒子、熱硬化性樹脂、及びワックスを含有する樹脂組成物を導電性基材に含浸・半硬化して成る。かかる燃料電池セパレータ用プリプレグを成形硬化して燃料電池セパレータ1を形成すると、ワックスにより高い離型性が付与されていることから金型成形にて所望の形状の燃料電池セパレータ1を容易に形成することができ、この燃料電池セパレータ1は導電性基材により高い機械的強度が付与されると共に優れた導電性を維持し、且つ黒鉛粒子が均一に分散すると共にこの黒鉛粒子により燃料電池セパレータ1内に安定した導電パスが形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池セパレータ用プリプレグ、燃料電池セパレータの製造方法及び燃料電池セパレータに関するものである。
一般に燃料電池は複数の単位セルを数十〜数百個直列に重ねて構成されるセルスタックから成り、これにより所定の電圧を得ている。
単位セルの最も基本的な構造は、「燃料電池セパレータ/燃料電極(アノード)/電解質/酸化剤電極(カソード)/燃料電池セパレータ」という構成を有している。この単位セルにおいては、電解質を介して対向する一対の電極のうち燃料電極に燃料を、酸化剤電極に酸化剤を供給して、電気化学反応により燃料を酸化させることにより、反応の化学エネルギーを直接電気化学エネルギーに変換するものである。
このような燃料電池は、電解質の種類によりいくつかのタイプに分類されるが、近年、高出力が得られる燃料電池として、電解質に固体高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池が注目されている。
このような固体高分子型燃料電池の一例としては、左右両側面に複数個の凸部(リブ)が形成されている2枚の燃料電池セパレータの間に、固体高分子電解質膜とガス拡散電極(燃料電極と酸化剤電極)とを介在させて、単電池(単位セル)を構成し、この単位セルを数十個〜数百個並設して電池本体(セルスタック)を形成するものがある。前記凸部は、隣り合う凸部同士の間に溝状の凹部を形成し、この凹部にて、燃料である水素ガスと、酸化剤である酸素ガスの流路であるガス供給排出用溝を構成する。
このようなセルスタックは、例えば家庭用定置型のものでは50〜100個の単位セルで構成し、また自動車積載用では400〜500個の単位セルで構成することができる。
この固体高分子型燃料電池は、燃料電極に流体である水素ガスを、酸化剤電極に流体である酸素ガスを供給することにより、外部回路より電流を取り出すものであるが、この際、各電極においては下記式に示したような反応が生じている。
燃料電極反応 : H2→ 2H++2e-…(1)
酸化剤電極反応 : 2H++2e-+1/2O2→H2O…(2)
全体反応 : H2+1/2O2→H2
即ち、燃料電極上で水素(H2)はプロトン(H+)となり、このプロトンが固体高分子電解質膜中を酸化剤電極上まで移動し、酸化剤電極上で酸素(O2)と反応して水(H2O)を生ずる。従って、固体高分子型燃料電池の運転には、反応ガスの供給と排出、電流の取り出しが必要となる。
また、固体高分子型燃料電池は、通常、室温〜120℃以下の範囲での湿潤雰囲気下での運転が想定されており、そのため水を液体状態で扱うことが多くなるので、燃料電極への液体状態の水の補給管理と酸化剤電極からの液体状態の水の排出が必要となる。
このような燃料電池を構成する部品のうち、燃料電池セパレータは、薄肉の板状体の片面又は両面に複数個のガス供給排出用溝を有する特異な形状を有しており、燃料電池内を流れる燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却水が混合しないように分離する働きを有すると共に、燃料電池セルで発電した電気エネルギーを外部へ伝達したり、燃料電池セルで生じた熱を外部へ放熱するという重要な役割を担っている。
このような燃料電池セパレータとしては、生産性やコストの面から有利なフェノール樹脂やエポキシ樹脂等の各種の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂と黒鉛粒子とを主成分とする樹脂組成物を用い、圧縮成形や射出成形、あるいはトランスファ成形等により成形する方法が知られている(例えば特許文献1,2参照)。
また、このような燃料電池セパレータには薄型化や軽量化が求められていることから、ロール成形法や押出成形法によって樹脂組成物をシート状に成形し、これを圧縮成形や熱圧モールド成形等により更に成形して燃料電池セパレータを得ることも試みられている。
しかし、上記のように燃料電池セパレータを薄型化しようとすると、機械的強度が低下してしまい、特に車載向けの燃料電池などに使用する場合には使用時にクラックが発生し、実用的に満足できる強度特性が得られないという問題があった。
特開2001−216976号公報 特開2002−114572号公報
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、シート成形を可能として燃料電池セパレータの薄型化、軽量化を可能とすることができ、且つ、得られる燃料電池セパレータの良好な導電性及び機械的強度を確保することができる燃料電池セパレータ用プリプレグ、この燃料電池セパレータ用プリプレグを用いた燃料電池セパレータの製造方法、及びこの燃料電池セパレータ用プリプレグを用いて形成される燃料電池セパレータを提供することを目的とするものである。
本発明に係る燃料電池セパレータ用プリプレグは、平均粒径5〜35μmの黒鉛粒子、熱硬化性樹脂、及びワックスを含有する樹脂組成物を導電性基材に含浸・半硬化して成ることを特徴とするものである。かかる燃料電池セパレータ用プリプレグを成形硬化して燃料電池セパレータ1を形成すると、ワックスにより高い離型性が付与されていることから金型成形にて所望の形状の燃料電池セパレータ1を容易に形成することができ、この燃料電池セパレータ1は導電性基材により高い機械的強度が付与されると共に優れた導電性を維持し、且つ黒鉛粒子が均一に分散すると共にこの黒鉛粒子により燃料電池セパレータ1内に安定した導電パスが形成される。
上記樹脂組成物は、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含有すると共にその硬化触媒を含有し、且つこの樹脂組成物の固形分に対する上記黒鉛粒子の含有量が65〜90質量%、エポキシ樹脂の含有量が9〜30質量%、ワックスの含有量が0.1〜3質量%、エポキシ樹脂に対する硬化触媒の含有量が0.5〜5質量%であるようにすることができる。このようにすると、樹脂組成物及び燃料電池セパレータ用プリプレグは優れた保存安定性を有し、且つこの燃料電池セパレータ1を成形して燃料電池セパレータ1を形成するにあたり優れた成形性を発揮し、高い導電性を有する燃料電池セパレータ1を得ることができる。
また、上記導電性基材の坪量は20〜210g/cm2の範囲であることが好ましい。このようにすると、導電性基材への樹脂組成物の含浸性が高くなって更に優れた導電性を発揮すると共に燃料電池セパレータ1の厚み増大を抑制して更に薄型軽量の燃料電池セパレータ1を得ることができる。
また、上記樹脂組成物のB型粘度計にて測定される粘度が300〜1000cPの範囲となるようにすることも好ましく、これにより導電性基材への樹脂組成物の良好な含浸性を維持して燃料電池セパレータ1に更に優れた強度と導電性を付与すると共に粘度低下による黒鉛粒子の沈殿を防止することができて導電性基材に必要量の黒鉛を十分に付着させることができるものである。
また、上記導電性基材としては炭素繊維ペーパーを用いることが好ましく、この場合導電性基材への樹脂組成物の含浸性を更に優れたものとすることができて燃料電池セパレータ1に更に優れた強度を導電性を付与することができると共に、耐硫酸性、耐薬品性、耐メタノール性にも優れたものとなる。
また、上記燃料電池セパレータ用プリプレグは、揮発分の含有量が0.5質量%以下であることが好ましく、これにより燃料電池セパレータ1形成時のボイド発生を防止して、この燃料電池セパレータ1におけるガスリークの発生を防止すると共に導電性低下も防ぐことができる。
また、本発明に係る燃料電池セパレータ1の製造方法は、上記のような燃料電池セパレータ用プリプレグを成形金型にて加熱圧縮成形することを特徴とするものである。
また、本発明に係る燃料電池セパレータ1は、上記のような燃料電池セパレータ用プリプレグを成形金型にて加熱圧縮成形して成ることを特徴とするものである。
これにより、ワックスにより高い離型性が付与されていることから所望の形状の燃料電池セパレータ1を容易に形成することができ、得られる燃料電池セパレータ1は導電性基材により高い機械的強度が付与されると共に優れた導電性を維持し、且つ黒鉛粒子が均一に分散すると共にこの黒鉛粒子により燃料電池セパレータ1内に安定した導電パスが形成されるものである。
また、燃料電池セパレータ1は波板状の形状を有するように形成することができ、これにより、燃料電池セパレータ1の薄型軽量化と、燃料電池に必要とされるガス流路等の形成とを同時に図ることができるものである。
本発明によれば、燃料電池セパレータを形成するにあたり、この燃料電池セパレータを所望の形状に成形性良く容易に形成することができると共に薄型軽量化が可能であり、且つ薄型軽量化しても高い導電性と機械的強度を付与することができ、燃料電池の小型軽量化に寄与することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
燃料電池セパレータ用プリプレグは、黒鉛粒子、熱硬化性樹脂及びワックスを含有する樹脂組成物と、導電性基材とで形成される。
樹脂組成物中の黒鉛粒子としては適宜のものを用いることができ、天然に産出したものでも精製したものであれば良く、或いは人工的に製造したものであっても良い。またその粒子形状も鱗片状、針状、球状等の各種の形状であって良い。このような黒鉛粒子の平均粒径は、5〜35μmの範囲となるようにするものである。この平均粒径が5μm未満であると形成される燃料電池セパレータ1中に導電パスを形成することが困難となって導電性の面で不利となり、十分な導電性を得るために必要とされる黒鉛粒子の添加量が多くなって成形性が低下するおそれがある。またこの平均粒径が35μmを超えると樹脂組成物中で黒鉛粒子の沈降が生じやすくなり、樹脂組成物の不均一化を招くおそれがあって、この樹脂組成物にて形成されるプリプレグ(燃料電池セパレータ用プリプレグ)も不均一化してその導電性が不安定となるおそれがある。
この黒鉛粒子の樹脂組成物中の含有量は好ましくは樹脂組成物の固形分に対して65〜90重量%、より好ましくは70〜85質量%の範囲となるようにする。前記固形分は樹脂組成物を成形硬化した際に硬化物を構成する成分であり、樹脂組成物中に溶媒が含有されている場合には溶媒を除く成分である。この黒鉛粒子の割合が過小であると燃料電池セパレータ1に必要とされる導電性が十分に得られなくなり、また過剰であると燃料電池セパレータ1に必要とされるガス透過性や成形性が十分に得られなくなるおそれがある。
また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の各種のものを例示することができ、特にエポキシ樹脂又はエポキシ樹脂を含む混合物を用いることが好ましい。また、このような熱硬化性樹脂に適宜の熱可塑性樹脂を併用しても良い。
樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の含有量は適宜調整されるが、エポキシ樹脂を用いる場合には樹脂組成物中の固形分に対してエポキシ樹脂を好ましくは9〜30質量%の範囲、より好ましくは15〜30質量%の範囲で含有させる。
エポキシ樹脂を用いる場合には、必要に応じて硬化剤を配合する。硬化剤としては、非アミン系の化合物を用いることが好ましく、アミン系のものを用いる場合では、得られる燃料電池セパレータ1の電気伝導度を高い状態に維持することが困難となり、また燃料電池の触媒を被毒する恐れもある。また硬化剤としては、酸無水物系の化合物も用いないようにすることが好ましい。酸無水物の化合物は硫酸酸性環境下等の耐酸性の環境下で加水分解して、電気伝導度が低下したり、不純物の溶出が増大してしまうおそれがある。このような条件を満たす硬化剤としては、特にフェノール系化合物を用いることが好ましいものであり、この場合、硬化物の特性が優れたものとなる。
このような硬化剤の含有量は適宜設定されるが、エポキシ樹脂に対する硬化剤の化学量論上の当量比が、1〜1.12となるようにすることが好ましい。
また、エポキシ樹脂を用いる場合に使用される硬化触媒(硬化促進剤)としては、適宜のものを用いることができるが、硬化剤の場合と同様の理由から非アミン系の化合物を用いることが好ましい。例えば、アミン系のジアミノジフェニルメタンなどは残存物が燃料電池の触媒を被毒する恐れがあり好ましくない。
このようなエポキシ樹脂の硬化触媒としては、好ましくはリン系化合物を用いることができ、その一例としてトリフェニルホスフィンを挙げることができる。この場合、燃料電池セパレータ1からの塩素イオンの溶出を抑制することができる。
このような硬化触媒の含有量は適宜調整されるが、好ましくは樹脂組成物中のエポキシ樹脂に対して0.5〜5質量%の範囲となるようにするものである。この含有量が0.5質量%に満たないと、燃料電池セパレータ用プリプレグを硬化成形する場合に要する時間が長大化して生産効率が悪化し、またこれが5質量%を超えると燃料電池セパレータ1用材料を保存する際に樹脂成分の硬化が進んで保存安定性が低下するおそれがある。
また、上記のような硬化剤や硬化触媒は、イオン性不純物である塩素イオンの含有量とナトリウムイオンの含有量とが、それぞれ質量比率で5ppm以下であることが好ましい。この場合、成形品である燃料電池セパレータ1からのイオン性不純物の溶出を更に抑制することができるものであり、各含有量が5ppmを超えると不純物の溶出量が多くなって、燃料電池として特性低下が発生する恐れがある。
また、樹脂組成物中にはカップリング剤を含有させることもできる。このカップリング剤としては適宜のものを用いることができるが、樹脂組成物中には第一アミン及び第二アミンを含有させないことが好ましいため、アミノシランは用いないようにすることが好ましい。アミノシランを用いる場合は、燃料電池の触媒を被毒するおそれがあり好ましくない。また、カップリング剤としてはメルカプトシランも用いないようにすることが好ましい。このメルカプトシランを用いた場合も同様に燃料電池の触媒を被毒するおそれがあって好ましくない。カップリング剤として好ましいものの例としては、シリコン系のシラン化合物、チタネート系、アルミニウム系等のものを挙げることができる。例えばエポキシ系のシランカップリング剤としては、エポキシシランが適している。
カップリング剤は黒鉛粒子の表面に予め噴霧等により付着させておくことが好ましい。その添加量は適宜設定されるものであり、黒鉛粒子の比表面積に比し使用するカップリング剤の単位質量当たりの被覆面積を考慮する必要があるが、好ましくは、カップリング剤の被覆面積の総量が、黒鉛粒子の表面積の総量に対して、0.5〜2倍の範囲となるようにする。この値が多くなると成形品表面にブリードしてしまい金型表面を汚染するなどして、好ましくない。
また、樹脂組成物中に含有させるワックス(離型剤)は、高純度のものが適宜用いられるが、特に天然カルナバワックスを用いることが好ましい。また、ワックスの含有量は適宜設定されるが、樹脂組成物中の固形分に対して0.1〜3質量%の範囲であることが好ましく、この含有量が0.1質量%未満では金型成形時に十分な離型性が得られず、また3質量%を超えると、燃料電池セパレータ1に必要とされる水との濡れ性が十分に得られなくなる恐れがある。
また、このようなワックスにおいても、イオン性不純物である塩素イオンの含有量とナトリウムイオンの含有量とが、共に質量換算した値で5ppm以下であることが好ましい。各イオン性不純物の含有量が5ppmを超えると燃料電池セパレータ1を燃料電池に使用した場合、不純物が溶出し特性低下が発生する恐れがある。
また、樹脂組成物を導電性基材に含浸するにあたっては、樹脂組成物中に更に溶媒を加えて樹脂組成物を液状の樹脂ワニスとして調製し、この樹脂ワニスを導電性基材に含浸させることもできる。この溶媒としては、非アミン系溶媒を用いることが好ましく、アミン系のものを用いる場合では、得られる燃料電池セパレータ1の電気伝導度を高い状態に維持することが困難となり、また燃料電池の触媒を被毒する恐れもある。このような溶媒としては適宜のものが用いることができるが、樹脂組成物のキャスティングによるシート化を容易とし、所定の効果を奏することが可能となるものとして、例えばメチルエチルケトン、メトキシプロパノール、トルエン、キシレン等の極性溶媒を用いることができる。このように樹脂組成物を樹脂ワニスとして調製する場合には、樹脂組成物中の溶媒を除く成分(固形分)の含有量が好ましくは30〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%の範囲となるようにする。尚、溶媒は必要に応じて配合すれば良く、液状樹脂を用いる場合などでは溶媒を配合せず或いは溶媒の添加量を低減することができる。
また、樹脂組成物のB型粘度計にて測定される粘度が300〜1000cP(cps)の範囲であることが好ましく、溶媒を配合する場合には樹脂組成物の粘度が前記範囲となるように配合することが好ましい。このような粘度範囲に樹脂組成物を調製すると導電性基材への樹脂組成物の良好な含浸性を維持して燃料電池セパレータ1に更に優れた導電性を付与することができる。また前記粘度が低すぎると樹脂組成物中で黒鉛粒子の沈殿が生じ、この樹脂組成物を導電性基材に含浸させる際に必要量の黒鉛粒子を導電性基材に付着させることが困難となる場合があるが、前記粘度を300cP以上とすることで必要量の黒鉛粒子を十分に付着させることができるものであり、また曲げ強度が向上するものである。
また、樹脂組成物は、この樹脂組成物で形成される成形品のTOC(total organic carbon)が100ppm以下となるようにすることが好ましい。
ここで、TOCは、比表面積20cm2/gの成形品を90℃で50時間処理した後の水溶液を用いて測定した数値である。このようなTOCは、例えばJIS K0102に準拠して島津製作所製の全有機炭素分析装置「TOC−50」などで測定することができる。測定方法は、サンプルの燃焼により発生したCO2濃度を非分散型赤外線ガス分析法で測定して、サンプル中の炭素濃度を定量する。炭素濃度を測定することによって、間接的に含有している有機物質濃度を測定でき、サンプル中の無機炭素(IC)、全炭素(TC)を測定し、全炭素と無機炭素の差(TC−IC)から全有機炭素(TOC)を計測する。
上記のTOCが100ppmを超えると燃料電池としての特性低下が発生する恐れがあり、100ppm以下であるとこのような特性低下を抑制することができるものである。
ここで本発明においては、TOCの値は、原材料として高純度のものを選択したり、更に樹脂の当量比の調整や、後硬化処理を行うことなどで低減して調整することができる。
また、樹脂組成物はイオン性不純物の含有量が低いことが好ましく、イオン性不純物の含有量が多いと燃料電池セパレータ1を燃料電池に組み込んだ際に固体高分子膜を劣化させてしまうおそれがあり、燃料電池としての特性を大幅に損なうおそれがある。
具体的には、樹脂組成物全体における、水溶性イオンである塩素イオン、ナトリウムイオンの含有量は、それぞれ樹脂組成物全量に対して質量比率で5ppm以下であることが好ましい。この値が5ppmを超えると成形される燃料電池セパレータ1からの不純物の溶出によって、起動電圧低下等の燃料電池としての特性低下が発生するおそれがあり、この値が5ppm以下となるようにすることで、このような特性低下が発生しないようにすることができる。
上記の塩素イオン、ナトリウムイオンの含有量は、樹脂組成物を成形硬化して得られる成形体から水溶性のイオンを抽出し、これをイオンクロマトグラフ法で評価測定したものを、樹脂組成物の質量に基づいて換算することで導出することができる。このときの水溶性イオンの抽出は、比表面積20cm2/gの成形品を成形品10gに対してイオン交換水100mLとして、成形品をイオン交換水中に浸漬し、90℃で50時間処理することでイオン交換水中にイオンを抽出することで、行うことができる。
一方、導電性基材としては、導電性を有する材質にて形成された適宜の多孔質のシート状のものを用いることができる。このとき導電性基材としては、燃料電池セパレータ1の良好な導電性を確保するために、その体積抵抗率が10-2Ωcm以下の範囲であることが好ましい。かかる導電性基材として、好ましくは炭素繊維にて形成される織布やペーパーを挙げることができる。炭素繊維としてはパン系やピッチ系等があるがいずれであっても良い。特に炭素繊維ペーパー(カーボンペーパー)は、樹脂組成物の含浸性に優れ、また耐硫酸性、耐薬品性、耐メタノール性にも優れたものとなる。このような炭素繊維ペーパーを用いる場合、これを構成する炭素繊維の平均長さは3〜15mmの範囲であることが好ましい。この平均長さが3mmより短くなると導電性基材に十分な強度が得られないおそれがあり、また15mmを超えると導電性基材への樹脂組成物の含浸性が十分に得られなくなるおそれがある。
また導電性基材の坪量は、所望の燃料電池セパレータ1の寸法等に応じて適宜設定されるが、厚さ0.3mm以下の薄型軽量の燃料電池セパレータ1を得るためには、20〜210g/cm2の範囲であることが好ましい。この坪量が過小であると樹脂組成物の含浸性を十分に得ることが困難となると共に所定の厚みの燃料電池セパレータ1を形成するための必要枚数が多くなり、また坪量が過剰であると燃料電池セパレータ1の厚みの増大を招いてしまう。
また、導電性基材はアセトン浸漬後の引張強度の保持率(アセトン強度の保持率)が60%以上であることが好ましい。前記アセトン強度の保持率R(%)は、下記式(1)に示すように、アセトン浸漬前の導電性基材の引張強度S0に対する、この導電性基材をアセトン中に5分間浸漬させた直後のものの引張強度Sの割合を、百分率で示したものである。ここで、前記引張強度は幅50mm、長さ270mmの寸法の試験片を用い、クロスヘッドスピード(引っ張り速度)を100mm/分として引っ張り応力をかけた場合の、破断が生じた時点での引っ張り応力にて評価される。
R(%)=100×(S/S0) …(1)
アセトン強度を上記範囲とすることで、燃料電池セパレータ1の靱性や強度を更に向上することができる。ここで、このアセトン強度の保持率が60%未満であると、燃料電池セパレータ用プリプレグを作製する際の導電性基材の切断が生じたり、燃料電池セパレータ1の強度向上を十分に為し得なくなるおそれがある。
燃料電池セパレータ用プリプレグは上記のような導電性基材に樹脂組成物を含浸させた後、加熱により樹脂組成物を半硬化状態することで、プリプレグとして得られるものである。
導電性基材に対する樹脂組成物の含浸量は適宜調整されるが、好ましくは樹脂含浸量が50〜150重量%の範囲となるようにする。
また、含浸後の加熱条件は、燃料電池セパレータ用プリプレグにおける樹脂組成物の所望の硬化状態に応じて適宜調整されるが、好ましくは100〜170℃の加熱温度にて加熱を施すものである。前記加熱温度が100℃に満たないと溶媒が残存して燃料電池セパレータ用プリプレグにて得られる燃料電池セパレータ1に内部ボイドが発生するおそれがあり、また170℃を超えると燃料電池セパレータ用プリプレグの外径形状が不均一となって導電性の不均一発生の原因となるおそれがある。
また、このようにして得られる燃料電池セパレータ用プリプレグ中における揮発分の含有量は0.5質量%以下であることが好ましい。この揮発分の含有量C(質量%)は、燃料電池セパレータ用プリプレグを163℃で15分間加熱した場合の、この燃料電池セパレータ用プリプレグ加熱前の質量W0と加熱後の質量Wとに基づき、下記式(2)により導出されるものである。
C(質量%)=100×{(S−S0)/S} …(2)
このように揮発分の含有量を0.5質量%以下とすることで燃料電池セパレータ1形成時のボイド発生を防止して、得られる燃料電池セパレータ1におけるガスリークの発生を防止すると共に導電性低下も防ぐことができるものある。
このように導電性基材に樹脂組成物を含浸、半硬化させて得られた燃料電池セパレータ用プリプレグは、その後、10℃以下の温度で保持することが好ましい。このようにすると、燃料電池セパレータ用プリプレグ中の樹脂成分の硬化反応の進行が抑制されて、長期間、少なくとも半年間は硬化性に変化が生じることなく保存することができるものである。
このような燃料電池セパレータ用プリプレグを用いて燃料電池セパレータ1を作製するにあたっては、所望の燃料電池セパレータ1の形状に応じて燃料電池セパレータ用プリプレグを切断、打ち抜き等して所定形状に形成し、所望の燃料電池セパレータ1の厚み寸法に応じて1枚の燃料電池セパレータ用プリプレグを用い、又はこれを複数枚積層したものを用い、これに対して加熱圧縮成形を施すものである。
この加熱圧縮成形にあたっては、例えば図1に示すような複数個の凸部2が形成されている燃料電池セパレータ1を得るためには、上型と下型にそれぞれ凹部を設けた成形金型が用いられる。この下型の上に、所定枚数を積層して被圧体とした燃料電池セパレータ用プリプレグを載置し、次いで上型をセットし、型締めして加熱圧縮する。
成形条件としては、燃料電池セパレータ用プリプレグの作製に用いた樹脂組成物の組成、燃料電池セパレータ用プリプレグにおける樹脂組成物の硬化度合い、形成される燃料電池セパレータ1の面積、厚み、形状等に応じて適宜調整されるものであるが、例えば温度120〜200℃、加圧力1〜100MPaの範囲で加熱圧縮成形を施すことができる。特に高温で成形するようにすれば成形サイクルを短縮することができるため、効率的に生産することができる。
このように形成される燃料電池セパレータ1の表面粗度Ra(算術平均粗さ;JIS B 0601−2001)は、好ましくは0.8〜1.8μm、更に好ましくは0.9〜1.6μmの範囲となるようにする。かかる表面粗度Raの調整は、例えば燃料電池セパレータ1の表層の樹脂層(スキン層)をブラスト加工等により除去することで行うことができる。このように燃料電池セパレータ1の表面を粗面化すると、燃料電池セパレータ1と、これに隣接する燃料電池の電極との間の接触抵抗を低減し、また燃料電池セパレータ1同士を隣接させる場合にはこの燃料電池セパレータ1同士の間の接触抵抗を低減することができる。
すなわち、燃料電池の電極は一般的に柔軟性であるため、上記のように燃料電池セパレータ1を粗面化することで、前記粗面に沿って電極が変形し、両者の間の接触面積が増大して接触抵抗を低減することができるものである。また、燃料電池セパレータ1同士を接触させる場合には両者の粗面同士がかみ合うことで接触面積が増大し、接触抵抗を低減することができるものである。また、上記のように燃料電池セパレータ1の表層の絶縁性のスキン層を除去することで更に接触抵抗を低減することができるものである。
ここで、上記表面粗度Raが0.9μmに満たないと燃料電池セパレータ1の僅かな反りや厚み精度が影響して接触部分が少なくなるため、接触抵抗を十分に低減することができず、また1.8μmを超えると電極との接触部分及び隣接する他の燃料電池セパレータ1との接触部分の面積が逆に減少してしまって接触抵抗が増大し、この接触部分をシールするシール部分にてガスリークが生じるおそれもある。
このように形成される燃料電池セパレータ1の厚みは特に制限されないが、厚みが0.3mm以下となるように形成することで特に薄型軽量の燃料電池セパレータ1を得ることができる。このとき、設計上の都合等により燃料電池セパレータ1の一部に厚みが0.3mmを超える部分が存在していても良い。この燃料電池セパレータ1の厚みの下限は特に制限されず、燃料電池セパレータ1として必要とされる強度を維持できるように適宜設定される。
また燃料電池セパレータ1はこのように薄型軽量化が可能であると共に、導電性基材を含んでいるために十分な強度を有し、且つ優れた導電性を発揮するものとなる。
この燃料電池セパレータ1は、例えば両面に複数個の凸部2(リブ)を形成して、この隣り合う凸部2同士の間に形成される凹部3により、燃料である水素ガスと、酸化剤である酸素ガスの流路であるガス供給排出用溝を構成し、2枚の燃料電池セパレータ1の間に、固体高分子電解質膜とガス拡散電極(燃料電極と酸化剤電極)とを介在させて、単電池(単位セル)を構成することができ、またこの単位セルを数十個〜数百個並設して電池本体(セルスタック)を形成することができる。
このようにして燃料電池セパレータ1を形成するにあたっては、燃料電池セパレータ1を図1に示すように波板状の形状に形成することで、燃料電池セパレータ1の薄型軽量化を図ると共に、このような薄型の燃料電池セパレータ1であっても、燃料電池セパレータ1に必要とされるガス流路等を形成することができるものである。図1に示す燃料電池背セパレータは、全体的に平板状に形成されていると共にその内側の所定領域において、一面に複数個のリブ状の凸部2が形成されると共に隣り合う凸部2間に溝状の凹部3が形成され、この凹部3にて燃料である水素ガス又は酸化剤である酸素ガスの流路であるガス供給排出用溝が形成されている。また、この燃料電池セパレータ1の他面には、前記一面の凸部2の裏側に凹部3が、前記一面の凹部3の裏側に凸部2がそれぞれ形成され、この凹部3にてガス供給排出用溝が形成され、或いは冷却水が流通する冷却水流路が形成される。このようにすると、燃料電池セパレータ1における凸部2の形成位置の厚みが厚くなることがないことから、燃料電池セパレータ1の薄型軽量化をはかることができるものである。尚、図示の例では、全ての凹部3についてその両側に凸部2が形成されるようにするために、前記凸部2及び凹部3が形成されている領域の縁部では両面に凸部2が設けられているが、この部位を除き、全体として薄型化されているため、十分に薄型軽量化が図られるものである。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
(実施例1〜19、比較例1〜5)
表1,2に示す条件で各原料を配合し、更に溶媒(メチルエチルケトン)を配合して粘度調整を行い、得られた樹脂組成物を表1,2に示す導電性基材に含浸させ、150℃、5分間の条件で加熱することにより、表1,2に示す樹脂付着量の燃料電池セパレータ用プリプレグを得た。
得られた燃料電池セパレータ用プリプレグを表1,2に示す枚数積層し、成形金型を用いて加熱温度175℃、加圧力35.3MPaの条件で2分間加熱圧縮成形を施した後、成形金型を閉じた状態で加圧力を減じ、30秒間保持した後に型開きして、図1に示す波板形状を有すると共に、200mm×250mm×0.2mmの寸法を有する燃料電池セパレータ1を形成した。
尚、表1,2中における各成分の配合量は、質量部で示されている。
(比較例6)
攪拌混合機としてはダルトン製「5XDMV−rr型」を用い、その容器に、表2に示す組成となるように原料を入れ、容器を温水で90℃に加熱した状態で攪拌具を遊星回転させて5分間、攪拌した後、溶媒(イソプロパノール:IPA)を添加した。この溶媒の添加後に更に10分攪拌を続けた。次に90℃で真空ポンプを用いて減圧乾燥して溶媒を完全に除去した。得られた混練物を整粒機で粒径500μm以下に粉砕した。
得られた粉砕物を、温度175℃、圧力34.3MPa(350kg/cm2)の条件で20分間成形し、脱型して、上記実施例1〜19及び比較例1〜5と同一形状を有する燃料電池セパレータ1を形成した。
(樹脂組成物の評価)
・粘度:各実施例及び比較例にて得られた樹脂組成物について、B型粘度計にて25℃における粘度を測定した。
・沈降性:各実施例及び比較例にて得られた樹脂組成物を撹拌した直後に上記と同様にワニス粘度を測定し、次いで10分間経過した後再び同様にワニス粘度測定を行うことで、黒鉛粒子の沈降により生じるワニス粘度の変化を測定した。そして、ワニス粘度の低下が10%未満のものを「○」、この変化が10%以上であるものを「×」と評価した。
・経時変化:各実施例及び比較例にて得られた樹脂組成物を撹拌した直後に上記と同様にワニス粘度を測定し、次いで25℃の雰囲気で168時間経過した後再び同様にワニス粘度測定を行うことで、樹脂組成物の硬化反応の進行等に起因する粘度変化を測定した。そして、粘度の増減率が10%未満のものを「○」、この変化が10%以上のものを「×」と評価した。
(燃料電池セパレータ用プリプレグの評価)
・外観評価:各実施例及び比較例にて得られた燃料電池セパレータ用プリプレグの外観を目視で観察し、すじむらの発生が認められなかったものを「○」、認められたものを「×」と評価した。
・揮発分量:各実施例及び比較例にて得られた燃料電池セパレータ用プリプレグを163℃で15分間加熱し、その前後の質量変化に基づいて導出した。
(燃料電池セパレータの評価)
・成形性:各実施例及び比較例について、燃料電池セパレータ1を作製する際の同一の条件により最薄部の厚みが0.2mmのサンプルを複数個作製し、その最薄部の表面を光学顕微鏡にて観察して、充填不良の有無を確認した。そして全サンプル数に対する充填不良が発生したサンプル数にて評価を行った。
・体積抵抗率:各実施例及び比較例にて得られた燃料電池セパレータ用プリプレグを用い、加熱温度175℃、加圧力20MPaの条件で2分間加熱圧縮成形することにより、平面寸法100mm×100mm、厚み0.2mmの平板を作製し、この平板から平面寸法50mm×50mmのサンプルを切り出して、JIS K 7194に準拠して体積抵抗率を測定した。
・接触抵抗:体積抵抗率測定の場合と同様に形成したサンプルの上下にカーボンペーパーを配置し、更にその上下に銅板を配置し、上下方向に面圧1MPaの圧力をかけた。そして、2枚のカーボンペーパー間の電圧を電圧計で読むと同時に、2枚の銅板間の電流を電流計で読んで抵抗(平均値)を計算した。尚、使用したカーボンペーパーは、東レ社製のTGP−H−Mシリーズ(090M:厚さ0.28mm、120M:厚さ0.38mm)である。
・離型性:成形後の上型及び下型の表面を目視で観察し、この金型表面に付着物が存在しない場合を「○」、付着物が存在する場合を「×」として評価した。
・曲げ強度:各実施例及び比較例1〜5における燃料電池セパレータ用プリプレグを積層して175℃、20MPaで3分間、加熱圧縮成形した。また、比較例6における粉砕物を175℃、20MPaで3分間、加熱圧縮成形した。そして、得られた各成形体の溝のない部分から50mm×10mm×0.2mmの寸法のサンプルを切り出した。このサンプルに対してJIS K6911に準拠し、支点間距離25mm、クロスヘッドスピード1mm/分の条件で曲げ強度を測定した。
Figure 2007059349
Figure 2007059349
本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は平面図、(b)は一部判
符号の説明
1 燃料電池セパレータ

Claims (10)

  1. 平均粒径5〜35μmの黒鉛粒子、熱硬化性樹脂、及びワックスを含有する樹脂組成物を導電性基材に含浸・半硬化して成ることを特徴とする燃料電池セパレータ用プリプレグ。
  2. 上記樹脂組成物が熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含有すると共にその硬化触媒を含有し、且つこの樹脂組成物の固形分に対する上記黒鉛粒子の含有量が65〜90質量%、エポキシ樹脂の含有量が9〜30質量%、ワックスの含有量が0.1〜3質量%、エポキシ樹脂に対する硬化触媒の含有量が0.5〜5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セパレータ用プリプレグ。
  3. 上記導電性基材の坪量が20〜210g/cm2であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池セパレータ用プリプレグ。
  4. 上記樹脂組成物のB型粘度計にて測定される粘度が300〜1000cPの範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池セパレータ用プリプレグ。
  5. 上記導電性基材が炭素繊維ペーパーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池セパレータ用プリプレグ。
  6. 揮発分の含有量が0.5質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池セパレータ用プリプレグ。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の燃料電池セパレータ用プリプレグを成形金型にて加熱圧縮成形することを特徴とする燃料電池セパレータの製造方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の燃料電池セパレータ用プリプレグを成形金型にて加熱圧縮成形して成ることを特徴とする燃料電池セパレータ。
  9. 厚みが0.3mm以下であることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池セパレータ。
  10. 波板状の形状を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の燃料電池セパレータ。
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